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特許7429558リフレッシュレート設定装置、リフレッシュレート設定方法、及びリフレッシュレート設定プログラム
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  • 特許-リフレッシュレート設定装置、リフレッシュレート設定方法、及びリフレッシュレート設定プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】リフレッシュレート設定装置、リフレッシュレート設定方法、及びリフレッシュレート設定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20240201BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20240201BHJP
【FI】
G09G5/00 550D
G09G5/00 550B
G09G5/00 550C
G09G5/00 550X
H04N21/431
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020023829
(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公開番号】P2021128291
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-21
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】本田 拓也
【審査官】武田 悟
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0141642(US,A1)
【文献】米国特許第09830880(US,B1)
【文献】特表2016-529534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 5/00 - 5/42
H04N 21/431
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末に用いられるリフレッシュレート設定装置であって、
アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定する第1設定部と、
上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定する判定部と、
上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合に、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるか否かに基づいて、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして第2リフレッシュレートを設定する第2設定部と、を備え、
上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps以上である場合に、上記第2設定部は、上記フレームレート未満で、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な最大値を上記第2リフレッシュレートに設定し、
上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps未満である場合に、上記第2設定部は、上記第2リフレッシュレートを60Hzに設定し、
上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれる場合に、上記第2設定部は、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、上記第1リフレッシュレート未満の値を上記第2リフレッシュレートに設定し、
上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であると判定した場合に、上記第2設定部は、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、上記第1リフレッシュレート以下の値を上記第2リフレッシュレートに設定する、リフレッシュレート設定装置。
【請求項2】
上記アプリケーションの次回起動時に、上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートに設定される、請求項1記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項3】
上記第2リフレッシュレートを記録する記録部を備え、
上記記録部に記録された上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートとして読み出される、請求項1または2に記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項4】
上記記録部は、上記アプリケーションの名称、上記アプリケーションの累計起動時間、上記フレームレートの最大値である最大フレームレート、及び上記判定部が判定した判定日、上記アプリケーションの更新日のうちの少なくとも1つと上記第2リフレッシュレートとをそれぞれ対応付けて記録する、請求項に記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項5】
上記記録部が上記累計起動時間を記録し、かつ、当該累計起動時間が所定の時間を超えた場合に、上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートとして設定される、請求項に記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項6】
上記記録部が上記判定日を記録し、かつ、当該判定日から所定の日数が経過した場合に、上記記録部は、上記アプリケーションに関連するデータを消去する、請求項に記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項7】
上記記録部が上記判定日を記録し、かつ、当該判定日以降に上記アプリケーションが更新された場合に、上記記録部は、上記アプリケーションに関連するデータを消去する、請求項に記載のリフレッシュレート設定装置。
【請求項8】
携帯端末のリフレッシュレート設定方法であって、
アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定するステップと、
上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定するステップと、
上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合に、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるか否かに基づいて、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして第2リフレッシュレートを設定するステップと、
