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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】粘着調整層を用いた表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20240201BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20240201BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G09F9/00 313
B32B7/06
B32B7/12
G09F9/00 350Z
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020562570
(86)(22)【出願日】2019-05-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-02
(86)【国際出願番号】 KR2019005699
(87)【国際公開番号】W WO2019221460
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】10-2018-0054648
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0079134
(32)【優先日】2018-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0054222
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519191400
【氏名又は名称】キム,ヨン ス
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ス
【審査官】村上 遼太
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0037103(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0037102(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0037109(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0037108(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0037656(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0004345(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00- 9/46
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貼着材と;
前記貼着材が貼着される被着材と;
前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される着脱層と;
前記着脱層が着脱され、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される粘着調整層と;を含み、
前記粘着調整層は、
前記貼着材または前記被着材のいずれか一方の一面に配置され、前記一面の全体を覆う平坦層と、前記平坦層上に配置されるパターン層と、からなり、前記平坦層及び前記パターン層の前記着脱層への接着力がそれぞれ異なり、
前記パターン層は、以下のa)~c)のいずれかの構成からなり、
a)第1パターン、
b)第1パターン及び第2パターンの組み合わせ、
c)第1パターン及び第3パターンの組み合わせ、
前記第1パターンは前記平坦層を露出させ、前記第2パターンは前記第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触せず、前記第3パターンは前記第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触し、前記第1から第3のパターンは、面積に応じて、それ自体で前記着脱層との接着力がそれぞれ異なり、
前記被着材は、表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであり、前記表示装置を構成する構成要素は、ウィンドウ、背面に偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、背面にタッチスクリーン及び偏光フィルムが貼合されたウィンドウの中から選ばれるいずれか1つであることを特徴とする、粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項2】
前記貼着材は、前記表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであり、前記表示装置を構成する構成要素は、背面カバー、ウィンドウ、背面に印刷またはコーティングされたウィンドウ、背面に偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、背面にタッチスクリーン及び偏光フィルムが貼合されたウィンドウであることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項3】
前記被着材は、平面、または曲面、またはこれらが組み合わされた形状を有することを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項4】
前記被着材は、フォルダブル、ローラブル、またはフレキシブルであることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項5】
前記平坦層及び前記パターン層は、ハードコート層、デジタル印刷層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、または表面改質層のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項6】
