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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/24 20190101AFI20240201BHJP
【FI】
G07D11/24
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020088271
(22)【出願日】2020-05-20
(65)【公開番号】P2021182331
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小家 善朗
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-211394(JP,A)
【文献】特開2016-091485(JP,A)
【文献】特開2014-170421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00 - 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金種別の現在の在高に係る情報を示す装置情報表示と操作の入力に使用する操作表示部と、当該操作表示部の表示を制御する制御部とを備える貨幣処理システムと、
前記貨幣処理システムと同じ空間に設けられ、前記操作表示部に表示された前記装置情報を撮像範囲の一部として撮像する撮像装置と、
前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を含む画像データを取得する管理端末と、
を有する管理システム。
【請求項2】
前記貨幣処理システムは、
基準在高を記憶する基準在高記憶部と、
前記基準在高と金種別の現在の在高とを比較するとともに差額を算出する差額算出部と、
を更に有し、
前記制御部は、前記差額算出部で算出した差額に係る情報を前記装置情報として前記操作表示部に表示させる、
請求項に記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理端末は、
前記貨幣処理システムの基準在高を記憶する記憶部と、
前記基準在高と前記装置情報から取得した金種別の現在の在高とを比較して差額を算出する差額算出部と、
を有する、請求項に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理端末は、
前記貨幣処理システムの現在の在高が所定の在高以下、又は、所定の在高以上となった場合に報知する報知手段を更に有する、
請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
現在の在高に係る情報を装置情報として表示する表示部と、当該表示部の表示を制御する制御部とを備える、貨幣処理システムと、
前記表示部に表示された前記装置情報を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を取得する管理端末と、
を有し、
前記装置情報は、前記貨幣処理システムに補充された貨幣に係る補充情報を含み、
前記管理端末は、
貨幣を出金する出金手段と、
前記出金手段によって出金した出金情報を記憶する出金情報記憶手段と、
前記出金情報と前記補充情報とを比較する比較手段とを更に有する
管理システム。
【請求項6】
前記装置情報は、当該装置情報を表示する前記貨幣処理システムを特定する情報を含み、
前記出金情報は、いずれの前記貨幣処理システムに対する出金であるかの情報を含み、
前記比較手段は、前記出金情報に含まれる前記貨幣処理システムを特定する情報と前記補充情報に含まれる当該貨幣処理システムを特定する情報とに基づいて、比較すべき前記出金情報および前記補充情報を特定する、
ことを特徴とする請求項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理端末は、前記差額算出部が算出した差額を出金する出金手段を有する、
ことを特徴とする請求項、又は、請求項、又は、請求項に従属する請求項、又は、請求項に従属する請求項に記載の管理システム。
【請求項8】
前記装置情報は、前記貨幣処理システムから回収された貨幣に係る回収情報を含み、
前記管理端末は、貨幣を入金する入金手段と、
前記入金手段によって入金された入金情報を記憶する入金情報記憶手段と、
前記入金情報と前記回収情報とを比較する比較手段と、
を有することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項9】
現在の在高に係る情報を装置情報として表示する表示部と、当該表示部の表示を制御する制御部とを備える、貨幣処理システムと、
前記表示部に表示された前記装置情報を撮像する撮像装置と、
前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を取得する管理端末と、
を有し、
前記装置情報は、当該装置情報を表示する前記貨幣処理システムを特定する情報と、当該貨幣処理システムから回収された貨幣に係る回収情報とを含み、
前記管理端末は、貨幣が回収された前記貨幣処理システムを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、貨幣を入金する入金手段と、前記入金手段によって入金された入金情報を記憶する入金情報記憶手段と、前記入金情報と前記回収情報とを比較する比較手段と、
を有し、
前記入金情報は、前記受付手段で受け付けた前記貨幣処理システムを特定する情報を含み、
前記比較手段は、前記回収情報に含まれる前記貨幣処理システムを特定する情報と前記入金情報に含まれる当該貨幣処理システムを特定する情報とに基づいて、比較すべき当該回収情報および当該入金情報を特定する
管理システム。
【請求項10】
前記装置情報は、前記貨幣処理システムの異常に関する情報を含む、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項11】
前記装置情報は、前記貨幣処理システムから貨幣が回収済みであることを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項12】
前記管理端末は、前記比較手段の比較の結果を記憶する比較結果記憶手段を更に有する、請求項又はに記載の管理システム。
【請求項13】
前記管理端末は、前記比較手段の比較の結果を報知する報知手段を更に有する、請求項又はに記載の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及び管理端末に関する。
【背景技術】
【0002】
釣り銭機には、釣り銭として準備する貨幣の基準値を設定する機能が設けられている。以下では、釣り銭として準備する貨幣を「準備金」といい、その基準値を「基準在高」という。例えば釣り銭機に収容されている準備金の在高が基準在高より少なくなると、人手により不足額が釣り銭機に補充される。
特許文献1には、釣り銭機に収容されている準備金の不足額を表すQR(=Quick Response)コードを印字したレシートを、釣り銭機に接続されたPOS(=Point Of Sales)レジスタから出力し、当該レシートのQRコードを入出金機で読み取ることで不足額を出金することができる貨幣管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-91485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、POSレジスタは売り場内に配置される一方、不足額の出金に使用される入出金機はバックオフィスと呼ばれる店舗奥に配置される。このため、現場の従業員は、不足額を表すQRコード(登録商標)が印字されたレシートをPOSレジスタから入出金機の場所まで移動し、その後、入出金機から出力された貨幣を釣り銭機の場所まで移動して補充する必要がある。また、店舗奥で勤務しているスタッフが売り場内を巡回し、各POSレジスタから釣り銭機の準備金の不足額を表すQRコードが印字されたレシートを集める場合には、更に移動の距離が長くなる。
【0005】
