(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】遊技機用操作スイッチ及びこれを備えた遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A63F5/04 602A
(21)【出願番号】P 2019197080
(22)【出願日】2019-10-30
【審査請求日】2022-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】591150270
【氏名又は名称】日本ぱちんこ部品株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001726
【氏名又は名称】弁理士法人綿貫国際特許・商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 誠
(72)【発明者】
【氏名】足立 義一
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-255259(JP,A)
【文献】特開2007-222296(JP,A)
【文献】特開2006-116362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者による入力操作により遊技機の遊技動作を制御する入力信号を発生させる遊技機用操作スイッチであって、
遊技者の押動操作によって被検知部が変位する操作部材と、
前記被検知部の変位を検知する検知手段と、を備え、
前記操作部材は個別に押し下げ可能な複数の第一操作部と、複数の第一操作部を同時に押し下げ可能な第二操作部とを備え、前記検知手段は前記第一操作部ごとに被検知部の変位を検知する検知部を複数備えており、前記第二操作部を押し下げると前記第一操作部をすべて押し下げできるがいずれの前記第一操作部を押し下げても前記第二操作部を押し下げることができないように組み付けられていることを特徴とする遊技機用操作スイッチ。
【請求項2】
前記第一操作部に各々垂下して設けられた被検知部と前記
被検知部の直下に各々配置され前記
被検知部を各々検知する同一高さに設けられた複数の検知部を備えており、前記被検知部の垂下方向の長さが互いに異なることで検知タイミングが異なる請求項1記載の遊技機用操作スイッチ。
【請求項3】
前記第一操作部に各々垂下して設けられた同一の長さを有する被検知部と、前記
被検知部の直下に異なる高さで各々配置された複数の検知部を備えており、前記検知部の高さ方向の配置が互いに異なることで検知タイミングが異なる請求項1または請求項2記載の遊技機用操作スイッチ。
【請求項4】
前記第一操作部及び前記第二操作部は、上面が開放された筐体状のハウジングとハウジング外周縁部を覆って組み付けられる枠体を備えたスイッチ本体内に支持されており、前記第一操作部は前記ハウジングとの間に装填された第一弾性部材により常時第二操作部に押し当てられるように付勢支持されており、第二操作部は、前記ハウジングとの間に装填された第二弾性部材により常時前記枠体に押し当てられるように付勢されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の遊技機用操作スイッチ。
【請求項5】
遊技機本体のベース部の設けられた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技機用操作スイッチを備え、
遊技者による前記遊技機用操作スイッチ操作により遊技動作を制御する遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、遊技機用操作スイッチ及びこれを備えた遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンなどの遊技機は、メダル等の遊技媒体を投入口に投入し、クレジットされたメダルを賭けるBETボタンを押して抽選ラインを決定した後、遊技者がスタートボタンを押すと、表示窓に表示された図柄を表示する複数のリールが変動する。表示窓には、モータにより回転駆動される回胴式リールのほかに図柄のみを変動させる画像式リールが表示される。遊技者のリール位置に対応したストップボタンの押圧操作により図柄を停止させる。このとき、入賞ラインに並んだ図柄の組み合わせに応じて遊技媒体の払い出しが行われる。なお、遊技者は、通常「左→真中→右」(順押し)の順番にストップボタンを操作するが、遊技台によっては「真中→左→右」(中押し)、「右→真中→左」(逆押し)、「左→右→真中」(挟み打ち)等の変則打ちによって「成立役」を分かりやすくしたり、押し順を指示するアシスト機能により獲得コインを増やしたりするようにしている。
