(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】調整可能なセグメント化されたコリメータ
(51)【国際特許分類】
G21K 1/02 20060101AFI20240201BHJP
G21K 1/06 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G21K1/02 G
G21K1/06 T
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022017541
(22)【出願日】2022-02-07
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10 2021 103 037.4
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513307690
【氏名又は名称】ブルーカー アーイクスエス ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Bruker AXS GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【氏名又は名称】別役 重尚
(74)【代理人】
【識別番号】100118278
【氏名又は名称】村松 聡
(72)【発明者】
【氏名】フランク フィルシンガー
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト ハンマーシュミット
【審査官】牧 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-304728(JP,A)
【文献】特開2005-172477(JP,A)
【文献】特開平04-032800(JP,A)
【文献】特開2001-004563(JP,A)
【文献】特開平10-227898(JP,A)
【文献】特開2000-329711(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0163235(US,A1)
【文献】特開2007-292615(JP,A)
【文献】米国特許第04419763(US,A)
【文献】特開2013-128626(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00、3/00、7/00
G21K 1/00、4/00、5/00、7/00
G01N、H01J、A61B
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線をコリメートするためのソーラスリットを有するX線光学系のためのコリメータアセンブリ(10)であって、前記X線は前記ソーラスリットの軸(z)方向に関してコリメートされ、前記ソーラスリットが、互いに平行な層面を有する互いに離間した複数のラメラ(11)を有する、コリメータアセンブリ(10)において、
前記ソーラスリットは、前記軸(z)に沿って配置されて互いに分離した複数のセグメント(12a、12b、12c、12d、...)を備え、
前記コリメータアセンブリ(10)は、前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)を囲んでガイドするためのコリメータフレーム(13)を有し、
前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)のうちの少なくとも1つ(12a)は、前記コリメータフレーム(13)に対して、および前記ソーラスリットの他のセグメント(12b、12c、12d、...)に対して相対的に、変位可能であり、
前記ソーラスリットの変位可能に配置された前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)は、前記コリメータフレーム(13)に対し、前記層面に垂直なセグメント方向に沿ってばね装着され、
前記ソーラスリットのばね装着された前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)は、前記コリメータフレーム(13)に対して各々のセグメント基部を押しつけるように基準位置に配置され、
前記コリメータアセンブリ(10)は少なくとも1つの凸子(16)を有する少なくとも1つのスタンプ要素(15;15’;15’’)を備え、前記スタンプ要素(15;15’;15’’)は、前記コリメータフレーム(13)の開口部(17)を通じて、1つ以上の変位可能な前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)の前記セグメント基部に接触し、前記1つ以上の変位可能なセグメントを前記基準位置から設定位置に、特に前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)の所定の位置パターンが達成されるように、変位させることができ、
前記コリメータフレーム(13)は、前記スタンプ要素(15)の下に可撓性ホース(14’)のための受け部(19)を備え、前記可撓性ホース(14’)はガス圧により膨張することができ、前記スタンプ要素(15)を前記基準位置から前記設定位置に変位させることができることを特徴とする、コリメータアセンブリ(10)。
【請求項2】
