(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】プログラム、方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/52 20140101AFI20240201BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20240201BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240201BHJP
【FI】
A63F13/52
A63F13/55
A63F13/45
(21)【出願番号】P 2023141384
(22)【出願日】2023-08-31
【審査請求日】2023-09-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年5月23日にウェブサイト<URL:https://play.google.com/store/apps/details?id=net.weakend.dede&pli=1>にて発表し、販売 令和5年5月23日にウェブサイト<URL:https://apps.apple.com/app/id6448891624>にて発表し、販売 令和5年6月13日にウェブサイト<URL:https://www.youtube.com/watch?v=4LNpQYr2dzo>にて発表 令和5年7月30日にウェブサイト<URL:https://twitter.com/syotawe524/status/1685487188736380928>にて発表 令和5年7月30日に展示会「東京ゲームダンジョン3」にて発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519105441
【氏名又は名称】アプリファクトリーはるni株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100218969
【氏名又は名称】室伏 千恵子
(72)【発明者】
【氏名】野下 彰太
【審査官】上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-208952(JP,A)
【文献】特開2009-247405(JP,A)
【文献】特開2001-286682(JP,A)
【文献】特開2015-139502(JP,A)
【文献】既プレイヤーにもオススメの「不思議なダンジョン風来のシレン5plus」はスマホに最適化された操作でいつでもダンジョンに潜れる!,ファミ通App,日本,2022年04月26日,[online],2023年10月27日検索,http://app.famitsu.com/20220426_1937897/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記情報処理装置によって実行されたときに、前記情報処理装置に
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表すオブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表すオブジェクトとを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を実行させ、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なり、
前記第2表示ステップは、前記表示部に、携帯電話の外観の少なくとも一部を表すオブジェクトである携帯電話オブジェクトをさらに表示するステップであって、前記携帯電話オブジェクトにおいて前記携帯電話の表示画面に相当する領域に前記第2表示画像を配置し、前記携帯電話の入力装置に相当する領域に前記第2入力領域を表すオブジェクトを配置するステップを含む
プログラム。
【請求項2】
前記第1切替ステップは、前記携帯電話オブジェクトの少なくとも一部が前記表示部の外側に配置され、前記少なくとも一部が前記表示部の所定のエリアに到達するまで前記携帯電話オブジェクトを移動させるステップを含む
請求項
1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2表示ステップは、前記第2モードにおいて、前記ゲームの進行状況に関わらず、メールを受信したことを示すアイコンを前記第2表示画像に重畳的に表示する第3表示ステップを含み、
前記メールは、予め定められたデータに基づいて仮想的に生成されたものである
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記情報処理装置に、
前記第1モードにおいて、前記第2モードに対応する第2素材データを取得する第1取得ステップと、
前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替えたことに応じて、前記切替前の前記第1モードにおいて取得した前記第2素材データに少なくとも基づいて前記第2表示画像を生成する生成ステップと
をさらに実行させる
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記第1取得ステップは、前記第1モードにおいて、前記第2モードに対応する音声データである第2音声データをさらに取得するステップを含み、
前記情報処理装置に
前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替えたことに応じて、前記切替前の前記第1モードにおいて取得した前記第2音声データを出力する第2音声出力ステップをさらに実行させる
請求項
4に記載のプログラム。
【請求項6】
情報処理装置によって実行される方法であって、
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表す画像の少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表す画像とを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を備え、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異な
り、
前記第2表示ステップは、前記表示部に、携帯電話の外観の少なくとも一部を表すオブジェクトである携帯電話オブジェクトをさらに表示するステップであって、前記携帯電話オブジェクトにおいて前記携帯電話の表示画面に相当する領域に前記第2表示画像を配置し、前記携帯電話の入力装置に相当する領域に前記第2入力領域を表すオブジェクトを配置するステップを含む
方法。
【請求項7】
制御部を備える情報処理システムであって、
前記制御部が
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表す画像の少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表す画像とを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を実行し、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異な
