IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティドの特許一覧 ▶ トヨタ自動車株式会社の特許一覧

特許7429664可変形センサを有するフィンガを含むロボットアーム組立体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】可変形センサを有するフィンガを含むロボットアーム組立体
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B25J15/08 T
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021023369
(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公開番号】P2021137956
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-04-25
(31)【優先権主張番号】62/977,468
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/984,083
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/909,804
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518102470
【氏名又は名称】トヨタ リサーチ インスティテュート,インコーポレイティド
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー アルスパッチ
(72)【発明者】
【氏名】ナビーン スレッシュ クップスワミー
(72)【発明者】
【氏名】アビナーシュ ウッタムチャンダニ
(72)【発明者】
【氏名】サムソン エフ.クリーシー
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル エル.テッドレイク
(72)【発明者】
【氏名】橋本 国松
(72)【発明者】
【氏名】エリック シー.ソベル
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓也
【審査官】岩▲崎▼ 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-221358(JP,A)
【文献】特開2019-059015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体に関連付けられるポーズ及び力を検出するためのロボットアーム組立体であって、
複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記複数のフィンガの各々に備えられた可変形センサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された可変形膜と、
前記可変形膜によって部分的に画定された囲繞体であって、前記囲繞体が媒体で充填されるように構成される、囲繞体と、
前記ハウジング内に配置された内部センサであって、前記内部センサが前記媒体を通過して前記可変形膜の内面へ向かう視界を有する、内部センサと、
を備える可変形センサと、
前記内部センサに通信上結合された1つ又は複数のプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える1つ又は複数のメモリモジュールであって、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記内部センサからの出力を受信させ、前記出力が前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を含み、
前記内部センサからの出力に基づいて前記可変形膜の前記接触領域の変位量を測定させ、
前記可変形膜の前記接触領域の変位量に基づいて前記物体と関連付けられる前記ポーズ及び前記力を測定させる、
メモリモジュールと、
を備え、
前記可変形センサが、前記ハウジングに取外し可能に取り付けられたバブルモジュールを更に備え、前記バブルモジュールが前記囲繞体を画定する前記可変形膜と背板とを含む、ロボットアーム組立体。
【請求項2】
前記エンドエフェクタが開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置のときの前記複数のフィンガ間の距離が、前記エンドエフェクタが前記開放位置のときの前記複数のフィンガ間の距離より小さい、請求項1に記載のロボットアーム組立体。
【請求項3】
前記内部センサが、前記ハウジング内に備えられ、前記内部センサが、前記バブルモジュールの前記背板に対して非平行の向きである、請求項1又は2に記載のロボットアーム組立体。
【請求項4】
前記内部センサが、前記バブルモジュールの前記背板に対して25°~45°の角度を向く、請求項3に記載のロボットアーム組立体。
【請求項5】
前記バブルモジュールの中へ前記媒体を送達するために前記ハウジングを通過して延び前記背板に結合される流体導管を更に備える、請求項1又は2に記載のロボットアーム組立体。
【請求項6】
前記バブルモジュールが、前記背板を取り囲みかつ前記可変形膜を前記背板に固定するように構成されたリングを更に備える、請求項1又は2に記載のロボットアーム組立体。
【請求項7】
前記内部センサが、前記内部センサの前記視界内に配置されかつ前記内部センサによって発せられた光信号を散乱するように構成されたフィルタを更に備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のロボットアーム組立体。
【請求項8】
物体をセンサベースで検出するための方法であって、
複数のフィンガの少なくともいくつかを前記物体に接触させるように前記複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームを作動することであって、前記複数のフィンガの各々が可変形センサを含む、作動することと、
前記可変形センサ内に配置された内部センサを利用することであって、前記内部センサが媒体を通過して前記可変形センサの可変形膜の内面へ向かう視界を有する、利用することと、
前記内部センサからの出力をプロセッサによって受信することであって、前記出力が、前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を含む、受信することと、
前記内部センサからの出力に基づいて前記可変形膜の前記接触領域の変位量をプロセッサによって測定することと、
前記可変形膜の前記接触領域の変位量に基づいて前記物体と関連付けられるポーズ及び力を前記プロセッサによって測定することと、
を含み、
囲繞体を画定する前記可変形センサのバブルモジュールの中へ前記媒体を送達することを更に含み、前記バブルモジュールが、前記可変形膜と背板とを含み、前記バブルモジュールが前記可変形センサのハウジングから取外し可能である、
方法。
【請求項9】
流体導管を通過して前記バブルモジュールの前記囲繞体に前記媒体を充填することを更に含み、前記流体導管が、前記ハウジングを通過して延びて前記背板に結合される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記内部センサが前記背板に対して平行ではないように前記ハウジング内に前記内部センサを位置付けることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記バブルモジュールの前記背板に対して25°~45°の角度で前記内部センサを位置付ける、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記可変形センサの前記囲繞体内の圧力を変化させることによって前記可変形センサの可変形性を修正することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記可変形膜の前記内面に配置されたフィルタ層に与えられたドットパターンの変化を計測することによって前記接触領域を前記プロセッサによって分析することを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
物体に関連付けられるポーズ及び力を検出するためのシステムであって、
複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記複数のフィンガの少なくとも2つに備えられた可変形センサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された可変形膜であって、前記可変形膜が前記ハウジングに面するパターン化内面を有する、可変形膜と、
前記可変形膜によって部分的に画定された囲繞体と、
前記囲繞体を媒体で充填するために前記ハウジングを通過し前記囲繞体の中へ延びる流体導管と、
前記ハウジング内に配置された内部センサであって、前記内部センサが、前記媒体を通過して前記可変形膜の前記パターン化内面へ向かう視界を有し、前記内部センサが、前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を検出するように構成される、内部センサと、
を備える、可変形センサと、
を備え、
前記エンドエフェクタが開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置のときの前記複数のフィンガ間の距離が、前記エンドエフェクタが前記開放位置のときの前記複数のフィンガ間の距離より小さく、
前記可変形センサが、前記ハウジングに取外し可能に取り付けられたバブルモジュールを更に備え、前記バブルモジュールが前記囲繞体を画定する前記可変形膜と背板とを含む、システム。
【請求項15】
前記内部センサに通信上結合された1つ又は複数のプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える1つ又は複数のメモリモジュールであって、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記可変形膜が前記物体に接触した結果として各前記可変形膜内の接触領域を表す各前記内部センサからのデータを受信させ、
前記物体のポーズを測定するために前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜の前記接触領域の変位量を測定させ、
前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜の前記接触領域の前記変位量に基づいて前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜と前記物体との間に加えられた力の量を測定させる、