前記パターン層は、帯状、格子状、島状、柵状、またはこれらが組み合わされた形状で形成されることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項7】
前記パターン層は、透明層、または半透明層、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項8】
前記パターン層は、文字、ロゴ、マーク、またはイメージにより実現されることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項9】
前記着脱層は、粘着層及び硬化層からなるパターン形状であることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項10】
前記着脱層は、コーティング、シート、及び表面改質のうちのいずれか一つにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項11】
貼着材と;
前記貼着材が貼着される被着材と;
前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される着脱層と;
前記着脱層が着脱され、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される粘着調整層と;を含み、
前記粘着調整層は、
前記貼着材または前記被着材のいずれか一方の一面に配置されるパターン層からなり、前記被着材及び前記パターン層の前記着脱層への接着力がそれぞれ異なり、
前記パターン層は、以下のa)~c)のいずれかの構成からなり、
a)第1パターン、
b)第1パターン及び第2パターンの組み合わせ、
c)第1パターン及び第3パターンの組み合わせ、
前記第1パターンは前記被着材を露出させ、前記第2パターンは前記第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触せず、前記第3パターンは前記第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触し、前記第1から第3のパターンは、面積に応じて、それ自体で前記着脱層との接着力がそれぞれ異なり、
前記被着材は、表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであり、前記表示装置を構成する構成要素は、ウィンドウ、背面に偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、背面にタッチスクリーン及び偏光フィルムが貼合されたウィンドウの中から選ばれるいずれか1つであることを特徴とする、粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項12】
前記貼着材は、前記表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであり、前記表示装置を構成する構成要素は、背面カバー、ウィンドウ、背面に印刷またはコーティングされたウィンドウ、背面に偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、背面にタッチスクリーン及び偏光フィルムが貼合されたウィンドウであることを特徴とする、請求項11に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項13】
前記被着材は、平面、または曲面、またはこれらが組み合わされた形状を有することを特徴とする、請求項11に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項14】
前記パターン層は、ハードコート層、デジタル印刷層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、または表面改質層のうちの少なくともいずれか一つであることを特徴とする、請求項11に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【請求項15】
前記パターン層は、帯状、格子状、島状、柵状、またはこれらが組み合わされた形状で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の粘着調整層を用いた表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、さらに詳しくは、粘着調整層により接着力を調整することにより、平面でも曲面でも形状に関わらず着脱することのできる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、液晶表示素子(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、電気泳動表示装置(EPD)などのディスプレイが画面を形成する。ディスプレイは、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどのモバイル機器、またはATM、キオスクなどの情報処理機に多様に使用されている。表示装置は、様々な機能を有する携帯機器に採用されている。このような携帯機器では、被着材に、保護シート(保護フィルムまたは保護ガラス)は、ウィンドウ、回路基板、タッチスクリーン、背面カバー等の貼着材が着脱可能に貼着される。例えば、貼着材である保護シートは被着材のウィンドウに、貼着材であるウィンドウは被着材のタッチスクリーンに、貼着材であるタッチスクリーンは被着材のディスプレイに、貼着材である背面カバーは被着材のディスプレイにそれぞれ着脱可能に貼着される。
【0003】
しかし、従来の表示装置、特に携帯電話、スマートフォン、タブレットなどのモバイル機器には、保護シートが広く使用されているにもかかわらず、ウィンドウガラスの破損が出荷の20~30%に達し、深刻な問題として浮上している。ウィンドウガラスが破損してしまった場合、交換には多くの費用と労力が必要であり、破損したウィンドウが取り外され、高価なタッチスクリーンやディスプレイと一緒に再生されることが多い。前記再生工程は、世界中で自動化されていないため、手動で実行される。また、前記再生工程には、大量の電子廃棄物の発生や人体に有害な工程の実行などの深刻な問題がある。
