IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

特許7429544ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法
<>
  • 特許-ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法 図1
  • 特許-ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法 図2
  • 特許-ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法 図3
  • 特許-ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240201BHJP
   C09J 133/04 20060101ALI20240201BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20240201BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240201BHJP
   C09J 7/24 20180101ALI20240201BHJP
   C09J 7/25 20180101ALI20240201BHJP
   B32B 38/18 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J133/04
C09J11/06
B32B27/00 M
C09J7/24
C09J7/25
B32B38/18 F
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020005966
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021113264
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大畠 健二
(72)【発明者】
【氏名】荒木 勝寛
(72)【発明者】
【氏名】福井 千晃
【審査官】藤田 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-014379(JP,A)
【文献】特開2019-131663(JP,A)
【文献】特開2019-044152(JP,A)
【文献】特開2014-213572(JP,A)
【文献】特開2018-131627(JP,A)
【文献】特開2015-105296(JP,A)
【文献】特開2015-151472(JP,A)
【文献】特開2019-44024(JP,A)
【文献】特開2019-65249(JP,A)
【文献】特開2018-173549(JP,A)
【文献】特開2019-10885(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
C09J 1/00- 5/10
C09J 7/00- 7/50
C09J 9/00-201/10
G09F 1/00- 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外線硬化型のインクを含む印刷部を被覆するラミネートフィルムであって、
フィルム基材と、前記フィルム基材の表面の少なくとも一部に形成された粘着剤層と、を少なくとも備え、
前記粘着剤層は、構成モノマーとして(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも含有する共重合体からなる粘着剤100質量部に対して、単官能(メタ)アクリレート又は2官能以上の多官能(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化性成分を1~20質量部と、架橋剤を0.05~1.5質量部と、光重合開始剤と、を含み、
前記紫外線硬化性成分における前記光重合開始剤の割合は、2~15質量%であ
前記紫外線硬化型のインクは、シリコーンを含む、及び/又は、前記印刷部の表面は、ケイ素原子含有成分を少なくとも有する、
ラミネートフィルム。
【請求項2】
前記フィルム基材は、ポリエステル又はポリオレフィンを含む、
請求項1に記載のラミネートフィルム。
【請求項3】
前記粘着剤層の平均厚さが、5~50μmである、
請求項1又は2に記載のラミネートフィルム。
【請求項4】
紫外線硬化型のインクにより形成された印刷面に対して前記ラミネートフィルムを貼り付けて、前記ラミネートフィルムの前記フィルム基材側の表面から紫外線を照射した後の、前記ラミネートフィルムの粘着力が、3.0N/25mm以上である、
請求項1~3のいずれか一項に記載のラミネートフィルム。
【請求項5】
印刷基材と、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に形成された印刷部と、を含む被着体と、
前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように積層された請求項1~のいずれか一項に記載のラミネートフィルムと、
を少なくとも備える、印刷体。
【請求項6】
印刷基材と、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に形成された印刷部と、を含む被着体と、前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように積層された請求項1~のいずれか一項に記載のラミネートフィルムと、を少なくとも備える印刷体の製造方法であって、
前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように、前記ラミネートフィルムの前記粘着剤層側の表面を前記被着体に積層させて、積層体を得る工程と、
前記ラミネートフィルムに対して、前記粘着剤層が形成された表面と反対側の表面から紫外線を照射して、前記粘着剤層中の前記紫外線硬化性成分を硬化させることにより、印刷体を得る工程と、を含む、
印刷体の製造方法。
【請求項7】
前記積層体を得る工程の前に、
紫外線硬化型のインクを、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に吐出した後に、紫外線照射を行うことにより、前記印刷部を形成する工程を更に含む、
請求項に記載の印刷体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷用シート(印刷基材)への印刷手法の一つとして、紫外線(UV;Ultraviolet)硬化型のインクにより印刷部を形成させる手法(UV印刷)が用いられている。この印刷手法は、速乾性、幅広い基材の選択性、溶剤等の揮発性有機化合物(VOC;Volatile Organic Compounds)の発生低減といった利点が期待されている。
【0003】
そして、このような印刷部が形成された印刷基材(被着体)の印刷面を保護するために、粘着剤層が形成されたラミネートフィルムが用いられている。ラミネートフィルムの粘着剤層と印刷基材の印刷面(印刷部)とを貼り合わせるように積層させることにより、粘着剤層を介して、ラミネートフィルム及び印刷基材を積層させることができる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-083837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、紫外線硬化型のインクによって形成された印刷部をラミネートフィルムにより保護する場合、印刷部とラミネートフィルムとの密着性が不十分であるという問題がある。この密着性が不十分であると、ラミネートフィルムが印刷体から剥離してしまう。この問題は、紫外線硬化型のインクによって印刷部を形成した場合に顕著であり、これを解消することが望まれている。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、印刷部との密着性に優れたラミネートフィルム、印刷体、及び印刷体の製造方法を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上述した目的を達成するために鋭意検討した結果、ラミネートフィルムの粘着剤層に紫外線硬化性成分を配合することに知見を得て、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
(1)
紫外線硬化型のインクを含む印刷部を被覆するラミネートフィルムであって、フィルム基材と、前記フィルム基材の表面の少なくとも一部に形成された粘着剤層と、を少なくとも備え、前記粘着剤層は、紫外線硬化性成分を含む、ラミネートフィルム。
(2)
前記粘着剤層は、粘着剤を更に含み、前記粘着剤層は、前記粘着剤100質量部に対して、前記紫外線硬化性成分を1~20質量部含む、(1)のラミネートフィルム。
(3)
前記粘着剤層は、粘着剤と、架橋剤と、を更に含み、前記粘着剤層は、前記粘着剤100質量部に対して、前記架橋剤を0.05~1.5質量部含む、(1)又は(2)のラミネートフィルム。
(4)
前記粘着剤層は、光重合開始剤を更に含む、(1)~(3)のいずれかのラミネートフィルム。
(5)