メモリモジュールと、
を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のメモリモジュールが、前記コンピュータ可読命令を記憶する前記コンピュータ可読媒体を含み、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、前記接触領域を表すデータに基づいて前記物体の面に対して垂直のベクトルを測定させる、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のメモリモジュールが、前記コンピュータ可読命令を記憶する前記コンピュータ可読媒体を含み、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、ベクトルを利用して前記物体が向く方向を測定させる、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年2月17日に提出された「バブルセンサを有するフィンガを含むロボットアーム組立体」に関する同時継続米国仮特許出願第62/977468号及び2020年3月2日に提出された「堅牢な操作及びマニピュランド状態推定のためのバブルセンサグリッパ」に関する同時継続米国仮特許出願第62/984083号(そのそれぞれの全体が参照により本明細書に援用される)に対する優先権を主張する。
【0002】
本明細書において説明する実施形態は、概略的に、接触センサを有するロボットアーム、特に、物体の接触及び形状を検出できる可変形接触及び形状/ポーズセンサをロボットアームのフィンガ上に有するロボットアームに関する。
【背景技術】
【0003】
人間の触覚は、物体を見なくても物体の形状を測定できるようにする。更に、我々の触覚は、物体を適切に握り保持する仕方に関する情報を与える。人間の指は、腕など身体の他の部分より優れた触覚を持つ。これが我々が物体を手で操作する理由である。
【0004】
ロボットは、一般に、特定の仕事を行うように構成されるエンドエフェクタを備える。例えば、ロボットアームのエンドエフェクタは、人間の手又は2本指のグリッパのように構成できる。但し、ロボットは、人間のように変動するレベルの触覚を持たない。エンドエフェクタは、圧力センサなどのセンサを含むことができるが、この種のセンサは、エンドエフェクタと触れている物体に関して限られた情報しか提供しない。したがって、ロボットは、大きすぎる力を使用して標的物体を損傷したり、物体を適切に掴んでいないために物体を落としたりする可能性がある。したがって、いくつかの応用においては、可変形の/従動的なエンドエフェクタが好ましい可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
1つの実施形態において、物体と関連付けられるポーズ及び力を検出するためのロボットアーム組立体は、複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、複数のフィンガの各々に備えられた可変形センサと、を含む。可変形センサは、ハウジングと、ハウジングに結合された可変形膜と、可変形膜によって部分的に形成された囲繞体と、を含む。囲繞体は、媒体を充填するように構成される。可変形センサは、又、ハウジング内に配置された内部センサを含む。内部センサは、媒体を通過して可変形膜の内面へ向かう視界を有する。ロボットアーム組立体は、各内部センサに通信上結合された1つ又は複数のプロセッサと、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える1つ又は複数のメモリモジュールと、を含み、コンピュータ可読命令は、1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、1つ又は複数のプロセッサに、各内部センサからの出力(出力は、物体との接触の結果としての可変形膜の接触領域を含む)を受信させ、各内部センサからの出力に基づいて可変形膜の接触領域の変位量を測定させ、可変形膜の接触領域の変位量に基づいて物体と関連付けられるポーズ及び力を測定させる。
【0006】
別の実施形態において、物体のセンサベースの検出のための方法は、複数のフィンガの少なくともいくつかを物体に接触させるために複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームを作動することを含む。複数のフィンガの各々は可変形センサを含む。媒体を通過し可変形センサの可変形膜の内面へ向かう視界を有する可変形センサ内に配置された内部センサが、使用される。各内部センサに通信上結合されたプロセッサは、内部センサからの出力を受信し、出力は、物体との接触の結果としての可変形膜の接触領域を含む。プロセッサは、各内部センサからの出力に基づいて可変形膜の接触領域の変位量を測定する。プロセッサは、可変形膜の接触領域の変位量に基づいて物体と関連付けられるポーズ及び力を測定する。
【0007】
更に別の実施形態において、物体と関連付けられるポーズ及び力を検出するためのシステムは、複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、複数のフィンガの少なくとも2つに備えられた可変形センサと、を含む。可変形センサは、ハウジングと、ハウジングに結合された可変形膜であって、ハウジングと面するパターン化内面を有する可変形膜と、可変形膜によって部分的に形成された囲繞体と、囲繞体に媒体を充填するためにハウジングを通過して囲繞体の中まで延びる流体導管と、を含む。システムは、又、ハウジング内に配置された内部センサを含む。内部センサは、媒体を通過して可変形膜の内面へ向かう視界を有する。内部センサは、物体との接触の結果としての可変形膜の接触領域を検出するように構成される。エンドエフェクタは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、エンドエフェクタが閉鎖位置のときの複数のフィンガ間の距離は、エンドエフェクタが開放位置のときの複数のフィンガ間の距離より小さい。
【0008】
本明細書において説明する実施形態のこれらの及び付加的な特徴は、添付図面と一緒に下記の詳細な説明を読むことによってより良く理解できる。
【0009】
図面に示す実施形態は、例示的かつ代表的なものであり、請求項によって規定される内容を限定することを意図しない。例示的実施形態の下記の詳細な説明は、図面と一緒に読むと理解できる。図面において同様の構造体は、同様の参照番号で示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアーム例及び各フィンガ上の可変形センサ例の概略図である。
図2A】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、標的物体を掴んでいないときのエンドエフェクタの概略的拡大図である。
図2B】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、標的物体を掴んでいるときのエンドエフェクタの概略的拡大図である。
図3】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、図1のロボットアームの可変形センサ例の概略的断面図である。
図4】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った図3の可変形センサ例の概略的上面斜視図である。
図5】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、様々なプロセス及びシステムを実現するために図1のロボットアーム例において利用されるハードウェアのブロック図である。
図6】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアーム例及び各フィンガ上の可変形センサ例の概略図である。
図7】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った図6のロボットアームの可変形センサ例の概略的断面図である。
図8A】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、図7の可変形センサ例のバブルモジュールの概略的後部斜視図である。
図8B】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、図8Aのバブルセンサの概略的分解図である。
図9】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、可変形センサの可変形膜に結合されたフィルタ層の概略図である。
図10】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、可変形センサの視界内のフィルタの概略図である。
図11A】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、可変形センサの可変形膜の内面上の格子パターンの概略図である。
図11B】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、可変形センサの可変形膜の内面のドットパターンの概略図である。
図12】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った電子ディスプレイ上の可変形センサの出力を表す画像の概略図である。
図13】本明細書において説明し例証する1つ又は複数の実施形態に従った、可変形センサと接触している物体と関連付けられるポーズ及び力を測定するためのプロセス例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本形態の実施形態は、複数のフィンガを含むロボットアームに関するものであり、各フィンガは、標的物体との接触を検出しかつ標的物体の形状、ポーズ及び接触力を検出する、少なくとも1つの可変形/従動的接触及び/又は形状センサ(以後「可変形センサ」と呼ぶ)を含む。特に、本明細書において説明する可変形センサは、物体との接触による可変形膜の変位を検出できるセンサを維持するハウジングに結合された可変形膜を含む。したがって、本明細書において説明する可変形センサは、物体を操作するときロボット(又はその他の機器)に触覚を与える。
【0012】