【0004】
韓国登録特許第10-1574923号公報は、ウィンドウを着脱式にすることで上記の問題を解決している。一方、貼着材、例えば、保護シートを曲面表示装置に着脱可能に貼着した場合、低い接着力であれば、曲面上に浮きや気泡が発生する。高い接着力であれば、気泡の除去が困難であり、再貼着が困難である。また、比較的厚い保護シートを貼着すると、スプリングバック現象が発生する。
【0005】
最近話題となっているフォルダブル(foldable:折り畳み式)及びローラブル(rollable:巻き取り式)表示装置(以下、「フレキシブル表示装置」)は、折り畳んだり巻き取ったりできるため、構造的にもろく、破損しやすく、傷(スクラッチ)がつきやすい。フレキシブル(flexible:可撓性)表示装置では、ウィンドウの破損や傷のために、前記ウィンドウを再生する場合、平面、2.5D、曲面の表示装置の再生よりも複雑でコストが結構かかり、大量の電子廃棄物が発生し、人体に有害な工程を実行する必要がある。したがって、フレキシブル表示装置では、保護シートの役割と機能が特に重要である。しかしながら、従来の保護シートを使用した場合、フォルダブル表示装置の折り畳み部分と、ローラブル表示装置の開始部、縁部、終了部などが浮き上がるか、気泡が発生する。
【0006】
この問題を解決するために強力な接着剤が塗布された保護シートを貼着すると、保護シートの浮きや気泡の発生は減らすことができる。しかし、強力な接着剤の保護シートは、気泡がないと貼着が困難である。また、貼着された保護シートに傷や破損が発生した場合、これを取り除くための別の工程やコストが必要となり、大量の電子廃棄物が発生し、人体に有害な工程を行う必要がある。万が一、保護シートを無理に取り除くと、フレキシブル表示装置自体が破損する場合がある。韓国公開特許第2009-0021013号公報に記載のTPUのような軟性材質の保護シート、または接着力の低い粘着剤を使用すると、気泡の発生により着脱が困難になり、保護機能が大幅に低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国登録特許第10-1574923号公報
【文献】韓国公開特許第2009-0021013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、耐スクラッチ性(耐擦傷性)に優れ、気泡の排出が容易であり、着脱が可能であり、平面でも曲面でも形状に関わらず安定して貼着される粘着調整層を用いた表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題を解決するための粘着調整層を用いた表示装置の一例は、貼着材と;前記貼着材が貼着される被着材と;前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される着脱層と;前記着脱層が着脱され、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される粘着調整層と;を含む。このとき、前記粘着調整層は、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方の一面に配置され、前記一面の全体を覆う平坦層と、前記平坦層上に配置されるパターン層と、からなり、前記平坦層及び前記パターン層の前記着脱層への接着力がそれぞれ異なる。
【0010】
本発明の一例において、前記貼着材は、前記表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであってもよい。前記被着材は、前記表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つであってもよい。前記被着材は、平面、または曲面、またはこれらが組み合わされた形状を有していてもよい。前記被着材は、フォルダブル、ローラブル、またはフレキシブルであってもよい。
【0011】
本発明の一例において、前記平坦層及び前記パターン層は、ハードコート層、デジタル印刷層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、または表面改質層のうちの少なくともいずれか一つであってもよい。前記パターン層は、前記平坦層を露出させる第1パターンを含んでいてもよい。前記パターン層は、第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触しない第2パターンを含み、前記第1及び第2のパターンは、位置に応じて、それ自体で前記着脱層との接着力がそれぞれ異なる。前記パターン層は、第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触する第3パターンを含み、前記第1及び第3のパターンは、位置に応じて、それ自体で前記着脱層との接着力がそれぞれ異なる。前記パターン層は、前記平坦層を露出させる第1パターン、第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触しない第2パターン、及び、前記第1パターンとの間に位置し、前記第1パターンと接触する第3パターンのうちのいずれか一つ、またはこれらの組み合わせからなり、前記第1から第3のパターンは、位置に応じて、それ自体で前記着脱層との接着力がそれぞれ異なる。
【0012】
本発明の一例において、前記パターン層は、帯状、格子状、島状、柵状、またはこれらが組み合わされた形状で形成されてもよい。前記パターン層は、透明層、または半透明層、またはこれらの組み合わせであってもよい。前記パターン層は、文字、ロゴ、マーク、またはイメージにより実現されてもよい。
【0013】
本発明の好ましい例において、前記着脱層は、粘着層及び硬化層からなるパターン形状であってもよい。前記着脱層は、コーティング、シート、及び表面改質のうちのいずれか一つにより形成されてもよい。
【0014】
