(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】物品を積み込むための積載フレーム、システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B65D 19/38 20060101AFI20240201BHJP
B65G 7/02 20060101ALI20240201BHJP
B65D 19/18 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65D19/38 B
B65G7/02 Z
B65D19/18
(21)【出願番号】P 2020571458
(86)(22)【出願日】2019-07-01
(86)【国際出願番号】 FI2019050516
(87)【国際公開番号】W WO2020002779
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2022-05-10
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】516057451
【氏名又は名称】アクティウ オユ
【氏名又は名称原語表記】ACTIW OY
【住所又は居所原語表記】Linnatie 11-13,FI-76850 Naarajarvi,Finland
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アウヴィネン,ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルティアイネン,ヤリ
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第08662813(US,B2)
【文献】特開平04-210523(JP,A)
【文献】特開2013-116780(JP,A)
【文献】登録実用新案第3134372(JP,U)
【文献】米国特許第09056731(US,B1)
【文献】特開平04-159926(JP,A)
【文献】特開2007-119238(JP,A)
【文献】実開昭51-091235(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/38
B65G 7/02
B65D 19/18
B65G 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を積み込むための積載フレーム(10)であって、
前記積載フレーム(10)は、基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有し、前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、
柔軟性を有する前記壁部(12)は、
載荷スペース(19)の側部(30)で支えられるときに前記載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドして移動できるように構成され、
滑性プラスチック製の前記基部(11)と各壁部(12)は、前記物品(13)
が前記積載フレーム(10)
内においてスライドして移動することができるように構成され
た
ことを特徴とする積載フレーム。
【請求項2】
物品を積み込むための積載フレーム(10)であって、
前記積載フレーム(10)は、基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有し、前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、
柔軟性を有する前記壁部(12)は、
載荷スペース(19)の側部(30)で支えられるときに前記載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドして移動できるように構成され、
前記壁部(12)の一方または両方は、互いに柔軟に継合された平行な部材(15)で形成される
ことを特徴とする積載フレーム。
【請求項3】
前記壁部(12)の一方または両方は、互いに柔軟に継合された平行な部材(15)で形成される、請求項1に記載の積載フレーム。
【請求項4】
前記基部(11)の内面は、回転自在なローラ(14)で覆われている、請求項1から3のいずれか一項に記載の積載フレーム。
【請求項5】
各壁部(12)の内面は回転自在なローラ(14)で覆われている、請求項1から4のいずれか一項に記載の積載フレーム。
【請求項6】
物品を積み込むためのシステムであって、
前記システムは、
基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有する積載フレーム(10)と、
前記積載フレーム(10)を前記物品(13)と共に載荷スペース(19)内に移動させ、前記物品(13)を前記載荷スペース(19)内に残したままの状態で、前記積載フレーム(10)を前記載荷スペース(19)の外に移動させるように構成される搬送装置(18)とを有し、