次に、図1、2A及び2Bは、標的物体150を操作するためのエンドエフェクタ110を有するロボットアーム例100を示す。ロボットアーム100は、例えば、ピンピック用などピックアンドドロップ用に特に使用できる。但し、ロボットアーム100はこの用途に限定されず、本開示の範囲から逸脱することなく他の目的のために使用できることが分かるはずである。いくつかの実施形態において、ロボットアーム100は、医療、製造業、自動車修理業及び/又はこれに類似するものにおいて使用できる。
【0013】
ロボットアーム100は、概略的に、1つ又は複数のジョイント108a、108b、108cを介して1つ又は複数のアーム区分(例えば、第1アーム区分104及び/又は第2アーム区分106)に結合されたベース102を含み、それによって、ロボットアーム100に広い運動範囲を与える。ピックアンドドロップ用のロボットアームは概略的に理解されたので、次に、図1、2A及び2Bのロボットアーム100について更に詳しく説明する。
【0014】
いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ110は、第1フィンガ112及び第2フィンガ118など2つまたはそれ以上のフィンガを含むことができる。第1フィンガ及び第2フィンガは、カップリング部材109を介してジョイント108cに取り付けられる。本明細書において例証するロボットアーム100は2つのフィンガを示すが、本開示はこれに限定されない。即ち、エンドエフェクタ110は、本開示の範囲から逸脱することなく、3つのフィンガ、4つのフィンガ又はそれ以上のフィンガを持つことができる。いくつかの実施形態において、エンドエフェクタ110は、5つのフィンガを含み、人間の手の指と同様の外観を与えるように形成できる。2つまたはそれ以上のフィンガ112、118は、標的物体150を拾い上げるためにエンドエフェクタ110を開閉するために相互に対して移動可能とすることができる。例えば、2つ又はそれ以上のフィンガ112、118は、標的物体150が2つまたはそれ以上のフィンガ112、118によって保持されない開放位置(図2A)と、標的物体150が2つまたはそれ以上のフィンガ112、118によって保持される閉鎖位置(図2B)との間でコントローラによって移動可能とすることができる。2つ又はそれ以上のフィンガ112、118はカップリング部材109に対して並進または回動することによって、開放位置と閉鎖位置との間で移動できる。エンドエフェクタ110が2つ超えのフィンガを含む場合、各フィンガ112、118が標的物体150を掴むように作動する必要は必ずしもない。その代わりに、フィンガ112、118のサブセットが例えばフィンガ112、118のうち2つが標的物体150を挟むために作動するだけでよい。
【0015】
第1フィンガ112及び第2フィンガ118は、各々、可変形センサ200を含む。各可変形センサ200は、概略的に、ハウジング210と可変形膜220とを含む。本明細書において更に詳しく説明するように、可変形膜220は、標的物体150と接触すると、第1フィンガ112及び/又は第2フィンガ118が閉鎖位置へ向かって移動するので、変形する。本明細書において使用する場合、可変形性は、例えば、可変形センサの変形し易さを意味する。可変形性は、又、標的物体に接触したとき可変形膜がいかに変形し易いかを意味する。可変形センサは、ロボットアーム100などのロボットのエンドエフェクタに備えられる高密度触覚センサによる高い空間分解能を持ち、それによって人間の指のような細密な触覚をロボットに与えることができる。可変形センサは、又、センサへ向かう又はこれから離れる移動を計測するための深さ分解能を持つこともできる。
【0016】
図2A及び2Bは、エンドエフェクタ110の2つまたはそれ以上のフィンガ112、118に関して更に詳細に示す。例えば、第1フィンガ112は、近位端部141と遠位端部142とを含むことができる。グリップ機構113は、第1フィンガ112をエンドエフェクタ110に対して回動させて、エンドエフェクタ110が閉鎖位置に置かれたとき(図2B)遠位端部142を第2フィンガ118へ向かって内向きに移動させ、エンドエフェクタ110が開放位置に置かれたとき(図2A)第2フィンガ118から離れて外向きに移動させる。更に、第2フィンガ118は、近位端部143と遠位端部144とを含むことができる。グリップ機構119は、第2フィンガ118をエンドエフェクタ110に対して回動させて、エンドエフェクタ110が閉鎖位置(図2B)に置かれたとき遠位端部144を第1フィンガ112へ向かって内向きに移動させ、エンドエフェクタ110が開放位置(図2A)に置かれたとき第1フィンガ112から離れて外向きに移動させる。
【0017】
図2Aを見ると、第1フィンガ112及び第2フィンガ118の各々は、外側面部材114と内側面部材116とを持つことができる。第1フィンガ112及び第2フィンガ118の外側面部材114は、概略的に外向きとすることができる(例えば、第1フィンガ112の外側面部材114は、第2フィンガ118の逆を向き、第2フィンガ118の外側面部材114は、第1フィンガ112の逆を向く)。第1フィンガ112及び第2フィンガ118の内側面部材116は、概略的に内向きとすることができる(例えば、第1フィンガ112の内側面部材116は、第2フィンガ118に面し、第2フィンガ118の内側面部材116は、第1フィンガ112に面する)。
【0018】
可変形センサ200の可変形膜220は、内向きである(例えば、第1フィンガ112上の可変形センサ200の可変形膜220は、第2フィンガ118に面し、第2フィンガ118上の可変形センサ200の可変形膜220は、第1フィンガ112に面する)。いくつかの実施形態において、図示するように、第1フィンガ112上の可変形センサ200のハウジング210は、少なくとも部分的に第1フィンガ112内の内側面部材116と外側面部材114との間に収容できる。但し、第1フィンガ112上の可変形センサ200の可変形膜220は、可変形膜220が標的物体150と接触できるように、内側面部材116を越えて又はこれを通過して延びる。又は、いくつかの実施形態において、第1フィンガ112上の可変形センサ200のハウジング210は、可変形センサ200の全体が第1フィンガ112の外部に位置付けられるように内側面部材116に備えうる。
【0019】
同様に、いくつかの実施形態において、第2フィンガ118上の可変形センサ200のハウジング210は、少なくとも部分的に第2フィンガ118内の内側面部材116と外側面部材114との間に収容できる。但し、第2フィンガ118上の可変形センサ200の可変形膜220は、可変形膜220が標的物体150と接触できるように、内側面部材116を越えて又はこれを通過して延びる。又は、第2フィンガ118上の可変形センサ200のハウジング210は、可変形センサ200が第2フィンガ118の外部に位置付けられるように内側面部材116に備えうる。
【0020】
各可変形センサ200の可変形膜220の可変形性は、第1フィンガ112のグリップ機構113及び第2フィンガ118のグリップ機構119と一緒に、エンドエフェクタ110が図2Bに示すように標的物体150を掴んだとき第1フィンガ112及び第2フィンガ118が標的物体150の周りで形を合わせられるようにする。このグリップの結果として、可変形膜220の各々の1点又は複数点が標的物体150に接触し、その結果、標的物体150の形状及び/又はポーズに応じて可変形膜220に固有の変形を生じる。標的物体150が円形ではない(例えば不規則形状を持つ)実施形態において、可変形膜220と標的物体150との間の接点は、第1フィンガ112の可変形膜220に第2フィンガ118の可変形膜220とは異なる変形を持たせる可能性がある。第1フィンガ112と第2フィンガ118が相互に寄って標的物体150の周りで閉鎖位置になるとき、標的物体150の形状に関係なく、第1フィンガ112及び第2フィンガ118の各々の可変形膜220の可変形性は、可変形センサを含まないロボットエンドエフェクタと異なり、標的物体150を確実に掴んだまま標的物体150を所定の場所によりうまく保持するように、概略的に、第1フィンガ112及び第2フィンガ118が標的物体150の形状に形を合わせられるようにする。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1フィンガ112及び第2フィンガ118は、協働して第1フィンガ112及び第2フィンガ118の各々によって提供されたデータに基づいて標的物体150を操作する。例えば、第1フィンガ112及び第2フィンガ118は、各々、標的物体150に対するそれぞれのフィンガの接触力データを含めてデータをコンピュータ計算機器へ送信できる。コンピュータ計算機器は、標的物体150の取り扱いを誤らないために、フィンガ112、118の各々によって標的物体150へ加えられる力が等しく又は実質的に等しくなるように、第1フィンガ112及び/又は第2フィンガ118を作動することができる。例えば、標的物体150に対する第1フィンガ112の接触力が標的物体150に対する第2フィンガ118の接触力より著しく大きい場合、標的物体150は、ひっくり返るか、又は偶発的に押される可能性がある。更に、第2フィンガ118が標的物体150に接触する前に第1フィンガ112が標的物体150に接触した場合も、標的物体150は押される可能性がある。したがって、コンピュータ計算機器は、標的物体150が適切に取り扱われるように、第1フィンガ112及び第2フィンガ118のいずれか又は両方の作動を制限できる。
【0022】
第1フィンガ112及び第2フィンガ118などの各フィンガは、各々、単一の可変形センサ200ではなく内側面部材116に沿って又はこれを通過して延びる複数の可変形センサ200を含むことができることが分かるはずである。各フィンガ112、118上に複数の可変形センサ200を備えさせることによって、標的物体150に沿ってより多くの変形を識別でき、標的物体150の形状及び/又はポーズのより正確な測定を可能にする。
【0023】
