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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】非天然塩基対組成物および使用の方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/21 20060101AFI20240201BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 15/31 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 15/55 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 15/54 20060101ALI20240201BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20240201BHJP
   C12P 19/34 20060101ALI20240201BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
C12N1/21 ZNA
C12N1/15
C12N1/19
C12N5/10
C12N15/31
C12N15/55
C12N15/54
C12N15/11 Z
C12P19/34 A
C12P21/02 C
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2020535961
(86)(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 US2018067969
(87)【国際公開番号】W WO2019133883
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】62/612,062
(32)【優先日】2017-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】501244222
【氏名又は名称】ザ スクリプス リサーチ インスティテュート
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】フロイド・イー・ロムズバーグ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ピー・レッドベター
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・ジェイ・カラディーマ
【審査官】平林 由利子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/106767(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/157555(WO,A2)
【文献】国際公開第2017/223528(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12N 1/00- 7/08
C12P 1/00-41/00
CAPLUS/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作された宿主細胞であって、
a.非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子;
b.第2の核酸分子であって:
(i)転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子の欠失であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該欠失は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、ならびに/もしくは、遺伝子全体の欠失である、前記遺伝子の欠失;または、
(ii)変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子は、発現されないか、もしくは低いレベルで発現されている、前記遺伝子
含む、前記第2の核酸分子;ならびに
c.非天然核酸を該細胞に運び込む(インポートする)ヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子であって、該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターはフェオダクチラム・トリコルヌツム由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーターを含み、さらにN末端切断、またはN末端およびC末端の両末端の切断を含み、該第3の核酸分子は、操作された宿主細胞のゲノム配列に組み込まれているか、または該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードするプラスミドを含む、前記第3の核酸分子;
を含む、前記操作された宿主細胞。
【請求項2】
前記ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、前記第2の核酸分子を含まない等価の操作された宿主細胞での発現と比較して、操作された宿主細胞での発現の高い安定性を呈する、請求項1に記載の操作された宿主細胞。
【請求項3】
前記ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、PtNTTを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項4】
フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーターまたはPtNTTは、pSCプラスミドから選択されるプロモーターまたはlacオペロン由来のプロモーターの制御下にある、請求項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項5】
a.Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント;ならびに
b.crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)であって、該Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および該sgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子の複製を調節する、前記sgRNA
をさらに含む、請求項1~のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項6】
前記第2の核酸分子は転移関連タンパク質をコードする遺伝子の欠失を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、または前記第2の核酸分子は変異された転移関連タンパク質をコードする遺伝子を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-4を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項7】
前記第2の核酸分子は転移因子をコードする遺伝子の欠失を含み、該転移因子はIS1を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項8】
前記第2の核酸分子は転移関連タンパク質をコードする遺伝子の欠失を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、そして、該欠失は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、および/または遺伝子全体の欠失を含む、請求項1に記載の操作された宿主細胞。
【請求項9】
(A)改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする核酸分子であって、該DNA修復応答は、組換え修復、SOS応答、ヌクレオチド除去修復、もしくはメチル指向性ミスマッチ修復、もしくはそれらの組合せを含む、前記核酸分子;または
(B)DNA修復応答関連タンパク質の欠失
を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項10】
改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecA、RadA、もしくはLexA、またはそれらの組合せを含む、請求項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項11】
操作された宿主細胞は、大腸菌細胞、または大腸菌BL21(DE3)細胞を含む原核細胞である、請求項1~10のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項12】
非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン
、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項13】
非天然ヌクレオチドは、
【化1】
からなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項14】
非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項15】
非天然糖部分は、
(a)2’位での修飾であって:
(i)OH;
(ii)置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、もしくはNH2F;
(iii)O-アルキル、S-アルキル、もしくはN-アルキル;
(iv)O-アルケニル、S-アルケニル、もしくはN-アルケニル;
(v)O-アルキニル、S-アルキニル、もしくはN-アルキニル;または
(vi)O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH3、もしくは2’-
O(CH22OCH3であり、
ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C1~C10アルキル、C2~C10アルケニル、C2~C10アルキニル、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(C
2)n-ONH2、および-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2であり、nおよびmは、1~約10である、
を含む、前記修飾;
(b)5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)を含む、5’位での修飾;
(c)4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基を含む、4’位での修飾;ならびに、
(d)(a)~(c)の任意の組合せ
からなる群から選択される、請求項14に記載の操作された宿主細胞。
【請求項16】
抑制解除されたpolB遺伝子をさらに含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項17】
操作された宿主細胞は、DNAポリメラーゼIIを構成的に発現するかまたは過剰発現する、請求項1~15のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項18】
非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子の産生を増加させる方法であって、
a)操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートする工程であって、該操作された宿主細胞は、非天然核酸を該細胞に運び込む(インポートする)ヌクレオシド三リン酸トランスポーターであって該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターはフェオダクチラム・トリコルヌツム由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーターを含み、さらにN末端切断、またはN末端およびC末端の両末端の切断を含む、ヌクレオシド三リン酸トランスポーター、および、第2の核酸分子であって:(i)転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子の欠失であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該欠失はN末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、ならびに/もしくは遺伝子全体の欠失である、前記遺伝子の欠失;または、(ii)変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子は、発現されないか、もしくは低いレベルで発現されている、前記遺伝子;を含む、前記第2の核酸分子を含む、前記工程;ならびに
b)該複数の非天然ヌクレオチドを新たに合成された第1の核酸分子に組み込む工程;
を含み、
ここで、(i)該第2の核酸分子、および(ii)該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、該新たに合成された第1の核酸分子において、該非天然ヌクレオチドを含む非天然塩基対の保持性を高める、前記方法。
【請求項19】
前記第2の核酸分子は転移関連タンパク質をコードする遺伝子の欠失を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-4を含みまたは前記第2の核酸分子は変異された転移関連タンパク質をコードする遺伝子を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-4を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の核酸分子は、転移因子をコードする遺伝子の欠失を含み、該転移因子はIS1を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のコドン最適化ヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT2)を含む、請求項1820のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニ
ン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項1821のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
非天然ヌクレオチドは、
【化2】
からなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項1822のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む、請求項1823のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
非天然糖部分は、
(a)2’位での修飾であって:
(i)OH;
(ii)置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、もしくはNH2F;
(iii)O-アルキル、S-アルキル、もしくはN-アルキル;
(iv)O-アルケニル、S-アルケニル、もしくはN-アルケニル;
(v)O-アルキニル、S-アルキニル、もしくはN-アルキニル;または
(vi)O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH3、もしくは2’-
O(CH22OCH3であり、
ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C1~C10アルキル、C2~C10アルケニル、C2~C10アルキニル、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(C
2)n-ONH2、および-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2であり、nおよびmは、1~約10である、
を含む、前記修飾;
(b)5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)を含む、5’位での修飾;
(c)4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基を含む、4’位での修飾;ならびに、
(d)(a)~(c)の任意の組合せ
からなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
非天然アミノ酸を含む改変されたポリペプチドを調製する方法であって、
a)操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートする工程であって、該操作された宿主細胞は、非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子、第2の核酸分子であって:(i)転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子の欠失であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該欠失はN末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、ならびに/もしくは遺伝子全体の欠失である、前記遺伝子の欠失;または、(ii)変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子をコードする遺伝子であって、該転移関連タンパク質はInsB-4を含み、該転移因子はIS1を含み、そして、該変異された転移関連タンパク質もしくは転移因子は、発現されないか、もしくは低いレベルで発現されている、前記遺伝子;を含む、前記第2の核酸分子、ならびに、非天然核酸を該細胞に運び込む(インポートする)ヌクレオシド三リン酸トランスポーターであって、該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターはフェオダクチラム・トリコルヌツム由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーターを含み、さらにN末端切断、またはN末端およびC末端の両末端の切断を含む、ヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子、
を含む、前記工程;ならびに
b)該複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成する工程;
を含み、
ここで、(i)該第2の核酸分子、および(ii)該ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、新たに合成されたポリペプチドへの該非天然アミノ酸の組込みを促進して改変されたポリペプチドを生成する、非天然塩基対の保持性を高める、
前記方法。
【請求項27】
前記第2の核酸分子は転移関連タンパク質をコードする遺伝子の欠失を含み、ここで前記転移関連タンパク質はInsB-4を含み、または前記第2の核酸分子は変異された転移関連タンパク質をコードする遺伝子を含み、ここで該転移関連タンパク質はInsB-
4を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第2の核酸分子は転移因子をコードする遺伝子の欠失を含み、該転移因子はIS1を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のコドン最適化ヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT)を含む、請求項2628のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシ
ル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項2629のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
非天然ヌクレオチドは、
【化3】

からなる群から選択される非天然塩基を含む、請求項2629のいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
非天然ヌクレオチドは、
(a)2’位での修飾であって:
(i)OH;
(ii)置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、もしくはNH2F;
(iii)O-アルキル、S-アルキル、もしくはN-アルキル;
(iv)O-アルケニル、S-アルケニル、もしくはN-アルケニル;
(v)O-アルキニル、S-アルキニル、もしくはN-アルキニル;または
(vi)O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH3、もしくは2’-
O(CH22OCH3であり、
ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C1~C10アルキル、C2~C10アルケニル、C2~C10アルキニル、-O[(CH2)nO]mCH3、-O(CH2)nOCH3、-O(CH2)nNH2、-O(CH2)nCH3、-O(C
2)n-ONH2、および-O(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2であり、nおよびmは、1~約10である、
を含む、前記修飾;
(b)5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)を含む、5’位での修飾;
(c)4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基を含む、4’位での修飾;ならびに、
(d)(a)~(c)の任意の組合せ
からなる群から選択される非天然糖部分をさらに含む、請求項2631のいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
操作された宿主細胞は、抑制解除されたpolB遺伝子をさらに含む、請求項1832のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
操作された宿主細胞は、DNAポリメラーゼIIを構成的に発現するかまたは過剰発現する、請求項1832のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
操作された宿主細胞は、(A)改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする核酸分子であって、該DNA修復応答は、組換え修復、SOS応答、ヌクレオチド除去修復、もしくはメチル指向性ミスマッチ修復、もしくはそれらの組合せを含む前記核酸分子を含む、または(B)操作された宿主細胞は、DNA修復応答関連タンパク質の欠失を含む、請求項1834のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
DNA修復応答関連タンパク質は、RecA、RadA、もしくはLexA、またはそれらの組合せを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする核酸分子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、および/または遺伝子全体の欠失を含む、請求項17のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項38】
操作された宿主細胞は、前記改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする核酸分子を含まない等価の操作された宿主細胞での非天然ヌクレオチドを含む核酸分子と比較して、DNA複製の間に、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の改善された保持性を呈する、請求項17のいずれか1項に記載の操作された宿主細胞。
【請求項39】
ヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、第2の核酸分子を含まない等価の操作された宿主細胞での発現と比較して、操作された宿主細胞での発現の高い安定性を呈する、請求項1825のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2017年12月29日に出願された米国仮特許出願第62/612,062号の利益を主張し、その全体を参照によって本明細書に組み入れる。
【0002】
連邦政府の資金援助を受けた研究に関する記載
本明細書に開示される発明は、少なくとも部分的に、国立衛生研究所(NIH)による助成金番号R35 GM118178/GM/NIGMSのもとで米国政府の支援によりなされた。したがって、米国政府は、本発明において一定の権利を有する。
【0003】
配列表
本出願は、ASCIIフォーマットによって電子的に提出され、その全体を本明細書に参照によって組み入れる、配列表を含有する。2018年12月20日に作製された上記のASCIIコピーは、46085-712_601_SL.txtと命名され、サイズは116,287バイトである。
【背景技術】
【0004】
オリゴヌクレオチド(DNAまたはRNA)をポリメラーゼで配列特異的に合成/増幅する能力の適用は、天然の遺伝アルファベット(DNAでは4つの天然ヌクレオチドA、C、G、およびT、RNAでは4つの天然ヌクレオチドA、C、G、およびU)に存在する化学的/物理的多様性が限定されていることで制限される。非天然核酸を含む拡張した遺伝アルファベットにより、細胞に保存することができる情報が増加し、遺伝子発現産物の新たな形態を創出するためにこの増加した情報を使用する半合成生物(SSO)の創出が促進される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある特定の実施形態では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生の増加のための方法、細胞、操作された微生物、プラスミド、およびキットが本明細書で記載される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生の増加のための改変された転移関連タンパク質、改変されたDNA修復タンパク質、またはそれらの組合せを利用する細胞、操作された微生物、プラスミド、および使用の方法も本明細書に記載される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される態様は、非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子;および場合により、改変された転移関連タンパク質または転移因子をコードする第2の核酸分子を含む、操作された宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子であって、操作された宿主細胞のゲノム配列に組み込まれているか、または改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードするプラスミドを含む、第3の核酸分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、改変された転移関連タンパク質をコードする第2の核酸分子を含まない等価の操作された宿主細胞での発現と比較して、操作された宿主細胞での発現の高い安定性を呈する。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、ヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする核酸分子全体の欠失、N末端切断、C末端切断、または両末端の切断を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム(Phaeodactylum tricornutum)由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT)を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、末端欠失または内部欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端切断、C末端切断、または両末端の切断を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約66のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、PtNTTは、pSCプラスミドから選択されるプロモーターまたはlacオペロン由来のプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および、crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をさらに含み、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドをコードする第1の核酸分子の複製を調節する。いくつかの実施形態では、sgRNAは、核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、sgRNAは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)認識因子をさらに含む。いくつかの実施形態では、PAM因子は、標的モチーフの3’末端に隣接する。いくつかの実施形態では、標的モチーフは、15~30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAとの組合せは、改変を含む核酸分子の複製速度を約80%、85%、95%、99%またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドは、野生型Cas9である。いくつかの実施形態では、第2の核酸分子は、カタラーゼ(cat)、IS1タンパク質insB-4(insB-4)、IS1タンパク質insA-4(insA-4)、またはそれらの組合せを含む遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、改変された転移関連タンパク質は、挿入因子IS1 4タンパク質InsB、挿入因子IS1 4タンパク質InsA、またはそれらの組合せを含み;改変された転移因子はIS1を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、1つまたはそれ以上の欠失を含み、1つまたはそれ以上の欠失は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、および/または遺伝子全体の欠失を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする第5の核酸分子をさらに含み、DNA修復応答は、組換え修復、SOS応答、ヌクレオチド除去修復、もしくはメチル指向性ミスマッチ修復、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecA、Rad51、RadA、もしくはLexA、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、大腸菌(Escherichia coli)細胞、大腸菌BL21(DE3)細胞を含む原核細胞である。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな(promiscuous)核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化1】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、ポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、構成的に発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、過剰発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polB遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、抑制解除される。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、オペレーターの半部位にわたる組込みを通して抑制解除される。いくつかの実施形態では、オペレーターは、lexAオペレーターである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polA遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、dnaQ遺伝子によりコードされる。
【0007】
本明細書に開示される態様は、非天然ヌクレオチドを含む、核酸分子の産生を増加させる方法であって、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーター、および場合により改変された転移関連タンパク質または転移因子を含む、操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートすること;ならびに複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成することを含み、改変された転移関連タンパク質または転移因子、および改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に非天然ヌクレオチドを含む非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、改変された転移関連タンパク質は、挿入因子IS1 4タンパク質InsB、挿入因子IS1 4タンパク質InsA、またはそれらの組合せを含み;改変された転移因子はIS1を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のコドン最適化ヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT)を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、末端欠失または内部欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端切断、C末端切断、または両末端の切断である。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約66のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および、crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をさらに含み、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドをコードする第1の核酸分子の複製を調節する。いくつかの実施形態では、sgRNAは、核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、sgRNAは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)認識因子をさらに含む。いくつかの実施形態では、PAM因子は、標的モチーフの3’末端に隣接する。いくつかの実施形態では、標的モチーフは、15~30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、改変を含む核酸分子の複製速度を約80%、85%、95%、99%またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドは、野生型Cas9である。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化2】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、ポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、構成的に発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、過剰発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polB遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、抑制解除される。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、オペレーターの半部位にわたる組込みを通して抑制解除される。いくつかの実施形態では、オペレーターは、lexAオペレーターである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polA遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、dnaQ遺伝子によりコードされる。
【0008】
本明細書に開示される態様は、非天然アミノ酸を含む、改変されたポリペプチドを調製する方法であって、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーター、および場合により改変された転移関連タンパク質または転移因子を含む、操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートすること;ならびに、複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成することを含み、改変された転移関連タンパク質または転移因子、および改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、新たに合成されたポリペプチドへの複数の非天然ヌクレオチドの組込みを促進して、改変されたポリペプチドを生成する非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、改変された転移関連タンパク質は、挿入因子IS1 4タンパク質InsB、挿入因子IS1 4タンパク質InsA、またはそれらの組合せを含み;改変された転移因子はIS1を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のコドン最適化ヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT)を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、末端欠失または内部欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端切断、C末端切断、または両末端の切断を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約66のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および、crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をさらに含み、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドをコードする第1の核酸分子の複製を調節する。いくつかの実施形態では、sgRNAは、核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、sgRNAは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)認識因子をさらに含む。いくつかの実施形態では、PAM因子は、標的モチーフの3’末端に隣接する。いくつかの実施形態では、標的モチーフは、15~30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、改変を含む核酸分子の複製速度を約80%、85%、95%、99%またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドは、野生型Cas9である。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化3】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、ポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、構成的に発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、過剰発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polB遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、抑制解除される。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、オペレーターの半部位にわたる組込みを通して抑制解除される。いくつかの実施形態では、オペレーターは、lexAオペレーターである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polA遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、dnaQ遺伝子によりコードされる。
【0009】
本明細書に開示される態様は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質を含む非天然産物を産生するための操作された宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、または酵母細胞である。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、原核細胞は、大腸菌細胞である。いくつかの実施形態では、大腸菌細胞は、大腸菌BL21(DE3)細胞である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecAである。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、RecAをコードする遺伝子を発現するために操作される。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、Rad51である。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、Rad51をコードする遺伝子を発現するために操作される。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RadAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、LexAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、および/またはradAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、およびradAは、各々独立して、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、lexAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、lexAは、アミノ酸位置S119での突然変異、場合によりS119A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、ポリメラーゼをさらに含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、構成的に発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、過剰発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼである。いくつかの実施形態では、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polB遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、抑制解除される。いくつかの実施形態では、polB遺伝子は、オペレーターの半部位にわたる組込みを通して抑制解除される。いくつかの実施形態では、オペレーターは、lexAオペレーターである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、polA遺伝子によりコードされる。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIIである。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、dnaQ遺伝子によりコードされる。