上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps以上である場合に、上記フレームレート未満で、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な最大値を上記第2リフレッシュレートに設定するステップと、
上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps未満である場合に、上記第2リフレッシュレートを60Hzに設定するステップと、
上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合、かつ、上記ディスプレイのリフレッシュレートとして設定可能な値に上記フレームレートの整数倍である値が含まれる場合に、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、上記第1リフレッシュレート未満の値を上記第2リフレッシュレートに設定するステップと、
上記第1リフレッシュレートは上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であると判定された場合に、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、上記第1リフレッシュレート以下の値を上記第2リフレッシュレートに設定するステップと、
上記アプリケーションの次回起動時に、上記第2リフレッシュレートを上記リフレッシュレートとして設定するステップと、を含むリフレッシュレート設定方法。
【請求項9】
請求項1記載のリフレッシュレート設定装置としてコンピュータを機能させるためのリフレッシュレート設定プログラムであって、上記第1設定部、上記判定部、及び上記第2設定部としてコンピュータを機能させるためのリフレッシュレート設定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフレッシュレート設定装置、リフレッシュレート設定方法、及びリフレッシュレート設定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯端末(スマートフォン、タブレット、又は携帯ゲーム機など)で動作するアプリケーションの開発が進んでいる。アプリケーションは、特定の携帯端末を前提とすることなく開発されるため、互いのフレームレートは統一されていない。そのため、ユーザは、アプリケーションのフレームレートを知ることができない。一方で、携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートは、その上限が徐々に高まっている。このような携帯端末では、以下(1)、(2)が問題となりうる。
【0003】
(1)ディスプレイのリフレッシュレートの約数とアプリケーションのフレームレートが一致する場合においても、アプリケーションのフレームレートが不均一になり表示画面がカクつく。
【0004】
(2)ディスプレイのリフレッシュレートの約数とアプリケーションのフレームレートが一致しない場合、表示画面がカクつく。
【0005】
このような問題を解消するため、特許文献1は、コンピュータディスプレイのリフレッシュレートの動的調整を管理する構成を開示する。特許文献1の開示によると、オペレーティングシステムは、アプリケーションが選択可能な1つまたは複数のカスタムモードと、アプリケーションが予想可能なシステム初期設定の標準モードという少なくとも2つの再生モードを規定する。オペレーティングシステムは、アプリケーションによるカスタムモードの使用の要求を可能とするアプリケーションプログラミングインターフェースを提供する。アプリケーションは、カスタムモードの使用を認められた場合、カスタムモードに基づいて、表示用フレームを提示する。オペレーティングシステムは、標準モードおよびカスタムモードの両者においてフレームを再生する方法を指定した各バッファリングフレームのタイミングデータを格納する。標準モードへの復帰遷移が発生した場合、オペレーティングシステムは、タイミングデータを用いることにより、カスタムモードでのビデオフレームの生成をアプリケーションが停止するまで、ビデオフレームを適正に提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2016-529534号公報(2016年9月23日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の技術には次のような課題がある。具体的に、携帯端末では、アプリケーションの動作中にディスプレイのリフレッシュレートが調整された場合、表示画面にカクつきが生じる。特許文献1の技術は、アプリケーションの動作中にディスプレイのリフレッシュレートを調整する構成であるため、高い表示品質を維持することが困難である。
【0008】
本発明の一態様は、上記の各問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示品位を改善することが可能な、リフレッシュレート設定装置、リフレッシュレート設定方法、及びリフレッシュレート設定プログラムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリフレッシュレート設定装置は、携帯端末に用いられるリフレッシュレート設定装置であって、アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定する第1設定部と、上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定する判定部と、上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合に、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるか否かに基づいて、上記リフレッシュレートとして第2リフレッシュレートを設定する第2設定部と、を備える。
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るリフレッシュレート設定方法は、携帯端末のリフレッシュレート設定方法であって、アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定するステップと、上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定するステップと、上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合に、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるかを判定するステップと、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でないと判定された場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps以上である場合に、上記フレームレート未満で、かつ、上記リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定するステップと、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でないと判定された場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps未満である場合に、第2リフレッシュレートを60Hzに設定するステップと、上記アプリケーションの次回起動時に、上記第2リフレッシュレートを上記リフレッシュレートとして設定するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、表示品位を改善することが可能な、リフレッシュレート設定装置、及びリフレッシュレート設定方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示に係る携帯端末の概略構成図である。
