(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G06F3/01 515
(21)【出願番号】P 2019220281
(22)【出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-08-12
(73)【特許権者】
【識別番号】521110943
【氏名又は名称】株式会社Agama-X
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110473542(CN,A)
【文献】特開2018-183372(JP,A)
【文献】特開2017-144038(JP,A)
【文献】国際公開第2014/054293(WO,A1)
【文献】特開平11-342765(JP,A)
【文献】特開2017-182393(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
機器の操作内容を示す生体情報
がユーザから測定された
時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、
情報処理装置。
【請求項2】
前記特定の生体情報は、閾値以下の体温
又は閾値以下の血圧を示す情報である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特定の生体情報は、前記ユーザの目が閉じていることを示す情報である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特定の生体情報は、目の瞳孔が収縮していることを示す情報である、
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記特定の生体情報は、閾値以上の振幅を有する周波数帯の脳波である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記特定の生体情報は、閾値未満の前記ユーザの動作量である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記機器の操作内容を示す生体情報の波形の振幅が閾値未満である場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
ユーザが置かれている室温が閾値以上である場合において、機器の操作内容として、前記室温を上げることを示す生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、
情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、更に、
前記特定の生体情報が測定されない場合に、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作する、
ことを特徴とする請求項1から請求項
7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
機器の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作させない、
ことを含む処理を実行させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
機器の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作させないステップ、
を含む処理を実行する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
脳波等の生体情報を用いて機器を操作することが考えられる。
【0003】
引用文献1には、使用者の脳波から脳波生体信号を検出し、使用者の表面筋電位から表面筋電位生体信号を検出し、両生体信号に基づいて制御信号を演算する装置が記載されている。
【0004】
引用文献2には、使用者の脳波を取得し、その脳波を分析することで得られた分析結果に従って複数の被操作装置を選択的に操作する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-211705号公報
【文献】特開2016-67922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザが機器を操作する意図を有していないにもかかわらず、機器の操作を示す生体情報がユーザから発生して測定される場合がある。この場合、ユーザの意図にかかわらず、機器が操作されるという事態が発生する。
【0007】
本発明の目的は、ユーザが機器を操作する意図を有していない場合に、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、機器の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、情報処理装置である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記特定の生体情報は、閾値以下の体温又は閾値以下の血圧を示す情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0012】
請求項3に係る発明は、前記特定の生体情報は、前記ユーザの目が閉じていることを示す情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項4に係る発明は、前記特定の生体情報は、目の瞳孔が収縮していることを示す情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0015】
請求項5に係る発明は、前記特定の生体情報は、閾値以上の振幅を有する周波数帯の脳波である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項6に係る発明は、前記特定の生体情報は、閾値未満の前記ユーザの動作量である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
【0017】
請求項7に係る発明は、前記プロセッサは、前記機器の操作内容を示す生体情報の波形の振幅が閾値未満である場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0018】
請求項8に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、ユーザが置かれている室温が閾値以上である場合において、機器の操作内容として、前記室温を上げることを示す生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作しない、情報処理装置である。
請求項9に係る発明は、前記プロセッサは、更に、前記特定の生体情報が測定されない場合に、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作する、ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
請求項10に係る発明は、コンピュータに、機器の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作させない、ことを含む処理を実行させるプログラムである。
請求項11に係る発明は、コンピュータが、機器の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯、前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも前の予め定められた第2時間帯、又は前記機器の操作内容を示す生体情報が前記ユーザから測定された時点を基準として、当該時点よりも後の予め定められた第3時間帯において、前記機器の操作内容を示す生体情報とは異なる特定の生体情報が前記ユーザから測定された場合、前記生体情報に従って前記機器を操作させないステップ、を含む処理を実行する、情報処理方法である。
