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特許7429732マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H05K3/00 M
H05K3/00 N
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022101430
(22)【出願日】2022-06-23
(65)【公開番号】P2023107184
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202210071585.0
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522253232
【氏名又は名称】武漢元禄光電技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】Wuhan Hero Optoelectronics Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 5, Huanglongshan East Road, East Lake New High-tech Development Zone, Wuhan, Hubei 430073, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李 雪蓮
(72)【発明者】
【氏名】彭 涛
(72)【発明者】
【氏名】冉 秋兵
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-521298(JP,A)
【文献】特開平08-340165(JP,A)
【文献】特表2015-534903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置であって、複数のPCB加工ラインが平行配置される台座(1)を備え、
前記PCB加工ラインは前記台座(1)に固定装着され、孔開け加工される回路基板(20)を移動させるY方向軸(2)を備え、前記Y方向軸(2)の上方には、平行する第1X方向軸(4)及び第2X方向軸(6)が設けられ、前記第1X方向軸(4)及び前記第2X方向軸(6)の運動方向は、前記Y方向軸(2)の運動方向に垂直し、
前記第1X方向軸(4)には第1孔開けモジュールが固定装着され、前記第2X方向軸(6)には第2孔開けモジュールが固定装着され、前記第1孔開けモジュール及び前記第2孔開けモジュールはそれぞれ前記Y方向軸(2)に対応するように配置され、
前記第1孔開けモジュールは、前記第1X方向軸(4)に固定装着されるとともに前記Y方向軸(2)に対応する第1レーザーユニットを備え、前記第2孔開けモジュールは、前記第2X方向軸(6)に固定装着されるとともに前記Y方向軸(2)に対応するように配置される第2レーザーユニットを備え、
前記第1孔開けモジュール及び前記第2孔開けモジュールは何れも測位監視ユニットを備え、
前記測位監視ユニットが、前記第1レーザーユニットの紫外線光学システム(11)および第2レーザーユニットの二酸化炭素光学システム(13)から発射されたレーザーのパワーを監視するレーザーパワープローブ(15)と、前記紫外線光学システム(11)および前記二酸化炭素光学システム(13)と前記回路基板(20)の孔開け位置との関係を測位するCCD測位ユニット(17)とを有することを特徴とするマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項2】
前記台座(1)はベース(8)を備え、前記Y方向軸(2)は前記ベース(8)の天井面に固定装着され、前記ベース(8)の中心位置には、前記Y方向軸(2)に垂直するガントリービーム(9)が設けられ、前記第1X方向軸(4)及び前記第2X方向軸(6)は前記ガントリービーム(9)の2つの側辺にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項3】
