(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ウェットティッシュ包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240201BHJP
B65D 47/12 20060101ALI20240201BHJP
A47K 7/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65D83/08 D
B65D47/12
A47K7/00 H
(21)【出願番号】P 2020094331
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0223178(US,A1)
【文献】特開2001-261047(JP,A)
【文献】実開昭50-001348(JP,U)
【文献】特開2012-111551(JP,A)
【文献】特開2010-195488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 47/12
A47K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装部と、キャップ部とを有するウェットティッシュ包装体であって、
前記包装部は、ロール状に巻き取られ、軸方向に垂直に直立したウェットティッシュと、前記ウェットティッシュの天面を除く全体を覆い、前記ウェットティッシュの天面方向に開口部を有する包装袋とを有し、
前記キャップ部は、蓋体と、前記蓋体との間に前記包装袋の前記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定する蓋受けと
を有し、
前記蓋体は、2以上の取り出し口を有し、
前記取り出し口は、
前記蓋体の天面の一部に備えられ、開閉蓋と、引き出された前記ウェットティッシュを保持する保持部を有する第一取り出し口と、
前記蓋体が開閉蓋となるように、前記蓋体の内側全体に備えられ、前記ウェットティッシュを使用単位長さでカットするためのカット部を有する第二取り出し口とを有することを特徴とする、ウェットティッシュ包装体。
【請求項2】
包装部と、キャップ部とを有するウェットティッシュ包装体であって、
前記包装部は、ロール状に巻き取られ、軸方向に垂直に直立したウェットティッシュと、前記ウェットティッシュの天面を除く全体を覆い、前記ウェットティッシュの天面方向に開口部を有する包装袋とを有し、
前記キャップ部は、蓋体と、前記蓋体との間に前記包装袋の前記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定する蓋受けと
を有し、
前記蓋体は、内周にねじ面を有し、
前記蓋受けは、外周に前記蓋体の前記ねじ面と嵌合し、前記包装袋の前記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定するためのねじ面を有することを特徴とする、ウェットティッシュ包装体。
【請求項3】
包装部と、キャップ部とを有するウェットティッシュ包装体であって、
前記包装部は、ロール状に巻き取られ、軸方向に垂直に直立したウェットティッシュと、前記ウェットティッシュの天面を除く全体を覆い、前記ウェットティッシュの天面方向に開口部を有する包装袋とを有し、
前記キャップ部は、蓋体と、前記蓋体との間に前記包装袋の前記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定する蓋受けと
を有し、
さらに、前記包装部を固定するための固定具を備え、
前記固定具は中空の略環状であり、前記蓋体よりも下部で、前記蓋受けとの間に前記包装袋の前記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定することを特徴とする、ウェットティッシュ包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱キャップを装着可能とした、ロールタイプのウェットティッシュ包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェットティッシュ製品には、不織布等からなる原反をポップアップ可能に積層したものや、ロール状に巻き取ったものがあり、これらをフィルム製包装体やプラスチック製容器に収納して使用する。ロール状に巻き取ったものは、所謂ボトルタイプと呼ばれ、薬液を含浸したロールを包装袋(ガゼットやピロー等)に封入した詰め替え用製品を専用の容器(ボトル)に詰め替えて使うことで、容器(ボトル)を繰り返し使用できる利点がある。また、シートの枚数を比較的多くすることができ、経済的で、詰め替え用製品の交換頻度が少ない点も便利である。
