(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】液体流量計のための較正方法
(51)【国際特許分類】
G01F 25/10 20220101AFI20240201BHJP
【FI】
G01F25/10 Z
(21)【出願番号】P 2021538405
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 TH2020000007
(87)【国際公開番号】W WO2020209806
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-11-10
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TH
(73)【特許権者】
【識別番号】521285089
【氏名又は名称】ピーブイティーイー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リーラヨーヴァ、タヌント
(72)【発明者】
【氏名】ポーパクディー、ウラチャ
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206945098(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105509844(CN,A)
【文献】特開2017-187366(JP,A)
【文献】特開平01-169325(JP,A)
【文献】特開2007-046921(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0302352(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/00- 9/02
G01F 25/00-25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体流量計の較正方法であって、
測定されることになる前記液体を受けるための第1のタンク(12)及び前記第1のタンク(12)に接続された液体貯蔵タンク(14)を提供するステップと、
前記液体貯蔵タンク(14)からの液体を外部デバイスに運搬するための液体送達ライン(9)を提供するステップと、
前記第1のタンク(12)又は前記液体貯蔵タンク(14)のいずれかに含まれる前記液体を計量するための計量センサ(22)を提供するステップと、
前記流量計(20)の前記較正の実行中に、
前記外部デバイスから前記液体流量計(20)の運搬方向下流において前記液体送達ライン(9)の接続を断つステップと、
前記第1のタンク(12)に接続された較正ライン(7)への前記液体流量計(20)の運搬方向下流における前記液体送達ライン(9)の接続ステップと、
既定の時間間隔において前記計量センサ(22)によって測定された液体重量の変化に基づいて前記既定の時間間隔内の前記運搬された液体の流量を決定するステップと、
を含み、前記液体貯蔵タンク(14)からの前記液体が、前記液体送達ラインを介して前記第1のタンクに運び戻され(12)、前記液体貯蔵タンク(14)から前記第1のタンク(12)への前記液体の流量が、較正中に実質的に一定になるように制御されることを特徴とする方法。
【請求項2】
実質的に一定になるように前記較正中に前記液体貯蔵タンク(14)から前記第1のタンク(12)への前記液体の前記流量を制御することが、前記流量計(20)からの信号を使用するフィードバック制御である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記流量計の前記較正中に、前記外部デバイスからの前記液体送達ライン(9)の分離及び前記較正ライン(7)への前記液体送達ライン(9)の接続が、手動で、又は電気的に、又は空気圧でのいずれかで制御される2個の2方向バルブ(32、34)又は3方向バルブによって行われる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記較正方法が、単一ポイント較正又はマルチポイント較正である、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
動物用飼料製造装置に適用
