(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】三次元誘電エラストマ構造体、三次元誘電エラストマ構造体を用いたスピーカ、および三次元誘電エラストマ構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H04R17/00
(21)【出願番号】P 2019132812
(22)【出願日】2019-07-18
【審査請求日】2022-07-11
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)ウェブサイトの掲載アドレス https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0003682X1830495X?via%3Dihub 掲載日 平成30年12月31日 (2)刊行物Apllied Acoustics 第148号,2019年5月,第238~245頁,Elsevier Science 発行日 平成31年2月28日 (3)刊行物 芝浦工業大学 新技術説明会 予稿集 発行日 令和1年6月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599016431
【氏名又は名称】学校法人 芝浦工業大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細矢 直基
(72)【発明者】
【氏名】前田 真吾
(72)【発明者】
【氏名】増田 紘明
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-028205(JP,A)
【文献】特開2007-028415(JP,A)
【文献】特表2001-524278(JP,A)
【文献】特表昭63-501114(JP,A)
【文献】特開2001-315812(JP,A)
【文献】HOSOYA, Naoki et al.,Hemispherical breathing mode speaker using a dielectric elastomer actuator,Acoustical Society of America,Volume 138, Issue 4,2015年
【文献】HOSOYA, Naoki et al.,Balloon dielectric elastomer actuator speaker,Applied Acoustics,Volume 148,2019年05月
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマ膜の少なくとも一部が膨張して形成されているエラストマ構造体と、
前記エラストマ膜に電圧を印加する電極と、
を備え、
前記エラストマ構造体は、
筒形状の第1部材と、
前記第1部材の一端部に接続されており、加圧により膨張して形成されている第2部材と、
を有し、
前記第2部材は、厚さが500μmの平面状のアクリルゴム膜の一部領域を、表面積が3000%増加するように球状に膨張させて形成され
ており、
前記第2部材は、表面に複数の突起を有する、
三次元誘電エラストマ構造体。
【請求項2】
側面が前記第1部材の内面と前記電極を介して密着するように配置されている管部材をさらに備える、
請求項1に記載の三次元誘電エラストマ構造体。
【請求項3】
前記管部材の両端部のうち、一端部側は前記エラストマ構造体により覆われている一方、他端部側は前記エラストマ構造体により覆われておらず、
前記管部材の前記他端部側を封止する蓋部材をさらに備える、
請求項2に記載の三次元誘電エラストマ構造体。
【請求項4】
前記第2部材は、球形、半球形、円筒形、円錐形、円錐台形、または楕円体形を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の三次元誘電エラストマ構造体。
【請求項5】
前記電極は、粉末状の電極材料同士が接触することで構成されている、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の三次元誘電エラストマ構造体。
【請求項6】
請求項1から
5のいずれか一項に記載の三次元誘電エラストマ構造体を用いた、
スピーカ。
【請求項7】
エラストマ膜の一部または全ての領域の両面に電極を形成し、
前記領域の一方の面側から管部材の一端部を押し付けることで、前記領域を伸張させて前記管部材の側面に密着させ、
前記管部材の他端部側から流体を流入させる、または、前記他端部側へ前記流体を流出させることで前記領域の前記管部材側の面を加圧または減圧し、前記エラストマ膜を膨張させて三次元誘電エラストマ構造体を形成し、
前記エラストマ膜が膨張した状態で前記管部材の他端部側を封止し、
前記電極の形成は、
前記領域の周囲を固定した上で、前記領域に対して前記エラストマ膜の両面のうちの第1面側から加圧して前記第1面とは反対の第2面側に前記エラストマ膜を膨張させ、
膨張した前記エラストマ膜の前記第2面側に電極を形成し、
前記加圧を解除した後、前記第2面側から加圧して前記第1面側に前記エラストマ膜を膨張させ、
膨張した前記エラストマ膜の前記第1面側に電極を形成する、
工程を含む、三次元誘電エラストマ構造体の製造方法。
【請求項8】
