(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ガス発生装置およびガス製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240201BHJP
C01B 13/02 20060101ALI20240201BHJP
C01B 21/04 20060101ALI20240201BHJP
B01D 53/053 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B01D53/04 230
C01B13/02 A
C01B21/04 D
B01D53/053
(21)【出願番号】P 2020033352
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】599151787
【氏名又は名称】株式会社アドバン理研
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】辻 弥壽彦
(72)【発明者】
【氏名】辻 泰成
(72)【発明者】
【氏名】吉井 淳志
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-137467(JP,A)
【文献】特開2001-269531(JP,A)
【文献】特開2019-198818(JP,A)
【文献】実開平06-015720(JP,U)
【文献】特表2007-527307(JP,A)
【文献】特開2010-075781(JP,A)
【文献】特開平01-274821(JP,A)
【文献】国際公開第2003/086586(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/04-53/053
C01B 13/02
C01B 21/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に接続された複数の吸着タンク
と該吸着タンクで生成される製品ガス
を取込
んで溜める製品タンク
とが一列に並べて立設され
ている第1の吸着ユニットと、前記第1の吸着ユニットと同様に
並列に接続された複数の吸着タンク
と製品タンク
とが
一列に配置されており、
少なくとも前記第1の吸着ユニット
が再生処理を実行するタイミングで吸着処理を行
い、前記第1の吸着ユニット側に前記吸着タンクから製品ガスの一部を流す第2の吸着ユニットを含む第1のガス生成部と、
前記第1のガス生成部と同一の構成であり、かつ前記第1のガス生成部に隣接して配置され、前記第1のガス生成部と同時にまたは交互に切替えてガス吸着処理を行う第2のガス生成部と、
を備え
、
全ての前記製品タンクが共通の管路に並列に連通されており、連通した前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給可能になっていることを特徴とするガス発生装置。
【請求項2】
さらに、台座部を備え、
前記第1のガス生成部および
前記第2のガス生成部の前記吸着タンクおよび前記製品タンクが前記台座部の載置面上にマトリクス状に配置されることを特徴とする請求項1に記載のガス発生装置。
【請求項3】
さらに、原料空気から分離された不要ガスを前記吸着タンクから取出す排出管路と、
前記排出管路に接続され、前記台座部を通じて外気に前記不要ガスを排出する排出部と、
を備えることを特徴とする請求項
2に記載のガス発生装置。
【請求項4】
前記台座
部には、前記第1のガス生成部と前記第2のガス生成部のそれぞれの前面側のタンクに接触させ、前記載置面から立設された複数本の支柱部材を備えており、
前記支
柱部材は
、ガス管路
の一部
および制御部を固定保持させることを特徴とする請求項2
または請求項
3に記載のガス発生装置。
【請求項5】
前記吸着タンクおよび前記製品タンクは、隣接する他の前記吸着タンクまたは前記製品タンクに対し、連結部品で互いに固定保持されることを特徴とする請求項1
ないし請求項
4のいずれかの請求項に記載のガス発生装置。
【請求項6】
前記第1のガス生成部と
前記第2のガス生成部の運転制御を行うとともに、前記第1の吸着ユニットと前記第2の吸着ユニットの間でガス生成の切替え制御を行う制御部を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項
5のいずれかの請求項に記載のガス発生装置。
【請求項7】
並列に接続された複数の吸着タンク
と該吸着タンクで生成される製品ガス
を取込
んで溜める製品タンク
とが一列に並べて立設され
ている第1の吸着ユニットと、前記第1の吸着ユニットと同様に
並列に接続された複数の吸着タンク
と製品タンク
とが
一列に配置される第2の吸着ユニットとを
備えており、少なくとも前記第1の吸着ユニットが再生処理を実行するタイミングで
該第2の吸着ユニットに吸着処理を実行させる処理
と、
前記第2の吸着ユニットが前記吸着タンクから製品ガスの一部を前記第1の吸着ユニット側に流す処理と、
全ての前記製品タンクが共通の管路に並列に連通されており、連通した前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給する処理と、
を含むことを特徴とするガス製造方法。