前記フィルム基材は、ポリエステル又はポリオレフィンを含む、(1)~(4)のいずれかのラミネートフィルム。
(6)
前記粘着剤層の平均厚さが、5~50μmである、(1)~(5)のいずれかのラミネートフィルム。
(7)
紫外線硬化型のインクにより形成された印刷面に対して前記ラミネートフィルムを貼り付けて、前記ラミネートフィルムの前記フィルム基材側の表面から紫外線を照射した後の、前記ラミネートフィルムの粘着力が、3.0N/25mm以上である、(1)~(6)のいずれかのラミネートフィルム。
(8)
前記紫外線硬化型のインクは、シリコーンを含む、及び/又は、前記印刷部の表面は、ケイ素原子含有成分を少なくとも有する、(1)~(7)のいずれかのラミネートフィルム。
(9)
印刷基材と、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に形成された印刷部と、を含む被着体と、前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように積層された(1)~(8)のいずれかのラミネートフィルムと、を少なくとも備える、印刷体。
(10)
印刷基材と、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に形成された印刷部と、を含む被着体と、前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように積層された(1)~(8)のいずれかのラミネートフィルムと、を少なくとも備える印刷体の製造方法であって、前記印刷部の表面の少なくとも一部を被覆するように、前記ラミネートフィルムの前記粘着剤層側の表面を前記被着体に積層させて、積層体を得る工程と、前記ラミネートフィルムに対して、前記粘着剤層が形成された表面と反対側の表面から紫外線を照射して、前記粘着剤層中の前記紫外線硬化性成分を硬化させることにより、印刷体を得る工程と、を含む、印刷体の製造方法。
(11)
前記積層体を得る工程の前に、紫外線硬化型のインクを、前記印刷基材の表面の少なくとも一部に吐出した後に、紫外線照射を行うことにより、前記印刷部を形成する工程を更に含む、(10)の印刷体の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、印刷部との密着性に優れたラミネートフィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るラミネートフィルムの一態様を示す断面図である。
図2】本実施形態に係る印刷体の一態様を示す断面図である。
図3】本実施形態に係るラミネートフィルムの別の態様を示す断面図である。
図4】本実施形態に係る印刷体の別の態様を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
【0012】
そして、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0013】
また、本明細書中、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリル及びアクリルを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレート及びアクリレートを包含し、「(メタ)アクリロイル」はメタクリロイル及びアクリロイルを包含するものとする。例えば、(メタ)アクリルは、メタクリル、アクリル、又はその両方を意味するものである。
【0014】
<ラミネートフィルム>
【0015】
本実施形態に係るラミネートフィルム(ラミネートシート、ラミネートテープ、ラミネート用粘着シート等と呼ばれることがある。)は、紫外線硬化型のインクを含む印刷部を被覆するラミネートフィルムであって、フィルム基材と、フィルム基材の表面の少なくとも一部に形成された粘着剤層と、を少なくとも備え、粘着剤層は、紫外線硬化性成分を含むものである。かかるラミネートフィルムを用いることによって、紫外線硬化型のインクにより形成された印刷部に対して、高い密着性を発現させることができる。
【0016】
通常、紫外線硬化型のインクを用いた場合、印刷部とラミネートフィルムとの密着性が低いという問題がある。特に、ノズルからの吐出性等の向上のために、シリコーンオイル等のシリコーンが添加されているインクジェットインクを用いた場合や吐出性等の向上のためにインクジェットプリンターの吐出ヘッド等がシリコン加工されている場合において、かかる問題は一層顕著である。具体的には、印刷部の表面がケイ素原子含有成分を少なくとも有する場合等に、印刷部とラミネートフィルムとの密着性が低くなる。これは、印刷部の表面の表面自由エネルギーが低くなることが影響していると推測している(ただし、本実施形態の作用等に関する解釈はこれらに限定されない。)。本実施形態に係るラミネートフィルムは、このような場合であっても、印刷部に対する高い密着性を発現させることができるという優れた点も有している。
【0017】
本実施形態に係るラミネートフィルムが高い密着性を発現できる理由としては、定かではないが、以下のように考えられる。ラミネートフィルムの粘着剤層と印刷基材の印刷部とを貼り合わせた後に、ラミネートフィルムの上面(印刷部と接する面と反対側の面)側から紫外線を照射することにより、印刷部内に残存する紫外線硬化反応の未反応部位又は未反応成分と、粘着剤層中の紫外線硬化性成分とが反応又は相互作用し、機械的結合(例えば、分子同士の絡み合い、アンカー効果等)、物理的相互作用(例えば、分子間力等)、又は化学的相互作用(例えば、共有結合、水素結合等)等が生じる。これによって、印刷部に対する密着性が向上する。このように、本実施形態では、印刷基材側及び印刷部側ではなく、これに貼り合わせるラミネートフィルム側の粘着剤層に紫外線硬化性成分を含有させることで、上述した印刷部に残存する紫外線硬化反応の未反応部位又は未反応成分との反応も可能にし、高い密着性を発現できるものと考えられる(ただし、本実施形態に係る作用はこれらに限定されない。)。
【0018】
図1は、本実施形態に係るラミネートフィルムの一態様を示す断面図であり、図2は、本実施形態に係る印刷体の一態様を示す断面図である。
【0019】
図1に示すラミネートフィルム10は、フィルム基材11と、フィルム基材11の表面の少なくとも一部に形成された粘着剤層12と、を少なくとも備える。そして、図2に示す印刷体20は、ラミネートフィルム10と被着体30とを貼り合わせたものである。なお、図1では、フィルム基材11の一方の表面の全体に粘着剤層12が形成された場合を例示しているが、必要に応じて、フィルム基材11の表面の一部にのみ粘着剤層12が形成されていてもよい。以下、ラミネートフィルム10の構成から説明する。
【0020】
(フィルム基材11)
【0021】
フィルム基材11の材料は、特に限定されず、用途やラミネート対象となる印刷部の成分等を考慮して適宜好適なものを選択することができる。そして、フィルム基材11は、通常、被着体30に貼着した状態で、印刷部32を視認することができる程度の光透過性(透明性)を有することが好ましい。また、ラミネートフィルム10は、被着体30と貼り合わせた後に、ラミネートフィルムの印刷部と接する面と反対側の面(フィルム基材11の面)側から紫外線を照射することにより、粘着剤層12中の紫外線硬化性成分を硬化させる。このとき、フィルム基材11は、活性エネルギー線透過性である必要がある。
【0022】
フィルム基材11の材料としては、例えば、樹脂を含むフィルム基材11を用いることができる。かかる樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、アセチルセルロースブチレート、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、及びシクロオレフィン系樹脂等からなる群より選択される1種以上が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0023】
これらの中でも、樹脂としては、透明性、経済性、及び粘着剤層12との密着性等の観点から、ポリエステル、ポリオレフィンが好ましく、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンがより好ましい。そして、樹脂としては、出発原料を石油とする石油化学由来の樹脂であってもよく、カーボンニュートラルなサトウキビ等植物由来の樹脂であってもよい。例えば、バイオマス原料由来のポリエステル、バイオマス原料由来のポリオレフィン等を使用することもできる。
【0024】
そして、フィルム基材11は、添加剤等を更に含んでもよい。添加剤の種類は、特に限定されず、用途等を考慮して公知のものを選択することができる。添加剤としては、例えば、帯電防止剤、粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、充填剤、屈折率調整剤等が挙げられる。
【0025】
また、図示はしないが、フィルム基材11の層構造は、特に限定されず、1層のみからなる単層構造でもよいし、2層以上から構成される多層構造でもよい。例えば、フィルム基材11は、第一の基材層と、第一の基材層の表面上に形成された第二の基材層と、を含む2層構造であってもよい。そして、第一の基材層は、上述した樹脂の1種を含み、第二の基材層は、第一の基材層の樹脂と異なる樹脂を含むものとしてもよい。あるいは、例えば、フィルム基材11は、基材層(ベース層等と呼ばれることもある。)と、基材層と粘着剤層12との間に形成された中間層と、を含むものであってもよい。中間層としては、所望の機能を付与するコーティング層等としてもよい。
