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特許7429728金属を着色する方法および金属製部品の製造方法
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  • 特許-金属を着色する方法および金属製部品の製造方法 図1
  • 特許-金属を着色する方法および金属製部品の製造方法 図2
  • 特許-金属を着色する方法および金属製部品の製造方法 図3A
  • 特許-金属を着色する方法および金属製部品の製造方法 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】金属を着色する方法および金属製部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 14/48 20060101AFI20240201BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20240201BHJP
   H01J 37/317 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
C23C14/48 Z
H05H1/46 C
H01J37/317 Z
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022044942
(22)【出願日】2022-03-22
(65)【公開番号】P2022161837
(43)【公開日】2022-10-21
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】21167303.3
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】599044744
【氏名又は名称】コマディール・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(72)【発明者】
【氏名】ピエリ・ヴュイユ
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン・マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】アレクシ・ブールメ
【審査官】宮崎 園子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-505683(JP,A)
【文献】特開昭49-091266(JP,A)
【文献】特開2011-230506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/48
H05H 1/46
H01J 37/317
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1価または多価のイオン源によって生成された1価または多価のイオンビームを被処理部品(20)の方向に導くことによって、前記被処理部品(20)の表面層内に1価または多価のイオンを注入することを有するステップを含み、前記被処理部品(20)がこのイオン注入の効果の下で色を変化させ、
前記被処理部品(20)は、前記イオンを注入する際に、前記イオン入に反応しない、かつマスキングされていない支持部品上に固定され、前記被処理部品(20)および前記支持部品の全体が前記イオンビームに曝されることを特徴とする、金属製の前記被処理部品(20)を着色する着色方法。
【請求項2】
前記1価または多価のイオン源は、ECRイオン源(1)であることを特徴とする、請求項1に記載の着色方法。
【請求項3】
前記支持部品は、セラミック部品であることを特徴とする、請求項1または2に記載の着色方法。
【請求項4】
前記支持部品は、外部部品であることを特徴とする、請求項3に記載の着色方法。
【請求項5】
前記外部部品は、時計製造または宝飾品用向けであることを特徴とする、請求項4に記載の着色方法。
【請求項6】
前記外部部品は、時計ミドル部、時計ケースバック、時計ベゼル、時計文字盤、時計ブレスレットまたはジュエルリンク、時計ムーブメントのブリッジまたはプレート、時計針、およびリングによって形成される群から選択されることを特徴とする、請求項5に記載の着色方法。
【請求項7】
被処理部品(20)を作成する金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、およびこれらの貴金属の合金によって形成される貴金属の群から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項8】
被処理部品(20)は、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、またはこれらの金属の合金を使用して作製されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項9】
イオン化すべき材料は、炭素、窒素、酸素、ヘリウム、およびアルゴンによって形成される群から選択されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項10】
前記1価または多価のイオンは12.5kVから47.5kVの間にある電圧の下で加速され、前記イオンビームの出力は4mAから15mAの間にあり、注される前記イオンのドーズ量は5×1015ions.cm-2から75×1016ions.cm-2の間にあることを特徴とする、請求項9に記載の着色方法。
