(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】中実でモノリシックな前端部を含む熱遮蔽部を有する装置
(51)【国際特許分類】
C03B 17/06 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
C03B17/06
(21)【出願番号】P 2020522065
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(86)【国際出願番号】 US2018056111
(87)【国際公開番号】W WO2019079318
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2021-10-18
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【氏名又は名称】高橋 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(72)【発明者】
【氏名】フランツェン,デイヴィッド スコット
(72)【発明者】
【氏名】グローヴァー,ブレンダン ウィリアム
【審査官】山本 吾一
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-504411(JP,A)
【文献】国際公開第2011/007617(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製造装置において、
上壁部、対向する側壁部、および底部に設けられた開口部を備えた筐体と、
少なくとも部分的に前記筐体内に配置された形成槽であって、溶融ガラスを受けるとともに、該溶融ガラスを下方に流してガラスリボンへと融合するよう構成されている形成槽と、
前記筐体に対して載置されて、該筐体の前記開口部の大きさを制限する閉鎖部と、
前記閉鎖部に対して水平方向に沿って移動自在に載置された熱遮蔽部と
を含み、
前記熱遮蔽部の外端部は、中実でモノリシックな前端部を含み、前記前端部は、該熱遮蔽部の上面と該熱遮蔽部の下面の間に前記水平方向に垂直に延伸する厚さ、および、前記中実でモノリシックな前端部の内端部分の内端部と該中実でモノリシックな前端部の外端部の間に該水平方向に延伸するとともに、2.5cmから6.5cmの範囲の幅を有し、該中実でモノリシックな前端部の前記外端部は、少なくとも部分的に前記開口部を画定するものであり、
前記熱遮蔽部が、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部分に取り付けられた外端部を有する上側プレートと、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部分に取り付けられた外端部を有する下側プレートとをさらに含
み、
前記上側プレートは、前記熱遮蔽部の長さに沿った列に配列された複数のプレートを含み、該熱遮蔽部の前記長さは、前記水平方向に垂直に延伸するものであり、
前記複数のプレートの各プレートは、菱形状に配列された内縁部、外縁部、第1の側縁部、および、第2の側縁部を含む複数の縁部を含み、前記上側プレートの前記外端部分は、該複数のプレートの前記外縁部を含むものである、ガラス製造装置。
【請求項2】
前記中実でモノリシックな前端部の厚さは、1cmから3cmの範囲である、請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項3】
前記外端部は、穴も空洞部分もないものであるとともに、前記中実でモノリシックな前端部の幅の50%以上の幅に亘り延伸する、請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項4】
前記上側プレートは第1の材料から形成されており、前記下側プレートは前記第1の材料とは異なる第2の材料から形成されている、請求項1に記載のガラス製造装置。
【請求項5】
前記上側プレートの前記外端部は、各々が前記第1の材料から形成されている複数の第1の固定部で、前記中実でモノリシックの前記内端部分に取り付けられており、前記下側プレートの前記外端部は、各々が前記第2の材料から形成されている複数の第2の固定部で、前記中実でモノリシックの前記内端部分に取り付けられている、請求項
4に記載のガラス製造装置。
【請求項6】
前記下側プレートおよび前記中実でモノリシックな前端部は、前記第2の材料を含むものである、請求項4または5に記載のガラス製造装置。
【請求項7】
前記第1の材料はニッケル‐クロム‐アルミニウム-鉄合金を含む、請求項4から6のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項8】
前記第2の材料はニッケル‐クロム‐タングステン-モリブデン合金を含む、請求項4から7のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項9】
前記第2の材料から形成されている補強プレートを更に含み、該補強プレートが前記下側プレートに取り付けられた第1の縁部、および、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部に取り付けられた第2の縁部を更に含む、請求項4から8のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【請求項10】
前記複数のプレートの各プレートは、更に、
前記複数の縁部の前記外縁部と交差する第1のスロットと、
前記複数の縁部の前記内縁部と交差する第2のスロットと
を含むものであり、
前記複数のプレートの各プレートは、前記第2のスロットを、対応するプレートの前記第1の側縁部から前記第2の側縁部に向かって延伸する方向に、前記第1のスロットからずらして提供するものである、請求項
1に記載のガラス製造装置。
【請求項11】
前記上側プレートと前記下側プレートの間の空間内に配置された耐火性材料を、
更に含む、請求項1から
10のいずれか1項に記載のガラス製造装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、米国特許法第119条の下、2017年10月20日出願の米国仮特許出願第62/574、855号の優先権の利益を主張し、その内容は依拠され、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、概して、熱遮蔽部を有する装置に関し、特に、中実でモノリシックな前端部を含む熱遮蔽部を有する装置に関する。
【背景技術】
【0003】
形成槽を筐体の内側領域に配置することが知られている。形成槽から溶融材料を引き出してリボンにする時に、筐体は、形成槽の周りの雰囲気条件の制御を助ける。典型的には、閉鎖部が筐体に対して載置されて、内側領域への開口部の大きさを制限する。更に、熱遮蔽部が閉鎖部に対して移動自在に載置されることが知られている。そのようにして、内側領域への開口部の大きさを調節して、筐体の内側領域で適切な雰囲気条件を提供しうる。
【発明の概要】
【0004】
次に、本開示の概要を、詳細な記載で説明するいくつかの実施形態の基本的理解のために簡単に示す。
【0005】
いくつかの実施形態によれば、装置は、筐体を含みうる。更に、装置は、少なくとも部分的に筐体内に配置された形成槽を含みうる。更に、装置は、筐体に対して載置されて、筐体への開口部の大きさを制限する閉鎖部を含みうる。更に、装置は、閉鎖部に対して調節方向に沿って移動自在に載置された熱遮蔽部を含みうる。熱遮蔽部の外端部は、厚さ、および、幅を有する中実でモノリシックな前端部を含みうる。厚さは、熱遮蔽部の上面と熱遮蔽部の下面の間に調節方向に垂直に延伸しうる。幅は、中実でモノリシックな前端部の内端部分の内端部とモノリシックな前端部の外端部の間に調節方向に延伸しうる。中実でモノリシックな前端部の外端部は、少なくとも部分的に開口部を画定しうる。
【0006】
一実施形態において、中実でモノリシックな前端部の幅は、2.5cmから6.5cmの範囲でありうる。
【0007】
