(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】処理装置、システム、プログラム、および照合装置
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20240201BHJP
G06F 21/44 20130101ALI20240201BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F21/44
(21)【出願番号】P 2020097776
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】大橋 洋介
(72)【発明者】
【氏名】松山 貴紀
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-182145(JP,A)
【文献】特表2014-526155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 21/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力され
た第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の要求を出力した第1の装置に送信
し、前記第1の応答に基づく照合が成立した場合に、前記第1の装置との協調動作を行うための登録処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算の結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得
する、
処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記少なくとも一つの第2の装置の各々に送信する前記第2の要求に含まれる前記第2の情報を互いに異なるものとする、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記第2の応答に基づいて前記第2の装置の照合を行い、当該照合の結果が含まれる前記第1の応答を前記第1の装置に送信する、
請求項1または請求項2のうちいずれか一項に記載の処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第2の装置を被制御装置として制御する、
請求項1から請求項3までのうちいずれ一項に記載の処理装置。
【請求項5】
第1の装置と、
前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置と、
第1の装置から取得し
た第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の装置に出力
し、前記第1の応答に基づく照合が成立した場合に、前記第1の装置との協調動作を行うための登録処理を実行する処理部を備え、
前記処理部は、前記少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算を実行した結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得
する、
処理装置と、
を備えるシステム。
【請求項6】
コンピュータに、
外部から取得し
た第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の要求を出力した第1の装置に出力
し、前記第1の応答に基づく照合が成立した場合に、前記第1の装置との協調動作を行うための登録処理を実行する処理機能、を実現させ、
前記処理機能に、前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算を実行した結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得させ
る、
プログラム。
【請求項7】
照合装置であって、
第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し当該演算の結果を含む第1の応答を当該照合装置に送信し前記第1の応答に基づく照合が成立した場合に当該照合装置との協調動作を行うための登録処理を実行する他の装置
に、前記第1の要求を送信し
、前記第1の応答に含まれる前記第1の情報を用いた演算の結果に基づいて、前記他の装置の照合を行う処理部、
を備え、
前記処理部は、前記第1の情報とは異なる第2の情報を用いた演算の結果に基づく照合の結果を取得
する、
照合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、システム、プログラム、および照合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の装置の協調により動作するシステムが多く開発されている。例えば、特許文献1では、マスターと複数のスレーブを備えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、協調動作を行うシステムにおいては、システムを構成する装置間の照合を行う場合がある。この際、装置間における照合を、よりセキュアに実現する仕組みが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、装置間における照合を、よりセキュアに実現することが可能な仕組みを提供することにある。
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、入力された第1の要求に従って予め規定された規定処理を実行する処理部であって、前記第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の要求を出力した第1の装置に送信する処理部を備え、前記処理部は、前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算の結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得する、処理装置が提供される。