【0003】
スロットマシンは、各リールの図柄変動を停止させるためのストップボタンが各リールに対応して所定間隔で装置本体に設けられている。このため、遊技者は1プレイにつきストップボタンを最低3回は押圧操作することになる。ゲームを継続するには、遊技者は離間したストップボタンを何回も操作しなければならず、負担となり易い。そこで、遊技者の負担を軽減するために、複数のリールの回転を一括して停止させるストップボタンを備えたスロットマシンが提案されている。(特許文献1,2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-187563号公報
【文献】特許第4870406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のスロットマシンは、1回のストップボタンを押す動作で3個のドラムを順番に停止させる機能を有することが開示されているが、いかなる構成で1回のボタン操作で3個のドラムを順番に停止させるかは具体的な開示がない。
【0006】
また、特許文献2のスロットマシンは、一括停止ボタンを押すと、すべてのリールに対して一括して変動停止信号を発生する。このとき、当たり役である内部当選役の入賞図柄を停止させるための引き込み量を計算し、引込制御の範囲内にある場合には入賞図柄で停止させ、引き込み範囲外である場合には、引込制御をせずにビタ止まり制御により各リールの図柄変動を停止させるようになっている。このように、遊技者は通常のストップボタンとは異なる位置に設けられた一括停止ボタンを選択して押すことで、異なるリールの制御動作を選択することになる。このため、操作性が必ずしもよくないうえに、遊技者によっては個別のストップボタンと一括停止ボタンを併用しても遊技者の操作労力軽減には不十分であり、ボタン操作の選択によりリール停止動作も変わるため違和感が生じる。
【0007】
以下に述べるいくつかの実施形態に適用される開示は、上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、簡単なスイッチ操作で遊技者による入力操作の労力を軽減すると共に、遊技機の遊技動作を制御する入力信号を機械的に発生させることが可能な操作性の良い遊技機用操作スイッチ及びこれを用いて遊技者に使い勝手の良い遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下に述べるいくつかの実施形態に関する開示は、少なくとも次の構成を備える。
遊技者による入力操作により遊技機の遊技動作を制御する入力信号を発生させる遊技機用操作スイッチであって、遊技者の押動操作によって被検知部が変位する操作部材と、前記被検知部の変位を検知する検知手段と、を備え、前記操作部材は個別に押し下げ可能な複数の第一操作部と、複数の第一操作部を同時に押し下げ可能な第二操作部とを備え、前記検知手段は前記第一操作部ごとに被検知部の変位を検知する検知部を複数備えており、前記第二操作部を押し下げると前記第一操作部をすべて押し下げできるがいずれの前記第一操作部を押し下げても前記第二操作部を押し下げることができないように組み付けられていることを特徴とする。
これにより、遊技者は、第一操作部による個別の押し下げ操作と第二操作部による第一操作部の全部押し下げ操作を選んで操作することができ、操作労力を軽減して遊技継続することができる。また、遊技者が複数の第一操作部を個別に押動操作する場合と第二操作部によって複数の第一操作部を同時に押動操作する場合とで、検知部による被検知部の検知タイミングが異なったままであるので違和感なく遊技継続することができる。
【0010】
前記第一操作部に各々垂下して設けられた被検知部と前記被検知部の直下に各々配置され前記被検知部を各々検知する同一高さに設けられた複数の検知部を備えており、前記被検知部の垂下方向の長さが互いに異なることで検知タイミングが異なるようにしてもよい。
