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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】光照射装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/503 20150101AFI20240201BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20240201BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20240201BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240201BHJP
【FI】
F21V29/503 100
F21V29/508
F21V29/74
F21Y115:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021001496
(22)【出願日】2021-01-07
(65)【公開番号】P2022106475
(43)【公開日】2022-07-20
【審査請求日】2022-12-05
(73)【特許権者】
【識別番号】596099446
【氏名又は名称】シーシーエス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】豊田 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】大原 隆児
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021450(JP,A)
【文献】特開2014-170638(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/503
F21V 29/508
F21V 29/74
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向及び長さ方向を有する配線基板と、該配線基板の表面に、前記長さ方向に沿って一列または複数列で配置された複数のLEDと、該配線基板の裏面に、前記長さ方向に沿って、一列または複数列で配置された複数の周辺素子と、前記LED及び周辺素子を搭載した配線基板を収容する筐体とを備え、前記LEDから射出された光を前記筐体に設けられた光射出面から射出するものであって、
前記筐体の底板内表面には前記長さ方向に延伸する収容溝が形成されており、
該収容溝の幅方向中央部には底の深い深底部が形成されているとともに、該深底部の両側方には深さ一定の底の浅い浅底部が形成されており、
前記配線基板は、その裏面に搭載された前記周辺素子が前記収容溝に嵌まり込むとともに、前記長さ方向から視て、前記収容溝上に架け渡されるように筐体底板の内表面上に固定されており、
前記収容溝には、前記浅底部の深さと厚みが同一又はそれよりも大きい、粘弾性を有する伝熱体が嵌め込まれていることを特徴とする光照射装置。
【請求項2】
前記配線基板は、その表裏面にそれぞれ設けられた配線パターン層と、前記表裏面の配線パターン層同士を接続する厚み方向に貫通するビアとを備え、
該ビアが、長さ方向から視て前記浅底部上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
前記深底部の幅が底に向かうにつれ小さくなるように、該深底部の側面が傾斜していることを特徴とする請求項1又は2記載の光照射装置。
【請求項4】
前記深底部の前記浅底部からの深さ寸法が、前記周辺素子の厚みと同一またはそれよりも小さいことを特徴とする請求項1、2又は3記載の光照射装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、列状に並べたLEDを光源とする光照射装置等に関し、特にワーク(製品)の表面検査やマーク読み取り等に好適に用いられるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の光照射装置は、下記特許文献1の図1等に示すように、長細い発光面を有する筐体と、この筐体内に配置された長尺状のプリント配線基板(以下、単に配線基板ともいう。)と、該配線基板の表面の長手方向に沿って列状に搭載された複数のLEDとを有している。また、LEDの放熱のために、プリント配線基板の裏面と筐体の底板との間には、粘弾性を有する直線帯状の伝熱体がこれらの間に狭圧配置されており、LEDの熱を、前記伝熱体を介して、筐体の底板から放出できるように構成されている。
