(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】煙検知装置
(51)【国際特許分類】
G08B 17/107 20060101AFI20240131BHJP
G01N 21/53 20060101ALI20240131BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
G08B17/107 A
G01N21/53 A
G08B17/00 Z
(21)【出願番号】P 2022094841
(22)【出願日】2022-06-13
(62)【分割の表示】P 2021199521の分割
【原出願日】2015-12-08
【審査請求日】2022-06-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 容造
(72)【発明者】
【氏名】河野 忠嘉
(72)【発明者】
【氏名】菊池 浩生
(72)【発明者】
【氏名】樋口 豊
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-069626(JP,A)
【文献】特表2009-539084(JP,A)
【文献】特開2015-200547(JP,A)
【文献】特開平08-159949(JP,A)
【文献】特開2014-106678(JP,A)
【文献】特開2004-303266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00-17/12
G01N 1/00- 1/44
15/00-15/14
21/00-21/01
21/17-21/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の吸引口を有する吸引ノズルと、
監視区域において前記吸引口から前記吸引ノズルを介して吸引した空気に含まれる煙粒子を検出する検出部と、
前記吸引口から前記吸引ノズルを介して空気を吸引する際の吸引強度を切り替える切替スイッチと、を備え、
前記切替スイッチを操作して前記吸引強度を切り替えることにより前記検出部における前記煙粒子の検出感度を切り替え
、
前記吸引口から前記吸引ノズルを介して吸引した空気の流速を測定する気流センサを備え、前記切替スイッチが操作された際に前記空気の流速に変化がない、または、前記空気の吸引がされていないことが前記気流センサで検出されたら、障害の発生を通知することを特徴とする煙検知装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引ノズルから吸引した空気に含まれる煙粒子を検知する煙検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サーバー等を設置したコンピュータルームや半導体製造設備等におけるクリーンルームには、微小な煙を検知可能な高感度の煙検知装置が設置される。高感度の煙検知装置は、監視区域に設置したサンプリング管から空気を吸引し、吸引した空気中に浮遊する粒子を、レーザー光を用いて光学的に検出し、粒子数が所定以上となった場合に、警報を出力する。
【0003】
このような固定式の煙検知装置の他、可搬型の煙検知装置も知られている。可搬型の煙検知装置は、監視区域に持ち込まれて使用されるもので、空気を吸引する吸引ノズルと、吸引ノズルから吸引した空気中の煙濃度を検出する本体部とを有する。作業者は、可搬型の煙検知装置の本体部を把持し、あるいはショルダーストラップ等で体に固定し、吸引ノズルを手で持って移動する。そして、吸引ノズルを様々な箇所に向けることにより、煙の発生箇所を特定することができる。このような煙検知装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
可搬型の煙検知装置は、本体部と吸引ノズルとに分かれているため、本体部を片方の手で持つか体に固定しておく必要があり、その状態でもう片方の手で持った吸引ノズルを検出対象に向けていくことになる。本体部と吸引ノズルとは可撓性を有するホース部材等で接続されているが、この形態では、吸引ノズルの取り回しが必ずしも容易とは言えない。また、吸引ノズルを検出対象に向けながら本体部を操作することが難しい。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、各種機能を有する煙検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1の発明に係る煙検知装置は、空気の吸引口を有する吸引ノズルと、
監視区域において前記吸引口から前記吸引ノズルを介して吸引した空気に含まれる煙粒子を検出する検出部と、
前記吸引口から前記吸引ノズルを介して空気を吸引する際の吸引強度を切り替える切替スイッチと、を備え、
前記切替スイッチを操作して前記吸引強度を切り替えることにより前記検出部における前記煙粒子の検出感度を切り替え、
