(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ソレノイドポンプ
(51)【国際特許分類】
F04B 43/02 20060101AFI20240201BHJP
F04B 17/04 20060101ALI20240201BHJP
F04B 43/04 20060101ALI20240201BHJP
F04B 53/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F04B43/02 D
F04B17/04
F04B43/04 A
F04B53/10 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020009846
(22)【出願日】2020-01-24
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505296441
【氏名又は名称】エムエイシー・バルブス,インク
【氏名又は名称原語表記】MAC VALVES,INC
【住所又は居所原語表記】30569 BECK ROAD,P.O.BOX 111,WIXOM,MICHIGAN 48393,UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランデイカー ブレット
(72)【発明者】
【氏名】ネフ マシュー
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ ジェフリー
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-092777(JP,A)
【文献】特開2010-077912(JP,A)
【文献】特開平08-210256(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/02
F04B 17/04
F04B 43/04
F04B 53/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソレノイドポンプであって、
ソレノイド本体の内部に配置されたコイルおよび磁極片を有するソレノイドと、
入口と出口とを備え、前記ソレノイド本体と協働して内部室を形成するように前記ソレノイド本体に接続されるベースと、
電機子キャビティを含み、前記内部室内部に配置される保持部材本体と、
前記ソレノイドのコイル及び前記電機子キャビティ内に摺動可能に配置され、長手軸に沿って通電位置と非通電位置との間を移動する電機子と、
前記電機子キャビティ内に装着され、前記電機子が前記長手軸に沿って前記非通電位置から前記通電位置に移動するのに応じて第一位置から第二位置に曲がるように前記電機子に接続されるダイアフラムと、
前記ソレノイド本体内に配置され、前記コイルを支持し、前記磁極片の少なくとも一部および前記電機子の少なくとも一部が内部に摺動可能に収容されるボビンと、
ブッシュスリーブとブッシュフランジとを有し、前記ブッシュスリーブが、径方向に見て前記ボビンと前記電機子の少なくとも一部との間に配置され、前記ブッシュフランジが、前記ブッシュスリーブから前記ソレノイド本体に向かって径方向外側に延出する電機子ブッシュと、
前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとの間に配置され、前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとに当接するシールと、
前記内部室内に配置され、前記入口と流体を介して連通するよう配置され、前記入口から前記ダイアフラムに向かう第一方向にのみ流体の流れを許容する入口チェックバルブと、
前記内部室内に配置され、前記出口と流体を介して連通するよう配置され、前記ダイアフラムから前記出口に向かう第二方向にのみ流体の流れを許容する出口チェックバルブと、
前記保持部材本体を通って前記入口チェックバルブから前記ダイアフラムに、かつ前記ダイアフラムから前記出口チェックバルブに延び、前記ダイアフラムが前記第一及び第二位置の間で振動する際、前記入口チェックバルブから前記出口チェックバルブに流体を移送する流体流路とを備え、
前記流体流路は、前記保持部材本体を通って前記入口チェックバルブから前記ダイアフラムに延びる保持部材入口流路と、前記電機子が前記通電位置に移動するのに応じて、前記ダイアフラムが前記第二位置に曲がるときに前記保持部材本体と前記ダイアフラムとの間に配置される吐出空間と、前記保持部材本体を通って前記ダイアフラムから前記出口チェックバルブに延びる保持部材出口流路とによって形成され、
前記ダイアフラムは、前記第一位置において前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を閉鎖するように配置され、前記ダイアフラムが前記第一位置にあるときに、前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を前記吐出空間からシールすることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、さらに、