【0010】
本明細書に開示される態様は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質およびポリメラーゼを含む非天然産物を産生するための操作された宿主細胞であって、ポリメラーゼは、基本的な発現レベルの等価のポリメラーゼを含む等価の宿主細胞に対して、発現が上昇する、操作された宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、構成的に発現する。いくつかの実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼIIである。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復、SOS応答、ヌクレオチド除去修復、またはメチル指向性ミスマッチ修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、原核細胞、真核細胞、または酵母細胞である。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、原核細胞である。いくつかの実施形態では、原核細胞は、大腸菌細胞である。いくつかの実施形態では、大腸菌細胞は、大腸菌BL21(DE3)細胞である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、Rad51である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RadAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、LexAである。いくつかの実施形態では、欠損タンパク質をコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、および/またはradAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、およびradAは、各々独立して、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、lexAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、lexAは、アミノ酸位置S119での突然変異、場合によりS119A突然変異を含む。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーター(PtNTT)をさらに含む。いくつかの実施形態では、PtNTT由来のヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、改変される。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、核酸分子によりコードされる。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする核酸分子は、操作された宿主細胞のゲノム配列に組み込まれる。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする核酸分子を含むプラスミドを含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、フェオダクチラム・トリコルヌツム由来のコドン最適化ヌクレオシド三リン酸トランスポーターである。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、末端欠失または内部欠失である。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端切断、C末端切断、または両末端の切断を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約5、10、15、20、22、25、30、40、44、50、60、66、70またはそれ以上のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、N末端での約66のアミノ酸残基の欠失を含む。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、pSCプラスミドから選択されるプロモーターまたはlacオペロン由来のプロモーターの制御下にある。いくつかの実施形態では、lacオペロンは、大腸菌lacオペロンである。いくつかの実施形態では、lacオペロンは、Pbla、Plac、PlacUV5、PH207、Pλ、Ptac、またはPN25から選択される。いくつかの実施形態では、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターは、プロモーターPlacUV5の制御下にある。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および、crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をさらに含み、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の複製を調節する。いくつかの実施形態では、sgRNAは、核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、sgRNAは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)認識因子をさらに含む。いくつかの実施形態では、PAM因子は、標的モチーフの3’末端に隣接する。いくつかの実施形態では、標的モチーフは、15~30ヌクレオチド長である。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、改変を含む核酸分子の複製速度を約80%、85%、95%、99%またはそれ以上減少させる。いくつかの実施形態では、Cas9ポリペプチドは、野生型Cas9である。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、非天然ヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化4】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化5】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然主鎖をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然主鎖は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、C~C10ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、3’-アミノホスホロアミデート、アミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、dNaMTPおよび/またはdTPTTPである。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、操作された宿主細胞ゲノムに組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、arsB遺伝子座に組み込まれる。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質の非存在下、または、過剰発現したポリメラーゼと組み合わせた改変されたDNA修復応答関連タンパク質の非存在下での等価の操作された宿主細胞に対して、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上の非天然塩基対の保持性を可能にする。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、50超、100超、120超、130超、150超、または200超の継代の後に、少なくとも50%の非天然塩基対の保持性を可能にする。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、50超、100超、120超、130超、137超、150超、または200超の継代の後に、少なくとも55%の非天然塩基対の保持性を可能にする。いくつかの実施形態では、非天然産物は、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子である。いくつかの実施形態では、非天然産物は、非天然アミノ酸を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、操作された宿主細胞は、半合成生物である。
【0011】
本明細書に開示される態様は、本明細書に記載の操作された宿主細胞により産生された非天然ヌクレオチドを含む、核酸分子を提供する。
【0012】
本明細書に開示される態様は、本明細書に記載の操作された宿主細胞により産生された1つまたはそれ以上の非天然アミノ酸を含む、ポリペプチドを提供する。
【0013】
本明細書に開示される態様は、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の複製の忠実度を高める方法であって、(a)本明細書に記載の操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートすること;および(b)複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成することを含み、改変されたDNA修復応答関連タンパク質および場合により過剰発現したポリメラーゼは、1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖での非天然ヌクレオチドを含む非天然塩基対の複製の忠実度を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生に関連する。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生より、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%高い。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生の1倍超、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生より1倍~5倍、5倍~10倍、10倍~15倍、15倍~20倍、20倍~25倍、25倍~30倍、30倍~40倍、40倍~50倍、50倍~60倍、60倍~70倍、70倍~80倍、80倍~90倍、90倍~100倍、または100倍~200倍高い。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化6】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化7】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然主鎖をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然主鎖は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、C~C10ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、3’-アミノホスホロアミデート、アミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、dNaMTPおよび/またはdTPTTPである。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、操作された宿主細胞ゲノムに組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、arsB遺伝子座に組み込まれる。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、Rad51である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RadAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、LexAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、および/またはradAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、およびradAは、各々独立して、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、lexAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、lexAは、アミノ酸位置S119での突然変異、場合によりS119A突然変異を含む。
【0014】
本明細書に開示される態様は、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生を増加させる方法であって、(a)本明細書に記載の操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートすること;および(b)複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成することを含み、改変されたDNA修復応答関連タンパク質および場合により過剰発現したポリメラーゼは、1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖での非天然ヌクレオチドを含む非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生に関連する。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生より、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%高い。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生の1倍超、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、40倍、50倍、100倍、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、核酸分子の産生の増加は、改変されたDNA修復応答関連タンパク質、および場合により過剰発現したポリメラーゼの非存在下での等価の宿主細胞における核酸分子の産生より1倍~5倍、5倍~10倍、10倍~15倍、15倍~20倍、20倍~25倍、25倍~30倍、30倍~40倍、40倍~50倍、50倍~60倍、60倍~70倍、70倍~80倍、80倍~90倍、90倍~100倍、または100倍~200倍高い。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化8】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化9】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然主鎖をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然主鎖は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、C~C10ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、3’-アミノホスホロアミデート、アミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、dNaMTPおよび/またはdTPTTPである。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、操作された宿主細胞ゲノムに組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、arsB遺伝子座に組み込まれる。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、Rad51である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RadAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、LexAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、および/またはradAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、およびradAは、各々独立して、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、lexAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、lexAは、アミノ酸位置S119での突然変異、場合によりS119A突然変異を含む。
【0015】
本明細書に開示される態様は、非天然アミノ酸を含む改変されたポリペプチドを調製する方法であって、(a)本明細書に記載の操作された宿主細胞を、複数の非天然アミノ酸と共にインキュベートすること;および(b)複数の非天然アミノ酸を新たに合成されたポリペプチドに組み込み、これにより改変されたポリペプチドを生成することを含み、改変されたDNA修復応答関連タンパク質および場合により過剰発現したポリメラーゼは、新たに合成されたポリペプチドへの複数の非天然アミノ酸の組込みを促進して、改変されたポリペプチドを生成する非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、改変されたポリペプチドは、さらに、共役部分と共役させて、改変されたポリペプチド共役体を生成する。いくつかの実施形態では、共役部分は、タンパク質もしくはその結合断片、ポリマー、治療剤、造影剤、またはそれらの組合せである。いくつかの実施形態では、改変されたポリペプチドは、治療剤とさらに共役される。いくつかの実施形態では、改変されたポリペプチドは、造影剤である。いくつかの実施形態では、改変されたポリペプチド共役体は、さらに、医薬添加剤と製剤化して、医薬組成物を生成する。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化10】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化11】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然主鎖をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然主鎖は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、C~C10ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、3’-アミノホスホロアミデート、アミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、dNaMTPおよび/またはdTPTTPである。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、操作された宿主細胞ゲノムに組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、arsB遺伝子座に組み込まれる。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RecAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、Rad51である。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、RadAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質は、LexAである。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復応答関連タンパク質をコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、および/またはradAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、recA、rad51、およびradAは、各々独立して、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、lexAは、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、lexAは、アミノ酸位置S119での突然変異、場合によりS119A突然変異を含む。
【0016】
本明細書に開示される態様は、疾患または症状を処置する方法であって、それを必要としている対象に、本明細書に開示される方法により調製された改変されたポリペプチドを含む医薬組成物を投与し、それにより疾患または症状を処置することを含む、方法を提供する。
【0017】
本明細書に開示される態様は、本明細書に記載の操作された宿主細胞を含む、キットを提供する。
【0018】
本明細書に開示される態様は、改変されたRecAを含む非天然産物を産生するための操作された宿主細胞を提供する。いくつかの実施形態では、改変されたRecAをコードする遺伝子は、1つもしくはそれ以上の突然変異、1つもしくはそれ以上の欠失、またはそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、または内部欠失を含む。いくつかの実施形態では、recAは、残基2~347の内部欠失を含む。
【0019】
本明細書に開示される態様は、改変されたRecAおよび過剰発現したDNAポリメラーゼIIを含む非天然産物を産生するための操作された宿主細胞であって、過剰発現したDNAポリメラーゼIIの発現レベルは、基本的な発現レベルの等価のDNAポリメラーゼIIを含む等価の宿主細胞に関連する、操作された宿主細胞を提供する。
【0020】
本明細書に開示される態様は、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生を増加させる方法であって、(a)改変されたRecAおよび場合により過剰発現したDNAポリメラーゼIIを含む、操作された宿主細胞を、複数の非天然ヌクレオチドと共にインキュベートすることであって、過剰発現したDNAポリメラーゼIIの発現レベルは、基本的な発現レベルの等価のDNAポリメラーゼIIを含む等価の宿主細胞に関連する、インキュベートすること;ならびに、b)複数の非天然ヌクレオチドを1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより非天然核酸分子を生成することを含み、改変されたDNA修復応答関連タンパク質および場合により過剰発現したポリメラーゼは、1つまたはそれ以上の新たに合成されたDNA鎖での非天然ヌクレオチドを含む非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。
【0021】
本明細書に開示される態様は、非天然アミノ酸を含む改変されたポリペプチドを調製する方法であって、(a)改変されたRecAおよび場合により過剰発現したDNAポリメラーゼIIを含む、操作された宿主細胞を、複数の非天然アミノ酸と共にインキュベートすることであって、過剰発現したDNAポリメラーゼIIの発現レベルは、基本的な発現レベルの等価のDNAポリメラーゼIIを含む等価の宿主細胞に関連する、インキュベートすること;ならびに、b)複数の非天然アミノ酸を新たに合成されたDNA鎖に組み込み、これにより改変されたポリペプチドを生成することを含み、改変されたDNA修復応答関連タンパク質および場合により過剰発現したポリメラーゼは、新たに合成されたポリペプチドへの複数の非天然アミノ酸の組込みを促進して、改変されたポリペプチドを生成する非天然塩基対の保持性を高める、方法を提供する。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、組換え修復を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復応答は、SOS応答を含む。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、2-アミノアデニン-9-イル、2-アミノアデニン、2-F-アデニン、2-チオウラシル、2-チオ-チミン、2-チオシトシン、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびアルキル誘導体、2-アミノ-アデニン、2-アミノ-プロピル-アデニン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、4-チオ-ウラシル、4-チオ-チミン、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、5-メチル-シトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、5-ブロモ、および5-トリフルオロメチルウラシルおよびシトシン;5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-プロピニルシトシン、5-ウラシル、5-置換、5-ハロ、5-置換ピリミジン、5-ヒドロキシシトシン、5-ブロモシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、アデニンおよびグアニンの6-アルキル誘導体、6-アザピリミジン、6-アゾ-ウラシル、6-アゾシトシン、アザシトシン、6-アゾ-チミン、6-チオ-グアニン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザグアノシン、7-デアザ-アデニン、7-デアザ-8-アザグアニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、および8-ヒドロキシル置換アデニンおよびグアニン;N4-エチルシトシン、N-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-clamps、フェノキサジンシチジン(9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルキューオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルキューオシン、5’-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5オキシ酢酸、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、キューオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6-ジアミノプリン、ならびにプリンまたはピリミジン基が複素環で置き換えられているものからなる群から選択される非天然塩基を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化12】
からなる群から選択される
【0023】
いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然糖部分をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然糖部分は、2’位での修飾:OH;置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールもしくはO-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NHF;O-アルキル、S-アルキル、N-アルキル;O-アルケニル、S-アルケニル、N-アルケニル;O-アルキニル、S-アルキニル、N-アルキニル;O-アルキル-O-アルキル、2’-F、2’-OCH、2’-O(CHOCHであり、ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換もしくは非置換C~C10アルキル、C~C10アルケニル、C~C10アルキニル、-O[(CH)nO]mCH、-O(CH)nOCH、-O(CH)nNH、-O(CH)nCH、-O(CH)n-ONH、および-O(CH)nON[(CH)nCH)]であり、nおよびmは、1~約10である;および/または、5’位での修飾:5’-ビニル、5’-メチル(RもしくはS)、4’位での修飾、4’-S、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、もしくはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、ならびに、それらの任意の組合せからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然塩基は、
【化13】
からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、非天然主鎖をさらに含む。いくつかの実施形態では、非天然主鎖は、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、C~C10ホスホネート、3’-アルキレンホスホネート、キラルホスホネート、ホスフィネート、ホスホロアミデート、3’-アミノホスホロアミデート、アミノアルキルホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびボラノホスフェートからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、dNaMTPおよび/またはdTPTTPである。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、操作された宿主細胞ゲノムに組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、染色体に組み込まれる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、arsB遺伝子座に組み込まれる。
【0024】
本発明の様々な態様を、添付される特許請求の範囲において特に記述する。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態について述べる下記の詳細な記述、および添付図面を参照することによって得られよう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1-1】図1A図1Eは、非天然塩基対(UBP)と、その保持率に対するDNA損傷およびトレランス経路の寄与を示す図である。図1Aは、dNaM-dTPT3 UBPおよび自然dG-dC塩基対を示す。図1Bは、NER(ΔuvrC)、MMR(ΔmutH)、またはRER(ΔrecA)が欠失している株を示す。図1Cは、RERおよびSOS(ΔrecA)が欠失している株、ならびにSOS(lexA(S119A))のみが欠失している株を示す。図1Dは、SOS調節ポリメラーゼPolII(ΔpolB)もしくはPolIVおよびV(ΔdinBΔumuCD)またはRERおよびSOS(ΔrecA)が欠失している株を示す。図1Eは、PolIexo-(polA(D424A,K890R))またはPolIIIexo-(dnaQ(D12N))の野生型、ΔpolB、またはΔpolBΔrecAバックグラウンドを持つ株を示す。それぞれの場合において、示される株には、示した配列(X=dNaM)内にUBPが埋め込まれたプラスミドを複製して負荷した。図示される全てのデータに関してn≧3であり;点は個々の複製物を表し;バーはサンプル平均を表し;エラーバーはS.D.を表す。
図1-2】図1-1の続き。
図1-3】図1-2の続き。
図2-1】図2A図2Cは、最適化されたUBP保持率をもたらすレプリソームリプログラミングを示す図である。図2Aは、固体成長培地の選択後の、WT-Opt(ミディアムグレー)、ΔrecA-Opt(ダークグレー)、およびPolIIΔrecA-Opt(ライトグレー)の個々のクローンにおけるUBPの保持率を示す。各株には、様々な困難を持つ配列構成(GTAXAGA<TCCXCGT<TCCXGGT)で複製pINF由来UBPを負荷した。各点は個々のクローンを表し、各分布ごとにn≧12である。図2Bは、dNaMTPおよびdTPT3TPがある(円形/実線)およびない(四角形/点線)培地での対数期増殖中の、WT-Opt(ミディアムグレー)、ΔrecA-Opt(ダークグレー)、およびPolIIΔred-Opt(ライトグレー)細胞の染色体UBP組込み体の成長曲線を示す。データは、理論対数成長曲線に当て嵌める。n=3;小さい点は、個々の複製物を表し;大きい点は、サンプル平均を表し;時間に関するエラーバーおよびOD600は、S.D.を表す。図2Cは、WT-Opt(ミディアムグレー)、ΔrecA-Opt(ダークグレー)、およびPolIIΔrecA-Opt(ライトグレー)細胞における染色体dNaM-dTPT3 UBPの保持率は、長期成長にわたって測定されたことを示す。n=3;小さい点は、個々の複製物を表し;大きい点は、サンプル平均を表し;エラーバーは、PolIIΔrecA-Optデータ以外の細胞倍加および保持率の両方に関する2つのS.D.を表す。約70の倍加後、PolIIΔrecA-Opt株の1つの複製物がWT-Opt細胞で汚染された。したがって、黒い矢印の、およびその後のデータは、PolIIΔrecA-Optに関するただ2つの独立した実験の平均を表す。
図2-2】図2-1の続き。
図3】染色体lacZYA座から改変PtNTT2ヌクレオチドトランスポーター遺伝子を恒常的に発現するよう操作された(engineered)YZ3株と比較した、IS1のノックアウトを含有する株の、長期成長(10継代)にわたり増大するpTNTT2活性を示す図である。
図4A】PtNTT2発現構成体を具体化する図である。PtNTT2(66~575)に関する発現構成体が示されている。図4Aは、pACS2を使用して、PolIIIExo-株を除く図1で提示された全てのデータを作成したことを示す。
図4B】PtNTT2発現構成体を具体化する図である。PtNTT2(66~575)に関する発現構成体が示されている。図4Bは、pACS2+dnaQ(D12N)を使用して、PolIIIexo-株のデータを作成したことを示す。
図4C】PtNTT2発現構成体を具体化する図である。PtNTT2(66~575)に関する発現構成体が示されている。図4Cは、lacZYA座からの染色体発現を使用して、図3の全てのデータを作成したことを示す。
図5】エキソヌクレアーゼ欠失ポリメラーゼ株に関するTCAXAGT pINF複製データを複製する、エキソヌクレアーゼ欠失ポリメラーゼが示されることを示す図である。図1Eからの同じ株も、TCAXAGT(X=dNaM)を複製するそれらの能力に関して試験をした。示される全てのデータに関してN>≧3;エラーバーは、95%経験的ブートストラップ信頼区間を表す。
図6図6A図6Bは、polA(D424A,K890R)、P_polB設計を示す図である。polA(D424A,K890R)の構成戦略、および抑制解除されたPpolBが示される。図6Aは、polAが、その5”- - -3”エキソヌクレアーゼドメイン(PolA(1~341)に該当)に切断されたことを示す。次いで所望のD424A変異を導入した。K890R変異はPCRで生じ、PolI機能に限られた影響を有することが予測された。図6Bは、プロモーターの-35配列の上流に存在するlexAオペレーター半部位(太字)の1つへの組込みを通して、PpolBが抑制解除された(PPolII)ことを示す。
図7-1】図7A図7Cは、UBS染色体組込みを示す図である。図7Aは、arsB::UBP組込みカセットの構成戦略を示す。組込みカセットは、DNAを含有する短いUBPのPCRを、pKD13プラスミドのneoカセットと重ね合わせることにより構成された。図7Bは、染色体UBPの首尾良くなされた組込みが、PCRおよびビオチンシフトPCRによって確認されたことを示す。ΔrecA-OptおよびPolII+ΔrecA-Opt SSO組込み体(それぞれA2およびB3)の確認が示されている。ティールバンドは過剰曝露を示す。図7Cは、初期組込み体の再播種および個々のクローンの単離が、ΔrecA-OptおよびPolII+ΔrecA-Opt(それぞれA2.1およびB3.1)に関して100%保持率クローンを素早く同定したことを示す。WT-Opt組込み体(C1)に関する同じ手順は、そうではなかった。再播種されたクローンの代表的なサブセットが示されている。赤いバンドは、過剰曝露を示す。パネルBおよびCでは、各ゲルを生成するのに使用されるプライマーセットの詳細は、各ゲルの上方に与えられる。分子量は、塩基対の数でサイズ標準の次に提示される。関連あるシフト%値がレーンの下方に提示される場合、ストレプトアビジン-DNAおよびDNA種は、それぞれ黒および赤の矢印で示される。
図7-2】図7-1の続き。
図8図8A図8Bは、再プログラムされた株および染色体組込み体の倍加時間特性を示す図である。図8Aは、染色体UBP(WT-Opt(赤)、ΔrecA-Opt(青)、およびPolII+ΔrecA-Opt(金))を持たない、再プログラムされた株と、クロラムフェニコール耐性(lacZYA::cat(黒))を持つ野生型BL21(DE3)とが示された、成長曲線を示す。円/実線は、dNaMTPおよびdTPT3TPを持つ培地での成長を表す。四角形/点線は、dNaMTPおよびdTPT3TPを持たない培地での成長を表す。図8Bは、平均測定倍加時間(n=3)が、染色体UBPを持つおよび持たない、ならびにdXTPが添加されたおよび添加されない、全ての株に関して提示されることを示す。図6Bは、出現の順に、配列番号28および29をそれぞれ開示する。
図9図9A図9Bは、WT-Opt細胞によるPolII+ΔrecA-Opt染色体UBP組込み体汚染を示す図である。PolII+ΔrecA-Opt組込み体の複製物3は、13継代でWT-Opt細胞により汚染された。図9Aは、PpolB座が、PolII+ΔrecA-Opt組込み体に関する複製物3の継代からのgDNAサンプルのPCRによって、モニタされたことを示す。PPolII+変異を持つ株は、UBP組込みの前のPolII+ΔrecA-Optの分析からわかるように(b)、クロラムフェニコール耐性(lacZYA::cat)を持つ野生型BL21(DE3)(a)よりも大きいアンプリコンを生成する。図9Bは、recA座が、PolII+ΔrecA-Opt組込み体に関する複製物3の継代からのgDNAサンプルのPCRによってモニタされたことを示す。ΔrecA変異を持つ株は、UBP組込み前のPolII+ΔrecA-Optの分析からわかるように(b)、クロラムフェニコール耐性を持つ(lacZYA::cat)野生型BL21(DE3)(a)よりも小さいアンプリコンを生成する。
図10A】継代中の、WT-Opt染色体UBP組込み体PtNTT2(66~575)変異を示す図である。WT-Optの継代中のPtNTT2(66~575)変異の図およびその特徴付け。図10Aは、catとIS1(上部パネル)との間の領域がPtNTT2(66~575)のC末端とIS1(中間パネル)とに切断された場所で、継代中にWT-Opt変異が生じることを示す。配列決定は、この転位を確認した(下部パネル)。図10Aは、出現順に、配列番号30~32をそれぞれ開示する。
図10B】継代中の、WT-Opt染色体UBP組込み体PtNTT2(66~575)変異を示す図である。WT-Optの継代中のPtNTT2(66~575)変異の図およびその特徴付け。図10Bは、IS1トランスポゾンによるPtNTT2(66~575)の不活性化が、WT-Optの継代からのgDNAのPCRによってモニタされたことを示す(プライマーに関する表S1参照)。転位事象は、PtNTT2(66~575)を不活性化し、そのサイズは約3000~4000bpに及ぶ。不活性化は、UBP損失の急速相中に生じる。追加のアンプリコン(サイズが約1500bp)も、クロラムフェニコール耐性を持つ野生型BL21(DE3)(lacZYA::cat)(a)、UBP組込み前のWT-Opt(b)、および野生型BL21(DE3)(c)のこれらのプライマーによって生成される。
【発明を実施するための形態】
【0026】
細胞が増加した情報を保存し回収することを可能にする非天然塩基対(UBP)の開発は、治療物質として開発するための非天然アミノ酸を含有するタンパク質の産生を促進することにより、ヒトの健康への適用を含む、実際の適用に重大な影響を与える。しかし、細胞の集団内でのUBPの保持性は、配列に依存し、いくつかの配列では、UBPは、実際の適用(例えばタンパク質発現)に対して十分に維持されないか、または低いレベルで維持され、これにより、使用できるコドンの数を制限する。
【0027】
延長された増殖の間のUBPの喪失が、三リン酸の取り込みに対する選択圧、およびUBPを喪失したDNA配列を切断し、ゆえに分解することを対象とするCas9の発現を介するUBP保持性を適用することにより緩和され得るが、保持性は、いくつかの配列の状況において困難な課題のままである。さらに、この手法は、保持される各配列に対して異なるガイドRNAを最適化することを必要とし、これは、多くの用途、例えばランダムDNA配列の増殖に関与するものにおいて困難な課題である。加えて、プラスミドと対照的に、染色体においてUBPの情報をコードすることは、UBP含有配列の望まれない切断のため、および/または、プラスミドの多くのコピーの1つで重大な消去が少ないこととは対照的に、切断により染色体が破壊されるために、この選択圧を適用することに不適合であると予想された。
【0028】
いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復関連タンパク質、例えば、組換え修復、SOS応答、ヌクレオチド除去修復、もしくはメチル指向性ミスマッチ修復に関与するタンパク質、および/または、改変された転移関連タンパク質、例えば、挿入因子IS1 4タンパク質InsB、挿入因子IS1 4タンパク質InsAを利用するUBPの保持性を増すための、方法、組成物、細胞、操作された微生物、プラスミド、およびキットが、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、DNA修復関連タンパク質の構成型発現または過剰発現、および/または、転移関連タンパク質の欠失もしくは発現低下は、UBP染色体保持性が高いことを特徴とするSSOの創出をもたらすヌクレオシド三リン酸トランスポーターの高い安定性を促進する。
【0029】