前記吸引口から前記吸引ノズルを介して吸引した空気の流速を測定する気流センサを備え、前記切替スイッチが操作された際に前記空気の流速に変化がない、または、前記空気の吸引がされていないことが前記気流センサで検出されたら、障害の発生を通知することを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る煙検知装置によれば、煙粒子の検出感度を容易に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態における煙検知装置の平面図である。
【
図4】把手部を手で把持した状態の煙検知装置の平面図である。
【
図5】煙検知装置の構成を表したブロック図である。
【
図7】筐体の重心位置を調整した場合の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の煙検知装置は、可搬型であって、作業者が手で持って監視区域内を移動し、煙の発生箇所を特定するために用いられる。
図1には本実施形態における煙検知装置の平面図を、
図2には煙検知装置の正面図を、それぞれ示している。これら各図に示すように、本実施形態の煙検知装置は、手で持つことができる筐体1を有している。
【0011】
筐体1は、略直方体の箱状をなすように形成されている。筐体1の一面からは、吸引ノズル10が一方向に向かって伸びるように設けられている。吸引ノズル10は、筐体1に直結される中空状のパイプ部11を有し、その先端は開口した吸引口12となっている。吸引口12は筐体1の内部と連通しており、吸引口12から吸引した空気を、筐体1内に取り込むことができる。また、パイプ部11の内部には、吸引した空気の流速を測定できる気流センサ13が設けられる。
【0012】
筐体1の吸引ノズル10が設けられる面と直交する面には、把手部15と煙濃度表示部16と電源スイッチ25及び風速切替スイッチ22aが設けられる。把手部15は、作業者が手で把持できる持ち手状に形成されている。また、煙濃度表示部16は、バーグラフ状の表示部分であって、検知した煙濃度をリアルタイムに表示することができる。なお、煙濃度表示部16としては、バーグラフ状のものには限られず、煙濃度を数値で表示するものや、指示計で表示するものなど、別の形態であってもよい。また、煙濃度表示部16には、表示する煙濃度のレンジを切替えるスイッチ、あるいはレンジを連続的に変化させるボリュームスイッチを設けることもできる。電源スイッチ25は、煙検知装置における電源供給のオンオフ操作を行うことができる。風速切替スイッチ22aは、吸引ノズル10で吸引する空気の流速を切替えることができる。
【0013】
筐体1の吸引ノズル10が設けられる面及び把手部15や煙濃度表示部16が設けられる面と直交する面には、リセットスイッチ26、警報表示部27及び操作部であるファンスイッチ28が設けられる。リセットスイッチ26は、煙検知装置においてエラーが発生した場合に、正常状態に復帰させる際に操作される。また、ファンスイッチ28は、筐体1内に設けられる吸引ファンのオン、オフ操作を行うことができる。煙検知を行う際には、筐体1内の吸引ファンをオンにし、作業者が移動する際などには吸引ファンをオフにすることで、必要なときのみ吸引ファンを動作させることができる。これにより、電池の消費を抑えることができる。
【0014】
図3には、警報表示部27の拡大図を示している。警報表示部27は、検知した煙濃度の増加に対応して、注意灯、警戒灯及び警報灯を有している。また、電源供給を示す電源灯、障害発生を示す障害代表灯及び吸引系統の詰まりを示す吸引チェック灯を有している。
【0015】
図4には、把手部15を手で把持した状態の煙検知装置の平面図を示している。この図に示すように、把手部15を作業者が片方の手で把持することで、筐体1を持つことができる。筐体1には、把手部15と吸引ノズル10とがいずれも一体的に設けられているので、作業者が把手部15を手で把持し、その手の向きを変えることにより、吸引ノズル10の向く方向も変えることができる。
【0016】
図5には、煙検知装置の構成を表したブロック図を示している。この図に示すように、筐体1は、煙検知装置の制御を行う制御部20と、煙濃度の検出を行う煙検知ユニット21と、空気の吸引を行う吸引ユニット22と、煙検知装置に電源を供給する電源部23とを有している。煙検知ユニット21と吸引ユニット22は、制御部20によって動作が制御される。電源部23は、充電池からなる。
【0017】
また、制御部20には、煙濃度表示部16と、電源スイッチ25及びリセットスイッチ26が接続される。電源スイッチ25がオフからオンに操作されると、電源部23から各部に対し電源が供給され、制御部20や煙検知ユニット21、吸引ユニット22等が動作状態となる。
【0018】
さらに、制御部20には、前述の警報表示部27、ファンスイッチ28、風速切替スイッチ22a、気流センサ13及び音響出力可能なスピーカーなどからなる音響出力部29が接続される。制御部20からは、正常、注意、警戒、警報、障害などの状態に応じて音声信号が出力され、音響出力部29は当該音声信号に基づくブザー鳴動あるいは音声出力を行う。風速切替スイッチ22aは、制御部20を介して吸引ユニット22による吸引強度を切替えることができる。これにより、吸引口12から吸引される空気の流速を変更できる。
