(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-30
(45)【発行日】2024-02-07
(54)【発明の名称】温度適応型レオロジープロファイルの添加剤
(51)【国際特許分類】
C08G 18/40 20060101AFI20240131BHJP
C08L 75/08 20060101ALI20240131BHJP
【FI】
C08G18/40 018
C08L75/08
(21)【出願番号】P 2022507770
(86)(22)【出願日】2020-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020071878
(87)【国際公開番号】W WO2021023734
(87)【国際公開日】2021-02-11
【審査請求日】2022-02-07
(32)【優先日】2019-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596089399
【氏名又は名称】ビック-ケミー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】アラン エル.シュタインメッツ
(72)【発明者】
【氏名】ユスティン アダムス
(72)【発明者】
【氏名】レーネ ナーゲルスディーク
(72)【発明者】
【氏名】ドンナ ベネフィール
(72)【発明者】
【氏名】ディアナ バルター
(72)【発明者】
【氏名】アーロン オスボルネ
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク エム.ツォディー
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-060939(JP,A)
【文献】特開平11-255858(JP,A)
【文献】特開2002-322235(JP,A)
【文献】米国特許第05993972(US,A)
【文献】特表平08-504459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0106153(US,A1)
【文献】特開2008-231421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00 - 18/87
C08G 71/00 - 71/04
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/16
C08G 65/00 - 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含むポリマーPであって、
i)前記少なくとも1つのセグメントS1は、6,000~25,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その少なくとも75重量%が式-[CH
2-CH
2-O-]-の反復単位であり、
ii)前記少なくとも1つのセグメントS2は、最大で10,000g/molの数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その最大で25重量%が式-[CH
2-CH
2-O-]-の反復単位であり、
iii)前記ポリマーPは、ヒドロキシル、一級アミン又はその塩、二級アミン又はその塩、及びカルボン酸又はその塩のうちの少なくとも1つを含む末端基を含み、
前記セグメントS2が、式-[CH(CH
3)-CH
2-O]-の反復単位を少なくとも75重量%含み、
前記セグメントS1と前記セグメントS2との間の共有結合は、ウレタン基、尿素基、又はアミノプラストエーテル基のうちの少なくとも1つを含み、
前記ポリマーPが、8,000~50,000g/molの範囲内の数平均分子量を有する、
前記ポリマーP。
【請求項2】
前記共有結合が2つのウレタン基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記ポリマーPが、前記ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS1を33~80重量%含む、請求項1又は2に記載のポリマー。
【請求項4】
前記ポリマーPが、前記ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS2を20~67重量%含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項5】
前記少なくとも1つのセグメントS2は、2,000~10,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、式-[CH
2-CH
2-O-]-の反復単位が最大で25重量%である、請求項1~4のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項6】
前記末端基がアルキルエーテル基を含有しない、請求項1~5のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項7】
前記ポリマーPが少なくとも2つのセグメントS2を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
1つのセグメントS1が2つのセグメントS2の間に位置する、請求項7に記載のポリマー。
【請求項9】
a)水、
b)不揮発性膜形成性成分、及び
c)互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含むポリマーPであって、
i)前記少なくとも1つのセグメントS1は、6,000~25,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その少なくとも75重量%が式-[CH
2-CH
2-O-]-の反復単位であり、
ii)前記少なくとも1つのセグメントS2は、最大で10,000g/molの数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その最大で25重量%が式-[CH
2-CH
2-O-]-の反復単位であり、
iii)前記ポリマーPは、ヒドロキシル、一級アミン又はその塩、二級アミン又はその塩、及びカルボン酸又はその塩のうちの少なくとも1つを含む末端基を含み、
前記セグメントS2が、式-[CH(CH
3)-CH
2-O]-の反復単位を少なくとも75重量%含み、
前記セグメントS1と前記セグメントS2との間の共有結合は、ウレタン基、尿素基、又はアミノプラストエーテル基のうちの少なくとも1つを含む、前記ポリマーP、並びに
任意に、成分c)とは異なる増粘剤d)
を含む、液体組成物。
【請求項10】