図2】本開示に係るリフレッシュレート設定方法のフローチャートである。
図3】本開示に係る記録部に記録されたデータの一例を示す図である。
図4】本開示に係るヒストグラムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に説明する実施形態は、本開示の実現手段としての一例であり、本開示が適用される装置の構成又は各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下に説明する図面において、同一または機能的に同様の構成要素については同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
〔携帯端末1〕
本開示に係る携帯端末1を図1により説明する。
【0015】
図1は、本開示に係る携帯端末1の概略構成図である。携帯端末1は、スマートフォン、タブレット端末、PDA、デジタルカメラ、又は携帯ゲーム機などの携帯端末である。携帯端末1は、フレームレート検出部2、リフレッシュレート設定装置3、ディスプレイ7、記録部8、CPU9、及び通信装置10を備える。
【0016】
フレームレート検出部2は、携帯端末1で起動したアプリケーションの描画フレームレートから、アプリケーションのフレームレートを検出する。フレームレートが変化した場合には、変化した後のフレームレートを検出することができる。フレームレート検出部2は、アプリケーションのフレームレートと共に、アプリケーションのその他の情報(アプリケーションの名称、アプリケーションの更新日など)を検出することもできる。フレームレート検出部2は、検出した情報をリフレッシュレート設定装置3に出力する。フレームレート検出部2は、検出した情報を記録部8(後述)に記録させてもよい。
【0017】
アプリケーションは、動画および静止画を提供するアプリケーション全般を含む。例えば、アプリケーションは、ゲーム、動画配信サービスにより提供される動画、または料理関連のアプリケーションなどである。
【0018】
リフレッシュレート設定装置3は、ディスプレイ7のリフレッシュレートを設定する装置である。リフレッシュレート設定装置3は、第1設定部4、判定部5、及び第2設定部6を備える。リフレッシュレート設定装置3は、記録部8を備えてもよい。
【0019】
第1設定部4は、アプリケーションの起動時に、ディスプレイ7のリフレッシュレートを90Hz以上(例えば、90Hz、120Hz、144Hz、または150Hzなどの値)の第1リフレッシュレートに設定する。第1設定部4は、設定した第1リフレッシュレートを判定部5に出力する。
【0020】
判定部5は、フレームレート検出部2からアプリケーションのフレームレートを取得し、第1設定部4から第1リフレッシュレートを取得する。そして、判定部5は、ディスプレイ7のリフレッシュレートがアプリケーションXのフレームレートの整数倍(1倍、2倍、3倍・・。以下、同様)であるかなどの種々の判定を行う。
【0021】
第2設定部6は、判定部5による判定結果を受けて、第2リフレッシュレートを設定する。第2リフレッシュレートは、ディスプレイ7のリフレッシュレートとして設定される。
【0022】
以下、判定部5による判定と第2設定部6による第2リフレッシュレートの設定を関連付けて説明する。
【0023】
まず、判定部5は、第1リフレッシュレートがアプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定する。判定部5が第1リフレッシュレートはアプリケーションのフレームレートの整数倍であると判定した場合、その判定結果が第2設定部6に出力される。第2設定部6は、フレームレートの整数倍、かつ、第1リフレッシュレート以下の値を第2リフレッシュレートに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8(後述)に記録する。
【0024】
例えば、第1フレッシュレートが120Hzであり、フレームレートが60fpsである場合、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを60Hzまたは120Hzに設定する。
【0025】
一方、判定部5が、第1リフレッシュレートはアプリケーションのフレームレートの整数倍ではないと判定する場合がある。例えば、第1フレッシュレートが120Hzであり、フレームレートが50fpsの場合である。この場合、次に判定部5は、設定可能なリフレッシュレートがフレームレートの整数倍であるかを判定する。
【0026】
判定部5が設定可能なリフレッシュレートはフレームレートの整数倍であると判定した場合、第2設定部6は、フレームレートの整数倍、かつ、リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定する。そして、第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。例えば、第1リフレッシュレートが120Hzであり、フレームレートが90Hzであり、ディスプレイ7はリフレッシュレートを90Hzに設定可能な場合、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを90Hzに設定する。
【0027】
判定部5が設定可能なリフレッシュレートはフレームレートの整数倍でないと判定した場合、次に判定部5は、フレームレートが60Hz以上であるかを判定する。
【0028】
判定部5がフレームレートは60Hz以上であると判定した場合、第2設定部6は、フレームレート未満で、かつ、リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。例えば、第1リフレッシュレートが120Hzであり、フレームレートが90Hzであり、ディスプレイ7はリフレッシュレートを80Hzに設定可能な場合、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを80Hzに設定する。
【0029】
判定部5がフレームレートは60Hz未満であると判定した場合、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを60Hzに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。例えば、第1リフレッシュレートが120Hzであり、フレームレートが45Hzであり、ディスプレイ7はリフレッシュレートを80Hzに設定可能な場合、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを60Hzに設定する。