本発明の課題を解決するための粘着調整層を用いた表示装置の他の例は、貼着材と;前記貼着材が貼着される被着材と;前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される着脱層と;前記着脱層が着脱され、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方に配置される粘着調整層と;を含む。このとき、前記粘着調整層は、前記貼着材または前記被着材のいずれか一方の一面に配置されるパターン層からなり、前記被着材及び前記パターン層の前記着脱層への接着力がそれぞれ異なる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の粘着調整層を含む表示装置によれば、貼着材または被着材に接着力が調整された粘着調整層を配置することにより、耐スクラッチ性(耐擦傷性)に優れ、気泡の排出が容易であり、着脱が可能であり、平面でも曲面でも形状に関わらず安定して貼着することができる。また、別の再生工程なしで、必要に応じて貼着材を容易に取り外して交換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による第1表示装置を示す分解断面図である。
図2】本発明による第2表示装置を示す分解断面図である。
図3】本発明による第3表示装置を示す分解断面図である。
図4】本発明による第4表示装置を示す分解断面図である。
図5】本発明による表示装置に適用される粘着調整層の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。後述する実施形態は、色々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下において詳述する実施形態に限定されるものではない。本発明の実施形態は、当該分野における通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。また、図中、膜(層、パターン)及び領域の厚さは、明確性を図るために誇張されていてもよい。なお、膜(層、パターン)が他の膜(層、パターン)の「上」、「上部」、「下部」、「一面」にあると言及される場合、それは、他の膜(層、パターン)に直接的に形成されてもよく、または、これらの間に他の膜(層、パターン)が介在されてもよい。
【0018】
本発明の実施形態は、貼着材または被着材に接着力が調整された粘着調整層を配置することにより、耐スクラッチ性に優れ、気泡の排出が容易で、着脱が可能であり、平面でも曲面でも形状に関わらず安定して貼着される表示装置を開示する。このために、粘着調整層の構造について具体的に説明し、粘着調整層を介して被着材の貼着力を調整する過程を詳細に説明する。
【0019】
本発明の実施形態に適用される表示装置は、モバイル機器、情報処理端末及びテレビ等の全ての映像処理機器をいう。前記モバイル機器には、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどがあり、前記情報処理端末には、ATM、キオスクなどがある。前記表示装置は、平らなもの、または平らであるが曲がっているものを含み、フレキシブル(flexible)なものも含む。前記映像処理機器は、ウィンドウ、タッチスクリーン及びディスプレイを必ず含む。前記ウィンドウは、モバイル機器のウィンドウ、情報処理端末のウィンドウ、テレビなどの全ての映像処理機器のウィンドウを通称する。同様に、前記タッチスクリーン及びディスプレイは、全ての映像処理機器に適用されるタッチスクリーン及びディスプレイを指す。
【0020】
表示装置は、平面、または曲面、またはこれらの組み合わせの形状を有してもよい。表示装置は、ウィンドウの形状に応じて、2D(平面)、2.5D(前面の縁が曲面、背面平面)、3D(曲面、エッジ)に発展してきた。最近では、折り畳んだり広げたりできるフォルダブル(foldable:折り畳み式)表示装置と、巻き取り可能なローラブル(rollable)表示装置とが登場している。フォルダブル表示装置及びローラブル表示装置は、フレキシブル(flexible)表示装置の一種である。本発明の実施形態に適用される表示装置は、2D表示装置、2.5D表示装置、3D表示装置、フレキシブル表示装置などのように、平面、または曲面、またはこれらが組み合わされた形状を全て含む。
【0021】
本発明の表示装置は、基本的にディスプレイ、タッチスクリーン及びウィンドウを含み、タッチスクリーンにはタッチスクリーンカバー層が貼着されてもよい。また、タッチスクリーンカバー層は、偏光フィルムがその役割を果たすことができ、ディスプレイに対してウィンドウの反対側には背面カバーが貼着されてもよい。これにより、本発明の表示装置は、構成要素として、ディスプレイ、タッチスクリーン及びウィンドウを必ず含み、タッチスクリーンカバー層、偏光フィルム及び背面カバーのうちの少なくともいずれか一つを選択的に含んでいてもよい。もちろん、本発明の範囲内で表示装置は、更なる構成要素として、例えば、印刷フィルムをさらに含んでいてもよい。このように、ディスプレイ、タッチスクリーン、ウィンドウ、タッチスクリーンカバー層、偏光フィルム、背面カバー、その他の更なる構成要素を表示装置の構成要素と称する。
【0022】
保護シートは、高分子フィルムからなる保護フィルム、強化ガラスを使用した保護ガラス、またはこれらの組み合わせからなる。保護シートは、表示装置のウィンドウに貼着されており、ウィンドウの破損や傷を防ぐ役割を果たす。これにより、保護シートは、表示装置に付加される付加要素と呼ばれる。
【0023】
図1は、本発明の実施形態による第1表示装置100を示す分解断面図である。ただし、図1には詳細に示されておらず、説明の便宜上、図に示されていない構成要素があり得る。
【0024】
図1によれば、第1表示装置100は、大別に、貼着材10と、被着材12とを含み、貼着材10は、被着材12に貼着される。貼着材10は、背面カバー、ウィンドウ、背面に印刷またはコーティングされたウィンドウ、背面に偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、背面にタッチスクリーン及び偏光フィルムが貼合されたウィンドウ、及びその他の更なる構成要素を含む表示装置の構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくともいずれか一つである。前記背面カバーは、ウィンドウの反対側に配置されて、ディスプレイを保護し、透明な強化ガラス、不透明なプラスチックのような材質が適用される。被着材12は、ウィンドウ、背面カバーのない表示装置の背面または偏光フィルムカバー層、偏光フィルム、タッチスクリーンカバー層、タッチスクリーン、ディスプレイのうちのいずれか一つ以上及びその他の更なる構成要素を含む表示装置を構成する構成要素または保護シートのうちから選ばれる少なくとも一つである。