【0019】
風速切替スイッチ22aの切替に伴い、前述した煙濃度表示部16において表示する煙濃度のレンジを、制御部20により自動的に切替えるようにしてもよい。例えば、風速切替スイッチ22aを操作して、吸引口12から吸引される空気の流速を大きくした場合には、煙の検出をより高感度に行うことが可能となることから、煙濃度表示部16もより細かい数値のレンジに変更する。逆に、吸引口12から吸引される空気の流速を小さくした場合には、煙濃度表示部16を大きい数値のレンジに変更する。これにより、煙濃度表示部16のレンジを自動的に適切となるように設定できる。
【0020】
煙検知ユニット21は、吸引ノズル10を介して吸引した空気を引込管に取込み、この引込管を流れる気流に対し、レーザー光を結像させ、1マイクロメートル程度の検煙点を形成する。この検煙点を煙粒子が通過する際に発生する散乱光を、レーザー光の電界成分Eの方向と平行に配置したフォトダイオードにより受光し、検出パルスを出力してカウントし、このカウント数により微小な煙濃度を検出することができる。煙検知ユニット21で検出した煙濃度の情報は、制御部20に送られ、制御部20は、煙検知ユニット21で検出した煙濃度に応じた表示を煙濃度表示部16にさせることができる。
【0021】
吸引ユニット22は、内部に吸引ファンを有し、これによって吸引ノズル10の吸引口12から空気を吸引することができる。吸引ノズル10から吸引された空気は、前述のように煙検知ユニット21に取り込まれる。また、筐体1の底面には図示しないが排出口が形成されており、この排出口から空気が排出される。
【0022】
吸引ノズル10のパイプ部11内に設けられる気流センサ13は、吸引ユニット22により空気が吸引されている際に、パイプ部11内の空気の流速を測定し、制御部20にその情報を送信する。これにより、風速切替スイッチ22aによる切替状態や空気の吸引がされていないことを制御部20で把握できる。風速切替スイッチ22aが操作されたにも関わらず、空気の流速が変化していない場合や、空気の吸引がされていないことが検出された場合、制御部20は警報表示部27に障害発生を表示させると共に、音響出力部29から障害発生の音声を発生させる。
【0023】
また、気流センサ13で検出された空気の流速を基に、吸引ファンの制御や煙濃度表示部16のレンジ調整を、制御部20により行うことができる。吸引ファンの制御や煙濃度表示部16のレンジ調整は以下のように行う。まず、最初は気流センサ13で検出される空気の流速が高くなるように吸引ファンを制御する。このときは吸引量が大きいため、煙の量が少なくても検出が可能な高感度状態である。また、この状態において、煙濃度表示部16を細かい数値のレンジとすることで、僅かな煙の検出についても煙濃度表示部16で適切に表示することができる。
【0024】
高感度状態では、空気の吸引量が大きく、吸引ノズル10の周辺の空気の流れを乱してしまうことから、煙発生箇所を正確に特定することが難しいことがある。そこで、高感度状態で煙を検出したら、制御部20は、気流センサ13で検出される空気の流速が小さくなるように吸引ファンを制御し、低感度状態とする。この状態において、煙濃度表示部16を大きい数値のレンジとすることで、煙の発生場所を煙濃度表示部16によって正確に特定することができる。
【0025】
なお、気流センサ13は、本実施形態ではパイプ部11の内部に設けられているが、これに限らず、筐体1内の空気の流路に設けることもできる。例えば煙検知ユニット21の直前などに気流センサ13を配置することができる。
【0026】
電源部23は、電源回路部24と接続されている。電源回路部24は、ACコンセントに接続可能なACプラグを接続することができ、AC100ボルトを入力することで、所定の直流電圧に変換して電源部23に出力することができる。これにより、電源部23には、電源回路部24から電力が入力され、充電がなされる。
【0027】
次に、本実施形態の煙検知装置の使用方法について説明する。監視区域には、固定式の煙検知装置が設置されており、この煙検知装置において所定以上の煙濃度が検出された場合に、作業者が本実施形態の煙検知装置を持って、監視区域の煙発生場所を特定する作業を行う。このとき、作業者は、筐体10の把手部15を片方の手で持って作業を行う。
【0028】
作業者は、電源スイッチ25をオフからオンに操作し、煙検知装置の電源を投入する。次に、作業者は、煙が発生しそうな場所、例えば、監視区域がコンピュータルームである場合には、サーバーの近くまで移動する。煙が発生しそうな場所に到達したら、作業者は、ファンスイッチ28を操作して、吸引ユニット22を動作させる。その上で、吸引口12を各所に向けて空気を吸引し、煙検知ユニット21において煙濃度を検出する。煙濃度は、手元の煙濃度表示部16で表示されるので、作業者は煙濃度をリアルタイムに把握することができる。また、煙濃度のレベルに応じて、筐体1の警報表示部27の表示状態が変化し、吸引口12を向けた場所から煙が発生していた場合には、そのことをすぐに把握することができる。
【0029】
