(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】弁消音器及びその電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 47/02 20060101AFI20240201BHJP
F16L 55/033 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F16K47/02 C
F16L55/033
(21)【出願番号】P 2021551751
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 CN2020094899
(87)【国際公開番号】W WO2020248932
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】201920883988.9
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】賀 宇辰
(72)【発明者】
【氏名】馮 晶
【審査官】大内 俊彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-360708(JP,A)
【文献】実開昭55-93776(JP,U)
【文献】特開2005-9762(JP,A)
【文献】国際公開第2018/131122(WO,A1)
【文献】特開2007-162851(JP,A)
【文献】特開2007-107692(JP,A)
【文献】特開2002-71241(JP,A)
【文献】特開2005-172274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 47/00-47/16
F16K 27/00-27/12
F16L 55/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の本体を含み、前記本体は、対向して設置された給液側と排液側とを有し、前記本体には複数の貫通孔が開設されており、前記貫通孔は前記給液側と排液側とを連通させ、且つ、複数の前記貫通孔は、前記給液側から見て、前記本体の軸線に対し前記
排液側に向かうにつれて時計回り方向に傾いて設置され、又は反時計回り方向に傾いて設置される、弁消音器。
【請求項2】
複数の前記貫通孔は、前記本体の周方向に沿って均一に分布されており、且つ、各前記貫通孔は何れも前記本体の軸線に対して螺旋状に設置される、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項3】
前記貫通孔の断面積は、前記給液側から前記排液側にかけて徐々に小さくなっている、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項4】
前記貫通孔の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、又は扇形の何れか1つを呈している、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項5】
前記本体の中心点且つ前記給液側に向かう一面に円錐形突起部が設置されている、請求項1に記載の弁消音器。
【請求項6】
前記本体の厚さの範囲は、3mm~5mmである、請求項5に記載の弁消音器。
【請求項7】
前記請求項1から6の何れか1項に記載の弁消音器を含む、電子膨張弁。
【請求項8】
弁体、供給管、及び排出管を更に含み、前記供給管及び前記排出管は、それぞれ前記弁体に接続され、前記弁消音器は、前記供給管及び/又は前記排出管の前記弁体に近い一端に設置される、請求項7に記載の電子膨張弁。
【請求項9】
前記弁体は、供給口と排出口とを有し、前記供給管は前記供給口に接続され、前記排出管は前記排出口に接続され、前記弁消音器は前記供給口及び/又は排出口に設置される、請求項8に記載の電子膨張弁。
【請求項10】
前記弁消音器は、前記供給口と前記排出口とに設けられており、前記供給口に位置する前記弁消音器は、前記供給管の一端の端面に当接されている、請求項9に記載の電子膨張弁。
【請求項11】
前記排出口はフレア状になっており、且つ、前記弁消音器に近い一端の直径は、前記弁消音器から離れた一端の直径よりも大きくなっている、請求項10に記載の電子膨張弁。
【請求項12】
前記供給管及び/又は前記排出管に接続部が設けられており、前記供給管の接続部は前記供給口に締まり嵌めされ、前記排出管の接続部は前記排出口に締まり嵌めされる、請求項9に記載の電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[001] 本出願は、2019年6月13日に出願された、出願番号が第201920883988.9号であり、発明の名称が「弁消音器及びその電子膨張弁」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容が引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