これにより、第一操作部を個別に操作する場合と、第二操作部の操作によりすべての第一操作部を押圧する場合とで、検知部が被検知部を検知するタイミングが変わらないので違和感なく遊技継続することができる。
【0011】
前記第一操作部に各々垂下して設けられた同一の長さを有する被検知部と、前記被検知部の直下に異なる高さで各々配置された複数の検知部を備えており、前記検知部の高さ方向の配置が互いに異なることで検知タイミングが異なるようにしてもよい。
これにより、第一操作部を個別に操作する場合と、第二操作部の操作によりすべての第一操作部を押圧する場合とで、検知部が被検知部を検知するタイミングが変わらないので違和感なく遊技継続することができる。
【0012】
前記第一操作部及び前記第二操作部は、上面が開放された筐体状のハウジングとハウジング外周縁部を覆って組み付けられる枠体を備えたスイッチ本体内に支持されており、前記第一操作部は前記ハウジングとの間に装填された第一弾性部材により常時第二操作部に押し当てられるように付勢支持されており、第二操作部は、前記ハウジングとの間に装填された第二弾性部材により常時前記枠体に押し当てられるように付勢されていてもよい。
これにより、第一操作部を第一弾性部材の付勢に抗して個別に操作できるうえに、第二操作部を第二弾性部材の付勢に抗して押圧するとすべての第一操作部を第一弾性部材の付勢に抗して押し下げることができる。よって、片手でしかも極めて近接配置された操作エリアでスイッチ操作できるので、操作性が極めてよく、入力操作の労力を軽減して遊技継続することができる。
【0013】
遊技機本体のベース部の設けられた上述したいずれかに記載の遊技機用操作スイッチを備え、遊技者による遊技機用操作スイッチの入力操作により遊技動作を制御する遊技機においては、遊技者に使い勝手の良い遊技機を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
簡単なスイッチ操作で遊技者による入力操作の労力を軽減すると共に、遊技機の遊技動作を制御する入力信号を機械的に発生させることが可能な操作性の良い遊技機用操作スイッチを提供することができる。
また、上記遊技機用操作スイッチを備えることで、遊技者に使い勝手の良い遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1のスロットマシンの制御系のブロック構成図である。
【
図3】
図1のスロットマシンに備える操作スイッチの斜視図である。
【
図5】
図5(a)(b)は第一操作部の操作前後の
図3の矢印X-X方向垂直断面図である。
【
図6】
図6(a)(b)は第一操作部及び第二操作部の操作前後の
図3の矢印Y-Y方向垂直断面図である。
【
図7】第二操作部の操作後の
図3の矢印X-X方向垂直断面図である。
【
図8】他例にかかる操作スイッチの
図3の矢印X-X方向垂直断面図である。
【
図9】他例にかかる操作スイッチの正面図、右側面図、平面図、矢印X-X方向垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明を実施するための一実施形態について添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1乃至
図4を参照して本実施形態に係る遊技機用操作スイッチ及び遊技機の概略構成について説明する。本実施例としては、遊技機の一例としてスロットマシンについて説明するものとする。
【0017】
先ずスロットマシン1の概略構成について説明すると、
図1においてスロットマシン1は、筐体状のスロットマシン本体2の前面を覆う前扉3が開閉可能に設けられている。前扉3の上部中央には演出表示装置4が設けられている。演出表示装置4には例えば液晶表示装置が用いられる。演出表示装置4には、装飾画面や抽選画面など演出効果を高める画像表示が行われる。演出表示装置4の左右両側にはスピーカ5が設けられている。スピーカ5は表示画像に関する音声や効果音を発生させて演出効果を高める。
【0018】
