(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】通信端末、画像処理システム及び画像処理方法
(51)【国際特許分類】
H04Q 9/00 20060101AFI20240201BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240201BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240201BHJP
G08C 25/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H04Q9/00 311H
G08C15/00 E
H04M11/00 302
G08C25/00 Z
(21)【出願番号】P 2022130204
(22)【出願日】2022-08-17
【審査請求日】2023-10-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】509042518
【氏名又は名称】エコモット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】田川 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】板橋 広智
(72)【発明者】
【氏名】趙 越
(72)【発明者】
【氏名】都鳥 真也
(72)【発明者】
【氏名】入澤 拓也
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-092364(JP,A)
【文献】特開2022-046277(JP,A)
【文献】特開2021-197119(JP,A)
【文献】特開2018-082386(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2022-0027119(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第105739461(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
G08C 15/00
H04M 11/00
G08C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺環境を検出した検出値を外部装置に送信する検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を撮像した撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像画像中の前記識別子を読み取ることにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記識別情報で識別される検出装置が検出した検出値を前記外部装置から取得する検出値取得部と、
前記検出値取得部が取得した前記検出値と、前記撮像部が生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する通信端末。
【請求項2】
前記記憶制御部は、前記検出値と前記撮像画像とを関連付けて前記外部装置と異なる情報処理装置に出力することにより、前記検出値と前記撮像画像とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させる、
請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記記憶部に記憶されている前記検出値を当該検出値に関連付けられた前記撮像画像に重畳した合成画像を、前記通信端末の表示部に表示させる表示制御部を備える、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記記憶部に記憶されている前記検出値を当該検出値に関連付けられた前記撮像画像に重畳した合成画像を、前記通信端末と異なる他端末に送信することにより、前記他端末の表示部に前記合成画像を表示させる表示制御部を備える、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項5】
前記識別子は、前記識別情報を1次元又は2次元コードに符号化したコード画像であり、
前記撮像部は、前記検出装置の周辺に表示された前記コード画像を撮像した前記撮像画像を生成する、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項6】
前記撮像部は、複数の前記識別情報が含まれている一の前記識別子を撮像した撮像画像を生成し、
前記検出値取得部は、前記一の識別子を復号することにより取得された前記複数の識別情報を含む前記検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記複数の識別情報の各々に対応す
る複数の
前記検出値を前記外部装置から取得し、
