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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】エンジン始動制御装置
(51)【国際特許分類】
   F02N 15/00 20060101AFI20240201BHJP
   F02N 11/08 20060101ALI20240201BHJP
   F02D 29/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F02N15/00 E
F02N11/08 K
F02D29/02 321B
F02D29/02 321A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020060660
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021161868
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】ボッシュ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲也
【審査官】平井 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-190159(JP,A)
【文献】特開2019-100302(JP,A)
【文献】特開2013-189988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02N 1/00-99/00
F02D 29/00-29/06
F02D 43/00-45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン(10)の始動時にクランクシャフト(19)に対してスタータモータ(20)を連結して前記エンジン(10)を始動させるエンジン始動制御装置(50)において、
エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、前記エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得する取得部(51)と、
前記推定時間が経過したときに前記エンジンの始動を許可する始動許可部(53)と、を備え
前記始動許可回転数が、
前記スタータモータの駆動指令の出力から前記スタータモータが駆動し始めるまでの遅延時間を考慮して、ゼロより大きい値に設定される、エンジン始動制御装置。
【請求項2】
エンジン(10)の始動時にクランクシャフト(19)に対してスタータモータ(20)を連結して前記エンジン(10)を始動させるエンジン始動制御装置(50)において、
エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、前記エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得する取得部(51)と、
前記推定時間が経過したときに前記エンジンの始動を許可する始動許可部(53)と、を備え、
前記スタータモータ(20)は、前記エンジン回転数がゼロになる前であっても前記クランクシャフト(19)を回転可能なモータであり、
前記始動許可回転数は、前記スタータモータ(20)の駆動指令の出力から前記スタータモータ(20)が駆動し始めるまでの遅延時間が経過しても前記エンジン回転数がゼロより大きい値で前記スタータモータ(20)が駆動される値に設定される、エンジン始動制御装置。
【請求項3】
前記エンジン回転数に関連する情報が、前記エンジン回転数の減速度及び現在の前記エンジン回転数の情報である、請求項1又は2に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項4】
前記エンジン回転数の減速度が、複数の前記エンジン回転数の検出値を用いて最小二乗法により求められる、請求項に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項5】
前記取得部(51)は、
前記エンジン(10)の燃料噴射の停止後、前記エンジン回転数が所定の演算開始閾値まで低下した後に、前記推定時間を取得する、請求項1~4のいずれか1項に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項6】
前記取得部(51)は、
前記エンジン(10)に設けられたクランク角センサ(15)及びカム角センサ(17)のうちの少なくとも一方のセンサ信号が正常に検出されなくなったときに、前記推定時間の取得を終了する、請求項1~のいずれか1項に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項7】
前記取得部(51)は、
前記エンジン回転数が、前記エンジン回転数の計測値の信頼性が低下する回転数としてあらかじめ設定された演算終了閾値まで低下したときに、前記推定時間の取得を終了する、請求項1~のいずれか1項に記載のエンジン始動制御装置。
【請求項8】