本発明は、管理の対象システムの状態の管理に関する作業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、金種別の現在の在高に係る情報を示す装置情報表示と操作の入力に使用する操作表示部と、当該操作表示部の表示を制御する制御部とを備える貨幣処理システムと、前記貨幣処理システムと同じ空間に設けられ、前記操作表示部に表示された前記装置情報を撮像範囲の一部として撮像する撮像装置と、前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を含む画像データを取得する管理端末と、を有する管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記貨幣処理システムは、基準在高を記憶する基準在高記憶部と、前記基準在高と金種別の現在の在高とを比較するとともに差額を算出する差額算出部と、を更に有し、前記制御部は、前記差額算出部で算出した差額に係る情報を前記装置情報として前記操作表示部に表示させる、請求項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記管理端末は、前記貨幣処理システムの基準在高を記憶する記憶部と、前記基準在高と前記装置情報から取得した金種別の現在の在高とを比較して差額を算出する差額算出部と、を有する、請求項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記管理端末は、前記貨幣処理システムの現在の在高が所定の在高以下、又は、所定の在高以上となった場合に報知する報知手段を更に有する、請求項のいずれか1項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、現在の在高に係る情報を装置情報として表示する表示部と、当該表示部の表示を制御する制御部とを備える、貨幣処理システムと、前記表示部に表示された前記装置情報を撮像する撮像装置と、前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を取得する管理端末と、を有し、前記装置情報は、前記貨幣処理システムに補充された貨幣に係る補充情報を含み、前記管理端末は、貨幣を出金する出金手段と、前記出金手段によって出金した出金情報を記憶する出金情報記憶手段と、前記出金情報と前記補充情報とを比較する比較手段とを更に有する管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記装置情報は、当該装置情報を表示する前記貨幣処理システムを特定する情報を含み、前記出金情報は、いずれの前記貨幣処理システムに対する出金であるかの情報を含み、前記比較手段は、前記出金情報に含まれる前記貨幣処理システムを特定する情報と前記補充情報に含まれる当該貨幣処理システムを特定する情報とに基づいて、比較すべき前記出金情報および前記補充情報を特定する、ことを特徴とする請求項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記管理端末は、前記差額算出部が算出した差額を出金する出金手段を有する、ことを特徴とする請求項、又は、請求項、又は、請求項に従属する請求項、又は、請求項に従属する請求項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、前記装置情報は、前記貨幣処理システムから回収された貨幣に係る回収情報を含み、前記管理端末は、貨幣を入金する入金手段と、前記入金手段によって入金された入金情報を記憶する入金情報記憶手段と、前記入金情報と前記回収情報とを比較する比較手段と、を有することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の管理システムである。
請求項に記載の発明は、現在の在高に係る情報を前記装置情報として表示する表示部と、当該表示部の表示を制御する制御部とを備える、貨幣処理システムと、前記表示部に表示された前記装置情報を撮像する撮像装置と、前記撮像装置に通信可能に接続され、当該撮像装置が撮像した前記装置情報を取得する管理端末と、を有し、前記装置情報は、当該装置情報を表示する前記貨幣処理システムを特定する情報と、当該貨幣処理システムから回収された貨幣に係る回収情報とを含み、前記管理端末は、貨幣が回収された前記貨幣処理システムを特定する情報の入力を受け付ける受付手段と、貨幣を入金する入金手段と、前記入金手段によって入金された入金情報を記憶する入金情報記憶手段と、前記入金情報と前記回収情報とを比較する比較手段と、を有し、前記入金情報は、前記受付手段で受け付けた前記貨幣処理システムを特定する情報を含み、前記比較手段は、前記回収情報に含まれる前記貨幣処理システムを特定する情報と前記入金情報に含まれる当該貨幣処理システムを特定する情報とに基づいて、比較すべき当該回収情報および当該入金情報を特定する管理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記装置情報は、前記貨幣処理システムの異常に関する情報を含む、ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の管理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記装置情報は、前記貨幣処理システムから貨幣が回収済みであることを示す情報を含む、ことを特徴とする請求項10のいずれか1項に記載の管理システムである。
請求項12に記載の発明は、前記管理端末は、前記比較手段の比較の結果を記憶する比較結果記憶手段を更に有する、請求項又はに記載の管理システムである。
請求項13に記載の発明は、前記管理端末は、前記比較手段の比較の結果を報知する報知手段を更に有する、請求項又はに記載の管理システムである
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、管理の対象システムの状態の管理に関する作業者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】スーパー等の店舗内に構築される店内システムの概略構成例を示す図である。
図2】釣り銭機の外観構成例を示す図である。
図3】実施の形態1で使用する釣り銭機の制御系に関する構成例を説明する図である。
図4】実施の形態1で使用する監視サーバの制御系に関する構成例を説明する図である。
図5】入出金機の外観構成例を示す図である。
図6】実施の形態1で使用する入出金機の制御系に関する構成例を説明する図である。
図7】釣り銭機に準備金の不足が発生した場合の処理の流れを概念的に説明する図である。
図8】実施の形態1における店内システムで実行される処理動作の概要を説明する図である。
図9】入出金機の表示操作部に表示される管理画面の一例を説明する図である。
図10】釣り銭機から準備金を回収する場合の処理の流れを概念的に説明する図である。
図11】実施の形態1における店内システムで実行される他の処理動作の概要を説明する図である。
図12】入出金機の表示操作部に表示される管理画面の他の一例を説明する図である。
図13】実施の形態2で使用する監視サーバの制御系に関する構成例を説明する図である。
図14】実施の形態2における店内システムで実行される処理動作の概要を説明する図である。
図15】実施の形態3で使用する釣り銭機の制御系に関する構成例を説明する図である。
図16】実施の形態3で使用する入出金機の制御系に関する構成例を説明する図である。
図17】実施の形態3における店内システムで実行される処理動作の概要を説明する図である。
図18】実施の形態4における釣り銭機に接続されたPOSレジスタを説明する図である。
図19】実施の形態5における店内システムの概略構成例を示す図である。
図20】実施の形態5で使用する入出金機の制御系に関する構成例を説明する図である。
図21】実施の形態5で使用する監視サーバの制御系に関する構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、スーパー等の店舗内に構築される店内システム1の概略構成例を示す図である。
図1に示す店内システム1は、売り場10とバックオフィス20を跨いで構成される。
売り場10には、釣り銭機11、釣り銭機11の表示部を撮像範囲に含む監視カメラ12、釣り銭機11に接続される不図示のPOSレジスタ等が配置されている。
釣り銭機11と不図示のPOSレジスタは対で配置される。因みに、監視カメラ12は、店内ネットワーク30に接続されており、画像データをリアルタイムでアップロードする。
【0010】
バックオフィス20には、監視カメラ12から送信される画像データのアップロード先となる監視サーバ21、監視サーバ21と通信する入出金機22等が配置される。
本実施の形態における店内ネットワーク30は、例えばLAN(Local Area Network)ケーブルで構成される。もっとも、店内ネットワーク30の一部は無線LANでもよい。
本実施の形態における釣り銭機11は、管理の対象システムの一例である。本実施の形態における監視カメラ12は撮像装置の一例であり、入出金機22は管理端末の一例である。また、本実施の形態における監視カメラ12と入出金機22で構成されるシステムは管理システムの一例である。
【0011】
図2は、釣り銭機11の外観構成例を示す図である。