エラストマ膜の一部または全ての領域の両面に電極を形成し、
前記領域の一方の面側から管部材の一端部を押し付けることで、前記領域を伸張させて前記管部材の側面に密着させ、
前記管部材の他端部側から流体を流入させる、または、前記他端部側へ前記流体を流出させることで前記領域の前記管部材側の面を加圧または減圧し、前記エラストマ膜を膨張させて三次元誘電エラストマ構造体を形成し、
前記エラストマ膜が膨張した状態で前記管部材の他端部側を封止し、
前記電極の形成は、
前記領域の周囲を固定した上で、前記領域に対して前記エラストマ膜の両面のうちの第1面側から加圧して前記第1面とは反対の第2面側に前記エラストマ膜を膨張させ、
膨張した前記エラストマ膜の前記第2面側に電極を形成し、
前記加圧を解除した後、前記第2面側から加圧して前記第1面側に前記エラストマ膜を膨張させ、
膨張させた前記エラストマ膜によって形成された前記三次元誘電エラストマ構造体の内部に、導電性を有する物質を封入する、
工程を含む、
三次元誘電エラストマ構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無指向性を含む任意の音響特性を有するスピーカ、これを実現する三次元誘電エラストマ構造体、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自然界に存在する音の多くは点音源から発生する無指向性の音である。音の再現性や音質を向上させるため、無指向性のスピーカが要望されている。
【0003】
一方、普及しているスピーカの多くは、振動板の振動により空気を振動させて音を伝達するものである。振動板は決まった方向にしか振動しないため、振動板を用いたスピーカはその構造上、指向性を有する。
【0004】
このように指向性を有するスピーカを用いて無指向性を実現する方法として、例えば特許文献1に開示されるように、多面体の各面にスピーカを設けて種々の方向に向けて音を放射する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、高周波数の音と低周波数の音では空気中の伝達特性が異なるため、周波数に依存して指向性が変化することが多い。例えば、高音はスピーカの正面の音圧が高くなりやすく、低音はスピーカの周囲に拡がりやすい。
【0007】
このような事情から、特許文献1のように指向性を有するスピーカを種々の方向に向けて配置したとしても、無指向性を得ることは困難であった。また、特許文献1に開示された多面体スピーカでは、部品点数が多くなるため、製造コストが多く掛かっていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑み、無指向性を含む任意の音響放射特性を有するスピーカを低コストで実現するための三次元誘電エラストマ構造体、三次元誘電エラストマ構造体を用いたスピーカ、および三次元誘電エラストマ構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の三次元誘電エラストマ構造体は、エラストマ膜の少なくとも一部が膨張して形成されているエラストマ構造体と、前記エラストマ膜に電圧を印加する電極と、を備え、前記エラストマ構造体は、筒形状の第1部材と、前記第1部材の一端部に接続されており、加圧により膨張して形成されている第2部材と、を有し、前記第2部材は、厚さが500μmの平面状のアクリルゴム膜の一部領域を、表面積が3000%増加するように球状に膨張させて形成されており、前記第2部材は、表面に複数の突起を有する。
【0010】
本発明のスピーカは、上述の三次元誘電エラストマ構造体を用いている。
【0011】
本発明の三次元誘電エラストマ構造体の製造方法は、エラストマ膜の一部または全ての領域の両面に電極を形成し、前記領域の一方の面側から管部材の一端部を押し付けることで、前記領域を伸張させて前記管部材の側面に密着させ、前記管部材の他端部側から流体を流入させる、または、前記他端部側へ前記流体を流出させることで前記領域の前記管部材側の面を加圧または減圧し、前記エラストマ膜を膨張させて三次元誘電エラストマ構造体を形成し、前記エラストマ膜が膨張した状態で前記管部材の他端部側を封止し、前記電極の形成は、前記領域の周囲を固定した上で、前記領域に対して前記エラストマ膜の両面のうちの第1面側から加圧して前記第1面とは反対の第2面側に前記エラストマ膜を膨張させ、膨張した前記エラストマ膜の前記第2面側に電極を形成し、前記加圧を解除した後、前記第2面側から加圧して前記第1面側に前記エラストマ膜を膨張させ、膨張した前記エラストマ膜の前記第1面側に電極を形成する、工程を含む。
