(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】緊急用ホイール
(51)【国際特許分類】
B60C 27/06 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B60C27/06 T
(21)【出願番号】P 2021536741
(86)(22)【出願日】2019-12-18
(86)【国際出願番号】 EP2019085891
(87)【国際公開番号】W WO2020127447
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】102018010081.3
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521542281
【氏名又は名称】カーテー プロジェクテントヴィクルングス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110003579
【氏名又は名称】弁理士法人山崎国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100173978
【氏名又は名称】朴 志恩
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【氏名又は名称】今井 千裕
(72)【発明者】
【氏名】ツィベリディス、コンスタンティノス
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/149910(WO,A2)
【文献】特表2013-538752(JP,A)
【文献】実開昭49-022604(JP,U)
【文献】実開昭63-173807(JP,U)
【文献】実開平01-062901(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0089385(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 27/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ホイール(1)のためのアタッチメント(14)であって、前記車両ホイール(1)は、リム(2)と、前記リム(2)の上に配置されているタイヤ(3)とを含み、前記アタッチメント(14)は、動作状態において、制限されたタイヤ機能での運転操作を可能にするように設計されており、前記動作状態では、前記アタッチメント(14)は前記車両ホイール(1)の上に締結されており、前記アタッチメントは、静止セクション(56)を含み、前記静止セクション(56)は、前記動作状態において前記リムに対して移動不可能に締結されており、前記アタッチメントは、道路に接触するためのトレッド(18)を備えたトレッド・セクションを有しており、前記アタッチメント(14)は、少なくとも2つのクランピング・デバイス(20)を含み、前記クランピング・デバイス(20)は、前記リム(2)のセクションの後ろ側に係合し、前記車両ホイールの上に前記アタッチメントを締結するように設計されている、アタッチメント(14)において、前記トレッド(18)は、少なくとも1つのトレッド・セグメント(64、66、78)を含み、前記少なくとも1つのトレッド・セグメント(64、66、78)は、前記動作状態において、前記静止セクション(56)に対して円周方向(U)に移動可能に配置されていることを特徴とする、
アタッチメント(14)。
【請求項2】
前記アタッチメント(14)は、アッセンブリ・セクション(22)を含み、前記アタッチメント(14)は、前記アッセンブリ・セクション(22)が、最初に、前記動作状態のために提供される位置において締結されているように設計されており、次いで、前記トレッド(18)を含む前記トレッド・セクション(16)が締結され、前記動作状態のために提供される位置に持って行かれるようになされる、
請求項1に記載のアタッチメント(14)。
【請求項3】
前記アッセンブリ・セクション(22)は、前記動作状態において前記アタッチメント(14)が前記車両ホイール(1)の上に締結されているときには、前記トレッド(18)の半径方向内側に横たわって配置されており、前記トレッド・セクション(16)の少なくとも一部が、前記アッセンブリ・セクション(22)から取り外し可能に形成されていることを特徴とする、
請求項2に記載のアタッチメント(14)。
【請求項4】
前記クランピング・デバイス(20)は、前記トレッド・セクション(16)の上に配置されており、前記アタッチメント(14)は、ブレーシング・ユニット(120)を含み、前記ブレーシング・ユニット(120)は、前記クランピング・デバイス(20)を、前記リム(2)の前記セクションと後方係合させるように設計されており、前記ブレーシング・ユニット(120)は、前記トレッド・セクション(16)から取り外し可能であり、前記動作状態において、前記クランピング・デバイス(20)をそれらの後方係合位置から解放することなく、前記アタッチメント(14)から取り外され得ることを特徴とする、
請求項1のプリアンブルに記載のアタッチメント(14)。
【請求項5】
前記ブレーシング・ユニット(120)は、支持デバイス(124)を含み、前記支持デバイス(124)は、前記リム(2)から軸線方向(A)に、とりわけ、前記リム(2)の上に、前記ブレーシング・ユニット(120)を支持するように設計および配置されていることを特徴とする、
請求項4に記載のアタッチメント(14)。
【請求項6】
前記ブレーシング・ユニット(120)は、前記クランピング・デバイス(20)への接続のための力伝達手段(128)を含み、前記手段は、可撓性のセクションおよび/または力伝達手段(128)を含み、前記力伝達手段(128)は、半径方向(R)に短縮可能であることを特徴とする、
請求項4または5に記載のアタッチメント(14)。
【請求項7】
前記力伝達手段(128)は、前記クランピング・デバイス(20)に連結可能であり、前記クランピング・デバイス(20)は、前記力伝達手段(128)の半径方向延在の短縮化に起因して、前記リム(2)との前記後方係合位置に移送可能であるようになっていることを特徴とする、
請求項6に記載のアタッチメント(14)。
【請求項8】
前記力伝達手段(128)は、ポジティブ後方係合を介して前記クランピング・デバイス(20)に取り外し可能に連結されていることを特徴とする、
請求項6または7に記載のアタッチメント(14)。
【請求項9】
前記静止セクション(56)は、環状セクション(58)を含み、前記アタッチメント(14)は、前記環状セクション(58)の上に円周方向(U)に分配されて配置されている複数のトレッド・セグメント(78)を含み、前記セグメントは、前記静止セクション(56)に対して円周方向(U)に並進的に移動可能であるようにそれぞれ配置されており、または、前記トレッド・セクション(16)は、前記トレッド(18)全体が、前記環状セクション(58)に対して
軸線方向(A)の周りに回転可能に配置されるように設計されていることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項10】
前記トレッド・セグメント(78)は、円周方向(U)に前記環状セクション(58)の上にスプリング装着式に配置されており、および/または、前記スプリング装着式は、弾性的なエレメント(80、82)によって形成されており、前記スプリングは、前記環状セクション(58)に対して前記トレッド・セグメント(78)を移動可能にブレース締めしていることを特徴とする、
請求項9に記載のアタッチメント(14)。
【請求項11】
前記トレッド・セクション(16)の前記環状セクション(58)は、円周方向(U)に見て少なくとも2つのセグメント(60、62)を有しており、前記少なくとも2つのセグメント(60、62)は、互いから取り外し可能になっており、および/または、互いに対して枢動可能もしくは変位可能になっていることを特徴とする、
請求項9または10に記載のアタッチメント(14)。
【請求項12】
少なくとも1つの熱伝導エレメント(186)は、プラスチックを含むトレッド本体部(48)の中へ延在させられており、前記本体部は、前記トレッド(18)またはトレッド・セグメント(78)を形成していることを特徴とする、
請求項1から11のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項13】
前記トレッド・セクション(16)は、2つのエレメント(190、192)を含み、前記2つのエレメント(190、192)は、軸線方向(A)に互いに対してブレース締めされており、前記熱伝導エレメント(186)は、前記2つのエレメント(190、192)の間に配置されていることを特徴とする、
請求項12に記載のアタッチメント(14)。
【請求項14】
前記アタッチメント(14)は、ブレーシング・メカニズム(156)を含み、前記ブレーシング・メカニズム(156)は、一方では、前記リム(2)との
後方係合位置へ前記クランピング・デバイス(20)を持って行くように、および、他方では、前記リム(2)に向けて軸線方向(A)への前記トレッド・セクション(16)の移動を引き起こすように設計されており、前記ブレーシング・メカニズム(156)は、作動デバイスを含み、前記作動デバイスの作動を介して、両方の移動が引き起こされることを特徴とする、
請求項1から13のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項15】
前記ブレーシング・メカニズム(156)は、ツール適用ポイント(232)を含み、前記ツール適用ポイント(232)を介して、力が、前記ブレーシング・メカニズム(156)の中へ導入され、前記後方係合位置への前記クランピング・デバイス(20)の移送、および、前記トレッド・セクション(16)の移動を引き起こすことが可能であり、ならびに/または、前記ブレーシング・メカニズム(156)は、ドライブを含み、前記ドライブは、前記後方係合位置への前記クランピング・デバイス(20)の移送、および、前記トレッド・セクション(16)の移動を引き起こすための力を提供し、ならびに/または、前記ブレーシング・メカニズム(156)は、締め付け力制限デバイス(222)および/または圧力制限デバイス(226)を有していることを特徴とする、
請求項14に記載のアタッチメント(14)。
【請求項16】
前記クランピング・デバイス(20)は、前記後方係合位置への移送のときに、半径方向内向きに移動させられ、前記ブレーシング・メカニズム(156)は、作動エレメントの前記軸線方向(A)の周りでの回転駆動移動(AB)を、前記クランピング・デバイス(20)の並進的移動に変換するためのトランスミッション(212)を有していることを特徴とする、
請求項15に記載のアタッチメント(14)。
【請求項17】
前記アタッチメント(14)は、ドライブ・オフ・エイド(92)を含み、前記ドライブ・オフ・エイド(92)は、溝から抜け出るために使用され、前記ドライブ・オフ・エイド(92)は、軸線方向(A)に突き出る前記トレッド(18)のエリア(94)を含むことを特徴とする、
請求項1から16のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項18】
前記トレッド・セクション(16)は、半径方向(R)に前記トレッド(18)を減衰させるためのダンピング・デバイス(87)を含むことを特徴とする、
請求項1から17のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項19】
前記ダンピング・デバイス(87)は、少なくとも1つのスプリング・エレメント(236)を含み、前記スプリング・エレメント(236)の半径方向外側エリアは、
トレッド本体部(48)を半径方向外向きに支持しており、前記スプリング・エレメント(236)の半径方向内側エリアは、前記トレッド・セクション(16)の金属ベース本体部の上に置かれていることを特徴とする、
請求項18に記載のアタッチメント(14)。
【請求項20】
前記アタッチメント(14)は、圧力発生デバイス(102)を含み、前記圧力発生デバイス(102)は、前記アタッチメント(14)の転がり移動によって、流体媒体を圧力下に置くように設計および配置されていることを特徴とする、
請求項1から19のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項21】
前記圧力発生デバイス(102)は、少なくとも1つのキャビティー(104)を含み、前記少なくとも1つのキャビティー(104)は、前記トレッド(18)の半径方向内側に横たわって配置されており、前記キャビティー(104)の壁部セクション(112)が、前記アタッチメント(14)の転がり移動に起因して移動可能であるようになっており、前記キャビティー(104)の容積が低減され、前記キャビティー(104)の中にある前記媒体がそれによって圧縮されるようになっていることを特徴とする、
請求項20に記載のアタッチメント(14)。
【請求項22】
前記アタッチメント(14)は、半径方向内向きに横たわっている位置へとプリテンションをかけられた少なくとも1つのクランピング・デバイス(20、166)を含むことを特徴とする、
請求項1から21のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項23】
前記クランピング・デバイス(20、166)のプリテンショニングは、ロッキング・デバイス(167)によってロックされ、また、解放可能であり、または、前記クランピング・デバイス(20)は、前記プリテンショニングに起因してクリアランスを有していることを特徴とする、
請求項22に記載のアタッチメント(14)。
【請求項24】
少なくとも1つのクランピング・デバイス(20)は、締結デバイス(44)を備えた締結セクション(42)を有しており、前記締結デバイス(44)を介して、前記トレッド・セクション(16)は、前記クランピング・デバイス(20)の上に締結され得、前記クランピング・デバイス(20)に関する遊びに対して、軸線方向(A)に固定され得ることを特徴とする、
請求項1から23のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項25】
前記締結デバイス(44)は、前記トレッド・セクション(16)が、前記締結デバイス(44)を介して締結するときに、前記リム(2)に向けて前記軸線方向(A)に移動するように設計されていることを特徴とする、
請求項24に記載のアタッチメント(14)。
【請求項26】
前記アタッチメント(14)は、アッセンブリ・セクション(22)を有しており、前記アッセンブリ・セクション(22)は、互いに対して枢動可能な2つの肢部(174)を有しており、少なくとも1つのクランピング・デバイスが、前記肢部(174)のそれぞれの上に配置されており、前記肢部(174)の上に配置されている前記クランピング・デバイス(20)の間隔は、前記肢部(174)を枢動させることによって可変であることを特徴とする、
請求項1から25のいずれか一項に記載のアタッチメント(14)。
【請求項27】
前記アッセンブリ・セクション(22)は、クランピング・デバイス構成体を含み、前記クランピング・デバイスのうちの1つが、前記クランピング・デバイス構成体の中に保持されており、前記2つの肢部(174)は、前記クランピング・デバイス構成体から離れるように延在しており、これに対して枢動可能にそれぞれ配置されていることを特徴とする、
請求項26に記載のアタッチメント(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルによる、制限されたタイヤ機能での運転操作を可能にするための、車両ホイールのためのアタッチメントに関する。以下では、この種類のアタッチメントは、また、始めに説明されているタイプのアタッチメントとして説明される。
【背景技術】
【0002】
本ケースにおいて、車両ホイールは、自動車の車両ホイールを意味する。制限されたタイヤ機能での運転操作は、ここでは、通常の道路条件において、および、通常のタイヤ状態において、タイヤがその所与の特性で動作可能でない運転操作を意味している。たとえば、それによって、パンクしたタイヤでの運転が意味される可能性があり、または、氷の上のまたは固まった雪の上の車両の動作も意味される可能性がある。本発明の好適な用途は、パンクしたタイヤでの運転を可能にすることである。
【0003】
車両ホイールに固着されたアタッチメントのケースでは、軸線方向は、ここでは、車両ホイールの回転軸線の方向を意味している。半径方向は、車両ホイールのこの回転軸線に直交する方向を意味している。車両ホイールのリムから見ると、車両ホイールのタイヤは、したがって、半径方向外側に配置されている。半径方向内側にあるのは、リムのボルト・パターンであり、それは、たとえば、車両ホイールの中央開口部を備えており、車両ホイールのボルト・パターンは、ここでは、リムの中の孔部および中央開口部の配置を意味しており、孔部は、ホイール・ボルトまたはステー・ボルトを受け入れるために提供されている。
【0004】
円周方向は、車両ホイールの周囲部に沿った方向、したがって、そのタイヤトレッドに沿った方向を意味している。
【発明の概要】
【0005】
[本発明態様1 - 耐摩耗性トレッド(スリップ補償)]
本発明による第1の態様の目的は、耐摩耗性の様式で使用されることができ、高い運転快適性を有する、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1によるアタッチメントによって実現される。したがって、本発明によるアタッチメントは、リムと、リムの上に配置されているタイヤとを含む、車両ホイールのためのアタッチメントである。アタッチメントは、ここでは、1つの動作状態において、制限されたタイヤ機能での運転操作を可能にするように設計されている。その動作状態によって、このケースでは、アタッチメントが車両ホイールに締結され、任意のパンクしたタイヤの機能をサポートするかまたは引き受けることによって運転操作を可能にするという状態が意味されている。
【0007】
アタッチメントは、静止セクションを有している。動作状態において、したがって、アタッチメントが車両ホイールの上に堅く締結されており、車両の運転操作をサポートする役割を果たすときには、この静止セクションは、リムに対して移動不可能に締結されている。換言すれば、静止セクションは、それが車両ホイールの上に締結され得るように設計されており、それが、動作状態において、リムに対して移動不可能に締結されるようになっている。したがって、静止セクションは、リムに対して円周方向にもまたは軸線方向もしくは半径方向にも移動するのではなく、これに対して固定された相対的位置に固定および配置される。
【0008】
アタッチメントは、トレッドを備えたトレッド・セクションをさらに有している。トレッドは、道路に接触するために配置および設計されている。したがって、トレッドは、運転操作において道路に接触するアタッチメントのセクションを形成している。静止セクションは、トレッド・セクションの一部を形成することが可能である。
【0009】
そのうえ、アタッチメントは、少なくとも2つのクランピング・デバイスを有している。しかし、3つ、4つ、またはそれより多いクランピング・デバイスも提供され得る(特に円周方向に、特に均一に、アタッチメントの上に分配されて配置されている)。クランピング・デバイスは、リムのセクションの後ろ側に係合するように設計されている。車両ホイールの上にアタッチメントを締結することは、この後方係合によって現実化される。締結のための追加的な手段が考えられる。しかし、クランピング・デバイス(または、アタッチメント)は、とりわけ、アタッチメントの締結がリムとのそれらの後方係合に起因して行われるように設計されている。とりわけ、後方係合は、締結のために十分である可能性がある。とりわけ、クランピング・デバイスは、アタッチメントの唯一の(単一の)締結メカニズムを形成することが可能である。とりわけ、クランピング・デバイスがリムのリム・フランジの後ろ側に係合するということが提供され得る。リムの上へのアタッチメントのポジティブ・ロッキングおよび摩擦的締結が、それによって保証される。半径方向および軸線方向(円周方向に直交する)に延在する断面平面を通る断面において、クランピング・デバイスは、後方グリップ・セクションを含むことが可能であり、後方グリップ・セクションは、リム・フランジの後ろ側のポジティブ係合のためのために、フックの様式で設計されており、軸線方向に突出しており、内側に半径方向に延びている。クランピング・デバイスが、リム・フランジとの後方係合へ、特に並進的に半径方向内向きに移動されるときに、クランピング・デバイスがリム・フランジに向けて軸線方向に押圧されるように、後方グリップ・セクションは設計され得る。
【0010】
また、さらに下記に説明されているように、アタッチメントは、接触表面または接触セクションを含むことが可能であり、それは、軸線方向外側からリム・フランジに接触するように、および、動作状態においてリム・フランジに対するアタッチメントの精密に定義された位置を保証するように設計および配置されている。
【0011】
接触セクションは、それぞれのクランピング・デバイスの一部(クランピング・デバイスと一体的に形成されている)であることがそれぞれ可能である。また、それらは、クランピング・デバイスとは別個にアタッチメントの上に装着され得る。接触セクションがそれぞれのクランピング・デバイス自身の上に形成されている場合には、後方グリップ・セクションは、接触セクションへと移行することが可能であり、軸線方向に延びる窪み(軸線方向に凹んだセクション)が、後方グリップ・セクションと接触セクションとの間の移行のエリアに、接触セクションの側におよび接触セクションの上方に提供され得る。
【0012】
本発明によれば、トレッドは、少なくとも1つのトレッド・セグメントを含み、少なくとも1つのトレッド・セグメントは、動作状態において静止セクションに対して円周方向に移動可能に配置されているということが提供される。トレッド・セグメントは、ここでは、トレッドの全体、したがって、静止セクションに対して円周方向に移動することができる環状エレメント(トレッド本体部)を意味することが可能である。しかし、また、トレッド・セグメントは、最も広い意味で、トレッドの、または、トレッドを形成する本体部の曲線パーツ(セクター)を意味することが可能であり、それは、(動作状態において)静止セクションに対して円周方向に移動可能であるように設計されている。複数のそのような移動可能なトレッド・セグメントが、好ましくは、周囲部の周りに分配されて配置されている。トレッド・セグメントは、傾斜によって円周方向へのそれらの可動性を取得し、したがって、それらは、円周方向に傾斜することが可能であるということが考えられる。換言すれば、この変形例におけるトレッド・セグメントは、円周方向に傾斜され得、トレッド・セグメントの移動が、この傾斜に起因して行われ、トレッド・セグメントの半径方向内側セクションが、静止セクションに対して移動不可能になっている。しかし、別の実施形態では、セグメントは、円周方向に並進的に移動し、または、円周方向に並進的に移動可能である。したがって、この変形例では、トレッド・セグメントの上側セクションが静止セクションに対して移動可能であり、下側セクションがこれに移動不可能に接続されているだけでなく、移動可能なトレッド・セグメント全体が、静止セクションに対して円周方向に変位され得る。換言すれば、トレッドの一部を形成するトレッド・セグメントのエリアは、トレッドから半径方向内向きに配置されているトレッド・セグメントのエリアと全く同じように(または、同じ角速度で)、静止セクションに対するトレッド・セグメントの移動で移動する。
【0013】
トレッド本体部は、隙間嵌めによる静止セクションのシーティングの中に、円周方向に移動可能に支持され得る。トレッド本体部は、ポジティブ・ロッキング様式での静止セクションとの(トレッド本体部の、または、これに固定されて接続されているエレメントの)ポジティブ後方係合によって半径方向に保持され得る。
【0014】