前記ソーラスリットは、少なくとも3つ、好ましくは4つ以上のセグメント(12a、12b、12c、12d、...)を有し、前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)のうちの少なくとも1つ、特にいくつかは、前記層面に垂直な各々のセグメント方向に沿って、前記コリメータフレーム(13)に対して変位可能に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項3】
前記ソーラスリットの全てのセグメント(12a、12b、12c、12d、...)の前記セグメント方向が同一方向を向いているか、または前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)のうち、いくつかのセグメント(12a、12b)の前記セグメント方向が、他のセグメント(12c、12d、...)の前記セグメント方向に対して90°回転して配置されることを特徴とする、請求項2に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項4】
前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)は各々、前記セグメント方向において同じ外形寸法を有することを特徴とする、請求項2または3に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項5】
前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)は各々、前記ソーラスリットの前記軸(z)方向において同じ外形寸法を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項6】
前記ソーラスリットの前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)の各々において、前記ラメラ(11)はいずれも同じ間隔で配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項7】
変位可能な前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)は、前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)の変位を引き起こすことができるアクチュエータ(14)に結合され、特に、前記アクチュエータ(14)は電気機械式、電磁式、または空気圧式であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項8】
前記スタンプ要素(15;15’;15’’)は各々、前記設定位置において前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)を正確に位置決めするために、前記コリメータフレーム(13)の前記開口部(17)の縁部に当接させることができるつば部(18)を有することを特徴とする、請求項
1から7のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項9】
前記スタンプ要素(15;15’;15’’)は各々、複数の前記凸子(16)を備え、前記複数の凸子(16)は、変位可能な複数の前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)を異なる位置に配置するために前記セグメント方向に異なる高さを有することを特徴とする、請求項
1から8のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項10】
前記コリメータアセンブリ(10)は互いに独立して移動することができる複数の前記スタンプ要素(15;15’;15’’)を備え、前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)の異なる複数の前記位置パターンを、特に前記複数のスタンプ要素を押圧位置に配置することにより、達成することができることを特徴とする、請求項
1から9のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【請求項11】
前記スタンプ要素(15)によって等距離dだけ一緒に変位可能な、または変位できないように構成された、隣接する複数の前記セグメント(12a、12b、12c、12d、...)が各々、セグメント群にまとめられることを特徴とする、請求項
1から10のいずれか一項に記載のコリメータアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線をコリメートするためのソーラスリットを有するX線光学系のためのコリメータアセンブリであって、X線がソーラスリットの軸方向に関してコリメートされる、コリメータアセンブリに関し、このソーラスリットは、互いに平行な層面を有する互いに離間した複数のラメラを有する。
【0002】
このようなコリメータアセンブリは、欧州特許第2194375号明細書(参考文献[1]、特許文献1)から知られている。
【背景技術】
【0003】
X線測定、特にX線分光測定やX線回折測定は、定性的および定量的な化学分析ならびに様々な応用分野における試料の構造分析に使用される。分析課題に応じ、異なる角度分解能のセットアップが必要とされ、異なる角度分解能の測定の間で速やかに切り替えを行うことが望まれている。
【0004】