他の実施形態において、熱遮蔽部は、更に、中実でモノリシックな前端部の内端部分に取り付けられた外端部分を有する下側プレートを含みうる。
【0008】
他の実施形態において、下側プレートおよび中実でモノリシックな前端部は、同じ材料を含みうる。
【0009】
他の実施形態において、固定部は、下側プレートの外端部分を、中実でモノリシックな前端部の内端部分に取り付けうる。
【0010】
他の実施形態において、固定部および中実でモノリシックな前端部は、同じ材料を含みうる。
【0011】
他の実施形態において、溶接ビードが、下側プレートの外端部を、中実でモノリシックな前端部の内端部に取り付けうる。
【0012】
他の実施形態において、補強プレートは、下側プレートに取り付けられた第1の縁部、および、中実でモノリシックな前端部の内端部に取り付けられた第2の縁部を含みうる。
【0013】
他の実施形態において、補強プレート、中実でモノリシックな前端部、および、下側プレートは、同じ材料を含みうる。
【0014】
他の実施形態において、熱遮蔽部は、中実でモノリシックな前端部の内端部分に取り付けられた外端部分を有する上側プレートを含みうる。
【0015】
他の実施形態において、上側プレートは、中実でモノリシックな前端部の材料より高い耐酸化性を有する材料を含みうる。
【0016】
他の実施形態において、上側プレートは、熱遮蔽部の長さに沿った列に配列された複数のプレートを含みうる。熱遮蔽部の長さは、調節方向に垂直に延伸しうる。
【0017】
他の実施形態において、複数のプレートの各プレートは、菱形状に配列された内縁部、外縁部、第1の側縁部、および、第2の側縁部を含む複数の縁部を含みうる。上側プレートの外端部分は、複数のプレートの外縁部を含みうる。
【0018】
他の実施形態において、複数のプレートの各プレートは、更に、複数の縁部の外縁部と交差するのみの第1のスロットと、複数の縁部の内縁部と交差するのみの第2のスロットとを含みうる。
【0019】
他の実施形態において、複数のプレートの各プレートは、第2のスロットを、対応するプレートの第1の側縁部から第2の側縁部に向かって延伸する方向に、第1のスロットからずらして提供しうる。
【0020】
他の実施形態において、装置は、上側プレートと下側プレートの間の空間内に配置された耐火性材料を、更に含みうる。
【0021】
他の実施形態において、耐火性材料と上側プレートの間に配置された材料シートを、更に含みうる。
【0022】
他の実施形態において、熱遮蔽部は、くさび形部の根元部の下方に配置されうる。
【0023】
他の実施形態において、装置を用いたガラスリボンの製造方法は、ガラスリボンを形成槽から引き出す工程を含みうる。方法は、更に、ガラスリボンを、開口部を通って引き出して、筐体から放出する工程を含みうる。
【0024】
他の実施形態において、熱遮蔽部を調節方向に沿って移動させて、開口部の幅を調節する工程を、更に含みうる。
【0025】
これらの特徴、他の特徴、実施形態、更に、利点は、次の詳細な記載を添付の図面を参照して読むことで、更に理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図2】ガラス製造装置の
図1の2-2線に沿った斜視断面図を示している。
【
図3】
図2の断面図の一部の端部を拡大して示している。
【
図4】熱遮蔽部の
図3の4-4線に沿った上面図である。
【
図6】熱遮蔽部の
図4の6-6線に沿った断面図である。
【
図7】部分的に組立てられた熱遮蔽部の上面図である。
【
図8】部分的に組立てられた熱遮蔽部の
図7の8-8に沿った断面図である。
【
図9】
図7の部分的に組立てられた熱遮蔽部の上面図であり、下側プレートの上方の空間に配置された耐火性材料を更に含む。
【
図10】
図9の部分的に組立てられた熱遮蔽部の上面図であり、耐火性材料の上方に配置された材料シートを更に含む。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、例示的実施形態を示した図面を参照して、本実施形態をより完全に記載する。全図を通して、同じ、または、類似の部分を称するには、可能な限り同じ参照番号を用いている。しかしながら、本開示は、多数の異なる形態で実施しうるものであり、本明細書に示した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。
【0028】
本明細書に開示する具体的な実施形態は、例示することを意図するものであり、したがって、限定するものではないと理解すべきである。本開示を行うために、必ずしも必要ではないが、ガラス製造装置は、任意で、ガラスシートおよび/またはガラスリボンを大量の溶融材料から形成するガラス形成装置を含む。例えば、ガラス製造装置は、任意で、スロットドロー装置、フロートバス装置、ダウンドロー装置、アップドロー装置、プレスローリング装置または他のガラス形成装置などのガラス形成装置を含む。以下に記載する
図1に示した実施形態において、ガラス製造装置101は、ガラスリボン103を大量の溶融材料121から製造するように設計された形成槽を含むガラス形成装置を含みうる。形成槽の実施形態によって製造されたガラスリボン103は、ガラスリボン103の第1の縁部153および第2の縁部155に沿って形成されて対向する比較的厚い縁部ビードの間に配置された高品質の中心部分151を含みうる。
図1に示したように、いくつかの実施形態において、ガラスシート104は、ガラス分離装置106によって、ガラスリボン103から分離されうる。不図示であるが、ガラスシート104の分離前または後に、第1の縁部153および第2の縁部155に沿って形成された厚い縁部ビードを除去して、高品質の中心部分151をガラスリボン103から解放しうる。その結果得られる高品質の中心部分151を、液晶表示装置(LCD)、電気泳動表示装置(EPD)、有機発光ダイオード表示装置(OLED)、プラズマ表示パネル(PDP)などを含む広範囲の様々な望ましい表示装置で利用しうる。
【0029】
図1は、保存容器109からバッチ材料107を受け付けるように向いた溶融槽105を含む例示的なガラス製造装置101を概略的に示している。バッチ材料107は、モータ113によって動力を供給されたバッチ送出装置111によって導入されうる。任意の制御部115は、モータ113を作動させて、望ましい量のバッチ材料107を、矢印117に示すように溶融槽105に導入するように動作しうる。ガラス溶融プローブ119を用いて、立て管123内の溶融材料の表面高さを測定し、測定した情報を、通信回線125を介して制御部115に伝達しうる。
【0030】
ガラス製造装置101は、溶融槽105の下流側に位置して、第1の接続路129を介して溶融槽105に連結された清澄槽127も含みうる。いくつかの実施形態において、溶融材料121は、第1の接続路129を介して、溶融槽105から清澄槽127へ重力送りされうる。例えば、重力は、溶融材料121が溶融槽105から清澄槽127へ第1の接続路129の内側経路を通って送られるように作動しうる。清澄槽127内で、様々な技術によって、溶融材料121から気泡が除去されうる。
【0031】
ガラス製造装置101は、更に、清澄槽127の下流側に位置しうる混合室131を含みうる。混合室131を用いて、均一な組成の溶融材料121を提供し、それにより、そうでない場合には清澄槽127を出る溶融材料121に存在しうる筋状の不均一部分を、削減または排除しうる。示したように、清澄槽127は、第2の接続路135を介して、混合室131に連結されうる。いくつかの実施形態において、溶融材料121は、清澄槽127から混合室131へ第2の接続路135を介して重力送りされうる。例えば、重力は、溶融材料121が清澄槽127から混合室131へ第2の接続路135の内側経路を通って送られるように作動しうる。
【0032】
ガラス製造装置101は、更に、混合室131の下流側に位置しうる送出槽133を含みうる。送出槽133は、投入路141へと供給する溶融材料121を調整しうる。例えば、送出槽133は、蓄積部、および/または、流れ制御部として機能して、溶融材料121の流れを調節して、一定の流れを投入路141に提供しうる。示したように、混合室131は、第3の接続路137を介して、送出槽133に連結されうる。いくつかの実施形態において、溶融材料121は、第3の接続路137を介して、混合室131から送出槽133に重力送りされうる。例えば、重力は、溶融材料121を、混合室131から送出槽133へ第3の接続路137の内側経路を通って送りうる。