エンジン(10)の始動時にクランクシャフト(19)に対してスタータモータ(20)を連結して前記エンジン(10)を始動させるエンジン始動制御装置(50)において、
エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、前記エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得する取得部(51)と、
前記推定時間が経過したときに前記エンジンの始動を許可する始動許可部(53)と、
を備え
前記取得部(51)は、
前記エンジン(10)に設けられたクランク角センサ(15)及びカム角センサ(17)のうちの少なくとも一方のセンサ信号が正常に検出されなくなったときに、前記推定時間の取得を終了する、エンジン始動制御装置。
【請求項9】
エンジン(10)の始動時にクランクシャフト(19)に対してスタータモータ(20)を連結して前記エンジン(10)を始動させるエンジン始動制御装置(50)において、
エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、前記エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得する取得部(51)と、
前記推定時間が経過したときに前記エンジンの始動を許可する始動許可部(53)と、
を備え
前記取得部(51)は、
前記エンジン回転数が、前記エンジン回転数の計測値の信頼性が低下する回転数としてあらかじめ設定された演算終了閾値まで低下したときに、前記推定時間の取得を終了する、エンジン始動制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン始動制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されたエンジン(内燃機関)においては、電動モータによりエンジンをクランキングしながら燃料を噴射するとともに燃料に点火し、エンジンを始動させることが行われている。このようなエンジン始動システムの一態様として、エンジンの始動時に、始動用の電動モータであるスタータモータに連結されたピニオンギヤを、エンジンのクランクシャフトに連結されたリングギヤに連結し、エンジンをクランキングさせるシステムがある。
【0003】
このような常時噛み合い式でないスタータモータを用いた始動システムでは、エンジンが完全に停止する前にスタータモータの使用を試みると、ピニオンギヤがリングギヤに適切に噛み合わず、部品の破損を招くおそれがある。このため、常時噛み合い式でないスタータモータを用いた始動システムでは、エンジンが停止したか否かを判定し、エンジンが停止したと判定されたときにエンジンの始動が許可される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-140939号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、燃料消費量の低減あるいは環境保護を目的として、エンジンの自動停止条件が成立したときにエンジンを停止させ、その後再始動条件が成立したときにエンジンを再始動させるアイドルストップシステムが実用化されている。近年では、燃料消費量のさらなる低減を目的として、交差点での一時的な停車時等の極短時間であってもエンジンを停止させるように制御される傾向にある。このため、車両の運転状況によっては、エンジンの停止後すぐに車両を発進させる操作が行われる場合があり、エンジンの始動性をさらに向上させることが望まれる。
【0006】
従来、エンジン制御システムの演算処理タスク構成は、エンジンの回転数が高回転のときであっても演算が遅れないように、エンジンが一定角度回転するごとに処理が実行される回転同期タスクにより構成されることが一般的である。例えば、エンジン回転数によって角速度が異なるために同じ噴射時期を狙って噴射する場合であっても進角させて噴射する等、演算周期を早めることが必要となる場合に、回転同期タスクは有利となる。一方、回転同期タスクは、必然的に低回転時には演算周期が長くなる。また、近年の低燃費化を目的とするエンジンのダウンサイジングにより気筒数が減らされたエンジンにおいては、4サイクル(720度回転)での燃料噴射、点火及び爆発の回数も減少し、エンジンの始動性に不利に作用する場合がある。このように、演算周期が長く、燃料噴射、点火及び爆発の頻度も低下する状況下で、速やかにエンジン停止を判定し、安全に再始動させることは困難になると考えられる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、エンジンの停止時期をより早く判定し、エンジンを速やかにかつ安全に再始動可能な、エンジン始動制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のある観点によれば、エンジンの始動時にクランクシャフトに対してスタータモータを連結してエンジンを始動させるエンジン始動制御装置であって、エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を算出する取得部と、推定時間が経過したときにエンジンの始動を許可する始動許可部と、を備える、エンジン始動制御装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本発明によれば、エンジンの停止時期をより早く判定し、エンジンを速やかにかつ安全に再始動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態に係るエンジン始動制御装置の構成例を示す模式図である。