【発明の効果】
【0019】
請求項1,9、10、11に係る発明によれば、ユーザが機器を操作する意図を有していない場合に、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0020】
請求項1に係る発明によれば、特定の生体情報がユーザから測定される状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、ユーザの体温が閾値以下である状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0022】
請求項3、4に係る発明によれば、ユーザの目の状態が特定の状態である状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0023】
請求項3に係る発明によれば、ユーザの目が閉じている状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、ユーザの目の瞳孔が収縮している状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0026】
請求項2-7に係る発明によれば、ユーザの生体情報が特定の条件を満たす状況下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、特定の環境下で、ユーザの生体情報を用いて機器が操作されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る情報処理装置による処理を示すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0030】
本実施形態に係る情報処理システムは、情報処理装置10と、複数の生体情報測定装置と、1又は複数の環境情報測定装置14と、1又は複数の機器16とを含む。
図1に示す例では、情報処理システムは、生体情報測定装置12A,12Bを含むが、これは一例に過ぎない。以下では、生体情報測定装置12A,12Bを区別する必要がない場合には、生体情報測定装置12A,12Bを「生体情報測定装置12」と称することとする。なお、
図1に示されている各装置の数は一例に過ぎず、各装置の数が、
図1に示されている各装置の数に限定されるものではない。また、情報処理システムは、
図1に示されている装置以外の他の装置(例えばサーバ等の外部装置)を含んでもよい。
【0031】
情報処理装置10、生体情報測定装置12、環境情報測定装置14、及び、機器16は、他の装置等と通信するように構成されている。その通信は、ケーブルを利用する有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。つまり、各装置は、他の装置等とケーブルによって物理的に接続されて、情報を互いに送受信してもよいし、無線通信によって互いに情報を送受信してもよい。無線通信として、例えば、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等が用いられる。これら以外の規格の無線通信が用いられてもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。各装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信経路を介して他の装置や他のセンサ等と通信してもよい。
【0032】
情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、又は、その他の装置である。情報処理装置10は、ユーザが携帯することが可能な端末装置(例えば、タブレットPCやスマートフォンや携帯電話等)であってもよいし、テーブル等に設置されて使用される装置であってもよい。情報処理装置10は、通信機能とマイクとスピーカとを有するスマートスピーカであってもよい。情報処理装置10は、屋内(例えば、部屋の床、天井、テーブル等)に設置されてもよいし、屋外に設置されてもよい。また、情報処理装置10は、移動可能な装置(例えば自走式の装置)でもよい。
【0033】
生体情報測定装置12は、センサや電極等を有し、ユーザの生体情報を測定するように構成されている。各生体情報測定装置12は、異なる種類の生体情報を測定してもよい。もちろん、すべての生体情報測定装置12の中の一部又は全部は、同じ種類の生体情報を測定するように構成されてもよい。また、各生体情報測定装置12は、1つの種類の生体情報を測定するように構成されてもよいし、複数の種類の生体情報を測定するように構成されてもよい。
【0034】
生体情報測定装置12は、自装置で測定した生体情報を情報処理装置10に送信する。生体情報測定装置12は、生体情報を測定する度に生体情報を情報処理装置10に送信してもよいし、生体情報を記憶し、予め定められた時間間隔毎に生体情報を情報処理装置10に送信してもよいし、ユーザが指定したタイミングで生体情報を情報処理装置10に送信してもよい。また、生体情報測定装置12は、他の生体情報測定装置12が測定した生体情報を当該他の生体情報測定装置12から受信し、自装置が測定した生体情報と当該他の生体情報測定装置12が測定した生体情報とを情報処理装置10に送信してもよい。
【0035】
生体情報測定装置12は、自装置又は他の生体情報測定装置が測定した生体情報を分析し、その分析結果を示す情報を情報処理装置10に送信してもよい。例えば、生体情報測定装置12はプロセッサを含み、当該プロセッサが生体情報を分析してもよい。もちろん、その分析は情報処理装置10にて行われてもよい。
【0036】
生体情報測定装置12は、バッテリを含み、当該バッテリから供給される電力によって駆動してもよいし、情報処理装置10から電力の供給を受けて駆動してもよい。
【0037】
生体情報測定装置12は、生体情報測定装置12全体がユーザに装着されて生体情報を測定するウェアラブル装置であってもよい。例えば、生体情報測定装置12は、ユーザの頭部に装着される装置であってもよいし、ユーザの耳に装着されるヒアラブル装置であってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着される装置(例えば腕時計型の装置等)であってもよいし、ユーザの首に掛けられる装置であってもよいし、ユーザの胴体や足等に装着される装置であってもよい。
【0038】
生体情報は、生体であるユーザから発する様々な生理学的情報や解剖学的情報である。生体情報の概念の範疇には、例えば、脳の活動を示す情報(例えば、脳波、脳の血流量、脳磁場信号等)、脈拍数、血圧、心拍数、心電波形、筋電波形、眼球運動、体温、発汗量、視線、音声、及び、ユーザの動き等が含まれる。これら生体情報の一例に過ぎず、他の生理学的情報や解剖学的情報が生体情報として用いられてもよい。生体情報測定装置12は、これらの生体情報の中の1つの生体情報を測定してもよいし、複数の生体情報を測定してもよい。
【0039】
また、生体情報の概念の範疇には、生体から測定される電位を示す生体電位情報が含まれる。生体電位情報の概念の範疇には、例えば、脳の活動に伴い発生する微小電流の測定結果である脳波、心臓の拍動に伴い発生する微小電流の測定結果である心電図、筋肉の活動に伴い発生する微小電流の測定結果である筋電図、皮膚に生じる微小電流の測定結果である皮膚電位等が含まれる。これらは生体電位情報の一例に過ぎず、これら以外の生体電位情報が用いられてもよい。
【0040】
情報処理装置10は、生体情報測定装置12から生体情報を受け付けて、生体情報の分析、生体情報の記憶、生体情報の出力、生体情報の分析結果を示す情報の記憶、及び、生体情報の分析結果を示す情報の出力等を行う。もちろん、生体情報の分析は生体情報測定装置12によって行われてもよい。生体情報を出力することは、例えば、生体情報を表示することや、生体情報を音声情報として出力すること等である。生体情報の分析結果を示す情報を出力することは、例えば、分析結果を示す情報を表示することや、分析結果を音声情報として出力すること等である。情報処理装置10は、生体情報や分析結果を示す情報を他の装置に送信してよい。
