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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ガス器具判別装置
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20240201BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01F3/22 Z
F23K5/00 302
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020125127
(22)【出願日】2020-07-22
(65)【公開番号】P2022021520
(43)【公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横畑 光男
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 嵩浩
(72)【発明者】
【氏名】北澤 拓也
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-156542(JP,A)
【文献】特開平03-217716(JP,A)
【文献】特開2008-197075(JP,A)
【文献】特開2008-107190(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00 ~ 1/30
G01F 1/34 ~ 1/54
G01F 3/00 ~ 9/02
F23K 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作状態であるオン状態と不動作状態であるオフ状態とを繰り返す断続動作による運転を行い、オフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満である第1種類のガス器具と、オン状態とオフ状態とを繰り返す断続動作による運転を行い、オフ状態の時間が前記第1の所定時間未満である第2種類のガス器具とを少なくとも含む複数の種類のガス器具へガスを供給する共通の流路におけるガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測部と、
前記流量計測部で計測されるガス流量の変化に基づいて任意の前記ガス器具のオン状態を検出し、オン状態を検出するたびに、このオン状態の期間におけるガス流量の変化に基づいて当該オン状態の前記ガス器具の種類を1つまたは複数選定する種類選定部と、
前記種類選定部において、オン状態の前記ガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、当該ガス器具のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間を計測するオフ時間計測部と、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1種類および/または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、この選定結果と、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間と、このオフ状態のあとに前記種類選定部により検出される今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類の選定結果とに基づいて、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を1つに認定する処理を含む認定処理を行う器具認定部と、を備えた、
ガス器具判別装置。
【請求項2】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類に選定、または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第2種類に認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1に記載のガス器具判別装置。
【請求項3】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第2種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類に選定、または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第2種類に認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1または2に記載のガス器具判別装置。
【請求項4】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第2種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満の場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第2種類ではないと認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1~3のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項5】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成された、
請求項1~4のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項6】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第1種類に認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1~5のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項7】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第1種類に認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1~6のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項8】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第1種類ではないと認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1~7のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項9】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成された、