【0033】
更に図示したように、送出管139を、溶融材料121を形成槽140の投入路141に送出するように配置しうる。本開示の特徴に応じて、ガラスリボンをフュージョンドローするくさび形部を含む形成槽、ガラスリボンをスロットドローするスロットを有する形成槽、または、形成槽からのガラスリボンを押圧ロール処理する押圧ロールを備えた形成槽を含む様々な実施形態の形成槽を、提供しうる。例えば、以下に示し例示する形成槽140を提供して、溶融材料を形成くさび形部の根元部142へ、そこから離れるようにフュージョンドローして、ガラスリボン103を製造する。
【0034】
次に、溶融材料121は、投入路141から送出されて、形成槽140の桶部201によって受け付けられる(
図2を参照)。形成槽140は、溶融材料121をガラスリボン103へと引き出しうる。例えば、示したように、溶融材料121を、形成槽140の根元部142から、ガラス製造装置101の下流側方向211に沿って引き出しうる。ガラスリボン103の幅「W」は、ガラスリボン103の第1の垂直縁部153とガラスリボン103の第2の垂直縁部155の間に延伸しうる。
【0035】
図2は、
図1の2-2線に沿ったガラス製造装置101の斜視断面図である。示したように、形成槽140は、投入路141から溶融材料121を受け付けるように向いた桶部201を含みうる。形成槽140は、更に、下方に向かって傾いて収束すると共に形成くさび形部209の対向する端部の間に延伸する1対の表面部分207a、207bを含む形成くさび形部209を含みうる。形成くさび形部209の下方に向かって傾いて収束する1対の表面部分207a、207bは、下流側方向211に沿って収束し、底縁部に沿って交差して、形成くさび形部209の根元部142を画定する。ガラス製造装置101のドロー平面213は、根元部142を通って延伸し、そこで、ガラスリボン103は、ドロー平面213に沿って、下流側方向211に引き出されうる。示したように、ドロー平面213は、根元部142を2分割しうるが、ドロー平面213は、根元部142に対して他の向きに延伸しうる。
【0036】
図2を参照すると、一実施形態において、溶融材料121は、方向159に、形成槽140の桶部201へと流れうる。次に、溶融材料121は、対応する堰部203a、203bを同時に越えることによって、桶部201から溢れ出し、更に、対応する堰部203a、203bの外面205a、205b上を下方に向かって流れうる。溶融材料121の各流れは、次に、形成くさび形部209の下方に向かって傾いて収束する表面部分207a、207bに沿って流れて、形成槽140の根元部142から引き出されて、その流れは収束して、ガラスリボン103へと融合される。ガラスリボン103は、次に、根元部142を離れて、下流側方向211に沿ったドロー平面213でフュージョンドローされて、いくつかの実施形態において、ガラスシート104(
図1を参照)は、後でガラスリボン103から分離されうる。
【0037】
図2に示したように、ガラスリボン103は、反対方向を向いた、例えば、約2ミリメートル(mm)以下、約1ミリメートル以下、約0.5ミリメートル以下、約500マイクロメートル(μm)以下、約300マイクロメートル以下、約200マイクロメートル以下、または、約100マイクロメートル以下などのガラスリボン103の厚さ「T」を画定するガラスリボン103の第1の主面215aとガラスリボン103の第2の主面215bを有して、根元部142から引き出されうるものであるが、更なる実施形態において、他の厚さを提供しうる。更に、ガラスリボン103は、様々な組成物を含みうもので、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、含アルカリガラス、または、無アルカリガラスを含むが、それらに限定されない。
【0038】
図1から3に概略的に示したように、ガラス製造装置101は、内側領域303を含む筐体301を含みうる。図示したように、筐体301は、少なくとも部分的に、形成槽140の形成くさび形部209を含む形成槽140を囲みうるもので、形成くさび形部209および形成槽は、少なくとも部分的に、筐体301の内部領域303内に配置されうる。
図3に示したように、いくつかの実施形態において、筐体301は、形成槽140の上側部分の上方に延伸する上壁部305、および、上壁部305に取り付けられた対向する側壁部307、309を含みうるもので、上壁部の内面は、桶部201内に配置された溶融材料121の自由表面122に対向する。対向する側壁部307、309は、各々、堰部203a、203bの外面205a、205b上を各々流れる溶融材料121の対応するシート311a、311bに対向しうる内面を含みうる。
図1を参照すると、筐体301は、更に、形成槽140、および、形成槽140の形成くさび形部209を、上壁部305、側壁部307、309および端壁部161a、161bによって少なくとも部分的に画定された内側領域303内に、少なくとも部分的に封止するように作動しうる端壁部161a、161bを含みうる。
【0039】
いくつかの実施形態において、ガラス製造装置101は、更に、筐体301に対して載置されて、筐体301の内側領域303への開口部の大きさを制限するように載置された閉鎖部313を含みうる。示したように、いくつかの実施形態において、閉鎖部313は、1対の扉部317a、317bを含みうる。いくつかの実施形態において、1対の扉部317a、317bは、任意で、ドロー平面213に向かう伸張方向319a、319b、または、ドロー平面213から離れる後退方向321a、321bに、作動部323a、323bによって移動されうるもので、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを調節しうる。扉部317a、317は、断熱部として作動して、内側領域303からの熱損失の削減を助けうる。更に、扉部317a、317b、熱遮蔽部337a、337b、および/または、熱遮蔽部339a、339bの1つまたは任意の組合せを、伸張方向319a、319bに移動して、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを削減して、内側領域303への空気流を削減し、それにより、溶融材料121からの熱エネルギーの損失を削減し、更に、内側領域303内の溶融材料121の部分の温度を上昇させうる。その代わりに、扉部317a、317b、熱遮蔽部337a、337b、および/または、熱遮蔽部339a、339bの1つまたは任意の組合せを、後退方向321a、321bに移動して、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを増加させて、内側領域303への空気流を増加させ、それにより、溶融材料121からの熱エネルギーの損失を増加させ、更に、溶融材料121の部分の温度を低下させうる。したがって、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを調節することによって、内側領域303内の溶融材料121の部分の温度を調節して、形成槽140から引き出されているガラスリボンに望ましい属性を提供しうる。例えば、形成くさび形部209から引き出されている溶融材料121の温度を低下させることで、溶融材料の粘度を高め、結果的に、形成くさび形部209の根元部142から引き出されているガラスリボン103の厚さ「T」を増加させうる。その代わりに、形成くさび形部209から引き出されている溶融材料121の温度を上昇させることで、溶融材料の粘度を低下させ、結果的に、形成くさび形部209の根元部142から引き出されているガラスリボン103の厚さ「T」を減少させうる。
【0040】