【0003】
また、近年では詰め替え用製品が入った包装袋をそのまま容器(ボトル)として用いる製品も存在しており、例えば、特許文献1には、硬質蓋部のねじ筒のねじ面とこのねじ筒とねじ嵌合する硬質蓋受け部のねじ面との間に、ウェットティシュを収容したスタンディングパウチタイプの軟包装袋の開口部を挟持して両ねじ面を互いにねじ込み嵌合し、スタンディングパウチ軟包装袋の開口部に硬質蓋部及び硬質蓋受け部を着脱可能に固定したものが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、プラスチックを主とする積層フィルムを袋状にヒートシールしてなるウェットティッシュの包装袋であって、該包装袋の一部に開口部が設けられ、該開口部に、引き出されたウェットティッシュの保持機能を有する取り出し口を備えた内蓋と、該取り出し口の再封鎖が可能な外蓋とが設けられているものが開示されている。
さらに、特許文献3には、多数の単位片を帯状に連続形成したウェットティッシュを収容するとともにウェットティッシュを単位片ごとに切り離して1枚ずつ取り出し口から取り出し可能とした包装用袋であって、袋本体、蓋体及び内部膜を有し、内部膜に取り付け穴を設けるとともに取り付け穴にゴム状弾性体よりなる取り出し部材を取り付け、取り出し部材は、ウェットティッシュの単位片を通過させる取り出し穴と、取り出し穴の周縁部に設けられたスリットとを有し、スリットを設けたことでウェットティッシュの単位片が通過するときに弾性変形するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-261047号公報
【文献】特許第3984362号公報
【文献】特許第6339858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ボトルタイプのウェットティッシュ包装体は、特許文献2や特許文献3に開示されたような袋型の包装体であっても、容器が比較的大きいことから、外出等の持ち運びには適さず、収納性も悪いという課題があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルムパックに充填された詰め替え用製品に装着することで携帯性や収納性が向上したキャップを備えたウェットティッシュ包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った。その結果、包装袋を蓋体と蓋受けの間に挟持して、着脱可能に固定することで、フィルムパックに充填された詰め替え用製品に装着することで携帯性や収納性が向上したキャップを備えたウェットティッシュ包装体とすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0009】
(1)本発明の第1の態様は、包装部と、キャップ部とを有するウェットティッシュ包装体であって、上記包装部は、ロール状に巻き取られ、軸方向に垂直に直立したウェットティッシュと、上記ウェットティッシュの天面を除く全体を覆い、上記ウェットティッシュの天面方向に開口部を有する包装袋と、を有し、上記キャップ部は、蓋体と、上記蓋体との間に上記包装袋の上記開口部を挟持して、上記包装袋を着脱可能に固定する蓋受けと、を有することを特徴とする、ウェットティッシュ包装体である。
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のウェットティッシュ包装体であって、上記蓋体は、2以上の取り出し口を有することを特徴とするものである。
(3)本発明の第3の態様は、(2)に記載のウェットティッシュ包装体であって、上記取り出し口は、上記蓋体の天面の一部に備えられ、開閉蓋と、引き出された上記ウェットティッシュを保持する保持部を有する第一取り出し口と、上記蓋体が開閉蓋となるように、上記蓋体の内側全体に備えられ、上記ウェットティッシュを使用単位長さでカットするためのカット部を有する第二取り出し口とを有することを特徴とするものである。
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体であって、上記蓋体は、内周にねじ面を有し、上記蓋受けは、外周に上記蓋体の上記ねじ面と嵌合し、上記包装袋の上記開口部を挟持して、上記包装袋を着脱可能に固定するためのねじ面を有することを特徴とするものである。