前記第1レーザーユニットは前記ベース(8)の天井面に固定装着される紫外線レーザー装置(10)と、前記第1X方向軸(4)に固定装着される前記紫外線光学システム(11)とを備え、前記紫外線レーザー装置(10)は前記紫外線光学システム(11)に連通し、前記紫外線光学システム(11)は前記Y方向軸(2)に対応するように配置され、前記第2レーザーユニットは、前記ガントリービーム(9)の先端に固定装着される二酸化炭素レーザー装置(12)と、前記第1X方向軸(4)に固定装着される前記二酸化炭素光学システム(13)とを備え、前記二酸化炭素レーザー装置(12)は前記二酸化炭素光学システム(13)に連通し、前記二酸化炭素光学システム(13)は前記Y方向軸(2)に対応するように配置されることを特徴とする請求項2に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項4】
前記Y方向軸(2)にはY軸ロータ(3)が移動可能に配置され、前記Y軸ロータ(3)には負圧吸盤(14)が固定装着され、前記第1X方向軸(4)には第1X軸ロータ(5)が設けられ、前記紫外線光学システム(11)は前記第1X軸ロータ(5)に固定装着され、前記第2X方向軸(6)には第2X軸ロータ(7)が設けられ、前記二酸化炭素光学システム(13)は前記第2X軸ロータ(7)に固定装着されることを特徴とする請求項3に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項5】
前記測位監視ユニットは前記負圧吸盤(14)の側壁に固定装着される前記レーザーパワープローブ(15)を備え、前記レーザーパワープローブ(15)は前記紫外線光学システム(11)及び前記二酸化炭素光学システム(13)にそれぞれ対応するように配置されることを特徴とする請求項4に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項6】
前記測位監視ユニットは前記CCD測位ユニット(17)をさらに備え、前記CCD測位ユニット(17)は前記第1X軸ロータ(5)及び前記第2X軸ロータ(7)にそれぞれ固定装着され、前記CCD測位ユニット(17)は、前記負圧吸盤(14)に吸引されるとともに、固定接続される回路基板(20)に対応するように配置されることを特徴とする請求項4に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項7】
前記負圧吸盤(14)は前記Y軸ロータ(3)に固定装着されるハウジング(18)を備え、前記ハウジング(18)の天井面にはハニカム板(19)が設けられ、前記レーザーパワープローブ(15)は前記ハウジング(18)の側壁に固定装着されることを特徴とする請求項5に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項8】
前記紫外線光学システム(11)と前記第1X軸ロータ(5)の間にはZ軸フォーカス調整装置(16)が設けられ、前記Z軸フォーカス調整装置(16)の固定端は前記第1X軸ロータ(5)に固定接続され、その可動端は前記紫外線光学システム(11)に固定接続され、前記二酸化炭素光学システム(13)と前記第2X軸ロータ(7)の間には、同じように前記Z軸フォーカス調整装置(16)が設けられることを特徴とする請求項4に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか1項に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置によるマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け方法であって、
孔開け対象となる前記回路基板(20)を固定装着するステップS1と、
前記回路基板(20)を1回目移転するステップS2と、
前記回路基板(20)を1回目測位して孔開けするステップS3と、
前記回路基板(20)を2回目移転するステップS4と、
前記回路基板(20)を2回目測位して孔開けするステップS5と、
前記回路基板(20)を3回目移転するステップS6と、
前記回路基板(20)を3回目測位して孔開けするステップS7と、
加工された回路基板(20)を検出して移転するステップS8と、を備えることを特徴とするマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け方法。
【請求項10】
前記回路基板(20)には盲孔が孔開けされた場合、前記ステップS6及び前記ステップS7をスキップし、前記ステップS8を直接的に実行することを特徴とする請求項9に記載のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPCB加工製造機器の技術分野に関して、特にマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法に関している。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラを代表としての電子関連製品の高機能化は迅速に発展している。これらの電子製品の高機能化を実現するために、装着された半導体電子素子の小型化、高性能化、これらの電子素子が装着されたPCBの高密度化、多層化、及び導通孔の小径化、高精度化は何れも不可欠である。