図2に示す釣り銭機11には、操作表示部111と、顧客から受け付けた硬貨が投入される硬貨受入部112と、釣り銭としての硬貨が払い出される硬貨払出部113と、顧客から受け付けた紙幣が投入される紙幣受入部114と、釣り銭としての紙幣が払い出される紙幣払出部115と、売上金の回収時に使用する回収カセット116とが設けられている。図2には示されていないが、釣り銭機11には、棒状に包装された硬貨を収容する棒金収納部の取り付けが可能である。
釣り銭機11の上面には、例えば不図示のPOSレジスタが載置される。釣り銭機11の上面にPOSレジスタを配置する場合、POSレジスタは、操作表示部111や硬貨受入部112を覆わないように載置される。釣り銭機11とPOSレジスタは、不図示の通信ケーブルで接続されている。
【0012】
図3は、実施の形態1で使用する釣り銭機11の制御系に関する構成例を説明する図である。
本実施の形態で使用する釣り銭機11は、自機の動作を制御する制御部110と、制御部110に接続される処理デバイスにより構成されている。
図3では、処理デバイスの一例として、操作表示部111、硬貨受入部112、硬貨払出部113、紙幣受入部114、紙幣払出部115、釣り銭収容部117、通信部118、記憶部119を表している。
操作表示部111は、例えばタッチパネルで構成され、情報の提供や操作の入力に使用される。本実施の形態の場合、操作表示部111は、準備金の不足額を表すQRコードの表示にも使用される。操作表示部111は、表示部の一例である。
【0013】
硬貨受入部112は、受け入れた硬貨を1枚ずつ搬送路に繰り出し、硬貨の金種、真偽等の識別、入金額の計数等を実行する。
硬貨払出部113は、POSレジスタから払い出しが指示された金額のうち硬貨分の払い出しを実行する。
紙幣受入部114は、受け入れた紙幣を1枚ずつ搬送路に繰り出し、紙幣の金種、真偽等の識別、入金額の計数等を実行する。
紙幣払出部115は、POSレジスタから払い出しが指示された金額のうち紙幣分の払い出しを実行する。
以下では、硬貨と紙幣の両方を指す場合には「貨幣」と呼び、それぞれを区別する場合には「硬貨」と「紙幣」を使用する。
【0014】
釣り銭収容部117は、釣り銭機11の筐体内に設けられており、入金された貨幣や事前に収容された準備金が収容される。
回収カセット116は、筐体に対して着脱自在に取り付けられている。
通信部118は、不図示のPOSレジスタとの通信に用いられる通信デバイスである。本実施の形態における通信部118は、店内ネットワーク30には接続されていない。
記憶部119は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置で構成され、準備金として収容されている貨幣の在高データ119Aや基準在高データ119B等を記憶している。在高データ119Aは、1つの取引が完了する毎に更新される。ここでの取引には、例えば販売する商品の特定とその対価の支払いがある。基準在高データ119Bは、釣り銭機11に収容する準備金の基準値を与える。ここでの記憶部119は、基準在高記憶部の一例である。
【0015】
制御部110は、CPU(=Central Processing Unit)と、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)等を有している。
制御部110は、いわゆるコンピュータであり、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。
本実施の形態における制御部110は、在高データ119Aと基準在高データ119Bの差額を算出する差額算出部110Aと、準備金として補充された金額を算出する補充額算出部110Bと、自機から回収された金額を算出する回収額算出部110Cと、基準在高に不足する金額、基準在高を超える金額、準備金として補充された金額、自機から回収された金額等の情報を表すQRコードを生成するQRコード生成部110Dと、生成されたQRコードその他の情報を操作表示部111に表示する表示制御部110Eとして機能する。
なお、図3に示す機能部、すなわち差額算出部110A、補充額算出部110B、回収額算出部110C、QRコード生成部110D、表示制御部110Eは、制御部110が実行する機能の一例である。
【0016】
本実施の形態における差額算出部110Aは、取引が終了するたびに、現在の在高を表す在高データ119Aと基準在高を表す基準在高データ119Bとの差額を算出する。
本実施の形態の場合は、取引が完了するたびに差額が算出されるが、取引が完了した後、次の取引が開始するまでの時間が予め定めた閾値以上になった場合にも、差額を算出してもよい。また、差額算出部110Aは、所定時刻に差額を算出しても良いし、係員による指示に応じて差額を算出しても良い。
差額は、在高データ119Aから基準在高データ119Bを減算することで求めてもよいし、基準在高データ119Bから在高データ119Aを減算することで求めてもよい。前者の場合、算出された差額がマイナスの場合、差額の絶対値が不足する金額を表す。一方、後者の場合、算出された差額がプラスの場合、差額が不足する金額を表す。以下、これらを総称して「不足額」という。本実施の形態の場合、基準在高は、金種毎に設定される。なお、在高や基準在高を金種別の枚数で規定してもよい。
【0017】
補充額算出部110Bは、例えば補充の前後における在高データ119Aの差分を、補充された貨幣の金額(以下「補充額」ともいう)として算出する。ここでの補充額は、補充された貨幣の合計金額である。もっとも補充額は、金種別に算出してもよい。なお、補充額は、金種別の枚数で規定してもよい。なお、補充額は、人手により入力された金額に限らず、補充処理の際に釣り銭機11が計数した金額又は金種別の枚数でもよい。
回収額算出部110Cは、例えば回収の前後における在高データ119Aの差分を、回収された貨幣の金額(以下「回収額」ともいう)として算出する。ここでの回収額は、回収された貨幣の合計金額である。もっとも回収額は、金種別に算出してもよい。なお、回収額は、金種別の枚数で規定してもよい。なお、回収額は、人手により入力された金額に限らず、回収処理の際に釣り銭機11が計数した金額又は金種別の枚数でもよい。
【0018】
本実施の形態におけるQRコード生成部110Dは、差額算出部110Aで算出された差額が準備金の不足を表す場合、金種別の不足額等を表す情報、自機を特定する情報等を表現するQRコードを生成する。金種別の不足額等を表す情報は、基準在高に不足する枚数でもよい。
また、QRコード生成部110Dは、釣り銭収容部117に収納されている貨幣の枚数が、釣り銭収容部117が満杯に近いことを示す基準値(すなわちニアフル)を超えたことを示す場合、金種別の超過額等を表す情報、自機を特定する情報等を表現するQRコードを生成する。金種別の超過額等を表す情報は、ニアフルを超過する枚数でもよい。
また、QRコード生成部110Dは、準備金が補充されると、補充額と自機を特定する情報等を表現するQRコードを生成する。
また、QRコード生成部110Dは、準備金が回収されると、回収額と自機を特定する情報等を表現するQRコードを生成する。
【0019】
本実施の形態における表示制御部110Eは、QRコードが生成されると、生成された最新のQRコードを操作表示部111に表示する。
不足額を表すQRコードの表示は、例えば貨幣が補充されるまで継続される。補充額を表すQRコードの表示は、例えば貨幣が補充されてから予め定めた時間が経過するまで継続される。なお、超過額を表すQRコードの表示は、例えば貨幣が回収されるまで継続される。また、回収額を表すQRコードの表示は、例えば貨幣が回収されてから予め定めた時間が経過するまで継続される。
なお、QRコードの表示は、継続的な表示に限らず、定期的に他の表示と切り替えてもよい。
【0020】
図4は、実施の形態1で使用する監視サーバ21の制御系に関する構成例を説明する図である。
本実施の形態における監視サーバ21は、いわゆるコンピュータであり、監視カメラシステムの動作を制御する制御部210と、制御部210に接続される処理デバイスにより構成されている。
なお、監視カメラシステムは、監視カメラ12(図1参照)と監視サーバ21で構成される。
【0021】
図4では、処理デバイスの一例として、表示部211、入力部212、通信部213、記憶部214を表している。
表示部211は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminesxent)ディスプレイで構成される。表示部211には、売り場10(図1参照)に配置されている監視カメラ12(図1参照)からアップロードされた画像データの画像が表示される。表示部211には、他の情報も必要に応じて表示される。
入力部212は、例えばキーボードやマウスで構成される。
【0022】
通信部213は、店内ネットワーク30との通信に使用される通信デバイスである。
記憶部214は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置で構成され、画像データ214A及びQRコード復号データ214B等が記憶される。