される、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記液体が、重力送り装置、又は前記第1のタンク(12)と前記液体貯蔵タンク(14)との間の流れるラインにおいて挟まれて設置されたポンプ(39)からの推進力のいずれかによって、前記第1のタンク(12)から前記液体貯蔵タンク(14)に流れる、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記較正において前記流量計(20)を通して流される前記液体の前記流量が
、実際の運転の流量と実質的に等しくなるように調節される、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法であって、実質的に一定になるように前記液体
の流量を調節するために使用されるセットポイントが、前記較正を実行する前の特定の期間内
の実際の運転の流量の平均から計算される
方法、または、
請求項7に記載の方法であって、実質的に一定になるように前記液体の流量を調節するために使用されるセットポイントが、前記較正を実行する前の特定の期間内の前記実際の運転の流量の平均から計算される方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジニアリングの分野に関し、より詳細には、液体流測定システムの較正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動物用飼料製造システムでは、その製法及び適切な水分含量に従った完全な栄養分を有する動物飼料が得られるように、動物用飼料原料としての固体及び液体タイプの原材料、たとえば、キャッサバ、トウモロコシ、稲、及び米ぬかを、動物用飼料製造において使用される動物用飼料添加物としての液体原材料、たとえば、水、糖蜜、防カビ剤、飼料品質保存料、及び香味料と混合する。完成した動物用飼料製品が得られ市場にすぐに出す準備ができているように、動物用飼料原料及び様々な化学物質は、任意のさらなる処理、たとえは、攪拌、粉砕、加熱、ペレット化、及び梱包、を受ける間に、それらの適切な量になるように計量又は測定され、ミキシング・タンクに導入される必要があるのが一般的な方法である。
【0003】
連続的製造プロセスのために、原材料及び様々な原料が、ミキシング・タンクへと連続的に運搬される。固体原材料及び原料が、コンベヤ・ベルト又はねじコンベヤによってミキシング・タンクに運搬される間に、それらは、計量機又はロード・セルによって計量される。同時に、所与の製法に従って適切な量を得るために、液体原料は、計量される、及び/又は、液体原料の液体流量が、流量計によって測定される。したがって、液体流量計の正確性は、非常に重要であり、流量計は、常に正確性を達成することができるように、必ず較正されなければならない。
【0004】
現在、流量計較正のためには、一般に、製造プロセス全体が、流量計較正を実行するために停止されなければならず、そのとき、その重量が確実に知られている、プロセスで使用される液体、たとえば、水及び防カビ剤が、ある特定の時間間隔にわたり較正されることになる流量計を通してポンプで送られる。その後、知られている重量及び使用された時間間隔から計算された液体の平均流量と比較するためにメータの示度が獲得され、その結果、前記流量計のエラーが知られ、次いで、正しい値を得るために調整が実行される。
【0005】
流量計から獲得された計数されたパルス信号の重量への変換を含む、実用的流量計較正システムは、通常は、信号受信器、プロセッサ及びヒューマン・マシン・インターフェースを有さなければならない。実際の重量を量ることによって、流量計から出力されたパルス信号値が、獲得され、次いで、データは、流量計を通して流される液体の実際の重量と比較するために使用されるパラメータを計算するために使用され、流量計を通して流される液体は、流量計の近くに位置するポイントと比較してパイプ内の異なる液体流速度及び圧力による実際のユース・ポイント(エンドポイント)において計量するために排出されなければならない。実際の重量が、流量計を取り付けたポイント及び実際のユース・ポイントにおいて計量される場合、制御システムにおける表示が、同じカウント及び同じ使用されるパラメータから等しい場合でも、2個のポイントから取得される実際の重量を比較するときに偏差が存在することになる。一般に、流量計較正が、ユース・ポイントではない、別のポイントにおいて実行される必要がある場合、パイプ内の液体圧力が、正しい及び正確な較正を得るために、ユース・ポイントにおける圧力と等しいように、パイプ内の液体圧力を調節するために使用されるバルブは、調節されなければならない、又はパイプ内の流量は調節されなければならない。