【0007】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の装置と、前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置と、第1の装置から取得した第1の要求に従って予め規定された規定処理を実行する処理部であって、前記第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の装置に出力する処理部を備え、前記処理部は、前記少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算を実行した結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得する、処理装置と、を備えるシステムが提供される。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、外部から取得した第1の要求に従って予め規定された規定処理を実行する処理機能であって、前記第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、前記第1の要求を出力した第1の装置に出力する処理機能、を実現させ、前記処理機能に、前記第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置に、前記第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、前記第2の情報を用いた演算を実行した結果が含まれる第2の応答を、前記少なくとも一つの第2の装置から取得させる、プログラムが提供される。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の情報が含まれる第1の要求を他の装置に送信し、前記他の装置が前記第1の要求への応答として送信する第1の応答に含まれる前記第1の情報を用いた演算の結果に基づいて、前記他の装置の照合を行う処理部、を備え、前記処理部は、前記第1の情報とは異なる第2の情報を用いた演算の結果に基づく照合の結果を取得する、照合装置が提供される。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、装置間における照合を、よりセキュアに実現することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
【
図2】同実施形態に係る制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】同実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】同実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】比較対象システム7による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るシステム1による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
<1.実施形態>
<<1.1.システム構成例>>
まず、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例について述べる。
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、制御装置10、第1の処理装置20、および複数の第2の処理装置30を備える。なお、
図1においては、システム1が、4つの第2の処理装置30a~30dを備える場合が例示されている。
【0014】
(制御装置10)
本実施形態に係る制御装置10は、システム1が適用される筐体に搭載される装置を統合的に制御する。
【0015】
例えば、本実施形態に係る制御装置10は、第1の情報が含まれる第1の要求を他の装置に送信し、当該他の装置が上記第1の要求への応答として送信する第1の応答に含まれる上記第1の情報を用いた演算の結果に基づいて、他の装置の照合を行う、照合装置として機能してもよい。
【0016】
上記の他の装置の一例としては、第1の処理装置20が挙げられる。この場合、制御装置10は、第1の要求を第1の処理装置20に送信し、第1の処理装置20が当該第1の要求への応答として送信する第1の応答に含まれる第1の情報を用いた演算の結果に基づいて第1の処理装置20の照合を行う。
【0017】
また、この際、本実施形態に係る制御装置10は、第1の情報とは異なる第2の情報を用いた演算の結果や、当該演算の結果に基づく照合の結果をさらに取得してもよい。
【0018】
また、本実施形態に係る制御装置10は、システム1に備えられる装置以外を制御対象としてもよい。例えば、上記筐体が車両等の移動体であり、システム1が当該移動体に無線通信機能を実現させるためのシステムである場合を想定する。この場合、制御装置10は、上記無線通信の結果に基づいて移動体が備えるドアの開閉やエンジンの始動などに係る制御を行ってもよい。
【0019】
(第1の処理装置20)
本実施形態に係る第1の処理装置20は、入力された第1の要求に従って、予め規定された規定処理を実行する処理装置の一例である。
【0020】
本実施形態に係る第1の処理装置20は、入力された第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、第1の要求を出力した第1の装置に送信する。
【0021】
例えば、
図1に示す一例の場合、上記第1の装置は、制御装置10であり得る。この場合、本実施形態に係る第1の処理装置20は、制御装置10により入力された第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を制御装置10に送信してもよい。
【0022】
また、本実施形態に係る第1の処理装置20は、第1の装置とは異なる少なくとも一つの第2の装置に、第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を送信し、第2の情報を用いた演算の結果が含まれる第2の応答を、少なくとも一つの第2の装置から取得する。
【0023】
例えば、
図1に示す一例の場合、上記第2の装置は、第2の処理装置30aや第2の処理装置30bであり得る。