【0003】
ところで、配線基板の裏面に抵抗素子が配置されている場合がある。この場合には、抵抗素子の体積分だけ、伝熱体は凹まなければならないが、抵抗素子の大きさによっては、その体積分を伝熱体の凹みでは吸収できず、配線基板に無理な力がかかって曲がるといった不具合が生じ得る。
【0004】
そこで、この特許文献1の図6及び段落0037には、筐体底板の内表面を、長手方向に延びる凹部及び凸部が繰り返される形状すなわち横断面で視て底板の表面を波状となるようにするとともに、該凹部が抵抗素子の直下となるように設定して、抵抗素子の直下部分の伝熱体が、底板表面の凹部に倣って予め凹むようにすることによって、抵抗素子の体積をうまく吸収できるようにする旨も記載されている。
【0005】
しかしながら、このような構成では、伝熱体の表面が筐体底板の内表面に倣って凹凸するわけであるから、その分、伝熱体と基板裏面との間に隙間が生じやすくなり、伝熱機能が低下して所望の放熱性能を得ることができない場合がある。
【文献】特開2005-283563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで本発明は、上記課題を解決すべく、裏面に抵抗素子等の周辺素子が搭載された配線基板であっても、LEDあるいは前記周辺素子の放熱を、伝熱体を介して筐体から効率的に行えるようにすべく図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち本発明に係る光照射装置は、幅方向及び長さ方向を有する配線基板と、該配線基板の表面に、前記長さ方向に沿って一列または複数列で配置された複数のLEDと、該配線基板の裏面に、前記長さ方向に沿って、一列または複数列で配置された複数の周辺素子と、前記LED及び周辺素子を搭載した配線基板を収容する筐体とを備え、前記LEDから射出された光を前記筐体に設けられた光射出面から射出するものである。
【0008】
そして、前記筐体の底板内表面には前記長さ方向に延伸する収容溝が形成されており、該収容溝の幅方向中央部には底の深い深底部が形成されているとともに、該深底部の両側方には深さ一定の底の浅い浅底部が形成されており、前記配線基板は、その裏面に搭載された前記周辺素子が前記収容溝に嵌まり込むとともに、長さ方向から視て、前記収容溝上に架け渡されるように筐体底板の内表面上に固定されており、前記収容溝には、前記浅底部の深さと同一又はやや大きい厚みを有する粘弾性を有する伝熱体が嵌め込まれていることを特徴とする。
【0009】
このようなものであれば、前記配線基板の幅方向両側部が、底板内表面における前記収容溝の側方部位にしっかりと固定できるうえ、前記収容溝の両側部には、深さが一定の浅底部が設けられており、この部位において、伝熱体は、その表裏面が凹凸しないので、前記配線基板の裏面と浅底部の底面とに確実に面で密着し、この部位からLEDの熱を効率よく底板に伝えて放出することが可能になる。
【0010】
他方、前記収容溝の中央部には、深底部が形成されているため、前記周辺素子の直下の伝熱体が予めある程度凹み、該周辺素子が配線基板裏面から突出する分の体積を十分吸収できる。したがって、その反力で該配線基板のゆがみや曲がりが引き起され、各LEDの照射方向がばらつくといった事態も防止することができる。
【0011】
浅底部からLEDの熱がより効率的に伝熱体に伝わるようにするには、前記配線基板が、その表裏面にそれぞれ設けられた配線パターン層と、前記表裏面の配線パターン層同士を接続する厚み方向に貫通するビアとを備え、該ビアが、長さ方向から視て前記浅底部上に配置されていることが好ましい。
【0012】
前記収容溝の底面に対する前記伝熱体の密着面をより大きくして伝熱効率を向上させるには、前記深底部の幅が底に向かうにつれ小さくなるように、該深底部の側面が傾斜しているものが好適である。
【0013】