前記記憶制御部は、前記一の識別子を撮像した一の前記撮像画像に、前記一の識別子に含まれている前記複数の識別情報の各々に対応する前記複数の検出値を関連付けて前記記憶部に記憶させる、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項7】
前記検出値取得部は、前記撮像画像が生成された時刻を含む前記検出値送信要求を送信することにより、前記撮像画像が生成された時刻の直近の時刻に検出された検出値を取得する、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項8】
前記検出値取得部は、前記検出装置が検出した前記検出値及び前記検出装置の周辺に設置された他の検出装置が検出した検出値の送信を要求する複数検出値送信要求を前記外部装置に送信することにより、前記識別情報で示される前記検出装置の前記検出値及び前記他の検出装置の検出値を取得する、
請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項9】
検出装置と、外部装置と、通信端末とを有し、
前記検出装置は、周辺環境を検出した検出値を前記外部装置に送信し、
前記外部装置は、前記検出装置が検出した前記検出値を受信すると、前記検出装置を識別するための識別情報に受信した前記検出値を関連付けて記憶し、
前記通信端末は、
前記検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を撮像した撮像画像を生成する撮像部と、
前記撮像画像中の前記識別子を復号することにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記識別情報に関連付けて前記外部装置に記憶されている検出値を前記外部装置から取得する検出値取得部と、
前記検出値取得部が取得した前記検出値と、前記撮像部が生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、
を有する、
画像処理システム。
【請求項10】
撮像部を備える通信端末に搭載されたコンピュータが実行する、
周辺環境を検出した検出値を外部装置に送信する検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を前記撮像部に撮像させて撮像画像を生成するステップと、
前記撮像画像中の前記識別子を復号することにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信するステップと、
前記識別情報で識別される検出装置が検出した検出値を前記外部装置から取得するステップと、
取得した前記検出値と、生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末、画像処理システム及び画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサが設置された位置における温度や湿度等の環境情報を、設置された位置と異なる遠隔地で取得する技術が知られている。特許文献1には、センサが検出した環境情報を、データ通信を介して遠隔地に設置されたサーバが取得する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、データ通信を介して取得されたセンサの検出値に、センサが設置された現場を撮像した撮像画像を関連付ける作業を人が行うことがある。しかしながら、検出値に撮像画像を関連付ける作業を手作業で行うと、作業負荷の増大や作業ミスが生じるおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、検出値に撮像画像を関連付ける作業を簡単にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、周辺環境を検出した検出値を外部装置に送信する検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を撮像した撮像画像を生成する撮像部と、前記撮像画像中の前記識別子を読み取ることにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記識別情報で識別される検出装置が検出した検出値を前記外部装置から取得する検出値取得部と、前記検出値取得部が取得した前記検出値と、前記撮像部が生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する通信端末を提供する。
【0007】
前記記憶制御部は、前記検出値と前記撮像画像とを関連付けて前記外部装置と異なる情報処理装置に出力することにより、前記検出値と前記撮像画像とを関連付けて前記情報処理装置の記憶部に記憶させてもよい。
【0008】
前記通信端末は、前記記憶部に記憶されている前記検出値を当該検出値に関連付けられた前記撮像画像に重畳した合成画像を、前記通信端末の表示部に表示させる表示制御部を備えてもよい。
【0009】
前記通信端末は、前記記憶部に記憶されている前記検出値を当該検出値に関連付けられた前記撮像画像に重畳した合成画像を、前記通信端末と異なる他端末に送信することにより、前記他端末の表示部に前記合成画像を表示させる表示制御部を備えてもよい。