[002] 本出願は、冷却装置の技術分野に関し、特に弁消音器及び電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
[003] 弁は、流体管路システムにおける制御部材であり、絞り降圧、開閉、流量の調節等の機能を果たし、通常、冷却システム、暖房システム等の管路システムに適用されている。
【0004】
[004] 一般的な弁は、作動状態において、弁内の媒体が気液混合状態である場合、媒体中に大きな気泡が存在することが多く、流動過程において大きな気泡が破裂し騒音が発生しやすい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[005] 本出願の様々な実施例によれば、本体を含む弁消音器が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[006] 本体は、対向して設置された給液側と排液側とを有し、本体には複数の貫通孔が開設されており、貫通孔は給液側と排液側とを連通させ、且つ、複数の貫通孔は、本体の軸線に対して時計回り方向に傾いて設置され、又は反時計回り方向に傾いて設置される。
【0007】
[007] 上記の弁消音器は、本体に複数の貫通孔を設置することにより、媒体が弁消音器に当たるときにブロックされて、弁消音器を流れるときに複数本に分離され、複数の貫通孔を本体の軸線に対して傾くようにして設置し、且つ、各貫通孔の傾斜方向が一致することにより、弁消音器を通過する媒体が貫通孔のガイドによって回転状態を呈し、従って、媒体が排液側に入った後に更に混合されて、直径の大きな気泡が除去され、気泡の大きさを均一にし、従って、流動過程において騒音を低減し、消音の効果を達成する。
【0008】
[008] 一実施例では、複数の貫通孔は、本体の周方向に沿って均一に分布されており、且つ、各貫通孔は何れも本体の軸線に対して螺旋状に設置される。これにより、媒体が弁消音器を流れた後に、規則的な回転を呈することができ、複数本の流体の交差衝突を減少して、騒音を制御し、なお、流体の回転による騒音は小さいが、複数本の流体が激しく衝突すると騒音が大きくなるため、流体自体の回転を高めて混合効果を高める場合は、流体同士の交差衝撃をなるべく減少することで、騒音の発生を抑えることができる。
【0009】
[009] 一実施例では、貫通孔の断面積は、給液側から排液側にかけて徐々に小さくなっている。これにより、媒体が貫通孔を流れるときに、貫通孔の断面積が徐々に小さくなっていることで、貫通孔による媒体のブロックを低減することができる。
【0010】
[010] 一実施例では、貫通孔の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、又は扇形の何れか1つである。
【0011】
[011] 一実施例では、本体の中心点且つ給液側に向かう一面に円錐形突起部が設置されている。これにより、給液側の媒体が排液側へ流動するときに、円錐形突起部はガイドとして機能し、媒体の流動をよりスムーズにする。
【0012】
[012] 一実施例では、本体の厚さの範囲は、3mm~5mmである。これにより、貫通孔における媒体の流動ストロークが増加し、従って、貫通孔の媒体に対するカイド効果を高める。
【0013】
[013] 本出願は、上記の弁消音器を含む電子膨張弁を更に提供する。
【0014】
[014] 上記の電子膨張弁は、弁消音器を設置することで、電子膨張弁の作動過程における騒音を除去し、従って、ユーザの使用快適性を高める。
【0015】
[015] 一実施例では、電子膨張弁は、弁体、供給管、及び排出管を更に含み、供給管及び排出管は、それぞれ弁体に接続され、弁消音器は、供給管及び/又は排出管の弁体に近い一端に設置される。これにより、弁体に入る前の媒体中にも大きさの異なる気泡が存在する場合、弁消音器を供給管に設置することにより、弁体に入る前の媒体中の大きな気泡を除去し、騒音を低減すると共に、媒体は電子膨張弁の絞りを介して、一部の媒体が気化し、弁消音器を排出管に設置することにより、媒体中の大きな気泡を除去することができる。
【0016】
[016] 一実施例では、弁体は、供給口と排出口とを有し、供給管は供給口に接続され、排出管は排出口に接続され、弁消音器は供給口及び/又は排出口に設置される。
【0017】
[017] 一実施例では、弁消音器は、供給口と排出口とに設けられており、供給口に位置する消音器は、供給管の一端の端面に当接されている。このように設置することで、構造がシンプルになる。
【0018】