【0003】
HDI(高密度相互接続)PCB技術の発展に連れて、機械孔開け技術は、穿孔の小径化、高精度及び高効率という市場のニーズを満たすことができないため、レーザー穿孔はだんだん機械孔開けに取って代わる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
孔開けの異なる要求に連れて、現在、市販のほとんどのレーザー孔開け機器は何れもダブルヘッド単一波長加工モードを採用して加工し、PCB孔開けの効率要求を満たすことができず、異なる銅箔層及び樹脂層を加工する場合、薄化及び黒化の前処理を必要とし、孔開けの効率及び孔開けの精度を低減させ、上記問題を解决するために、孔開けの効率が高く、孔開けの精度が高いマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け機器を必要とする。
【0005】
上記従来技術に存在する問題を解决するために、本発明は、マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は以下の解決策を提供し、即ち、本発明はマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置を提供し、複数のPCB加工ラインが平行配置される台座を備え、
前記PCB加工ラインは前記台座に固定装着されるY方向軸を備え、前記Y方向軸の上方には、平行する第1X方向軸及び第2X方向軸が設けられ、前記第1X方向軸及び前記第2X方向軸の運動方向は、前記Y方向軸の運動方向に垂直し、
前記第1X方向軸には第1孔開けモジュールが固定装着され、前記第2X方向軸には第2孔開けモジュールが固定装着され、前記第1孔開けモジュール及び前記第2孔開けモジュールはそれぞれ前記Y方向軸に対応するように配置され、
前記第1孔開けモジュールは、前記第1X方向軸に固定装着されるとともに前記Y方向軸に対応する第1レーザーユニットを備え、前記第2孔開けモジュールは、前記第2X方向軸に固定装着されるとともに前記Y方向軸に対応するように配置される第2レーザーユニットを備え、
前記第1孔開けモジュール及び前記第2孔開けモジュールは何れも測位監視ユニットを備える。
【0007】
好ましくは、前記台座はベースを備え、前記Y方向軸は前記ベースの天井面に固定装着され、前記ベースの中心位置には、前記Y方向軸に垂直するガントリービームが設けられ、前記第1X方向軸及び前記第2X方向軸は前記ガントリービームの2つの側辺にそれぞれ設けられる。
【0008】
好ましくは、前記第1レーザーユニットは前記ベースの天井面に固定装着される紫外線レーザー装置と、前記第1X方向軸に固定装着される紫外線光学システムとを備え、前記紫外線レーザー装置は前記紫外線光学システムに連通し、前記紫外線光学システムは前記Y方向軸に対応するように配置され、前記第2レーザーユニットは、前記ガントリービームの先端に固定装着される二酸化炭素レーザー装置と、前記第1X方向軸に固定装着される二酸化炭素光学システムとを備え、前記二酸化炭素レーザー装置は前記二酸化炭素光学システムに連通し、前記二酸化炭素光学システムは前記Y方向軸に対応するように配置される。
【0009】
好ましくは、前記Y方向軸にはY軸ロータが移動可能に配置され、前記Y軸ロータには負圧吸盤が固定装着され、前記第1X方向軸には第1X軸ロータが設けられ、前記紫外線光学システムは前記第1X軸ロータに固定装着され、前記第2X方向軸には第2X軸ロータが設けられ、前記二酸化炭素光学システムは前記第2X軸ロータに固定装着される。
【0010】
好ましくは、前記測位監視ユニットは前記負圧吸盤の側壁に固定装着されるレーザーパワープローブを備え、前記レーザーパワープローブは前記紫外線光学システム及び前記二酸化炭素光学システムにそれぞれ対応するように配置される。
【0011】
好ましくは、前記測位監視ユニットはCCD測位ユニットをさらに備え、前記CCD測位ユニットは前記第1X軸ロータ及び前記第2X軸ロータにそれぞれ固定装着され、前記CCD測位ユニットは、前記負圧吸盤上に吸引されるとともに、固定接続される回路基板に対応するように配置される。
【0012】