【0010】
前記識別子は、前記識別情報を1次元又は2次元コードに符号化したコード画像であり、前記撮像部は、前記検出装置の周辺に表示された前記コード画像を撮像した前記撮像画像を生成してもよい。
【0011】
前記撮像部は、複数の前記識別情報が含まれている一の前記識別子を撮像した撮像画像を生成し、前記検出値取得部は、前記一の識別子を復号することにより取得された前記複数の識別情報を含む前記検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記複数の識別情報の各々に対応する前記複数の検出値を前記外部装置から取得し、前記記憶制御部は、前記一の識別子を撮像した一の前記撮像画像に、前記一の識別子に含まれている前記複数の識別情報の各々に対応する前記複数の検出値を関連付けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
前記検出値取得部は、前記撮像画像が生成された時刻を含む前記検出値送信要求を送信することにより、前記撮像画像が生成された時刻の直近の時刻に検出された検出値を取得してもよい。
【0013】
前記検出値取得部は、前記検出装置が検出した前記検出値及び前記検出装置の周辺に設置された他の検出装置が検出した検出値の送信を要求する複数検出値送信要求を前記外部装置に送信することにより、前記識別情報で示される前記検出装置の前記検出値及び前記他の検出装置の検出値を取得してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、検出装置と、外部装置と、通信端末とを有し、前記検出装置は、周辺環境を検出した検出値を前記外部装置に送信し、前記外部装置は、前記検出装置が検出した前記検出値を受信すると、前記検出装置を識別するための識別情報に受信した前記検出値を関連付けて記憶し、前記通信端末は、前記検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を撮像した撮像画像を生成する撮像部と、前記撮像画像中の前記識別子を復号することにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信し、前記識別情報に関連付けて前記外部装置に記憶されている検出値を前記外部装置から取得する検出値取得部と、前記検出値取得部が取得した前記検出値と、前記撮像部が生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部と、を有する、画像処理システムを提供する。
【0015】
本発明の第3の態様においては、撮像部を備える通信端末に搭載されたコンピュータが実行する、周辺環境を検出した検出値を外部装置に送信する検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を前記撮像部に撮像させて撮像画像を生成するステップと、前記撮像画像中の前記識別子を復号することにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を前記外部装置に送信するステップと、前記識別情報で識別される検出装置が検出した検出値を前記外部装置から取得するステップと、取得した前記検出値と、生成した前記撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させるステップと、を有する情報処理方法を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、検出値に撮像画像を関連付ける作業が簡単になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】情報処理システムの概要を説明するための図である。
【
図3】外部装置記憶部に記憶されたデータテーブルの模式図である。
【
図4】一のコード画像に複数の識別情報が含まれている例を説明するための図である。
【
図5】複数の検出値を重畳した合成画像を説明するための図である。
【
図6】情報処理システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明するための図である。情報処理システムSは、検出装置1、外部装置2、通信端末3、情報処理装置4及び他端末5を有する。建設現場等に設置されている検出装置1は、周辺環境を検出するセンサ、及び外部装置2と情報を送受信するための通信モジュールを有している。検出装置1は、検出値を外部装置2に送信し、外部装置2は、送信された検出値を記憶している。
【0019】
ところで、建設現場における業務の一つに、現場を撮像した撮像画像と、撮像画像が撮像されたときのセンサの検出値を関連付けて記録するというものがある。しかしながら、検出装置1は、耐侯性や耐久性の向上、低価格化等により表示部を有していない。そのため、外部装置2に記憶されている検出値と、検出装置1を撮像した撮像画像を別々に取得して、検出値に撮像画像を関連付ける作業をユーザが手作業で行う必要があった。その結果、ユーザの作業負荷が増大したり、ユーザが関連付ける検出値と撮像画像を誤ってしまう作業ミスが生じたりすることがあった。