図3及び4は、可変形センサ200の概略図である。図3は、可変形センサ200の断面図であり、図4は、可変形センサ200の上面斜視図である。可変形センサ200は概略的に、ハウジング210と、ハウジング210の上部211などにおいてハウジング210に結合された可変形膜220と、を備える。いくつかの実施形態において、ハウジング210は3Dプリントされる。ハウジング210及び可変形膜220は、囲繞体213を形成し、その中に1つ又は複数の流体導管212を介して媒体が充填される。流体導管212は、弁又はその他の適切な機構とすることができる。流体導管212は、囲繞体213を充填する又は空にするために利用できる。1つの実施例において、媒体は、空気などの気体である。したがって、空気は図3に示すように可変形膜220がドーム形を形成するように所望の圧力まで囲繞体213の中へ送入できるが、他の実施形態においては任意の適切な形状を利用できる。別の実施例において、媒体はシリコン又はその他のゴム様物質などのゲルである。いくつかの実施形態において、可変形センサ200の組立て前に、固体シリコンなどの物質を所与の形状に成形できる。様々な実施形態において、媒体は、飛行時間型センサの波長に対してなど、下で詳しく論じる内部センサに対して透明であればなんでも良い。媒体は、いくつかの実施形態において透明なラバーを含むことができる。他の実施形態において、媒体は液体とすることができる。いくつかの実施例において、可変形膜220及び囲繞体213の中の媒体は、シリコンなど(但し、これに限定されない)同じ材料で製造できる。いくつかの実施形態において、可変形センサ200は、取付け可能とすることができる。例えば、囲繞体213は、本明細書において説明する第1フィンガ112及び第2フィンガ118など適切な物体に取り付けされるブラケットを含むことができる。可変形膜220は、ラテックス又は適切な非多孔性ラバー様材料など他の適切な材料とすることができる。いくつかの実施形態において、可変形膜220は、0.04mmの厚みのラテックスシートからレーザーカットされる。
【0024】
可変形センサ200の可変形性は、可変形膜220の材料及び/又は囲繞体213内の圧力を変えることによって調節/修正できる。より軟らかい材料(例えば軟質シリコン)を使用することによって、可変形センサ200は、より容易に変形できる。同様に、囲繞体213内の圧力を低くすることによっても、可変形膜220がより容易に変形できるようにし、より変形し易いセンサ200とすることができる。いくつかの実施形態において、可変形膜220は、20mm~75mmの高さまで及び0.20psi~0.30psiの圧力まで膨張する。いくつかの実施形態において、可変形センサ200は、可変的な空間分解能及び/又は深さ分解能によって可変的な触感を持つことを特徴とする。本明細書において使用される場合、空間分解能は、例えば、どれほどのピクセルを可変形センサが持つかを表す。ピクセルの数は、1(例えば、標的物体との接触を検出するだけのセンサ)~数千又は数百万(例えば、数千ピクセルを有する飛行時間型センサによって与えられる高密度触覚センサ)ピクセル又は任意の適切な数とすることができる。
【0025】
深さを感知できる内部センサ230を、囲繞体213内に配置できる。内部センサ230は、媒体を通過して可変形膜220の内面へ向かう視界232を持つことができる。いくつかの実施形態において、内部センサ230の視界232は、62°x45°+/‐10%とすることができる。いくつかの実施形態において、内部センサ230は、光学センサとすることができる。下で更に詳しく説明するように、内部センサ230は、可変形膜220が標的物体150と接触したとき可変形膜220の歪みを検出できる。1つの実施例において、内部センサ230は、深さを計測できる飛行時間型センサである。飛行時間型センサは、光学信号(例えば赤外線信号)を発して、反射信号がセンサへ戻るために掛かる時間を検出する個別のディテクタ(即ち「ピクセル」)を有する。飛行時間型センサは、任意の所望の空間分解能を持つことができる。ピクセル数が多ければ、空間分解能がそれだけ大きくなる。内部センサ230内に配置されたセンサの空間分解能は、変えることができる。いくつかの事例において、より低い空間分解能(例えば、1点の変位を検出する1ピクセル)が好ましい場合がある。他の事例において、高密度触覚感度を与える高空間分解能内部センサ230などの高感度飛行時間型センサが使用される。したがって、内部センサ230は、用途に応じてセンサを変更できるので、モジュール式とすることができる。
【0026】
飛行時間型センサの非限定的例として、PMD Technologies AG(ドイツ、ジーゲン)社販売のPico Flexxがある。他のタイプの視覚的内部センサは、非限定的例として、ステレオカメラ、レーザー距離センサ、立体照明センサ/3Dスキャナ、単一カメラ(ドット又はその他のパターンを内部に持つ)又はその他の任意のタイプの視覚的ディテクタを含む。例えば、内部センサ230は、標的物体150による可変形膜220の歪みを検出できるステレオカメラとして構成できる。
【0027】
任意の適切な数量及び/又はタイプの内部センサ230を、いくつかの実施形態において単一の可変形センサ200に利用できる。いくつかの実施例において、可変形センサ200内の全ての内部センサ230が同じタイプである必要はない。様々な実施形態において、1つの可変形センサ200は、高空間分解能を持つ単一の内部センサ230を利用でき、別の可変形センサ200は、各々が低空間分解能を持つ複数の内部センサ230を使用できる。いくつかの実施形態において、可変形センサ200の空間分解能は、内部センサ230の数量が増大することによって増大できる。いくつかの実施例において、可変形センサ200内の内部センサ230の数の減少は、残りの内部センサ230の少なくともいくつかの空間分解能をこれに対応して上げることによって補正できる。総計の変形分解能は、ロボットアーム100の一部分において可変形センサ200の間で変形分解能又は深さ分解の関数として計測できる。いくつかの実施形態において、総計変形分解能は、ロボットアーム100の一部分における可変形センサ200の数量及びこの部分における各可変形センサ200から得られる変形分解能に基づく。
【0028】
再び図3を見ると、パワー導管214を利用して、囲繞体213において、USB又はその他の適切なタイプの電力及び/又は信号/データ接続などのためにケーブルによって内部センサ230などに電力及び/又はデータ/信号を与えることができる。本明細書において使用される場合、気密導管は、空気又はその他の流体(液体など)などが通過できない任意のタイプの通路を含むことができる。この実施例において、気密導管は、固体(ワイヤ/ケーブルなど)が通過するための通路を提供し、気密導管の両端においてワイヤ/ケーブルの周りに形成された気密シール(Oリングなど)を持つ。他の実施形態は、データ及び/又は電力を送る及び/又は受けるために無線内部センサ230を利用する。シリコンなど、媒体が気体ではない様々な実施形態において、囲繞体213及び/又はパワー導管214は、必ずしも気密でなくてよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、内部センサ230は、媒体を通して可変形膜220の全体的変形を検出するために利用される1つ又は複数の内部圧力センサ(バロメータ、圧力センサなど又はこれらの任意の組合せ)を含むことができる。いくつかの実施形態において、可変形センサ200及び/又は内部センサ230は、上記のパワー導管214、無電データ送信(WiFi、Bluetooth(登録商標)など)又はその他の適切なデータ通信プロトコルなどを介して、各種のデータを送受信できる。例えば、可変形センサ200の中の圧力は、与圧パラメータによって指定でき、可変形センサ200の可変形性と逆比例できる。いくつかの実施形態において、可変形センサ200の可変形性は、囲繞体213内の圧力又は可変形膜220の材料を変えることによって修正できる。いくつかの実施形態において、更新されたパラメータ値の受取りは、リアルタイム又は遅延更新(与圧など)を生じる。
【0030】
次に、図5は、ロボットアーム100の1つの非限定的実施形態の構成要素例の概略図である。ロボットアーム100は、通信パス328と、プロセッサ330と、メモリモジュール332と、慣性計測ユニット336と、入力機器338と、カメラ344と、ネットワークインターフェイスハードウェア346と、発光体352と、近接センサ354と、バッテリ360と、充電ポート362と、を含む。ロボットアーム100の構成要素は、ロボットアーム内に内蔵されるか又はロボットアーム100に取り付けることができる。ロボットアーム100の各種構成要素及びその相互作用を下で説明する。
【0031】
更に図5を見ると、通信パス328は、導線、伝導性トレース、光導波路又はこれに類似するものなど、信号を送信できる任意の媒体から形成される。更に、通信パス328は、信号を送信できる媒体の組合せから形成できる。1つの実施形態において、通信パス328は、協働して電気データ信号をプロセッサ、メモリ、センサ、入力機器、出力機器及び通信機器などの構成要素へ送れるようにする伝導性トレース、導線、コネクタ及びバスの結合体を備える。したがって、通信パス328は、バスを備えることができる。更に、「信号」は、DC、AC、正弦波、三角波、方形波、振動及びこれに類似するものなど、媒体を通過できる波形(例えば、電気、光、磁気、機械的又は電磁気)を意味する。通信パス328は、ロボットアーム100の各種構成要素を通信上結合する。本明細書において使用する場合、「通信上結合する」は、結合された構成要素が、導電性媒体を介して電気信号、空気を介して電磁信号、光導波路を介して光信号など、相互にデータ信号を交換できることを意味する。
【0032】
ロボットアーム100のプロセッサ330は、コンピュータ可読命令を実行できる任意の機器とすることができる。したがって、プロセッサ330は、コントローラ、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ又はその他のコンピュータ計算機器とすることができる。プロセッサ330は、通信パス328によってロボットアーム100の他の構成要素と通信上結合できる。したがって、様々な実施形態において、プロセッサ330が1つ又は複数の可変形センサ200からデータを受信できるようにする。他の実施形態において、プロセッサ330は、ロボットアーム100上の1つ又は複数の可変形センサ200の一部である1つ又は複数の内部センサ230からデータを直接受信できる。したがって、通信パス328は、任意の数のプロセッサを相互に通信上結合でき、通信パス328に結合された構成要素が分散処理環境で作動できるようにする。具体的には、構成要素の各々は、データを送受できるノードとして作動できる。図5に示す実施形態はプロセッサ330を1つしか含まないが、他の実施形態は、複数のプロセッサを含むことができる。
【0033】