[018] 一実施例では、排出口はフレア状になっており、且つ、弁消音器に近い一端の直径は、弁消音器から離れた一端の直径よりも大きくなっている。このように設置することで、媒体の弁消音器に入る流動抵抗が減少する。
【0019】
[019] 一実施例では、供給管及び/又は排出管に接続部が設けられており、供給管の接続部は供給口に締まり嵌めされ、排出管の接続部は排出口に締まり嵌めされる。これにより、排出管及び供給管と弁体との強固性を補強できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[020] ここで開示される発明の実施例及び/又は例示をより分かりやすく説明するために、1つ又は複数の図面を参照することができる。図面を説明するための追加の詳細や例示は、開示された発明、現在説明されている実施例及び/又は例示、及び現在理解されているこれらの発明の最適な態様の何れかの範囲を制限するものと考えられるべきではない。
【0021】
【
図1】[021] 本出願で提供される第1の実施形態における電子膨張弁の断面図である。
【
図2】[022] 本出願で提供される第2の実施形態における電子膨張弁の断面図である。
【
図3】[023] 本出願で提供される第3の実施形態における電子膨張弁の断面図である。
【
図4】[024] 本出願で提供される第4の実施形態における電子膨張弁の断面図である。
【
図5】[025]
図1におけるA部分の拡大図である。
【
図6】[026]
図2におけるB部分の拡大図である。
【
図7】[027] 本出願で提供される第1の実施形態における弁消音器の構造概略図である。
【
図8】[028] 本出願で提供される第2の実施形態における弁消音器の構造概略図である。
【
図9】[029] 本出願で提供される第3の実施形態における弁消音器の構造概略図である。
【
図10】[030] 本出願で提供される第4の実施形態における弁消音器の構造概略図である。
【0022】
[031] 図面の符号の意味は以下の通りである。
[032] 100 電子膨張弁、110 弁体、111 供給口、112 排出口、113 接続座、114 開口、120 供給管、121 接続部、130 排出管、140 弁消音器、141 本体、142 貫通孔、143 給液側、144 排液側、145 円錐形突起部。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[033] 本出願の理解を容易にするために、以下では、本出願についてより全面的に説明する。ただし、本出願は多くの様々な形式で実現することができ、本文で説明する実施例に限定されるものではない。むしろ、本出願の開示内容に対する理解を徹底的且つ完全にするために、これらの実施例を提供する。
【0024】
[034] なお、要素が他の要素に「固定される」とされる場合、他の要素の上に直接置かれていてもよく、又は間に置かれている要素が存在してもよい。要素が他の要素に「接続される」とみなされる場合、他の要素に直接接続されていてもよく、又は間に接続されている要素が同時に存在してもよい。
【0025】
[035] 特に定義しない限り、本文で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本出願に属する技術分野の当業者が一般的に理解している意味と同じである。本出願の明細書で使用される本文の用語は単に具体的な実施例を説明するためのものであり、本出願を制限するものではない。
【0026】
[036] 本出願は、電子膨張弁100を提供し、この電子膨張弁100は、冷却システムに使用され、凝縮器と蒸発器との間に取り付けられ、管路の導通及び遮断の制御、絞り、冷却システムにおける媒体流量の調節等の機能を果たす。本実施例では、電子膨張弁100は、無段階可変容量(無段階周波数変換)冷却システムに適用され、電子膨張弁100は、媒体流量の調節範囲が広く、調節反応が速く、無段階可変容量冷却システムの要求を良好に満足させることができる。他の実施例では、電子膨張弁100は、定容量冷却システム又は他の冷却システムに使用されてもよい。
【0027】
[037] 具体的には、電子膨張弁100は、弁体110、供給管120、排出管130、及び弁消音器140を含み、供給管120と排出管130とは弁体110に接続され、弁消音器140は、電子膨張弁100の作動中の騒音を低減するために用いられる。
【0028】
[038] 説明すべきこととして、弁体110には供給口111及び排出口112が開設されており、供給管120は供給口111に接続され、排出管130は排出口112に接続される。
【0029】
[039] 供給管120及び/又は排出管130にはそれぞれ接続部121を有し、弁体110の供給口111は供給管120の接続部121に締まり嵌めされ、排出口112は排出管130の接続部121に締まり嵌めされ、また、供給管120と排出管130は溶接により弁体10に固定されることが好ましい。