静止セクションは、環状セクションを含み、したがって、動作状態において円周方向に閉じられているセクションを含む(この環状セクションは、複数のパーツで形成され得、動作状態においてその円周方向に閉じられた構成にのみ移行され得る)ということが提供され得る。アタッチメントは、環状セクションの上に円周方向分配されて配置されている複数のトレッド・セグメントを含むことが可能であり、そのセグメントは、静止セクションに対して円周方向に並進的に移動可能にそれぞれ配設されている。トレッド・セグメントは、好ましくは、互いに独立して、静止セクションに対して並進的に移動可能になっている。個々の移動可能なトレッド・セグメントの代わりに、トレッド全体が、静止セクションの環状セクションに対して、ある方向の軸線の周りに回転可能に配置および設計されるように、トレッド・セクションが設計されているということが提供され得る。この実施形態では、トレッド・セクションは、したがって、静止セクションの環状セクションに対して、少なくとも特定の角度まで回転させられ得る。また、トレッド全体が、回転角度の限定なしに、環状セクションに対して回転可能であるということが提供され得る。したがって、それは、恒久的にさらに回転させられ得る。また、トレッドは、環状セクションに対して1つの方向にのみ回転させられ得るということが提供され得る。
【0015】
個々の移動可能なトレッド・セグメントは、静止セクション(特に環状セクション)の上に円周方向にスプリング装着式になっていることが可能である。スプリング装着式は、弾性的なエレメントによって形成され得る。これらの弾性的なエレメントは、個々のトレッド・セグメント同士の間に配置され得、および/または、スプリング装着式は、可撓性のエレメントによって形成され得、そのエレメントは、静止セクション(特に環状セクション)に対してトレッド・セグメントを移動可能にブレース締めしている(brace)。たとえば、個々のプラスチック・エレメントが、静止セクション(特に環状セクション)の上の対応する接触セクションに対して、スプリングまたは他の弾性的なもしくは可撓性のエレメントによって、スプリング装着式に配置されているということが可能である。同様に、たとえば、弾性的なプラスチックの弾性的なエレメントは、個々のトレッド・セグメント同士の間に配置されており、スプリング装着式が、これによって現実化されるということが可能である。
【0016】
すでに上記にさらに述べられたように、静止セクションが複数のパーツで構築されるということが可能である。とりわけ、円周方向に見られるトレッド・セクションの環状セクション(特にトレッド・セクション全体)は、少なくとも2つのセグメントを有しているということが考えられる。2つのセグメントは、互いから取り外し可能であることが可能であり、および/または、互いに対して枢動可能もしくは変位可能であることが可能である。換言すれば、アタッチメントは、円周方向に分割可能なトレッドを有することが可能である。トレッド・セクションは、有利には、一方では、これによって車両の中に収納され得、他方では、トレッド・セクションのまたはアタッチメント全体の組み立てが、これによって簡単化され得る。
【0017】
トレッドを支えるトレッド本体部は、静止セクションの環状セクションに直接的に連結されていないということが提供され得る。トレッド本体部を支持するために、アタッチメントは、スライディング・エレメントを有することが可能であり、スライディング・エレメントは、一方では、トレッド本体部に移動不可能に接続されており、他方では、環状セクションに対して円周方向に移動可能であるが、半径方向に(たとえば、ダブル溝の中に)ポジティブに保持され得る。
【0018】
したがって、上記にすでに述べられたように、静止セクションは、トレッド・セクションの一部であることが可能である。したがって、トレッド・セクションは、リムに対して移動不可能な静止セクションと、静止セクションに対して移動可能なトレッドのセグメントとを含むことが可能である。トレッドは、たとえば、プラスチック・エレメントによって形成され得る。また、トレッドまたはトレッドを有するトレッド本体部は、個々のプラスチック・セグメントを有するか、または、環状のプラスチック・セグメントを全体として有しており、そのセグメントのどちらかは、金属シーティングの中に保持されており、シーティングは、軸受構成体を介して静止セクションに対する変位を可能にするということが考えられる。トレッド本体部は、たとえば、ボール軸受、すべり軸受、または他の軸受デバイスを介して、静止セクションに対して移動可能に支持されて配置され得る。
【0019】
簡単な方式でアタッチメントを装着することを可能にするために、アタッチメントは、アッセンブリ・セクションを含むことが可能である。このケースでは、車両ホイールにまたは車両ホイールのリムにアタッチメントを締結するときに、アッセンブリ・セクションが、最初に、動作状態によって想定される位置に締結されるように、アタッチメントは設計され得る。これに続いて、トレッドを含むトレッド・セクションが取り付けられ得る。アタッチメントは、動作状態において(または、動作状態のために提供される締結構成において)、アッセンブリ・セクションがトレッドの半径方向内側に配置されるように設計され得る。アッセンブリ・セクションの上にトレッド・セクションを締結することは、動作のために想定される位置において、これがアッセンブリ・セクションの上に締結されることを意味している。それは、アッセンブリ・セクションを締結するときに、これにすでに接続され得る。また、トレッド・セクションまたはトレッド・セクションの一部が、アッセンブリ・セクションから取り外し可能に設計されるということも考えられる。アタッチメントは、動作のために想定される構成において、アッセンブリ・セクションがトレッド・セクションに接続されたままになるように設計され得る。アッセンブリ・セクションが取り外し可能である場合には、それは、また、本出願に関連して、(取り外し可能な)ブレーシング・ユニットとしても説明されている。
【0020】
クランピング・デバイスは、アッセンブリ・セクションの上に配置され得る。
【0021】
アッセンブリ・セクションを備えたアタッチメントの変形例において、静止セクションは、動作状態においてアッセンブリ・セクションに対して移動不可能であり得る。
【0022】
また、クランピング・デバイス、または、クランピング・デバイスのうちの少なくともいくつかは、トレッド・セクションの上に配置されているということも考えられる。アタッチメントは、これによって、たとえば、アッセンブリ・セクションなしに設計され得る。たとえば、トレッド・セクションが円周方向に連続的に構築されている場合には、および、トレッドが取り外し可能な円周方向セグメント(取り外し可能なパーツ)を含む場合には、これが当てはまる可能性がある。
【0023】
[本発明態様2 - 取り外し可能なブレーシング・ユニット]
本発明による第2の態様は、ブレーシング・ユニットに関する。とりわけ、以前におよび下記に説明されているアタッチメント(態様1および3およびそれ以降)のうちの1つの一般的なアタッチメント(請求項1のプリアンブル)の組み立てが、ブレーシング・ユニットによって行われ得る。
【0024】
クランピング・デバイスは、たとえば、トレッド・セクションまたは静止セクションの上に配置され得る(これは、トレッド・セクションの一部であることが可能である)。アタッチメントは、ブレーシング・ユニットを含むことが可能であり、ブレーシング・ユニットは、クランピング・デバイス(それは、静止セクションの上に配置され得る)をリムのセクションまたはリム・フランジと後方係合させるように設計されている。したがって、ブレーシング・ユニットが、動作のために提供される構成(動作状態)において、トレッド・セクションもしくは静止セクションから取り外し可能であるように、または、動作状態において、静止セクションまたはトレッド・セクションから取り外されるように(したがって、もはや車両ホイールに固着されない)、アタッチメントが設計され得る。
【0025】
したがって、ブレーシング・ユニットは、静止セクション/トレッド・セクションの組み立てのみのための役割を果たし、次いで、取り外される。しかし、ブレーシング・ユニットの取り外しのときに、クランピング・デバイスは、リム・フランジまたはリムとのそれらの後方係合位置にあるままであるということが提供される。したがって、ブレーシング・ユニットは、それらの後方係合位置からクランピング・デバイスを解放することなく、静止セクション/トレッド・セクションから取り外し可能である。したがって、ブレーシング・ユニットは、それらの後方係合位置からクランピング・デバイスを解放することなく、動作状態においてもアタッチメントから取り外し可能である。したがって、アタッチメントは、非常に軽量の様式で実装され得る。トレッド・セクション(適用可能な場合には、静止セクションを含む)のみが提供されなければならず、クランピング・デバイスが、ブレーシング・ユニットを介して後方係合位置へと持って行かれ、信頼性の高い締結を実現することが可能であるということが提供され得る。組み立てが完了すると、ブレーシング・ユニットは取り外され得、トレッドを備えたトレッド・セクションおよび適用可能な場合には静止セクションのみが、車両ホイールの上に残る。この目的のために、トレッド・セクション(適用可能な場合には、静止セクション)は、ほとんど曲線状に設計され得、とりわけ、リムの内側エリアが動作状態においてトレッド・セクション/静止セクションによってカバーされないように設計され得、むしろ、トレッド・セクション/静止セクションは、周辺エリアまたはリム・フランジのエリアにのみ位置付けされている。とりわけ、リムの直径の内側50%は、トレッド・セクション/静止セクションによってカバーされていないままであることが可能である。リムの直径の内側50%(とりわけ、60%)が、軸線方向から見たときに、動作状態において、アタッチメントによってカバーされないように、アタッチメントが設計され得る。
【0026】
ブレーシング・ユニットは、とりわけ、クランピング・デバイスのうちの1つにそれぞれ連結するための複数の力伝達手段をそれが含むように設計され得る。力伝達手段は、好ましくは、ブレーシング・ユニットが作動させられるときに、リム・フランジと後方係合するようにクランピング・デバイスを移動させ、たとえば、それらを(特に並進的に)半径方向内向きに移動させるように設計されている。
【0027】
力伝達手段は、可撓性の(たとえば、ケーブルのような)セクションを含むことが可能である。
【0028】
代替的にまたは加えて、力伝達手段は、半径方向に短縮可能である。このケースでは、力伝達手段は、リジッドに設計され得る。
【0029】
力伝達手段は、クランピング・デバイスに連結可能であり得、クランピング・デバイスは、力伝達手段の半径方向延在の短縮化に起因して、リムとの後方係合位置に移動可能であるようになっている。
【0030】
力伝達手段は、ポジティブ・ロッキング後方係合によってクランピング・デバイスに取り外し可能に連結され得、好ましくは、ポジティブ・ロッキング様式でクランピング・デバイスに取り外し可能に引っ掛けられ得る。
【0031】
力伝達手段は、フック・セクションを含むことが可能であり、フック・セクションは、クランピング・デバイスの上の対応するフック・イン・セクションの後ろ側に半径方向外側から引っ掛けることによって、係合するように配置および設計されている。
【0032】
ブレーシング・ユニットは、とりわけ、複数のクランピング・デバイスを同時に移動させるように設計され得る。ブレーシング・ユニットは、特に中央の作動デバイス(たとえば、ツール適用ポイント)を含むことが可能であり、中央の作動デバイスによって、クランピング・デバイスの移動がトリガーされるかまたは引き起こされる。
【0033】
ブレーシング・ユニットは、作動エレメントの(好ましくは、マニュアル・ツールまたはモーターの)ロータリー駆動移動(特に軸線方向の周りでのロータリー駆動移動)を、力伝達手段の移動または短縮化に変換するためのトランスミッションを有することが可能である。トランスミッションは、とりわけ、駆動ベベル・ギアおよび被駆動ベベル・ギアを含むことが可能である。とりわけ、被駆動ベベル・ギアが、それぞれの力伝達手段に提供されるということが提供され得る。したがって、被駆動ベベル・ギアは、力伝達手段のそれぞれに関連付けられ得、力伝達手段は、カップリング・エージェント(coupling agent)を介して被駆動ベベル・ギアに連結されている。適切なカップリング・エージェントは、たとえば、ネジ山付きロッドであることが可能であり、ネジ山付きロッドは、特定の力伝達手段の上のネジ山に係合している。
【0034】
[本発明態様3 - 熱伝導エレメント]
本発明による第3の態様は、トレッドの改善された耐摩耗性を有するアタッチメントを提供する目的に関する。この目的は、熱伝導エレメントの提供によって実現され、熱伝導エレメントは、具体的には(たとえば、ストリップ形状の)熱伝導プレートとして設計され得る。熱伝導プレートは、具体的には銅、アルミニウム、もしくはマグネシウムから製造され得、または、これらの材料のうちの1つまたは複数を含むことが可能である。
【0035】
熱伝導エレメントは、有利には、トレッドを担持するトレッド本体部の中に埋め込まれている。たとえば、トレッド本体部は、プラスチックから製作されており、熱伝導エレメントは、たとえば、トレッド本体部の中へ成形または鋳造されているということが考えられる。したがって、トレッド本体部は、プラスチック鋳造方法(たとえば、射出成形)によって、熱伝導エレメントの上に成形され得る。
【0036】
熱伝導エレメントは、一般的に、好ましくは、トレッド本体部に物質結合されている。熱伝導エレメントは、トレッド本体部から外へ延在することが可能である。熱伝導エレメントは、トレッド本体部またはトレッド・セグメントから半径方向内向きに延在しており、とりわけ、提供される任意の静止セクションを越えてさらに半径方向内向きに延在しているということが提供され得る。
【0037】
熱伝導エレメントは、トレッド・セクションの金属ベース本体部と一体的に形成され得、トレッド本体部の中へ延在することが可能である。換言すれば、トレッド本体部は、トレッド・セクションの金属ベース本体部の一部の上に成形(たとえば、鋳造)され得、たとえば、成形(たとえば、鋳造)がその周りに行われる一部が、トレッド本体部の材料によって囲まれるようになっている。
【0038】
熱伝導エレメントは、トレッド本体部の材料よりも高い熱伝導率を有しており、とりわけ、トレッド・セクションまたは静止セクション(適用可能な場合には、環状セクション)の材料よりも高い熱伝導率を有している。
【0039】
一般的に、トレッド・セクション(適用可能な場合には、静止セクションまたは環状セクション)は、2つのエレメントを含み、それらは、軸線方向に互いに対してブレース締めされているということが提供され得る。熱伝導エレメントが提供されている場合には、これらは、2つのエレメントの間に配置され得る。とりわけ、熱伝導エレメントは、トレッド・セクション(適用可能な場合には、静止セクションまたは環状セクション)の2つのエレメントの間にブレース締めされ得る。トレッド・セクションの2つのエレメントは、環状セクションによって形成され得、たとえば、環状セクションは、軸線方向に2つのパーツで実装され得る。とりわけ、熱伝導エレメントは、環状エレメントを介して半径方向内向きに突出することが可能である。
【0040】
本明細書で説明されている熱伝導エレメントの代替的にまたはそれに加えて、トレッド本体部は、プラスチック材料を含み、熱伝導を改善する粒子(特に金属粒子)が、プラスチック材料の中へ組み込まれるということが提供され得る。熱伝導を改善する粒子は、たとえば、鋳造プロセスまたは射出プロセスにおいて、プラスチック材料の中へ混合され得る。熱伝導を改善する粒子は、好ましくは、たとえば、繊維の形態で細長くなっている。たとえば、熱伝導を改善する粒子は、炭素繊維の形態で提供されるということが考えられる。
【0041】
さまざまな本発明態様の他の特徴が一緒にまたは互いに組み合わせられて説明されるように理解されることとなるように、本明細書は一般的に理解されるべきである。したがって、たとえば、上記に説明されている熱伝導エレメントは、トレッドの移動可能なセグメントおよび/または取り外し可能なブレーシング・ユニットと組み合わせられ得、独立して説明されているものとして、および、これらと組み合わせて説明されているものとして理解されるべきであるということを意味している。
【0042】
[本発明態様4 - クランピング・デバイスのおよびトレッド・セクションの移動のためのブレーシング・メカニズム]
本発明による第4の態様の目的は、可能な限り簡単に組み立てられ得る、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。この目的は、始めに説明されているタイプのアタッチメントによって実現され、そこでは、アタッチメントは、ブレーシング・メカニズムを含み、ブレーシング・メカニズムは、一方では、リムとの後方係合位置へクランピング・デバイスを持って行くように、および、他方では、リムに向けて軸線方向へのトレッド・セクションの移動を引き起こすように設計されている。
【0043】
ブレーシング・メカニズムは、トレッド・セクションの移動が、後方係合位置へのクランピング・デバイスの移送に対して時間をずらして行われるように設計され得る。とりわけ、最初に、後方係合位置へのクランピング・デバイスの移送が開始し、トレッド・セクションの移動の開始が後で行われるということが提供され得る。
【0044】
また、ブレーシング・メカニズムは、トレッド・セクションの移動が、後方係合位置へのクランピング・デバイスの移送と同時に行われるように設計され得る。
【0045】
ブレーシング・メカニズムは、たとえば、最初にクランピング・デバイスが後方係合位置へ移動させられるように実装され得る。これは、たとえば、半径方向内向きに方向付けられるクランピング・デバイスの移動を介して行われ得る。これに続いて、ブレーシング・メカニズムは、動作状態のために想定される位置へ、リムに向けて軸線方向にトレッド・セクションを移動させる。
【0046】
したがって、本発明態様によれば、アタッチメントは、リムとの後方係合位置へクランピング・デバイスを移動させるとともに、リムの上の想定される位置へトレッド・セクションを移動するデバイス(ブレーシング・メカニズム)を含む。両方の移動をトリガーする作動のために、ブレーシング・メカニズムは、作動デバイスを有している(たとえば、力もしくはトルクを導入するためのツール適用ポイント、または、スイッチング・デバイス(たとえば、ブレーシング・メカニズムのモーターは、スイッチング・デバイスを介して作動させられ得る))。
【0047】
トレッド・セクションは、ブレーシング・メカニズムから取り外し可能であるように設計され得る。トレッド・セクションは、便宜上、ブレーシング・メカニズムを介して、リムに向けて軸線方向に移動させられ、動作状態のために想定される位置にそれを移動するようになっている。ブレーシング・メカニズムは、ツール適用ポイントを含むことが可能である。力が、このツール適用ポイントを介して導入され、後方係合位置へのクランピング・デバイスの移送を引き起こし、ブレーシング・メカニズムの中へのトレッド・セクションの移動を引き起こすことが可能である。また、ブレーシング・メカニズムは、代替的にまたは追加的に、ドライブを含むことが可能であり、ドライブは、後方係合位置へのクランピング・デバイスの移送およびトレッド・セクションの移動を引き起こす力を提供する。このドライブは、たとえば、電気機械的な性質のものであることが可能である。たとえば、アタッチメントは、このためのそれ自身のエネルギー供給源(たとえば、アキュムレーターまたはバッテリーなど)を含むことが可能である。また、エネルギーは、非電気的な様式で(たとえば、圧力下の媒体の形態で)貯蔵され、それは、拡張による関連の移動のためのエネルギーを提供するということが考えられる。
【0048】
後方係合位置への(特に、ブレーシング・メカニズムに対して純粋に並進的な)移動のときに、クランピング・デバイスは、半径方向内向きに移動させられる(このケースでは、クランピング・デバイスは、リムに向けて軸線方向にアタッチメント全体を「引っ張る」ことが可能である)ということが提供され得る。
【0049】
ブレーシング・メカニズムは、作動エレメントの、好ましくは、マニュアル・ツールまたはモーターのロータリー駆動移動、具体的には、軸線方向の周りでのロータリー駆動移動を、クランピング・デバイスの移動またはトレッド・セクションの移動に変換するためのトランスミッションを有することが可能である。トランスミッションは、とりわけ、駆動ベベル・ギアおよび被駆動ベベル・ギアを含むことが可能である。とりわけ、被駆動ベベル・ギアは、それぞれのクランピング・デバイスに関して提供されるということが提供され得る。したがって、被駆動ベベル・ギアは、クランピング・デバイスのそれぞれに関連付けられ得、クランピング・デバイスは、それぞれのケースにおいて、カップリング・エージェントを介して被駆動ベベル・ギアに連結されている。
【0050】
適切なカップリング・エージェントは、たとえば、ネジ山付きロッドであることが可能であり、ネジ山付きロッドは、特定のクランピング・デバイスの上のネジ山に係合している。したがって、駆動ベベル・ギアおよび被駆動ベベル・ギアは、カップリング・エージェントとともに、トランスミッションを一緒に形成しており、トランスミッションへのクランピング・デバイスの連結は、ネジ山付きロッドを介して行われ、そして、ネジ山付きロッドは、ネジ山によってクランピング・デバイスを半径方向内向きに引っ張ることが可能である。中央の駆動ベベル・ギアが提供され得、また、複数の被駆動ベベル・ギア、好ましくは、それぞれのクランピング・デバイスのための被駆動ベベル・ギアが提供され得る。駆動ベベル・ギアの移動は、トランスミッションによって、対応する移動へと変換され得、それは、クランピング・デバイスを移動させる。カップリング・エージェントは、ここでは、トランスミッションの一部である。トランスミッションは、駆動ベベル・ギアの回転移動を、異なって方向付けられた回転移動に変換し、および、クランピング・デバイスへのカップリング・エージェント(たとえば、クランピング・デバイスの上のネジ山との係合を介して、回転移動を並進的移動に変換するネジ山付きロッド)の接続に起因して、クランピング・デバイスの対応する並進的移動に変換する。
【0051】
ブレーシング・メカニズム、特にトランスミッションは、締め付け力制限デバイスを有することが可能であり、締め付け力制限デバイスは、クランピング・デバイスがそれによって移動させられる力を制限する。そのような締め付け力制限デバイスは、たとえば、トルク制限デバイスによって形成され得、トルク制限デバイスは、前記カップリング・エージェント(たとえば、ネジ山付きロッド)と一体化されている。
【0052】
換言すれば、駆動ベベル・ギアは、アタッチメントの上に中央に配置され得る。この駆動ベベル・ギアは、たとえば、電気ドライブを介して、または、ツールを介して、軸線方向の周りに回転するように設計され得る。複数の被駆動ベベル・ギアは、駆動ベベル・ギアの上に係合することが可能である。それは、とりわけ、被駆動ベベル・ギアがそれぞれのクランピング・デバイスに関して提供される場合には、有利である可能性がある。カップリング・エージェント(それは、具体的には、ネジ山付きロッドであることが可能である)は、被駆動ベベル・ギアからそれぞれのクランピング・デバイスへ延在することが可能である。駆動ベベル・ギアおよび被駆動ベベル・ギアの組み合わせは、駆動ベベル・ギアの回転移動を(たとえば、半径方向の周りの)別の方向への被駆動ベベル・ギアの回転移動に変換する。したがって、被駆動ベベル・ギアの回転移動は、カップリング・エージェント(具体的には、ネジ山付きロッド)に伝達され得る。ネジ山付きロッドは、たとえば、ネジ山を介してクランピング・デバイスに係合することが可能であり、したがって、カップリング・エージェントの回転移動を(いかなる速度でも)クランピング・デバイスの並進的移動に変えることが可能である。
【0053】
カップリング・エージェントまたはネジ山付きロッドは、トルク限界を含むことが可能であり、トルクが、カップリング・エージェントまたはネジ山付きロッド(締め付け力制限デバイス)によって、特定の抵抗までしか伝達されないようになっている。
【0054】
トランスミッションは、ドライブ移動もトレッド・セクションの移動に変えることが可能である。たとえば、トレッド・セクションは、最初に、ブレーシング・メカニズムから軸線方向に、ある距離間隔を置いて配置され得る。