演出表示装置4の下方であって、前扉3の中央部には矩形状の表示窓が開設され、該表示窓の後方にリール6が設けられている。リール6は、正面視して左リール6L、中リール6C、右リール6Rが回転可能に併設されている。各リール6L,6C,6Rは回転軸を中心とする円柱形状をしており、これらの外周面には、所定間隔で図柄7が配置表示されている。各リール6L,6C,6Rの入賞ライン(水平方向及び対角方向)に並んだ図柄7の組み合わせにより入賞役が成立するか否か判断され、入賞役やボーナスポイントに応じたメダル数が制御部に設けられたメモリ内に加算される。リール6は、各リール6L,6C,6R内に設けられた回胴モータにより所定方向に各々回転駆動される。尚、回転式リールに替えてディスプレイ上に図柄7を表示して変動させる画像式リールを用いてもよい。
【0019】
前扉3のリール6の下部には、遊技者側に向かってせり出すように形成された操作台8が設けられている。操作台8の右側には遊技に用いるメダルを投入するメダル投入口9が設けられている。メダル投入口9の近傍には清算ボタン10が設けられている。清算ボタン10は、制御部のメモリに貯留された払い出し枚数分のメダルを清算する際に用いられる。清算ボタン10が押されると、後述するメダル払出装置により前扉3の下部に設けられた払出口11より所定数のメダルが受皿12に払い出される。
【0020】
操作台8には、正面視して左側より右側に向かって、遊技に賭けるメダル数を入力操作するBETボタン13、リール6の図柄変動を開始させるスタートボタン14、リール6の図柄変動を停止させる停止ボタン15が集約された操作スイッチ21が各々設けられている。遊技者は、BETボタン13を押すことで、貯留してあるメダル数の範囲内で、1回の遊技に賭けるメダル数を設定することができる。スタートボタン14を押すと、すべてのリール6(左リール6L,中リール6C,右リール6R)を同時に回転させて図柄変動を開始させる。
【0021】
また、停止ボタン15は、複数横並びに併設され個別に押し下げ可能な第一停止ボタン15L,15C,15R(第一操作部)と、第一停止ボタン15L,15C,15Rを囲んで配置されこれらを同時に押し下げ可能な第二停止ボタン15D(第二操作部)を備えている。第一停止ボタン15L,15C,15Rは、遊技者の操作タイミング(押圧タイミング)で対応する左リール6L,中リール6C,右リール6Rの図柄変動を停止させる停止信号を入力する。第二停止ボタン15Dは、第一停止ボタン15L,15C,15Rを一括して操作するボタンである。後述するように、第二停止ボタン15Dを押し下げると第一停止ボタン15L,15C,15Rをすべて押し下げられるが、いずれか或いは複数の第一停止ボタン15L,15C,15Rを押し下げても第二停止ボタン15Dを押し下げることはできないようになっている。
これにより、遊技者は、第一停止ボタン15L,15C,15Rによる個別の押し下げ操作と第二停止ボタン15Dによる第一停止ボタン15L,15C,15Rの一括押し下げ操作を選んで操作することができ、操作労力を軽減して遊技継続することができる。
【0022】
ここで、スロットマシン1の制御系の概略構成を
図2に示すブロック構成図を参照して説明する。主制御基板16は、遊技動作を統括制御する。主制御基板16は、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装されており、CPUがROMに格納された各種プログラムや乱数表に基づいた内部抽選の結果や入賞役データをRAMに読み出して実行することにより、遊技動作を統括制御する。主制御基板16にはメダル払出装置17の払い出し動作を制御する払出制御基板、演出表示装置4の画像表示を制御する画像処理基板、スロットマシン1に電源を供給する電源基板、入出力インターフェースなどが電気的に接続されて設けられている。
【0023】
主制御基板16には、メダル投入口9から投入されたメダル数を検出するメダルセンサ24からの検知信号、BETボタン13を押圧した回数に相当するBET数入力信号が入力され、図示しないRAM等に格納される。また、主制御基板16には、スタートボタン14からの図柄変動開始信号及び停止ボタン15(第一停止ボタン15L,15C,15R)からの図柄変動停止信号、清算ボタン10からの入力信号などが入力される。
【0024】