また、本発明の三次元誘電エラストマ構造体の製造方法は、エラストマ膜の一部または全ての領域の両面に電極を形成し、前記領域の一方の面側から管部材の一端部を押し付けることで、前記領域を伸張させて前記管部材の側面に密着させ、前記管部材の他端部側から流体を流入させる、または、前記他端部側へ前記流体を流出させることで前記領域の前記管部材側の面を加圧または減圧し、前記エラストマ膜を膨張させて三次元誘電エラストマ構造体を形成し、前記エラストマ膜が膨張した状態で前記管部材の他端部側を封止し、前記電極の形成は、前記領域の周囲を固定した上で、前記領域に対して前記エラストマ膜の両面のうちの第1面側から加圧して前記第1面とは反対の第2面側に前記エラストマ膜を膨張させ、膨張した前記エラストマ膜の前記第2面側に電極を形成し、前記加圧を解除した後、前記第2面側から加圧して前記第1面側に前記エラストマ膜を膨張させ、膨張させた前記エラストマ膜によって形成された前記三次元誘電エラストマ構造体の内部に、導電性を有する物質を封入する、工程を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、無指向性を含む任意の音響放射特性を有するスピーカを低コストで実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】エラストマ膜を材料として用いてスピーカを製造するための製造装置を説明するための図
【
図3】エラストマ膜が第1環状プレートおよび第2環状プレートによって挟み込まれて固定された状態を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明、例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明等は省略する場合がある。
【0015】
なお、以下の説明および参照される図面は、当業者が本開示を理解するために提供されるものであって、本開示の請求の範囲を限定するためのものではない。
【0016】
<構成の説明>
図1Aおよび
図1Bは、本発明の実施の形態に係るスピーカ1を説明するための図である。
図1Aはスピーカ1の斜視図、
図1Bはスピーカ1の断面図である。
【0017】
図1Aおよび
図1Bに示すように、スピーカ1は、第1部材11、第2部材12、電極13および14、管部材15、導線16および17、蓋部材18、および絶縁テープ19を備える。
【0018】
第1部材11は、アクリルゴム等のエラストマ膜で構成されており、円筒形状を有する。第1部材11は、その内面が、後述する電極14を介して、後述する管部材15の側面に密着するように配置されている。第1部材11は、一例として、底面の直径が10mmの円筒形状を有する。
【0019】
第2部材12は、第1部材11の一端部に接続されている。詳細は後述の製造方法にて説明するが、第1部材11と第2部材12とは同じエラストマ膜で製造される。このため、第2部材12は、第1部材11と同じ材料のエラストマ膜で構成されている。なお、上述した第1部材11および第2部材12は、本発明のエラストマ構造体の一例である。
【0020】
図1Aおよび
図1Bに示すように、第2部材12は、第1部材11との接続部を除いて球形状を有する。なお、本実施の形態では、第2部材12の形状の例として球形状を採用するが、本発明はこれに限定されず、第2部材12は例えば半球形状、円筒形状、円錐形状、円錐台形状、または楕円体形状等を有していてもよい。第2部材12は、一例として、例えば直径30mmの球形状を有する。
【0021】
第2部材12は、詳細は後述するが、平面状のエラストマ膜の一部領域に対して空気等の流体を用いて加圧し、膨張させることで構成されている。このため、第2部材12の材料は、流体を通さない材料である必要がある。また、このため、第2部材12の厚みは、平面状のエラストマ膜と比較して非常に薄くなっている。この際、第2部材12の厚みの分布は一様でもよいし、不均一でもよい。第2部材12の好適な一例としては、例えば厚さが500μmの平面状のアクリルゴム膜の一部領域を、表面積が3000%増加するように球状に膨張させたエラストマ薄膜が挙げられる。
【0022】
このように第2部材12は非常に薄いため、後述の電極13および14により電圧が印加された際に、振動しやすく(換言すれば低エネルギーで振動可能であり)、低電圧で音を発生させることができる。また、第2部材は、その薄さにより、振動した際に破壊されにくい性質を有する。
【0023】
振動しやすさ、および破壊されにくさを実現させるため、第2部材12は、軟らかい素材で構成されることが好ましい。第2部材12および第1部材11を構成するエラストマ膜の弾性率の例としては、例えば1kPa~100MPaの範囲内であることが好ましい。
【0024】
なお、第1部材11は、後述するように絶縁テープ19等によって締め付けられているため、あまり膨張していない。
【0025】
電極13は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、第2部材12の外周面に形成されている。一方、電極14は、
図1Bに示すように、第2部材12の内周面に形成されている。また、電極13および14は、
図1Bに示すように、第1部材11の外面および内面の少なくとも一部にも形成されている。第2部材12の外周面に形成されている電極13と、第1部材11の外面に形成されている電極13とは、電気的に接続されている。同様に、第2部材12の内周面に形成されている電極14と、第1部材11の内面に形成されている電極14とは、電気的に接続されている。
【0026】