前記電機子キャビティ内に配置され、前記ダイアフラムの少なくとも一部に当接して支持するダイアフラム支持スリーブを備え、前記電機子の少なくとも一部は前記ダイアフラム支持スリーブに収容されることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載のソレノイドポンプにおいて、前記電機子キャビティ内に配置された付勢部材が、常態で前記電機子を前記非通電位置に付勢し、前記付勢部材は、径方向に見て前記電機子と前記
ダイアフラム支持スリーブとの間に配置されることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項4】
請求項3のソレノイドポンプにおいて、前記電機子は、前記
ダイアフラム支持スリーブに向けて径方向外側に延出する付勢部材着座部を有し、前記付勢部材は、前記電機子の前記付勢部材着座部と当接する第一付勢部材端を有することを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項5】
請求項4に記載のソレノイドポンプにおいて
、
前記付勢部材は、前記ブッシュフランジと当接する第二付勢部材端を有する、ことを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項6】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、さらに、
前記内部室内に配置され、前記入口と前記保持部材入口流路とに流体を介して連通するよう配置され、前記入口チェックバルブを内部に収容する入口チェックバルブキャビティと、
前記内部室内に配置され、前記出口と前記保持部材出口流路とに流体を介して連通するよう配置され、前記出口チェックバルブを内部に収容する出口チェックバルブキャビティとを備えることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項7】
請求項
6に記載のソレノイドポンプにおいて、前記入口チェックバルブキャビティは前記保持部材本体によって形成され、かつ前記保持部材本体内に配置され、前記出口チェックバルブキャビティは前記ベースによって形成され、かつ前記ベース内に配置されることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項8】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、前記吐出空間のサイズは、前記電機子が前記非通電位置に戻るのに伴って前記ダイアフラムが前記第一位置に戻る際に減少することを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項9】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、前記入口チェックバルブ及び前記出口チェックバルブのそれぞれは、スリットで収束する二枚の弁葉を有するダックビル構造を有することを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項10】
請求項
9に記載のソレノイドポンプにおいて、前記入口チェックバルブ及び前記出口チェックバルブは、互いに90度向きが異なり、前記出口チェックバルブのスリットが、前記入口チェックバルブのスリットに対して直交する向きとなるようにされることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項11】
請求項2に記載のソレノイドポンプにおいて、前記ダイアフラムは、前記保持部材本体と前記ダイアフラム支持スリーブとの間に収容され、前記電機子キャビティ内に前記ダイアフラムを固定する外周リップを備えることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項12】
請求項
11に記載のソレノイドポンプにおいて、前記ダイアフラムの前記外周リップは、傾斜形状の断面を有することを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項13】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、前記ダイアフラムは前記第一位置において前記長手軸を横切るダイアフラム面内に延び、前記第二位置において前記ダイアフラム面から離れる方向に曲がることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項14】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、さらに、
前記電機子に螺合され、前記ダイアフラムを前記電機子に固定する留め具を備えることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項15】
請求項1に記載のソレノイドポンプにおいて、前記磁極片は、前記ソレノイド本体内で雌ねじと係合し、かつ、前記ソレノイド本体に対して前記磁極片を回転させることにより前記磁極片の軸方向位置を選択可能とする螺合端を備えることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項16】
ソレノイドポンプであって、
ソレノイド本体の内部に配置されたコイルおよび磁極片を有するソレノイドと、