図2】最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度の求め方を示す説明図である。
図3】同実施形態に係るエンジン始動制御装置による処理を示すフローチャートである。
図4】同実施形態に係るエンジン始動制御装置による処理の一例を具体的に示すフローチャートである。
図5】同実施形態に係るエンジン始動制御装置による処理の一例を具体的に示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<1.エンジン始動システムの全体構成>
まず、本実施形態に係るエンジン始動制御装置を適用可能なエンジン始動システムの全体構成を説明する。図1は、エンジン始動システム100の構成例を示す模式図である。なお、以下の説明において、エンジン始動制御装置50を、単に「制御装置50」と称する場合がある。
【0013】
エンジン始動システム100は、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジンに例示されるエンジン(内燃機関)10を、スタータモータ20を用いて始動させるシステムとして構築されている。以下、本実施形態に係るエンジン始動システム100を、ガソリンエンジンを例に採って説明する。
【0014】
エンジン10は、エンジン本体11及びシリンダヘッド13を備えている。エンジン本体11内には複数の気筒が形成され、それぞれの気筒内を図示しないピストンが進退移動する。ピストンは、クランクシャフト19の回転に伴い、クランクシャフト19が1回転するごとに1往復移動する。エンジン10は、それぞれの気筒に対応して、図示しない燃料噴射弁及び点火プラグを備えている。燃料噴射弁は、主として吸気行程において燃料を噴射し、気筒内に混合気を形成する。点火プラグは、圧縮行程の終期に混合気に点火する。燃料噴射弁及び点火プラグの駆動は、制御装置50により制御される。
【0015】
シリンダヘッド13には、それぞれの気筒に対応して、それぞれ少なくとも一つの吸気弁及び排気弁が設けられている。シリンダヘッド13は、カムシャフト35を備えている。カムシャフト35には、それぞれの吸気弁及び排気弁に対応して偏心カムが設けられている。それぞれの吸気弁及び排気弁は、カムシャフト35の回転に伴い、カムシャフト35が1回転するごとに1回開弁する。それぞれの気筒の吸気弁は、吸気行程において開弁する。それぞれの気筒の排気弁は、排気行程において開弁する。
【0016】
エンジン10のクランクシャフト19には第1のギヤ25が連結されている。カムシャフト35には第2のギヤ31が連結されている。第1のギヤ25と第2のギヤ31とはタイミングベルト33を介して連結され、クランクシャフト19の回転に伴ってカムシャフト35が回転する。例えば、クランクシャフト19が2回転するごとにカムシャフト35が1回転するように回転比が設定されている。エンジン本体11には、クランク角センサ15が設けられている。シリンダヘッド13には、カム角センサ17が設けられている。
【0017】
クランク角センサ15及びカム角センサ17のセンサ信号は、制御装置50に送信される。クランク角センサ15及びカム角センサ17は、例えば、クランクシャフト19あるいはカムシャフト35の回転に伴ってパルス信号を出力するパルスセンサである。パルスセンサは、シャフトの回転に伴って受ける磁束の変化を矩形波のパルス信号に変換して出力するセンサである。1パルス当たりに回転するシャフトの回転角が決められており、制御装置50は、入力されたパルス信号に基づいて回転角あるいは回転数を検出することができる。
【0018】
制御装置50は、クランク角センサ15のセンサ信号に基づいてクランクシャフト19の回転角及びクランクシャフト19の回転数(以下「エンジン回転数」ともいう)を検出し、燃料噴射時期や点火時期等を制御する回転同期タスクを実行する。また、制御装置50は、カム角センサ17のセンサ信号に基づいてカムシャフト35の回転角を検出し、検出したカムシャフト35の回転角を、気筒を判別するために使用する。
【0019】
なお、本実施形態においては、クランク角センサ15及びカム角センサ17としてパルスセンサを用いる例を説明するが、それぞれの角度センサは、パルスセンサに限られるものではなく、他の形式のセンサであってもよい。
【0020】
エンジン始動システム100は、エンジン10をクランキングさせるためのスタータモータ20を備える。スタータモータ20は、プランジャ29と、当該プランジャ29に連結されたピニオンギヤ21とを備える。プランジャ29及びピニオンギヤ21は、図示しない駆動機構により軸方向に進退移動可能に構成されている。ピニオンギヤ21は、進退移動に伴って、クランクシャフト19に連結されたリングギヤ23と噛み合い、又は、リングギヤ23から切り離される。スタータモータ20には、バッテリ41から電力が供給される。スタータモータ20の回転駆動及び上記駆動機構の駆動は、制御装置50による通電制御によって制御される。
