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  • 特許-不織布舌ブラシ 図1
  • 特許-不織布舌ブラシ 図2
  • 特許-不織布舌ブラシ 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】不織布舌ブラシ
(51)【国際特許分類】
   A46B 15/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A46B15/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023129199
(22)【出願日】2023-08-08
【審査請求日】2023-09-19
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512333401
【氏名又は名称】山田 庸二
(74)【代理人】
【識別番号】100132964
【弁理士】
【氏名又は名称】信末 孝之
(72)【発明者】
【氏名】山田 庸二
【審査官】粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-323973(JP,A)
【文献】特開平11-113931(JP,A)
【文献】実開平06-038659(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、該把持部の先端に設けられた平板状の本体部と、該本体部の上面に中央長手方向に沿って起立して設けられた補強板と、該補強板に着脱可能に取り付けられた不織布清掃部とを有する不織布舌ブラシ。
【請求項2】
前記不織布清掃部が、不織布層及びスポンジ層の2層構造であり、前記不織布層を外側にして前記補強板に合わせて略U字状に折り曲げて取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の不織布舌ブラシ。
【請求項3】
前記不織布清掃部の前記スポンジ層側の裏面に両面テープが貼付されていることを特徴とする請求項に記載の不織布舌ブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不織布を用いた舌ブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2020年の厚生労働省の人口動態統計によると、誤嚥性肺炎の死者数は4万人を超え、がん、心疾患等に続き、日本人の死因の6位にランクインしている。そのうち97%は70歳以上であり、高齢者にとって誤嚥性肺炎は、代表的な「現代病」とでも言うべき大きな死亡リスクとなっている。
【0003】
誤嚥性肺炎を防ぐには、誤嚥しても肺が菌塗れにならないように口腔環境を清潔に保つ毎日の口腔ケアが必要となってくる。舌にも細菌が繁殖しているので、誤嚥性肺炎を予防するために最も有効な口腔ケアとして、「歯みがき」だけではなく「舌そうじ」が重要である。
【0004】
舌そうじを行うための道具として種々の舌ブラシが提案されている。例えば、特許文献1には、把持柄1の先端に、ブラシ体10とブラシ体10によりかき取られた舌苔をため込むスプーン状のカバー7を設けることにより、舌背上でかき取られた舌苔をため込んで口腔内に漏れないようにした、舌ブラシに関する発明が記載されている
【0005】
また、特許文献2には、振動源の作動により振動する突起形成面21を備えるベース体と、突起形成面に突設される多数の円柱状突起により構成される突起群3とを有し、清掃効果が高く口臭の低減に効果的である一方、おう吐感が抑えられ健康な細胞を傷つけ難いようにした、舌ブラシ用部品に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2001-029136号公報
【文献】特開2020-182649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
舌ブラシによる舌そうじを効果的に行うためには、舌背のザラザラした小さな突起(舌乳頭)の間のプラークを掻き出す必要がある。しかしながら、高齢者や要介護の方の舌そうじを介護者が行う場合、舌ブラシの操作や力の入れ方などが難しく、従来の舌ブラシでは使用しにくいという問題があった。
【0008】
また、舌ブラシの使用後は掻き出したプラークを除去するために洗浄する必要があるが、付着したプラークは除去しにくいため、繰り返し使用する場合の衛生上の問題があった。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、高齢者や要介護の方の舌そうじに適しているとともに、使用後の衛生面についても効果的な不織布舌ブラシを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の不織布舌ブラシは、本体部と、該本体部から起立して設けられた補強板と、該補強板に着脱可能に取り付けられた不織布清掃部とを有するものである。
【0011】
また、前記不織布清掃部が不織布層及びスポンジ層の2層構造であることが好ましい。
【0012】
また、前記不織布清掃部の裏面に両面テープが貼付されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の不織布舌ブラシは、本体部と、本体部から起立して設けられた補強板と、補強板に着脱可能に取り付けられた不織布清掃部とを有するものである。不織布清掃部は、舌乳頭の間に入り込んでいるプラークを掻き出すことができるので、高齢者や要介護の方の舌そうじに適している。また、使用後の不織布清掃部を補強板から取り外して、新しい不織布清掃部に取り替えることができるので、衛生的である。
【0014】
また、不織布清掃部が不織布層及びスポンジ層の2層構造である場合には、スポンジ層がクッションとなって、不織布層を優しく舌に当てることができる。