ある特定の実施形態では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生の増加のための方法、組成物、細胞、操作された微生物、プラスミド、およびキットが、本明細書に開示される。いくつかの例では、(a)非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子;および、(b)改変された転移関連タンパク質をコードする第2の核酸分子を含む、操作された細胞が、本明細書に開示される。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子であって、操作された宿主細胞のゲノム配列に組み込まれているか、または改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードするプラスミドを含む、第3の核酸分子をさらに含む。いくつかの実施形態では、操作された細胞は、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、および、crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をさらに含み、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドをコードする第1の核酸分子の複製を調節する。ある特定の実施形態では、操作された細胞は、(a)Cas9ポリペプチドまたはそのバリアントをコードする第4の核酸分子;および、(b)crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をコードする第5の核酸分子をさらに含む。いくつかの例では、第1、第2、第3、第4、および第5の核酸分子は、1つまたはそれ以上のプラスミドでコードされ、第5の核酸分子によりコードされるsgRNAは、第1の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書でさらに提供されるものとして、操作された細胞を以下と共にインキュベートすることを含む方法により産生される非天然ヌクレオチドを含有する核酸分子が挙げられる:(a)非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子;(b)改変された転移関連タンパク質をコードする第2の核酸分子;(c)改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子;(d)Cas9ポリペプチドまたはそのバリアントをコードする第4の核酸分子;および、(e)crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をコードする第5の核酸分子。いくつかの例では、第1の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変は、改変された第1の核酸分子を生成し、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドを含有する核酸分子の産生を導く改変された第1の核酸分子の複製を調節する。いくつかの例では、操作された細胞での改変された転移関連タンパク質の発現により、三リン酸トランスポーターの安定性は高まる。いくつかの実施形態では、三リン酸トランスポーターの高い安定性は、(i)非天然ヌクレオチドによりコードされる非天然アミノ酸を含む改変されたポリペプチドの産生の増加、および/または、(ii)操作された細胞のゲノムにおける非天然ヌクレオチドの高い保持性に寄与する。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書で追加で提供されるものとして、生物を以下と共にインキュベートすることを含む方法により産生される半合成生物(SSO)が挙げられる:(a)非天然ヌクレオチドを含む第1の核酸分子;(b)改変された転移関連タンパク質をコードする第2の核酸分子;(c)改変されたヌクレオシド三リン酸トランスポーターをコードする第3の核酸分子;(d)Cas9ポリペプチドまたはそのバリアントをコードする第4の核酸分子;および、(e)crRNA-tracrRNA足場を含むシングルガイドRNA(sgRNA)をコードする第5の核酸分子。いくつかの例では、第1の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変は、改変された第1の核酸分子を生成し、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアント、およびsgRNAの組合せは、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子を含有する半合成生物の産生を導く改変された第1の核酸分子の複製を調節する。いくつかの例では、操作された細胞での改変された転移関連タンパク質の発現により、三リン酸トランスポーターの安定性は高まる。いくつかの実施形態では、三リン酸トランスポーターの高い安定性は、(i)非天然ヌクレオチドによりコードされる非天然アミノ酸を含む改変されたポリペプチドの産生の増加、および/または、(ii)SSOのゲノムにおける非天然ヌクレオチドの高い保持性に寄与する。
【0032】
DNA修復機構
DNA修復機構として、ヌクレオチド除去修復(NER)、リボヌクレオチド除去修復(RER)、SOS応答、メチル指向性ミスマッチ修復(MMR)、および組換え修復が挙げられる。NER、MMR、RER、およびSOS応答は、シグナルにより誘発されるが、これは、宿主ゲノムへのUBPの導入により模倣することができる。組換え修復および/またはSOS応答に関与する原核細胞でのDNA修復関連タンパク質の非限定例として、RecA、Rad51、RadA、およびLexAが挙げられる。組換え修復に関与する原核細胞でのDNA修復関連タンパク質の非限定例として、RecO、RecR、RecN、およびRuvABCが挙げられる。NERに関与する原核細胞でのDNA修復関連タンパク質の非限定例として、UvrAおよびUvrBが挙げられる。MMRに関与する原核細胞でのDNA修復関連タンパク質の非限定例として、MutS、MutH、およびMutLが挙げられる。
【0033】
いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復関連タンパク質は、染色体UBP保持性を高めるために、本明細書に記載の操作された細胞またはSSOに導入される。いくつかの実施形態では、改変されたDNA修復関連タンパク質は、RecA、Rad51、RadA、LexA、RecO、RecR、RecN、RuvABC、MutS、MutH、MutL、UvrA、および/またはUvrBの欠失を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、および/または遺伝子全体の欠失を含む。いくつかの実施形態では、DNA修復関連タンパク質をコードする核酸分子での欠失または突然変異は、改変されて欠失に達する。
【0034】
転移関連タンパク質
大腸菌では、核酸配列からなる転移因子(例えばISI)の転移の複製および保存(非複製)作用様式が存在する。複製経路では、転移因子の新たなコピーが、転移事象において生成される。転移の結果、1つのコピーが新たな部位に現れ、1つのコピーが古い部位に留まる。保存経路では、複製は起こらない。その代わりに、因子は、染色体またはプラスミドから切り離され、新たな部位に組み込まれる。これらの場合、因子のDNA複製は起こらず、因子は本来の染色体の部位で喪失する。転移因子の欠失は、その近傍における欠失(例えば、隣接または周りのDNAに加えて、転移因子の欠失)の高い出現率の原因となる。
【0035】
insB-4およびinsA-4遺伝子は、IS1トランスポゾンの転移に必要な2つのタンパク質、InsB、およびInsAをコードする。IS1転移により、9~8個の塩基対の標的複製が生じる。insB-4の欠失により、InsBにより媒介される異常な転移事象の抑制が生じる。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、操作された細胞、および半合成生物は、転移関連タンパク質をコードする改変された核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、転移関連タンパク質は、insBおよび/またはinsAを含む。いくつかの実施形態では、転移関連タンパク質をコードする改変された核酸分子は、欠失または突然変異を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、N末端欠失、C末端欠失、両末端での切断、内部欠失、および/または遺伝子全体の欠失を含む。いくつかの実施形態では、突然変異により、insBおよび/またはInsAの発現の低下が生じる。いくつかの実施形態では、転移関連タンパク質をコードする改変された核酸分子の欠失または突然変異は、三リン酸ヌクレオシドトランスポーターの発現および/または活性の安定化に効果的であり、それによりUBPの保持性が高まる。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、操作された細胞、および半合成生物は、IS1転移因子をコードする改変された核酸分子を含む。いくつかの実施形態では、IS1転移因子をコードする改変された核酸分子は、欠失または突然変異を含む。いくつかの実施形態では、欠失は、IS1トランスポゾンをコードする核酸分子の全てまたは一部のノックアウトまたはノックダウンを含む。いくつかの実施形態では、突然変異により、IS1トランスポゾンの発現の低下が生じる。いくつかの実施形態では、IS1トランスポゾンをコードする改変された核酸分子の欠失または突然変異は、三リン酸ヌクレオシドトランスポーターの発現および/または活性の安定化に効果的であり、それによりUBPの保持性が高まる。いくつかの例では、IS1転移因子をコードする改変された核酸分子は、配列番号4を含む。
【0038】
CRISPR/CRISPR関連(Cas)の編集システム
いくつかの実施形態では、本明細書に開示された方法、細胞、および操作された微生物は、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の改変に対する、CRISPR/CRISPR関連(Cas)システムを利用する。いくつかの例では、CRISPR/Casシステムは、その非天然ヌクレオチド位置での改変を含む改変された核酸分子の保持性を調節する。いくつかの例では、保持性は、改変された核酸分子の複製が低下することである。いくつかの例では、CRISPR/Casシステムは、RecBCDおよびその関連するヌクレアーゼのようなDNA修復タンパク質に関与する分解へ導く改変された核酸分子内の二本鎖切断を生成する。
【0039】
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムは、(1)宿主ゲノム中のクラスター化アレイでの、「スペーサー」と呼ばれる非天然ヌクレオチドを含む目的の核酸分子に相同である遺伝物質の短い領域の組込み、(2)スペーサーからのショートガイドRNA(crRNA)の発現、(3)プロトスペーサーと称する目的の核酸分子の特定部分へのcrRNAの結合、および(4)CRISPR関連ヌクレアーゼ(Cas)によるプロトスペーサーの分解を含む。いくつかの場合、II型CRISPRシステムは、細菌である化膿性連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)において記載されており、この中で、Cas9および2つの非コード小型RNA(pre-crRNAおよびtracrRNA(トランス活性化CRISPR RNA))は、配列特異的な手法で、共同して作用して、目的の核酸分子を標的化し、分解する(Jinekら、「A Programmable Dual-RNA-Guided DNA Endonuclease in Adaptive Bacterial Immunity」、Science 337(6096):816~821頁(2012年8月、電子公開2012年6月28日))。
【0040】
いくつかの例では、2つの非コードRNAは、1つのシングルガイドRNA(sgRNA)にさらに融合される。いくつかの例では、sgRNAは、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、改変は、置換、挿入、または欠失である。いくつかの場合、sgRNAは、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での置換を認識する標的モチーフを含む。いくつかの場合、sgRNAは、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での欠失を認識する標的モチーフを含む。いくつかの場合、sgRNAは、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での挿入を認識する標的モチーフを含む。
【0041】
いくつかの場合、標的モチーフは、10~30ヌクレオチド長である。いくつかの例では、標的モチーフは、15~30ヌクレオチド長である。いくつかの場合、標的モチーフは、約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチド長である。いくつかの場合、標的モチーフは、約15、16、17、18、19、20、21、または22ヌクレオチド長である。
【0042】
いくつかの場合、sgRNAは、プロトスペーサー隣接モチーフ(PAM)認識因子をさらに含む。いくつかの例では、PAMは、標的モチーフの3’末端に隣接して位置する。いくつかの場合、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変でWatson-Crick塩基対合を形成する標的モチーフ内のヌクレオチドは、PAMの5’末端から3~22、5~20、5~18、5~15、5~12、または5~10ヌクレオチドに位置する。いくつかの場合、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変でWatson-Crick塩基対合を形成する標的モチーフ内のヌクレオチドは、PAMの5’末端から約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15ヌクレオチドに位置する。
【0043】
いくつかの例では、CRISPR/Casシステムは、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアントを利用する。Cas9は、二重らせんの各鎖に対して1つである、2つの活性切断部位を有する二本鎖ヌクレアーゼである。いくつかの例では、Cas9ポリペプチドまたはそのバリアントは、二本鎖切断を生成する。いくつかの場合、Cas9ポリペプチドは、野生型Cas9である。いくつかの例では、Cas9ポリペプチドは、本明細書に記載の細胞および/または操作された微生物での発現に対して最適化されたCas9である。
【0044】
いくつかの実施形態では、Cas9/sgRNA複合体は、例えばPAMのsgRNA上流の17~20ヌクレオチドと適合する配列を含有する、目的の核酸分子(例えばDNA)の一部に結合する。一旦結合すると、次いでCas9中の2つの独立したヌクレアーゼドメインは、それぞれ、PAMの3塩基上流のDNA鎖の1つを切断し、平滑末端のDNA二本鎖切断(DSB)は残る。次いで、DSBの存在により、いくつかの例では、RecBCDおよびその関連するヌクレアーゼにより目的のDNAの分解が生じる。
【0045】
いくつかの例では、Cas9/sgRNA複合体は、その非天然ヌクレオチド位置での改変を含む改変された核酸分子の保持性を調節する。いくつかの実施形態では、保持性とは、改変された核酸分子の複製が低下することである。いくつかの場合、Cas9/sgRNAは、改変された核酸分子の複製速度を約80%、85%、95%、99%またはそれ以上減少させる。
【0046】
いくつかの例では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生は、約30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上高まる。いくつかの例では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の産生は、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上高まる。
【0047】
いくつかの場合、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の保持性は、約30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上高まる。いくつかの例では、非天然ヌクレオチドを含む核酸分子の保持性は、約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上高まる。
【0048】
いくつかの実施形態では、CRISPR/Casシステムは、2つまたはそれ以上のsgRNAを含む。いくつかの例では、2つまたはそれ以上のsgRNAの各々は、独立して、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での改変を認識する標的モチーフを含む。いくつかの実施形態では、改変は、置換、挿入、または欠失である。いくつかの場合、2つまたはそれ以上のsgRNAの各々は、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での置換を認識する標的モチーフを含む。いくつかの場合、2つまたはそれ以上のsgRNAの各々は、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での欠失を認識する標的モチーフを含む。いくつかの場合、2つまたはそれ以上のsgRNAの各々は、目的の核酸分子内の非天然ヌクレオチド位置での挿入を認識する標的モチーフを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、目的の核酸分子へのCRISPR成分の結合の特異性は、sgRNAのpre-crRNA部分での非反復スペーサー因子により制御され、tracrRNA部分に沿って転写が起こると、Cas9ヌクレアーゼをプロトスペーサー:crRNAヘテロ二本鎖に向け、二本鎖切断(DSB)形成を誘発する。いくつかの例では、sgRNAの特異性は、約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上である。いくつかの例では、sgRNAの標的外結合速度は、約20%、15%、10%、5%、3%、1%またはそれ以下未満である。
【0050】
核酸分子
いくつかの実施形態では、核酸(例えば、本明細書で目的の核酸分子とも称する)は、例えば、DNA、cDNA、gDNA(ゲノムDNA)、RNA、siRNA(短い阻害型RNA)、RNAi、tRNA、mRNAまたはrRNA(リボソームRNA)のような任意の供給源または組成物由来であり、任意の形態(例えば、線状、環状、スーパーコイル状、一本鎖、二本鎖など)である。いくつかの実施形態では、核酸は、ヌクレオチド、ヌクレオシド、またはポリヌクレオチドを含む。いくつかの場合、核酸は、天然および非天然核酸を含む。いくつかの場合、核酸はまた、DNAまたはRNA類似体(例えば、塩基類似体、糖類似体、および/または非ネイティブ主鎖などを含有)のような非天然核酸を含む。用語「核酸」は、特定の長さのポリヌクレオチド鎖を指さない、または推定せず、ゆえにポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドもまた、定義に含まれることは理解される。例示的な天然ヌクレオチドとして、限定されないが、ATP、UTP、CTP、GTP、ADP、UDP、CDP、GDP、AMP、UMP、CMP、GMP、dATP、dTTP、dCTP、dGTP、dADP、dTDP、dCDP、dGDP、dAMP、dTMP、dCMP、およびdGMPが挙げられる。例示的な天然デオキシリボヌクレオチドとして、dATP、dTTP、dCTP、dGTP、dADP、dTDP、dCDP、dGDP、dAMP、dTMP、dCMP、およびdGMPが挙げられる。例示的な天然リボヌクレオチドとして、ATP、UTP、CTP、GTP、ADP、UDP、CDP、GDP、AMP、UMP、CMP、およびGMPが挙げられる。RNAについて、ウラシル塩基は、ウリジンである。核酸は、ときに、ベクター、プラスミド、ファージミド、自律複製配列(ARS)、セントロメア、人工染色体、酵母人工染色体(例えばYAC)、または宿主細胞内で複製できるか、もしくは複製される他の核酸である。いくつかの場合、非天然核酸は、核酸類似体である。追加の場合、非天然核酸は、細胞外供給源由来である。他の場合、非天然核酸は、本明細書で提供される生物、例えば遺伝子操作された生物の細胞内空間で利用可能である。
【0051】
非天然核酸
ヌクレオチド類似体、または非天然ヌクレオチドは、塩基、糖、またはリン酸部分に対するいくつかの種類の改変を含有するヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、改変は、化学修飾を含む。いくつかの場合、改変は、3’OΗもしくは5’OΗ基、主鎖、糖成分、またはヌクレオチド塩基で起こる。改変は、いくつかの例では、場合により、天然に存在しないリンカー分子、および/または鎖間もしくは鎖内架橋を含む。一態様では、改変された核酸は、3’OΗもしくは5’OΗ基、主鎖、糖成分、もしくはヌクレオチド塩基の1つまたはそれ以上の改変、および/または、天然に存在しないリンカー分子の付加を含む。一態様では、改変された主鎖は、ホスホジエステル主鎖以外の主鎖を含む。一態様では、改変された糖は、デオキシリボース(改変されたDNA中)以外、またはリボース(改変されたRNA)以外の糖を含む。一態様では、改変された塩基は、アデニン、グアニン、シトシンもしくはチミン(改変されたDNA中)以外の塩基、または、アデニン、グアニン、シトシンもしくはウラシル(改変されたRNA中)以外の塩基を含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも1つの改変された塩基を含む。いくつかの例では、核酸は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20またはそれ以上の改変された塩基を含む。いくつかの場合、塩基部分に対する改変は、A、C、G、およびT/U、ならびに、異なるプリンまたはピリミジン塩基の天然および合成改変を含む。いくつかの実施形態では、改変は、アデニン、グアニン、シトシンもしくはチミン(改変されたDNA中)の改変された形態、または、アデニン、グアニン、シトシンもしくはウラシル(改変されたRNA)の改変された形態である。
【0053】
非天然核酸の改変された塩基として、限定されないが、ウラシル-5-イル、ヒポキサンチン-9-イル(I)、2-アミノアデニン-9-イル、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(疑似ウラシル(pseudouracil))、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン、ならびに3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンが挙げられる。2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンを含む、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2置換プリン、N-6置換プリン、O-6置換プリン、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-メチルシトシン、二重鎖形成の安定性を高めるもの、ユニバーサル核酸、疎水性核酸、プロミスキャスな核酸、サイズ拡大した核酸、フッ素化核酸、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびにN-2、N-6および0-6置換プリンのような、ある特定の非天然核酸。5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル、アデニンおよびグアニンの他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシル、5-ハロシトシン、5-プロピニル(-C≡C-CI1/4)ウラシル、5-プロピニルシトシン、ピリミジン核酸の他のアルキニル誘導体、6-アゾウラシル、6-アゾシトシン、6-アゾチミン、5-ウラシル(疑似ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニン、7-メチルアデニン、2-F-アデニン、2-アミノ-アデニン、8-アザグアニン、8-アザアデニン、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、3-デアザグアニン、3-デアザアデニン、三環式ピリミジン、フェノキサジンシチジン([5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、フェノチアジンシチジン(1H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾチアジン-2(3H)-オン)、G-クランプ、フェノキサジンシチジン(例えば、9-(2-アミノエトキシ)-H-ピリミド[5,4-b][1,4]ベンゾオキサジン-2(3H)-オン)、カルバゾールシチジン(2H-ピリミド[4,5-b]インドール-2-オン)、ピリドインドールシチジン(H-ピリド[3’,2’:4,5]ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2-オン)、プリンまたはピリミジン基が他の複素環で置き換えられているもの、7-デアザ-アデニン、7-デアザグアノシン、2-アミノピリジン、2-ピリドン、アザシトシン、5-ブロモシトシン、ブロモウラシル、5-クロロシトシン、塩素化シトシン、シクロシトシン、シトシンアラビノシド、5-フルオロシトシン、フルオロピリミジン、フルオロウラシル、5,6-ジヒドロシトシン、5-ヨードシトシン、ヒドロキシ尿素、ヨードウラシル、5-ニトロシトシン、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-フルオロウラシル、および5-ヨードウラシル、2-アミノ-アデニン、6-チオ-グアニン、2-チオ-チミン、4-チオ-チミン、5-プロピニル-ウラシル、4-チオ-ウラシル、N4-エチルシトシン、7-デアザグアニン、7-デアザ-8-アザグアニン、5-ヒドロキシシトシン、2’-デオキシウリジン、2-アミノ-2’-デオキシアデノシン、ならびに、米国特許第3,687,808号;米国特許第4,845,205号;米国特許第4,910,300号;米国特許第4,948,882号;米国特許第5,093,232号;米国特許第5,130,302号;米国特許第5,134,066号;米国特許第5,175,273号;米国特許第5,367,066号;米国特許第5,432,272号;米国特許第5,457,187号;米国特許第5,459,255号;米国特許第5,484,908号;米国特許第5,502,177号;米国特許第5,525,711号;米国特許第5,552,540号;米国特許第5,587,469号;米国特許第5,594,121号;米国特許第5,596,091号;米国特許第5,614,617号;米国特許第5,645,985号;米国特許第5,681,941号;米国特許第5,750,692号;米国特許第5,763,588号;米国特許第5,830,653号;および米国特許第6,005,096号;WO99/62923;Kandimallaら、(2001)Bioorg.Med.Chem.9:807~813頁;The Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering、Kroschwitz,J.I.編、John Wiley&Sons、1990年、858~859頁;Englischら、Angewandte Chemie、国際版、1991年、30、613;およびSanghvi、第15章、Antisense Research and Applications、Crookeand Lebleu編、CRC Press、1993年、273~288頁に記載されたもの。追加の塩基改変は、例えば、米国特許第3,687,808号、Englischら、Angewandte Chemie、国際版、1991年、30、613;およびSanghvi、第15章、Antisense Research and Applications、289~302頁、Crookeand Lebleu編、CRC Press、1993年で見出すことができる。
【0054】
様々な複素環塩基および様々な糖部分(および糖類似体)を含む非天然核酸は、当該技術分野で利用可能であり、核酸は、いくつかの場合、天然に存在する核酸の主要な5個の基本塩基成分以外の1つまたは複数の複素環塩基を含む。例えば、複素環塩基として、いくつかの場合、ウラシル-5-イル、シトシン-5-イル、アデニン-7-イル、アデニン-8-イル、グアニン-7-イル、グアニン-8-イル、4-アミノピロロ[2.3-d]ピリミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2.3-d]ピリミジン-5-イル、2-アミノ-4-オキソピロロ[2.3-d]ピリミジン-3-イル基が挙げられ、ここで、プリンは9位を介して、ピリミジンは1位を介して、ピロロピリミジンは7位を介して、およびピラゾロピリミジンは1位を介して核酸の糖部分に結合される。
【0055】
いくつかの実施形態では、非天然核酸の改変された塩基は、以下に示し、ここで、波線は、(デオキシ)リボースまたはリボースへの結合の点を示す。
【0056】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【0057】
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド類似体はまた、リン酸部分で改変される。改変されたリン酸部分は、限定されないが、2つのヌクレオチド間の結合での改変をもつものを含み、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートを含むメチルおよび他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホロアミデートおよびアミノアルキルホスホロアミデートを含むホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、ならびにボラノホスフェートを含有する。2つのヌクレオチド間のこれらのホスフェートまたは改変ホスフェート結合は、3’-5’結合または2’-5’結合を通してであり、結合は、3’-5’から5’-3’または2’-5’から5’-2’のような反転した極性を含有することは理解される。様々な塩、混合した塩、および遊離酸形態もまた含まれる。多くの米国特許により、改変したホスフェートを含有するヌクレオチドをどのように作製し使用するかは教示されており、限定されないが、3,687,808号;4,469,863号;4,476,301号;5,023,243号;5,177,196号;5,188,897号;5,264,423号;5,276,019号;5,278,302号;5,286,717号;5,321,131号;5,399,676号;5,405,939号;5,453,496号;5,455,233号;5,466,677号;5,476,925号;5,519,126号;5,536,821号;5,541,306号;5,550,111号;5,563,253号;5,571,799号;5,587,361号;および、5,625,050号が挙げられる。
【0058】
いくつかの実施形態では、非天然核酸は、2’,3’-ジデオキシ-2’,3’-ジデヒドロ-ヌクレオシド(PCT/US2002/006460)、5’-置換DNAおよびRNA誘導体(PCT/US2011/033961;Sahaら、J. Org Chem.、1995年、60、788~789頁;Wangら、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、1999年、9、885~890頁;およびMikhailovら、Nucleosides&Nucleotides、1991年、10(1-3)、339~343頁;Leonidら、1995年、14(3-5)、901~905頁;およびEppacherら、Helvetica Chimica Acta、2004年、87、3004~3020頁;PCT/JP2000/004720;PCT/JP2003/002342;PCT/JP2004/013216;PCT/JP2005/020435;PCT/JP2006/315479;PCT/JP2006/324484;PCT/JP2009/056718;PCT/JP2010/067560)、または、改変された塩基と共にモノホスフェートとして作製された5’-置換モノマー(Wangら、Nucleosides Nucleotides&Nucleic Acids、2004年、23(1&2)、317~337頁)を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、非天然核酸は、糖環の5’位および2’位での修飾(PCT/US94/02993)、例えば5’-CH-置換2’-O-保護ヌクレオシド(Wuら、Helvetica Chimica Acta、2000年、83、1127~1143頁、およびWuら、Bioconjugate Chem.1999年、10、921~924頁)を含む。いくつかの場合、非天然核酸は、オリゴヌクレオチドへの組込みのために調製されたアミド結合型ヌクレオシドダイマーを含み、ここで、ダイマー(5’から3’)での3’結合したヌクレオシドは、2’-OCHおよび5’-(S)-CHを含む(Mesmaekerら、Synlett、1997年、1287~1290頁)。非天然核酸は、2’-置換5’-CH(またはO)改変されたヌクレオシドを含むことができる(PCT/US92/01020)。非天然核酸は、5’-メチレンホスホネートDNAおよびRNAモノマー、ならびにダイマーを含むことができる(Bohringerら、Tet.Lett.、1993年、34、2723~2726頁;Collingwoodら、Synlett、1995年、7、703~705頁;および、Hutterら、Helvetica Chimica Acta、2002年、85、2777~2806頁)。非天然核酸は、2’置換を有する5’-ホスホネートモノマー(US2006/0074035)、および他の改変された5’-ホスホネートモノマー(WO1997/35869)を含むことができる。非天然核酸は、5’-改変されたメチレンホスホネートモノマー(EP614907およびEP629633)を含むことができる。非天然核酸は、5’および/または6’位でのヒドロキシル基を含む5’または6’-ホスホネートリボヌクレオシドの類似体を含むことができる(Chenら、Phosphorus,Sulfur and Silicon、2002年、777、1783~1786頁;Jungら、Bioorg.Med.Chem.、2000年、8、2501~2509頁;Gallierら、Eur.J.Org.Chem.、2007年、925~933頁;および、Hamptonら、J.Med.Chem.、1976年、19(8)、1029~1033頁)。非天然核酸は、5’-ホスフェート基を有する5’-ホスホネートデオキシリボヌクレオシドモノマーおよびダイマーを含むことができる(Nawrotら、Oligonucleotides、2006年、16(1)、68~82頁)。非天然核酸は、6’-ホスホネート基を有するヌクレオシドを含むことができ、ここで、5’および/または6’位は、チオ-tert-ブチル基(SC(CH)(およびその類似体);メチレンアミノ基(CHNH)(およびその類似体)またはシアノ基(CN)(およびその類似体)で置換されないか、または置換される(Fairhurstら、Synlett、2001年、4、467~472頁;Kapplerら、J.Med.Chem.、1986年、29、1030~1038頁;Kapplerら、J.Med.Chem.、1982年、25、1179~1184頁;Vrudhulaら、J.Med.Chem.、1987年、30、888~894頁;Hamptonら、J.Med.Chem.、1976年、19、1371~1377頁;Gezeら、J.Am.Chem.Soc、1983年、105(26)、7638~7640頁;および、Hamptonら、J.Am.Chem.Soc、1973年、95(13)、4404~4414頁)。
【0060】
いくつかの実施形態では、非天然核酸はまた、糖部分の改変を含む。いくつかの場合、核酸は、1つまたはそれ以上のヌクレオシドを含有し、糖部分は改変される。このような糖の改変されたヌクレオシドは、高いヌクレアーゼ安定性、高い結合親和性、またはいくつかの他の有益な生物学的特性を付与することができる。ある特定の実施形態では、核酸は、化学修飾されたリボフラノース環部分を含む。化学修飾されたリボフラノース環の例として、限定されないが、置換基の付加(5’および/または2’置換基を含む);2つの環原子を架橋して二環式核酸(BNA)の形成;S、N(R)またはC(Ri)(R)(R=H、C~C12アルキルまたは保護基)でのリボシル環酸素原子の置換;ならびに、それらの組合せが挙げられる。化学修飾された糖の例は、WO2008/101157、US2005/0130923、およびWO2007/134181で見出すことができる。
【0061】
いくつかの例では、改変された核酸は、改変された糖または糖類似体を含む。ゆえに、リボースおよびデオキシリボースに加えて、糖部分は、ペントース、デオキシペントース、ヘキソース、デオキシヘキソース、グルコース、アラビノース、キシロース、リキソース、または糖「類似体」シクロペンチル基であり得る。糖は、ピラノシルまたはフラノシル形態であり得る。糖部分は、リボース、デオキシリボース、アラビノース、または2’-O-アルキルリボースのフラノシドであり、糖は、[アルファ]または[ベータ]アノマー立体配置のいずれかで、それぞれの複素環塩基に結合することができる。糖改変は、限定されないが、2’-アルコキシ-RNA類似体、2’-アミノ-RNA類似体、2’-フルオロ-DNA、および2’-アルコキシ-またはアミノ-RNA/DNAキメラを含む。例えば、糖改変は、2’-O-メチル-ウリジンまたは2’-O-メチル-シチジンを含み得る。糖改変は、2’-O-アルキル置換デオキシリボヌクレオシドおよび2’-O-エチレングリコール様リボヌクレオシドを含む。これらの糖または糖類似体、およびそれぞれの「ヌクレオシド」の調製は知られており、このような糖または類似体は、複素環塩基(核酸塩基)に結合する。糖改変はまた、他の改変と共に作製され、組み合わせることができる。
【0062】
糖部分に対する改変は、リボースおよびデオキシリボースの天然改変、ならびに非天然改変を含む。糖改変は、限定されないが、2’位での以下の修飾を含む:OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキル、ここで、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、置換または非置換C~C10アルキルまたはC~C10アルケニルおよびアルキニルであり得る。2’糖修飾はまた、限定されないが、-O[(CHO]CH、-O(CHOCH、-O(CHNH、-O(CHCH、-O(CHONH、および-O(CHON[(CHCH)]を含み、nおよびmは、1~約10である。
【0063】
2’位での他の修飾は、限定されないが、C~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリール、O-アラルキル、SH、SCH、OCN、Cl、Br、CN、CF、OCF、SOCH、SOCH、ONO、NO、N、NH、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改善するための基、またはオリゴヌクレオチドの薬力学的特性を改善するための基、および類似の特性を有する他の置換基を含む。類似の修飾はまた、糖の他の位置、特に3’末端ヌクレオチド上のまたは2’-5’結合したオリゴヌクレオチド中の糖の3’位、および5’末端ヌクレオチドの5’位で作製することができる。改変された糖はまた、CHおよびSのような架橋環酸素での修飾を含有するものを含む。ヌクレオチド糖類似体はまた、ペントフラノシル糖の代わりに、シクロブチル部分のような糖模倣体も有し得る。このような改変された糖構造の調製を教示し、塩基改変の範囲を詳細に記載する多くの米国特許が存在し、例えば、米国特許第4,981,957号;米国特許第5,118,800号;米国特許第5,319,080号;米国特許第5,359,044号;米国特許第5,393,878号;米国特許第5,446,137号;米国特許第5,466,786号;米国特許第5,514,785号;米国特許第5,519,134号;米国特許第5,567,811号;米国特許第5,576,427号;米国特許第5,591,722号;米国特許第5,597,909号;米国特許第5,610,300号;米国特許第5,627,053号;米国特許第5,639,873号;米国特許第5,646,265号;米国特許第5,658,873号;米国特許第5,670,633号;米国特許第4,845,205号;米国特許第5,130,302号;米国特許第5,134,066号;米国特許第5,175,273号;米国特許第5,367,066号;米国特許第5,432,272号;米国特許第5,457,187号;米国特許第5,459,255号;米国特許第5,484,908号;米国特許第5,502,177号;米国特許第5,525,711号;米国特許第5,552,540号;米国特許第5,587,469号;米国特許第5,594,121号、5,596,091号;米国特許第5,614,617号;米国特許第5,681,941号;および、米国特許第5,700,920号であり、これらの各々は、その全体を参照によって本明細書に組み入れる。
【0064】
改変された糖部分を有する核酸の例として、限定されないが、5’-ビニル、5’-メチル(RまたはS)、4’-S、2’-F、2’-OCH、および2’-O(CHOCH置換基を有する核酸が挙げられる。2’位での置換基はまた、アリル、アミノ、アジド、チオ、O-アリル、O-(C~C10アルキル)、OCF、O(CHSCH、O(CH-O-N(R)(R)、およびO-CH-C(=O)-N(R)(R)から選択されることができ、ここで、各RおよびRは、独立して、Hまたは置換もしくは非置換C~C10アルキルである。
【0065】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の核酸は、1つまたはそれ以上の二環式核酸を含む。ある特定のいくつかの実施形態では、二環式核酸は、4’および2’リボシル環原子間の架橋を含む。ある特定の実施形態では、本明細書で提供される核酸は、1つまたはそれ以上の二環式核酸を含み、ここで、架橋は、4’から2’の二環式核酸を含む。このような4’から2’の二環式核酸の例として、限定されないが、式:4’-(CH)-O-2’(LNA);4’-(CH)-S-2’;4’-(CH-O-2’(ENA);4’-CH(CH)-O-2’および4’-CH(CHOCH)-O-2’ならびにそれらの類似体の1つ(米国特許第7,399,845号を参照);4’-C(CH)(CH)-O-2’およびその類似体(WO2009/006478、WO2008/150729、US2004/0171570、米国特許第7,427,672号、Chattopadhyayaら、J.Org.Chem.、2009年、74、118~134頁、およびWO2008/154401を参照)が挙げられる。また、例えば、Singhら、Chem.Commun.、1998年、4、455~456頁;Koshkinら、Tetrahedron、1998年、54、3607~3630頁;Wahlestedtら、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、2000年、97、5633~5638頁;Kumarら、Bioorg.Med.Chem.Lett.、1998年、8、2219~2222頁;Singhら、J.Org.Chem.、1998年、63、10035~10039頁;Srivastavaら、J.Am.Chem.Soc.、2007年、129(26)、8362~8379頁;Elayadiら、Curr.Opinion Invens.Drugs、2001年、2、558~561頁;Braaschら、Chem.Biol、2001年、8、1~7頁;Oramら、Curr.Opinion Mol.Ther.、2001年、3、239~243頁;米国特許第4,849,513号;米国特許第5,015,733号;米国特許第5,118,800号;米国特許第5,118,802号;米国特許第7,053,207号;米国特許第6,268,490号;米国特許第6,770,748号;米国特許第6,794,499号;米国特許第7,034,133号;米国特許第6,525,191号;米国特許第6,670,461号;および米国特許第7,399,845号;国際公開番号WO2004/106356、WO1994/14226、WO2005/021570、WO2007/090071、およびWO2007/134181;米国特許公開番号US2004/0171570、US2007/0287831、およびUS2008/0039618;米国仮出願第60/989,574号、米国仮出願第61/026,995号、米国仮出願第61/026,998号、米国仮出願第61/056,564号、米国仮出願第61/086,231号、米国仮出願第61/097,787号、および米国仮出願第61/099,844号;ならびに、国際出願番号PCT/US2008/064591、PCTUS2008/066154、PCTUS2008/068922、およびPCT/DK98/00393を参照。