【0020】
情報処理システムSは、検出装置1の検出値に、検出装置1を撮像した撮像画像を関連付ける作業を簡単にするためのシステムである。以下、情報処理システムSの概要を説明する。
【0021】
検出装置1の表面には、検出装置1を識別するための識別情報を含む識別子が表示されている。識別子は、検出装置1の周辺に表示されていてもよい。識別子は、例えば識別情報を2次元コードに符号化したコード画像11である。2次元コードは、例えばマトリックス型2次元コードであり、具体的にはQRコード(登録商標)であるが、これに限定するものではない。また、識別子は、識別情報を1次元コードに符号化したコード画像、又は符号化していない識別情報を示す文字や数字であってもよい。
【0022】
検出装置1は、所定時間毎に周辺環境を検出するセンサを有する。所定時間は例えば1分である。具体的には、検出装置1は、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、気流センサ、粉塵センサ、マイクロフォン、加速度センサ、照度センサ、ガスセンサ、差圧センサの内少なくともいずれか一つを備え、温度、湿度、気圧、気流、粉塵量、粒径別粉塵個数、騒音レベル、加速度、照度、酸素濃度、一酸化炭素濃度、二酸化炭素濃度、総揮発性有機化合物濃度、化学物質濃度、差圧を検出する。
【0023】
検出装置1は、センサが検出した周辺環境を示す検出値(23.5℃)を外部装置2に送信する(
図1の(1))。検出装置1は、所定時間毎にセンサが検出した検出値を、検出装置1を識別するための識別情報に関連付けて外部装置2に送信する。
【0024】
外部装置2は、検出値を取得して記憶するサーバである。外部装置2は、外部装置記憶部21を有する。外部装置記憶部21は、ハードディスク等を含む記憶媒体である。外部装置2は、検出装置1から送信された検出値と識別情報とを関連付けた状態で外部装置記憶部21に記憶させる(
図1(2))。
【0025】
通信端末3は、撮像部及び通信部を有する、例えばスマートフォンである。通信端末3は、検出装置1及び検出装置1に表示されたコード画像11を撮像した撮像画像を生成する(
図1(3))。通信端末3は、撮像画像中のコード画像11から識別情報[KID001]を取得する。通信端末3は、取得した識別情報[KID001]を含む、検出装置1が検出した検出値の送信を要求する検出値送信要求を外部装置2に送信する(
図1(4))。外部装置2は、検出装置1から検出値送信要求を受信すると、検出値送信要求に含まれている識別情報[KID001]に対応する検出値(23.5℃)を通信端末3に送信する(
図1(5))。
【0026】
通信端末3は、外部装置2から取得した検出値と、検出装置1を撮像した撮像画像を関連付けて、通信端末3の記憶部に記憶させる(
図1(6))。これにより、通信端末3のユーザは、検出装置1に表示されたコード画像11を撮像するだけで、撮像画像と検出装置1の検出値を関連付けることができる。
【0027】
通信端末3は、取得した検出値(23.5℃)を撮像画像に重畳した合成画像を通信端末3の表示部に表示させる(
図1(7))。
図1に示すように、通信端末3の表示部には、検出装置1が検出した検出値(23.5℃)が表示されている。これにより、通信端末3のユーザは、検出装置1に表示されたコード画像11を撮像するだけで、表示部を備えない検出装置1が検出した検出値を把握できる。
【0028】
通信端末3は、検出値(23.5℃)を撮像画像に重畳した合成画像を、検出装置1と異なる情報処理装置4に送信する(
図1(8))。情報処理装置4は、検出装置1が設置された現場と異なる遠隔地に設置された他端末5と、通信端末3との通信を中継するサーバである。情報処理装置4は、合成画像を取得すると、合成画像を他端末5に転送する(
図1(9))。
【0029】
他端末5は、情報処理装置4から取得した合成画像を他端末5の表示部に表示させる(
図1(10))。これにより、他端末5を使用している、検出装置1が設置されている現場の管理者は、検出装置1が設置された現場と異なる遠隔地に居ながらにして、検出装置1が検出した検出値と、検出装置1の周辺の様子を把握できる。
【0030】
[通信端末3の構成]
図2は、通信端末3の構成を示す模式図である。通信端末3は、撮像部31と、タッチパネル32と、通信部33と、端末記憶部34と、制御部35とを備える。撮像部31は、撮像画像を生成する。具体的には、撮像部31は、検出装置1及び検出装置1の表面に表示されたコード画像11を撮像した撮像画像を生成する。
【0031】
タッチパネル32は、表示部及び入力部を含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイである。入力部は、例えばタッチパッドである。ユーザは、表示部に表示された画面上の表示(アイコン等)をタッチすることで通信端末3を操作できる。
【0032】
通信部33は、無線通信回線を介して情報を送受信するための無線通信モジュールである。通信部33は、例えばインターネットを介して外部装置2及び情報処理装置4と通信することができる。