X線蛍光分析のための従来のX線分光計では、角度分解能は通常、ソーラスリットといった一次コリメータを介して設定される。平行なラメラ構造を有するこのようなコリメータは、独国特許出願公開第3000122号明細書(参考文献[2]、特許文献2)に既に記載されている。一般に、異なるラメラ間隔を有する複数のコリメータが設置される。分析要件に応じて、必要な角度分解能を設定するために、電動駆動部を有する適切なコリメータをビーム経路内に配置し、分析課題に合わせてデバイスの分光分解能を調整することができる。
【0005】
米国特許出願公開第2011/0081004号明細書(参考文献[7]、特許文献3)から、ベースプレートを有するFASC(固定角度二次コリメータ)装置が知られており、この装置は、類似する複数のプレートを固定的に収容するための複数のスロットを備えている。各プレートは、複数の隔壁と、X線が通過する複数のスロットとを備える。
【0006】
独国特許発明第102017223228号明細書(参考文献[8]、特許文献4)は、複数のラメラが複数のスリット状通路を形成する、改良型のソーラスリットを有するX線分光計を開示しており、ここで、ラメラによって形成されたスリットの一部に、スリットに対して垂直に整列した複数の仕切りが存在し、これらの仕切りはX線不透過性であり、試料から来るX線の回折面を横切る方向における、コリメータ装置を通過するX線の横方向発散を抑制する。これにより、空間分解測定を大幅に高速化することができる。
【0007】
複数のコリメータを有するアセンブリ
ソーラスリットとして設計された複数のコリメータが使用されているX線分光計「Bruker S8 TIGER」(参考文献[3a]、[3b]、非特許文献1、非特許文献2参照)では、この課題は、4種の異なるコリメータがドラム内に配置された、コリメータチェンジャにより実現されている。電動駆動部によりコリメータを回転させ、コリメータを1つずつ交互にビーム経路上に挿入することができる。
【0008】
X線分光計「Rigaku ZSX Primus IV」(参考YouTube広告ビデオ[4]、非特許文献3参照)では、3つのコリメータを互いに隣接して配置し、これらは直線移動機構によりビーム経路内に交互に配置することができる。
【0009】
広い空間の必要性
X線分光計の効率を最適化するために、ビーム経路を可能な限りコンパクトに設計する必要がある。加えて、最新のX線分光計には、試料を見るための複数の視線に対応する必要がある。そのため、従来のコリメータチェンジャでは構造上、体積が大きくなってしまうことが大きな課題であった。
【0010】
高コストおよび材料使用量の多さ
ソーラスリットは、独立した複数のプレート(ラメラ)から構成されている。典型的なソーラスリットは、40から100枚のラメラからなり、これらはスペーサとともに圧縮されるかまたは接着接合されている。コリメータの角度分解能は、ラメラの間隔およびソーラスリットの長さによって調整することができる。組み立て工程は、通常、複雑で高コストである。ラメラの間隔が狭いほど、著しく多くの材料が必要となるので、製造コストが高額になる。また、必要な角度分解能ごとに、別個のコリメータを製造して分光計内に設置する必要がある。そのため、従来の技術では、材料使用料量が多く、コスト高になっていた。
【0011】
複数のコリメータを設置し、これらをビーム経路内に交互に挿入する代わりに、傾斜可能なコリメータが、特開平6-308293号公報(参考文献[5]、特許文献5)に提示されている。
【0012】
しかしながら、ここでは、試料における断面積、ひいては視野が傾斜と共に変化してしまうというデメリットがある。ラメラの間隔を狭くすると(つまり分解能を上げると)同じ比率で使用可能な高さが低くなる。
【0013】
米国特許第6,444,993号明細書(参考文献[6]、特許文献6)に可変ソーラスリットが提示されており、ここでは、ラメラの間隔が一定のままであり、ビーム方向に沿ったソーラスリットの長さを可変とすることにより分解能を調整する。
【0014】
一方、参考文献[6](特許文献6)による装置では、ビーム経路の周囲に広いスペースが必要となることがデメリットとなる。蛍光X線分析装置における典型的な試料直径は4cm程度である。ビーム経路は表面の主要部分を覆わなければならず、典型的には約6cm2の断面積を有する。参考文献[6](特許文献6)で概説されたソーラスリットは、ビーム経路の実際の断面積よりも伝播方向に垂直な方向に著しく大きい空間を必要とする。一方、ソーラスリットの角度分解能(ここではビーム方向に沿った長さ)がビーム経路の断面積に応じて変化することは、デメリットである。したがって、試料の様々な領域で角度分解能が異なり、これにより、分析結果の評価が著しく困難になる。
【0015】
本発明に関して、ソーラスリットを有する一般的なX線光学素子が、冒頭で引用された参考文献[1](特許文献1)から知られており、このソーラスリットは、ソーラスリットの軸方向に関してX線ビームをコリメートするために互いに平行な層面を有する互いに離間した複数のラメラを備える。異なる分析用途に合わせたX線分光計の分光分解能を様々な分析用途に合わせて簡単に調整するためには、上述した問題が残っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】欧州特許第2194375号明細書
【文献】独国特許出願公開第3000122号明細書
【文献】米国特許出願公開第2011/0081004号明細書
【文献】独国特許発明第102017223228号明細書