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のウェットティッシュ包装体であって、さらに、上記包装部を固定するための固定具を備え、上記固定具は、中空の略環状であり、上記蓋体よりも下部で、上記蓋受けとの間に上記包装袋の上記開口部を挟持して、前記包装袋を着脱可能に固定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、フィルムパックに充填された詰め替え用製品に装着することで携帯性や収納性が向上したキャップを備えたウェットティッシュ包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のウェットティッシュ包装体の全体を示す斜視図である。
【
図2】本発明のウェットティッシュ包装体のキャップ部を示す斜視図である。
【
図3】本発明のウェットティッシュ包装体の第二取り出し口を示す平面図である。
【
図4】本発明のウェットティッシュ包装体の、他の実施形態に係るカット部を示す平面図である。
【
図5】本発明のウェットティッシュ包装体の、固定具を含む他の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明するが、これらは例示の目的で掲げたもので、これらにより本発明を限定するものではない。
【0013】
1.ウェットティッシュ包装体
図1は、本発明のウェットティッシュ包装体(以下、単に「包装体」とも言う。)の全体の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、本発明の包装体1は、包装部10と、キャップ部20とを有する。
【0014】
2.包装部
包装部10は、ロール状に巻き取られ、軸方向に垂直に直立したウェットティッシュ11と、ウェットティッシュ11の天面を除く全体を覆い、ウェットティッシュ11の天面方向に開口部13を有する包装袋12と、を有する。
【0015】
包装部10は、通常市販されている、フィルムパックに充填された、ロールタイプのウェットティッシュの詰め替え用製品の、ウェットティッシュの軸方向の一方の面を開封したものを、ウェットティッシュの軸方向が垂直になるように直立して用いることができる。詰め替え用製品の包装袋12(包装部10)にキャップ部20を着脱可能に固定することで、ボトルが不要となり、携帯性や収納性、経済性に優れたウェットティッシュ11の包装体1が得られる。また、ウェットティッシュ11を取り出す際に、包装袋12のフィルムを介してウェットティッシュ11を掴むことができるため、ウェットティッシュ11のシートごとロールが飛び出すことが抑えられる。
なお、包装袋12に用いるフィルムとしては、主にプラスチックを主体とする積層フィルムを用いるが、特に限定はされず、例えば、水分などを含む内容物の包装袋用に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも使用することができるが、包装袋12を着脱可能に固定するために、ある程度の強度は必要であり、中でもOPP(二軸延伸ポリプロピレン)/アルミ蒸着PET/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)が好ましい。また、包装袋12の包装形式としては、紙製品を含む内容物の包装袋用に用いられている公知の包装形式は、いずれも使用することができるが、中でもガゼット包装又はピロー包装が好ましい。
【0016】
3.キャップ部
図2は、本発明の包装体1が有するキャップ部20の一例を示す斜視図である。キャップ部20は、蓋体21と、蓋体21との間に包装袋12の開口部13を挟持して、包装袋12を着脱可能に固定する蓋受け22と、を有する。上述したように、詰め替え用製品の包装袋12を、キャップ部20の蓋体21と蓋受け22とで挟持して、着脱可能に固定することで、ボトルが不要となり、携帯性や収納性、経済性に優れたウェットティッシュの包装体1が得られる。
また、蓋体21と蓋受け22とで包装袋12を着脱可能に固定するため、キャップ部20の固定には接着剤等が不要であり、製造コストを低減することもできる。なお、使用するウェットティッシュ11及び包装袋12の大きさにもよるが、蓋体21の内径は20mm以上120mm以下であることが好ましく、30mm以上100mm以下であることがより好ましく、40mm以上80mm以下であることが更に好ましい。また、蓋受け22の外径は18mm以上120mm以下であることが好ましい。