前記深底部の前記浅底部からの深さ寸法が、前記周辺素子の厚みと同一またはそれよりも小さいものであれば、伝熱体は抵抗素子と深底部の底面のいずれにも面で密着するので、抵抗素子で生じた熱をも確実に底板に伝えて、そこから効率よく放出することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、裏面に抵抗素子等の周辺素子が搭載された配線基板であっても、LEDあるいは前記周辺素子の放熱を、伝熱体を介して筐体から効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態における光照射装置を示す全体斜視図である。
図2】同実施形態における光照射装置を幅方向及び長手方向から視た図である。
図3図2におけるA-A線断面図及びその部分拡大図である。
図4】同実施形態における配線基板の表面図である。
図5】同実施形態における配線基板の裏面図である。
図6】同実施形態における配線基板の拡大部分表面図である。
図7】同実施形態における配線基板の拡大部分裏面図である。
図8】本発明の他の実施形態における光照射装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
本実施形態に係る光照射装置100は、例えば検査物(ワーク)の表面の傷等を検査する目的で、該ワークの所定照射領域に直線ライン状または帯状の光を照射する、ライン照明装置やバー照明装置と称されるもので、図1図3等に示すように、長細い直方体状をなす筐体1と、該筐体1内に収容された矩形帯状をなす配線基板2と、該配線基板2に搭載された複数のLED3及び周辺素子4(ここでは抵抗素子4)とを備えている。
以下に各部を詳述する。
【0018】
前記筐体1は、金属押出成形等により設けられた長手方向に延びる底板11及び一対の側板12と、これら底板11及び側板12における長手方向の両端に取り付けられた一対の端面板13とを備えたものである。また、この筐体1において、前記底板11と対向する面には、ライン状の光を射出するための透光板14(又は拡散板)が設けられている。
【0019】
前記底板11及び側板12の外表面には、スロットナットが挿入可能なスロット溝が長手方向に延びるように設けられていて、このスロット溝によって形成される凹凸が放熱構造としても機能するように構成されている。
【0020】
なお、以下では、この筐体1の長手方向と直交し、側板12同士を結ぶ方向を幅方向、前記長手方向と直交し、底板11と透光板14とを結ぶ方向を高さ方向乃至深さ方向という。
【0021】
前記配線基板2は、図3等に示すように、絶縁層21と、該絶縁層21の表裏面にそれぞれ形成された金属薄膜である配線パターン層22a、22bと、該絶縁層21を厚み方向に貫通し、前記表裏面の配線パターン層22a、22b同士を接続するビア23とを備えた長尺矩形状をなすものであり、その長さ方向を筐体1の長手方向、厚み方向を前記筐体1の高さ方向にそれぞれ合致させて前記筐体1内に収容されている。
【0022】
前記表側配線パターン層22aは、図3図4図6に示すように、前記絶縁層21の表面のほぼ全域に設けられており、LED3がはんだ付けされるLED接続パターン層22a1、該配線基板2のプラス端子(図示しない。)に接続されるプラスパターン層22a2及び該配線基板2のマイナス端子(図示しない。)に接続されるマイナスパターン層22a3に分かれている。
【0023】
前記LED接続パターン層22a1は、該配線基板2の幅方向中央部に設定されており、長手方向の両端に略亘って延びている。このLED接続パターン層22a1は、LED3のアノードパッド、カソードパッド、放熱パッドのそれぞれがはんだ付けにより接続されるアノードパターンP1、カソードパターンP2及び放熱パターンP3に分かれている。
【0024】
前記プラスパターン層22a2及びマイナスパターン層22a3は、前記LED接続パターン層22a1の幅方向における両側隣にそれぞれ設けられており、LED接続パターン層22a1同様、該配線基板2の長手方向両端部に略亘って延伸している。
【0025】
