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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】粉体噴射装置
(51)【国際特許分類】
   F23D 1/02 20060101AFI20240201BHJP
   F23D 1/00 20060101ALI20240201BHJP
   F23K 3/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F23D1/02 Z
F23D1/00 Z
F23K3/02 301
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019075103
(22)【出願日】2019-04-10
(65)【公開番号】P2020173059
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-12-09
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆政
【合議体】
【審判長】間中 耕治
【審判官】鈴木 充
【審判官】村山 美保
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-27107(JP,A)
【文献】特開2014-9922(JP,A)
【文献】特公昭47-29005(JP,B1)
【文献】特開平10-292903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D 1/00,1/02
F23K 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体と気体との混合流体を噴射するノズルと、
前記ノズルの内周面に沿って前記混合流体を供給し、前記混合流体の旋回流を形成する混合流体供給部と、を備え、
前記ノズルは、その内周面に前記混合流体の主流方向に対して交差する方向に延びる邪魔板を有し、
前記邪魔板は、前記主流方向に間隔をあけて5~7個の突部を形成すると共に、前記5~7個の突部が一繋ぎになった前記旋回流と逆巻の螺旋状に形成されている、ことを特徴とする粉体噴射装置。
【請求項2】
前記ノズルは、前記内周面を形成する外スリーブと、前記外スリーブの内側に配置された内スリーブと、を有し、
前記内スリーブは、その外周面に前記旋回流を前記内周面に導く傾斜突部を有し、
前記傾斜突部は、前記主流方向において前記邪魔板が配置されている領域内に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の粉体噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体噴射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、粉体噴射装置の一例として、石炭焚ボイラに取り付けられる微粉炭バーナが開示されている(特許文献1の図6参照)。微粉炭バーナでは、石炭粉砕機で石炭を粉砕して微粉炭としたものを燃焼用空気と混合させ、この混合流体をバーナノズルから火炉に噴射して微粉炭を燃焼させるようになっている。このような微粉炭バーナにおいては、バーナノズルの噴射口において微粉炭の粒子濃度を均一化させることにより、燃焼状態を良好に保つことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-131793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
微粉炭バーナにおいて、燃焼性能を良好に保つためには、ノズル出口での微粉炭濃度の偏りを無くす必要がある。従来では、ノズルの接線から微粉炭を流入させるダクトを使用し、内部での旋回を抑えるためにノズルの内周面に邪魔板を設けていた。邪魔板は、混合流体の主流方向に対して平行に延び、微粉炭の旋回を止めることで、微粉炭をノズルの内周面近傍に均等に分布させる。
【0005】
しかしながら、微粉炭が邪魔板に十分に衝突せず、微粉炭の粒子濃度が不均一になることが懸念されていた。これにより、極度に粒子濃度が薄いまたは濃い領域が形成されると、保炎性が低下し、排ガス汚染物(NO、CO等)が増加してしまう、という問題があった。
また、運転条件が変化し微粉炭及び燃焼用空気の流量が低下すると、混合流体の旋回流の勢いが衰えて、さらに微粉炭の粒子濃度が不均一になることが懸念されていた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、運転条件によらず、粉体をノズルの内周面近傍に均等に分布させることができる粉体噴射装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、粉体と気体との混合流体を噴射するノズルと、前記ノズルの内周面に沿って前記混合流体を供給し、前記混合流体の旋回流を形成する混合流体供給部と、を備え、前記ノズルは、その内周面に前記混合流体の主流方向に対して交差する方向に延びる邪魔板を有する、粉体噴射装置を採用する。