1対の扉部317a、317bが備えられた場合には、溶融材料121の部分の温度を調節するように更に設計された更なる特徴物を更に含み、上記ガラスリボン103の望ましい特性を提供しうる。例えば、扉部317a、317の一方または両方が、図示した冷却装置325を含みうる。冷却装置325の一実施形態を、1対の扉部317a、317bのうち第1の扉部317aについて記載するが、
図3に示したように、同一の、または、同様の冷却装置325を、1対の扉部317a、317bの第2の扉部317bにも組み込みうると理解するものとして記載する。示したように、扉部317aは、扉部317aの内側領域329内に配置された流体ノズル327を含みうる。流体ノズル327は、冷却流体流331(例えば、空気流)を、ドロー平面213に対向する扉部317aの前壁部333に向けうる。前壁部333が、形成槽140から引き出されているガラスリボン103からの放射熱伝達によって熱を吸収しうる間に、冷却流体流331は、前壁部333を熱対流熱伝達によって冷却しうる。したがって、ガラスリボン103の温度を、冷却装置325によって調節して、ガラスリボン103の温度および粘度に影響を与えて、それにより望ましい特徴(例えば、厚さ「T」)を有するガラスリボン103を提供しうる。
【0041】
図3に示したように、ガラス製造装置101は、更に、熱遮蔽部335を含みうる。いくつかの実施形態において、熱遮蔽部335は、垂直方向に扉部317a、317bの上方に配置された上側の1対の熱遮蔽部337a、337bを含みうる。例えば、示したように、上側の1対の熱遮蔽部337a、337bは、扉部317a、317bの上流側に(つまり、下流側方向211の反対側に)配置されうる。更に、または、その代わりに、熱遮蔽部335は、垂直方向に扉部317a、317bの下方に配置された下側の1対の熱遮蔽部339a、339bを含みうる。例えば、示したように、下側の1対の熱遮蔽部339a、339bは、扉部317a、317bの下流側に(つまり、下流側方向211に)配置されうる。不図示であるが、更に、熱遮蔽部(例えば、熱遮蔽部の対)は、扉部317a、317bの垂直高さ内に配置されうる。したがって、
図3に示した実施形態は、垂直方向に扉部317a、317bの完全に上方に位置する上側の1対の熱遮蔽部337a、337b、および、垂直方向に扉部317a、317bの完全に下方に位置する下側の1対の熱遮蔽部339a、339bを示しているが、更なる実施形態において、1つ以上の対の熱遮蔽部が、扉部317a、317bの垂直高さ内に位置しうる。更に、不図示であるが、いくつかの実施形態において、ガラス製造装置101は、扉部317a、317bを有さずに提供されて、その場合には、例えば、熱遮蔽部(例えば、1対の熱遮蔽部337a、337b、または、複数の対の熱遮蔽部)が、扉部317a、317bを用いずに、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを画定しうる。
【0042】
いくつかの実施形態において、熱遮蔽部335の1つ、または、全てを、調節方向に沿って移動自在に載置しうる。例えば、図示した実施形態において、ガラスリボン103の第1の主面215aに対応する各熱遮蔽部337a、339aは、対応する作動部341によって伸張方向319aまたは後退方向321aに移動自在に載置されうる。更に示すように、図示した実施形態において、ガラスリボン103の第2の主面215bに対応する熱遮蔽部337b、339bは、対応する作動部341によって伸張方向319bまたは後退方向321bに移動自在に載置されうる。結果的に、1対の扉部317a、317bに追加で、または、その代わりに、熱遮蔽部335を、伸張方向に移動させて、筐体301の内側領域303への開口部315の大きさを調節しうる。
【0043】
図示した例において、1対の熱遮蔽部337a、337b、および、1対の339a、339bの各熱遮蔽部は、形成くさび形部209の根元部142の垂直方向の下方に配置されて、図示した実施形態では完全に内側領域303内に配置されたくさび形部の雰囲気条件の制御を助けうる。更なる実施形態において、不図示であるが、くさび形部の一部は、1つ以上の熱遮蔽部の下方に延伸しうる。
【0044】
図4は、
図3の4-4方向に沿って見た例示的な熱遮蔽部335の上面図である。いくつかの実施形態において、熱遮蔽部337a、337b、339a、339bは、互いに同一または鏡像でありうる。したがって、
図4から10に示した熱遮蔽部335の実施形態は、熱遮蔽部337a、339aを表しうる。
図4から10の熱遮蔽部335の鏡像は、更に、熱遮蔽部337b、339bを表しうる。
【0045】
図4の上面図に示したように、いくつかの実施形態において、熱遮蔽部335は、任意で、端部分335b、335cの間に配置された中心部分335aを含みうる。端部分335b、335cは、
図1に示した縁部方向付け部163a、163bを有する実施形態で備えられうる。そのような実施形態において、端部分335b、335cは、形成くさび形部209の根元部142の下方に延伸しうる縁部方向付け部163a、163bの一部に間隔を提供しうる。いくつかの実施形態において、端部分335b、335cは、単一または複数の作動部を用いて、共に後退および/または延伸されうる。いくつかの実施形態において、示したように、各端部分335b、335cは、対応する作動部341b、341cを用いて、独立に後退および/または延伸されうる。更に、いくつかの実施形態において、中心部分335aは、単一の作動部(例えば、作動部341a)または複数の作動部を用いて、端部分335b、335cと共に後退および/または延伸されうる。いくつかの代わりの実施形態において、端部分335b、335cを共に、中心部分335aとは独立に調節するか、または、各端部分335b、335cを互いに独立に、かつ、中心部分335aからも独立に調節しうる。
【0046】
熱遮蔽部335の少なくとも中心部分335aは、いくつかの実施形態において中心部分335aの全長「L1」に沿って延伸しうる中実でモノリシックな前端部401aを含みうる。更なる実施形態において、端部分335b、335cが備えられた場合には、端部分335b、335cも、中心部分335aの中実でモノリシックな前端部401aと同様または同一の中実でモノリシックな前端部401b、401cを含みうる。端部分335b、335cの中実でモノリシックな前端部401b、401cは、いくつかの実施形態において、端部分335b、335cの全長「L2」、「L3」に沿って延伸しうる。次に、熱遮蔽部335の中心部分335aの特徴物を記載するが、別段の記載がない限りは、端部分335b、335cは、中心部分335aと同じ、または、同様の特徴物を有すると理解するものとして記載する。
【0047】
図6に示すように、いくつかの実施形態において、中実でモノリシックな前端部401aは、外端部603を有する外端部分601、および、内端部607を有する内端部分605を含みうる。
図3に示したように、中実でモノリシックな前端部の外端部603は、少なくとも部分的に、筐体301の内側領域303への開口部315を画定しうる。例えば、示したように、1対の熱遮蔽部337a、337bの対向する外端部603は、開口部315の開口343の幅を画定しうる。いくつかの実施形態において、中実でモノリシックな前端部401aの互いに平行な外端部603は、直線経路に沿って延伸し、熱遮蔽部335の中心部分335aの全長「L1」に沿って略一定の開口343の幅を画定する。
【0048】
更に
図6に示したように、中実でモノリシックな前端部401aは、熱遮蔽部335の調節方向319a、321aに延伸する幅609を有しうる。幅609は、約2.5センチメートル(cm)から約6.5cmでありうる。更なる実施形態において、幅は、約3cmから約6cmでありうる。更なる実施形態において、幅609は、約4cmから約5cmでありうる。2.5cmより広い幅とすることで、中実でモノリシックな前端部401aの断面の領域慣性モーメントの増加を助けて、熱遮蔽部335に高温下で力が加わっても、前端部および熱遮蔽部の他の部分が、曲げ、反り、および/または、永久的変形を受けなくするのを助けうる。一方、6.5cm未満の幅609とすることで、熱遮蔽部335の質量およびコストの削減を助けうる。