【0026】
フィルム基材11のヘーズ値は、特に限定されないが、1%以下であることが好ましい。これにより、ラミネートフィルム10は十分な透明性を有するものとなり、ラミネートフィルム10で被覆された印刷部32の視認性を高く維持することができる。このヘーズ値は、例えば、ヘーズメーター(例えば、日本電色工業社製、ヘーズメーター「NDH 2000」)を用いて、JIS K 7136:2000に準拠して測定することができる。
【0027】
フィルム基材11の平均厚さは、特に限定されないが、5~300μmであることが好ましい。この平均厚さの下限は、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましい。また、この平均厚さの上限は、200μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることが更に好ましく、50μm以下であることがより更に好ましい。平均厚さは、JIS K 7130:1999に準拠して測定され、例えば、定圧厚さ測定器を用いて等間隔で10箇所を測定した厚さの算術平均をいう。
【0028】
フィルム基材11は、例えば、粘着剤層12との密着性の向上等を目的として、コロナ処理等の表面処理が施されていてもよい。表面処理の手法及び条件は、特に限定されず、その目的に応じて、公知の手法及び条件を採用することができる。
【0029】
(粘着剤層12)
【0030】
粘着剤層12は、紫外線硬化性成分を含む。紫外線硬化性成分としては、紫外線反応性官能基を有する化合物が挙げられる。紫外線反応性官能基とは、紫外線照射により他の化合物に対する結合性を有する官能基をいう。紫外線反応性官能基の具体例としては、例えば、ビニル基;(メタ)アクリロイル基;アリル基等のエチレン性不飽和結合基;エポキシ基、オキセタン基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性官能基;イソシアネート基等が挙げられる。紫外線硬化型のインクの含有成分は、通常、紫外線硬化性のエチレン性不飽和結合を有する官能基を含むことから、これらの中でも、紫外線反応性官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基が好ましく、紫外線感度及び反応性の高さの観点から、(メタ)アクリロイル基がより好ましく、アクリロイル基が更に好ましい。また、紫外線反応性官能基を有する化合物は、上述した紫外線反応性官能基を2以上有するものであってもよい。
【0031】
なお、紫外線照射により紫外線硬化性成分に起こる反応としては、光ラジカル重合であってもよいし、光カチオン重合であってもよい。例えば、光ラジカル重合の場合、紫外線吸収により開始剤等からラジカルが発生し、紫外線硬化性成分がラジカル重合することが考えられる。あるいは、光カチオン重合の場合、紫外線吸収により開始剤等が酸等を生成し、これにより紫外線硬化性成分がカチオン重合することが考えられる(ただし、本実施形態に係る作用はこれらに限定されない。)。
【0032】
(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性成分としては、単官能(メタ)アクリレート及び2官能以上の多官能(メタ)アクリレートが挙げられる。これらは変性されていてもよいし、未変性であってもよい。(メタ)アクリロイル基を有する紫外線硬化性成分の具体例としては、例えば、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ε-カプロラクトン変性トリス-(2-(メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ε-カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0033】
エポキシ基を有する紫外線硬化性成分の具体例としては、例えば、単官能グリシジルエーテル類、多官能グリシジルエーテル類、単官能脂環式エポキシ類、多官能脂環式エポキシ類等が挙げられる。
【0034】
オキセタン基を有する紫外線硬化性成分の具体例としては、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化合物等が挙げられる。
【0035】
紫外線硬化性成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、紫外線硬化性成分は、いわゆるプレポリマー又はアダクト体等であってもよい。
【0036】
このような紫外線硬化成分としては、例えば、紫外線硬化型の(メタ)アクリレート系オリゴマーを用いることができる。(メタ)アクリレート系オリゴマーの具体例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレート系オリゴマー、ポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、シリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー等が挙げられる。
【0037】
ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮合によって得られる両末端に水酸基を有するポリエステルオリゴマーの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。あるいは、ポリエステル(メタ)アクリレート系オリゴマーは、多価カルボン酸にアルキレンオキシドを付加して得られるオリゴマーの末端の水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることもできる。
【0038】
エポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂のオキシラン環に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化することにより得ることができる。また、このエポキシ(メタ)アクリレート系オリゴマーを部分的に二塩基性カルボン酸無水物で変性したカルボキシル変性型のエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを用いることもできる。
【0039】
ウレタン(メタ)アクリレート系オリゴマーは、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールとポリイソシアネートとの反応によって得られるポリウレタンオリゴマーを、(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。ポリオール(メタ)アクリレート系オリゴマーは、ポリエーテルポリオールの水酸基を(メタ)アクリル酸でエステル化することにより得ることができる。
【0040】
(メタ)アクリレート系オリゴマーの重量平均分子量は、50000以下であることが好ましく、40000以下であることがより好ましい。また、この重量平均分子量の下限は、500以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。なお、特に断りがない限り、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析により得られる、ポリスチレン換算の重量平均分子量(M)をいう。
【0041】
これらの(メタ)アクリレート系オリゴマーは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0042】
また、このような紫外線硬化成分としては、(メタ)アクリロイル基を有する基が側鎖に導入されたアダクト(メタ)アクリレート系ポリマーを用いることもできる。このようなアダクト(メタ)アクリレート系ポリマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステルと、分子内に架橋性官能基を有する単量体との共重合体を用い、この共重合体の架橋性官能基の一部に、(メタ)アクリロイル基及び架橋性官能基と反応する基を有する化合物を反応させることにより得ることができる。
【0043】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有することが好ましく、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0044】
分子内に架橋性官能基を有する単量体は、官能基として水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びアミド基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。かかる単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;N-メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸等が挙げられる。これらの単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0045】