【0006】
しかしながら、前記較正方法は、欠点を有する、すなわち、生産ラインは、長時間停止されなければならないことがあり、較正を受ける液体は、直ちに使用することはできず、したがって、それは、困難及び無駄を引き起こし得るので、それは、較正準備のために比較的長い時間を要する。さらに、較正の環境要因は、実際の動作中の環境要因、たとえば、機械、すなわち圧力ポンプ、の摩損、ポイントを測定する様々な高さにおける運搬パイプにおける圧力損失など、と同じではないので、既存の較正方法はまた、エラーを容易に引き起こす可能性があり、それは、従来の較正方法はエラー及び効率性の欠如を有し得るという結果をもたらす。
【0007】
2012年8月31日に特許出願公開第115985号として公開されたタイ特許出願第0801005493号は、燃料製造プロセスにおける燃料運搬システム、すなわち、燃料触媒又は燃料添加物の注入システムなど、のための較正システムを開示し、タンクに含まれた燃料は、少なくとも1個のロード・セルによって計量される。較正は、直接的に若しくは間接的に知られている重量の燃料をロード・セルに送達すること、及び送達された燃料の重量を測定することによって、実行される。次いで、2個の重量の間の偏差を計算するために、ロード・セルから獲得された測定された重量と知られている重量との比較が行われ、測定結果がそこから調節される。
【0008】
ドイツのSiemens Aktiengesellschafttによって2012年11月13日に取得された米国特許第8,307,692B2号、題名「Calibration of Dust Load Flow Measuring Systems」は、ダスト負荷流測定システムを較正するための方法を示し、粉砕された燃料ダストが、空気圧で動かされる。前記方法では、受け容器と計量容器との間の圧力が、圧力制御バルブの開く/閉じる制御による較正を介して一定値の実動作圧力になるように制御される。しかしながら、前記方法は、液体流量計較正に適用することはできず、液体は、圧力ポンプ又は重力送り装置によって動かされる。
【0009】
日本のアズビル株式会社による、米国特許出願公開第2017/0052056A1号、題名「Method and Apparatus for Testing Liquid Flowmeter」が、液体流量計較正を開示し、流量計を通して流される液体の温度及び圧力が、較正を介して測定されている間に、液体が、ロード・セルによって計量される計量タンク内に流量計を通してポンプで送り込まれ、次いで、流量計の器差が、測定された値に基づいて計算される。しかしながら、前記出願による方法は、ポンプが同じ回転速度で動作させられていても、液体流が実際の動作中の流れと等しくないという結果をもたらし得る、実際の動作環境、たとえば、較正のための計量ポイントの高さ、パイプの高さ及び長さ、及び液体運搬ポンプの摩損、を考慮していない。さらに、較正を受ける液体が再使用され得るかどうかが見えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】タイ特許出願第0801005493号
【文献】米国特許第8,307,692B2号
【文献】米国特許出願公開第2017/0052056A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
前述の問題を解決するために、本発明の目的は、液体流量計の較正方法を提供することであり、生産における時間損失及び原材料損失の両方を低減することができ、したがって、生産コストが低減され得るように、その較正方法は、正確であり、それは、半自動又は自動方式で迅速に実行することができ、それはまた、較正を受ける液体の再使用によって、無駄なく較正におけるコスト節約を達成することができ、それは、生産ラインの停止の時間の減少もまた達成することができる。
【0012】
本発明による液体流量計の較正方法は、測定されることになる前記液体を受けるための第1のタンク及び前記第1のタンクに接続された液体貯蔵タンクを用意することと、前記液体貯蔵タンクから外部デバイスに液体を運搬するための液体送達ラインを用意することと、第1のタンク又は液体貯蔵タンクのいずれかに含まれる液体を計量するための計量センサを用意することとを含み、流量計の較正の実行中に、液体送達ラインは、外部デバイスから液体流量計の運搬方向下流において接続を断たれ、前記液体送達ラインは、前記第1のタンクに接続された較正ラインに前記液体流量計の運搬方向下流において接続され、ある特定の時間間隔内の運搬された液体の流量は、前記時間間隔において前記計量センサによって測定された液体重量の変化を使用することによって、決定され、前記液体貯蔵タンクからの液体は、液体送達ラインを介して前記第1のタンクに運び戻され、液体貯蔵タンクから前記第1のタンクへの液体の流量は、実質的に一定値になるように制御される。