【0030】
[040] 弁消音器140は、供給管120及び/又は排出管130の弁体110に近い一端に設置されていることが好ましく、勿論、弁消音器140は、弁体110の供給口111及び/又は排出口112に設置されてもよい。電子膨張弁100の供給口111にある媒体は、過冷却が不完全で気液混合状態を呈する可能性があり、大きさの異なる気泡が存在する可能性もあるが、弁消音器140を供給口111に設置することで、弁体110内に入る媒体中の大きな気泡を除去することができ、大きな気泡が弁体110内に入って破裂することによる騒音を防止し、一方、電子膨張弁100の排出口112における媒体は、絞り降圧後、一部の媒体が気体状態にフラッシュ蒸発して、排出口112における媒体を気液混合状態とし、媒体内に大きさの異なる気泡が存在し、弁消音器140を排出口112に設けることで、大きな気泡を効果的に除去して騒音を除去できることが理解できる。
【0031】
[041] 弁消音器140の設置方式は実際の需要によって柔軟に設定され、具体的な選択可能な設置方式は少なくとも以下のものを含む。
【0032】
[042]
図1に示すように、第1の実施形態では、弁消音器140は弁体110の排出口112内に設置され、弁体110の排出口112は排出管130内に位置する。
【0033】
[043]
図2に示すように、第2の実施形態では、弁消音器140は弁供給口111及び排出口112内に設置され、好適な接続形態として、供給口111における弁消音器140は供給管120によって当接され、従って、消音器140を固定し、構造がシンプルで、排出管130内の弁消音器140は第1の実施形態における設置方式と同じである。
【0034】
[044]
図3に示すように、第3の実施形態では、弁消音器140は弁体110の供給口111及び排出口112に設置され、且つ、供給口111における弁消音器140は供給管120内に設置され、排出管130の管壁を収縮変形させることにより弁消音器140を固定し、排出口112における弁消音器140は排出管130内に設置され、排出管130を変形させることにより弁消音器140を固定する。
【0035】
[045]
図4に示すように、第4の実施形態では、弁体110には接続座113が設置されており、接続座113に排出口112が開設されており、排出口112はフレア状になっており、排出口112の弁消音器140に近い一端の直径は、弁消音器140から離れた一端の直径よりも大きくなっており、弁消音器140はフレア状の排出口112に設置される。
【0036】
[046] 接続座113に開口114が更に開設されており、開口114は排出口112に連通され、開口114はフレア状になっており、開口114の弁消音器140に近い一端の直径は、弁消音器140から離れた一端の直径よりも小さくなっている。
【0037】
[047] 媒体は、先に開口114を経て排出口112に流出し、媒体は、流動過程において、断面積が徐々に減少してから徐々に増大し、媒体の流動に対するガイドとして機能し、媒体流動の抵抗を低減できることが理解できる。
【0038】
[048]
図7から10に示すように、弁消音器140は、本体141を含み、本体141は、対向して設置された給液側143と排液側144とを有し、本体141には本体141を貫通する複数の貫通孔142が開設されており、貫通孔142は給液側143と排液側144とを連通させ、且つ、複数の貫通孔142は、本体141の軸線に対して時計回り方向に傾いて設置されるか、反時計回り方向に傾いて設置される。
【0039】
[049] 本体141に複数の貫通孔142を設置することにより、媒体が弁消音器140に当たるときにブロックされ、且つ、弁消音器140を流れるときに複数本に分離され、複数の貫通孔142を何れも時計回り方向又は何れも反時計回り方向に傾くように設置することにより、弁消音器140の貫通孔142を通過する媒体が貫通孔142のガイドによって回転し、従って、冷媒が排液側144に入った後に更に混合されて、大きな気泡の数が減少し、気泡の大きさを均一に分布させ、従って、流動中において騒音を低減し、消音の効果を達成することが理解できる。
【0040】
[050] なお、貫通孔142は、本体141の軸線を中心として何れも時計回り方向又は反時計回り方向に傾いた構造となっており、具体的には、貫通孔142の形状は螺旋状であってもよく、傾いた傾斜孔であってもよい。貫通孔142を設置する構造は、媒体に回転状態を形成させるためであり、時計回り又は反時計回りに傾くように一律に設置することで媒体の回転が実現されることが理解できる。
【0041】
[051] 複数の貫通孔142は、本体141の周方向に沿って均一に分布されており、且つ、各貫通孔142は何れも本体141の軸線に対して螺旋状に設置されることが好ましい。
【0042】