前記組成物が、成分c)とは異なる増粘剤d)をさらに含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
40℃での回転粘度が、同じせん断速度での4℃での回転粘度と最大で45%異なり、前記せん断速度が少なくとも、0.4(1/s)、82.5(1/s)、及び909(1/s)のいずれかを含む、請求項9又は1
0に記載の組成物。
【請求項12】
水及び不揮発性成分を含む組成物の粘度の温度依存性を調整するための、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含むポリマーPと、前記ポリマーP、水、及び不揮発性膜形成性成分を含む液体組成物と、組成物の粘度の温度依存性を調整するための前記ポリマーPの使用とに関する。
【背景技術】
【0002】
コーティング組成物などの液体配合物は、通常、温度の上昇に伴う粘度低下を特徴とするレオロジー挙動を示す。コーティング組成物、特に外部コーティングに使用される水性コーティング組成物の場合、昼/夜のサイクル中の温度変化のような、塗布及び塗膜の乾燥の温度範囲内の温度にあまり依存しない又は依存しない粘度を有することが非常に望ましいであろう。
【0003】
温度は粘度に影響を与え、塗布中及び塗布後の塗膜の特性に影響を与える。通常、冷たい塗料は粘度が高すぎるという問題がある。塗料が流れにくく、見た目の良くないブラシ跡が残る。気泡が閉じ込められる場合もある。暖かい塗料は流れやすいことがよくある。塗布後に塗料が流れて滴り落ち、垂れて見た目が雑になる場合がある。最終的な膜は薄すぎる可能性があり、充分な厚さを達成するために複数回のコーティングが必要になる。これらの粘度の変化は、高温及び低温の気候での保管及び輸送中の塗料の安定性にも影響を与え得る。したがって、塗料塗布者は、広い温度範囲及びせん断速度範囲にわたって同様の性能特性を有する配合物を有するものを得たい。
【0004】
米国特許第7,432,325号明細書は、エトキシル化共ポリマー及びアルコキシル化共ポリマーを非イオン性会合性増粘剤として記載している。これらのポリマーは、連結基を含有するウレタン又は尿素の後に1~約24個の炭素原子を含む末端疎水性物質を含有する。アルキレンオキシド単位は、好ましくはプロピレンオキシドである。例には、分子量が2000g/mol未満のポリプロピレンオキシドセグメントが挙げられる。この文献に記載される増粘剤の一部は、低せん断速度で温度と共に粘度が上昇する。
【0005】
国際公開第94/16044号パンフレットは、プロピレングリコール及び所望によりポリエチレングリコールをジイソシアネート及び/又はジカルボン酸と反応させることによって得られる洗剤用の泡調整剤に関する。例には、低濃度の低分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0006】
米国特許第4,327,008号明細書は、分岐構造、尿素結合、及び末端疎水性基を有する非イオン性会合性増粘剤を記載している。これらのポリマーは、ポリアルキレンオキシド、多官能性材料、ジイソシアネート、水、及び単官能性活性水素含有化合物又はモノイソシアネートからエンドキャップフリーのイソシアネート又はヒドロキシル基との生成物である。この文献では、粘度の温度依存性については説明していない。
【0007】
増粘剤として適切であり、粘度の温度依存性が低いか又は低下した液体組成物を配合するのに適したポリマーが継続的に必要とされている。これは、組成物のチキソトロピー挙動を維持するために、様々なせん断速度で関心となっている。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明は、従来の配合物が示す温度の上昇に伴う粘度低下に対抗する増粘剤として適切な新しいポリマーを提供することを目指している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含むポリマーPであって、
i)前記少なくとも1つのセグメントS1は、6,000~25,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その少なくとも75重量%が式-[CH2-CH2-O-]-の反復単位であり、
ii)前記少なくとも1つのセグメントS2は、最大で10,000g/molの数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その最大で25重量%が式-[CH2-CH2-O-]-の反復単位であり、
iii)前記ポリマーPは、ヒドロキシル、一級アミン又はその塩、二級アミン又はその塩、及びカルボン酸又はその塩のうちの少なくとも1つを含む末端基を含む、前記ポリマーPを提供する。
【0010】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのセグメントS1の数平均分子量は、6,000g/mol超であり、より好ましくは7,000g/mol超であり、さらに好ましくは8,000g/mol超である。
【0011】
さらに好ましくは、少なくとも1つのセグメントS1の数平均分子量が25,000g/mol未満であり、より好ましくは20,000g/mol未満であり、さらにより好ましくは15,000g/mol未満であり、最も好ましくは10,000g/mol未満である。
【0012】
別の実施形態では、全てのセグメントS1の数平均分子量は、所与の範囲内にある。
【0013】
セグメントS1の単位は、少なくとも80重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する反復単位からなることが好ましい。セグメントS1の反復単位は、少なくとも85重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位からなることが非常に好ましい。セグメントS1の反復単位は、少なくとも90、95、又はさらに98重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位からなることがさらにより好ましい。一実施形態では、セグメントS1は、式-[CH2-CH2-O-]-を有する反復単位のみからなる。
【0014】
セグメントS2の反復単位は、最大で20重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位からなることが好ましい。セグメントS2の反復単位は、最大で15重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位からなることが非常に好ましい。セグメントS2の反復単位は、最大で10、5、又はさらに2重量%が、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位からなることがさらにより好ましい。一実施形態では、セグメントS2は、式-[CH2-CH2-O-]-を有する単位を含まない。