入口と出口とを備え、前記ソレノイド本体と協働して内部室を形成するように前記ソレノイド本体に接続されるベースと、
電機子キャビティを含み、前記内部室内部に配置される保持部材本体と、
前記ソレノイドのコイル及び前記電機子キャビティ内に摺動可能に配置され、長手軸に沿って通電位置と非通電位置との間を移動する電機子と、
前記電機子キャビティ内に装着され、前記電機子が前記長手軸に沿って前記非通電位置から前記通電位置に移動するのに応じて第一位置から第二位置に曲がるように前記電機子に接続されるダイアフラムと、
前記ソレノイド本体内に配置され、前記コイルを支持し、前記磁極片の少なくとも一部および前記電機子の少なくとも一部が内部に摺動可能に収容されるボビンと、
ブッシュスリーブとブッシュフランジとを有し、前記ブッシュスリーブが、径方向に見て前記ボビンと前記電機子の少なくとも一部との間に配置され、前記ブッシュフランジが、前記ブッシュスリーブから前記ソレノイド本体に向かって径方向外側に延出する電機子ブッシュと、
前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとの間に配置され、前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとに当接するシールと、
前記内部室内に配置され、前記入口と流体を介して連通するよう配置され、前記入口から前記ダイアフラムに向かう第一方向にのみ流体の流れを許容する入口チェックバルブと、
前記内部室内に配置され、前記出口と流体を介して連通するよう配置され、前記ダイアフラムから前記出口に向かう第二方向にのみ流体の流れを許容する出口チェックバルブと、
前記保持部材本体を通って前記入口チェックバルブから前記ダイアフラムに延びる保持部材入口流路と、前記電機子が前記通電位置に移動するのに応じて、前記ダイアフラムが前記第二位置に曲がるときに前記保持部材本体と前記ダイアフラムとの間に配置される吐出空間と、前記保持部材本体を通って前記ダイアフラムから前記出口チェックバルブに延びる保持部材出口流路とによって形成される流体流路とを備え、
前記ダイアフラムは、前記第一位置において前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を閉鎖するように配置され、前記ダイアフラムが前記第一位置にあるときに、前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を前記吐出空間からシールすることを特徴とするソレノイドポンプ。
【請求項17】
ソレノイドポンプであって、
ソレノイド本体の内部に配置されたコイルおよび磁極片を有するソレノイドと、
入口と出口とを備え、前記ソレノイド本体と協働して内部室を形成するように前記ソレノイド本体に接続されるベースと、
電機子キャビティを含み、前記内部室内部に配置される保持部材本体と、
前記ソレノイドのコイル及び前記電機子キャビティ内に摺動可能に配置され、長手軸に沿って通電位置と非通電位置との間を移動する電機子と、
前記電機子キャビティ内に配置され、常態では、前記電機子を前記非通電位置に向かって付勢するように作用する付勢部材と、
前記電機子キャビティ内に装着され、前記電機子が前記長手軸に沿って前記非通電位置から前記通電位置に移動するのに応じて第一位置から第二位置に曲がるように前記電機子に接続されるダイアフラムと、
前記ソレノイド本体内に配置され、前記コイルを支持し、前記磁極片の少なくとも一部および前記電機子の少なくとも一部が内部に摺動可能に収容されるボビンと、
ブッシュスリーブとブッシュフランジとを有し、前記ブッシュスリーブが、径方向に見て前記ボビンと前記電機子の少なくとも一部との間に配置され、前記ブッシュフランジが、前記ブッシュスリーブから前記ソレノイド本体に向かって径方向外側に延出する電機子ブッシュと、
前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとの間に配置され、前記保持部材本体と前記ブッシュフランジとに当接するシールと、
前記内部室内に配置され、前記入口と流体を介して連通するよう配置され、前記入口から前記ダイアフラムに向かう第一方向にのみ流体の流れを許容する入口チェックバルブと、
前記内部室内に配置され、前記出口と流体を介して連通するよう配置され、前記ダイアフラムから前記出口に向かう第二方向にのみ流体の流れを許容する出口チェックバルブと、
前記内部室内に配置され、前記入口に流体を介して連通するよう配置され、前記入口チェックバルブを内部に収容する入口チェックバルブキャビティと、
前記内部室内に配置され、前記出口に流体を介して連通するよう配置され、前記出口チェックバルブを内部に収容する出口チェックバルブキャビティと、
前記保持部材本体を通って前記入口チェックバルブキャビティと前記ダイアフラムとの間に延びる保持部材入口流路と、
前記保持部材本体を通って前記ダイアフラムと前記出口チェックバルブキャビティとの間に延びる保持部材出口流路と、
前記電機子が前記通電位置に移動するのに応じて、前記ダイアフラムが前記第二位置に曲がるときに前記保持部材本体と前記ダイアフラムとの間に配置される吐出空間とを備え、