【0013】
前記液体貯蔵タンクからの液体を液体送達ラインを介して前記第1のタンクに送達し戻すための方法を考えると、それが、生産ラインの停止時間を減らすことができ、それが、生産における時間損失及び原材料損失の両方を減らすこともできるように、較正が完了されたとき、較正を受けた液体は、無駄なく直ちに再使用され得る。したがって、生産コストは、低減され得る。
【0014】
本発明の1個の実施例において、液体流量計の較正方法は、流量計からの信号を用いたフィードバック制御方法によって液体貯蔵タンクから前記第1のタンクへの液体の流量を前記較正中に一定になるように制御することを含み得る。前記方法を考えると、環境は、実際の動作環境に類似するように較正中に制御され得る。したがって、較正は、正確であり、エラーを減らすことができる。
【0015】
さらに、流量計較正の実行中、外部デバイスからの液体送達ラインの切り離し及び前記較正ラインへの前記液体送達ラインの接続が、手動で、又は電気的に、又は空気圧で制御された2個の2方向バルブ又は3方向バルブによって、行われる。したがって、較正は、自動的に又は半自動的に実行され得る。
【0016】
さらに、較正方法は、単一ポイント較正又はマルチポイント較正でもよい。
【0017】
本発明による方法は、製法及び所与の物理特性による適切な液体原材料を有する動物飼料が、得られるように、動物用飼料製造装置に適用され得る。
【0018】
本発明の別の実施例において、較正において使用される液体は、重力送り装置又は第1のタンクと液体貯蔵タンクとの間の流れるラインにおいて挟まれて取り付けられたポンプからの推進力のいずれかによって第1のタンクから液体貯蔵タンクに流され得る。そのような追加のポンプの取り付けは、第1のタンクと液体貯蔵タンクとの間に流される液体の流速を上げることにつながり得る。したがって、生産プロセスが停止される必要がある時間間隔は、低減され得る。
【0019】
さらに、較正における流量計を通して流される液体の流量は、実際の運転の流量に調節される。
【0020】
本発明による較正方法の別の実施例において、一定になるように前記液体流量を調節するために使用されるセットポイントが、較正を実行する前に、実際の運転の流量の平均から計算される。したがって、プロセスにおいて使用される機械の摩耗による較正エラーは、低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による方法の液体流量計の較正プロセスのための装置の第1の実施例を示す図である。
【
図2】本発明による方法の液体流量計の較正プロセスのための装置の第2の実施例を示す図である。
【
図3】フィードバック制御方法によって一定になるように液体流量を制御するための制御システムのブロック図である。
【
図4】マルチポイント較正から生じるデータの一実例を示す図である。
【
図5】本発明による方法のワークフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書は、本発明の実例を挙げることによって本発明の説明を行い、実例となる及びそれらをより明確に説明するのを助けるために添付の図面を参照し、図面において、類似の参照番号は、これらの図中の類似の要素を参照する。しかしながら、本明細書によって本発明を限定することは意図しておらず、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0023】
図1は、本発明による方法の液体流量計の較正方法を実行するための装置の第1の実施例を示す。
【0024】
本装置は、較正されることになる液体、たとえば、防カビ剤、水、及び飼料品質保存料、を受けるために使用される第1のタンク12、手動制御バルブ又は空気圧若しくは電気開閉制御バルブでもよい、バルブ36を介して第1のタンク12に流動的に接続された液体貯蔵タンク14で構成される。液体貯蔵タンク14から排出された液体は、前記液体貯蔵タンク14から液体を外部デバイス、たとえば、運搬デバイス、及び動物用飼料ミキシング・タンク、に運搬するために、液体送達ライン9を通して流される。
【0025】