り、
前記第2表示ステップは、前記表示部に、携帯電話の外観の少なくとも一部を表すオブジェクトである携帯電話オブジェクトをさらに表示するステップであって、前記携帯電話オブジェクトにおいて前記携帯電話の表示画面に相当する領域に前記第2表示画像を配置し、前記携帯電話の入力装置に相当する領域に前記第2入力領域を表すオブジェクトを配置するステップを含む
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームにおいて、複数の表示モードを切り替える機能が知られている。例えば特許文献1では、入力に基づいて立体視画像を用いた3D表示から平面画像を用いた2D表示に切り替え可能な表示制御プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1では、表示モード間での変化が3D表示から2D表示への外観変化に限定されているため、ユーザの興趣性のさらなる向上が求められている。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題に鑑み、ユーザの興趣性を向上させることができるプログラム、方法及び情報処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様にかかるプログラムは、制御部を備える情報処理装置によって実行される。前記プログラムは、前記情報処理装置によって実行されたときに、前記情報処理装置に第1表示ステップと、第1切替ステップと、第2表示ステップとを実行させる。第1表示ステップでは、前記情報処理装置は、第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表すオブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する。第1切替ステップでは、前記情報処理装置は、ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える。第2表示ステップでは、前記情報処理装置は、前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表すオブジェクトとを、互いに離隔して表示する。前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる。情報処理装置が見た目の異なる2つの動作モードを切り替え可能とすることで、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0007】
本開示の一態様にかかる方法は、情報処理装置によって実行される。方法は、第1表示ステップと、第1切替ステップと、第2表示ステップとを備える。第1表示ステップでは、前記情報処理装置は、第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表すオブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する。第1切替ステップでは、前記情報処理装置は、ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える。第2表示ステップでは、前記情報処理装置は、前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表すオブジェクトとを、互いに離隔して表示する。前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる。情報処理装置が見た目の異なる2つの動作モードを切り替え可能とすることで、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0008】
本開示の一態様にかかる情報処理システムは、制御部を備える。前記制御部は、第1表示ステップと、第1切替ステップと、第2表示ステップとを実行する。第1表示ステップでは、前記制御部は、第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表すオブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する。第1切替ステップでは、前記制御部は、ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える。第2表示ステップでは、前記制御部は、前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表すオブジェクトとを、互いに離隔して表示する。前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成される。前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる。情報処理システムが見た目の異なる2つの動作モードを切り替え可能とすることで、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本開示により、ユーザの興趣性を向上させることができるプログラム、方法及び情報処理システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態1にかかる端末装置による出力処理の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施形態1にかかる第1モードにおいて表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図4】実施形態1にかかる第2モードにおいて表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図5】実施形態1にかかる端末装置によるモード遷移処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態1にかかる第1モードから第2モードに遷移中の画像の一例を示す図である。
【
図7】実施形態2にかかる端末装置の構成を示すブロック図である。
【
図8】実施形態2にかかる端末装置による追加出力処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施形態2にかかる表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図10】実施形態2にかかる表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図11】実施形態2にかかる表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図12】実施形態2にかかる表示部に表示される画像の一例を示す図である。
【
図13】実施形態3にかかるシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0012】
<用語の定義>
本明細書中の「縦向き状態」とは、端末装置の表示部の長軸とZ軸との間の角度絶対値の小さい方が、表示部の短軸とZ軸との間の角度絶対値のいずれの値よりも小さい状態をいう。なおZ軸正方向とは地面から離れる方向であり、Z軸負方向とは重力を受ける方向である。