【0055】
トレッド・セクションの移動を引き起こすために、アタッチメントは、別のカップリング・エージェントを含み、それは、たとえば、クランピング・デバイスを移動させるためにカップリング・エージェントに連結されているか、または、複数のクランピング・デバイスを移動させるために複数のカップリング・エージェントに連結されているということが提供され得る。たとえば、両方のカップリング・エージェントは、歯(たとえば、ギアホイール・セクション)を介して接続され得る。上記別のカップリング・エージェントは、ネジ山付きセクションに接続されており、ネジ山付きセクションは、上記別のカップリング・エージェントの移動を介して回転するようにセットされ、トレッド・セクションの上の相手側ネジ山に係合しているということが提供され得る。ネジ山付きセクションの移動および相手側ネジ山へのその係合に起因して、トレッド・セクションは、たとえば、軸線方向に移動可能であり得る。
【0056】
ブレーシング・メカニズム、具体的には、トランスミッションは、圧力制限デバイスを有することが可能であり、圧力制限デバイスは、トレッド・セクションをリムに向けて軸線方向に移動させる力を制限する。そのような圧力制限デバイスは、たとえば、トルク制限デバイスによって形成され得、トルク制限デバイスは、前記他のカップリング・エージェント(たとえば、ネジ山付きロッド)へ一体化されている。
【0057】
したがって、トルク制御によって、クランピング・デバイスとの連結から、トレッド・セクションとの連結(それは、リムに向けての(したがって、軸線方向への)トレッド・セクションの移動を引き起こす)への切り替えが行われる(したがって、クランピング・デバイスの締め付け力が特定の値に到達する場合には、たとえば、トレッド・セクションの特定の圧力が到達されるまで、ブレーシング・メカニズムの切り替えデバイスによって、トレッド・セクションの移動への切り替えが行われ得る)ということが考えられる。
【0058】
また、クランピング・デバイスの移動および/またはトレッド・セクションの移動は、トルク限界によって、特定の抵抗までしか行われないということが提供され得る。
【0059】
[本発明態様5 - ドライブ・オフ・エイド]
本発明による第5の態様の目的は、とりわけ、レールが道路に敷設されているかまたは他の溝状の凹部が道路に存在している領域でのアタッチメントの動作の間にも、とりわけ信頼性の高い動作を保証する、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。
【0060】
この目的は、始めに説明されているタイプのアタッチメントによって実現され、そこでは、アタッチメントは、ドライブ・オフ・エイドを含み、ドライブ・オフ・エイドは、溝、具体的には、軌道から抜け出るために使用される。ドライブ・オフ・エイドは、軸線方向に突き出るトレッドのエリアを含む。換言すれば、半径方向に見られたときに、トレッドは、真っ直ぐな線で走るのではなく、軸線方向に突出するエリアを含む、軸線方向の縁部を有している。トレッドは、軸線方向に突き出る起伏のある構造体を含む(半径方向に見て、トレッドは、波形状に形成されている軸線方向の縁部を有している)ということが提供され得る。好ましくは、複数の突き出たエリアが、とにかく、トレッドの周りに円周方向に分配されて配置されている。
【0061】
アタッチメントが車両ホイールの上に配置された状態で、車両がトラム・レールの中へ駆動され、たとえば、アタッチメントがレールの溝状の凹部の中に位置付けされるようになっている場合には、車両の操縦性が影響を受ける可能性があり、「環状ディスク状の」アタッチメントが「溝」の中に位置付けされるようになっている。溝から抜け出ることをより容易にするために、トレッドの突き出たエリア(ドライブ・オフ・エイド)が、ステアリング移動の間に上方から溝の縁部に接触し、それによって、アタッチメントが、いわば、「溝からリフトされ」得る。アタッチメントが固着された状態の車両は、アタッチメントが道路の中の溝状の凹部の中に位置付けされているときでも、容易に操縦可能である。
【0062】
突き出たエリアは、トレッドまたはトレッド本体部の材料(たとえば、プラスチック)によって形成され得る。しかし、また、金属コーティング・セクションが、トレッド/トレッド本体部の材料(突き出たプラスチック)の下に延在し、安定性の向上を保証するということが考えられる。
【0063】
ドライブ・オフ・エイドは、本出願において説明されているすべての本発明態様および実施形態とともに使用され得る。
【0064】
[本発明態様6 - ダンピング・デバイス]
本発明による第6の態様の目的は、耐摩耗性があり、高い運転快適性を有する、車両ホイールへのアタッチメントを提供することである。この目的は、始めに説明されているタイプのアタッチメントによって実現され、そこでは、トレッド・セクションは、半径方向にトレッドを減衰させるためのダンピング・デバイスを含む。このダンピング・デバイスは、たとえば、半径方向にさまざまな剛性を有するトレッド表面/トレッド本体部を含むことが可能である。
【0065】
たとえば、トレッド表面/トレッド本体部は、その下に横たわる層よりも硬質の表面(それは、トレッドを形成する)を有することが可能である。また、ダンピング・デバイスは、トレッド本体部の下に(半径方向内側に)配置されており、これとは別個に形成されているということが考えられる。たとえば、ダンピング・デバイスは、トレッド本体部とは別個に形成されたダンピング本体部を含むことが可能であり、それは、可撓性の軟質材料層(たとえば、荷重がかかるときに変形可能な固体材料)を含む。また、ダンピング本体部(または、トレッド本体部の半径方向内側セクション)は、凹部を有している(凹部は、半径方向への圧縮可能性を増加させることが可能である)ということが考えられる。ダンピング本体部は、とりわけ、ハニカム状セクションを有することが可能であり、または、全体的に、ハニカム状構造体を有することが可能である。ダンピング本体部は、プラスチックから製造され得る。
【0066】
ダンピング・デバイスは、トレッド本体部とは別個のエレメント(たとえば、スプリング・エレメント)の弾性的な変形に起因して、減衰が行われるように設計され得る。
【0067】
ダンピング・デバイスは、とりわけ、スプリング・エレメントを含むことが可能である。とりわけ、ダンピング・デバイスは、円周方向に分配されて配置されている複数のスプリング・エレメントを含むということが提供され得る。
【0068】
スプリング・エレメントは、とりわけ、金属の機械的スプリングとしてそれぞれ形成され得る。スプリング・エレメントは、たとえば、金属ハニカム構造体として形成され得る。また、スプリング・エレメントは、波状スプリング・エレメントとして設計され得、波状スプリング・エレメントは、たとえば、軸線方向に見たときに、起伏のある構造体を有することが可能である(半径方向外側エリアは、半径方向内側エリアと交互になっており、半径方向外側エリアは、トレッド本体部を半径方向外向きに支持している。半径方向内側エリアは、トレッド・セクションの金属ベース本体部の上に置かれ得る)。また、個々のスプリング・エレメントは、リーフ・スプリング状のスプリングとして形成され得るということが考えられる。リーフ・スプリング状のスプリングは、たとえば、複数のU字形状のスプリングによって形成され得、それは、アタッチメントの半径方向内側エリアに接触するための中央セクション(たとえば、トレッド・セクションの金属ベース本体部)と、トレッド本体部を半径方向に支持するためにそれぞれ提供されている外側セクションとを有している。異なるスプリング・エレメントの組み合わせも可能である。また、スプリング・エレメントは、円周方向に延在するように配置されているスパイラル・スプリングとして設計され得る。
【0069】
したがって、ダンピング・デバイスは、具体的には金属スプリング・エレメントの可逆的で弾性的な変形によって、スプリング効果を提供するように設計および配置され得る。
【0070】
半径方向にフレキシブルに支持されているトレッド表面は、運転快適性について有利な効果を有するだけでなく、これによって、トレッドまたはトレッド表面の摩耗が低いままであるということも保証される。ダンピング・デバイスは、ダンピング・デバイスによる弾性的な材料変形に純粋に基づいて減衰が提供されるように設計され得る。
【0071】
トレッド本体部は、金属キャリア本体部の上に配置されているということが提供され得る。キャリア本体部は、転がりプロセスの間に変形するように設計され得る。この目的のために、とりわけ、キャリア本体部が、薄壁に形成されており、トレッド本体部の変形に伴って変形するようになっているということが提供され得る。代替的に、また、キャリア本体部は、リジッドに形成されており、トレッド本体部の変形のプロセスの間に変形しないということが提供され得る。とりわけ、両方のタイプのキャリア本体部に関して、実際のダンピング・デバイスが、キャリア本体部の半径方向内側に配置されているということが可能である。したがって、半径方向に見て、トレッド本体部は、外側に配置され得、これに続いて、半径方向に、キャリア本体部および次いで(たとえば、機械的なスプリングの形態の)ダンピング・デバイスが配置され得る。リジッドのキャリア本体部のケースでは、事実上、キャリア本体部全体が、スプリング・プロセスの間に半径方向に変位させられる。したがって、道路に面するキャリア本体部のパーツが、トレッド・セクションのベース本体部に向けて移動させられる場合には、反対側において、キャリア本体部は、トレッド・セクション(たとえば、静止セクション)の金属ベース本体部から離れるように半径方向に移動する。これとは対照的に、可撓性のまたは弾性的に形成可能なキャリア本体部が提供される場合には、キャリア本体部は、事実上、トレッド本体部が道路に接触しているエリアにおいてのみ変形する。
【0072】
また、アタッチメントは、トレッド本体部によって設計され、トレッド本体部は、圧力チャンバーを含み、圧力チャンバーは、圧力媒体によって作用を受けるかまたは作用を受ける可能性がある(媒体(特に、長い分子鎖を備えたガスまたは窒素)によって充填されており、気密に閉じられている)という点において、ダンピング・デバイスが形成され得る。圧力チャンバーは、ここでは、圧力チャンバーの中にある圧力媒体によって、道路の上でのトレッドの転がりプロセスの間に、トレッドが減衰されるように設計および配置されている。圧力チャンバーは、好ましくは、逆止弁を介して、圧力媒体によって作用を受ける。
【0073】
ダンピング・デバイスは、トレッド本体部とは別個に形成され得る。とりわけ、圧力チャンバーが、トレッド本体部の半径方向内側に提供され得る。
【0074】
圧力チャンバーは、有利には、下記に述べられた圧力発生デバイスと組み合わせられ得、圧力発生デバイスは、圧力チャンバーを充填するための圧力下の圧力媒体を利用可能にする。したがって、ダンピング・デバイスは、ガス圧力によってスプリング式に形成され得る。換言すれば、ダンピング・デバイスの減衰特性は、ガス状媒体の圧縮に基づくことが可能である。
【0075】
また、ダンピング・デバイスは、液体(特に、高粘度媒体)によって充填される媒体チャンバーを含むことが可能である。媒体チャンバーは、とりわけ、サブ・チャンバーを含むことが可能であり、サブ・チャンバーは、それぞれ、互いに流体接続されており、互いに対するサブ・チャンバーの接続セクションは、サブ・チャンバーよりも高い流動抵抗(フロー断面の中のボトルネック)を有している。
【0076】
ダンピング・デバイスに加えてまたは代替的に、アタッチメントは、トレッド本体部を含み、そして、トレッド本体部は、軸線方向に減衰するセクションを含むということが提供され得る。これによって、ダンピング・セクションは、軸線方向へのトレッド本体部の圧縮を可能にするということを意味している。たとえば、軸線方向内側におよび軸線方向外側にダンピング・セクションをそれぞれ取り囲むトレッド本体部の材料よりも、ダンピング・セクションが軸線方向に可撓性であるように、ダンピング・セクションが設計され得る。また、軸線方向に互いに続く2つの部分的なトレッド本体部の配置も考えられ、それらは、軸線方向へのダンピング・セクションを介して、軸線方向に互いに接続されている。たとえば、ダンピング・セクションは、これらの2つの部分的なトレッド本体部の間に配置されている可撓性の材料の形態で形成され得る。また、可撓性のエレメントが、2つの部分的なトレッド本体部の間に配置されているということが考えられる。
【0077】
[本発明態様7 - 圧力発生デバイス]
本発明による第7の態様の目的は、運転操作において、車両ホイールのリムの上に配置されているタイヤを支持的に利用する、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。
【0078】
この目的は、本発明にしたがって実現され、そこでは、アタッチメントは、圧力発生デバイスを含み、圧力発生デバイスは、アタッチメントの転がり移動によって流体媒体を圧力下に置くように設計および配置されている。
【0079】
ポンプ機能は、有利には、圧力下に置かれた流体媒体によって実現され得、その機能によって、アタッチメントによって支持されその動作において正常に機能しないタイヤが、圧縮空気または圧力下のガスを供給され得る。たとえば、アタッチメントのトレッド本体部が、ポンプ・コーティングに接触しているということが提供され得る。このポンプ・コーティングは、キャビティーを含むことが可能であり、キャビティーは、フラッター弁をそれぞれ装備していることが可能であり、ポンプ・コーティングの弛緩状態においてキャビティーが膨張し、大気によって充填するようになっている。アタッチメントが次いで円周方向に転がる場合には、トレッド・コーティングがポンプ・コーティングに圧力を働かせ、キャビティーが圧縮され、キャビティーの中にある空気が、出口部側に開口しているフラッター弁を通って圧力下で逃げることができるようになっている。アタッチメントは、好ましくは、集合パイプを含み、集合パイプは、圧力発生デバイスの複数の圧力発生スペース(具体的には、述べられているキャビティー)を互いに接続している。この集合パイプは、接続パイプの中へ開口することが可能である。そして、接続パイプは、タイヤに接続可能であり得る。有利には、集合パイプは、(好ましくは、完全にアタッチメントの周りに)円周方向に延在する溝によって形成され得るということが提供され得る。
【0080】
また、圧力発生デバイスが、少なくとも1つのキャビティーを含み、このキャビティーは、トレッドの半径方向内側に配置されているということが可能である。キャビティーの壁部セクションは、アタッチメントの転がり移動によって移動可能であり得、壁部セクションの移動によって容積が低減されるようになっており、キャビティーの中にある媒体が容積低減によって圧縮されるようになっている。これは、たとえば、移動によって圧迫されるトレッド表面の中のキャビティーによって形成され得る(移動に起因して、その壁部が移動する)。キャビティー容積の圧縮に起因して、その中にあるガスは、圧力下に置かれ、適切な弁デバイス(たとえば、すでに上記に述べられたフラッター弁)を介して逃げることが可能であり、たとえば、タイヤに供給され得る。
【0081】
前記集合パイプは、たとえば、アタッチメントのパーツの中の溝として形成され得る。
【0082】
また、圧力発生デバイスは、たとえば、シリンダー・ピストン構成体によって形成され得、ピストンは、たとえば、トレッドの中へまたはトレッド本体部と接触して延在することが可能であり、トレッドが道路の上を転がるときに、ピストンが移動するようになっている。また、ピストンは、たとえば、適切なカップリング・エージェントを介して、トレッドと間接的に接触していることが可能であり、カップリング・エージェントは、トレッドにかかる圧力をピストンの移動に移すことが可能である。
【0083】
[本発明態様8 - 枢動可能な肢部を備えたアッセンブリ・セクション]
本発明による第8の態様の目的は、製造し易く、車両ホイールのリムの上に効率的に装着され得る、アタッチメントを提供することである。この目的は、始めに説明されているタイプのアタッチメントによって実現され、そこでは、アタッチメントは、クランピング・デバイスを含むアッセンブリ・セクションを有しており、そして、アッセンブリ・セクションは、2つの肢部を有しており、それらは、互いに対して枢動可能である。ここでは、肢部は、たとえば、枢動ジョイントを介して、互いに対して移動可能に形成され得る。
【0084】
少なくとも1つのクランピング・デバイスは、肢部のそれぞれの上に配置されている。好ましくは、第3のクランピング・デバイスが提供されており、クランピング・デバイスのうちの少なくとも1つは、肢部のうちの1つを枢動させることによって、その相対的位置に関して、他の2つのクランピング・デバイスに対して変化させられ得る。
【0085】
アッセンブリ・セクションは、トレッド・セクションまたはトレッド・セクションの一部に接続され得る。
【0086】
この本発明態様によるアタッチメントは、好ましくは、クランピング・デバイス構成体および2つの肢部を有しており、クランピング・デバイスのうちの1つが、クランピング・デバイス構成体の中に保持されており(とりわけ、クランピング・デバイス構成体のクランピング・デバイスは、異なるリム直径に調整された異なる半径方向位置に固定され得る)、2つの肢部は、クランピング・デバイス構成体に対して、これから離れるように枢動可能に延在しており、別のクランピング・デバイスをそれぞれ担持している。したがって、その他のクランピング・デバイスは、それぞれの肢部を枢動させることによって、それらの相対的位置に関して、互いに調節され得、また、それらの相対的位置に関して、クランピング・デバイス構成体の中の上記クランピング・デバイスに調節され得る。
【0087】
この本発明態様によるアタッチメントは、ブレーシング・エレメントを有することが可能であり、2つの肢部は、ブレーシング・エレメントを介して、互いに反対側に移動させられ得る。2つの肢部は、好ましくは、互いに向けてブレース締めされ得る。これによって、肢部が互いから離れるように移動させられた状態で、車両ホイールのリムにクランピング・デバイスを適用し、最後に、クランピング・デバイスがリム・フランジと後方係合するように、2つの移動可能なまたは枢動可能な肢部を互いにブレース締めすることが可能である。
【0088】
ブレーシング手段は、好ましくは、この目的のために、長さ可変エレメントを含むことが可能である。これは、たとえば、ダブル・ネジ山付きスリーブおよび2つのネジ山付きロッドによって現実化され得る。2つのネジ山付きロッドは、この目的のために、肢部の自由端部において(たとえば、枢動可能に)配置されている。2つのネジ山付きロッドのネジ山を支えるセクションは、肢部から離れるように延在しており、対向するネジ山を備えたダブル・ネジ山付きスリーブの中に取り込まれ得る。ネジ山付きスリーブをツイストすることに起因して、2つのネジ山付きロッドが、ネジ山付きスリーブの中へねじ込まれ、ネジ山付きロッドおよびネジ山付きスリーブによって形成された長さ可変エレメントは、2つの肢部の間のその延在に関して短縮化され、これらが互いに向けて引き寄せられるようになっている。リムまたはリム・フランジは、これによって、肢部同士の間で、または、肢部の上に配置されているクランピング・デバイス同士の間でブレース締めされ得る。
【0089】
また、クランピング手段は、たとえば、レバー・メカニズムを含むことが可能であり、レバー・メカニズムによって、2つの枢動可能な肢部は、互いに向けてブレース締めされ得る。レバー・メカニズムは、この目的のために、スプリング・デバイスを含むことが可能であり、スプリング・デバイスは、レバーによってブレース締めするときに、所定のスプリング力によって、2つの肢部を互いに向けて引き寄せる。肢部の自由端部のエリアにおけるクランピング・デバイスは、これらに関節接続させられるということが提供され得る。クランピング手段は、好ましくは、肢部のそれぞれのクランピング・デバイスよりも、肢部の自由端部の近くに配置されている。枢動可能な肢部のレバー・アームは、これによって、とりわけ良好に利用され得る。
【0090】
[本発明態様9 - プリテンションをかけられたクランピング・デバイス]
本発明による第9の態様の目的は、とりわけ容易に装着され得る、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。
【0091】
この目的は、本発明にしたがって実現され、そこでは、アタッチメントは、少なくとも1つの、とりわけ少なくとも2つの、とりわけ少なくとも3つのクランピング・デバイスを含み、それらは、(たとえば、圧力スプリング・エレメントによって、または、同様に、異なる種類のプリテンショニング・エレメントによって)半径方向内向き位置においてプリテンションをかけられている。とりわけ、クランピング・デバイスは、スプリング・プリテンションをかけられるように設計され得る。
【0092】
とりわけ、リーフ・スプリング構成体は、圧力スプリング・エレメントを形成することが可能であり、圧力スプリング・エレメントは、半径方向内向きに方向付けられた位置において、クランピング・デバイスにプリテンションをかけるために提供され得る。
【0093】
半径方向外向きに横たわっているストップ・セクションが、アタッチメントの上に提供され得、圧力スプリング・エレメントがそのセクションの上に置かれており、クランピング・デバイスのストップ・セクションが、これの半径方向内側に横たわって提供され得、圧力スプリング・エレメントの他方の端部がその上に置かれている。ここで、クランピング・デバイスは、プリテンショニング・エレメント(ここでは、圧力スプリング・エレメント)の張力に対抗して半径方向外向きに移動可能であり、プリテンショニング・エレメントは、リーフ・スプリングによって形成され得る。この状態において、クランピング・デバイスは、リム・フランジの上にセットされ得る。スプリングのプリテンショニングに起因して、クランピング・デバイスは、ここで、半径方向内向きに引き込まれ、ここでは、リム・フランジに沿ってスライドし、リム・フランジとのポジティブ・ロッキング後方係合で終わる。
【0094】
また、クランピング・デバイスは、半径方向外向きに横たわっている状態でロックされ、プリテンショニングは、解放デバイス(ロッキング・デバイスとしても説明されている)の作動によって解放され得、クランピング・デバイスがプリテンショニングによって半径方向内向きに押されるようになっているということが提供され得る。
【0095】
解放に続いて、クランピング・デバイスは、半径方向内向きに押圧される。したがって、クランピング・デバイスは、半径方向外向きに横たわっている(ロックされている)というそれらの状態で、リム・フランジの上にセットされ得る。適用された状態において、プリテンショニング・デバイスは、適切に解放され得、クランピング・デバイスは半径方向内向きに押し、それに起因して、クランピング・デバイスは、リム・フランジとの後方係合位置へとスライドすることが可能である。クランピング・デバイスは、プリテンショニングに起因してクリアランスを有することが可能である。
【0096】
アタッチメントは、1つだけのスプリング・プリテンションをかけられたクランピング・デバイスを含むということが提供され得る。好ましくは、少なくとも2つの他の静止したクランピング・デバイスが提供され、それらは、スプリング・プリテンションをかけられたクランピング・デバイスから円周方向に、ある距離間隔を置いて配置されている。好ましくは、アタッチメントは、曲線状のアッセンブリ・セクションまたは曲線状の静止セクションを含み、これらのクランピング・デバイスは、その上に配置されている。このアッセンブリ・セクションまたは静止セクションは、リム・フランジの上にセットされ得、プリテンションをかけられたクランピング・デバイスのスプリング・プリテンショニングによって、これは、リム・フランジとの後方係合位置に持って行かれ得る。次いで、トレッドまたはトレッド・セクションの一部のいずれかは、クランピング・デバイスに固着され得、または、トレッドは、トレッドの別のセグメントの挿入によって円周方向で完結され得る。トレッドの大部分は、クランピング・デバイスを装備しているアタッチメントのパーツの上にすでに配置され得、クランピング・デバイスがリム・フランジとの後方係合位置へと移動させられた後に、アタッチメントは、たとえば半回転だけ、車両ホイールによって前方へ移動させられ得る。次いで、トレッドは、別のトレッド・セグメントの挿入によって完結し、アタッチメントの組み立てが完結され得る。この種類のアタッチメントは、たとえば、リムの中央エリアが自由になっているままであることが可能であり、アタッチメントのみが、外側エリアに、したがって、リムのリム・フランジのエリアに延在するという利点を有している。これは、軸線方向にリム・フランジよりもさらに外向きに中央エリアにおいて延在するリムの上でもアタッチメントが使用され得る場合には、有利である可能性がある。
