(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/32 20160101AFI20240201BHJP
G09F 9/33 20060101ALI20240201BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240201BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20240201BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240201BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240201BHJP
【FI】
G09G3/32 A
G09F9/33
G09F9/30 338
G09F9/302 C
G09G3/20 680H
G09G3/20 670C
G09G3/20 642K
G09G3/20 624B
H01L33/00 L
H01L33/00 J
(21)【出願番号】P 2020058847
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】林 宏宜
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0244559(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0366017(US,A1)
【文献】国際公開第2019/054178(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0251898(US,A1)
【文献】国際公開第2015/170493(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
G09F 9/33
G09F 9/30
G09F 9/302
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素を含む表示装置であって、
前記複数の画素の各々は、1つの走査線が共通して接続される、隣接して配置される第
1画素および第
2画素を含み、
前記第1画素は、
第1陽極および第1陰極を含む第1LEDチップと、
第2陽極および第2陰極を含む第2LEDチップと、
第1トランジスタと、
第2トランジスタと、を含み、
前記第1LEDチップと前記第2LEDチップとは、電気的に並列に接続され、
前記第1トランジスタのソース電極およびドレイン電極の一方は、第1電源電圧線と電気的に接続し、
前記第1トランジスタの前記ソース電極およびドレイン電極の他方は、前記第1陽極および前記第2陰極と電気的に接続し、
前記第1陰極および前記第2陽極は、第2電源電圧線と電気的に接続し、
前記第2トランジスタのソース電極およびドレイン電極の一方は、前記第1トランジスタのゲート電極と電気的に接続し、
前記第2トランジスタのゲート電極は、前記1つの走査線と電気的に接続し、
前記第2画素は、
第3陽極および第3陰極を含む第3LEDチップと、
第4陽極および第4陰極を含む第4LEDチップと、
第3トランジスタと、
第4トランジスタと、を含み、
前記第3LEDチップと前記第4LEDチップとは、電気的に並列に接続され、
前記第3トランジスタのソース電極およびドレイン電極の一方は、前記第1電源電圧線と電気的に接続し、
前記第3トランジスタの前記ソース電極およびドレイン電極の他方は、前記第3陽極および前記第4陰極と電気的に接続し、
前記第3陰極および前記第4陽極は、前記第2電源電圧線と電気的に接続し、
前記第4トランジスタのソース電極およびドレイン電極の一方は、前記第3トランジスタのゲート電極と電気的に接続し、
前記第4トランジスタのゲート電極は、前記1つの走査線と電気的に接続し、
前記第1電源電圧線の第1電位は、前記第2電源電圧線の第2電位と異なる表示装置。
【請求項2】
前記第1電位が前記第2電位より大きいとき、前記第2LEDチップは非発光状態である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2電位が前記第1電位より大きいとき、前記第1LEDチップは非発光状態である請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1電位が前記第2電位より大きいとき、前記第4LEDチップは非発光状態である請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電位は、前記第1電位より大きいとき、前記第3LEDチップは非発光状態である請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1電位が前記第2電位より大きい第1サブフレーム期間と、前記第2電位が前記第1電位より大きい第2サブフレーム期間とが順次選択される請求項4または請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1サブフレーム期間および前記第2サブフレーム期間の各々において、前記第1画素と接続する第1データ線と、前記第2画素と接続する第2データ線とが順次選択される請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1LEDチップは赤色LEDチップであり、前記第2LEDチップは緑色LEDチップである請求項4乃至請求項
7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第3LEDチップは青色LEDチップであり、前記第4LEDチップは白色LEDチップである請求項
8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1LEDチップ、前記第2LEDチップ、前記第3LEDチップ、および前記第4LEDチップの1つは赤外線LEDチップである請求項4乃至請求項
7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記複数の画素は、表示部に配置される請求項1乃至請求項
10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
表示部に液晶を含み、
前記複数の画素は、光源に配置される請求項1乃至請求項
10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示部は透光性を有する請求項
11または請求項