電極13および14は、例えばカーボンブラック等の粉末状の電極材料が、第1部材11および第2部材12の外面または内面に付着して形成されている。粉末状の電極材料を構成する多数の粒子のうち、少なくとも一部の粒子同士が互いに接触し、全体として導電性を有する電極13および14が形成されている。従って、第1部材11および第2部材12の外面または内面に付着される粉末状電極材料の量は、このような導電性を確保できるだけの量である必要がある。このように、電極13および14が粉末状の電極材料で形成されていることにより、粒子同士が強固に結合されていないため、柔軟性を有し、第2部材12の振動を阻害しにくくなっている。
【0027】
このようにエラストマ膜で構成された第1部材11および第2部材12の外面および内面が電極13および14により挟まれることで、キャパシタ構造が形成され、電圧の印加によって駆動する。このような構造は誘電エラストマ等と呼ばれ、誘電エラストマを用いた駆動メカニズムは誘電エラストマアクチュエータ(Dielectric Elastomer Actuator:DEA)等と呼ばれる。本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、このような誘電エラストマアクチュエータを用いた、三次元形状(球形状)を有する構造体で構成されている。本明細書において、このような構造体を三次元誘電エラストマ構造体と称する。このように、誘電エラストマアクチュエータを用いたスピーカ1では、電極13および14への電圧の印加によって主に第2部材12を振動させることで音を発生させることができる。
【0028】
なお、第1部材11および第2部材12の材料であるエラストマ膜には、大きな粘着性を有するものがある。この粘着性により、粉末状の電極材料は、例えば接着剤等を用いずとも、第1部材11および第2部材12の表面(外面および内面)に付着する。例えば第1部材11および第2部材12の材料にアクリルゴムを採用した場合、第1部材11および第2部材12が振動しても電極材料が剥がれ落ちない程度の粘着性を得ることができる。
【0029】
管部材15は、円筒形状を有する中空の部材である。
図1Bに示すように、管部材15の側面が第1部材11の内面に電極14を介して密着するようになっている。また、
図1Bに示すように、管部材15の一端部15Aを覆うように第1部材11および第2部材12が配置されており、他端部15Bは第1部材11および第2部材12には覆われていない。管部材15の他端部15Bは、後述の蓋部材18によって封止されている。これにより、第2部材12の内部に、第2部材12を加圧して三次元形状(球形状)を維持させるための空気等の流体が封入されている。
【0030】
管部材15は、上述したように第1部材11および第2部材12の支持部であるため、ある程度剛性が高い材料で形成されることが好ましい。管部材15の材料の例としては、金属、樹脂(塩化ビニル等)が挙げられる。
【0031】
導線16および17は、それぞれ一端部が電極13および14と接続されており、他端部が外部の電源装置(図示せず)と接続される。これにより、電極13および14と電源装置とが電気的に接続され、電源装置の動作によって電極13および14に電圧が印加される。導線16および17は導電体で構成される。本発明において、導線16および17の両端部以外は被覆されていてもよいし、いなくてもよい。
【0032】
導線16および17は、主に第1部材11を構成するエラストマ膜の粘着性により、第1部材11の外面および内面において電極13および14と電気的に接続された状態で固定される。また、導線16および17は、後述の絶縁テープ19が管部材15および第1部材11の周囲に巻き付けられる際の締め付け力によっても固定される。なお、導線16および17は、電極13および14と直接接触することで電極13および14と電気的に接続されてもよいし、電極13および14とは異なる導電部材を介して電極13および14と接続されてもよい。
【0033】
蓋部材18は、上述したように、管部材15の他端部15Bを封止する部材である。蓋部材18の材料は、第2部材12を加圧するための流体を通さない材料であれば特に限定されない。蓋部材18は、例えば樹脂や金属等で形成されたキャップ、または樹脂フィルム等である。また、蓋部材18はバルブとして機能する構造を有していてもよい。
【0034】
絶縁テープ19は、
図1Bに示すように、管部材15、導線17、電極14、第1部材11、電極13、および導線16を締め付けるように巻き付けられている。絶縁テープ19は、絶縁性を有する材料で構成されている。絶縁テープ19の例としては、例えばビニールテープである。絶縁テープ19により、導線16の電極13との接続箇所が絶縁されるとともに、第1部材11、並びに導線16および17が、管部材15に強固に固定される。なお、第1部材11、並びに導線16および17が、管部材15に強固に固定されており、かつ導線16の電極13との接続箇所が十分に絶縁されている場合、絶縁テープ19は設けられなくてもよい。
【0035】
以上、本発明の実施の形態に係るスピーカ1の構成について説明した。次に、スピーカ1の製造装置および製造方法について、
図2~
図6Dを用いて説明する。
【0036】
<製造装置の説明>
図2は、エラストマ膜100を材料として用いてスピーカ1を製造するための製造装置2を説明するための図である。
図2に示すように、製造装置2は、エラストマ膜100を挟み込んで固定するための第1環状プレート21および第2環状プレート22、ガスケット23、および土台部24を有する。