【請求項8】
前記第1の吸着ユニットおよび前記第2の吸着ユニットを備える第1のガス生成部、および該第1のガス生成部と同様の構成を備え隣接して配置される第2のガス生成部とを同時にまたは交互に切替えてガス吸着処理を実行させる処理を含
み、
前記第1のガス生成部および前記第2のガス生成部の前記製品タンクが並列に連通した前記管路を通じて前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給することを特徴とする請求項
7に記載のガス製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸着処理によって特定の成分を分離させ、目的とする成分のガスを取り出すガス装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
原料ガスから特定成分のガスを分離する技術として、特定の圧力状態で吸着剤に原料ガスを流して、分離したいガスを吸着させるPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)方式を利用したものが知られている。生成されたガスは、たとえば酸化防止を必要とする工業施設やエレクトロニクス分野の施設におけるバージガス、乾燥用ガスとして利用されるほか、実験設備内に流すキャリアガスとして利用される。
このようにガスを分離する装置には、吸着剤に原料ガスを反応させるタンクや原料ガスを供給する装置などが必要であり、これらの装置がガス管路で接続される。
【0003】
このようなガス発生装置に関し、原料ガスを流すコンプレッサに対して吸着剤が充填された2つの吸着塔を並列に接続し、複数の切替弁の切替え操作によって、交互に1の吸着塔に原料ガスを流してガスの分離処理を行うものがある(たとえば、特許文献1)。また、空気供給ユニットと製品ガスを生成するPSAユニットが筐体内に形成された気体分離装置に関し、PSAユニットに吸着槽と製品ガスを貯めるタンクとを上下方向に配置させるものがある(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-240728号公報
【文献】特開2011-251243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガス発生装置が設置される工場や実験施設は、多数の器具が配置されるため、機器毎の設置スペースが限られている。このような機器の設置スペースは、施設の敷地の広さによる。そのため設置する機器には、特に前後左右の長さなど平面方向に対する小型化が求められる。このように設置スペースを減らすためにガス発生装置のタンクを小型化した場合、製品ガスの生成量が減少して、要求されるガス量に対応できなくなるという課題がある。また、ガス発生装置は、ガスの生成能力と要求されるガス需要とが相違する場合や、ガス供給中にガス需要が変動する場合に対して、ガス供給量を合せる必要がある。ガス発生装置では、装置の幅を小さくするために、長大で容量の大きなタンクを備えたのでは、小量のガス要求に対してガス生成能力が無駄になるほか、動作時の消費エネルギーが大きくなるなどの課題がある。
そのほか、ガス発生装置には、製品ガスの生成状態の監視やガス発生量の調整を行うために、電磁弁やセンサなど多数の部品を備える。これらの部品は、たとえばタンクやコンプレッサの付近などに干渉しない位置として、それぞれの設置位置に近い筐体フレームなどに設置されていた。このように部品毎の設置位置が離れている場合、ガス発生装置内部の配管が煩雑化するため、装置の組立て、部品の交換を含むメンテナンスの作業性が低くなるという課題がある。
【0006】
斯かる課題について、特許文献1、2には開示や示唆はなく、特許文献1、2に開示された構成では斯かる課題を解決することができない。
【0007】
そこで、本発明の目的は上記課題に鑑み、ガス生成能力を維持しつつ、装置の省スペース化を図ることにある。
【0008】
さらに、本発明の他の目的は、ガス要求に応じたガス生成能力の調整を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明のガス発生装置の一側面は、並列に接続された複数の吸着タンクと該吸着タンクで生成される製品ガスを取込んで溜める製品タンクとが一列に並べて立設されている第1の吸着ユニットと、前記第1の吸着ユニットと同様に並列に接続された複数の吸着タンクと製品タンクとが一列に配置されており、少なくとも前記第1の吸着ユニットが再生処理を実行するタイミングで吸着処理を行い、前記第1の吸着ユニット側に前記吸着タンクから製品ガスの一部を流す第2の吸着ユニットを含む第1のガス生成部と、前記第1のガス生成部と同一の構成であり、かつ前記第1のガス生成部に隣接して配置され、前記第1のガス生成部と同時にまたは交互に切替えてガス吸着処理を行う第2のガス生成部とを備え、全ての前記製品タンクが共通の管路に並列に連通されており、連通した前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給可能になっている。
【0010】
上記ガス発生装置において、さらに、台座部を備え、前記第1のガス生成部および前記第2のガス生成部の前記吸着タンクおよび前記製品タンクが前記台座部の載置面上にマトリクス状に配置されてよい。