(メタ)アクリロイル基及び架橋性官能基と反応する基を有する化合物の好適例としては、例えば、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタクリル酸2-(0-[1´-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチルメタクリレート、1,1-(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2-アクリロイルオキシエチルサクシネート、2-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0046】
アダクト(メタ)アクリレート系ポリマーの重量平均分子量は、50000~900000であることが好ましい。この重量平均分子量の下限は、100000以上であることがより好ましい。また、この重量平均分子量の上限は、500000以下であることがより好ましい。
【0047】
そして、粘着剤層12は、粘着剤を含有することが好ましい。粘着剤の種類は、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、紫外線感度及び反応性の観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。特に、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、印刷部32を構成する紫外線硬化型のインクがアクリル系インクであれば、印刷部32と粘着剤層12との親和性が一層優れたものとなり、粘着剤層12の印刷部32に対する密着性を一層向上させることができる。
【0048】
粘着剤層12は、これを構成する粘着剤がアクリル系粘着剤であり、構成モノマーとして(メタ)アクリル酸又は(メタ)アクリル酸エステルを少なくとも含むことが好ましく、アクリル酸又はアクリル酸エステルを少なくとも含むことがより好ましい。さらに、構成モノマーとして、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルを含むことが更に好ましい。これにより、印刷部32を構成する紫外線硬化型のインクがアクリル系インクである場合に、印刷部32と粘着剤層12との親和性が特に優れたものとなり、印刷部32が設けられた被着体30に対するラミネートフィルム10の密着性を一層向上させることができる。
【0049】
粘着剤層12を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、このアクリル系粘着剤としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含む粘着剤が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含有する。
【0050】
アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、及びステアリル(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、粘着剤層12の密着性の観点から、アルキル基の炭素数が1~8の(メタ)アクリル酸エステルがより好ましく、メチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが更に好ましい。なお、これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用しもよい。
【0051】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、重合体を構成するモノマー単位として、アルキル基の炭素数が1~20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを40~100質量%含有することが好ましい。この下限は、60質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。また、この上限は、99質量%以下であることがより好ましく、98質量%以下であることが更に好ましい。
【0052】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、所望により、官能基を有するモノマーを含有することが好ましい。官能基を有するモノマーの含有量は、特に限定されないが、1~20質量%であることが好ましい。この含有量の下限は、2質量%以上であることがより好ましい。また、この含有量の上限は、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、7質量%以下であることがより更に好ましい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体における官能基を有するモノマーの含有量がこのような範囲にあることで、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と架橋剤等によって構成される架橋構造が良好なものとなるとともに、粘着剤層12の凝集力を高め、粘着剤層12の保持性能等を良好にしやすくなる。
【0053】
官能基を有するモノマーとしては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基、アミノ基、シアノ基、窒素原子含有環基、アルコキシシリル基等の官能基を有するモノマーである。官能基を有するモノマーとしては、上述した中でも、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、及びエポキシ基含有モノマーから選ばれる1種以上が好ましい。
【0054】
ヒドロキシ基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニルアルコール、アリルアルコール等の不飽和アルコール等が挙げられる。
【0055】
カルボキシ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0056】
エポキシ含有モノマーとしては、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル及び非アクリル系エポキシ基含有モノマーが挙げられる。エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート、3-エポキシシクロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、非アクリル系エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジルクロトネート、アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0057】
官能基を有するモノマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0058】
官能基を有するモノマーの中では、カルボキシ基含有モノマーがより好ましく、中でも(メタ)アクリル酸が更に好ましく、アクリル酸がより更に好ましい。官能基を有するモノマーとして、カルボキシ基含有モノマーを使用すると、粘着剤層12の凝集力が高められ、粘着剤層12の保持性能等をより一層良好にしやすくなる。
【0059】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、所望により、重合体を構成するモノマー単位として、他のモノマーを含有してもよい。他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸の作用を妨げないためにも、反応性を有する官能基を含まないモノマーが好ましい。かかる他のモノマーとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の脂肪族環を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等の非架橋性のアクリルアミド;(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルアミノプロピル等の非架橋性の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル;酢酸ビニル;及びスチレンからなる群より選ばれる1種以上等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0060】
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重合態様は、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、特に限定されないが、200000~900000であることが好ましい。この重量平均分子量の下限は、250000以上であることがより好ましく、300000以上であることが更に好ましい。また、この重量平均分子量の上限は、700000以下であることがより好ましく、500000以下であることが更に好ましい。