主制御基板16からは、スピーカ5への音声出力信号、演出表示装置4への画像出力信号、スタートボタン14からの図柄変動開始信号により回胴モータ18(例えばステッピングモータ)を一斉に回転駆動するモータ出力信号、停止ボタン15(第一停止ボタン15L,15C,15R)からの図柄変動停止信号により回胴モータ18を個別に回転停止させるモータ出力停止信号がドライバー回路を通じて出力される。CPUは、図柄変動開始信号の入力をトリガ信号として内部抽選を行って当選役を決定する。また、図柄変動停止信号の入力をトリガ信号として、回胴モータ18を所定ステップ数回転させて停止させる。
更には、主制御基板16は、リール6に表示される入賞ラインに入賞図柄が並んだ場合には、所定の払い出し枚数にBET数を乗じたメダル数を内部メモリに加算する。また、清算ボタン10からの清算信号により内部メモリに貯留されたメダル枚数をメダル払出装置17から払い出す払出信号が出力され、内部メモリがリセットされる。メダル払出装置17は、所定枚数のメダルを払出口11から受皿12へ払い出す。
【0025】
次に、操作スイッチ21の構成例について
図3乃至
図7を参照して説明する。
操作スイッチ21は、上面が開放された筐体状のハウジング19とハウジング19の外周縁部を覆って組み付けられる枠体20内に第一停止ボタン15L,15C,15R及び第二停止ボタン15Dが、押
し下げ可能に支持されている。
【0026】
具体的には、
図4に示すようにハウジング19は、ハウジング本体19aと底板19bがねじ19cによりねじ止されて一体に組み付けられる。スイッチ基板22はハウジング本体19aの下面に重ね合わせてねじ19dにより一体に組み付けられる。
スイッチ基板22には、第一停止ボタン15L,15C,15Rの検知片15L1,15C1,15R1(被検知部)を検知する第一フォトセンサ22L,22C,22R(検知部)が各第一停止ボタン15L,15C,15Rに対応して搭載されている。
【0027】
また、第一停止ボタン15L,15C,15R及び第二停止ボタン15Dの対応位置に、第一発光素子23a(LED)及び第二発光素子23b(LED)が各々搭載されている。第一発光素子23aは、第一停止ボタン15L,15C,15Rに応じて3か所に配置されており、第二発光素子23bは複数搭載されている。いずれかの第一停止ボタン15L,15C,15Rが押されて第一フォトセンサ22L,22C,22Rに検知されるとその位置の第一発光素子23aが発光するようになっている。第二発光素子23bは、第二停止ボタン15Dが押されてすべての第一フォトセンサ22L,22C,22Rが検知されると発光するようになっている。
【0028】
第一停止ボタン15L,15C,15Rは、ハウジング本体19aとの間に装填された第一コイルばね23L,23C,23R(第一弾性部材)により上方に付勢支持されている。また、第一停止ボタン15L,15C,15Rには、検知片15L1,15C1,15R1(被検知部)が各々垂下して設けられている。検知片15L1,15C1,15R1は、ハウジング本体19aの底部に設けられた貫通孔19fに挿入されて直下に配置された第一フォトセンサ22L,22C,22Rにより検知可能となっている。第一停止ボタン15L,15C,15Rの頭部近傍には、段差部15L2,15C2,15R2が各々形成されており、これらの段差部15L2,15C2,15R2が第二停止ボタン15D(ボタン本体15a)の段差部15D1に各々押し当てられるように第一コイルばね23L,23C,23Rに各々付勢されている(
図5(a)(b)参照)。
【0029】
第二停止ボタン15Dは、ボタン本体15aにワンプッシュボタン15bが一体に嵌め込まれてなる。ボタン本体15aには、第一停止ボタン15L,15C,15Rのボタン頭部が挿入される貫通孔15cが3か所に形成されている。第二停止ボタン15Dは、ハウジング本体19aとの間に装填された第二コイルばね23D(第二弾性部材)により上方に付勢支持されている。また、ボタン本体15aの外周縁部には、鍔部15D2が各々形成されており、この鍔部15D2が枠体20の内周縁部20aに押し当てられるように第二コイルばね23Dによって付勢されている(
図6(a)(b)参照)。
【0030】
ボタン本体15aには、ハウジング本体19aから抜け止めするための係止片15dが両側に設けられている。係止片15dの先端部に形成されたフック部がハウジング本体19aの内壁面に設けられた係止部19g(