前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、柔軟性を有する前記壁部(12)は、前記載荷スペース(19)の側部(30)に支えられるときに前記載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドして移動できるように構成され、
滑性プラスチック製の前記基部(11)と各壁部(12)は、前記物品(13)
が前記積載フレーム(10)
内においてスライドして移動することができるように構成され
た
ことを特徴とするシステム。
【請求項7】
物品を積み込むためのシステムであって、
前記システムは、
基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有する積載フレーム(10)と、
前記積載フレーム(10)を前記物品(13)と共に載荷スペース(19)内に移動させ、前記物品(13)を前記載荷スペース(19)内に残したままの状態で、前記積載フレーム(10)を前記載荷スペース(19)の外に移動させるように構成される搬送装置(18)とを有し、
前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、柔軟性を有する前記壁部(12)は、前記載荷スペース(19)の側部(30)で支えられるときに前記載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドして移動できるように構成され、
前記壁部(12)の一方または両方は、互いに柔軟に継合された平行な部材(15)で形成される
ことを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記搬送装置(18)は、載荷スペース(19)の延長として前記載荷スペース(19)の外側に配置され、
前記積載フレーム(10)は端部が開放されている、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、バッファフレーム(25)と、前記物品を前記バッファフレーム(25)から前記積載フレーム(10)に移動させるためのバッファバー(26)とを有する、請求項6~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、前記バッファフレーム(25)を前記搬送装置(18)の位置に配置された前記積載フレーム(10)に移動させるための搬送台車(27)を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記搬送台車(27)はスタッキングタイプである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
物品(13)を積載するための方法であって、
前記物品(13)を、基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有する積載フレーム(10)内に積み込み、前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、
前記積載フレーム(10)を、前記物品(13)と共に載荷スペース(19)内に移動し、
柔軟性を有する前記壁部(12)が搬送中に前記物品(13)および/または前記
載荷スペース(19)の側部(30)で支えられるときに前記壁部(12)は前記
載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドし、
滑性プラスチック製の前記基部(11)と各壁部(12)は、前記物品(13)
が前記積載フレーム(10)
内においてスライドして移動する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
物品(13)を積載するための方法であって、
前記物品(13)を、基部(11)と、前記基部(11)の相対する側部に配置された2つの壁部(12)とを有する積載フレーム(10)内に積み込み、前記基部(11)と前記壁部(12)は柔軟性を有する滑性プラスチック製であり、前記壁部(12)の一方または両方は、互いに柔軟に継合された平行な部材(15)で形成され
前記積載フレーム(10)を、前記物品(13)と共に載荷スペース(19)内に移動し、
柔軟性を有する前記壁部(12)が搬送中に前記物品(13)および/または前記
載荷スペース(19)の側部(30)で支えられるときに前記基部(11)と前記壁部(12)は前記
載荷スペース(19)の側部(30)に沿ってスライドする
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記積載フレーム(10)は、前記物品(13)を前記
載荷スペース(19)内に残したままの状態で前記