【0017】
このとき、蓋体21は2以上の取り出し口を有することが好ましいが、蓋体21の天面の一部に備えられ、開閉蓋23aと、引き出されたウェットティッシュ11を保持する保持部23bを有する第一取り出し口23と、蓋体21が開閉蓋となるように、蓋体21の内側全体に備えられ、ウェットティッシュ11を使用単位長さでカットするためのカット部24a(
図3参照)を有する第二取り出し口24とを有することが好ましい。
複数の取り出し口が存在することにより、消費者の嗜好や使用時の状況に応じたウェットティッシュ11の取り出し方法の選択や取り出すシートの枚数の選択が可能であり、別の取り出し口を経由してシートを引き出すことができるため、シートのセットも容易になる。
【0018】
第一取り出し口23が有する開閉蓋23aは、
図2ではヒンジによって開閉するようになっているが、ヒンジの形状は、バタフライ型、薄肉部等で連結する帯型、点型等のウェットティッシュの容器の蓋に通常用いられるヒンジであれば、形状は問わない。
また、開閉蓋23aはヒンジではなく、スライドによって開閉する形式でも構わない(図示しない)。スライドする方向も、前後左右のいずれであってもよい。なお、スライド型の開閉蓋23aにする場合は、ウェットティッシュ11の残り枚数が少なくなると、シートが撓んだり丸まったりして自立し難くなるため、開閉蓋23aを反転して土台として使い、ウェットティッシュ11を自立させることができるように、開閉蓋23aの天面は平らであることが好ましい。
なお、第一取り出し口23は開閉蓋23aを一体型として有していなくてもよく、例えば、別のシリコン製の中栓をはめ込むことで、蓋をする形式であってもよい。
【0019】
第一取り出し口23は、引き出されたウェットティッシュ11を保持する保持部23bを有する。保持部23bの形状は、特に制限されないが、引き出されたウェットティッシュ11をシート単位で自動的にカットするための押さえ機能と、カット後、残されたウェットティッシュ11の先頭部が内部に沈み込まないよう保持するための保持機能とを有することが必要であり、このためには、ウェットティッシュ11を引き出すとき、抵抗を生じる程度に狭く、そして、十字形や星形等のように中心方向に向かって突起を有するスリットを設けることが好ましい。保持部23bを設けることにより、第一取り出し口23からはウェットティッシュ11をシート単位で1枚ずつ引き出すことができる。
また、上述したシリコン製の中栓をはめ込む場合も、中栓の中央部に丸形、一文字、十字形、星形等のスリットを設けて、押さえ機能及び保持機能を有するようにしてもよい。
【0020】
一方で、第二取り出し口24は、蓋体21が開閉蓋となるように、蓋体21の内側全体に備えられる。
なお、第二取り出し口24を開閉するとき、蓋体21はヒンジによって開閉することが好ましい。ヒンジによって蓋体21が開く方向は特に制限されないが、第一取り出し口23の開閉蓋23aもヒンジによって開く場合、それぞれの開く方向が互い違いになる(すなわち、開閉蓋23aの開く方向とは逆に蓋体21が開く)ことが好ましい。
【0021】
また、
図3の平面図に示すように、第二取り出し口24は、ウェットティッシュ11を使用単位長さでカットするためのカット部24aを有する。
図3に示すように、カット部24aは、第二取り出し口24の一方向に備えられ、ロール状のウェットティッシュ11の中心からシートを引っ張り、カット部24aが備えられた方向に引き出すことにより、ウェットティッシュ11のミシン目をカット部24aに引っ掛けて、ウェットティッシュ11をカットすることができる。このとき、ウェットティッシュ11は1枚ずつカットする必要はなく、必要なシートの枚数だけ引き出した後、最後のシートのミシン目をカット部24aに引っ掛けてカットすれば、所望の枚数のウェットティッシュ11を得ることができる。
【0022】
第一取り出し口23からウェットティッシュ11を取り出す場合は、保持部23bを通す必要があるため、強い抵抗がかかり、ウェットティッシュ11のシートを1枚引き出すのにある程度の力が必要となる。一方で、第二取り出し口24からウェットティッシュ11を取り出す場合、ロール状のウェットティッシュ11から直接ウェットティッシュ11のシートを引き出すことになるため、引き出す際の抵抗が弱く、力が弱い人でも容易にウェットティッシュ11のシートを引き出すことができる。さらに、上述したように、第一取り出し口23の保持部23bからウェットティッシュ11が脱離する等してウェットティッシュ11が引き出せなくなったときも、第二取り出し口24から脱離したウェットティッシュ11のシートの先端部分を引き上げ、保持部23bの裏側に押し込めば、直ぐに第一取り出し口23からウェットティッシュ11を再び引き出すことができる。