通常の動作において、液体は、加圧された液体を得るために、電気モーター及びポンプ24によって動かされ、好ましくは、電気モーターの回転速度は、インバータなどによって、制御される。ポンプ24を通して流される液体は、液体送達ライン9を通して流される液体の流量を測定するために使用される液体流量計20を通して流され、次いで、それはバルブ34を通して流されるが、液体がバルブ32を介して流され得ないように阻止される。バルブ32及び34は、2個の2方向バルブ又は1個のみの3方向バルブでもよく、これらのバルブは、手動で制御される、又は電気的に制御される、又は空気圧で制御される。
【0026】
図1によれば、液体送達ライン9から分岐したラインは、液体流量計20の下流に位置するポイントにおいて用意される。前記分岐したラインは、較正ライン7として機能し、較正ライン7のもう一方の端は、第1のタンク12に流動的に接続される。
【0027】
通常の動作において、較正ライン7は、液体が較正ライン7に流れ込むのを防ぐために、バルブ32によって阻止される。
【0028】
流量計20は、置換流量計などでもよい。流量計20は、電気信号をパルスとして出力し、そのようなパルス信号は、パルス信号を標準電気信号に変換するために、信号コンバータ44に送られる。信号コンバータ44から出力された電気信号は、測定された液体流量に正比例する。次いで、信号コンバータ44から出力された信号は、動作制御において使用される及び流量を表示してオペレータに知らせるために、制御手段10に送られる。
【0029】
流量計20は、正確な測定された値を常に出力するために、較正されなければならず、そうでない場合、それは、製造プロセスにおいてエラーを引き起こすことになり、製品の所望の品質を達成しないことがある。
【0030】
制御手段10は、たとえば、動作に必要なデータ及びプログラムを記憶するための内部メモリ・ユニットを有するPIDマイクロコントローラなど(たとえば、ゲイン(k定数)=1を有するPコントローラ)でもよく、外部センサから電気信号を受け取ることができ、所望の書き込まれたプログラムに従って動作するために、入力/出力ポートを介して制御手段10に接続されたデバイスを制御するために、電気信号を出力することができる。制御手段10は、すべてのデバイスの動作制御を実行し、ディスプレイ及びキーボード若しくはキーパッド(図示せず)又はユーザから入力された入力を受信するためのデバイスも含み得る。
【0031】
さらに、本装置はまた、多数の異なる形態で設置され得る、少なくとも1個の計量センサ又はデバイス(ロード・セル)22で構成される。
図1に示すような第1の実施例において、重量計タイプのロード・セル22は、第1のタンク12を計量するために、天井からぶらさがる方式で設置され、一方、ロード・セル22は、さらに詳しく後述するように
図2に示す第2の実施例において液体貯蔵タンク14を計量するために、設置される。
【0032】
第1の形態において、液体が、重力送り装置によって液体貯蔵タンク14に流されて戻り得るように、第1のタンク12は、液体貯蔵タンクより高いレベルにおいて設置される。この実施例では、ロード・セルは、第1のタンク12に含まれる液体の重量読み取り機としての機能を果たすために、第1のタンク12の上に設置される。
【0033】
ロード・セル22から出力された信号は、信号コンバータ42に送られ、信号は、ロード・セル22から獲得された測定された重量に対応する電気アナログ信号(たとえば、信号0~10Vdc又は4~20mA)に変換される。信号コンバータ42から出力された電気信号は、測定されたタンクに含まれる液体の重量に正比例する。次いで、信号コンバータ42から出力された信号は、さらなる処理に使用するために、制御手段10に送られる。
【0034】
流量計20の較正の実行中に、液体貯蔵タンク14からの液体が、ポンプ24によって流量計20を通ってバルブ32を介して第1のタンク12に送り込まれるように、制御手段は、液体送達ライン9が外部デバイスから液体流量計20の運搬方向下流において接続を断たれ、同時に、前記液体送達ライン9が前記第1のタンク12に接続された較正ライン7に前記液体流量計20の運搬方向下流において接続されるように、構成される。
【0035】
本発明の第1の実施例によれば、バルブ36は、第1のタンク12からの液体が液体貯蔵タンク14に流れるのを阻止するために、閉じられる。次いで、制御手段10は、液体が較正ライン7を通してポンプで送り返されるので、連続して増やされる、時間と関連する流量計20からのパルス信号データとともに第1のタンク12及びそこに含まれる液体の重量及び時間データの記憶を開始し、較正が完了されたときに重量及び時間データの記憶を停止する。