【0061】
そして、上述した(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0062】
粘着剤層12を構成する成分は、架橋構造を有していてもよいし、架橋構造を有していなくてもよいが、架橋構造を有していることが好ましい。かかる観点から、粘着剤層12は、架橋剤を更に含むことが好ましい。架橋剤を含むことにより、架橋構造を形成することができ、粘着剤の凝集力及び粘着力を好適なものとすることができる。架橋剤としては、例えば、金属キレート系架橋剤(例えば、アルミキレート系化合物等)、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属塩系架橋剤、アミン系架橋剤、ヒドラジン系架橋剤、アルデヒド系架橋剤等が挙げられる。架橋剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0063】
例えば、アルミキレート系架橋剤を用いる場合、架橋剤のアルミキレートが、粘着剤等のカルボキシル基含有モノマー由来のカルボキシル基等と反応して、架橋構造を形成することができる。イソシアネート系架橋剤を用いる場合、より効率よく架橋反応が進行させることができる。エポキシ系架橋剤を用いる場合、架橋性をより好適に調整でき、粘着性を一層向上させることができる。これらの中でも、粘着剤との架橋反応の反応性、及び粘着剤層12の粘着力の観点から、アルミキレート系架橋剤、イソシアネート系架橋剤が好ましく、耐黄変性が優れることからアルミキレート系架橋剤がより好ましい。
【0064】
粘着剤層12は、光重合開始剤を更に含むことが好ましい。これにより、粘着剤層12に紫外線を照射する際に、紫外線硬化性成分を効率よく硬化させることができる。また、硬化時間の短縮や紫外線の照射量の低減も可能となる。
【0065】
光重合開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイン系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、アントラキノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、ホスフィン系光重合開始剤、及びアミン系光重合開始剤等が挙げられる。
【0066】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等が挙げられる。
【0067】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、オリゴ{2-ヒドロキシ-2-メチル-1-[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパノン}等が挙げられる。
【0068】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4´-ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロロベンゾフェノン等が挙げられる。
【0069】
アントラキノン系光重合開始剤としては、例えば、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン等が挙げられる。
【0070】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン等が挙げられる。
【0071】
ホスフィン系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0072】
アミン系光重合開始剤としては、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル(メチル等)等が挙げられる。
【0073】
光重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0074】
また、粘着剤層12は、上述した成分以外の他の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、例えば、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等が挙げられる。例えば、可塑剤は、粘着剤層12の応力緩和性を向上させることができ、印刷部32が設けられた被着体30に対する密着性を向上させることができる。
【0075】
粘着剤層12における紫外線硬化性成分の含有量は、特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して、紫外線硬化性成分を1~20質量部含むことが好ましい。粘着剤100質量部に対する紫外線硬化性成分の含有量の下限は、3質量部以上であることがより好ましく、5質量部以上であることが更に好ましい。また、この上限は、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましい。これにより、粘着剤の凝集力、及び粘着剤層12による粘着力を一層向上させることができる。
【0076】
粘着剤層12における架橋剤の含有量は、特に限定されないが、粘着剤100質量部に対して、架橋剤を0.05~1.5質量部含むことが好ましい。粘着剤100質量部に対する架橋剤の含有量の下限は、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.13質量部以上であることが更に好ましい。また、この上限は、1.2質量部以下であることがより好ましく、1質量部以下であることが更に好ましい。これにより、粘着剤の凝集力、及び粘着剤層12による粘着力を一層向上させることができる。さらに、架橋剤の含有量を上述した下限以上とすることで、粘着剤層12中における架橋密度、粘着剤の凝集力、及び粘着剤層12による粘着力を一層向上させることができる。また、架橋剤の含有量を上述した上限以下とすることで、架橋反応に関与する極性基の残存量を十分な量とすることができ、粘着剤層12の粘着力を一層向上させることができる。
【0077】
粘着剤層12における光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、紫外線硬化性成分における光重合開始剤の割合は、2~15質量%であることが好ましい。この割合の下限は、3質量%以上であることがより好ましく、4質量%以上であることが更に好ましい。また、この割合の上限は、12質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
【0078】
粘着剤層12の平均厚さは、特に限定されないが、5~50μmであることが好ましい。平均厚さの下限は、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることが更に好ましい。また、平均厚さの上限は、40μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが更に好ましい。粘着剤層12の平均厚さをかかる範囲にすることで、粘着剤層12の粘着力を高く維持できるとともに、ラミネートフィルム10の透明性(印刷部32の視認性)も確保することができる。平均厚さは、JIS K 7130:1999に準拠して測定され、例えば、定圧厚さ測定器を用いて等間隔で10箇所を測定した厚さの算術平均をいう。
【0079】
上述したように、ラミネートフィルム10の粘着剤層12は、印刷部32に対して高い密着性を有する。その好適な態様としては、紫外線硬化型のインクにより形成された印刷面(印刷部32)に対してラミネートフィルム10を貼り付けて、ラミネートフィルム10のフィルム基材11側の表面から紫外線を照射した後の、ラミネートフィルム10の粘着力は、3.0N/25mm以上であることが好ましく、3.5N/25mm以上であることがより好ましく、4.0N/25mm以上であることが更に好ましい。また、この粘着力の上限は、50N/25mm以下であることが好ましく、20N/25mm以下であることがより好ましく、10N/25mm以下であることが更に好ましい。なお、この粘着力は、JIS Z 0237:2009に準拠して、試験片を180°の角度で剥離速度300mm/分の条件で剥離した際の粘着力である。
【0080】
そして、上述した観点から、本実施形態の好適な態様として、紫外線硬化型のインクにより形成された印刷面(印刷部32)に対してラミネートフィルム10を貼り付けた積層体において、ラミネートフィルム10のフィルム基材11側の表面から紫外線を照射した後のラミネートフィルム10の粘着力と、紫外線照射前のラミネートフィルム10の粘着力の差が、1.0N/25mm以上であることが好ましく、1.5N/25mm以上であることがより好ましく、3.0N/25mm以上であることが更に好ましく、3.5N/25mm以上であることがより更に好ましい。本実施形態に係るラミネートフィルム10は、粘着剤層12内の紫外線硬化性成分と、印刷部32内に残存する紫外線硬化反応の未反応部位又は未反応成分との反応を促進させることができるため、かかる粘着力の向上が可能となる。