また本明細書中の「横向き状態」とは、表示部の短軸とZ軸との間の角度絶対値の小さい方が、表示部の長軸とZ軸との間の角度絶対値のいずれの値よりも小さい状態をいう。
また本明細書中の「縦向き状態」における「上下方向」とは、表示部の長軸方向である。「縦向き状態」における「左右方向」とは、表示部の短軸方向である。また「縦向き状態」における「下」とは、表示部の長軸においてZ軸正方向側の端部からZ軸負方向側の端部に向かう方向である。また「縦向き状態」における「上」とは、「縦向き状態」における「下」の逆である。
また本明細書中の「横向き状態」における「上下方向」とは、表示部の短軸方向である。「横向き状態」における「左右方向」とは、表示部の長軸方向である。また「横向き状態」における「下」とは、表示部の短軸においてZ軸正方向側の端部からZ軸負方向側の端部に向かう方向である。また「横向き状態」における「上」とは、「横向き状態」における「下」の逆である。
【0013】
<実施形態1>
まず本開示の実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1にかかる端末装置10の構成を示すブロック図である。端末装置10は、情報処理装置の一例である。端末装置10は、スマートフォンであるが、パーソナルコンピュータ、携帯電話、タブレット端末、又はその他の入出力可能な端末装置である。ユーザは、プレイヤーとして端末装置10を用いて、2種類の動作モードを有するビデオゲーム(以下、単にゲームと称する)をプレイする。
【0014】
(動作モード)
動作モードは、第1モードと、第2モードとを含む。いずれの動作モードにおいても、端末装置10はゲームロジック102に基づいて制御されるゲームの進行状況を表示部140へ視覚的に表現するが、動作モードによって表示態様が異なる。一例として第1モードでは端末装置10はスマートフォンに対応する外観を表現し、第2モードでは折り畳み式携帯電話に対応する外観を表現する。本実施形態1ではさらに、第1モードの表示態様は横向き状態に適合したレイアウトを有し、第2モードの表示態様は縦向き状態に適合したレイアウトを有する。
【0015】
ゲームのジャンルはロールプレイングゲームであるが、これに限らず、アドベンチャーゲーム、シミュレーションゲーム、アクションゲーム、シューティングゲーム、レーシングゲーム又はパズルゲームであってもよい。
【0016】
(ハードウェア構成)
端末装置10は、ストレージ100と、メモリ110と、通信部120と、入力部130と、表示部140と、制御部150とを備える。
【0017】
ストレージ100は、ROM(Read-only memory)等の非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体を有する記憶装置である。ストレージ100には、各種制御又は演算を行うための各種プログラム又はデータが予め格納されている。例えばストレージ100は、出力プログラム101と、ゲームロジック102と、パラメータ103と、第1素材データ104と、第2素材データ105とを記憶する。
【0018】
出力プログラム101は、本実施形態1にかかる出力処理が実装されたコンピュータプログラムである。
【0019】
ゲームロジック102は、本実施形態1にかかるゲームの進行を制御するために使用されるコンピュータプログラムである。
【0020】
パラメータ103は、ユーザごとに割り当てられたデータ、又はゲームの進行状況に応じて付与されるデータである。例えばパラメータ103は、ユーザ名、ステージ情報、ユーザが操作するキャラクターのレベル、及びユーザが操作しないキャラクター(例えばモンスター)のレベルのうち、少なくともいずれかを含んでよい。
【0021】
第1素材データ104は、第1モードに対応する素材データである。第1素材データ104は、2次元画像及び3次元モデルの少なくともいずれかを含む。一例として第1素材データ104は、ユーザが操作するキャラクター、ユーザが操作しないキャラクター、及びゲームシーンを構成するその他のオブジェクトの、2次元画像又は3次元モデルであってよい。また第1素材データ104は、第1モードに対応するレイアウト情報を含んでもよい。ここでレイアウト情報は、上述のオブジェクトを配置させる位置を決定するための情報である。
【0022】
第2素材データ105は、第2モードに対応する素材データである。第2素材データ105は2次元画像を含む。一例として第2素材データ105は、ユーザが操作するキャラクター、ユーザが操作しないキャラクター、及びゲームシーンを構成するその他のオブジェクトの、2次元画像であってよい。また第2素材データ105は、第2モードに対応するレイアウト情報を含んでもよい。
【0023】
メモリ110は、RAM(Random Access Memory)等の揮発性記憶装置であり、制御部150の動作時に一時的に情報を保持するための記憶領域である。
【0024】
通信部120は、インターネット等のネットワークに接続するための通信インターフェースである。なお本実施形態において通信部120は必須ではない。
【0025】
入力部130は、ユーザからの入力を受け付ける入力装置である。表示部140は、制御部150による処理結果を表示するディスプレイ等の表示装置である。本実施形態1では入力部130及び表示部140は、タッチパネルを構成する。
【0026】
制御部150は、端末装置10のシステム全体を制御するプロセッサを有する。制御部150は出力プログラム101及びゲームロジック102を実行することにより、ゲーム進行部151、モード切替部152及び出力制御部153の機能を実現する。
【0027】
(機能)
ゲーム進行部151は、ゲームロジック102に基づいてゲーム進行処理を実行する。なおゲーム進行部151は、第1モード及び第2モードのいずれにおいても、同一のゲームロジック102に基づいてゲームを進行させる。
【0028】
モード切替部152は、ユーザから動作モードを切り替えるためのユーザ操作を検出する(検出ステップ)。以下では動作モードを切り替えるためのユーザ操作を切替操作と称する。本実施形態1ではモード切替部152は、Z軸に対する端末装置10の表示部140の角度に基づいて切替操作を検出する。したがってユーザはプレイ中に端末装置10を傾けるだけで切替操作を行うことができる。これによりユーザの利便性が向上する。なおモード切替部152は、ユーザからのタッチパネル上の入力に基づいて切替操作を検出してもよい。
【0029】
またモード切替部152は、上記切替操作を検出したことに応じて動作モードを切り替える。モード切替部152は、検出直前の動作モードが第1モードである場合、動作モードを第2モードに切り替える。またモード切替部152は、検出直前の動作モードが第2モードである場合、動作モードを第1モードに切り替える。
【0030】
出力制御部153は、選択中の動作モードに応じた素材データをストレージ100からメモリ110にロードし、素材データに基づいて選択中の動作モードに対応する表示画像を生成する。そして出力制御部153は、生成した表示画像を表示部140に表示する。
【0031】