【0030】
このように、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを設定し、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。そして、アプリケーションXの次回起動時に、リフレッシュレート設定装置3(第1設定部4または第2設定部6)は、第2リフレッシュレートをリフレッシュレートに設定する。
【0031】
ディスプレイ7は、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等であってよい。ディスプレイ7は、アプリケーションの画像および動画を表示する。
【0032】
記録部8は、第2リフレッシュレートを示すデータを記録する。記録部8は、アプリケーションの名称、アプリケーションの累計起動時間、フレームレートの最大値である最大フレームレート、判定部5が判定した判定日、アプリケーションの更新日のうちの少なくとも1つを示すデータを記録してもよい。記録部8は、CPU9が実行する制御プログラム、データテーブル、プログラム、ユーザが保存したいデータ等を格納してもよい。記録部8は、公知の半導体メモリ等であってよい。
【0033】
CPU9は、携帯端末1のシステム制御部であり、携帯端末1の全体を制御する。
【0034】
通信装置10は、無線LANまたはBluetooth(登録商標)などを用いて通信を行うための機能全般を備える。通信装置10は、有線および無線の何れで通信してもよい。通信装置10は、アプリケーションのダウンロードにも使用される。
【0035】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置3は、第1リフレッシュレートがアプリケーションのフレームレートの整数倍であるか否かに関わらず、ディスプレイ7のリフレッシュレートとフレームレートを一致させる、あるいは、近い値に設定する。その結果、携帯端末1では、表示画面のカクつきが軽減する。このようにして、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。
【0036】
加えて、リフレッシュレート設定装置3は、アプリケーションの動作中ではなく、アプリケーションの起動時にディスプレイ7のリフレッシュレートを決定する。その結果、携帯端末1では、表示画面のカクつきがさらに軽減する。このようにして、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
【0037】
〔フローチャート〕
次に、携帯端末1におけるリフレッシュレート設定方法の流れを図2により説明する。図2は、本開示に係るリフレッシュレート設定方法のフローチャートである。以下の説明では、携帯端末1においてアプリケーションXが起動するものとする。
【0038】
まず、S10では、携帯端末1にてアプリケーションXが起動する。
【0039】
S20では、アプリケーションXの起動時に、第1設定部4が、ディスプレイ7のリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定する。例えば、第1設定部4は、第1リフレッシュレートを120Hzまたは144Hzなどに設定する。
【0040】
S30では、フレームレート検出部2が、アプリケーションXのフレームレートを検出する。
【0041】
S40では、判定部5が、第1リフレッシュレートがアプリケーションXのフレームレートの整数倍であるかを判定する。Yesの場合はS50に進み、Noの場合はS60に進む。
【0042】
S50では、第2設定部6が、フレームレートの整数倍、かつ、第1リフレッシュレート以下の値を第2リフレッシュレートに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。その後、S110に進む(後述)。
【0043】
S60では、判定部5は、設定可能なリフレッシュレートがフレームレートの整数倍であるかを判定する。Yesの場合はS70に進み、Noの場合はS80に進む。
【0044】
S70では、第2設定部6は、フレームレートの整数倍、かつ、第1リフレッシュレート未満の値を第2リフレッシュレートに設定する。さらに、好ましくは、図2の如く、フレームレートの整数倍、かつ、リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。その後、S110に進む。
【0045】
S80では、判定部5は、フレームレートが60Hz以上であるかを判定する。Yesの場合はS90に進み、Noの場合はS100に進む。
【0046】
S90では、第2設定部6は、フレームレート未満で、かつ、リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。その後、S110に進む。
【0047】
S100では、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを60Hzに設定する。第2設定部6は、設定した第2リフレッシュレートを記録部8に記録する。その後、S110に進む。
【0048】
S110では、リフレッシュレート設定装置3は、記録部8から第2リフレッシュレートを読み出す。そして、アプリケーションXの次回起動時に、リフレッシュレート設定装置3は、第2リフレッシュレートをリフレッシュレートとして設定する。
【0049】
S120では、ディスプレイ7は、アプリケーションXを第2リフレッシュレートで表示する。
【0050】
以上、携帯端末1におけるリフレッシュレート設定方法の流れを説明した。以上の方法により、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。
【0051】
次に、本開示に係る実施例1を説明する。
【0052】
〔実施例1〕
図3は、記録部8に記録されたデータの一例を示す図である。記録部8は、アプリケーションの名称、アプリケーションの累計起動時間(hr)、最大フレームレート(fps)、第2リフレッシュレート(Hz)、判定部5が判定した判定日、アプリケーション更新日を示すデータをそれぞれ記録する。記録部8は、特に、第2リフレッシュレート(Hz)と、第2リフレッシュレート(Hz)以外のデータとを対応付けて記録する。
(累計起動時間)
記録部8が累計起動時間を示すデータを記録する場合に、その累計起動時間に基づいて、第2設定部6が第2リフレッシュレートを設定する構成を説明する。
【0053】
例えば、アプリケーションがゲームであり、ゲームの場面ごとにフレームレートが変動する場合には、適切なフレームレートの見極めに時間を要する。そこで、累計起動時間に閾値(所定の時間)を設ける。第2設定部6は、累計起動時間がその閾値を超えてから、第2リフレッシュレートを設定する。これにより、第2設定部6は、より適切な第2リフレッシュレートを設定することができる。その結果、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
【0054】