【0049】
中実でモノリシックな前端部401aの断面の領域慣性モーメントの増加を更に助けるために、中実でモノリシックな前端部は、熱遮蔽部の上面(例えば、中実でモノリシックな前端部401aの最上面612)と熱遮蔽部の下面(例えば、中実でモノリシックな前端部401aの最下面614)の間に、調節方向319a、321aに垂直に延伸する厚さ611を有しうる。厚さ611は、約1cmから約3cmでありうるが、更なる実施形態において、他の厚さであってもよい。他の実施形態において、厚さ611は、約1.5cmから約2.5cmでありうる。いくつかの実施形態において、約1cmより厚い厚さ611とすることで、中実でモノリシックな前端部401aの断面の慣性モーメントを増加させて、熱遮蔽部335に高温下で力が加わっても、前端部および熱遮蔽部の他の部分が、曲げ、反り、および/または、永久的変形を受けなくするのを助けうる。更なる実施形態において、厚さ611を約3cmとすることで、熱遮蔽部335の質量およびコストの削減を助けうる。
【0050】
中実でモノリシックな前端部401aの外端部分601は、中実でモノリシックな前端部401aの幅609の50%以上でありうる幅608に亘って、厚さ611を有しうる。いくつかの実施形態において、幅608は、幅609の約50%から約90%でありうる。更なる実施形態において、幅608は、幅609の約50%から約80%でありうる。更なる実施形態において、幅608は、幅609の約50%から約70%でありうる。いくつかの実施形態において、外端部分601は、外端部分601の幅608に沿って、空洞部分も穴もないものでありうる。更に、いくつかの実施形態において、外端部分601の略全体または全幅は、内端部分605の厚さより厚い厚さ611を有しうる。したがって、厚い厚さ611を有し、外端部分601の略全幅または全幅608に沿って穴も空洞部分もない外端部分601は、更に、中実でモノリシックな前端部401aの外端部分601によって提供される断面の領域慣性モーメントを増加させうる。
【0051】
図6に示すように、中実でモノリシックな前端部401aの内端部分605は、固定部615を受け付けて下側プレート617の外端部分618aおよび上側プレート619の外端部分620aを中実でモノリシックな前端部401aの内端部分605に取り付けるように設計された穴613を含みうる。更に図示したように、基台支持部材624の外端部分622は、ねじ山付き穴626を含みうるもので、それも、固定部615を受け付けて、下側プレート617の外端部分618bおよび上側プレート619の外端部分620bを基台支持部材624の外端部分622に取り付けるように設計されうる。
【0052】
中実でモノリシックな前端部401a、上側および下側ねじ山付き固定部615、上側プレート619、下側プレート617、および、基台支持部材624は、利用例に応じて、同じ、または、異なる材料から製作されうる。いくつかの実施形態において、上記構成要素の2つ以上を同じ材料から製作しうる。いくつかの実施形態において、熱遮蔽部335の応力、反り、および/または、永久的変形を防ぐために、下側プレート617および中実でモノリシックな前端部401aは、同じ材料を含みうる。更に、または、その代わりに、下側プレート617の外端部分618aを中実でモノリシックな前端部401aの内端部分605に固定するのに用いる下側ねじ山付き固定部615は、同じ材料を含みうる。更なる実施形態において、下側ねじ山付き固定部615、下側プレート617、および、中実でモノリシックな前端部401は、同じ材料を含みうる。下側ねじ山付き固定部615、下側プレート617、および、中実でモノリシックな前端部401aを、完全に同じ材料からなど、同じ材料から製作することで、これらの構成要素の熱膨張率を一致させて、それにより、そうではなく熱膨張率が一致しない構成要素により生じうる温度変化による反り、応力、更に接合不良を防ぎうる。
【0053】
広範囲の材料を用いうるが、いくつかの実施形態において、下側ねじ山付き固定部615、下側プレート617、および、中実でモノリシックな前端部401aを、部分的または全体的に、ニッケル‐クロム合金などのニッケル合金から製作しうるものであり、更なる実施形態において、他の材料(例えば、合金)が提供されうる。いくつかの実施形態において、材料は、優れた高温強度、および、高い運転温度での酸化環境に対する優れた耐酸化性を提供しうるニッケル‐クロム‐タングステン-モリブデン合金でありうる。そのような材料を、熱遮蔽部335の応力破損、曲げ、反り、または、永久的変形を生じることなく熱遮蔽部335の質量を支持する強い支持枠部を提供する熱遮蔽部335の下側部分に用いうる。
【0054】
上側プレート619および上側ねじ山付き固定部615は、形成くさび形部209、縁部方向付け部163a、163b、および、溶融材料121の比較的高温である上流側部分に向かって上方に向く。したがって、上側プレート619、および、上側ねじ山付き固定部615は、より大きい放射熱伝達に曝される。上側プレート619、および/または、上側ねじ山付き固定部615の高温条件での酸化を防ぐために、これらの構成要素を、比較的高温において、熱遮蔽部335の他の構成要素と比べて、より高い耐酸化性を有する材料から製作しうる。いくつかの実施形態において、上側プレート619および上側ねじ山付き固定部615は、中実でモノリシックな前端部401a、および/または、熱遮蔽部335の他の構成要素の材料より、高温において、高い耐酸化性を有する材料を含む。いくつかの実施形態において、上側プレート619および上側ねじ山付き固定部615は、同じ材料を含みうる。上側プレート619および上側ねじ山付き固定部615を、完全に同じ材料からなど、同じ材料から製作することで、これらの構成要素の熱膨張率を一致させて、それにより、応力、更に接合不良を防ぎうる。
【0055】
広範囲の材料を用いうるが、いくつかの実施形態において、上側ねじ山付き固定部615、および、上側プレート619を、部分的または全体的に、ニッケル‐クロム合金などのニッケル合金から製作しうるものであり、更なる実施形態において、他の材料(例えば、合金)が提供されうる。いくつかの実施形態において、材料は、優れた高温強度、および、比較的高い運転温度でも優れた耐酸化性を提供しうるニッケル‐クロム‐アルミニウム-鉄合金でありうる。
【0056】
いくつかの利用例において、基台支持部材624は、ガラスリボン103にも形成くさび形部209にも直接対向しないものでありうるので、310ステンレス鋼などの代わりの材料から製作し、更なる実施形態において、基台支持部材624を、他の材料から製作しうる。
【0057】
更に、いくつかの実施形態において、中実でモノリシックな前端部401a内の上側穴613と上側ねじ山付き固定部615の間に僅かな間隔を設けうる。更に、または、その代わりに、僅かな間隔を、上側ねじ山付き固定部と上側プレート619の固定部を受け付け開口部の間に設けうる。そのような間隔を設けることで、上側プレートと中実でモノリシックな前端部401aの僅かな相対移動を可能にし、それにより、熱膨張率が不一致の構成要素同士が堅く取り付けられたことによる反り、応力、または、接合不良を防ぎうる。
【0058】
上側プレート、および/または、下側プレートは、単一のプレートまたは複数のプレートを含みうる。
図4に示したように、熱遮蔽部335の実施形態は、上側プレート619を、複数の上側プレート619a~hとして提供しうる。図示した実施形態において、熱遮蔽部335の各端部分335b、335cは、各々、単一の上側プレート619a、619hを含みうるが、更なる実施形態において、各端部分335b、335cに複数の上側プレートを備えうる。図示した実施形態において、熱遮蔽部335の中心部分335aは、複数の上側プレート619b~gを含みうるが、更なる実施形態において、中心部分335aは、単一の上側プレートを備えうる。示したように、複数の上側プレート619b~gを備えた場合には、複数の上側プレート619b~gは、熱遮蔽部335の長さ「L1」に沿った列に配置されうるもので、熱遮蔽部の長さは、調節方向319a、321aに垂直に延伸するものである。