例えば出力制御部153は、第1モードにおいて表示部140に、第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力用オブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する。第1表示画像は、第1モードにおいてゲームの進行状況に応じて生成された表示画像である。より具体的には第1表示画像は、ゲームの進行状況に応じてロードされた第1素材データ104に少なくとも基づいて生成された表示画像である。
【0032】
第1入力用オブジェクトは、ユーザが第1モードにおいてゲームの進行に関連する操作を行うための入力領域である第1入力領域を表すオブジェクトである。例えばユーザは、第1表示画像に重畳的に表示された第1入力用オブジェクトをタップすることで、ゲームの進行に関連する操作を行う。
【0033】
また例えば出力制御部153は、第2モードにおいて表示部140に、第2表示画像と、第2入力用オブジェクトとを互いに離隔して表示する。第2表示画像は、第2モードにおいてゲームの進行に応じて生成された表示画像である。より具体的には第2表示画像は、ゲームの進行状況に応じてロードされた第2素材データ105に少なくとも基づいて生成された表示画像である。第2表示画像は、第1表示画像とは表示態様が異なる。
【0034】
第2入力用オブジェクトは、ユーザが第2モードにおいてゲームの進行に関連する操作を行うための入力領域である第2入力領域を表すオブジェクトである。例えばユーザは、第2表示画像とは離れた位置に表示された第2入力用オブジェクトをタップすることで、ゲームの進行に関連する操作を行う。
【0035】
なお出力制御部153は、第1モード又は第2モードにおいて、選択中の動作モードに対応する動作モードに加えて、選択されていない動作モードに対応する素材データも、ストレージ100からメモリ110にロードする。
【0036】
そして出力制御部153は、動作モードの遷移中に、制御部150への制御を行うモード遷移処理を実行する。モード遷移処理において、出力制御部153は、切替前にロード済の素材データであって切替後の動作モードに対応する素材データに基づいて、切替後の動作モードに対応する表示画像を生成する。そして出力制御部153は、生成した表示画像を即座に表示部140に表示する。これにより動作モードの遷移中に新たに素材データをロードする工程を省略できるため、動作モードの遷移中でも表示態様をシームレスに切り替えることが可能となる。
【0037】
図2は、実施形態1にかかる端末装置10による出力処理の流れを示すフローチャートである。まず制御部150のゲーム進行部151は、ゲームロジック102及びパラメータ103をストレージ100からメモリ110にロードする(S11)。次にゲーム進行部151は、ロードしたゲームロジック102、パラメータ103及びユーザからの入力操作に基づいてゲーム進行処理を実行する(S12)。これによりゲームが進行する。このときゲーム進行部151は、ゲームの進行状況に応じてパラメータ103を変更してよい。変更したパラメータ103は、自動的に又はユーザからの入力操作に応じてストレージ100に格納してよい。
【0038】
次に出力制御部153は、選択中の動作モードに関わらず、次のゲームシーンに必要な第1素材データ104及び第2素材データ105をストレージ100からメモリ110にロードする(S13)。つまり第1モードにおいては、出力制御部153は、第1素材データ104に加えて第2素材データ105をロードする(第1取得ステップ)。したがって第1モードにおいて第1表示画像の生成に関与しない第2素材データ105がバックグラウンドで保持されることになる。また第2モードにおいては、出力制御部153は、第2素材データ105に加えて第1素材データ104をロードする(第2取得ステップ)。したがって第2モードにおいて第2表示画像の生成に関与しない第1素材データ104がバックグラウンドで保持されることになる。なお次のゲームシーンは、ゲームの進行状況及びユーザによる入力操作に基づいて決定されてよい。
【0039】
次にモード切替部152は、ユーザによる切替操作を検出したことを示す検出フラグがONであるか否かを判定する(S14)。ここで切替操作の検出は、Z軸に対する端末装置10の表示部140の角度に基づいて行われる。具体的にはモード切替部152は、表示部140が横向き状態から縦向き状態となった場合に、第1モードから第2モードへの切替操作を検出する。またモード切替部152は、表示部140が縦向き状態から横向き状態となった場合に、第2モードから第1モードへの切替操作を検出する。
【0040】
なお切替操作はこれに限らず、その他の任意の操作であってよい。一例としてモード切替部152は、Z軸に対する表示部140の長軸の角度が予め定められた第1角度範囲内から第2角度範囲内に変化した場合、切替操作を検出してもよい。また一例としてモード切替部152は、表示部140の角度変化が所定量以上となった場合、切替操作を検出してもよい。
【0041】
モード切替部152は、検出フラグがONであると判定した場合(S14でYES)、モード遷移処理を実行する(S15)。そしてモード切替部152は、処理をS21に進める。
【0042】
一方、検出フラグがONであるとモード切替部152が判定しなかった場合(S14でNO)、出力制御部153は、選択中の動作モードが第1モードであるか否かを判定する(S16)。出力制御部153は、選択中の動作モードが第1モードであると判定した場合(S16でYES)、第1モードに対応する表示制御を実行する。具体的には出力制御部153は、S13においてロード済の第1素材データ104及びパラメータ103に基づいて第1表示画像を生成する(S17)。そして出力制御部153は、第1表示画像と、第1モードに対応してロード済の第1入力用オブジェクトとを、重畳的に表示する(S18:第1表示ステップ)。次に出力制御部153は、処理をS21に進める。
【0043】
一方、出力制御部153は、選択中の動作モードが第2モードであると判定した場合(S16でNO)、第2モードに対応する表示制御を実行する。具体的には出力制御部153は、S13においてロード済の第2素材データ105及びパラメータ103に基づいて第2表示画像を生成する(S19)。そして出力制御部153は、第2表示画像と、第2モードに対応してロード済の第2入力用オブジェクトとを、互いに離隔して表示する(S20:第2表示ステップ)。次に出力制御部153は、処理をS21に進める。
【0044】
S21において制御部150は、処理を終了するか否かを判定する。制御部150が処理を終了する場合とは、ゲームを中断する場合やゲームを終了する場合が挙げられる。制御部150は、処理を終了すると判定しない限り(S21でNO)、S12~S21に示す処理を繰り返す。
【0045】
ここで
図3は、第1モードの定常状態である第1表示ステップ(S18)において表示部140に表示される画像141の一例を示す図である。画像141は、第1表示画像1411に、第1入力用オブジェクトとして入力用オブジェクト1412,1413,1414が重畳した画像である。なお
図3においては入力用オブジェクト1412,1413,1414の全領域が第1表示画像1411上に配置されているが、一部の領域が第1表示画像1411の外側に配置されていてもよい。
【0046】