【0021】
制御装置50は、エンジン10を始動させる操作入力を検出したときに、エンジン10の始動が許可されている場合に、エンジン10をクランキングさせてエンジン10を始動させる。制御装置50は、エンジン回転数に基づいてエンジン10の始動許可の可否を判定する。
【0022】
<2.エンジン始動制御装置の構成例>
ここまで、エンジン始動システム100の全体構成を説明した。次に、本実施形態に係るエンジン始動制御装置50の構成例を説明する。なお、エンジン始動制御装置50は、一つの制御装置で構成されてもよく、複数の制御装置で構成されてもよい。
【0023】
図1に示すように、制御装置50は、取得部51、始動許可部53及びエンジン制御部55を備える。本実施形態に係る制御装置50において、これらの各部は、マイクロコンピュータ等によるプログラムの実行により実現される機能である。この他、制御装置50は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の図示しない記憶部や電気回路を備える。記憶部には、マイクロコンピュータ等により実行されるプログラムや、演算処理に用いられる各種パラメータ、取得情報、演算結果等が記憶される。
【0024】
上述のように、制御装置50は、クランク角センサ15及びカム角センサ17のセンサ信号を取得可能になっている。また、制御装置50は、運転者によるブレーキペダルbrkの操作量及びシフトレバーGearの位置(シフトポジション)の情報を取得可能になっている。例えば、ブレーキペダルbrkの操作量の情報は、ブレーキシステムの入力軸のストローク量を検出するストロークセンサのセンサ信号であってもよく、ブレーキペダルbrkの踏力を検出する踏力センサのセンサ信号であってもよい。
【0025】
取得部51は、エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得する。本実施形態において、取得部51は、最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度、及び、現在のエンジン回転数に基づいて、エンジン回転数があらかじめ設定された始動許可回転数に到達するまでの推定時間を算出する。つまり、取得部51は、エンジン10のアイドリング中にエンジン10を停止させる入力があった場合に、最小二乗法によりエンジン回転数の減速度を求め、現在のエンジン回転数から始動許可回転数まで低下するまでの推定時間を算出する。
【0026】
始動許可回転数は、エンジン10の停止時に、エンジン回転数が当該始動許可回転数まで低下したときにエンジン10の始動を許可するための判定値であって、あらかじめ設定されて記憶部に記憶されている。始動許可回転数は、例えば0rpmであってもよいが、制御装置50によるスタータモータ20の駆動指令の出力からスタータモータ20が駆動し始めるまでの遅延時間を考慮して、0rpmよりも大きい値に設定されることが好ましい。これにより、スタータモータ20の制御における電気的あるいは機械的な遅延時間が生じる場合であっても、エンジン10の停止後、スタータモータ20のピニオンギヤ21がクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23に噛み合うまでの時間を短くすることができる。
【0027】
本実施形態に係る制御装置50において、取得部51は、最小二乗法によりエンジン回転数の減速度を求める。最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度を用いることにより、エンジン回転数の脈動が平均化されてばらつきを吸収することができる。エンジン10が停止する際、エンジン10自身の慣性力が弱くなってエンジン回転数があらかじめ設定された回転数未満になると、以降のエンジン回転数は直線的に変化する状態になる。このため、加重移動平均等の複雑な演算を行うことなく、最小二乗法によりエンジン回転数の減速度を求めることができる。取得部51は、例えば、10ミリ秒の周期タスクを用いて、クランク角センサ15のセンサ信号に基づき検出されるエンジン回転数を記憶する。記憶されるエンジン回転数を蓄積し、複数点のエンジン回転数から最小二乗法によりエンジン10が停止するまでの推定時間を演算する。最小二乗法で使用する母数は、記憶されているエンジン回転数のサンプル数による。
【0028】
図2は、最小二乗法によるエンジン回転数の減速度合いの求め方を示す説明図である。例えば、一定周期(Δt)ごとに設定された6個(k=1,2,3,4,5,6、すなわちn=6)の計測時間x(k)のそれぞれにおいてエンジン回転数Ne(=y(1),y(2),y(3),y(4),y(5),y(6))が検出されるとすると、エンジン停止までの推測時間を近似直線(回帰直線)y=-ax+bとしたときの傾きa及び切片bは、それぞれ下記式(1)及び(2)で表すことができる。
【0029】
【数1】
【0030】
また、最小二乗法による近似直線(回帰直線)で求めた傾きaが変速度D(k)として算出される。