この構成を、図3のアプリケーション1を参照して説明する。アプリケーション1では、累計起動時間の閾値は150時間に設定されているものとする。図3の例では、アプリケーション1の累計起動時間は100時間である。そのため、第2設定部6は、この時点では第2リフレッシュレートを設定せず、累計起動時間が150時間を超えてから第2リフレッシュレートを設定する。
【0055】
このように、第2設定部6は、累計起動時間に基づいて、第2リフレッシュレートを設定するかどうかを決定してもよい。この構成によれば、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
(判定日)
記録部8が判定日を示すデータを記録する場合に、その判定日に基づいて、第2設定部6が第2リフレッシュレートを設定する構成を説明する。
【0056】
例えば、アプリケーションがゲームであり、ゲームの場面が進むごとにフレームレートが変動する場合を考える。この場合、判定日からある日数が経過すると、ゲームの場面が進み、フレームレートが変動する。そこで、判定日から所定の日数が経過した場合には、記録部8は、そのアプリケーションに関連するデータを消去する。そして、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを再設定する。これにより、第2設定部6は、ゲームの場面に相応しい第2リフレッシュレートを設定することができる。その結果、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
【0057】
この構成を、図3のアプリケーション2を参照して説明する。アプリケーション2では、判定日から所定の日数(3か月)を超えた場合に、記録部8がアプリケーション2に関連するデータを消去するものとする。図3の例では、判定日(2019/11/15)から3か月経過したものとする。この場合、記録部8は、そのアプリケーションに関連するデータを消去する。そして、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを再設定する。
【0058】
このように、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを設定するかどうかを判定日に基づいて決定することができる。これにより、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
(アプリケーション更新日)
記録部8がアプリケーション更新日を示すデータを記録する場合に、そのアプリケーション更新日に基づいて、第2設定部6が第2リフレッシュレートを設定する構成を説明する。
【0059】
例えば、アプリケーションが定期的に更新される場合を考える。アプリケーションが更新されると、フレームレートが変動する可能性がある。そこで、アプリケーションが更新された場合には、記録部8は、そのアプリケーションに関連したデータを消去する。そして、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを再設定する。これにより、第2設定部6は、更新されたアプリケーションに相応しい第2リフレッシュレートを設定することができる。その結果、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
【0060】
この構成を、図3のアプリケーション3を参照して説明する。アプリケーション3では、アプリケーション更新日は2020/2/14である。そこで、2020/2/14以降に、記録部8は、アプリケーション3に関連するデータを消去する。記録部8は、アプリケーション3が更新された直後、あるいは、アプリケーション更新日から所定の日数が経過したときに、アプリケーション3に関連するデータを削除する。そして、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを再設定する。
【0061】
このように、第2設定部6は、第2リフレッシュレートを設定するかどうかをアプリケーション更新日に基づいて決定することができる。これにより、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位をさらに改善することができる。
【0062】
以上、図3を用いて幾つかの実施例を説明した。以上の構成において、累計起動時間又は判定日からの所定の日数は、リフレッシュレート設定装置3が自動設定してもよいし、ユーザが手動設定してもよい。次に、実施例2を説明する。
【0063】
〔実施例2〕
(携帯端末1の内部温度)
携帯端末1の内部温度が所定の温度を超えた場合、ユーザの安全を考えて携帯端末1の機能にパフォーマンス制限がかけられる場合がある。パフォーマンス制限がかけられると、ディスプレイ7のリフレッシュレートが変動しうる。パフォーマンス制限時のリフレッシュレートが第2リフレッシュレートとして設定されると、パフォーマンス制限が解除されたときに携帯端末1の表示品位は不安定になりうる。そこで、携帯端末1の内部の温度センサが所定の温度を示す場合には、記録部8はデータの記録を停止する。
【0064】
上記の構成によれば、携帯端末1の内部の温度センサが所定の温度を示す場合、記録部8は第2リフレッシュレートを記録しない。これにより、携帯端末1では、パフォーマンス制限がかけられたときのリフレッシュレートが使用されることはなく、携帯端末1の表示品位を好適に保つことができる。
(携帯端末1の電池残量)
ディスプレイ7のリフレッシュレートが高い場合には、携帯端末1の電池消費量が多くなり、電池の寿命にも影響する。そこで、第2設定部6は、携帯端末1の電池残量に基づいて第2リフレッシュレートを設定してもよい。例えば、電池残量が所定の値(例えば50%)を下回った場合であって、かつ、第2設定部6が第2リフレッシュレートを60Hz、90Hz、又は120Hzと複数の値に設定可能な場合を考える。この場合、第2設定部6は、より小さい値(60Hz)を第2リフレッシュレートに設定する。これにより、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の充電を長持ちさせることができる。
【0065】
このように、第2設定部6は、携帯端末1の電池残量に基づいて第2リフレッシュレートを設定してもよい。その結果、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の電池消費を軽減するというさらに他の効果を奏することができる。
【0066】
〔実施例3〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例3を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz及び120Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが110fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
【0067】
以上(1)~(4)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(4)のように予め決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0068】