12に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は、LEDチップを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、液晶および光源を利用する表示装置である。液晶表示装置では、液晶に電圧を印加することで液晶の配列を変化させる。光源から出射された光は、液晶の配列の違いにより、透過し、または遮光される。すなわち、液晶表示装置では、液晶をスイッチとして利用し、光源からの出射光の透過または非透過を制御する。
【0003】
液晶表示装置の光源には、発光ダイオード(LED)を利用することができる。例えば、液晶表示装置の光源として、複数の、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、および青色LEDチップがマトリクス状に配列され、白色光が得られる光源(バックライトともいう。)を用いることができる。
【0004】
一方、LEDチップは、逆方向への電圧の印加などにより静電破壊が発生する場合がある。そのため、LEDチップの静電破壊を防止するため、保護ダイオードをLEDチップに対し並列的に接続する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、表示装置に含まれる発光素子に着目すると、近年、複数の画素の各々に、微小なLEDチップを配置したマイクロLED表示装置の開発が進められている。マイクロLED表示装置は、液晶表示装置と異なる自発光型表示装置であり、視認性に優れる。また、LEDチップは、発光効率が高く、寿命も長い。そのため、マイクロLED表示装置は、有機EL表示装置に代わる次世代ディスプレイとして期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の光源では、LEDチップ以外に別に保護ダイオードを形成する必要があり、製造コストが増加していた。また、保護ダイオードとしてLEDチップを用いることができるとの記載もあるが、保護ダイオードとして利用するLEDチップは、白色発光とは別に設けられており、光源の照射光を直接構成するものではない。
【0008】
本発明は、LEDチップを光源または表示素子として利用し、静電耐圧が高い表示装置を提供することを課題の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数の第1画素および複数の第2画素を含む表示装置であって、複数の第1画素の各々は、第1陽極および第1陰極を含む第1LEDチップと、第2陽極および第2陰極を含む第2LEDチップと、第1トランジスタと、を含み、第1トランジスタのソース電極およびドレイン電極の一方は、第1電源電圧線と電気的に接続し、第1トランジスタのソース電極およびドレイン電極の他方は、第1陽極および第2陰極と電気的に接続し、第1陰極および前記第2陽極は、第2電源電圧線と電気的に接続し、第1電源電圧線の第1電位は、第2電源電圧線の第2電位と異なる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の模式的な平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の表示部における画素の配列の平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素における画素回路の回路図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素回路におけるタイミングチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る表示装置の表示部における画素の配列の平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る表示装置の表示部の断面図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る表示装置において、生体認証の方法を説明する図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る表示装置において、生体認証の方法を説明する図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施形態において、図面等を参照しつつ説明する。但し、本発明は、その技術的思想の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施することができ、以下に例示する実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0012】
図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、図示の形状そのものが本発明の解釈を限定するものではない。また、図面において、明細書中で既出の図に関して説明したものと同様の機能を備えた要素には、別図であっても同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
【0013】
ある一つの膜を加工して複数の構造体を形成した場合、各々の構造体は異なる機能、役割を有する場合があり、また各々の構造体はそれが形成される下地が異なる場合がある。しかしながらこれら複数の構造体は、同一の工程で同一層として形成された膜に由来するものであり、同一の材料を有する。従って、これら複数の膜は同一層に存在しているものと定義する。
【0014】
ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接して、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0015】
本発明の各実施形態において、原則として、トランジスタが形成される基板からLEDチップに向かう方向を「上」と表記し、また、図示する。
【0016】
<第1実施形態>
図1~
図5を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の平面図である。
【0018】
図1に示すように、表示装置10は、表示領域100および周辺領域200を含む。周辺領域200は、表示領域100の外側に位置している。
【0019】
表示領域100は、画像または映像を表示する領域である。
図1に示す表示領域100の形状は、長辺および短辺を有する矩形であるが、表示領域100の形状の構成はこれに限られない。表示領域100の形状は、例えば、多角形、円形、または楕円など、表示装置10の大きさまたは形状に合わせた任意の形状とすることができる。
【0020】
表示領域100は、複数の画素110を含む。
図1に示す複数の画素110はマトリクス状に配列されている。しかし、複数の画素110の配列の構成はこれに限られない。複数の画素110は、例えば、千鳥状に配列することもできる。
【0021】