【0036】
次いで、ある特定の時間間隔内の運搬された液体の流量が、前記時間間隔内で前記計量センサ22によって測定された液体重量の変化を使用することによって、決定され、前記液体貯蔵タンク14からの液体は、液体送達ラインを通して前記第1のタンク12に運び戻され、液体貯蔵タンク14から前記第1のタンク12に流された液体の流量は、その状態が、可能な限り実運転状態に近くなるように、たとえば、インバータ(図示せず)によって、実質的に一定値になるように制御される。
【0037】
図2は、本発明による方法の液体流量計の較正プロセスのための装置の第2の実施例を示す。
【0038】
図2によれば、ロード・セル22が、貯蔵ビンの役割を果たす液体貯蔵タンク14を計量するために、設置されることを除いて、構成は、
図1に示す実施例のそれと類似しており、重量は、液体貯蔵タンク14に含まれる液体の重量を含む。第2の実施例は、液体貯蔵タンク14に含まれる液体の重量の減少を測定することによって流量計20の較正に適する。この実施例では、ポンプ39は、液体を第1のタンク12から液体貯蔵タンク14にポンプで送り返すために使用することができ、重力によってバルブ36を介して液体を逆流させることができる。この実施例では、ロード・セル22が、較正の実行中に損失重量を読み取るために液体貯蔵タンク14の下に設置される。
【0039】
第2の実施例による較正中に、制御手段10は、時間に関連する流量計20からのパルス信号データとともに、液体貯蔵タンク14に含まれる液体はポンプで送り出されるので、連続して減らされる、液体貯蔵タンク14及びそこに含まれる液体の重量データの記憶を開始し、較正が完了されるとき、ロード・セルから獲得された重量データの記憶を停止し、そうして、それは、較正中の重量の変化の決定のために使用される。
【0040】
さらに、第2の実施例において、それは、較正の開始前に迅速に既定の重量まで液体貯蔵タンク14内に液体を入れるための第1のタンク12と液体貯蔵タンク14との間の流れるラインに挟まれて設置されたポンプ39でさらに構成される。液体は重力送り装置の代わりにポンプ39によって第1のタンク12から液体貯蔵タンク14に流されることを考慮して、較正時間間隔は、低減され得る。
【0041】
第2の実施例によれば、他の要素は、
図1に示す第1の実施例のそれらと類似し、類似の参照番号が使用されており、したがって、それをここで繰り返して説明する必要はない。
【0042】
較正が完了された後、液体流量計20が、その正確性がそこから達せられ得るように、適切に較正されたとき、制御手段は、製造プロセスに従ってさらに実行することが可能になるように、バルブ34を開き、バルブ32を閉じることになる。
【0043】
図3は、フィードバック制御方法によって一定になるように液体流量を制御するための制御システムのブロック図である。
【0044】
図3によれば、インバータ11は、較正ポイントにおける液体の流量が、外部デバイスに接続された、エンドポイントにおけるそれと等しいように、いつでも既定のセットポイント(パルス/分又はパルス/秒)になるようにプロセスにおいてモーター及びポンプ24のモーター入力周波数を変えることによってポンプ24の流量を制御するためにモーター/ポンプ24を動かすためのデバイスである。エンドポイントが、較正ポイントから遠く及び下に位置する場合、較正ポイントから流れ出る液体が減らされるように、インバータは、ポンプ24の流量を減らすことになる。エンドポイントが、較正ポイントから遠く及び上に位置する場合、較正ポイントから流れ出る液体が増やされるように、インバータは、ポンプ24の流量を増やすことになる。プロセスにおいて流量測定センサ(流量計)20から獲得されたパルス信号は、パルス/分(又は流量計仕様に応じてパルス/秒)の単位での流量に変換され、1個のパルスは、流量測定センサを通して流される液体の瞬間速度及び体積に正比例する。較正中にポンプ24を通って液体貯蔵タンク14から第1のタンク12に流れる液体が、実質的に一定流量になるように制御されるように、パルス/分(又はパルス/秒)信号は、電気モーター/ポンプ24の回転速度制御命令であるインバータの出力値を増やす又は減らすようにインバータに指示するために、コントローラ10にフィードバック信号として送られる。前述のように、それは、測定エラーが有意に減らされる結果をもたらす。