請求項1~8のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項10】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成された、
請求項1~9のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【請求項11】
前記器具認定部は、
前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1種類および/または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、前回検出のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間を前記オフ時間計測部によって計測中に、この計測中の時間が第2の所定時間以上になった場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第1種類および第2種類のいずれでもないと認定する前記認定処理を行うよう構成された、
請求項1~10のいずれかに記載のガス器具判別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを使用しているガス器具の種類を判別するガス器具判別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ガスメータは複数のガス器具に接続されており、ガスメータを通過したガスは、複数のガス器具に供給される。複数のガス器具のうち使用されているガス器具の種類を判別することにより、器具ごとのガス使用量や、器具ごとの保安情報をユーザに提供することが可能になり、ガス事業者のサービスの幅を広げることが可能になる。
【0003】
ガスメータでは一定時間間隔でガス流量を計測しており、この計測されるガス流量の変化のパターンと、ガス器具の種類ごとに予め求めておいたガス流量の変化のパターンとを比較することにより、使用されているガス器具の種類を判別する方法がある。例えば、ガス器具は、その種類ごとに動作開始時に特有の使用ガス流量の変化があり、これを検知することでどの種類のガス器具が動作しているかを判別する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-24809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、種類の異なるガス器具であっても、使用ガス流量範囲が似ているものがあり、このようなガス器具の種類を判別することは容易ではない。
【0006】
そこで、特許文献1には、複数のガス器具のうち使用ガス流量範囲が似ているガス器具に、当該ガス器具の動作の有無を検知する検知装置を取り付ける構成が記載されている。この特許文献1の構成では、検知装置が必要になる。
【0007】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、ガス器具の動作の有無を検知するための検知装置を設けることなく、ガス器具の種類の判別の精度を向上させることができるガス器具判別装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係るガス器具判別装置は、動作状態であるオン状態と不動作状態であるオフ状態とを繰り返す断続動作による運転を行い、オフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満である第1種類のガス器具と、オン状態とオフ状態とを繰り返す断続動作による運転を行い、オフ状態の時間が前記第1の所定時間未満である第2種類のガス器具とを少なくとも含む複数の種類のガス器具へガスを供給する共通の流路におけるガス流量を一定時間間隔で計測する流量計測部と、前記流量計測部で計測されるガス流量の変化に基づいて任意の前記ガス器具のオン状態を検出し、オン状態を検出するたびに、このオン状態の期間におけるガス流量の変化に基づいて当該オン状態の前記ガス器具の種類を1つまたは複数選定する種類選定部と、前記種類選定部において、オン状態の前記ガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、当該ガス器具のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間を計測するオフ時間計測部と、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1種類および/または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、この選定結果と、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間と、このオフ状態のあとに前記種類選定部により検出される今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類の選定結果とに基づいて、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を1つに認定する処理を含む認定処理を行う器具認定部と、を備えている。
【0009】
この構成によれば、器具認定部が、種類選定部において前回検出のオン状態のガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、この選定結果と、オフ時間計測部で計測されるオフ状態の時間と、このオフ状態のあとに種類選定部により検出される今回検出のオン状態のガス器具の種類の選定結果とに基づいて、前回検出のオン状態のガス器具の種類を1つに認定する処理を含む認定処理を行うことができる。よって、ガス器具の動作の有無を検知するための検知装置を設けることなく、ガス器具の種類の判別の精度を向上させることができる。