【0031】
そして、それぞれの周期において算出される、エンジン回転数Neが始動許可回転数ne_alw_resに到達するまでの推定時間ti_presumは、最小二乗法による近似直線(回帰直線)で求めた切片bを用いて、下記式(3)で表すことができる。
【0032】
【数2】
【0033】
取得部51は、エンジン10の燃料噴射の停止後、検出されるエンジン回転数の減速度の脈動が小さくなった後に、推定時間の算出を開始してもよい。例えば、取得部51は、エンジン10の燃料噴射停止後、エンジン回転数が、エンジン回転数の脈動が小さくなる回転数としてあらかじめ設定された演算開始閾値まで低下した後に、推定時間の算出を開始してもよい。これにより、エンジン回転数が直線的に変化する状態になってから推定時間の算出を開始することができ、エンジン回転数の脈動が大きい期間のエンジン回転数がエンジン回転数の減速度の演算に用いられないようになる。このため、エンジン回転数の減速度、ひいては、推定時間の算出精度を高めることができる。演算開始閾値は、あらかじめ、あるいは、車両上で、エンジン10の停止時のエンジン回転数の変化を計測して適合された値とすることができる。
【0034】
取得部51は、推定時間の演算を開始した後、回転同期タスクが喪失するまでの間、すなわち一定周期(Δt)で計測したエンジン回転数y(n)とy(n-1)とに変化がなくなるまで、所定の周期で推定時間の更新を継続する。例えば、取得部51は、クランク角センサ15及びカム角センサ17から出力されるパルス信号に基づいて回転同期タスクが適切に実行されていることを示す回転同期信号が出力されている期間、所定の周期で推定時間の更新を継続する。エンジン回転数の低下に伴い、クランク角センサ15又はカム角センサ17から出力されるパルス信号の正確性が失われた場合、クランク角センサ15によるエンジン回転数の計測値の信頼性が低下する。このため、取得部51は、クランク角センサ15又はカム角センサ17のセンサ信号が正常に検出されなくなった後の推定時間の演算を行わないように構成されている。
【0035】
また、エンジン10においては、エンジン回転が完全に停止するまでの間に、クランクシャフト19が正回転、逆回転、正回転・・・といった揺り返し挙動を示すことがある。クランクシャフト19の逆回転中にスタータモータ20の駆動指令を出力した場合、ピニオンギヤ21がクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23に正しく噛み合うことができず、極端な場合には破損のおそれがある。このため、揺り返し挙動を検知した場合にはエンジン10の安全な再始動が困難になるおそれがあることから、推定時間の演算を行わないように構成されている。エンジン10の揺り返し挙動あるいは逆回転動作は、クランク角センサ15のセンサ信号の波形の形状に基づいて検知することができる。
【0036】
演算周期は、例えば、10ミリ秒とすることができるが、かかる周期に限定されない。取得部51は、回転同期タスクが喪失するまでに推定時間の更新を中止して、最新の推定時間を設定値としてもよいが、回転同期タスクが喪失するまでの間、推定時間の更新を継続することにより、推定時間の算出精度を高めることができる。
【0037】
あるいは、取得部51は、エンジン回転数が、エンジン回転数の計測値の信頼性が低下する回転数としてあらかじめ設定された演算終了閾値まで低下したときに、推定時間の演算を終了してもよい。例えば、あらかじめ、あるいは、車両上で回転同期タスクが喪失する回転数を学習し、当該回転数を演算終了閾値として設定してもよい。
【0038】
なお、取得部51は、他の演算処理装置が上記例示した演算方法により算出した推定時間の情報を取得してもよい。
【0039】
始動許可部53は、エンジン10の始動の可否を判定する。始動許可部53は、推定時間が経過したときにエンジン10の始動を許可する。例えば、取得部51による推定時間の演算が行われた時刻から、算出された推定時間が経過したときに、エンジンの始動を許可する。
【0040】
エンジン制御部55は、エンジン10の駆動を制御する。エンジン制御部55は、エンジン10を始動させる操作入力を検出した後、エンジン10の始動が許可されている場合に、エンジン10の始動制御を実行する。具体的に、エンジン制御部55は、スタータモータ20のピニオンギヤ21をクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23に噛み合わせるとともにスタータモータ20を駆動してエンジン10をクランキングさせながら、燃料噴射を行って混合気に点火する。完爆が生じることによって、エンジン10の始動が完了する。エンジン10の始動完了後には、エンジン制御部55は、燃料噴射弁及び点火プラグ等の駆動を制御して、エンジン10の制御を実行する。
【0041】
<3.動作>
次に、エンジン始動制御装置50の動作を説明する。
【0042】
(処理の概略)
まず、図3を参照して、エンジン始動制御装置50の処理の概略を説明する。図3は、エンジン始動制御装置50の処理の概略を示すフローチャートである。
【0043】