【0041】
情報処理装置10は、1又は複数の生体情報測定装置12を含んでもよい。つまり、1又は複数の生体情報測定装置12は、情報処理装置10に組み込まれて、1つの装置が構成されてもよい。1又は複数の生体情報測定装置12を含む情報処理装置10全体が、ユーザに装着されて生体情報を測定してもよい。つまり、情報処理装置10はウェアラブル装置であってもよい。例えば、情報処理装置10は、ユーザの頭部に装着される装置であってもよいし、ユーザの耳に装着されるヒアラブル装置であってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着される装置(例えば腕時計型の装置)であってもよいし、ユーザの首に掛けられる装置であってもよいし、ユーザの胴体や足等に装着される装置であってもよい。
【0042】
情報処理装置10と生体情報測定装置12は、別々の装置であってもよい。例えば、情報処理装置10はスマートスピーカであり、生体情報測定装置12は、ユーザに装着されるウェアラブル装置であってもよい。
【0043】
環境情報測定装置14は、ユーザや当該環境情報測定装置14の周囲の環境に関する環境情報を測定するように構成されている。例えば、環境情報測定装置14は、撮影装置であるカメラ、集音するマイク、温度を測定する温度センサ、湿度を測定する湿度センサ、匂いを測定する臭気センサ、明るさを測定する照度センサ、赤外線センサ、又は、人感センサ等である。これらのセンサの中の1又は複数のセンサが、環境情報測定装置14として情報処理システムに含まれてもよい。
【0044】
例えば、情報処理装置10の周囲やその他の場所がカメラによって撮影されて、当該周囲を表す画像データやその他の場所を表す画像データが生成される。画像データは、動画像データであってもよいし、静止画像データであってもよい。カメラによって撮影された画像データは、カメラの撮影範囲に含まれている環境に関する環境情報の一例に相当する。また、カメラによってユーザが撮影されることで生成された、当該ユーザを表す画像データは、当該ユーザの生体情報の一例に相当する。例えば、当該画像データから検知される当該ユーザの動きや当該ユーザの体型等は、当該ユーザの生体情報の一例に相当する。その意味で、カメラは、当該ユーザの生体情報を測定する生体情報測定装置12の一例に相当する。
【0045】
また、マイクの周囲の音(例えば、人の音声やその他の音)がマイクに入力されて、マイクによって音データが生成される。マイクに入力された音を表す音データは、マイクの周囲の環境に関する環境情報の一例に相当する。また、マイクに入力されたユーザの音声を表す音データは、当該ユーザの生体情報の一例に相当する。その意味で、マイクは、当該ユーザの生体情報を測定する生体情報測定装置12の一例に相当する。
【0046】
また、温度センサ、湿度センサ、臭気センサ、照度センサ、赤外線センサ、及び、人感センサ等によって測定されたデータは、環境情報の一例に相当する。また、これらのセンサによってユーザから測定されたデータは、当該ユーザの生体情報の一例に相当する。その意味で、これらのセンサは、当該ユーザの生体情報を測定する生体情報測定装置12の一例に相当する。
【0047】
環境情報は、ユーザがいる部屋の大きさを示す情報や、機器16が設置されている部屋の大きさを示す情報や、部屋に設けられている窓の数を示す情報等を含む情報であってもよい。
【0048】
なお、1又は複数の環境情報測定装置14が、情報処理装置10に含まれてもよい。
【0049】
機器16は、例えば、PC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、ロボット(例えば、人型ロボット、人以外の動物型ロボット、掃除ロボット、及び、それら以外のロボット等)、プロジェクタ、液晶ディスプレイ等の表示装置、記録装置、再生装置、カメラ等の撮像装置、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、コーヒーメーカー、掃除機、洗濯機、空調機、照明機器、時計、監視カメラ、自動車、二輪車、航空機(例えば無人航空機(例えばドローン))、ゲーム機、ガスレンジ、温水洗浄便座、換気扇、呼び鈴、玄関モニタ、エレベータ、ドア、窓、又は、各種のセンシング機器(例えば温度センサ、湿度センサ、電圧センサ、電流センサ等)等の装置である。機器16の概念の範疇には機器全般が含まれてもよい。例えば、情報機器、映像機器、音響機器、その他の機器も、本実施形態に係る機器16の範疇に含まれてもよい。
【0050】
機器16は、通信インターフェースである通信装置、データを記憶する記憶装置、及び、当該機器16の動作を制御するプロセッサを有する。機器16は、ユーザインターフェースを有してもよい。機器16は、自装置である機器16を識別するための機器識別情報を情報処理装置10に送信してもよい。機器識別情報は、例えば、機器16のID、名称、型番、又は、アドレス(例えばMACアドレスやIPアドレス等)等である。
【0051】
以下、情報処理装置10の構成について詳しく説明する。
【0052】
情報処理装置10は、例えば、通信装置18と、UI20と、記憶装置22と、プロセッサ24とを含む。情報処理装置10は、これら以外の構成を含んでもよい。
【0053】
通信装置18は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置から送信されてきたデータを受信する機能を有する。通信装置18は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置18は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、LANやインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。例えば、通信装置18は、生体情報測定装置12から送信されてきた生体情報を受信する。通信装置18は、生体情報測定装置12の動作を制御するための制御情報を生体情報測定装置12に送信してもよい。また、通信装置18は、環境情報測定装置14から送信されてきた環境情報を受信する。通信装置18は、環境情報測定装置14の動作を制御するための制御情報を環境情報測定装置14に送信してもよい。また、通信装置18は、機器16の動作を制御するための制御情報を機器16に送信する。通信装置18は、機器16から送信されてきた情報を受信してもよい。
【0054】
UI20はユーザインターフェースであり、表示装置と操作装置とを含む。表示装置は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーや操作パネル等である。UI20は、表示装置と操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。また、マイクがUI20に含まれてもよいし、音を発するスピーカがUI20に含まれてもよい。
【0055】
記憶装置22は、各種のデータを記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。記憶装置22は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数の記憶装置22が情報処理装置10に含まれている。
【0056】
記憶装置22には、管理情報が記憶されている。管理情報は、ユーザから測定された生体情報に基づいて、機器16の操作内容を特定するための情報である。例えば、予め定められた基準生体情報と、機器16の操作内容を示す操作情報とが、予め紐付けられて管理情報に登録されている。基準生体情報は、当該基準生体情報に紐付けられている操作を行うユーザから発生すると想定される生体情報であってもよいし、当該操作の実行を要求するユーザから発生すると想定される生体情報であってもよい。基準生体情報は、機器16の操作内容に対応する生体情報であるともいえる。ユーザ毎に、基準生体情報と操作情報とが紐付けられて管理情報に登録されてもよい。