[052] このように設置することで、媒体が弁消音器140を流れた後、規則的な回転を呈し、複数本の流体の交差衝突を減少して、騒音を制御する。なお、流体の回転による騒音は小さいが、複数本の流体が激しく衝突することによる騒音が大きくなるため、流体自体の回転を高めて混合効果を高める場合は、流体同士の交差衝撃をなるべく減少することで、他の騒音の発生を抑えることができる。
【0043】
[053] 貫通孔142の断面積は、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっていることが好ましく、媒体の流動に有利である。媒体が貫通孔142を流れるときに、貫通孔142の断面積が徐々に小さくなり、媒体の流動に対するガイドとして機能することができ、貫通孔142の断面積が徐々に小さくなっていなければ、貫通孔142の内壁に段差が形成され、媒体の流動がブロックされることが理解できる。
【0044】
[054] 貫通孔142の断面は、円形、楕円形、四角形、三角形、台形、又は扇形の何れか1つであることが好ましい。本出願は、貫通孔142の断面の形状を限定するものではなく、貫通孔142の断面積は、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっていればよいことが理解できる。
【0045】
[055]
図10を参照すると、本体141の中心点且つ給液側143に向かう方向に円錐形突起部145が設置されていることが好ましい。このように設置することで、本体141の給液側143にガイド構造を形成させ、媒体の流動をガイドし、媒体の流動をよりスムーズにすることが理解できる。
【0046】
[056] 本体141の軸線方向に沿った厚さの範囲は、1mm~5mmであることが好ましい。
【0047】
[057] 更に、本体141の厚さの範囲は、3mm~5mmである。本体141の厚さを増加することにより、貫通孔142の厚さも増大し、媒体に対するカイド効果を高めることができ、従って、媒体の回転を増加し、大きな気泡に対する除去効果を高めることが理解できる。
【0048】
[058] 上記の弁消音器140は、本出願で提供される電子膨張弁100に使用することに限定されず、例えば、冷却システムにおける熱膨張弁や電磁弁に設置される等、他の弁にも適用でき、弁消音器140は、更に暖房システムにおけるボール弁又は他の管路システムの弁に設けられてもよく、何れも消音の効果を果たせることが理解できる。
【0049】
[059] 本出願は、好適な4種類の弁消音器140の実施形態を提供する。
【0050】
[060]
図7に示すように、
図7は
本出願で提供される第1の実施形態における弁消音器140の構造概略図であり、本実施例では、貫通孔142の断面は円形を呈し、且つ、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっている。
【0051】
[061]
図8に示すように、
図8は本出願で提供される第2の実施形態における弁消音器
140の構造概略図であり、本実施例では、貫通孔142の断面は三角形又は扇形を呈し、且つ、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっている。
【0052】
[062]
図9に示すように、
図9は本出願で提供される第3の実施形態における弁消音器140の構造概略図であり、本実施例では、貫通孔142の断面は長方形を呈し、且つ、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっている。
【0053】
[063]
図10に示すように、
図10は本出願で提供される第4の実施形態における弁消音器140の構造概略図であり、本実施例では、貫通孔142の断面は長方形であり、且つ、給液側143から排液側144にかけて徐々に小さくなっており、本体141の中心にガイドを行うための円錐形突起部145が設置されている。
【0054】
[064] 以上に述べた実施例の各技術の特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上述の実施例における各技術の特徴のあらゆる可能な組み合わせについて全て説明していないが、これらの技術の特徴の組み合わせに矛盾がない限り、全て本明細書に記載された範囲と考えるべきである。
【0055】
[065] 以上に述べた実施例は、単に本出願のいくつかの実施形態を示すものであり、その説明は比較的に具体的且つ詳細であるが、これにより出願の特許請求の範囲を制限するものと理解されてはならない。なお、当業者にとっては、本出願の思想を逸脱しない限り、いくつかの変形や改良が可能であり、これらは全て本出願の保護範囲に属する。従って、本出願の特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に準ずるものとする。