前記ダイアフラムは、前記第一位置において前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を閉鎖するように配置され、前記ダイアフラムが前記第一位置にあるときに、前記保持部材入口流路と前記保持部材出口流路の双方を前記吐出空間からシールすることを特徴とするソレノイドポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ソレノイド動作バルブに関し、より具体的には、流体ポンプとして動作するダイアフラムを備えるソレノイドバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
本セクションは、本願開示事項に関連する背景情報を提供するが、これは必ずしも先行技術にはあたらない。
【0003】
ポペットバルブ等のソレノイド動作バルブを用いて、マニホルドを通る圧縮空気等の流体の流れを制御することができる。このようなマニホルドは、圧縮流体により駆動されるソータ、包装機、フードプロセッサ等の装置の一部であってもよい。このようなソレノイド動作バルブは、何百万ものサイクルにわたり操作される可能性がある。ソレノイドの非通電時、ソレノイド動作バルブを閉位置に保持するために、ばね等の付勢部材が用いられる。また、流体圧力をバルブ内部で均衡させることにより、バルブ部材を閉位置と開位置との間で動かすのに必要なソレノイド力を低減可能であることも、例えば、Chorkeyの米国特許4,598,736号で公知である。
【0004】
バルブ部材は、ベース内に摺動可能に配置される。閉位置において、通常、バルブ部材は、付勢部材により、ベースの弁座と接触した状態に保持される。開位置において、通常、ソレノイドがバルブ部材を弁座から離す方向に動かし、バルブ部材と弁座との間に隙間を形成する。Paulsenの米国特許3,985,333号に開示されるように、ベースとソレノイドとの間を密閉するために、蛇腹状ダイアフラムを使用することもできる。このようなダイアフラムは、バルブ部材の長手方向移動を許容しつつ、汚染物質がソレノイド側に侵入するのを防ぐ。
【0005】
ベースは、マニホルドに設けられる内腔に収容されるように設計される。マニホルドは、通常、マニホルド内腔と流体を介して連通する複数の流路を備える。動作時、ソレノイド動作バルブは、これら複数の流路間の流体の流れを制御する。通常、O-リングシールがベースの外側に設けられ、ベースをマニホルド内腔内でシールする。したがって、このようなバルブは、圧縮流体の流れを制御するよう設計され、ポンプとして動作するようには構成されていない(すなわち、通常のソレノイド動作バルブでは、動作時に揚程が発生しない)。
【発明の概要】
【0006】
本セクションは、開示事項の概略を示すものであり、その範囲全体又はその全ての特徴を包括的に開示するものではない。
【0007】
本願開示によれば、ソレノイドとベースとを備えるソレノイドポンプが提供される。ソレノイドは、ソレノイド本体内部に配置されたコイルと磁極片とを備える。ベースは入口と出口とを備える。ベースは、ソレノイド本体と協働してソレノイドポンプ内に内部室を形成するようにソレノイド本体に接続される。保持部材本体は内部室内に配置される。保持部材本体は電機子キャビティを備える。電機子が、ソレノイドのコイルと電機子キャビティとに、摺動自在に嵌合されるよう配置される。したがって、電機子は、長手軸に沿って、通電位置と非通電位置との間をコイルと保持部材本体とに対して摺動可能である。常態で電機子を非通電位置に向かって付勢するように作用する付勢部材が、電機子キャビティ内に配置される。電機子キャビティ内に装着されるダイアフラムは、電機子が長手軸に沿って非通電位置から通電位置に移動するのに応じてダイアフラムが第一位置から第二位置に曲がるように電機子に接続される。
【0008】
ソレノイドポンプは、双方とも内部室に配置される入口チェックバルブと出口チェックバルブとを備える。入口チェックバルブは、入口と流体を介して連通するよう配置され、入口からダイアフラムに向かう第一方向にのみ流体の流れを許容する。出口チェックバルブは、出口と流体を介して連通するよう配置され、ダイアフラムから出口に向かう第二方向にのみ流体の流れを許容する。保持部材本体を通り、入口チェックバルブからダイアフラムに延び、かつダイアフラムから出口チェックバルブに延びる流体流路がソレノイドポンプ内に形成される。ダイアフラムが第一及び第二位置の間で振動する際、この流体流路を通って流体が入口チェックバルブから出口チェックバルブに移送される。このダイアフラムの振動、ならびに入口チェックバルブ及び出口チェックバルブにより、ソレノイドポンプの入口からソレノイドポンプの出口に流体が吐出される。
【0009】
本願開示の別側面によれば、流体流路は、さらに保持部材入口流路及び保持部材出口流路と、ダイアフラムに隣接する内部室内の吐出空間とによって形成される。保持部材入口流路は、保持部材本体を通って入口チェックバルブからダイアフラムに延びる。保持部材出口流路は、保持部材本体を通ってダイアフラムから出口チェックバルブに延びる。吐出空間は、電機子の通電位置への移動に伴ってダイアフラムが第二位置に曲がるときに、保持部材本体とダイアフラムとの間に位置する。吐出空間は、ダイアフラムが第二位置にあるとき、保持部材入口流路及び保持部材出口流路と流体を介して連通するよう配置される。吐出空間のサイズは、ダイアフラムが第一位置から第二位置に移動するときに増大し、これにより流体が入口チェックバルブを通って吸入される。吐出空間のサイズは、ダイアフラムが第二位置から第一位置に移動するときに減少し、これにより流体が出口チェックバルブを通って押し出される。ソレノイドポンプは、双方とも内部室内に配置される入口チェックバルブキャビティと出口チェックバルブキャビティとを備えてもよい。入口チェックバルブキャビティは、入口と保持部材入口流路とに流体を介して連通するよう配置され、入口チェックバルブを内部に収容する。出口チェックバルブキャビティは、出口と保持部材出口流路とに流体を介して連通するよう配置され、出口チェックバルブを内部に収容する。