図3に示すように、制御装置50の取得部51は、エンジン回転数Neがゼロであり、エンジン10が停止しているか否かを判別する(ステップS10)。エンジン10が停止していると判定された場合(S10/Yes)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を許可する(ステップS19)。一方、エンジン10が停止していると判定されない場合(S10/No)、取得部51は、エンジン10の停止要求があるか否かを判別する(ステップS11)。例えば、エンジンアイドリング中に車両のイグニッションスイッチがオンの状態からオフの状態に切り替えられたときや、アイドルストップ制御におけるエンジン10の自動停止条件が成立したときに、取得部51は、エンジン10の停止要求があると判定する。エンジン10の始動許可を判定する処理は、エンジン10の停止動作中にのみ周期タスクでの演算を実施するため、エンジンアイドリング中にエンジン10の停止要求があるか否かを判定している。
【0044】
エンジン10の停止要求があると判定されない場合(S11/No)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を禁止する(ステップS21)。一方、エンジン10の停止要求があると判定された場合(S11/Yes)、制御装置50のエンジン制御部55は、燃料噴射を停止させる(ステップS13)。これにより、エンジン10は爆発力を失い、エンジン回転数が低下し始める。
【0045】
次いで、取得部51は、クランク角センサ15のセンサ信号に基づいて検出されるエンジン回転数から最小二乗法によりエンジン回転数の減速度を求めるとともに、エンジン回転数の減速度及び現在のエンジン回転数に基づいてエンジン回転数が始動許可回転数に到達するまでの推定時間を算出する(ステップS15)。例えば、取得部51は、エンジン回転数が始動許可回転数に到達するまでの残り時間を推定する。
【0046】
次いで、制御装置50の始動許可部53は、推定時間が経過したか否かを判別する(ステップS17)。例えば、始動許可部53は、現在の時刻から、ステップS15で推定された推定時間が経過したか否かを判別する。推定時間が経過していないと判定された場合(S17/No)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を禁止する(ステップS21)。一方、推定時間が経過したと判定された場合(S17/Yes)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を許可する(ステップS19)。
【0047】
エンジン10の再始動が許可された後、エンジン制御部55は、エンジン10の始動要求があるか否かを判別する(ステップS23)。例えば、車両のイグニッションスイッチがオフの状態からオンの状態に切り替えられたときや、アイドルストップ制御におけるエンジン10の再始動条件が成立したときに、エンジン制御部55は、エンジン10の始動要求があると判定する。エンジン制御部55は、エンジン10の始動要求があるまでステップS23の判別を繰り返す(S23/No)。
【0048】
エンジン10の始動要求があると判定された場合(S23/Yes)、エンジン制御部55は、エンジン10を始動させる(ステップS25)。具体的に、エンジン制御部55は、スタータモータ20のピニオンギヤ21をクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23に噛み合わせるとともにスタータモータ20を回転させてエンジン10をクランキングさせながら、燃料噴射を行って混合気に点火する。完爆が生じることによってエンジン10の始動が完了する。
【0049】
(処理の具体例)
次に、図4及び図5を参照して、エンジン始動制御装置50の処理の具体例を説明する。図4は、エンジン始動制御装置50の処理の具体例を示すフローチャートであり、図5は、エンジン10の動作を示すタイミングチャートである。なお、図4のフローチャートにおいて、図3のフローチャート中の処理ステップと同一の処理ステップには、同一の符号が付されている。
【0050】
また、図5には、推定時間ti_presum、再始動許可設定re-strt、エンジン回転数Ne、エンジン停止要求eng-stp、回転同期信号sync.gap、クランクパルス信号crk_pls及びカムパルス信号cm_plsの変化が示されている。再始動許可設定re-strtは、許可alw又は禁止prohtの2値で示され、エンジン停止要求eng-stpは、要求有req又は要求無not_reqの2値で示され、回転同期信号sync.gapは、検出fnd又は被検出not_fndの2値で示される。
【0051】
まず、取得部51は、エンジン回転数Neがゼロであり、エンジン10が停止しているか否かを判別する(ステップS10)。エンジン10が停止していると判定された場合(S10/Yes)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を許可する(ステップS19)。一方、エンジン10が停止していると判定されない場合(S10/No)、取得部51は、エンジンアイドリング中にエンジン10の停止要求があるか否かを判別する(ステップS11)。エンジン10の停止要求が入力される時刻t1までの期間、始動許可部53は、エンジン10の始動を禁止し(ステップS21)、取得部51は、ステップS11の判定を繰り返す。