図4参照)と係止可能に組み付けられる。枠体20は、第二停止ボタン15Dの付勢に抗してハウジング本体19aの外周縁部を覆って重ね合わせてコーナー部のねじ穴19eに4か所でねじ20bによりねじ止めされて一体に組み付けられる。
【0031】
これにより、第一停止ボタン15L,15C,15Rを第一コイルばね23L,23C,23Rの付勢に抗して個別に
押し下げ操作できるうえに、第二停止ボタン15Dを第二コイルばね23Dの付勢に抗して押
し下げるとすべての第一停止ボタン15L,15C,15Rを第一コイルばね23L,23C,23Rの付勢に抗して押し下げることができる(
図7参照)。よって、遊技者は片手でしかも極めて近接配置された操作エリアでスイッチ操作できるので、操作性が極めてよく、入力操作の労力を軽減して遊技継続することができる。
【0032】
図5(a)(b)に示すように、第一停止ボタン15L,15C,15Rに各々垂下して設けられた検知片15L1,15C1,15R1の垂下方向の長さが互いに異なっている。具体的には、左検知片15L1の長さが最も長く、次に中検知片15C1が長く、右検知片15R1が最も短いように形成されている。
また、スイッチ基板22に搭載された第一フォトセンサ22L,22C,22R の高さは同一である。このため、第一停止ボタン15L,15C,15Rを同時に押し下げたとしても検知片15L1,15C1,15R1の長さが異なるため第一フォトセンサ22L,22C,22Rによる検知タイミングが異なるようになっている。
つまり、第二停止ボタン15Dの操作によりすべての第一停止ボタン15L,15C,15Rを押圧しても、検知片15L1,15C1,15R1の長さの違いから第一フォトセンサ22L,22C,22Rは、第一停止ボタン15L,第一停止ボタン15C,第一停止ボタン15Rの順番に検知するため、リール6はリール6L,リール6C,リール6Rの順にタイミングをずらして停止する。
これにより、
図5(b)に示す第一停止ボタン15L,15C,15Rを個別に操作する場合と、
図7に示す第二停止ボタン15Dの操作によりすべての第一停止ボタン15L,15C,15Rを押圧する場合とで、第一フォトセンサ22L,22C,22Rが検知片15L1,15C1,15R1を検知するタイミング(リール6を停止させるタイミング)が変わらないので違和感なく遊技継続することができる。
【0033】
次に遊技機用操作スイッチの他の構成について
図8を参照して説明する。
図8は
図3の矢印X-X方向の断面図に相当する。第一停止ボタン15L, 15C,15Rに各々垂下して設けられた検知片15L1,15C1,15R1(被検知部)は垂下方向に同一の長さを有する。検知片15L1,15C1,15R1の直下には高さが異なるように第一フォトセンサ22L,22C,22R(検知部)が設けられている。また、第一フォトセンサ22L,22C,22Rの下方に直下には、第一発光素子(LED)23aが各々設けられている。第一発光素子23aは、発光基板23c上に搭載されている。また第一フォトセンサ22L,22C,22Rは、センサ基板22a上に搭載されている。発光基板23cはハウジング本体19aの底板19bに支持されており、センサ基板22aは、発光基板23cに対してL字状に起立して組み付けられている。
【0034】
このように、検知片15L1,15C1,15R1の長さが同じで、直下に配置された第一フォトセンサ22L,22C,22Rの高さ(検知位置)が異なるため、複数の第一停止ボタン15L,15C,15Rを同時操作しても検知タイミングが異なるようになっている。これにより、遊技者は、第一停止ボタン15L,15C,15Rを個別に操作する場合と、第二停止ボタン15Dの操作によりすべての第一停止ボタン15L,15C,15Rを同時操作する場合とで、リール6を停止するタイミングが変わらないため違和感なく遊技継続することができる。
【0035】
遊技機用操作スイッチの他例について、
図9を参照して説明する。
図9(a)~(d)は停止ボタン15の正面図、右側面図、平面図、矢印X-X方向垂直断面図である。
図3と同一部材には同一番号を付して説明を援用するものとし、異なる構成を中心に説明する。