周辺領域200は、走査線駆動回路部210および端子部220を含む。
図1に示す走査線駆動回路部210は、表示領域100の矩形の長辺方向に沿って設けられている。しかしながら、走査線駆動回路部210の位置はこれに限られない。走査線駆動回路部210は、例えば、表示領域100の矩形の短辺方向に沿って設けることもできる。
【0022】
図1に示す走査線駆動回路部210は、表示領域100の矩形の長辺側の2か所に設けられているが、矩形の長辺側の1か所に設けられていてもよい。また、走査線駆動回路部210は、表示領域100の矩形の短辺側に設けられていてもよい。
【0023】
表示装置10は、端子部220を用いて、外部から電源または信号を供給することができる。そのため、端子部220は、外部と電気的に接続することができる複数の端子222を含む。
図1に示す複数の端子222は、フレキシブルプリント回路基板(FPC)300と電気的に接続されている。また、ドライバIC400が、フレキシブルプリント回路基板300上に設けられている。
【0024】
端子部220は、表示装置10の端部に設けられている。映像信号および制御信号は、表示装置10の外部に設けられたコントローラ(図示せず)から、フレキシブルプリント回路基板300を介して表示装置10に供給される。また、映像信号および制御信号は、ドライバIC400を介して表示装置10用の信号に変換され、それぞれ、複数の画素110および走査線駆動回路部210に入力される。さらに、映像信号および制御信号だけでなく、走査線駆動回路部210、ドライバIC400、および複数の画素110を駆動するための電源が表示装置10に供給される。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の表示領域100における画素110の配列の平面図である。
【0026】
図2に示す表示領域100では、複数の画素110が、m行×n列のマトリクス状に設けられている(mおよびnは自然数)。
図2に示すように、複数の画素110の各々は、第1画素110-1および第2画素110-2を含む。第1画素110-1には、第1LEDチップ120-1および第2LEDチップ120-2が設けられている。また、第2画素110-2は、第3LEDチップ120-3および第4LEDチップ120-4が設けられている。第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第3LEDチップ120-3、および第4LEDチップ120-4のそれぞれは、例えば、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップである。すなわち、第1画素110-1は赤色発光および緑色発光が可能な画素であり、第2画素110-2は青色発光および白色発光が可能な画素である。
【0027】
なお、以下の説明では、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ、第3LEDチップ120-3、および第4LEDチップ120-4を特に区別しないときは、便宜上、LEDチップ120として説明する場合がある。
【0028】
また、
図2に示すように、表示領域100は、第1走査線130-1、第2走査線130-2、・・・、第m走査線130-mを含む。さらに、表示領域100は、第1データ線140-1、第2データ線140-2、・・・、第2n-1データ線140-2n-1、第2nデータ線140-2nを含む。
【0029】
なお、以下の説明では、第1走査線130-1、第2走査線130-2、・・・、第m走査線130-mを特に区別しないときは、便宜上、走査線130として説明する場合がある。また、隣接する2つの走査線130を説明するときに、便宜上、2つの走査線130を、第1走査線130-1および第2走査線130-2として説明する場合がある。さらに、第1データ線140-1、第2データ線140-2、・・・、第2n-1データ線140-2n-1、第2nデータ線140-2nを特に区別しないときは、便宜上、データ線140として説明する場合がある。また、1つの画素110に接続する隣接する2つのデータ線140を説明するときに、便宜上、2つのデータ線140を、第1データ線140-1および第2データ線140-2として説明する場合がある。
【0030】
走査線130は、m行の画素110ごとに設けられている。すなわち、1つの走査線130が、1つの行内に配置されている複数の画素110に接続するように設けられている。一方、データ線140は、n列の画素110ごとに2つ設けられている。すなわち、2つのデータ線140が、1つの列内に配置されている複数の画素110に共通して接続するように設けられている。
【0031】
ここで、1つの画素110内における第1画素110-1および第2画素110-2と走査線130およびデータ線140との接続関係について説明する。走査線130は、第1画素110-1および第2画素110-2に共通して接続するように設けられている。一方、データ線140は、第1データ線140-1および第2データ線140-2が、それぞれ、第1画素110-1および第2画素110-2に接続するように設けられている。したがって、画素110は、走査線130および第1データ線140-1が選択されることによって、第1画素110-1に設けられた第1LEDチップ120-1または第2LEDチップ120-2からの発光が可能となる。同様に、走査線130および第2データ線140-2が選択されることによって、第2画素110-2に設けられた第3LEDチップ120-3または第4LEDチップ120-4からの発光が可能となる。
【0032】
図3を参照して、画素110を駆動する画素回路について説明する。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素110における画素回路の回路図である。
【0034】
図3に示すように、画素110は、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第3LEDチップ120-3、第4LEDチップ120-4、走査線130、第1データ線140-1、第2データ線140-2、第1駆動トランジスタ150-1、第2駆動トランジスタ150-2、第1選択トランジスタ160-1、第2選択トランジスタ160-2、第1容量素子170-1、第2容量素子170-2、第1電源電圧線180-1、第2電源電圧線180-2、および容量線190を含む。
【0035】