例えばユーザが入力用オブジェクト1412をタップした場合、出力制御部153は表示部140の画像141をホーム画面に遷移させる。また例えばユーザが入力用オブジェクト1413をタップした場合、ゲーム進行部151は次のゲームシーンとしてダンジョンのシーンを決定し、ゲームを進行させる。また例えばユーザが入力用オブジェクト1413をタップした場合、ゲーム進行部151は次のゲームシーンとしてショップにおけるシーンを決定し、ゲームを進行させる。
【0047】
次に
図4は、第2モードの定常状態である第2表示ステップ(S20)において表示部140に表示される画像142の一例を示す図である。画像142は、携帯電話の表示画面側の外観の少なくとも一部を表すオブジェクト1421を含んでいる。一例として携帯電話は折り畳み式携帯電話であるが、その他の任意の形状の携帯電話であってよい。出力制御部153は、オブジェクト1421において携帯電話の表示画面に相当する領域に第2表示画像1422を配置し、携帯電話の入力装置に相当する領域に第2入力用オブジェクトとして入力用オブジェクト1424,1425,1426を配置する。したがって第2表示画像1422と、入力用オブジェクト1424,1425,1426とは、互いに重なり合わない。
【0048】
ここで携帯電話の入力装置はソフトキーと呼ばれる。上段左側のソフトキーに対応する入力用オブジェクト1424は、第2表示画像1422の下部の左側に配置された左アイコンLを選択するための入力領域を表す。本図では、左アイコンLの選択はパラメータ103等のゲームデータの保存操作を表す。また上段右側のソフトキーに対応する入力用オブジェクト1426は、第2表示画像1422の下部の右側に配置された右アイコンRを選択するための入力領域を表す。
【0049】
中央のソフトキーに対応する入力用オブジェクト1425は、第2表示画像1422に配置されたカーソルを上下及び左右に移動させるための入力領域を表す。例えばユーザが入力用オブジェクト1425の下矢印部分をタップした場合、出力制御部153は本図においてカーソルの位置を「洞窟へ」から1つ下の「お店へ」に移動させる。
【0050】
なお出力制御部153は、携帯電話の入力装置に相当する領域の一部に、第2入力領域として機能しない入力用オブジェクト1427,1428を配置させてもよい。
【0051】
ここで第1表示画像と第2表示画像とは、解像度及び画像サイズの点で態様が異なってよい。例えば
図3~
図4に示すように、第2表示画像の解像度は第1表示画像の解像度よりも低くてよい。これによりユーザに懐かしさを喚起させることができ、興趣性を高めることができる。また例えば
図3~
図4に示すように、第2表示画像の画像サイズは、第1表示画像の画像サイズよりも小さくてよい。一例として第1表示画像の画像サイズは1280[pxl]×960[pxl]であり、第2表示画像の画像サイズは120[pxl]×160[pxl]である。これによりユーザに懐かしさを喚起させることができ、興趣性を高めることができる。
【0052】
図5は、実施形態1にかかる端末装置10によるモード遷移処理(
図2のS15)の流れを示すフローチャートである。本図のモード遷移処理は、制御部150のモード切替部152が、検出フラグがONであると判定した場合に実行される。
【0053】
まず制御部150のモード切替部152は、動作モードを切り替える(S151)。ここで第1モードから第2モードへの切替である場合(S152でYES)、出力制御部153は、S153~S154に示す第1切替ステップを実行する。具体的には出力制御部153は、切替前の第1モードのS13においてロード済の第2素材データ105及びパラメータ103に基づいて、第2表示画像を生成する(S153)。そして出力制御部153は、第2表示画像と、第2モードに対応してロード済の第2入力用オブジェクトとを、互いに離隔して表示する(S154)。このとき出力制御部153は、上述の
図4に示す態様の画像142を表示してよい。そして出力制御部153は、処理をS157に進める。
【0054】
一方、第2モードから第1モードへの切替である場合(S152でNO)、出力制御部153はS155~S156に示す第2切替ステップを実行する。具体的には出力制御部153は、切替前の第2モードのS13においてロード済の第1素材データ104及びパラメータ103に基づいて、第1表示画像を生成する(S155)。そして出力制御部153は、第1表示画像と、第1モードに対応してロード済の第1入力用オブジェクトとを、重畳的に表示する(S156)。このとき出力制御部153は、上述の
図3に示す態様の画像141を表示してよい。そして出力制御部153は、処理をS157に進める。
【0055】
S157においてモード切替部152は、切替操作の検出フラグをOFFにし(S157)、モード遷移処理を終了する。
【0056】
このように本実施形態1では端末装置10は切替前にロードした素材データをバックグラウンドで保持しているため、切替時点で新たにロードする必要がない。したがって端末装置10は、動作モードをシームレスに切り替えることができる。これにより切替後の動作モードに対応する表示がされるまでの待ち時間が短縮され、ユーザの利便性が向上する。
【0057】
また本実施形態1では、動作モードを切り替えることができるポイントが限定されていない。したがってゲームシーンの途中で動作モードの切替が発生した場合であっても、端末装置10は、一部のシーンを巻き戻すことなく、動作モードをシームレスに切り替えることができる。
【0058】
なおモード切替処理のS154において、出力制御部153が画像141から画像142に画面を切り替えるとき、画像142を徐々に表示するようにしてよい。
【0059】
図6は、実施形態1にかかる第1モードから第2モードに遷移中の画像142の一例を示す図である。画像142は、携帯電話のオブジェクト1421に第2表示画像1422と上述した第2入力用オブジェクトとを配置させた画像である。
図6において斜線で示した部分は、画像142のうちの少なくとも一部であり、隠れオブジェクトUと呼ばれる。隠れオブジェクトUは、表示部140の外側に配置されているため非表示の状態となっている。出力制御部153は、画像141から画像142に画面を切り替えるとき、隠れオブジェクトUが表示部140の外側から表示部140の所定のエリアに到達するまで、画像142を移動させてよい。一例として画像142の移動方向は、縦向き状態において下から上に向かう方向である。徐々に画面を切り替えることにより、ユーザにシームレスな印象を与えることができる。しかしこれに限らず、移動方向は縦向き状態において上から下に向かう方向、右から左に向かう方向、左から右に向かう方向、又はその他の任意の方向であってよい。
【0060】
移動させる際の軌道は、直線であってもよいし、曲線であってもよいし、円又は楕円であってもよい。直線軌道である場合はユーザに自然な遷移を印象付けることができるため、ストレスの少ないユーザ体験を提供できる。一方、曲線、円又は楕円といった特徴的な軌道である場合、ユーザの興趣性を高めることができる。
【0061】
また移動の態様は、隠れオブジェクトUが所定のエリアに近づくほど移動速度が小さくなるような減衰運動であってよい。これによりユーザに自然な遷移を印象付けることができるため、ストレスの少ないユーザ体験を提供できる。
【0062】
なお出力制御部153は、移動方向、移動させる際の軌道、及び移動運動の態様を、プレイ中に切替操作が行われた回数によって異ならせてもよいし、切替操作の種別によって異ならせてもよい。この場合、ユーザの興趣性を高めることができる。