画像データ214Aは、監視カメラ12からアップロードされた画像データである。QRコード復号データ214Bは、QRコードを復号することで得られる文字列データである。復号の対象であるQRコードは、画像データ214Aの中から抽出される。
【0023】
制御部210は、CPUと、BIOS等が記憶されたROMと、ワークエリアとして用いられるRAM等を有している。
制御部210は、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。
本実施の形態における制御部210は、受信したQRコードを復号するQRコード復号部210Aと、QRコードを復号したデータ(以下「復号データ」という)を入出金機22に通知する復号データ通知部210Bとして機能する。本実施の形態におけるQRコード復号部210Aは、復号部の一例である。
なお、図4に示す機能部は、制御部210が実行する機能の一例である。
【0024】
図5は、入出金機22の外観構成例を示す図である。
図5に示す入出金機22には、操作表示部221と、釣り銭機11(図1参照)から回収した硬貨が投入される硬貨受入部222と、補充用の硬貨が払い出される硬貨払出部223と、釣り銭機11から回収された紙幣が投入される紙幣受入部224と、補充用の紙幣が払い出される紙幣払出部225と、貨幣が収容される通信部226とが設けられている。
【0025】
図6は、実施の形態1で使用する入出金機22の制御系に関する構成例を説明する図である。
本実施の形態で使用する入出金機22は、自機の動作を制御する制御部220と、制御部220に接続される処理デバイスにより構成されている。
図6では、処理デバイスの一例として、操作表示部221、硬貨受入部222、硬貨払出部223、紙幣受入部224、紙幣払出部225、通信部226、記憶部227を表している。
本実施の形態における硬貨受入部222と紙幣受入部224は入金手段の一例であり、硬貨払出部223と紙幣払出部225は出金手段の一例である。この意味で、本実施の形態における入出金機22は管理端末の一例である。
操作表示部221は、例えばタッチパネルで構成され、情報の提供や操作の入力に使用される。
【0026】
硬貨受入部222は、釣り銭機11(図1参照)から回収された硬貨を1枚ずつ搬送路に繰り出し、硬貨の金種、真偽等の識別、入金額の計数等を実行する。
硬貨払出部223は、釣り銭機11に補充する不足金のうち硬貨分の払い出しを実行する。
紙幣受入部224は、釣り銭機11から回収された紙幣を1枚ずつ搬送路に繰り出し、紙幣の金種、真偽等の識別、入金額の計数等を実行する。
紙幣払出部225は、釣り銭機11に補充する不足金のうち紙幣分の払い出しを実行する。
【0027】
通信部226は、店内ネットワーク30との通信に用いられる通信デバイスである。通信部226は、監視サーバ21(図1参照)との通信に用いられる。
記憶部227は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置で構成され、復号データから抽出された不足額データ227A、同じく復号データから抽出された釣り銭機特定データ227B、入出金機22から出金された貨幣の金額を表す出金情報227C、釣り銭機11から通知された補充受付額を表す補充受付額情報227D、補充受付額と出金額の比較結果情報(補充受付額/出金額比較結果情報)227E、釣り銭機11から通知された回収通知額を表す回収通知額情報227F、入出金機22に入金された入金情報227G、回収通知額と入金額の比較結果情報(回収通知額/入金額比較結果情報)227H等が記憶される。
【0028】
不足額データ227Aは、釣り銭機11毎に管理される。本実施の形態の場合、不足額データ227Aは、同じ釣り銭機11について新たな復号データが受信される度、更新される。なお、不足額データ227Aの更新は、復号データから抽出された不足額データ227Aの変化が検知された場合に限ってもよい。
釣り銭機特定データ227Bは、不足額データ227Aと紐付けて管理される。
出金情報227Cは、入出金機22から出金された貨幣の金額(以下「出金額」ともいう)である。出金額は、出金された貨幣の金額の合計値である。もっとも、出金額は、出金された金種毎の枚数その他の情報でもよい。
【0029】
出金額は、例えば釣り銭機11から通知された不足額と一致する。不足額は、例えば金種毎の不足額の合計値である。
ただし、不足額は、準備金として釣り銭機11に収容すべき金額との差分である。このため、出金額は、QRコードを用いて通知された不足額よりも多い場合もある。例えば金種毎に釣り銭機11に収容可能な枚数の範囲で不足額よりも多い金額が出金額となることもある。
また、不足していない金種の補充を行う場合にも、出金額は、釣り銭機11から通知された不足額より多くなる。
【0030】
補充受付額情報227Dは、QRコードの表示を通じて釣り銭機11から通知された準備金の補充受付額に関する情報である。補充受付額情報227Dは、補充先である釣り銭機11毎に管理される。以下では、補充受付額を「補充額」ともいう。補充受付額情報227Dは、補充情報の一例である。
補充受付額と出金額の比較結果情報227Eは、釣り銭機11に補充された金額(すなわち補充額)と入出金機22から出金された金額(すなわち出金額)とが一致するか否かの結果を表す情報である。
本来、補充額は、出金額に一致するはずである。しかし、補充の作業に携わったスタッフの不正、手違いその他の原因により、金額が不一致になる可能性もある。比較結果情報227Eは、補充額と出金額の一致の確認に用いられる。
【0031】
回収通知額情報227Fは、QRコードの表示を通じて釣り銭機11から通知された準備金の回収通知額に関する情報である。回収通知額情報227Fは、回収元である釣り銭機11毎に管理される。以下では、回収通知額を「回収額」ともいう。回収通知額情報227Fは、回収情報の一例である。
入金情報227Gは、入出金機22に入金された貨幣の金額(以下「入金額」ともいう)である。入金額は、入金された貨幣の金額の合計値である。もっとも、入金額は、入金された金種毎の枚数その他の情報でもよい。
【0032】
回収通知額と入金額の比較結果情報(回収通知額/入金額比較結果情報)227Hは、釣り銭機11から回収された金額(すなわち回収額)と入出金機22に入金された金額(すなわち入金額)とが一致するか否かの結果を表す情報である。
入金額も、本来的には、回収額に一致するはずである。しかし、回収の作業に携わったスタッフの不正、手違いその他の原因により、金額が不一致になる可能性もある。比較結果情報227Hは、回収額と入金額の一致の確認に用いられる。
本実施の形態における記憶部227は、出金情報記憶手段の一例であり、入金情報記憶手段の一例でもある。また、記憶部227は、比較結果記憶手段の一例でもある。
【0033】
制御部220は、CPUと、BIOS等が記憶されたROMと、ワークエリアとして用いられるRAM等を有している。
制御部210は、いわゆるコンピュータであり、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。
本実施の形態における制御部210は、監視サーバ21(図1参照)から通知される復号データとしてのデータ列を分析するデータ列分析部220Aと、釣り銭機11における準備金の不足を報知する不足報知部220Bと、硬貨払出部223及び紙幣払出部225による貨幣の出金を制御する出金制御部220Cと、釣り銭機11から通知された補充受付額と出金額とを比較する補充受付額/出金額比較部220Dと、硬貨受入部222及び紙幣受入部224に入金された貨幣に関する情報を取得する入金情報取得部220Eと、釣り銭機11から通知された回収通知額と入金額とを比較する回収通知額/入金額比較部220Fと、比較結果を通知する比較結果報知部220Gとして機能する。
なお、図6に示す機能部は、制御部220が実行する機能の一例である。ここでの比較結果報知部220Gは報知手段の一例である。
【0034】
本実施の形態におけるデータ列分析部220Aは、監視サーバ21から復号データを受信すると、不足額データ227Aと釣り銭機特定データ227B、又は、補充受付額情報227Dと釣り銭機特定データ227B、又は、回収通知額情報227Fと釣り銭機特定データ227Bを出力する。
出力する内容は、監視カメラ12が撮像したQRコードの内容により異なる。本実施の形態におけるデータ列分析部220Aは、受付手段の一例である。
【0035】
不足額報知部220Bは、QRコードの内容が準備金の不足である場合に、補充イベントの発生を報知する。
本実施の形態における報知は、操作表示部221への画像の表示により行う。例えば準備金の不足の発生と対応する釣り銭機11を特定する情報とが表示される。報知先は、監視サーバ21側の表示部211(図4参照)でもよい。