更に図5を見ると、ロボットアーム100のメモリモジュール332は、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。メモリモジュール332は、例えば、可変形センサ200を変形させた標的物体150の形状を検出するための命令を含むことができる。この実施例において、メモリモジュール332の中に記憶された命令は、プロセッサ330によって実行されたとき、観察された可変形センサ200の変形に基づいて標的物体150の形状を測定できる。メモリモジュール332は、コンピュータ可読命令がプロセッサ330によってアクセスされ実行できるように、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ又はコンピュータ可読命令を記憶できるその他の任意の非一時的メモリ機器を含むことができる。コンピュータ可読命令は、例えば、プロセッサによって直接実行できるマシン言語、又はコンピュータ可読命令にコンパイル又はアセンブルしてメモリモジュール332において記憶できるアセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコードなど、任意の世代(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL又は5GL)のプログラミング言語で書かれたロジック又はアルゴリズムを含むことができる。又は、コンピュータ可読命令は、プログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成又は特定用途向け集積回路(ASIC)又はその同等物を介して実現できるロジックなど、ハードウェア記述言語(HDL)で書くことができる。したがって、本明細書において説明する機能性は、事前プログラムハードウェア要素として又はハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの組合せとして、従来のコンピュータプログラミング言語で実現できる。図5に示す実施形態はメモリモジュール332を1つしか含まないが、他の実施形態は、複数のメモリモジュールを含むことができる。
【0034】
慣性計測ユニット336が備えられる場合、通信パス328に結合されて、プロセッサ330と通信上結合される。慣性計測ユニット336は、1つ又は複数の加速度計及び1つ又は複数のジャイロスコープを含むことができる。慣性計測ユニット336は、ロボットアーム100の感知された物理的移動をロボットアーム100の向き、回転、速度又は加速を表す信号に変換する。ロボットアーム100の作動は、ロボットアーム100の向き(たとえば、ロボットアーム100が平行、傾斜又はこれに類似する状態であるか否か)に依存する場合がある。ロボットアーム100のいくつかの実施形態は、加速度計を含むがジャイロスコープを含まない実施形態、ジャイロスコープを含むが加速度計を含まない実施形態又は加速度計もジャイロスコープも含まない実施形態など、慣性計測ユニット336を含まなくてもよい。
【0035】
1つ又は複数の入力機器338は、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。入力機器338は、ボタン、スイッチ、ノブ、マイクロフォン又はこれに類似するものなどユーザーコンタクトを通信パス328越しに送信できるデータ信号へ変換できる任意の機器とすることができる。様々な実施形態において、入力機器338は、本明細書において説明するように可変形センサ200とすることができる。いくつかの実施形態において、入力機器338は、電源ボタン、ボリュームボタン、起動ボタン、スクロールボタン又はこれに類似するものを含む。1つ又は複数の入力機器338は、メニューをナビゲートする、選択を行う、優先順を設定する及び本明細書において説明するその他の機能性のためなどに使用者がロボットアーム100と対話するために与えられる。いくつかの実施形態において、入力機器338は、圧力センサ、触覚領域、圧力ストリップ又はこれと類似するものを含む。いくつかの実施形態は入力機器338を含まなくても良いことが分かるはずである。下で更に詳しく説明するように、ロボットアーム100の実施形態は、ロボットアーム100の任意の面に配置された複数の入力機器を含むことができる。いくつかの実施形態において、入力機器338の1つ又はそれ以上は、ロボットアーム100をアンロックするための指紋センサとして構成される。例えば、登録された指紋を持つ使用者のみがロボットアーム100をアンロックして使用できる。
【0036】
カメラ344は、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。カメラ344は、紫外線波長帯域、可視光波長帯域又は赤外線波長帯域における放射を検出できる感知素子(例えば、ピクセル)のアレイを有する任意の機器とすることができる。カメラ344は、任意の分解能を持つことができる。カメラ344は、全方向性カメラ又はパノラマカメラとすることができる。いくつかの実施形態において、ミラー、魚眼レンズ又はその他のタイプのレンズなどの1つ又は複数の光学構成要素を、光学的にカメラ344に結合できる。下で更に詳しく説明するように、カメラ344は、画像データを捕捉するために持ち上げるように作動できる画像化組立体322の構成要素である。
【0037】
ネットワークインターフェイスハードウェア346は、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。ネットワークインターフェイスハードウェア346は、ネットワーク370を介してデータを送信及び/又は受信できる任意の機器とすることができる。したがって、ネットワークインターフェイスハードウェア346は、任意の有線又は無線通信を送信及び/又は受信するための通信トランシーバとして構成された無線通信モジュールを含むことができる。例えば、ネットワークインターフェイスハードウェア346は、アンテナ、モデム、LANポート、WiFiカード、WiMaxカード、移動通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、衛星通信ハードウェア及び/又は他のネットワーク及び/又は機器と通信するための任意の有線又は無線ハードウェアを含むことができる。1つの実施形態において、ネットワークインターフェイスハードウェア346は、Bluetooth(登録商標)無線通信プロトコルに従って作動するように構成されたハードウェアを含む。別の実施形態において、ネットワークインターフェイスハードウェア346は、ポータブル電子機器380へ/からBluetooth(登録商標)通信を送受するためにBluetooth(登録商標)送信/受信モジュールを含むことができる。ネットワークインターネットハードウェア346は、RFIDタグに応答指令する又はこれを読み取るように構成された無線認証(RFID)リーダーを含むこともできる。
【0038】
いくつかの実施形態において、ロボットアーム100は、ネットワーク370を介してポータブル電子機器380に通信上結合できる。いくつかの実施形態において、ネットワーク370は、Bluetooth(登録商標)テクノロジーを利用してロボットアーム100とポータブル電子機器380を通信上結合するパーソナルエリアネットワークである。他の実施形態において、ネットワーク370は、1つ又は複数のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク又はワイドエリアネットワーク)、セルラーネットワーク、サテライトネットワーク及び/又はグローバルポジショニングシステム及びこれらの組合せを含むことができる。したがって、ロボットアーム100は、ワイヤ、ワイドエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、パーソナルエリアネットワーク、セルラーネットワーク、サテライトネットワーク又はこれに類似するものを介して、ネットワーク370に通信上結合できる。適切なローカルエリアネットワークは、有線イーサネット(登録商標)及び/又は例えば無線フィデリティ(WiFi)などの無線テクノロジーを含む。適切なパーソナルエリアネットワークは、Irda、Bluetooth(登録商標)、無線USB、Z-Wave、ZigBee及びその他の近距離通信プロトコルなどの無線テクノロジーを含むことができる。適切なパーソナルエリアネットワークは、同様に、例えば、USB及びFireWireなどの有線コンピュータバスを含むことができる。適切なセルラーネットワークは、LTE、WiMAX、UMITS、CDMA及びGSM(登録商標)などのテクノロジーを含むが、これらに限定されない。
【0039】
上述のように、ネットワーク370を使用して、ロボットアーム100をポータブル電子機器380と通信上結合できる。ポータブル電子機器380は、移動電話、スマートフォン、携帯情報端末、カメラ、専用移動媒体プレーヤ、移動パソコン、ラップトップコンピュータ及び/又はロボットアーム100と通信上結合できる他の任意のポータブル電子機器を含むことができる。ポータブル電子機器380は、1つ又は複数のプロセッサ及び1つ又は複数のメモリを含むことができる。1つ又は複数のプロセッサは、ロボットアーム100と通信するためにロジックを実行できる。ポータブル電子機器380は、ロボットアーム100と通信するために有線及び/又は無線通信機能を持つように構成できる。いくつかの実施形態において、ポータブル電子機器380は、本明細書において説明する機能性がロボットアーム100とポータブル電子機器380との間で分散される実施形態などにおいて、本明細書において説明する機能性の1つ又は複数の要素を実施できる。
【0040】
発光体352が備えられる場合、発光体は、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。発光体352は、発光ダイオード、白熱灯、蛍光灯又はこれに類似するものなど(但し、これに限定されない)の光を出力できる任意の機器とすることができる。いくつかの実施形態は、ロボットアーム100の電源がオンになったとき点灯する電源指示光を含む。いくつかの実施形態は、ロボットアーム100が活動するとき又はデータを処理しているとき点灯する活動指示灯を含む。いくつかの実施形態は、ロボットアーム100が配置される環境を照明するための照明灯を含む。いくつかの実施形態は、発光体352を含まなくてもよい。
【0041】
近接センサ354が備えられる場合、近接センサは、通信パス328に結合され、プロセッサ330に通信上結合される。近接センサ354は、別の物体へのロボットアーム100の近接を表す近接信号を出力できる任意の機器とすることができる。いくつかの実施形態において、近接センサ354は、レーザースキャナ、容量性変位センサ、ドップラ効果センサ、渦電流センサ、超音波センサ、磁気センサ、内部センサ、レーダーセンサ、LiDARセンサ、ソナーセンサー又はこれに類似するものを含むことができる。いくつかの実施形態は、例えば物体へのロボットアーム100の近接が他のセンサ(例えば、カメラ344など)によって与えられる入力から測定される実施形態又は物体へのロボットアーム100の近接を測定しない実施形態などは、近接センサ354を含まなくても良い。
【0042】