【0033】
端末記憶部34は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等を含む記憶媒体である。端末記憶部34は、制御部35が実行するプログラムを記憶する。また、端末記憶部34は、外部装置2から取得した検出値を、撮像部31が生成した撮像画像に関連付けて記憶する。
【0034】
制御部35は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む計算リソースである。制御部35は、端末記憶部34に記憶されたプログラムを実行することにより、識別情報取得部351、検出値取得部352、記憶制御部353及び表示制御部354としての機能を実現する。
【0035】
識別情報取得部351は、撮像部31が撮像した撮像画像を取得する。識別情報取得部351は、撮像画像中のコード画像11を読み取ることにより、コード画像11に含まれている検出装置1の識別情報[KID001]を取得する。具体的には、識別情報取得部351は、コード画像11を復号することにより、コード画像11に含まれている識別情報[KID001]を取得する。識別情報取得部351は、撮像画像に識別情報を示す文字や数字が含まれていれば、撮像画像を解析することにより撮像画像に含まれている文字や数字を識別情報として取得する。
【0036】
検出値取得部352は、識別情報取得部351により取得された識別情報[KID001]を含む検出値送信要求を、通信部33を介して外部装置2に送信する。外部装置2は、検出値送信要求を受信すると、検出値送信要求に含まれている識別情報[KID001]に関連付けられている検出値を通信端末3に送信する。
【0037】
図3は、外部装置記憶部21に記憶されたデータテーブルの模式図である。
図3に示すように、検出装置1を識別するための識別情報に、検出値として温度及び湿度が関連付けられている。具体例を挙げると、識別情報[KID001]には、時刻[14:40:00]に検出された検出値として、温度[23.5]と湿度[70.0]が関連付けられている。また、識別情報には、検出値が検出された時刻及び検出装置1が設置された位置が関連付けていてもよい。例えば、識別情報[KID001]には、識別情報[KID001]で示される検出装置1が設置された位置を示す位置情報[X1、Y1]が関連付けられている。
【0038】
外部装置2は、識別情報[KID001]に関連付けられている複数の検出値のうちの最新の時刻に関連付けられている検出値を通信端末3に送信する。そして、検出値取得部352は、識別情報[KID001]で識別される検出装置1が検出した検出値を、通信部33を介して外部装置2から取得する。
【0039】
なお、外部装置2は、識別情報[KID001]に複数の種別の検出値(例えば温度及び湿度)が関連付けられている場合、識別情報[KID001]に関連付けられている複数の種別の検出値を通信端末3に送信する。そして、検出値取得部352は、識別情報[KID001]に関連付けられている複数の種別の検出値を外部装置2から取得する。
【0040】
検出値取得部352は、撮像画像が生成された時刻の直近の時刻に検出された検出値を外部装置2から取得してもよい。この場合、検出値取得部352は、撮像画像が生成された撮像時刻を含む検出値送信要求を送信する。外部装置2は、検出値送信要求に含まれている撮像時刻の直近の時刻に検出された検出値を特定する。例えば、外部装置2は、撮像時刻[14:41:40]の直前の時刻[14:41:00]に取得された検出値(23.4℃及び69.4%)を取得する。また、外部装置2は、撮像時刻の直近の時刻が、撮像時刻よりも後の時刻である場合、撮像時刻の直後の時刻に関連付けられている検出値を送信する。これにより、検出値取得部352は、撮像画像が生成された時刻の直近の時刻に検出された検出値を外部装置2から取得できる。
【0041】
検出値取得部352は、一のコード画像に複数の識別情報が含まれている場合、一のコード画像に含まれている複数の識別情報に対応する検出値を取得できる。この場合、識別情報取得部351は、複数の識別情報が含まれている一のコード画像を撮像部31が撮像することにより生成した撮像画像を取得する。
【0042】
図4は、一のコード画像12に複数の識別情報が含まれている例を説明するための図である。
図4の検出装置1a、検出装置1b及び検出装置1cの3つの検出装置は、温湿度センサを備えており、コンクリートを打設する現場に設置されている。以下、特に区別する必要のない限り、検出装置1a、検出装置1b及び検出装置1cを総称して複数の検出装置1という。複数の検出装置1の各温湿度センサは、コンクリートに差し込まれ、コンクリートの温度及び湿度を検出している。
【0043】
図4のコード画像12には、検出装置1a、検出装置1b及び検出装置1cの各々の識別情報が含まれている。具体的には、コード画像12は、検出装置1aの識別情報[KID001]、検出装置1bの識別情報[KID002]及び検出装置1cの識別情報[KID003]が符号化されたコード画像である。撮像部31は、コード画像12及び複数の検出装置1を含む撮像画像を生成する。