【0010】
さらなる利用分野は、本明細書に示される記載から明らかになるであろう。この発明の概要における説明および具体例は説明目的のみを意図したものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書中で説明される図面は、選択された実施形態の図示目的にすぎず、可能性のある実施の全てを図示するのでなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】
図1は、本願開示にしたがって構成される例示的ソレノイドポンプの側面斜視図である。
【
図2】
図2は、示される例示的ソレノイドポンプの電機子が非通電位置にある場合の、
図1に示される例示的ソレノイドポンプの側面断面図である。
【
図3】
図3は、示される例示的ソレノイドポンプの電機子が通電位置にある場合の、
図1に示される例示的ソレノイドポンプの別の側面断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示される例示的ソレノイドポンプの分解斜視図である。 いくつかの図面を通して、対応する参照番号は、対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照して、より詳しく実施形態を説明する。本開示が完全なものとなり、当業者に発明の範囲を完全に伝えるように、これらの例示的実施形態を提示する。本開示の実施形態の完全な理解のために、特定の部品、装置および方法の例示のような具体的詳細が多数記載される。当業者にとって、具体的な詳細を用いる必要はなく、例示的実施形態は多くの異なる形態で実装可能であり、また本願開示を限定するものと解釈すべきでないことは明らかであろう。いくつかの例示的実施形態において、公知の方法、公知の素子構造及び公知の技術は、詳細に記載されない。
【0013】
本明細書中で用いられる用語は、具体的な例示的実施形態を記述することのみを目的とするものであり、限定的であることを意図しない。本明細書で使用される際、単数形は、明示されていない限り複数形も含むことを意図する。用語「備える」、「備えて」、「含んで」および「有して」は包括的であり、述べられた特徴、整数、工程、操作、要素、および/または部品の存在を特定する。しかし、1以上の特徴、整数、工程、操作、要素、部品および/または群の存在または追加を排除するものではない。本明細書で記載される方法工程、プロセスおよび操作は、実行順序として詳細に特定されない限り、必ずしも記載または図示された特定の順序で実行を要するものと解釈されるべきではない。追加工程または代替工程が用いられてもよいことも理解されるであろう。
【0014】
要素または層が、他の要素または層「上に」ある、「に係合」、「に接続」または「に連結」すると記される場合、この要素または層は直接に他の要素または層上にあるか、係合、接続、または連結してもよい。または、介在要素または層があってもよい。一方、要素が、他の要素または層の「直接上に」ある、「に直接係合」、「に直接接続」または「に直接連結」すると記される場合、介在要素または層は存在しなくてよい。要素同士の関係を説明するのに使用される他の文言(例えば、「の間に」と「直接の間に」、「隣接して」と「直接隣接して」など)は、同様に解釈されるべきである。本明細書で用いられる際、用語「および/または」は1以上の関連づけられたリスト項目の全ての組み合わせを含む。
【0015】
第一、第二、第三等の用語が各種要素、部品、領域、層および/または部分を説明するために本明細書で使用されるが、これらの要素、部品、領域、層および/または部分はこれらの用語により限定されるものではない。これらの用語は、ある要素、部品、領域、層および/または部分を他の領域、層または部分から区別するためにのみ使用されてもよい。本明細書で使用される際の「第一」「第二」のような用語および他の数に関する用語は、文脈で明示されない限り、配列または順序を意味しない。したがって、下記で論じられる第一要素、部品、領域、層および/または部分は、実施例の教示から逸脱することなく第二要素、部品、領域、層および/または部分と称されることも可能である。
【0016】
「インナー」、「アウター」、「真下に」、「下に」、「下側の」「上に」、「上部に」等のような空間的に相対的な用語が、図示する際、ある要素または特徴と他の要素または特徴との関係の記載を容易にするために、本明細書で使われてもよい。空間的に相対的な用語は、図示される向きに加えて、使用時または操作時における装置の異なる向きを包含するものとしてもよい。例えば、図の装置が逆さまになれば、他の要素または特徴の「下に」または「真下に」と記載される要素は、他の要素または特徴の「上に」置かれるだろう。このように、例示の用語「下に」は上と下両方への向きを包含することが可能である。装置は他方向に向けられてもよい(90度回動または他の向きに)。本明細書で使用される空間関連の記述子は適宜解釈される。