【文献】特開平6-308293号公報
【文献】米国特許第6,444,993号明細書
【非特許文献】
【0017】
【文献】“Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B:Beam Interactions with Materials and Atoms“、[online]、2018年1月1日、Vol. 414、p. 84-98、インターネット<URL:https://doi.org/10.1016/j.nimb.2017.10.027>
【文献】“S8 TIGER”、[online]、Bruker AXS GmbH、インターネット<URL:https://www.bruker.com/products/x-ray-diffraction-and-elemental-analysis/x-ray-fluorescence/s8-tiger.html>
【文献】“Rigaku ZSX Primus Series WDXRF spectrometers”、[online]、2016年9月22日、Rigaku Corporation、インターネット<URL:https://www.youtube.com/watch?v=rufCvmeZMvU>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
一方、本発明は、冒頭で定義したタイプのソーラスリットを有する改良型のコリメータアセンブリを提案するという目的に基づいており、これにより、X線分光計の分光分解能を、コンパクトでコスト効率の高い方法により、様々な分析要件に合わせて簡単かつ正確に調整することが可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この課題は、詳細に検討すると比較的厳しく複雑であるが、本発明によって、ソーラスリットが、軸に沿って配置されて互いに分離した複数のセグメントを備えるという点、コリメータアセンブリが、これらのセグメントを囲んでガイドするためのコリメータフレームを有するという点、ならびにセグメントのうちの少なくとも1つが、コリメータフレームに対して、およびソーラスリットの他のセグメントに対して相対的に、変位可能であるという点で、驚くほど簡単で効果的な方法で解決することができる。
【0020】
したがって、本発明の課題は、コリメータの1つ以上のセグメントが(一般的にはラメラに垂直な方向に)変位可能であるセグメント化されたコリメータによって達成される。複数のセグメントの半分がラメラの間隔の半分だけ変位した場合には、角度分解能がおよそ2倍向上する。複数のセグメントの3分の1がラメラの間隔のおよそ1/3だけ変位し、複数のセグメントの3分の1がラメラの間隔のおよそ2/3だけ変位した場合には、角度分解能は、およそ3倍向上する。本発明の基本コンセプトは、コリメータが機能するためには必ずしもラメラがビーム方向に沿って連続している必要はないという知見に基づいている。コリメータへの入射と出射が異なるラメラの間で行われるような、コリメータを貫く視線は決して存在し得ない。
【0021】
本発明によるコリメータアセンブリが使用されるX線光学系は、放射したX線が検査対象である試料への一次ビームとしてガイドされるX線源を備えており、試料で回折または散乱されたX線を受け取るためのX線検出器を有し、コリメータアセンブリおよびX線の分光分析のための分散素子(たとえば、結晶または格子)は、試料とX線検出器との間に設けられている。
【0022】
従来技術との比較における、本発明による改良型コリメータアセンブリの主な利点は以下のとおりである。
【0023】
1.コンパクトな構造:角度分解能が固定されたコリメータに相当する設置空間において、複数の異なる角度分解能を実現することができる。ラメラの間隔の何分の一かの変位のみが必要とされる(<1mm)(特に、参考文献[3a]から[6]、もしくは特許文献5、6および非特許文献1~3に対して優位性がある)。
【0024】
2.コスト効率が高く、材料を節約できる構造:これまでは、コリメータの角度分解能を向上させるほど、コストおよび材料使用量が増加していた。より優れたコリメータを実現するには、より多くの独立したプレートが必要である。本発明によるアプローチでは、実施される全ての角度分解能に対する材料使用量は、最も粗い(したがって最もコスト効率の高い)コリメータに相当する(特に、参考文献[3a]から[4]、もしくは非特許文献1~3に対して優位性がある)。
【0025】
3.試料における断面積および可視領域は、セグメントの全ての設定において一定のままである(特に、参考文献[5]もしくは特許文献5に対して優位性がある)。
【0026】
4.ビーム経路の断面全体にわたって角度分解能が一定である(特に、参考文献[6]もしくは特許文献6に対して優位性がある)。
【0027】
本発明の好適な実施形態および展開例は以下のとおりである。
【0028】
本発明によるコリメータアセンブリの実施形態のうち、実際に特に好ましい一類型は、ソーラスリットが少なくとも3つ、好ましくは4つ以上のセグメントを有し、セグメントのうちの少なくとも1つ、特にいくつかは、層面に垂直な各々のセグメント方向に沿って、コリメータフレームに対して変位可能に配置されていることを特徴とする。
【0029】