ロボットアーム100は、バッテリ360によって電力を供給できる。バッテリはロボットアーム100の各種電気構成要素に電気的に結合される。バッテリ360は、ロボットアーム100が後に使用するために電気エネルギーを貯蔵できる任意の機器とすることができる。いくつかの実施形態において、バッテリ360は、リチウムイオンバッテリ又はニッケルカドミウムバッテリなどの充電式バッテリである。バッテリ360が充電式バッテリである実施形態において、ロボットアーム100は、バッテリ360を充電するために使用できる充電ポート362を含むことができる。いくつかの実施形態、例えば、ロボットアーム100が電力供給網、ソーラーエネルギー又は環境から得られるエネルギによって電力を供給される実施形態は、バッテリ360を含まなくてもよい。いくつかの実施形態、例えば装置が電力のために使い捨てバッテリを利用する実施形態は、充電ポート362を含まなくてよい。
【0043】
次に、図6は、別のロボットアーム400例を示す。ロボットアーム400は、概略的に、1つ又は複数のジョイント408a、408b、408cを介して第1アーム区分404及び第2アーム区分406など1つ又は複数のアーム区分に結合されたベース402と、標的物体450を操作するための第1フィンガ412と第2フィンガ418とを含むエンドエフェクタ410と、含むことができる。ロボットアーム400のエンドエフェクタ410の第1フィンガ412及び第2フィンガ418は、各々、可変形センサ500を含む。可変形センサ500は、フィンガ112、118の側面部材114、116の間に備えられるのではなく、カップリング部材409に直接接続または結合できる。
【0044】
第1フィンガ412は、近位端部441と遠位端部442とを含むことができる。いくつかの実施形態において、グリップ機構413は、第1フィンガ412をエンドエフェクタ410に対して回動させて、エンドエフェクタ410が開放位置へ向かって移動するとき遠位端部442を第2フィンガ418から離れて矢印B1の方向へ外向きに移動させ、エンドエフェクタ410が閉鎖位置へ向かって移動するとき第2フィンガ418へ向かって矢印B2の方向に内向きに移動させる。更に、第2フィンガ418は、近位端部443と遠位端部444とを含むことができる。いくつかの実施形態において、グリップ機構419は、第2フィンガ418をエンドエフェクタ410に対して回動させて、エンドエフェクタ410が開放位置へ向かって移動するとき遠位端部444を第1フィンガ412から離れて矢印C1の方向に外向きに移動させ、エンドエフェクタ410が閉鎖位置へ向かって移動するとき第1フィンガ412へ向かって矢印C2の方向に内向きに移動させる。この実施形態において、グリップ機構413,419は、例えば、アクチュエータ、ロータリーモーター又はこれに類似するものなど任意の適切な並進部材とすることができる。
【0045】
いくつかの実施形態において、第1フィンガ412のグリップ機構413及び第2フィンガ418のグリップ機構419は、上に説明するように回動する代わりに、第1フィンガ412及び第2フィンガ418をエンドエフェクタ410に対して線形に並進するように作動する。したがって、グリップ機構413は、エンドエフェクタ410が閉鎖位置へ向かって移動するとき第1フィンガ412を第2フィンガ418へ向かって矢印B3の方向に内向きに移動させ、エンドエフェクタ410が開放位置へ向かって移動するとき第2フィンガ418から離れて矢印B4の方向に外向きに移動させる。更に、グリップ機構419は、エンドエフェクタ410が閉鎖位置へ向かって移動するとき第2フィンガ418を第1フィンガ412へ向かって矢印C3の方向に内向きに移動させ、エンドエフェクタ410が開放位置へ向かって移動するとき第1ファインが412から離れて矢印C4の方向に外向きに移動させる。この実施形態において、グリップ機構413、419は、例えば、リニアアクチュエータ、ラックアンドピニオン歯車、又はこれに類似するものなど、任意の適切な並進部材とすることができる。ロボットアーム400は、更に、図5に示す構成要素の任意の組合せを含むことができ、本明細書に論じるように作動できる。
【0046】
次に、図7、8A及び8Bは、可変形センサ500の概略図である。図7は、可変形センサ500の断面図である。可変形センサ500は、可変形センサ200と同様であり、概略的に、ハウジング510と、ハウジング510に結合されたバブルモジュール511とを備える。バブルモジュール511は、可変形膜220などの可変形膜520を含む。可変形膜520は、可変形膜220に関して本明細書において開示する特徴のいずれか又は全てを含むことができる。バブルモジュール511は、可変形センサ200の上部分211と同様であるが、ハウジング510から容易に取り外すことができるので、必要なときに交換可能である。バブルモジュール511は、その中に1つ又は複数の流体導管512を通じて媒体が充填される囲繞体513を形成する。導管は、ハウジング510を通過してバブルモジュール511において終結する弁又はその他の適切な機構とすることができる。図示するように、流体導管512は、チューブ512Aとチューブ取付け具512Bとを含む。流体導管512は、囲繞体513を充填する又は空にするために利用できる。囲繞体513に媒体が充填されるとき、可変形膜520は、図8に示すようにドーム形を形成する。
【0047】
内部センサ230など深さを感知できる内部センサ530は、ハウジング510内に配置できる。内部センサ530は、媒体を通過して可変形膜520の内面へ向かう角度A1を有する視界532を有する。非限定的例として、内部センサ530の視界532は、62°x45°+/‐10%とすることができる。いくつかの実施形態において、内部センサ530は、光学センサとすることができる。下でより詳しく説明するように、内部センサ530は、可変形膜520が標的物体450などの物体に接触したとき可変形膜520の歪みを検出できる。1つの実施例において、内部センサ530は、深さを計測できる飛行時間型センサである。飛行時間型センサは、光信号(例えば赤外線信号)を発し、反射信号がセンサに戻るために掛かる時間を検出する個別のディテクタ(即ち、ピクセル)を有する。
【0048】
図7に示すように、内部センサ530は、ハウジング510内に備えられ、内部センサ530が背板522に対して平行ではないように、バブルモジュール511、具体的には背板522に対して所定の角度A2を向く。具体的には、内部センサ530は、内部センサ530の軸線とバブルモジュール511の背板522との間に延びる角度A2の軸線に沿って延びる。非限定的例として、内部センサ530とバブルモジュール511即ち背板522との間の角度A2は、35°+/-10%とすることができる。傾斜した内部センサ530は、視界532及び内部センサ530に対向する可変形膜520の中心及び遠位縁における深さ計測の正確性を最大限にする一方、可変形センサ500の全幅寸法を最小限にする。
【0049】
次に図8A及び8Bを見ると、可変形センサ500のバブルモジュール511がハウジング510とは別に示される。図8Aは、バブルモジュール511をその組立て済みの形で示すのに対して、図8Bは、バブルモジュール511の分解図を示す。バブルモジュール511は、可変形膜520と、背板522と、可変形膜520を背板522に固定するためのリング524と、を含む。バブルモジュール511は、背板522をハウジング510に固定するために背板522の孔527を通過して延びるネジ切りインサート525などの適切な手段を使用して、ハウジング510に取外し可能に結合できる。その代わりに又はそれに加えて、ネジ切りインサート525は、可変形膜520の外縁521を背板522に更に固定するために使用できる。
【0050】
特に、背板522は、ハウジング面522Aと、膜面522Bと、ハウジング面522Aと膜面522Bとの間に延びる縁面522Cと、を含む。背板522は、内部センサ530の視界532がバブルモジュール511によって遮断されないように、アクリルなどの透明材料から形成される。バブルモジュール511を組み立てる際、背板522の縁面522Cに接着剤を塗布できる。その後、縁面522cに接触してこれに接着するように、可変形膜520の外縁521を背板522の周りに位置付けることができる。さらに、リング524は、背板522の縁面522Cの周りに位置付け、それによって背板522を取り囲んで、可変形膜520を背板522とリング524との間に挟むことができる。上述のように、ネジ切りインサート525を使用して、可変形膜520の外縁521を背板522のハウジング面522Aに沿って位置付けて可変形膜520の外縁521及び背板522を通過してネジ切りインサート525を挿入することによって、更に、可変形膜520を背板522に固定できる。図示するように、チューブ取付け具512Bがオリフィス523において背板522に取り付けられ、チューブ512Aがチューブ取付け具512Bから延びて、バブルモジュール511の中へ媒体を送達する。
【0051】
したがって、可変形センサ500が損傷した場合、例えばバブルモジュール511から媒体が漏れ出すように可変形膜520に穴が開いた場合、可変形センサ500は、ハウジング510及び内部センサ530などその中の電気構成要素を妨害することなく、修復できる。この場合、バブルモジュール511をネジ切りインサート525又はその他の任意の適切な手段を使ってハウジング510から取り外して、交換バブルモジュール511をハウジング510を結合できる。その代わりに、可変形膜520のみを交換することによって、又は穴又はその他の損傷エリアを塞ぐためにパッチを当てることによって可変形膜520自体を修復することによって、既存のバブルモジュール511を修復することが好ましい場合がある。容易に交換できるバブルモジュール511を持つ可変形センサ500を備えさせることによって、可変形センサ500のより大きな部分をロボットアーム400内に収容できるようにし、バブルモジュール511のみが露出してロボットアーム400の外部からアクセスできることが、分かるはずである、これによって、ロボットアーム400のサイズを減少し、作動中の可変形センサ500に対する損傷の可能性を減少する。
【0052】
次に図9を見ると、いくつかの実施形態において、可変形センサ200、500は、フィルタ層223を含むことができる。非限定的例において、図示するフィルタ層223は、可変形センサ200上に備えられる。フィルタ層223は、可変形膜220の内面221に配置できる。本明細書において更に詳しく説明するように、可変形膜220の内面221は、パターン化できる(例えば、ドットパターン225、格子パターン222又はその他の任意の適切なパターン)。非限定的例として、ステレオカメラを利用して、パターン化内面221の識別された変形に基づいて可変形膜220の変位を検出できる。フィルタ層223は、内部センサ230が可変形膜220の変形を検出するのを支援するように構成できる。いくつかの実施形態において、フィルタ層223は、内部センサ230によって発せられた1つ又は複数の光信号のグレア又は不適切な反射を減少する。いくつかの実施形態において、フィルタ層223は、内部センサ230によって発せられる1つ又は複数の光信号を散乱できる。フィルタ層223は、可変形膜220の内面221に固定される付加的層とするか、又は可変形膜220の内面221に塗布されたコーティング及び/又はパターンとすることができる。