【0097】
[本発明態様10 - 湾曲した軌道を備えたブレーシング・メカニズムによるブレーシング]
本発明による第10の態様の目的は、スポークのエリアにおいて異なる輪郭を有するリムの上に容易に装着されることができるように設計されているアタッチメントを提供することである。
【0098】
この目的は、本発明にしたがって実現され、そこでは、アタッチメントは、湾曲した軌道を含むクランピング・デバイスのためのブレーシング・メカニズムを有している。具体的には、クランピング・デバイスのためのブレーシング・メカニズムは、環状ディスクの様式で形成され得、湾曲した軌道を担持することが可能である。とりわけ、この本発明態様によるアタッチメントは、中央エリアにおいて軸線方向に遠くへ(たとえば、軸線方向にリム・フランジを越えて)突出するリムの上に、簡単な様式で組み立てられ得る。クランピング・デバイスは、リム・フランジのエリアの中に配置されている。そして、湾曲した軌道は、クランピング・デバイスのエリアの中にあり、リムの中央エリアが、アタッチメントによって隠されないままになることができるようになっている。
【0099】
したがって、アタッチメントは、湾曲した軌道(具体的には、複数の湾曲した軌道セクション)を含むクランピング・デバイスの移動のためのブレーシング・メカニズムを有することが可能であり、クランピング・デバイスは、それぞれの係合セクションを介して、湾曲した軌道に連結されており、それぞれの係合セクションは、湾曲した軌道に係合しており、クランピング・デバイスが、湾曲した軌道を担持するブレーシング・メカニズムのパーツの相対移動によって移動可能になっている。
【0100】
クランピング・デバイスは、突出エレメント(または、一般的に、係合セクション)を有することが可能であり、突出エレメントは、湾曲した軌道への連結のために、湾曲した軌道に係合することが可能である。湾曲した軌道を担持するブレーシング・メカニズムのパーツをツイストすること(または、湾曲した軌道の配置に応じて、クランピング・デバイスに対する湾曲した軌道を担持するパーツの相対移動)に起因して、クランピング・デバイスは、たとえば、半径方向に移動させられ得る。湾曲した軌道は、その半径方向位置の変化を伴って円周方向に延在しており、クランピング・デバイスの半径方向位置が、湾曲した軌道を担持するブレーシング・メカニズムのパーツの円周方向への移動に応じて可変であるようになっている。この目的のために、ブレーシング・メカニズムは、好ましくは、それぞれのクランピング・デバイスに関して、スロットの形態の湾曲した軌道を有しており、それは、半径方向内側に横たわっている第1の円周方向の端部と、半径方向外側に横たわっている第2の円周方向の端部とを含む。湾曲した軌道の半径方向位置は、2つの円周方向の端部の間で絶え間なく変化している。
【0101】
[本発明態様11 - 枢動可能なクランピング・デバイス]
本発明による第11の態様の目的は、とりわけ効率的に装着され得る、車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。この目的のために、アタッチメントは、好ましくは、半径方向内向きに枢動可能なクランピング・デバイスを有している。アタッチメントは、好ましくは、2つの他のクランピング・デバイスを有しており、それらは、アタッチメントの組み立てのときに移動不可能である。これらの2つの移動不可能なクランピング・デバイス(それらは、枢動可能なクランピング・デバイスから円周方向に、ある距離間隔を置いて配置されている)を使用して、アタッチメントは、車両ホイールに適用され得る。枢動可能なクランピング・デバイスは、リム・フランジの方向に押圧され得、その先端部がリム・フランジの上に置かれるようになっている。次いで、枢動可能なクランピング・デバイスは、たとえばレバーを介して、リム・フランジとの後方係合位置へと枢動させられ得る。この実装変形例におけるクランピング・デバイスは、好ましくは、それぞれのケースにおいて、100°から140°だけ、とりわけ110°から130°だけ、とりわけ120°だけ、互いからオフセットされて配置されている。アタッチメントは、好ましくは、円弧セグメントの形態の静止セクションまたはアッセンブリ・セクションを有しており、クランピング・デバイスがその上に配置されている。アタッチメントは、好ましくは、2つの肢部を有しており、それらは、枢動可能なクランピング・デバイスから離れるように円周方向に延在しており、2つの固定されたクランピング・デバイスは、肢部の自由端部に配置されている。枢動可能なクランピング・デバイスは、好ましくは、レバー・メカニズムへの接続のためのレバー適用ポイントを有している。
【0102】
[本発明態様12 - システム]
本発明による第12の態様の目的は、アタッチメントがそれによって可能な限り容易におよび迅速に装着され得るオプションを提供することである。
【0103】
この目的は、車両ホイールのためのアタッチメント(とりわけ、本出願において説明されている実施形態のうちの1つによる)を含むシステムによって実現され、車両ホイールは、リムと、リムの上に配置されているタイヤとを含み、アタッチメントは、動作状態において、制限されたタイヤ機能での運転操作を可能にするように設計されており、動作状態では、アタッチメントは車両ホイールの上に締結されており、アタッチメントは、トレッド・セクションを含み、トレッド・セクションは、道路に接触するためのアタッチメントのトレッドを有しており、アタッチメントは、少なくとも2つの、とりわけ少なくとも3つの、とりわけ少なくとも4つのクランピング・デバイスを含み、クランピング・デバイスは、リムのセクション(具体的には、リム・フランジ)の後ろ側に係合するように設計されており、システムは、リフティング・デバイスをさらに含み、リフティング・デバイスは、リフティング・デバイスの上に車両を移動させることによって、および、適用可能な場合には、リフティング・プロセスによって、制限されたタイヤ機能を有する車両ホイールをリフトするように設計されており、円周方向に閉じられたトレッドを備えたアタッチメントが、車両ホイールの上に締結され得るようになっている。
【0104】
リフティング・デバイスは、制限されたタイヤ機能を有する車両ホイールの下に設置するための膨張可能セクションを含むことが可能である。リフティング・デバイスは、加圧ガス・カートリッジ(好ましくは、CO2加圧ガス・カートリッジ)のための接続をさらに含むことが可能である(加圧ガス・カートリッジは、膨張可能セクションへの接続を介して流体接続可能である)。
【0105】
リフティング・デバイスは、ランプ状に設計され得る。リフティング・デバイスは、(たとえば、1つまたは複数のヒンジを介して)折り曲げ式/折り畳み式になるように設計され得る。
【0106】
この本発明態様のアタッチメントは、トレッド・セクションを含むことが可能であり、トレッド・セクションは、折り曲げ式にも折り畳み式にもなっておらず、または、トレッドの外側円形リング輪郭を変化させる別の様式で移動可能になっている。
【0107】
そのうえ、リフティング・デバイスは、支持エレメントを含むことが可能であり、支持エレメントは、車両ホイールがリフティング・デバイスの上に位置付けされているときに、対応するアタッチメントを車両に対して軸線方向に支持するように配置および設計されている。支持エレメントは、好ましくは、リムの方向に軸線方向にアタッチメントを押すためのデバイスを含むように設計されている。たとえば、スクリュー・メカニズムが、これのために提供され得、これによって、アタッチメントは、車両ホイールの方向にねじ込まれ得る。
【0108】
支持エレメントは、好ましくは、ストラットの様式で設計されており、道路に接触しているリフティング・デバイスのパーツから延在しており、車両ホイールも、垂直方向に上向きにそのパーツの上に立っている。リフティング・デバイスの上に位置している車両の重量に起因して、デバイスは、地面の上に実用的に堅く押圧されており、リフティング・デバイスの地面エリアから上に延在する支持エレメントは、確実に安定して保持されている。支持エレメントは、たとえば、正方形チューブとして形成され得る。
【0109】
円周方向にワンピースで形成されており、また、半径方向内向きに張力をかけられたスライダーの形態のクランピング・デバイスを有する、アタッチメントと、本発明システムによるリフティング・デバイスとを組み合わせることが可能である。半径方向内向きに張力をかけられたスライダーは、リムに接触するために提供されるそれらの側部よりも、リムに面するそれらの側部において、より平坦なスロープを有することが可能である。半径方向内向きに張力をかけられたスライダーを備えたアタッチメントは、事実上、スライダーが半径方向内向きに位置付けされている位置にある状態で、軸線方向にリムの上に押される。リムに面するスライダーの側部の上のスロープに起因して、スライダーは、半径方向外向きに移動させられる。スライダーがリム・フランジの上に押された後、それらは、スライダーのスプリング・プリテンショニングによって、リム・フランジとの後方係合へと移動させられる。リム・フランジに接触するために形成された側部において、スライダーは、好ましくは、リム・フランジに対して相補的に形成された輪郭を有している。次いで、スライダーは、締結デバイスによって、トレッド・セクションに固定されて接続され得、スライダーがリム・フランジとの後方係合位置から外へ移動することが防止されるようになっている。
【0110】
[本発明態様13 - 保護ストリップ・スライダー・メカニズム]
本発明による第13の態様の目的は、保護ストリップを備えたタイヤを備えた車両ホイールの上での組み立てにと特に適した車両ホイールのためのアタッチメントを提供することである。
【0111】
この目的のために、枢動可能に関節運動させられるクランピング・デバイスが、始めに述べられたタイプのアタッチメントの上に提供され、保護ストリップのためのスライダー・メカニズムが、クランピング・デバイスのエリアの中に追加的に提供される。枢動可能なクランピング・デバイスは、中央のツール適用ポイントを介して半径方向に追加的に移動可能である。それぞれの保護ストリップ・スライダー・メカニズムと組み合わされた少なくとも3つのそのようなクランピング・デバイスは、好ましくは、アタッチメントの周囲部の周りに分配されて配置されている。クランピング・デバイスの半径方向の移動の間に、保護ストリップ・スライダー・メカニズムは、同様に半径方向に移動する。車両ホイールの上にアタッチメントをブレース締めするために、このケースでは、保護ストリップ・スライダー・メカニズムが、ツール適用ポイントの作動を介して、保護ストリップと係合させられ、次いで、クランピング・デバイスおよび保護ストリップ・スライダー・メカニズムの半径方向外向きに方向付けられた移動が引き起こされるということが提供される。クランピング・デバイスが半径方向外向きに十分に遠くに移動させられると、それは、スプリング・プリテンショニングを介して、リム・フランジとの後方係合位置へと自動的に枢動する。タイヤが、保護ストリップ・スライダー・メカニズムによって、リム・フランジから離れるように押しのけられており、クランピング・デバイスを枢動させるために十分なクリアランスが存在するようになっているので、この自動的な枢動が可能である。クランピング・デバイスの枢動に続いて、クランピング・デバイスは、保護ストリップ・スライダー・メカニズムとともに、半径方向内向きに移動させられ、したがって、個々のクランピング・デバイスは、互いに対してブレース締めされる。
【0112】
保護ストリップ・スライダー・メカニズムの(半径方向への)後退に起因して、タイヤは、リム・フランジまたは今ではリム・フランジの上に位置付けされているクランピング・デバイスと接触するように戻り、この(これらの)クランピング・デバイスをリム・フランジに追加的に押し付ける。とりわけ、クランピング・デバイスを介したアタッチメントの確実な締結が、これによって可能にされる。この締結プロセスに続いて、次いで、トレッド・セクションは、アッセンブリ・セクションの上に位置付けされているクランピング・デバイスによって取り付けられ得る。これは、前述した実施形態からのものと同様に設計されている締結デバイスを介して行われ得る。
【0113】
保護ストリップ・スライダー・メカニズムは、好ましくは、枢動可能なクランピング・デバイスの両側に配置されている。枢動可能なクランピング・デバイスは、好ましくは、リーフ・スプリングを介して、それらの枢動位置において、リムに向けて張力をかけられている。
【0114】
[本発明態様14 - 半径方向外向きに方向付けられた移動による枢動]
本発明による別の態様の目的は、簡単な様式で車両ホイールに固着され得るアタッチメントを提供することである。
【0115】
この目的は、一般的なアタッチメントによって、本発明にしたがって実現され、そこでは、それは、複数のクランピング・デバイスを有しており、複数のクランピング・デバイスは、起動エレメントの半径方向外向きに方向付けられた移動によって、リム・フランジとの後方係合位置へとそれぞれ枢動させられ得る。起動エレメントは、好ましくは、ネジ山付きロッドによって、その半径方向位置において移動可能であり、ネジ山付きロッドは、起動エレメントの中へねじ込むか、または、起動エレメントから外へねじ回す。起動エレメントは、好ましくは、起動フレームの中に配置されており、そして、起動フレームは、それぞれのクランピング・デバイスの上に枢動可能に配置されている。起動エレメントは、好ましくは、起動フレームの中に並進的に移動可能に配置されている。それぞれのクランピング・デバイスは、好ましくは、枢動軸線を有しており、枢動軸線は、軸線方向内側に横たわっており、アタッチメントのそれぞれのアッセンブリ・セクションに固定されて接続されている。
【0116】
[一般事項]
すでに上記に述べられたように、本明細書は、個々の本発明態様のそれぞれの他の特徴が、(独立した発明としてのそれらの特徴は別として)それぞれの他の本発明態様の発展例としてそれぞれ理解されるべきであるということを意味するものとして理解されるべきである。そのうえ、下記に説明されている他の態様(これらは、いくつかのケースでは、すでに上記に述べられている)は、本出願に説明されている実施形態およびさまざまな本発明態様の中に存在していることが可能である。
【0117】
トレッド・セクションは、円周方向に複数のパーツで構成され得る。トレッド・セクションの分離された状態において、これは、完全に閉じられた円形リングを形成しない。
【0118】
トレッド・セクションは、円周方向に連続的に構築され得、トレッドは、引き出し可能な円周方向セグメント(取り外し可能なパーツ)を含む。したがって、トレッド・セクションの半径方向外側パーツは、円周方向の中断部を有しており、一方では、トレッド・セクションの半径方向内側パーツは、円周方向に閉じられており、したがって、トレッド・セクションは、それ自身で連続的に構築されているということが提供され得る。
【0119】
本発明によるアタッチメントは、これによって、損傷を受けた車両ホイールをリフトするための手段を使用することなく装着され得る。たとえば、最初に、アッセンブリ・セクションが取り付けられ得る。次いで、トレッド・セクションの第1の円周方向セグメントが、車両ホイールにすでに締結されているアッセンブリ・セクションの上に装着され得る。次いで、部分的なアタッチメントがその上に位置付けされている状態の車両ホイールが回転させられ得、トレッド・セクションのその他の円周方向セグメントが挿入されるかまたは取り付けられ得る。そして、組み立てが完了する。(トレッド・セクションのこのタイプの設計によって、とりわけ、アタッチメントが、別個のアッセンブリ・セクションなしで済ましているということが提供され得る。換言すれば、アタッチメントは、トレッド・セクションの2つのパーツだけを実質的に含み、他のコンポーネントを含まない。)
【0120】
トレッドの引き出し可能な円周方向セグメントを備えたトレッド・セクションを使用するときには、トレッド・セクションは、最初に引き出し可能なセグメントが取り外された状態で(道路に向けて配向されているこのセグメントとの組み合わせのために凹部が設計されている状態で)、たとえば、車両ホイールの上にまたはアッセンブリ・セクションの上に直接的に締結され得る。次いで、車両ホイールが、対応する凹部が上向きになるように回転させられ得、トレッドの引き出されたセグメントが挿入され得る。静止セクションに対して完全に軸線方向の周りに回転可能なトレッドのケースでは、トレッド・セクションの円周方向セグメントまたは引き出し可能なセグメントとトレッド・セクションの残りの部分との間の対応する移行が、それにもかかわらず、静止セクションに対するトレッドの変位を許容するということが提供され得る。トレッド本体部を支えることは、たとえば、この目的のために、ストップ(トレッド本体部がその上に置かれ得、それによって、移動において妨害され得る)が円周方向に存在しないように設計されている。
【0121】
トレッド・セクションは、クランピング・デバイスから取り外し可能であるということが提供され得る。
【0122】
クランピング・デバイスは、車両リムの上のトレッド・セクションとは別個に締結され得るアッセンブリ・セクションに固着されているということが提供され得る。
【0123】
少なくとも1つのクランピング・デバイス、とりわけいくつかのクランピング・デバイス、とりわけすべてのクランピング・デバイスが、締結デバイスを備えた締結セクションを有しているということがさらに提供され得る。締結デバイスは、クランピング・デバイスの上にトレッド・セクションを締結する役割を果たすか、または、締結するように設計されている。クランピング・デバイスの上にトレッド・セクションを締結するとき、締結デバイスは、トレッド・セクションがクランピング・デバイスに対抗して軸線方向にブレース締めされるように設計されており、クランピング・デバイスに関する遊びに対して、クランピング締結を介して、それが固定されるようになっている。
【0124】
締結デバイスは、締結するときに、トレッド・セクションが締結デバイスによってリムに向けて軸線方向に移動するように設計され得る。
【0125】
とりわけ、ここでは、クランピング・デバイスの上にトレッド・セクションを締結することによって、タイヤが、リム・ベースの方向にリム・フランジから押しのけられるということが提供され得る。クランピング・デバイスに対してトレッドをブレース締めすることは、すでに上記にさらに述べられた接触セクションと組み合わせられ、リム・フランジに対するトレッドの精密に定義された位置を保証するということが提供され得る。
【0126】
さまざまな本発明態様による説明されたアタッチメントのケースでは、クランピング・デバイスのうちの少なくとも1つ(とりわけ、複数のクランピング・デバイス)は、半径方向および軸線方向に延在する断面平面を通る断面において、後方グリップ・セクションを含み、後方グリップ・セクションは、リム・フランジの後ろ側にポジティブに係合するために、軸線方向に突出しており、半径方向内向きに走っており、フックの様式で設計されているということが提供され得る。クランピング・デバイスが、リム・フランジとの後方係合へ、とりわけ並進的に半径方向内向きに移動させられるときにリム・フランジに向けて軸線方向に押圧されるように、後方グリップ・セクションが設計され得る(後方グリップ・セクションは、この目的のために、対応する傾斜を有している)。また、さらに上記に説明されているように、アタッチメントは、接触表面または接触セクションを含むことが可能であり、それは、軸線方向外側からリム・フランジに接触するように、および、動作状態においてリム・フランジに対するアタッチメントの精密に定義された位置を保証するように設計および配置されている。したがって、この種類のクランピング・デバイスは、リム・フランジが接触表面または接触セクションに接触するまで、リムに向けて軸線方向に半径方向内向きに方向付けられた移動でスライドする。
【0127】
接触セクションは、クランピング・デバイスの一部であることが可能である(たとえば、クランピング・デバイスと一体的に形成されている)。また、それらは、たとえば、トレッド・セクションの一部として、クランピング・デバイスとは別個にアタッチメントの上に装着され得る。接触セクションがそれぞれのクランピング・デバイス自身の上に形成されている場合には、後方グリップ・セクションは、接触セクションへと移行することが可能であり、軸線方向に走る窪み(軸線方向に凹んだセクション)が、後方グリップ・セクションと接触セクションとの間の移行のエリアに、接触セクションの側におよび接触セクションの上方に提供され得る。
【0128】
説明されているアタッチメントのクランピング・デバイスは、特定のリム・サイズにマッチされているさまざまな所定の位置において、アタッチメントの上に固着され得るということが提供され得る。クランピング・デバイスは、所定の位置において固定して(移動不可能にという意味で)固着され得る。また、クランピング・デバイスは、所定の位置において、とりわけ半径方向内向きに、移動可能に取り付けられ得る(そのため、個々の位置における移動遊びは、互いからの位置の間隔よりも小さい)。
【0129】
アタッチメントは、固定されて(アッセンブリ・セクションまたはトレッド・セクションに対して移動不可能という意味で)取り付けられている(また、さまざまな所定の位置において締結可能な)クランピング・デバイスと、とりわけ半径方向内向きに移動可能に取り付けられているクランピング・デバイスとを含むことが可能である(しかし、リムの上でアタッチメントをブレース締めするために、互いに対するクランピング・デバイスの相対的位置は可変である)。
【0130】
アッセンブリ・セクション、ならびに、ブレーシング・メカニズム、および、動作状態において取り外し可能なブレーシング・ユニットの両方は、中央セクションを備えて設計され得、ウェブは、中央セクションから異なるクランピング・デバイスへ(または、それらの位置)へ延在している。ウェブは、シェルとして(または、たとえばリムに向けて、たとえば1つの方向に開口している部分的なシェルとして)実装され得る。カップリング・エージェント(たとえば、ネジ山付きロッド)は、シェルの中に配置され得る。カップリング・エージェントは、中央セクションの中に配置されているトランスミッションのパーツをクランピング・デバイスに接続する役割を果たすことが可能である。
【0131】
静止セクションもしくはトレッド・セクションおよび/またはアッセンブリ・セクションは、基本構造体を含むことが可能であり、基本構造体は、マグネシウム・ダイキャスト・エレメントとして設計されている。とりわけ、このマグネシウム基本構造体の材料は、AZ91(0.8%亜鉛を含む)であるということが提供され得る。
【0132】
クランピング・デバイスは、好ましくは、スチールから形成されている。
【0133】
プラスチックのトレッド本体部は、トレッド本体部を支持するその下に横たわっているトレッド・セクションの金属セクションを越えて、少なくとも1つの側に軸線方向に(具体的には、リムに向けて軸線方向に、および、リムから離れる方を向く軸線方向に)突出しているということが提供され得る。これは、周囲部全体の周りに当てはまることが可能である。したがって、トレッド本体部は、いわば、それを支持する構造体を越えて軸線方向に突き出ていることが可能である。それによって、トレッド本体部は、向上した耐摩耗性を獲得する。
【0134】
トレッド本体部は、好ましくは、少なくとも15mm、とりわけ20mm、とりわけ25mm、とりわけ30mmの半径方向への延在を有することが可能である。
【0135】
トレッド本体部は、好ましくは、少なくとも75mm、とりわけ70mm、とりわけ65mm、とりわけ60mm、とりわけ55mm、とりわけ50mmの半径方向への延在を有することが可能である。
【0136】