【0081】
図3は、本実施形態に係るラミネートフィルムの別の態様を示す断面図である。
【0082】
ラミネートフィルム40は、フィルム基材11に形成された粘着剤層12と反対側の面に形成された保護層13を更に備えている点で、図1に示すラミネートフィルム10と相違する。保護層13としては、特に限定されず、公知のものを採用することができ、ラミネートフィルム40に所望の機能性を付与する層を採用することができる。
【0083】
保護層13としては、例えば、コーティング剤又は紫外線吸収剤等の成分を含む層を用いることができる。具体的には、外部から印刷部32への太陽光等の紫外線による経時的な印刷劣化を防ぐための、紫外線吸収剤を含む保護層であってもよい。そして、保護層13は、複数の保護層から構成される多層構造であってもよい。例えば、上述した成分を含む第一の保護層と、第二の保護層として、他層へのマイグレーションを防止するためのバリア層と、を含む2層構造であってもよい。
【0084】
あるいは、保護層13として、ラミネートフィルム40に直接印刷することができるよう印刷用コート層としてもよい。印刷用コート層とする場合、その材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン等が挙げられる。
【0085】
このように、本実施形態では、ラミネートフィルム10,40を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成が付加されていてもよい。
【0086】
<印刷体>
【0087】
続いて、本実施形態に係る印刷体20について説明する。
【0088】
上述したように、図2は、ラミネートフィルム10(図1参照)を用いた印刷体20を例示したものである。印刷体20は、印刷基材31と、印刷基材31の表面の少なくとも一部に形成された印刷部32(紫外線硬化型のインクを用いて形成された印刷部32)と、を含む被着体30と、印刷部32の表面の少なくとも一部を被覆するように積層されたラミネートフィルム10と、を少なくとも備えるものである。そして、被着体30の印刷基材31は、印刷部32を支持している。
【0089】
被着体30は、ラミネートフィルム10と印刷部32との密着性が高く、被着体30からラミネートフィルム10が剥離することが抑制されている。特に、紫外線硬化型のインクを用いた印刷の利点(印刷部32の硬度及び耐久性、並びに印刷体20の優れた生産性等)を享受しつつ、上述した効果等を発揮することができる。
【0090】
(印刷基材31)
【0091】
印刷基材31の形状や大きさは、特に限定されず、適宜好適な形状を選択することができる。以下では、印刷基材31がシート状(フィルム状、テープ状等と呼ばれることもある。)である場合を例示として説明する。
【0092】
印刷基材31の材料は、特に限定されず、印刷部32が形成可能な材料であればよい。印刷基材31の材料としては、例えば、樹脂材料、紙を用いることができる。
【0093】
樹脂材料としては、例えば、ポリエステル;ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロースブチレート、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、フッ素系樹脂、ポリアミド、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。そして、ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
【0094】
紙としては、例えば、合成紙、上質紙、コート紙、グラシン紙、ラミネート紙等が挙げられる。
【0095】
(印刷部32)
【0096】
印刷部32は、紫外線硬化型のインクを用いて形成されたものである。印刷部32の具体例としては、例えば、紫外線硬化型のインクジェットインクを、インクジェット法により印刷基材31の表面の少なくとも一部に吐出した後に、紫外線照射によりこれを硬化させることで形成される印刷部32が挙げられる。
【0097】
紫外線硬化型のインクにより形成された印刷部32は、水系インクや溶剤系インク等により形成された印刷部32に比べて、硬度及び耐擦性等の点で有利である。また、印刷基材31の材料選択の制限が緩和される。例えば、印刷基材31が非浸透性の材料であっても、印刷部32を形成することができる。さらに、インクの不本意な濡れ広がり等による印刷パターンの精度の低下等を効果的に防止することができる。そして、かかる印刷部32を、ラミネートフィルム10で保護することで、耐久性等を付与でき、長期にわたり、印刷面を保護することができる。
【0098】
印刷部32の形状、大きさ及びパターン等は特に限定されず、所望の形状、大きさ等を選択することができる。印刷部32の形状としては、例えば、文字、図形、記号、絵、模様等の情報を構成し、表示するものが挙げられる。また、印刷部32は、例えば、単色のインクによるベタ印刷層であってもよい。
【0099】
印刷部32の厚さは、特に限定されないが、0.5~30μmであることが好ましい。この厚さの下限は、1μm以上であることがより好ましい。また、この厚さの上限は、10μm以下であることがより好ましい。
【0100】
また、本実施形態によれば、印刷部32の表面がケイ素原子含有成分を少なくとも有する場合であっても、粘着剤層12は印刷部32に対して高い密着性を有するため、好適に使用できる。印刷部32の表面にケイ素原子含有成分が存在する場合、従来のラミネートフィルムは、このような印刷部32に対する密着性が低いという問題を抱えているが、本実施形態に係るラミネートフィルム10は、このような印刷部32に対しても高い密着性を発現させることができる。
【0101】
ここでいう「ケイ素原子含有成分」とは、ケイ素原子が少なくとも存在するものであればよく、特に限定されないが、例えば、ケイ素原子、無機ケイ素化合物、シリコン、シリコーン、シランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物等が挙げられる。そして、印刷部32の表面がケイ素原子含有成分を有することは、例えば、XPS測定等の表面分析によって確認することができる。
【0102】
また、印刷部32の表面をXPS測定した際に確認されるケイ素原子由来のピークは、例えば、インクに含有されるシリコーンオイル等のシリコーン、印刷に用いるインクジェットプリンターの吐出ヘッド等のシリコン加工等によるものが考えられるが、これらに限定されるものではない。すなわち、当該ケイ素原子由来のピークは、印刷に用いられる何らかの成分が含有するケイ素原子含有成分、又は、印刷装置等の部品や部材に用いられるケイ素原子含有成分によるものが包含される。
【0103】
紫外線硬化型のインクは、紫外線照射により硬化可能であればよく、その種類は特に限定されない。よって、用途及び印刷基材の材料等に応じて、適宜好適な種類を選択することができるが、一般に、紫外線硬化型のインクジェットインクを用いて、インクジェット法により印刷部32が形成されることが好ましい。そして、紫外線硬化型のインクとしては、一般に、以下のような条件を満足することが好ましい。
【0104】
紫外線硬化型のインクは、アクリル系インクであることが好ましい。これにより、紫外線硬化型のインクの硬化性、並びに、印刷部32の硬度及び耐光性等を一層向上させることができる。また、ラミネートフィルム10の粘着剤層12がアクリル系粘着剤を含む材料で構成されたものである場合に、印刷部32と粘着剤層12との親和性が向上し、粘着剤層12の印刷部32に対する密着性を一層向上させることができる。
【0105】
アクリル系インクに含有されるアクリル系材料としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アミノ(メタ)アクリレート、及びこれらのうち少なくとも1種を含む重合体(例えば、ダイマー、トリマー、オリゴマー、プレポリマー等)等が挙げられる。
【0106】
アクリル系材料の具体例としては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ビスグリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、含リン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0107】
アクリル系インクは、上述したアクリル系材料と重合可能なその他の成分(例えば、非アクリル系の成分(非アクリル系重合成分))を含んでいてもよい。ここでいう「非アクリル系の成分」とは、アクリル構造を有しない成分であることをいう。非アクリル系重合成分としては、例えば、アクリロニトリル、スチレン、スチレン誘導体、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー等が挙げられる。
【0108】
紫外線硬化型のインクは、上述した以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。このような成分としては、例えば、シリコーン等の吐出安定剤;非重合性の溶剤;顔料、染料等の各種着色剤;フィラー;光重合開始剤;紫外線吸収剤;近赤外線吸収剤;酸化防止剤、熱重合防止剤等の安定剤;レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料分散剤、帯電防止剤、防曇剤等の界面活性剤;ワックス;スリップ剤等が挙げられる。