【0057】
管理情報には、機器16の電源の操作内容に関する操作情報が登録されてもよいし、機器16の機能レベルの操作内容に関する操作情報が登録されてもよいし、電源の操作内容に関する操作情報と機能レベルの操作内容に関する操作情報の両方が登録されてもよい。
【0058】
機器16の電源の操作内容は、機器16の電源をオン又はオフする操作である。電源の操作内容に関する操作情報は、機器16の電源をオン又はオフする操作を示す情報である。電源の操作内容に関する操作情報に紐付けらえている生体情報は、機器16の電源のオン又はオフに対応する生体情報であるといえる。ユーザ毎に、機器16の電源の操作内容に関する操作情報と基準生体情報とが紐付けられて管理情報に登録されてもよい。
【0059】
機器16の機能レベルの操作内容は、機器16の機能レベルを設定する操作である。機能レベルの操作内容に関する操作情報は、機器16の機能レベルを設定する操作を示す情報である。機能レベルの操作内容に関する操作情報に紐付けられている生体情報は、機器16の機能レベルに対応する生体情報であるといえる。ユーザ毎に、機器16の機能レベルの操作内容に関する操作情報と基準生体情報とが紐付けられて管理情報に登録されてもよい。
【0060】
機能レベルは、例えば、機器16の性能や出力に関するレベルである。具体例を挙げて説明すると、空調機の設定温度、空調機の風量、空調機の風向き、空調機の除湿機能の有無、表示装置の輝度、照明装置の輝度、スピーカの音量、自走可能な装置(例えばロボットや自走式の掃除機等)の移動速度、撮像装置や記録装置や再生装置等の装置の設定値、冷蔵庫や炊飯器や電子レンジ等の装置の設定値、及び、各種のセンシング機器の設定値等が、機器レベルの一例に相当する。これらは一例に過ぎず、これら以外の設定値等が機能レベルであってもよい。
【0061】
プロセッサ24は、ユーザの生体情報を取得し、当該生体情報に従って、機器16を操作する指示を出力するように構成されている。
【0062】
例えば、生体情報測定装置12によって生体情報が測定されると、当該生体情報は生体情報測定装置12から情報処理装置10に送信される。プロセッサ24は、当該生体情報を受け付け、当該生体情報に基づいて機器16の操作内容を把握する。プロセッサ24は、その把握した操作内容を示す情報を含む制御情報を機器16に送信することで、当該機器16を操作する。当該制御情報を受信した当該機器16は、当該制御情報に従って動作する。
【0063】
例えば、脳の活動を測定する生体情報測定装置12と情報処理装置10とによって、ブレイン・マシン・インターフェースが構築されてもよい。ブレイン・マシン・インターフェースの方式は、侵襲式であってもよいし、非侵襲式であってもよい。この場合、プロセッサ24は、ユーザの脳の活動(例えば脳波等)に基づいて機器16を操作する。プロセッサ24は、機器16を操作するために、脳波から特徴的な成分を抽出し、その抽出された成分に基づいて機器16を操作してもよい。脳波から特徴的な成分を抽出するために、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)や、ウェーブレット変換(WT:Wavelet Transform)、TFD(Time Frequency Distribution)、EM(Eigenvector Methods)、自己回帰モデル(ARM:Auto Regressive Method)等が用いられてもよい。また、特徴の抽出によって得られた特徴ベクトルを用いて、脳波と機器16の操作内容とを結び付ける方法として、例えば、独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)、k平均法、サポートベクターマシン(SVM:Support Vector Machine)、畳み込みニューラルネットワーク等が用いられてもよい。
【0064】
また、プロセッサ24は、機器16から送信されてきた機器識別情報を受け付けて当該機器16を識別するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ24は、機器識別情報の取得要求を機器16に送信し、その取得要求に応じて当該機器16から送信されてきた機器識別情報を取得する。また、情報処理装置10と接続される等して情報処理装置10と通信することが可能になった機器16から機器識別情報が情報処理装置10に送信され、プロセッサ24は、そのようにして送信されてきた機器識別情報を受け付けてもよい。機器識別情報は、例えば、機器16の名称を示す情報、機器16の型番を示す情報、又は、機器16のアドレス(例えばMACアドレスやIPアドレス等)を示す情報等である。
【0065】
また、プロセッサ24は、情報処理装置10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ24は、メモリを含んでもよい。
【0066】
また、特定の状況下ではユーザから発生すると想定されない、機器16の操作内容を示す生体情報が、当該ユーザから測定された場合、プロセッサ24は、当該生体情報に従って当該機器16を操作しない。一方、当該特定の状況以外の状況下で機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された場合、プロセッサ24は、当該生体情報に従って当該機器16を操作する。
【0067】
例えば、特定の状況は、機器16の操作内容を示す生体情報とは異なる他の特定の生体情報がユーザから測定される状況である。操作内容を示す生体情報と特定の生体情報は、同じ種類の生体情報であってもよいし、異なる種類の生体情報であってもよいし、同じ生体情報測定装置12によって測定されてもよいし、異なる生体情報測定装置12によって測定されてもよい。
【0068】
以下、機器16の操作内容を示す生体情報と特定の生体情報とが測定される時間の関係について説明する。
【0069】
(時間の関係1)
例えば、プロセッサ24は、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定されたときに、特定の生体情報が当該ユーザから測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作しなくてもよい。一方、プロセッサ24は、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定されたときに、特定の生体情報が当該ユーザから測定されなかった場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作する。
【0070】
(時間の関係2)
別の例として、プロセッサ24は、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を含む前後の予め定められた第1時間帯に、特定の生体情報が当該ユーザから測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作しなくてもよい。一方、プロセッサ24は、当該第1時間帯に特定の生体情報がユーザから測定されなかった場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作する。
【0071】
(時間の関係3)
更に別の例として、プロセッサ24は、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を基準として、その時点よりも前の予め定められた第2時間帯に、特定の生体情報が当該ユーザから測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作しなくてもよい。一方、プロセッサ24は、当該第2時間帯に特定の生体情報がユーザから測定されなかった場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作する。