第1画素110-1は、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第1駆動トランジスタ150-1、第1選択トランジスタ160-1、および第1容量素子170-1を含み、走査線130、第1データ線140-1、第1電源電圧線180-1、第2電源電圧線180-2、および容量線190が接続されている。一方、第2画素110-2は、第3LEDチップ120-3、第4LEDチップ120-4、第2駆動トランジスタ150-2、第2選択トランジスタ160-2、および第2容量素子170-2を含み、走査線130、第2データ線140-2、第1電源電圧線180-1、第2電源電圧線180-2、および容量線190が接続されている。
【0036】
第2画素110-2の駆動は、第1画素110-1の駆動と同様であるため、ここでは、第1画素110-1内の接続関係および駆動について説明し、第2画素110-2内の接続関係および駆動については説明を省略する。
【0037】
走査線130は、第1選択トランジスタ160-1のゲート電極と電気的に接続している。第1選択トランジスタ160-1のソース電極およびドレイン電極の一方は、第1データ線140-1と電気的に接続し、第1選択トランジスタ160-1のソース電極およびドレイン電極の他方は、第1駆動トランジスタ150-1のゲート電極と電気的に接続している。第1駆動トランジスタ150-1のソース電極およびドレイン電極の一方は、第1電源電圧線180-1と電気的に接続し、第1駆動トランジスタ150-1のソース電極およびドレイン電極の他方は、第1LEDチップ120-1の陽極および第2LEDチップ120-2の陰極と電気的に接続している。第1LEDチップ120-1の陰極および第2LEDチップ120-2の陽極は、第2電源電圧線180-2と電気的に接続している。第1容量の電極の一方は、第1選択トランジスタ160-1のソース電極およびドレイン電極の他方と電気的に接続し、第1容量の電極の他方は、容量線190と電気的に接続している。
【0038】
走査線130が選択されると、第1選択トランジスタ160-1がオン状態となり、第1データ線140-1から第1駆動トランジスタ150-1のゲート電極に、信号電圧が供給される。また、第1駆動トランジスタ150-1がオン状態となり、第1電源電圧線180-1または第2電源電圧線180-2から第1LEDチップ120-1または第2LEDチップ120-2に、信号電圧に相当する電流が供給される。
【0039】
第1LEDチップ120-1と第2LEDチップ120-2とは、電気的に並列に接続されている。しかし、第1LEDチップ120-1と第2LEDチップ120-2とは、極性が逆向きとなるように並列に接続されている。すなわち、第1LEDチップ120-1に電流が供給されるとき、第2LEDチップ120-2に電流は供給されない。同様に、第2LEDチップ120-2に電流が供給されるとき、第1LEDチップ120-1に電流は供給されない。
【0040】
第1電源電圧線180-1の第1電位は、第2電源電圧線180-2の第2電位と異なる。第1電位が第2電位よりも大きいとき、第1電源電圧線180-1から第1LEDチップ120-1のみに電流が供給される。すなわち、第1LEDチップ120-1は発光状態であり、第2LEDチップ120-2は非発光状態である。一方、第2電位が第1電位よりも大きいとき、第2電源電圧線180-2から第2LEDチップ120-2のみに電流が供給される。すなわち、第2LEDチップ120-2は発光状態であり、第1LEDチップ120-1は非発光状態である。したがって、第1画素110-1の2つのLEDチップ120のうち、一方のLEDチップ120を発光状態とし、他方のLEDチップ120を保護ダイオードとして利用することができる。
【0041】
第1電源電圧線180-1と第2電源電圧線180-2との電位の切り替えは、基板500上に設けられた回路によって制御してもよく、ドライバIC400によって制御してもよい。
【0042】
図4を参照して、さらに画素回路の駆動について説明する。
【0043】
図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素回路のおけるタイミングチャートである。
図4では、第1走査線130-1、第2走査線130-2、・・・、第m走査線130-m、第1データ線140-1、第2データ線140-2、第1電源電圧線180-1、第2電源電圧線180-2、および容量線190のそれぞれの電位を示す。
【0044】
表示装置10は、1つのフレーム期間内に第1サブフレーム期間および第2サブフレーム期間を含む。
【0045】
第1サブフレーム期間では、第1電源電圧線180-1の第1電位が高電位(
図4のH)であり、第2電源電圧線180-2の第2電位が低電位(
図4のL)である。そのため、第1サブフレーム期間では、第1画素110-1の第1LEDチップ120-1および第2画素110-2の第3LEDチップ120-3が発光状態となる。
【0046】
第1走査線130-1が選択されると(
図4のH)、第1行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。第2走査線130-2が選択されると(
図4のH)、第2行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。同様に、第m走査線130-mが選択されると(
図4のH)、第m行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。
【0047】
複数の画素110の各々においては、第1データ線140-1が選択されると(
図4のH)、第1画素110-1の第1LEDチップ120-1からの発光が可能となる(
図4のL1[1]、L1[2]、・・・、L1[m])。また、第2データ線140-2が選択されると(
図4のH)、第2画素110-2の第3LEDチップ120-3からの発光が可能となる(
図4のL3[1]、L3[2]、・・・、L3[m])。すなわち、複数の画素110の各々において、第1データ線140-1と第2データ線140-2とが順次選択される。
【0048】
第2サブフレーム期間では、第2電源電圧線180-2の第2電位が高電位(
図4のH)であり、第1電源電圧線180-1の第1電位が低電位(
図4のL)である。そのため、第2サブフレーム期間では、第1画素110-1の第2LEDチップ120-2および第2画素110-2の第4LEDチップ120-4が発光状態となる。
【0049】
第1走査線130-1が選択されると(
図4のH)、第1行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。第2走査線130-2が選択されると(
図4のH)、第2行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。同様に、第m走査線130-mが選択されると(
図4のH)、第m行内に配置されている複数の画素110のLEDチップ120からの発光が可能となる。
【0050】
複数の画素110の各々においては、第1データ線140-1が選択されると(