【0015】
適切には、セグメントS2は、式-[CH(CH3)-CH2-O]-の反復単位を少なくとも75重量%含む。
【0016】
好ましくは、セグメントS2の反復単位は、少なくとも80重量%が、式-[CH(CH3)-CH2-O]-を有する単位からなる。セグメントS2の単位は、少なくとも85重量%が、式-[CH(CH3)-CH2-O]-を有する単位からなることが非常に好ましい。セグメントS2の単位は、少なくとも90、95、又はさらに98重量%が、式-[CH(CH3)-CH2-O]-を有する単位からなることがさらにより好ましい。一実施形態では、セグメントS2は、式-[CH(CH3)-CH2-O]-を有する反復単位のみを含有する。
【0017】
好ましい実施形態では、少なくとも1つのセグメントS2の数平均分子量は、2000g/mol超であり、より好ましくは3,000g/mol超である。少なくとも1つのセグメントS2の数平均分子量が10,000g/mol未満であることがさらに好ましく、より好ましくは8,000g/mol未満であり、さらにより好ましくは6,000g/mol未満である。
【0018】
セグメントS1及びセグメントS2の数平均分子量は、例えば滴定によって、ヒドロキシル末端セグメントのヒドロキシル基含有量を測定することによって適切に決定され得る。
【0019】
代表的な実施形態では、セグメントS1とセグメントS2との間の共有結合は、アミド基、ウレタン基、尿素基、エーテル基、エステル基、多糖類基、アミノプラストエーテル基、アセタール基、又はケタール基のうちの少なくとも1つを含む。好ましい実施形態では、共有結合は、ウレタン基及び尿素基のうちの少なくとも1つを含む。前記共有結合が2つのウレタン基を含むことがより好ましい。
【0020】
適切には、ポリマーPが、ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS1を33~80重量%含む。好ましくは、ポリマーPは、ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS1を33~72重量%、より好ましくは50~62重量%含む。
【0021】
適切には、ポリマーPが、ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS2を20~67重量%含む。好ましくは、ポリマーPは、ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS2を28~67重量%、より好ましくは38~50重量%含む。
【0022】
好ましい実施形態では、ポリマーPの末端基は、ヒドロキシル、一級アミン又はその塩、二級アミン又はその塩、カルボン酸又はその塩から選択される基からなる。好ましい実施形態では、前記末端基はアルキルエーテル基を含有しない。
【0023】
好ましくは、前記末端基は、ヒドロキシル基及びアミン基又はそれらの塩から選択される。最も好ましくは、全ての末端基はヒドロキシル基である。
【0024】
前記ポリマーPは、適切には、8,000~50,000g/molの範囲内の数平均分子量を有する。前記ポリマーPの数平均分子量は、概して、校正標準としてポリエチレンオキシド及び溶離液としてテトラヒドロフランを使用するゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される。
【0025】
上記のように、前記ポリマーP、互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含む。いくつかの実施形態では、前記ポリマーは、1つのセグメントS1及び1つのセグメントS2のみを含有する。他の実施形態では、前記ポリマーは2つ以上のセグメントS2を含有する。前記ポリマーの好ましい実施形態では、1つのセグメントS1が2つのセグメントS2の間に位置する。
【0026】
本発明のポリマーPは、概して公知の化学反応によって得ることができる。例えば、ポリマーPは、セグメントS1を含む分子及びセグメントS2を含む他の分子、例えば、セグメントS1を含むアミン官能性ポリマー及びセグメントS2を含むイソシアネート官能性ポリマーを互いに直接反応させて共有結合として尿素基を提供することによって得ることができる。別の例では、共有結合は、セグメントS1又はS2を含有しているプレポリマーにアルコキシル化反応を付与することによって確立することができる。好ましい実施形態では、セグメントS1とセグメントS2との間の共有結合は、セグメントS1を含むプレポリマー及びセグメントS2を含む他のプレポリマーを非高分子多官能性分子と反応させて両セグメントを互いに結合させることによって確立される。
【0027】
本発明のポリマーPは、以下の工程を含むプロセスによって適切に調製される。
i)6,000~25,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その少なくとも75重量%が式-[CH2-CH2-O-]-の反復単位であるヒドロキシル又は一級アミン末端セグメントS1を提供すること。
ii)最大で10,000g/molの数平均分子量を有し、ポリエーテル反復単位からなり、その最大で25重量%が式-[CH2-CH2-O-]-の反復単位であるヒドロキシル又は一級アミン末端セグメントS2を提供すること。
iii)2つ以上のヒドロキシル又は一級アミン反応性基を有する分子。
iv)前記セグメントS1及びセグメントS2並びに2つ以上のヒドロキシル又は一級アミン反応性基を有する分子を反応させてポリマーPを形成すること。
【0028】
連結基がウレタン基及び/又は尿素基であるポリマーPは、ヒドロキシル及び/又はアミン官能基を有するセグメントS1及びセグメントS2を、官能性を有するイソシアネート分子、すなわち少なくとも2つのポリイソシアネートと反応させることによって得られることが好ましい。好ましくは、これらのポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,6-及び2,4-トルエンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、2,2,4-及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、メタテトラメチルキシレンジイソシアネート(TMXDI)、2,2’-及び2,4’-及び4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,2’-及び2,4’-及び4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)(水素化MDI)、並びにそれらの混合物から選択される。2つのイソシアネート基を有する非常に好ましいポリイソシアネートには、TMDI、TMXDI、及び水素化MDIが挙げられる。3つ以上のイソシアネート基を有する非常に好ましいポリイソシアネートには、HDIイソシアヌレート(三量体)及びIPDIイソシアヌレート(三量体)などのイソシアヌレート及びビウレット三量体、並びに過剰のジイソシアネートとの多官能性アルコール(トリメチロールプロパンなど)の反応生成物が挙げられる。