【0045】
次に、本発明による較正方法の較正ステップについて、
図4及び
図5を参照して説明する。
【0046】
次に、本発明による較正方法について、
図5を参照して説明する。
【0047】
図5によれば、較正が開始されるとき、液体送達ライン9が、外部デバイスから液体流量計20の運搬方向下流において接続を断たれ、前記液体送達ライン9が、それぞれ、ステップS502及びS504に従って第1のタンク12に接続された較正ライン7に前記液体流量計20の運搬方向下流において接続された後、コントローラは、次いで、較正の実行を停止するために、ある特定の時間間隔内、すなわち、較正開始ポイントから所与のポイント(目標セットポイント)まで、の運搬された液体の実際の流量を決定し、データは、コントローラ10のメモリにおいて与えられるように断続的に記憶され(ステップS506)、ステップS508において、コントローラは、ロード・セル22から獲得された測定された重量の変化率からこのある特定の時間間隔内の運搬された液体の実際の流量を計算し、流量計20からの示度は、それが、詳しくさらに後述されるように計算された実際の流量に一致するように、調節される。
【0048】
コントローラは、好ましくは、詳しくさらに後述するような一実例によるポンプの効率劣化の場合に減少した流量を補正するために増やされることになるモーター/ポンプ24の流量の較正及び調節においてインバータを自動的に制御するための実際の動作から取得された機械学習データを使用する。
【0049】
実際の動作において、流量は、ポンプ24の動作がポンプ24の動作効率の50~90%の範囲内になるようにインバータ11の動作を介してコントローラ10によって制御され、流量データは、メモリに記憶され、流量は、秒又はヘルツごとのパルスの単位で記憶される。
【0050】
較正のために、コントローラ10は、較正において使用するために液体を入れ戻すためにバルブ32が開かれるように制御する。パイプ内を流される液体の速度は、エンドポイントにおけるそれと等しくないことがある。ポンプを通して流される液体の流量が、実際の動作中のエンドポイントにおけるそれと等しいように、インバータ11は、流量計からの信号を有するフィードバック制御を使用して、ポンプを通して流される液体の流量をエンドポイントにおける流量と等しくなるように制御し、信号は、アナログ信号(4~20mA、0~10Vac)、又はパルス・トレイン出力から取得された信号、或いはシリアル・バス通信システム、たとえば、RS232、RS485、及びCANバスなど、から取得された信号でもよい。
【0051】
【表1】
ここで、
(1)流量計20から獲得された計数率(パルス/秒又はヘルツ)、
(2)%で計算されたインバータ11のデューティ・サイクル出力、
(3)コントローラに示された重量(kg)、
(4)外部スケールを使用して液体を計量することによって取得された実際の測定された重量、及び
(5)機械は、ポンプを通して流される液体の流量が一定になるように調節する際に使用するためのセットポイントとして設定されるために、最後の1~10時間における実際の動作の平均を計算することから学習する(平均を計算する)。
【0052】
次に、流れを制御するためのインバータ11を使用して流量計の設置ポイントの近くに位置するポイントにおいて実行される単一ポイント較正及びマルチポイント較正について説明する。
【0053】
単一ポイント較正は、所与のセットポイントとして単一のパルス値のみを使用する較正である。以下に示す一実例のように、パルス目標は、400パルスに設定され、次いで、実際の重量は、50kgと計量され、較正は、流量計から獲得された測定されたパルスがパルス目標と等しいときに、停止され、流量は、較正の間を通して一定になるように制御され、流量計20を通して流される液体の流量は、実際の動作中の流量と等しくなるように調節される。
【0054】
Y=ロード・セルから獲得された測定された重量、X=流量計から獲得された計数されたパルスの数、m=パラメータ値
【0055】
【0056】
次いで、測定されたデータが、さらなるプロセスにおいて使用されるために、コントローラにおいて値を設定する際に使用されるmを計算するために使用される。単一ポイント較正の利点は、それが短時間で行われ得るということである。
【0057】
次に、マルチポイント較正について説明する。マルチポイント較正は、目標セットポイントとして複数のパルス値を使用する較正である。