図4のH)、第1画素110-1の第2LEDチップ120-2からの発光が可能となる(
図4のL2[1]、L2[2]、・・・、L2[m])。また、第2データ線140-2が選択されると(
図4のH)、第2画素110-2の第4LEDチップ120-4からの発光が可能となる(
図4のL4[1]、L4[2]、・・・、L4[m])。すなわち、複数の画素110の各々において、第1データ線140-1と第2データ線140-2とが順次選択される。
【0051】
したがって、第1サブフレーム期間では、第1LEDチップ120-1および第3LEDチップ120-3からの発光が可能であり、第2サブフレーム期間では、第2LEDチップ120-2および第4LEDチップ120-4からの発光が可能となる。表示装置10では、第1サブフレーム期間と第2サブフレーム期間とが順次繰り返し選択される。第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第3LEDチップ120-3、および第4LEDチップ120-4のそれぞれが、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップである場合、第1サブフレーム期間と第2サブフレーム期間とが順次選択されることで、表示装置10は、フルカラー表示が可能となる。
【0052】
図5を参照して、表示装置10の画素110の構成について説明する。
【0053】
図5は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の画素110の断面図である。具体的には、
図5は、第1画素110-1の断面図である。なお、第2画素110-2の構成は、第1画素110-1の構成と同様であるため、ここでは、第1画素110-1の構成について説明し、第2画素110-2の構成については説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、第1画素110-1は、基板500、第1配線層502、第2配線層504、第3配線層506、第4配線層507、第5配線層508、および保護層510、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、および第1駆動トランジスタ150-1を含む。なお、第1画素110-1は、第1選択トランジスタ160-1および第1容量素子170-1も含む。第1選択トランジスタ160-1は第1駆動トランジスタ150-1と同様の構成とすることができ、第1容量素子170-1は第1駆動トランジスタ150-1の絶縁層および電極を用いた構成とすることができるため、ここでは第1選択トランジスタ160-1および第1容量素子170-1の構成については説明を省略する。
【0055】
第1駆動トランジスタ150-1は、ソース電極およびドレイン電極152-1を含む。第1駆動トランジスタ150-1は、トップゲート型トランジスタであってもよく、ボトムゲート型トランジスタであってもよい。また、第1駆動トランジスタはの半導体層は、シリコン(アモルファスシリコンまたはポリシリコンなど)であってもよく、酸化物半導体(酸化亜鉛(ZnO)、酸化ガリウム(Ga2O3)、または酸化インジウムガリウム亜鉛(IGZO)など)であってもよい。また、第1駆動トランジスタ150-1は、pチャネル型であってもよく、nチャネル型であってもよい。
【0056】
第1LEDチップ120-1は、第1陽極122-1および第1陰極124-1を含む。第2LEDチップ120-2は、第2陽極122-2および第2陰極124-2を含む。
図5に示すLEDチップ120は、横型LED構造(水平電極構造)を有するが、LEDチップ120の構造はこれに限られない。LEDチップ120は、縦型LED構造(垂直電極構造)を有していてもよい。
【0057】
図5に示すように、第1配線層502、第2配線層504、および第1駆動トランジスタ150-1が、基板500上に設けられている。また、第1配線層502、第2配線層504、および第1駆動トランジスタ150-1を覆うように、保護層510が設けられている。保護層510の中に、第3配線層506が設けられていてもよい。第4配線層507および第5配線層508の各々は、保護層510の開口部および保護層510の上に設けられている。第1LEDチップ120-1および第2LEDチップ120-2の各々は、第3配線層506および第4配線層の上に設けられている。
【0058】
基板500は、基板500上に設けられる各層を支持する支持基板として機能することができる。基板500としては、例えば、ガラス基板、石英基板、およびサファイア基板などの剛性基板を用いることができる。基板500を透明基板とすれば、表示領域100が透光性を有する表示装置10となる。また、基板500としては、例えば、ポリイミド基板、アクリル基板、シロキサン基板、またはフッ素樹脂基板などの可撓性基板を用いることができる。可撓性基板の耐熱性を向上させるため、可撓性基板に不純物が導入されていてもよい。基板500が透光性を必要としない場合、基板500としては、例えば、シリコン基板、炭化シリコン基板、または化合物半導体基板などの半導体基板、もしくはステンレス基板などの導電性基板を用いることができる。なお、基板500は、上述した基板上に、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜が成膜されていてもよい。
【0059】
第1配線層502は、第1電源電圧線180-1の配線として機能することができる。第1配線層502の材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはタングステン(W)などの金属、若しくはこれらの合金を用いることができる。また、第1配線層502は、単層または積層とすることができる。
【0060】
第2配線層504は、第2電源電圧線180-2の配線として機能することができる。第2配線層504は、第1配線層502と同様の材料を用いることができる。
【0061】
第3配線層506は、第1配線層502と第1駆動トランジスタ150-1のソース電極およびドレイン電極152-1の一方とを電気的に接続する配線として機能することができる。第3配線層506は、第1配線層502と同様の材料を用いることができる。
【0062】
第4配線層507は、第1駆動トランジスタ150-1のソース電極およびドレイン電極152-1の他方と、第1LEDチップ120-1の第1陽極122-1および第2LEDチップ120-2の第2陰極124-2とを電気的に接続する配線として機能することができる。第4配線層507は、第1配線層502と同様の材料を用いることができる。
【0063】
第5配線層508は、第2配線層504と第1LEDチップ120-1の第1陰極124-1、および第2配線層504と第2LEDチップ120-2の第2陽極122-2とを電気的に接続する配線として機能することができる。第5配線層508は、第1配線層502と同様の材料を用いることができる。