【0029】
本発明のポリマーPを提供するための合成反応条件は、セグメントS1とセグメントS2との間に確立される共有結合の種類によって決まる。
【0030】
S1及びS2がウレタン結合を介して連結される非常に好ましい実施形態では、ポリマーPの構築するヒドロキシル官能性プレポリマーS1及びS2とポリイソシアネートとの反応は、20~120℃の温度範囲内で適切に行われるが、必要に応じて、この範囲外の温度も可能である。好ましい温度範囲は、50~100℃、特に60~90℃である。必要に応じて、イソシアネート基とヒドロキシル基との間の反応を触媒するための触媒の存在下で反応を実施してもよい。そのような触媒は当技術分野で周知である。このプロセスは、溶媒の非存在下又は存在下で実施され得る。いくつかの実施形態では、溶媒の非存在下でプロセスを実施することが好ましい。このプロセスは、バッチプロセスとして又はセミバッチプロセスとして実施してもよい。
【0031】
一実施形態では、前記プロセスは、反応物が連続的に反応帯に供給され、反応帯を通過し、ポリマーPが反応帯から連続的に除去される連続的な方法で実施される。反応物は、個別に又はプレミックスとして反応帯に供給され得る。連続プロセスに適した装置には、押出機又は混練機、例えば二軸スクリュー押出機、例えばCRP-63又はCRP-630(LIST AG社、バーゼル、スイス)などの機械が挙げられる。
【0032】
本発明のポリマーPは、水性液体組成物中のレオロジー制御剤として非常に適している。したがって、本発明はさらに、
a)水、
b)不揮発性膜形成性成分、及び
c)本発明に係るポリマーPを含む液体組成物に関する。
【0033】
前記組成物は、20℃の温度で液体である。概して、前記液体組成物において使用される主な又は唯一の液体希釈剤は水である。好ましくは、前記組成物は、液体配合物中の水及び有機溶媒の総重量に基づいて、35重量%未満、25重量%、20重量%、又はさらに10重量%未満の(揮発性)有機溶媒を含有する。いくつかの実施形態では、前記組成物は揮発性有機溶媒を含有しない。概して、前記組成物中に存在する水は、連続的な液相を形成する。
【0034】
「非揮発性」とは、大気圧で300℃を超える沸点を有する成分、又は大気圧において沸点未満で分解する成分を指す。
【0035】
膜形成性成分には、有機及び無機結合剤、ポリマー、樹脂、反応性希釈剤、可塑剤、重合性単量体、及び架橋剤が含まれる。好ましい実施形態では、膜形成性成分は疎水性である。「疎水性」とは、接触角が90℃以上であることを意味する。接触角は、ASTM D7334-08に従って適切に決定され得る。特定の実施形態において、疎水性表面は、>120°又は>140°の接触角を示し得る。疎水性液体組成物は、概して水に非混和性である。
【0036】
膜形成性結合剤及びポリマーの例には、アクリル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ケイ酸塩バインダー、及びポリ酢酸ビニル、並びにそれらの混合及び組み合わせが挙げられる。
【0037】
従来の増粘剤、例えば従来の会合性増粘剤と組み合わせた場合、本発明のポリマーは、水性組成物の粘度の望ましい平坦な温度応答を付与することができる。
【0038】
したがって、好ましい実施形態では、前記液体組成物は、成分c)とは異なる増粘剤d)をさらに含む。
【0039】
増粘剤d)の例は、米国特許第4,079,028号明細書及び第4,155,892号明細書に記載されている疎水性修飾エトキシル化ウレタン、米国特許第5,627,232号明細書及び第5,914,373号明細書に記載されている疎水性修飾アミノプラスト増粘剤などの会合性増粘剤、アルカリ膨潤性エマルジョン及び疎水性修飾アルカリ膨潤性エマルジョンなどのアクリレート増粘剤、グアーガム、キサンタン、セルロースエーテル、及びエステルなどの多糖類及びその誘導体、粘土系増粘剤、発熱性シリカ、米国特許第4,327,008号明細書に記載されている尿素ウレタンなど尿素系増粘剤、又はアミド系及びポリアミド系増粘剤である。
【0040】
前記液体組成物の好ましい実施形態において、成分a)、b)、c)、及びd)の重量の合計に基づいて計算したときに、成分a)が少なくとも30.0~89.9重量%の量で存在し、成分b)が5.0~40.0重量%の量で存在し、成分c)が0.1~8.0重量%の量で存在し、成分d)が0.0~4.0重量%の量で存在する。
【0041】
概して、本発明のポリマーPは、水性液体組成物中に、液体組成物の総重量に基づいて計算したときに、少なくとも0.1重量%、例えば、0.2若しくは0.3重量%、又は好ましくは少なくとも0.5重量%の量で存在する。
【0042】
概して、本発明のポリマーPは、水性液体組成物中に、液体組成物の総重量に基づいて計算したときに、最大で9.0重量%、例えば、7.0若しくは6.0重量%、又は好ましくは最大で5.0重量%の量で存在する。
【0043】
いくつかの実施形態では、前記液体組成物は、成分a)~d)とは異なる固体粒子e)をさらに含む。固体粒子e)の例には、顔料、充填剤、及びそれらの組み合わせが挙げられる。前記組成物は、水性組成物で概して使用される他の成分及び添加剤、例えば、有機共溶媒、消泡剤、分散助剤、及びUV安定剤を含み得る。
【0044】
本発明の好ましい実施形態では、40℃での前記液体組成物の回転粘度が、同じせん断速度での4℃での回転粘度と最大で45%異なり、せん断速度が少なくとも0.4(1/s)、82.5(1/s)、及び909(1/s)のいずれかを含む。レオロジー特性は、ISO3219:1993標準試験法に従って、MCR 502レオメーター(アントンパール社(Anton Paar GmbH)、グラーツ、オーストリア)及びコーンプレートによるジオメトリー(直径25mm)によって測定した。
【0045】
前記液体組成物は、コーティング組成物、ポリマー組成物、化粧品組成物、ワックスエマルジョン、化粧品組成物、噴霧剤、建設用途の配合物、金属加工油剤、潤滑剤、ガス及び石油生産用液体、クリーナー、又は接着剤などの様々な分野に適用することができる。
【0046】