【0072】
(時間の関係4)
更に別の例として、プロセッサ24は、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点を基準として、その時点よりも後の予め定められた第3時間帯に、特定の生体情報が当該ユーザから測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作しなくてもよい。一方、プロセッサ24は、当該第3時間帯に特定の生体情報がユーザから測定されなかった場合、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作する。
【0073】
機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点、第1時間帯、第2時間帯、又は、第3時間帯のいずれかにおいて、特定の生体情報が当該ユーザから測定された場合、プロセッサ24は、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作しなくてもよい。一方、機器16の操作内容を示す生体情報がユーザから測定された時点、第1時間帯、第2時間帯、及び、第3時間帯において、特定の生体情報が当該ユーザから測定されなかった場合、プロセッサ24は、操作内容を示す生体情報に従って当該機器16を操作してもよい。
【0074】
特定の生体情報が、予め定められた時間以上にわたって測定された場合に、プロセッサ24は、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しなくてもよい。特定の生体情報が測定された場合であっても、当該特定の生体情報が、予め定められた時間未満にわたって測定された場合、プロセッサ24は、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作してもよい。
【0075】
特定の生体情報は、機器16の操作内容を示す生体情報が測定される状況下では測定されることが想定されていない生体情報である。例えば、睡眠中、睡眠の手前の段階(例えば意識が朦朧としている段階等)、又は、瞑想中に、ユーザから測定される生体情報が、特定の生体情報の一例に相当する。特定の生体情報は、例えば、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中に、ユーザから測定される脳波、脳波の血流量、脳磁場信号、脈拍数、血圧、心拍数、心電波形、筋電波形、眼球運動、体温、発汗量、血流量、呼吸数、及び、ユーザの動き等の中の少なくとも1つを示す情報である。
【0076】
以下、実施例について説明する。
【0077】
(実施例1)
例えば、特定の生体情報は、閾値以下の体温を示す情報である。閾値は、例えば予め定められる。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。ユーザから測定された体温が閾値以下である場合、ユーザの状態は、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。プロセッサ24は、ユーザの体温が閾値以下である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、ユーザの体温が閾値を超える場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。プロセッサ24は、体温以外の生体情報と体温とに基づいて、ユーザの状態が、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であるか否かを判断してもよい。
【0078】
(実施例2)
別の例として、特定の生体情報は、閾値以下の血圧を示す情報である。閾値は、例えば予め定められる。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。ユーザから測定された血圧が閾値以下である場合、ユーザの状態は、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。プロセッサ24は、ユーザの血圧が閾値以下である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、ユーザの血圧が閾値を超える場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。プロセッサ24は、血圧以外の生体情報と血圧とに基づいて、ユーザの状態が、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であるか否かを判断してもよい。
【0079】
(実施例3)
更に別の例として、特定の生体情報は、ユーザの目に関する情報である。
【0080】
(実施例3-1)
例えば、ユーザの目に関する情報は、当該ユーザの目が閉じていることを示す情報である。ユーザの目が閉じていることを示す生体情報が測定された場合、ユーザの状態は、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。プロセッサ24は、ユーザの目が閉じていることを示す生体情報が測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、ユーザの目が開いていることを示す生体情報が測定された場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。プロセッサ24は、ユーザの目が閉じていることを示す生体情報が測定されなかった場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作してもよい。
【0081】
ユーザの目が閉じていることを示す生体情報は、例えば、ユーザの目を表す画像データ(例えば静止画像データ又は動画像データ)である。例えば、ユーザの目がカメラ等の撮影装置によって撮影され、その撮影によって生成された画像データが、撮影装置から情報処理装置10に送信される。プロセッサ24は、当該画像データに画像解析処理を適用することで、当該画像データに表されている当該ユーザの目が閉じているか否かを判断する。なお、撮影装置は生体情報測定装置12の一例に相当する。
【0082】
(実施例3-2)
別の例として、ユーザの目に関する情報は、当該ユーザが単位時間当たりに行う瞬きの回数であって、閾値以下の瞬きの回数を示す情報である。閾値は、例えば予め定められる。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。ユーザから測定された、単位時間当たりの瞬きの回数が閾値以下である場合、ユーザの状態は、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。プロセッサ24は、単位時間当たりの瞬きの回数が閾値以下である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、単位時間当たりの瞬きの回数が閾値を超える場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。例えば、プロセッサ24は、ユーザの目を表す動画像データに基づいて、当該ユーザの瞬きの回数をカウントする。カメラ等の撮影装置によってユーザの目を撮影することで、当該動画像データが生成される。
【0083】
(実施例3-3)
更に別の例として、ユーザの目に関する情報は、当該ユーザの目の瞳孔が収縮していることを示す情報である。ユーザ毎に、瞳孔の収縮が定められてもよい。ユーザの目の瞳孔が収縮している場合、ユーザの意識が朦朧としていると推測される。プロセッサ24は、ユーザの目の瞳孔が収縮している場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、ユーザの目の瞳孔が収縮していない場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。例えば、プロセッサ24は、ユーザの目を表す画像データ(例えば静止画像データ又は動画像データ)に基づいて、当該ユーザの目の瞳孔が収縮しているか否かを判断する。カメラ等の撮影装置によってユーザの目を撮影することで、当該画像データが生成される。