【請求項11】
前記被処理部品(20)は、前記1価または多価のイオンビーム(16)が注入される真空チャンバ(24)内に配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の着色方法。
【請求項12】
前記被処理部品(20)は、前記イオン入後に、アニール熱処理を受けることを特徴とする、請求項11に記載の着色方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の着色方法により前記被処理部品を着色する着色工程を含む、
金属製部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属部品を着色するための方法に関し、詳細には、セラミック材料に埋め込まれた金属部品を着色するための方法に関する。本発明はまた、この着色方法を使用して得られる着色された金属部品に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの金属着色方法は、先行技術においてすでに知られている。たとえば、これらの方法のうちの1つは、アルミニウムを着色することができる。未加工のアルミニウムを酸化によって自然のままに制御不能に着色し、対象とするアルミニウム部品の表面上に染みまたは汚点を出現させることが実際に知られている。この問題を解決するために、アルミニウム部品を人工的に酸化させ、その外観を均一かつ美的にすることが可能である。アルミニウムの酸化制御のこの技術は、陽極酸化として知られている。陽極酸化は、アルミニウム部品の表面上に酸化物層を形成することを目的とする、アルミニウムの電気化学的表面処理方法である。この目的で、アルミニウム部品は、硫酸を含む電解質が分散している溶液槽に浸される。この溶液槽内に直流電流を流すことによって、アルミニウム部品の表面上に多孔質酸化物層が形成され、この多孔質酸化物層の厚さは、典型的には、数十マイクロメートル程度である。この極めて硬い酸化物層は、アルミニウム部品の表面を腐食から保護し、さらに、その多孔性により、材料中に色素を閉じ込めることによって着色することができる。
【0003】
ロンドンの大英博物館では、スパルタの神話的な立法者にちなんで名付けられた名前が表す、リュクルゴスの聖杯を鑑賞することが可能である。この聖杯は、ローマ帝国のガラス職人たちによって紀元前4世紀に作られ、正面から照らされると緑色に見え、裏から照らされると赤色に見える。この二色性は、ガラス中にわずかな割合の金および銀のナノ粒子が存在することによるものであり、それがプラズモン型の表面現象を引き起こす。表面プラズモン現象は、金属粒子のサイズよりもはるかに大きい波長λの同じ電磁場に曝された金属のすべての自由電子が、集団的に同相で振動するときに観察される。したがって、光照射に曝された金属ナノ粒子は、励起されたプラズモン振動による光散乱特性を有する。これらの特性は、粒子の形状、粒子のサイズ、粒子の性質、および粒子が分散している媒体に依存する。
【0004】
プラズモン効果を使用して金属に着色することは、リュクルゴスの聖杯によって証明されたその持続性と、インク、塗料、または顔料を回避する可能性とがあるために、極めて興味深い。プラズモンを利用することによって金属を着色するための技法は、カナダの研究者のチームによって提案されてきた。この技法は、金、銀、銅、またはアルミニウムの部品の表面上にレーザービームによって制御されたナノ構造体を生成することを有する。この結果を達成するために、波長1.064μmの波長の近赤外で放射するレーザーによって生成されるレーザーパルスのバーストを用いて、金属部品を処理した。レーザーパルスの持続時間は10-12秒であり、各パルスバーストは、等しい時間間隔で次のパルスバーストと離れている。レーザービームが金属部品の表面上に生成すべき像全体をたどることができるように、このレーザービームの移動は、コンピュータによって制御される一組のサーボ制御ミラーによって確実にされる。したがって、これらのレーザーパルスは、処理された金属部品の表面上にナノ粒子を生成し、完璧な範囲の色を得ることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、金属を着色するための新規の技法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このために、本発明は、金属製の被処理部品を着色するための方法に関し、本方法は、1価または多価のイオン源によって生成された1価または多価のイオンビームをこの被処理部品の方向に導くことによって、被処理部品の表面層内に1価または多価のイオンを注入することを有するステップを含むが、被処理部品は、このイオン注入の効果の下で色が変化する。
【0007】
本発明の特定の実施形態によれば、
- 1価または多価イオン源は、ECRイオン源であり、
- 被処理部品は、イオン注入処理に反応しない支持部品上に固定され、
- 支持部品は、セラミック部品であり、
- 支持部品は、外部部品であり、
- 外部部品は、時計製造または宝飾品向けであり、
- 外部部品は、時計ミドル部、時計ケースバック、時計ベゼル、時計文字盤、時計ブレスレットまたはジュエルリンク、時計ムーブメントのブリッジまたはプレート、時計針、およびリングによって形成される群から選択され、