載荷スペース(19)の外に移動される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記載荷スペース(19)に積み込みを行う前に、前記積載フレーム(10)は、予め充填されたバッファフレーム(25)を使用して充填される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を積み込むための積載フレームに関し、当該積載フレームは、基部と、基部の相対する側部に配置された2つの壁部とを有する。また、本発明は、支えを必要とする物品を積み込むためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基部上だけでなく、2方向からも物品を支えるラックは、例えばタイヤやサックなど、支えを必要とする品物を保管するのに使用される。積み重ねられた物品は保管時および輸送時にも縦積みの状態のままである。最もシンプルには、ラックには基部と2つの端部とがある。例えば、タイヤを端部間に積み重ね、そして、当該タイヤを、スタックを転倒させることなく、所望の場所に移動させることができる。特にタイヤについては、リックラックな積み重ねを行う手順が開発された。タイヤは、例えばロボットを使用して、ラック内に積み重ねることができる。
【0003】
ラックは、寸法が適切であれば、長距離輸送に使用することもできる。そして、ラックは、物品と共に、例えばコンテナや車両などの載荷スペース内へ移動される。しかし、ラックが載荷スペースの一部を占める一方で、載荷スペースの一部は未使用の状態のままである。また、ラックは、積載物の一部も占める。さらに、ラックは発送元に返却しなければならず、物流のコストが増加する。
【0004】
米国特許第8662813号明細書は、バルク材料を積み込むためのシステムを開示する。このシステムでは、載荷容器を使用する。当該載荷容器は頑丈に作られた箱であり、基部と、2つの相対する壁部とを有する。箱の最も外側の端部は、箱内部の形状に対応した形状のパッカーブレードによって閉じられている。箱の他方の端部は開放されている。実際には、例えばグラブを使用して、箱の上側からバルク材料で充填される。箱全体が載荷スペース内に押し込まれ、パッカーブレードがそれに伴って移動する。その後、箱は載荷スペースの外に運び出され、その一方で、パッカーブレードは所定の位置に残る。言い換えれば、パッカーブレードは、バルク材料が箱と共に元に戻るのを防止するものである。その場合、バルク材料が載荷スペース内に残る一方で、箱は移動して再度充填される。充填の前に、パッカーブレードは箱の外側の端部へ後退する。このシステムを使用することで、輸送対象の製品と一緒に載荷容器を移動する必要がないため、載荷スペースを効率的に充填することができる。しかし、箱は重く、バルク材にのみ適したものである。さらに、載荷スペースと箱の位置とを正確に揃えないと、さらに、重い箱の壁部によって載荷スペースの側部が破損してしまう。箱の壁部は基部と同等の厚みを有し、載荷スペースの容量の大部分を占める。言い換えると、箱を運び出したとき、載荷スペースが完全に満たされていない状態が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、従来よりも多様性を有し、より迅速かつ慎重に物品を積み込むことのできる新しいタイプの物品積載用のラックを創出することである。さらに、本発明は、積載ラックを利用した新しいタイプのシステムおよび方法を創出することを意図したものである。本発明に係る積載ラック、システムおよび方法の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載の通りである。本発明に係る積載ラックは、多種多様の物品に適しており、物品も載荷スペースも破損させない。本発明に係る方法では、積載ラックを使用することで、通常よりも大幅に早く、かつ従来よりも一杯になるように、載荷スペースに積み込みを行うことができる。同時に、積載ラックを返送することを回避することもできる。さらに、品物を扱うロボットの能力を最大限活用することができる。当該システムはシンプルであり、その容量は容易に拡張させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
以下、本発明の複数の実施形態を示す添付図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0008】
【
図1A】
図1Aは、本発明に係る積載ラックの第1の実施形態を示す。
【
図1B】
図1Bは、本発明に係る積載ラックの第2の実施形態を示す。
【
図1C】
図1Cは、本発明に係る積載ラックの第3の実施形態を示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明に係る積載ラックを搬送装置に取り付けた状態を示す。
【
図4】
図4は、本発明に係る方法のステージの1つを示す。
【
図5】
図5は、本発明に係る方法の第2のステージを示す。
【
図6】
図6は、本発明に係る方法の第3のステージを示す。
【
図7】
図7は、本発明に係る方法の第4のステージを示す。
【
図8】
図8は、本発明に係る方法の第5のステージを示す。
【
図9】
図9は、