【0008】
また、本発明においては、前記邪魔板は、前記主流方向に間隔をあけて複数の突部を形成している、という構成を採用する。
【0009】
また、本発明においては、前記邪魔板は、螺旋状に形成されている、という構成を採用する。
【0010】
また、本発明においては、前記邪魔板は、前記旋回流と逆巻の螺旋状に形成されている、という構成を採用する。
【0011】
また、本発明においては、前記ノズルは、前記内周面を形成する外スリーブと、前記外スリーブの内側に配置された内スリーブと、を有し、前記内スリーブは、その外周面に前記旋回流を前記内周面に導く傾斜突部を有し、前記傾斜突部は、前記主流方向において前記邪魔板が配置されている領域内に設けられている、という構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、ノズルの内周面に設けられた邪魔板が、混合流体の主流方向に対して交差して配置される。混合流体の流量が増減すると、混合流体がノズルから噴射されるまでに旋回する回数が増減するが、混合流体の主流方向(ノズルが延びる軸心方向)における流れは変わらない。このため、どのような運転条件であっても、必ず粉体が邪魔板に衝突し、粉体がノズルの内周面近傍に均等に分布する。
したがって、本発明によれば、運転条件によらず、粉体をノズルの内周面近傍に均等に分布させることができる粉体噴射装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態における微粉炭バーナの構成を示す斜視図である。
図2図1における矢視A-A断面図である。
図3】本発明の実施形態における微粉炭バーナの(a)解析モデルと、(b)その解析モデルを用いた微粉炭の粒子濃度の解析結果である。
図4】比較例として、主流方向に対して平行な邪魔板を備える従来の微粉炭バーナの(a)解析モデルと、(b)その解析モデルを用いた微粉炭の粒子濃度の解析結果である。
図5】本発明の別実施形態における邪魔板の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の粉体噴射装置について図面を参照して説明する。なお、以下の説明では、粉体噴射装置の一実施形態として微粉炭バーナを例示する。
【0015】
図1は、本発明の実施形態における微粉炭バーナ1の構成を示す斜視図である。図2は、図1における矢視A-A断面図である。
微粉炭バーナ1は、微粉炭(粉体)と燃焼用空気(気体)との混合流体Fを不図示の火炉に噴射し、微粉炭を燃焼させるものである。本実施形態の微粉炭バーナ1は、ノズル10と、混合流体供給部20と、ウインドボックス30と、を有する。
【0016】
ノズル10は、混合流体Fを噴射する噴射口11と、噴射口11に至る混合流体Fの搬送流路12と、を有する。ノズル10は、筒状に形成されており、その一端に噴射口11が形成されている。搬送流路12は、ノズル10の軸心C1に沿って、噴射口11まで略直線的に延在している。本実施形態では、ノズル10の噴射口11側が絞られ、軸心C1に向かって混合流体Fを噴射可能な構成となっている。
【0017】
ノズル10は、同心で設けられた筒状の内スリーブ13と外スリーブ14とを有し、二重筒構造となっている。内スリーブ13は、長手方向の略中腹部位から先端側へ向かって直径が漸減し、且つ先端開口部に、先端に向かって直径が急減する絞り部を有する。外スリーブ14は、内スリーブ13の外周に同心状に配設され、内スリーブ13と略相似形で、且つ先端に向かって直径が急減する絞り部を有する。
【0018】
内スリーブ13の内部には、オイルバーナ(不図示)が挿入されている。オイルバーナは、内スリーブ13の軸心位置に挿入されると共に、軸心方向に沿って移動可能にエアシリンダ(不図示)に連結されている。オイルバーナは、着火時において内スリーブ13から突出して油を噴射し、燃焼中においては焼損を防止するため内スリーブ13内に退避する。内スリーブ13には、三次空気を供給する三次空気管(不図示)が接続されている。
【0019】
搬送流路12は、内スリーブ13と外スリーブ14との間に形成されている。すなわち、搬送流路12は、リング状に形成されている。具体的に、搬送流路12の内縁は、内スリーブ13の外周面15よって形成されている。また、搬送流路12の外縁は、外スリーブ14の内周面16によって形成されている。
【0020】