【0023】
なお、カット部24aが備えられた第二取り出し口24の部分の厚さTは、ウェットティッシュ11のシートをカットした後、残ったシートの先端が第二取り出し口24の天面に乗って、蓋体21を閉めるときの邪魔にならないように、2mm以上15mm以下であることが好ましく、3mm以上12mm以下であることがより好ましく、4mm以上10mm以下であることが更に好ましい。
また、カット部24aの形状としては、ウェットティッシュ11に抵抗がかかるように、凹凸がある形状であれば、特に限定されないが、例えば第二取り出し口24の一方向の内側面又は天面に突起を設ける形式としてもよい(図示しない)。
【0024】
また、ウェットティッシュ11を第二取り出し口24の特定の箇所を通すようにカット部を設けてもよい。例えば、
図4(a)に示すように、第二取り出し口24の内側の一端と他端を結ぶように設けたカット部24bは、カット部24bと蓋体21との間にウェットティッシュ11を引き出しながら通し、カット部24bをもう一方の手の指で押さえて撓ませながら、カット部24bにウェットティッシュ11のミシン目を当てて、カット部24bの方向に引くことで、ウェットティッシュ11を所望のミシン目でカットすることができる。又は、
図4(b)に示すように、一方向に突起を備えた略環状のカット部24cとしてもよい。
【0025】
蓋受け22は、単純な略環状の形状で、蓋体21を上から押し込むことにより、包装袋12を挟持し固定できるものであってもよいが、好ましくは、蓋体21が、内周にねじ面25aを有し、蓋受け22は、外周に蓋体21のねじ面25aと嵌合し、包装袋12の開口部13を挟持して、包装袋12を着脱可能に固定するためのねじ面25bを有する。ねじ面25a及びねじ面25bで蓋体21と蓋受け22を固定することにより、挟持された包装袋12が強固に固定され、抵抗の大きい第一取り出し口23からウェットティッシュ11を取り出すときも包装袋12が脱離し難くなる。なお、ねじ面25a及びねじ面25bのねじはいずれも1乗以上3乗以下であることが好ましい。
【0026】
又は、蓋受け22の外周に突起部を設けて、蓋体21を外れ難くするようにしてもよく、蓋受け22の下部に凸部を設けて、蓋体21を蓋受け22に固定する操作を行いやすくしてもよい(図示しない)。
【0027】
4.固定具
本発明の包装体1は、さらに、
図5に示すような、包装部10を固定するための固定具30を備えていてもよい。固定具30は中空の略環状であり、好ましくは一端又は多端で分離及び嵌合することができる。なお、固定具30の内径は20mm以上120mm以下であることが好ましい。
固定具30は蓋体21よりも下部で、蓋受け22との間に包装袋12の開口部13を挟持して、包装袋12を着脱可能に固定することができる。固定具30を使用する順番としては、蓋受け22に蓋体21を挟持する前に、固定具30と蓋受け22で包装袋12の開口部13を挟持することが好ましい。蓋体21と蓋受け22に加えて、固定具30を用いることにより、挟持された包装袋12が強固に固定され、抵抗の大きい第一取り出し口23からウェットティッシュ11を取り出すときも包装袋12が脱離し難くなる。
【0028】
5.キャップ部及び固定具の製造方法
キャップ部20及び固定具30は、材質としてポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)等の、一般に射出成型することができる樹脂ならば問題なく使用できるが、固すぎると包装袋12の挟持及び固定等に力が必要となるため、固すぎないPP又はPEが好ましい。また、バイオマス由来の樹脂、紙や木粉等のコンパウンドを使用及び併用することもできる。
キャップ部20及び固定具30は、通常のプラスチックの射出成型に用いる公知の技術及び装置を用いて成型することができる。
【0029】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0030】
1 包装体
10 包装部
11 ウェットティッシュ
12 包装袋
13 開口部
20 キャップ部
21 蓋体
22 蓋受け
23 第一取り出し口
23a 開閉蓋
23b 保持部
24 第二取り出し口
24a、24b、24c カット部
25a、25b ねじ面
30 固定具