上記ガス発生装置において、さらに、原料空気から分離された不要ガスを前記吸着タンクから取出す排出管路と、前記排出管路に接続され、前記台座部を通じて外気に前記不要ガスを排出する排出部とを備える。
上記ガス発生装置において、前記台座部には、前記第1のガス生成部と前記第2のガス生成部のそれぞれの前面側のタンクに接触させ、前記載置面から立設された複数本の支柱部材を備えており、前記支柱部材は、ガス管路の一部および制御部を固定保持させる。
上記ガス発生装置において、前記吸着タンクおよび前記製品タンクは、隣接する他の前記吸着タンクまたは前記製品タンクに対し、連結部品で互いに固定保持されてよい。
上記ガス発生装置において、前記第1のガス生成部と第2のガス生成部の運転制御を行うとともに、前記第1の吸着ユニットと前記第2の吸着ユニットの間でガス生成の切替え制御を行う制御部を備えてよい。
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のガス製造方法の一側面は、並列に接続された複数の吸着タンクと該吸着タンクで生成される製品ガスを取込んで溜める製品タンクとが一列に並べて立設されている第1の吸着ユニットと、前記第1の吸着ユニットと同様に並列に接続された複数の吸着タンクと製品タンクとが一列に配置される第2の吸着ユニットとを備えており、少なくとも前記第1の吸着ユニットが再生処理を実行するタイミングで該第2の吸着ユニットに吸着処理を実行させる処理と、前記第2の吸着ユニットが前記吸着タンクから製品ガスの一部を前記第1の吸着ユニット側に流す処理と、全ての前記製品タンクが共通の管路に並列に連通されており、連通した前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給する処理とを含む。
上記ガス製造方法において、前記第1の吸着ユニットおよび前記第2の吸着ユニットを備える第1のガス生成部、および該第1のガス生成部と同様の構成を備え隣接して配置される第2のガス生成部とを同時にまたは交互に切替えてガス吸着処理を実行させる処理を含み、前記第1のガス生成部および前記第2のガス生成部の前記製品タンクが並列に連通した前記管路を通じて前記製品タンクのいずれかから前記管路を通じて製品ガスをガス要求側に供給する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 小容量で同形状のガスタンクをマトリクス状に配置列し、隣り合うタンク同士を連結させることで、ガス発生装置内部に無駄なスペースを形成させない。
(2) 小容量の吸着タンクを複数本一列に並べて配置し、同時にまたは所定のタイミングでガス生成処理を行い、製品ガスを製品タンク内に流入してガス需要側に流すことで、大小のガス需要に対して幅広く対応し、製品ガスの供給が可能となる。
(3) 一列に配置した吸着タンクと製品タンクで1の吸着ユニットを構成し、同様な吸着ユニットを横方向に配置し、製品ガスからのガス需要に連動して運転処理を切替えることで、ガス要求量に対する対応性が高められるほか、ガス発生装置の省エネ化や省コスト化が図れる。
【0013】
そして、本発明の他の目的、特徴および利点は、添付図面および各実施形態を参照することにより、一層明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一実施形態に係るガス発生装置を構成するタンクの配置構成例を示す図である。
【
図4】ガス発生装置の天井側の構成例を示す図である。
【
図5】吸着タンクの底部側の構成例を示す部分断面図である。
【
図6】ガス発生装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図7】ガス生成部の機能構成例を示すブロック図である。
【
図9】ガス発生装置の運転制御の一例を示す図である。
【
図10】ガス生成部の吸着・排気処理の状態例を示す図である。
【
図11】実施例に係るガス発生装置の前面側構成例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔一実施形態〕
図1は、一実施形態に係るガス発生装置を構成するタンクの配置構成例を示している。
図1に示す構成は一例であり、本発明が斯かる構成に限定されない。
図1は、ガス発生装置2を構成する機能部の一部を抜き出して表したものであり、たとえば配管やその他の構成を省略して示している。
このガス発生装置2は、吸着剤が充填された吸着タンク22内に原料空気を流し、この原料空気から目的とする製品ガスSGとそれ以外のガスとを分離させる、PSA式のガス分離機能を備える。分離された製品ガスSGは、吸着タンク22から製品タンク24側に集められた後、ガス負荷側に供給される。またそれ以外のガスは、排気ガスEGとしてガス発生装置2から外部に排出される。
【0016】
<タンク8の配置構成について>
このガス発生装置2は、たとえば
図1に示すように、最下部に配置されたベース部材4の載置面6上に複数のタンク8を備えている。ベース部材4は、本開示の台座部の一例である。このタンク8は、たとえば上下方向に開口部が向けられた円筒状であり、その開口部にそれぞれ蓋10が設置されている。タンク8は、たとえばアルミニウム(Al)などの金属材料で構成されている。この上下の蓋10は、たとえば4つの角部に近い位置に支持軸12が挿通されており、この支持軸12の端部に形成されたネジ山に対してナットなどの固定部材14を締め込むことで、タンク8の開口部に対して密着状態となっている。