図5に示したタイミングチャートにおいては、時刻t1までの期間、エンジン回転数Neは、アイドル回転数ne_id近傍で変動している。時刻t1においてエンジン10の停止要求が入力されると、エンジン制御部55は、燃料噴射を停止させる(ステップS13)。これにより、エンジン回転数Neが低下し始める。
【0052】
次いで、取得部51は、エンジン回転数Neが演算開始閾値ne_cal_staを下回ったか否かを判別する(ステップS31)。エンジン回転数Neが演算開始閾値ne_cal_staを下回っていない場合(S31/No)、始動許可部53は、エンジン10の始動を禁止し(ステップS21)、ステップS11~ステップS13の処理を繰り返す。これは、燃料噴射の停止直後には、エンジン10自身の慣性力の影響によってエンジン回転数Neの落ち込みが鈍いため、エンジン回転数Neが直線的に変化するエンジン回転数Neとなるまで待機するためである。
【0053】
時刻t2において、エンジン回転数Neが演算開始閾値ne_cal_staを下回ると(S31/Yes)、取得部51は、前回の周期で検出したエンジン回転数Ne(n-1)を再記憶するとともに、今回の周期で検出したエンジン回転数Ne(n)を記憶する(ステップS33)。次いで、取得部51は、今回の周期で検出したエンジン回転数Ne(n)の記憶が、演算を開始した後の初回の記憶であるか否かを判別する(ステップS35)。これは、少なくとも2点のサンプルがないと最小二乗法によりエンジン回転数Neの減速度を算出することができないからである。
【0054】
エンジン回転数Ne(n)の記憶が初回の記憶である場合(S35/Yes)、始動許可部53は、エンジン10の始動を禁止する(ステップS21)。以降、ステップS11~ステップS35の処理を繰り返す。一方、エンジン回転数Ne(n)の記憶が初回の記憶ではない場合(S35/No)、取得部51は、エンジン10の揺り返し挙動あるいはエンジン10の逆回転が検出されているか否かを判定する(ステップS36)。エンジン10の揺り返し挙動あるいはエンジン10の逆回転が検出されている場合(S36/Yes)、エンジン10の安全な再始動が困難になるおそれがあることから、推定時間ti_presumの演算を停止する(ステップS43)。
【0055】
一方、エンジン10の揺り返し挙動あるいはエンジン10の逆回転が検出されていない場合(S36/No)、取得部51は、回転同期信号(図5中「sync. gap」と表記)が未検出であるか否かを判定する(ステップS37)。回転同期信号が未検出でない場合(S37/No:sync. gap = found)、取得部51は、最小二乗法によりエンジン回転数Neの減速度を求めるとともに、エンジン回転数Neが始動許可回転数ne_alw_resに到達するまでの推定時間ti_presum(n)を算出することにより、エンジン回転数Neが始動許可回転数ne_alw_resに到達するまでの残り時間を推定する(ステップS39)。
【0056】
図5に示した例では、始動許可回転数ne_alw_resは、スタータモータ20の駆動指令の出力からスタータモータ20が駆動し始めるまでの電気的及び機械的な遅延時間を考慮して、0rpmよりも大きい値に設定されている。また、すでに0rpmよりも大きい回転数であっても再始動可能な、タンデムソレノイドスタータ等のスタータモータを用いる場合においては、始動許可回転数ne_alw_resを適切に設定することにより本発明を適用することができる。
【0057】
次いで、取得部51は、算出した推定時間ti_presum(n)を記憶し、推定時間ti_presumを更新する(ステップS41)。推定時間ti_presumの更新後、始動許可部53は、引き続きエンジン10の始動を禁止する(ステップS21)。以降、回転同期信号が未検出となる時刻t3までの期間、ステップS11~ステップS41の処理を繰り返す。ただし、取得部51が、エンジン10の揺り返し挙動あるいはエンジン10の逆回転を検出した時点で、推定時間ti_presumを算出する演算処理が最優先で中断され(ステップS43)、記憶されている推定時間ti_presumは今回のエンジン10の再始動には使用されない。
【0058】
なお、図5に示すように、エンジン回転数Neは徐々に低下しているため、更新される推定時間ti_presumは時間の経過とともに小さい値になる。
【0059】
時刻t3において、回転同期信号が未検出となった場合(S37/Yes:sync. gap = not found)、算出精度が保証できなくなることから、取得部51は、推定時間ti_presumの演算を終了する(ステップS43)。次いで、取得部51は、現在設定されている推定時間ti_presumが設定された時刻から当該推定時間ti_presumが経過したか否かを判別する(ステップS17)。推定時間ti_presumが経過していないと判定された場合(S17/No)、始動許可部53は、エンジン10の始動を禁止する(ステップS21)。以降、推定時間ti_presumが経過する時刻t4までの期間、ステップS11~ステップS17の処理を繰り返す。