本実施形態の煙検知装置は、把手部15を有する筐体1に吸引ノズル10や煙検知ユニット21などが一体的に設けられているので、作業者は片手で吸引口12を様々な場所に向けることができ、取り回しが容易である。また、吸引ノズル10を様々な場所に向けながらでも、筐体1に設けられたスイッチ等を容易に操作することができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうる。例えば、本実施形態において、把手部15は持ち手状に形成されているが、筐体1を手で把持できる形状であれば他の形状であってもよい。また、把手部は複数形成されていてもよく、その場合、吸引ノズル10のうち筐体1に近い部分に設けてもよい。
【0031】
また、吸引ノズル10の先端部の吸引口12近傍に、マイクロスイッチなどからなる作動スイッチを設けてもよい。作動スイッチは、制御部20に接続され、押圧によりオフからオンに切り替わる。吸引ノズル10を検出対象に近づけ、吸引口12近傍の作動スイッチが検出対象に当接してオンになったら、吸引ユニット22を動作させて煙検知ユニット21に空気を吸引する。これにより、検出対象に吸引口12が近づいた際にのみ、吸引ユニット22を動作させることができるので、電池の消費を抑えることができる。
【0032】
また、吸引ノズル10は、筐体1に対し着脱自在であってもよい。この場合、煙検知装置を保管する際には、吸引ノズル10を筐体1から取り外して、収納性を良好にすることができる。
【0033】
さらに、吸引ノズルが伸縮可能に構成されていてもよい。伸縮可能とした吸引ノズル30の断面図を
図6に示している。伸縮可能な吸引ノズル30は、例えば第1パイプ部材31と第2パイプ部材32とを有している。第1パイプ部材31の一方の端面は、小径状の開口部31aを有している。また、第1パイプ部材31の他方の端面は、第2パイプ部材32の外径に略適合する開口部31bを有している。第2パイプ部材32の一方の端部は、第1パイプ部材31の中空内部に配置され、端面には開口部32aが形成されている。また、第2パイプ部材32の第1パイプ部材31の中空内部に配置されている部分には、径方向に突出する突状部32bが形成されており、第1パイプ部材31の内径に略適合している。突状部32bの外径は、第1パイプ部材31の開口部32aよりも大きく、したがって、第2パイプ部材32を伸ばした場合に、突状部32bが第1パイプ部材31の開口部32aから出ることはできず、その位置で止まることができる。また、第2パイプ部材32は、図中破線で示すように、第1パイプ部材31に対してスライドし、中空内部に収納することができる。第2パイプ部材32の突状部32b側の端部は、第1パイプ部材31の開口部31a側の端面に当接し、それ以上移動しないようにすることができる。これにより、第2パイプ部材32を第1パイプ部材31内に収納できるから、吸引ノズル30の長さを短くし、収納性をより良好にすることができる。また、開口部によって各パイプ部材の中空内部は長さ方向に連通しているので、空気の吸引も確実に行うことができる。
【0034】
吸引ノズル10または筐体1の重心位置を調整することにより、取り回しをより容易にすることもできる。吸引ノズル10は長尺状であるため、先端側の重量が大きいと取り回しがしにくい。そこで、そこで、吸引ノズル10の先端側ほど肉厚が小さくなるようにするなどして、重心が根元側に偏るように構成することで、吸引ノズル10を各所に向ける取り回し性を良好にすることができる。
【0035】
また、筐体1の内部における重量物の配置により、筐体1の重心位置を調整することもできる。
図7には、筐体1の重心位置を調整した場合の正面図を示している。筐体1内には、バッテリー等の重量物が設けられるので、その配置位置を調整することにより、筐体1の重心位置1aを、把手部15の中央位置よりも吸引ノズル10が設けられる面と反対側寄りとすることができる。また、筐体1の重心位置1aは、筐体1の把手部15が設けられる上面と反対側の下面寄りとなることが望ましい。この筐体1に設けられた把手部15を手で持つことにより、筐体1は吸引ノズル10側が上を向くように傾く。煙は上方に上がっていくため、吸引ノズル10を向ける場所は高所が多い。このため、煙検知装置においては吸引ノズル10が上を向くように筐体1が傾くことにより、取り回し性をより良好にすることができる。
【0036】
筐体1の重心位置は、必ずしも把手部15の中央位置よりも後寄りとならなくてもよく、できるだけ後寄りとなるように重量物の配置を調整してもよい。これによっても、筐体1を持った際の吸引ノズル10の取り回し性は良好にすることができる。また、筐体1の重心位置を調整するために、錘部材を筐体1内に配置するようにしてもよい。さらに、把手部15の筐体1における位置を調整することにより、筐体1の重心位置との相対位置を変化させ、吸引ノズル10が上を向きやすいようにすることもできる。
【符号の説明】
【0037】
1 筐体
10 吸引ノズル
11 パイプ部
12 吸引口
15 把手部
16 煙濃度表示部
20 制御部
21 煙検知ユニット
22 吸引ユニット
23 電源部
24 電源回路部
25 電源スイッチ
26 リセットスイッチ
27 警報表示部
28 ファンスイッチ