【0084】
プロセッサ24は、ユーザの目に関する情報とそれ以外の生体情報とに基づいて、ユーザの状態が、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であるか否かを判断してもよい。
【0085】
(実施例4)
特定の状況は、ユーザから測定された生体情報が特定の条件を満たす状況であってもよい。例えば、特定の条件は、ユーザが睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であるか否かを判断するための条件であり、ユーザから測定された生体情報が特定の条件を満たす状況は、ユーザが睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であることである。当該生体情報は、操作内容を示す生体情報であってもよいし、操作内容を示さない生体情報であってもよい。
【0086】
例えば、生体情報は脳波である。具体的には、生体情報は、特定の周波数帯の脳波である。特定の周波数帯の脳波は、例えばα波である。閾値以上の振幅を有するα波は、特定の条件を満たす生体情報である。閾値は、例えば予め定められている。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。例えば、ユーザから測定されたα波の振幅が閾値以上である場合、ユーザの状態は、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。プロセッサ24は、ユーザから測定されたα波の振幅が閾値以上である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しない。プロセッサ24は、ユーザから測定されたα波の振幅が閾値未満である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作する。
【0087】
(実施例5)
別の例として、操作内容を示す生体情報が波形で表される場合において、当該波形の振幅が閾値以上である場合、プロセッサ24は、当該生体情報に従って機器16を操作してもよい。一方、当該波形の振幅が閾値未満である場合、プロセッサ24は、当該生体情報に従って機器16を操作しない。閾値は、例えば予め定められている。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。
【0088】
(実施例6)
プロセッサ24は、ユーザの動作の量が閾値以上である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作し、ユーザの動作の量が閾値未満である場合、操作内容を示す生体情報に従って機器16を操作しなくてもよい。ユーザの動作の量は、例えば、ジャイロセンサや加速度センサ等の生体情報測定装置12によって測定される。閾値は、例えば予め定められている。閾値は、ユーザによって変更されてもよい。また、閾値はユーザ毎に定められてもよい。ユーザの動作の量が閾値未満である場合、ユーザは、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であると推測される。例えば、ユーザの頭や腕や手や足等の部位の動作の量が測定され、プロセッサ24は、その動作の量に基づいて、ユーザが、睡眠中、睡眠の手前の段階、又は、瞑想中であるか否かを判断する。
【0089】
(実施例7)
特定の状況は、ユーザが置かれている特定の環境であってもよい。プロセッサ24は、環境情報測定装置14によって測定された環境情報に基づいて、ユーザが置かれている環境が特定の環境に該当するか否かを判断する。
【0090】
生体情報が示す操作内容との間で特定の関係を有する環境が、特定の環境である。例えば、特定の環境は、ユーザから測定された生体情報が示す操作内容が行われるとは想定されない環境、又は、ユーザから測定された生体情報が示す操作内容を行うことをユーザが要求することは想定されない環境である。
【0091】
具体例を挙げて説明すると、ユーザが置かれている環境が、空調機の暖房をオンする環境ではないにも関わらず、ユーザから測定された生体情報が、空調機の暖房をオンする操作内容を示している場合、プロセッサ24は、空調機の暖房をオンしない。例えば、環境情報である室温が、暖房をオンするか否かを判断するための閾値以上である場合において、ユーザから測定された生体情報が、空調機の暖房をオンにする操作内容を示している場合、プロセッサ24は空調機の暖房をオンしない。一方、室温が閾値未満である場合において、ユーザから測定された生体情報が、空調機の暖房をオンする操作内容を示している場合、プロセッサ24は空調機の暖房をオンする。
【0092】
別の例として、ユーザが置かれている環境が、空調機の冷房をオンする環境ではないにも関わらず、ユーザから測定された生体情報が、空調機の冷房をオンする操作内容を示している場合、プロセッサ24は、空調機の冷房をオンしない。例えば、環境情報である室温が、冷房をオンするか否かを判断するための閾値未満である場合において、ユーザから測定された生体情報が、空調機の冷房をオンする操作内容を示している場合、プロセッサ24は空調機の冷房をオンしない。一方、室温が閾値以上である場合において、ユーザから測定された生体情報が、空調機の冷房をオンする操作内容を示している場合、プロセッサ24は空調機の冷房をオンする。
【0093】
以下、
図3を参照して、情報処理装置10による処理の流れについて説明する。
図3には、情報処理装置10による処理を示すフローチャートが示されている。
【0094】
生体情報測定装置12によって、ユーザの生体情報が測定される。生体情報測定装置12によって測定された生体情報は情報処理装置10に送信され、プロセッサ24は当該生体情報を取得する(S01)。
【0095】
ステップS01にて取得された生体情報は、機器16を操作するための生体情報である。例えば、機器16を操作するための生体情報を測定する生体情報測定装置12が予め定められており、当該生体情報測定装置12によって測定された生体情報が、機器16を操作するための生体情報として用いられる。以下では説明の便宜上、機器16を操作するための生体情報を「第1生体情報」と称することとする。例えば、脳波が、機器16を操作するための第1生体情報として用いられる。この場合、脳波を測定する生体情報測定装置12が、機器16を操作するための第1生体情報を測定する装置として定められる。プロセッサ24は、脳波を測定する生体情報測定装置12によって測定された脳波を、第1生体情報として取得する。
【0096】
また、第1生体情報以外の他の生体情報が、生体情報測定装置12によって測定される。生体情報測定装置12によって測定された他の生体情報は情報処理装置10に送信され、プロセッサ24は当該他の生体情報を取得する(S02)。
【0097】
ステップS02にて取得された他の生体情報は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用するか否かを判断するための生体情報である。例えば、その判断をするための他の生体情報を測定する生体情報測定装置12が予め定められており、当該生体情報測定装置12によって測定された生体情報が、その判断をするための他の生体情報として用いられる。以下では便宜上、機器16を操作するための生体情報として第1生体情報を採用するか否かを判断するための生体情報を、「第2生体情報」と称することとする。第2生体情報は、第1生体情報と同じ種類の生体情報であってもよいし、第1生体情報とは異なる種類の生体情報であってもよい。第2生態情報は、第1生体情報を測定する生体情報測定装置12と同じ生体情報測定装置12によって測定される生体情報であってもよいし、第1生体情報を測定する生体情報測定装置12とは異なる生体情報測定装置12によって測定される生体情報であってもよい。例えば、脳波が第1生体情報として用いられる場合、脳波以外の生体情報が第2生体情報として用いられる。別の例として、第1周波数帯の脳波が第1生体情報として用いられ、第1周波数帯とは異なる第2周波数帯の脳波が第2生体情報として用いられてもよい。プロセッサ24は、第2生体情報を測定する装置として定められた生体情報測定装置12によって測定された生体情報を、第2生体情報として取得する。例えば、上記の実施例1から実施例6にて説明された生体情報が、第2生体情報として用いられる。