この類型の実施形態の好ましい更なる展開例は、ソーラスリットの全てのセグメントのセグメント方向が同一方向を向いているか、またはいくつかのセグメントのセグメント方向が、他のセグメントのセグメント方向に対して90°回転して配置されることを特徴とする。セグメント方向の向きが同一であれば、分光分解能をより精密に調整することができる。いくつかのセグメントが90°回転させた配置では、セグメントの変位に応じて透過X線ビームの空間コーディングを可変とすることができ、回折方向に垂直な方向の空間発散を抑えて、より高い空間分解能を実現することができる。
【0030】
このコリメータアセンブリのさらなる有益な実施形態では、セグメントは各々、セグメント方向において同じ外形寸法を有する。これにより、コンパクトで均一な構造形態が可能となる。
【0031】
本発明によるコリメータアセンブリの実施形態では、セグメントが各々、ソーラスリットの軸の方向において同じ外形寸法を有することもまた、好ましい。このようにして、セグメントの効果を均一にすることができる。同等のセグメントを同様に変位させることで、同じ効果を得ることができる。
【0032】
さらなる有益な実施形態では、ソーラスリットのセグメントの各々において、複数のラメラはいずれも同じ間隔で配置されている。このようにして、やはりセグメントの効果を均一にすることができる。
【0033】
変位可能なセグメントが、セグメントの変位を引き起こすことができるアクチュエータ、特に、電気機械式、電磁式、または空気圧式アクチュエータに結合されていることを特徴とする、本発明の実施形態もまた有益である。手動による調整も考えられるが、アクチュエータを用いれば、コリメータアセンブリの動作を自動的に変更することが可能である。
【0034】
本発明によるコリメータアセンブリの実施形態の好ましい一類型では、ソーラスリットの変位可能に配置されたセグメントが、コリメータフレーム対し、層面に垂直なセグメント方向に沿ってばね装着されている。変位可能に配置されたセグメントをばね装着することにより、これらのセグメントがコリメータフレーム内で常に明確に定義された位置に配置される。
【0035】
これらの実施形態は、ソーラスリットのばね装着されたセグメントが、コリメータフレームに対してそれぞれのセグメント基部を押しつけるように基準位置に配置されるよう、改良されてもよい。ばねの配置を均一にすることにより、変位可能に装着されたセグメントの基準位置が均一になる。また、ばねを含むセグメントが同様の構成となるので、コリメータアセンブリの構造が簡単になる。
【0036】
特に有益な変形例では、コリメータアセンブリは、少なくとも1つの凸子を有する少なくとも1つのスタンプ要素を備え、スタンプ要素は、コリメータフレームの開口部を通じて、1つ以上の変位可能なセグメントのセグメント基部に接触し、この1つ以上の変位可能なセグメントを基準位置から設定位置に変位させることができ、特にセグメントの所定の位置パターンが達成されるように変位させることができる。凸子がコリメータフレームを貫通するため、コリメータフレームの外側からセグメントを調整することができる。複数のセグメントを1つの凸子と組み合わせると、セグメントの位置パターンをあらかじめコーディングすることも可能である。
【0037】
本発明によるコリメータアセンブリのこれらの変形例はまた、スタンプ要素が、各々、つば部を有し、このつば部が、設定位置においてセグメントを正確に位置決めするためにコリメータフレームの開口部の縁部に対して当接させることができるように、さらに改良することができる。このようにして、スタンプ要素がコリメータフレーム内に過度に押し込まれないようにすることができる。つば部は、スタンプ要素のためのエンドストッパーとなり、調整機構のアクチュエータに要求される精度を軽減することができる。
【0038】
代替的または追加的に、スタンプ要素は各々、複数の凸子を備えていてもよく、これらの凸子は、変位可能な複数のセグメントを異なる位置に配置するためにセグメント方向に異なる高さを有する。複数の凸子を1つのスタンプ要素に割り当てることにより、複数のセグメントの移動のために1つのスタンプ要素を移動させるだけでよいので、セグメントの調整を簡単にすることができる。凸子の高さが異なると、異なるセグメントの位置パターンを達成することができる。
【0039】
さらなる変形例は、コリメータアセンブリが互いに独立して移動することができる複数のスタンプ要素を備え、セグメントの異なる複数の位置パターンを、特に、複数のスタンプ要素を押圧位置に設けることにより、達成することができることを特徴とする。このようにして、
図2に示される位置パターンを任意に設定することができ、分解能が異なる3つ以上の構成を実現することができる。
【0040】
空気圧により動作する本発明によるコリメータアセンブリの変形例もまた有益であり、これは、コリメータフレームがスタンプ要素の下に可撓性ホースのための受け部を備え、この可撓性ホースはガス圧により膨張することができ、スタンプ要素を基準位置から設定位置に変位させることができることを特徴とする。空気圧により動作させることにより、故障の可能性があり高価な電気素子をコリメータアセンブリに導入することを回避することができる。また、このような空気圧の駆動機構はほとんど放熱せず、これはX線分光計の温度安定性にとって重要である。
【0041】
最後に、本発明によるコリメータアセンブリの変形例として、スタンプ要素によって等距離dだけ一緒に変位可能な、または変位できないように構成された、隣接する複数のセグメントが各々組み合わせられてセグメント群にまとめられるものもまた、好ましい。複数のセグメントをセグメント群にまとめることで、本発明によるコリメータアセンブリの製造は、よりコスト効率が高いものになる。