〔実施例4〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例4を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz及び120Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが110fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
【0069】
以上(1)~(4)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(4)のように予め決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0070】
〔実施例5〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例5を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz及び120Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが110fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、ディスプレイの特性、または見栄えに応じてディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
【0071】
以上(1)~(4)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(4)のように予め決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0072】
〔実施例6〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例6を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz、90Hz、及び120Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが110fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合であって、かつ、設定可能なリフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートをフレームレートの整数倍に設定する。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、かつ、フレームレートが80fps以上110fps未満の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを90Hzに更新する。
(5)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、かつ、フレームレートが80fps未満の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
(6)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
【0073】
以上(1)~(6)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(6)のように決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0074】
〔実施例7〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例7を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz、120Hz、及び150Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。今回の実施例では第1リフレッシュレートを120Hzとする。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが110fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合であって、かつ、設定可能なリフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートをフレームレートの整数倍に設定する。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
(5)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに120Hzのままとする。
【0075】
以上(1)~(5)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(6)のように決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0076】
〔実施例8〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例8を説明する。ディスプレイ7のリフレッシュレートが60Hz、120Hz、及び150Hzで動作可能な場合、第2設定部6は、次のように第2リフレッシュレートを設定してもよい。今回の実施例では第1リフレッシュレートを150Hzとする。
(1)アプリケーションの累計起動時間が所定の時間(例えば、10時間)を超えるまで、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに150Hzのままとする。
(2)アプリケーションのフレームレートが140fps以上の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに150Hzのままとする。
(3)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合であって、かつ、設定可能なリフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートをフレームレートの整数倍に設定する。
(4)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、かつ、フレームレートが110fps以上140fps未満の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを120Hzに更新する。
(5)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍でない場合、かつ、フレームレートが110fps未満の場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを60Hzに更新する。
(6)第1リフレッシュレートがフレームレートの整数倍である場合、ディスプレイ7のリフレッシュレートを更新せずに150Hzのままとする。
【0077】
以上(1)~(6)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。さらに、(1)~(6)のように決めておくことにより、CPU9の負荷低減にもつなげることができる。
【0078】
〔実施例9〕