【0066】
ある特定の実施形態では、核酸は、結合した核酸を含む。核酸は、任意の核酸間結合を使用して共に結合することができる。核酸間の連結基の2つのメインクラスは、リン原子の有無により定義される。核酸間結合を含有する代表的なリンとして、限定されないが、ホスホジエステル、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、およびホスホロチオエート(P=S)が挙げられる。核酸間結合を含有する代表的な非リンとして、限定されないが、メチレンメチルイミノ(-CH-N(CH)-O-CH-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-);シロキサン(-O-Si(H)-O-);およびN,N-ジメチルヒドラジン(-CH-N(CH)-N(CH))が挙げられる。ある特定の実施形態では、キメラ原子を有する核酸間結合は、ラセミ混合物として、別々のエナンチオマー、例えばアルキルホスホネートおよびホスホロチオエートとして調製することができる。非天然核酸は、単一の改変を含有することができる。非天然核酸は、部分の1つの中または異なる部分の間の複数の改変を含有することができる。
【0067】
核酸に対する主鎖ホスフェート改変は、限定されないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート(架橋または非架橋)、ホスホトリエステル、ホスホロジチオエート、ホスホジチオエート、および、ボラノホスフェートを含み、任意の組合せで使用することができる。他の非ホスフェート結合もまた使用することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、主鎖改変(例えば、メチルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロアミデート、およびホスホロジチオエートのヌクレオチド間結合)は、改変された核酸に免疫調節活性を付与することができる、および/または、インビボでそれらの安定性を高めることができる。
【0069】
いくつかの例では、リン誘導体(または改変されたホスフェート基)は、糖または糖類似体部分に結合し、モノホスフェート、ジホスフェート、トリホスフェート、アルキルホスホネート、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミデートなどであり得る。改変されたホスフェート結合または非ホスフェート結合を含有する例示的なポリヌクレオチドは、Peyrottesら、1996年、Nucleic Acids Res.24:1841~1848頁;Chaturvediら、1996年、Nucleic Acids Res.24:2318~2323頁;および、Schultzら、(1996)Nucleic Acids Res.24:2966~2973頁;Matteucci、1997年、“Oligonucleotide Analogs: an Overview” in Oligonucleotides as Therapeutic Agents、(ChadwickおよびCardew編)John Wiley and Sons、New York、NY;Zon、1993年、“Oligonucleoside Phosphorothioates” in Protocols for Oligonucleotides and Analogs、Synthesis and Properties、Humana Press、165~190頁;Millerら、1971年、JACS 93:6657~6665頁;Jagerら、1988年、Biochem.27:7247~7246頁;Nelsonら、1997年、JOC 62:7278~7287頁;米国特許第5,453,496号;ならびに、Micklefield、2001年、Curr.Med.Chem.8:1157~1179頁で見出すことができる。
【0070】
いくつかの場合、主鎖改変は、ホスホジエステル結合を、アニオン性、中性またはカチオン性基のような代替部分に置き換えることを含む。このような改変の例として、アニオン性ヌクレオシド間結合;N3’からP5’のホスホロアミデート改変;ボラノホスフェートDNA;プロオリゴヌクレオチド;メチルホスホネートのような中性ヌクレオシド間結合;アミド結合型DNA;メチレン(メチルイミノ)結合;ホルムアセタールおよびチオホルムアセタール結合;スルホニル基を含有する主鎖;モルホリノオリゴ;ペプチド核酸(PNA);ならびに、正帯電されたデオキシリボ核酸グアニジン(DNG)オリゴが挙げられる(Micklefield、2001年、Current Medicinal Chemistry 8:1157~1179頁)。改変された核酸は、1つまたはそれ以上の改変を含むキメラまたは混合主鎖、例えば、ホスホジエステルおよびホスホロチオエート結合の組合せのようなホスフェート結合の組合せを含むことができる。
【0071】
ホスフェートに対する置換基として、例えば、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合したヘテロ原子およびアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または、1つまたはそれ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間結合が挙げられる。これらは、モルホリノ結合を有するもの(ヌクレオシドの糖部分から部分的に形成される);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン主鎖;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファメート主鎖;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ主鎖;スルホネートおよびスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;ならびに、混合したN、O、SおよびCH成分部分を有する他のものを含む。多くの米国特許により、このような種類のホスフェート置換をどのように作製し使用するかは開示されており、限定されないが、米国特許第5,034,506号;米国特許第5,166,315号;米国特許第5,185,444号;米国特許第5,214,134号;米国特許第5,216,141号;米国特許第5,235,033号;米国特許第5,264,562号;米国特許第5,264,564号;米国特許第5,405,938号;米国特許第5,434,257号;米国特許第5,466,677号;米国特許第5,470,967号;米国特許第5,489,677号;米国特許第5,541,307号;米国特許第5,561,225号;米国特許第5,596,086号;米国特許第5,602,240号;米国特許第5,610,289号;米国特許第5,602,240号;米国特許第5,608,046号;米国特許第5,610,289号;米国特許第5,618,704号;米国特許第5,623,070号;米国特許第5,663,312号;米国特許第5,633,360号;米国特許第5,677,437号;および、米国特許第5,677,439号が挙げられる。また、ヌクレオチドの糖およびホスフェート部分の両方が、例えばアミド型結合(アミノエチルグリシン)(PNA)により置き換えることができることは、ヌクレオチド置換基において理解される。米国特許第5,539,082号;米国特許第5,714,331号;および、米国特許第5,719,262号により、PNA分子をどのように作製し使用するかは教示されており、これらの各々は、その全体を参照によって本明細書に組み入れる。また、Nielsenら、Science、1991年、254、1497~1500頁も参照。他の種類の分子(共役体)をヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体に結合して、例えば細胞取り込みを高めることも可能である。共役体は、ヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体と化学的に結合することができる。このような共役体は、限定されないが、コレステロール部分(Letsingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1989年、86、6553~6556頁)、コール酸(Manoharanら、Bioorg.Med.Chem.Let.、1994年、4、1053~1060頁)、チオエーテル、例えば、ヘキシル-S-トリチルチオール(Manoharanら、Ann.KY.Acad.Sci.、1992年、660、306~309頁;Manoharanら、Bioorg.Med.Chem.Let.、1993年、3、2765~2770頁)、チオコレステロール(Oberhauserら、Nucl.Acids Res.、1992年、20、533~538頁)、脂肪族鎖、例えばドデカンジオールもしくはウンデシル残基(Saison-Behmoarasら、EM5OJ、1991年、10、1111~1118頁;Kabanovら、FEBS Lett.、1990年、259、327~330頁;Svinarchukら、Biochimie、1993年、75、49~54頁)、リン脂質、例えば、ジ-ヘキサデシル-グリセロールもしくはトリエチルアンモニウム1-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-S-H-ホスホネート(Manoharanら、Tetrahedron Lett.、1995年、36、3651~3654頁;Sheaら、Nucl.Acids Res.、1990年、18、3777~3783頁)、ポリアミンもしくはポリエチレングリコール鎖(Manoharanら、Nucleosides&Nucleotides、1995年、14、969~973頁)、もしくはアダマンタン酢酸(Manoharanら、Tetrahedron Lett.、1995年、36、3651~3654頁)、パルミチル部分(Mishraら、Biochem.Biophys.Acta、1995年、1264、229~237頁)、または、オクタデシルアミンもしくはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crookeら、J.Pharmacol.Exp.Ther.、1996年、277、923~937頁)のような脂質部分を含む。多くの米国特許により、このような共役体の製造が教示されており、限定されないが、米国特許第4,828,979号;米国特許第4,948,882号;米国特許第5,218,105号;米国特許第5,525,465号;米国特許第5,541,313号;米国特許第5,545,730号;米国特許第5,552,538号;米国特許第5,578,717号、米国特許第5,580,731号;米国特許第5,580,731号;米国特許第5,591,584号;米国特許第5,109,124号;米国特許第5,118,802号;米国特許第5,138,045号;米国特許第5,414,077号;米国特許第5,486,603号;米国特許第5,512,439号;米国特許第5,578,718号;米国特許第5,608,046号;米国特許第4,587,044号;米国特許第4,605,735号;米国特許第4,667,025号;米国特許第4,762,779号;米国特許第4,789,737号;米国特許第4,824,941号;米国特許第4,835,263号;米国特許第4,876,335号;米国特許第4,904,582号;米国特許第4,958,013号;米国特許第5,082,830号;米国特許第5,112,963号;米国特許第5,214,136号;米国特許第5,082,830号;米国特許第5,112,963号;米国特許第5,214,136号;米国特許第5,245,022号;米国特許第5,254,469号;米国特許第5,258,506号;米国特許第5,262,536号;米国特許第5,272,250号;米国特許第5,292,873号;米国特許第5,317,098号;米国特許第5,371,241号、米国特許第5,391,723号;米国特許第5,416,203号、米国特許第5,451,463号;米国特許第5,510,475号;米国特許第5,512,667号;米国特許第5,514,785号;米国特許第5,565,552号;米国特許第5,567,810号;米国特許第5,574,142号;米国特許第5,585,481号;米国特許第5,587,371号;米国特許第5,595,726号;米国特許第5,597,696号;米国特許第5,599,923号;米国特許第5,599,928号、および米国特許第5,688,941号が挙げられる。
【0072】
核酸塩基対合特性
いくつかの実施形態では、非天然核酸は、別の核酸と塩基対を形成する。いくつかの実施形態では、安定して組み込まれる非天然核酸は、別の核酸、例えば天然または非天然核酸と塩基対を形成することができる非天然核酸である。いくつかの実施形態では、安定して組み込まれる非天然核酸は、別の非天然核酸(非天然核酸塩基対(UBP))と塩基対を形成することができる非天然核酸である。例えば、第1の非天然核酸は、第2の非天然核酸と塩基対を形成することができる。例えば、核酸に組み込まれる場合に塩基対形成することができる非天然ヌクレオチド三リン酸の1対は、d5SICSのトリホスフェート(d5SICSTP)およびdNaMのトリホスフェート(dNaMTP)を含む。このような非天然ヌクレオチドは、リボースまたはデオキシリボース糖部分を有することができる。いくつかの実施形態では、実質的に、非天然核酸は、天然核酸(A、T、G、C)と塩基対を形成しない。いくつかの実施形態では、安定して組み込まれる非天然核酸は、天然核酸と塩基対を形成することができる。
【0073】
いくつかの実施形態では、安定して組み込まれる非天然核酸は、UBPを形成することができる非天然核酸であるが、実質的には、4つの天然核酸の各々と塩基対を形成しない。いくつかの実施形態では、安定して組み込まれる非天然核酸は、UBPを形成することができる非天然核酸であるが、実質的には、1つまたはそれ以上の天然核酸と塩基対を形成しない。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、A、TおよびCと塩基対を形成しないが、Gと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、A、TおよびGと塩基対を形成しないが、Cと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、C、GおよびAと塩基対を形成しないが、Tと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、C、GおよびTと塩基対を形成しないが、Aと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、AおよびTと塩基対を形成しないが、CおよびGと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、AおよびCと塩基対を形成しないが、TおよびGと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、AおよびGと塩基対を形成しないが、CおよびTと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、CおよびTと塩基対を形成しないが、AおよびGと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、CおよびGと塩基対を形成しないが、TおよびGと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、TおよびGと塩基対を形成しないが、AおよびGと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、Gと塩基対を形成しないが、A、TおよびCと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、Aと塩基対を形成しないが、G、TおよびCと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、Tと塩基対を形成しないが、G、AおよびCと塩基対を形成することができる。例えば、安定して組み込まれる非天然核酸は、実質的に、Cと塩基対を形成しないが、G、TおよびAと塩基対を形成することができる。
【0074】
例示的に、インビボ条件下で非天然DNAまたはRNA塩基対(UBP)を形成することが可能な非天然ヌクレオチドとして、限定されないが、5SICS、d5SICS、NAM、dNaM、dTPT3、およびこれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、非天然ヌクレオチドは、
【化20】
を含む。
【0075】
操作された生物
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法およびプラスミドは、操作された生物、例えば、UBP保持性が向上した非天然ヌクレオチドまたは非天然核酸塩基対(UBP)を組み込み、複製し、さらに、非天然ヌクレオチドまたは非天然核酸塩基対を含有する核酸を、非天然アミノ酸残基を含有するタンパク質に転写し、翻訳する、生物を生成するためにさらに使用される。いくつかの例では、生物は、半合成生物(SSO)である。いくつかの例では、SSOは、細胞である。
【0076】
いくつかの例では、利用される細胞は、異種タンパク質、例えば非天然ヌクレオチド三リン酸を細胞に輸送することが可能なヌクレオシド三リン酸トランスポーター、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターの安定性を高める改変された転移関連タンパク質、非天然ヌクレオチド三リン酸位置での改変を取り除くCRISPR/Cas9システム、および/または、非天然核酸に対して高い忠実度を有するポリメラーゼをコードする発現カセットで遺伝的に形質転換させ、その結果、非天然ヌクレオチドは、細胞核酸に組み込まれ、例えば、インビボ条件下で非天然塩基対を形成する。いくつかの例では、細胞は、非天然核酸の取り込みに対して高い活性をさらに含む。いくつかの場合、細胞は、非天然核酸の移入に対して高い活性をさらに含む。いくつかの場合、細胞は、非天然核酸に対して高いポリメラーゼ活性をさらに含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、Cas9およびsgRNAは、別々のプラスミドでコードされる。いくつかの例では、Cas9およびsgRNAは、同じプラスミドでコードされる。いくつかの場合、Cas9、sgRNA、または非天然ヌクレオチドを含む核酸分子をコードする核酸分子は、1つまたはそれ以上のプラスミドに位置する。いくつかの例では、Cas9は、第1のプラスミドでコードされ、sgRNAおよび非天然ヌクレオチドを含む核酸分子を含む核酸分子は、第2のプラスミドでコードされる。いくつかの例では、Cas9、sgRNA、および非天然ヌクレオチドを含む核酸分子は、同じプラスミドでコードされる。いくつかの例では、核酸分子は、2つまたはそれ以上の非天然ヌクレオチドを含む。
【0078】
いくつかの例では、Cas9およびsgRNAをコードする第1のプラスミド、ならびに非天然ヌクレオチドを含む核酸分子をコードする第2のプラスミドは、操作された微生物に導入される。いくつかの例では、Cas9をコードする第1のプラスミド、ならびにsgRNA、および非天然ヌクレオチドを含む核酸分子をコードする第2のプラスミドは、操作された微生物に導入される。いくつかの例では、Cas9、sgRNA、および非天然ヌクレオチドを含む核酸分子をコードするプラスミドは、操作された微生物に導入される。いくつかの例では、核酸分子は、2つまたはそれ以上の非天然ヌクレオチドを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの非天然ヌクレオチドおよび/または少なくとも1つの非天然塩基対(UBP)でその核酸内に組み込まれる生細胞を生成する。いくつかの例では、非天然相互塩基対合ヌクレオチドが、それぞれのトリホスフェートとして、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターの作用により細胞に取り込まれる場合、非天然塩基対は、インビボ条件下で非天然塩基対を形成することが可能な非天然相互塩基対合ヌクレオチドの対を含む。細胞は、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターをコードする発現カセットで遺伝的に形質転換させることができ、その結果、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターは発現し、非天然ヌクレオチドを細胞に輸送するために利用可能である。細胞は、ポリメラーゼをコードする発現カセットで遺伝的に形質転換させることができ、その結果、ポリメラーゼは発現し、非天然ヌクレオチドを細胞の核酸に組み込むために利用可能である。細胞は、原核または真核細胞であり得、非天然相互塩基対合ヌクレオチドの対は、それぞれのトリホスフェートとして、d5SICSのトリホスフェート(d5SICSTP)およびdNaMのトリホスフェート(dNaMTP)であり得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、細胞は、核酸で、例えば、このような非天然ヌクレオチドを細胞に輸送することが可能なヌクレオチド三リン酸トランスポーターをコードする発現カセットで遺伝的に形質転換させた細胞である。細胞は、異種ヌクレオチド三リン酸トランスポーターを含むことができ、異種ヌクレオチド三リン酸トランスポーターは、天然または非天然ヌクレオチド三リン酸を細胞に輸送することができる。細胞は、異種ポリメラーゼを含み、異種ポリメラーゼは、非天然核酸に対して活性を有する。
【0081】
いくつかの場合、本明細書に記載の方法はまた、リン酸カリウムおよび/またはホスファターゼもしくはヌクレオチダーゼの阻害剤の存在下で、遺伝的に形質転換させた細胞と、それぞれのトリホスフェート形態の非天然ヌクレオチドとを接触することを含む。このような接触の間または接触の後、細胞は、細胞の増殖および複製に好適な生命維持培地内に置くことができる。非天然ヌクレオチドのそれぞれのトリホスフェート形態は、細胞の少なくとも1つの複製サイクルを通して細胞内の核酸に組み込まれるために、細胞は、生命維持培地に維持することができる。非天然相互塩基対合ヌクレオチドの対は、それぞれのトリホスフェートとして、d5SICSのトリホスフェート(d5SICSTP)およびdNaMのトリホスフェート(dNaMTP)を含むことができ、細胞は大腸菌であり得、d5SICSTPおよびdNaMTPは、トランスポーターPtNTT2により大腸菌に効果的に移入することができ、PolIのような大腸菌ポリメラーゼは、非天然トリホスフェートを効果的に使用して、DNAを複製し、それにより非天然ヌクレオチドおよび/または非天然塩基対を細胞環境内の細胞核酸に組み込むことができる。
【0082】
本発明の方法により、当業者は、個別の細胞の少なくともいくつかの中で維持される少なくとも1つの核酸内に、少なくとも1つの非天然ヌクレオチドおよび/または少なくとも1つの非天然塩基対(UBP)を有する、生きて増殖する細胞の集団を得ることができ、少なくとも1つの核酸は、細胞内で安定して増殖し、細胞は、生物の増殖および複製に好適な生命維持培地内で非天然ヌクレオチドと(例えば、その存在下で増殖させて)接触させた場合、1つまたはそれ以上の非天然ヌクレオチドのトリホスフェート形態の細胞取り込みをもたらすのに好適なヌクレオチド三リン酸トランスポーターを発現する。
【0083】
ヌクレオチド三リン酸トランスポーターによる細胞への輸送の後、非天然塩基対合ヌクレオチドは、細胞機構、例えば、細胞自身のDNAおよび/もしくはRNAポリメラーゼ、異種ポリメラーゼ、または定方向進化を使用して進化しているポリメラーゼにより細胞内の核酸に組み込まれる(Chen T、Romesberg FE、FEBS Lett.2014年1月21日;588(2):219~29頁;Betz Kら、J Am Chem Soc.2013年12月11日;135(49):18637~43頁)。非天然ヌクレオチドは、ゲノムDNA、ゲノムRNA、mRNA、構造RNA、microRNA、および自律複製核酸(例えば、プラスミド、ウイルス、またはベクター)のような細胞核酸に組み込むことができる。
【0084】
いくつかの場合、遺伝子操作された細胞は、細胞への核酸、例えば異種核酸の導入により生成される。本明細書に記載の任意の細胞は、宿主細胞であり得、発現ベクターを含むことができる。一実施形態では、宿主細胞は、原核細胞である。別の実施形態では、宿主細胞は、大腸菌である。いくつかの実施形態では、細胞は、1つまたはそれ以上の異種ポリヌクレオチドを含む。核酸試薬は、様々な技術を使用して微生物に導入することができる。様々な生物に異種核酸を導入するのに使用される方法の非限定的な例として、形質転換、トランスフェクション、電気穿孔、超音波を介した形質転換、粒子衝撃などが挙げられる。いくつかの例では、担体分子の付加(例えばビス-ベンゾイミダゾール化合物、例えば、米国特許第5,595,899号を参照)は、典型的には、従来の方法により形質転換することは難しいと考えられる細胞へのDNAの取り込みを高めることができる。形質転換の従来の方法は、当業者にとって容易に利用可能であり、Maniatis,T.、E.F.FritschおよびJ.Sambrook(1982)Molecular Cloning:a Laboratory Manual;Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、N.Y.において見出すことができる。
【0085】
いくつかの例では、遺伝的形質転換は、限定されないが、プラスミド、ウイルスベクター、ウイルス核酸、ファージ核酸、ファージ、コスミドおよび人工染色体での発現カセットの直接導入を使用して、または、細胞内の遺伝物質もしくはカチオン性リポソームのような担体の導入を介して得られる。このような方法は、当該技術分野で利用可能であり、本明細書に記載の方法での使用に容易に適応可能である。導入ベクターは、遺伝子を細胞内に送達するのに使用される任意のヌクレオチド構築物(例えばプラスミド)であり得、遺伝子を送達する一般的戦略の一部として、例えば、組換えレトロウイルスもしくはアデノウイルスの一部としてあり得る(Ramら、Cancer Res.53:83~88頁、(1993))。ウイルスベクター、化学的形質移入体、または物理機械的方法を含む、トランスフェクションのための適切な手段、例えば電気穿孔およびDNAの直接拡散は、例えば、Wolff,J.A.ら、Science、247、1465~1468頁、(1990);および、Wolff,J.A.、Nature、352、815~818頁、(1991)に記載される。
【0086】
例えば、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターもしくはポリメラーゼ核酸分子、発現カセット、および/またはベクターは、限定されないが、カルシウム媒介性トランスフェクション、電気穿孔、顕微注射、リポフェクション、粒子衝撃などを含む、任意の方法で細胞に導入することができる。
【0087】
いくつかの場合、細胞は、細胞内の1つまたはそれ以上の核酸に組み込まれた非天然ヌクレオチド三リン酸を含む。例えば、細胞は、細胞内に維持されたDNAまたはRNAの少なくとも1つの非天然ヌクレオチドを組み込むことが可能な生細胞であり得る。細胞はまた、非天然相互塩基対合ヌクレオチドの対を含む少なくとも1つの非天然塩基対(UBP)を、細胞内の核酸にインビボ条件下で組み込むことができ、非天然相互塩基対合ヌクレオチド、例えばそれぞれのトリホスフェートは、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターの作用により細胞に取り込まれ、遺伝子は、遺伝的形質転換により細胞内に存在する(例えば導入した)。例えば、s細胞内に維持された核酸への組込みが起こると、d5SICSおよびdNaMは、例えばd5SICSおよびdNaMを含む生命維持培地内で増殖する場合、生物のDNA複製機構により安定して増殖することができる安定した非天然塩基対を形成することができる。
【0088】
いくつかの場合、細胞は、非天然核酸の複製が可能である。このような方法は、それぞれのトリホスフェートとして、1つまたはそれ以上の非天然ヌクレオチドを細胞にインビボ条件下で輸送することが可能なヌクレオチド三リン酸トランスポーターをコードする発現カセットで細胞を遺伝的に形質転換することを含むことができる。あるいは、コードされたヌクレオチド三リン酸トランスポーターを発現することができる発現カセットで、以前、遺伝的に形質転換させた細胞を利用することができる。方法はまた、細胞の増殖および複製に好適な生命維持培地内で、遺伝的に形質転換させた細胞を、リン酸カリウムおよび少なくとも1つの非天然ヌクレオチド(例えば、非天然塩基対(UBP)を形成することが可能な2つの相互塩基対合ヌクレオチド)のそれぞれのトリホスフェート形態に接触または曝露することを含むこと、ならびに、インビボ条件下で、細胞の少なくとも1つの複製サイクルを通して、少なくとも1つの非天然ヌクレオチド(例えば、非天然塩基対(UBP)を形成することが可能な2つの相互塩基対合ヌクレオチド)のそれぞれのトリホスフェート形態の存在下で、生命維持培地内に形質転換させた細胞を維持することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、細胞は、安定して組み込まれた非天然核酸を含む。いくつかの実施形態は、細胞内に維持された核酸でのA、G、T、およびC以外のヌクレオチドを安定して組み込む細胞(例えば大腸菌として)を含む。例えば、A、G、T、およびC以外のヌクレオチドは、d5SICS、dNaM、およびdTPT3であり得、細胞の核酸への組込みが起こると、核酸内に安定した非天然塩基対を形成することができる。一態様では、非天然ヌクレオチドおよび非天然塩基対は、三リン酸トランスポーターに対して遺伝子で形質転換された生物が、リン酸カリウムおよびd5SICS、dNaM、およびdTPT3のトリホスフェート形態を含む、生命維持培地内で成長する場合、生物の複製装置により安定して増殖することができる。
【0090】
いくつかの場合、細胞は、拡張した遺伝アルファベットを含む。細胞は、安定して組み込まれた非天然核酸を含むことができる。いくつかの実施形態では、拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、別の核酸、例えば天然または非天然核酸と塩基対(bp)を形成することができる非天然核酸を含む。いくつかの実施形態では、拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、別の核酸に水素結合している非天然核酸を含む。いくつかの実施形態では、拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、塩基対形成された別の核酸に水素結合していない非天然核酸を含む。いくつかの実施形態では、拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、疎水性相互作用を介して別の核酸に塩基対形成する非天然核酸を含む。いくつかの実施形態では、拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、非水素結合性相互作用を介して別の核酸に塩基対形成する非天然核酸を含む。拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、異種核酸をコピーして、非天然核酸を含む核酸を形成することができる細胞であり得る。拡張した遺伝アルファベットを有する細胞は、別の非天然核酸(非天然核酸塩基対(UBP))と塩基対形成された非天然核酸を含む細胞であり得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、非天然DNA由来の細胞は、インビボ条件下で、移入された非天然ヌクレオチドから塩基対形成(UBP)する。いくつかの実施形態では、リン酸カリウムおよび/またはホスファターゼの阻害剤および/またはヌクレオチダーゼ活性は、非天然核酸の輸送を促進することができる。方法は、異種ヌクレオチド三リン酸トランスポーターを発現する細胞の使用を含む。このような細胞が1つまたはそれ以上のヌクレオチド三リン酸と接触する場合、ヌクレオチド三リン酸は、細胞内に輸送される。細胞は、リン酸カリウムならびに/またはホスファターゼおよびヌクレオチダーゼの阻害剤の存在下であり得る。非天然ヌクレオチド三リン酸は、細胞の自然機構により細胞内の核酸に組み込むことができ、例えば、相互塩基対形成して細胞の核酸内の非天然塩基対を形成することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、UBPは、非天然トリホスフェートに曝露する場合、細胞または細胞の集団に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、UBPは、実質的に一貫して、非天然トリホスフェートに曝露する場合、細胞または細胞の集団に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、UBPの複製により、実質的な成長速度の低下をもたらさない。いくつかの実施形態では、異種タンパク質の複製発現、例えばヌクレオチド三リン酸の輸送により、実質的な成長速度の低下をもたらさない。
【0093】
いくつかの実施形態では、細胞内の異種遺伝子、例えばNTTの発現の誘導により、異種遺伝子の発現の誘導を伴わない細胞の増殖および取り込みと比較して、より遅い細胞増殖、および非天然核酸の高い取り込みをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、細胞内の異種遺伝子、例えばNTTの発現の誘導により、異種遺伝子の発現の誘導を伴わない細胞の増殖および取り込みと比較して、増大した細胞増殖、および非天然核酸の高い取り込みをもたらすことができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、UBPは、対数増殖期の間に組み込まれる。いくつかの実施形態では、UBPは、非対数増殖期の間に組み込まれる。いくつかの実施形態では、UBPは、実質的に線形増殖期の間に組み込まれる。いくつかの実施形態では、UBPは、期間にわたって増殖した後、細胞または細胞の集団に安定して組み込まれる。例えば、UBPは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、もしくは50、またはそれ以上の複製にわたって増殖した後、細胞または細胞の集団に安定して組み込むことができる。例えば、UBPは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、または24時間の増殖後、細胞または細胞の集団に安定して組み込むことができる。例えば、UBPは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、または31日にわたって増殖した後、細胞または細胞の集団に安定して組み込むことができる。例えば、UBPは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12か月の増殖後、細胞または細胞の集団に安定して組み込むことができる。例えば、UBPは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、50年の増殖にわたって増殖した後、細胞または細胞の集団に安定して組み込むことができる。
【0095】
いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書に記載のポリメラーゼをさらに利用して、1つまたはそれ以上の非天然核酸塩基を含む変異コドンを含有する変異mRNAを生成する。いくつかの例では、細胞は、本明細書に開示されるポリメラーゼをさらに利用して、1つまたはそれ以上の非天然核酸塩基を含む変異アンチコドンを含有する変異tRNAを生成する。いくつかの例では、変異アンチコドンは、非天然核酸を表す。いくつかの例では、変異tRNAのアンチコドンは、合成への翻訳の間に変異mRNAのコドンと、非天然アミノ酸を含有するタンパク質を対形成する。
【0096】
本明細書で使用される場合、アミノ酸残基とは、アミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指すことができる。好適なアミノ酸として、限定されないが、天然に存在するアミノ酸のD-およびL-異性体の両方、ならびに有機合成または他の代謝経路により調製される天然に存在しないアミノ酸が挙げられる。用語アミノ酸は、本明細書で使用される場合、限定されないが、α-アミノ酸、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、およびアミノ酸類似体を含む。
【0097】
用語「α-アミノ酸」とは、α-炭素を示す炭素と結合したアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指すことができる。
【0098】
用語「β-アミノ酸」とは、β立体配置におけるアミノ基およびカルボキシル基の両方を含有する分子を指すことができる。
【0099】
「天然に存在するアミノ酸」とは、天然で合成されるペプチド中で通常見出される12個のアミノ酸のいずれか1つを指すことができ、1文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVで知られている。
【0100】
以下の表は、天然アミノ酸の特性の概要を示す。
【0101】
【表1】
【0102】
「疎水性アミノ酸」は、小型疎水性アミノ酸および大型疎水性アミノ酸を含む。「小型疎水性アミノ酸」は、グリシン、アラニン、プロリン、およびそれらの類似体であり得る。「大型疎水性アミノ酸」は、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、およびそれらの類似体であり得る。「極性アミノ酸」は、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、チロシン、およびそれらの類似体であり得る。「荷電アミノ酸」は、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパルテート、グルタメート、およびそれらの類似体であり得る。
【0103】
「アミノ酸類似体」は、構造的にアミノ酸と類似し、ペプチド模倣大環状分子の形成においてアミノ酸と置換される分子であり得る。アミノ酸類似体は、限定されないが、β-アミノ酸およびアミノ酸を含み、アミノまたはカルボキシ基は、類似の反応性基により置換される(例えば、第二級もしくは第三級アミンによる第一級アミンの置換、またはエステルによるカルボキシ基の置換)。
【0104】
「非天然アミノ酸」とは、天然で合成されるペプチド中で通常見出される20個のアミノ酸の1つではないアミノ酸であり得、1文字略語A、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、およびVで知られている。
【0105】