図2に示す例では、エラストマ膜100は四辺形形状(正方形等)に形成されているが、本発明はこれに限定されず、例えば円形状や楕円形状等に形成されていてもよい。
【0037】
第1環状プレート21、第2環状プレート22、ガスケット23、および土台部24の互いに対応する位置には、ボルト25を貫通させるための穴21h、22h、23h、24hがそれぞれ設けられている。
図2に示す例では、穴21h、22h、23h、24hはそれぞれ4個ずつ設けられているが、本発明はこれに限定されず、穴の数は何個でもよい。
【0038】
スピーカ1の製造時において、ボルト25は穴21h、22h、23h、24hに貫通するように挿入され、ボルト25の端部にナット26が取り付けられる。これにより、エラストマ膜100が土台部24に固定される。このボルト25およびナット26により、第1環状プレート21、第2環状プレート22、ガスケット23、および土台部24は互いに
図2の上下方向において密着するように固定されうる。以下の製造方法の説明における上下方向は、
図2に示す製造装置2の上下方向に対応するものとする。なお、ボルト25およびナット26を用いず、第1環状プレート21と第2環状プレート22、第2環状プレート22とガスケット23、ガスケット23と土台部24がそれぞれ接着されることで、これらの構成が互いに密着するように固定されてもよい。
【0039】
図2に示す例では、第1環状プレート21、第2環状プレート22、およびガスケット23の上下面は、同じ直径を有する円形状に形成されている。第1環状プレート21および第2環状プレート22の中心部には、円形状の開口部21Oおよび22Oが設けられている。この開口部21Oおよび22Oの大きさは、エラストマ膜100よりも小さくなるように形成されている。
【0040】
なお、
図2に示す例では、第1環状プレート21、第2環状プレート22、およびガスケット23の上下面は、同じ直径を有する円形状に形成されているとしたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、第1環状プレート21、第2環状プレート22、およびガスケット23の上下面は、それぞれ異なる直径を有する円形状に形成されていてもよいし、それぞれ異なる形状に形成されていてもよい。また、
図2では土台部24の上面の直径も第1環状プレート21、第2環状プレート22、およびガスケット23の上下面とほぼ同じ直径を有するように図示されているが、本発明はこれにも限定されない。すなわち、土台部24の上面は、第1環状プレート21、第2環状プレート22、およびガスケット23の上下面とはそれぞれ異なる直径を有する円形状、またはこれらとは異なる形状に形成されていてもよい。
【0041】
図3は、エラストマ膜100が第1環状プレート21および第2環状プレート22によって挟み込まれて固定された状態を説明するための図である。
図3は、エラストマ膜100を挟み込んだ状態の第1環状プレート21および第2環状プレート22を上から見た図であり、エラストマ膜100の外周部が破線で示されている。
【0042】
図3に示すように、エラストマ膜100は、第1環状プレート21および第2環状プレート22により、開口部21Oおよび22Oから一部が露出するように挟み込まれている。なお、エラストマ膜100は、必ず開口部21Oおよび開口部22Oの全体がエラストマ膜100で覆われるような位置で、第1環状プレート21および第2環状プレート22によって挟み込まれる。すなわち、開口部21Oまたは開口部22Oからエラストマ膜100の外周部が露出することがないように、エラストマ膜100は第1環状プレート21および第2環状プレート22によって挟み込まれる。さらに言えば、開口部21Oまたは22Oから露出するエラストマ膜100の一部領域Rp(後述の
図4Aを参照)より外側に、一部領域以外のエラストマ膜100の領域が必ず存在するようになっている。
【0043】
ガスケット23は、第2環状プレート22と土台部24との間の気密を確保するための部材である。
【0044】
土台部24は、
図2に示すようにフランジ形状を有し、フランジ部24fにガスケット23を介して第2環状プレート22が固定されるようになっている。土台部24のフランジ部24f以外の部位である管状部24tは、中空に形成されている。
【0045】
ガスケット23および土台部24にも、それぞれ開口部21Oおよび22Oと同じ大きさの開口部23Oおよび24Oが形成されている。
【0046】
管状部24tの下端側には、図示しないポンプが接続されており、管状部24tの内部に向けて空気等の流体を流入させる、または管状部24tの内部から流体を流出させることができるようになっている。
【0047】
<製造方法の説明>
このような製造装置2を用いて、スピーカ1を製造する方法について、
図4A~
図7Bを用いて説明する。
図4Aおよび
図4Bはエラストマ膜100の一方の面に電極を形成する工程を示している。
図5A~
図5Cはエラストマ膜100の他方の面に電極を形成する工程をを示している。
図6A~
図6Dは管部材15にエラストマ膜100を転写する工程をを示している。
図7Aおよび
図7Bはエラストマ膜100を膨張させて第1部材11および第2部材12を形成する行程を示している。なお、
図4A~
図7Bでは、製造装置2の中心を通る、上下方向に沿った断面が示されている。また、