【0025】
貼着材10の一面には、コーティング、シート、または表面改質により形成された着脱層11が配置され、被着材12の一面には、着脱層11に対向する粘着調整層aが配置される。例えば、貼着材10である保護シートの着脱層11は、被着材12であるウィンドウ上の粘着調整層aに、貼着材10であるウィンドウの着脱層11は、被着材12であるタッチスクリーンの粘着調整層aに、貼着材10であるタッチスクリーンの着脱層11は、被着材12であるディスプレイの粘着調整層aに、貼着材10である背面カバーの着脱層11は、被着材12であるディスプレイの粘着調整層aに着脱されてもよい。場合によっては、一つの表示装置において、着脱層11及び粘着調整層aは、貼着材10である保護シート及びウィンドウなどの複数の構成要素に配置されてもよい。
【0026】
前記保護シートは、透明基板を含み、前記透明基板が強化ガラスからなる場合、前記強化ガラスの飛散防止のための飛散防止フィルムが備えられる。前記保護シートの透明基板及びウィンドウは、透明材質であればいずれも使用可能である。例えば、ガラス基板またはプラスチック基板を含んでいてもよい。具体的には、ガラス基板は強化ガラスであってもよく、プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR:polyarylate)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)またはシクロオレフィンコポリマー(COC:cycloolefin copolymer)のうちのいずれか一つ以上を含んでいてもよい。前記ウィンドウはまた、強化ガラスとプラスチック基板とが多層に形成された積層構造であってもよい。
【0027】
前記ウィンドウは、透明でもよく、各種機能を発現する印刷層を有していてもよい。前記印刷層は、透明、半透明またはカラーなどのうちのいずれか一つ以上のコーティングを適用してもよい。前記印刷層は、シルク印刷、または紫外線(UV)によるインクジェット印刷、または熱硬化性のインクジェット印刷、または転写印刷を用いて形成されてもよい。前記透明基板及びウィンドウには、遮蔽、反射防止、青色光(blue light)遮断、電磁波遮断、プライバシー(privacy)などの特性を有する機能性コーティング層が形成されてもよい。前記機能性コーティング層は、塗液を塗る湿式コーティング及び蒸着などの乾式コーティングによって形成されてもよい。
【0028】
前記タッチスクリーンは、金属酸化物またはプラスチックからなる絶縁層の片面または両面に導電パターンが形成されたものである。前記導電パターンは、主に金属酸化物に適用され、金属酸化物には、酸化インジウムスズ(ITO)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)等、または銅(Cu)、導電性高分子、または銀ナノワイヤーなどがある。前記タッチスクリーンカバー層は、衝撃や汚れによる前記タッチスクリーンの損傷を防止する。前記カバー層は、透明材質であればいずれも使用可能である。例えば、ガラス基板またはプラスチック基板を含んでいてもよい。具体的には、ガラス基板は、強化ガラスであってもよく、または、強化されていないガラスであってもよい。また、プラスチック基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR:polyarylate)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)またはシクロオレフィンコポリマー(COC:cycloolefin copolymer)のうちのいずれか一つ以上を含んでいてもよい。ガラス基板よりもプラスチック基板の方が好ましい。前記カバー層の厚さは、第1装置100を使用する過程で前記タッチスクリーンの損傷を防止する程度であれば十分である。
【0029】
前記偏光フィルムは、入射光の垂直偏波または水平偏波を別々に通過または遮断する特性を有するフィルムである。ノートパソコンやモニターなどの薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT-LCD)やカメラ特殊効果用フィルター、立体映画のメガネ、有機発光ダイオード(OLED)視認性向上などに使用される光学フィルムである。例えば、液晶表示装置(LCD)モジュールのバックライトからの光の強度は全方向で均一であるが、偏光フィルムは、このような光の中で偏光軸と同じ方向に振動する光のみを透過し、他の光を吸収または反射して、特定の方向の偏光を生成する役割を果たす。この偏光がLCD液晶を通過する際、画素毎の液晶の配向方向を電気的に調整することにより、画素の明るさを変換できる。
【0030】
前記ディスプレイには、液晶表示素子(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、マイクロLED、電気泳動表示装置(EPD)などがあり、量子ドットを使用することも可能である。前記背面カバーは、ウィンドウの反対側に配置されてディスプレイを保護し、透明な強化ガラス、不透明なプラスチックなどの材質を使用してもよい。
【0031】
貼着材10上には着脱層11が配置され、被着材12上には、本発明の実施形態による粘着調整層aが配置される。図示されていないが、着脱層11及び粘着調整層aは、互いに位置変更可能である。着脱層11は、本発明の技術的な思想の範囲内において種々の変更が可能であり、コーティング、シート及び表面改質により実現することができる。前記コーティングの場合、アクリル系重合体、シリコン系重合体またはウレタン系重合体である、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂または紫外線硬化型樹脂と架橋剤とが混合された接着剤、またはこれらの混合物、またはこれらの共重合体が好ましい。場合によっては、着脱層11に、シリカゲル、ナノ粒子及び帯電防止剤などの機能性物質を混合して、着脱層11の物性を改善することができる。さらに、着脱層11に量子ドット(QD:Quantum Dot)を構成する粒子を加えることで光学的な特性を向上させることができる。