【0063】
[効果]
実施形態1によれば、端末装置10は、第1モードにおいては第1表示画像と第1入力用オブジェクトとを重畳的に表示する一方で、第2モードにおいては第2表示画像と第2入力用オブジェクトとを離隔して表示する。このようにコンテンツ中の入力用オブジェクトの配置を大きく異ならせた2つの動作モードを切り替え可能とすることで、ユーザの興趣性を向上させることができる。
【0064】
また実施形態1によれば端末装置10は、動作モードが定常状態である場合、選択中の動作モードの素材データだけでなく、選択されていない動作モードの素材データもロードしてバックグラウンドで保持しておく。そして端末装置10は、切替操作が発生したことに応じて、切替後の動作モードに対応するロード済の素材データに基づいて切替後の動作モードに対応する表示画像を即座に生成し、表示部140に即座に表示する。これにより動作モードの遷移中に新たに素材データをロードする工程を省略できるため、動作モードの遷移中でも表示態様をシームレスに切り替えることが可能となる。上述の効果は、切替後の動作モードに対応する素材データのデータサイズが大きいほど顕著に奏する。
【0065】
<実施形態1の変形例>
なお実施形態1は以下のような変形を加えることが可能である。上述の例では出力制御部153は、動作モードに応じて表示制御を行っていたが、これに加えて動作モードに応じて音声出力制御を行ってよい。このときストレージ100は、第1モードに対応する音声データである第1音声データと、第2モードに対応する音声データである第2音声データとを記憶していてよい。第1音声データと第2音声データとは、旋律、和音及び律動のうち少なくとも1つが異なる。
【0066】
具体的には出力制御部153は、第1モードにおいて、ゲームの進行状況に基づいて第1モードに対応する第1音声データをロードし、第1音声データを出力する。このとき出力制御部153は、第1モードにおいて、ゲームの進行状況に基づいて第2モードに対応する第2音声データをさらにロードし、メモリ110に保持してよい。そして出力制御部153は、第1モードから第2モードへの切替操作が検出されたことに応じて、切替前の第1モードにおいてロード済の第2音声データを即座に出力してよい(第2音声出力ステップ)。
【0067】
また出力制御部153は、第2モードにおいて、ゲームの進行状況に基づいて第2モードに対応する第2音声データをロードし、第2音声データを出力する。このとき出力制御部153は、第2モードにおいて、ゲームの進行状況に基づいて第1モードに対応する第1音声データをさらにロードし、メモリ110に保持してよい。そして出力制御部153は、第2モードから第1モードへの切替操作が検出されたことに応じて、切替前の第2モードにおいてロード済の第1音声データを即座に出力してよい(第1音声出力ステップ)。
【0068】
[効果]
このように端末装置10は動作モードが定常状態である場合、選択中の動作モードの音声データだけでなく、選択されていない動作モードの音声データもロードしてバックグラウンドで保持しておく。これにより動作モードの遷移中に新たに音声データをロードする工程を省略できるため、動作モードの遷移中でも音声出力態様をシームレスに切り替えることが可能となる。上述の効果は、切替後の動作モードに対応する音声データのデータサイズが大きいほど顕著に奏する。
【0069】
<実施形態2>
次に本開示の実施形態2について説明する。実施形態2は、端末装置がゲーム中にゲームの進行に関連しない処理を実行することに特徴を有する。
【0070】
図7は、実施形態2にかかる端末装置10aの構成を示すブロック図である。実施形態2の端末装置10aは、実施形態1の端末装置10と基本的に同様の構成及び機能を有するが、ストレージ100及び制御部150に代えてストレージ100a及び制御部150aを備える点で相違する。
【0071】
ストレージ100aは、出力プログラム101に代えて出力プログラム101aと、メールコンテンツ106とを記憶する点でストレージ100と相違する。
【0072】
出力プログラム101aは、本実施形態2にかかる出力処理が実装されたコンピュータプログラムである。実施形態2にかかる出力処理は、ゲームの進行に関連しない追加出力処理を含む。例えば追加出力処理とは、メールの閲覧操作に応じてメールコンテンツを出力する処理である。
【0073】
メールコンテンツ106は、ゲームの進行に関連しないコンテンツデータの一例である。メールコンテンツ106は、仮想的なメールを生成するために予め定められたデータである。
【0074】
制御部150aは、出力制御部153に代えて出力制御部153aを備える。出力制御部153aは、実施形態1の出力制御部153の機能に加えて追加出力処理を実行する。具体的には出力制御部153aは、第2モードにおいて、ゲームの進行状況に関わらず、メールを受信したことを示すアイコンを表示する。メールは、メールコンテンツ106に基づいて仮想的に生成されたものである。
【0075】
また出力制御部153aは、第2モードにおいて、表示部140に、ゲームの進行に関連しない操作を行うための副入力領域を表すオブジェクトをさらに表示してよい。ゲームの進行に関連しない操作とは、例えば仮想的なメールの閲覧操作である。
【0076】
そして出力制御部153aは、副入力領域を介してゲームの進行に関連しない操作を検出した場合、第2表示画像に代えて又は第2表示画像に重畳して、検出した操作に対応する画像であって、ゲームの進行に関連しない画像を表示する(第4表示ステップ)。
【0077】
なお、出力制御部153aは、上述のようなメールアイコンを表示するのは第2モードだけであって、第1モードでは表示しなくてよい。動作モードによって機能に差を設けることで、ユーザの興趣性をさらに高めることができる。
【0078】
図8は、実施形態2にかかる端末装置10aによる追加出力処理の流れを示すフローチャートである。出力制御部153aは、選択中の動作モードが第2モードである場合(S31でYES)、予め定められたタイミングが到来したか否かを判定する(S32)。このタイミングは、ゲームの進行とは関連しないタイミングである。出力制御部153aは、予め定められたタイミングが到来したと判定した場合(S32でYES)、メールアイコンを表示部140に表示された第2表示画像に重畳的に表示する(S33:第3表示ステップ)。一方、出力制御部153aは、予め定められたタイミングが到来したと判定しなかった場合(S32でNO)、処理をS34に進める。
【0079】
図9は、S33において表示部140に表示される画像143の一例を示す図である。画像143は第2表示画像1432を含む。第2表示画像1432は、上部にメールアイコンMを含む点で
図4の第2表示画像1422と相違する。なおメールアイコンMは、第2表示画像1422と同様の解像度で生成される。例えばメールアイコンMはドット絵で構成されるビットマップ画像であってよい。またメールアイコンMの画像サイズは、16[pxl]×16[pxl]、32[pxl]×32[pxl]、又は128[pxl]×128[pxl]であってよい。
【0080】
出力制御部153aが第2表示画像1432上にメールアイコンMを表示することで、ユーザに仮想的なメールを受信したことを知らせることができる。
【0081】