【0059】
図5に更に示すように、熱遮蔽部335の実施形態は、下側プレート617を、複数の下側プレート617a~hとして提供しうる。図示した実施形態において、熱遮蔽部335の各端部分335b、335cは、各々、単一の下側プレート617a、617hを含みうるが、更なる実施形態において、各端部分335b、335cは、複数の下側プレートを備えうる。図示した実施形態において、熱遮蔽部335の中心部分335aは、複数の下側プレート617b~gを含みうるが、更なる実施形態において、中心部分335aは、単一の下側プレートを備えうる。示したように、複数の下側プレート617b~gを備えた場合には、複数の下側プレート617b~gを、熱遮蔽部335の長さ「L1」に沿った列に配列しうる。
【0060】
使用中の温度変動による熱遮蔽部335の長さに沿った曲げ、反り、および/または、永久的変形を削減するには、変形上側プレート619、および/または、下側プレート617を、複数のプレートとして提供することが望ましいことがありうる。プレートは、広範囲の形状および大きさを有しうる。更に、上側プレート、および/または、下側プレートが、一列のプレートとなるように配置された複数のプレートとして提供された場合には、(例えば、プレート617b~g、619b~gを参照)、複数のプレートは、同一の形状、および/または、大きさを有しうるが、更なる実施形態において、異なる形状、および/または、大きさであってもよい。いくつかの実施形態において、プレートまたは複数のプレートは、各々、四角形を含む外周縁部を有しうるが、更なる実施形態において、他の多角形または非多角形状を含みうる。例えば、
図5および6に示したように、上側プレート619a、619hおよび下側プレート617a、617hは、各々、矩形状に配列された縁部を有し、縁部は、内縁部403、503、内縁部403、503に平行な外縁部405、505、第1の側縁部407、507、および、第1の側縁部407、507に平行でありうる第2の側縁部409、509を含みうる。
【0061】
図5および6に更に示すように、熱遮蔽部の中心部分335aの一列のプレートの複数のプレートは、任意で、台形および/または菱形状に配列された縁部を含みうるが、更なる実施形態において、矩形または他の形状を備えうる。一実施形態において、プレートの列の端部プレート617b、619b、617g、619gは、台形状に配列された縁部を含みうるが、プレートの列の内側プレート617c~f、619c~fは、菱形状に配列された縁部を含みうる。示したように、プレートの列の端部プレートを台形状にすることで、プレート形状が、菱形状の内側プレートから、熱遮蔽部の端部分に関連する矩形状のプレートへと変化するようにしうる。例えば、示したように、上側プレート619b、619gおよび下側プレート617b、617gは、各々、台形状に配列された縁部を含みうるもので、縁部は、内縁部411、511、内縁部411、511に平行な外縁部413、513、第1の側縁部415、515、および、第1の側縁部415、515に平行でなくてもよい第2の側縁部417、517を含みうる。更に示すように、上側プレート619c~fおよび下側プレート617c~fは、各々、菱形状に配列された縁部を有しうるもので、縁部は、内縁部421、521、内縁部421、521に平行な外縁部423、523、第1の側縁部425、525、および、第1の側縁部425、525に平行でありうる第2の側縁部427、527を含みうる。
【0062】
示したように、上側プレート619の外端部分620aは、複数の上側プレート619a~hの外縁部405、413、423を含みうる。更に示すように、下側プレート617の外端部分618aは、複数の下側プレート617a~hの外縁部505、513、523を含みうる。更に示すように、上側プレート619の内端部分620bは、複数の上側プレート619a~hの内縁部403、411、421を含みうる。更に示すように、下側プレート617の内端部分618bは、複数の下側プレート617a~hの内縁部503、511、521を含みうる。
【0063】
菱形状、および/または、台形状の複数のプレートを備えることで、ドロー平面213に対して鋭角430、530で延伸する対応する当接経路429、529に沿って、隣接したプレートの縁部を当接させうる。したがって、複数のプレートの当接した縁部による不連続性により生じる熱伝達性の不連続性を、ドロー平面に沿った幅431、531に亘って平均化して、そうではなくドロー平面213に対して90°で延伸した当接経路の場合に生じる隣接プレートの当接縁部による集中した熱伝達不連続性に、ガラスリボン103が曝されるのを防ぎうる。
【0064】
いくつかの実施形態において、上側プレート619と下側プレート617の少なくとも1つに、温度変動による熱遮蔽部335の曲げ、反り、および/または、永久的変形を防ぐように設計された少なくとも1つのスロットを備えうる。例えば、
図4に示すように、複数の上側プレート619a~hの少なくとも1つまたは全てのプレートが、複数の上側プレート619a~hの外縁部405、413、423に交差しうる第1のスロット433、および、複数の上側プレート619a~hの内縁部403、411、421に交差しうる第2のスロット435を含みうる。いくつかの実施形態において、第1のスロット433は、複数の上側プレート619a~hの外縁部405、413、423に交差しうるが、複数の上側プレート619a~hの内縁部403、411、421に交差しない。更なる実施形態において、第2のスロットは、複数の上側プレート619a~hの内縁部403、411、421に交差しうるが、複数の上側プレート619a~hの外縁部405、413、423に交差しない。第1のスロット433および第2のスロット435は、プレートの上側主面からプレートの下側主面へ、プレートを完全に貫通して延伸して、プレートをその位置で分割し、それにより、その位置で温度差により生じうる任意の曲げモーメントを緩和しうる。示したように、いくつかの実施形態において、第1のスロット433および第2のスロット435は、プレートの内縁部と外縁部の間のプレートの幅の50%未満の長さを有しうる。例えば、スロットは、プレートの幅の10%と50%の間の長さ、または、プレートの幅の20%と40%の間の長さを有しうる。スロット433、435の長さを、プレートの幅の50%未満とすることで、プレートの強度を高めるのと共に、プレートを十分に分割して、そうでない場合には熱遮蔽部335の反りを生じうる曲げモーメントを、緩和しうる。いくつかの実施形態において、任意の曲げモーメントを有利に最大に緩和するように十分に長いスロットにすると共に、プレートの構造完全性を維持して、更に、ガラスリボン103がスロットにより曝される熱不連続性を最小にするようにスロットの長さを限定して、スロットの長さをバランスさせうる。
【0065】
更に示すように、いくつかの実施形態において、第2のスロット435は、第1のスロット433から、対応する上側プレート619a~hの第1の側縁部407、415、425から第2の側縁部409、417、427に向かって延伸するずれ方向に、ずれたものでありうる。スロット433、435をずらすことで、プレートの強度を高め、そうではない場合に、位置合わせされたスロットの場合に生じるガラスリボン103の幅に沿った熱不連続性を最小にしうる。
【0066】
図7から9に示すように、熱遮蔽部335は、補強プレート701を含みうる。
図8を参照すると、補強プレート701は、下側プレート617に、例えば、溶接ビード803によって取り付けられた第1の縁部801aを含みうる。補強プレート701は、更に、中実でモノリシックな前端部401aの内端部607に、例えば、溶接ビード803によって取り付けられた第2の縁部801bを含みうる。更に、補強プレートは、基台支持部材624の内端部に、例えば、溶接ビード803によって取り付けられた第3の縁部801cを含みうる。更に