【0053】
図10を見ると、いくつかの実施形態において、可変形センサ200,500は、内部センサフィルタ235を含むことができる。非限定的例において、図示する内部センサフィルタ235は、可変形センサ200の内部センサ230上に備えられる。内部センサフィルタ235は、内部センサ230の視界232内に配置できる。内部センサフィルタ235は、可変形膜220の内面221で反射するために内部センサ230によって発せられる光信号を快適化できる。フィルタ層223と同様、内部センサフィルタ235は、内部センサ230の視界232内に配置でき、内部センサ230によって発せられた光信号のグレア又は不適切な反射を減少できる。いくつかの実施形態において、内部センサフィルタ235は、内部センサ230によって発せられた1つ又は複数の光信号を散乱できる。いくつかの実施形態において、フィルタ層223及び内部センサフィルタ235の両方を利用できる。
【0054】
パターンは、可変形センサ200の可変形膜220の内面221あるいは可変形センサ500の可変形膜520の内面に与えることができる。図11Aに示すように、非限定的例として、配列された複数のドットを含むドットパターン225は、可変形膜220の変形の検出を支援するために、可変形膜220の内面221にフィルタ層223上に又は可変形膜220自体に塗布できる。例えば、ドットパターン225は、内部センサ230がステレオカメラである場合、変形の検出を支援できる。その代わりに、ステレオカメラは、内部センサ230の変形検出を補足するために内部センサ230に加えて備えうる。ドットパターン225の歪みの度合いの変化を利用して、可変形膜220にどの程度の変形が生じたを認識できる。内面221上のパターンは、ランダムとして、ドットパターン225又は図11Aに示すアレイに配列される必要はない。
【0055】
ドットパターン225が与えられるいくつかの実施形態において、可変形膜220の内面上221のドットパターン225の初期又は変形前画像を、可変形膜220の変形前に捕捉できる。その後、内部センサ230又は別個のステレオカメラ(備えられる場合)は、可変形膜220の変形中または変形後に、ドットパターン225の少なくとも1つの変形後画像を捕捉する。変形前画像は、変形後画像と比較でき、変形前画像の各ドットの位置が変形後画像の対応するドットと比較されて、ドットの変位量をしたがって可変形膜220の変位を測定できる。各ドットの変位は、ドットパターン225の個別の四分円又は区分の変形量を測定するために使用できる。各ドットの変位量は、その後、可変形膜220を変形させる物体の形状及び/又はポーズを認識するために、可変形膜220又はその区分の固有の変形を測定するために距離計測値に変換される。
【0056】
いくつかの実施形態において、ドットパターン225の各ドット又はドットの少なくともいくつかの間の計測値は、可変形センサ200のメモリモジュール332(図5)などのメモリモジュール又はプロセッサ330(図5)などの関連するプロセッサ内に記憶できる。更に図11Aを見ると、標的物体150の形状及び/又はポーズを測定するだけでなく、標的物体の様々な区分の寸法は、ドットパターン225の隣り合うドット間の固有の変形を計算することによって測定できる。ドットパターン225がより多くのドットを含む場合、ドットパターン225は、ドットパターン225がより少ない数のドットを含む場合と比較して、可変形膜220のより小さい面積内の変形を検出できるようにする。ドットパターン225のドットがアレイに配列される実施形態において、ドットは、相互に等間隔に離間して又はその他の任意の適切なように配列できる。但し、いくつかの実施形態において、ドット間の距離が相互に等間隔ではない場合 ドット間の距離は、ドットの配列を識別するために、メモリモジュール内に記憶される。更に、上に論じた変形前画像を変形後画像と比較する同じ技法が、標的物体150の形状、寸法及び/又はポーズに関するリアルタイムのデータを提供するために、可変形膜220の変形中に撮られた複数の変形後画像について反復できることが分かるはずである。変形後画像を相互に比較することによって、初期の変形前状態からの可変形膜220の変形全体に比べて、より小さい時間増分内に生じた可変形膜220の変位を測定できる。
【0057】
図11Bを見ると、非限定的例として、パターンは、可変形膜220の変形の検出を支援するために可変形膜220の内面221に塗布された格子パターン222とすることができる。例えば、格子パターン222は、内部センサ230がステレオカメラの場合に変形の検出を支援できる。例えば、格子パターン222の歪みの程度の変化を利用して、どれだけの変形が生じたかを認識できる。この実施例において、平行線間の距離及び/又は格子パターン222の線の曲率の計測を使用して、格子パターン222における各点の変形量を測定できる。内面221のパターンは、ランダムとすることができ、必ずしも格子パターン222に又は図11Bに示されるアレイに配列される必要はない。実施形態は、本明細書において論じるように格子パターン及びドットパターンに限定されず、形及びこれに類似するものなど他のタイプのパターンも可能であることは理解されるべきである。
【0058】
図12は、可変形センサ例200の可変形膜220を変位させる標的物体150などの物体例の画像を示す。可変形センサ500も本明細書において論じるのと同じように使用できることが分かるはずである。図示する実施形態において、ディスプレイ機器740は、標的物体150が可変形膜220に接触しかつ/又はこれを変形させるときリアルタイムで可変形センサ200の出力を機器上に表示する。ディスプレイ機器740は例示的目的のためにのみ与えられ、この実施形態はディスプレイ機器740無しで利用できることが分かるはずである。
【0059】
物体150が可変形膜220へ押し入れられるとき、標的物体150は、可変形膜220が標的物体150の形状に形を合わせるように可変形膜220に標的物体の形を伝える。内部センサ230の空間分解能は、内部センサ230が変位した可変形膜220の形状及び/ポーズを検出するようなものとすることができる。例えば、内部センサ230が飛行時間型センサである場合、標的物体150によって歪みつつある可変形膜220の内面221から反射される光信号は、歪んだ領域外の領域において可変形膜220によって反射する光信号より短い飛行時間を持つ。したがって、標的物体150の形に合致する形状及び/又はポーズを有する接触領域742(又は、本明細書において交換可能に使用される変位領域)は、ディスプレイ機器740に出力されてここに表示できる。
【0060】
可変形センサ200は、したがって、標的物体150との接触を検出するだけでなく、標的物体150の形状を検出できる。このように、可変形センサ200を備えるロボットアーム100又は可変形センサ500を備えるロボットアーム400は、標的物体との接触に基づいて標的物体150の形状を測定できる。更に、標的物体150の形状及び/又はポーズも、可変形センサ200、500によって感知された形状情報に基づいて測定できる。例えば、標的物体150のポーズを測定するときなど、接触領域742の面に対して垂直のベクトル744を表示できる。ベクトル744は、例えば標的物体150がどの方向を向くかを測定するためにロボットアーム100又は別の機器によって使用できる。
【0061】
ディスプレイ機器740は、標的物体150が可変形膜220に接触しかつ/変形するとき、リアルタイムで可変形センサ200の出力を表示するために備えうる。ディスプレイ機器740は、それぞれ図1及び6に示すロボットアーム100、400に利用できることが分かるはずである。非限定的例において、ディスプレイ機器740は、第1フィンガ112上の可変形センサ200及び第2フィンガ118上の可変形センサ200の出力をリアルタイムで表示するために備えうる。この際、ロボットアーム100が第1フィンガ112及び第2フィンガ118など1対のフィンガを含む場合、標的物体150の対向する側面又は複数の側面から収集された標的物体150に関する出力を表示できる。これによって、単一の可変形センサ200が標的物体150に接触する場合に比べて、標的物体150のより完璧な画像が報告され、標的物体150の形状及び/又はポーズをより良く測定できるようにする。ロボットアーム100が2つ超え(例えば3つ又は4つのフィンガ)の離間するフィンガを含み、各フィンガが可変形センサ200を含む実施形態において、可変形センサ200の各々による出力の組合せの表示は、標的物体150の形状及び/又はポーズの更に完璧な画像を与える。
【0062】
図13を見ると、フローチャートは、ロボットアーム100の可変形センサ200及びロボットアーム400の可変形センサ500と接触する標的物体150など物体と関連付けられるポーズ及び力を測定する代表的方法800を示す。但し、本明細書において論じるように、本開示の範囲を限定することなく、可変形センサ200を含む図1~5に示すロボットアーム100を参照する。ブロック802において、媒体(気体、液体、シリコンなど)が囲繞体213内に入れられ、囲繞体において、可変形膜220がハウジング210の上部分211に結合される。ブロック804において、可変形膜220の変形は、媒体を通過して可変形膜220の内面221へ向かう視界232を有する囲繞体213の中の内部センサ230によって、標的物体150との接触に基づいて計測できる。ブロック806において、標的物体150のポーズは、接触領域742など可変形膜220の変形の計測に基づいて測定できる。図13に関連して上で論じるように、物体150のポーズは、物体150が可変形膜220の中へ押し込まれて、可変形膜220が標的物体150の形状に形を合わせることによって測定できる。その後、内部センサ230は、変位した可変形膜220の形状及び/又はポーズを検出する。ブロック808において、可変形膜220と標的物体150との間の力の量は、可変形膜220の変形の計測に基づいて測定される。ブロック806及び808は、同時に実施できるが、必ずしも同時でなくてもよい。ブロック810において、更なる変形及び/又は接触が検出されるか否かが測定される。更なる変形又は接触が検出される場合、フローチャートはブロック804へ戻る。そうでない場合、フローチャートを終了できる。
【0063】