【0024】
この場合、本実施形態に係る第1の処理装置20は、第2の処理装置30aまたは第2の処理装置30bのうち少なくとも一つに第2の要求を送信し、当該第2の要求を受信した第2の処理装置30aまたは第2の処理装置30bのうち少なくとも一つから第2の応答を受信する。
【0025】
また、本実施形態に係る第1の処理装置20は、少なくとも一つの第2の装置を被制御装置として制御してもよい。例えば、本実施形態に係る第1の処理装置20は、スレーブとして動作する少なくとも一つの第2の処理装置30を制御するマスターとして動作してもよい。
【0026】
この場合、本実施形態に係る第1の処理装置20は、第2の応答に基づいて第2の装置の照合を行い、当該照合の結果が含まれる第1の応答を第1の装置に送信してもよい。
【0027】
例えば、
図1に示す一例の場合、第1の処理装置20は、第2の処理装置30aから受信した第2の応答に含まれる第2の情報に基づいて第2の処理装置30aの照合を行い、当該照合の結果が含まれる第1の応答を制御装置10に送信してもよい。
【0028】
(第2の処理装置30)
本実施形態に係る第2の処理装置30は、入力された要求に従って予め規定された規定処理を実行する処理装置の一例である。
【0029】
また、本実施形態に係る第2の処理装置30は、上述した第2の装置として動作してもよい。
【0030】
例えば、
図1に示す一例の場合、第2の処理装置30aおよび30bは、第1の処理装置20から受信した第2の要求に含まれる第2の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果が含まれる第2の応答を第1の処理装置20に送信してもよい。
【0031】
一方、本実施形態に係る第2の処理装置30は、第1の処理装置20と同様に、入力された第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を第1の装置に送信するとともに、第1の情報とは異なる第2の情報を含む第2の要求を第2の装置に送信する処理装置として動作してもよい。
【0032】
例えば、
図1に示す一例の場合、第2の処理装置30aは、第1の装置である第1の処理装置20から受信した第1の要求に含まれる第1の情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果が含まれる第1の応答を第1の処理装置20に送信してもよい。
【0033】
また、この場合、第2の処理装置30aは、第1の情報とは異なる第2の情報が含まれる第2の要求を、第2の装置である第2の処理装置30cまたは30bのうち少なくとも一つに送信し、当該第2の要求を受信した第2の処理装置30aまたは第2の処理装置30bのうち少なくとも一つから第2の応答を受信してもよい。
【0034】
すなわち、本実施形態に係る処理装置にとって、第1の要求は外部から入力される要求であり、第2の要求は第1の要求に基づいて自らが第2の装置に対して送信する要求と定義することもできる。
【0035】
<<1.2.制御装置10の機能構成例>>
次に、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例について述べる。
図2は、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、本実施形態に係る制御装置10は、処理部110、記憶部120、および通信部130を備えてもよい。
【0037】
(処理部110)
本実施形態に係る処理部110は、第1の情報が含まれる第1の要求を、通信部130を介して他の装置に送信し、当該他の装置が第1の要求への応答として送信する第1の応答に含まれる第1の情報を用いた演算の結果に基づいて、他の装置の照合を行う。
【0038】
上記他の装置の一例としては、第1の処理装置20が挙げられる。
【0039】
また、本実施形態に係る処理部110は、第1の情報とは異なる第2の情報を用いた演算の結果に基づく照合の結果を、通信部130を介して取得する、ことを特徴の一つとする。
【0040】
本実施形態に係る処理部110の機能は、各種のプロセッサにより実現される。本実施形態に係る処理部110が有する機能の詳細については別途後述する。
【0041】
(記憶部120)
本実施形態に係る記憶部120は、制御装置10により用いられる各種の情報を記憶する。例えば、記憶部120は、処理部110に用いられる各種のプログラムを記憶する。
【0042】
また、例えば、記憶部120は、処理部110による他の装置の照合に用いられる情報を記憶する。当該情報の一例としては、他の装置に固有に割り当てられた固有値などが挙げられる。
【0043】
(通信部130)
本実施形態に係る通信部130は、処理部110による制御に基づいて他の装置との間における情報通信を行う。例えば、通信部130は、処理部110による制御に基づいて他の装置に対して第1の要求を送信する。また、通信部130は、他の装置から第1の応答を受信する。
【0044】
以上、本実施形態に係る制御装置10の機能構成例について述べた。なお、
図2を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る制御装置10の機能構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る制御装置10の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形され得る。
【0045】
<<1.3.第1の処理装置20の機能構成例>>
次に、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例について述べる。
図3は、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例を示すブロック図である。
【0046】
図3に示すように、本実施形態に係る第1の処理装置20は、処理部210、記憶部220、および通信部230を備えてもよい。
【0047】
(処理部210)
本実施形態に係る処理部210は、入力された第1の要求に従って予め規定された規定処理を実行する。
【0048】