【0017】
図1-4には、例示的ソレノイドポンプ20が示される。このソレノイドポンプ20は、ソレノイド22とベース24とを備える。ソレノイド22は、ベース24に接続されるソレノイド本体26を備え、ベース24とソレノイド本体26とが協働して内部室27を形成する。ソレノイド本体26は、長手軸28に沿って同軸に延出する。本明細書において用いられる「長手方向の」「長手方向に」「軸方向の」「軸方向に」という用語は、長手軸28に沿った、または長手軸28に平行なことを意味する。ベース24は入口30と出口32とを備え、螺合部38によってソレノイド本体26と接続される。他の構成も可能であるが、図示された例の入り口及び出口30、32は、長手方向に延び、かかりの付いた管状の突起として設けられている。
【0018】
ソレノイド22は、ソレノイド本体26内部に配置されたコイル54と磁極片56とを備える。同様にソレノイド本体26に配置されるボビン58により、コイル54が支持される。電機子62が、ソレノイド本体26内に摺動可能に配置され、長手軸28に沿って、非通電位置(
図2)と通電位置(
図3)との間を移動する。磁極片56の少なくとも一部および電機子62の少なくとも一部が、ボビン58内に摺動可能に収容される。磁極片56は、長手軸28に沿って磁極片56を貫通する圧力均等化通路64を備えてもよい。また、磁極片56は、ソレノイド本体26内の雌ねじ68と係合する螺合端66を備えてもよい。したがって、磁極片56の軸方向位置は、ソレノイド22に対して磁極片56を長手軸28周りに回転させることにより調整可能である。他の材料でもよいが、磁極片56と電機子62とは、双方とも400系磁性鋼からなってもよい。
【0019】
磁極片56は磁極片スリーブ70内に配置される。磁極片スリーブ70は、磁極片スリーブ壁72および磁極片スリーブフランジ74を備える。磁極片スリーブ壁72は、径方向に見てボビン58と磁極片56の少なくとも一部との間に配置される。磁極片スリーブフランジ74は、磁極片スリーブ壁72からソレノイド本体26に向かって、径方向外側に延出する。磁極片スリーブ壁72により、ボビン58、コイル54、及びソレノイド本体26に対する磁極片56の同軸配置が維持される。電気カバー76が、着脱自在にソレノイド本体26に接続される。この電気カバー76は、コイル54に電気的に接続される一つ以上の電気接触子80を備える。電気接触子80は、ソレノイドポンプ20に電気を供給する電気コネクタ(図示略)と係合するように構成される。
【0020】
図2に示されるように、電機子62が非通電位置にあるとき、磁極片56と電機子62との間に隙間92が設けられる。電機子62は、ソレノイド本体26内の電機子ブッシュ94内に摺動可能に配置される。電機子ブッシュ94は、ブッシュスリーブ96とブッシュフランジ98とを有する。ブッシュスリーブ96は、径方向に見て、ボビン58と電機子62の少なくとも一部との間に配置される。ブッシュフランジ98は、ブッシュスリーブ96からソレノイド本体26に向かって径方向外側に延出する。ブッシュスリーブ96により、電機子62が通電位置と非通電位置との間を摺動する間、電機子62とボビン58、コイル54およびソレノイド本体26との同軸配置が維持される。他の構成も可能であるが、ブッシュスリーブ96は、ブッシュフランジ98と一体に接続されてもよい。電機子62は、ソレノイドポンプ20の組立中に電機子62を保持するための1つ以上の平坦部100を有してもよい。
【0021】
コイル状金属圧縮ばねなどの付勢部材102が、電機子62の周りに配置される。電機子62は、ソレノイド本体26に向かって径方向外側に延出する付勢部材着座部104を有する。付勢部材102は、電機子62の付勢部材着座部104と当接する第一付勢部材端106と、ブッシュフランジ98と当接する第二付勢部材端108とを有する。付勢部材102は、電機子62を非通電位置に向かって付勢するように作用する付勢力110を電機子62に加える(
図2)。
【0022】
図3に示されるように、コイル54に電気が供給されると、コイル54は、電機子62を磁極片56に向けて磁気的に引きつける磁界を形成し、磁極片56と電機子62との間の隙間92を小さくし、又はなくす。磁界は、付勢部材102の付勢力110を上回る磁力112を電機子62に与え、その結果、電機子62が通電位置に移動する(
図3)。コイル54に電気が供給されている限り、電機子62は通電位置に保持される。
【0023】
ソレノイドポンプ20は、内部室27内に配置される保持部材本体114を有する。保持部材本体114は、保持部材本体114内に電機子キャビティ117を形成するスリーブ壁115と端部壁116とを備える。保持部材本体114は、保持部材本体114の端部壁116からベース24の入口及び出口30、32に向けて長手方向に突出する第一及び第二バルブ支持部材118、119も備える。
【0024】
ダイアフラム120が保持部材本体114内の電機子キャビティ117内に収容され、端部壁116に隣接配置される。ダイアフラム120は、螺合留め具121により電機子62に取付/固定される。ソレノイドポンプ20の動作時、ダイアフラム120は、電機子62が非通電位置(