アミノ酸類似体は、β-アミノ酸類似体を含むことができる。β-アミノ酸類似体の例として、限定されないが、環式β-アミノ酸類似体;β-アラニン;(R)-β-フェニルアラニン;(R)-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-酢酸;(R)-3-アミノ-4-(1-ナフチル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2,4-ジクロロフェニル)酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-クロロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-シアノフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-フリル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-メチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-ナフチル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-チエニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3,4-ジクロロフェニル)酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3,4-ジフルオロフェニル)酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-ベンゾチエニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-クロロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-シアノフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-フルオロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-ピリジル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-チエニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-ブロモフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-クロロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-シアノフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-ヨードフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-メチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-ニトロフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-ピリジル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(R)-3-アミノ-4-ペンタフルオロ-フェニル酪酸;(R)-3-アミノ-5-ヘキセン酸;(R)-3-アミノ-5-ヘキシン酸;(R)-3-アミノ-5-フェニルペンタン酸;(R)-3-アミノ-6-フェニル-5-ヘキセン酸;(S)-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン-3-酢酸;(S)-3-アミノ-4-(1-ナフチル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2,4-ジクロロフェニル)酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-クロロフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-シアノフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-フルオロフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-フリル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-メチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-ナフチル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-チエニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(2-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3,4-ジクロロフェニル)酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3,4-ジフルオロフェニル)酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-ベンゾチエニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-クロロフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-シアノフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-フルオロフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-メチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-ピリジル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-チエニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(3-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-ブロモフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-クロロフェニル)酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-シアノフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-ヨードフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-メチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-ニトロフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-ピリジル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-(4-トリフルオロメチルフェニル)-酪酸;(S)-3-アミノ-4-ペンタフルオロ-フェニル酪酸;(S)-3-アミノ-5-ヘキセン酸;(S)-3-アミノ-5-ヘキシン酸;(S)-3-アミノ-5-フェニルペンタン酸;(S)-3-アミノ-6-フェニル-5-ヘキセン酸;1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-3-カルボン酸;1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-4-カルボン酸;3-アミノ-3-(2-クロロフェニル)-プロピオン酸;3-アミノ-3-(2-チエニル)-プロピオン酸;3-アミノ-3-(3-ブロモフェニル)-プロピオン酸;3-アミノ-3-(4-クロロフェニル)-プロピオン酸;3-アミノ-3-(4-メトキシフェニル)-プロピオン酸;3-アミノ-4,4,4-トリフルオロ-酪酸;3-アミノアジピン酸;D-β-フェニルアラニン;β-ロイシン;L-β-ホモアラニン;L-β-ホモアスパラギン酸γ-ベンジルエステル;L-β-ホモグルタミン酸δ-ベンジルエステル;L-β-ホモイソロイシン;L-β-ホモロイシン;L-β-ホモメチオニン;L-β-ホモフェニルアラニン;L-β-ホモプロリン;L-β-ホモトリプトファン;L-β-ホモバリン;L-Nω-ベンジルオキシカルボニル-β-ホモリシン;Nω-L-β-ホモアルギニン;O-ベンジル-L-β-ホモヒドロキシプロリン;O-ベンジル-L-β-ホモセリン;O-ベンジル-L-β-ホモスレオニン;O-ベンジル-L-β-ホモチロシン;γ-トリチル-L-β-ホモアスパラギン;(R)-β-フェニルアラニン;L-β-ホモアスパラギン酸γ-t-ブチルエステル;L-β-ホモグルタミン酸δ-t-ブチルエステル;L-Nω-β-ホモリジン;Nδ-トリチル-L-β-ホモグルタミン;Nω-2,2,4,6,7-ペンタメチル-ジヒドロベンゾフラン-5-スルホニル-L-β-ホモアルギニン;O-t-ブチル-L-β-ホモヒドロキシ-プロリン;O-t-ブチル-L-β-ホモセリン;O-t-ブチル-L-β-ホモスレオニン;O-t-ブチル-L-β-ホモチロシン;2-アミノシクロペンタンカルボン酸;および2-アミノシクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。
【0106】
アミノ酸類似体は、アラニン、バリン、グリシン、またはロイシンの類似体を含むことができる。アラニン、バリン、グリシン、およびロイシンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、α-メトキシグリシン;α-アリル-L-アラニン;α-アミノイソ酪酸;α-メチル-ロイシン;β-(1-ナフチル)-D-アラニン;β-(1-ナフチル)-L-アラニン;β-(2-ナフチル)-D-アラニン;β-(2-ナフチル)-L-アラニン;β-(2-ピリジル)-D-アラニン;β-(2-ピリジル)-L-アラニン;β-(2-チエニル)-D-アラニン;β-(2-チエニル)-L-アラニン;β-(3-ベンゾチエニル)-D-アラニン;β-(3-ベンゾチエニル)-L-アラニン;β-(3-ピリジル)-D-アラニン;β-(3-ピリジル)-L-アラニン;β-(4-ピリジル)-D-アラニン;β-(4-ピリジル)-L-アラニン;β-クロロ-L-アラニン;β-シアノ-L-アラニン;β-シクロヘキシル-D-アラニン;β-シクロヘキシル-L-アラニン;β-シクロペンテン-1-イル-アラニン;β-シクロペンチル-アラニン;β-シクロプロピル-L-Ala-OH.ジシクロヘキシルアンモニウム塩;β-t-ブチル-D-アラニン;β-t-ブチル-L-アラニン;γ-アミノ酪酸;L-α,β-ジアミノプロピオン酸;2,4-ジニトロ-フェニルグリシン;2,5-ジヒドロ-D-フェニルグリシン;2-アミノ-4,4,4-トリフルオロ酪酸;2-フルオロ-フェニルグリシン;3-アミノ-4,4,4-トリフルオロ-酪酸;3-フルオロ-バリン;4,4,4-トリフルオロ-バリン;4,5-デヒドロ-L-leu-OH.ジシクロヘキシルアンモニウム塩;4-フルオロ-D-フェニルグリシン;4-フルオロ-L-フェニルグリシン;4-ヒドロキシ-D-フェニルグリシン;5,5,5-トリフルオロ-ロイシン;6-アミノヘキサン酸;シクロペンチル-D-Gly-OH.ジシクロヘキシルアンモニウム塩;シクロペンチル-Gly-OH.ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D-α,β-ジアミノプロピオン酸;D-α-アミノ酪酸;D-α-t-ブチルグリシン;D-(2-チエニル)グリシン;D-(3-チエニル)グリシン;D-2-アミノカプロン酸;D-2-インダニルグリシン;D-アリルグリシン-ジシクロヘキシルアンモニウム塩;D-シクロヘキシルグリシン;D-ノルバリン;D-フェニルグリシン;β-アミノ酪酸;β-アミノイソ酪酸;(2-ブロモフェニル)グリシン;(2-メトキシフェニル)グリシン;(2-メチルフェニル)グリシン;(2-チアゾイル)グリシン;(2-チエニル)グリシン;2-アミノ-3-(ジメチルアミノ)-プロピオン酸;L-α,β-ジアミノプロピオン酸;L-α-アミノ酪酸;L-α-t-ブチルグリシン;L-(3-チエニル)グリシン;L-2-アミノ-3-(ジメチルアミノ)-プロピオン酸;L-2-アミノカプロン酸ジシクロヘキシル-アンモニウム塩;L-2-インダニルグリシン;L-アリルグリシン.ジシクロヘキシルアンモニウム塩;L-シクロヘキシルグリシン;L-フェニルグリシン;L-プロパルギルグリシン;L-ノルバリン;N-α-アミノメチル-L-アラニン;D-α,γ-ジアミノ酪酸;L-α,γ-ジアミノ酪酸;β-シクロプロピル-L-アラニン;(N-β-(2,4-ジニトロフェニル))-L-α,β-ジアミノプロピオン酸;(N-β-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル)-D-α,β-ジアミノプロピオン酸;(N-β-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル)-L-α,β-ジアミノプロピオン酸;(N-β-4-メチルトリチル)-L-α,β-ジアミノプロピオン酸;(N-β-アリルオキシカルボニル)-L-α,β-ジアミノプロピオン酸;(N-γ-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル)-D-α,γ-ジアミノ酪酸;(N-γ-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソシクロヘキサ-1-イリデン)エチル)-L-α,γ-ジアミノ酪酸;(N-γ-4-メチルトリチル)-D-α,γ-ジアミノ酪酸;(N-γ-4-メチルトリチル)-L-α,γ-ジアミノ酪酸;(N-γ-アリルオキシカルボニル)-L-α,γ-ジアミノ酪酸;D-α,γ-ジアミノ酪酸;4,5-デヒドロ-L-ロイシン;シクロペンチル-D-Gly-OH;シクロペンチル-Gly-OH;D-アリルグリシン;D-ホモシクロヘキシルアラニン;L-1-ピレニルアラニン;L-2-アミノカプロン酸;L-アリルグリシン;L-ホモシクロヘキシルアラニン;およびN-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ-Bzl)-Gly-OHが挙げられる。
【0107】
アミノ酸類似体は、アルギニンまたはリジンの類似体を含むことができる。アルギニンおよびリジンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、シトルリン;L-2-アミノ-3-グアニジノプロピオン酸;L-2-アミノ-3-ウレイドプロピオン酸;L-シトルリン;Lys(Me)-OH;Lys(N)-OH;Nδ-ベンジルオキシカルボニル-L-オルニチン;Nω-ニトロ-D-アルギニン;Nω-ニトロ-L-アルギニン;α-メチル-オルニチン;2,6-ジアミノヘプタン二酸;L-オルニチン;(Nδ-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソ-シクロヘキセ-1-イリデン)エチル)-D-オルニチン;(Nδ-1-(4,4-ジメチル-2,6-ジオキソ-シクロヘキセ-1-イリデン)エチル)-L-オルニチン;(Nδ-4-メチルトリチル)-D-オルニチン;(Nδ-4-メチルトリチル)-L-オルニチン;D-オルニチン;L-オルニチン;Arg(Me)(Pbf)-OH;Arg(Me)-OH(非対称的);Arg(Me)-OH(対称的);Lys(ivDde)-OH;Lys(Me)-OH.HCl;Lys(Me)-OHクロリド;Nω-ニトロ-D-アルギニン;およびNω-ニトロ-L-アルギニンが挙げられる。
【0108】
アミノ酸類似体は、アスパラギン酸またはグルタミン酸の類似体を含むことができる。アスパラギン酸およびグルタミン酸のアミノ酸類似体の例として、限定されないが、α-メチル-D-アスパラギン酸;α-メチル-グルタミン酸;α-メチル-L-アスパラギン酸;γ-メチレン-グルタミン酸;(N-γ-エチル)-L-グルタミン;[N-α-(4-アミノベンゾイル)]-L-グルタミン酸;2,6-ジアミノピメリン酸;L-α-アミノスベリン酸;D-2-アミノアジピン酸;D-α-アミノスベリン酸;α-アミノピメリン酸;イミノ二酢酸;L-2-アミノアジピン酸;スレオ-β-メチル-アスパラギン酸;γ-カルボキシ-D-グルタミン酸γ,γ-ジ-t-ブチルエステル;γ-カルボキシ-L-グルタミン酸γ,γ-ジ-t-ブチルエステル;Glu(OAll)-OH;L-Asu(OtBu)-OH;およびピログルタミン酸が挙げられる。
【0109】
アミノ酸類似体は、システインおよびメチオニンの類似体を含むことができる。システインおよびメチオニンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、Cys(ファルネシル)-OH、Cys(ファルネシル)-OMe、α-メチル-メチオニン、Cys(2-ヒドロキシエチル)-OH、Cys(3-アミノプロピル)-OH、2-アミノ-4-(エチルチオ)酪酸、ブチオニン、ブチオニンスルホキシミン、エチオニン、メチオニンメチルスルホニウムクロリド、セレノメチオニン、システイン酸、[2-(4-ピリジル)エチル]-DL-ペニシラミン、[2-(4-ピリジル)エチル]-L-システイン、4-メトキシベンジル-D-ペニシラミン、4-メトキシベンジル-L-ペニシラミン、4-メチルベンジル-D-ペニシラミン、4-メチルベンジル-L-ペニシラミン、ベンジル-D-システイン、ベンジル-L-システイン、ベンジル-DL-ホモシステイン、カルバモイル-L-システイン、カルボキシエチル-L-システイン、カルボキシメチル-L-システイン、ジフェニルメチル-L-システイン、エチル-L-システイン、メチル-L-システイン、t-ブチル-D-システイン、トリチル-L-ホモシステイン、トリチル-D-ペニシラミン、シスタチオニン、ホモシスチン、L-ホモシスチン、(2-アミノエチル)-L-システイン、セレノ-L-シスチン、シスタチオニン、Cys(StBu)-OH、およびアセトアミドメチル-D-ペニシラミンが挙げられる。
【0110】
アミノ酸類似体は、フェニルアラニンおよびチロシンの類似体を含むことができる。フェニルアラニンおよびチロシンのアミノ酸類似体の例として、β-メチル-フェニルアラニン、β-ヒドロキシフェニルアラニン、α-メチル-3-メトキシ-DL-フェニルアラニン、α-メチル-D-フェニルアラニン、α-メチル-L-フェニルアラニン、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、2,4-ジクロロ-フェニルアラニン、2-(トリフルオロメチル)-D-フェニルアラニン、2-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニン、2-ブロモ-D-フェニルアラニン、2-ブロモ-L-フェニルアラニン、2-クロロ-D-フェニルアラニン、2-クロロ-L-フェニルアラニン、2-シアノ-D-フェニルアラニン、2-シアノ-L-フェニルアラニン、2-フルオロ-D-フェニルアラニン、2-フルオロ-L-フェニルアラニン、2-メチル-D-フェニルアラニン、2-メチル-L-フェニルアラニン、2-ニトロ-D-フェニルアラニン、2-ニトロ-L-フェニルアラニン、2;4;5-トリヒドロキシ-フェニルアラニン、3,4,5-トリフルオロ-D-フェニルアラニン、3,4,5-トリフルオロ-L-フェニルアラニン、3,4-ジクロロ-D-フェニルアラニン、3,4-ジクロロ-L-フェニルアラニン、3,4-ジフルオロ-D-フェニルアラニン、3,4-ジフルオロ-L-フェニルアラニン、3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン、3,4-ジメトキシ-L-フェニルアラニン、3,5,3’-トリヨード-L-チロニン、3,5-ジヨード-D-チロシン、3,5-ジヨード-L-チロシン、3,5-ジヨード-L-チロニン、3-(トリフルオロメチル)-D-フェニルアラニン、3-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニン、3-アミノ-L-チロシン、3-ブロモ-D-フェニルアラニン、3-ブロモ-L-フェニルアラニン、3-クロロ-D-フェニルアラニン、3-クロロ-L-フェニルアラニン、3-クロロ-L-チロシン、3-シアノ-D-フェニルアラニン、3-シアノ-L-フェニルアラニン、3-フルオロ-D-フェニルアラニン、3-フルオロ-L-フェニルアラニン、3-フルオロ-チロシン、3-ヨード-D-フェニルアラニン、3-ヨード-L-フェニルアラニン、3-ヨード-L-チロシン、3-メトキシ-L-チロシン、3-メチル-D-フェニルアラニン、3-メチル-L-フェニルアラニン、3-ニトロ-D-フェニルアラニン、3-ニトロ-L-フェニルアラニン、3-ニトロ-L-チロシン、4-(トリフルオロメチル)-D-フェニルアラニン、4-(トリフルオロメチル)-L-フェニルアラニン、4-アミノ-D-フェニルアラニン、4-アミノ-L-フェニルアラニン、4-ベンゾイル-D-フェニルアラニン、4-ベンゾイル-L-フェニルアラニン、4-ビス(2-クロロエチル)アミノ-L-フェニルアラニン、4-ブロモ-D-フェニルアラニン、4-ブロモ-L-フェニルアラニン、4-クロロ-D-フェニルアラニン、4-クロロ-L-フェニルアラニン、4-シアノ-D-フェニルアラニン、4-シアノ-L-フェニルアラニン、4-フルオロ-D-フェニルアラニン、4-フルオロ-L-フェニルアラニン、4-ヨード-D-フェニルアラニン、4-ヨード-L-フェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、チロキシン、3,3-ジフェニルアラニン、チロニン、エチル-チロシン、およびメチル-チロシンが挙げられる。
【0111】
アミノ酸類似体は、プロリンの類似体を含むことができる。プロリンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、3,4-デヒドロ-プロリン、4-フルオロ-プロリン、cis-4-ヒドロキシ-プロリン、チアゾリジン-2-カルボン酸、およびtrans-4-フルオロ-プロリンが挙げられる。
【0112】
アミノ酸類似体は、セリンおよびスレオニンの類似体を含むことができる。セリンおよびスレオニンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、3-アミノ-2-ヒドロキシ-5-メチルヘキサン酸、2-アミノ-3-ヒドロキシ-4-メチルペンタン酸、2-アミノ-3-エトキシブタン酸、2-アミノ-3-メトキシブタン酸、4-アミノ-3-ヒドロキシ-6-メチルヘプタン酸、2-アミノ-3-ベンジルオキシプロピオン酸、2-アミノ-3-ベンジルオキシプロピオン酸、2-アミノ-3-エトキシプロピオン酸、4-アミノ-3-ヒドロキシブタン酸、およびα-メチルセリンが挙げられる。
【0113】
アミノ酸類似体は、トリプトファンの類似体を含むことができる。トリプトファンのアミノ酸類似体の例として、限定されないが、α-メチル-トリプトファン;β-(3-ベンゾチエニル)-D-アラニン;β-(3-ベンゾチエニル)-L-アラニン;1-メチル-トリプトファン;4-メチル-トリプトファン;5-ベンジルオキシ-トリプトファン;5-ブロモ-トリプトファン;5-クロロ-トリプトファン;5-フルオロ-トリプトファン;5-ヒドロキシ-トリプトファン;5-ヒドロキシ-L-トリプトファン;5-メトキシ-トリプトファン;5-メトキシ-L-トリプトファン;5-メチル-トリプトファン;6-ブロモ-トリプトファン;6-クロロ-D-トリプトファン;6-クロロ-トリプトファン;6-フルオロ-トリプトファン;6-メチル-トリプトファン;7-ベンジルオキシ-トリプトファン;7-ブロモ-トリプトファン;7-メチル-トリプトファン;D-1,2,3,4-テトラヒドロ-ノルハルマン-3-カルボン酸;6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロノルハルマン-1-カルボン酸;7-アザトリプトファン;L-1,2,3,4-テトラヒドロ-ノルハルマン-3-カルボン酸;5-メトキシ-2-メチル-トリプトファン;および6-クロロ-L-トリプトファンが挙げられる。
【0114】
アミノ酸類似体は、ラセミ体であり得る。いくつかの例では、アミノ酸類似体のD異性体を使用する。いくつかの場合、アミノ酸類似体のL異性体を使用する。いくつかの例では、アミノ酸類似体は、RまたはS立体配置にあるキラル中心を含む。ときに、β-アミノ酸類似体のアミノ基は、保護基、例えばtert-ブチルオキシカルボニル(BOC基)、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(FMOC)、トシルなどで置換される。ときに、β-アミノ酸類似体のカルボン酸官能基は、例えばそのエステル誘導体として保護される。いくつかの場合、アミノ酸類似体の塩を使用する。
【0115】
いくつかの実施形態では、非天然アミノ酸は、Liu C.C.、Schultz,P.G.、Annu.Rev.Biochem.2010年、79、413頁に記載の非天然アミノ酸である。いくつかの実施形態では、非天然アミノ酸は、N6(2-アジドエトキシ)-カルボニル-L-リジンを含む。
【0116】
細胞型
一部の実施形態では、多くのタイプの細胞/微生物が、例えば形質転換または遺伝子操作するために使用される。一部の実施形態では、細胞は、原核または真核細胞である。ある場合には、細胞は、細菌細胞、真菌細胞、酵母、または単細胞原虫などの微生物である。その他の場合には、細胞が、培養動物、植物、またはヒト細胞などの真核細胞である。さらなる場合には、細胞は、植物または動物などの生物中に存在する。
【0117】
一部の実施形態では、操作された微生物は、分裂し増殖することがしばしば可能な単細胞生物である。微生物には、下記の形体:好気性菌、嫌気性菌、糸状菌、非糸状菌、一倍体、二倍体、栄養要求体、および/または非栄養要求体の1種またはそれ以上を含めることができる。ある特定の実施形態では、操作された微生物が原核微生物(例えば、細菌)であり、ある特定の実施形態では、操作された微生物が非原核微生物である。一部の実施形態では、操作された微生物が真核微生物(例えば、酵母、真菌、アメーバ)である。一部の実施形態では、操作された微生物が真菌である。一部の実施形態では、操作された生物が酵母である。
【0118】
任意の適切な酵母は、宿主微生物、操作された微生物、遺伝子改変(genetically modified)された生物、または異種もしくは改変ポリヌクレオチドの供給源として選択される。酵母には、限定するものではないが、ヤロウイア酵母(例えば、Y.リポリチカ(Y.lipolytica)(以前はカンジダリポリチカ(Candida lipolytica)として分類された))、カンジダ酵母(例えば、C.レブカウフィ(C.revkaufi)、C.ヴィスワナティイ(C.viswanathii)、C.プルチェリマ(C.pulcherrima)、C.トロピカリス(C.tropicalis)、C.ユティリス(C.utilis))、ロドトルラ酵母(例えば、R.グルティヌス(R.glutinus)、R.グラミニス(R.graminis))、ロドスポリジウム酵母(例えば、R.トルロイデス(R.toruloides))、サッカロマイセス酵母(例えば、S.セレビシアエ(S.cerevisiae)、S.バイアナス(S.bayanus)、S.パストリアナス(S.pastorianus)、S.カールスベルゲンシス(S.carlsbergensis))、クリプトコッカス酵母、トリコスポロン酵母(例えば、T.プランス(T.pullans)、T.キュタネウム(T.cutaneum)、ピチア酵母(例えば、P.パストリス(P.pastoris))、およびリポマイセス酵母(例えば、L.スタルケイイ(L.starkeyii)、L.リポフェルス(L.lipoferus))が含まれる。一部の実施形態では、適切な酵母は、アラキニオタス(Arachniotus)、アスペルギルス(Aspergillus)、アウレオバシジウム(Aureobasidium)、アウキサウトロン(Auxarthron)、ブラストマイセス(Blastomyces)、カンジダ(Candida)、クリソスポリウム(Chrysosporuim)、クリソスポリウム・デバリオマイセス(Chrysosporuim Debaryomyces)、コッキジオーデス(Coccidiodes)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、ジムノアスカス(Gymnoascus)、ハンセヌラ(Hansenula)、ヒストプラズマ(Histoplasma)、イッサチェンキア(Issatchenkia)、クルイベロマイセス(Kluyveromyces)、リポマイセス(Lipomyces)、ルッサチェンキア(Lssatchenkia)、ミクロスポルム(Microsporum)、ミクソトリクム(Myxotrichum)、ミクソザイマ(Myxozyma)、オイジオデンドロン(Oidiodendron)、パキソレン(Pachysolen)、ペニシリウム(Penicillium)、ピチア(Pichia)、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)、ロドトルラ(Rhodotorula)、ロドトルラ(Rhodotorula)、サッカロマイセス(Saccharomyces)、スキゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)、スコプラリオプシス(Scopulariopsis)、セペドニウム(Sepedonium)、トリコスポロン(Trichosporon)、またはヤロウィア(Yarrowia)属のものである。一部の実施形態では、適切な酵母は、アラキニオタス・フラボルテウス(Arachniotus flavoluteus)、アスペルギルス・フラブス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、アルキサルスロン・タクステリ(Auxarthron thaxteri)、ブラストマイセス・デルマティティジス(Blastomyces dermatitidis)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ドゥブリニエンシス(Candida dubliniensis)、カンジダ・ファマタ(Candida famata)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・ギリエルモンジイ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ケフィル(Candida kefyr)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ラムビカ(Candida lambica)、カンジダ・リポリチカ(Candida lipolytica)、カンジダ・ルスチタニアエ(Candida lustitaniae)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・プルチェリマ(Candida pulcherrima)、カンジダ・レブカウフィ(Candida revkaufi)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)、カンジダ・ビスワナティイ(Candida viswanathii)、カンジダ・キセストビイイ(Candida xestobii)、クリソスポリウム・ケラチノフィルム(Chrysosporuim keratinophilum)、コッキジオーデス・イミティス(Coccidiodes immitis)、クリプトコッカス・アルビダス・ヴァー.ジフルエンス(Cryptococcus albidus var.diffluens)、クリプトコッカス・ラウレンティイ(Cryptococcus laurentii)、クリプトコッカス・ネオフォマンス(Cryptococcus neofomans)、デバリオマイセス・ハンセニイイ(Debaryomyces hansenii)、ギムノアスカス・ダグワイエンシス(Gymnoascus dugwayensis)、ハンセヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)、ヒストプラズマ・カプスラタム(Histoplasma capsulatum)、イッサチェンキア・オクチデンタリス(Issatchenkia occidentalis)、イスタチェンキア・オリエンタリス(Isstachenkia orientalis)、クルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・マルキシアヌス(Kluyveromyces marxianus)、クルイベロマイセス・サーモトレランス(Kluyveromyces thermotolerans)、クルイベロマイセス・ワルティイ(Kluyveromyces waltii)、リポマイセス・リポフェルス(Lipomyces lipoferus)、リポマイセス・スタルケイイ(Lipomyces starkeyii)、ミクロスポラム・ジプセウム(Microsporum gypseum)、ミクソトリクム・デフレキサム(Myxotrichum deflexum)、オイジオデンドロン・エキヌラタム(Oidiodendron echinulatum)、パキソレン・タンノフィリス(Pachysolen tannophilis)、ペニシリウム・ノタツム(Penicillium notatum)、ピチア・アノマラ(Pichia anomala)、ピチア・パストリス(Pichia pastoris)、ピチア・スチピチス(Pichia stipitis)、ロドスポリジウム・トルロイデス(Rhodosporidium toruloides)、ロドトルラ・グルチヌス(Rhodotorula glutinus)、ロドトルラ・グラミニス(Rhodotorula graminis)、サッカロマイセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、スキゾサッカロマイセス・ポムベ(Schizosaccharomyces pombe)、スコプラリオプシス・アクレモニウム(Scopulariopsis acremonium)、セプドニウム・クリソスペルマム(Sepedonium chrysospermum)、トリコスポロン・キュタネウム(Trichosporon cutaneum)、トリコスポロン・プランス(Trichosporon pullans)、ヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)、またはヤロウィア・リポリチカ(Yarrowia lipolytica)(以前はカンジダ・リポリチカとして分類された)種のものである。一部の実施形態では、酵母は、ATCC20362、ATCC8862、ATCC18944、ATCC20228、ATCC76982、およびLGAM S(7)1株を含むがこれらに限定されないY.リポリチカ(Y.lipolytica)株である(Papanikolaou S.およびAggelis G.、Bioresour.Technol.82(1):43~9(2002))。ある特定の実施形態では、酵母がカンジダ種(即ち、カンジダspp.)酵母である。任意の適切なカンジダ種は、脂肪ジカルボン酸(例えば、オクタン二酸、デカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸)を生成するために、使用しおよび/または遺伝子改変することができる。一部の実施形態では、適切なカンジダ種には、限定するものではないが本明細書に記述されるカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・ドゥブリニエンシス(Candida dubliniensis)、カンジダ・ファマタ(Candida famata)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、カンジダ・ギリエルモンディイ(Candida guilliermondii)、カンジダ・ケフィル(Candida kefyr)、カンジダ・クルセイ(Candida krusei)、カンジダ・ラムビカ(Candida lambica)、カンジダ・リポリチカ(Candida lipolytica)、カンジダ・ルスチタニアエ(Candida lustitaniae)、カンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)、カンジダ・プルチェリマ(Candida pulcherrima)、カンジダ・レブカウフィ(Candida revkaufi)、カンジダ・ルゴサ(Candida rugosa)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、カンジダ・ウティリス(Candida utilis)、カンジダ・ビスワナティイ(Candida viswanathii)、カンジダ・キセストビイ(Candida xestobii)、および任意のその他のカンジダ種酵母が含まれる。カンジダ種株の非限定的な例には、限定するものではないがsAA001(ATCC20336)、sAA002(ATCC20913)、sAA003(ATCC20962)、sAA496(US2012/0077252)、sAA106(US2012/0077252)、SU-2(ura3-/ura3-)、H5343(ベータ酸化遮断;米国特許第5648247号)株が含まれる。カンジダ種酵母からの任意の適切な株が、遺伝子改変のための親株として利用される。
【0119】
酵母属、種、および株は、区別し、分類し、かつ/または名付けることが難しくなる可能性がある遺伝物質に、しばしば非常に密接に関係している。ある場合には、C.リポリチカ(C.lipolytica)およびY.リポリチカ(Y.lipolytica)の株は、区別し、分類し、かつ/または名付けるのが難しくなる可能性があり、場合によっては、同じ生物と見なされる可能性がある。ある場合には、C.トロピカリス(C.tropicalis)およびC.ビスワナティイ(C.viswanathii)の様々な株を区別し、分類し、かつ/または名付けることが難しくなる可能性がある(例えば、Arieら、J.Gen.Appl.Microbiol.、46、257~262(2000)参照)。ATCCからならびにその他の商用のまたはアカデミックな供給元から得られたいくつかのC.トロピカリス(C.tropicalis)およびC.ビスワナティイ(C.viswanathii)株は、均等であり、かつ本明細書に記述される実施形態に等しく適切であると見なすことができる。一部の実施形態では、C.トロピカリス(C.tropicalis)およびC.ビスワナティイ(C.viswanathii)のいくつかの親株は、名称のみが異なると見なされる。
【0120】
任意の適切な真菌は、宿主微生物、操作された微生物、または異種ポリヌクレオチドの供給源として選択される。真菌の非限定的な例には、限定するものではないがアスペルキルス真菌(例えば、A.パラシティカス(A.parasiticus)、A.ニドゥランス(A.nidulans))、トラウストキトリウム真菌、スキゾキトリウム真菌、およびリゾプス真菌(例えば、R.アリザス(R.arrhizus)、R.オリザエ(R.oryzae)、R.ニグリカンス(R.nigricans))が含まれる。一部の実施形態では、真菌は、株ATCC24690を含むがこれに限定されないA.パラシティカス(A.parasiticus)株であり、ある特定の実施形態では、真菌は、株ATCC38163を含むがこれに限定されないA.ニデュランス(A.nidulans)株である。
【0121】
任意の適切な原核生物は、宿主微生物、操作された微生物、または異種ポリヌクレオチドの供給源として選択される。グラム陰性またはグラム陽性菌が選択される。細菌の例には、限定するものではないがバシラス細菌(例えば、B.サブチリス(B.subtilis)、B.メガテリウム(B.megaterium))、アシネトバクター細菌、ノルカルディア細菌、キサントバクター細菌、セスケリキア細菌(例えば、大腸菌(例えば、株DH10B、Stbl2、DH5-アルファ、DB3、DB3.1)、DB4、DB5、JDP682、およびccdA-over(例えば、米国出願第09/518,188号)))、ストレプトマイセス細菌、エルウィニア細菌、クレブシエラ細菌、セラチア細菌(例えば、S.マルセッサンス(S.marcessans))、シュードモナス細菌(例えば、P.アエルギノサ(P.aeruginosa))、サルモネラ細菌(例えば、S.ティフィムリウム(S.typhimurium)、S.ティフィ(S.typhi))、メガスファエラ細菌(例えば、メガスファエラ・エルスデニイイ(Megasphaera elsdenii))が含まれる。細菌には、限定するものではないが光合成細菌(例えば、緑色非硫黄細菌(例えば、クロロフレキサス細菌(例えば、C.アウランティアカス(C.aurantiacus))、クロロネマ細菌(例えば、C.ギガテウム(C.gigateum))、緑色硫黄細菌(例えば、クロロビウム細菌(例えば、C.リミコラ(C.limicola))、ペロディクチオン細菌(例えば、P.ルテオラム(P.luteolum))、紫硫黄細菌(例えば、クロマチウム細菌(例えば、C.オケニイ(C.okenii)))、および紫非硫黄細菌(例えば、ロドスピリラム細菌(例えば、R.ルブラム(R.rubrum))、ロドバクター細菌(例えば、R.スファエロイデス(R.sphaeroides)、R.カプシュラタス(R.capsulatus))、およびロドミクロビウム細菌(例えば、R.バネリイ(R.vanellii))も含まれる。
【0122】
非微生物からの細胞は、宿主微生物、操作された微生物、または異種ポリヌクレオチドの供給源として利用することができる。そのような細胞の例には、限定するものではないが昆虫細胞(例えば、ショウジョウバエ(例えば、D.メラノガスター(D.melanogaster)、スポドプテラ(例えば、S.フルギペルダ(S.frugiperda)Sf9またはSf21細胞)、およびトリコプルサ(例えば、High-Five細胞);線虫細胞(例えば、C.エレガンス(C.elegans)細胞);トリ細胞;両生類細胞(例えば、キセノパス・ラエビス細胞(Xenopus laevis細胞));爬虫類細胞;哺乳類細胞(例えば、NIH3T3、293、CHO、COS、VERO、C127、BHK、Per-C6、Bowesメラノーマ、およびHeLa細胞);および植物細胞(例えば、シロイヌナズナ、タバコ、クフェア・アシニフォリア(Cuphea acinifolia)、クフェア・アエキペタラ(Cuphea aequipetala)、クフェア・アングスチフォリア(Cuphea angustifolia)、クフェア・アペンディキュラタ(Cuphea appendiculata)、クフェア・アビゲラ(Cuphea avigera)、クフェア・アビゲラ・バー.プルチェリマ(Cuphea avigera var.pulcherrima)、クフェア・アキシリフロラ(Cuphea axilliflora)、クフェア・バヒエンシス(Cuphea bahiensis)、クフェア・バイロニス(Cuphea baillonis)、クフェア・ブラキポダ(Cuphea brachypoda)、クフェア・ブスタマンタ(Cuphea bustamanta)、クフェア・カルカラタ(Cuphea calcarata)、クフェア・カロフィラ(Cuphea calophylla)、クフェア・カロフィラ(Cuphea calophylla)subsp.メソステモン(mesostemon)、クフェア・カルサゲネシス(Cuphea carthagenensis)、クフェア・サーカエオイデス(Cuphea circaeoides)、クフェア・コンフェルチフローラ(Cuphea confertiflora)、クフェア・コルダタ(Cuphea cordata)、クフェア・クラシフローラ(Cuphea crassiflora)、クフェア・シアネア(Cuphea cyanea)、クフェア・デカンドラ(Cuphea decandra)、クフェア・デンティキュラタ(Cuphea denticulata)、クフェア・ジスペルマ(Cuphea disperma)、クフェア・エピロビイフォリア(Cuphea epilobiifolia)、クフェア・エリコイデス(Cuphea ericoides)、クフェア・フラヴァ(Cuphea flava)、クフェア・フラビセツラ(Cuphea flavisetula)、クフェア・フクシイフォリア(Cuphea fuchsiifolia)、クフェア・ガウメリ(Cuphea gaumeri)、クフェア・グルチノサ(Cuphea glutinosa)、クフェア・ヘテロフィラ(Cuphea heterophylla)、クフェア・フーケリアナ(Cuphea hookeriana)、クフェア・ヒッソピフォリア(Cuphea hyssopifolia)(メキシコハナヤナギ)、クフェア・ヒッソポイデス、クフェア・イグネア(Cuphea ignea)、クフェア・イングラタ(Cuphea ingrata)、クフェア・ジョルレンシス(Cuphea jorullensis)、クフェア・ランセオラタ(Cuphea lanceolata)、クフェア・リナリオイデス(Cuphea linarioides)、クフェア・ラベア(Cuphea llavea)、クフェア・ロフォストマ(Cuphea lophostoma)、クフェア・ルテア(Cuphea lutea)、クフェア・ルテセンス(Cuphea lutescens)、クフェア・メラニウム(Cuphea melanium)、クフェア・メルビラ(Cuphea melvilla)、クフェア・ミクランタ(Cuphea micrantha)、クフェア・ミクロペタラ(Cuphea micropetala)、クフェア・ミムロイデス(Cuphea mimuloides)、クフェア・ニチデュラ(Cuphea nitidula)、クフェア・パルストリス(Cuphea palustris)、クフェア・パルソンシア(Cuphea parsonsia)、クフェア・パスキュオルム(Cuphea pascuorum)、クフェア・パウシペタラ(Cuphea paucipetala)、クフェア・プロキュムベンス(Cuphea procumbens)、クフェア・シュードシレン(Cuphea pseudosilene)、クフェア・シュードヴァシニウム(Cuphea pseudovaccinium)、クフェア・プルクラ(Cuphea pulchra)、クフェア・ラセモサ(Cuphea racemosa)、クフェア・レペンス(Cuphea repens)、クフェア・サリシフォリア(Cuphea salicifolia)、クフェア・サルバドレンシス(Cuphea salvadorensis)、クフェア・シュマンニイ(Cuphea schumannii)、クフェア・セッシリフローラ(Cuphea sessiliflora)、クフェア・セッシリフォリア(Cuphea sessilifolia)、クフェア・セトサ(Cuphea setosa)、クフェア・スペクタビリス(Cuphea spectabilis)、クフェア・スペルマコス(Cuphea spermacoce)、クフェア・スプレンディダ(Cuphea splendida)、クフェア・スプレンディダ・バー.ビリディフラバ(Cuphea splendida var.viridiflava)、クフェア・ストリグロサ(Cuphea strigulosa)、クフェア・スブリゲラ(Cuphea subuligera)、クフェア・テレアンドラ(Cuphea teleandra)、クフェア・サイモイデス(Cuphea thymoides)、クフェア・トルカナ(Cuphea tolucana)、クフェア・ウレンス(Cuphea urens)、クフェア・ウトリキュロサ(Cuphea utriculosa)、クフェア・ビスコシッシマ(Cuphea viscosissima)、クフェア・ワトソニアナ(Cuphea watsoniana)、クフェア・ウライティイ(Cuphea wrightii)、クフェア・ランセオラタ(Cuphea lanceolata))が含まれる。
【0123】
宿主生物、または異種ポリヌクレオチドの供給源として使用される、微生物または細胞は、市販されている。本明細書に記述される微生物および細胞と、その他の適切な微生物および細胞は、例えば、Invitrogen Corporation(Carlsbad、CA)、American Type Culture Collection(Manassas、Virginia)、およびAgricultural Research Culture Collection(NRRL;Peoria、Illinois)から入手可能である。宿主微生物および操作された微生物は、任意の適切な形態で提供される。例えばそのような微生物は、初代培養物とされまたは1回もしくはそれ以上の回数で継代されている(例えば、希釈されたおよび培養された)、液体培養物または固体培養物(例えば、寒天をベースにした培地)で提供される。微生物は、凍結形態または乾燥形態(例えば、凍結乾燥された)でも提供される。微生物は、任意の適切な濃度で提供される。
【0124】
ポリメラーゼ