上述した実施例では個別操作可能な第一停止ボタン15L,15C,15Rとこれらを同時操作可能な第二停止ボタン15Dを別に設けていたが、第二停止ボタン15Dに替えて、第一停止ボタン15L,15C,15Rを同時操作しやすいようにボタン間の距離が近接した薄板状の第二停止操作部15DL,15DC,15DRを遊技者の手前側に延設してもよい。第二停止操作部15DL,15DC,15DRは、第一停止ボタン15L,15C,15Rより幅狭に形成され、第一停止ボタン15L,15C,15Rの押圧間隔より狭く、片手(指先、手のひら、手の側面等)で同時に押圧できることが好ましい。
【0036】
筐体状のハウジング19の上面は、枠体20に替わってスイッチカバー19hに覆われている。スイッチカバー19hはハウジング本体19aと一体に組み付けられている。スイッチカバー19hには、第一停止ボタン15L,15C,15R及びこれに延設された第二停止操作部15DL,15DC,15DRがカバー上面より上方に突設されるボタン穴19iが3か所に設けられている(
図9(c)参照)。スイッチカバー19hより突設される第一停止ボタン15L,15C,15Rの高さは、第二停止操作部15DL,15DC,15DRの高さより高くなるように組み付けられる(
図9(a)(b)参照)。第一停止ボタン15L,15C,15Rは第一コイルばね23L,23C,23Rにより付勢されて段差部15L2,15C2,15R2が、スイッチカバー19hの裏面に押し当てられて組み付けられる(
図9(d)参照)。
【0037】
また、第一停止ボタン15L,15C,15Rに各々垂下して設けられた検知片15L1,15C1,15R1の垂下方向の長さが互いに異なっており、スイッチ基板22に搭載された第一フォトセンサ22L,22C,22Rの高さ(検知位置)は同一である点は、
図5(a)と同様である。このため、第一停止ボタン15L,15C,15R(第二停止操作部15DL,15DC,15DR)を同時に押し下げたとしても検知片15L1,15C1,15R1の長さが異なるため第一フォトセンサ22L,22C,22Rによる検知タイミングが異なるようになっている。
【0038】
上記したように、1つの操作スイッチに個別操作可能な第一停止ボタン15L,15C,15Rを同時に押し下げ可能な第二停止操作部15DL,15DC,15DRを備える構成によっても、遊技者は片手でしかも極めて近接配置された操作エリアでスイッチ操作できるので、操作性が極めてよく、入力操作の労力を軽減して遊技継続することができる。
【0039】
また、上述した遊技機用操作スイッチは、第一停止ボタン15L, 15C,15Rを同時に押した場合に、検知片15L1,15C1,15R1の垂下方向の長さや、第一フォトセンサ22L,22C,22Rの高さ(検知位置)を、第一停止ボタン15L, 15C,15Rの順番(順押し)に検知するようにしたが、「真中→左→右」(中押し)、「右→真中→左」(逆押し)、「左→右→真中」(挟み打ち)等の変則打ちに対応するように構成することもできる。また、上述した遊技機用操作スイッチは遊技機としてスロットマシンに用いる場合について説明したが、例えばパチンコ機や雀球遊技機やアレンジボール遊技機などの、他の遊技機の操作スイッチ(例えば演出用操作スイッチ)として応用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 スロットマシン 2 スロットマシン本体 3 前扉 4 演出表示装置 5 スピーカ 6 リール 6L 左リール 6C 中リール 6R 右リール7 図柄 8 操作台 9 メダル投入口 10 清算ボタン 11 払出口 12 受皿 13 BETボタン 14 スタートボタン 15 停止ボタン 15L,15C,15R 第一停止ボタン 15L1,15C1,15R1 検知片 15L2,15C2,15R2, 15D1 段差部 15D 第二停止ボタン 15D2 鍔部 15DL,15DC,15DR 第二停止操作部 15a ボタン本体 15b ワンプッシュボタン 15c 貫通孔 15d 係止片 16 主制御基板 17 メダル払出装置 18 回胴モータ 19 ハウジング 19a ハウジング本体 19b 底板 19c,19d ねじ 19e ねじ穴 19f 貫通孔 19g 係止部 19h スイッチカバー 19i ボタン穴 20 枠体 20a 内周縁部 21 操作スイッチ 22 スイッチ基板 22a センサ基板 22L,22C,22R 第一フォトセンサ 23a 第一発光素子 23b 第二発光素子 23c 発光基板 23L,23C,23R 第一コイルばね 23D 第二コイルばね 24 メダルセンサ