本開示の実施形態は、標的物体との接触を検出できかつ標的物体の形状及びポーズを測定できる可変形センサを含むロボットアームに関することが分かるはずである。可変形センサによって与えられる情報は、標的物体とロボットアームの相互作用を制御するために使用できる。可変形センサの深さ分解能及び空間分解能は、ロボット上の可変形センサの備え場所に応じて変化し得る。
【0064】
本明細書において本開示の構成要素について特定の特性を実現するため又は特定様式で機能するために特定の様式で「構成され」又は「プログラムされ」と記述するのは、意図される使用を指すものではなく、構造的記述である。より具体的には、構成要素が「構成され」又は「プログラムされ」る様式への言及は、その構成要素の既存の物理的状態を指すので、構成要素の構造的特徴の有限的言及と見なされるべきである。
【0065】
図解し本明細書において説明する開示の実施例における作動の実行または実施の順序は、特に指定されない限り必須ではない。即ち、作動は、特に指定されない限り任意の順序で実施でき、本開示の実施例は、本明細書に開示する以上又はこれより少ない作動を含むことができる。例えば、別の作動の前に、これと同時に又はその後に作動が実行または実施されることは、本開示の形態の範囲内であると想定される。
【0066】
「実質的」、「ほぼ」及び「約」は、本明細書において、量的比較、値、計測値又はその他の表現に帰属する固有の不確実度を表すために利用できる。これらの用語は、対象物の基本的機能を変えることなく量的表現が明示される基準から変動できる程度を表すためにも利用される。
【0067】
特定の実施形態について図解し本明細書において説明するが、特許請求される内容の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を加えることができることが分かるはずである。更に、特許請求される内容の様々な形態について本明細書において説明したが、これらの形態は必ずしも組み合わせて利用される必要はない。したがって、請求項は、特許請求される内容の範囲内に在るこれらの全ての変更及び修正をカバーすることを意図する。
【0068】
〔例1〕
物体と関連付けられるポーズ及び力を検出するためのロボットアーム組立体であって、
複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記複数のフィンガの各々に備えられた可変形センサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された可変形膜と、
前記可変形膜によって部分的に形成された囲繞体であって、前記囲繞体が媒体で充填されるように構成される、囲繞体と、
前記ハウジング内に配置された内部センサであって、前記内部センサが前記媒体を通過して前記可変形膜の内面へ向かう視界を有する、内部センサと、
を備える可変形センサと、
各内部センサに通信上結合された1つ又は複数のプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える1つ又は複数のメモリモジュールであって、前記命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
各内部センサからの出力を受信させ、前記出力が前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を含み、
各内部センサからの前記出力に基づいて前記可変形膜の前記接触領域の変位量を測定させ、
前記可変形膜の前記接触領域の前記変位量に基づいて前記物体と関連付けられる前記ポーズ及び前記力を測定させる、
1つ又は複数のメモリモジュールと、
を備える、ロボットアーム組立体。
〔例2〕
エンドエフェクタが開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置のときの前記複数のフィンガ間の距離が前記エンドエフェクタが前記開放位置のときの前記複数のフィンガ間の距離より小さい、例1に記載のロボットアーム組立体。
〔例3〕
前記複数のフィンガの各フィンガが、外向きの外側面部材と、対向する内向きの内側面部材とを含み、前記可変形センサが少なくとも部分的に関連するフィンガ内の前記外側面部材と前記内側面部材との間に位置付けられ、前記可変形膜が関連するフィンガの前記内側面部材を越えて延びる、例1に記載のロボットアーム組立体。
〔例4〕
前記可変形センサが、更に、前記ハウジングに取外し可能に取り付けられたバブルモジュールを備え、前記バブルモジュールが、前記囲繞体を形成する前記可変形膜と背板とを含む、例1に記載のロボットアーム組立体。
〔例5〕
前記内部センサが、前記ハウジング内に備えられ、前記内部センサが、前記バブルモジュールの前記背板に対して非平行の向きである、例4に記載のロボットアーム組立体
〔例6〕
前記内部センサが、前記バブルモジュールの前記背板に対して25°~45°の角度を向く、例5に記載のロボットアーム組立体。
〔例7〕
前記バブルモジュールの中へ前記媒体を送達するために、前記ハウジングを通過して延び前記背板に結合される流体導管を更に備える、例4に記載のロボットアーム組立体。
〔例8〕
前記バブルモジュールが、更に、前記背板を取り囲みかつ前記可変形膜を前記背板に固定するように構成されたリングを備える、例4に記載のロボットアーム組立体。
〔例9〕
前記内部センサが、更に、前記内部センサの前記視界内に配置されかつ前記内部センサによって発せられた光信号を散乱するように構成されたフィルタを備える、例1に記載のロボットアーム組立体。
〔例10〕
物体をセンサベースで検出するための方法であって、
複数のフィンガの少なくともいくつかを前記物体に接触させるように前記複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームを作動することであって、前記複数のフィンガの各々が可変形センサを含む、作動することと、
前記可変形センサ内に配置された内部センサを利用することであって、前記内部センサが媒体を通過して前記可変形センサの可変形膜の内面へ向かう視界を有する、利用することと、
前記内部センサからの出力をプロセッサによって受信することであって、前記出力が、前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を含む、受信することと、
各内部センサからの出力に基づいて前記可変形膜の前記接触領域の変位量をプロセッサによって測定することと、
前記可変形膜の前記接触領域の変位量に基づいて前記物体と関連付けられるポーズ及び力をプロセッサによって測定することと、
を含む、方法。
〔例11〕
囲繞体を形成する前記可変形センサのバブルモジュールの中へ前記媒体を送達することを更に含み、前記バブルモジュールが、前記可変形膜と背板とを含み、前記バブルモジュールが前記可変形センサのハウジングから取外し可能である、例10に記載の方法。
〔例12〕
流体導管を通過して前記バブルモジュールの前記囲繞体に前記媒体を充填することを更に含み、前記流体導管が、前記ハウジングを通過して延びて前記背板に結合される、例11に記載の方法。
〔例13〕
前記内部センサが前記背板に対して平行ではないように前記ハウジング内に前記内部センサを位置付けることを更に含む、例11に記載の方法。
〔例14〕
前記バブルモジュールの前記背板に対して25°~45°の角度で前記内部センサを位置付ける、例13に記載の方法。
〔例15〕
前記可変形センサの囲繞体内の圧力を変化させることによって前記可変形センサの可変形性を修正することを更に含む、例10に記載の方法。
〔例16〕
前記可変形膜の前記内面に配置されたフィルタ層に与えられたドットパターンの変化を計測することによって前記接触領域を前記プロセッサによって分析することを更に含む、例10に記載の方法。
〔例17〕
物体に関連付けられるポーズ及び力を検出するためのシステムであって、
複数のフィンガを有するエンドエフェクタを含むロボットアームと、
前記複数のフィンガの少なくとも2つに備えられた可変形センサであって、
ハウジングと、
前記ハウジングに結合された可変形膜であって、前記可変形膜が前記ハウジングに面するパターン化内面を有する、可変形膜と、
前記可変形膜によって部分的に形成された囲繞体と、
前記囲繞体を媒体で充填するために前記ハウジングを通過して前記囲繞体の中へ延びる流体導管と、
前記ハウジング内に配置された内部センサであって、前記内部センサが、前記媒体を通過して前記可変形膜の前記パターン化内面へ向かう視界を有し、前記内部センサが、前記物体との接触の結果としての前記可変形膜の接触領域を検出するように構成される、内部センサと、
を備える、可変形センサと、
を備え、
前記エンドエフェクタが開放位置と閉鎖位置との間で移動可能であり、前記エンドエフェクタが前記閉鎖位置のときの前記複数のフィンガ間の距離が、前記エンドエフェクタが前記開放位置のときの前記複数のフィンガ間の距離より小さい、
システム。
〔例18〕
各内部センサに通信上結合された1つ又は複数のプロセッサと、
コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を備える1つ又は複数のメモリモジュールであって、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、
前記可変形膜が前記物体に接触した結果として各可変形膜内の接触領域を表す各内部センサからのデータを受信させ、
前記物体のポーズを測定するために前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜の前記接触領域の変位量を測定させ、
前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜の前記接触領域の前記変位量に基づいて前記複数のフィンガの各々の前記可変形膜と前記物体との間に加えられた力の量を測定させる、
メモリモジュールと、
を更に備える、例17に記載のシステム。
〔例19〕
前記1つ又は複数のメモリモジュールが、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を含み、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、前記接触領域を表すデータに基づいて前記物体の面に対して垂直のベクトルを測定させる、例18に記載のシステム。
〔例20〕
前記1つ又は複数のメモリモジュールが、コンピュータ可読命令を記憶するコンピュータ可読媒体を含み、前記コンピュータ可読命令が、前記1つ又は複数のプロセッサによって実行されたとき、前記1つ又は複数のプロセッサに、前記ベクトルを利用して前記物体が向く方向を測定させる、例18に記載のシステム。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13