【0032】
着脱層11は、コーティングではなくシート(sheet)の形で実現されてもよい。例えば、(a)炭素数1~12の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(b)ヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、(c)アミド基を含有する単量体、および(d)ビニルエステル系単量体を含む単量体成分を共重合して得られ、樹脂酸価が0.1mgKOH/g以下であり、誘電率が3~6である、タッチパネル用粘着剤組成物に用いるアクリル系高分子化合物がある。また、シリコーンゲルであることを特徴とする光透過性感圧粘着シート、架橋シリコン系(cross-linked silicone type)接着性シートがある。
【0033】
着脱層11は、アルコキシアルキルアクリレートを主たるモノマーとする酸成分を含まない特定分子量のアクリル系ポリマーと架橋剤とを含む粘着剤組成物からなるシートであり、固形分比で、(A)(メタ)アクリル系樹脂65~85質量%と、(B)ポリオキシアルキレンポリオール10~30質量%と、(C)ポリイソシアネート1.0~5.0質量%と、(D)スズ系触媒0.005~0.1質量%とを含み、酸価が0~5mgKOH/gであって、(A)(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量が10万~60万であり、且つ、(B)ポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量が500~1500である透明粘着シートなどがある。さらに、ハイドロゲルタイプのシートが可能である。
【0034】
着脱層11は、表面改質により形成されてもよい。表面改質は、透明な高分子フィルムの表面にプラズマ処理、またはコロナ処理、またはこれらの連続処理を行い、表面の接着力を0.1gf/25mm~500gf/25mmに変化させることである。ここで、前記連続処理は、コロナ処理後にプラズマ処理を行った方が良い。このとき、高分子フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET:polyethylene terephthalate)、ポリエチレンナフタレート(PEN:polyethylene naphthalate)、ポリエーテルスルホン(PES:polyether sulfone)、ポリイミド(PI:polyimide)、ポリアリレート(PAR:polyarylate)、ポリカーボネート(PC:polycarbonate)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:polymethyl methacrylate)またはシクロオレフィンコポリマー(COC:cycloolefin copolymer)のうちのいずれか一つ以上を含んでいてもよい。
【0035】
前記プラズマ処理の場合、大気圧プラズマ、減圧プラズマ、コロナプラズマなどのプラズマ法を使用する。すなわち、高分子フィルムの粘着力を高めるために、表面を化学的に洗浄するだけでなく、表面を活性化させながら、化学的及び物理的反応によって表面の有機物を除去する。プラズマ処理を経た高分子フィルムは、イオンや電子の高エネルギーを利用して、表面から数μm内の領域における化学結合を変化させる。また、一定の厚さの表面を削り取ることで接触角を大きくする。高分子フィルムの表面を、他の材料と反応しやすくするために化学的または物理的に活性化する。このように、プラズマ処理の後、微細な異物の除去などの表面洗浄、表面粗さの変更、極性官能基の形成などの表面改質が行われる。
【0036】
前記コロナ処理の場合、コロナ放電技術を利用することにより、処理対象となる高分子フィルムの表面の接着力を向上させる。前記高分子フィルムをコロナで処理すると、コロナ内の電荷を帯びた粒子がフィルム表面に衝突することにより、フィルム表面が酸化される。したがって、表面酸化により生成された極性基、例えば、C=O、C-O-H、COOH、-COO-、-CO-等により、フィルムの表面エネルギーが増加し、その結果、導電性高分子物質との親和性が向上し、フィルムの接着性が向上することになる。また、コロナ処理により、上記のような化学的極性基以外にも、ポリマー分子間の架橋構造が形成され、これにより接着性を向上させることができる。コロナ表面処理は、通常、コロナ放電が行われる両電極の間に高分子フィルムを配置し、両電極に一定の電力を供給することでコロナ放電を起こして、表面の接着力が0.1gf/25mm~500gf/25mmである表面改質が行われる。
【0037】
着脱層11の接着力が約0.1gf/25mm~500gf/25mmである場合において、着脱層11は、自己接着力を有する。前記自己接着力は、着脱層11を粘着調整層aに載せるだけでも着脱層11が気泡なしに自らくっつく性質である。一方、粘着調整層aが適用されると、粘着調整層aがない場合よりも自己接着力が向上する。本発明の実施形態による接着力は、粘着調整層aの存在に応じて変化し得る。粘着調整層aがある場合の接着力は0.5gf/25mm~500gf/25mmであるが、粘着調整層aがない場合の接着力は0.1gf/25mm~200gf/25mmである。同じ材質及び厚さの着脱層11がある場合、粘着調整層aが存在すれば、着脱層11を気泡なく貼着されるのがより容易になる。また、粘着調整層aの影響下では、着脱層11の分離が比較的容易に行われる。
【0038】
着脱層11は、パターン形状も可能である。パターン形状の着脱層11は、粘着層と硬化層とを含み、前記粘着層が、前記着脱パターンの面積の5~95%を占める。換言すれば、着脱層11のパターンは、粘着層及び硬化層がパターン状に存在する。前記粘着層は、熱または紫外線により硬化が可能である。前記粘着層及び前記硬化層は、前記帯状、前記格子状、前記島(island)状または前記柵状のうちの少なくともいずれか一つを、矩形状、または波打ち状、またはこれらの組み合わせにパターン化してなってもよい。