図8のステージにおける、本発明に係るシステムの変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1A-Cは、本発明に係る積載フレームの実施形態を示す。このように、本発明は、物品を積み込むための積載フレームに関する。当該積載フレームは、特に、支えを必要とする物品を積み込むのに適している。当該物品は、例えば、タイヤ、セメントのなどの袋詰めの品物、および他の同様の製品である。一方で、積載フレームは、保護を必要とする物品の積み込みにも適している。一般に、積載フレーム10は、基部11と、基部11の相対する側部に配置された2つの壁部12とを有する。実際には、基部は、載荷スペースに応じた細長い寸法を有する。さらに、壁部は、基部の長辺に配置され、実質的に基部の長さを有する。そして、物品で形成されたスタックは、いずれか一方または両方の壁部によって支えられ、所望の位置に留まる。しかし、積載フレームの端部は開放されている。本発明では、壁部12は柔軟性を有するとともに、壁部12が載荷スペースの側部で支えられる場合に、壁部12と側部との間を移動する、好ましくはスライドすることができるように構成される。これにより積載フレームの構造がシンプルかつ軽量になるため、積み込みが容易になる。同時に、載荷スペースが従来以上に充填される。加えて、積載フレームを新規かつ驚くべき方法で利用することができる。
【0010】
また、壁部は、物品13と積載フレーム10との間を移動することができるように構成することが好ましい。これにより、物品を破損させたり、スタックを揺らしたりすることなく、載荷スペースの外に積載フレームを運び出すことができる。
【0011】
上述のような移動を可能にすることは、様々な方法で実現することができる。本発明では、基部11と壁部12とは、柔軟性を有する滑性プラスチック製である。第1に、基部も壁部も柔軟性を有し、載荷スペースの形状に合わせることができる。第2に、物品は、滑性プラスチックの表面上を、損壊等を生じさせることなくスライドする。同時に、載荷スペースの側部で壁部を支えることができる。このように、実際には、基部が載荷スペースの床部に沿ってスライドするのに伴って、壁部が載荷スペースの側部に沿ってスライドすることができる。
図1Cの実施形態では、基部11および壁部12は、それ自体が一体化した滑性プラスチック片である。最大荷重およびその摩擦は、基部に対して作用する。したがって、
図1Cの実施形態では、基部11の内面は、回転自在なローラ14で覆われている。そして、物品は基部の上を軽快に転がる。
【0012】
図1A~Bでは、壁部12は平行な部材15で形成されており、当該部材15は互いに柔軟に取り付けられる。そして、積載フレームは、載荷スペースの側壁部の形状に適応する。さらに、壁部とその部材とは、基部に柔軟に取り付けられる。これにより、基部を載荷スペースの床部の形状や搬送装置と載荷スペースとの間の高低差に合わせることができるため、壁部の過負荷や変形を回避することができる。必要に応じて、壁部12の内面も回転自在のローラ14で覆うことで、物品と壁部の間の摩擦を無視できる程度にすることができる(
図1A)。通常、積載フレームの内面と外面の摩擦特性はそれぞれの目的に応じて適宜調整される。滑性プラスチックは一体的に構成してもよいし、2枚の薄い滑性プラスチックシートで形成してもよい。多層化による方法では、必要に応じて層の間に補強シートを使用して、物品および載荷スペースの側部との接触を防止することができる。
【0013】
図2Aおよび2Bは、本発明に係る積載フレーム10の内側を回転自在なローラで覆い、タイヤで満杯な状態を示す。ここでは、壁部12の部材15間に存在する可動コネクタ片16によって、部材15が垂直方向に動くことができるとともに、壁部の線を直線状に維持したまま部材間の小さな角度差を許容することができる。壁部12の部材15は基部11に同様に浮いた状態で取り付けられ、上述の動きを可能にしている。接続箇所には、壁部が撓むのを可能にする軸体などを設けてもよい。
図2Aでは、壁部12のすべての部材15が同一平面上に存在する。
図2Bでは、基部11の屈曲によって部材15間に高低差が生じている。これにより、積載フレームを、損壊等を生じさせることなく、基部および載荷スペースの壁部の形状に合わせることができる。
【0014】
本発明に係る積載フレームは、
図3Cに示すシステムに適用される。したがって、システムは、上述した積載フレーム10と、積載フレーム10を取り扱う装置17とを有する。本発明において、装置17は搬送装置18である。当該搬送装置18は、積載フレーム10を物品13と共に載荷スペース19内に移動させるとともに、物品13を載荷スペース19内に残したままの状態で積載フレーム10を載荷スペース19の外に移動させるように構成される。
図3Cでは、物品13で充填された積載フレーム10は、一部がすでに載荷スペース19内にある。
【0015】
図3Aは搬送装置18を示す。当該搬送装置18は、その基本的な構造部分に、出願人が開発したロードマチック(LoadMatic)装置にすることができる。搬送装置18の内部には、積載フレーム10を移動させるための搬送チェーン21が内部に配置された自立フレーム20が設けられている。ここで、互いに隣接して配置された垂直支持体22がフレーム20内に存在し、この上で壁部12の少なくとも上部を支えることができる(