【0064】
第1LEDチップ120-1および第2LEDチップ120-2の各々は、導電性接着剤を介して、第4配線層507および第5配線層508の上に実装することができる。そのため、第4配線層507と第1陽極122-1および第2陰極との間、第5配線層508と第1陰極124-1との間、ならびに第5配線層508との間に、接着層が設けられていてもよい。導電性接着剤としては、例えば、銀ペーストまたはハンダを用いることができる。また、接着層として、異方性導電膜(ACF)を用いることもできる。
【0065】
保護層510は、第1駆動トランジスタ150-1を保護し、第1駆動トランジスタ150-1の段差を平坦にすることができる。保護層510の材料としては、例えば、感光性アクリルまたは感光性ポリイミドなどの有機材料を用いることができる。また、保護層510の材料としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、または窒化アルミニウムなどの無機材料を用いることができる。また、保護層510は、単層または積層とすることができる。保護層510が積層である場合、無機材料と有機材料とを組み合わせた積層とすることもできる。
【0066】
以上、第1実施形態に係る表示装置10によれば、1つの画素回路を用いて2つのLEDチップ120を駆動することができる。そのため、表示領域100内に形成する画素回路の数を減らすことができる一方、表示領域100の画素数を増やすことができる。したがって、表示装置10は、高精細な表示装置となる。また、表示領域100内に形成する画素回路の数を減らすことができるため、表示領域100の開口率を高くすることができる。そのため、表示領域100は高い透光性を有する。したがって、表示装置10は、高い透光性を有する表示装置となる。さらに、表示装置10は、白色発光に寄与する2つのLEDチップ120のうち、一方のLEDチップ120を発光状態とし、他方のLEDチップ120を保護ダイオードとして利用することができる。したがって、表示装置10は、静電耐圧が高い表示装置となる。
【0067】
また、第4LEDチップ120-4は白色に限らず、赤、青、緑の色いずれかの色を発光するLEDであってもよい。すなわち、第4LEDチップ120-4は、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、および第3LEDチップ120-3のいずれかと同色の色を発光するLEDチップであってもよい。
【0068】
なお、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第3LEDチップ120-3、および第4LEDチップ120-4のそれぞれの発光色は、表示装置10のカラーバランスを考慮して選ぶこともできる。すなわち、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、第3LEDチップ120-3、および第4LEDチップ120-4は、任意の発光色の組合せとすることができる。例えば、第1画素110-1は、2つの赤色LEDチップ120Rを用いた赤色発光が可能な画素とし、第2画素110-2は緑色LEDチップ120Gおよび青色LEDチップ120Bを用い、緑色発光および青色発光が可能な画素としてもよい。
【0069】
<第2実施形態>
図6~
図8Bを参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置20の構成について説明する。
【0070】
図6は、本発明の一実施形態に係る表示装置20の表示領域100Aにおける画素110Aの配列の平面図である。以下では、第1実施形態に係る表示装置10の表示領域100と同様の構成については説明を省略し、主に、表示領域100と異なる構成について説明する。
【0071】
図6に示すように、複数の画素110Aの各々は、第1画素110-1および第2画素110A-2を含む。第1画素110-1には、第1LEDチップ120-1および第2LEDチップ120-2が設けられている。また、第2画素110A-2は、第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRが設けられている。第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、および第3LEDチップ120-3のそれぞれは、例えば、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップである。画素110Aは、第1LEDチップ120-1、第2LEDチップ120-2、および第3LEDチップ120-3を制御することによって白色発光が得られることが好ましい。
【0072】
また、
図6に示すように、表示領域100Aは、第1走査線130-1、第2走査線130-2、・・・、第m走査線130-mを含む。さらに、表示領域100Aは、第1データ線140-1、第2データ線140-2、・・・、第2n-1データ線140-2n-1、第2nデータ線140-2nを含む。
【0073】
走査線130は、第1画素110-1および第2画素110A-2に共通して接続するように設けられている。一方、データ線140は、第1データ線140-1および第2データ線140-2が、それぞれ、第1画素110-1および第2画素110A-2に接続するように設けられている。したがって、画素110Aは、走査線130および第1データ線140-1が選択されることによって、第1画素110-1に設けられた第1LEDチップ120-1または第2LEDチップ120-2からの発光が可能となる。同様に、走査線130および第2データ線140-2が選択されることによって、第2画素110A-2に設けられた第3LEDチップ120-3または赤外線LEDチップ120IRからの発光が可能となる。
【0074】
第2画素110A-2において、第3LEDチップ120-3と赤外線LEDチップ120IRとは、電気的に並列に接続されている。しかし、第3LEDチップ120-3と赤外線LEDチップ120IRとは、極性が逆向きとなるように並列に接続されている。すなわち、第3LEDチップ120-3に電流が供給されるとき、赤外線LEDチップ120IRに電流は供給されない。同様に、赤外線LEDチップ120IRに電流が供給されるとき、第3LEDチップ120-3に電流は供給されない。
【0075】