図4A~
図7Bでは、図示される各構成の厚みおよび横幅は厳密なものではなく、それぞれ模式的に示されている。
【0048】
まず、
図4Aには、
図3に示すようにエラストマ膜100が第1環状プレート21および第2環状プレート22に挟み込まれた状態で、ボルト25およびナット26により、土台部24に固定された状態が示されている。この状態では、エラストマ膜100の一部領域Rpが、開口部21O、22O、および24Oにより露出している。なお、
図4Aでは、第2環状プレート22と土台部24との間に配置されるガスケット23については図示を省略している(以降の図においても同様)。
【0049】
この状態で、土台部24の管状部24tの下端側から、空気等の流体が流し込まれると、この流体によりエラストマ膜100の一部領域Rpの下面側が加圧される。なお、以下の説明において、
図4Aにおけるエラストマ膜100の下面を第1面100s1、上面を第2面100s2と記載する。
【0050】
流体により第1面100s1側が加圧されることにより、エラストマ膜100の一部領域Rpは、開口部21Oを介して、第2面100s2側に向かって風船のように膨張する。膨張したエラストマ膜100の第2面100s2に粉末状の電極材料を付着させることで、エラストマ膜100の第2面100s2側に電極14が形成される。
図4Bは、エラストマ膜100の第2面100s2側に電極14が形成された状態を示す図である。
【0051】
エラストマ膜100の第2面100s2側に電極14が形成されると、流体による加圧が解除される。これにより、膨張していたエラストマ膜100は収縮し、エラストマ膜100は平たい状態に戻る。この際、収縮によりエラストマ膜100の表面積が減少するが、電極14は元々粉末状であるため、エラストマ膜100が収縮しても剥がれ落ちたりしわになったりする事態は生じにくい。
【0052】
次に、
図5Aに示すように、第1環状プレート21および第2環状プレート22の土台部24への固定が解除され、エラストマ膜100が上下に反転される。なお、エラストマ膜100が上下に反転される際にも、エラストマ膜100は第1環状プレート21および第2環状プレート22に挟み込まれた状態のままである。
【0053】
エラストマ膜100が上下に反転されると、
図5Bに示すように、ボルト25およびナット26により、再度第1環状プレート21および第2環状プレート22が土台部24へ固定される。
図5Bに示す状態では、電極14が形成されたエラストマ膜100の第2面100s2が下側、第1面100s1が上側になっている。
【0054】
この状態で、土台部24の管状部24tの下端側から空気等の流体が流し込まれ、エラストマ膜100の一部領域Rpが、開口部22Oを介して、第1面100s1側に向かって風船のように膨張する。膨張したエラストマ膜100の第1面100s1に粉末状の電極材料を付着させることで、エラストマ膜100の第1面100s1側に電極13が形成される。
図5Cは、エラストマ膜100の第1面100s1側に電極13が形成された状態を示す図である。
【0055】
エラストマ膜100の第1面100s1側に電極14が形成されると、流体による加圧が解除される。これにより、膨張していたエラストマ膜100は収縮し、エラストマ膜100は平たい状態に戻る。
【0056】
このようにしてエラストマ膜100の一部領域Rpの両面に電極13および14が形成される。
【0057】
次に、
図6Aに示すように、エラストマ膜100が第1環状プレート21および第2環状プレート22に挟み込まれたままの状態で、第1環状プレート21および第2環状プレート22の土台部24への固定が解除される。なお、
図6Aでは、エラストマ膜100の上側の面が第1面100s1、下側の面が第2面100s2である。
【0058】
次に、
図6Bに示すように、開口部21Oまたは22Oを介して、管部材15の一端部15Aがエラストマ膜100の一部領域Rpに押し付けられる。なお、以降の説明では、エラストマ膜100の第2面100s2側から管部材15が押し付けられる場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、第1面100s1側から管部材15が押し付けられてもよい。
【0059】
管部材15の一端部15Aがエラストマ膜100に押し付けられることにより、エラストマ膜100の一部領域Rpが伸張し、
図6Cに示すように、管部材15に沿った形状となる。なお、管部材15に沿った形状とは、円筒形状の管部材15の側面に沿った形状、および、管部材15の上端面に沿った形状を意味する。管部材15の上端面には、管を形成するための開口が設けられているが、エラストマ膜100には張力が掛かっているため、管部材15の開口の内部にまでは入り込まない。この際、電極13および14もエラストマ膜100に合わせて伸張する。
【0060】
この状態で、管部材15に沿った形状を有する部分のみを残して、それ以外のエラストマ膜100が切除される。そして、
図6Dに示すように、電極13および14と電気的に接続された導線16および17が設けられ、その周囲に絶縁テープ19が巻かれる。なお、導線16および17を設ける方法およびタイミングについては、本発明では特に限定しない。
【0061】
そして、