次に、本開示に係るリフレッシュレート設定装置3の実施例9を説明する。
【0079】
携帯端末1において、アプリケーションが所定のフレームレートで動作しない場合がある。例えば、アプリケーション(例えば、ゲーム)はフレームレート30fpsで動作しているが、ゲーム内画面の切り替え時あるいはローディング時に、フレームレートが30fpsとは異なるフレームレートとなる場合がある。そのような場合、以下の方法により、フレームレート検出部2は、検出したフレームレートから特定のフレームレートを除外することができる。
(1)フレームレート検出部2は、ヒストグラムを算出し、そのヒストグラムの規定範囲外にあるフレームレートを除外する。例えば、ヒストグラムの規定範囲が40fps~70fpsであるときに、フレームレート検出部2が20fpsを検出したとする。このとき、フレームレート検出部2は、20fpsをカウントしない。
(2)フレームレート検出部2は、ヒストグラムを算出し、そのヒストグラムの規定頻度外にあるフレームレートを除外する。この例を図4により説明する。
【0080】
図4は、本開示に係るヒストグラムの一例を示す図である。横軸はデータ区間を示す。縦軸は頻度を示す。例えば、1秒に1回フレームレートを5分取得し、5フレーム間隔のヒストグラムを算出する場合、規定頻度を「60回以上」と規定する。フレームレート検出部2は、頻度が60未満のフレームレートをカウントしない。図4の例では、30fpsは規定頻度が60回以上であるが、他のフレームレートは60回未満である。従って、フレームレート検出部2は、フレームレート30fpsのみをカウントする。
(3)所定の時間(例えば5秒間)のフレームレートの範囲が所定の数値(範囲)(例えば25fps)を超える場合、フレームレート検出部2は、検出したフレームレートから、所定の数値を超えたフレームレートを除外する。例えば、フレームレート検出部2が、「60fps、60fps、60fps、60fps、60fps、120fps、120fps、60fps、60fps、60fps」というフレームレートを5秒間で検出したとする。このとき、フレームレート検出部2は、2回のフレームレート120fpsをカウントしない。
【0081】
以上(1)、(2)、(3)の何れにおいても、携帯端末1の表示画面のカクつきが軽減される。つまり、リフレッシュレート設定装置3は、携帯端末1の表示品位を改善することができる。
【0082】
〔ソフトウェアによる実現例〕
リフレッシュレート設定装置3の制御ブロック(特に第1設定部4、判定部5、及び第2設定部6)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0083】
後者の場合、リフレッシュレート設定装置3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0084】
本発明の各態様に係るリフレッシュレート設定装置3は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータをリフレッシュレート設定装置3が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記リフレッシュレート設定装置3をコンピュータにて実現させるリフレッシュレート設定装置3の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0085】
〔まとめ〕
〔態様1〕
本発明の態様1に係るリフレッシュレート設定装置は、携帯端末に用いられるリフレッシュレート設定装置であって、アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定する第1設定部と、上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定する判定部と、上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定した場合に、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるか否かに基づいて、上記リフレッシュレートとして第2リフレッシュレートを設定する第2設定部と、を備えた構成である。
【0086】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置は、表示品位を改善することができる。
【0087】
〔態様2〕
本発明の態様2に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1において、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps以上である場合に、上記第2設定部は、上記フレームレート未満で、かつ、上記リフレッシュレートとして設定可能な最大値を上記第2リフレッシュレートに設定する構成であってよい。
【0088】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置は、表示品位をさらに改善することができる。
【0089】
〔態様3〕
本発明の態様3に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1において、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でない場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps未満である場合に、上記第2設定部は、上記第2リフレッシュレートを60Hzに設定する構成であってよい。
【0090】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置は、表示品位をさらに改善することができる。
【0091】
〔態様4〕
本発明の態様4に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1において、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍である場合に、上記第2設定部は、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、リフレッシュレートとして設定可能な最大値を上記第2リフレッシュレートに設定する構成であってよい。
【0092】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置は、表示品位をさらに改善することができる。
【0093】
〔態様5〕
本発明の態様5に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1において、上記判定部が上記第1リフレッシュレートは上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であると判定した場合に、上記第2設定部は、上記フレームレートの整数倍であり、かつ、上記第1リフレッシュレート以下の値を上記第2リフレッシュレートに設定する構成であってよい。
【0094】
上記の構成によれば、リフレッシュレート設定装置は、表示品位をさらに改善することができる。
【0095】
〔態様6〕