【0109】
なお、上述したように、本実施形態によれば、インクジェットインクがシリコーン等を含有する場合であっても、粘着剤層12は印刷部32に対して高い密着性を有するため、好適に使用できる。このような観点から、紫外線硬化型のインクは、紫外線硬化型のインクジェットインクであることが好ましい。紫外線硬化型のインクジェットインクは、通常、インクの濡れ性を向上させる目的や吐出を安定させる目的で、変性シリコーンオイル等のシリコーン系界面活性剤や、シリコーンオイル等のシリコーンを含有することが多いため、本実施形態に係る利点が一層際立ったものとなる。
【0110】
また、紫外線硬化型インクの成分としては、シリコーンを含むことが好ましく、かかる場合に本実施形態に係る効果が一層際立ったものとなる。かかるシリコーンとしては、例えば、シリコーンオイル及びその変性物等が挙げられる。シリコーンオイルの主鎖は、直鎖型でもよいし、分岐型でもよい。変性シリコーンオイルは、分散性を向上する観点から好ましい。変性シリコーンオイルの具体例としては、例えば、シリコーンオイルの側鎖及び末端のうち少なくともいずれかに、アミノ基、カルボキシル基、ニトリル基、ポリエーテル基等が導入されたもの、一部フッ素置換を行ったもの等が挙げられる。
【0111】
シリコーンオイルの含有量は、紫外線硬化型のインク組成物の総質量(100質量%)に対し、好ましくは0.1~20質量%であり、より好ましくは0.3~10質量%であり、更に好ましくは0.5~5質量%である。
【0112】
紫外線硬化型のインクが、非重合性の溶剤を含んでいる場合、インクの粘度及び印刷部32の厚さ等の調整に有利である。さらに、インクジェット法における吐出安定性、インクの濡れ性、及び、粘着剤層12と印刷部32との密着性等を一層優れたものとすることができる。
【0113】
溶剤としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、グリコール酸n-ブチルエステル、ジエチレングリコールモノアセテート等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素等)、炭化水素類(n-ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ等)等が挙げられる。
【0114】
紫外線硬化型のインクは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0115】
図4は、本実施形態に係る印刷体の別の態様を示す断面図である。
【0116】
印刷体50は、印刷基材31の印刷部32が形成された面とは反対側の面に、第2の粘着剤層33を含み、さらに、第2の粘着剤層33の印刷基材31に対向する面とは反対側の面に接触する剥離ライナー34を含んでいる。印刷体50は、第2の粘着剤層33及び剥離ライナー34を含む点で、図2に示す印刷体20と相違する。
【0117】
剥離ライナー34を剥離して、第2の粘着剤層33を他の部材に貼着させることで、被着体60を他の部材に貼着することができる。また、剥離ライナー34を有することにより、保管時や印刷部32の形成時に第2の粘着剤層33を保護することができる。
【0118】
(第2の粘着剤層33)
【0119】
第2の粘着剤層33を構成する粘着剤の種類は、特に限定されず、用途等を考慮して適宜好適な種類を選択することができる。粘着剤としては、上述した粘着剤層12において説明した成分を使用することもできる。第2の粘着剤層33の粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、アクリル系粘着剤が好ましい。
【0120】
第2の粘着剤層33の平均厚さは、特に限定されないが、5~200μmであることが好ましい。平均厚さの下限は、10μm以上であることがより好ましい。また、平均厚さの上限は、100μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましい。平均厚さは、JIS K 7130:1999に準拠して測定され、例えば、定圧厚さ測定器を用いて等間隔で10箇所を測定した厚さの算術平均をいう。
【0121】
(剥離ライナー34)
【0122】
剥離ライナー34としては、例えば、剥離基材の片面に剥離処理が施されたものを用いることができる。
【0123】
剥離基材の材料としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。剥離基材の材料としては、例えば、樹脂材料、紙等が挙げられる。樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、アセチルセルロースブチレート、ポリビニルアルコール、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミド、ポリイミド、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ノルボルネン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。また、紙としては、例えば、合成紙、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、ラミネート紙等が挙げられる。
【0124】
剥離基材に剥離処理を施すための剥離処理剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。剥離処理剤としては、例えば、シリコーン、長鎖アルキル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
【0125】
剥離ライナー34の平均厚さは、特に限定されないが、10~150μmであることが好ましい。平均厚さの下限は、20μm以上であることがより好ましい。また、平均厚さの上限は、130μm以下であることがより好ましい。平均厚さは、JIS K 7130:1999に準拠して測定され、例えば、定圧厚さ測定器を用いて等間隔で10箇所を測定した厚さの算術平均をいう。
【0126】
印刷体50は、例えば、印刷部32を設けたラベルとして使用することができる。例えば、第2の粘着剤層33を備えた印刷体50は、例えば、印刷部32を印刷面とする粘着ラベルとして使用することができる。例えば、商品等に貼付して、使用者や消費者に対する情報を表示するものとして使用することができる。
【0127】
印刷部32の表示内容、ラベルの形態としては、特に限定されず、用途に応じて所望の態様を選択することができる。上述したように、紫外線硬化型のインクにより印刷された印刷体50は、速乾性、幅広い基材の選択性、溶剤等の揮発性有機化合物が少ないといった印刷手法上の利点を確保しつつ、ラミネートフィルム10の剥離が抑制される。例えば、折り曲げられていたり、曲面であったりする印刷体50の表面にも、ラミネートフィルム10は追従することができる(追従性)。そのため、従来では使用できなかったような貼着対象・使用対象にも適用できる。例えば、従来のラベルをPET製のプラスチックボトル(ペットボトル)等の曲面部等に貼着した場合、ラミネートフィルムが不本意に剥離することがあるが、本実施形態に係るラミネートフィルム10を有するラベルでは、ラミネートフィルム10が印刷部32上に密着しているので、ラミネートフィルム10の剥離が抑制される。
【0128】
印刷体50は、例えば、同じ内容が印刷されて大量生産されるラベル;各種のID及びシリアルナンバー等、個体識別のために個々に異なる内容が印刷されるラベル等、多種多様なものに使用できる。
【0129】
印刷体50が使用される対象については、特に限定されず、例えば、食品、化粧品、銘板、改ざん防止が求められる各種商品(容器、包装体を含む)に適用される。
【0130】
<ラミネートフィルムの製造方法>
【0131】
ラミネートフィルム10の製造方法は、フィルム基材11の表面の少なくとも一部に、上述した粘着剤層12を形成できればよく、特に限定されない。好適例の一つとしては、紫外線硬化型のインクを用いて形成された印刷部32を被覆するラミネートフィルム10の製造方法であって、フィルム基材11の表面の少なくとも一部に、紫外線硬化性成分を含む粘着剤組成物を塗布し、粘着剤層12を形成する工程を含む、ラミネートフィルムの製造方法が挙げられる。
【0132】
粘着剤組成物としては、上述した、粘着剤、架橋剤、光重合開始剤、及びその他の成分からなる群より選択される1種以上と、紫外線硬化性成分と、を含むものを好適に使用できる。さらに、必要に応じて、溶剤により希釈して塗布液とすることができる。溶剤としては、例えば、アルコール類(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、グリコール酸n-ブチルエステル、ジエチレングリコールモノアセテート等)、ハロゲン化炭化水素類(クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素等)、炭化水素類(n-ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、ソルベッソ等)等が挙げられる。