また、店内ネットワーク30にスタッフが携帯する携帯端末が接続されている場合には、貨幣の補充等を担当するスタッフの携帯端末に対し、準備金の不足の発生と対応する釣り銭機11を特定する情報を通知してもよい。なお、報知は、不図示のスピーカからのアラーム音の出力でもよいし、準備金の不足の発生を音声で出力してもよいし、メールやメッセージの送信でもよい。
【0036】
出金制御部220Cは、不足額データ227Aや操作表示部221を通じて指定された金額の出金を実行する。出金は、金種毎に金額が指定される。
補充受付額/出金額比較部220Dは、釣り銭機11からQRコードを通じて通知された補充額と自機から出金された金額とを比較し、比較の結果を補充受付額/出金額比較結果情報227Eとして出力する。ここでの比較は合計額の比較でもよいし、金種毎の金額又は枚数の比較でもよい。
入金情報取得部220Eは、硬貨受入部222及び紙幣受入部224を通じて受け付けた貨幣の金額の合計値、金種毎の金額、金種毎の枚数等の情報を取得し、入金情報227Gとして出力する。
【0037】
回収通知額/入金額比較部220Fは、準備金の補充を受けた釣り銭機11からQRコードを通じて通知された回収通知額と自機に入金された金額とを比較し、比較の結果を回収通知額/入金額比較結果情報227Hとして出力する。ここでの比較も合計額の比較でもよいし、金種毎の金額又は枚数の比較でもよい。回収通知額/入金額比較部220Fは、比較手段の一例である。
比較結果報知部220Gは、補充受付額/出金額比較部220Dが出力する比較結果と回収通知額/入金額比較部220Fが出力する比較結果を報知する。比較結果報知部220Gによる報知先も、不足報知部220Bと同じである。もっとも、報知先は、準備金の補充や回収を行ったスタッフの他、管理者も含まれる。
【0038】
<店内システムで実行される処理の流れ>
以下では、釣り銭機11に準備金の不足が発生した場合の処理と、釣り銭機11に準備金が補充された場合の処理と、釣り銭機11から準備金が回収された場合の処理について説明する。
【0039】
<準備金の不足が発生した場合>
図7は、釣り銭機11に準備金の不足が発生した場合の処理の流れを概念的に説明する図である。なお、図7に示す処理の流れは、釣り銭機11に準備金が補充された場合の処理とも共通である。
売り場10に設置された監視カメラ12は、監視の対象とする釣り銭機11の操作表示部111を撮像範囲に含んでいる。
本実施の形態における釣り銭機11は、取引後の在高が基準在高より少ないことが判明すると、準備金の不足額を表すQRコードを操作表示部111に表示する。
監視カメラ12は、常に、監視の対象とする釣り銭機11を撮像している。このため、操作表示部111にQRコードが表示されると、表示されたQRコードを含む画像データが、店内ネットワーク30に接続された監視サーバ21にリアルタイムでアップロードされる。
【0040】
なお、画像データには、アップロード元である監視カメラ12の管理番号等の情報が属性情報として含まれてもよい。
監視カメラ12の撮像範囲と釣り銭機11とが一対一に定まる場合には、QRコードの表示元である釣り銭機11を特定する情報がQRコードに含まれていなくても、QRコードと釣り銭機11との紐付けが可能になる。この場合には、QRコードへの釣り銭機11を特定する情報の追加は不要である。
【0041】
アップロードされた画像データにQRコードが含まれる場合、監視サーバ21は、画像データからQRコードに対応する文字列データを復号し、復号データとして入出金機22に送信する。
入出金機22は、受信した復号データから準備金の不足を検知すると、準備金の補充を担当するスタッフ等に報知し、スタッフが補充額相当の貨幣を出金する。前述したように、補充額は、不足額と同じとは限らない。
担当のスタッフは、入出金機22から出金された貨幣を例えば収容袋に入れると、準備金の補充が必要とされる釣り銭機11の場所に移動し、釣り銭機11に貨幣を補充する。
【0042】
補充の作業が終了すると、釣り銭機11の操作表示部111には、補充された金額を表すQRコードが表示される。このQRコードも監視カメラ12の画像データとして監視サーバ21にアップロードされ、復号された後、入出金機22に送信される。
入出金機22は、受信した復号データから釣り銭機11に補充された金額(すなわち補充額)と、自機から実際に出金された金額(すなわち出金額)とを比較する。
この後、入出金機22は、比較の結果を自機の操作表示部221(図5参照)に表示し、監視サーバ21やスタッフの携帯端末等にも通知する。
【0043】
図8は、実施の形態1における店内システム1で実行される処理動作の概要を説明する図である。図中に示す記号はステップを表す。
一連の処理は、釣り銭機11を起点に開始される。釣り銭機11は、不図示のPOSレジスタと通信し、取引毎の釣り銭の払出しを実行する(ステップ1)。釣り銭の金額は、入金された金額と購入額との差額である。入金された金額と購入額との差額は、例えばPOSレジスタで算出され、釣り銭機11に通知される。
釣り銭の払出しが完了すると、釣り銭機11は、取引を終了する(ステップ2)。QRコードの表示とは関係なく、監視カメラ12は、釣り銭機11の操作表示部111(図2参照)等を撮像している(ステップ11)。また、監視カメラ12は、画像データをリアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。
【0044】
本実施の形態における釣り銭機11は、取引が終了する度に、在高と基準在高を比較し(ステップ3)、不足額を算出する(ステップ4)。なお、在高が基準在高よりも多い間は、ステップ4以降の処理は実行されない。
不足額が算出されると、釣り銭機11は、不足額等をQRコードで表示する(ステップ5)。監視カメラ12は、操作表示部111に表示されたQRコード等を撮像し(ステップ12)、リアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。QRコードの表示は不定期であるので図8では破線で示している。
【0045】
アップロードされた画像データにQRコードが含まれている場合、監視サーバ21は、QRコードを読み取り(ステップ21)、読み取ったQRコードをデータ列に変換する(ステップ22)。変換後のデータ列は復号データとして監視サーバ21から入出金機22に送信される。
入出金機22は、データ列から不足額を取得する(ステップ31)。この後、入出金機22は、釣り銭機11に不足額を補充するスタッフから出金を受け付けると(ステップ32)、所定の金額を出金する。出金が完了すると、入出金機22は、出金を確認する(ステップ33)。なお、入出金機22による出金の方法には、例えば図9に示す管理画面上でスタッフが特定の釣り銭機11を指定すると、指定された釣り銭機11に関する不足額を出金する方法、釣り銭機11を識別する管理番号(すなわち号機)と出金する金種と枚数を指定すると、指定された金種の貨幣を出金する方法がある。
この後、スタッフが出金された貨幣を持って補充先である釣り銭機11に移動する。
【0046】
スタッフによる準備金の補充が行われると、釣り銭機11は、補充を確認する(ステップ6)。補充を確認した釣り銭機11は、補充額等をQRコードで表示する(ステップ7)。監視カメラ12は、操作表示部111に表示されたQRコード等を撮像し(ステップ13)、リアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。QRコードは補充時に限り表示されるので図8では破線で示している。
アップロードされた画像データにQRコードが含まれている場合、監視サーバ21は、QRコードを読み取り(ステップ23)、読み取ったQRコードをデータ列に変換する(ステップ24)。変換後のデータ列は復号データとして監視サーバ21から入出金機22に送信される。本実施の形態の場合、監視サーバ21は、QRコードが表す内容が変化したか否かを判断しない。
【0047】
入出金機22は、データ列から補充額を取得する(ステップ34)。この後、入出金機22は、ステップ32で受け付けた出金額とステップ34で取得した補充額とを比較し(ステップ35)、比較の結果を記録又は報知する(ステップ36)。
図9は、入出金機22の操作表示部221に表示される管理画面の一例を説明する図である。
図9に示す管理画面221Aは、現在時刻221Bと管理情報221Cとで構成される。図9の場合、管理情報221Cは、釣り銭機11を特定する管理番号と、在高の不足イベントと、補充ステータスと、補充の結果とで構成される。
【0048】
図9の例では、管理番号が「101」と「104」の2台の釣り銭機11には在高の不足イベントが発生していない。
在高の不足イベントが発生している3台の釣り銭機11のうち管理番号が「102」の釣り銭機11は、補充ステータスが「作業中」である。この表示は、不足イベントを確認したスタッフによる準備金の補充が完了していない状態を表している。