【0010】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類に選定、または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第2種類に認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0011】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第2種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類に選定、または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第2種類に認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0012】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第2種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満の場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第2種類ではないと認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0013】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第2種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成されていてもよい。
【0014】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第1種類に認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0015】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類を前記第1種類に認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0016】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類に選定、または前記第1種類を含む複数の種類に選定された場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第1種類ではないと認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【0017】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1及び第2種類以外の種類と前記第1種類とに選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成されていてもよい。
【0018】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が少なくとも前記第1種類と前記第2種類とを含む複数の種類に選定された場合であって、前記オフ時間計測部で計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ状態の時間が第1の所定時間以上、第2の所定時間未満であり、かつ、前記種類選定部において、今回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が、前記第1種類以外の1つまたは複数の種類に選定された場合には、前記認定処理を行わずに、前記種類選定部による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、前記オフ時間計測部に前回検出のオン状態の前記ガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させるよう構成されていてもよい。
【0019】
また、前記器具認定部は、前記種類選定部において、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類が前記第1種類および/または前記第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、前回検出のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間を前記オフ時間計測部によって計測中に、この計測中の時間が第2の所定時間以上になった場合には、前回検出のオン状態の前記ガス器具の種類は第1種類および第2種類のいずれでもないと認定する前記認定処理を行うよう構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上に説明した構成を有し、ガス器具の動作の有無を検知するための検知装置を設けることなく、ガス器具の種類の判別の精度を向上させることができるガス器具判別装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態のガス器具判別装置の一例であるガスメータの構成例の概略を示すブロック図である。
図2図2(A)は、あるファンヒータの運転時の使用ガス流量の経時変化の一例を示す図であり、図2(B)は、ある乾燥機の運転時の使用ガス流量の経時変化の一例を示す図である。
図3図3は、種類選定部、オフ時間計測部及び器具認定部による処理の結果をまとめた表を示す図である。
図4図4(A)、(B)は、種類選定部及び器具認定部による処理等を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0023】
(実施形態)
本実施形態のガス器具判別装置の一例であるガスメータの構成例の概略を示すブロック図である。
【0024】
ガス器具判別装置の一例であるガスメータ1は、流路10と、流量計測部11と、制御装置12とを備えている。また、流路10には、複数の種類のガス器具21~23が接続されている。つまり、流路10は、複数の種類のガス器具21~23へガスを供給する共通のガス流路である。なお、ガスメータ1には、図示しないが、流量計測部11及び制御装置12以外の公知の構成が設けられていてもよい。
【0025】
流量計測部11は、流路10内を流れるガス流量(瞬時流量)を一定時間間隔で計測し流量データとして制御装置12へ出力する。流量計測部11としては、代表的には、超音波流量計を挙げることができる。超音波流量計は、流路10に流れるガスに対して、一定の時間間隔で超音波を送信および受信し、これによりガス流量を計測し、流量データとして出力する。超音波流量計の具体的な構成は特に限定されず、公知の構成を用いることができる。
【0026】
制御装置12は、マイクロコンピュータまたはマイクロコントローラ等で構成され、CPU及びメモリ(ROM及びRAM)等を備えている。CPUがメモリに記憶された制御プログラムを実行することにより、ガスメータ1全体の制御を行うことができる。メモリには、制御プログラムの他、種々の情報を記憶することができる。制御装置12は、集中制御する単独の制御装置によって構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置によって構成されていてもよい。