コーティング組成物又はインクである液体組成物は、自動車用コーティング、建設用コーティング、保護用コーティング、船舶用及び橋梁用コーティング、缶及びコイルコーティング、木材及び家具コーティング、装飾及び建築コーティング、床コーティング、工業用コーティング、プラスチックコーティング、ワイヤーエナメル、食品及び種子コーティング、天然皮革及び人工皮革両方の皮革コーティング、並びにLCディスプレイに使用されるカラーレジストといった様々な用途分野で使用することができる。コーティング材料には、通常、固形分が多く、液体成分含有量が少ないペースト状の材料が含まれ、例えば、顔料ペースト又は効果顔料ペースト(アルミニウム、銀、真鍮、亜鉛、銅、金青銅のような青銅、酸化鉄-アルミニウムをベースにした顔料を使用)である。効果顔料の他の例は、干渉顔料及び金属酸化物-マイカ顔料、酸化ビスマス、又は塩基性炭酸鉛のような真珠光沢顔料である。
【0047】
ポリマー又はプレポリマー組成物は、好ましくは、化学的架橋プロセスによって硬化されるプラスチック化合物を製造するための水性液体出発物質であり得る。
【0048】
化粧品組成物は、パーソナルケア及びヘルスケアの目的で使用されるあらゆる種類の水性液体組成物であり得る。それらの例としては、ローション、クリーム、練り歯磨きのようなペースト、シェービングフォームのようなフォーム、シェービングジェル及びシャワージェルのようなジェル、送達形態のようなジェル状の医薬化合物、ヘアシャンプー、液体石鹸、香料製剤、マニキュア液、口紅、髪染め用ローションなどが挙げられる。
【0049】
好ましいワックスエマルジョンは、室温で固体であるワックスから形成されたワックス粒子の水性分散液である。
【0050】
好ましくは堆積助剤として使用される噴霧剤は、ドリフト低減を達成するために本発明のポリマーを備え得る。それらは、例えば、肥料又は除草剤、防かび剤、及び他の農薬を含み得る。
【0051】
建設用途で使用される配合物は、取り扱い及び処理中に液体又はペースト状である材料であり得る。これらの水性材料は建設業界で使用されており、硬化時間後に固体となり、例えば、コンクリート、セメント、モルタル/プラスター、タイル接着剤、石膏などの水硬性バインダーである。
【0052】
金属加工油剤は、金属及び金属部品の処理に使用される水性組成物である。例としては、切削液、金属掘削に使用される掘削流体、例えばアルミニウムダイカスト及び鋳造用途、鋳造洗浄、鋳造コーティングにおける、主に水性エマルジョンである離型剤、並びに金属の表面処理に使用される液体(表面仕上げ、表面洗浄、及び亜鉛メッキ)が挙げられる。
【0053】
潤滑剤は、潤滑目的で使用される水性組成物であり、すなわち、摩耗及び摩擦損失を低減するため、又は冷却、力の伝達、振動減衰、シール効果、及び腐食保護を改善するために使用される。
【0054】
ガス及び石油の生産に使用される液体製剤は、堆積物を開発及び利用するために使用される水性配合物である。水性掘削流体又は「掘削泥水」が好ましい例である。応用例は水圧破砕である。
【0055】
クリーナーは、様々な種類の目的物をクリーニングするために使用され得る。それらは、汚染、残留汚れ、及び付着した破片の除去を補助する。クリーナーには、洗剤(特にテキスタイル、そのプリカーサー、及び皮革のクリーニング用)、クレンザー及び研磨剤、洗濯用配合物、柔軟仕上げ剤、並びにパーソナルケア製品も挙げられる。
【0056】
接着剤は、加工条件下で液体であり、表面接着及び内部強度を促進することによって接合部品を接合できる全ての種類の水性材料であり得る。
【0057】
本発明のポリマーPは、固体添加剤として、例えば、フレーク、ペレット、顆粒として送達され得る。あるいは、ポリマーPは、水性又は非水性添加剤組成物などの液体形態で、好ましくは水性添加剤組成物として提供され得る。
【0058】
本発明はさらに、
i)本発明に係るポリマーPを5.0~60.0重量%、
ii)水を40.0~95.0重量%、
iii)殺生物剤を0.0~1.0重量%、及び
iv)粘度抑制剤を0.0~75.0重量%含む添加剤組成物に関する。
【0059】
重量%は、前記添加剤組成物中の成分i~ivの合計に関連している。
【0060】
好ましい実施形態では、前記添加剤組成物は、
i)本発明に係るポリマーPを10.0~50.0重量%、
ii)水を50.0~90.0重量%、
iii)殺生物剤を0.0~0.8重量%、及び
iv)粘度抑制剤を0.0~60.0重量%含む。
【0061】
重量%は、前記添加剤組成物中の成分i~ivの合計に関連している。
【0062】
適切な粘度抑制剤の例には、ポリアルキレンオキシド、特にエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及びそれらの混合物に基づくもの、ブチルジグリコール、シクロデキストリン、並びにアルキルポリグリコシドが挙げられる。粘度抑制剤のさらなる例は、米国特許出願公開第2007/161745号明細書に記載されている。
【0063】
粘度抑制剤は、本発明の添加剤組成物の所望の成分である。存在する場合、添加剤組成物は、概して、成分i~ivの合計に基づいて計算したときに、最大で75.0重量%、好ましくは最大で60.0又は55.0重量%の粘度抑制剤を含む。いくつかの実施形態において、粘度抑制剤の量は、成分i~ivの合計に基づいて計算したときに、10.0重量%未満、例えば、2.0~4.0重量%又は0.2~2.0重量%であり得る。さらに別の実施形態では、抑制剤は全く使用されない。
【0064】
本発明は、水及び不揮発性成分を含む組成物の粘度の温度依存性を調整するための、前記ポリマーPの使用にさらに関する。代表的な実施形態では、前記使用は、本発明のポリマーPを、不揮発性成分を含む水性組成物に添加することを含む。不揮発性成分は、上記のような膜形成性成分であり得る。他の実施形態では、不揮発性成分は、ワックス又は疎水性粒子状有機若しくは無機材料であり得る。代表的な疎水性無機材料は、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、イットリア、酸化スズ、炭酸カルシウム、粘土、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硝酸塩、酢酸塩、又はアルミニウム、マグネシウム、亜鉛、若しくは他の金属の塩、又は無機ポリマーからなる群から選択され得る。
【実施例】
【0065】
本発明の添加剤の調製
出発物質、本発明によるポリマー、及び比較ポリマーの調製
【0066】
【0067】
分析方法
ヒドロキシル滴定は、標準化エタノール性水酸化カリウム滴定剤(0.2モル/1リットルのKOH)で完了する。このプロセスでは2つの試薬が使用される。試薬Aは、メスフラスコ内のTHFに、最終容量500mLのテトラヒドロフラン(THF)中12.5gの4-ジメチルアミノピラジン(DMAP)を溶解することによって調製される。試薬Bは、メスフラスコ内で最終容量500mLのTHF中25mLの無水酢酸から調製される。試料調製は、THFを添加して分析物を溶解することから始まる。アルコール性ヒドロキシル基の量は、無水酢酸によるエステル化(アセチル化)によって決定され得る。これは、10mLの試薬A及び5mLの試薬Bを添加し、室温で30分間反応させることで達成される。過剰な無水酢酸は、2mLの脱イオン水を10分間反応させることにより、加水分解によって酢酸に変換される。