残る2台の釣り銭機11の補充ステータスは、いずれも「済み」である。
このうち、管理番号が「103」の釣り銭機11は、補充された金額と入出金機22から出金された金額とが「一致」していることを表している。
【0049】
また、管理番号が「105」の釣り銭機11は、補充された金額と入出金機22から出金された金額とが「不一致」であることを表している。図9の例では、「不一致」を「一致」とは異なる形態で表示し、管理者等に気づき易くしている。
管理画面221Aの表示により、管理者やスタッフは、管理の対象である複数台の釣り銭機11の現在の状態を一覧的に確認できる。
また、管理画面221Aでは、不足イベントの発生だけでなく、その後の作業の状況や補充額が出金額に一致するか否か等も一覧的に確認できる。
このため、少ない人数でも効率的に準備金の補充を管理できる。
【0050】
<準備金を回収する場合>
図10は、釣り銭機11から準備金を回収する場合の処理の流れを概念的に説明する図である。
売り場10に設置された監視カメラ12は、監視の対象とする釣り銭機11の操作表示部111を撮像範囲に含んでいる。
スーパー等の店舗では、例えば1日の営業を終了した釣り銭機11から準備金が回収される。本実施の形態の場合、準備金が回収された釣り銭機11は、回収額を表すQRコードを操作表示部111に表示する。
監視カメラ12は、常に、監視の対象とする釣り銭機11を撮像している。このため、操作表示部111にQRコードが表示されると、表示されたQRコードを含む画像データが、店内ネットワーク30に接続された監視サーバ21にリアルタイムでアップロードされる。
【0051】
アップロードされた画像データにQRコードが含まれる場合、監視サーバ21は、画像データからQRコードに対応する文字列データを復号し、復号データとして入出金機22に送信する。
入出金機22は、受信した復号データから読み出された釣り銭機11から回収された金額(すなわち回収額)と、自機に実際に入金された金額(すなわち入金額)とを比較する。
この後、入出金機22は、比較の結果を自機の操作表示部221(図5参照)に表示し、監視サーバ21やスタッフの携帯端末等にも通知する。
【0052】
図11は、実施の形態1における店内システム1で実行される他の処理動作の概要を説明する図である。図中に示す記号はステップを表す。
図11の場合も、一連の処理は、釣り銭機11を起点に開始される。この例では、営業が終了した釣り銭機11が、準備金の回収を受け付ける(ステップ8)。
なお、監視カメラ12は、釣り銭機11の操作表示部111(図2参照)等を常に撮像している(ステップ14)。また、監視カメラ12は、画像データをリアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。
【0053】
準備金が回収された釣り銭機11は、回収額等をQRコードで表示する(ステップ9)。監視カメラ12は、操作表示部111に表示されたQRコード等を撮像し(ステップ15)、リアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。QRコードの表示は不定期であるので図11では破線で示している。
【0054】
アップロードされた画像データにQRコードが含まれている場合、監視サーバ21は、QRコードを読み取り(ステップ25)、読み取ったQRコードをデータ列に変換する(ステップ26)。変換後のデータ列は復号データとして監視サーバ21から入出金機22に送信される。
入出金機22は、データ列から回収額を取得する(ステップ37)。この後、入出金機22は、釣り銭機11から回収された貨幣の入金を受け付ける(ステップ38)。なお、入出金機22において入金を受け付ける方法には、例えば図12に示す管理画面上で回収イベントが発生している特定の釣り銭機11を指定した後に入金を行う方法、回収元である釣り銭機11を識別する管理番号(すなわち号機)を指定した後に入金を行う方法がある。
入金を受け付けた釣り銭機11は、回収額と入金額とを比較し(ステップ39)、比較の結果を記録又は報知する(ステップ40)。
【0055】
図12は、入出金機22の操作表示部221に表示される管理画面の他の一例を説明する図である。
図12に示す管理画面221Dは、現在時刻221Eと管理情報221Fとで構成される。図12の場合、管理情報221Fは、釣り銭機11を特定する管理番号と、回収イベントと、回収の結果とで構成される。
図12の例では、管理番号が「101」~「103」と「105」の4台の釣り銭機11で回収イベントが発生しているが、管理番号が「104」の釣り銭機11では回収イベントが発生していない。管理番号が「104」の釣り銭機11は、現在時刻221Eの時点で稼働中である。
【0056】
図12に示す管理画面221Dの場合、管理番号が「101」~「103」の釣り銭機11の入金額は回収額と「一致」するが、管理番号が「105」の釣り銭機11の入金額は回収額と「不一致」である。
図12の場合も、「不一致」を「一致」とは異なる形態で表示し、管理者等に気づき易くしている。この他、表示の形態には、回収済みであるが未入金であることが分かる表示の形態を採用してもよい。
管理画面221Dの表示により、管理者やスタッフは、管理の対象である複数台の釣り銭機11の現在の状態を一覧的に確認できる。また、管理画面221Dでは、入金額が回収額に一致するか否か等も一覧的に確認できる。
このため、少ない人数でも効率的に準備金の回収を管理できる。
【0057】
<実施の形態2>
前述の実施の形態1では、補充額と出金額を比較する処理と回収額と入金額を比較する処理を入出金機22で実行する場合を説明したが、本実施の形態では、これらの処理を監視サーバ21で実行する。
図13は、実施の形態2で使用する監視サーバ21の制御系に関する構成例を説明する図である。図13には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態における監視カメラ12と監視サーバ21は、管理システムの一例である。
【0058】
本実施の形態における監視サーバ21の記憶部214には、画像データ214AとQRコード復号データ214Bに加え、出金情報214Cと、補充受付額情報214Dと、補充受付額/出金額比較結果情報214Eと、回収通知額情報214Fと、入金情報214Gと、回収通知額/入金額比較結果情報214Hが記憶される。
これらの情報のうち出金情報214Cと入金情報214Gは、入出金機22から通知される。なお、出金情報214Cは、制御部210に設けられた出金情報取得部210Cが入出金機22から取得する。入金情報214Gは、制御部210に設けられた入金情報取得部210Eが入出金機22から取得する。
補充受付額情報214Dと回収通知額情報214Fは、QRコード復号部210Aが復号した文字列データから抽出される。
【0059】
補充受付額/出金額比較結果情報214Eは、釣り銭機11からQRコードを通じて通知された補充額と入出金機22から出金された金額とを比較する補充受付額/出金額比較部210Dから出力される。
回収通知額/入金額比較結果情報214Hは、釣り銭機11からQRコードを通じて通知された回収額と入出金機22に入金された金額とを比較する回収通知額/入金額比較部210Fから出力される。
なお、補充受付額/出金額比較結果情報214Eと回収通知額/入金額比較結果情報214Hは、比較結果通知部210Gにより管理者等に報知される。本実施の形態の場合、報知先は、表示部211や入出金機22である。
本実施の形態における監視サーバ21は、管理端末の一例である。
【0060】
図14は、実施の形態2における店内システム1で実行される処理動作の概要を説明する図である。図中に示す記号はステップを表す。図14には、図8との対応部分に対応する符号を付して示す。
一連の処理は、釣り銭機11を起点に開始される。釣り銭機11で実行される処理は、実施の形態1と同じである。
釣り銭機11は、不図示のPOSレジスタと通信し、取引毎の釣り銭の払出しを実行する(ステップ1)。
【0061】
釣り銭の払出しが完了すると、釣り銭機11は、取引を終了する(ステップ2)。監視カメラ12は、釣り銭機11の操作表示部111(図2参照)等を常に撮像し(ステップ11)、監視サーバ21にリアルタイムでアップロードする。
釣り銭機11は、取引が終了する度に、在高と基準在高を比較し(ステップ3)、不足額を算出する(ステップ4)。なお、在高が基準在高よりも多い間は、ステップ4以降の処理は実行されない。
不足額が算出されると、釣り銭機11は、不足額等をQRコードで表示する(ステップ5)。監視カメラ12は、操作表示部111に表示されたQRコード等を撮像し(ステップ12)、リアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。
【0062】