また、本実施形態に係る処理部210は、上記第1の要求に含まれる情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果を含む第1の応答を、通信部230を介して、第1の要求を出力した第1の装置に送信する。
【0049】
また、本実施形態に係る処理部210は、第1の情報とは異なる第1の情報を含む第2の要求を、通信部230を介して少なくとも一つの第2の装置に送信し、第2の情報を用いた絵演算の結果が含まれる第2の応答を、通信部230を介して少なくとも一つの第2の装置から取得する。
【0050】
また、本実施形態に係る処理部210は、第2の応答に基づいて第2の装置の照合を行い、当該照合の結果が含まれる第1の応答を第1の装置に送信してもよい。
【0051】
なお、上記第1の装置は、制御装置10であってもよい。また、上記第2の装置は、第2の処理装置30であってもよい。
【0052】
本実施形態に係る処理部210の機能は、各種のプロセッサにより実現される。本実施形態に係る処理部210が有する機能の詳細については別途後述する。
【0053】
(記憶部220)
本実施形態に係る記憶部220は、第1の処理装置20により用いられる各種の情報を記憶する。例えば、記憶部220は、処理部210に用いられる各種のプログラムを記憶する。
【0054】
また、例えば、記憶部220は、処理部210による演算に用いられる情報を記憶する。当該情報の一例としては、第1の処理装置20に固有に割り当てられた固有値などが挙げられる。
【0055】
また、例えば、記憶部220は、処理部210による第2の装置の照合に用いられる情報を記憶する。当該情報の一例としては、第2の装置に固有に割り当てられた固有値などが挙げられる。
【0056】
(通信部230)
本実施形態に係る通信部230は、処理部210による制御に基づいて第1の装置や第2の装置との間における情報通信を行う。例えば、通信部230は、第1の装置から第1の要求を受信し、第1の装置に第1の応答を送信する。また、例えば、通信部230は、第2の装置に第2の要求を送信し、第2の装置から第2の応答を受信する。
【0057】
以上、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成例について述べた。なお、
図3を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る第1の処理装置20の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形され得る。
【0058】
<<1.4.第2の処理装置30の機能構成例>>
次に、本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例について述べる。
図4は、本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例を示すブロック図である。
【0059】
図4に示すように、本実施形態に係る第2の処理装置30は、処理部310、記憶部320、および通信部330を備えてもよい。
【0060】
(処理部310)
本実施形態に係る処理部310は、入力された要求に従って予め規定された規定処理を実行する。この際、処理部310は、上記要求に含まれる情報を用いて演算を実行し、当該演算の結果を含む応答を、上記要求を出力した装置に対し、通信部330を介して送信する。
【0061】
また、本実施形態に係る処理部310は、通信部330を介して受信した応答に含まれる情報に基づいて、当該応答を出力した装置の照合を行ってもよい。
【0062】
(記憶部320)
本実施形態に係る記憶部320は、第2の処理装置30により用いられる各種の情報を記憶する。例えば、記憶部320は、処理部310に用いられる各種のプログラムを記憶する。
【0063】
また、例えば、記憶部320は、処理部310による演算に用いられる情報を記憶する。当該情報の一例としては、第2の処理装置30に固有に割り当てられた固有値などが挙げられる。
【0064】
また、例えば、記憶部320は、処理部310による他の装置の照合に用いられる情報を記憶する。当該情報の一例としては、上記他の装置に固有に割り当てられた固有値などが挙げられる。
【0065】
(通信部330)
本実施形態に係る通信部330は、処理部310による制御に基づいて他の装置との間における情報通信を行う。例えば、通信部230は、第1の処理装置20から要求を受信し、第1の処理装置20に応答を送信する。また、例えば、通信部330は、他の第2の処理装置30に要求を送信し、当該他の第2の処理装置30から応答を受信する。
【0066】
以上、本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成例について述べた。なお、
図4を用いて説明した上記の機能構成はあくまで一例であり、本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成は係る例に限定されない。本実施形態に係る第2の処理装置30の機能構成は、仕様や運用に応じて柔軟に変形され得る。
【0067】
<<1.5.処理の流れ>>
次に、本実施形態に係るシステム1の処理の流れについて詳細に説明する。本実施形態に係るシステム1においては、制御装置10の出力する要求が、データの流れに沿って複数の処理装置に取得され、処理装置の各々において上記要求に基づく規定処理が実行される。
【0068】
上記規定処理の一例としては、例えば、制御装置10と処理装置との協調動作を行うための登録処理が挙げられる。
【0069】
より詳細には、本実施形態に係る処理装置は、要求に含まれる情報を用いた演算を実行し、当該演算の結果に基づく照合が成立した場合に、上記協調動作を行うための登録処理を実行してもよい。
【0070】
係る処理の流れによれば、データの流れに沿って制御装置10からの要求を取得した複数の処理装置が順に登録処理を実行することができ、全体としての処理効率を向上させることができる。
【0071】
しかし、本実施形態に係るシステム1のように複数の処理装置が順に演算を実行し、当該演算の結果に基づく照合を受けるシステムにおいて、各処理装置が行う演算に共通の情報が用いられる場合を想定する。
【0072】