前記裏側配線パターン層22bは、図3図5図7に示すように、前記LED接続パターン層22a1の真裏、すなわち、絶縁層21の裏面の幅方向中央部に、長手方向の両端にまで延びるように設けられている。そして、その幅寸法は、LED接続パターン層22a1のそれよりもやや大きく、前記プラスパターン層22a2及びマイナスパターン層22a3の裏側にまで及ぶように設定されている。この裏側配線パターン層22bは、前記LED接続パターン層22a1にビア23を介して接続される裏LED接続パターン層22b1と、前記プラスパターン層22a2及びマイナスパターン層22a3のそれぞれにビア(図示しない。)を介して接続される裏プラスパターン層22b2及び裏マイナスパターン層22b3とに分かれている。なお、前記裏LED接続パターン層22b1は、前記アノードパターンP1、カソードパターンP2及び放熱パターンP3にそれぞれビア23を介して接続される裏アノードパターンQ1、裏カソードパターンQ2及び裏放熱パターンQ3に分かれている。
【0026】
また、この裏側配線パターン層22bの幅方向両側隣は、配線パターン層22bが設けられておらず、前記絶縁層21が表面に露出している絶縁領域22cとなっている。
前記ビア23は、配線基板2を厚み方向に貫通する貫通孔の内面を金属メッキして形成した管状のものであり、ここでは、図3図6図7に示すように、LED搭載部位の両側方に配置されている。なお、図3では、理解の容易のために、ビア23を中実として描画している。
【0027】
前記LED3は、表面実装タイプのものであり、この実施形態では、図4図6に示すように、複数のLED3が前記配線基板2の表面幅方向中央部に等間隔で直線1列となるように搭載されている。より具体的には、前述の通り、各LED3のアノードパッド、カソードパッド及び放熱パッド(図示しない。)が、前記配線基板2のアノードパターンP1、カソードパターンP2及び放熱パターンP3にそれぞれはんだ付けされている。
【0028】
前記抵抗素子4は、チップタイプのものであり、この実施形態では、図5図7に示すように、複数の抵抗素子4が前記配線基板2の幅方向中央部に、直線1列となるように、はんだ付けにより搭載されている。
【0029】
このようにLED3及び抵抗素子4を搭載した配線基板2を、長手方向から視た場合、図3に示すように、配線基板2の幅方向中央部に、LED3及び抵抗素子4が配置されている素子配置エリアA1が設定されており、この素子配置エリアA1の両側に、ビア23が配置されているビア配置エリアA2がそれぞれ設定されているということができる。
【0030】
しかして、この実施形態では、前記配線基板2が、その表面に搭載されたLED3を前記透光板14に向けた姿勢にして、筐体底板11の内表面上にネジ等によって固定されている。なお、図中、配線基板2に付された符号25は、前記ネジを通すためのネジ挿通孔である。
【0031】
次に、この配線基板2を底板11に固定している固定構造について、図3等を参照して詳述する。
【0032】
前記底板11の内表面は、平面視矩形状をなし、その幅および長さは、前記配線基板2の幅及び長さよりもそれぞれやや大きく設定されている。該底板内表面の幅方向中央部には、長手方向に延びる収容溝5が形成してあり、この収容溝5に、等厚矩形状をなし熱伝導性に富む粘弾性を有した伝熱体6が収容されている。
【0033】
そして、前記配線基板2は、長手方向から視て、前記収容溝5上に架け渡されるようにして、底板11の内表面上に固定されており、その状態において、配線基板2の裏面と収容溝5の底面との間で伝熱体6が押圧されて、双方に密着するように構成されている。
より具体的に説明する。
【0034】
この収容溝5の幅は、前記伝熱体6の幅とほぼ同じであるが、前記裏側配線パターン層22bとの比較で言えば、該裏側配線パターン層22bの幅と同じかやや大きくなるように設定されている。そして、裏側配線パターン層22bは、すべてこの収容溝5の開口上に配置されているとともに、この収容溝5の両側方にある底板内表面の平坦面(以下、底板平坦部11aという。)上に、配線基板2の両側部裏面に形成された前記絶縁領域22cのみが当接してねじ止めされている。
この収容溝5の長さは、前記伝熱体6の長さとほぼ同じであり、該底板内表面の長手方向両端にまで及ぶ。
この収容溝5の深さは、幅方向における両側が浅く、中央部が深くなるように設定してある。
【0035】
しかして、該収容溝5における深さの浅い部位である浅底部51は、深さが、前記伝熱体6の厚み寸法と同じかやや小さい一定寸法に設定してある。そして、この浅底部51上に前記ビア配置エリア23が設定されている。
【0036】