【0060】
一方、時刻t4において、推定時間ti_presumが経過したと判定された場合(S17/Yes)、始動許可部53は、エンジン10の再始動を許可する(ステップS19)。エンジン10の再始動が許可された後、エンジン制御部55は、エンジン10の始動要求があるか否かを判別する(ステップS23)。エンジン制御部55は、エンジン10の始動要求があるまでステップS23の判別を繰り返す(S23/No)。エンジン10の始動要求があると判定された場合(S23/Yes)、エンジン制御部55は、エンジン10を始動させる(ステップS25)。完爆が生じることによってエンジン10の始動が完了する。
【0061】
以上説明したように、本実施形態に係るエンジン始動制御装置50によれば、エンジン10の燃料噴射を停止した後、実際にエンジン10が停止する前にエンジン10の停止を推定して、エンジン10の始動を許可する。その際に、エンジン始動制御装置50は、エンジン回転数に関連する情報に基づいて求められる、エンジン回転数が始動許可回転数に到達するまでの推定時間を取得し、当該推定時間が経過したときにエンジン10の始動を許可する。この始動許可回転数は、エンジン10の始動が許可された後、すぐにスタータモータ20を駆動させた場合であってもスタータモータ20のピニオンギヤ21とクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23とが適切に噛み合うように設定される。したがって、実際にエンジン10が停止したことを検出した後に始動を許可する場合に比べて、エンジン10の停止後、速やかにかつ安全にエンジン10を再始動させることができる。
【0062】
また、本実施形態に係るエンジン始動制御装置50は、エンジン回転数に関連する情報として、最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度、及び、現在のエンジン回転数の情報を用いる。これにより、エンジン回転数の減速度の推定精度が高められ、エンジン回転数が始動許可回転数に到達するまでの推定時間を精度よく推定することができる。
【0063】
始動許可回転数は、スタータモータ20の駆動指令の出力からスタータモータ20が駆動し始めるまでの電気的又は機械的な遅延時間を考慮して、スタータモータ20のピニオンギヤ21とクランクシャフト19に連結されたリングギヤ23とが適切に噛み合うように、ゼロよりも大きい値に設定される。したがって、実際にエンジン10が停止する前にクランクシャフト19のリングギヤ23に対してスタータモータ20のピニオンギヤ21の係合動作が行われることがなく、また、エンジン10の停止後、速やかにクランクシャフト19のリングギヤ23に対してスタータモータ20のピニオンギヤ21を噛み合わせることができる。
【0064】
あるいは、スタータモータ20が、エンジン回転数がゼロになる前であってもクランクシャフト19を回転可能なモータである場合、始動許可回転数は、スタータモータ20の駆動指令の出力からスタータモータ20が駆動し始めるまでの遅延時間が経過してもエンジン回転数がゼロより大きい値でスタータモータ20が駆動される値に設定される。したがって、実際にエンジン10が停止する前に、速やかにクランクシャフト19のリングギヤ23に対してスタータモータ20のピニオンギヤ21を噛み合わせることができる。
【0065】
本実施形態に係るエンジン始動制御装置50は、既存のエンジン始動システムに対してソフトウェアを追加ないし改良することで、生産コストの上昇を抑制しつつ、速やかかつ安全なエンジン10の始動を可能にすることができる。
【0066】
また、本実施形態に係るエンジン始動制御装置50は、エンジン10の燃料噴射を停止した後、エンジン回転数の脈動が小さくなった後、例えば、エンジン回転数があらかじめ設定された演算開始閾値まで低下した後に、推定時間を取得する。このため、最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度の精度が高められ、エンジン10の始動を許可する時期を適切に設定することができる。
【0067】
また、本実施形態に係るエンジン始動制御装置50は、推定時間の取得を開始した後、回転同期信号が未検出になったときに推定時間の取得を終了する。このため、最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度の精度が高められ、エンジン10の始動を許可する時期を適切に設定することができる。回転時信号が未検出になったときに代えて、エンジン回転数が、あらかじめ設定された演算終了閾値まで低下したときに、推定時間の取得を終了させてもよい。これによっても、最小二乗法により求められるエンジン回転数の減速度の精度が高められる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0069】
10 エンジン
15 クランク角センサ
17 カム角センサ
19 クランクシャフト
20 スタータモータ
21 ピニオンギヤ
23 リングギヤ
50 エンジン始動制御装置
51 取得部
53 始動許可部
55 エンジン制御部
図1
図2
図3
図4
図5