【0039】
着脱層11は、Aの接着力により貼着され、着脱層11の接着力が熱/紫外線硬化によりBとなり、必要に応じて容易に除去され得る。着脱層11の接着力AとBは、50g/inch以上の差があり得る。
【0040】
粘着調整層aは、被着材12の一面の全体に形成される。粘着調整層aでは、平坦層20と第1パターン21とが順次積層される。平坦層20は、パターンを形成することなく、被着材12の一面の全体に形成される。第1パターン21は、平坦層20を露出させる。平坦層20及び第1パターン21は、着脱層11の接着力を調整するために多様に変形可能である。ただし、平坦層20及び第1パターン21は、着脱層11に対してそれぞれ異なる接着力を有する。言い換えれば、平坦層20は、第1パターン21の接着力よりも大きいまたは小さい接着力を有する。
【0041】
平坦層20及び第1パターン21は、ハードコート層、デジタル印刷層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、及び表面改質層のうちのいずれか一つであってもよい。前記硬化層は、熱硬化ハードコート層または紫外線硬化ハードコート層であってもよい。熱硬化性ハードコート層は、本発明の範囲内で多様に選択してもよい。例えば、水酸基含有アクリル樹脂と、水酸基を有し重量平均分子量が100,000~1,000,000であるアクリル系樹脂と、ブロックイソシアネートとを主成分とする樹脂組成物;水酸基含有アクリル樹脂とブロックイソシアネートとを必須成分とする組成物;イソシアネート基と反応できる官能基を一分子中に2個以上有する化合物とブロックイソシアネートとを含む組成物;などがある。
【0042】
紫外線硬化ハードコート層は、例えば、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂またはポリエステル樹脂などに種々のアクリル単位体及び紫外線硬化触媒を配合して形成される。紫外線による硬化物の具体例として、ウレタンまたはアクリレートオリゴマー、反応性モノマー、光開始剤及びレベリング剤を紫外線反応性コーティング材料として混合する。ウレタンアクリレートオリゴマーは、脂肪族、環状脂肪族、芳香族化合物、またはこれらの化合物のオリゴマーを含有し、分子構造上にポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールが含まれる化学式を有する。反応性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを、硬度と貼着力を考慮して、適切な割合で混合して調整する。光開始剤としては、紫外線によって活性化される通常の重合開始剤を使用し、特にヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノール、フェニル-2-ヒドロキシ-2-フェニルケトンを主に使用する。
【0043】
前記デジタル印刷層は、デジタル方式で印刷された層である。前記接触角調整用コーティング層は、コーティングの例として有機シリコン化合物でコーティングされて、接触角度を小さくして接着力を高めることができる。接触角度を大きくして接着力を低下させるコーティングの例として、指紋防止、汚染防止、スリップ性を与え、チタニア(TiO)またはシリカ(SiO)を被着材12に蒸着させた後、蒸着された被着材12上にフッ素系樹脂、シリコン系樹脂、またはこれらの混合物をコーティングすることで形成してもよい。このとき、フッ素系樹脂またはシリコン系樹脂は、イージークリーンコート(ECC:Easy Cleaning Coating)法により形成してもよい。
【0044】
前記蒸着層は、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、シリコン(Si)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、またはこれらの合金、またはこれらの酸化物のうちのいずれか一つからなる単層または多層からなってもよい。前記蒸着層は、着脱層11への接着力を高める。前記蒸着層の接着力は、パターンのサイズ及び形状によって調整できる。前記パターンのサイズ及び形状が小さいほど接着力が大きくなる。
【0045】
前記微細凹凸層は、例えば、断面が矩形、三角形、及び円形のうちから選択されるいずれか一つの形状に成形されるか、または、ビード(bead)またはビードとバインダーとにより作製されてもよい。すなわち、微細凹凸層の断面は、角張っているか、曲げ率を有するか、またはこれらが組み合わされたものであってもよい。微細凹凸層は、半透明であるため光の透過率が低くなる。着脱層11は、微細凹凸層に食い込むため、着脱層11の結合力を高める。前記表面改質層は、プラズマ、またはコロナ処理、またはこれらの連続処理による透明な高分子フィルムの表面改質によりなるもので、着脱層11への接着力を高める。
【0046】
図2は、本発明の実施形態による平面を形成する第2表示装置200を示す分解断面図である。第2表示装置200は、粘着調整層bを除いては、第1表示装置100と同様である。これにより、同じ参照符号についての詳細な説明は省略する。
【0047】
図2によれば、第2表示装置200は、平坦層20、第1パターン21及び第2パターン22を含む。第2パターン22は、第1パターン21との間に位置し、第1及び第2パターン21、22は、平坦層20上に配置される。平坦層20、第1及び第2パターン21、22は、第1表示装置100で説明したように、ハードコート層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、及び表面改質層のうちのいずれか一つであってもよい。平坦層20、第1及び第2パターン21、22の接着力は、着脱層11に対してそれぞれ異なる。換言すれば、平坦層20は、第1及び第2パターン21、22よりも大きいまたは小さい接着力を有し、第1パターン21は、第2パターン22よりも大きいまたは小さい接着力を有する。
【0048】