図3B)。その後、積載フレームは、満杯な場合でも、搬送装置上でその形状を維持する。搬送装置18のゲート23に続いて、積載フレーム10およびその壁部12が、載荷スペース19の側部30に支えられる(
図3C)。より一般的には、壁部は、物品および/または載荷スペースの側部で支えられる。この支持は、柔軟性を有する壁部と、壁部の外面の適切な摩擦特性とによって可能になる。そして、壁部は、載荷スペースの側部に沿って移動する。
【0016】
本発明では、基部11および壁部12の長さは、少なくとも積み込みが行われる載荷スペース19の長さである。これにより、載荷スペース全体に一度に積み込みを行うことができるため、積み込みを加速させて、載荷スペースを確実に正確に利用することができる。搬送装置18は、好ましくは、載荷スペース19の外側に、載荷スペース19に連続して配置される。そして、装置が載荷スペースに進入することなく、載荷スペースの後方に積み込みが行われる。
【0017】
図4-
図8は、本発明に係る方法の異なるステージを示す。
図4-
図8の下部は、レイアウトの例と、点Aおよび点Bにおける2つの側面図とを示す。この方法では、上述した積載フレーム10内に物品13を積み込む。そして、物品13を載せた積載フレーム10は、載荷スペース19(
図8)内に移動される。本発明では、壁部12は、柔軟性を有するとともに、搬送中に壁部12が物品13上および/または載荷スペース19の側部30で支えられる場合に、壁部12と載荷スペース19の側部30との間を移動する、好ましくはスライドすることができるように構成される。このように、基部と壁部とが撓み、壁部が側部によって支えられながら移動することで、積み込みが正常に行われる。また、これにより、側部と物品の破損が回避される。特に、ローラを備えない滑性プラスチック製の壁部は、積み込み時に物品自体を保護する。
【0018】
実際には、積載フレーム10は、物品13を載荷スペース19内に残したままの状態で、載荷スペース19の外に運び出される。この運び出しの前に、バッファビーム24は、搬送装置18のゲート23内の物品の前に下ろされる。バッファビーム24とゲート23との間には適当な隙間があるため、バッファビームが下降位置にある場合に積載フレーム10を搬送装置18上に戻すことができる。実際には、積み込みは迅速に行われ、積載フレームは載荷領域内に残って次の積み込みを待つ。言い換えれば、積み込み時に積載フレームによって支えられていた物品のみが載荷スペース内に残る。全体として、載荷スペースへの積み込みには最大30分程度の時間がかかる。
【0019】
積載フレームの積み込みは、例えば、ロボットによって行うことができる。例えば、40フィートのコンテナの場合、積載フレーム内への積み込みの完了には純粋に数時間を要する。このように、本発明に係る方法では、載荷スペースへの積み込みの前に、積載フレーム10は、予め充填されたバッファフレーム25で充填される。バッファフレームは、剛体であっても柔軟性を有してもよいが、その内面を回転自在なローラで覆うことが好ましい。また、積載フレーム自体のように、シンプルな滑性プラスチックを使用することもできる。
【0020】
より具体的には、システムは、バッファフレーム25と、バッファフレーム25から積載フレーム10に物品を移動させるためのバッファバー26とを有する。バッファフレームの寸法は、実質的に積載フレームの寸法に対応する。したがって、バッファバーを使用する場合、バッファフレームは、積載フレームに対してエンドオンされる。
図6は、バッファバー26の作業動作を示す図である。システムは、さらに、搬送装置18の位置に配置された積載フレーム10にバッファフレーム25を移動させるための搬送台車27を有する。実際には、積み込みは以下のようにして行われる。保管庫からの物品、または製造から直接届いた物品で満たされたバッファフレーム25は、搬送装置18に近づけられる。バッファフレーム25は、好ましくは、搬送装置18の直近に配置される。搬送台車27は、シンプルなトラック28を備える。搬送台車は、入ってくるバッファフレームを受けて、当該バッファフレームを搬送装置の隣に移動させ、続いてバッファバーに移動させ、最終的に、再度の充填を行うために、離間した位置に移動させる。
【0021】
図4では、タイヤで満たされた8個のバッファフレーム25が搬送装置18の両側に用意されている。搬送台車27はバッファフレームの上段に位置し、バッファフレームを受ける準備が整っている。
図5では、搬送台車27は、バッファバー26と、積載フレーム10を備えた搬送装置18との間を1つのバッファフレームと共に移動する。
図6では、タイヤの第4のバッファフレームが積載フレーム10内に押し込まれている。これにより、積載フレーム10が満杯になる。より一般的には、積載フレームは、2つ以上のバッファフレームを使用して充填される。積載フレームが一杯になると、載荷スペース19を有する搬送手段29を搬送装置18に移動させることができる。
【0022】