好ましくは、前記負圧吸盤は前記Y軸ロータに固定装着されるハウジングを備え、前記ハウジングの天井面にはハニカム板が設けられ、前記レーザーパワープローブは前記ハウジングの側壁に固定装着される。
【0013】
好ましくは、前記紫外線光学システムと前記第1X軸ロータの間にはZ軸フォーカス調整装置が設けられ、前記Z軸フォーカス調整装置の固定端は前記第1X軸ロータに固定接続され、その可動端は前記紫外線光学システムに固定接続され、前記二酸化炭素光学システムと前記第2X軸ロータの間には、同じように前記Z軸フォーカス調整装置が設けられる。
【0014】
マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け方法であって、
孔開け対象となる回路基板を固定装着するステップS1と、
回路基板を1回目移転するステップS2と、
回路基板を1回目測位して孔開けするステップS3と、
回路基板を2回目移転するステップS4と、
回路基板を2回目測位して孔開けするステップS5と、
回路基板を3回目移転するステップS6と、
回路基板を3回目測位して孔開けするステップS7と、
加工された回路基板を検出して移転するステップS8と、を備える。
【0015】
好ましくは、回路基板には盲孔が孔開けされた場合、前記ステップS6及び前記ステップS7をスキップし、前記ステップS8を直接的に実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明は以下の技術効果を開示し、本発明はマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法を開示し、台座には複数のPCB加工ラインが設けられ、孔開け操作を同時且つ独立に行って、孔開け効率を大幅に高め、単一のPCB生産ラインはY方向軸、第1X方向軸、及び第2X方向軸を備え、途中で取り外してからクランプする必要がなく、1回の装着は回路基板のいろんな形態の孔開けを完了でき、再クランプによる測位誤差を低減させ、孔開けの精度及び最終製品の品質を向上させ、独立の光学システム及び測位監視ユニットをセットとして配置し、テーブルのパワーを容易に検出し、孔開けのパワーの一致性を保証し、さらに、孔開けの一致性を保証する。本発明の構造がコンパクトで、配置が合理であり、複数回のクランプを必要とせず、回路基板の孔開け工程を1回で完了でき、孔開けの効率が高く、孔開けの誤差が小さく、孔開けの精度が高く、Y方向軸及び孔開けモジュールの数を増やすことで、4ヘッド、6ヘッド、8ヘッド、10ヘッド、さらにこれ以上の孔開けを実現し、回路基板の加工製造の効率を大幅に高めて、市場のニーズを満たす。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術的解決策を明らかに説明するために、以下は実施例の必要な図を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図は本発明の複数の実施例を例示するものであり、当業者は、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図に基づき、他の図を取得できる。
図1】本発明のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置の斜視図である。
図2】本発明のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置の平面図である。
図3】本発明のマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置の正面図である。
図4】本発明の紫外線光学システムの斜視図である。
図5図4におけるA箇所の局所拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下は本発明の実施例の図を結合して、本発明の実施例の技術的解決策を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づき、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は、何れも本発明の保護範囲に属する。
【0019】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明らかで且つわかりやすくするために、以下は図及び具体的な実施形態を結合して本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】