図3は、本発明の実施形態による平面を形成する第3表示装置300を示す分解断面図である。第3表示装置300は、粘着調整層cを除いては、第1表示装置100と同様である。これにより、同じ参照符号についての詳細な説明は省略する。
【0049】
図3によれば、第3表示装置300は、平坦層20は含まず、第1パターン21を含む。第2パターン22は、第1パターン21との間に位置し、第1パターン21と分離される。第1及び第2のパターン21、22は、第1表示装置100で説明したように、ハードコート層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、及び表面改質層のうちのいずれか一つであってもよい。第1及び第2のパターン21、22は、着脱層11に対してそれぞれ異なる接着力を有する。換言すれば、第1パターン21は、第2パターン22よりも大きいまたは小さい接着力を有する。必要な場合には、第3表示装置300の粘着調整層cは、第2パターン22なしで第1パターン21のみで形成されてもよい。
【0050】
図4は、本発明の実施形態による平面を形成する第4表示装置400を示す分解断面図である。第4表示装置400は、粘着調整層dを除いては、第1表示装置100と同様である。これにより、同じ参照符号についての詳細な説明は省略する。
【0051】
図4によれば、第4表示装置400は、平坦層20を含まず、第1及び第3のパターン21、23を含む。第3パターン23は、第1パターン21との間に位置し、第1パターン21と接触される。第1及び第3のパターン21、23は、第1表示装置100で説明したように、ハードコート層、接触角調整用コーティング層、蒸着層、微細凹凸を有する微細凹凸層、及び表面改質層のうちのいずれか一つであってもよい。第1及び第3のパターン21、23は、着脱層11に対してそれぞれ異なる接着力を有する。言い換えれば、第1パターン21は、第3パターン23よりも大きいまたは小さい接着力を有する。
【0052】
上記の平坦層20及び第1から第3のパターン21、22、23は、概念的に表現されている。平坦層20及び第1から第3のパターン21、22、23は、接着力がそれぞれ異なる本発明の範囲内での例として示されている。本発明の実施形態による粘着調整層は、平坦層20の有無にかかわらず、第1パターン21、第2パターン22及び第3パターン23のうちから選ばれる少なくともいずれか一つを含んでいてもよい。平坦層20及び第1から第3のパターン21、22、23の接着力、第1から第3のパターン21、22、23の形状、及び第1から第3のパターン21、22、23が占める割合は、表示装置の形状、面積、外側層の材質、表面状態、貼着材10の材質、大きさ、厚さ、被着材12の材質、大きさ、厚さ、着脱層11の接着力、粘着調整層a、b、c、dの材質、粘着調整層a、b、c、dの接着力などによって変わる。
【0053】
第1から第3のパターン21、22、23は、パターン層を構成する構成要素であり、それらの形状によって分類される。具体的には、平坦層20または被着材12を露出させるパターンであり、第2パターン22は、第1パターン21とは接触せずに第1パターン21との間に配置され、第3パターン23は、第1パターン21と接触しながら第1パターン21との間に配置される。また、第1から第3のパターン21、22、23自体は、互いに異なる接着力を有する可能性がある。例えば、第1パターン21は、位置に応じて、それ自体で異なる接着力を有し得る。接着力の調整は、表示装置の形状、面積、外側層の材質、表面状態、貼着材10の材質、大きさ、厚さ、被着材12の材質、大きさ、厚さ、着脱層11の接着力、粘着調整層a、b、c、dの材質、粘着調整層a、b、c、dの接着力などによって変わる。
【0054】
前記パターン層は、透明層、または半透明層、またはこれらの組み合わせであってもよい。半透明層は、色を表現する場合があり、パターンまたは位置に応じて異なる透明度を有する場合がある。前記パターン層は、文字、ロゴ、マーク、イメージなどの形で実現されてもよい。前記半透明層は、真空蒸着、デジタル印刷、レーザーマーキング、エッチング、及びメッキのうちのいずれか一つ以上の方法により実現されてもよい。
【0055】
図5は、本発明の実施形態による表示装置100、200、300、400に適用される粘着調整層a、b、c、dの例を示す平面図である。ここでは、粘着調整層a、b、c、dのいくつかの例を挙げたに過ぎず、本発明の範囲内において種々変形可能である。
【0056】
図5によれば、粘着調整層a、b、c、dは、平面的に様々な形状パターンを利用している。具体的には、粘着調整層a、b、c、dの長手方向に延びる帯状に形成されたパターンA、パターンAと同じ形状でありながら異なる接着力を有するパターンB、単一の島(island)状に形成されたパターンC、複数の島状に形成されたパターンD、拡張されたパターンC形状に形成されたパターンE、パターンEと同じ形状でありながら異なる接着力を有するパターンF、柵状に形成されたパターンG、柵状でありながらパターンGとは異なる接着力を有するパターンH、粘着調整層a、b、c、dのコーナーに配置されるパターンIなどがある。パターンAからIの例は、前述の平坦層20及び第1から第3のパターン21、22、23を利用する。
【0057】
図面は、粘着調整層a、b、c、dの例を示している。前記パターンを配列した例は、帯状a、格子状b、島状a、e、f、柵状c、またはこれらの組み合わせc、dであってもよい。粘着調整層a、b、c、dのパターン及び前記パターンの配列は、上記の例に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明が属する通常の知識を有する者であれば、誰でも種々に変形して実施可能である。
【0058】
以上、本発明については、好適な実施形態を挙げて詳しく説明したが、本発明は、前記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において当分野において通常の知識を有する者によって種々に変形可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 貼着材
11 着脱層
12 被着材
20 平坦層
21、22、23 第1から第3のパターン
a、b、c、d 粘着調整層
100、200、300、400 第1から第4の表示装置
図1
図2
図3
図4
図5