【0027】
制御装置12は、例えば、流量計測部11で計測されるガス流量からガス使用量を所定時間ごとに算出して記憶しておくことができる。また、ガスメータ1は、ガス使用量の積算値等の情報を監視センタの監視装置(コンピュータ)へ送信する機能を有していてもよい。
【0028】
本実施形態では、制御装置12は、種類選定部13、オフ時間計測部14および器具認定部15としても機能する。
【0029】
種類選定部13は、流量計測部11で計測されるガス流量の変化に基づいて任意のガス器具21~23のオン状態(動作状態であること)を検出し、オン状態を検出するたびに、このオン状態の期間(例えば、オン状態の初期の期間)におけるガス流量の変化に基づいて当該オン状態のガス器具の種類を1つまたは複数選定する選定処理を行うよう構成されている。
【0030】
各ガス器具21~23には、公知のように運転時(稼働時)に器具の種類に応じた特有の使用ガス流量の変化があり、これを検知することでどのような種類のガス器具が動作しているかを検出することができる。
【0031】
本実施形態において、ガス器具の種類とは、例えば、ファンヒータ、乾燥機(衣類乾燥機)、ガステーブル(ガスコンロ)、給湯器、ガスストーブ、ガス床暖房等のような、用途別のカテゴリーの違いに基づく種類をいう。
【0032】
種類選定部13では、公知の手法を用い、例えば、流量計測部11で計測されるガス流量の変化を算出し、種類ごとに設定されたガス器具の動作開始時における使用ガス流量の変化(選定条件)に基づいて、ガス器具の動作状態(オン状態)を検出し、その種類を選定する。すなわち、予めガス器具の種類ごとに使用ガス流量の変化についての選定条件が定められている。しかしながら、同じ種類のガス器具であっても、型式の違い、号数(出力)の違い、製造者の違い等により、使用ガス流量およびその変化に違いがある。そこで、各種類の選定条件は、同じ種類のガス器具を同種類として選定できるように、ある範囲をもって設定されている。そのため、異なる種類のガス器具であっても、選定条件が共通する範囲が存在する場合があり、この共通する範囲に該当する場合には、1つの種類に選定することができず、該当する複数の種類を選定する。特に、ファンヒータおよび乾燥機の各種類では、使用ガス流量の範囲が似ており、選定条件の共通する範囲が広く、種類選定部13でいずれの種類であるかを特定することが難しい場合がある。
【0033】
図2(A)は、あるファンヒータの運転時の使用ガス流量の経時変化の一例を示す図であり、図2(B)は、ある乾燥機の運転時の使用ガス流量の経時変化の一例を示す図である。
【0034】
ファンヒータは、図2(A)に示すように、オン状態(期間PAon)とオフ状態(期間PAoff)とを繰り返す断続動作による運転が行われる。また、乾燥機は、図2(B)に示すように、長時間及び短時間のオン状態(期間PBon)とオフ状態(期間PBoff)とを繰り返す断続動作による運転が行われる。ファンヒータのオフ状態期間PAoffの時間であるオフ時間(オフ状態の時間)及び乾燥機のオフ状態期間PBoffの時間であるオフ時間(オフ状態の時間)は、それぞれ一定時間とは限らないが、総じて、ファンヒータのオフ時間の方が、乾燥機のオフ時間よりも長い。
【0035】
本発明者らが調査した結果、型式、号数(出力)、製造者等の異なる種々のファンヒータの断続動作におけるオフ時間は、200秒以上、12分未満の範囲内であり、同様に、型式、号数(出力)、製造者等の異なる種々の乾燥機の断続動作におけるオフ時間は、200秒未満であった。
【0036】
そこで、本実施形態では、流路10に接続された複数の種類のガス器具21~23に、ファンヒータ(第1種類のガス器具)及び乾燥機(第2種類のガス器具)を含む場合において、種類選定部13において、種類選定部13において、オン状態のガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、当該ガス器具のオン状態の終了後に続くオフ時間をオフ時間計測部14で計測し、器具認定部15で、上記オフ時間等に基づいて、可能な限り、ガス器具の種類を認定するようにしている。以下に詳しく説明する。
【0037】
前述のように、第1種類の一例であるファンヒータの断続動作におけるオフ時間は、第1の所定時間(例えば200秒)以上、第2の所定時間(例えば12分)未満である。また、第2種類の一例である乾燥機の断続動作におけるオフ時間は、第1の所定時間(例えば200秒)未満である。このように、第2の所定時間は、第1の所定時間よりも長い時間に決められ、これらの時間は、予め制御装置12に記憶されている。
【0038】
オフ時間計測部14は、種類選定部13において、オン状態のガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、当該ガス器具のオン状態の終了後に続くオフ状態(不動作状態すなわち動作停止状態)の時間(オフ時間)を計測するよう構成されている。
【0039】
器具認定部15は、種類選定部13において、前回検出のオン状態の期間に、当該オン状態のガス器具の種類が第1種類および/または第2種類を含む複数の種類に選定された場合に、この選定結果と、オフ時間計測部14で計測される前回検出のオン状態の終了後に続くオフ状態の時間(オフ時間)と、このオフ状態のあとに種類選定部13により検出される今回検出のオン状態のガス器具の種類の種類選定部13の選定結果とに基づいて、前回検出のオン状態のガス器具の種類を1つに認定する処理を含む認定処理を行うよう構成されている。
【0040】
また、器具認定部15は、種類選定部13において、任意のガス器具のオン状態の期間におけるガス流量の変化に基づいて当該オン状態のガス器具の種類が1つに選定された場合には、この種類選定部13で選定された種類を当該オン状態のガス器具の種類に認定するよう構成されている。
【0041】
図3は、種類選定部13、オフ時間計測部14及び器具認定部15による処理の結果をまとめた表を示す図である。また、図4(A)、(B)は、種類選定部13及び器具認定部15による処理等を説明するための図であり、それぞれの上段に示されたON,OFFの遷移図では、種類選定部13により検出されるガス器具のオン状態(ON)、オフ状態(OFF)を示す。
【0042】
器具認定部15は、以下の(1)~(10)の処理等を行う。以下の(1)~(10)は、図3の表31中の(1)~(10)に対応する。また、表31中および以下に記載する他器具とは、ファンヒータおよび乾燥機以外のガス器具の種類を意味し、1つの種類に限らず、複数の種類であってもよい。
【0043】