この場合、各処理装置による演算に用いられる情報が傍受されると、当該情報を用いたなりすまし等が可能となる場合がある。
【0073】
ここで、本実施形態に係るシステム1が有する特徴について詳細に説明するために、まず、各処理装置が行う演算に共通の情報が用いられる比較対象システム7による処理の流れについて述べる。
【0074】
図5は、比較対象システム7による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図5に示す一例において、比較対象システム7は、本実施形態に係る制御装置10に対応する制御装置70と、本実施形態に係る第1の処理装置20に対応する第1の処理装置80と、本実施形態に係る第2の処理装置30に対応する第2の処理装置90aおよび90bと、を備える。
【0075】
また、
図5に示す一例において、第2の処理装置90aおよび90bは、それぞれ第1の処理装置80と情報を通信可能に接続される。
【0076】
この場合、
図5に示すように、まず、制御装置70が、情報Aを含む要求を第1の処理装置80に送信する(S102)。
【0077】
次に、ステップS102において要求を受信した第1の処理装置80が、当該要求に含まれる情報と同一の情報、すなわち情報Aが含まれる要求を第2の処理装置90aに対して送信する(S104)。
【0078】
また、第1の処理装置80は、同様に、情報Aが含まれる要求を第2の処理装置90bに対して送信する(S106)。
【0079】
次に、第1の処理装置80は、ステップS102において受信した要求に含まれる情報Aを用いた演算を実行する(S108)。
【0080】
また、第1の処理装置80は、ステップS108において実行した演算の結果を含む応答を制御装置70に送信する(S110)。
【0081】
ステップS110において第1の処理装置80から応答を受信した制御装置70は、当該応答に含まれる演算結果に基づいて、第1の処理装置80の照合を行う(S112)。
【0082】
同様に、第2の処理装置90aは、ステップS104において受信した要求に含まれる情報Aを用いた演算を実行する(S114)。
【0083】
また、第2の処理装置90aは、ステップS114において実行した演算の結果を含む応答を第1の処理装置80に送信する(S116)。
【0084】
ステップS116において第2の処理装置90aから応答を受信した第1の処理装置80は、当該応答に含まれる演算結果に基づいて、第2の処理装置90aの照合を行う(S118)。
【0085】
また、第1の処理装置80は、ステップS118において実行した第2の処理装置90aに係る照合の結果を含む応答を制御装置70に送信する(S120)。
【0086】
同様に、第2の処理装置90bは、ステップS106において受信した要求に含まれる情報Aを用いた演算を実行する(S122)。
【0087】
また、第2の処理装置90bは、ステップS122において実行した演算の結果を含む応答を第1の処理装置80に送信する(S124)。
【0088】
ステップS124において第2の処理装置90bから応答を受信した第1の処理装置80は、当該応答に含まれる演算結果に基づいて、第2の処理装置90bの照合を行う(S126)。
【0089】
また、第1の処理装置80は、ステップS126において実行した第2の処理装置90bに係る照合の結果を含む応答を制御装置70に送信する(S128)。
【0090】
以上、比較対象システム7による処理の流れについて説明した。上述したように、比較対象システム7では、各処理装置が共通の情報Aを用いて演算を行い、当該演算の結果に基づいて照合される。
【0091】
このため、情報Aが第三者に不正に入手された場合、情報Aを用いた演算の結果を模倣し、正規の処理装置になりすますことが可能となる場合がある。
【0092】
本発明に係る技術思想は上記の点に着目して発想されたものであり、装置間の組み合わせごとに実施される一連の照合をよりセキュアに実現することを可能とする。
【0093】
このために、本実施形態に係るシステム1では、処理装置の各々において互いに異なる情報を用いた演算が行われてよい。
【0094】
図6は、本実施形態に係るシステム1による処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図6に示す一例において、本実施形態に係るシステム1は、制御装置10、第1の処理装置20、第2の処理装置30aおよび30bを備える。
【0095】
また、
図6に示す一例において、第2の処理装置30aおよび30bは、それぞれ第1の処理装置20と情報を通信可能に接続される。
【0096】
この場合、
図6に示すように、まず、制御装置10の処理部110が、第1の情報Aを含む第1の要求を、通信部130を介して第1の処理装置20に送信する(S202)。
【0097】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS202において通信部230を介して受信した第1の要求に含まれる第1の情報Aとは異なる第2の情報B1が含まれる第2の要求を、通信部230を介して第2の処理装置30aに対して送信する(S204)。
【0098】
また、第1の処理装置20の処理部210は、第1の要求に含まれる第1の情報Aとは異なる第2の情報B2が含まれる第2の要求を、通信部230を介して第2の処理装置30bに対して送信する(S206)。
【0099】
このように、本実施形態に係る処理部210は、第2の装置の各々(ここでは、第2の処理装置30aおよび30b)に送信する第2の要求に含まれる第2の情報を互いに異なるものとしてもよい。
【0100】
係る制御によれば、第2の装置の各々による演算の結果に基づく照合をよりセキュアに実現することが可能となる。
【0101】
一方で、処理部210は、第2の装置の各々に同一の第2の情報を含む第2の要求を祖送信してもよい。また、例えば、処理部210は、第2の装置の各々に送信する第2の要求に含まれる第2の情報を、決まったグループごとに同一としてもよい。
【0102】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS202において通信部230を介して受信した第1の要求に含まれる第1の情報Aを用いた演算を実行する(S208)。
【0103】