図1~5を参照、本発明はマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置を提供し、複数のPCB加工ラインが平行配置される台座1を備え、
PCB加工ラインは、台座1に固定装着されるY方向軸2を備え、Y方向軸2の上方には、平行する第1X方向軸4及び第2X方向軸6が設けられ、第1X方向軸4及び第2X方向軸6の運動方向はY方向軸2の運動方向に垂直し、
第1X方向軸4には第1孔開けモジュールが固定装着され、第2X方向軸6には第2孔開けモジュールが固定装着され、第1孔開けモジュール及び第2孔開けモジュールはそれぞれY方向軸2に対応するように配置され、
第1孔開けモジュールは、第1X方向軸4に固定装着されるとともに、Y方向軸2に対応する第1レーザーユニットを備え、第2孔開けモジュールは、第2X方向軸6に固定装着されるとともに、Y方向軸2に対応するように配置される第2レーザーユニットを備え、
第1孔開けモジュール及び第2孔開けモジュールは何れも測位監視ユニットを備える。
【0021】
本発明が開示したマルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け装置及び方法によれば、台座1には複数のPCB加工ラインが設けられ、孔開け操作を同時且つ独立して行って、孔開け効率を大幅に高め、単一のPCB生産ラインはY方向軸2、第1X方向軸4及び第2X方向軸6を備え、途中で取り外してからクランプする必要がなく、1回の装着は回路基板20のいろんな形態の孔開けを完了でき、再クランプによる測位誤差を低減させ、孔開けの精度及び最終製品の品質を向上させ、独立の光学システム及び測位監視ユニットをセットとして配置し、テーブルのパワーを容易に検出し、孔開けのパワーの一致性を保証し、さらに、孔開けの一致性を保証する。
【0022】
さらなる最適化の解決策として、台座1はベース8を備え、Y方向軸2はベース8の天井面に固定装着され、ベース8の中心位置には、Y方向軸2に垂直するガントリービーム9が設けられ、第1X方向軸4及び第2X方向軸6はガントリービーム9の2つの側辺にそれぞれ設けられる。Y方向軸2はベース8の天井面に固定装着され、Y方向軸2はガントリービーム9とベース8の間の孔隙を通過し、第1X方向軸4及び第2X方向軸6は、ガントリービーム9の、Y方向軸2に沿う運動方向と同様な前後両側にそれぞれ設けられ、第1X方向軸4及び第2X方向軸6は何れもY方向軸2の上方に位置し、Y方向軸2は回路基板20を運動させ、運動の過程で、第1X方向軸4及び第2X方向軸6を通過する場合、第1孔開けモジュール及び第2孔開けモジュールは順に回路基板20を孔開けする。
【0023】
さらなる最適化の解決策として、第1レーザーユニットはベース8の天井面に固定装着される紫外線レーザー装置10、及び第1X方向軸4に固定装着される紫外線光学システム11を備え、紫外線レーザー装置10は紫外線光学システム11に連通し、紫外線光学システム11はY方向軸2に対応するように配置され、第2レーザーユニットはガントリービーム9の先端に固定装着される二酸化炭素レーザー装置12、及び第1X方向軸4に固定装着される二酸化炭素光学システム13を備え、二酸化炭素レーザー装置12は二酸化炭素光学システム13に連通し、二酸化炭素光学システム13はY方向軸2に対応するように配置される。回路基板20はY方向軸2によって、紫外線光学システム11の下方を通過する場合、第1X方向軸4は測位するように紫外線光学システム11を駆動し、紫外線レーザー装置10は高出力レーザーを発振し、レーザーは紫外線光学システム11に入射してから、出力され、回路基板20の表面の銅箔に孔開けし、下方の樹脂を露出させ、Y方向軸2は二酸化炭素光学システム13の下方に達するように、回路基板20を引き続いて前に移動させ、第2X方向軸6は、紫外線光学システム11の開けられた孔を測位するように、二酸化炭素光学システム13を駆動し、二酸化炭素レーザー装置12は、二酸化炭素光学システム13から発射され、測位点に落ちるように、レーザーを励起することで、銅箔の下方の樹脂を除去し、必要な孔を形成し、
さらに、必要な孔は貫通孔であると、2層の銅箔の間の孔開け対象となる位置の樹脂を完全に除去し、Y方向軸2によって、逆方向に紫外線光学システム11の下方に移動し、別の層の銅箔を除去し、貫通孔を形成し、必要な孔は盲孔であると、二酸化炭素光学システム13の下方で樹脂を除去し、貫通して穿孔することがなく、紫外線光学システム11による銅箔で開けられた孔と盲孔を形成する。