【0044】
識別情報取得部351は、コード画像12を復号することにより、コード画像12に含まれている3つの識別情報を取得する。検出値取得部352は、取得された3つの識別情報を含む検出値送信要求を外部装置2に送信する。外部装置2は、検出値送信要求に含まれている各識別情報に対応する3つの検出値を通信端末3に送信する。そして、検出値取得部352は、複数の識別情報の各々に対応する3つの検出値を外部装置2から取得する。
【0045】
検出値取得部352は、コード画像11に含まれている識別情報で示される検出装置1の周辺に設置された他の検出装置1の検出値を取得してもよい。この場合、検出値取得部352は、検出装置1の周辺に設置された他の検出装置1の検出値の送信を要求する複数検出値送信要求を外部装置2に送信する。外部装置2は、検出値取得部352から取得した複数検出送信要求に含まれる識別情報に関連付けられた位置情報が示す位置から所定の距離以内に、位置が含まれる検出装置1の検出値を特定する。外部装置2は、特定した検出値、及び複数検出送信要求に含まれる識別情報に関連付けられた検出値を通信端末3に送信する。これにより、検出値取得部352は、検出装置1及び検出装置1の周辺に設置された他の検出装置1の検出値を、一のコード画像11を撮像するだけで取得できる。
【0046】
検出値取得部352は、複数検出値送信要求を外部装置2に送信する際に、検出値を取得する他の検出装置1を特定するための、基準となる検出装置1からの距離の入力を受け付ける。そして、検出値取得部352は、入力された距離を示す距離情報を含む複数検出値送信要求を外部装置2に送信する。外部装置2は、複数検出送信要求に含まれる識別情報に関連付けられた位置情報が示す位置から、複数検出値送信要求に含まれている距離以内に、位置が含まれる検出装置1の検出値を特定する。これにより、通信端末3のユーザは、一のコード画像11に対応する検出装置1から任意の距離以内の他の検出装置1の検出値を取得できる。
【0047】
記憶制御部353は、検出値取得部352が取得した検出値と、撮像部31が生成した撮像画像とを関連付けて端末記憶部34に記憶させる。これにより、通信端末3のユーザは、検出装置1に表示されたコード画像11を撮像するだけで、表示部を備えない検出装置1が検出して外部装置2に記憶されている検出値を、検出装置1を撮像した撮像画像に関連付けて記憶させることができる。
【0048】
また、記憶制御部353は、コード画像12を撮像した一の撮像画像に、コード画像12に含まれている各識別情報に対応する3つの検出値を関連付けて端末記憶部34に記憶させる。これにより、通信端末3のユーザは、一のコード画像12を撮像するだけで、複数の検出装置1の各々が検出した検出値を、一のコード画像12を撮像した撮像画像に関連付けることができる。
【0049】
記憶制御部353は、検出値と撮像画像を関連付けて情報処理装置4の記憶部に記憶させてもよい。この場合、記憶制御部353は、検出値と撮像画像を関連付けた状態で情報処理装置4に出力する。情報処理装置4は、通信端末3から受信した検出値及び撮像画像を関連付けた状態で情報処理装置4の記憶部に記憶させる。このようにすることで、情報処理装置4は、通信端末3のユーザがコード画像11を撮像するだけで、コード画像11に対応する検出装置1の検出値と、撮像画像を関連付けた状態で管理できるようになる。
【0050】
表示制御部354は、検出値を撮像画像に重ねた合成画像を生成する。例えば、表示制御部354は、端末記憶部34に記憶されている検出値を当該検出値に関連付けられた撮像画像に重畳した合成画像を生成する。また、表示制御部354は、一の撮像画像に複数の検出値が関連付けられている場合、一の撮像画像に、当該一の撮像画像に関連付けられている複数の検出値を重畳した合成画像を生成する。表示制御部354は、生成した合成画像をタッチパネル32に表示させる。
【0051】
図5は、複数の検出値を重畳した合成画像を説明するための図である。
図5には、検出装置1aが検出した検出値71、検出装置1bが検出した検出値72、及び検出装置1cが検出した検出値73が撮像画像に重畳された合成画像が表示されている。このようにすることで、通信端末3のユーザは、一のコード画像12を撮像するだけで、複数の検出装置1の検出値を把握できる。
【0052】
また、表示制御部354は、表示する検出値を選択するアイコンを合成画像に重畳してもよい。例えば、表示制御部354は、温度を表示させるアイコン74と、湿度を表示させるアイコン75とを合成画像に表示させる。表示制御部354は、タップされたアイコンに対応する検出値を表示させる。これにより、通信端末3のユーザは、アイコン74をタップすることで温度を表示させ、アイコン75をタップすることで湿度を表示させることができる。表示制御部354は、アイコン74とアイコン75の両方がタップされた場合、温度と湿度の両方を重畳した合成画像をタッチパネル32に表示させる。なお、通信端末3のユーザは、温度が表示された状態でアイコン74をタップすることで温度を表示させないようにでき、湿度が表示された状態でアイコン75をタップすることで湿度を表示させないようにできる。