ガス発生装置2には、たとえば縦横4基ずつの合計16基のタンク8がマトリクス(行列)状に配置されている。このとき隣接するタンク8間は、たとえば蓋10の側面を接触させ、または設定した微小な間隔をもって配置されている。
【0017】
タンク8の上面部には、たとえば蓋10の中央、またはそれに近い位置に、タンク内部からガスを通過させる通気部16を備えている。そのほか、ガス発生装置2には、たとえば装置の前面側に配置される複数のタンク8同士を一列に連通する第1の連通管18と、背面側に配置されたタンク8同士を連通する第2の連通管20を備えている。これらの連通管18、20は、近接するタンク8に対して通気部16を介して接続されており、タンク8内部のガスを取込んで所定の方向に流す。
【0018】
<連通管18、20について>
連通管18、20は、複数のタンク8に対して並列に接続されており、接続した複数のタンク8からガスを取込んで合流させて所定方向に流す、所謂マニホールドの一例である。第1の連通管18は、ガス発生装置2に対して前後方向に配置された3本のタンク8に接続されており、タンク8の内部が連通されている。
そしてガス発生装置2では、横方向に配置されるタンク8の数に応じて、4本の第1の連通管18が配置されている。
第2の連通管20は、ガス発生装置2の後部側に配置されており、横方向に並べられた4本のタンク8に接続されており、タンク8の内部が連通されている。
このガス発生装置2では、第1の連通管18が接続されたタンク8を吸着タンク22とし、第2の連通管20が接続されたタンク8を製品タンク24として用いる。
吸着タンク22には、内部に吸着剤が充填されておりタンク内部に流入する原料空気Airに接触させる。充填される吸着剤は、たとえば分子ふるい性能を有するカーボン(Carbon)材料、ゼオライト(Zeolite)などであって、粒状のほか膜状に形成されており、原料空気Airを接触させ、または通過させることで特定のガス成分を吸着する。PSA式ガス分離処理では、原料空気Airに含まれる成分に対する吸着させたいガス成分、または分離して取り出したいガス成分に応じて、吸着剤の種類やタンク8内の圧力状態を調整すればよい。
【0019】
<吸着ユニット26A、26B、26C、26Dについて>
またこのガス発生装置2は、第1の連通管18が接続された3本のタンク8を吸着タンク22とし、かつその背面側に隣接して配置された1本のタンク8を製品タンク24として組み合せた吸着ユニット26A、26B、26C、26Dを備えている。つまり各吸着ユニット26A、26B、26C、26Dは、それぞれ独立して製品ガスSGを生成するとともに、連通管20を通じてガス負荷側に製品ガスSGを供給することができる。
【0020】
<ガス発生装置2の前面側の構成例>
図2は、ガス発生装置2の前面側の配置構成例を示している。
このガス発生装置2では、横方向に区分された吸着ユニット26Aと吸着ユニット26Bをガス生成部Iとし、吸着ユニット26Cと吸着ユニット26Dをガス生成部IIとして組み合せて運転制御を行う。この吸着ユニット26Aおよび吸着ユニット26Cは、本開示の第1の吸着ユニットの一例であり、吸着ユニット26Bおよび吸着ユニット26Dは、この第1の吸着ユニットに対して異なるタイミングで吸着処理を行う、本発明の第2の吸着ユニットの一例である。またガス生成部Iは、本開示の第1のガス生成部の一例である。ガス生成部IIは、本開示の第2のガス生成部の一例である。
【0021】
ガス発生装置2には、たとえば
図2に示すように、装置の中央付近に原料空気Airを取込む給気管路30を備える。この給気管路30は、たとえば図示しないコンプレッサやその他のガス供給装置、もしくは工場やプラントなどに設置されるガス供給部に接続され、原料空気Airを取込む手段の一例である。この給気管路30には、たとえば各吸着ユニット26A、26B、26C、26D側にそれぞれ原料空気Airを流すための通気流路32A、32B、32C、32Dが接続されている。このように、給気管路30は、複数の通気流路32A、32B、32C、32Dが接続されており、内部を流れる原料空気Airを並列に分岐することから、マニホールドとして機能する。
ガス発生装置2には、たとえば通気流路32A、32B、32C、32D上に開閉弁CV1、CV2を備えており、これらの切替えにより、いずれの吸着ユニット26A、26B、26C、26Dに原料空気Airを取込むか否かが切替えられる。
通気流路32A、32B、32C、32Dを通じて取込んだ原料空気Airは、それぞれの流路34A、34B、34C、34D内を通過し、この流路に接続されたタンク8の底部側に流される。
【0022】
ガス発生装置2には、たとえば前面の上部側にガス流路36A、36B、36C、36Dを備えている。このガス流路36A、36B、36C、36Dは、吸着タンク22から取り出した製品ガスSGを取込んだ連通管18に接続されており、連通管18から流入する製品ガスSGを製品タンク24に流す管路の一例である。ガス流路36A、36B、36C、36Dには、たとえば連通管18に対するガスの流れを制御するための開閉弁CV6、CV7が接続されてもよい。