本発明の他の特徴、適用の可能性、および利点は、本発明の例示的な実施形態の以下の説明から結果として生じ、それらは、図面の助けを借りて説明されており、特徴は、単独でおよび異なる組み合わせの両方で、繰り返して明示的に参照されることなく、本発明にとって実質的である可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【
図2】
図1の車両ホイールのリムを断面図で示す図である。
【
図3】本発明によるアタッチメントの第1の実施形態を示す図である。
【
図6】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図8】本発明による別のアタッチメントのサブ・エリアを示す図である。
【
図10】
図8のアタッチメントの別の位置の断面図である。
【
図11】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図13】
図12のアタッチメントを通る、ある平面に沿った断面図であり、この平面は、軸線方向に直交して延在している、図である。
【
図14】本発明による別のアタッチメントの走行セクションを断面図で示す図である。
【
図15】軸線方向に見たときの図で、
図14のトレッド・セクションを示す図である。
【
図19】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図21】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図22】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図23】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図30】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図31】リムに固着された状態の、
図30のアタッチメントを示す図である。
【
図39】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図49】アタッチメントの本発明による別の実施形態を示す図である。
【
図50】車両ホイールのリムに固着されているときの、
図49のアタッチメントのアッセンブリ・セクションを示す図である。
【
図52】クランピング・デバイスがリム・フランジの後ろ側に係合している状態のアッセンブリ・セクションを示す図である。
【
図56】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図58】リムに面する側部を見たときの、
図56および57のアタッチメントを斜視図で示す図である。
【
図61】リム・フランジに適用したときの、本発明による別のアタッチメントおよびそのクランピング・デバイスを示す図である。
【
図62】リム・フランジの後ろ側に係合している状態の、
図61のクランピング・デバイスおよびアタッチメントを示す図である。
【
図64】
図63のアッセンブリ・セクションを分解図で示す図である。
【
図65】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図66】
図65のアタッチメントおよび
図65のアタッチメントのアッセンブリ・セクションを示す図である。
【
図68】アッセンブリ・セクションの別の詳細を示す図である。
【
図69】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図71】本発明による別のアタッチメントおよびこのアタッチメントのトレッド・セクションのパーツを示す図である。
【
図72】
図71のアタッチメントの熱伝導エレメントを示す図である。
【
図73】
図71および
図72のアタッチメントのトレッド・セクションのパーツの斜視図である。
【
図77】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図78】
図77のアタッチメントのトレッド・セクションのパーツのさまざまな図である。
【
図79】リムから離れる方に面する側部を軸線方向に見たときの図で、
図77および
図78のアタッチメントを示す図である。
【
図83】空の状態の、
図82のリフティング・デバイスを示す図である。
【
図84】車両ホイールがその上に位置付けされている状態の、
図82および
図83のリフティング・デバイスを示す図である。
【
図85】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図88】
図85のアタッチメントのアッセンブリ・セクションを分解図で示す図である。
【
図89】本発明による別のアタッチメントのブレーシング・ユニットのパーツを示す図である。
【
図90】
図89に関するアタッチメントのブレーシング・ユニットおよびクランピング・デバイスを示す図である。
【
図91】軸線方向外側から見たブレーシング・ユニットを示す図である。
【
図92】クランピング・デバイスへのブレーシング・ユニットの接続の詳細を示す図である。
【
図97】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図98】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図99】
図98のトレッド・セクションのパーツを示す図である。
【
図100】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図101】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図102】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図103】
図102のアタッチメントを断面図で示し、スプリング・エレメントの代替的な設計を示す図である。
【
図104】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図105】本発明による別のアタッチメントのスプリング・エレメントおよびトレッド・セクションの代替的な設計を示す図である。
【
図106】本発明による別のアタッチメントのスプリング・エレメントおよびトレッド・セクションの代替的な設計を示す図である。
【
図107】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図108】
図107のアタッチメント、特に、ダンピング・デバイス87の詳細を示す図である。
【
図109】リフティング・デバイスおよびアタッチメントを含む、本発明によるシステムを示す図である。
【
図110】本発明による別のシステムを示す図である。
【
図111】本発明による別のシステムを示す図である。
【
図112】本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図114】本発明による別のシステムを示す図である。
【
図115】
本発明によるさらに別のシステムを示す図である。
【
図118】トレッド・セクション16を示す図である。
【
図119】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図120】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図121】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図123】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図124】本発明による別のアタッチメントのトレッド・セクションを示す図である。
【
図125】車両ホイールの上に締結されている状態の、本発明による別のアタッチメントを示す図である。
【
図127】
図125のアタッチメントのアッセンブリ・セクションを詳細に示す図である。
【
図129】リム・フランジの後ろ側に係合しているときの、
図128のクランピング・デバイスを示す図である。
【
図130】リム・フランジとの後方係合位置におけるクランピング・デバイスを示す図である。
【
図131】別の実施形態のアッセンブリ・セクションを分解図で示す図である。
【
図132】車両ホイールのリムに取り付けるときの、
図131のアッセンブリ・セクションを示す図である。
【
図133】リム・フランジの後ろ側に係合しているクランピング・デバイスを備えた、
図131のアッセンブリ・セクションを示す図である。
【
図134】
図131のアッセンブリ・セクションのアタッチメントのクランピング・デバイスの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0138】
以下の図では、対応するコンポーネントおよびエレメントは、同じ参照文字を有している。より明確にするために、すべての図が、すべての参照文字を含むとは限らない。
【0139】
図1は、車両ホイール1を概略図で示している。車両ホイール1は、リム2と、リム2の上に装着されたタイヤ3とを含む。
図2において、リム2は、タイヤ3なしで単独で示されている。
【0140】
円周方向は、参照文字Uを伴う矢印によって表されている。軸線方向は、参照文字Aを伴う矢印によって表されている(
図2)。半径方向は、参照文字Rを伴う矢印によって表されている。
【0141】
リム2は、半径方向内側に横たわっている車両ホイール1のボルト・パターン4を含む。軸線方向Aに沿って走っている車両ホイール1の回転軸線5の周りのボルト・パターン4の中心に配置されているのは、いわゆる中央開口部6であり、中央開口部6は、いくつかのケースでは、ハブ・ボアまたは中心孔センタリングとしても説明されている。ボルト・パターン4は、ここでは、5つのスクリュー孔部7を含み、そのうちの2つは、参照文字を提供されている。本車両ホイール1のケースでは、5つのスポーク8が、ボルト・パターン4のエリアから半径方向外向きに延在している。リム2は、リム・ベース9およびリム・フランジ10を含み、中央開口部6は、凹んだ円周方向の溝12を有している。
【0142】
車両ホイール1のタイヤ3に穴が開いている場合には、タイヤの中にある空気が逃げ、車両ホイール1のタイヤ機能が制限される。
【0143】
そのような場合に運転操作の継続を可能にするために、本発明のアタッチメント14が使用され得る。
【0144】
そのようなアタッチメント14の例が、
図3に示されている。アタッチメント14は、トレッド・セクション16を備えて、および、道路Fに接触するためのトレッド18を備えて設計されている。トレッド・セクション16は、トレッド18を含む。トレッド18は、道路に接触するために提供されるアタッチメント14の一部に対応している。
【0145】
図3において、アタッチメント14は、組み立てられた状態で車両ホイール1から離れた方を向いているその側部の図によって示されている。アタッチメント14またはトレッド18の周囲部の周りに分配されて配置されているのは、いくつかのクランピング・デバイス20である。クランピング・デバイス20は、
図4(それは、線A-Aに沿った断面を示している)および
図5(それは、
図4の上側エリアの拡大図を示している)において容易に認識可能である。
【0146】
示されている実施形態において、クランピング・デバイス20は、アッセンブリ・セクション22の一部である。アッセンブリ・セクション22は、ここでは、中央セクション24を有しており、中央セクション24は、実質的に六角形の基本形状を有しており、ここでは、ツール適用ポイント26を含む。また、中央セクション24は、トランスミッション212の一部のためのハウジングを形成している。ウェブ28は、アッセンブリ・セクション22の中央セクション24から離れて個々のクランピング・デバイス20の位置に向けて延在している。ウェブ28は、カップリング・エージェント30のためのシェルとして設計されている。ウェブ28は、軸線方向外向きにおよび円周方向Uにカップリング・エージェント30を囲む。リムに向かう軸線方向Aにおいて、ウェブ28は、ここでは、開いて実行されている。しかし、また、ウェブ28は、完全に閉じて実行され得る(カップリング・エージェント30を完全に囲む)。
【0147】
駆動ベベル・ギア32、および、それぞれのクランピング・デバイスに関して、被駆動ベベル・ギア34(それは、駆動ベベル・ギア32と相互作用する)とともに、カップリング・エージェント30は、トランスミッション212を形成している。ツール適用ポイント26は、駆動ベベル・ギア32に連結されている。ツール適用ポイント26を介して作動するとき、駆動ベベル・ギア32は、軸線方向Aの周りに回転し、被駆動ベベル・ギア34と相互作用し、これが半径方向Rの周りに回転するようになっている。被駆動ベベル・ギア34は、カップリング・エージェント30に連結されている。カップリング・エージェント30は、ここでは、ネジ山付きロッドとして実装されている。ネジ山付きロッドは、被駆動ベベル・ギア34とともに回転する。ネジ山付きロッドは、反対側端部(したがって、被駆動ベベル・ギアに連結されていない端部)によって、クランピング・デバイス20の上の相手側ネジ山に係合している。カップリング・エージェント30またはネジ山付きロッド30の回転に起因して、ネジ山付きロッド30は、クランピング・デバイス20の中へさらにねじ込まれ(クランピング・デバイス20から外へさらにねじ回され)、クランピング・デバイス20は、これによって、半径方向Rに移動させられる。それぞれのクランピング・デバイス20のための被駆動ベベル・ギア34は、駆動ベベル・ギア32に係合している。このように、すべての3つのクランピング・デバイス20は、ツール適用ポイント26の作動によって、同時におよび均一に移動させられる。ツール適用ポイント26を介して作動するとき、クランピング・デバイス20は、純粋に並進的な様式で、半径方向内向きにまたは半径方向外向きに移動させられる。
【0148】
図4および
図5において、クランピング・デバイス20は、半径方向Rおよび軸線方向Aに延在する平面に沿って延在する断面で示されている。クランピング・デバイスは、軸線方向Aに突出する後方グリップ・セクション36を含む。
【0149】
後方グリップ・セクション36は、ここでは、ポジティブ・ロッキング・リム・フランジ10のために設計されている。また、後方グリップ・セクション36は、クランピング・デバイス20が、半径方向内向きに並進的に移動させられるときに、リム・フランジ10と後方係合するように移動させられ、リム・フランジ10に向けて軸線方向Aに押圧するようにさらに設計されている。
【0150】
そのうえ、アタッチメント14、および、ここではクランピング・デバイス20は、接触セクション38を有している。したがって、接触セクション38は、本ケースでは、クランピング・デバイス20の一部である。後方グリップ・セクション36は、接触セクション38に移行し、後方グリップ・セクション36と接触セクション38との間の移行のエリアにおいて、軸線方向Aに走る窪み37が、接触セクション38の側部におよび接触セクション38の上方に存在している。窪み37は、接触セクション38がリム・フランジ10の上に平坦に置かれることを可能にする役割を果たす。接触セクション38は、ここでは、半径方向Rおよび円周方向Uを通して引き伸ばされた平面の中に延在している。接触セクション38とリム・フランジ10との接触に起因して、動作状態においてリム・フランジ10に対して精密に定義された位置にアタッチメント14を位置決めすることが可能である。リム・フランジの内側において、後方グリップ・セクション36は、リム・フランジ10の上に置かれる。リム・フランジの外側において、接触セクション38は、リム・フランジ10の上に置かれる。リム・フランジ10の上にアタッチメントをポジティブ・ロッキング式に確実に保持することが、これによって保証され、軸線方向Aに遊びが存在しない。とりわけ、リム・フランジ10がその中に取り込まれる湾曲を有するだけのクランピング・デバイス20は、軸線方向Aへのアタッチメント14のそのような固定された位置決めを保証することができない。その理由は、リム・フランジ10が、湾曲したエリアの中で前後に移動することができるからである。
【0151】
また、
図5において明確に認識可能であるように、クランピング・デバイス20は、締結デバイス44を備えた締結セクション42をそれぞれ有している。締結デバイス44は、ここでは、クランピング・デバイス20と一体的に形成されたネジ山付きボルト44として実装されている。
【0152】
対応するカウンターパーツ46が、ここでは、スクリュー・ナットとして形成されており、カウンターパーツ46は、締結デバイス44に適用され得る。カウンターパーツ46(スクリュー・ナット)と相互作用する締結デバイス44を介して、クランピング・デバイス20の上にトレッド・セクション16を締結すること、および、軸線方向に遊びに対して固定されたクランピング・デバイスの上にそれを固着させることが可能である。トレッド・セクション16は、クランピング・デバイス20とカウンターパーツ46との間に事実上クランプされているかまたはブレース締めされている。接触セクション38を介してリム・フランジ10の上にクランピング・デバイス20を精密に位置決めすること、および、締結デバイス44によってクランピング・デバイス20とカウンターパーツ46との間にトレッド・セクション16をクランプすることに起因して、トレッド・セクション16、および、したがって、同様にトレッド18は、リム・フランジ10に対して精密に定義された位置に車両ホイール1の上に装着され得る。締結デバイス44を介してトレッド・セクション16を締結すると、トレッド・セクション16は、リム2に向けて軸線方向Aに移動する。
【0153】
ここで、トレッド18は、トレッド本体部48の上に配置されている。本例におけるトレッド本体部48は、一体的に(トレッド・セクション16の円周方向セグメントごとに一体的に)形成されたプラスチック・エレメントとして設計されている。トレッド本体部48は、軸線方向内側に横たわっているトレッド・セクション16の第1のパーツと半径方向外側に横たわっているトレッド・セクション16の第2のパーツ52との間に保持されている。トレッド・セクション16の2つのパーツ50および52は、いくつかの接続エレメント53を介して互いに対してブレース締めされており、接続エレメント53は、円周方向に分配されており、ここでは、スクリュー接続部として形成されている。トレッド・セクション16の2つのパーツ50および52は、トレッド本体部48のためのダブテール形のシート54を形成している。トレッド本体部48は、シート54の中にポジティブに保持されている。しかし、トレッド本体部48の取り込みは、これが、2つのパーツ50と52との間に摩擦的にクランプされているのではなく、隙間嵌めによってシート54の中に保持されるようになっている。
【0154】
静止セクション56に対する円周方向Uへのトレッド本体部48の変位が可能である。ここで、静止セクション56は、トレッド・セクション16の一部であり、トレッド・セクション16の2つのパーツ50および52を含む。静止セクション56は、リムに関して、動作状態において(したがって、車両の運転操作において)、それがリムに対して(円周方向にまたは軸線方向もしくは半径方向のいずれかに)移動しないように、クランピング・デバイス20による締結によって締結されている。
【0155】
これとは対照的に、トレッド本体部48、および、したがって、トレッド18は、トレッド・セクション16の静止セクション56に対して(したがって、リム2に対して)、円周方向への相対移動を実行することが可能である。本ケースにおいて、静止セクション56は、動作状態において、または、動作のために提供される締結において、アッセンブリ・セクション22に対しても移動不可能に配置されている。
【0156】
静止セクション56は、ここでは、環状セクション58を含む。環状セクション58は、このケースでは、2つのパーツ50および52によって形成されており、円周方向Uに閉じられている。
図3において認識可能であるように、環状セクション58は、円周方向Uにおいて複数のパーツで形成されており、第1の円周方向セグメント60および第2の円周方向セグメント62を有している。また、トレッド本体部48は、トレッド本体部の第1の円周方向セグメント64および第2の円周方向セグメント66を有している(それらは、ここでは、1つのピースでそれぞれ形成されている)。
【0157】
図3から
図5のアタッチメント14は、その半径方向延在にわたってさまざまな剛性および可撓性を備えたトレッド本体部48の形態のダンピング・デバイス87を含む。ダンピング・デバイス87を形成するために、トレッド本体部48は、低い可撓性の硬質パーツ63を有しており、硬質パーツ63は、半径方向外側に横たわっており、同様にトレッド18を形成している。これの半径方向内側に横たわっているトレッド本体部48は、半径方向内側に横たわっているパーツ65を有しており、パーツ65は、半径方向外側に横たわっているパーツ63よりも可撓性になるように設計されており、パーツ65は、より容易に変形させられる。半径方向内側に横たわっているパーツ65は、トレッド・セクション16の金属セクションの上に横たわっており、これによって支持されている。道路接触に起因して荷重がかかると、半径方向内側に横たわっているパーツ65は変形することが可能であり、それによって、アタッチメント14の転がり移動を減衰させる。半径方向外側に横たわっているパーツ63および半径方向内側に横たわっているパーツ65は、ここでは、互いに一体的に形成されており、異なるタイプのプラスチックが、トレッド本体部48の製造プロセスの間に互いに組み合わせられ、可変の可撓性を取得する。また、アタッチメント14は、ダンピング・デバイス87なしに設計され得、または、異なるタイプのダンピング・デバイス87を備えて設計され得る。
【0158】
アタッチメント14を組み立てるために、最初に、クランピング・デバイス20を備えたアッセンブリ・セクション22が、車両ホイール1の上に置かれ得る。次いで、クランピング・デバイス20は、ツール適用ポイント26を介して半径方向内向きに移動させられ得る。ここで、接触セクション38が軸線方向外側からリム・フランジ10の上に置かれるまで、クランピング・デバイス20は、リム・フランジ10の後ろ側においてそれらの後方グリップ・セクション36と係合する。したがって、クランピング・デバイス20およびアッセンブリ・セクション22の位置は、リム・フランジ10に対して、精密に定義された様式で固定される。
【0159】
次いで、トレッド・セクション16の円周方向セグメント60、62のうちの1つが、最初に、アッセンブリ・セクション22に適用され得る。締結デバイス44による締結を介して、第1のセグメント60は、車両ホイールに堅く取り付けられ得、または、車両ホイール1の上側エリアにあるクランピング・デバイスもしくはアッセンブリ・セクション22の上に堅く取り付けられ得る。次いで、車両ホイール1は、半回転だけ回転させられ得、すでに取り付けられているトレッド・セクション16の円周方向セグメント60が、道路に接触する。今では上部に横たわっているエリアにおいて(最初に底部に配置されており、道路に接触しているエリア)、トレッド・セクション16の第2の円周方向セグメント62が、ここで固着され得、したがって、環状セクション58が、円周方向Uに閉じられ得る。また、第2の円周方向セグメントは、クランピング・デバイス20に対して締結デバイス44によって締結され得る。締結が完了するとき、アタッチメント14は、動作状態に位置付けされ、パンクしたタイヤにかかわらず、車両による旅を継続することが可能である。
【0160】
図6および
図7は、アタッチメント14の修正された実施形態を示している。アタッチメント14は、同様に、環状セクション58の、および、したがって、トレッド本体部48の両方の第1の円周方向セグメント60および第2の円周方向セグメント62を有している。トレッド・セクション16の円周方向セグメントは、ここでは、1/3:2/3の比率で分割されている。
【0161】
クランピング・デバイス20は、
図6において見ることができない。
図7では、
図6の上部に配置されているクランピング・デバイス20のみが見ることができる(線VII-VIIに沿った断面図)。
【0162】
ここで、