- 被処理部品を作製する金属は、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、およびこれらの貴金属の合金によって形成される貴金属の群から選択され、
- 被処理部品は、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、またはこれらの金属の合金を使用して作製され、
- イオン化すべき材料は、炭素、窒素、酸素、ヘリウム、およびアルゴンによって形成される群から選択され、
- 1価または多価のイオンは、12.5kVから47.5kVの間にある電圧の下で加速され、イオンビームの出力は、4mAから15mAの間にあり、注入イオンのドーズ量は、5×1015ions.cm-2から75×1016ions.cm-2の間にあり、
- 被処理部品は、1価または多価のイオンビームが注入される真空チャンバ内に配置され、
- 被処理部品は、イオン注入処理後に、アニール熱処理を受ける。
【0008】
本発明はまた、本発明による着色方法を使用して着色された金属部品に関する。
【0009】
これらの特徴により、本発明は、一塊であるか、または任意の適切な手段によって支持部品上に固定された、金属部品を着色するための方法を提供する。金属部品にイオンビームを適切に衝突させることによって、この金属部品の色を制御された再現可能な方法で変更することができることが実際に認識されている。本方法は特に、金属部品を支持部品上に固定する場合に興味深い。実際、支持部品がイオン衝撃に反応しないという条件で、いかなる特別な予防措置もなしに金属部品の色を変更することが可能であり、特に、長くて退屈なマスキング作業が回避される。したがって、本発明による方法は、たとえば、時計ベゼルなどのセラミック部品上に固定された時間インデックスなどの金属含有物を着色することができるようにすることによって、特に時計製造および宝飾品の分野において、本方法のすべての関心を引く。さらに、本発明による方法は、実施することが容易かつ迅速であり、いかなる汚染性の製品も有毒な製品も伴わない。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、以下の、本発明による方法の実施形態の詳細な説明からより明らかになるであろうが、図面の簡単な説明の例は、添付の図面に関連してのみ、純粋に例示的かつ非限定的な方法で与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ECR電子サイクロトロン共鳴型のイオン源の概略図である。
図2】本発明による方法を実施するためのイオン注入設備の概略図である。
図3A】イオン注入法に受けた後の被処理部品の色の変化を示す概略図である。
図3B】イオン注入法に受けた後の被処理部品の色の変化を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、固体金属部品または支持部品の表面に取り付けられた固体金属部品に1価または多価のイオンビームを衝突させて、このように衝突を受けた金属部品の色を変更することを有する一般的な発明思想に基づくものである。これらの特徴により、本発明は、有毒な製品または汚染性の製品を使用せず、したがって実施することが容易かつ迅速である、金属部品を着色するための方法を提供する。さらに、金属部品が支持部品に取り付けられている場合、支持部品を形成する材料がイオン衝突に反応しないという条件で、長く退屈なマスキング作業を行うことを強いられることなく、衝突を受けた金属部品の色を変更することができる。
【0013】
本発明による方法を実施するために、電子サイクロトロン共鳴型の1価または多価のイオン源を使用することが有利である。ECRとしても知られているそのような設備は、プラズマを生成するために電子のサイクロトロン共鳴を利用する。ある体積の低圧ガスは、イオン化すべきガスの体積内に位置する領域に印加される磁場によって規定される電子サイクロトロン共鳴に対応する周波数で注入されるマイクロ波によってイオン化される。マイクロ波は、イオン化すべきガスの体積内に存在する自由電子を加熱する。これらの自由電子は、熱撹拌の効果の下で、原子またはガス分子と衝突し、それらのイオン化を引き起こす。生成されるイオンは、使用されるガスのタイプに対応する。このガスは、純粋なものであっても化合物であってもよい。このガスはまた、固体材料または液体材料から得られる蒸気であってもよい。ECRイオン源は、1価イオン、すなわち+1に等しいイオン化度を有するイオン、または、多価イオン、すなわちイオン化度が+1よりも大きいイオンを生成することができる。イオンビームはまた、1価イオンおよび多価イオンの混合物に対応することができる。
【0014】
ECR電子サイクロトロン共鳴型のイオン源は、本出願に添付された図1に概略的に示されている。このECRイオン源は、全体として参照番号1で示されているが、イオン化すべきガスの体積4およびマイクロウェーブ6が導入される注入ステージ2と、プラズマ10が生成される磁気閉じ込めステージ8と、高電圧が間に印加されるアノード14aおよびカソード14bによってプラズマ10からイオンを抽出し、それらのイオンを加速することを可能にする抽出ステージ12とを備える。ECRイオン源1の出力部において生成されたイオンビーム16は、被処理部品20の表面18に衝突し、被処理部品20の表面に浸透する。
【0015】