図8に示すように、溶接ビード803は、更に、下側プレート617の外端部分618aを中実でモノリシックな前端部401aに取り付け、下側プレート617の内端部分618bを基台支持部材624に取り付けうる。いくつかの実施形態において、補強プレート701は、中実でモノリシックな前端部401aおよび下側プレート617と同じ材料を含み(例えば、完全に同じ材料から作られ)、温度差による応力および接合不良を防ぎうる。補強プレート701を備えた場合には、補強プレート701は、中実でモノリシックな前端部401a、下側プレート617、および、任意の基台支持部材624を含む熱遮蔽部335の支持枠部に含められうる。いくつかの実施形態において、溶接ビード803を備えた場合には、溶接ビード803は、そのような部分を一体となった支持部材として一体化させて、熱遮蔽部335の強度を更に高め、剛性を高めて、それにより、熱変化に応じた熱遮蔽部335の反りまたは他の変形(例えば、永久的変形)を防ぎうる。
【0067】
更に
図6および9に示すように、いくつかの実施形態において、耐火性材料627を、上側プレート619と下側プレート617の間の空間805(
図8を参照)内に配置しうる。耐火性材料は、筐体301の内側領域303からの熱損失を最小にするのを助けるように設計された耐火性セラミック材料または他の材料を含みうる。
【0068】
図6および10に示したように、材料シート629は、耐火性材料627と上側プレート619の間に配置される。材料シート629は、耐火性材料627を、上側プレート619による破損から保護するのを助けうる。確かに、上記のように、固定部615と上側プレート619の固定部開口部の間、および/または、固定部と穴613の間に僅かな間隔があり、中実でモノリシックな前端部401aと上側プレート619の間での材料の種類の違いに適応するようにしうる。結果的に、上側プレート619と耐火性材料627の間で僅かな相対的移動があり、上側プレート619がそうではなく耐火性材料627に直接接触する場合には、耐火性材料627に摩耗破損を生じうる。材料シート629は、耐火性材料627を保護するように作動して、上側プレート619の縁部が、耐火性材料627を直接擦らないようにしうる。更に、材料シート629は、隣接した上側プレートの当接縁部により上側プレート619b~gに生じた不連続性によるガラスリボン103での熱不連続性からの保護を更に助けうる。むしろ、隣接した上側プレートの当接縁部により生じた任意の不連続性は、少なくとも部分的に材料シート629によって遮蔽されて、ガラスリボン103の幅「W」に沿って、より連続した熱伝導性を提供しうる。更に、シート629は、耐火性材料627の粒子または他の破片が隣接した上側プレートの当接縁部の間から漏れるのを削減するのを助けうる。不図示であるが、同様の材料シートを、耐火性材料627と下側プレート617の間に配置して、耐火性材料627の粒子または他の破片が、隣接した下側プレートの当接縁部の間から漏れるのも削減するのも助けうる。破片(例えば、耐火性材料627の粒子)がプレートの当接縁部の間から漏れるのを防ぐことで、主面215a、215bが破片で汚れるのを防ぐのを助け、それにより、ガラスリボン103の主面215a、215bの汚れのない状態を維持しうる。いくつかの実施形態において、材料シート629は、薄膜を含みうるが、更なる実施形態において、より厚い材料シートを備えうる。示したように、いくつかの実施形態において、材料シート629は、熱遮蔽部335の相対的部分335a、335b、335cの全長「L1」、「L2」、「L3」に延伸しうる。いくつかの実施形態において、シート629は、上側プレート619を製作するのに用いた材料と同様か同一の材料を含み、耐酸化性を提供しうる。
【0069】
図7から10を参照して、熱遮蔽部335の製造方法の実施形態を記載する。具体的には、製造方法を、熱遮蔽部335の中心部分335aについて記載するが、別段の記載がない限りは、その製造方法は、熱遮蔽部335の端部分335b、335cにも、同様に、または、同じに適用される。
図7および8に示すように、下側プレート617を、基台支持部材624および中実でモノリシックな前端部401aに固定しうる。いくつかの実施形態において、ねじ山付き固定部615(例えば、ねじ)を、基台支持部材624のねじ山付き穴626、および、中実でモノリシックな前端部401aのねじ山付き穴613内に通して受け付けられるようにしうる。いくつかの実施形態において、ねじ山付き固定部615とねじ山付き穴613、626の間、および、ねじ山付き固定部615と下側プレート617の固定部開口部の間に、間隔が殆どないか、または、全くないようにしうる。そのような実施形態において、下側プレート617と基台支持部材624と中実でモノリシックな前端部401aの間で、非常に堅固な接続を実現して、使用中に熱遮蔽部335が曲がるのを防ぎうる。更に、下側プレート617、中実でモノリシックな前端部401a、および、下側固定部615を、同じ比較的強い材料から熱膨張率を一致させて製作(完全に製作)しうるので、大きい温度変化があっても接合接続箇所に過剰な応力を加えることがない。
【0070】
熱遮蔽部の構造的剛性および強度を更に高めるには、補強プレート701を、基台支持部材624、下側プレート617および中実でモノリシックな前端部401aに、一体になるように取り付けるなどして取り付けうる。いくつかの実施形態において、溶接ビード803が、補強プレート701の第1の縁部801aを下側プレート617に一体になるように取り付けうる。更に示すように、溶接ビード803は、補強プレート701の第2の縁部801bも、中実でモノリシックな前端部401a内端部607に一体になるように取り付けうる。更に示すように、溶接ビード803は、補強プレート701の第3の縁部801cも基台支持部材624に一体になるように取り付けうる。構造を更に堅固にするために、溶接ビード803を、下側プレート617の外端部を基台支持部材624に、下側プレート617の外端部と基台支持部材の間の継ぎ目で取り付けるのにも用いうる。更に、溶接ビード803を、下側プレート617の他方の外端部を中実でモノリシックな前端部401aに、下側プレート617の外端部と中実でモノリシックな前端部401aの間の継ぎ目で取り付けるのにも用いうる。
【0071】
更に、下側プレート617、中実でモノリシックな前端部401a、下側固定部615、および、補強プレート701を、同じ比較的強い材料から製作(完全に製作)しうるので、同じ材料から製作された構成要素は同じ熱膨張率を有することから、大きい温度変化が接合接続箇所に過剰な応力を加えることがない。構成要素の接続が堅固であること、および、構成要素に用いうる材料が比較的強度が高いものであることにより、下側プレート617、中実でモノリシックな前端部401a、下側固定部、補強プレート701、および、関連した溶接継ぎ目は、使用中に熱遮蔽部335の曲げ、反り、および、永久的変形を防ぐ強く堅固な支持構造を提供しうる。したがって、中実でモノリシックな前端部401aの外端部603を、(例えば、直線経路上を延伸する)望ましい形状に維持して、反対側の中実でモノリシックな前端部401aの対向する外端部603との間の開口343(
図3を参照)が、より長い製造キャンペーンの間、全長「L1」に沿って、一定の大きさに維持されるようにしうる。開口343の大きさを全長「L1」に沿って一定にすることで、対流路が下流側方向211と反対の上方に、開口343を通って、筐体301の内側領域303内へ進む時に、長さ「L1」に沿って一定の冷却対流路を提供するのを助けうる。
【0072】
図9に示すように、次に、耐火性材料627を空間805に挿入して(
図8を参照)、熱遮蔽部335の耐熱伝達性を高めて、それにより、筐体301の内部領域303からの望ましくない熱損失を最小にするのを助けうる。
【0073】
図10に示したように、いくつかの実施形態において、次に、材料シート629を、耐火性材料627、および、補強プレート701の上部の上に配置しうる。次に、