図7Aに示すように、管部材15の下端側から図示しないポンプ等により空気等の流体が流し込まれ、エラストマ膜100が上側(第1面100s1側)に向かって膨張する。これにより、球形状を有する第2部材12が形成される。エラストマ膜100の、絶縁テープ19により固定されている部分はほぼ膨張せず、管部材15の側面に電極14を介して密着した状態の第1部材11となる。
【0062】
最後に、
図7Bに示すように、流体によりエラストマ膜100に膨張した状態で、管部材15の下端部が蓋部材18により封止される。
【0063】
このようにして、
図1等に図示されるスピーカ1が製造される。
【0064】
<使用方法>
スピーカ1を使用する場合、導線16および17を介して所望の音に対応した信号を入力させる。入力された信号に従って、膨張したエラストマ膜100で構成される第2部材12が振動し、所望の音を再生させることができる。
【0065】
<作用・効果>
本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、エラストマ膜100の少なくとも一部が加圧により膨張して形成されているエラストマ構造体(第1部材11および第2部材12)と、エラストマ膜100の両面に形成され、エラストマ膜100に電圧を印加する電極13および14と、を備える三次元誘電エラストマ構造体で構成されている。
【0066】
このように、本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、音を発生させる部位(第2部材12)が膨張したエラストマ膜100で構成されている。このため、第2部材12は薄く、単位面積あたりの質量が小さいため、低電圧で低周波数帯域から超音波領域まで大きな振動を得ることができる。また、膨張により表面積が拡大された第2部材12全体の振動により音が発生するため、第2部材12を支持する第1部材11がある方向を除いて、下方向を含む全方向に向かって音波が放射される。このため、高い無指向性を得ることができる。
【0067】
本発明の実施の形態に係るスピーカ1では、第2部材12を構成するエラストマ膜100は、柔軟性を有し、空気等の流体の内圧によって膨張した状態で維持されている。このため、第2部材12に対して、内圧よりも大きな外圧が加えられた場合、第2部材12はその外圧によって柔軟に変形(3次元変形)しうる。従来の硬い材料で作られているスピーカは、外圧により部材に塑性変形してしまうと、所望の音を発生することができなくなる。しかし、本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、柔軟なエラストマ膜100で構成されているため、外圧により一時変形しても外圧が解除されれば元の形に戻ることができる。そのため、本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、風の強い屋外等、砂や砂利が舞い、スピーカ1に衝突するような状況(固い材料で作られた従来のスピーカが破壊される、または故障してしまうような状況)でも、使用することができる。また、本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、3次元変形を許容するため、設置スペースが狭い、または入り組んだ形状のスペースにも設置できる。
【0068】
また、本発明の実施の形態に係るスピーカ1では、第2部材12が球形、半球形、円筒形、円錐形、円錐台形、または楕円体形を有する。特に球形状の場合、スピーカ1は、高い無指向性を得ることができる。
【0069】
本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、エラストマ膜100の一部領域Rpの両面に電極13および14を形成し、一部領域Rpの一方の面側から管部材15の一端部15Aを押し付けることで、一部領域Rpを伸張させて管部材15の側面に密着させ、管部材15の他端部15B側から流体を流入させることで一部領域Rpの管部材15側の面を加圧し、エラストマ膜100を膨張させて三次元誘電エラストマ構造体(第1部材11および第2部材12)を形成し、エラストマ膜100が膨張した状態で管部材15の他端部15B側を封止することにより製造される。
【0070】
なお、電極13および14は、一部領域Rpの周囲を固定した上で、一部領域Rpに対してエラストマ膜100の両面のうちの第1面100s1側から加圧して第1面100s1とは反対の第2面100s2側にエラストマ膜100を膨張させ、膨張したエラストマ膜100の第2面100s2側に電極14を形成し、加圧を解除した後、第2面100s2側から加圧して第1面100s1側にエラストマ膜100を膨張させ、膨張したエラストマ膜100の第1面100s1側に電極13を形成することにより形成される。
【0071】
このように、本発明の実施の形態に係るスピーカ1は、部品点数が少なく単純な構造を有し、簡単な手順で製造することができ、
図2に例示したように製造に用いる部品も少なくてすむ。このため、低コストで製造することができる。
【0072】
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜変形して実施することが可能である。
【0073】