【0053】
表示制御部354は、合成画像を他端末5に送信することにより、他端末5の表示部に合成画像を表示させてもよい。例えば、表示制御部354は、情報処理装置4を介して合成画像を他端末5に送信することにより、他端末5の表示部に合成画像を表示させる。具体的には、まず、表示制御部354は、情報処理装置4に合成画像を送信する。つぎに、情報処理装置4は、表示制御部354から送信された合成画像を他端末5に転送する。そして、他端末5は、他端末5の表示部に合成画像を表示させる。これにより、他端末5を使用する管理者は、検出装置1が設置された現場と異なる場所に居ながらにして、複数の検出装置1が検出した各検出値を把握できる。
【0054】
表示制御部354は、情報処理装置4に合成画像を生成させて、生成させた合成画像を他端末5に送信させてもよい。具体的には、表示制御部354は、検出値に撮像画像を関連付けて情報処理装置4に送信する。情報処理装置4は、検出値に撮像画像を受信すると、検出値を撮像画像に重畳した合成画像を生成し、生成した合成画像を他端末5に送信する。
【0055】
[情報処理システムSの処理の流れ]
図6は、情報処理システムSの処理の流れを示すシーケンス図である。検出装置1は、周辺環境を検出する毎に、検出した検出値を外部装置2に送信する(ステップS1)。具体的には、検出装置1は、検出装置1の識別情報を検出値に関連付けて外部装置2に送信する。外部装置2は、検出装置1が送信した検出値及び識別情報を取得すると、識別情報及び検出値が関連付けられた状態で外部装置記憶部21に記憶させる(ステップS2)。
【0056】
通信端末3は、検出装置1及びコード画像11を撮像した撮像画像を生成する(ステップS3)。通信端末3は、コード画像11を読み取ることにより、コード画像11に含まれている識別情報を取得する。通信端末3は、取得した識別情報を含む検出値送信要求を外部装置2に送信する(ステップS4)。外部装置2は、検出値送信要求を受信すると、検出値送信要求に含まれている識別情報に対応する検出値を通信端末3に送信する(ステップS5)。
【0057】
通信端末3は、外部装置2から検出値を取得すると、撮像画像と検出値を関連付けて端末記憶部34に記憶させる(ステップS6)。通信端末3は、撮像画像と検出値を情報処理装置4に送信する(ステップS7)。また、通信端末3は、撮像画像に検出値を重畳した合成画像を生成し、生成した合成画像をタッチパネル32に表示させる(ステップS8)。
【0058】
情報処理装置4は、通信端末3から送信された撮像画像に検出値を重畳した合成画像を生成する(ステップS9)。情報処理装置4は、生成した合成画像を他端末5に送信する(ステップS10)。他端末5は、情報処理装置4から送信された合成画像を表示部に表示させる(ステップS11)。
【0059】
[通信端末3の効果]
以上説明したとおり、通信端末3は、まず、検出装置1の識別情報を含むコード画像11を撮像した撮像画像に含まれるコード画像11を読み取ることにより、検出装置1の識別情報を取得する。通信端末3は、取得した識別情報を含む検出値送信要求を、検出装置1の検出値を記憶する外部装置2に送信することにより、検出装置1が検出値した検出値を外部装置2から取得する。これにより、検出装置1が外部装置2にのみ検出値を送信しているために検出装置1から直接検出値を取得できなくても、通信端末3のユーザは、検出装置1に表示されたコード画像11を撮像するだけで、外部装置2から検出値を取得できる。
【0060】
そして、通信端末3は、撮像した撮像画像と、取得した検出値を関連付けて端末記憶部34に記憶させる。これにより、通信端末3のユーザは、検出装置1及びコード画像11を撮像するだけで、コード画像11を撮像した撮像画像と、コード画像11に対応する検出装置1の検出値を関連付けて記憶させることができる。その結果、ユーザが手作業で検出値と撮像画像を関連付ける必要が無くなるので、通信端末3は、検出値に撮像画像を関連付けて記録する作業を簡単にできる。
【0061】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0062】
S 情報処理システム
1 検出装置
2 外部装置
21 外部装置記憶部
3 通信端末
31 撮像部
32 タッチパネル
33 通信部
34 端末記憶部
35 制御部
351 識別情報取得部
352 検出値取得部
353 記憶制御部
354 表示制御部
4 情報処理装置
5 他端末
【要約】
【課題】検出値に撮像画像を関連付ける作業を簡単にする。
【解決手段】通信端末3は、周辺環境を検出した検出値を外部装置に送信する検出装置を識別するための識別情報を含む識別子を撮像した撮像画像を生成する撮像部31と、撮像画像中の識別子を読み取ることにより取得された識別情報を含む検出値送信要求を外部装置に送信し、識別情報で識別される検出装置が検出した検出値を外部装置から取得する検出値取得部352と、検出値取得部352が取得した検出値と、撮像部31が生成した撮像画像とを関連付けて記憶部に記憶させる記憶制御部353と、を有する。
【選択図】
図2