【0042】
本発明のさらなる利点は、本明細書及び図面から明らかになる。同様に、前述の特徴及びさらに詳しく説明する特徴は、本発明に従ってそれぞれ単独で、又はいくつかを任意に組み合わせて使用することができる。図示及び説明される実施形態は、すべてを網羅して列挙していると理解されるべきではなく、むしろ、本発明を説明するための例示的な性格を有する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1a】本発明によるコリメータアセンブリの実施形態を斜め上方から見た三次元説明図である。
【
図1b】
図1aによる一実施形態の垂直断面図である。
【
図2】3つの異なる位置パターンにおける、本発明によるコリメータアセンブリの概略垂直断面図である。 上:非変位の初期位置(粗い分解能) 中央:1つおきのセグメントが一様に変位 下:変位させたセグメントと変位させていないセグメントの並びが非対称
【
図3a】セグメントが変位されていない初期位置における、本発明によるコリメータアセンブリの一実施形態の概略垂直断面図である。 左:z軸の方向の正面図 右:z軸に平行な切断線A-Aに沿った側面断面図
【
図3b】
図3aと同様であるが、変位させたセグメントを有する位置パターンにおける一実施形態を示す図である。
【
図4a】セグメントが変位されていない初期位置における、z軸方向正面からみた、本発明によるコリメータアセンブリの一実施形態の概略垂直断面図である。
【
図4b】
図4aと同様であるが、セグメントを変位させた動作位置における一実施形態を示す図である。
【
図5a】1つの中央スタンプおよび2つの側方外側スタンプを有する、z軸方向正面からみた、本発明によるコリメータアセンブリの一実施形態の概略垂直断面図である。
【
図5b】
図1aと同様の一実施形態を示す図である。
【
図5c】本発明によるコリメータアセンブリ用の空気圧式アクチュエータのホースのためのフライス加工された凹部を有するコリメータフレームを上方からみた三次元説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を図面に示し、実施形態例を参照しながらより詳細に説明する。
【0045】
図面の
図1aから
図5cは各々、本発明によるコリメータアセンブリ10の好ましい実施形態を異なったディテールで模式的に示す。これは、図面では詳細に示されていないX線光学系の構成要素であり、X線の伝播方向に平行であるソーラスリットの軸zの方向に関してX線をコリメートするために、ソーラスリットは、互いに平行な層面を有する互いに離間した複数のラメラ11を有する。
【0046】
本発明によるコリメータアセンブリ10は、ソーラスリットが、軸zに沿って配置されて互いに分離した複数のセグメント12a、12b、12c、12d、...を備えることを特徴とする。コリメータアセンブリ10は、セグメント12a、12b、12c、12d、...を囲んでガイドするためのコリメータフレーム13を有する。セグメント12a、12b、12c、12d、...のうちの少なくとも1つ、一般的にはいくつかが、コリメータフレーム13に対して、およびソーラスリットの他のセグメントに対して相対的に、変位可能であり、好ましくは層面に垂直な各々のセグメント方向に沿って、コリメータフレーム13に対して変位可能に配置される。
【0047】
図示された本発明によるコリメータアセンブリ10の実施形態では、ソーラスリットの全てのセグメント12a、12b、12c、12d、...のセグメント方向は、同一の方向を向いている。
【0048】
また、図面の実施形態では、セグメント12a、12b、12c、12d、...は各々、セグメント方向だけでなく、ソーラスリットのz軸方向にも同じ外形寸法を有し、ソーラスリットの各セグメント12a、12b、12c、12d、...におけるラメラ11はいずれも同じ間隔で配置されている。しかしながら、図面に特に示されていない実施形態では、たとえば、一緒に変位させたまたは一緒に変位させていない隣接するセグメントをそれぞれまとめることによって、異なる幅の複数のセグメントを使用することもできる。さらに、変位させない要素をコリメータフレーム13上に恒久的に固定してもよい。
【0049】
ソーラスリットのセグメント12a、12b、12c、12d、...は、付加製造工程(たとえば、3D印刷など)によって、または、従来の接着接合されたコリメータをトリミング(たとえば、ワイヤ放電加工)することによって製造することができる。後者は、全てのセグメントを1つの初期部品から製造するため、コスト効率が高く力を必要としない機械加工が可能で、製造公差に関して有利である。
【0050】
変位可能なセグメント12a、12b、12c、12d、...を、セグメント12a、12b、12c、12d、...の変位をもたらす電気機械式、電磁式、または空気圧式アクチュエータ14に結合してもよい。空気圧式アクチュエータ14のホース部分14’は、特に
図4aから
図5aに示されている。
【0051】
図3aから
図4bの実施形態に示されるように、ソーラスリットの変位可能に配置されたセグメント12a、12b、12c、12d、...は各々、層面に垂直なセグメント方向に沿って、コリメータフレーム13に対してばね装着されてもよく、コリメータフレーム13に対して各々のセグメント基部を押しつけるように基準位置に配置されていてもよい。
【0052】