図7において見ることができるクランピング・デバイスのみが、ネジ山付きロッド68を介して半径方向内向きに移動可能である。他の2つのクランピング・デバイス20は、アッセンブリ・セクション22に対して固定された位置に配置されている。ネジ山付きロッド68(それは、作動手段を表す)は、ツール適用ポイント70を有しており、ツール適用ポイント70によって、クランピング・デバイス20は、半径方向Rに移動可能である。
【0163】
図6および
図7によるアタッチメントのケースにおいて、トレッド18を支えるトレッド本体部48は、静止セクション56の環状セクション58に直接的には連結されていないということがさらに提供される。トレッド本体部48を支持するために、
図6および
図7のアタッチメント14は、スライディング・エレメント72を有しており、スライディング・エレメント72は、一方では、トレッド本体部48に移動不可能に接続されており、他方では、環状セクション58(円周方向に閉じられている)のシート54に係合している。この目的のために、環状セクション58は、その2つのパーツ50および52を通して両側においてダブル溝を形成しており、スライディング・エレメント72のT字形状のサブセクション74が、その溝に係合している(静止セクション56に対して円周方向Uに移動可能に支持されており、静止セクション56の上のポジティブ・ロッキング後方係合によって半径方向Rにポジティブに保持されている)。
【0164】
図8から
図10は、アタッチメント14またはアタッチメント14のセクションを示しており、それは、トレッド本体部48およびスライディング・エレメント76に関して
図6および
図7のものと同様に構築されている。アッセンブリ・セクション22およびトレッド・セクション16の設計に関して、アタッチメント14は、
図3から
図5に示されているアタッチメントと同様に構築されている。また、クランピング・デバイス20およびそれらの作動は、
図3から
図5のバージョンに実質的に対応している。
【0165】
どのようにスライディング・エレメント72がトレッド・セクション16のおよび環状セクション58のパーツ50とパーツ52との間に保持されているかということが、
図9および
図10において明確に認識可能である。ここで、2つのパーツ50および52は、スクリュー53によって互いに対してブレース締めされており、スクリュー53は、接続エレメントを表しているということが、
図10において明確に認識可能である。また、環状セクション58または静止セクション56は、細長い孔部76を介して締結デバイス44に接続されているということが認識可能である。これは、アタッチメント14が、(締結デバイス44のブレース締めされていない状態において)半径方向Rに提供されるクランピング・デバイス20の移動の自由に起因して、異なるリム直径に関して使用され得るということを可能にする。
【0166】
本発明による別のアタッチメントが、
図11から
図13に示されている。
図11から
図13の本発明による他のアタッチメント14は、そのアッセンブリ・セクション22に関して、および、クランピング・デバイス20による締結に関して、ならびに、トレッド・セクション16および環状エレメント58の設計に関して、
図3から
図5のものと同様に構築されている。しかし、トレッド・セクション16は、連続的なトレッド本体部48が提供されていないという点において、
図3のものとは異なっている。トレッド本体部48は、(互いに別個に形成された)複数のシングル・トレッド・セグメント78を有している。トレッド・セグメント78は、アタッチメント14の周囲部の周りに均一に分配されて配置されている。トレッド・セグメント78は、静止セクション56(それは、環状セクション58を含む)に対して円周方向Uに移動可能にそれぞれ配置されている。
【0167】
図13(それは、半透明の描写を示している)にあるように、個々のトレッド・セグメント78は、環状セクション58に対してフレキシブルにそれぞれ支持されている。この目的のために、トレッド・セグメント78のそれぞれは、静止セクション56の接触セクション84に関して両方の円周方向に、第1の弾性的なまたは可撓性のエレメント80および第2の弾性的なまたは可撓性のエレメント82を介して、両側において円周方向にブレース締めされている。
【0168】
弾性的なまたは可撓性のエレメント80および82は、ここでは、機械的な圧縮スプリングとしてそれぞれ形成されている。しかし、他の可撓性のエレメント80も考えられる。以前に説明された実施形態のケースでは、全体としてのトレッド本体部48またはその2つの円周方向セグメントが、トレッド・セグメント78をそれぞれ形成している。以前に説明された実施形態では(
図3から
図10)、円周方向Uへのそれぞれのトレッド・セグメント64、66の移動の可能性は、制限されていない。しかし、
図11から
図13のバージョンでは、それぞれの個々のトレッド・セグメント78は、円周方向Uにおいて限られた移動範囲のみを有している。
【0169】
図14から
図18は、本発明による別のアタッチメント14を図示している。前記図のアタッチメント14は、
図6および
図7のバージョンと同様のアッセンブリ・セクションを含む。しかし、アッセンブリ・セクション22は、図に示されていない。
【0170】
図14のアタッチメントは、トレッド・セクション16を含み、トレッド・セクション16は、静止セクション56およびトレッド18(または、複数のトレッド・セグメント78へと分割されているトレッド本体部48)を含む。個々のトレッド・セグメント78は、円周方向Uにおいて、互いからある距離間隔を置いて配置されている。個々のトレッド・セグメント78同士の間のギャップにおいて、トレッド・セクション16は、弾性的なまたは可撓性のエレメント86を有している。弾性的なまたは可撓性のエレメント86は、トレッド・セグメント78の下で互いに接続されており(トレッド・セグメント78の半径方向内側に横たわっている)、弾性的なまたは可撓性のエレメント86の接続が、半径方向Rにトレッド18を減衰させるためのダンピング・デバイス87を形成するようになっている。
【0171】
可撓性のエレメント86は、円周方向Uへの移動に関して、静止セクションに対して締結手段88を介してそれぞれ固定されている。締結手段88は、互いに接続されている可撓性のエレメント86を通って軸線方向Aに延在している。
【0172】
静止セクション56と個々のトレッド・セグメント78との間に半径方向に配置されているダンピング・デバイス87(それは、ここでは、可撓性のエレメント86の相互の接続によって形成されている)と組み合わせて、可撓性のエレメント86(それは、個々のトレッド・セグメント78同士の間に延在している)の配置に起因して、個々のトレッド・セグメントは、円周方向Uに(可撓性のエレメント86に起因するスプリンギングとは反対側に)移動可能であるとともに、半径方向に移動可能であり、減衰させられる。
【0173】
本発明によるアタッチメント14の別の実装変形例が、
図19および
図20に図示されている。アッセンブリ・セクション22および静止セクション56は、
図3から
図5の変形例に対応して設計されている。
図19および
図20の変形例は、トレッド本体部48が同様にシート54の中に配置されているが、トレッド本体部48の外側セクション88(そのセクションは、トレッド18を支えている)の半径方向内側に横たわるように配置されているのは、内側ダンピング・セクション90であり、内側ダンピング・セクション90は、トレッド本体部48から分離しており、外側に横たわるセクション88よりも低い硬度を有しているという点において、
図3から
図5の変形例とは異なっている。ダンピング・セクション90は、ダンピング・デバイス87を形成している。
【0174】
図21から
図29は、アタッチメント14の3つの実施形態を図示しており、それらは、ドライブ・オフ・エイド92をそれぞれ含む。ドライブ・オフ・エイド92は、道路の溝状の窪みから外へアタッチメント14を追い出すことを簡単化または改善する役割を果たす。道路のそのような溝形状の窪みは、たとえば、地中レールを備えた道路で起こる。特定の運転状況において、アタッチメントは、ここでは、そのような凹部の中に入る可能性があり、そして、簡単な様式で凹部から外へ出ることが可能であることが望ましい。
【0175】
この目的のために(ドライブ・オフ・エイド92を形成するために)、軸線方向A(これは、軸線方向内向きまたは軸線方向外向きであることが可能である)に方向付けられた個々の突き出たエリア94が提供され得る。この種類の変形例は、
図21ならびに
図24および
図25に図示されている。
【0176】
また、トレッド本体部48またはトレッドは、起伏のある構造体96を有することが可能であり、起伏のある構造体96は、複数の軸線方向に突き出る波状のセクション98を含む。
図22、
図26、および
図27において、本発明による実施形態が図示されており、そこでは、軸線方向に突き出る波状のセクション98が、リム2に向けて軸線方向Aに形成されている。
【0177】
図23および
図28から
図29において、一実施形態が図示されており、そこでは、波状のセクション98を備えた波構造体96が、軸線方向Aの両側において提供されており、したがって、リム2に向けて延在し、リム2から離れるように延在している。換言すれば、この実施形態は、両方の軸線方向Aに、突き出る波状のセクション98をそれぞれ有している。波構造体によって、ここでは、突き出たエリア(波の山)が凹んだエリア(波の谷)へと移行し、その逆もまた同様であるということを意味している。
【0178】
ドライブ・オフ・エイド92を備えた図示されている実施形態のケースでは、トレッド本体部48が静止セクション56に対して円周方向に移動することができ、とりわけ、静止セクション56の周りに完全に回転することができるということが提供され得る。また、トレッド本体部48は、(円周方向に)移動可能に配置されている複数のトレッド・セグメント78を含むことが可能である。静止セクション56の周りに完全に回転可能なトレッド本体部48は、たとえば隙間嵌めによって、対応する凹部54の中に配置され得る。
【0179】
代替的に、本発明によれば、トレッド表面48は、シート54の中にブレース締めされており、相対移動が不可能になっているということも考えられる。
図21ならびに
図24および
図25の実施形態において、ドライブ・オフ・エイド92は、トレッド本体部48によって形成されているだけであるということが提供される。同じことが、
図22ならびに
図26および
図27の実施形態にも当てはまる。
【0180】
図23、
図28、および
図29において、支持セクション100を備えた実施形態が図示されている。したがって、この実施形態では、ドライブ・オフ・エイド92は、軸線方向に突き出る波状のセクション98を含み、波状のセクション98は、トレッド本体部48および支持セクション100によって形成されており、支持セクション100は、トレッド本体部48の下に、および、トレッド本体部48から軸線方向Aに内向きに横たわっている。そして、支持セクション100は、金属材料から形成されており、ドライブ・オフ・エイド92の強度を増加させている。トレッド本体部48またはトレッド18が静止セクション56に対して移動可能でない場合には、支持セクション100は、ポジティブにおよび/または摩擦的にトレッド本体部48に物質結合および/または接続され得る。代替的に、支持セクション100が半径方向内側からのみトレッド本体部48を支持するということ、および、このトレッド本体部48は、隙間嵌めに起因してシート54の中を移動することができるということも可能である。静止セクション56に対するトレッド本体部48の可動性の他のタイプのセットアップが、ドライブ・オフ・エイド92と組み合わせて同様に考えられる。たとえば、環状の(たとえば、金属の)支持セクション100を提供することが考えられ、それは、ポジティブにおよび/または摩擦的にトレッド本体部48に物質結合および/または接続されており、静止セクション56に対して円周方向に回転可能に支持されている。
【0181】
図30から
図38は、本発明による別の実施形態を示しており、これらの図に示されている実施形態において、アタッチメント14は、圧力発生デバイス102を含むということが提供される。圧力発生デバイス102は、ここでは、いくつかのキャビティー104を含み、キャビティー104は、トレッド表面48の下側(半径方向内側)エリアにおいて半径方向Rに配置されている。この目的のために、トレッド表面48は、中実の外側セクション106を備えて設計されており、外側セクション106に隣接しているのは、半径方向内側に横たわっているセクション108であり、半径方向内側に横たわっているこのセクション108は、キャビティー104を含む。
【0182】
そのうえ、半径方向内側に横たわっているセクション108は、外側セクション106よりもフレキシブルに設計されており、または、半径方向内側に横たわっているセクション108は、より軟質の材料から形成されており、外側セクション106(または、それによって支持されているトレッド18)が道路と接触すると、半径方向内側に横たわっているセクション108が圧縮されるようになっている。このケースでは、キャビティー104が、同様に圧縮される。キャビティー104の中にある流体媒体(ここでは、空気)は、圧縮によって圧力下に置かれ得る。
【0183】
キャビティー104は、この目的のために、トレッド18の半径方向内側に横たわるように配置されており、キャビティー104は、それらの壁部110が車両の重量に起因して移動することができるように設計されている。したがって、キャビティー104の半径方向外側の壁部110は、キャビティー104の移動可能な壁部セクション112を形成している。キャビティーの圧縮のときに、移動可能な壁部セクション112は、半径方向内向きに移動する。いくつかのキャビティー104は、集合パイプ114を介して互いに接続されているということが提供され得る。
【0184】
図33において認識可能であるように、集合パイプ114は、ここでは、アタッチメント14の静止セクション56の上に円周方向の溝の形態で設計されている。次いで、集合パイプ114は、カップリング・ポイント116において接続パイプ118の中へ開口している。接続パイプ118は、その運転特質において正常に機能しないタイヤに連結され得、これが、アタッチメント14の移動のときに圧縮空気を供給され得るようになっており、また、それによってポンプ送りされ得るようになっており、それが、アタッチメント14に対して追加的に、運転をサポートするようになっている。
【0185】
図30から
図38の実施形態のアッセンブリ・セクション22は、
図3から
図5の実施形態のアッセンブリ・セクション22に対応して設計されている。円周方向Uに移動可能なトレッド18、または、円周方向Uに移動可能なトレッド・セグメント78が提供され得る。また、トレッド本体部48(それは、円周方向に細長くなっており、たとえば、2つの円周方向セグメントを含むことが可能である)は、アタッチメント14の静止セクション56に対して、車両ホイールの回転軸線の周りに回転可能であるということが提供され得る。ここでは、たとえば、キャビティー104または圧力発生デバイス102とともに半径方向内側に横たわっているセクション108は、静止セクション56に対して移動不可能に配置されており、トレッド本体部48の半径方向外側のセクション106のみが、円周方向に移動可能であるということが提供され得る。しかし、また、半径方向内側のセクション108および半径方向外側のセクション106は、円周方向Uに一緒に移動可能であるということが提供され得る。
【0186】
図39から
図48は、本発明によるアタッチメント14の別の実施形態を示している。
図39から
図48のアタッチメント14は、トレッド・セクション16または静止セクション56を有しており、クランピング・デバイス20がその上に配置されている。また、アタッチメント14のこの実施形態は、ブレーシング・ユニット120を有している。ブレーシング・ユニット120は、クランピング・デバイス20をリム・フランジ10と後方係合させるように設計されている。このケースでは、ブレーシング・ユニット120は、それがトレッド・セクション16または静止セクション56から取り外し可能であるように設計されており、ブレーシング・ユニット120が、動作状態においてアタッチメント14または静止セクション56に接続されておらず、車両ホイール1の上に位置付けされていないということが提供される。
【0187】
それらがリム・フランジ10との後方係合位置へ移動させられると、クランピング・デバイス20は、固定エージェント(securing agent)122によって締結され、固定エージェント122は、クランピング・デバイス20の上に配置されている対応するネジ山付きボルトの上にねじ込まれ、静止セクション56に関する遊びに対して固定される。クランピング・デバイス20から離れるように延在しているネジ山付きボルトは、締結デバイス44を形成している。締結デバイス44を介したブレーシングは、リム2に対して、および、静止セクション56に対して、クランピング・デバイス20を固定する。したがって、固定エージェント122およびネジ山付きボルトによるこの締結は、
図3から
図5に関連して説明されているような、カウンターパーツ46を伴う締結デバイス44による締結に対応している。
【0188】
ブレーシング・ユニット120は、ここでは、支持デバイス124を有している。支持デバイス124は、軸線方向Aにリム2からある距離間隔を置いて配置されたブレーシング・ユニット120をそれが支持するように配置および設計されている。本ケースにおいて、支持デバイス124は、スリーブの様式で設計されているいくつかのセット・ダウン・デバイス126を含む。セット・ダウン・デバイス126は、ホイール・スタッドの上にセット・ダウンされ、ホイール・スタッドに対してブレーシング・ユニット120を支持するように設計および配置されている。
【0189】
ブレーシング・ユニット120は、いくつかの力伝達手段128を含み、力伝達手段128は、クランピング・デバイス20と接続されるように、および、リム・フランジ10との後方係合位置へとクランピング・デバイス20を移送するように配置および設計されている。ここでは、リム・フランジ10とのこの後方係合位置への移送は、クランピング・デバイス20の上に半径方向内向きに方向付けられた引張移動によって実行される。この目的のために、ブレーシング・ユニット120のツール適用ポイント130を介して半径方向内向きに方向付けられた引張力は、力伝達手段128によってクランピング・デバイス20へ伝達される。
【0190】
力伝達手段128は、ここでは、フレキシブルに形成されている。それらは、本ケースにおいて、ケーブルのような接続手段として設計されている。
【0191】
ベース・セクション134に対する、および、アタッチメント14の静止セクション56に対する、ブレーシング・ユニット120のテンショニング・セクション132の回転によって、力伝達手段128の有効長さは、テンショニング・セクション132の上に巻き付くことによって短縮化され、クランピング・デバイス20は、半径方向内向きに移動させられ、または、本ケースにおいて、力伝達手段128(ケーブルのような接続手段)へのカップリングを介して引っ張られる。
【0192】
本発明の意味におけるブレーシング・ユニット120は、ベース・セクション134を有することが可能であり、ベース・セクション134は、好ましくは、それがリム2の上に支持され得るように、好ましくは、ホイール・スタッドの上にまたはホイール・ボルトの上に支持され得るように設計されており、また、これによって、回転軸線5または軸線方向Aの周りの回転に対して固定されている。
【0193】
本発明の意味におけるブレーシング・ユニット120は、テンショニング・セクション132をさらに含むことが可能であり、テンショニング・セクション132は、ベース・セクションに対して回転可能であり、それによって、クランピング・デバイス20は、後方係合位置に移送可能である。
【0194】
ブレーシング・ユニット120は、好ましくは、力伝達手段128を有することが可能であり、力伝達手段128は、好ましくは、それらの細長い延在において(または、半径方向へのそれらの延在において)短縮化され得る。
【0195】
力伝達手段128は、たとえば枢動することによって、(均一な長さのケースにおいて)それらの半径方向延在において短縮化され得、それらの長さはそれ自体は同じままであるが、それらの半径方向延在の短縮化が再配向によって行われるようになっているということが同様に考えられる。
【0196】
ブレーシング・ユニット120は、ロッキング・デバイス136をさらに含むことが可能であり、ロッキング・デバイス136は、テンショニング・セクション132の捩じりまたは張力の意図しない解放に対する固定を保証する。
【0197】
このロッキング・デバイス136は、テンショニング・セクション132の上の歯付きセクション138、および、(たとえば、ブレーシング・ユニット120のカバーの中の)対応するカウンターパーツ142によって作り出され得るということが
図46の例に図示されている。歯付きセクション138と同様に、カウンターパーツ142は、歯付きセクション138に対して相補的に形成されている歯を有している。カウンターパーツ142は、歯付きセクション138との係合へと移動させられ得、または、対応する圧力メカニズムを介してこの係合から外れるように移動させられ得る。
【0198】
図39から
図48のアタッチメントは、車両ホイールの上に残るアッセンブリ・セクション22なしで済ましている。
【0199】
図49から
図55は、アタッチメント14の変形例を図示しており、この変形例は、(アタッチメントまたはアッセンブリ・セクション22に対して)2つの固定されたクランピング・デバイス20を含み、枢動可能なクランピング・デバイス(それは、参照文字146を有している)を支えている。枢動可能なクランピング・デバイス146は、円周方向Uの周りに枢動可能であるように設計されている。明確にするために、本ケースにおいて、アタッチメント14のアッセンブリ・セクション22のみが、図に示されている。
【0200】
この実施形態のアッセンブリ・セクション22を装着するために、2つの固定されたクランピング・デバイス20は、手動でリム・フランジ10と後方係合させられる。次いで、枢動可能なクランピング・デバイス146は、
図50から
図53に図示されているレバー・メカニズム148を介して、簡単なスパナによってリム・フランジ10との後方係合へと枢動させられる。レバー・メカニズム148は、レバー適用メカニズム147(それは、このケースでは、締結デバイス44によって形成されている)において、クランピング・デバイス146に適用され得る。
【0201】
アッセンブリ・セクション22は、円弧の形態の基本本体部150を有している。基本本体部150は、2つの肢部152を有しており、2つの肢部152は、本ケースにおいて、湾曲して形成されており、枢動可能なクランピング・デバイス146から離れるように円周方向Uに延在している。固定されたクランピング・デバイス20は、これらの肢部152の自由端部に配置されている。枢動可能なクランピング・デバイス146は、接触表面38を有しており、接触表面38は、軸線方向Aに直交する平面の中に延在している(同じことが、固定されたクランピング・デバイス20にも当てはまり、固定されたクランピング・デバイス20は、たとえば、
図5に示されているものに対応するように設計され得る)。
【0202】
クランピング・デバイス146は、接触表面38から突出する湾曲した後方グリップ・セクション153を有している。後方グリップ・セクション153は、それがリム・フランジの輪郭に対して相補的に形成されたセクションを有するように実装されている。その前方エリアにおいて(軸線方向に前方において)、後方グリップ・セクション153は、先端部154を有しており、先端部154は、タイヤ3とリム・フランジ10との間への挿入のために使用される。このクランピング・デバイス146の上の後方グリップ・セクション153は、湾曲して設計されており、クランピング・デバイス146が効率的に枢動させられ得るようになっている。このケースでは、クランピング・デバイス146は、