また連通管20は、たとえば
図3に示すように、一端にガス管路38が接続されている。このガス管路38は、生成された製品ガスSGを製品ガス排出管40に流すための手段の一例である。製品ガス排出管40は、ガス生成部I、ガス生成部IIからガス負荷側に製品ガスSGを供給する手段の一例である。
なお、製品ガス排出管40には、たとえば図示しない圧力計測手段や、製品ガスSGの純度などを計測するための計測手段が接続されてもよい。
【0023】
さらにガス発生装置2には、たとえば底部側に製品ガスSG以外のガスEGを流す排気管路42A、42B、42C、42Dを備えている。この排気管路42A、42B、42C、42Dは、たとえば流路34A、34B、34C、34Dと連通するとともに、原料空気Airへの混入を防止するための開閉弁CV3、CV4が接続されている。その他のガスEGの排気処理は、たとえば吸着タンク22の底部から流路34A、34B、34C、34Dを介して行われる。そして、排気管路42A、42B、42C、42Dは、たとえばベース部材4の内部に形成した図示しない排気部側に接続されており、流入した他のガスEGを排出させる。
【0024】
ガス発生装置2には、たとえば前面側に配置されたタンク8の一部または全部に接触または接近した位置に支持材44が立設される。この支持材44は、ガス発生装置2の支持筐体の一例であり、たとえば一端側がベース部材4の載置面6に立設または貫通して固定され、連結された複数のタンク8の一面を支持するとともに、図示しない圧力センサや流量計などの計器類およびそれらと電源もしくは制御部46との間で接続する信号線などを係合するための手段の一例である。
制御部46は、本発明の制御部の一例であり、開閉弁に対する動作指示の出力などのガス発生装置2の運転制御を行う機能部である。この制御部46には、たとえばガス発生装置2の前面側に向けて表示部48を備える。この表示部48には、ガス発生装置2の動作状態や設定値情報などが表示されるほか、ガス発生装置2に対する入力画面などが表示される。
【0025】
<タンク同士の連結構造>
マトリクス状に配置されたタンク8は、たとえば
図4に示すように、横方向に隣接するタンクの蓋10同士を連結板49で固定接続されている。この連結板49は、たとえば剛性のある金属材料で構成し、連結したタンク8同士を強固に固定してもよく、または柔軟性のある樹脂材量などで構成し、外部からの振動などを固定手段である連結板49によって吸収させてもよい。
【0026】
<底部側の構成例>
図5は、ガス発生装置の底部側の構成例を示している。
ガス発生装置2の底部側には、たとえば
図5に示すようにベース部材4の内部に収納空間が形成されており、流路34A、34B、34C、34Dや排気管路42A、42B、42C、42Dなどが収納されている。このうち、流路34A、34B、34C、34Dには、たとえば吸着ユニット26A、26B、26C、26D毎に、複数の吸着タンク22と接続する連通管50を備えている。この連通管50は、各タンク8の底部に配置された蓋10の通気孔に対し、通気部52を介して接続されており、流路34A、34B、34C、34Dを通じて流入した原料空気Airを吸着タンク22内に流すほか、吸着タンク22の排気行程において、その他のガスEGを取込んで流路34A、34B、34C、34D側に排出させる。これにより連通管50は、並列に接続した複数のタンク8に対し、ガスを分岐して流入、または流出させることから、所謂マニホールドとして機能する。
なお、連通管50の内径は、たとえば並列に接続した複数の吸着タンク22に対して均等にガスの流入、流出をさせるために、通気部52に対して十分に大きく設定されている。つまり、通気部52は、連通管50とタンク8との間で、流路を狭小化するオリフィスとして機能する。連通管50、通気部52の内径の比率は、たとえば圧力損失や設定したい流速などに基づくほか、管内やタンク内におけるガスの流動状態が層流または乱流となるように、任意に設定すればよい。
【0027】
<ガス発生装置2の機能構成例について>
図6は、ガス発生装置2の全体の機能構成例を示しており、
図7は、ガス生成部I、ガス生成部IIの機能構成例を示している。
図6、
図7に示す構成は一例である。
このガス発生装置2は、たとえば
図6に示すように、取込んだ原料空気Airが給気管路30を通じて取込まれる。この給気管路30には、たとえば圧力計PG1により管内の状態が監視されればよく、この監視結果が制御部46や図示しない計装ラインに通知されればよい。制御部46では、これらの監視結果、および動作制御プログラムによって各電磁弁SV1~SV5などに対して開閉指示を出力すればよい。
ガス発生装置2は、たとえば制御部46からの動作指示にしたがって、ガス生成部I、ガス生成部IIの運転制御が行われており、これらのいずれか一方または両方の運転によって生成された製品ガスSGが通気部16、連通管20を介し、製品ガス排出管40を通じて排出側に流される。この製品ガス排出管40には、たとえば製品ガスSGの状態監視手段として、圧力計PG4、PG5、PS2、流量計DFM1などを備えてもよい。これらの監視結果は、制御部46側に通知され、表示部48に表示されるほか、ガス発生処理の制御情報として利用される。
【0028】
ガス生成部I、ガス生成部IIは、たとえば