被処理部品20は、金属部品である。被処理部品が形成される金属は、好ましくは、しかし非限定的な方法で、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、およびこれらの貴金属の合金によって形成される貴金属の群から選択される。本発明の別の特定の実施形態によれば、被処理部品は、銅、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、またはこれらの金属の合金を使用して形成することができる。
【0016】
好ましくは、しかし排他的ではなく、イオン化すべき材料は、炭素、窒素、酸素、ヘリウム、およびアルゴンによって形成される群から選択され、1価または多価のイオンは、12.5kVから47.5kVの間にある電圧の下で加速される。イオンビーム16の出力は、4mAから15mAの間にあり、注入されるイオンのドーズ量は、5×1015ions.cm-2から75×1016ions.cm-2の間にある。所望の色が観察されると、イオン注入法は中断される。
【0017】
本発明による方法の実施を可能にするイオン注入設備が、図2に概略的に示されている。このイオン注入設備は、全体として参照番号22で示されているが、真空チャンバ24を備えており、真空チャンバ24の密閉筐体26内に、イオン注入法を受けることが意図される被処理部品20が配置されている。
【0018】
被処理部品20は、一塊であってもよい。被処理部品20はまた、特に、時計用のベゼル28などの、時計製造または宝飾品のための外部部品であってもよい。特定の例示的な実施形態では、このベゼル28は、セラミック材料から作製され、その表面上に作られた凹部内に金属挿入物30を受け入れる。色が変更されるこれらの金属挿入物30は、たとえばベゼル28の表面上に、それらの形状および/またはそれらの寸法によって変化し得る一連の数字およびインデックスを形成する(図3A参照)。
【0019】
イオン源、ここではECRイオン源1は、真空チャンバ24の密閉筐体26に密閉固定され、この密閉筐体26に形成された開口部32に面している。上述のものと同一の型のこのECRイオン源1は、それが生成する1価または多価のイオンビーム16が密閉筐体26内を伝播し、被処理部品20の表面に衝突するように方向付けられる。被処理部品20に衝突する1価または多価のイオンは、この被処理部品20の表面により深くまたはより浅く浸透し、被処理部品20の色を変化させる。
【0020】
金属挿入物30を有するセラミックベゼル28に適用される、本発明による方法の実施のいくつかの数値例を以下に与える。
【0021】
金属挿入物30がジルコニウムとアルミニウムとの合金で作製されている場合、35kVの電圧の下で加速された7mAの出力を有する窒素イオンのビームによるこれらの金属挿入物30の処理は、イオン注入ドーズ量が50×1016ions.cm-2であったとき、これらの金属挿入物30を青色にすることができた。
【0022】
金属挿入物30がチタンで作製されている場合、37.5kVの電圧の下で加速された6mAの出力を有する窒素イオンビームによるこれらの金属挿入物30の処理は、イオン注入ドーズ量が25×1016ions.cm-2であったとき、これらの金属挿入物30を金色にすることができた。
【0023】
金属挿入物30がチタンで作製されている場合、20.0kVの電圧の下で加速された6mAの電力を有する窒素イオンのビームによるこれらの金属挿入物30の処理は、イオン注入ドーズ量が25×1016ions.cm-2であったとき、これらの金属挿入物30を青色にすることができた。
【0024】
金属挿入物30がチタンで作製されている場合、12.5kVの電圧の下で加速された4mAの電力を有する酸素イオンのビームによるこれらの金属挿入物30の処理は、イオン注入ドーズ量が25.1016ions.cm-2であったとき、これらの金属挿入物30を紫色にすることができた。
【0025】
図3Aおよび図3Bは、本発明によるイオン注入法を受けた後の被処理部品20の色の変化を概略的に示す。セラミックベゼル28(図3A参照)などの時計製造用の外部部品の場合、イオン注入処理後に金属挿入物30の色の変化が観察される(図3B参照)。
【0026】
本発明は、以上で説明した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な単純な修正形態および変形形態を当業者が考慮することができることは言うまでもない。特に、1価または多価イオンとは、イオン化度が+1に等しいかまたはそれよりも大きいイオンを意味することに留意されたい。イオンビームは、すべて同じイオン化度を有するイオンから構成されてもよく、または異なるイオン化度を有するイオンの混合物から生じてもよいことにも留意されたい。たとえば、セラミックベゼルの金属挿入物を処理する場合、マスキング作業は必要なく、ベゼルの表面全体をイオンビームに曝すことができ、これがセラミック材料の機械的特性または外観を変化させることがないことにも留意されたい。金属挿入物の色のみが変化する。金属挿入物の色をさらに深くするために、またはさらにその色を変化させるために、イオン注入処理の後に、被処理部品、たとえば金属挿入物を有するセラミックベゼルにアニール熱処理に施すことができる。この場合も、アニール処理は、セラミックの特性に影響を及ぼさない。
【符号の説明】
【0027】
1 ECRイオン源
2 注入ステージ
4 イオン化すべきガスの体積
6 マイクロ波
8 磁気閉じ込めステージ
10 プラズマ
12 抽出ステージ
14a アノード
14b カソード
16 イオンビーム
18 表面
20 被処理部品
22 イオン注入設備
24 真空チャンバ
26 密閉筐体
28 ベゼル
30 金属挿入物
32 開口部
図1
図2
図3A
図3B