ポリメラーゼの特に有用な機能は、鋳型として既存の核酸を使用して、核酸鎖の重合を触媒することである。有用なその他の機能は、本明細書のその他の箇所に記述される。有用なポリメラーゼの例には、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼが含まれる。
【0125】
ポリメラーゼの非天然核酸の特異性、加工性、またはその他の特徴を改善する能力は、例えば、増幅、配列決定、標識、検出、クローニング、および多くのその他のものを含む、非天然核酸の組込みが望まれる様々な文脈で、非常に望ましいと考えられる。本発明は、非天然核酸に関して性質が改変されたポリメラーゼ、そのようなポリメラーゼを作製する方法、そのようなポリメラーゼを使用する方法、および下記の完全に検討することで明らかにされる多くのその他の特徴を提供する。
【0126】
ある場合には、本明細書に開示されるものには、例えばDNA増幅中、非天然核酸を成長鋳型コピーに組み込むポリメラーゼが含まれる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、ポリメラーゼの活性部位が改変されてその活性部位への非天然核酸の立体進入阻害が低減されるように、改変することができる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、非天然核酸の1つまたはそれ以上の非天然の特徴に対する相補性を提供するように、改変することができる。そのようなポリメラーゼは、細胞にUBPを安全に組み込むために、細胞内で発現させまたは操作させることができる。したがって本発明は、異種または組換え(recombinant)ポリメラーゼを含む組成物、およびその使用方法を含む。
【0127】
ポリメラーゼは、タンパク質工学に関する方法を使用して、改変することができる。例えば分子モデリングは、目標の活性を改変するように変異を作製することができるポリメラーゼの場所を特定するために、結晶構造に基づいて実施することができる。置換のための標的として特定される基は、エネルギー最小化モデリング、ホモロジーモデリング、および/または保存アミノ酸置換、例えばBordoら、J Mol Biol 217:721~729(1991)およびHayesら、Proc Natl Acad Sci、USA 99:15926~15931(2002)に記載されるものを使用して選択される基と置き換えることができる。
【0128】
様々なポリメラーゼのいずれかを、本明細書で述べる方法または組成物、例えば生体系から単離されたタンパク質をベースにした酵素およびその機能的バリアントを含むもので、使用することができる。以下に具体化されるものなどの、特定のポリメラーゼの言及は、他に指示しない限り、その機能的バリアントを含むことが理解されよう。一部の実施形態において、ポリメラーゼは野生型ポリメラーゼである。一部の実施形態では、ポリメラーゼは改変されたまたは変異したポリメラーゼである。
【0129】
活性部位領域への非天然核酸の進入を改善するための、および活性部位領域で非天然ヌクレオチドと配位するための特徴を持つポリメラーゼを、使用することもできる。一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは改変されたヌクレオチド結合部位を有する。
【0130】
一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは非天然核酸に対して特異性を有し、それは非天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、改変された糖を含む非天然核酸に対して特異性を有し、それは天然核酸および/または改変された糖を含まない非天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、改変塩基を含む非天然核酸に対して特異性を有し、それは天然核酸および/または改変塩基を含まない非天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、トリホスフェートを含む非天然核酸に対して特異性を有し、それはトリホスフェートを含む核酸および/またはトリホスフェートを含まない非天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。例えば、改変されたまたは野生型ポリメラーゼは、トリホスフェートを含む非天然核酸に対して特異性を有することができ、それはジホスフェートもしくはモノホスフェートを含むまたはホスフェートを含まない非天然核酸、またはこれらの組合せに対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。
【0131】
一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、非天然核酸に対して緩和特異性(relaxed specificity)を有する。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有し、それは天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、改変された糖を含む非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有し、それは天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、改変塩基を含む非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有し、それは天然核酸に対する野生型ポリメラーゼの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である。
【0132】
エキソヌクレアーゼ活性が存在しないことは、野生型の特徴とすることができ、またはバリアントもしくは操作されたポリメラーゼによって与えられた特徴とすることができる。例えばexoマイナスKlenow断片は、3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性に欠けた、Klenow断片の変異した形である。
【0133】
本発明の方法は、例えば変異を通して、内在性3から5’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性に欠けたまたは3から5’エキソヌクレアーゼプルーフリーディング活性が無効になった、任意のDNAポリメラーゼの基質範囲を拡げるために使用される。DNAポリメラーゼの例には、polA、polB(例えば、Parrel & Loeb、Nature Struc Biol 2001参照)、polC、polD、polY、polX、および逆転写酵素(RT)が含まれるが、好ましくは前進的な高忠実度ポリメラーゼ(PCT/GB2004/004643)である。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、実質的に3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性に欠ける。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは実質的に、非天然核酸に関して3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性に欠ける。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、天然核酸に関して3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有し、実質的に、非天然核酸に関して3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性に欠ける。
【0134】
一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼのプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有する。一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは、天然核酸に対する野生型ポリメラーゼのプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、非天然核酸に関する3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有する。一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは、天然核酸に対する野生型ポリメラーゼのプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、非天然核酸に対する3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性および天然核酸に関する3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有する。一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは、天然核酸に対する野生型ポリメラーゼのプルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性の少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、天然核酸に関する3’から5’プルーフリーディングエキソヌクレアーゼ活性を有する。
【0135】
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、その核酸からの解離速度によって特徴付けられる。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1種またはそれ以上の天然および非天然核酸に関して比較的低い解離速度を有する。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、1種またはそれ以上の天然および非天然核酸に関して比較的高い解離速度を有する。解離速度は、本明細書で述べられる方法で反応速度を調整するように調整することができる、ポリメラーゼの活性である。
【0136】
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、特定の天然および/または非天然核酸あるいは天然および/または非天然核酸の収集物と共に使用される場合、その忠実度によって特徴付けられる。忠実度は一般に、核酸鋳型のコピーを作製するときにポリメラーゼが正しい核酸を成長核酸鎖に組み込む精度を指す。DNAポリメラーゼ忠実度は、ポリメラーゼ-鎖-鋳型核酸二成分複合体の同じ部位で鎖合成を争うため、天然および非天然核酸が例えば等しい濃度で存在する場合、天然および非天然核酸の正しい組込みと正しくない組込みとの比として測定することができる。DNAポリメラーゼ忠実度は、天然および非天然核酸に関する(kcat/K)と、不正確な天然および非天然核酸に関する(kcat/K)との比として計算することができ;式中、kcatおよびKは、定常状態酵素動態でのMichaelis-Mentenパラメーターである(参照によって組み入れるFersht,A.R.(1985) Enzyme Structure and Mechanism、第2版、p.350、W.H.Freeman & Co.、New York.)。一部の実施形態では、ポリメラーゼは、プルーフリーディング活性がある、またはない状態で、少なくとも約100、1000、10,000、100,000、または1×10の忠実度値を有する。
【0137】
一部の実施形態では、自然源からのポリメラーゼまたはそのバリアントを、特定の構造を有する非天然核酸の組込みを検出するアッセイを使用してスクリーニングする。一実施例では、ポリメラーゼは、非天然核酸またはUBP;例えばd5SICSTP、dNaMTP、またはd5SICSTP-dNaMTP UBPを組み込む能力に関してスクリーニングすることができる。ポリメラーゼ、例えば異種ポリメラーゼは、野生型ポリメラーゼと比較して、非天然核酸に関して改質した性質を示すものを、使用することができる。例えば、改質された性質は、例えば、K、kcat、Vmax、非天然核酸(または天然のヌクレオチド)の存在下でのポリメラーゼ加工性、非天然核酸の存在下でのポリメラーゼによる平均鋳型リード長、非天然核酸のポリメラーゼの特異性、非天然核酸の結合速度、生成物(ピロリン酸、三リン酸など)の生成放出速度、分枝速度、またはこれらの任意の組合せとすることができる。一実施形態では、改質された性質は、非天然核酸に関して低減したKおよび/または非天然核酸に関して増大したkcat/KまたはVmax/Kである。同様に、ポリメラーゼは場合により、野生型ポリメラーゼと比較して、非天然核酸の増大した結合速度、増大した生成物放出速度、および/または低下した分枝速度を有する。
【0138】
同時に、ポリメラーゼは、天然核酸、例えばA、C、G、およびTを、成長する核酸コピーに組み込むことができる。例えば、ポリメラーゼは場合により、対応する野生型ポリメラーゼの少なくとも約5%程に高い(例えば、5%、10%、25%、50%、75%、100%、またはそれよりも高い)、天然核酸に関する特異的活性と、天然核酸の存在下で野生型ポリメラーゼの少なくとも5%程に高い(例えば、5%、10%、25%、50%、75%、100%、またはそれよりも高い)、鋳型の存在下での天然核酸での加工性とを示す。場合により、ポリメラーゼは、野生型のポリメラーゼの少なくとも約5%程に高い(例えば、約5%、10%、25%、50%、75%、または100%、またはそれよりも高い)、天然のヌクレオチドに関するkcat/KまたはVmax/Kを示す。
【0139】
特定の構造の非天然核酸を組み込む能力を有することができる、本明細書で使用されるポリメラーゼは、指向性進化法を使用して生成することもできる。核酸合成アッセイは、様々な非天然核酸のいずれかに関して特異性を有するポリメラーゼバリアントをスクリーニングするのに使用することができる。例えば、ポリメラーゼバリアントは、非天然核酸、またはUBP;例えばd5SICSTP、dNaMTP、またはd5SICSTP-dNaMTP UBPを核酸に組み込む能力に関してスクリーニングすることができる。一部の実施形態では、そのようなアッセイは、例えば組換えポリメラーゼバリアントを使用するin vitroアッセイである。一部の実施形態では、そのようなアッセイは、例えば細胞内でポリメラーゼバリアントを発現するin vivoアッセイである。そのような指向性進化法は、本明細書で述べる非天然核酸のいずれかに対する活性に関して、任意の適切なポリメラーゼのバリアントをスクリーニングするのに使用することができる。
【0140】
記述される組成物の改変ポリメラーゼは、場合により、改変および/または組換えΦ29-型DNAポリメラーゼとすることができる。場合により、ポリメラーゼは、改変および/または組換えΦ29、B103、GA-1、PZA、Φ15、BS32、M2Y、Nf、G1、Cp-1、PRD1、PZE、SF5、Cp-5、Cp-7、PR4、PR5、PR722、またはL17ポリメラーゼとすることができる。
【0141】
記述される組成物の改変ポリメラーゼは、場合により、改変および/または組換え原核DNAポリメラーゼ、例えばDNAポリメラーゼII(PolII)、DNAポリメラーゼIII(PolIII)、DNAポリメラーゼIV(PolIV)、DNAポリメラーゼV(PolV)とすることができる。一部の実施形態では、改変ポリメラーゼは、非命令的損傷ヌクレオチド上でDNA合成を媒介するポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、PolI、PolII(polB)、PollIV(dinB)、および/またはPolV(umuCD)をコードする遺伝子が、操作された細胞またはSSOで恒常的に発現しまたは過発現する。一部の実施形態では、PolIIの発現または過発現の増加は、操作された細胞またはSSOにおける非天然塩基対(UBP)の増大する保持率に寄与する。
【0142】
本発明で一般に有用な核酸ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、およびそれらの変異体または変化形態を含む。DNAポリメラーゼおよびその性質は、とりわけDNA Replication 第2版、KornbergおよびBaker、W.H.Freeman、New York、N.Y.(1991)に詳細に記載されている。本発明で有用な公知の従来のDNAポリメラーゼには、限定するものではないがピュロコックス・フリオスス(Pyrococcus furiosus)(Pfu)DNAポリメラーゼ(Lundbergら、1991、Gene、108:1、Stratagene)、ピュロコックス・ウォエセイ(Pwo)DNAポリメラーゼ(Hinnisdaelsら、1996、Biotechniques、20:186~8、Boehringer Mannheim)、サーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)(Tth)DNAポリメラーゼ(MyersおよびGelfand 1991、Biochemistry 30:7661)、バシルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)DNAポリメラーゼ(SteneshおよびMcGowan、1977、Biochim Biophys Acta 475:32)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)(TIi)DNAポリメラーゼ(Vent(商標)DNAポリメラーゼとも呼ばれる。Carielloら、1991、Polynucleotides Res、19:4193、New England Biolabs)、9°Nm(商標)DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)、Stoffel断片、Thermo Sequenase(登録商標)(Amersham Pharmacia Biotech UK)、Therminator(商標)(New England Biolabs)、テルモトガ・マリティマ(Tma)DNAポリメラーゼ(Diaz and Sabino、1998 Braz J Med.Res、31:1239)、テルムス・アクアティクス(Taq)DNAポリメラーゼ(Chienら、1976、J.Bacteoriol、127:1550)DNAポリメラーゼ、ピロコッカス・コダカラエンシスKOD DNAポリメラーゼ(Takagiら、1997、Appl.Environ.Microbiol.63:4504)、JDF-3 DNAポリメラーゼ(テルモコックス種から、JDF-3、親出願WO 0132887)、ピロコッカスGB-D(PGB-D)DNAポリメラーゼ(Deep Vent(商標)DNAポリメラーゼとも呼ばれる。Juncosa-Ginestaら、1994、Biotechniques、16:820、New England Biolabs)、UlTma DNAポリメラーゼ(好熱菌テルモトガ・マリティマから;DiazおよびSabino、1998 Braz J.Med.Res、31:1239;PE Applied Biosystems)、Tgo DNAポリメラーゼ(テルモコックス・ゴルロナリウス(thermococcus gorgonarius)から、Roche Molecular Biochemicals)、大腸菌DNAポリメラーゼI(LecomteおよびDoubleday、1983、Polynucleotides Res.11:7505)、T7 DNAポリメラーゼ(Nordstromら、1981、J Biol.Chem.256:3112)、および古細菌DP1I/DP2 DNAポリメラーゼII(Cannら、1998、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 95:14250)が含まれる。中温性ポリメラーゼおよび好熱性ポリメラーゼが共に企図される。好熱性DNAポリメラーゼには、限定するものではないがThermoSequenase(登録商標)、9°Nm(商標)、Therminator(登録商標)、Taq、Tne、Tma、Pfu、TfI、Tth、TIi、Stoffel断片、Vent(商標)およびDeep Vent(商標)DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、Tgo、JDF-3、ならびにこれらの変異体、バリアント、および誘導体が含まれる。3’エキソヌクレアーゼ欠損変異体であるポリメラーゼも企図される。本発明で有用な逆転写酵素には、限定するものではないが、HIV、HTLV-I、HTLV-II、FeLV、FIV、SIV、AMV、MMTV、MoMuLV、およびその他のレトロウイルスからの逆転写酵素(Levin、Cell 88:5~8(1997);Verma、Biochim Biophys Acta.473:1~38(1977);Wuら、CRC Crit Rev Biochem.3:289~347(1975)参照)が含まれる。ポリメラーゼの他の例には、限定するものではないが9°N DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、RB69 DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、およびVentR(登録商標)DNAポリメラーゼ Gardnerら(2004)「Comparative Kinetics of Nucleotide Analog Incorporation by Vent DNA Polymerase(J.Biol.Chem.、279(12)、11834~11842;GardnerおよびJack「Determinants of nucleotide sugar recognition in an archaeon DNA polymerase」 Nucleic Acids Research、27(12)2545~2553.)が含まれる。非好熱性生物から単離されたポリメラーゼは、熱不活性化可能とすることができる。その例は、ファージからのDNAポリメラーゼである。様々な供給源のいずれかからのポリメラーゼは、高温条件に対するそれらの耐性を増大させまたは減少させるように改変できることが理解されよう。一部の実施形態では、ポリメラーゼを好熱性とすることができる。一部の実施形態では、好熱性ポリメラーゼを熱不活性化可能にすることができる。好熱性ポリメラーゼは、高温条件にまたは熱サイクリング条件、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技法に用いられる場合に、典型的には有用である。
【0143】
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、Φ29、B103、GA-1、PZA、Φ15、BS32、M2Y、Nf、G1、Cp-1、PRD1、PZE、SF5、Cp-5、Cp-7、PR4、PR5、PR722、L17、ThermoSequenase(登録商標)、9°Nm(商標)、Therminator(登録商標)DNAポリメラーゼ、Tne、Tma、TfI、Tth、TIi、Stoffel断片、Vent(商標)およびDeep Vent(商標)DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、Tgo、JDF-3、Pfu、Taq、T7 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、PGB-D、UlTma DNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリメラーゼIII、古細菌DP1I/DP2 DNAポリメラーゼII、9°N DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、Pfu DNAポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、RB69 DNAポリメラーゼ、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素、SuperScript(登録商標)II逆転写酵素、およびSuperScript(登録商標)III逆転写酵素を含む。
【0144】
一部の実施形態では、ポリメラーゼは、DNAポリメラーゼ1-Klenow断片、Ventポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、KOD DNAポリメラーゼ、Taqポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、T7 RNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、POLBポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼ、大腸菌DNAポリメラーゼI、大腸菌DNAポリメラーゼIII、トリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素、SuperScript(登録商標)II逆転写酵素、またはSuperScript(登録商標)III逆転写酵素である。
【0145】
さらにそのようなポリメラーゼは、例えばポリメラーゼによるDNAへの非天然核酸残基の組込みを含む増幅または配列決定の文脈において、実時間的用例を含むDNA増幅および/または配列決定の適用例のために使用することができる。他の実施形態では、組み込まれる非天然核酸を天然残基と同じにすることができ、例えばこの場合、非天然核酸の標識またはその他の部分が、組込み中のポリメラーゼの作用によって除去され、または非天然核酸は、天然核酸と区別される1つまたはそれ以上の特徴を有することができるものである。
【0146】
ヌクレオチドトランスポーター
ヌクレオチドトランスポーター(NT)は、細胞膜および小胞上でのヌクレオシド基質を容易にする一群の膜輸送タンパク質である。一部の実施形態では、2つのタイプのヌクレオシドトランスポーター、集中型ヌクレオシドトランスポータオおよび平衡型ヌクレオシドトランスポーターがある。ある場合には、NTは、有機アニオントランスポーター(OAT)および有機カチオントランスポーター(OCT)も包含する。ある場合には、ヌクレオチドトランスポーターがヌクレオシド三リン酸トランスポーターである。
【0147】
一部の実施形態では、ヌクレオチド三リン酸トランスポーター(NTT)が、細菌、植物、または藻類由来である。一部の実施形態では、ヌクレオチドヌクレオシド三リン酸トランスポーターが、TpNTT1、TpNTT2、TpNTT3、TpNTT4、TpNTT5、TpNTT6、TpNTT7、TpNTT8(T.シュードナナ(T.pseudonana))、PtNTT1、PtNTT2、PtNTT3、PtNTT4、PtNTT5、PtNTT6(P.トリコルヌツム(P.tricornutum))、GsNTT(ガルディエリア・スルフラリア(Galdieria sulphuraria))、AtNTT1、AtNTT2(アラビドプシス・サリアナ(Arabidopsis thaliana)、CtNTT1、CtNTT2(クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis))、PamNTT1、PamNTT2(プロトクラミジア・アメーボフィア(Protochlamydia amoebophila)、CcNTT(カエジバクター・カリオフィルス(Caedibacter caryophilus))、RpNTT1(リッケッツイア・プロワゼキイ(Rickettsia prowazekii))である。
【0148】
一部の実施形態では、NTTが、CNT1、CNT2、CNT3、ENT1、ENT2、OAT1、OAT3、またはOCT1である。
【0149】
一部の実施形態では、NTTが非天然核酸を生物に、例えば細胞に移入する。一部の実施形態では、ヌクレオチド結合部位への非天然核酸の立体進入阻害を低減させるためにNTTのヌクレオチド結合部位が改変されるように、NTTを改変することができる。一部の実施形態では、NTTは、非天然核酸の1つまたはそれ以上の特徴との相互作用が増大するように、改変することができる。そのようなNTTは、細胞内にUBPを安定して移入させるため、細胞内で発現させまたは操作することができる。したがって本発明は、異種または組換えNTTを含む組成物と、その使用方法とを含む。
【0150】
NTTは、タンパク質工学に関する方法を使用して改変することができる。例えば分子モデリングは、標的の活性または結合部位を改変するように変異を行うことができるNTTの場所を特定するために、結晶構造に基づいて実施することができる。置換のための標的として特定される残基は、Bordoら、J Mol Biol 217:721~729(1991)、およびHayesら、Proc Natl Acad Sci、USA 99:15926~15931(2002)に記載されるような、エネルギー最小化モデリング、ホモロジーモデリング、および/または保存アミノ酸置換を使用して、選択される残基と置き換えることができる。
【0151】
様々なNTTのいずれかは、例えば、生体系から単離されたタンパク質をベースにした酵素およびその機能的バリアントを含む、本明細書で述べる方法または組成物で使用することができる。以下に具体化されるものなどの特定のNTTへの言及は、他に指示しない限り、それらの機能的バリアントを含むと理解されよう。一部の実施形態では、NTTが野生型NTTである。一部の実施形態では、NTTが、改変されたまたは変異体のNTTである。
【0152】
細胞内への非天然核酸の進入を改善するための、およびヌクレオチド結合領域で非天然ヌクレオチドと配位するための特徴を持つNTTを、使用することもできる。一部の実施形態では、改変NTTは、改変ヌクレオチド結合部位を有する。一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、非天然核酸に対して緩和特異性を有する。
【0153】
一部の実施形態では、改変NTTは、非天然核酸に対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、非天然核酸に対する特異性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、天然核酸および/または非天然核酸であって改変された糖を持たないものに対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、改変された糖を含む非天然核酸に対する特異性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、天然核酸および/または非天然核酸であって改変塩基を持たないものに対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、改変塩基を含む非天然核酸に対する特異性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型ポリメラーゼは、トリホスフェートを含む核酸および/または三リン酸を含まない非天然核酸に対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、トリホスフェートを含む非天然核酸に対する特異性を有する。例えば、改変または野生型NTTは、ジホスフェートもしくはモノホスフェートを含むまたはホスフェートを含まないまたはこれらの組合せである非天然核酸に対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、トリホスフェートを含む非天然核酸に対する特異性を有することができる。
【0154】
一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、天然核酸に対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、天然核酸二対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、改変された糖を含む非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有する。一部の実施形態では、改変または野生型NTTは、天然核酸に対する野生型NTTの特異性の少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、98%、99%、99.5%、99.99%である、改変塩基を含む非天然核酸に対する特異性および天然核酸に対する特異性を有する。
【0155】
NTTは、核酸からのそれらの解離速度によって特徴付けることができる。一部の実施形態では、NTTは、1種またはそれ以上の天然および非天然核酸に関して比較的低い解離速度を有する。一部の実施形態では、NTTは、1種またはそれ以上の天然および非天然核酸に関して比較的高い解離速度を有する。解離速度は、本明細書で述べる方法において反応速度を調整するよう調整することができるNTTの活性である。
【0156】
自然供給源からのNTTまたはそのバリアントは、特定の構造を有する非天然核酸の移入を検出するアッセイを使用して、スクリーニングすることができる。一実施例では、NTTは、非天然核酸またはUBP、例えばd5SICSTP、dNaMTP、またはd5SICSTP-dNaMTP UBPを移入する能力に関してスクリーニングすることができる。NTT、例えば異種NTTは、野生型NTTと比較して、非天然核酸に関して改質された性質を示すものを使用することができる。例えば、改質された性質は、例えばK、kcat、Vmax、非天然核酸(または天然ヌクレオチド)の存在下でのNTT移入、非天然核酸の存在下でNTTを持つ細胞による平均鋳型リード長、非天然核酸に対するNTTの特異性、非天然核酸の結合速度、または生成物放出速度、またはこれらの任意の組合せとすることができる。一実施形態では、改質された性質は、非天然核酸に対する低減されたKおよび/または非天然核酸に対する増大したkcat/KもしくはVmax/Kである。同様にNTTは、場合により、野生型NTTと比較して、非天然核酸の増大した結合速度、増大した生成物放出速度、および/または増大した細胞移入速度を有する。
【0157】
同時に、NTTは、天然核酸、例えばA、C、G、およびTを細胞に移入することができる。例えば、NTTは場合により、対応する野生型NTTの場合に関して少なくとも約5%程に高い(例えば5%、10%、25%、50%、75%、100%またはそれよりも高い)、天然核酸に関する特異的移入活性を示す。場合によりNTTは、野生型NTTの場合の少なくとも約5%程に高い(例えば5%、10%、25%、50%、75%、100%またはそれよりも高い)、天然ヌクレオチドに関するkcat/KまたはVmax/Kを示す。
【0158】
特定の構造の非天然核酸を移入する能力を有することができる、本明細書で使用されるNTTは、指向性進化法を使用して生成することもできる。核酸合成アッセイは、様々な非天然核酸のいずれかに関して特異性を有するNTTバリアントをスクリーニングするのに使用することができる。例えば、NTTバリアントは、非天然核酸またはUBP、例えばd5SICSTP、dNaMTP、またはd5SICSTP-dNaMTP UBPを核酸に移入する能力についてスクリーニングすることができる。一部の実施形態では、そのようなアッセイは、例えば組換えNTTバリアントを使用するin vitroアッセイである。一部の実施形態では、そのようなアッセイは、例えばNTTバリアントを細胞内で発現するin vivoアッセイである。そのような指向性進化法は、本明細書で述べる非天然核酸のいずれかに対する活性に関して、任意の適切なNTTのバリアントをスクリーニングするのに使用することができる。
【0159】
核酸試薬およびツール
本明細書に記述される方法、細胞、または操作された微生物で使用される核酸試薬は、1種またはそれ以上のORFを含む。ORFは、任意の適切な供給源からのものとされ、時々、ゲノムDNA、mRNA、逆転写RNA、もしくは相補的DNA(cDNA)、または前述の1つもしくはそれ以上を含む核酸ライブラリーからのものとされ、目的の核酸配列、目的のタンパク質、または目的の活性を含有する任意の生物種からのものである。そこからORFを得ることができる生物の、非限定的な例には、例えば細菌、酵母、真菌、ヒト、昆虫、線虫、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ラット、またはマウスが含まれる。一部の実施形態では、本明細書に記述される核酸試薬またはその他の試薬が単離されまたは精製される。
【0160】
核酸試薬は時々、ORFと併せて翻訳されかつアミノ酸タグをコードする、ORFに隣接するヌクレオチド配列を含む。タグコード化ヌクレオチド配列は、核酸試薬のORFの3’および/または5’に位置付けられ、それによってタグを、ORFによりコードされたタンパク質またはペプチドのC末端またはN末端でコードする。in vitro転写および/または翻訳を抑止しない任意のタグが利用され、当業者によって適切に選択される。タグは、培養物または発酵培地からの所望のORF生成物の単離および/または精製を容易にすることができる。
【0161】
核酸または核酸試薬は、核酸の意図される用途によりしばしば選択される、ある特定のエレメント、例えば調節エレメントを含むことができる。下記のエレメントのいずれかを、核酸試薬に含めることができまたは核酸試薬から排除することができる。核酸試薬は例えば、下記のヌクレオチドエレメント:1つまたはそれ以上のプロモーターエレメント、1つまたはそれ以上の5’非翻訳領域(5’UTR)、標的ヌクレオチド配列が挿入される1つまたはそれ以上の領域(「挿入エレメント」)、1つまたはそれ以上の標的ヌクレオチド配列、1つまたはそれ以上の3’非翻訳領域(3’UTR)、および1つまたはそれ以上の選択エレメントの1つまたはそれ以上または全てを含むことができる。核酸試薬には、そのようなエレメントの1つまたはそれ以上を提供することができ、核酸が所望の生物に導入される前にその他のエレメントが核酸に挿入される。一部の実施形態では、提供された核酸試薬は、プロモーター、5’UTR、場合による3’UTR、および標的ヌクレオチド配列がヌクレオチド酸試薬に挿入される(即ち、クローニングされる)挿入エレメント(複数可)を含む。ある特定の実施形態では、提供される核酸試薬は、プロモーター、挿入エレメント(複数可)、および場合による3’UTRを含み、5’UTR/標的ヌクレオチド配列が、場合による3’UTRと共に挿入される。エレメントは、選択された発現系での発現(例えば、選択された生物での発現、または例えば無細胞系での発現)に適した任意の順序で配置構成することができ、一部の実施形態では、核酸試薬が、5’から3’方向に下記のエレメント:(1)プロモーターエレメント、5’UTR、および挿入エレメント(複数可);(2)プロモーターエレメント、5’UTR、および標的ヌクレオチド配列;(3)プロモーターエレメント、5’UTR、挿入エレメント(複数可)、および3’UTR;および(4)プロモーターエレメント、5’UTR、標的ヌクレオチド配列、および3’UTRを含む。
【0162】
核酸試薬、例えば発現カセットおよび/または発現ベクターは、プロモーター、エンハンサー、翻訳開始配列、転写終結配列、およびその他のエレメントを含む様々な調節エレメントを含むことができる。「プロモーター」は一般に、転写開始部位に関して比較的固定された場所にあるときに機能する、DNAの1つまたは複数の配列である。例えばプロモーターは、ヌクレオチド酸リン酸トランスポーター核酸セグメントの上流にすることができる。「プロモーター」は、RNAポリメラーゼおよび転写因子の基本的な相互作用に必要とされるコアエレメントを含有し、上流エレメントおよび応答エレメントを含有することができる。「エンハンサー」は一般に、転写開始部位から固定されていない距離で機能するDNAの配列を指し、転写単位から5’または3”のいずれかにすることができる。さらに、エンハンサーは、イントロン内ならびにコード配列そのものの内部にすることができる。それらは通常、長さが10から300の間であり、cisで機能する。エンハンサーは、プロモーター付近からの転写を増大させるように機能する。エンハンサーは、プロモーターのように、転写の調節を媒介する応答エレメントもしばしば含有する。エンハンサーはしばしば、発現の調節を決定する。
【0163】
上述のように、核酸試薬は、1つまたはそれ以上の5’UTRおよび1つまたはそれ以上の3’UTRを含んでいてもよい。例えば、真核宿主細胞(例えば、酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、または有核細胞)および原核宿主細胞(例えば、ウイルス、細菌)で使用される発現ベクターは、mRNA発現に影響を及ぼす可能性のある転写の終結をシグナル伝達する配列を、含有することができる。これらの試薬は、mRNAコード化組織因子タンパク質の非翻訳部分におけるポリアデニル化セグメントとして転写することができる。3”非翻訳領域は、転写終結部位も含む。一部の好ましい実施形態では、転写単位はポリアデニル化領域を含む。この領域の1つの利益は、転写された単位がmRNAのように処理され輸送される可能性が増大することである。発現構成体におけるポリアデニル化シグナルの同定および使用は、十分に確立されている。一部の好ましい実施形態では、同種ポリアデニル化シグナルを、導入遺伝子構成体で使用することができる。
【0164】
5’UTRは、そこから由来するヌクレオチド配列に対して内在する1つまたはそれ以上のエレメントを含むことができ、場合によっては1つまたはそれ以上の外在エレメントを含む。5’UTRは、任意の適切な核酸、例えばゲノムDNA、プラスミドDNA、RNA、またはmRNAに、例えば任意の適切な生物(例えば、ウイルス、細菌、酵母、真菌、植物、昆虫、または哺乳類)に由来することができる。当業者なら、選択された発現系(例えば、選択された生物での発現、または例えば無細胞系での発現)に基づいて、5’UTRに適切なエレメントを選択できる。5’UTRは時々、当業者に公知の下記のエレメント:エンハンサー配列(例えば、転写または翻訳)、転写開始部位、転写因子結合部位、翻訳調節部位、翻訳開始部位、翻訳因子結合部位、アクセサリータンパク質結合部位、フィードバック調節剤結合部位、Pribnowボックス、TATAボックス、-35エレメント、E-ボックス(ヘリックス-ループ-ヘリックス結合エレメント)、リボソーム結合部位、レプリコン、内部リボソーム進入部位(IRES)、サイレンサーエレメントなどの、1つまたはそれ以上を含む。一部の実施形態では、プロモーターエレメントは、適正な状態調節に必要な全ての5’UTRエレメントがプロモーターエレメント断片にまたはプロモーターエレメント断片の機能的部分配列内に含有されるように、単離される。
【0165】
核酸配列試薬中の5’UTRは、翻訳エンハンサーヌクレオチド配列を含むことができる。翻訳エンハンサーヌクレオチド配列はしばしば、プロモーターと核酸試薬中の標的ヌクレオチド配列との間に位置付けられる。翻訳エンハンサー配列は、しばしばリボソームと結合し、18S rRNA-結合リボヌクレオチド配列(即ち、40Sリボソーム結合配列)であることもあり、内部リボソーム進入配列(IRES)であることもある。IRESは一般に、いくつかの特異的分子間相互作用を介して40Sリボソームサブユニットと接触する、精密に配置されたRNA三次構造を持つRNA足場を形成する。リボソームエンハンサー配列の例は公知であり、当業者が特定することができる(例えば、Mignoneら、Nucleic Acids Research 33:D141-D146(2005);Paulousら、Nucleic Acids Research 31:722~733(2003);Akbergenovら、Nucleic Acids Research 32:239~247(2004);Mignoneら、Genome Biology 3(3):reviews0004.1-0001.10(2002);Gallie、Nucleic Acids Research 30:3401~3411(2002);Shaloikoら、DOI:10.1002/bit.20267;およびGallieら、Nucleic Acids Research 15:3257~3273(1987))。
【0166】