【0015】
また、不織布清掃部の裏面に両面テープが貼付されている場合には、不織布清掃部の取り替えが極めて容易である。
【0016】
このように、本発明の不織布舌ブラシは、高齢者や要介護の方の舌そうじに適しているとともに、使用後の衛生面についても効果的なものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る不織布舌ブラシを示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図2】本体部を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。
図3】平らな状態の不織布清掃部を示す(a)拡大平面図、(b)拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る不織布舌ブラシについて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る不織布舌ブラシ100を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。図2は、本体部10を示す(a)平面図、(b)正面図、(c)側面図である。図3は、平らな状態の不織布清掃部30を示す(a)拡大平面図、(b)拡大正面図である。
【0019】
不織布舌ブラシ100は、本体部10、補強板20、不織布清掃部30及び把持部40から構成されている。本体部10は、把持部40の先端に設けられた平板状部材である。本体部10の長さは、一般的な歯ブラシのヘッド部と同等であるが、これに限定されるものではない。
【0020】
補強板20は、本体部10の上面に中央長手方向に沿って起立して設けられている。補強板20を中央長手方向に沿って起立して設けることにより、後述するように、不織布舌ブラシ100を長手方向に沿って動かして舌そうじを行うことができるにようになっている。補強板20は略矩形状の板状部材であるが、半円形や凸形など他の形状であってもよい。
【0021】
補強板20には、不織布清掃部30が着脱可能に取り付けられている。不織布清掃部30は、表側の不織布層31及び裏側のスポンジ層32の2層構造となっている。不織布層31の表面は柔らかい超極細の繊維ブラシになっており、舌乳頭の間に入り込んでいるプラークを効果的に掻き出すことができる。また、不織布清掃部30はナイロンブラシと違って当たりが優しいので舌を傷つけることがなく、さらにスポンジ層32に高反発のウレタンスポンジ等を用いることにより、スポンジ層32をクッションとして不織布層31を優しく舌に当てることができる。
【0022】
不織布清掃部30は、取り外した状態では図3に示すように平らな状態であり、取り付け時には不織布層31を外側にして補強板20に合わせて略U字状に折り曲げる。不織布清掃部30は、取り付けたときに補強板20の周囲から若干はみ出す程の大きさとなっており、使用時に補強板20が舌に当らないようになっている。
【0023】
不織布清掃部30の裏面(スポンジ層32側)には、両面テープ50が貼付されている。不織布清掃部30は両面テープ50により補強板20に取り付けることができる。
【0024】
不織布舌ブラシ100の使用時には、把持部40を握って傾けながら不織布清掃部30の広い面を舌に当てて動かす。基本的には不織布舌ブラシ100の長手方向の動きによって舌そうじを行うとよいが、短手方向に動かしたり回転させたりしてもよい。
【0025】
本実施形態に係る不織布舌ブラシ100は、本体部10と、本体部10から起立して設けられた補強板20と、補強板20に着脱可能に取り付けられた不織布清掃部30とを有するものである。不織布清掃部30は、舌乳頭の間に入り込んでいるプラークを掻き出すことができるので、高齢者や要介護の方の舌そうじに適している。また、使用後の不織布清掃部30を補強板20から取り外して、新しい不織布清掃部30に取り替えることができるので、衛生的である。
【0026】
また、不織布清掃部30が不織布層31及びスポンジ層32の2層構造であるので、スポンジ層32がクッションとなって、不織布層31を優しく舌に当てることができる。
【0027】
また、不織布清掃部30の裏面に両面テープ50が貼付されているので、不織布清掃部30の取り替えが極めて容易である。
【0028】
このように、本実施形態に係る不織布舌ブラシ100は、高齢者や要介護の方の舌そうじに適しているとともに、使用後の衛生面についても効果的なものである。
【0029】
なお、本実施形態に係る不織布舌ブラシ100は、頬粘膜に付いたプラークや汚れを清掃することもできるし、通常の歯ブラシ型をしているので歯ブラシとしても使用することもできる。
【0030】
以上、本発明の実施形態に係る不織布舌ブラシについて説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0031】
例えば、不織布清掃部30は、1枚ではなく複数枚を補強板20に取り付けるようにしてもよい。
【0032】
また、本体部10を把持部40と一体にするのではなく、本体部10のみで構成して電動ブラシに取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 本体部
20 補強板
30 不織布清掃部
31 不織布層
32 スポンジ層
40 把持部
50 両面テープ
100 不織布舌ブラシ
【要約】
【課題】高齢者や要介護の方の舌そうじに適しているとともに、使用後の衛生面についても効果的な不織布舌ブラシを提供する。
【解決手段】本体部10と、本体部10から起立して設けられた補強板20と、補強板20に着脱可能に取り付けられた不織布清掃部30とを有する不織布舌ブラシ100である。不織布清掃部30が不織布層31及びスポンジ層32の2層構造であることが好ましい。不織布清掃部30の裏面に両面テープが貼付されていることが好ましい。
【選択図】図1
図1
図2
図3