本発明の態様6に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1から5の何れかにおいて、上記アプリケーションの次回起動時に、上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートに設定される構成であってよい。
【0096】
上記リフレッシュレート設定装置は、アプリケーションの動作中ではなく、アプリケーションの起動時に上記ディスプレイのリフレッシュレートを決定する。その結果、上記携帯端末では、表示画面のカクつきがさらに軽減する。このようにして、上記リフレッシュレート設定装置は、上記携帯端末の表示品位をさらに改善することができる。
【0097】
〔態様7〕
本発明の態様7に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1から6の何れかにおいて、上記第2リフレッシュレートを記録する記録部を備え、上記記録部に記録された上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートとして読み出される構成であってよい。
【0098】
上記の構成によれば、長期にわたって上記第2リフレッシュレートを保存し、かつ、参照することができる。
【0099】
〔態様8〕
本発明の態様8に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様7において、上記記録部は、上記アプリケーションの名称、上記アプリケーションの累計起動時間、上記フレームレートの最大値である最大フレームレート、及び上記判定部が判定した判定日、上記アプリケーションの更新日のうちの少なくとも1つと上記第2リフレッシュレートとをそれぞれ対応付けて記録する構成であってよい。
【0100】
上記の構成によれば、上記第2リフレッシュレートと関連付けて様々なデータが記録されるため、後述するように、上記第2リフレッシュレートを柔軟に設定する余地を広げることができる。
【0101】
〔態様9〕
本発明の態様9に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様8において、上記記録部が上記累計起動時間を記録し、かつ、当該累計起動時間が所定の時間を超えた場合に、上記第2リフレッシュレートが上記リフレッシュレートとして設定される構成であってよい。
【0102】
上記の構成によれば、アプリケーションのフレームレートが場面ごとに変動する場合などに、適切なフレームレートを見極めてから上記リフレッシュレートが設定される。これにより、上記リフレッシュレート設定装置は、上記携帯端末の表示品位をさらに改善することができる。
【0103】
〔態様10〕
本発明の態様10に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様8において、上記記録部が上記判定日を記録し、かつ、当該判定日から所定の日数が経過した場合に、上記記録部は、上記アプリケーションに関連するデータを消去する構成であってよい。
【0104】
上記の構成によれば、アプリケーションのフレームレートが場面ごとに変動する場合などに、判定日から所定の日数が経過する前に上記リフレッシュレートを設定することができる。これにより、上記リフレッシュレート設定装置は、上記携帯端末の表示品位をさらに改善することができる。
【0105】
〔態様11〕
本発明の態様11に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様8において、上記記録部が上記判定日を記録し、かつ、当該判定日以降に上記アプリケーションが更新された場合に、上記記録部は、上記アプリケーションに関連するデータを消去する構成であってよい。
【0106】
上記の構成によれば、アプリケーションが更新される場合には、更新日以降に設定されたリフレッシュレートを使用することができる。これにより、上記リフレッシュレート設定装置は、上記携帯端末の表示品位をさらに改善することができる。
【0107】
〔態様12〕
本発明の態様12に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様7から11の何れかにおいて、上記携帯端末の内部温度が所定の温度を超えた場合に、上記記録部はデータの記録を停止する構成であってよい。
【0108】
上記の構成によれば、上記携帯端末の内部温度が所定の温度を超えて上記携帯端末にパフォーマンス制限がかけられたときのリフレッシュレートが使用されることはなく、それゆえ、上記携帯端末の表示品位を好適に保つことができる。
【0109】
〔態様13〕
本発明の態様13に係るリフレッシュレート設定装置は、上記の態様1から12の何れかにおいて、上記第2リフレッシュレートは、上記携帯端末の電池残量に基づいて設定される構成であってよい。
【0110】
上記の構成によれば、上記携帯端末の電池消費を軽減するというさらに他の効果を奏することができる。
【0111】
〔態様14〕
本発明の態様14に係るリフレッシュレート設定方法は、携帯端末のリフレッシュレート設定方法であって、アプリケーションの起動時に、上記携帯端末のディスプレイのリフレッシュレートを90Hz以上の第1リフレッシュレートに設定するステップと、上記第1リフレッシュレートが上記アプリケーションのフレームレートの整数倍であるかを判定するステップと、上記第1リフレッシュレートは上記フレームレートの整数倍ではないと判定された場合に、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍であるかを判定するステップと、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でないと判定された場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps以上である場合に、上記フレームレート未満で、かつ、上記リフレッシュレートとして設定可能な最大値を第2リフレッシュレートに設定するステップと、上記リフレッシュレートとして設定可能な値が上記フレームレートの整数倍でないと判定された場合であって、かつ、上記フレームレートが60fps未満である場合に、第2リフレッシュレートを60Hzに設定するステップと、上記アプリケーションの次回起動時に、上記第2リフレッシュレートを上記リフレッシュレートとして設定するステップと、を含む構成である。
【0112】
上記の構成によれば、上記リフレッシュレート設定装置と同様の効果を奏することができる。
【0113】
〔態様15〕
本発明の態様15に係るリフレッシュレート設定プログラムは、態様1に記載のリフレッシュレート設定装置としてコンピュータを機能させるためのリフレッシュレート設定プログラムであって、上記第1設定部、上記判定部、及び上記第2設定部としてコンピュータを機能させる構成であってよい。
【0114】
上記の構成によれば、上記リフレッシュレート設定装置と同様の効果を奏することができる。
【0115】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0116】
1 携帯端末
2 フレームレート検出部
3 リフレッシュレート設定装置
4 第1設定部
5 判定部
6 第2設定部
7 ディスプレイ
8 記録部
9 CPU
10 通信装置
図1
図2
図3
図4