翻訳エンハンサー配列は、時々、Kozakコンセンサス配列またはその他の配列(例えば、ヒドロポリプ配列、GenBankアクセッション番号U07128)などの、真核配列である。翻訳エンハンサー配列は、時々、Shine-Dalganoコンセンサス配列などの原核配列である。ある特定の実施形態では、翻訳エンハンサー配列が、ウイルス性ヌクレオチド配列である。翻訳エンハンサー配列は時々、例えばタバコモザイクウイルス(Tobacco Mosaic Virus)(TMV)、アルファルファモザイクウイルス(Alfalfa Mosaic Virus)(AMV);タバコエッチウイルス(Tobacco Etch Virus)(ETV);ポテトウイルスY(Potato Virus Y)(PVY);カブモザイク(Turnip Mosaic)(poty)ウイルス、およびエンドウ種子由来モザイクウイルス(Pea Seed Borne Mosaic Virus)などの、植物ウイルスの5’UTRからのものである。ある特定の実施形態では、TMVからの長さ約67塩基のオメガ配列が、翻訳エンハンサー配列として核酸試薬に含まれる(例えば、グアノシンヌクレオチドに欠けており、25ヌクレオチド長のポリ(CAA)中央領域を含む)。
【0167】
3’UTRは、そこから生じるヌクレオチド配列に対して内在する1つまたはそれ以上のエレメントを含むことができ、場合によっては1つまたはそれ以上の外在性エレメントを含む。3’UTRは、ゲノムDNA、プラスミドDNA、RNA、またはmRNAなどの任意の適切な核酸に、例えば任意の適切な生物(例えば、ウイルス、細菌、酵母、真菌、植物、昆虫、または哺乳類)に由来する。当業者は、選択された発現系(例えば、選択された生物での発現)に基づいて、3’UTRに適切なエレメントを選択することができる。3’UTRは、場合によっては、当業者に公知の下記のエレメント:転写調節部位、転写開始部位、転写終結部位、転写因子結合部位、翻訳調節部位、翻訳終結部位、翻訳開始部位、翻訳因子結合部位、リボソーム結合部位、レプリコン、エンハンサーエレメント、サイレンサーエレメント、およびポリアデノシン尾部の1つまたはそれ以上を含む。3’UTRは、しばしばポリアデノシン尾部を含み、場合によっては含まず、ポリアデノシン尾部が存在する場合には、1つまたはそれ以上のアデノシン部分が付加されまたはそこから失われる(例えば、約5、約10、約15、約20、約25、約30、約35、約40、約45、または約50アデノシン部分が付加されまたは排除される)。
【0168】
一部の実施形態では、5’UTRおよび/または3’UTRの改変は、プロモーターの活性を変化させる(例えば、増加させ、付加し、減少させ、または実質的になくす)のに使用される。次にプロモーター活性の変化は、改変された5’または3’UTRを含む作動可能に連結されたプロモーターエレメントから目的のヌクレオチド配列(複数可)の転写を変化させることによって、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の活性(例えば、酵素活性)を変化させることができる。例えば微生物は、ある特定の実施形態において、新規な活性(例えば、宿主生物において通常は見られない活性)を付加することができるまたは目的のヌクレオチド配列(例えば、目的の同種または異種ヌクレオチド配列)に作動可能に連結された同種もしくは異種プロモーターからの転写を増大させることによって既存の活性の発現を増大させることができる、改変された5’または3’UTRを含む核酸試薬を発現させるための、遺伝子改変によって操作することができる。一部の実施形態では、微生物は、ある特定の実施形態において、目的のヌクレオチド配列に作動可能に連結された同種または異種プロモーターからの転写を減少させまたは実質的になくすことによって活性の発現を減少させることができる改変された5’または3’UTRを含む核酸試薬を発現させる、遺伝子改変によって操作することができる。
【0169】
発現カセットまたは発現ベクターからのヌクレオチド三リン酸トランスポーターの発現は、原核細胞または真核細胞で発現することが可能な任意のプロモーターによって制御することができる。プロモーターエレメントは、典型的には、DNA合成および/またはRNA合成に必要とされる。プロモーターエレメントはしばしば、遺伝子に対応したRNAの合成のための開始部位を提供することによって、特定の遺伝子の転写を容易にすることができるDNAの領域を含む。プロモーターは一般に、それが調節する遺伝子付近に位置付けられ、遺伝子(例えば、遺伝子の5’)の上流に位置付けられ、一部の実施形態では遺伝子のセンス鎖と同じDNA鎖上にある。一部の実施形態では、プロモーターエレメントは、遺伝子または生物から単離することができ、ポリヌクレオチド配列との機能的接続に挿入することができ、その結果、変化したかつ/または調節された発現が可能になる。核酸の発現に使用される非天然プロモーター(例えば、所与の核酸配列に通常は関連付けられていないプロモーター)は、しばしば、異種プロモーターと呼ばれる。ある特定の実施形態では、異種プロモーターおよび/または5’UTRを、本明細書に記述される所望の活性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドとの機能的接続に挿入することができる。プロモーターに関して本明細書で使用される「作動可能に連結された」および「~との機能的接続」という用語は、コード配列とプロモーターエレメントとの間の関係を指す。プロモーターは、転写を介したコード配列からの発現がプロモーターエレメントによって調節されまたは制御される場合、コード配列に作動可能に連結されまたは機能的に接続される。「作動可能に連結された」および「~との機能的接続」という用語は、プロモーターエレメントに関して本明細書では同義で利用される。
【0170】
プロモーターはしばしば、RNAポリメラーゼと相互に作用する。ポリメラーゼは、既存の核酸試薬を使用して核酸の合成を触媒する酵素である。鋳型がDNA鋳型である場合、RNA分子は、タンパク質が合成される前に転写される。本発明の方法で使用するのに適したポリメラーゼ活性を有する酵素は、タンパク質を合成するのに選択された鋳型を持つ選択された系において活性な、任意のポリメラーゼを含む。一部の実施形態では、本明細書ではプロモーターエレメントとも呼ばれるプロモーター(例えば、異種プロモーター)は、ヌクレオチド配列またはオープンリーディングフレーム(ORF)に作動可能に連結させることができる。プロモーターエレメントからの転写は、プロモーターに作動可能に連結されたヌクレオチド配列またはORF配列に対応するRNAの合成を触媒することができ、したがって所望のペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の合成をもたらす。
【0171】
プロモーターエレメントは、場合によっては、調節制御に対して応答性を示す。プロモーターエレメントは、場合によっては、選択剤によって調節することもできる。即ち、プロモーターエレメントからの転写は、場合によっては、環境、栄養、または内部状態、またはシグナルの変化に応答して、開始させ、停止させ、上方調節し、または下方調節することができる(例えば、熱誘導性プロモーター、光調節プロモーター、フィードバック調節プロモーター、ホルモンの影響を受けるプロモーター、組織特異的プロモーター、酸素およびpHの影響を受けるプロモーター、選択剤(例えば、カナマイシン)に応答性のあるプロモーターなど)。環境、栄養、または内部シグナルによって頻繁に影響を受けるプロモーターは、プロモーターでまたはプロモーター付近で結合しかつある特定の条件下で標的配列の発現を増加させまたは減少させるするシグナルによって(直接または間接的に)影響を受ける。
【0172】
本明細書に記述される実施形態で使用されるプロモーターエレメントからの転写に影響を及ぼす選択または調節剤の非限定的な例には、限定するものではないが(1)その他の点では毒性の化合物に対する耐性を提供する生成物(例えば、抗生剤)をコードする核酸セグメント;(2)その他の点では受容細胞が欠けている生成物(例えば、必須の生成物、tRNA遺伝子、栄養用急性マーカー)をコードする核酸セグメント;(3)遺伝子産物の活性を抑制する生成物をコードする核酸セグメント;(4)容易に特定することができる生成物(例えば表現型マーカー、例えば抗生剤(例えば、β-ラクタマーゼ)、β-ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、および細胞表面タンパク質)をコードする核酸セグメント;(5)その他の点では細胞生存および/または機能に有害な生成物を結合する核酸セグメント;(6)その他の点では上記No.1~5に記述される核酸セグメントのいずれかの活性を阻害する核酸セグメント(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド);(7)基質を改変する生成物を結合する核酸セグメント(例えば、制限エンドヌクレアーゼ);(8)所望の分子を単離しまたは同定するのに使用することができる核酸セグメント(例えば、特異的タンパク質結合部位);(9)その他の点では非機能的とすることができる特異的ヌクレオチド配列をコードする核酸セグメント(例えば、分子の下位集団のPCR増幅用);(10)非存在である場合に、特定の化合物に耐性または感受性を直接または間接的に与える核酸セグメント;(11)毒性であるまたは受容細胞内で比較的無毒性の化合物を毒性化合物に変換する生成物(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)を、コードする核酸セグメント;(12)それらを含有する核酸分子の複製、分配、または遺伝性を阻害する核酸セグメント;および/または(13)条件複製機能、例えばある特定の宿主もしくは宿主細胞株でのまたはある特定の環境条件下(例えば、温度および栄養状態など)での複製をコードする核酸セグメントが含まれる。一部の実施形態では、調節または選択剤は、生物が供される既存の成長条件(例えば、液体培養物中での成長、発酵槽内での成長、固体栄養プレート上での成長など)を変化させるために添加することができる。
【0173】
一部の実施形態では、プロモーターエレメントの調節は、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の活性(例えば、酵素活性など)を変化させる(例えば、増大させ、付加し、減少させ、または実質的になくす)のに使用することができる。例えば微生物は、ある特定の実施形態において、目的のヌクレオチド配列に作動可能に連結された同種または異種プロモーター(例えば、目的の同種または異種ヌクレオチド配列)からの転写を増大させることによって、新規な活性(例えば、宿主生物において通常は見られない活性)を付加することができるまたは既存の活性の発現を増大させることができる核酸試薬を発現させるため、遺伝子改変によって操作することができる。一部の実施形態では、微生物は、ある特定の実施形態において目的のヌクレオチド配列に作動可能に連結された同種または異種プロモーターからの転写を減少させまたは実質的になくすことによって、活性の発現を減少させることができる核酸試薬を発現させるため、遺伝子改変によって操作することができる。
【0174】
異種タンパク質をコードする核酸、例えばヌクレオチド三リン酸トランスポーターは、任意の適切な発現系に挿入しまたはそのような発現系と共に用いることができる。一部の実施形態では、核酸試薬は時々、宿主生物の染色体に安定して一体化され、またはある特定の実施形態において、核酸試薬は、宿主染色体の一部の欠失とすることができる(例えば、遺伝子改変された生物であり、宿主ゲノムの変化が、遺伝子改変を保持する所望の生物を選択的にまたは優先的に維持する能力を与える)。そのような核酸試薬(例えば、核酸または遺伝子改変された生物であってその変化したゲノムが選択可能な特性を生物に与えるもの)は、所望のタンパク質または核酸分子の生成を導くそれらの能力に合わせて選択することができる。望む場合には、核酸試薬は、コドンが(i)自然配列で指定されたものとは異なるtRNAを使用して、同じアミノ酸を、または(ii)非従来的なもしくは非天然アミノ酸(検出可能に標識されたアミノ酸を含む)を含む通常のものとは異なるアミノ酸をコードするように、変化させることができる。
【0175】
組換え発現は、プラスミドなど、ベクターの部分とすることができる発現カセットを使用して、役立つように実現される。ベクターは、ヌクレオチド三リン酸トランスポーターをコードする核酸に作動可能に連結されたプロモーターを含むことができる。ベクターは、本明細書に記述される転写および翻訳に必要とされるその他のエレメントを含むこともできる。発現カセット、発現ベクター、およびカセットまたはベクター内の配列は、非天然ヌクレオチドが接触する細胞とは異種であるとすることができる。例えば、ヌクレオチド三リン酸トランスポーター配列は、細胞に対して異種とすることができる。
【0176】
ヌクレオチド三リン酸トランスポーターを保持し、コード化し、かつ/または発現するのに適した様々な原核および真核発現ベクターを、生成することができる。そのような発現ベクターは、例えばpET、pET3d、pCR2.1、pBAD、pUC、および酵母ベクターを含む。ベクターは、例えば、様々なin vivoおよびin vitro状況で使用することができる。使用することができる原核プロモーターの非限定的な例には、SP6、T7、T5、tac、bla、trp、gal、lac、またはマルトースプロモーターが含まれる。使用することができる真核プロモーターの非限定的な例には、構成的プロモーター、例えばウイルス性プロモーター、例えばCMV、SV40、およびRSVプロモーター、ならびに調節可能なプロモーター、例えば誘発性または抑制的プロモーター、例えばtetプロモーター、hsp70プロモーター、およびCREによって調節される合成プロモーターが含まれる。細菌発現のためのベクターはpGEX-5X-3を含み、真核発現用にはpCIneo-CMVを含む。用いることができるウイルス性ベクターには、レンチウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニアウイルス、ポリオウイルス、AIDSウイルス、ニューロナルトロフィックウイルス、シンドビスおよびその他のウイルスに関するものが含まれる。ベクターとして使用するのに適したものにする、これらのウイルスの性質を共有する、任意のウイルスファミリーも有用である。用いることができるレトロウイルスベクターは、Verma、American Society for Microbiology、229~232頁、Washington(1985)に記述されるものを含む。例えば、そのようなレトロウイルスベクターは、所望の性質を発現する、マウスマロニー白血病ウイルス、MMLV、およびその他のレトロウイルスを含むことができる。典型的には、ウイルスベクターは、非構造的初期遺伝子、構造的後期遺伝子、RNAポリメラーゼIII転写物、複製およびカプシド形成に必要な逆位末端反復、ならびにウイルスゲノムの転写および複製を制御するプロモーターを含有する。ベクターとして操作された場合、ウイルスは典型的には、除去された初期遺伝子の1つまたはそれ以上を有し、遺伝子または遺伝子/プロモーターカセットは、除去されたウイルス性核酸の代わりにウイルスゲノムに挿入される。
【0177】
クローニング
当技術分野で公知の任意の都合の良いクローニング戦略は、ORFなどのエレメントを核酸試薬に組み込むのに利用される。公知の方法は、(1)鋳型を1つまたはそれ以上の既存の制限酵素部位で切断し、目的のエレメントをライゲーションし、(2)1つまたはそれ以上の適切な制限酵素部位を含むオリゴヌクレオチドプライマーをハイブリダイズすることによって制限酵素部位を鋳型に付加し、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅する(本明細書で、より詳細に記述される)など、挿入エレメントとは無関係に、エレメントを鋳型に挿入するのに利用することができる。その他のクローニング戦略は、例えばPCR用のオリゴヌクレオチドプライマーハイブリダイゼーション部位および本明細書に記述されるその他のものなど、核酸試薬に存在するまたは挿入される1つまたはそれ以上の挿入部位を利用する。一部の実施形態では、クローニング戦略を、組換えなどの遺伝子操作と組み合わせることができる(例えば、本明細書にさらに記述されるように、改変される生物のゲノムへの、目的の核酸配列による核酸試薬の組換え)。一部の実施形態では、クローン化ORF(複数可)は、目的の1つまたはそれ以上のORFで、ヌクレオチド三リン酸トランスポーター活性またはポリメラーゼ活性の変化した活性を含む微生物を操作することによって、改変されたまたは野生型ヌクレオチド三リン酸トランスポーターおよび/またはポリメラーゼを生成することができる(直接または間接的に)。
【0178】
核酸は、核酸と1種またはそれ以上の特異的切断剤とを接触させることによって、特異的に切断される。特定の切断剤はしばしば、特定の部位で特定のヌクレオチド配列により、特異的に切断することになる。酵素特異的切断剤の例には、限定するものではないがエンドヌクレアーゼ(例えば、DNase(例えば、DNase I、II);RNase(例えば、RNase E、F、H、P);Cleavase(商標)酵素;Taq DNAポリメラーゼ;大腸菌DNAポリメラーゼI、および真核構造特異的エンドヌクレアーゼ;マウスFEN-1エンドヌクレアーゼ;I、II、またはIII型制限エンドヌクレアーゼ、例えばAcc I、Afl III、Alu I、Alw44 I、Apa I、Asn I、Ava I、Ava II、BamH I、Ban II、Bcl I、Bgl I.Bgl II、Bln I、BsaI、Bsm I、BsmBI、BssH II、BstE II、Cfo I、CIa I、Dde I、Dpn I、Dra I、EcIX I、EcoR I、EcoR I、EcoR II、EcoR V、Hae II、Hae II、Hind II、Hind III、Hpa I、Hpa II、Kpn I、Ksp I、Mlu I、MIuN I、Msp I、Nci I、Nco I、Nde I、Nde II、Nhe I、Not I、Nru I、Nsi I、Pst I、Pvu I、Pvu II、Rsa I、Sac I、Sal I、Sau3A I、Sca I、ScrF I、Sfi I、Sma I、Spe I、Sph I、Ssp I、Stu I、Sty I、Swa I、Taq I、Xba I、Xho I);グリコシラーゼ(例えば、ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)、3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼ、3-メチルアデニンDNAグリコシラーゼII、ピリミジン水和物-DNAグリコシラーゼ、FaPy-DNAグリコシラーゼ、チミンミスマッチ-DNAグリコシラーゼ、ヒポキサンチン-DNAグリコシラーゼ、5-ヒドロキシメチルウラシルDNAグリコシラーゼ(HmUDG)、5-ヒドロキシメチルシトシンDNAグリコシラーゼ、または1,N6-エテノ-アデニンDNAグリコシラーゼ);エキソヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼIII);リボザイム、およびDNAザイムが含まれる。サンプル核酸は、化学剤で処理され、または改変ヌクレオチドを使用して合成され、改変核酸は切断される。非限定的な例では、サンプル核酸は、(i)アルキルプリンDNA-グリコシラーゼによって認識され切断される、N3-メチルアデニンおよびN3-メチルグアニンを含む、いくつかのアルキル化塩基を発生させるメチルニトロソ尿素などのアルキル化剤;(ii)ウラシルN-グリコシラーゼによって切断することができるウラシル残基を形成するために、DNAのシトシン残基の脱アミノ化を引き起こす、重硫酸ナトリウムで;および(iii)グアニンを、その酸化形態、8-ヒドロキシグアニンであって、ホルムアミドピリミジンDNA N-グリコシラーゼによって切断することができるものに変換する化学剤で、処理される。化学切断プロセスの例には、限定するものではないがアルキル化(例えば、ホスホロチオエート改変核酸のアルキル化);P3’-N5’-ホスホロアミデート含有核酸の酸不安定性の切断;ならびに核酸の四酸化オスミウムおよびピペリジン処理が含まれる。
【0179】
一部の実施形態では、核酸試薬は、1つまたはそれ以上のレコンビナーゼ挿入部位を含む。レコンビナーゼ挿入部位は、組換えタンパク質による一体化/組換え反応に関与する核酸分子上の認識配列である。例えば、Creレコンビナーゼに関する組換え部位はloxPであり、これは8塩基対コア配列を挟む2つの13塩基対逆位反復(レコンビナーゼ結合部位として働く)で構成される、34塩基対配列である(例えば、Sauer、Curr.Opin.Biotech.5:521~527(1994))。組換え部位のその他の例には、attB、attP、attL、およびattR配列、ならびにこれらの変異体、断片、バリアント、および誘導体が含まれ、組換えタンパク質λ Intによって、ならびに補助タンパク質組込み宿主因子(IHF)、FIS、およびエクシシオナーゼ(Xis)によって認識されるものである(例えば、米国特許第5,888,732号;第6,143,557号;第6,171,861号;第6,270,969号;第6,277,608号;および第6,720,140号;米国特許出願第09/517,466号、および第09/732,914号;米国特許公開第2002/0007051号;およびLandy、Curr.Opin.Biotech.3:699~707(1993))。
【0180】
レコンビナーゼクローニング核酸の例は、Gateway(登録商標)系(Invitrogen、California)にあり、in vivoでまたはin vitroで所望の核酸分子をクローニングするための少なくとも1つの組換え部位が含まれる。一部の実施形態では、系は、バクテリオファージラムダ系(例えば、att1およびatt2)をしばしばベースにする少なくとも2つの異なる部位特異的組換え部位を含有しかつ野生型(att0)部位から変異する、ベクターを利用する。各変異部位は、同じタイプ(例えばattP1ではattB1、attR1ではattL1)のその同族パートナーatt部位(即ち、その結合パートナ組換え部位)に関して固有の特異性を有し、他の変異型の組換え部位とまたは野生型att0部位と交差反応しなくなる。異なる部位特異性は、所望の分子の指向的クローニングまたは連結を可能にし、したがってクローン化分子の所望の配向が提供される。組換え部位によって挟まれた核酸断片は、デスティネーションベクターと呼ばれることもある、受容体プラスミド分子上のatt部位によって挟まれた選択可能なマーカー(例えば、ccdB)を置き換えることにより、Gateway(登録商標)系を使用して、クローニングされサブクローニングされる。次いで所望のクローンは、ccdB感受性宿主株の形質変換および受容体分子上でのマーカーの正の選択によって、選択される。負の選択に関する類似の戦略(例えば、毒性遺伝子の使用)は、哺乳類および昆虫におけるチミジンキナーゼ(TK)などのその他の生物で使用することができる。
【0181】
核酸試薬は時々、1つまたはそれ以上の複製起点(ORI)エレメントを含有する。一部の実施形態では、鋳型は2つまたはそれ以上のORIを含み、1つは、1つの生物(例えば、細菌)において効率的に機能し、別のものは別の生物(例えば、真核生物、例えば酵母など)で効率的に機能する。一部の実施形態では、ORIは、1つの種(例えば、S.セレビシエ(S.cerevisiae)など)で効率的に機能することができ、別のORIは、異なる種(例えば、S.ポムベ(S.pombe)など)で効率的に機能することができる。核酸試薬は時々、1つまたはそれ以上の転写調節部位も含む。
【0182】
核酸試薬、例えば発現カセットまたはベクターは、マーカー生成物をコードする核酸配列を含むことができる。マーカー生成物は、遺伝子が細胞に送達されか否かかつ送達されたら発現するか否かを決定するのに使用される。実施例のマーカー遺伝子は、β-ガラクトシダーゼおよび緑色蛍光タンパク質をコードする大腸菌lacZ遺伝子を含む。一部の実施形態では、マーカーは、選択可能なマーカーにすることができる。そのような選択可能なマーカーが首尾良く宿主細胞に移行すると、形質変換された宿主細胞は、選択的圧力下に置かれた場合に生存することができる。選択的レジームの、2つの広く使用される全く異なるカテゴリーがある。第1のカテゴリーは、細胞の代謝と、補われた培地とは無関係に成長する能力に欠けている変異細胞系の使用とに基づく。第2のカテゴリーは、任意の細胞型で使用される選択スキームを指しかつ変異細胞系の使用を必要としない、優性選択である。これらのスキームは、典型的には、宿主細胞の成長を停止させる薬物を使用する。新規な遺伝子を有することになるそれらの細胞は、薬物耐性を伝えるタンパク質を発現する可能性があり、選択を生き抜く可能性がある。そのような優性選択の例は、薬物ネオマイシン(Southern etal.、J.Molec.Appl.Genet. 1:327(1982))、ミコフェニコール酸(Mulliganら、Science 209:1422(1980))、またはヒグロマイシン(Sugdenら、Mol.Cell.Biol.5:410~413(1985))を使用する。
【0183】
核酸試薬は、1つまたはそれ以上の選択エレメントを含むことができる(例えば、核酸試薬の存在を選択するための、および選択的に調節することができるプロモーターエレメントの活性化のためではない、エレメント)。選択エレメントはしばしば、核酸試薬が細胞に含まれるか否かを決定するための公知のプロセスを使用するものが、利用される。一部の実施形態では、核酸試薬は、2つまたはそれ以上の選択エレメント、この場合1つが1種の生物において効率的に機能しかつ別のエレメントは別の生物において効率的に機能する選択エレメントを含む。選択エレメントの例には、限定するものではないが、(1)その他の点では毒性の化合物に対して耐性を提供する生成物(例えば、抗生剤)をコードする核酸セグメント;(2)その他の点では受容細胞が欠けている生成物(例えば、必須の生成物、tRNA遺伝子、栄養用急性マーカー)をコードする核酸セグメント;(3)遺伝子産物の活性を抑制する生成物をコードする核酸セグメント;(4)容易に特定することができる生成物(例えば表現型マーカー、例えば抗生剤(例えば、β-ラクタマーゼ)、β-ガラクトシダーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、黄色蛍光タンパク質(YFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、および細胞表面タンパク質)をコードする核酸セグメント;(5)その他の点では細胞生存および/または機能に有害な生成物を結合する核酸セグメント;(6)その他の点では上記No.1~5に記述される核酸セグメントのいずれかの活性を阻害する核酸セグメント(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド);(7)基質を改変する生成物を結合する核酸セグメント(例えば、制限エンドヌクレアーゼ);(8)所望の分子を単離しまたは同定するのに使用することができる核酸セグメント(例えば、特異的タンパク質結合部位);(9)その他の点では非機能的とすることができる特異的ヌクレオチド配列をコードする核酸セグメント(例えば、分子の下位集団のPCR増幅用);(10)非存在である場合に、特定の化合物に耐性または感受性を直接または間接的に与える核酸セグメント;(11)毒性であるまたは受容細胞内で比較的無毒性の化合物を毒性化合物に変換する生成物(例えば、単純ヘルペスチミジンキナーゼ、シトシンデアミナーゼ)を、コードする核酸セグメント;(12)それらを含有する核酸分子の複製、分配、または遺伝性を阻害する核酸セグメント;および/または(13)条件複製機能、例えばある特定の宿主もしくは宿主細胞株でのまたはある特定の環境条件下(例えば、温度および栄養状態など)での複製をコードする核酸セグメントが含まれる。
【0184】
核酸試薬は、in vivo転写および/または翻訳に有用な、任意の形態のものにすることができる。核酸は、超螺旋プラスミドなどのプラスミドである場合があり、酵母人工染色体(例えば、YAC)である場合があり、直鎖状核酸(例えば、PCRによってまたは制限消化によって生成された直鎖状核酸)である場合があり、一本鎖である場合があり、二本鎖である場合がある。核酸試薬は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プロセスまたは転写媒介型増幅プロセス(TMA)などの増幅プロセスによって製造される場合がある。TMAでは、発光によって検出される増幅生成物を生成するために、2種の酵素が等温反応で使用される(例えば、Biochemistry 1996 Jun 25;35(25):8429~38)。標準PCRプロセスは公知であり(例えば、米国特許第4,683,202号;第4,683,195号;第4,965,188号;および第5,656,493号)、一般に、複数サイクル内で行われる。各サイクルは、混成核酸が解離する熱変性;プライマーオリゴヌクレオチドがハイブリダイズする冷却;およびポリメラーゼ(即ち、Taqポリメラーゼ)によるオリゴヌクレオチドの伸長を含む。PCRサイクルプロセスの例は、サンプルを95℃で5分間処理し;95℃で1分間、59℃で1分、10秒、および72℃で1分30秒を45サイクル繰り返し;次いでサンプルを72℃で5分間処理することである。多数回のサイクルは、市販の熱サイクラーを使用して頻繁に行われる。PCR増幅生成物は、ある時間にわたり、より低い温度で(例えば、4℃で)貯蔵される場合もあり、場合によっては分析前に凍結(例えば、-20℃で)される。
【0185】
製造のキット/物品
本明細書には、ある特定の実施形態において、本明細書に記述される1つまたはそれ以上の方法と共に使用される、製造のキットおよび物品が開示される。そのようなキットは、バイアルおよびチューブなどの1つまたはそれ以上の容器を受容するように区画化されたキャリア、パッケージ、または容器を含み、これら容器(複数可)のそれぞれは、本明細書に記述される方法で使用される個別の要素の1つを含むものである。適切な容器には、例えば、瓶、バイアル、シリンジ、および試験管が含まれる。一実施形態では、容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。
【0186】
一部の実施形態では、キットは、キットの内容物を収容するのに適切な包装材料を含む。ある場合には、包装材料は、好ましくは滅菌された、汚染物質のない環境を提供するために、周知の方法によって構成される。本明細書で用いられる包装材料は、例えば、核酸配列決定システムと共に使用するために販売される商用キットで、慣習的に利用されるものを含むことができる。例示的な包装材料には、限定するものではないが、本明細書で述べる構成要素を固定限度内で保持することが可能なガラス、プラスチック、紙、および箔などが含まれる。
【0187】
包装材料は、構成要素に関する特定の用途を示す標識を含むことができる。標識によって示される、キットに関する使用は、キット内に存在する構成要素の特定の組合せに適宜合わせた、本明細書で述べる方法の1つまたはそれ以上とすることができる。例えば標識は、キットが、ポリヌクレオチドを合成する方法にまたは核酸の配列を決定する方法に有用であることを示すことができる。
【0188】
包装された試薬または構成要素を使用するための取扱い説明書も、キットに含めることができる。取扱い説明書は、典型的には、キットの構成要素および混合されるサンプルの相対量、試薬/サンプル混合物の維持期間、温度、および緩衝条件などの、反応パラメーターについて記述する具体的表現(tangible expression)を含むことになる。
【0189】
特定の反応に必要な全ての構成要素が、特定のキット内に存在する必要があるわけはないことが、理解されよう。むしろ1つまたはそれ以上の追加の構成要素を、その他の供給源から提供することができる。キットと共に提供される取扱い説明書は、提供されることになる追加の構成要素(複数可)およびそれらを得ることができる場所を、特定することができる。
【0190】
一部の実施形態では、例えば、遺伝子操作された細胞を製造するための本発明により提供される方法を使用して、非天然核酸を細胞核酸に安定して組み込むのに有用なキットが提供される。一部の実施形態では、本明細書に記述されるキットは、遺伝子操作された細胞と、1つまたはそれ以上の非天然核酸とを含む。別の実施形態では、本明細書に記述されるキットは、配列番号1~32から選択される配列を含む、単離され精製されたプラスミドを含む。
【0191】
追加の実施形態では、本明細書に記述されるキットは、細胞と、細胞内に導入しそれによって遺伝子操作された細胞を提供するための異種遺伝子を含有する核酸分子、例えばこのパラグラフで上に記述される実施形態のいずれかの核酸を含む発現ベクターとを提供する。
【0192】
ある特定の用語
他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的および化学的用語は、特許請求の範囲に記載される対象が属する分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。前述の概略的記述および以下の詳細な記述は例示的で説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載される任意の対象を制限するものではないことが理解されよう。本出願では、単数形の使用は、他に特に指示しない限り複数形を含む。本明細書および添付される特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が他に明示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。本出願において、「または」の使用は、他に指示しない限り、「および/または」を意味する。さらに、「含んでいる(including)」ならびにその他の形、例えば「含む(include)」、「含む(includes)」、および「含んだ(included)」という用語の使用は、限定ではない。
【0193】
本明細書で使用される範囲および量は、「約」特定の値または範囲と表すことができる。約は、正確な量も含む。したがって「約5μL」は、「約5μL」および「5μL」も意味する。一般に、「約」という用語は、実験誤差内であると予測できる量を含む。
【0194】
本明細書で使用されるセクションの表題は、単なる組織上の目的であり、記述される対象を限定すると解釈するものではない。
【0195】
実施例
これらの実施例は、単なる例示を目的に提供され、本明細書で提供される特許請求の範囲を限定するものではない。
【実施例1】
【0196】
細胞が大腸菌内でUBPをどのように保持するかまたは失うかの決定
定常状態の条件下、dNAM-dTPT3 UBPを含有するDNAを、完全天然対応物の場合に近付く効率で、in vitroで複製する。しかし、これらの速度は、生成物解離によって制限される可能性が高い。in vivo複製は、より加工性があり、それに相応して、生成物の解離によってそれほど制限されないようである。したがって、SSO内にUBPを含有するDNAの複製は、完全天然DNAの場合よりも効率的ではないようであり、したがって複製フォークを止める(stall)可能性がある。さらに構造研究は、UBPが、三リン酸挿入中にWatson-Crick様構造を採用することを示したが、いったん挿入されるとUBPは、局所螺旋歪みを誘発させる交差鎖インターカレート構造を採用する。8,9細胞は、止めた複製フォークと螺旋歪みとの両方を、DNA損傷のサインと解釈し、障害を起こすヌクレオチドであって本発明者らがUBP損失に関与する可能性があると疑うものを、修復しまたはそれに耐えるようなプログラムを開始する。
【0197】
細胞がUBPをどのように保持するかまたは失うかを決定するために、これらの経路が機能不全になる影響について研究した。結果は、ヌクレオチド除去修復(NER)もSOS応答も、UBP保持率または損失に著しく関与しないことを示す。逆に、正常なレプリソームポリメラーゼ、DNAポリメラーゼIII(PolIII)、PolII、およびメチル指向型ミスマッチ修復(MMR)は全て、UBP保持率に関与し;一方、止めた複製フォークの組換え修復(RER)は、UBP損失に対して主要な経路を提供する。次に、SOOのレプリソームは、より良好にUBPをプラスミド上に保持するだけではなく、UBPをその染色体内に安定して留める能力も与えるように、再プログラムされた。
【0198】
ヌクレオチド除去修復はYBP保持または損失に関与しない
一般に大腸菌は、直接損傷反転、塩基除去重複、NER、MMR、RER、およびSOS応答を介して、DNA損傷に応答する。これらの経路は、UBPによって模倣されないようなDNA損傷の特定の形態を認識する酵素に依拠するので、直接損傷反転も塩基除去修復も、UBP保持率または損失に関与しないようである。対照的に、NER、MMR、RER、およびSOS応答は、少ない構造特異的シグナルによって誘発される。細胞がUBPをそれらのDNA内で保持するのをどのように管理するかの調査を開始するために、UBPによって模倣されるバルク状病変から得られる歪みに関してDNAを走査するタンパク質の複合体による複製独立型手法で媒介される、NERについて研究した。UBP保持率または損失にするNERの関与を、親SSOからの、NERの必須成分をコードするuvrCを欠失させることによって、調査した(大腸菌BL21(DE3)+pACS2(図4))。プラスミドpINF1およびpINF2における2つの異なる配列構成で位置決めされたdNaM-dTPT3 UBPを含有するDNAの複製は、uvrCの欠失によって影響を受けず、これはNERがUBP保持率または損失に関与しないことを示した(図1B)。
【0199】
メチル指向型ミスマッチ修復はUBP保持率を増大させる
次にMMRを調査したが、これは複製中のDNAポリメラーゼから出現するときに新しく合成されたDNAの決定的な第1のチェックが行われ、かつミスマッチ天然ヌクレオチドにより引き起こされた螺旋歪みを認識するタンパク質の複合体によって媒介される。ミスマッチの検出により、MMR複合体は、新しく合成された非メチル化鎖に切れ目を入れ、それがギャップの形成をもたらしかつその後のDNA再合成をもたらす。NERとは対照的に、mutHの欠失を介した MMRの不活性化は、pINF1およびpINF2の両方によるUBP保持率の低減をもたらした(図1B)。これらの結果は、UBPに関連した螺旋歪みが、MMRを活性化するのに十分深刻なものではないこと、または非天然ヌクレオチドを切除できないこと、しかし、非天然および天然ヌクレオチドの対合によって引き起こされた歪みはMMRによって認識され加工されることを示す。このようにMMRは、天然状態としてUBPを効果的に認識しかつミス対合天然ヌクレオチドを選択的に除去するようであり、それによって、遺伝子アルファベットの安定な拡張が支持される。
【0200】
組換え修復はUBP損失に対する主要な経路を提供する
RERはRecAによって媒介され、止めた複製フォークよりも先に一本鎖DNA上にフィラメントを形成し、それが組換え中間体の形成を容易にし、継続するDNA複製のための同種鋳型に切り換わる。SOS応答は、同じRecAフィラメントがSOSレプレッサーLexAの切断を促進させるときに誘発され、それがフォークを止めた損傷DNAの耐容および/または修復に関わる様々な遺伝子の抑制解除をもたらす。本発明者らは、recAの欠失を通してRERおよびSOS応答を組み合わせた関与を調査し、pINF1によるUBP保持率の著しい増加を観察した(図1B)。RecAの関与をさらに調査するために、pINF3、pINF4、およびpINF5によって提供されたより困難な配列でのUBPの保持率を、ΔrecA SSOで測定した(図1C)。これらの配列構成において、recAの非存在は、UBP保持率のより劇的な増大をもたらした。
【0201】
recAの欠失が、RERを除去することによってまたはSOS応答の誘発を防止することによって、UBP保持率を容易にするか否かを見定めるため、SOS応答を誘発させることができないがRERに適したSSO(SSO lexA(S119A))を検査した(図1C)。SOS応答の選択的抑制は、pINF3によるUBP保持率の適度な増大をもたらしたが、この増大は、ΔrecA SSOで観察された場合よりも低かった。pINF4およびpINF5では、選択的SOS抑制は、UBP保持率の中程度の増大しかもたらさず、これはrecA SSOで観察された場合よりもかなり低いものであった。これらの結果は、RecAによって媒介されたUBP損失の大部分が、RERを介してかつSOS応答の誘発を介さずに、生じることを実証する。
【0202】
PolIIはUBPを含有するDNAの複製に関与する
データは、UBP損失の多くがRERを介して媒介されることを示唆するが、lexA(S119A)SSOによるUBP保持率の僅かな配列特異的増加は、1つまたはそれ以上のSOS調節タンパク質も寄与する可能性があることを示唆する。3種のSOS調節DNAポリメラーゼ、PolII、PolIV、およびPolVの関与を調査した。確かに、PolIVおよびPolVは、「非命令的」損傷ヌクレオチドでのDNA合成を媒介するそれらの能力が周知である、「損傷乗り越え」ポリメラーゼである。しかし、dinBおよびumuCD(それぞれ、PolIV、およびPolVの前駆体をコードする)の欠失は、pINF1またはpINF2のいずれかでUBP保持率に影響を及ぼさなかった(図1D)。ΔdinBΔumuDC SSOとは対照的に、polB(PolIIをコードする)の欠失は、pINF1およびpINF2の両方でUBP損失の劇的な増大をもたらした(図1D)。全体としてこれらのデータは、RERが、UBP損失への主な経路を構成すること、およびPolIIが、UBP保持率への重要な経路を提供することを実証する。PolIIの生成は、SOSの誘発によって増加するが、データは、その有益な役割が、付随して誘発されたRERの有害な影響によって失われることを示唆する。
【0203】
DNAポリメラーゼIIIもUBPを含有するDNAの複製に関与する
低減されたが依然として検出可能な、ΔpolB SSOでのUBPの保持率は、PolIVおよびPolVをコードする遺伝子が欠失するごく僅かな影響と共に、残りのDNAポリメラーゼ、PolIおよびPolIIIの1つまたは両方もUBPの保持率に関与しなければならいことを強力に示唆する。PolIまたはPolIIIがUBPを含有するDNAの複製に関与するか否かを特に検査する場合、それらの3’-5’エキソヌクレアーゼ(「プルーフリーディング」)活性が変異を介して(それぞれ、PolIexo-、polA(D424A、K890R)、およびPolIIIexo-、dnaQ(D12N))排除されたまたは損なわれた株を構成し特徴付けた(図4および図6)。PolIエキソヌクレアーゼ活性の欠失はUBP保持率に対して効果を発揮しなかったが、PolIIIエキソヌクレアーゼ欠失変異体は、UBP保持率の劇的な低減を示した。このデータは、野生型細胞において、PolIではなくPolIIIが、UBPを含有するDNAの複製に関与することを明らかに示す。
【0204】
PolIまたはPolIII変異体の任意の効果がPolIIおよび/またはRERの活性によってマスクされたか否かを決定するために、UBP保持率を、ΔpolB、またはΔpolBΔrecA SSOで検査した。結果は、UBPがΔpolBΔrecA SSOで十分保持されたことを示し、Pol II以外のポリメラーゼが、RER媒介型損失との競合なしで高レベルのUBP保持を媒介できることを実証する(図1D)。PolIIIエキソヌクレアーゼ変異体は、ΔpolBおよびΔpolBΔrecA SSOの両方で減少したUBP保持率を再び示した。しかし、野生型細胞とは対照的に、PolIエキソヌクレアーゼ活性の欠失は、ΔpolBおよびΔpolBΔrecA SSOで著しいかつ反対の効果を発揮し、その保持率はそれぞれ増加し減少した。これらのデータは、PolIIに加え、PolIIIがUBPの保持率に関与することを実証し、RERが存在しない場合にはPolIも同様である。
【0205】
UBPを含有するDNAの複製のためのモデル
特定の理論に拘泥するものではないが、本明細書に記述される結果は、大腸菌SSOでdNaM-dTPT3 UBPを含有するDNAを複製するための下記のモデルを示唆する(図2)。PolIIIを持つレプリソームが、前進的リーディングまたはラギング鎖複製中に非天然ヌクレオチドに遭遇する場合、PolIIIは、天然または非天然ヌクレオチドのいずれかを組み込む。天然ヌクレオチドが組み込まれる場合、プルーフリーディングの速度は、継続される伸長に競合し、おそらくはこの伸長よりも効率的であり、したがって天然ヌクレオチドは一般に、PolIIIのプルーフリーディング活性を介して除去される。しかし、正しいUBPが合成された場合、より効率的な伸長が除去を防止し、レプリソームがDNAを合成し続ける。ポリメラーゼから出て行くにつれ、新生二本鎖はMMR複合体によってスキャンされ、プルーフリーディングを逃れた任意のミス対合天然ヌクレオチドを優先的になくすことによってUBP保持率をさらに増大させる。
【0206】