混合流体供給部20は、図1に示すように、ノズル10の側部に接続されている。混合流体供給部20は、搬送流路12に混合流体Fを供給するものである。混合流体供給部20は、ノズル10(外スリーブ14)の内周面16に沿って接線方向に混合流体Fを供給し、混合流体Fの旋回流Sを形成するようになっている。混合流体供給部20の上流側には、不図示の微粉炭供給装置及び送風装置が設けられており、微粉炭と燃焼用空気(一次空気)とが予め混合された混合流体Fが導入されてくる。
【0021】
ウインドボックス30は、ノズル10から噴射された混合流体Fに二次空気を混合させるものであり、ノズル10の噴射口11の周囲を囲うように設けられている。このウインドボックス30は、噴射口11の周りを円形に囲うように配設された複数のエアレジスタ(不図示)と、エアレジスタの内側に周方向に配設された複数のインナーベーン(不図示)と、を有している。エアレジスタは、二次空気の流量を調整し、インナーベーンは、エアレジスタを介して供給される二次空気に旋回力を与える。
【0022】
図示しない石炭粉砕機で粉砕された微粉炭は、燃焼用空気と混合され、混合流体供給部20を介してノズル10に供給される。微粉炭と燃焼用空気の混合流体Fは、ノズル10の後端側において内周面16の接線方向に供給されて旋回流Sとなり、内周面16に沿って周方向に旋回しながら先端側へ流動し、噴射口11から噴射される。そして、噴射口11から噴射された混合流体Fは、ウインドボックス30から供給される二次空気と混合して燃焼する。
【0023】
ノズル10は、保炎性を高めるため、混合流体Fに含まれる微粉炭を内周面16近傍に均等に分布させる邪魔板40を有する。邪魔板40は、ノズル10の内周面16に対して立設し、内周面16に沿って流れる混合流体Fと衝突する。邪魔板40は、図2に示す軸心C1に沿う断面が、矩形状である。なお、邪魔板40の断面形状は、三角形や、その他の多角形であってもよく、また、丸みを帯びていてもよい。
【0024】
邪魔板40は、図2に示すように、混合流体Fの主流方向(ノズル10が延びる軸心C1に沿う方向)に対して交差する方向に延びている。この邪魔板40は、軸心C1と直交する基準平面C2に対して角度αで交差している。角度αは、10°以下であることが好ましく、より好ましくは5°以下である。本実施形態の邪魔板40は、軸心C1と略直交する方向に延びており、角度αが、例えば3.5°に設定されている。
【0025】
邪魔板40は、主流方向に間隔をあけて複数の突部41を形成している。この突部41は、4個以上あることが好ましく、より好ましくは5~7個である。本実施形態では、この突部41が等間隔で6個配置されている。
【0026】
邪魔板40は、複数の突部41が一繋ぎになった螺旋状に形成されている。この邪魔板40は、図2に示すように、混合流体Fの旋回流Sと逆巻の螺旋状に形成されている。すなわち、旋回流Sが、軸心C1を中心に時計回りであるとき、邪魔板40は、軸心C1を中心に反時計回りに渦を巻く。また、旋回流Sが、軸心C1を中心に反時計回りであるとき、邪魔板40は、軸心C1を中心に時計回りに渦を巻く。
【0027】
ノズル10は、上述の邪魔板40が設けられた内周面16に旋回流Sを導く傾斜突部50を有する。傾斜突部50は、内スリーブ13の外周面15に環状に形成されている。この傾斜突部50は、混合流体Fの主流方向において邪魔板が配置されている領域X内に設けられている。傾斜突部50は、ノズル10の先端側に向かうに従って高くなる傾斜面51を有し、ノズル10の中心部に集まってしまった混合流体Fに含まれる微粉炭を邪魔板40に衝突させる。
【0028】
続いて、上記構成の邪魔板40を備える微粉炭バーナ1の作用について、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、本発明の実施形態における微粉炭バーナの(a)解析モデル100と、(b)その解析モデル100を用いた微粉炭の粒子濃度の解析結果である。図4は、比較例として、主流方向に対して平行な邪魔板を備える従来の微粉炭バーナの(a)解析モデル200と、(b)その解析モデル200を用いた微粉炭の粒子濃度の解析結果である。
【0029】
図4(a)に示す解析モデル200は、混合流体の主流方向に対して平行な邪魔板240を備える点で、図3(a)に示す解析モデル100と相違し、その他の点で一致している。この解析モデル200を用い、混合流体Fの流量を低下させた条件で解析した結果、図4(b)に示すように、ノズル10の内周面16近傍に粒子濃度が薄い領域や濃い領域が円環斑状に形成されることが確認された。このため、保炎性の低下が懸念される。
【0030】
一方、図3(a)に示す解析モデル100を用い、混合流体Fの流量を低下させた同じ条件で解析した結果、図3(b)に示すように、粒子濃度が異常に濃い領域が無くなり、ノズル10の内周面16近傍に周方向に沿って略均一の粒子濃度が得られることが確認された。すなわち、本実施形態では、図2に示すように、ノズル10の内周面16に設けられた邪魔板40が、混合流体Fの主流方向に対して交差して配置される。混合流体Fの流量が増減すると、混合流体Fがノズル10から噴射されるまでに旋回する回数が増減するが、混合流体Fの主流方向(ノズル10が延びる軸心方向)における流れは変わらない。このため、どのような運転条件であっても、必ず微粉炭が邪魔板40に衝突するため、微粉炭がノズル10の内周面16近傍に均等に分布する。