アップロードされた画像データにQRコードが含まれている場合、監視サーバ21は、QRコードを読み取る(ステップ21)。本実施の形態の場合、監視サーバ21は、QRコードから不足額等の情報を取得し(ステップ22A)、取得された不足額等の情報を入出金機22に送信する。送信される情報には、不足額の他、準備金に不足が発生している釣り銭機11を特定する情報が含まれる。なお、不足額等の情報の取得は入出金機22で行ってもよい。
入出金機22は、不足額等の情報を受信する(ステップ31A)。その後、入出金機22は、釣り銭機11に準備金を補充するスタッフから出金を受け付けると(ステップ32)、所定の金額を出金する。出金が完了すると、入出金機22は、監視サーバ21に対し、出金額等を通知し(ステップ33A)、監視サーバ21は、出金額を取得する(ステップ22B)。ここでの通知には、補充先である釣り銭機11を特定する情報が含まれる。
この後、スタッフが出金された貨幣を持って補充先である釣り銭機11に移動する。
【0063】
スタッフによる準備金の補充が行われると、釣り銭機11は、補充を確認する(ステップ6)。補充を確認した釣り銭機11は、補充額等をQRコードで表示する(ステップ7)。監視カメラ12は、操作表示部111に表示されたQRコード等を撮像し(ステップ13)、リアルタイムで監視サーバ21にアップロードする。
アップロードされた画像データにQRコードが含まれている場合、監視サーバ21は、QRコードを読み取る(ステップ23)。その後、監視サーバ21は、QRコードから補充額を取得する(ステップ24A)。
本実施の形態の場合、監視サーバ21は、入出金機22から出金額の通知を受けている。このため、補充額を取得した監視サーバ21は、出金額と補充額を比較し(ステップ24B)、比較の結果を記録又は報知する(ステップ24C)。
【0064】
図14では、釣り銭機11から準備金が回収される場合の処理動作を省略しているが、本実施の形態における監視サーバ21は、回収額と入出金機22に入金された入金額を比較する処理も実行する。
なお、出金額と同じく、入金額も入出金機22しか知り得ない情報である。そこで、本実施の形態の場合には、釣り銭機11から回収された準備金が入金された後、入出金機22から監視サーバ21に対し、入金額と回収元である釣り銭機11を特定する情報が通知される。
【0065】
<実施の形態3>
前述の実施の形態の場合には、釣り銭機11(図1参照)において不足額を算出し、算出された不足額を表すQRコードを操作表示部111(図2参照)に表示しているが、本実施の形態では、不足額を入出金機22で算出する場合を想定する。
図15は、実施の形態3で使用する釣り銭機11Aの制御系に関する構成例を説明する図である。図15には、図3との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15に示す釣り銭機11の場合、制御部110には差額算出部110A(図3参照)の機能が設けられていない点、記憶部119には基準在高データ119B(図3参照)が記憶されていない点で相違する。
【0066】
もっとも、本実施の形態は、QRコードの生成に準備金の不足額を示す情報を用いないだけであるので、本実施の形態における釣り銭機11を実施の形態1における釣り銭機11の制御系と同じ構成とすることも可能である。
本実施の形態におけるQRコード生成部110Dは、在高データ119Aを記憶部119から読み出し、例えば、取引が終了する度に現在の在高を示すQRコードを生成する。
【0067】
図16は、実施の形態3で使用する入出金機22Aの制御系に関する構成例を説明する図である。図16には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
図16に示す入出金機22の場合、制御部220に差額算出部220Hが追加されている点、記憶部227に個々の釣り銭機11に紐付けられた基準在高データ227Jと在高データ227Kが追加で記憶されている点で相違する。
本実施の形態の場合、データ列分析部220Aは、QRコードから復号されたデータ列から在高データ227Kを読み出して記憶部227に記憶する。
また、差額算出部220Hは、新たに通知された在高データ227Kと対応する釣り銭機11の基準在高データ227Jとの差額を算出し、算出された不足額データ227Aを記憶部227に記憶する。他の処理は、実施の形態1と同様である。
【0068】
図17は、実施の形態3における店内システム1で実行される処理動作の概要を説明する図である。図17には、図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、釣り銭機11は、取引が終了すると(ステップ2)、在高等をQRコードで表示する(ステップ5A)。
一方、入出金機22は、監視サーバ21から受信されるデータ列から在高を取得し(ステップ31B)、在高と基準在高とを比較する(ステップ31C)。その後、入出金機22は、不足額を算出する(ステップ31D)。以上のステップが、実施の形態1との違いである。
【0069】
なお、前述の説明では、不足額を入出金機22で算出する場合について説明したが、監視サーバ21で不足額を算出し、算出された不足額を入出金機22に通知することも可能である。
この場合、管理サーバ21の制御系として、例えば図13に示す監視サーバ21の制御系に、QRコードから読み取った在高から不足額を算出する不足額算出部220H(図16参照)を追加した構成を採用すればよい。
この場合、管理サーバ21は、ステップ22(図17参照)の実行後に、現在の在高データと基準在高データとから不足額を算出し、算出された不足額データを入出金機22に通知する構成を採用すればよい。一方、入出金機22の制御系からは不足額算出部220H(図16参照)が削除される。結果的に、入出金機22におけるステップ31B~31D(図17参照)の処理は不要となる。
【0070】
<実施の形態4>
前述の実施の形態の場合には、釣り銭機11の本体に設けられた操作表示部111にQRコードを表示させているが、その他の表示部にQRコードを表示してもよい。
図18は、実施の形態4における釣り銭機11に接続されたPOSレジスタ13を説明する図である。
図18の場合、QRコードは、釣り銭機11と通信ケーブル14を通じて接続されているPOSレジスタ13の操作表示部13Aに表示される。表示されるQRコードは、実施の形態1及び2のように準備金の不足額を表してもよいし、実施の形態3のように現在の在高を表してもよい。
この実施の形態の場合、監視カメラ12(図1参照)は、POSレジスタ13の操作表示部13Aを撮像範囲に含むように設置すればよい。
なお、釣り銭機11の操作表示部111にもQRコードを表示してもよい。ここでのPOSレジスタ13は、監視の対象システムの一例である。
【0071】
<実施の形態5>
前述の実施の形態の場合には、QRコードを釣り銭機11内の在高や在高の不足の表示に用いる場合を説明したが、本実施の形態では、QRコードを監視の対象とする装置の不具合等の通知に使用する場合について説明する。本実施の形態における不具合等は、装置情報の一例である。
図19は、実施の形態5における店内システム1Aの概略構成例を示す図である。図19には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
【0072】
図19の場合、管理の対象装置は入出金機22である。ただし、本実施の形態における入出金機22は、店内ネットワーク30には接続されていない。すなわち、本実施の形態における入出金機22は、スタンドアロンで使用される。本実施の形態における監視サーバ21は、管理端末の一例である。
本実施の形態における監視カメラ12と監視サーバ21で構成されるシステムは、管理システムの一例である。
【0073】
本実施の形態の場合も、入出金機22の操作表示部221(図5参照)に在高の不足等の情報をQRコードにより表示することが可能である。
ただし、本実施の形態では、操作表示部221に、入出金機22における不具合の発生や不具合の内容をQRコードで表示する場合を想定する。
また、本実施の形態の場合、監視カメラ12の撮像範囲は、入出金機22の操作表示部221を含むように設定される。
QRコードを含む画像データは、監視カメラ12から店内ネットワーク30を通じて監視サーバ21に通知される。
【0074】
本実施の形態における監視サーバ21は、QRコードを復号した文字列データから異常を検知すると、店内ネットワーク30に接続されたアクセスポイント23を通じて管理者等が持ち運ぶ携帯端末24に異常の発生を通知する。
図19は、一連のデータの流れを矢印で示している。図19の場合、携帯端末24としてスマートフォンを想定している。スマートフォンは、店内ネットワーク30に無線接続している。
【0075】
図20は、実施の形態5で使用する入出金機22の制御系に関する構成例を説明する図である。図20には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