図7のステージでは、実際の載荷スペース19への積み込みが進められている。そして、搬送装置18が載荷スペース19に連結され、物品を載せた積載フレーム10が載荷スペース19内に押し込まれる。搬送装置18では、積載フレーム10の壁部は上述した垂直支持体で支えられるが、載荷スペース19では、壁部は側部30で支えられる。その中間で、搬送台車27を使用して、充填する空のバッファフレームを移動させて、充填したバッファフレームを次の積み込みの準備が整った搬送装置18の隣で受ける。
図8では、搬送装置18が積載フレーム10を載荷スペース19の外に運び出しているが、物品13を載荷スペース19内に残したままである。積載フレームの充填は直ちに開始することができる。複数のシステムを並列に配置することができる。そして、1つの搬送台車を使用して、複数の搬送装置に対する供給を行うことができる。高さが十分であれば、バッファフレームを相互に重ねて搬送装置への移動を待ってもよい。その場合、搬送台車は、スタッキングタイプのものを用いる。搬送台車の軌道は床部の上にあることが好ましいが、天井に支えられた搬送台車を使用することも可能である。その場合問題となるのはホイストであり、どのようなバッファフレームであってもバッファバーに移動させることのできるホイストの一種である。
【0023】
図9は、本発明に係るシステムの変形例を示す。その動作原理は上述のものに対応する。ここでは、バッファフレーム25は、搬送装置18に隣接して4列に配置されている。列は必要に応じて追加することができる。同時に、搬送台車27のトラック28は拡張されている。
【0024】
スライド板の手法と、必要に応じて柔軟なジョイントを利用することで、タイヤ、サック、およびその他支えや保護を必要とする物品を積み込むための柔軟な積載フレームを創出することができる。同時に、システムはシンプルなままで、積み込みは迅速に行われる。さらに、スライド板手法によって実現した基部と壁部とは、積載フレームの占めるスペースを最小限に抑えることができる。このようにして、載荷スペースは可能な限り一杯に積載される。積載フレームは、特に転倒しやすい物品を積み込むのに適しており、物品を側部から支えることで当該物品のスタック形状を維持する。リックラックパターンで積み込みを行う場合、タイヤの配置密度は高くなるが、スタックは転倒しやすくなる。基部および壁部の材質は、好ましくは滑性プラスチックであり、引張や圧縮に対する耐性を備え、適切な摩擦および摩耗特性を有するものである。例えば、タイヤはいかなる種類の摩耗も許さないため、回転自在なローラが基部および側部にほぼ必須である。いずれの場合にも、積載フレームは、物品が広がって載荷スペースの壁部に衝突するのを防止する。このように、積載フレームは、物品を破損から保護するものでもある。
【0025】
適切な柔軟性を有する積載フレームは、搬送装置と載荷スペースとの間の高低差に応じて屈曲して適応する。基部のスライド板は一体化して構成されており、元来より柔軟である。積載フレームの一実施形態では、壁部は、フレキシブルな接続によって基部および相互に取り付けられる部材からなる。
図2Aおよび
図2Bは、可動ジョイントとスライドジョイントを示す。また、各部材は相互に枢動可能である。
【0026】
積載フレームは搬送装置によってハンドリングするため、積載フレームに付随する動力装置は不要である。同時に、搬送装置の本体が、柔軟性を有する積載フレームを支える。さらに、積載フレームの壁部も搬送装置で支えられる。積み込み中、積載フレームは、載荷スペースの側部および/または積み込まれる物品で支えられる。このように、滑性プラスチック壁部の外面は、壁部が載荷スペースの側部によって支えられる場合であっても、積載フレームを移動させることができる。
【0027】
システムの構成は、必要に応じて適応させることができる。また、所望数の搬送装置とバッファフレームとを設定することができ、これらの位置を搬送装置近傍に設定することができる。その場合、積載能力を生産に適応させて実際の保管量を最小限にすることもできる。例えば、生産は連続して行ってもよいし、一日のうちの一部の時間帯のみ積み込みを行ってもよい。しかし、生産番号と発送番号とは日単位で同一のものを使用するため、生産の一部が、発送開始前にどこかに保管される。本発明に係る方法では、搬送装置近傍に配置されるバッファフレームがこのニーズに対応するものである、同時に、物品は、搬送手段の積み込みの時間を最短にすることができるときに、バッファフレームから積載フレームへ、そして載荷スペースへと迅速に移動させることができる。生産が3シフトであるが、積み込みが2シフトのみである場合、1シフト分の生産が本発明に係るシステムにバッファされる。例えば、1日あたり60トラック分の積載量がある場合、1シフト20トラック分の積載量を意味する。残る2シフトの間に40トラック分の積荷が生産され、そして60トラック分の積荷が全て発送される。
【符号の説明】
【0028】
10 積載フレーム
11 基部
12 壁部
13 物品
14 ローラ
15 部材
16 可動コネクタ片
17 装置
18 搬送装置
19 載荷スペース
20 フレーム
21 搬送チェーン
22 垂直支持体
23 ゲート
24 バッファビーム
25 バッファフレーム
26 バッファバー
27 搬送台車
28 トラック
29 搬送手段
30 側部