【0068】
本発明の実施例及び比較例の分子量及び分子量分布は、DIN 55672パート1(2016-03)に従ってゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して決定された。溶離液としてテトラヒドロフラン(THF)を使用し、カラムシステムの温度は40℃であった。校正は、狭い分布の直鎖ポリエチレンオキシド標準品を使用して達成された(3次回帰)。
【0069】
本発明によるポリマーの調製
X.1:実施例X.1
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0236モル(200.00g)のPEG-8、0.0473モル(189.06g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.52gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0473モルのTMXDI(12.02g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。GPCで測定したところ、最終的なポリマーのMnは10,176、PDIは5.69であった。
【0070】
実施例X.2~X.6でも、についても、同じ基本手順に従い、ジイソシアネート:ポリエチレングリコール(PEG):ポリプロピレングリコール(PPG)のモル比を2:1:2とした。
【0071】
【0072】
X.7:実施例X.7
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0237モル(200.00g)のPEG-8、0.0237モル(94.87g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流し絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.40gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0356モルのTMXDI(9.05g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。GPCで測定したところ、最終的なポリマーのMnは11,580、PDIは7.01であった。
【0073】
X.8:実施例X.8
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0236モル(200.00g)のPEG-8、0.0473モル(189.06g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流し絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0407モル(4.83g)のヘキサノール及び0.54gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0945モルのTMXDI(24.04g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。GPCで測定したところ、最終的なポリマーのMnは8,363、PDIは3.58であった。
【0074】
X.9:実施例X.9
工程1:エステル化
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0741モル(200.00g)のPPG-2.7、0.03705モル(5.49g)の無水フタル酸、及び最小限のトルエンを入れた。3時間、窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を160℃に加熱した。次に、トルエンを乾燥させ、ヒドロキシル滴定を完了して、PPGの二量体化の完了を試験した。滴定の結果は、二量体化が正常に完了したことを示した。
【0075】
工程2:ウレタンの生成
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた別の四つ口丸底フラスコに、0.0123モル(100.00g)のPEG-8、0.0245モル(132.43g)の工程1のPPG-2.7二量体化中間体、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.31gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0245モルのTMXDI(6.24g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。
【0076】
X.10:実施例X.10
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0246モル(200.00g)のPEG-8、0.0493モル(98.5g)のジェファミン(Jeffamine)-2、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。約90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.41gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0493モルのTMXDI(12.53g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。
【0077】
X.11:実施例X.11
スターラー、温度プローブ、及び冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.1201モル(979.50g)のPEG-8、0.2402モル(960.88g)のPPG-4、及び0.4925モル(987.52g)のTMMGを入れた。真空下で絶えず撹拌しながら、反応容器を110℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを真空により水蒸気を除去することにより乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコの内容物を、窒素を流しながら、110℃のシグマ(Sigma)ミキサーに注いだ。これを90℃に冷却し、11.88gのNACURE(登録商標)を加え、続いて0.2306モル(24.04g)のヘキサノールを加え、真空をオンにした。温度を一定に保ち、真空下で90分間混合させた。反応の終わりに、反応を中和するために16.26gのTEAを加えた。