また、図示しないが、第1電源電圧線180-1の第1電位は、第2電源電圧線180-2の第2電位と異なる。第1電位が第2電位よりも大きいとき、第1電源電圧線180-1から第3LEDチップ120-3のみに電流が供給される。すなわち、第3LEDチップ120-3は発光状態であり、赤外線LEDチップ120IRは非発光状態である。一方、第2電位が第1電位よりも大きいとき、第2電源電圧線180-2から赤外線LEDチップ120IRのみに電流が供給される。すなわち、赤外線LEDチップ120IRは発光状態であり、第3LEDチップ120-3は非発光状態である。したがって、第2画素110A-2の2つのLEDチップ120のうち、一方のLEDチップ120を発光状態とし、他方のLEDチップ120を保護ダイオードとして利用することができる。
【0076】
第2サブフレーム期間では、第2電源電圧線180-2の第2電位が高電位であり、第1電源電圧線180-1の第1電位が低電位である。そのため、第2サブフレーム期間では、第1画素110-1の第2LEDチップ120-2および第2画素110A-2の赤外線LEDチップ120IRが発光状態となる。さらに、第2データ線140-2が選択されると、第2画素110A-2の第4LEDチップ120-4からの発光が可能となる。
【0077】
図7を参照して、表示装置20の画素110Aの構成について説明する。
【0078】
図7は、本発明の一実施形態に係る表示装置20の画素110Aの断面図である。具体的には、
図7は、第2画素110A-2の断面図である。
【0079】
図7に示すように、第2画素110A-2は、基板500、第1配線層502、第2配線層504、第3配線層506、第4配線層507、第5配線層508、保護層510、保護カバー520、受光素子530、第3LEDチップ120-3、赤外線LEDチップ120IR、および第2駆動トランジスタ150-2を含む。なお、第2画素110A-1は、第2選択トランジスタ160-2および第2容量素子170-2も含む。第2選択トランジスタ160-2は第2駆動トランジスタ150-2と同様の構成とすることができ、第2容量素子170-2は第2駆動トランジスタ150-2の絶縁層および電極を用いた構成とすることができるため、ここでは第2選択トランジスタ160-2および第2容量素子170-2の構成については説明を省略する。
【0080】
第3LEDチップ120-3は、第3陽極122-3および第3陰極124-3を含む。赤外線LEDチップ120IRは、第5陽極122-5および第5陰極124-5を含む。
【0081】
図7に示すように、第1配線層502、第2配線層504、受光素子530、および第2駆動トランジスタ150-2が、基板500上に設けられている。また、第1配線層502、第2配線層504、受光素子530、および第2駆動トランジスタ150-2を覆うように、保護層510が設けられている。保護層510の中に、第3配線層506が設けられていてもよい。第4配線層507および第5配線層508の各々は、保護層510の開口部および保護層510の上に設けられている。第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRの各々は、第3配線層506および第4配線層の上に設けられている。保護カバー520は、第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRの上に設けられている。
【0082】
保護カバー520は、第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRを保護することができる。保護カバー520は、保護カバー520と第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRとの間に間隙を有して設けることができきる。この場合、保護カバー520は、基板500または保護層510と接着されていることが好ましい。また、保護カバー520は、保護カバー520と第3LEDチップ120-3および赤外線LEDチップ120IRとの間に接着剤を充填して設けることもできる。保護カバー520は、基板500と同様の基板を用いることができる。なお、保護カバー520は、透光性を有することが好ましい。
【0083】
受光素子530は、赤外線を受光し、電気信号に変換することができる。受光素子530は、フォトダイオードであることが好ましい。フォトダイオードの半導体層としては、例えば、アモルファスシリコンなどの赤外線の波長に相当するバンドギャップを有する材料を用いることができる。
【0084】
表示装置20は、赤外線LEDチップ120IRおよび受光素子530を用いた生体認証を行うことができる。そこで、
図8Aおよび
図8Bを参照して、表示装置20における生体認証の方法について説明する。
【0085】
図8Aおよび
図8Bは、本発明の一実施形態に係る表示装置20において、生体認証の方法を説明する図である。なお、以下では、表示装置20における生体認証の一例として、指紋認証について説明するが、生体認証の方法は、これに限られない。表示装置20における生体認証は、例えば、静脈認証または掌紋認証などにも適用することができる。
【0086】
図8Aに示すように、指紋認証の対象物となる指600が、表示装置20の保護カバー520の上に置かれる。指600は、その表面に指紋を構成している凸部および凹部を有する。そのため、指600が保護カバー520に置かれた場合、保護カバー520と接する凸部と、保護カバー520と接しない凹部が存在する。
【0087】
表示装置20では、第2サブフレーム期間において、赤外線LEDチップ120IRから赤外光が出射される。出射された赤外光は、保護カバー520を透過し、保護カバー520と指600との界面で反射される。反射光は、受光素子530によって検知され、電気信号へと変換される。ここで、
図8Aに示すように、指紋の凹部では、保護カバー520と凹部との界面で全反射が起きる。そのため、指紋の凹部では反射光の強度はほとんど減衰しない。一方、
図8Bに示すように、指紋の凸部では、保護カバー520と凸部との界面で乱反射が起きる。また、指600の静脈によって赤外光が吸収される。そのため、指紋の凸部では反射光の強度が大きく減衰する。すなわち、指紋の凸部では反射光が強くなり、指紋の凹部では反射光が弱くなる。したがって、反射光の強弱を受光素子530で検知することによって、指600の指紋認証を行うことができる。
【0088】
以上、第2実施形態に係る表示装置20によれば、1つの画素回路を用いて2つのLEDチップ120を駆動することができる。そのため、表示領域100A内に形成する画素回路の数を減らすことができる一方、表示領域100Aの画素数を増やすことができる。したがって、表示装置20は、高精細な表示装置となる。また、表示領域100A内に形成する画素回路の数を減らすことができるため、表示領域100Aの開口率を高くすることができる。そのため、表示領域100Aは高い透光性を有する。したがって、表示装置20は、高い透光性を有する表示装置となる。さらに、表示装置20は、2つのLEDチップ120のうち、一方のLEDチップ120を発光状態とし、他方のLEDチップ120を保護ダイオードとして利用することができる。したがって、表示装置20は、静電耐圧が高い表示装置となる。