図55に示されているクランピング・デバイス146の枢動位置において、後方グリップ・セクション153が最初に軸線方向Aに延在するように走り、次いで、後方グリップ・セクション153の湾曲に起因して、軸線方向Aに対して30度から60度の間の、または、40度から50度の間の、このケースでは、おおよそ45度の角度で走る後方グリップ・セクション153のパーツへと(または、それにしたがって走るセクションへと)移行するように設計されている。
【0203】
図56から
図60は、本発明によるアタッチメント14の別の実施形態を示している。この実施形態では、アタッチメント14は、ブレーシング・メカニズム156を有しており、ブレーシング・メカニズム156は、湾曲した軌道158を含むということが提供される。湾曲した軌道158は、それぞれのクランピング・デバイス20に関して別個の湾曲した軌道セクション160を有している。湾曲した軌道セクション160を介して作動可能なクランピング・デバイス20のそれぞれは、係合セクション162を有している。湾曲した軌道セクション160の中での係合セクション162の係合に起因して、クランピング・デバイス20は、ブレーシング・メカニズム156の回転によって(または、湾曲した軌道158を支えるセクションの回転によって、もしくは、プレート形状のエレメント164の回転によって)、半径方向Rに移動させられ得る。
【0204】
湾曲した軌道158の個々の湾曲した軌道セクション160は、ここでは、円周方向Uに延在しており、それらの半径方向位置は、それらの円周方向の延在に沿って変化している。半径方向位置の変化は、円周方向Uへのブレーシング・メカニズムの移動のときに、クランピング・デバイス20がそれらの半径方向位置に関して可変であるようになっている。湾曲した軌道セクション160のスロット形状の設計に起因して、クランピング・デバイス20を半径方向内向きにおよび半径方向外向きにそれぞれ移動させることが可能である。ブレーシング・メカニズム156は、プレート形状のエレメント164を有しており、湾曲した軌道158がその上に配置されている。
【0205】
静止セクション56を備えたトレッド・セクション16の設計は、
図27のものに実質的に対応しており、たとえば、アタッチメント14またはトレッド本体部48は、本ケースにおいて、ドライブ・オフ・エイドを含まない(しかし、ドライブ・オフ・エイド92の提供も同様に可能である)。
【0206】
また、
図15のバージョンのトレッド・セクション16も同様に構築されている。しかし、ここで(
図56から
図60)示されているトレッド本体部48は、個々のトレッド・セグメントを有していない。
【0207】
したがって、ドライブ・オフ・エイド92の追加的な提供、および、個々の移動可能なトレッド・セグメント78(それらは、トレッド18を形成するために円周方向Uに分配されて配置されている(および、たとえば、フレキシブルに支持されている))の追加的な提供が考えられる。
【0208】
本発明によるアタッチメント14の別の実施形態が、
図61から
図64に図示されている(アッセンブリ・セクション22が示されている)。
【0209】
このアタッチメント14は、クランピング・デバイス166を含み、クランピング・デバイス166は、半径方向Rにプリテンションをかけられている。示されている例では、クランピング・デバイス166は、半径方向内側位置においてプリテンションをかけられている。他の2つのクランピング・デバイス20(円周方向Uに延在するアッセンブリ・セクション22の肢部152の上に配置されている)は、固定されて形成されている(または、それらは、異なるリム直径に調整されたさまざまな位置においてアッセンブリ・セクション22の上に固定されて装着され得る)。クランピング・デバイス166は、ロッキング・デバイス167によって、(
図61に示されているような)半径方向外側位置に保持される。クランピング・デバイス166のプリテンショニングは、ロッキング・デバイス167を作動させることによって解放され得、クランピング・デバイス166は、そのプリテンショニングに起因して半径方向内向きに移動する。
【0210】
クランピング・デバイス166のスプリング・プリテンショニングに起因して、2つの固定されたクランピング・デバイス20をリム・フランジ10と後方係合し、次いで、
図61に示されているように、スプリング・プリテンションをかけられたクランピング・デバイス166をリム・フランジ10に適用することが可能である。半径方向内側位置へのクランピング・デバイス166のプリテンショニングに起因して、クランピング・デバイス166は、ロッキング・デバイス167が作動させられたときには、
図62に示されている位置へと自動的に引き込まれる。この位置において、それは、リム・フランジ10の後ろ側にポジティブに係合する。このケースでは、それは、その接触セクション38によって軸線方向外側からリム・フランジ10の上に置かれる。
【0211】
したがって、アッセンブリ・セクション22は、非常に簡単で効率的な様式で、車両ホイール1またはリム2の上に装着され得る。クランピング・デバイス166(または、クランピング・デバイス20)は、実用的には、自分自身で後方係合位置へと移動する。
【0212】
図61から
図64に図示されているようなアッセンブリ・セクション22は、たとえば、
図15に示されているようなトレッド・セクション16と組み合わせられ得る。クランピング・デバイス20および166の上の締結デバイス44によってトレッド・セクション16をブレース締めすることによって、クランピング・デバイス20、166は、リム・フランジ10の後ろ側に係合するそれらの位置において固定され、クランピング・デバイス166の後方係合は、スプリング・プリテンショニングに起因して現実化されるだけではない。
【0213】
スプリング・プリテンショニングを実装するために、この実施形態のアタッチメント14は、リーフ・スプリング構成体168を有している。リーフ・スプリング構成体168は、一方の側において、クランピング・デバイス166の接触セクション170の上に横たわっており、他方の端部において、アッセンブリ・セクション22の接触セクション172の上に支持されており、クランピング・デバイス166がアッセンブリ・セクション22に対してブレース締めされるようになっている。
【0214】
本発明によるアタッチメント14の別の実施形態が、
図65から
図68に示されている。この実施形態のアッセンブリ・セクション22は、肢部174を有しており、肢部174は、互いに対して枢動可能である。アッセンブリ・セクション22は、ここでは、3つのクランピング・デバイス20を含む。2つの枢動可能な肢部174は、中央のクランピング・デバイス20に関して軸線方向Aの周りに枢動可能にそれぞれ配置されている。それぞれのケースにおいて肢部174の自由端部に配置されているのは、クランピング・デバイス20であり、クランピング・デバイス20は、肢部174に対して固定されている。この実施形態のすべての3つのクランピング・デバイス20は、それらの位置において、アッセンブリ・セクションに対して半径方向に移動不可能に固定されている(異なるリム直径に調整されたさまざまな位置に固定され得るクランピング・デバイスを提供することが可能である)。
【0215】
そのうえ、アタッチメントは、ブレーシング・エレメント176を有している。ブレーシング・エレメント176は、ここでは、2つのネジ山付きロッド178を含み、2つのネジ山付きロッド178は、対向するネジ山を備えたネジ山付きスリーブ180の中へ導入されている。ネジ山付きロッド178は、枢動可能な肢部174の上の肢部側のそれらの端部によって、枢動可能にそれぞれ関節運動させられる。肢部から離れる方を向くそれらの端部によって、それらは、ネジ山付きスリーブ180の中へそれぞれねじ込まれている。ネジ山付きロッド178に対してネジ山付きスリーブ180を回転させることによって、短縮可能なエレメント182の延在を変化させることが可能であり、短縮可能なエレメント182は、ネジ山付きロッド178およびネジ山付きスリーブ180によって形成されている。2つの枢動可能な肢部174は、短縮化することによって互いに向けて移動させられ得る。このアッセンブリ・セクション22を装着するために、したがって、以下のように進行することが可能である。最初に、上側中央のクランピング・デバイス20が、リム・フランジ10と後方係合させられる。次いで、肢部174の上で関節運動させられる他のクランピング・デバイス20が、リム・フランジ10に適用され、次いで、ネジ山付きスリーブ180がツイストされ、短縮可能なエレメント182がその延在において短縮化されるようになっており、それによって、肢部174の自由端部の上に装着されているクランピング・デバイス20が、リム・フランジ10との後方係合位置へ移送される。アッセンブリ・セクション22の装着に続いて、アタッチメント14のトレッド・セクション16が装着され得る。また、トレッド・セクション16の一部は、任意のケースにおいて、リム・フランジ10の後ろ側での係合の間に、アッセンブリ・セクション22にすでに固定されて接続され得る。
【0216】
本発明による別の実施形態が、
図69および
図70に図示されている。このアタッチメント14は、圧力チャンバー184を備えたトレッド本体部48を含む。圧力チャンバー184は、圧力媒体の中で作用を受けることが可能である。圧力チャンバーは、道路の上でのアタッチメント14の転がりプロセスの間に(または、アタッチメント14のトレッド18の転がりプロセスの間に)、圧力チャンバー184の中にある圧力媒体によって、トレッド18が減衰されるようにさらに設計および配置されている。圧力チャンバー184は、逆止弁(逆止弁は、
図69および
図70に示されていない)を介して圧力媒体によって作用を受けることが可能であり、圧力チャンバー184を充填するようになっており、トレッド本体部48を充填された減衰状態に移すようになっている。
【0217】
アタッチメント14は、圧力発生デバイス102をさらに有しており、圧力発生デバイス102は、
図30から
図38の実施形態のように、いくつかのキャビティー104を有している。アタッチメントが道路の上を転がるときに、圧力発生デバイス102が圧力によって圧力チャンバー184に作用することができるように、キャビティー104は、対応する弁構成体(それは、図に示されていない)を介して圧力チャンバー184にそれぞれ接続されている。ここでは、圧力発生デバイス102は、特定の圧力を上回ると、圧力チャンバー184への圧力媒体の供給が停止されるように形成されている。
【0218】
本発明によるアタッチメント14の他の実施形態が、
図71から
図81に図示されている。対応する環状セクション58の第1のセグメント60のみが、
図71に示されている。
図71から
図81による実施形態のアタッチメント14は、熱伝導エレメント186を含み、熱伝導エレメント186は、このケースでは、熱伝導プレート188として設計されている。熱伝導プレート188は、銅から形成されている。プレートとして設計された熱伝導エレメント186が、トレッド・セクション16のまたは環状セクション58の2つの軸線方向のエレメント190および192の間にまたがっている。
【0219】
図72において認識可能であるように、個々の熱伝導エレメント186は、円周方向に延在させられた接続エレメント194および196を介して互いに接続されている。個々の熱伝導エレメント186は、接続エレメント194および196とともに、熱放散メカニズム198を形成している。
【0220】
熱放散メカニズム198は、その端部が接続エレメント194および196を含む状態で、トレッド本体部48の中へ挿入されている(このケースでは、鋳造されている)。換言すれば、トレッド本体部48は、熱放散システム198の周りに成形または鋳造されている。これは、
図74から
図76に明確に図示されている。また、(
図78から
図81の実施形態にあるように)熱伝導エレメントを半径方向内側において半径方向内側接続エレメント200を介して互いに接続すること、および、トレッド本体部48のスロット202の中へそれらを挿入することも可能である。熱伝導エレメント186の確実な保持を保証するために、これらは、この実施形態では、環状セクション58の2つの軸線方向のパーツ190および192の間にまたがっている。これは、
図78に明確に図示されている。
【0221】
また、アタッチメント(それは、好ましくは、以前に説明された実施形態のうちの1つに対応している)およびリフティング・デバイス206から形成されるシステムも、本発明の意味の範囲内にある。そのようなシステムのリフティング・デバイス206は、
図82から
図84に図示されており、円周方向に閉じられたトレッド18を備えたアタッチメント14が車両ホイール1の上に締結され得るように、リフティング・デバイス206の上に車両を移動させることによって、制限されたタイヤ機能を有する車両ホイール1をリフトするように設計されている。この目的のために、リフティング・デバイス206は、ここでは、加圧媒体カートリッジ(このケースでは、CO
2圧力カートリッジ)のための接続208を有している。リフティング・デバイス206は、膨張可能セクション210をさらに有しており、膨張可能セクション210は、
図83において右側に空の状態で示されており、
図83において左側に膨張状態で示されている。この膨張可能セクションの膨張は、
図84に図示されているように、その上に設置されている車両ホイール1のリフトにつながる。完全に円周方向に閉じられたトレッドを備えたアタッチメントは、装着ステップにおいて、そのようにリフトされた車両ホイール1の上に装着され得る。
【0222】
図85から
図88は、本発明による別のアタッチメント14を図示している。この実施形態のアタッチメント14は、ブレーシング・メカニズム156を有しており、ブレーシング・メカニズム156は、アッセンブリ・セクション22の中に配置されている。ブレーシング・メカニズム156は、トランスミッション212を有しており、トランスミッション212は、本ケースにおいて、中央の駆動ベベル・ギア214と、それぞれのクランピング・デバイス20に関する被駆動ベベル・ギア216とを有している。それぞれの被駆動ベベル・ギア216から離れるように延在しているのは、被駆動シャフト218であり、被駆動シャフト218は、トランスミッション・ギアホイール220に接続されており、トランスミッション・ギアホイール220は、トルク制限デバイス222を介してクランピング・デバイス・ドライブ・シャフト230に接続されている。トルク制限デバイス222は、締め付け力制限デバイス222を形成しており、クランピング・デバイス20に関する締め付けトルクの限界値が超えられるとすぐに、それがクランピング・デバイス・ドライブ・シャフト230の移動からトランスミッション・ギアホイール220の移動を切り離すように設計されている。
【0223】
トランスミッション・ギアホイール220は、別のトランスミッション・ギアホイール224と係合している。そして、トランスミッション・ギアホイール224は、トルク制限デバイス226を介してトレッド・セクション・ドライブ・シャフト228に接続されている。
【0224】
トルク制限デバイス226は、圧力制限デバイス226を形成しており、リム2に向けて軸線方向に方向付けられたトレッド・セクション16の移動に関する締め付けトルクの限界値が超えられるとすぐに、それがトレッド・セクション・ドライブ・シャフト228の移動からトランスミッション・ギアホイール224の移動を切り離すように設計されている。
【0225】
ブレーシング・メカニズム156によってアタッチメント14を装着する間に、トルクが、ツール適用ポイント232を介してトランスミッション212の中へ導入される。これによって、第1のトランスミッション・ギアホイール220は、ドライブ・シャフト218を介して駆動される。第1のトルク制限デバイス222のトルクが超えられない限り、被駆動シャフト218の回転は、クランピング・デバイス20のドライブ・シャフト230に伝達され、ドライブ・シャフト230がクランピング・デバイス20の中へねじ込まれるようになっており、クランピング・デバイス20が半径方向内向きに移動させられるようになっている。クランピング・デバイス20がリム・フランジの後ろ側に係合し、十分な力によってこの上に置かれるときには、第1のトルク制限デバイス222のトルク制限が到達され、クランピング・デバイス・ドライブ・シャフト230はそれ以上回転させられず、むしろ、トルク制限デバイス222は、クランピング・デバイス・ドライブ・シャフト230への力の伝達を中断する。
【0226】
トレッド・ドライブ・シャフト228は、トルク制限デバイス226の対応するトルクが到達されるまで、トランスミッション・ギアホイール224の駆動を介して同様の様式で駆動される。ブレーシング・メカニズム156を介してブレース締めするとき、トレッド18は、トランスミッション232を介して、トレッド・ドライブ・シャフト228の移動によって、リムの方向に移動させられる。したがって、ブレーシング・メカニズム156は、リム・フランジ10との後方係合位置へとクランピング・デバイス20を移動させるとともに、動作状態のために提供される構成へとトレッド16を移動させる。
【0227】
図89および
図90、ならびに、
図91から
図96は、本発明による別のそれぞれのアタッチメント14のブレーシング・ユニット120をそれぞれ図示している。ブレーシング・ユニット120は、半径方向Rに短縮化され得る力伝達手段128によって形成されている。
【0228】
短縮可能な力伝達手段128は、フック・セクション1218を有しており、ネジ山付きロッド1220が、フック・セクション1218の中へねじ込まれ、これらを短縮化することが可能である。フック・セクション1218は、クランピング・デバイス20の上の対応するフック・イン・セクション1222の中へ引っ掛けられ得、力伝達手段128がクランピング・デバイス20にポジティブに接続されるようになっている。フック・イン・セクション1222と組み合わせたフック・セクション1218は、力伝達手段128とクランピング・デバイス20との間の接続構成体をそれぞれ表している。とりわけ、力伝達手段128およびクランピング・デバイス20を接続するためのポジティブ・ロッキング後方係合を含む、他のタイプの接続構成体も、同様に本発明の意味の範囲内にある。
【0229】
力伝達手段128の作動は、トランスミッション212を介して行われ、トランスミッション212は、ここでは、
図85~
図88によるアタッチメントのブレーシング・メカニズム156のトランスミッション212に対応して設計されている。
【0230】
ここで説明されている実施形態では、ブレーシング・ユニット120は、したがって、トランスミッション212を有しており、トランスミッション212は、本ケースにおいて、中央の駆動ベベル・ギア214と、それぞれのクランピング・デバイス20に関する被駆動ベベル・ギア216とを有している。対応する力伝達手段128のそれぞれのネジ山付きロッド1220は、それぞれの被駆動ベベル・ギア216から離れるように延在している。
【0231】
図89および
図90のバージョンにおいて、力伝達手段128は、フック・セクション1218のエリアの中に軸線方向ストップを備えずにそれぞれ設計されている。
【0232】
図91から
図96のバージョンにおいて、フック・セクション1218は、軸線方向の接触デバイス1224の形態の軸線方向ストップをそれぞれ有しており、接触デバイス1224は、クランピング・デバイス20に対するフック・セクション1218の位置を確実に決定する。
図93~
図96において明確に認識可能であるように、軸線方向外側に配置されている接触デバイス1224に加えて、フック・セクション1218は、また、軸線方向内側に横たわっている接触デバイス1228を有している(これは、
図89および
図90のバージョンにも存在している)。軸線方向外側接触デバイス1224および軸線方向内側接触デバイス1228は、クランピング・デバイス20のフック・イン・セクション1220の一部を一緒に包含する。
【0233】
クランピング・デバイス20をリム・フランジとの後方係合位置へ移送するために、これらは、力伝達手段128を介してリム・フランジ10との後方係合位置へと引っ張られる。トレッド・セクション16は、クランピング・デバイス20に対して締結デバイス44によってブレース締めされ、それによって、これらは、適切な位置に保持される。次いで、力伝達手段128の反対の移動が、ツール適用ポイント232を介してもたらされ、それに起因して、これらは、クランピング・デバイス20のフック・イン・セクション1222とのそれらのポジティブ・ロッキング後方係合位置から移動させられる。次いで、ブレーシング・ユニット120は、クランピング・デバイス20から取り外され、したがって、トレッド・セクション16および車両リム2から取り外され得る。
【0234】
クランピング手段20は、締結デバイス44および対応するトレッド・セクション16によって、リム・フランジ10に対してそれらの位置に固定されてブレース締めされる。
【0235】
図96に明確に図示されているように、ブレーシング・ユニット120は、ネジ山付きロッド1220のためのガイド・デバイス1230を有している。本ケースにおいて、ガイド・デバイス1230は、ブレーシング・ユニット120のハウジング1232の中の開口部によって形成されている。ネジ山付きロッド1220の外側拡張セクション1234は、ガイド・デバイス1230の境界の上に外側から置かれており、ネジ山付きロッド1220の上に装着されている被駆動ベベル・ギア216とともに、ハウジング1232に対して精密に定義された位置において、その長手方向の延在に沿ってネジ山付きロッド1220を保持している。
【0236】
図97は、本発明によるアタッチメント14の実施形態のトレッド・セクション16を図示しており、そのアタッチメントは、トレッド本体部48を含み、そして、トレッド本体部48は、軸線方向Aに減衰するセクション234を含む。ダンピング・セクション234は、軸線方向Aへのトレッド本体部48の圧縮を可能にする。
【0237】
ダンピング・セクション234は、それぞれ軸線方向内側および軸線方向外側にそれを取り囲むトレッド本体部48の材料よりも、それが軸線方向Aに可撓性であるように設計されている。
【0238】
図98および
図99は、本発明によるアタッチメント14の実施形態のトレッド・セクション16を図示しており、そのアタッチメントは、トレッド本体部48を含み、そして、トレッド本体部48は、いくつかのトレッド・セグメント78へと分割されている。個々のトレッド・セグメント78は、円周方向Uにおいて、互いからある距離間隔を置いて配置されている。個々のトレッド・セグメント78同士の間のギャップにおいて、トレッド・セクション16は、弾性的なまたは可撓性のエレメント86を有している。
【0239】
したがって、トレッド・セクション16、または、そのトレッド本体部48は、
図14から
図18の実施形態のものと同様に設計されており、
図3のものと同様のアッセンブリ・セクション22との組み合わせのために提供されている。
【0240】
図100は、ダンピング・デバイス87を含む実施形態を図示しており、ダンピング・デバイス87は、トレッド本体部48の半径方向内側に横たわって配置されており、これとは別個に形成されている。ダンピング・デバイス87は、ダンピング本体部240を含み、ダンピング本体部240は、トレッド本体部48とは別個に形成されており、可撓性の軟質材料(荷重がかかるときに変形可能な固体材料)の層によって形成されている。
【0241】
図101は、アタッチメント14を図示しており、アタッチメント14は、トレッド本体部48を備えて設計されており、トレッド本体部48は、静止セクション56に対して軸線方向Aの周りに回転可能であるように設計されている。
図6および
図7によるアタッチメント14と同様に、
図101によるアタッチメント14は、スライディング・エレメント72を有しており、トレッド本体部48は、スライディング・エレメント72の上に、静止セクション56に対して回転可能に支持されている。しかし、この実施形態のアッセンブリ・セクション22は、3つの移動可能なクランピング・デバイス20を有しており、
図21または
図22の実施形態のアッセンブリ・セクション22に対応して設計されている。
【0242】
図102から
図108は、異なって構成されたダンピング・デバイス87を備えたさまざまなアタッチメント14を図示している。
【0243】
図102から