【0078】
比較ポリマーの調製
X.12:実施例X.12
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0245モル(200.00g)のPEG-8、0.0490モル(196.20g)のPEG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.53gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0490モルのTMXDI(12.47g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。GPCで測定したところ、最終的なポリマーのMnは13,056、PDIは2.54であった。
【0079】
X.13:実施例X.13
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0123モル(100.00g)のPEG-8、0.0245モル(98.10g)のPEG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.28gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0245モルのヘキサノール(2.56g)を容器に加えて取り込ませた。5分後、0.0490モルのDesW(13.13g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。GPCで測定したところ、最終的なポリマーのMnは11,231、PDIは3.60であった。
【0080】
X.14:実施例X.14
ポリマーX.14は、RHEOBYK-T 1010 VF(ビックケミーUSA社(BYK USA, Inc.))の商品名で水溶液(22.5重量%活性剤)として市販されている従来の会合性増粘剤である。この会合性増粘剤は、セグメントS2の単位を含有しない。
【0081】
X.15:実施例X.15
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0127モル(1.30g)のヘキサノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMXDI(6.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0082】
X.16:実施例X.16
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.00g)のPEG-8、0.0126モル(50.33g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0126モル(2.34g)のドデカノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0252モルのTMXDI(6.40g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0083】
X.17:実施例X.17
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0127モル(1.30g)のヘキサノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMDI(5.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0084】
X.18:実施例X.18
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.00g)のPEG-8、0.0126モル(50.33g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0126モル(2.34g)のドデカノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0252モルのTMDI(5.41g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0085】
X.19:実施例X.19
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0127モル(2.19g)の2-ウンデカノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMXDI(6.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0086】
X.20:実施例X.20
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0127モル(2.19g)の2-ウンデカノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMDI(5.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0087】
X.21:実施例X.21
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0127モル(1.65g)の2-オクタノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMXDI(6.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0088】
X.22:実施例X.22
スターラー、温度プローブ、及び還流冷却器を備えた四つ口丸底フラスコに、0.0063モル(56.50g)のPEG-8、0.0127モル(50.78g)のPPG-4、及びトルエンを入れた。窒素を流して絶えず撹拌しながら、反応容器を120℃に加熱した。次に、ポリアルキレングリコールを、ディーン・スターク・トラップを使用する共沸蒸留によって乾燥させた。90分間の乾燥後、丸底フラスコを90℃に冷却した。この時点で、0.0126モル(1.65g)の2-オクタノール及び0.15gのK-KATを丸底フラスコに加えて取り込ませた。5分後、0.0254モルのTMDI(5.46g)を容器に加えた。反応は発熱性であり、フラスコの温度が100℃を超えないようにイソシアネートをゆっくりと加えた。イソシアネートの完全な添加後、混合物を窒素下、90℃で90分間撹拌した。完成品を受け皿に注ぎ、溶媒を蒸発させた。最終生成物は水に不溶性であった。