図7に示すように、給気管路30から流入した原料空気Airを、吸着工程に入る吸着タンク22に向けて流すように、開閉弁CV1、CV2が制御され、通気流路32A、32B、もしくは通気流路32C、32Dが開閉される。さらに、ガス生成部I、ガス生成部IIは、生成された製品ガスSGを製品タンク24側に流すために、開閉弁CV6またはCV7の開閉処理が行われる。
【0029】
ガス生成部I、ガス生成部IIは、排気行程となった吸着タンク22からのその他のガスEGを取込み、排気管路42A、42B、または排気管路42C、42Dのいずれかに流すように、開閉弁CV3、CV4の開閉制御を行う。そしてその他のガスEGは、排気管路42A、42B、または排気管路42C、42Dを通じて排気部62から装置外部、または図示しない排気処理装置側に排出される。
【0030】
<制御部46について>
図8は、制御部の構成例を示している。
制御部46は、たとえばガス発生装置2の筐体内部に収納される制御基板やシーケンサなどのPLC(Programmable Logic Controller)であって、コンピュータで形成される。また制御部46は、筐体外部に配置されたPC(Personal Computer)などを利用してもよい。制御部46は、たとえばプロセッサ(Processor)70、メモリ72、タイマ74、I/O(Input/Output)76や、既述の表示部48等が含まれる。
【0031】
プロセッサ70は、ガス発生装置2の基本動作を制御するOS(Operating System)や吸着・再生工程や均圧工程における開閉弁CV1~CV7、CV5’等の動作を制御するプログラムの演算手段の一例である。メモリ72は、記憶手段の一例であり、OSや各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)などの記憶領域や、プロセッサ70によるプログラムの演算処理を実行させるためのRAM(Random Access Memory)などの処理領域が含まれる。タイマ74は、吸着・再生工程、均圧工程などの処理時間を計時する手段の一例であり、ハードウェアとしてのタイマのほか、プログラムの実行により計時するソフトウェアタイマであってもよい。I/O76は、制御部46の外部インターフェースの一例であり、信号ケーブル用のコネクタや無線通信を利用する場合の送受信コネクタを備えてもよく、制御対象である開閉弁CV1~CV7、CV5’や圧力計PG1~PG5などの監視手段と接続される。
【0032】
<ガス生成部I、ガス生成部IIの運転制御>
図9は、ガス発生装置の運転制御の一例を示している。
ガス発生装置2では、たとえばガス生成部I、ガス生成部IIのいずれか一方または両方を動作させることで、製品ガスSGの供給量を調整することができる。つまりガス生成部I、ガス生成部IIは、たとえば同一のガス生成能力を有する吸着ユニット26A、26B、26C、26Dで構成されている。そこでガス発生装置2では、ガス生成部I、ガス生成部IIの運転台数を増減させて、供給可能なガス量を調整する。
図9に示すガス発生装置2では、たとえば要求されるガス需要に基づいて、制御部46からガス生成部I、ガス生成部IIに対して運転制御を行い、ガス生成部Iのみを動作させるように制御している。運転台数の制御は、たとえばガス生成部IIに対して原料空気Airを取込む開閉弁CV1、CV2のいずれも閉状態に制御してもよく、その他の制御手段を用いてもよい。
このような運転制御を行うことで、ガス発生装置2は、過剰な製品ガスSGの供給や、低い運転能力でガス生成部I、ガス生成部IIが運転するのを防止することができる。
なお、ガスの発生処理中に要求ガス量が増加、または減少した場合、制御部46は、たとえば停止中のガス生成部I、ガス生成部IIに対して運転開始指示を出力してもよく、または運転中のいずれかのガス生成部I、ガス生成部IIに対して運転停止指示を出力すればよい。
なお、運転台数の制御には、たとえばガス要求量の増加量、または減少量に応じて設定した閾値を利用すればよい。
【0033】
<ガス生成処理の工程について>
図10は、ガス生成部の吸着処理例を示している。
ガス生成部Iでは、吸着ユニット26A、26Bを異なる工程で動作させて連続的に製品ガスSGの生成処理を行っている。またガス生成部IIでも同様に、吸着ユニット26C、26Dを組み合せて動作させている。ここでは、ガス生成部Iにおける工程処理を示す。
吸着ユニット26A側の3つの吸着タンク22をそれぞれAT1-A、AT1-B、AT1-Cとし、吸着ユニット26B側の3つの吸着タンク22をそれぞれAT2-A、AT2-B、AT2-Cとする。
【0034】
原料ガスの吸着工程は、吸着ユニット26A、26B間で異なるタイミングで行われる。ガス製造処理では、吸着ユニット26A側の吸着工程と吸着ユニット26B側の再生工程が同時に行われる。この再生工程では、たとえば開閉弁CV4を開いてタンク内の圧力を大気圧に開放するとともに、吸着工程のタンク側から管路60を通じて高純度の製品ガスSGを流すことで、原料空気Airから分離した製品ガスSGの一部が吸着剤から離されて吸着部外に排出させる。再生処理では、吸着タンク22内を減圧して吸着能力を低下させることで、製品ガスSGのガス成分を離脱させていく。その後、吸着ユニット26A内の圧力が大気圧になると、吸着剤は特定のガス成分が豊富な状態となり、同時に吸着剤の周りも、特定のガス成分が豊富な状態となる。そのため、吸着剤は、それ以上特定のガス成分を脱着しなくなる。この管路60には、オリフィスOR1を備えている。このオリフィスOR1を通じて吸着タンク22内に製品ガスSGを適量流入させると、吸着剤の周りに製品ガスSGが送り込まれてその他のガスEGが追い出される。吸着剤は、特定のガス成分が吸着している細孔内とその周囲の特定のガス成分濃度に差ができ、この特定のガス成分の拡散力で、製品ガスSGとの置換が進んで脱着させることができる。これにより再生処理を完了させることができる。