【0098】
また、環境情報測定装置14によって環境情報が測定されてもよい。環境情報測定装置14によって測定された環境情報は情報処理装置10に送信され、プロセッサ24は当該環境情報を取得する(S02)。環境情報は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用するか否かを判断するための情報である。
【0099】
プロセッサ24は、第2生体情報及び環境情報の両方を取得してもよいし、第2生体情報又は環境情報のいずれか一方の情報を取得してもよい。なお、ステップS01,S02の処理の順番は同じであってもよいし、ステップS01の処理の後にステップS02の処理が実行されてもよいし、ステップS02の処理の後にステップS01の処理が実行されてもよい。
【0100】
次に、プロセッサ24は、第2生体情報及び環境情報の中の少なくとも1つの情報に基づいて、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用するか否かを判断する(S03)。つまり、プロセッサ24は、仮に第1生体情報が機器16の操作内容を示している場合に、その操作内容が、ユーザが意図した操作内容であるか否かを判断する。更に換言すると、プロセッサ24は、第1生体情報から把握される操作の指示が、ユーザが意図した指示であるか否かを判断する。例えば、プロセッサ24は、上述した実施例1から実施例7のうちのいずれかの実施例を実行することで、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用するか否かを判断する。
【0101】
ユーザの状況が、上記の実施例にて説明した特定の状況である場合、プロセッサ24は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用しないと判断する(S03,No)。つまり、プロセッサ24は、第1生体情報から把握される操作の指示が、ユーザが意図した指示ではないと判断する。この場合、プロセッサ24は、機器16の現状の状況を維持する(S04)。
【0102】
例えば、ステップS02にて測定された第2生体情報中に、上記の実施例にて説明した特定の生体情報が含まれている場合や、特定の生体情報が第2生体情報として測定された場合、プロセッサ24は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用しないと判断する。
【0103】
ユーザの状況が、上述した特定の状況ではない場合、プロセッサ24は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用すると判断する(S03,Yes)。つまり、プロセッサ24は、第1生体情報から把握される操作の指示が、ユーザが意図した指示であると判断する。
【0104】
例えば、ステップS02にて測定された第2生体情報中に、上述した特定の生体情報が含まれていない場合や、上述した特定の生体情報が第2生体情報として測定されない場合、プロセッサ24は、ステップS01にて取得された第1生体情報を、機器16を操作するための生体情報として採用すると判断する。
【0105】
ステップS01にて取得された第1生体情報が、機器16を操作するための生体情報として採用される場合(S03,Yes)、プロセッサ24は、第1生体情報に基づいて、操作される機器16を把握し、当該機器16の操作内容を把握する(S05)。
【0106】
例えば、プロセッサ24は、ステップS01にて取得された第1生体情報と、上述した管理情報に登録されている各基準生体情報とを比較し、第1生体情報との差異が許容範囲内に含まれる基準生体情報を検索する。プロセッサ24は、その検索された基準生体情報に紐付けられている、機器16の操作内容を特定する。これにより、操作される機器16が把握され、当該機器16の操作内容が把握される。許容範囲は予め定められている。許容範囲はユーザによって変更されてもよい。許容範囲はユーザ毎に定められてもよい。
【0107】
ステップS01にて取得された第1生体情報との差異が許容範囲内に含まれる複数の基準生体情報が検索された場合、プロセッサ24は、当該複数の基準生体情報の中で、第1生体情報との差異が最小となる基準生体情報を特定する。プロセッサ24は、その特定された基準生体情報に紐付けられている、機器16の操作内容を特定する。
【0108】
基準生体情報は、生体情報の特徴的な成分を示す情報であってもよい。この場合、プロセッサ24は、第1生体情報から特徴的な成分を抽出し、その抽出された成分との差異が許容範囲内に含まれる成分を有する基準生体情報を検索してもよい。例えば、第1生体情報として脳波が用いられる場合、プロセッサ24は、測定された脳波から特徴的な成分を抽出し、当該成分を分析することで、当該脳波が表す操作内容を推測してもよい。
【0109】
次に、プロセッサ24は、ステップS05にて把握された操作内容を示す情報を含む制御情報を機器16に送信する(S06)。当該制御情報を受信した機器16は、当該制御情報に従って動作する。このようにして、プロセッサ24は機器16を操作する。
【0110】
なお、ユーザが、機器16を操作することを合意した場合、プロセッサ24は、制御情報を機器16に送信して機器16を操作してもよい。例えば、プロセッサ24は、機器16を操作することを合意するか否かをユーザに問い合わせるためのメッセージをUI20に表示させてもよいし、当該メッセージを音声によって出力してもよい。合意を示す生体情報がユーザから測定され、プロセッサ24が当該生体情報を取得すると、プロセッサ24は、制御情報を機器16に送信して機器16を操作する。例えば、メッセージが表示されたり音声として出力されたりした時点から予め定められた時間内に、合意を示す生体情報がユーザから測定され、プロセッサ24が当該生体情報を取得した場合、プロセッサ24は、制御情報を機器16に送信して機器16を操作する。合意を示す生体情報がユーザから測定されない場合、プロセッサ24は、制御情報を機器16に送信しない。
【0111】
ステップS01にて、基準生体情報との差異が許容範囲内に含まれる生体情報が取得されない場合、操作内容は特定されず、機器16の現状は維持される。
【0112】
例えば、ある機器16の電源をオンする操作内容を示す第1生体情報がユーザから測定された場合、プロセッサ24は、当該機器16の電源をオンする操作内容を示す情報を含む制御情報を当該機器16に送信する。これにより、当該機器16の電源がオンする。また、ある機器16の機能レベルをある値に設定する操作内容を示す第1生体情報がユーザから測定された場合、プロセッサ24は、当該機器16の機能レベルを当該値に設定する操作内容を示す情報を含む制御情報を当該機器16に送信する。これにより、当該機器16の機能レベルが当該値に設定される。
【0113】
以下、管理情報の具体例について説明する。
【0114】
図4には、管理情報の一例である管理テーブルの一例が示されている。管理テーブルのデータは記憶装置22に記憶されている。管理テーブルのデータは、記憶装置22に記憶されずに、サーバ等の外部装置に記憶されてもよい。
【0115】
管理テーブルにおいては、IDと、基準脳波と、機器16の操作内容を示す操作情報とが、予め紐付けられている。基準脳波は基準生体情報の一例である。ここでは、基準生体情報の一例として脳波が用いられているが、脳波以外の生体情報が基準生体情報として用いられてもよい。
【0116】