図104において、トレッドの周囲部の周りに分配されている複数のスプリング・エレメント236の形態のダンピング・デバイス87を含むアタッチメント14が図示されている。スプリング・エレメント236は、ここでは、最も広い意味でU字形状に形成されている。本ケースにおいて、それぞれのU字形状のスプリング・エレメント236は、中央セクション238をそれぞれ有しており、中央セクション238は、トレッド・セクション16の半径方向内側エリア240に接触するように設計されている。中央エリアに隣接している外側エリア242および244は、半径方向Rにトレッド本体部48を支持するように設計および配置されている。
【0244】
トレッド本体部48は、ここでは、スプリング・エレメント236と直接的な接触をしているのではなく、金属ケーシング・エレメント246の中に半径方向内側に取り込まれており、このケーシング・エレメント246が、スプリング・エレメント236と接触している。ダンピング・デバイス87またはスプリング・エレメント236の代替的な実施形態が、
図103の右上に図示されている。この実施形態のスプリング・エレメント236は、金属から形成されたハニカム構造体248を有しており、それは、同様に、半径方向Rにスプリンギング効果またはダンピング効果を引き起こす。
【0245】
図103および
図104において明確に認識可能であるように、クランピング・デバイスは、半径方向内側位置へとそれぞれプリテンションをかけられている。このケースでは、クランピング・デバイスのプリテンショニングは、それぞれのケースにおいてスプリング・エレメント250を介して現実化されており、スプリング・エレメント250は、半径方向外側において、ネジ山付きロッド30のストップ251の上に置かれており、半径方向内側において、それぞれのクランピング・デバイス20のストップ252の上に置かれている。
【0246】
半径方向内側位置へのクランピング・デバイス20のプリテンショニングに起因して、リム・フランジ10の上にアタッチメントを実用的には緩く設置することが可能であり、リム・フランジ10の上のクランピング・デバイス20が、スプリング・プリテンショニングに起因して、アタッチメント14を保持するようになっている。次いで、クランピング・デバイス20は、ツール適用ポイント26およびそれに接続されているトランスミッション212の作動を介して、半径方向内向きに移動させられ得、トランスミッション212は、駆動ベベル・ギア32および被駆動ベベル・ギア34ならびにネジ山付きロッド30を含む。クランピング・デバイスの半径方向内向きに方向付けられた移動の間に、これらは、リム・フランジの後ろ側に係合しており、同時に、リム・フランジがクランピング・デバイス20の接触セクション38の上に置かれるまで、リムの方向にアタッチメント14を引き寄せる。
【0247】
クランピング・デバイス20のプリテンショニングに起因して、クランピング・デバイスの移動は、ツール適用ポイント26が作動させられているときには、直接的に実施されない。最初に、ネジ山付きロッド30のストップ251が、半径方向内向きに引かれる。ネジ山付きロッド30のストップ251がそれぞれのクランピング・デバイス20のストップ252の上に置かれるとき、または、スプリング・エレメント250が完全に圧縮したときには、半径方向内向きへのクランピング・デバイス20の移動が行われる。したがって、クランピング・デバイス20は、プリテンショニングに起因してクリアランスを獲得する。
【0248】
ここでは、アタッチメント14は、円周方向にワンピースのトレッド・セクション16を備えて図示されている。しかし、トレッド・セクション16は、円周方向Uに複数のパーツで構成され得、特に、補助なしの簡単な装着を容易にする。
【0249】
ワンピースのトレッド・セクション16の装着は、
図109およびそれ以降に関連してさらに詳細に検討される。
【0250】
図104において、いくつかの円周方向セグメントへのトレッド・セクション16の可能な分割が、破線によって図示されており、破線は、互いに対する円周方向セグメントの接続ポイント254をそれぞれ図示している。
【0251】
トレッド・セクション16は円周方向Uに閉じられて実装されているが、トレッド・セクション16は、円周方向Uに、取り外し可能なエレメント256を有しており、トレッド18が円周方向Uに複数のパーツで形成されるようになっているということが同様に考えられる。トレッド・セクション16の取り外し可能なエレメントは、参照文字256を有しており、その外形は、点線によって示されている。
【0252】
また、そのような取り外し可能なエレメント(トレッド・セクション16の円周方向に閉じられた実装形態であるが、複数のパーツで円周方向に構築されたトレッド18を備える)の提供は、補助なしでアタッチメント14を装着するために使用され得る。
【0253】
図105および
図106は、ダンピング・デバイス87およびダンピング・デバイス87の中に使用されるスプリング・エレメント236の他の可能な構成を図示している。
図105のバージョンにおいて、スプリング・エレメント236は、
図103の右上の描写と同様の円周方向に延在するハニカム状構造体として設計されている。
図105のバージョンにおいて、ハニカム状構造体248は、接続セクション260を介して円周方向に互いに接続されており、トレッド本体部48は、接続セクション260を覆ってハニカム状構造体248の上に鋳造され得る。
【0254】
図106のスプリング・エレメント236は、同様の様式で互いに接続されており、トレッド本体部48は、これらの上に成形されている。
図106の実施形態の個々のスプリング・エレメント236は、静止セクション56またはトレッド・セクション16との半径方向内側接触から、トレッド本体部48との半径方向外側接触へ、波状に延在している。したがって、
図106の実施形態では、スプリング・エレメント236は、ウェーブ・スプリング・エレメント262として設計されている。
【0255】
図107および
図108の実施形態において、スプリング・エレメント236は、ガス圧力スプリング式のピストン・シリンダー構成体266によって形成されている。ピストン・シリンダー構成体266は、シリンダー・エレメント268をそれぞれ有しており、ピストン270は、気密様式でシリンダー・エレメント268の中に支持されている。キャビティー272の中にあるのは、圧縮性ダンピング媒体であり、圧縮性ダンピング媒体は、ピストンの移動を減衰させる。ここでは、ピストンの移動は、半径方向になっている。ピストンの半径方向外側において、これは、ケーシング・エレメント246に接触しており、ケーシング・エレメント246は、ここでは、金属から形成されており、トレッド本体部48を支持している。
【0256】
図109から
図117は、アタッチメント14および組み立て補助具280の本発明システムを図示しており、組み立て補助具280は、リフティング・デバイスを表している。
図109の例において、組み立て補助具は、折り畳み式ドライブ・オン・ランプ282の形態で設計されている。折り畳み式ドライブ・オン・ランプ282は、支持エレメント284を含み、支持エレメント284は、車両タイヤ3がドライブ・オン・ランプ282の上に位置付けされているときに、アタッチメント14を支持するように配置および設計されており、アタッチメントが車両ホイール1の上に装着され得るようになっている。アタッチメント14は、支持エレメント284を介して車両ホイール1に向けて軸線方向Aに押され得る。支持エレメント284を使用することによって、クランピング・デバイス283によってタイヤをリム・フランジから押しのけることが可能であり、内向きに鋭く湾曲しているクランピング・デバイス283でもリム・フランジ10と後方係合させられ得るようになっている。たとえば、
図110のクランピング・デバイスを参照されたい。
【0257】
ドライブ・オン・ランプ282を使用することによって、一体的に形成されたトレッド・セクションを備えたアタッチメントを車両ホイールの上に装着することも可能である。とりわけ、アタッチメントは、トレッド・セクション16の前に車両ホイール1の上に締結されるアッセンブリ・セクション22を有する必要がない。アタッチメント14は、事実上ワンピースとして設計され得、締結プロセスにおいて全体として車両ホイール1に固着され得る。
【0258】
折り畳み式ドライブ・オン・ランプ282の代わりに、
図82~
図84による膨張可能クッションを使用することも可能である。とりわけ、半径方向内向きに移動可能なクランピング・デバイス20を枢動可能な締結手段290と組み合わせることが可能である。枢動可能な締結手段290は、たとえば、アタッチメント14の上のクランピング・デバイス20にそれぞれ隣接して円周方向に配置され得る。
【0259】
図114は、たとえば、
図5のものと同様のクランピング・デバイス20を備えたアタッチメントの装着を図示している。また、クランピング・デバイス20は、リンク・ガイド300を有している。このリンク・ガイド300は、トレッド・セクション16に連結されている。リンク・ガイド300とトレッド・セクション16との連結に起因して、半径方向内向きに方向付けられたクランピング・デバイス20の移動のときに(たとえば、
図114の右に示されている位置から(そこでは、クランピング・デバイスは、それらの先端部のみがリム・フランジの上に置かれている)、
図114の左側にある、リム・フランジの後ろ側に完全に係合している位置へ移行するときに)、トレッド・セクション16は、同様に、リムに向けて軸線方向に移動させられる。
【0260】
図115から
図117によるアタッチメントは、半径方向内向きにブレース締めされたスライダー310の形態のクランピング・デバイスを有している。半径方向内向きにブレース締めされたスライダー310は、接触表面312を有しており、接触表面312は、リム・フランジ10の内側輪郭に対して相補的に形成されている。リム・フランジ10の上のアタッチメント14の精密に定義された位置を保証するために、アタッチメント14は、スプリング・プリテンションをかけられたスライダー310に対してオフセットされて配置されている接触セクション38を有している。リムまたはタイヤ3の上に押圧されるときに、スプリング・プリテンションをかけられたスライダー310は、半径方向外向きに移動し、同時に、軸線方向Aにタイヤ3をリム・フランジ10から押しのける。スプリング・プリテンションをかけられたスライダー310がそれらの先端部によってリム・フランジ10の後ろ側に入るとすぐに、それらは、それらの接触表面312がリム輪郭にマッチされた状態で、軸線方向内側からリム・フランジ10の後ろ側に接触および係合する。リム・フランジ10は、接触表面38(それは、図には追加的に示されていない)とスプリング・プリテンションをかけられたスライダー310との間に精密に配置される。次いで、トレッド・セクション16は、半径方向にプリテンションをかけられたスライダー310に対して締結手段314を介してブレース締めされ得、半径方向にプリテンションをかけられたスライダー310がそれらの半径方向位置に固定されるようになっており、トレッド・セクション16が軸線方向にタイヤまたはリム・フランジ10に押し付けられるようになっている。次いで、リム・フランジ10は、トレッド・セクション16またはその接触表面38と半径方向にプリテンションをかけられたスライダー310との間にブレース締めされる。次いで、関連のアタッチメントの装着が完了する。
【0261】
トレッド・セクション16は、(すでに述べられたように)円周方向Uに連続的に構築され得、トレッド18は、引き出し可能な円周方向セグメント320(取り外し可能なパーツ)を含み、それは、
図118に図示されている。したがって、トレッド・セクション16の半径方向外側パーツ322は、円周方向の中断部324を有しており、一方では、トレッド・セクション16の半径方向内側パーツ326は、円周方向Uに閉じられており、したがって、トレッド・セクション16は、それ自身で連続的に構築されているということが提供され得る。残りのトレッド・セクション16に対する引き出し可能な円周方向セグメント320の固定された確実な接続を促進させるために、(
図118に示されているように)引き出し可能な円周方向セグメント320および残りのトレッド・セクション16を軸線方向に見たときに、重なり合うエリア323が存在しており、両方のパーツが、接続状態において、軸線方向Aに直交して延在する平面の中に互いに重ねて平坦に置かれるということが提供され得る。
【0262】
図119および
図120において、トレッド・セクション16が示されており、そこでは、ダンピング・デバイス87が、円周方向Uに分配されて配置されているいくつかのスプリング・エレメント236を含む。スプリング・エレメント236は、円周方向Uに延在するように配置されたスパイラル・スプリング316として設計されている。スパイラル・スプリング316は、半径方向外側において、トレッド本体部48の上に置かれており、半径方向内側において、トレッド・セクション16の金属構造体の上に置かれている。
図119に明確に示されているように、スパイラル・スプリング316は、軸線方向に両側において、トレッド・セクション16の金属構造体によって包まれており、それらの適切な位置に保持されている。
【0263】
図121および
図122は、ダンピング・デバイス87を設計するための別のオプションを図示している。したがって、ダンピング・デバイス87は、媒体チャンバー318を含むことが可能であり、媒体チャンバー318は、液体328(湾曲した線によって表されている)、特に高粘度媒体(たとえば、グリセリン)によって充填されている。媒体チャンバー318は、ここでは、サブ・チャンバー330を含み、サブ・チャンバー330は、それぞれ互いに流体接続されている。互いに対するサブ・チャンバー330の接続セクション332は、サブ・チャンバー330よりも高い流動抵抗(フロー断面の中のボトルネック)を有している。流動抵抗は、ここでは円周方向Uに起こる液体328のフローに関して意味される。
図122に示されているように、媒体チャンバー318を包むためのトレッド・セクション16は、トレッド・セクション16の軸線方向に別個のセグメントを含むことが可能であり、それらは、互いに接続可能である。
【0264】
図123は、ダンピング・デバイス87を設計するための別のオプションを図示している。ダンピング・デバイス87は、トレッド本体部48とは別個に形成されている。ここでは、ダンピング・デバイス87は、圧力チャンバー334を含み、圧力チャンバー334は、トレッド本体部48の半径方向内側に形成されており、トレッド本体部48とは別個に形成されている。圧力チャンバー334は、圧力媒体の適用のための接続部336を有している。
【0265】
図124は、ダンピング・デバイス87を設計するための別のオプションを図示している。ダンピング・デバイスは、トレッド本体部48によって形成されており、トレッド本体部48は、圧力チャンバー338を含み、圧力チャンバー338は、圧力媒体によって作用を受けるかまたは作用を受ける可能性がある(媒体(特に、長い分子鎖を備えたガスまたは窒素)によって充填されており、気密に閉じられている)。圧力チャンバー338は、ここでは、圧力チャンバー338の中にある圧力媒体によって、道路の上でのトレッド18の転がりプロセスの間に、トレッド18が減衰されるように設計および配置されている。圧力チャンバー338は、好ましくは、逆止弁を介して、圧力媒体によって作用を受ける。
【0266】
トレッド本体部48は、圧力チャンバー338を形成するために複数のパーツ(2つのパーツ)で設計されている。主本体部340は、シーリング・エレメント342によってシールされており、圧力チャンバー338が、主本体部340とシーリング・エレメント342との間に形成されるようになっている。
【0267】
図125は、本発明による別のアタッチメント14を図示している。
図126は、
図125のアタッチメント14のクランピング・デバイスおよび保護ストリップ・スライダー・メカニズム420の周りのエリアを通る断面図を示している。
【0268】
図126から明確に認識可能であるように、クランピング・デバイス20は、このケースでは、スパイラル・スプリング422として実装されるスプリング・メカニズムを介して、軸線方向内向きに枢動させられた位置へとプリテンションをかけられている。保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、クランピング・デバイス20よりも半径方向にさらに外向きに延在するように配置されている。
【0269】
図127において、
図125のアタッチメントのアッセンブリ・セクションが、詳細に示されている。そこで明確に認識可能であるように、保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、個々のクランピング・デバイス20のそれぞれの上に配置されている。保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、アタッチメント14が締結されることとなるタイヤの保護ストリップ426(
図128を参照)の上に、それが係合することができるように設計および配置されている。この目的のために、それは、半径方向Rに突出するセクション424を有しており、セクション424は、いわば半径方向内側から保護ストリップを捕らえることが可能であり、半径方向外向きにこれを移動させることが可能である。保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、この目的のために、クランピング・デバイス20とともに、半径方向Rに移動させられ得る。これのための移動メカニズムは、以前に説明された実施形態において現実化されたものと同様の様式で、中央ネジ山212およびネジ山付きロッド(それは、クランピング・デバイス20に係合している)を介して同様に現実化される。
【0270】
この実装形態を伴うクランピング・デバイス20によるリム・フランジ10の後方係合のプロセスは、
図128から
図130に図示されている。
【0271】
どのようにクランピング・デバイス20が、そのスプリング・プリテンショニングに対抗して軸線方向外向きに枢動させられるかということが
図128に示されている。
【0272】
保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、まだ保護ストリップ426に接触していない。保護ストリップ・スライダー・メカニズム420がその上に位置付けされた状態のクランピング・デバイス20が、半径方向外向きに移動させられる。次いで、保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、半径方向内側から保護ストリップ426に係合し、それによって、タイヤ3を軸線方向外向きにスライドさせ、リム・フランジ10からタイヤ3をリフトする。クランピング・デバイス20は、
図129に示されている位置へと移動させられ、タイヤは、保護ストリップ426の上での保護ストリップ・スライダー・メカニズム420のグリップによって、リム・フランジ10からわずかにリフトされる。これによって、
図129に示されているように、クランピング・デバイス20がリム・フランジ10に作用することが可能である。軸線方向Aへの軽い圧力に起因して、クランピング・デバイス20が、ここで、リム・フランジ10との後方係合位置へと移動する。その理由は、保護ストリップ・スライダー・メカニズム420によって持ち上げられたタイヤが、もはやクランピング・デバイス20の移動に抵抗しないからである。
【0273】
次いで、クランピング・デバイス20および保護ストリップ・スライダー・メカニズム420は、(ツール適用ポイント26による移動反転によって)半径方向内向きに移動させられ、最後に、
図130の位置へと半径方向内向きに移動させられる。この位置において、クランピング・デバイス20は、ポジティブ・ロッキング様式で、リム・フランジ10の後ろ側に係合し、リム・フランジ10に対して相補的に形成されたそのセクションによって、これの近くに置かれる。ツール適用ポイント26の作動に起因して、アタッチメントのすべての3つのクランピング・デバイス20が、今説明された移動シーケンスを実施し、最後に、アタッチメント14のすべての3つのクランピング・デバイス20が、これによって、
図130に示されている構成へと移動する。次いで、アッセンブリ・セクション22は、リム・フランジ10に確実に締結される。次いで、トレッド・セクション16は、
図130に図示されているように、他の実施形態に関連してすでに説明されたように、トレッド・セクション16またはクランピング・デバイス20の上の締結デバイス44によって締結され得る。したがって、
図125から
図130のアタッチメントのケースでは、アッセンブリ・セクションは、クランピング・デバイス20が最初に半径方向外向きに移動させられるということが提供されるように設計されている。保護ストリップ・スライダー・メカニズム420によって、リム・フランジ10の上に置かれているタイヤ3またはそのパーツが、これによって、リム・フランジ10から離れるように移動させられる。クランピング・デバイス20が半径方向外向きに十分に遠くに移動させられ、それらがリム・フランジ10の上に着座することができるようになっているときには(
図129に示されている位置)、移動方向が反転され、クランピング・デバイスが半径方向内向きに移動させられるということが提供される。クランピング・デバイス20の後方グリップ・セクションのコースに起因して、これらは、半径方向内向きに方向付けられた移動で、リム・フランジ10との完全な後方係合(
図130)へとスライドする。
【0274】
図131から
図134は、本発明による別のアタッチメント14を図示している。前記図のアタッチメント14は、枢動可能なクランピング・デバイス20を有しており、枢動可能なクランピング・デバイス20は、作動エレメント440の半径方向外向きに方向付けられた圧力移動によって、リム・フランジ10との後方係合位置へと内向きに枢動可能である(
図132から
図133の位置へと移行する)。クランピング・デバイス20は、この目的のために、アッセンブリ・セクション22の基本本体部に対して、軸線方向内側の枢動軸線によって、枢動可能に関節運動させられる。軸線方向内部の枢動軸線は、
図133において参照文字442を有している。作動フレーム444の軸線方向外側の接続軸線は、参照文字446を有している。接続軸線446は、作動エレメント440のプッシュ移動またはプル移動によって、軸線442に対して枢動可能である。クランピング・デバイス20は、これによって、軸線方向Aにリム・フランジ10との後方係合位置へと枢動可能であり、または、この位置から移動可能である。クランピング・デバイス134ならびに軸線442および446は、再び
図134に詳細に示されている。作動エレメント440は、作動フレーム444の内側にスプリング装着式に配置されている。ネジ山付きロッド30(または、カップリング・エージェント30)は、それぞれのケースにおいて、中央トランスミッション212からクランピング・デバイス20へ延在している。それぞれのクランピング・デバイス20の作動エレメント440は、ネジ山付きロッド30の上に装着されており、作動エレメント440が、ネジ山付きロッド30の回転移動によって、半径方向内向きにまたは半径方向外向きに移動させられ得るようになっている。それぞれの作動エレメント440は、それぞれの作動フレーム444の中に配置されており、それらが、半径方向内向きにまたは半径方向外向きに方向付けられた移動のときに、作動フレーム444の上にストップをそれぞれ位置付けするようになっている。したがって、作動フレーム444は、それぞれのネジ山付きロッド30の回転移動によって、半径方向内向きにまたは半径方向外向きに移動させられ得る。作動フレーム444は、その第2の軸線446の上のそれぞれのクランピング・デバイス20の上で枢動可能に関節運動させられる。作動フレーム444の半径方向内向きにまたは半径方向外向きに方向付けられた移動において、これは、一方では、クランピング・デバイスに対して枢動し、したがって、その第2の軸線446を半径方向内向きにまたは半径方向外向きに移動させ、それによって、クランピング・デバイス20が、全体として、軸線442の周りに枢動させられ、それが、リム・フランジ10との後方係合位置へとまたは後方係合位置から枢動可能であるようになっている。