【0035】
また、別タイミングで、吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-C側の再生工程と吸着タンクAT2-A、AT2-B、AT2-C側の吸着工程が同時に行われる。また吸着・再生工程の間には、均圧工程を実行する。開閉弁CV1~CV7、CV5’は、吸着工程を実行する吸着ユニット26A、26B側に原料ガスを流入し、製造された製品ガスSGを製品タンク24側に流す回路を形成するとともに、再生工程を実行する吸着ユニット26A、26B側を他の吸着ユニット26A、26Bから遮断し、排気通路を形成する。均圧工程では、吸着工程の実行に応じて、均圧流路を形成すればよい。
吸着ユニット26A、26Bの動作工程は、所定時間として、たとえば40(s)毎に工程を切替えればよく、または吸着・再生工程、均圧工程の実行時間は、一定の値に限られず、変動させてもよい。
【0036】
このガス生成処理は、本開示のガス製造処理方法の一例であり、処理手順や工程の内容は一例である。
ガス生成処理では、吸着・再生工程の開始処理として、ガス要求に基づき、ガスの製造流量などに基づいてガス生成部の運転台数が設定される。制御部46は、タイマ74による計時情報を利用して吸着・再生工程の実行時間の管理処理を行う。
【0037】
制御部46は、開閉弁CV1を開状態にするとともに、他の開閉弁CV2、CV3、CV6、CV7を閉状態にする。開閉弁CV1、CV6を開状態にさせて原料空気Airを吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-Cに流入させる。これにより吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-C内の圧力が上昇し、吸着剤によって特定のガス成分が優先的に吸着されていき、製品ガスSGの濃度(純度)が高まる。製品ガスSGは、開状態の開閉弁CV6を通じて製品タンク24に溜められ、高濃度ガスとして供給される。吸着ユニット26B側では、排気管路42Bの開放により内部圧力が低下していき、吸着剤に付着したガス成分が分離する。吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-Cから吸着タンクAT2-A、AT2-B、AT2-Cに製品ガスSGの一部がオリフィスOR1を通過して流入すると、残留したガス成分が排気管路42B側に流され、吸着剤が再生する。
【0038】
制御部46は、タイマ74から計時情報を受け、設定時間が経過するまで継続する。
【0039】
吸着・再生工程が完了すると、ガス発生装置2では、均圧工程を開始させる。この処理では、たとえば原料空気Airの流入停止や、製品タンク24内の残量ガス監視等を行う。制御部46は、タイマ74による計時情報を利用して均圧工程の実行時間の管理処理を行う。制御部46は、たとえば加圧状態の吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-C内の残留した製品ガスSGを吸着タンクAT2-A、AT2-B、AT2-C側に流して均圧する。この均圧工程は、タイマ74による時間制御で行えばよい。
【0040】
ガス発生装置2では、均圧工程が完了すると、吸着タンクAT2-A、AT2-B、AT2-C側で原料ガスの吸着工程を行い、吸着タンクAT1-A、AT1-B、AT1-Cで分離したガスを排気する再生行程を行えばよい。
【0041】
<一実施形態の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかの効果が得られる。
(1) 小容量で同形状のタンク8をマトリクス状に配置列し、隣り合うタンク同士を連結させることで、ガス発生装置2内部に無駄なスペースを形成させず、装置の小型化が図れる。
(2) 小容量の吸着タンク22を複数本一列に並べて配置し、同時にまたは所定のタイミングでガス生成処理を行い、製品ガスを製品タンク内に流入してガス需要側に流すことで、大小のガス需要に対して幅広く対応し、製品ガスの供給が可能となる。
(3) 一列に配置した吸着タンク22と製品タンク24で1の吸着ユニット26A、26B、26C、26Dを構成し、同様な吸着ユニットを横方向に配置し、製品ガスからのガス需要に連動して運転処理を切替えることで、ガス要求量に対する対応性が高められるほか、ガス発生装置2の省エネ化や省コスト化が図れる。
(4) 小容量のタンク8を並列に接続して各吸着ユニットの吸着部を形成することで、大容量タンクを用いた製品と同等のガス供給量を発揮しつつ、装置の設置や運転上の安全確保のリスクを低減することができる。
【0042】
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。