図20に示す入出金機22の基本構成は図6と同じであるが、制御部220が実行する機能として、異常検知部220JとQRコード生成部220Kと表示制御部220Lが設けられている。
異常検知部220Jは、入出金機22内の各種の異常を検知の対象とする。例えば硬貨や紙幣の詰まりも検知の対象である。また、入出金機22における貨幣の過不足も検知の対象である。なお、異常検知部220Jは、可能な場合には、異常の内容も特定する。
異常を検知した異常検知部220Jは、QRコード生成部220Kに情報を与える。
【0076】
QRコード生成部220Mは、異常の発生や異常の内容を表すQRコードを生成し、生成されたQRコードを表示制御部220Lに与える。本実施の形態におけるQRコードにも、QRコードを表示する装置を特定する情報が含まれる。
なお、実施の形態1で説明した場合と同様に、監視カメラ12と撮像の対象である入出金機22とが一対一に対応し、監視カメラ12が出力する画像データ等に監視カメラ12を特定する情報が含まれる場合には、QRコードを表示する装置を特定する情報が含まれていなくてもよい。
本実施の形態では、異常の原因が取り除かれると、異常の発生等を表すQRコードが操作表示部221に表示されなくなるが、異常から復旧した旨を表すQRコードを生成して操作表示部221に表示してもよい。
【0077】
図21は、実施の形態5で使用する監視サーバ21の制御系に関する構成例を説明する図である。図21には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
図21に示す監視サーバ21の基本構成は図4と同じであるが、制御部210が実行する機能として、復号データ通知部210B(図4参照)に代えて異常報知部210Hが設けられる点で異なっている。本実施の形態における制御部210は、画像データを取得する取得部の一例である。
【0078】
異常報知部210Hは、管理の対象装置に異常が検知された場合、予め設定されている管理者等の携帯端末24に宛てて、異常が発生した旨と異常が発生した装置を特定する情報を送信する。なお、図21の場合には、管理の対象装置が1台であるが、管理の対象装置が複数台であったり、装置の種類が異なっていたりして、装置毎の通知先が異なる場合には、異常への対応を担当する管理者等の携帯端末24に宛てて通知を行う。
また、図21に示す監視サーバ21の場合、記憶部214には、対象装置特定データ214Jと、異常情報214Kと、復旧情報214Lとが追加で記憶される。対象装置特定データ214Jと異常情報214Kは、QRコード復号部210Aにより復号された文字列データから抽出され、記憶部214に記憶される。
【0079】
なお、対象装置特定データ214Jは、QRコード復号データ214B、異常情報214K、復旧情報214Lと紐付けて管理される。
本実施の形態の場合、異常が発生していた対象装置について異常の発生等を表すQRコードが検知されなくなると、復旧情報214Lが記憶部214に記憶される。前述したように、異常からの復旧を表すQRコードが入出金機22に表示される場合には、該当するQRコードが復号された時点で復旧情報214Lが記憶される。
【0080】
本実施の形態の場合には、スタンドアロンで使用される監視の対象とする装置の一例として入出金機22を想定したが、監視の対象とする装置は、釣り銭機11でも、POSレジスタ13(図18参照)でもよい。監視の対象とする装置は、QRコードやバーコード、文字や数字等の表示が可能な表示部を有する装置であれば任意である。換言すると、撮像カメラ12で撮像された画像を通じて情報の認識が可能な情報の表示が可能な装置であればよい。
また、本実施の形態では、動作上の不具合等を異常として通知する場合について説明したが、運用上の不都合や備品の不足の通知に用いてもよい。例えばレシートの印字に使用するロール紙やインクリボン、ビニール袋その他の備品の不足、サポートスタッフの要請等の通知に用いてもよい。この場合、QRコードは、個々の不足や要請に対応付けられたボタン類の操作を使用する。
【0081】
<他の実施の形態>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば実施の形態1の場合には、基準在高に対する在高の不足額をQRコードで表示しているが、不足額が一定値以上(ニアエンド)になった場合にQRコードを表示してもよい。この場合、QRコードには、不足額に加え、不足額が一定値以上になったことを含めてもよい。
【0082】
前述の実施の形態1では、釣り銭機11の表示部に在高の不足額を表す情報をQRコードで表示する場合について説明したが、実施の形態3の場合のように、現在の在高を表す情報をQRコードとして表示してもよい。なお、実施の形態3では、現在の在高を表す情報を入出金機22にのみ通知しているが、バックオフィスの管理端末(パソコン等)に通知してもよい。この通知により、バックオフィスの管理端末において、各釣り銭機の現在の在高を把握することが可能となる。
【0083】
前述の実施の形態においては、入出金機22から釣り銭機11への不足金の補充と釣り銭機11から入出金機22への貨幣の回収について説明したが、貨幣を処理する任意の装置(貨幣処理装置)間における資金の移動の管理にも応用できる。例えば貨幣処理装置Aに「装置Aから1万円を回収して装置Bに補充する」という指示を入力して回収し、その旨をQRコードで表示し、装置Bでは1万円の補充を受け付けた際に1万円が補充された旨をQRコードで表示する。これらのQRコードを撮像した画像データをバックオフィスの管理端末で取得して復号することにより、貨幣処理装置間でどのような資金移動がされているかを管理することに用いてもよい。
【0084】
前述の実施の形態では、現在の在高に係る情報の一例として現在の在高と基準在高との差額に係る情報を例示したが、現在の在高そのもの、貨幣の回収に伴う在高の変動に係る情報も含まれる。
前述の実施の形態では、監視サーバ21がQRコードを復号しているが、入出金機22でQRコードを復号してもよい。
【0085】
前述の実施の形態の場合には、監視の対象とする装置の装置情報をQRコードで表示しているが、バーコード、テキスト、数字等、撮像により認識できる情報を用いて表示してもよい。バーコードが表示される場合には、QRコード復号部に代えてバーコード復号部を使用する。また、テキストや数字が表示される場合には光学的文字認識技術(すなわちOCR処理)を使用して画像を文字列データに変換すればよい。
【0086】
前述の実施の形態の場合には、監視の対象システムとして、貨幣処理システムの一例である釣り銭機11や入出金機22を例示したが、両替機、券売機、販売機でもよい。また、監視の対象とする装置は、貨幣処理装置に限らず、鍵管理装置や重要物管理装置でもよい。重要物とは、例えば通帳、印鑑、契約書、半導体メモリといった特定の人だけにアクセスが許可される物品をいう。
【0087】
前述の実施の形態の場合には、スーパー等の店舗内に構築される店内システムを前提としているが、屋外と屋内を跨いで構築されるシステムやオフィスを前提とするシステムでもよい。例えばメンテナンスが必要な情報をQRコード等で表示し、その情報を監視カメラ12で撮像し、保守会社に通知してもよい。この場合、新たなインタフェースを開発することなく、メンテンナンス情報を遠隔地で取得し管理することが可能になる。
【符号の説明】
【0088】
1、1A…店内システム、10…売り場、11、11A…釣り銭機、12…監視カメラ、13…POSレジスタ、14…通信ケーブル、20…バックオフィス、21…監視サーバ、22、22A…入出金機、23…アクセスポイント、110…制御部、110A…差額算出部、110B…補充額算出部、110C…回収額算出部、110D…QRコード生成部、110E…表示制御部、111…操作表示部、112…硬貨受入部、113…硬貨払出部、114…紙幣受入部、115…紙幣払出部、116…回収カセット、117…銭収容部、118…通信部、119…記憶部、210…制御部、210A…QRコード復号部、210B…復号データ通知部、210C…出金情報取得部、210D…補充受付額/出金額比較部、210E…入金情報取得部、210F…回収通知額/入金額比較部、210G…比較結果報知部、210H…異常報知部、214…記憶部、220…制御部、220A…データ列分析部、220B…不足額報知部、220C…出金制御部、220D…補充受付額/出金額比較部、220E…入金情報取得部、220F…回収通知額/入金額比較部、220G…比較結果報知部、220H…差額算出部、220J…異常検知部、220K…QRコード生成部、220L…表示制御部、221…操作表示部、227…記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
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