(1)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果(前回オン状態を検出したガス器具の種類の選定結果)が、図3の表31の〈C〉の場合において、すなわち、少なくともファンヒータと乾燥機とを含む複数の種類が選定された場合において、オフ時間計測部14により計測される前回検出のオン状態と今回検出のオン状態との間のオフ時間Toff1(図4(A))が200秒未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(A))の結果(今回オン状態を検出したガス器具の種類の選定結果)が、乾燥機に選定、または乾燥機を含む複数の種類に選定された場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類を乾燥機に認定する認定処理D1(図4(A))を行う。
【0044】
なお、図4(A)、(B)では、種類選定部13により、前回検出のオン状態の期間P1に、例えば、時刻t1で前回の選定処理S1が行われ、今回検出のオン状態の期間P2に、例えば、時刻t2で今回の選定処理S2が行われることが示されている。さらに、図4(B)では、種類選定部13により、次回検出のオン状態の期間P3に、例えば、時刻t3で次回の選定処理S3が行われることが示されている。なお、前回、今回および次回は、正の整数nを用いて、n回目、(n+1)回目および(n+2)回目などと言い換えることもできる。なお、図4(A)、(B)では、各回で検出されたオン状態の期間P1,P2,P3が全く重ならない場合が図示されているが、オン状態となる器具が異なる場合にはこれらの一部が重なる場合もあり得る。
【0045】
(2)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果が、図3の表31の〈B〉の場合において、すなわち、乾燥機と他器具(ファンヒータ及び乾燥機以外の種類)とに選定された場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(A))が200秒未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(A))の結果が、乾燥機に選定、または乾燥機を含む複数の種類に選定された場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類を乾燥機に認定する認定処理D1(図4(A))を行う。
【0046】
(3)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果が、図3の表31の〈B〉の場合において、すなわち、乾燥機と他器具とに選定された場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(A))が200秒以上、12分未満である場合には、今回の選定処理S2(図4(A))の結果にかかわらず、前回オン状態を検出したガス器具の種類は乾燥機ではないと認定する認定処理D1(図4(A))を行う。ここで、前回の選定処理S1において乾燥機以外で選定された他器具として、1つの種類が選定されている場合には、当該選定されている1つの種類が前回オン状態を検出したガス器具の種類であると認定するようにしてもよい。
【0047】
(4)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(B))の結果が、図3の表31の〈B〉または〈C〉の場合において、すなわち、少なくとも乾燥機を含む複数の種類に選定された場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(B))が200秒未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(B))の結果が、乾燥機以外の1つまたは複数の種類(他器具、ファンヒータ、またはファンヒータ及び他器具)に選定された場合には、種類選定部13による前回検出のオン状態のガス器具はオフ状態が継続していると判断し、前記認定処理を行わずに保留とし、種類選定部13による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、オフ時間計測部14に前回検出のオン状態のガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させる。この場合、オフ時間計測部14により前回検出のオン状態と、今回検出とみなされた次回検出のオン状態との間のオフ時間Toff2(図4(B))が計測される。このオフ時間Toff2の計測値と、今回とみなされる次回の選定処理S3(図4(B))の結果とを用いて、前述のような認定処理D1(図4(B))が行われる場合もあるし、再度、認定処理が保留され、継続処理となる場合もある。
【0048】
例えば、前回の選定処理S1(図4(B))の結果が図3の表31の〈B〉の場合であり、オフ時間Toff2(図4(B))が200秒未満となり、今回とみなされる次回の選定処理S3(図4(B))の結果が、乾燥機に選定、または乾燥機を含む複数の種類に選定された場合には、上記(2)の場合に相当し、前回オン状態を検出したガス器具の種類を乾燥機に認定する認定処理D1(図4(B))を行う。また、前回の選定処理S1(図4(B))の結果が図3の表31の〈B〉の場合であり、オフ時間Toff2(図4(B))が200秒以上、12分未満である場合には、上記(3)の場合に相当し、今回とみなされる次回の選定処理S3(図4(B))の結果にかかわらず、前回オン状態を検出したガス器具の種類は乾燥機ではないと認定する認定処理D1(図4(B))を行う。また、前回の選定処理S1(図4(B))の結果が図3の表31の〈B〉の場合であり、オフ時間Toff2(図4(B))が200秒未満となり、今回とみなされる次回の選定処理S3(図4(B))の結果が、乾燥機以外の1つまたは複数の種類(他器具、ファンヒータ、またはファンヒータ及び他器具)に選定された場合には、再度(4)の場合に相当し、再度、認定処理が保留され、継続処理となる。また、前回の選定処理S1(図4(B))の結果が図3の表31の〈B〉の場合であり、オフ時間Toff2(図4(B))を計測中に、計測時間が12分以上になった場合には、後述の(10)の場合に相当し、前回オン状態を検出したガス器具の種類はファンヒータおよび乾燥機のいずれでもないと認定する認定処理を行う。
【0049】
なお、前回の選定処理S1(図4(B))の結果が図3の表31の〈C〉の場合には、後述の(5)、(9)、(10)の場合も考慮して、上記と同様に考えればよい。
【0050】