【0089】
【0090】
本発明の添加剤の適用
【0091】
【0092】
塗料配合物の準備
【0093】
【0094】
添加剤組成物を撹拌しながら後添加し、Dispermat CVと共に5分間取り込ませた。
【0095】
塗装性の評価:
添加剤を含有するラテックス塗料のレオロジー特性を、ISO3219:1993標準試験法に従って、MCR 502レオメーター(アントンパール社、グラーツ、オーストリア)及びコーンプレートによるジオメトリー(直径25mm)によって測定した。ポアズ(P)及びセンチポアズ(cP)の動的粘度の単位は、0.1及び0.001パスカル秒(Pa・s)に変換される。
【0096】
本発明の添加剤の適用結果
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
本発明の増粘剤X.1~X.11を、概念実証のために一定の用量レベルで水性結合剤系において比較増粘剤X.12~X.13及び市販の増粘剤X.14と比較した。結果を表3~5にまとめた。これらの試料の回転粘度は、低せん断速度(0.4(1/s))、中間せん断速度(82.5(1/s))、及び高せん断速度(909(1/s))で測定した。これらの測定を、低温(4℃)、中温(23℃)、及び高温(40℃)で繰り返した。本発明の増粘剤X.1~X.11を有する試料は、低、中間、高、又は複数のせん断速度で、温度の上昇と共に粘度が増加する(表3~5)。これは、温度の上昇に伴って粘度が大幅に増加しない比較増粘剤X.12~X.13及び市販の増粘剤X.14とは対照的である。それどころか、これらの試料では、低、中間、高、又は複数のせん断速度で温度の上昇に伴って粘度が低下する。これらの結果は、本発明のポリマーが、従来の配合物が示す温度の上昇に伴う粘度低下に対抗する増粘剤として適切であることを示している。比較増粘剤X.15~X.22は、従来の会合性増粘剤に典型的な非極性末端基を含む。これらの比較増粘剤は水に不溶性であったため、水性結合剤系での評価には適していなかった。
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
本発明の増粘剤は、高温で典型的な粘度低下を示す従来の増粘剤と組み合わせてもよい。両方の効果の重ね合わせにより、粘度の温度依存性が制限される。いくつかの本発明のポリマーを、概念実証のために一定の用量レベルで水性結合剤系において市販の増粘剤RHEOBYK-T 1010VFと組み合わせた。これらの試料の回転粘度は、低せん断速度(0.4(1/s))、中間せん断速度(82.5(1/s))、高せん断速度(909(1/s))、又は複数のせん断速度で測定した。これらの測定を、低温(4℃)、中温(23℃)、及び高温(40℃)で繰り返した。本発明のポリマーと従来の増粘剤との複合効果は、測定されたせん断速度の少なくとも1つから、4℃での同じ回転粘度から、最大45%異なる。これは、表6~8から推測され得る。当業者は、本発明のポリマー及び従来の増粘剤の最適濃度を決定して、所望の温度に依存しないレオロジープロファイルを提供することができる。
本開示は以下も包含する。
態様1
互いに共有結合した少なくとも1つのセグメントS1及び少なくとも1つのセグメントS2を含むポリマーPであって、
i)前記少なくとも1つのセグメントS1は、6,000~25,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その少なくとも75重量%が式-[CH
2
-CH
2
-O-]-の反復単位であり、
ii)前記少なくとも1つのセグメントS2は、最大で10,000g/molの数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、その最大で25重量%が式-[CH
2
-CH
2
-O-]-の反復単位であり、
iii)前記ポリマーPは、ヒドロキシル、一級アミン又はその塩、二級アミン又はその塩、及びカルボン酸又はその塩のうちの少なくとも1つを含む末端基を含む、
前記ポリマーP。
態様2
前記セグメントS2が、式-[CH(CH
3
)-CH
2
-O]-の反復単位を少なくとも75重量%含む、上記態様1に記載のポリマー。
態様3
前記セグメントS1と前記セグメントS2との間の共有結合は、アミド基、ウレタン基、尿素基、エーテル基、エステル基、多糖類基、アミノプラストエーテル基、アセタール基、又はケタール基のうちの少なくとも1つを含む、上記態様1又は2に記載のポリマー。
態様4
前記共有結合が2つのウレタン基を含む、上記態様3に記載のポリマー。
態様5
前記ポリマーPが、前記ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS1を33~80重量%含む、上記態様1~4のいずれかに記載のポリマー。
態様6
前記ポリマーPが、前記ポリマーの総重量に基づいて計算したときに、セグメントS2を20~67重量%含む、上記態様1~5のいずれかに記載のポリマー。
態様7
前記少なくとも1つのセグメントS2は、2,000~10,000g/molの範囲内の数平均分子量を有し、エーテル反復単位からなり、式-[CH
2
-CH
2
-O-]-の反復単位が最大で25重量%である、上記態様1~6のいずれかに記載のポリマー。
態様8
前記末端基がアルキルエーテル基を含有しない、上記態様1~7のいずれかに記載のポリマー。
態様9
前記ポリマーPが、8,000~50,000g/molの範囲内の数平均分子量を有する、上記態様1~8のいずれかに記載のポリマー。
態様10
前記ポリマーPが少なくとも2つのセグメントS2を含む、上記態様1~9のいずれかに記載のポリマー。
態様11
1つのセグメントS1が2つのセグメントS2の間に位置する、上記態様10に記載のポリマー。
態様12
a)水、
b)不揮発性膜形成性成分、及び
c)上記態様1~11のいずれかに記載の前記ポリマーP
を含む、液体組成物。
態様13
前記組成物が、成分c)とは異なる増粘剤d)をさらに含む、上記態様12に記載の組成物。
態様14
成分a)、b)、c)、及びd)の重量の合計に基づいて計算したときに、成分a)が少なくとも30.0~89.9重量%の量で存在し、成分b)が5.0~40.0重量%の量で存在し、成分c)が0.1~8.0重量%の量で存在し、成分d)が0.0~4.0重量%の量で存在する、上記態様12又は13に記載の組成物。
態様15
40℃での回転粘度が、同じせん断速度での4℃での回転粘度と最大で45%異なり、前記せん断速度が少なくとも、0.4(1/s)、82.5(1/s)、及び909(1/s)のいずれかを含む、上記態様12~14のいずれかに記載の組成物。
態様16
水及び不揮発性成分を含む組成物の粘度の温度依存性を調整するための、上記態様1~11のいずれかに記載のポリマーの使用。