【0031】
本実施形態では、邪魔板40が主流方向に間隔をあけて複数の突部41を形成している。この構成によれば、混合流体Fに含まれる微粉炭が、主流方向において複数回、邪魔板40と衝突するため、ノズル10の内周面16近傍における粒子濃度を均一化する効果が高くなる。解析結果では、突部41が4個までは段階的に粒子濃度の均一化が図られ、突部41が5~7個になると粒子濃度の十分な均一化が図られ、突部41が8個以上になるとそれ以降の改善は殆ど無くなった。このため、突部41は、4個以上あることが好ましく、より好ましくは5~7個である。
【0032】
また、本実施形態においては、邪魔板40は、螺旋状に形成されている。邪魔板40が螺旋状であれば、ノズル10の軸心方向から見て、突部41が内周面16の周方向全体に重なって配置されるため、混合流体Fが突部41のいずれにも衝突しないパスルートが形成されない。なお、微粉炭バーナ1は、定期的にノズル10の内周面16に堆積した微粉炭を清掃しており、その清掃の際には、ノズル10から空気のみを噴射させ、内周面16に堆積した微粉炭を排出している。ここで、邪魔板40が螺旋状であれば、微粉炭が邪魔板40の根元部に溜まることなく、微粉炭が内周面16に沿って周方向に旋回しながら噴射口11から排出されるため、メンテナンスが容易になる。
【0033】
また、本実施形態の邪魔板40は、旋回流Sと逆巻の螺旋状に形成されている。この構成によれば、邪魔板40が、旋回流Sとなる混合流体Fと衝突し易くなるため、ノズル10の内周面16近傍における粒子濃度を均一化する効果が高くなる。また、ノズル10の内スリーブ13には、その外周面15に旋回流Sを内周面16に導く傾斜突部50が設けられ、傾斜突部50は、主流方向において邪魔板40が配置されている領域X内に配置されているため、ノズル10の中心部に集まってしまった混合流体Fに含まれる微粉炭を邪魔板40に衝突させ、ノズル10の内周面16近傍における粒子濃度をより確実に均一化することができる。
【0034】
このように、上述の本実施形態によれば、微粉炭と燃焼用空気との混合流体Fを噴射するノズル10と、ノズル10の内周面16に沿って混合流体Fを供給し、混合流体Fの旋回流Sを形成する混合流体供給部20と、を備え、ノズル10は、その内周面16に混合流体Fの主流方向に対して交差する方向に延びる邪魔板40を有する、という構成を採用することによって、運転条件によらず、微粉炭をノズル10の内周面16近傍に均等に分布させることができる微粉炭バーナ1が得られる。
【0035】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0036】
図5は、本発明の別実施形態における邪魔板40Aの構成を示す断面図である。なお、図5において上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明は簡略若しくは省略する。
図5に示す邪魔板40Aは、リング状に形成されている。この邪魔板40Aは、混合流体Fの主流方向において間隔をあけて複数配置されている。また、邪魔板40Aは、内周面16に沿って混合流体Fの主流方向に対して直交する方向に延びている。
【0037】
図5に示す邪魔板40Aにおいても、混合流体Fに含まれる微粉炭が、主流方向において複数回、邪魔板40Aと衝突するため、ノズル10の内周面16近傍における粒子濃度を均一化することができる。しかし、邪魔板40Aを複数配置する必要があるため、上述した実施形態と比べて、邪魔板40Aの間隔の調整作業に手間がかかる。なお、清掃の際に、堆積した微粉炭を排出できるように、邪魔板40Aに切り欠きを形成してもよい。この切り欠きは、パスルートが形成されないように、ノズル10の軸心方向から見て、重ならないように配置することが好ましい。
【0038】
また、例えば、上記実施形態では、本発明の粉体噴射装置を微粉炭バーナ1に適用した構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば、同じく粉体を噴射し、被対象物の表面にコーティング層を形成するコールドスプレー装置等にも適用することができる。また、本発明は、上述した工業分野に限らず、食品分野や医薬品分野において同じように粉体を噴射する粉体噴射装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 微粉炭バーナ
10 ノズル
13 内スリーブ
14 外スリーブ
16 内周面
20 混合流体供給部
40 邪魔板
41 突部
50 傾斜突部
C1 軸心
F 混合流体
S 旋回流
X 領域
図1
図2
図3
図4
図5