他方、該収容溝5における深さの深い深底部52は、長手方向両端部にまで及ぶ溝状をなすもので、その底面は平坦面、その両側面は底に向かって幅寸法が小さくなるように対称に傾斜している。すなわち、横断面でみれば、この深底部52は、左右対称の下向きの台形状をなしている。この深底部52の底面幅は前記抵抗素子4の幅よりも大きく、かつ、その深さ(浅底部51からの深さ)は前記抵抗素子4の高さと同じかやや小さくなるように設定してあり、該抵抗素子4はこの深底部52の底面直上に配置されている。
【0037】
しかして、該配線基板2が底板11上にねじ止めされている状態では、前記伝熱体6の幅方向両側部は、浅底部51に位置し、浅底部51の底面と配線基板2の裏面とに狭圧されてこれらに密着している。他方、この伝熱体6の幅方向中央部は、配線基板2の裏面に搭載された抵抗素子4に押圧されて、凹み、該収容溝5の深底部52の底面に密着する。
【0038】
したがって、LED3で発生した熱は、主として、表側配線パターン層22aに伝わり、そこからビア23を通じてその直下の裏側配線パターン層22bに伝わり、さらに、その直下の浅底部51に位置する伝熱体6を介して底板11に伝わって放出されることになる。
【0039】
その際、浅底部51は深さが一定でそこに等厚の伝熱体6が収容されているため、伝熱体6は、その表面が凹凸することなく配線基板2の裏面と面で密着するとともに、その裏面が浅底部51の底面とも面で密着する。したがって、LED3の熱が効率よく底板11に伝わって、そこから放出することができる。
【0040】
他方、抵抗素子4で生じた熱は、主としてその直下の深底部52に位置する伝熱体6に伝わり、そこから底板11に伝わって放出される。そして、この部位でも、伝熱体6は抵抗素子4と深底部52の底面のいずれにも面で密着するので、抵抗素子4で生じた熱も効率よく底板11に伝わって、そこから放出することができる。
【0041】
また、深底部52により、抵抗素子4の直下の伝熱体6が予めある程度凹んでいて、抵抗素子4が突出する分の体積を十分吸収できるので、例えば、配線基板2が伝熱体6を過剰に押圧して、その反力で該配線基板2のゆがみや曲がりが引き起されるようなことはないし、また、配線基板2によって適正な圧力で伝熱体6が押圧され、放熱に必要な密着度を保つことができるようになる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0042】
例えば、前記実施形態では、LED3が直線状に一列(又は複数列)で配置される光照射装置100を例に挙げたが、図8に示すように、LEDが円弧状又は部分円弧状に一列(又は複数列)で配置されるリング型の光照射装置200(図8に示す。)や部分リング型の光照射装置にも本発明は適用可能である。この場合、配線基板は円環状と又は部分円環状となり、その円周方向が、前記実施形態における長手方向又は長さ方向に相当する。また、その径方向が、前記実施形態における幅方向に相当する。
【0043】
また、本発明は、検査用の光照射装置に限られず、露光用の光照射装置等にも適用可能である。
前記実施形態では、前記収容溝5の側面を傾斜させて、この部分でも伝熱体6がより多くの面積で接触するようにして伝熱効率を高めるようにしていたが、垂直にしても構わない。また、該収容溝5の深底部52の底面は前記実施形態では平坦面であったが、これを長手方向から視て凹面や凹凸面となるようにしてもよい。
【0044】
さらに、前記配線基板2の裏面両側部に絶縁領域22cを設け、これが底板11の内表面と接触しても電気的に接続されないようにしていたが、この絶縁領域22cを設けず、ここに絶縁シートを介在させたり、底板の内表面を絶縁被覆するなどしてもよい。
【0045】
その他、本発明は前記実施形態や変形例に限られるものではなく、それらの各構成を適宜組み合わせるようにするなど、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0046】
100・・・光照射装置
1・・・筐体
14・・・透光板(光射出面)
2・・・配線基板
21・・・絶縁層
22a、22b・・・配線パターン層
23・・・ビア
3・・・LED
4・・・抵抗素子(周辺素子)
5・・・収容溝
52・・・深底部
51・・・浅底部
6・・・伝熱体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8