図2)にある第一位置と、電機子62が通電位置(
図3)にある第二位置との間で曲がる。第一位置では、ダイアフラム120は、長手軸28を横切るダイアフラム面122内で、保持部材本体114のスリーブ壁115から径方向内側に延びる。これは、電機子62が非通電位置にあるとき(
図2)、ダイアフラム120が略平坦であることを意味する。第二位置では、ダイアフラム120はダイアフラム面122から離れる方向に湾曲し、保持部材本体114の端部壁116とダイアフラム120との間に吐出空間(pumping volume)124を形成する。様々な構成や構成材料が可能であるが、ダイアフラム120は、ゴム製であってもよい。
【0025】
ソレノイドポンプ20は、双方ともベース24内部に配置される入口チェックバルブ125と出口チェックバルブ126とを備える。入口チェックバルブ125は、ベース24の入口30と流体を介して連通し、出口チェックバルブ126は、ベース24の出口32と流体を介して連通する。入口チェックバルブ125は、入口30からダイアフラム120に向かう第一方向127にのみ流体の流れを許容するよう構成される。出口チェックバルブ126は、ダイアフラム120から出口32に向かう第二方向128にのみ流体の流れを許容するよう構成される。
【0026】
保持部材本体114は、保持部材本体114の端部壁116を通り入口チェックバルブ125からダイアフラム120に延びる保持部材入口流路129と、保持部材本体114の端部壁116を通りダイアフラム120から出口チェックバルブ126に延びる保持部材出口流路130とを有する。ダイアフラム120は、ダイアフラム120が第一位置にあり、電機子62が非通電位置(
図2)にあるとき、保持部材入口流路129と保持部材出口流路130とを閉鎖する。しかし、電機子62が通電位置に移動すると、ダイアフラム120は保持部材本体114の端部壁116から離れる方向に第二位置に向けて引かれ、これにより保持部材入口流路129と保持部材出口流路130とが、保持部材本体114の端部壁116とダイアフラム120との間に形成される吐出空間124に開口する。これにより、保持部材本体114内の保持部材入口流路129を通って入口チェックバルブ125から吐出空間124に延び、保持部材本体114の端部壁116とダイアフラム120との間の吐出空間124を通り、保持部材本体114内の保持部材出口流路130を通って吐出空間124から出口チェックバルブ126に延びる流体流路131が形成される。ダイアフラム120が第一及び第二位置(
図2及び3)の間で振動する際、この流体流路131を通って流体が入口チェックバルブ125から出口チェックバルブ126に移送される。
【0027】
ソレノイドポンプ20は、内部室27内に配置され、入口30と保持部材入口流路129とに流体を介して連通するよう配置される入口チェックバルブキャビティ132を有する。ソレノイドポンプ20は、同様に内部室27内に配置され、出口32と保持部材出口流路130とに流体を介して連通するよう配置される出口チェックバルブキャビティ133を有する。より具体的に、入口チェックバルブキャビティ132は、保持部材本体114内の第一バルブ支持部材118により形成され、第一バルブ支持部材118内に配置される。一方、出口チェックバルブキャビティ133は、ベース24により形成され、ベース24内に配置される。入口チェックバルブキャビティ132は、入口30と保持部材入口流路129とに直接流体を介して連通するよう配置される。出口チェックバルブキャビティ133は、出口32と保持部材出口流路130とに直接流体を介して連通するよう配置される。入口チェックバルブ125は入口チェックバルブキャビティ132内に収容され、出口チェックバルブ126は出口チェックバルブキャビティ133内に収容される。入口及び出口チェックバルブ125、126は、スリット135で収束する二枚の弁葉(valvepetals)134を有するダックビル構造を備える。入口及び出口チェックバルブ125、126は、互いに90度向きが異なり、出口チェックバルブ126のスリット135が、入口チェックバルブ125のスリット135に対して直交する向きとなるようにされる。出口チェックバルブ126の一部に第二バルブ支持部材119が収容される。別の構造も考えられるが、図示された例では、入口及び出口チェックバルブ125、126は弾性材料からなり、弁葉134は連結された一体バルブ構造の一部(connected and part of a one-piece valve construction)である。
【0028】
図2に示されるように、コイル54に電気が供給されないとき、付勢部材102の付勢力110により、電機子62は非通電位置まで押される。この動作状態において、ダイアフラム120は第一位置にあり、保持部材入口流路129と保持部材出口流路130とを閉鎖する。