IDは、管理テーブルに登録されている情報を管理するための情報である。
【0117】
基準脳波は、例えば、統計的な処理によって定められ、当該基準脳波に紐付けられている操作内容を行うユーザから一般的に発生すると想定される脳波、又は、当該操作内容の実行を要求するユーザから一般的に発生すると想定される脳波である。
【0118】
基準脳波は、特定の周波数帯の脳波であってもよいし、複数の周波数帯の脳波を含む脳波であってもよい。
【0119】
操作情報は、操作される機器16を識別するための機器識別情報と、当該機器16に対して行われる操作内容を示す情報とを含む情報である。例えば、操作内容は、機器16の電源をオン又はオフする操作であってもよいし、機器16の機能レベルを設定する操作であってもよい。
【0120】
例えば、ID「1」に紐付けられている基準脳波は、空調機の冷房をオンするという操作内容を表す脳波である。ID「2」に紐付けられている基準脳波は、空調機の冷房をオフするという操作内容を表す脳波である。
【0121】
例えば、ID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内に含まれる脳波がユーザから測定された場合、プロセッサ24は、当該基準脳波に紐付けられている「空調機の冷房をオンする」という操作内容を特定する。そして、プロセッサ24は、「空調機の冷房をオンする」という操作内容を示す情報を含む制御情報を、当該空調機に送信する。当該空調機は当該制御情報に従って動作する。これにより、当該空調機の冷房がオンする。
【0122】
また、プロセッサ24は、ユーザから測定された脳波と基準脳波との間の類似度を算出し、その類似度が閾値以上であるか否かを判断してもよい。閾値は許容範囲に対応する値である。ユーザから測定された脳波と基準脳波との間の類似度が閾値以上である場合、プロセッサ24は、ユーザから測定された脳波と基準脳波とは類似していると判断する。つまり、プロセッサ24は、ユーザから測定された脳波と基準脳波との差異が許容範囲内に含まれると判断する。プロセッサ24は、ID「1」に紐付けられている基準脳波との間の類似度が閾値以上となる脳波がユーザから測定された場合、「空調機の冷房をオンする」という操作内容を特定する。
【0123】
ユーザ毎に、基準生体情報と操作情報とが紐付けられて管理テーブルに登録されてもよい。例えば、ユーザから測定された生体情報が、当該ユーザの基準生体情報として管理テーブルに登録されてもよい。
【0124】
図5には、個々のユーザの具体的な基準生体情報が登録されている管理テーブルの一例が示されている。
図5に示されている管理テーブルにおいては、IDと、基準生体情報の一例である基準脳波と、操作情報と、ユーザ情報とが紐付けられている。ユーザ情報は、ユーザを識別するための情報(例えば、ユーザ名やユーザID等)である。
【0125】
ユーザ情報に紐付けられている基準脳波は、当該ユーザ情報が示すユーザが、当該基準脳波に紐付けられている操作内容を行うときに当該ユーザから測定された脳波、又は、当該ユーザが当該操作内容を要求するときに当該ユーザから測定された脳波である。各ユーザから測定された各基準脳波は、予め各ユーザから測定されて管理テーブルに登録される。
【0126】
例えば、ユーザAが「空調機」の冷房を手動でオンしたときにユーザAの脳波が生体情報測定装置12によって測定され、その測定された脳波が、ユーザAが「空調機の冷房をオンする」という操作内容を表す基準脳波として、管理テーブルに登録される。
【0127】
この場合、測定されたユーザAの当該基準脳波と、「空調機の冷房をオン」するという操作内容を示す操作情報と、ユーザAを識別するためのユーザ情報とが紐付けられて管理テーブルに登録される。その登録は、情報処理装置10を用いて行われてもよいし、他の装置を用いて行われてもよい。
図5に示す例では、これらの情報はID「1」の情報として登録される。他の操作や他のユーザについても同様である。
【0128】
なお、登録の作業を複数回行い、これによって測定された複数の脳波の平均を、基準脳波として登録してもよい。例えば、ユーザAが「空調機」の冷房を手動でオンし、そのときにユーザAから発生した脳波を生体情報測定装置12によって測定するという作業を、複数回行い、これによって測定された複数の脳波の平均を、ユーザAの基準脳波として管理テーブルに登録してもよい。
【0129】
例えば、ユーザAが情報処理装置10にログインしている状態で、ユーザAから、ID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内に含まれる脳波が測定された場合、プロセッサ24は、ID「1」に紐付けられている操作情報を含む制御情報を「空調機」に送信することで、「空調機」の冷房をオンする。より詳しく説明すると、ユーザAが情報処理装置10にログインしているときに、生体情報測定装置12によって脳波が測定されると、プロセッサ24は、ログインしているユーザAを識別するためのユーザ情報に紐付けられて管理テーブルに登録されている基準脳波を検索する。
図5に示す例では、ID「1」に紐付けられている基準脳波と、ID「3」に紐付けられている基準脳波が、ユーザAの基準脳波として管理テーブルに登録されているため、これらの基準脳波が検索される。測定された脳波とID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内である場合、プロセッサ24は、ID「1」に紐付けられている操作情報を含む制御情報を「空調機」に送信することで、「空調機」の冷房をオンする。測定された脳波とID「3」に紐付けられた基準脳波との差異が許容範囲内である場合、プロセッサ24は、ID「3」に紐付けられている操作情報を含む制御情報を「空調機」に送信することで、「空調機」の冷房をオフする。
【0130】
別の例として、機器16を操作するユーザが「ユーザA」であることが情報処理装置10に設定されている状態で、ユーザAから、ID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内に含まれる脳波が測定された場合、プロセッサ24は、ID「1」に紐付けられている操作情報を含む制御情報を「空調機」に送信することで、「空調機」の冷房をオンしてもよい。より詳しく説明すると、機器16を操作するユーザが「ユーザA」であることが情報処理装置10に設定されている状態で、生体情報測定装置12によって脳波が測定されると、プロセッサ24は、機器16を操作するユーザであるユーザAを識別するためのユーザ情報に紐付けられて管理テーブルに登録されている基準脳波を検索する。測定された脳波とID「1」に紐付けられている基準脳波との差異が許容範囲内である場合、プロセッサ24は、ID「1」に紐付けられている操作情報を含む制御情報を「空調機」に送信することで、「空調機」の冷房をオンする。機器16を操作するユーザは、例えば、ユーザによって情報処理装置10に設定される。
【0131】
ユーザA以外の他のユーザについても、ユーザAと同様に、各情報が管理テーブルに登録される。例えば、ID「2」に紐付けられている各情報は、ユーザBが「空調機」の冷房をオンしたときの操作に関する情報である。ID「3」に紐付けられている各情報は、ユーザAが「空調機」の冷房をオフにしたときの操作に関する情報である。
【0132】
図4及び
図5に示されている管理テーブルには、機器16の電源をオン又はオフする操作を示す操作情報が登録されているが、機器16の機能レベルを示す操作情報が管理テーブルに登録されてもよい。
【0133】
なお、上記の実施形態において、プロセッサ24による処理が、情報処理装置10以外の他の装置(例えばサーバ等の外部装置)によって実行され、その処理の結果を示す情報が、UI20に表示されたり、音声情報として出力されたりしてもよい。
【0134】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0135】
10 情報処理装置、12A,12B 生体情報測定装置、14 環境情報測定装置、16 機器、24 プロセッサ。