【0089】
また、表示装置20は、画素110A内に赤外線LEDチップ120IRおよび受光素子530を設けることで、生体認証が可能な表示装置となる。赤外線LEDチップ120IRは、他のLED120と同様に実装し、画素回路を共通化することができるため、表示装置20は、製造コストを抑制することができる。
【0090】
なお、第2実施形態では、赤外線LEDチップを用いる表示装置について説明したが、表示装置20は、使用する用途に応じたLEDチップ120を実装すればよい。すなわち、第2画素110A-2は生体認証以外のセンサとすることもできる。例えば、第2画素110A-2に実装されるLEDチップ120は、赤外線LEDチップ120IRに限らず、紫外線LEDチップまたはX線などの放射線源などの非可視光に置き換えることもできる。
【0091】
<第3実施形態>
図9を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置30の構成について説明する。
【0092】
図9は、本発明の一実施形態に係る表示装置30の断面図である。
【0093】
図9に示すように、表示装置30は、光源700、第1偏光板710、第1基板720、液晶素子730、第2基板740、および第2偏光板750を含む。すなわち、表示装置30は、液晶素子730を用いた液晶表示装置である。
【0094】
光源700は、液晶素子730のバックライトとして機能する。光源700には、LEDチップ120を用いることができる。具体的には、光源700は、複数の、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップをマトリクス状に配列し、白色光が得られる光源とすることができる。また、赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップは、第1実施形態の表示装置10の画素110と同様の構成とすることができる。すなわち、光源700においても、1つの画素回路を用いて2つのLEDチップ120を駆動することができる。
【0095】
また、光源700では、いくつかの区画に分割し、それぞれの区画に赤色LEDチップ、緑色LEDチップ、青色LEDチップ、および白色LEDチップを設け、各区画でLEDチップ120を制御してもよい。すなわち、光源700は、表示部の複数の画素に対して、1つの区画を設けてもよい。光源700をこのような構成とすることで、光源700に設けられるLEDチップ120の数を減らすことができる。また、光源700内に配列されるLEDチップ120間の距離を離すことができるため、光源700の開口率が高くなる。したがって、表示装置30は、高い透光性を有する表示装置となる。
【0096】
また、光源700は、輝度ムラを小さくするため、レンズまたは拡散板を含むことができる。
【0097】
なお、
図9に示す光源700は、表示装置30の平面部に設けられた、いわゆる直下型の構成であるが、光源700の構成はこれに限られない。光源700は、表示装置30の縁部に設けられた、いわゆるエッジ型の構成であってもよい。
【0098】
第1偏光板710および第2偏光板750は、光源700からの出射光を一定の方向に変更することができる。第1偏光板710と第2偏光板750とは、透過軸が直交する、いわゆるクロスニコルで設けることができる。
【0099】
第1基板720および第2基板740は、液晶素子730を支持し、保護することができる。第1基板720および第2基板740は、基板500と同様の基板を用いることができる。なお、第1基板720および第2基板740は、透光性を有することが好ましい。
【0100】
液晶素子730は、液晶および液晶に電圧を印加する電極を含む。液晶素子730は、液晶の一方の側に電極を設けた横電界駆動方式であってもよく、液晶を挟持して電極を設けた縦電界駆動方式のいずれであってもよい。
【0101】
また、液晶素子730は、フルカラー表示をするため、カラーフィルタを含むことができる。
【0102】
以上、第3実施形態に係る表示装置30によれば、光源700内において、1つの画素回路を用いて2つのLEDチップを駆動することができる。また、2つのLEDチップ120のうち、一方のLEDチップ120を発光状態とし、他方のLEDチップ120を保護ダイオードとして利用することができる。したがって、表示装置30は、静電耐圧が高い表示装置となる。
【0103】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。また、各実施形態を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略もしくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。
【0104】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0105】
10、20、30:表示装置、 100、100A:表示領域、 110、110A:画素、 110-1:第1画素、 110-2、110A-2:第2画素、 120:LEDチップ、 120-1:第1LEDチップ、 120-2:第2LEDチップ、 120-3:第3LEDチップ、 120-4:第4LEDチップ、 120IR:赤外線LEDチップ、 122-1:第1陽極、 122-2:第2陽極、 122-3:第3陽極、 122-5:第5陽極、 124-1:第1陰極、 124-2:第2陰極、 124-3:第3陰極、 124-5:第5陰極、 130:走査線、 130-1:第1走査線、 130-2:第2走査線、 130-m:第m走査線、 140:データ線、 140-1:第1データ線、 140-2:第2データ線、 140-2n-1:第2n-1データ線、 140-2n:第2nデータ線、 150-1:第1駆動トランジスタ、 150-2:第2駆動トランジスタ、 152-1:第1ソースおよびドレイン電極、 160-1:第1選択トランジスタ、 160-2:第2選択トランジスタ、 170-1:第1容量素子170-2:第2容量、 180-1:第1電源電圧線、 180-2:第2電源電圧線、 190:容量線、 200:周辺領域、 210:走査線駆動回路部、 220:端子部、 222:端子、 300:フレキシブルプリント回路基板(FPC)、 500:基板、 502:第1配線層、 504:第2配線層、 506:第3配線層、 507:第4配線層、 508:第5配線層、 510:保護層、 520:保護カバー、 530:受光素子、 600:指、 700:光源、 710:第1偏光板、 720:第1基板、 730:液晶素子、 740:第2基板、 750:第2偏光板