図4に示したように、上側プレート619を、基台支持部材624および中実でモノリシックな前端部401aに取り付けうる。いくつかの実施形態において、上側ねじ山付き固定部615を中実でモノリシックな前端部のねじ山付き穴613および基台支持部材624のねじ山付き穴626内に通して受け付けるようにしうる。上側プレート619を、より高い温度で耐酸化性を有する材料から形成しうるので、上側プレート619は耐酸化性を有し、そうでない場合には望ましくなく形成くさび形部209から熱を奪う酸化を、防ぎうる。更に、上側固定部615とねじ山付き穴613の間、および/または、上側固定部615とねじ山付き穴626の間に間隔を設けうる。更に、または、その代わりに、上側固定部615と、上側プレート619の固定部開口部のいくつか、または、全てとの間に間隔を設けうる。間隔があることで、温度変化の間に、上側プレート619を、基台支持部材624、および/または、中実でモノリシックな前端部401aに対して、僅かに浮くようにして、上側プレート619と中実でモノリシックな前端部401aの間、および/または、上側プレート619と熱遮蔽部335の他の構成要素の間の熱膨張率の不一致に適応するようにしうる。
【0074】
ここで、ガラス製造装置101を用いたガラスリボン103の製造方法を記載する。
図3に示したように、溶融材料シートは、形成くさび形部209の1対の下方に向かって傾いて収束する表面部分207a、207bの各表面部に沿って流れうる。次に、溶融材料は、形成くさび形部209の根元部142から引き出されてガラスリボン103になりうる。
図3に示したように、次に、ガラスリボンは、中実でモノリシックな前端部401aの対向する外端部603の間の開口343を通ってなど、開口部315を取って引き出されうる。次に、ガラスリボンは、開口部315を通って引き出されて、筐体301の内側領域303に存在しうる。
【0075】
いくつかの実施形態において、熱遮蔽部335は、調節方向319a、319b、321a、321bに沿って移動して、開口343の幅を調整しうる。開口部の幅を調節することで、開口343を通って筐体301の内側領域303に入る対流空気流の調節を助けて、内側領域303の温度、および/または、対流空気流の流速を変化させるガラスリボンからの熱伝達を調節しうる。更に、熱遮蔽部335の特徴により、中実でモノリシックな前端部の反り、および、永久的変形を最小にするか防いで、それにより、中実でモノリシックな前端部の外端部603の(例えば、直線経路に沿って延伸する)形状を維持して、全長「L1」に沿って、対向する外端部603同士の間隔を一定にしうる。したがって、より長い製造キャンペーンに亘って、全長「L1」に亘って一定の対流熱伝達を実現しうるもので、それは、従来の設計では、従来の熱遮蔽部の反り、および/または、永久的変形を生じて不可能でありうるものだった。
【0076】
様々な実施形態を例示的および具体的例について詳細に記載したが、本開示は、それらに限定されると考えられるべきではなく、請求項の範囲を逸脱することなく、本開示の特徴の変更および組合せを多数行いうると理解すべきである。
【0077】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0078】
実施形態1
装置において、
筐体と、
少なくとも部分的に前記筐体内に配置された形成槽と、
前記筐体に対して載置されて、該筐体への開口部の大きさを制限する閉鎖部と、
前記閉鎖部に対して調節方向に沿って移動自在に載置された熱遮蔽部と
を含み、
前記熱遮蔽部の外端部は、中実でモノリシックな前端部を含み、前記前端部は、該熱遮蔽部の上面と該熱遮蔽部の下面の間に前記調節方向に垂直に延伸する厚さ、および、前記中実でモノリシックな前端部の内端部分の内端部と該モノリシックな前端部の外端部の間に該調節方向に延伸する幅を有し、該中実でモノリシックな前端部の前記外端部は、少なくとも部分的に前記開口部を画定するものである装置。
【0079】
実施形態2
前記中実でモノリシックな前端部の前記幅は、2.5cmから6.5cmの範囲である、実施形態1に記載の装置。
【0080】
実施形態3
前記熱遮蔽部は、更に、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部分に取り付けられた外端部分を有する下側プレートを含むものである、実施形態1または2に記載の装置。
【0081】
実施形態4
前記下側プレートおよび前記中実でモノリシックな前端部は、同じ材料を含むものである、実施形態3に記載の装置。
【0082】
実施形態5
固定部は、前記下側プレートの前記外端部分を、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部分に取り付けるものである、実施形態3または4に記載の装置。
【0083】
実施形態6
前記固定部および前記中実でモノリシックな前端部は、同じ材料を含むものである、実施形態5に記載の装置。
【0084】
実施形態7
溶接ビードが、前記下側プレートの前記外端部を、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部に取り付けるものである、実施形態3から6のいずれか1つに記載の装置。
【0085】
実施形態8
前記下側プレートに取り付けられた第1の縁部、および、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部に取り付けられた第2の縁部を含む補強プレートを、
更に含む、実施形態3から7のいずれか1つに記載の装置。
【0086】
実施形態9
前記補強プレート、前記中実でモノリシックな前端部、および、前記下側プレートは、同じ材料を含むものである、実施形態8に記載の装置。
【0087】
実施形態10
前記熱遮蔽部は、更に、前記中実でモノリシックな前端部の前記内端部分に取り付けられた外端部分を有する上側プレートを含むものである、実施形態1から9のいずれか1つに記載の装置。
【0088】
実施形態11
前記上側プレートは、前記中実でモノリシックな前端部の材料より高い耐酸化性を有する材料を含むものである、実施形態10に記載の装置。
【0089】
実施形態12
前記上側プレートは、前記熱遮蔽部の長さに沿った列に配列された複数のプレートを含み、該熱遮蔽部の前記長さは、前記調節方向に垂直に延伸するものである、実施形態10または11に記載の装置。
【0090】
実施形態13
前記複数のプレートの各プレートは、菱形状に配列された内縁部、外縁部、第1の側縁部、および、第2の側縁部を含む複数の縁部を含み、前記上側プレートの前記外端部分は、該複数のプレートの前記外縁部を含むものである、実施形態12に記載の装置。
【0091】
実施形態14
前記複数のプレートの各プレートは、更に、
前記複数の縁部の前記外縁部と交差する第1のスロットと、
前記複数の縁部の前記内縁部と交差する第2のスロットと
を含むものである、実施形態13に記載の装置。
【0092】
実施形態15
前記複数のプレートの各プレートは、前記第2のスロットを、対応するプレートの前記第1の側縁部から前記第2の側縁部に向かって延伸する方向に、前記第1のスロットからずらして提供するものである、実施形態14に記載の装置。
【0093】
実施形態16
前記上側プレートと前記下側プレートの間の空間内に配置された耐火性材料を、
更に含む、実施形態10から15のいずれか1つに記載の装置。
【0094】
実施形態17
前記耐火性材料と前記上側プレートの間に配置された材料シートを、
更に含む、実施形態16に記載の装置。
【0095】
実施形態18
前記熱遮蔽部は、くさび形部の根元部の下方に配置されたものである、実施形態1から17のいずれか1つに記載の装置。
【0096】
実施形態19
実施形態1から18のいずれか1つに記載の装置を用いたガラスリボンの製造方法において、
ガラスリボンを前記形成槽から引き出す工程と、
前記ガラスリボンを、前記開口部を通って引き出して、前記筐体から放出する工程と
を含む方法。
【0097】
実施形態20
前記熱遮蔽部を前記調節方向に沿って移動させて、前記開口部の幅を調節する工程を、
更に含む、実施形態19に記載の方法。
【符号の説明】
【0098】
140 形成槽
301 筐体
313 閉鎖部
315 開口部
335 熱遮蔽部
401a、401b、401c 中実でモノリシックな前端部
433 第1のスロット
435 第2のスロット
615 固定部
617 下側プレート
619 上側プレート
701 補強プレート
803 溶接ビード