処理部210は、例えば、第1の情報Aと、第1の処理装置20に固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行してもよい。
【0104】
第1の処理装置20の処理部210は、ステップS208において実行した演算の結果を含む第1の応答を、通信部230を介して制御装置10に送信する(S210)。
【0105】
次に、制御装置10の処理部110は、ステップS210において通信部130を介して受信した第1の応答に含まれる演算結果に基づいて、第1の処理装置20の照合を行う(S212)。
【0106】
処理部110は、例えば、第1の情報Aと、第1の処理装置20に固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行し、当該演算の結果がステップS210において受信した第1の応答に含まれる演算結果と一致する場合に、照合が成立したと判定してもよい。
【0107】
同様に、第2の処理装置30aの処理部310aは、ステップS204において通信部330aを介して受信した第2の要求に含まれる第2の情報B1を用いた演算を実行する(S214)。
【0108】
処理部310aは、例えば、第2の情報B1と、第2の処理装置30aに固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行してもよい。
【0109】
第2の処理装置30aの処理部310aは、ステップS214において実行した演算の結果を含む第2の応答を、通信部330aを介して第1の処理装置20に送信する(S216)。
【0110】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS216において通信部230を介して受信した第2の応答に含まれる演算結果に基づいて、第2の処理装置30aの照合を行う(S218)。
【0111】
処理部210は、例えば、第2の情報B1と、第2の処理装置30aに固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行し、当該演算の結果がステップS216において受信した第2の応答に含まれる演算結果と一致する場合に、照合が成立したと判定してもよい。
【0112】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS218において実行した照合の結果を含む第1の応答を、通信部230を介して制御装置10に送信する(S220)。
【0113】
同様に、第2の処理装置30bの処理部310bは、ステップS206において通信部330bを介して受信した第2の要求に含まれる第2の情報B2を用いた演算を実行する(S222)。
【0114】
処理部310bは、例えば、第2の情報B2と、第2の処理装置30bに固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行してもよい。
【0115】
第2の処理装置30bの処理部310bは、ステップS222において実行した演算の結果を含む第2の応答を、通信部330bを介して第1の処理装置20に送信する(S224)。
【0116】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS224において通信部230を介して受信した第2の応答に含まれる演算結果に基づいて、第2の処理装置30bの照合を行う(S226)。
【0117】
処理部210は、例えば、第2の情報B2と、第2の処理装置30bに固有に割り当てられた固有値と、予め設定された計算式とを用いた演算を実行し、当該演算の結果がステップS224において受信した第2の応答に含まれる演算結果と一致する場合に、照合が成立したと判定してもよい。
【0118】
次に、第1の処理装置20の処理部210は、ステップS226において実行した照合の結果を含む第1の応答を、通信部230を介して制御装置10に送信する(S228)。
【0119】
以上、本実施形態に係るシステム1による処理の流れの一例について詳細に説明した。本実施形態に係るシステム1による上記のような処理の流れによれば、例えば、要求に含まれる情報が第三者に傍受された場合であっても、当該情報を用いて正規の処理装置になりすますことを効果的に防止することができる。
【0120】
なお、上記では、システム1が2つの第2の処理装置30aおよび30bを備える場合の処理の流れの一例を示したが、本実施形態に係るシステム1の構成は係る例に限定されない。
【0121】
例えば、本実施形態に係るシステム1は、
図1に示したように、データの流れに沿って第2の処理装置30aから要求を受信する第2の処理装置30cおよび30dをさらに備えてもよい。
【0122】
この場合、第2の処理装置30aは、第1の処理装置20から受信した要求に含まれる情報とは異なる情報を含む要求を、第2の処理装置30cおよび30dの各々に送信してもよい。
【0123】
また、この場合、第2の処理装置30aは、第2の処理装置30cおよび30dの各々から受信した応答に含まれる演算の結果に基づいて、第2の処理装置30cおよび30dの各々の照合を行ってもよい。
【0124】
すなわち、上記の例における第2の処理装置30aは、本発明に係る処理装置かつ照合装置として機能する。
【0125】
また、上記の例においては、第2の処理装置30aは第1の処理装置20にとっての第2の装置であり、第1の処理装置20は第2の処理装置30aにとっての第1の装置である。
【0126】
このように、本発明に係る処理装置、照合装置、第1の装置、第2の装置は、それぞれ独立して設置される必要はなく、単一の装置が上記各装置のいくつかの役割を同時に担うことが可能である。
【0127】
<2.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0128】
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【符号の説明】
【0129】
1:システム、10:制御装置、110:制御部、120:記憶部、130:通信部、20:第1の処理装置、210:処理部、220:記憶部、230:通信部、30:第2の処理装置、310:処理部、320:記憶部、330:通信部