本発明によるコリメータアセンブリ10は、
図1bおよび
図3aから
図5aから明らかなように、少なくとも1つの凸子16を有する少なくとも1つのスタンプ要素15;15’;15’’を備えていてもよく、このスタンプ要素は、コリメータフレーム13の開口部17を通じて1つ以上の変位可能なセグメント12a、12b、12c、12d、...のセグメント基部に接触し、この1つ以上の変位可能なセグメントを基準位置から設定位置に変位させることができ、特にセグメント12a、12b、12c、12d、...の所定の位置パターンが達成されるように変位させることができる。たとえば
図2に示されるように、セグメント12a、12b、12c、12d、...の所定の位置パターンが達成されるように変位させることができる。
【0053】
特に、
図1bおよび
図3aから
図4bには、スタンプ要素15が示されており、スタンプ要素15の各々が、設定位置においてセグメント12a、12b、12c、12d、...を正確に位置決めするために、コリメータフレーム13の開口部17の縁部に当接させることができるつば部18を有する。
【0054】
各スタンプ要素15;15’;15’’は複数の凸子16を備えていてもよく、これらの凸子16は、変位可能な複数のセグメント(12a、12b、12c、12d、...を異なる位置に配置するためにセグメント方向に異なる高さを有する。スタンプ要素15;15’;15’’は互いに独立して移動することができ、特に、押圧位置にこれらのスタンプ要素を配置することにより、セグメント12a、12b、12c、12d、...の異なる複数の位置パターンを達成することが可能となる。
【0055】
図5cで特によくわかるように、コリメータフレーム13は、スタンプ要素15の下に可撓性ホース14’のための受け部19を備えていてもよく(
図4aから
図5a参照)、可撓性ホース14’はガス圧によって膨張することができ、対応するスタンプ要素15を基準位置から設定位置に変位させることができる。
【0056】
スタンプ要素15によって等距離dだけ一緒に変位可能な、または変位できないように構成された隣接する複数のセグメント12a、12b、12c、12d、...は各々、セグメント群にまとめられてもよい。
【0057】
図1a、
図1b、および
図5bの各々には、セグメント12a、12b、12c、12d、...のストローク制限のためのストッパー20が示されており、このストッパー20はコリメータフレーム13に固定的に接続されているか、またはコリメータフレーム13の一部である。基準面21は、セグメント12a、12b、12c、12d、...の位置決めのための初期基準として機能し、一般的にストッパー20もこの上に据え置かれる。
【0058】
本発明によるコリメータアセンブリ10のセグメント化は、X線のビーム方向に沿って行われる。初期位置(
図3a、最も粗い分解能)において、全てのセグメント12a、12b、12c、12d、...は、たとえば要素の自重によって、またはばねによって補助されて、基準面21上に位置決めされる。変位させるべき要素のパターンが刻まれた、基準面21から複数のセグメントをずらすための可動スタンプ15は、セグメント12a、12b、12c、12d、...の下方に配置される。初期位置では、スタンプ15は退避しており(
図3a参照)、セグメントと接触しないので、セグメントの位置に影響を与えない。より精密な分解能に切り替えたい場合、スタンプ15を、基準面21に対して垂直に変位させる(
図3b参照)。このようにして、複数のセグメント12a、12c、...は、スタンプ15に刻まれたパターンによって基準面21に対してずれ量dだけ変位される。スタンプ15の凸子16の高さを異ならせて段にすることにより、セグメント12a、12b、12c、12d、...を個別にずらすこともできる。スタンプによって持ち上げられなかったセグメント12b、12d、...は、基準面21上に残る。ずれたセグメント12a、12c、...のラメラ11がずれていないセグメント12b、12d、...のラメラの間の中央に配置されるようにずれ量を選択すると、角度分解能は初期状態に対しておよそ2倍向上する。スタンプ15において他のパターンおよび/またはずれ量が選択された場合、他の分解能を実現することもできる。
図2の下部に示されるような、斜めの視線は、変位させるセグメントと変位させないセグメントの並びを非対称にすることよって抑制することができる。
【0059】
セグメント12a、12b、12c、12d、...の変位の様々な動作位置が、
図2に概略的に示されている。X線光学系に求められる分解能を実現するためには、斜めに延びる視線を抑制する変位量の非対称パターンが鍵となる(特に
図2の下部を参照)。
図2の上部に示される初期位置におけるコリメータは粗い分解能をもたらすが、1つおきのセグメントが中間位置に変位している。しかしながら、この構成は、コリメータを斜めに通過する視線が存在し、角度分解能がさらに悪化するため、実際にはうまく機能しない。これに対し、
図2の下部には、変位させたセグメントおよび変位されていないセグメントの並びが非対称性である動作位置が示されており、角度分解能を悪化させる斜めの視線がコリメータによって抑制され、分解能が大幅に改善される。
【0060】
調整機構またはアクチュエータの要件は以下のとおりである。
【0061】
・調整機構またはアクチュエータは、ラメラ距離の数分の一だけセグメントを再現可能に変位させなければならない。典型的なずれ量は、0.1mm~1mmの範囲内である。再現性は、これがなければX線分光計の分光分解能が測定ごとに変化するので、重要である。