上述した実施の形態では、三次元誘電エラストマ構造体を構成する第2部材12の形状は、球形状、半球形状、円筒形、円錐形、円錐台形、または楕円体形状であるとしたが、本発明はこれに限定されない。第2部材12は、エラストマ膜100の膨張によって形成されればよく、その形状の例には、例えば六面体、八面体、十二面体、二十面体等の多面体形状の他、錐形状、筒形状、または不定形状等が含まれうる。第2部材12は、例えば球形状の表面に複数の突起を有する、金平糖のような形状に形成されていてもよい。また、縁が一部丸くなっている形状も含まれる。本発明の実施の形態に係る球形のスピーカ1では無指向性を持たせることを特徴としていたが、形状によっては、反対に特定の方向への指向性を持たせることもできる。すなわち、本発明のスピーカは、三次元形状を有する誘電エラストマ構造体により、無指向性を含む任意の音響放射特性を得ることができる。
【0074】
上述した実施の形態では、
図5C等に示すように、土台部24を介して空気等の流体を流し込むことで、加圧により第2部材12を膨張させるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、土台部を介して流体を吸い出し、土台部の内部を減圧させることで、第2部材を膨張させてもよい。この場合、上述した実施の形態とは反対に、土台部の内部に向かって第2部材が膨張することになる。このような方法を用いても、土台部の内径を第1環状プレートおよび第2環状プレートの開口部に対して十分に大きくすることで、第2部材を好適に膨張させることができる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、管部材15の他端部15Bから第1部材11および第2部材12の内部に流し込まれる流体として空気を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば他のガス、または液体であってもよい。
【0076】
上述した実施の形態では、第2部材12の両面に電極13および14が形成されていたが、本発明はこれに限定されない。第2部材12の内側に電極14を形成する代わりに、膨張した第2部材12の内部に導電性を有する物質(例えば、液体(食塩水等)、気体、プラズマ等)を充填し、この物質と電源とを電気的に接続するようにしてもよい。
【0077】
上述した実施の形態では、管部材15が円筒形状を有するとしたが、本発明はこれに限定されない。管部材15の断面形状は円形状に限定されず、例えば、四角形等の多角形であってもよい。また、上述した実施の形態では、管部材15の一端部15Aを構成する面は、
図6A等に示すように、管部材15の中心軸に対して垂直に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、管部材15の一端部15Aを構成する面が管部材15の中心軸に対して斜めに形成されていてもよい。
【0078】
上述した実施の形態では、第1部材11と第2部材12とが同じエラストマ膜で製造されるとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1部材11と第2部材12とを異なる材質のエラストマ膜で製造し、適宜の方法で互いに接続してもよい。また、第1部材11と第2部材12とを同じ材質のエラストマ膜で別個に製造し、適宜の方法で互いに接続してもよい。
【0079】
上述した実施の形態では、スピーカ1を製造する際に、第2部材12を加圧して膨張させた状態で電極13および14を形成した後、再度第2部材12を加圧して膨張させることでスピーカ1を構成するための三次元形状(球形状)を形成している。本発明において、電極13および14を形成する際に第2部材12に加えられる圧力値と、三次元形状を形成する際に第2部材12に加えられる圧力値とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
【0080】
さらに、上述した実施の形態では、第1部材11、第2部材12、並びに電極13および14を有する三次元誘電エラストマ構造体を、スピーカ1に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の三次元誘電エラストマ構造体は、電圧の印加により膨張したエラストマ膜が振動するという性質を使用して、例えば、アクチュエータまたはモータ等に適用することができる。また、マイク(マイクロフォン)またはジェネレータとして使用することもできる。さらに、振動を検知するセンサとして使用することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、低コストで製造できる、無指向性のスピーカ等に有用である。
【符号の説明】
【0082】
1 スピーカ
11 第1部材
12 第2部材
13 電極
14 電極
15 管部材
15A 一端部
15B 他端部
16 導線
17 導線
18 蓋部材
19 絶縁テープ
2 製造装置
21 第1環状プレート
21O 開口部
21h,22h,23h,24h 穴
22 第2環状プレート
22O 開口部
23 ガスケット
23O 開口部
24 土台部
24O 開口部
24f フランジ部
24t 管状部
25 ボルト
26 ナット
100 エラストマ膜
100s1 第1面
100s2 第2面
Rp 一部領域