図11、12は、実施例に斯かるガス発生装置の構成例を示している。
図11、
図12において、
図2と同一部分には同一符号を付している。
このガス発生装置80は、本開示のガス発生装置の一例であり、一実施形態に示したガス発生装置2のベース部材4上に外装筐体を備える構成となっている。
ガス発生装置80は、たとえば
図11に示すように、前面側の一部に開閉可能な扉筐体82が設置されるとともに、前面側の残りの部分には固定筐体84が設置されている。扉筐体82および固定筐体84は、ともに金属性の板状部材で構成されればよく、ベース部材4の載置面6上に図示しない固定部や回動可能な支持部などを備えればよい。
扉筐体82の一部には、制御部46の表示部48を視認可能な窓部86を備えてもよい。
【0043】
さらにガス発生装置80は、たとえば
図12に示すように、背面側の一部に着脱可能な筐体88が設置されている。この筐体88には、たとえば給気管路30を配置させる挿通部90や、製品ガス排出管40を配置させる挿通部92を備えてもよい。
【0044】
<実施例の効果>
斯かる構成によれば、次のいずれかのような効果が得られる。
(1) 一実施形態と同様の効果が得られる。
(2) ガス発生装置2を工場やプラントなどに独立して設置する場合、装置内部に異物の混入を防止でき、装置の損傷や制御部のショートなどを防止できる。
【0045】
(変形例)
以上説明した実施形態および実施例について、変形例を以下に列挙する。
【0046】
(1) 上記実施形態では、同一の吸着ユニット26A、26B、26C、26Dを構成する吸着タンク22や製品タンク24間を連通管18、20、50で並列に接続する場合を示したが、これに限らない。吸着タンク22は、それぞれ独立した管路を製品タンク24に接続して製品ガスSGを流してもよい。また製品タンク24は、たとえばガス管路38に対してそれぞれ独立して接続してもよい。さらに、吸着タンク22は、たとえば流路34に対してそれぞれ独立した管路により原料空気Airの供給を受け、またはその他のガスEGを排出可能にしてもよい。
【0047】
(2) 上記実施形態では、全ての吸着タンク22に対して同量の原料空気Airを流入させる場合を示したがこれに限らない。各吸着ユニット26A、26B、26C、26D毎に、または吸着タンク22間で、原料空気Airの供給量を異ならせてもよい。原料空気Airの供給量は、たとえばタンク8の底部に設置される通気部52の開口径を異ならせるほか、連通管50の一部に流量調整手段を備えてもよい。
斯かる構成により、吸着ユニット26A、26B、26C、26D間で製品ガスSGの生成流量が異ならせることができる。これによりガス要求量に応じて動作させる吸着ユニット26A、26B、26C、26Dを切替ることで、ガス要求量に沿った製品ガスSGの供給が可能となる。
【0048】
(3) さらに上記実施形態では、同容量のガスタンクを備えることで、ガス生成部I、ガス生成部IIが同様のガス発生量である場合を示したが、これに限らない。ガス生成部I、ガス生成部IIを構成するガスタンクの容積を異ならせることで、ガス生成部Iと、ガス生成部IIのガス生成量を異ならせてもよい。
【0049】
(4) 上記ガス発生装置2において、ガス要求量に応じてガス生成部I、ガス生成部IIの運転台数を切替える場合を示すとともに、ガス要求量の変化に応じて運転台数を増減させる場合を示した。制御部46は、たとえばガス要求量の変化に対し、ガス生成部I、ガス生成部IIの運転台数を増加させる場合のガス要求量の閾値と、運転台数を減少させる場合のガス要求量の閾値を異なる値に設定してもよい。これにより、ガス発生装置2では、ガス要求量が閾値を境に増減を繰り返した場合でも、ガス生成部I、ガス生成部IIの運転の再開と停止を繰り返す、所謂チャタリングの発生を防止できる。
【0050】
(5) 上記実施形態では、吸着タンク22と製品タンク24が全て同容積のタンク8を利用し、これらのタンク8をマトリクス状に配列する場合を示したがこれに限らない。
このガス発生装置2では、たとえば同容積のタンク8をマトリクス状に配置して構成した吸着タンク22に対し、吸着タンク22の幅と同様の幅を持った単一または複数の容器を吸着タンク22に並べて配置し、製品タンク24として利用してもよい。
斯かる構成によれば、複数の吸着タンク22を連結する連通管20が不要になる。
【0051】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0052】
2、80 ガス発生装置
4 ベース部材
6 載置面
8 タンク
10 蓋
12 支持軸
14 固定部材
16 通気部
18、20、50 連通管
22 吸着タンク
24 製品タンク
26A、26B、26C、26D 吸着ユニット
30 給気管路
32A、32D、32C、32D 通気流路
34A、34B、34C、34D 流路
36A、36B、36C、36D ガス流路
38 ガス管路
40 製品ガス排出管
42A、42B、42C、42D 排気管路
44 支持材
46 制御部
48 表示部
49 連結板
52 通気部
60 管路
62 排気部
70 プロセッサ
72 メモリ
74 タイマ
76 I/O
80 ガス発生装置
82 扉筐体
84 固定筐体
86 窓部
88 筐体
90、92 挿通部