【0062】
・コリメータは一般に、温度が安定した真空チャンバ内に配置される。したがって、調整機構またはアクチュエータは、真空に適し、できるだけ熱を発生させないものが望ましい。
【0063】
・典型的な用途では、コリメータは、測定のたびに複数回調整しなければならないため、機構またはアクチュエータは数万回もの調整に耐えられるものでなければならない。
【0064】
・調整機構またはアクチュエータはビーム経路の近傍に配置されるので、コンパクトな構造であることが望ましい。
【0065】
図4aから
図5aに示される本発明の実施形態では、調整機構またはアクチュエータは、初期位置において周囲と圧力平衡状態にあるか、または周囲よりも低い内圧を有する、可動スタンプ15の下の可撓性ホース14’を介して実装される。セグメント自重、および場合によっては追加のばねは、ホースを圧縮し、全てのセグメント12a、12b、12c、12d、...を基準面21に押しつける。可動スタンプ15をずらしたい場合、ホースに過圧をかけ、わずかに膨張させる。これにより、スタンプ15が移動し、所望のセグメントをずらす。スタンプ移動の大きさは、
図1bに見られるように、ストッパー20によって制限されるので、再現可能かつ正確に位置決めが行われる。
【0066】
空気圧式調整機構またはアクチュエータの利点は以下のとおりである。
【0067】
・ビーム経路の近傍での発熱がない
・弁、可撓性ホースにより駆動するため、駆動部を装置内のよく検討された任意の位置に配置できる。モータを介した従来の調整のように、ベルト駆動部などを介した機械的結合は必要とされない。
【0068】
図4aは、セグメントが変位されていない初期位置における、空気圧式アクチュエータの「空気の抜けた」ホース14’を有する(ホース14’の内部で周囲圧力が優勢である)、本発明によるコリメータアセンブリの一実施形態をz軸方向の正面図を示す。スタンプ15は停止しており、セグメント(ここでは正面の第1のセグメント12aのみが見える)は、コリメータフレーム13の基準面21上に静止している。
【0069】
一方、
図4bでは、中央スタンプ15は「膨れた」(過加圧の)ホース14’によって作動し、セグメント(やはり正面の第1のセグメント12aによって表される)は、コリメータアセンブリ10の角度分解能が改善された変位後動作位置に配置されている。
【0070】
図5aは、1つの中央スタンプ15と、さらなる設定可能な角度分解能を実現するための他のパターン(図面では見えない)を有する2つの側方外側スタンプ15’、15’’とを有する、本発明によるコリメータアセンブリの一実施形態を示す。ここでも、空気圧式アクチュエータのホース14’を膨張させることにより、少なくとも中央スタンプ15が作動し、ホース14’はコリメータフレーム13の凹型受け部19に挿入されている。
【0071】
最後に、
図5cは、空気圧式の調整機構を有するアクチュエータ(不図示)の2つのホースのためのフライス加工された凹部を有する、本発明によるセグメント化されたコリメータアセンブリ10を取り付けるためのコリメータフレーム13の一実施形態を示す。
【0072】
X線分光計では通常、ビーム経路が真空になっているため、アクチュータには角度位置ごとに1つの三方弁のみが必要とされる。可撓性ホースは、圧力平衡を確立するために、初期位置において、弁(図には得に示されていない)を介して真空チャンバに接続することができる。スタンプを移動させるには、弁を介してホースに通気するだけでよい(およそ1バールの過圧に対応)。
【0073】
参考文献リスト
特許性の判断のために検討した文献:
[1]独国特許発明第102008060070号明細書;欧州特許第2194375号明細書;米国特許第7,983,389号明細書
[2]独国特許出願公開第3000122号明細書
[3a]Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section B:Beam Interactions with Materials and Atoms、2018年、414巻、84~98ページ
https://doi.org/10.1016/j.nimb.2017.10.027
[3b]https://www.bruker.com/products/x-ray-diffraction-and-elemental-analysis/x-ray-fluorescence/s8-tiger.html
[4] https://www.youtube.com/watch?v=rufCvmeZMvU
[5] 特開平6-308293号公報
[6] 米国特許第6,444,993号明細書
[7] 米国特許出願公開第2011/0081004号明細書
[8] 独国特許発明第102017223228号明細書;米国特許第10,794,845号明細書;特許第6560812号公報
【符号の説明】
【0074】
10 コリメータアセンブリ
11 ラメラ
12a、12b、12c、12d セグメント
13 コリメータフレーム
14 アクチュエータ
14’ 空気圧式アクチュエータのホース部分
15;15’;15’’ スタンプ要素
16 凸子
17 コリメータフレームの開口部
18 つば部
19 可撓性ホースのための受け部
20 セグメントのストローク制限用のストッパー
21 セグメントの位置決め用の基準面
z ソーラスリットの軸
d セグメントのずれ量