【0133】
粘着剤組成物をフィルム基材の表面に直接塗工して乾燥するか、あるいは剥離ライナー上に塗工し、該フィルム基材の表面に転写することにより粘着剤層を形成させることによって、本実施形態に係るラミネートフィルムを製造することができる。塗布の方法は、特に限定されず、公知の手法を選択することができる。例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等が挙げられる。
【0134】
塗布工程の後、必要に応じて、粘着剤層12を形成するために加熱工程を行ってもよい。加熱工程では、例えば、上述した溶剤を揮発させることができる温度で加熱することができる。あるいは、必要に応じて、塗布後、所定の養生期間をとってもよい。
【0135】
<印刷体の製造方法>
【0136】
印刷体20の製造方法は、上述した被着体30の印刷部32を、ラミネートフィルム10の粘着剤層12により被覆することができればよく、特に限定されない。好適例の一つとしては、印刷基材31と、印刷基材31の表面の少なくとも一部に形成された印刷部32と、を含む被着体30と、印刷部32の表面の少なくとも一部を被覆するように積層されたラミネートフィルム10と、を少なくとも備える印刷体20の製造方法であって、(1)印刷部32の表面の少なくとも一部を被覆するように、ラミネートフィルム10の粘着剤層12側の表面を被着体30に積層させて積層体を得る工程(積層工程)と、(2)ラミネートフィルム10に対して、粘着剤層12が形成された表面と反対側の表面から紫外線を照射して、粘着剤層12中の紫外線硬化性成分を硬化させることにより、印刷体20を得る工程と、を含む、印刷体の製造方法である。
【0137】
本実施形態に係る製造方法では、(1)積層工程によって得られた積層体に、ラミネートフィルム10の表面から紫外線を照射する。紫外線は、ラミネートフィルム10の表面のうち、粘着剤層12が形成された表面と反対側の表面(すなわち、印刷部32と接していない表面)から照射する。ラミネートフィルム10のフィルム基材11は、紫外線透過性を有する材質を選択することで、粘着剤層12内の紫外線硬化性成分に紫外線エネルギーを効果的に付与することができる。
【0138】
そして、(1)積層体を得る工程(積層工程)の前に、(a)紫外線硬化型のインクを、印刷基材31の表面の少なくとも一部に吐出した後に、紫外線照射を行うことにより、印刷部32を形成する工程(印刷部形成工程)を行うことが好ましい。さらに、紫外線硬化型のインクジェットインクを、インクジェット法により吐出した後に、紫外線照射を行うことがより好ましい。紫外線硬化型のインクとしては、上述したものを使用することができる。特に、(a)紫外線照射による印刷部32の形成、(1)被着体30とラミネートフィルム10との積層、及び(2)紫外線照射による粘着剤層12中の紫外線硬化性成分の硬化、をこの順に行うことが好ましく、これにより本実施形態の上述した効果が一層向上するとともに、本実施形態の利点が一層際立つものとなる。あるいはまた、本実施形態に係る製造方法により得られる印刷体20において、上述したように、印刷部32の表面がケイ素原子含有成分を有する場合においても、本実施形態の上述した効果が一層向上するとともに、本実施形態の利点が一層際立つものとなる。
【0139】
上述した紫外線の照射は、例えば、紫外線LED(UV-LED)、高圧水銀ランプ、フュージョンHランプ、キセノンランプ等の光源を用いることで行うことができる。紫外線の照射量は、照射対象の材料及び厚さ等を考慮して適宜好適な条件を選択することができる。通常、紫外線の照度は、50~1000mW/cmであることが好ましい。紫外線のエネルギー量(光量)は、50~10000mJ/cmであることが好ましい。エネルギー量の下限は、80mJ/cm以上であることがより好ましく、200mJ/cm以上であることが更に好ましい。また、エネルギー量の上限は、5000mJ/cm以下であることがより好ましく、2000mJ/cm以下であることが更に好ましい。
【実施例
【0140】
以下の実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0141】
本実施例における処理及び測定について、その条件について特に断りがない限り、23℃、相対湿度50%の環境下において行ったものである。
【0142】
<実施例1>
【0143】
1.ラミネートフィルム10の製造
【0144】
(1)粘着剤組成物の調製
【0145】
まず、モノマーとして、n-ブチルアクリレート(BA)と、酢酸ビニル(VAc)と、アクリル酸(AA)と、を70:27:3の質量比で含むアクリル酸エステル共重合体(BA/Vac/AA)を粘着剤(主剤)とし、これを有機溶剤であるトルエンに溶解した溶液を用意した。
【0146】
次に、上述の主剤100質量部に対して、アルミキレート系架橋剤0.14質量部、紫外線硬化性成分(ポリエチレングリコールジアクリレート)5質量部及び光重合開始剤(1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IGM Resins B.V.社製,製品名「Ommiad184」))0.25質量部となるように、これらを溶液に添加して混合することにより、粘着剤組成物を得た。
【0147】
(2)粘着剤層12の形成
【0148】
上述にて得られた粘着剤組成物を、ロールコーターを用いて、塗膜の乾燥後の厚さが20μmとなるように、剥離紙(リンテック社製、商品名「SP-7LKシロ」)の離型処理面上に塗布した。その後、100℃で3分間の加熱処理を施すことにより、塗膜の乾燥及び架橋反応を進行させて、粘着剤層12を形成した。その後、ポリプロピレン(PP)製のフィルム基材11(平均厚さ16μm)を貼り合わせることにより、図1に示すラミネートフィルム10を得た。
【0149】
2.ベタ印刷の印刷面に対するラミネートフィルム10の粘着力の評価
【0150】
得られたラミネートフィルム10を試料として、以下の方法に準拠して粘着力を測定した。まず、JIS Z 0237:2009の粘着力の測定法に準拠して、ラミネートフィルム10を、幅25mm、長さ250mmに切断して、試験片を得た。
【0151】
一方、インクジェットプリンター(岩崎通信機社製、「ラベルマイスターEM-250W」)を用いて、紫外線硬化型のインクジェットインクを、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム(印刷基材31)の全面にベタ印刷して、紫外線を照射することにより印刷部32を硬化させた。紫外線硬化型のインクジェットインクとしては、インクジェットインク(岩崎通信機社製、「ラベルマイスターインク シアン LM-C」)を用いた。なお、ベタ印刷面について、X線光電子分光分析装置を用いて、X線源をMgKα15KV(300W)とし、取り出し角を45°として、X線光電子分光分析(XPS)を行ったところ、ケイ素原子由来のピークが確認された。これにより、ベタ印刷面がケイ素原子含有成分を有していることが少なくとも確認された。
【0152】
そして、ラミネートフィルム10の粘着剤層12がPETフィルムのベタ印刷面に対向するように、ベタ印刷面が設けられたPETフィルム上にラミネートフィルム10を載置した。そして、その表面上にゴムローラ(質量2kg)を1往復させて、ベタ印刷面にラミネートフィルム10を圧着した。そして、再び、ラミネートフィルム10のフィルム基材11側からベタ印刷面に向けて紫外線を照射した。
【0153】
貼着後24時間放置し、その後、引張試験機を用い、JIS Z 0237:2009に規定される方法に準拠して、試験片を180°の角度で剥離速度300mm/分の条件で剥離して、その粘着力を測定した。なお、粘着力(N/25mm)の測定は、ラミネートフィルム10をベタ印刷面に積層したときの紫外線照射前及び紫外線照射後について、それぞれ測定した。
【0154】
<実施例2,3,4、比較例1>
【0155】
各成分の種類及び添加量、粘着剤層の厚さを表1に示す条件に変更した点以外は、実施例1と同様にして、粘着剤組成物を調製し、ラミネートフィルム10を作製した。なお、実施例2では、イソシアネート系架橋剤を用いた。
【0156】
表1に、実施例1~4及び比較例1のラミネートフィルム10の製造条件及び評価結果を示す。なお、表中の紫外線硬化性成分、架橋剤、及び光重合開始剤の「質量部」は、粘着剤(主剤)100質量部に対する質量部を示す。そして、光重合開始剤の「(質量%)」は、紫外線硬化性成分に対する光重合開始剤の割合(質量%)を示す。
【0157】
【表1】
【0158】
表1に示すように、実施例1~4のラミネートフィルム10は、いずれも、紫外線照射後にその粘着力が向上し、紫外線硬化型のインクジェットインクを用いて形成された印刷部32に対して高い密着性を有することが少なくとも確認された。また、実施例1~4のラミネートフィルム10は、いずれも、ベタ印刷面の表面がケイ素原子含有成分を有する印刷部32に対して、高い密着性を有することが少なくとも確認された。
【符号の説明】
【0159】
10,40:ラミネートフィルム、11:フィルム基材、12:粘着剤層、13:保護層、20,50:印刷体、30,60:被着体、31:印刷基材、32:印刷部、33:第2の粘着剤層、34:剥離ライナー
図1
図2
図3
図4