(5)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果が、図3の表31の〈C〉の場合において、すなわち、少なくともファンヒータと乾燥機とを含む複数の種類が選定された場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(A))が200秒以上、12分未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(A))の結果が、ファンヒータに選定、またはファンヒータを含む複数の種類に選定された場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類をファンヒータに認定する認定処理D1(図4(A))を行う。
【0051】
(6)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果が、図3の表31の〈A〉の場合において、すなわち、ファンヒータと他器具(ファンヒータ及び乾燥機以外の種類)とに選定された場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(A))が200秒以上、12分未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(A))の結果が、ファンヒータに選定、またはファンヒータを含む複数の種類に選定された場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類をファンヒータに認定する認定処理D1(図4(A))を行う。
【0052】
(7)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(A))の結果が、図3の表31の〈A〉の場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(A))が200秒未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(A))の結果が、ファンヒータに選定、またはファンヒータを含む複数の種類に選定された場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類はファンヒータではないと認定する認定処理D1(図4(A))を行う。ここで、前回の選定処理S1においてファンヒータ以外で選定された他器具として、1つの種類が選定されている場合には、当該選定されている1つの種類が前回オン状態を検出したガス器具の種類であると認定するようにしてもよい。
【0053】
(8)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(B))の結果が、図3の表31の〈A〉の場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(B))が12分未満(200秒未満の場合も含む)であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(B))の結果が、ファンヒータ以外の1つまたは複数の種類(他器具、乾燥機、または乾燥機及び他器具)に選定された場合には、上記(4)の場合と同様、種類選定部13による前回検出のオン状態のガス器具はオフ状態が継続していると判断し、認定処理を行わずに保留とし、種類選定部13による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、オフ時間計測部14に前回検出のオン状態のガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させる。この後の処理についても上記(4)の場合と同様であり、認定処理D1(図4(B))が行われる場合もあるし、再度、認定処理が保留され、継続処理となる場合もある。
【0054】
(9)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1(図4(B))の結果が、図3の表31の〈C〉の場合において、オフ時間計測部14により計測されるオフ時間Toff1(図4(B))が200秒以上、12分未満であり、かつ、種類選定部13による今回の選定処理S2(図4(B))の結果が、ファンヒータ以外の1つまたは複数の種類(他器具、乾燥機、または乾燥機及び他器具)に選定された場合には、上記(4)の場合と同様、種類選定部13による前回検出のオン状態のガス器具はオフ状態が継続していると判断し、認定処理を行わずに保留とし、種類選定部13による次回検出のオン状態を今回検出のオン状態とみなす継続処理を行うとともに、オフ時間計測部14に前回検出のオン状態のガス器具がオフ状態になってからのオフ状態の時間を継続して計測させる。この後の処理についても上記(4)の場合と同様であり、認定処理D1(図4(B))が行われる場合もあるし、再度、認定処理が保留され、継続処理となる場合もある。
【0055】
(10)器具認定部15は、種類選定部13による前回の選定処理S1の結果が、図3の表31の〈A〉、〈B〉、〈C〉のいずれかの場合において、すなわち、ファンヒータおよび/または乾燥機を含む複数の種類に選定された場合において、オフ時間計測部14により計測中のオフ時間が12分以上になった場合には、前回オン状態を検出したガス器具の種類はファンヒータおよび乾燥機のいずれでもないと認定する認定処理を行う。
【0056】
本実施形態では、器具認定部15が、種類選定部13において前回検出のオン状態のガス器具の種類が第1種類(例えばファンヒータ)および/または第2種類(例えば乾燥機)を含む複数の種類に選定された場合に、この選定結果と、オフ時間計測部14で計測されるオフ状態の時間と、このオフ状態のあとに種類選定部13により検出される今回検出のオン状態のガス器具の種類の選定結果とに基づいて、前回検出のオン状態のガス器具の種類を1つに認定する処理を含む認定処理を行うことができる。よって、ガス器具の動作の有無を検知するための検知装置を設けることなく、ガス器具の種類の判別の精度を向上させることができる。
【0057】
なお、本実施形態では、ガスメータ1単体でガス器具判別装置を構成するようにしたが、これに限らない。例えば、流量計測部11で一定時間間隔で計測されるガス流量データを、ガスメータ1から監視センタの監視装置へ送信し、この監視装置に種類選定部13、オフ時間計測部14および器具認定部15の機能を持たせるように構成してもよい。
【0058】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、ガス器具の動作の有無を検知するための検知装置を設けることなく、ガス器具の種類の判別の精度を向上させることができるガス器具判別装置等として有用である。
【符号の説明】
【0060】
1 ガスメータ
10 流路
11 流量計測部
12 制御装置
13 種類選定部
14 オフ時間計測部
15 器具認定部
21~23 ガス器具
図1
図2
図3
図4