図3に示されるように、コイル54が通電されると、付勢部材102の付勢力110を、磁極片56を通して作用する磁力112が上回り、これにより電機子62が通電位置に引きつけられ、ダイアフラム120が第二位置に引きつけられる。したがって、コイル54に通電することで入口チェックバルブ125から出口チェックバルブ126に延びる流体流路131が開放され、保持部材本体114の端部壁116とダイアフラム120との間に吐出空間124が形成され、又は吐出空間124のサイズ(すなわち容積)が増大する。これにより、流体が入口30から吐出空間124内に引き込まれる。この吸入された流体の流れは、入口30から入口チェックバルブ125、保持部材入口流路129を通って、吐出空間124内に向け、第一方向127に移動する。吐出空間124のサイズ(すなわち、容積)は、電機子62が非通電位置に戻るのに伴ってダイアフラム120が第一位置に戻る際に減少する。これにより、流体が吐出空間124から外部に、かつ保持部材出口流路130内に押し出される。この出力された流体の流れは、吐出空間124から、保持部材出口流路130、出口チェックバルブ126を通って、出口32に向け、第二方向128に移動する。
【0029】
ダイアフラム支持スリーブ144が電機子キャビティ117内に配置され、保持部材本体114のスリーブ壁115に螺合部146により接続される。ダイアフラム支持スリーブ144は、長手方向に延出し、略円筒形であり、長手軸28と同軸上に配置される。ダイアフラム支持スリーブ144は、電機子62の周りに環状に延出し、かつ、電機子62と離間配置されて、内部にスリーブキャビティ150を形成する。付勢部材102は、径方向に見て電機子62とダイアフラム支持スリーブ144との間のスリーブキャビティ150に配置される。ダイアフラム支持スリーブ144は、ダイアフラム120の少なくとも一部と当接し支持する。すなわち、ダイアフラム120は、ダイアフラム支持スリーブ144が保持部材本体114のスリーブ壁115に螺合された際、ダイアフラム支持スリーブ144と保持部材本体114の端部壁116との間に締付固定される。
【0030】
シール152が保持部材本体114のスリーブ壁115とブッシュフランジ98との間に配置され、これらに当接する。シール152は、保持部材本体114と電機子ブッシュ94との間の公差を許容する。ダイアフラム120は、外周リップ158を備えてもよい。外周リップ158は、保持部材本体114とダイアフラム支持スリーブ144との間に収容され、ソレノイドポンプ20内にダイアフラム120を固定する。図示された例では、ダイアフラム120の外周リップ158の断面は傾斜しているが、他の形状であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態におけるベース24、保持部材本体114、及びダイアフラム支持スリーブ144は、重合体材料から形成される。重合体材料が用いられるのは、ソレノイドポンプ20のコストおよび重量を減らすこと、ベース24、保持部材本体114、及びダイアフラム支持スリーブ144の複雑な構造を、成形作業により、より簡単に製造可能にすること、ベース24、保持部材本体114、及びダイアフラム支持スリーブ144の腐食を低減または解消すること、および、コイル54の動作中、ベース24、保持部材本体114、及びダイアフラム支持スリーブ144への磁界の影響を解消すること、等の複数の理由によるものである。別の実施形態では、ベース24、保持部材本体114、及びダイアフラム支持スリーブ144はステンレス鋼等の金属製である。
【0032】
上述のソレノイドポンプ20の構造は、迅速かつ容易に組立可能である。例えば、以下の組立工程を利用可能である。まず、入口チェックバルブ125を保持部材本体114内の入口チェックバルブキャビティ132内に配置し、出口チェックバルブ126を出口チェックバルブキャビティ133内に配置する。そして、保持部材本体114をベース24内の内部室27内に挿入する。ダイアフラム120を留め具121を用いて電機子62に装着し、電機子62及びダイアフラム120を組立体として保持部材本体114内の電機子キャビティ117に挿入する。そして、ダイアフラム支持スリーブ144を保持部材本体114に螺合して、保持部材本体114の端部壁116にダイアフラム120を固定する。付勢部材102を電機子62上、かつスリーブキャビティ150内に滑り込ませる。そして、ベース24をソレノイド22上に螺合する。
【0033】
動作時、ダイアフラム120の第一及び第二位置間の高速な振動動作により、流体が流体流路131に沿って吐出される。結果として、ソレノイドポンプ20を、カムと電気モータとを用いてチューブを通して流体を吐出する従来の蠕動ポンプの代わりに用いることができる。本明細書に開示されるソレノイドポンプ20の従来型蠕動ポンプに対する利点の一つは、ソレノイド22は、蠕動ポンプに用いられる電気モータよりも信頼性に優れることである。他の用途も考えられるが、本明細書に開示されるソレノイドポンプ20が予定される用途の一つは、流体ポンプが正確な量の液体を送出することが必要な医療産業における投薬分野である。
【0034】
実施形態に関する上記記載は、図解および説明の目的で提供される。網羅的または開示事項を限定することを意図しない。特定の実施形態における個々の要素および特徴は、一般的に、その特定の実施形態に限定されるものではなく、適用可能な場合、交換可能であり、たとえ詳細に図示または記載されないとしても、選択された実施形態で使用可能である。同じものが多くの方法で変更されてもよい。そのような変更は本願開示事項からの逸脱とはみなされない。そのような修正は全て本願開示事項の範囲内に含まれることが意図される。