図8に戻り説明を続ける。S34において出力制御部153aは、ユーザからメールを閲覧するための操作を検出したか否かを判定する。以下ではメールを閲覧するためのユーザ操作をメール閲覧操作と称する。例えば出力制御部153aは、ユーザが
図9に示す入力用オブジェクト1427をタップしたことに応じて、メール閲覧操作を検出してよい。出力制御部153aは、メール閲覧操作を検出したと判定した場合(S34でYES)、メールコンテンツ106をロードして、表示部140に仮想的なメールを表示する(S35)。一方、出力制御部153aは、メール閲覧操作を検出したと判定しなかった場合(S34でNO)、処理をS36に進める。
【0082】
図10は、S35において表示部140に表示される画像144の一例を示す図である。画像144は第2表示画像1442を含む。第2表示画像1442は、今まで生成した仮想的なメールのリストを含むメールボックスを表している。一例としてメールボックスのリストは、ユーザが閲覧した否かを示すアイコンと、受信日時と、送信者と、タイトルとを含む。これらはメールコンテンツ106において予め定められた仮想的なものであってよい。なお第2表示画像1442に含まれる文字は、ドット絵で構成されるビットマップ画像であってよい。
【0083】
ユーザは入力用オブジェクト1425を用いてカーソルを移動させることで所望のメールを選択し、メールの内容を閲覧することができる。
【0084】
図11は、メール閲覧時に表示部140に表示される画像145の一例を示す図である。画像145は第2表示画像1452を含む。第2表示画像1452は、選択されたメールの内容を表している。メールの内容は、受信日時と、送信者と、タイトルと、メール本文とを含む。これらはメールコンテンツ106において予め定められた仮想的なものであってよい。なお第2表示画像1452に含まれる文字は、ドット絵で構成されるビットマップ画像であってよい。
【0085】
なお出力制御部153aは、メールボックスから未読のメールがなくなると、第2表示画像1452からメールアイコンMを削除する。
【0086】
図8に戻り説明を続ける。S36において出力制御部153aは処理を終了するか否かを判定する。出力制御部153aが処理を終了すると判定しない限り(S36でNO)、S31~S36に示す処理を繰り返す。
【0087】
なお実施形態2では、追加出力処理の例としてメールの閲覧操作に応じたメールコンテンツの出力処理を挙げた。しかし追加出力処理はこれに限らず、ゲームの進行に関連しないその他の任意の出力処理であってよい。例えば追加出力処理は、メールの問合せ処理を含んでよい。このとき制御部150は、第2モードにおいて、第2表示画像1442の右側下部に配置される右アイコンRを選択された場合にメールの問合せ処理を実行する。右アイコンRの選択は、メールの問合せ操作を行うための副入力領域を表す入力用オブジェクト1428をユーザがタップすることにより実現してよい。
【0088】
出力制御部153aは、副入力領域を介してメールの問合せ操作を検出した場合、第2表示画像に代えて又は第2表示画像に重畳して、メールの問合せに関する画像を表示する。
【0089】
図12は、実施形態2にかかる表示部140に表示される画像146の一例を示す図である。画像146は第2表示画像1462を含む。第2表示画像1462は、メールの問合せに関する画像を含む。ここで出力制御部153aは、新着のメールがあれば、その旨を表示し、その後メールボックスを表示してよい。一方、出力制御部153aは、新着のメールがなければ、表示部140を
図4に示す画像142に戻してよい。
【0090】
<実施形態3>
次に本開示の実施形態3について説明する。実施形態1~2は、端末装置10,10aは第1素材データ104及び第2素材データ105を予めストレージに記憶していた。しかし実施形態3では、端末装置は第1素材データ104及び第2素材データ105をゲームの進行状況に応じて都度、サーバ20からダウンロードする。
【0091】
図13は、実施形態3にかかるシステム1の構成を示すブロック図である。システム1は、サーバ20及び端末装置10bを備える情報処理システムである。サーバ20及び端末装置10bは、インターネット等のネットワークNWを介して通信可能に接続される。
【0092】
サーバ20は、サーバ・コンピュータ等の情報処理装置である。サーバ20は、ストレージ(不図示)と、メモリ(不図示)と、通信部(不図示)と、制御部(不図示)とを少なくとも備える。サーバ20のストレージには、少なくとも第1素材データ104及び第2素材データ105が記憶されている。そしてサーバ20の制御部は、第1素材データ104及び第2素材データ105の取得要求を端末装置10bから受信したことに応じて、第1素材データ104及び第2素材データ105を端末装置10bに送信する。
【0093】
端末装置10bは、実施形態1~2の端末装置10,10aと基本的に同様の構成及び機能を有する。つまり端末装置10bの制御部は、
図2に示す出力処理、
図5に示すモード遷移処理、及び
図8に示す追加出力処理と同様の処理を実行する。ただし端末装置10bの出力制御部は、
図2のS13に代えて、次のゲームシーンに応じた第1素材データ104及び第2素材データ105をサーバ20に要求し、サーバ20から取得する。このとき出力制御部は取得したデータをメモリ110に格納するとともに、ストレージに格納してもよい。
【0094】
以上、実施形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記によって限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0095】
例えば実施形態1~3では端末装置10,10a,10bの動作モードを2種類としたが、動作モードは3種類以上であってもよい。
【0096】
また実施形態1~3では、端末装置10,10a,10bとして単一の装置である場合を説明したが、端末装置10,10a,10bの各構成要素の一部又は全部が複数の情報処理装置や回路等により実現されてもよい。この場合、複数の情報処理装置や回路等は、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。例えば、情報処理装置や回路等は、クライアントサーバシステム、クラウドコンピューティングシステム等、各々が通信ネットワークを介して接続される形態として実現されてもよい。また、端末装置10,10a,10bの機能がSaaS(Software as a Service)形式で提供されてもよい。
【0097】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
制御部を備える情報処理装置によって実行されるプログラムであって、
前記プログラムが前記情報処理装置によって実行されたときに、前記情報処理装置に
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表すオブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表すオブジェクトとを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を実行させ、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる
プログラム。
(付記2)
前記情報処理装置に、
前記第1モード及び前記第2モードのいずれにおいても、同一のゲームロジックに基づいて前記ゲームを進行させる
付記1に記載のプログラム。
(付記3)
前記第2表示ステップは、前記表示部に、携帯電話の外観の少なくとも一部を表すオブジェクトである携帯電話オブジェクトをさらに表示するステップであって、前記携帯電話オブジェクトにおいて前記携帯電話の表示画面に相当する領域に前記第2表示画像を配置し、前記携帯電話の入力装置に相当する領域に前記第2入力領域を表すオブジェクトを配置するステップを含む
付記1又は2に記載のプログラム。
(付記4)
前記第1切替ステップは、前記携帯電話オブジェクトの少なくとも一部が前記表示部の外側に配置され、前記少なくとも一部が前記表示部の所定のエリアに到達するまで前記携帯電話オブジェクトを移動させるステップを含む
付記3に記載のプログラム。
(付記5)
前記携帯電話オブジェクトを移動させることは、減衰運動である
付記4に記載のプログラム。
(付記6)
前記携帯電話オブジェクトの移動方向は、表示部の下部から上部に向かう方向である
付記4又は5に記載のプログラム。
(付記7)
前記第1切替ステップは、前記情報処理装置の角度変化に基づいて前記ユーザ操作を検出する検出ステップを含む
付記1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記8)
前記第2表示ステップは、前記第2モードにおいて、前記ゲームの進行状況に関わらず、メールを受信したことを示すアイコンを前記第2表示画像に重畳的に表示する第3表示ステップを含み、
前記メールは、予め定められたデータに基づいて仮想的に生成されたものである
付記1から7のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記9)
前記第2入力領域は、前記ゲームの進行に関連する操作を行うための領域であり、
前記情報処理装置に、
前記第2モードにおいて、前記ゲームの進行に関連しない操作を行うための副入力領域のオブジェクトを前記表示部にさらに表示させ、
前記副入力領域を介して前記ゲームの進行に関連しない操作を検出した場合、前記第2表示画像に代えて又は前記第2表示画像に重畳して、検出した前記操作に対応する画像であって、前記ゲームの進行に関連しない画像を表示する第4表示ステップと
をさらに実行させる
付記1から8のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記10)
前記情報処理装置に、
前記第1モードにおいて、前記第2モードに対応する第2素材データを取得する第1取得ステップと、
前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替えたことに応じて、切替前の前記第1モードにおいて取得した前記第2素材データに少なくとも基づいて前記第2表示画像を生成する生成ステップと
をさらに実行させる
付記1から9のいずれか一項に記載のプログラム。
(付記11)
前記情報処理装置に、
前記第2モードにおいて、前記第1モードに対応する第1素材データを取得する第2取得ステップと、
前記動作モードを前記第2モードから前記第1モードに切り替えたことに応じて、切替前の前記第2モードにおいて取得した前記第1素材データに少なくとも基づいて前記第1表示画像を生成する生成ステップと
をさらに実行させる
付記10に記載のプログラム。
(付記12)
前記第1取得ステップは、前記第1モードにおいて、前記第2モードに対応する音声データである第2音声データをさらに取得するステップを含み、
前記情報処理装置に
前記動作モードを前記第1モードから前記第2モードに切り替えたことに応じて、切替前の前記第1モードにおいて取得した前記第2音声データを出力する第2音声出力ステップをさらに実行させる
付記10又は11に記載のプログラム。
(付記14)
情報処理装置によって実行される方法であって、
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表す画像の少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表す画像とを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を備え、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる
方法。
(付記15)
制御部を備える情報処理システムであって、
前記制御部が
第1モードにおいて、表示部に、ゲームに関連する第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力領域を表す画像の少なくとも一部とを重畳的に表示する第1表示ステップと、
ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを前記第1モードから第2モードに切り替える第1切替ステップと、
前記第2モードにおいて、前記表示部に、前記ゲームに関連する第2表示画像と、第2入力領域を表す画像とを、互いに離隔して表示する第2表示ステップと
を実行し、
前記第1表示画像は、前記第1モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第2表示画像は、前記第2モードにおいて前記ゲームの進行に応じて生成され、
前記第1表示画像と前記第2表示画像とは表示態様が異なる
情報処理システム。
【符号の説明】
【0098】
1 システム
10,10a,10b 端末装置
20 サーバ
100 ストレージ
101 出力プログラム
102 ゲームロジック
103 パラメータ
104 第1素材データ
105 第2素材データ
106 メールコンテンツ
110 メモリ
120 通信部
130 入力部
140 表示部
141,142,143,144,145,146 画像
1411 第1表示画像
1412,1413,1414,1424,1425,1426,1427,1428 入力用オブジェクト
1421 オブジェクト
1422,1432,1442,1452,1462 第2表示画像
R 右アイコン
L 左アイコン
U 隠れオブジェクト
M メールアイコン
150,150a 制御部
151 ゲーム進行部
152 モード切替部
153,153a 出力制御部
【要約】
【課題】ユーザの興趣性を向上させる。
【解決手段】端末装置10は、第1表示ステップと、第1切替ステップと、第2表示ステップとを実行する制御部150を備える。第1表示ステップでは、制御部150は、第1モードにおいて、表示部140に、第1表示画像の少なくとも一部と、第1入力用オブジェクトの少なくとも一部とを重畳的に表示する。第1切替ステップでは、制御部150は、ユーザ操作を検出したことに応じて、動作モードを第1モードから第2モードに切り替える。第2表示ステップでは、制御部150は、第2モードにおいて、表示部140に、第2表示画像と第2入力用オブジェクトとを互いに離隔して表示する。第1表示画像は、第1モードにおいてゲームの進行に応じて生成される。第2表示画像は、第2モードにおいてゲームの進行に応じて生成される。第1表示画像と第2表示画像とは表示態様が異なる。
【選択図】
図1