図4に示すように、たとえば、パルス目標は、400、800、及び1,000パルスになるように設定され、次いで、実際の重量が、それぞれ、50、90、及び110kgであると計量される。次いで、これらのデータは、方程式(2)に従って直線関係を見つけるためにパラメータを計算するために使用される:
Y=a+bX、 -----(2)
【0058】
上式で、Yは、ロード・セルから獲得された測定された重量であり、Xは、流量計から獲得された計数されたパルスの数であり、aは、Y軸との交点のyの値であり、bは、データから概算されるものとしての、スロープである。
【0059】
a及びbは、以下の方程式から計算され得る:
【数1】
【0060】
上式で、Yiは、第iの値におけるロード・セル22から獲得された測定された重量であり、Xiは、第iの値において流量計から獲得された計数されたパルスの数であり、iは、1以上の計数である。
【0061】
表2は、流量計の3ポイント較正から取得されたデータの一実例である。
【0062】
Σx=2200、Σy=250、Σxy=202000、Σx
2=1800000、Σy
2=22700、n=データセットの数=3
a =10
b =0.1
計算されたa及びbの値は、さらなるプロセスにおける制御のために使用されるためにコントローラにおいてパラメータを調節するために使用される。
【0063】
前述のように、それは、本発明が様々な流量計、たとえば、置換流量計、のための較正方法に関することを示す。先行技術において、較正方法は、検査することによって実行されなければならず、液体は、実際の流量計を通して流され、次いで、2個の要部、すなわち、(1)既製のメータ及び組み込みチップ・プログラマブル論理制御装置を備える信号受信及び処理装置と、(2)ヒューマン・マシン・インターフェース、に分けられ得る、制御システムにおいて使用されるパラメータの値を計算するために、流量計から流される液体の重量が計量される。既製のメータは、ユーザのための押しボタン又はアクセサリ・ディスプレイ、たとえば、制御ボタンを介する制御を有する既製のスクリーン、タッチ・スクリーンを介する制御を有する既製のスクリーン、又は補助プログラムを有するコンピュータ、を有し得る。
【0064】
本発明による方法では、液体計量プロセスは、容易に実行することができ、同時に、新しい較正方法は、パラメータ値を迅速に計算することができ、較正を受ける液体の無駄がなく、検査される液体をタンクに入れ戻すための時間に関する時間損失を有さない。
【0065】
本発明による提案される方法では、較正は、液体流量を適切に制御するためのインバータを使用する流量計取り付け場所の近くに位置する領域において実行することができ、同時に、計量システムは、デバイス自体の上側に設置することができ(第1の形態)、又は上部において計量されるように液体の流れを戻るように制御するためのバルブ制御システムを有する減量原理を使用することができる(第2の形態)。本発明の目的は、単一ポイント及びマルチポイント較正が容易に実行され得るということであり、実際のユース・ポイントが、そこからはるかに遠くても、それは、流量計から5m内の領域において実行され得る。
【0066】
本発明による方法では、本装置は、流量がインバータのオペレータによって調整される、手動流量計較正と、実際の動作から取得された機械学習が、インバータのセットポイントとしてモーター及びポンプの実際の動作から取得された逆統計的データを使用するインバータの自動制御のために使用される、自動流量計較正との両方を実行することができる。
【0067】
さらに、本発明による方法では、較正を受ける液体は、液体廃棄物を廃棄せずに直ちに再使用することができる、又はポンプで送ること又は押し下げることによってタンクに補充することができるが、一方、先行技術では、計量された液体は、廃棄されなければならない又は後でタンクに補充されなければならない。したがって、有害物質であることがある、液体との接触は、低減され得、それは、労働者の安全を促進することができる。
【0068】
本発明は、本発明の実施例として添付の図面に関して詳しく説明されてあるが、様々な修正又は交替が、本発明の範囲及び概念を逸脱することなく、当業者によって行われ得るということを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されるものとしての本発明の特徴に一致する。それはまた、特許請求の出願において具体的に指定されていなくても、有用であると考えられる及び特許請求の範囲において指定された本発明の特徴と同じ結果をもたらす、本発明の他の特徴構造又は要素も含む。