さらに正しいUBPの伸長は、天然合成よりもそれほど効率的ではないようなので、PolIIIは解離する可能性もある。止めたフォークは、鋳型内で非天然ヌクレオチドの直前で終端する伸長鎖の場合のように、現時点ではRERの基質であり、同種天然配列を使用して合成を再開し、したがってUBP損失に関する支配的メカニズムを提供する。しかし、RecA媒介型RERとの競合で、PolIIは、止めたフォークを救済することができ、高いUBP保持率で合成を再開し、その後、おそらくはPolIIIをもたらして正常な複製フォークの再確立をもたらす。PolIの関与は、より複雑である。野生型細胞において、PolIは、UBPを含有するDNAの複製に関与するように見えない。対照的に、PolIIおよびRecAが非存在であると、PolIは関与せず、それに応じてPolIエキソヌクレアーゼ活性の欠失が、減少したUBP保持率をもたらす。しかし、エキソヌクレアーゼ活性がなくなると、PolIは、PolIIがなくなった場合に関与することができ、この場合はRERとの競合によって保持率が増大する。
【0207】
PolIIには、2つの推定される役割があることが認められ、その役割とは:(1)効率的に伸長できないミス対合をPolIIIが合成した後に、止めたフォークをPolIIが救済する場合には、複製の再開;および(2)PolIIがRERと競合して、鎖間架橋DNAに対する細胞応答の一部としてNERによって創出されたギャップを満たすことである。興味深いことに、RERと競合するUBPで止めた複製フォークを救済する際のPolIIの喚起された役割は、推定される自然の役割の両方の態様に驚くほど似ている。しかし、UBPを含有するDNAの複製に対するこの効果は、その排除によりこれまで観察された中で最も有意な表現型である。
【0208】
SSOの最適化
UBP保持率は、RecAおよびPolIIの操作を通して最適化することができる。この可能性を調査するために、recAを失わせて、かつSOS抑制解除レベルで構成的に発現したPolIIありでまたはなしで、SSOを最適化した(それぞれ、ΔrecAおよびPolIIΔrecA)(図6)。これらの株(YZ3)は、染色体座から最適化されたPtNTT2トランスポーターも発現した(ΔlacZYA::PlacUV5-PtNTT2(66-575))(図4)。比較のため、同じ染色体組込みトランスポーターを持つ野生型株(WT-Opt)を使用した。SSOを、pINF1、pINF5、またはpINF6で形質転換し(図3A)、pINF6で、その保持率が特に難しい配列にUBPを埋め込み、プラスミドを個々のコロニーから回収してUBP保持率を特徴付けた。この場合、固体成長培地の選択を導入して、先の実験で決定された平均UBP保持率とは対照的に個々のクローンにおけるUBP保持率の分析を可能にした。UBP保持率の分布を、全てのSSOにおける各プラスミドで観察したが、分布は、WT-Opt SSOに比べて、ΔrecA-Optで、特にPolIIΔrecA SSOで、より高い保持率へとシフトした。さらに、PolIIΔrecA SSOのみが、検査した各配列構成における検出できないUBP損失で、クローンを生成した。特に、このことはpINF6も言えることであり、そのために野生型SSOでの保持率は検出できず、Cas9選択で強化された場合に中程度(<60%)でしかなかった。
【0209】
遺伝的に最適化されたΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA SSOが、染色体へのUBPの組込みを容易にできるか否かを、評価した。arsB座に対して配列GTAXTGA(X=NaM)を標的とする組込みカセットを構成し、ラムダレッド組換えを使用して、カセットをWT-Optの染色体、ΔrecA-Opt、およびPolIIΔrecA SSOに組み込んだ。UBP保持率に関する組込み体のスクリーニングは、ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA SSOから、100%の保持率を有するクローンを特定したが、著しい努力にも関わらず、本発明者らは91%よりも高いUBP保持率を持つWT-Optクローンを単離することができず(図7)、これは著しいUBP損失が、必要とされる成長工程中に生じたことを示唆している。染色体組込みUBPの効果を特徴付けるため、中期対数期細胞の一定分量を、dNaMTPおよびdTPT3TPを含むまたは含まない成長培地に接種した(図3B図8)。ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA組込み体は、非天然三リン酸が提供されなかった場合に成長が不十分であり、これは鋳型内の非天然ヌクレオチドを効率的にバイパスするのにRERが必要とされるモデルと矛盾がなかった。しかし、この成長欠陥は、dNaMTPおよびdTPT3TPが提供された場合に、両方のSSOにおいてほぼ完全に排除された。したがって、recAの欠失およびPolIIの過発現は、適応度に対して最小限の結果しか持たない染色体において、UBPの高レベルの保持率を容易にする。
【0210】
最後に、遺伝的に最適化された株が、染色体組込みUBPの長期安定性を容易にするか否かを、評価した。先の研究は、保持率に関するCas9媒介選択がないと、長期成長中にプラスミド由来UBPが失われることを実証した。WT-Opt、ΔrecA-Opt、およびPolIIΔrecA組込み体を、成長の多くの世代にわたって連続継代し、UBP保持率を特徴付けた(図3C)。WT-Optでは、UBPは、約40世代までゆっくりと失われ、次いでより素早く失われて完全な損失が第90世代まで観察された。損失の明らかに二相性の動態は、少なくとも1つの追加のプロセスが、さらにRERに関与することを示唆する。確かに配列決定は、UBP保持率の急落の時点でPtNTT2遺伝子を排除した大規模染色体再編を明らかにした(図10)。WT-Opt、ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA SSOの両方とは対照的に、PtNTT2は無傷のままであり、ゲノムUBPの保持率は、特にPolIIΔrecA SSOのときに高いままであり、137世代後に55%超のままであった。
【0211】
これらの結果は、recA欠失が複製中にUBP保持率を容易にするだけではなく、長期成長中にトランスポーターの安定性を著しく増大することを実証する。観察された保持率は、99.6%を超える倍加当たりの忠実度に該当し、これは倍加当たりの細胞のごく僅かな割合(<0.4%)の、染色体UBPの損失に該当する。したがって、現行の研究では用いなかったCas9-エラー排除システムと共に、このエラー予防システムは、広範な配列構成においてUBPの保持率を可能にすべきであり、したがってUBPにより可能になった新しい情報の全体の保存を可能にすべきである。
【0212】
地球上の全ての生命の最終共通祖先以来、生物学的情報は、4つのアルファベット文字で保存されてきた。PolIIΔrecA SSOの再プログラムされたレプリソームは、このアルファベットの無制限な拡張に向かって著しい進歩を表し、第1の進歩は細胞自体の最適化を通して媒介された。研究の第1の目標は、UBPをどのように複製するかを理解すること、およびSSOを最適化するためにその情報を使用することであったが、結果は、困難な複製をどのように正常に管理するかという研究への新規な経路も提供する。例えば、データは、UBPを含有するDNAのかなりの割合がPolIIIによって複製されることを示唆するが、かなりの量がそうではないことも明らかに示し、これらの場合には、データは、PolII媒介型複製の再開とRecA媒介型RERとの間の興味深い競合を明らかにする。そのような競合は、困難な複製中で一般的とされ、PolIIの通常の役割を特定する際の難題に関与した可能性がある。さらに、MMRがUBPを認識することが不可能であることは、螺旋歪みのみが不十分であり、プロセスが、非天然ヌクレオチドで利用可能ではない核酸塩基との特定の相互作用を必要とすることを示唆する。最後に、recAの欠失によって得られた、増大した遺伝的安定性は、アンバー抑圧を介した遺伝子コードの拡張で方向付けられた方法に関して有意な意味を有することもできるが、それはこれらの方法が、伸長した成長に対して遺伝的不安定性も被るからである。23これらの興味深い課題とは無関係に、再プログラムされたSSOは、ここで、その染色体内に含まれる増大した生物学的情報のより安定な保持率を可能にし、この情報を、非カノニカルアミノ酸を持つタンパク質の形態で検索できるという先の実証により、合成生物学の中心的な目標-新しい形態および機能を持つ生命の創出を、達成するプラットフォームを提供すべきである。
【実施例2】
【0213】
方法および材料
pINF/UBP含有DNA構成
pINF(図S8)を、下記の改変を有する、既に報告されている、pUCX2とdNaM-dTPT3対を含有するインサートdsDNAとの、Golden Gateアセンブリにより構成した。UBP含有dsDNAは、化学的に合成したUBP含有オリゴヌクレオチド(0.025ng/μL)、BsaI部位およびベクターホモロジーを導入するプライマー(1μM、表S1)、dTPT3TP(100μM)、dNaMTP(100μM)、dNTP(200μM)、MgSO(1.2mM)、OneTaq DNAポリメラーゼ(0.025U/μL)、およびOneTaq標準反応緩衝液(1×、New England Biolabs)を含む、50μLのPCRで生成した。反応は、下記の温度レジームを経て、MJ Research PTC-200システム上で繰り返した(時間の単位mm:ss):[94℃00:30|25×(94℃00:30|47℃00:30|68℃04:00)]。得られたUBP含有dsDNAを、製造業者の推奨に従い、DNA Clean & Concentrator-5(Zymo Research)を使用して精製した。pINFアセンブリの場合、pUCX2(1μg)およびインサートDNAを1:4のモル比で、ATP(1mM)、T4 DNAリガーゼ(6.65U/μL、New England Biolabs)、BsaI-HF(0.66U/μL、New England Biolabs)、およびCutSmart Buffer(1×、New England Biolabs)を含む80μLの反応物中で合わせ、下記の温度レジーム:[37℃20分|40×(37℃5分|16℃10分|22℃5分)|37℃20分|50℃15分|70℃30分]に供した。次いでBsaI-HF(0.33U/μL)およびT5エキソヌクレアーゼ(0.16U/μL、New England Biolabs)を添加し、反応物を37℃で1時間インキュベートして、インサートなしであらゆるpUCX2を除去した。この反応物を、3体積の1:1DNA洗浄物:DNA結合緩衝液と混合し、その後にシリカカラムに結合したこと以外、反応物を製造業者の推奨に従ってDNA Clean & Concentrator-5を使用して精製した。
【0214】
arsB座用のUBPノックインカセット(図S4)を、UBPを含有する150bp dsDNAとpKD13のカナマイシン耐性遺伝子とのPCRオーバーラップにより生成した。150bp DNAは、上記と同じ反応溶液条件と、下記の温度レジーム(時間の単位mm:ss)[98℃02:00|5×(98℃00:10|50℃00:10|68℃04:00)|15×(98℃00:10|58℃00:10|68℃04:00)]とを使用して50μLのPCRで生成した。カナマイシン耐性遺伝子アンプリコンを、製造業者の推奨に従いQ5DNAポリメラーゼを使用してPCR増幅オフpKD13により生成した。長いDNA(約200bpまたはそれ以上)の増幅は、dTPT3TPの存在によって阻害される。したがって、UBP含有アンプリコンおよびカナマイシン耐性遺伝子アンプリコンのオーバーラップアセンブリPCRを、下記の溶液条件:UBP含有アンプリコン(0.02ng/μL)、カナマイシン耐性遺伝子アンプリコン(0.02ng/μL)、プライマー(1μM、表S1)、dTPT3TP(5μM)、dNaMTP(100μM)、dNTP(200μM)、MgSO(1.2mM)、OneTaq DNAポリメラーゼ(0.025U/μL)、およびOneTaq標準反応緩衝液(1×)で、大規模に行った(反応混合物2mLを、40の個々の50μL反応物に分割する)。反応物を、下記の温度レジーム(時間の単位mm:ss):[98℃02:00|5×(98℃00:10|50℃00:10|68℃04:00)|15×(98℃00:10|58℃00:10|68℃04:00)]に供した。これらの反応物を溜め、製造業者の推奨に従いDNA Clean & Concentrator-5を使用して濃縮した。
【0215】
遺伝子ノックアウトにおけるin vivo UBP複製
全ての遺伝子ノックアウト(図1および図S2)を、下記のプロトコールに従いpINF由来UBPを複製するそれらの能力に関してアッセイした。エレクトロコンピテント細胞を、細胞をペレット化しかつ4℃の滅菌脱イオン水(diHO)50mLで2回洗浄することによって、中期対数期細胞(OD6000.35~0.7)の45mLの培養物から製造した。洗浄した細胞を、4℃の滅菌脱イオン水に、40~60の最終OD600で再懸濁した。細胞50μLを、Golden GateでアセンブルされたpINF2ngと混合し、エレクトロポレーションキュベット(2mmのギャップ、Cat.#FB102、Fisher Scientific)に移した。エレクトロポレーションは、製造業者の推奨に従い(電圧25kV、キャパシタ2.5μF、抵抗器200Ω)、Gene Pulser II(BioRad)を使用して行った。形質転換された細胞を、クロラムフェニコール(33μg/mL)およびリン酸カリウム(50mM、pH7)を含有する2×YT950μL中で希釈した。希釈した細胞40μLを、クロラムフェニコール(33μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する最終体積200μLの2×YT中でさらに希釈し、1.5mLの試験管に移し、37℃および230RPMで1時間回収した。回収した細胞10μLを、96ウェルプレートのウェル内で(#655161、Greiner Bio-One参照)、クロラムフェニコール(33μg/mL)およびアンピシリン(100μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびリン酸カリウム(50mM、pH7)を含有する最終体積100μLの2×YT中で希釈した。さらに、回収した細胞を、アンピシリン(100μg/mL)およびリン酸カリウム(50mM、pH7)を含有する2×YT寒天(2%)に播いて、形質転換効率を評価した。96ウェルおよび形質転換効率プレートを、それぞれ4℃および37℃で一晩(約12時間)保持した。形質転換効率プレートを検査して、96ウェルプレート内の全てのサンプルが、冷蔵前に少なくとも50のコロニー形成単位を受容したことを確実にした。次いで96ウェルプレートを、37℃および230RPMに移した。細胞をペレット化し、デカンテーションし、0.6~0.92OD600に達した後に凍結した。in vivoで複製されたpINFを、製造業者の推奨に従いZRプラスミドMiniprep-クラシックキット(Zymo Reserach)および5μgシリカカラム(Cat.#D4003、Zymo Research)を使用して単離し、ビオチン-シフトPCR分析に進めた(補足情報参照)。この手順は、エレクトロコンピテント細胞の製造から開始して、各ノックアウト株ごとに、少なくとも三重に行った。
【0216】
これらの条件下、複製物および株は、pINF複製実験中に、同一ではなく類似の数の細胞倍加を受けることに、留意すべきである。しかし、複製のpINF非調節起点に起因して、細胞のマッチングは複製物間で倍加し、株は、pINF複製事象の数のマッチングに対応する。したがって、図1および3Aのデータは、推定された忠実度とは対照的に保持率%値として報告され(さらなる考察に関する補足情報参照)、そのように解釈されるべきである。
【0217】
クローンpINFの試験
最適化された株がpINFをクローニングする能力を、下記の修正を加えて上述のように評価した(図3A)。回収後、回収された培養物の希釈物を、寒天(2%)、カルベニシリン(100μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT上に播いた。プレートを、37℃で約12時間インキュベートした。個々のコロニーを採取し、96ウェルプレートのウェル内で、カルベニシリン(100μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT100μLに移した。96ウェルプレートを、4℃で約12時間保持し、次いで37℃および230RPMに移した。細胞をペレット化し、デカンテーションし、0.6~0.9のOD600に達した後に凍結した。in vivoで複製されたpINFを、製造業者の推奨に従い、ZRプラスミドMiniprep-クラッシックキットを使用して単離し、ビオチン-シフトPCR分析に進めた(補足情報参照)。
【0218】
これらの実験で使用されたPolIIΔrecA株は(図3A)、前者のrecA座で、neoカセットを有したことに留意すべきである(P_polB(-)lexA-polB+FRT+ΔrecA+KanR+lacZYA::P_lacUV5-ΔΔ(CoOp)col 2.1、表S1)。
【0219】
arsBでのUBP組込み
arsB座に関するUBP組込みカセットを、上述のようにかつ図S4に示されるように構成した。このカセットの組込みは、下記の修正を加えた標準ラムダレッド組換え24を使用して行った。pKD46を保有する株の一晩培養物(WT-Opt、ΔrecA-Opt、およびPolIIΔrecA-Optを、クロラムフェニコール(5μg/mL)およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YTに加えたもの)を希釈して、アムピシリン(100μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT中、0.03OD600にした。培養物を、約0.1OD600に成長させ、次いで0.4%のL-(+)-アラビノースを誘発させ、約0.4OD600まで成長を継続させた。エレクトロコンピテント細胞を、上述のようにこれらの培養物から製造した。エレクトロコンピテント細胞50μLを、上述の組込みカセット960ngと混合し(192ng/μLで5μL)、上述のように電気穿孔した。形質転換した細胞を、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT1mLの最終体積に希釈し、1.5mLの試験管に移し、37℃および230RPMで2時間にわたり回収させた。細胞をペレット化し、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、KPi(50mM、pH7)を含有する2×YT115μLに再懸濁した。この細胞懸濁液の15μLのサンプルを、寒天(2%)、カナマイシン(50μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT上に播いた。プレートを、37℃で14から24時間インキュベートした。コロニーを採取し、48ウェルプレート(#677180、Greiner Bio-One参照)内で、カナマイシン(50μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、KPi(50mM、pH7)を含有する2×YT500μLに移した。プレートを、4℃で約12時間冷蔵した後に37℃および230RPMでインキュベートし、または直接インキュベートした。0.6~1OD600に達した後、培養物を下記の通りサンプル採取した:100μLを、100μLのグリセリン(50%)と合わせ、-80℃で凍結した;350μLをペレット化し、後のゲノムDNAの単離のために凍結した;50μLをペレット化し、200μLの脱イオン水で1回洗浄し、ペレット化し、200μLに再懸濁した。
【0220】
細胞懸濁液を、コロニービオチン-シフトPCRによって分析した(補足情報参照)。ゲノムDNAを、製造業者の推奨に従い、PureLinkゲノムDNAミニキット(Thermo Fisher Scientific)により、高いコロニービオチン-シフトPCRパーセントシフト値(≧80%)を示すサンプル用に保存した凍結細胞ペレットから単離した。ゲノムDNAを、ビオチン-シフトPCRによって分析した(補足情報参照)。この分析は、全ての遺伝子バックグラウンドに関して、高い保持率クローン(保持率≧90%)を明らかにした。これらの結果は、UBPの首尾良くなされた染色体組込みと、染色体DNAでのUBPの著しく高い保持率とを確認したが、細胞は、細胞を高い細胞密度でインキュベートするプロトコールの要件を前提とするなら、組込みプロトコール中にそれらのdTPT3TPおよびdNaMTPの培地を失うことが疑われた。大腸菌の、活発に成長する培養物は、細胞外dTPT3TPおよびdNaMTPを分解して、それらの対応する二および一リン酸およびヌクレオシド種にすることが公知である。この可能性に対処するために、最高保持率サンプルのグリセロールのストックを使用して、96ウェルプレートで、カナマイシン(50μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT100μLを接種した。培養物を、37℃および230RPMで、約0.6OD600まで成長させた。この培養物からの細胞を、上述のように播き、採取し、成長させ、サンプルとして得た。この「再播種」手順は、検出できない染色体UBP損失を持つ(保持率=100%)ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA-Opt SSOに関するクローンを、迅速に明らかにした。しかし、WT-Opt SSOに関して12クローンをスクリーニングしたにも関わらず、保持率>91%のクローンは発見されなかった。したがって、倍加時間および継代実験用に再播種手順を受けなかったWT-Opt組込み体(保持率=91%)を使用することを選択する。ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA-Optの場合、倍加時間および継代実験に関して保持率=100%を持つそれぞれ1つのクローンを選択した。
【0221】
これらの実験で使用されるPolIIΔrecA株は(図3Bおよび図3C)、前者のrecA座でneoカセットを持たなかったことに留意すべきである(P_polB(-)lexA-polB+ΔrecA+FRT+lacZYA::P_lacUV5-ΔΔ(CoOp)col 1.1、表S1)。
【0222】
株倍加時間の決定
中期対数期細胞WT-Opt、ΔrecA-Opt、およびPolIIΔrecA-Opt SSO、ならびにそれらの対応する染色体UBP組込み体(上述)を、下記の手順を使用して製造した。飽和一晩培養物を、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)であってグリセリンストックスタブ(stab)からのものを含有する2×YTを接種し、37℃および230RPMで一晩成長させる(約14時間)ことによって製造した。これらの細胞を、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する500μLの2×YTで、0.03OD600に希釈した。成長を、OD600によりモニタした。細胞が中期対数期(0.3~0.5OD600)に到達したら、48ウェルプレート内で、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する500μLの2×YTで、またはクロラムフェニコール(5μg/mL)およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YTで、0.013OD600に希釈し、37℃および230RPMで成長させた。OD600を、30分ごとに測定した。この手順を、一晩培養物の接種から開始して、各株ごとに三重に行った。
【0223】
各実験からのOD600のデータを分析して、理論細胞倍加時間を得た(図3Bおよび図S5)。指数関数的成長期(0.01~0.9)に対応するOD600測定値を、Rバージョン3.2.4を使用した下記の指数関数的成長モデルに当て嵌めた:25
【数1】
【0224】
ODが、時間(t)でOD600である場合、ODは、所与のデータ集合に関して最小OD600値であり、Cgrowthは、成長定数である。Cgrowthは、「nls()」コマンドを使用して当て嵌めた。倍加時間(DT)を、下記の方程式を使用して計算した:
【数2】
【0225】
ゲノムUBPを保持する株の継代
WT-Opt、ΔrecA-Opt、およびPolIIΔrecA-Opt SSO(上述)からの染色体UBP組込み体のグリセリンストックスタブを使用して、カナマイシン(50μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT500μLを接種した。細胞を、37℃、230RPMで、中期対数期(0.5~0.8OD600)まで成長させ、次いで48ウェルプレート内で、カナマイシン(50μg/mL)、クロラムフェニコール(5μg/mL)、dTPT3TP(37.5μM)、dNaMTP(150μM)、およびKPi(50mM、pH7)を含有する2×YT500μL中、0.03OD600まで希釈し、37℃、230RPMで成長させた。0.03OD600で接種された培養物を、継代に関する出発点(倍加=0)と見なした。培養物を、約5細胞倍加に相当する1~1.5OD600まで成長させた。0.03から1~1.5OD600までのこの成長を、1つの継代が約5細胞倍加に相当する1「継代」と見なした。これらのサンプルが1~1.5OD600に達した後、同じ組成の新鮮な培地中で細胞を0.03OD600に希釈することにより、別の継代を開始した。希釈後、1~1.5OD600培養物を、下記の通りサンプル採取した:100μLを、100μLのグリセリン(50%)と合わせ、-80℃で凍結した;350μLをペレット化し、ゲノムDNAの後の単離のために凍結した;および50μLをペレット化し、200μLの脱イオン水で1回洗浄し、ペレット化し、200μL中に再懸濁した。継代プロセスを、3つ全ての株に関して、合計で約80細胞倍加に相当する15継代まで繰り返した。
【0226】
継代全体を通して、コロニービオチン-シフトPCR分析(補足情報参照)を、細胞懸濁サンプルに関して行った。これは、15継代後に保持率がWT-Optで10%未満に低下したことを明らかにした。したがって、この株はもはや継代しなかった。対照的に、保持率は、Δrec-OptおよびPolIIΔrecA-Optにおいて、60~80%で維持された。したがって追加の継代を、これらの株に関して上述のように行った。保持率はここで合計16継代にわたり変化しないままであった。したがってこれらの株を、継代当たり約13細胞倍加に相当する、より高い希釈係数で、4つの追加の継代に供した(約0.0001から1.5OD600から成長)。この時点で、ΔrecA-OptおよびPolIIΔrecA-Opt組込み体は、約130細胞倍加を経験し、UBP保持率は、コロニービオチン-シフトPCR分析によれば40%超のままであった。他の継代は不要と考えられ、実験は、継代中に集められたゲノムDNAサンプルのより過酷な分析のために停止した。この実験を、ゲノム組込み体グリセリンストックスタブでの培地の接種から開始して三重に行った。
【0227】
継代実験の終了後、ゲノムDNAを単離し、ビオチン-シフトPCRによって分析した(図3C)(補足情報参照)。WT-OptにおけるUBPのゆっくりとした、次いで素早い損失は、多数のプロセスがUBP損失に関与することを示唆した。PlacUV5-PtNTT2(66-575)は、PtNTT2の発現が僅かな成長欠陥を引き起こすので、実験中に変異している可能性があることが疑われた。したがって、変異を通してトランスポーターを不活性化する細胞は、適応度の利益を得ると共に、実験集団を素早く支配することができる。この仮説は、WT-Opt継代の終わりからの個々のクローンの単離と、精製されたゲノムDNAのPCR分析とを通して調査された(補足情報および図S7参照)。いくつかのクローンの間を移動するプライマーは、catと、PtNTT2(66-575)を含むinsB-4との間の全ての遺伝子が、これらの細胞において欠失したことを明らかにした。insB-4遺伝子は、IS1トランスポゾンの転位に必要とされる1種または2種のタンパク質をコードする。261つのクローンの配列決定は、PtNTT2(66-575)(T1495)で挿入されたIS1が、15890塩基対欠失に相当することを確認した。
【0228】
PtNTT2(66-575)変異事象の確認後、欠失変異体の出現を、WT-Opt組込み体継代からのゲノムDNAサンプルのPCR分析によって評価した(補足情報および図S7B参照)。この分析は、IS-1媒介型PtNTT2(66-575)欠失事象に対応するサイズのいくつかのアンプリコンが、UBP損失の急速期中に、継代サンプルで出現することを明らかにした。
【0229】
PolIIΔrecA-Opt組込み体の1つの複製物は、WT-Opt組込み体と同時にUBPを素早く失ったことも観察され、この複製物が継代中にWT-Opt細胞で汚染されていたことを強力に示唆している。この可能性は、コロニーPCR分析を使用して確認され、この複製物が、UBPの急速損失に対応する継代でWT-Opt細胞により汚染されるようになったことが明らかにされた(補足情報および図S6参照)。したがって、この複製物からのデータは、WT-Opt細胞汚染のないサンプルからしか使用されなかった。
【0230】
細菌株およびプラスミド
この研究で使用される全ての株(表S1;個別の補足ファイルとして提供)を、他に指示されない限り、ラムダレッド組換えを経て大腸菌-BL21(DE3)から構成した。遺伝子ノックアウトカセットは、関連あるプライマー(表S1)によるKeioコレクション株のゲノムDNAまたはpKD13のいずれかのPCR増幅を通して得られた(製造業者の推奨(New England Biolabs)に従いOneTaqまたはQ5を使用して)。機能的遺伝子ノックインカセット、polA(D424A、K890R)およびPolII+(図S4)を、オーバーラップPCRを経て構成した。株は、lacZYA座でのpACS2もしくはpACS2-dnaQ(D12N)の形質転換またはPlacUV5PtNTT2(66-575)catカセットのいずれかの組込みを通した、XTP移入に有能とされた(図S1)。pACS2およびPlacUV5-PtNTT2(66-575)+catの構成については、既に記述されている。pACS2-dnaQ(D12N)は、PCRアンプリコンのGibsonアセンブリにより構成した。PtNTT2機能を、放射性dATP摂取アッセイを使用して、全ての関連ある株において確認した。
【0231】
エキソヌクレアーゼ欠損PolIおよびIII
DNA PolIおよびIIIは、それぞれ、条件付で必須のおよび必須の遺伝子である。したがって、SOS調節ポリメラーゼとは異なって、遺伝子ノックアウトにより検査することができなかった。代わりに、これらの酵素に関する3’-5’エキソヌクレアーゼ欠損変異体を構成した。PolI(polA)は、そのエキソヌクレアーゼドメインの活性部位(D424A)を変異させることによって、3’-5’エキソヌクレアーゼを欠損させた。これはラムダレッド組換えの2つの相を経て実現された(図S4)。第1のpolAを切断してその5’-3’エキソヌクレアーゼドメインにした(ポリメラーゼおよび3’-5’エキソヌクレアーゼドメインの両方を除去する)。第2のポリメラーゼおよび3’-5’エキソヌクレアーゼドメインを、D424A変異で再導入した。遺伝子の長さに起因して、PCR変異を、組込みに使用されるアンプリコンで発生させた。この結果、K890R変異が得られた。しかし、K890は、タンパク質の無秩序なループ上の表面露出残基であるので、アルギニンに対するその変異は、タンパク質の機能に最小限の影響を及ぼすことが予測された。さらに、リシンからアルギニンは、残基の近似的な電荷およびサイズを維持する。
【0232】
DNA PolIIIホロ酵素は、個別のポリメラーゼおよび3’-5’エキソヌクレアーゼ酵素を持つマルチ酵素複合体である。エキソヌクレアーゼ酵素(dnaQ)は、その編集作業に加えてPolIIIホモ酵素で構造的な役割を演ずると考えられる。したがって、dnaQの欠損はPolIII編集作業を除去するが、代償変異がホロ酵素のその他の部分に加えられない限り、細胞成長も防止する。したがって、プラスミド、pACS2+dnaQ(D12N)からの変異誘発物dnaQ変異体(D12N)の発現を経て、UBP複製におけるPolIIIの役割を試験することを選択する(図S1)。マルチコピープラスミドからのdnaQ(D12N)の発現は、遺伝子の染色体コピーからの野生型DnaQの発現に関わらず、大腸菌で優性変異誘発物表現型を生成することが既に実証されている。pACS2+dnaQ(D12N)は、自然遺伝子プロモーターの両方によりdnaQ(D12N)を発現する。
【0233】
SSOの遺伝子最適化からの適応コスト
recAの欠失は、多くの配列でUBPの大幅に改善された保持率を、明らかにもたらす。これは非常に望ましいが、recA欠失は、いくらかの適応コストを保持する。recAにおける株の欠失は、DNA損傷に対してより低い耐性を有することが公知である。しかし、SSOの全ての近々の適用例が高度に制御された環境で生じるなら、本発明者らは、これに問題があるとは予想されない。さらに、recA欠失は、図S5で測定したときに、倍加時間を増加させる。しかし、これらの実験は、dNaMTPとdTPT3TPとの存在下または非存在の下で成長する染色体UBPを保持する株に関して成長速度の相違を示すために、主に行った。いくつかの要因が、測定された倍加時間に対して直接関係する株の適応度を複雑にする。主な難題は、溶液中の細胞が、細胞数を実際に増加させるのではなくその形態を変えることによって、OD600を増大させる可能性があることである。それとは無関係に、L recA-Opt(WT-Optよりも約18分長い)に関して測定された倍加時間は、recAの欠失が、著しく低減した成長速度をもたらすことを示唆する。しかし、この修正の利益が与えられれば、この低減した成長速度は許容されるトレードオフになる。図8におけるいくつかのデータポイントを合理化することが難しいことも、留意すべきである。例えば、染色体UBPの存在は、L recA-OptおよびPolIIL recA-Optで倍加時間を減少させるようである。
【0234】
ビオチン-シフト分析
pINFおよび染色体DNAでのUBPの保持を、下記の修正を加えて前述のように測定した。全てのビオチン-シフトPCRを、プライマー(1 iiM、表S1)、d5SICSTP(65 iiM)、dMMO2bioTP(65μM)、dNTP(400 iiM)、MgSO(2.2mM)、OneTaq DNAポリメラーゼ(0.018U/iiL)、DeepVent DNAポリメラーゼ(0.007U/iiL、New England Biolabs)、SYBR Green I(1×、Thermo Fisher Scientific)、およびOneTaq標準反応緩衝液(1×)を含む15-iiL体積中で実験した。ビオチン-シフトPCRに添加されたサンプルDNAの量および温度レジームは、サンプルの性質に応じて変化させた。
【0235】
遺伝子ノックアウト実験からのin vivo複製pINFでは(図1)、pINFおよびpACS2 DNAがZRプラスミドMiniprep-Classicキットによって共に捕捉されるので、pINF DNAの正確な濃度を決定できなかった。したがって、精製されたサンプルの0.5til(約3ngのtotal DNA)を、ビオチンシフトPCR用の鋳型DNAとして使用した。反応物を、CFX Connect実時間PCR検出システム(Bio Rad)において、下記の温度レジームに供した(時間の単位mm:ss):[96℃02:00|12~18×(96℃00:15|48℃00:15|68℃04:00)]。反応の進行を、SYBRグリーンI蛍光によってモニタし、反応を停止させ、反応物がPCRの対数期を出た直後(典型的には17サイクル)、68℃の工程の終わりに4℃で保存した。クローンpINF実験では(図3A)、精製されたプラスミドDNA3ngを、ビオチン-シフトPCR分析用の鋳型DNAとして使用した。反応物を、同じ温度レジームに供し、上記のようにモニタした。
【0236】
Golden Gate構成pINFおよびUBP含有オリゴヌクレオチドを、ビオチン-シフトPCR用の鋳型DNAとして、サンプルを、それぞれ1ngおよび7.5pg使用して、上述のように増幅した。
【0237】
染色体UBP実験では、精製されたゲノムDNAの、コロニービオチンシフトPCRおよびビオチンシフトPCR増幅を共に、行った。コロニービオチンシフトPCRでは、細胞懸濁液2tiL(上記参照)を、鋳型としてビオチンシフトPCRに添加した。反応物を、下記の温度レジームに供し、上記のようにモニタした(時間の単位mm:ss):[96℃02:00|5×(96℃00:15|60℃00:15|68℃04:00)|20~22×(96℃00:15|48℃00:15|68℃04:00)]。精製されたゲノムDNAのビオチンシフトPCR増幅の場合、精製されたゲノムDNA 30~125ngを、ビオチンシフトPCR用の鋳型として使用した。これらの反応物を、下記の温度レジームに供し、上記のようにモニタした(時間の単位mm:ss):[96℃02:00|5×(96℃00:15|60℃00:15|68℃04:00)|10~16×(96℃00:15|48℃00:15|68℃04:00)]。
【0238】
上述のビオチンシフトPCRのいずれかからのビオチン標識アンプリコンのパーセンテージを、ビオチン-シフトPCR 1tilと、ストレプトアビジン2.5til(2tig/μL、Promega)およびPurple Loading Dye 1til(6×、New England Biolabs)とを混合し、ストレプトアビジン-DNA複合体を、天然6%ポリアクリルアミドゲル上で分解することによって決定した。ゲルを、1×SYBR Gold(Thermo Fisher Scientific)を含む50mLのTBE中で染色した。ゲルを、520DF30 62mm(Bio-Rad)フィルターを備えたMolecular Imager Gel Doc XRシステム(Bio-Rad、Hercules、CA)で撮像した。画像露光時間を制限して、目的の帯域での画素に関するCCDの飽和を防止した。DNAおよびストレプトアビジン-DNAバンドの蛍光強度を、局所バックグラウンド除去を使用するQuantity Oneソフトウェアv4.6.9(Bio-Rad)を使用して定量した。次いでパーセントシフト(S)を、DNA(VDNA)およびストレプトアビジン-DNA(VSA-DNA)バンドの画素体積に基づいて、各サンプルごとに計算した。
【0239】
ビオチン-シフトPCR分析によるUBP保持率の定量は、in vitro構成UBP含有DNAのシフト値に対して、サンプルシフト値の正規化を必要とする。遺伝子ノックアウトにおけるin vivo複製実験では(図1)、サンプルのパーセントシフト値(S)を、in vivo複製実験(保持率)を開始するのに使用したGolden GateアセンブルpINF(SGG)のパーセントシフトに対して正規化した。
【0240】
dTPT3-dNaMおよび関連する類似体は、高い忠実度で10かつ限られた配列構成バイアスで11、PCRにおいて複製されることが実証されてきたが、UBPは、PCRにおいて、ある頻度で変異する。したがって、PCR発生UBP含有DNAのGolden GateアセンブリによるpINF生成は、いくらかの変異体、完全に天然のpINFの生成をもたらす。図1に提示される実験が、個々のpINF形質転換体を単離しなかったなら、これらの完全に天然のpINFは、実験細胞に形質転換し、UBP含有pINFと一緒に複製されることになる。このことは、上限を、所与のサンプルに関する理論的最大パーセントシフト値に置く。UBP損失がin vivoで生じない場合、in vivoサンプルのパーセントシフトは、実験を開始するのに使用されるGolden GateアセンブルpINFの場合に等しくなる(保持率=100%)。いくつかの複製物(特に、ΔrecAバックグラウンド)は、100%保持率を示した。このことは、Golden GateアセンブルpINFのサンプル採取から得られるようである。形質転換が、UBP含有プラスミドのみの形質転換を図らずももたらし、かつ細胞が、UBP損失のないこれらのプラスミドを複製する場合、SSGGに対する正規化は、100%よりも大きい値をもたらすことになる。UBP複製が、完全な忠実度で生じる場合、同じ論理が、Golden GateアセンブルpINFの任意のサンプル採取に適用され、Golden Gate生成物よりも高いパーセンテージのUBP含有pINFを、細胞内でもたらす。したがって、このことは、高いUBP保持率に起因して、ΔrecA株において最も明らかである。
【0241】
クローンpINFおよび染色体UBP実験(図3)は、個々のpINF形質転換体を試験した。したがってPCR変異した完全天然pINFは、UBP含量を示さない(S=0%)個々のクローンを生成することができるが、UBP含有pINFを受容するその他のクローンの保持率に影響を及ぼさない。したがって、UBP含有pINFを受容しかつ忠実に複製するSSOは、化学合成されたUBP含有オリゴヌクレオチドのビオチン-シフトPCR分析のシフト値(100%のUBP含量を有すると想定される)と一致するシフト値を、有すると予測することができる。サンプルシフト値を、図3に示される実験に関する保持率の値(保持率)に変換するために、サンプルシフト値(S)を、化学合成されたUBP含有オリゴヌクレオチド(S)のシフト値に対して正規化した。UBP損失がin vivoで生じない場合、in vivoサンプルのパーセントシフトは、化学合成されたUBP含有オリゴヌクレオチドの場合(保持率=100%)に等しくなる。
【0242】
外れ値および低いGolden GateアセンブルpINF除去率
集められた全てのデータを、下記を例外として提示する。1つの外れ値(Grubbs試験による)を、図1Bから除去した。このデータポイントは、TCAXAGT配列を複製するΔuvrC変異体に関して保持率がないことを示した。上述のように、図1の実験を開始するのに使用されるGolden GateアセンブルpINFのUBP保持率は、上限を、in vivo複製後に実現可能な保持率に置く。いくつかのGolden GateアセンブルpINFの製造は、非常に低い保持率を示した。これらの構成体により集められたin vivo複製データは、提示されていない。特に、データは、Golden GateアセンブルpINFの%シフト値が、各配列に関する下記のカットオフ:GTAXAGA-60%、TCAXAGT-70%、TCGXGGT-55%、TCTXGGT-50%、TCCXCGT-55%、およびTCCXGGT-55%よりも下である場合、廃棄された。
【実施例3】
【0243】
IS1のノックアウトはヌクレオシド三リン酸トランスポーターPtNTT2の安定性を増大させる
輸送可能なエレメント、IS1の欠失が、長期成長中に、ヌクレオシド三リン酸トランスポーター、ptNTT2の増大した安定性(活性により明らか)に関与したか否かを評価するために、YZ3およびΔIS1を、2×YT+50mM KPi+5ug/mLクロル(培地)中で三重に連続継代し、ptNTT2活性に関してアッセイした(Rad/OD600)。継代1は、グリセリンストックスタブを含む培地700uLの接種を通して開始した。培養物を一晩(約15時間)成長させて、飽和させた。細胞を、新鮮な培地700uL中に、350倍に希釈した。これを合計6継代繰り返した。次いで細胞を、さらに4回継代し、その希釈係数は350,000倍まで増加した。継代した集団ptNTT2の活性の評価は、ΔIS1株が、おそらくはIS1媒介型PtNTT2欠失経路の排除を通して、長期成長中に、より大きいptNTT2活性を維持することを実証する。PtNTT2の欠失は、非天然塩基対(UBP)の損失に関与したので、これらの結果は、IS1媒介型ptNTT2欠失経路に欠ける、操作された宿主細胞または半合成生物が、非天然塩基対の増大した保持率を示すことになり、したがって、非天然アミノ酸を含むポリペプチド、ならびにそれらをコードする核酸分子の生成の増大を示唆する。
【0244】
本開示の好ましい実施形態について、本明細書で示し記述してきたが、そのような実施形態は単なる例示として提供されることが当業者に明らかにされよう。数多くの変更例、変形例、および置換例が、本開示から逸脱することなくここで当業者なら思い浮かべるであろう。本明細書に記述される本開示の実施形態の様々な代替例を、本開示の実施に際して用いられることが、理解されるべきである。下記の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、それによって、これらの特許請求の範囲内にある方法および構造とそれらの均等物が包含されることが意図される。
図1-1】
図1-2】
図1-3】
図2-1】
図2-2】
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7-1】
図7-2】
図8
図9
図10A
図10B
【配列表】
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