【0024】
さらに、好ましくは、紫外線レーザー装置10は高出力ナノ秒紫外線レーザー装置であり、紫外線光学システム11は紫外線光学ガルバノミラー及び紫外線テレセントリックレンズから構成され、好ましくは、二酸化炭素レーザー装置12は無線周波二酸化炭素レーザー装置であり、二酸化炭素光学システム13は二酸化炭素光学ガルバノミラー及び二酸化炭素テレセントリックレンズから構成され、上記部材は何れも通常の光学素子であり、その動作原理及び使用方法は何れも従来技術であるため、ここで、贅言していない。
【0025】
さらなる最適化の解決策として、Y方向軸2にはY軸ロータ3が移動可能に配置され、Y軸ロータ3には負圧吸盤14が固定装着され、第1X方向軸4には第1X軸ロータ5が設けられ、紫外線光学システム11は第1X軸ロータ5に固定装着され、第2X方向軸6には第2X軸ロータ7が設けられ、二酸化炭素光学システム13は第2X軸ロータ7に固定装着される。Y軸ロータ3はY方向軸2に沿って並進運動して、負圧吸盤14をともに移動させ、孔開けの過程で、回路基板20の、生産ライン方向に沿う運動を実現し、第1X軸ロータ5は紫外線光学システム11をY方向軸2に垂直して並進運動させ、負圧吸盤14のY方向軸2に沿う運動に合わせて、紫外線光学システム11は、回路基板20の天井面の任意の位置で孔開けでき、表面の銅箔を除去し、第2X軸ロータ7は二酸化炭素光学システム13をX軸方向に沿って並進運動させ、紫外線光学システム11による銅箔で開けられた孔を測位し、下方の樹脂に対して孔開けを行う。
【0026】
さらに、Y方向軸2、第1X方向軸4及び第2X方向軸6に対して何れもダブルロータリニアモータを採用することで、Y軸ロータ3、第1X軸ロータ5及び第2X軸ロータ7を安定に並進運動させ、移動精度が高く、誤差が小さく、回路基板20などの高精度素子の孔開け加工に適して、通常の技術であるため、ここで、贅言していない。
【0027】
さらなる最適化の解決策として、測位監視ユニットは負圧吸盤14の側壁に固定装着されるレーザーパワープローブ15を備え、レーザーパワープローブ15は紫外線光学システム11及び二酸化炭素光学システム13にそれぞれ対応するように配置される。測位監視ユニットの作用は、主に孔開けの精度への制御であり、孔開けにおいて、レーザーパワープローブ15は対応する光学システムから発射されたレーザーのパワーを監視し、即ち、孔開けのパワーの一致性を保証し、さらに、孔開けの一致性を保証する。
【0028】
さらなる最適化の解決策として、測位監視ユニットはCCD測位ユニット17をさらに備え、CCD測位ユニット17は第1X軸ロータ5及び第2X軸ロータ7にそれぞれ固定装着されており、負圧吸盤14に吸引されるとともに、固定接続される回路基板20に対応するように配置される。CCD測位ユニット17は光学システムと回路基板20の孔開け位置との関係を測位し、光学システムの必要な移動距離を取得し、これは機械加工における通常の測位方法及び測位装置であり、その技術及び動作原理は何れも従来技術である。
【0029】
さらに、当該装置にはさらに制御センター(図示せず)が設けられ、制御センターは各部品の運転を制御するとともに、CCD測位ユニット17及びレーザーパワープローブ15から戻されたデータを受信し、各部品の運転に対して対応する調節制御を行って、孔開けの精度を確保する。制御センターは通常の機械加工制御センターであり、従来技術であり、各部品に対する制御及び各フィードバックデータに対する処理は何れも従来技術であるため、ここで、贅言していない。
【0030】
さらなる最適化の解決策として、負圧吸盤14はY軸ロータ3に固定装着されるハウジング18を備え、ハウジング18の天井面にはハニカム板19が設けられ、レーザーパワープローブ15はハウジング18の側壁に固定装着される。使用際、回路基板20の孔開け対象となる面は、光学システムに向かって、裏面はハニカム板19に吸引され、加工過程における回路基板20の平坦性及び安定性を保証し、孔開けの効果が一致するという要求を達成する。
【0031】
さらなる最適化の解決策として、紫外線光学システム11と第1X軸ロータ5の間にはZ軸フォーカス調整装置16が設けられ、Z軸フォーカス調整装置16の固定端は第1X軸ロータ5に固定接続され、その可動端は紫外線光学システム11に固定接続され、二酸化炭素光学システム13と第2X軸ロータ7の間には、同じようにZ軸フォーカス調整装置16が設けられる。Z軸フォーカス調整装置16は光学システムのフォーカス高さを調節し、CCD測位ユニット17と協働して、2つの光学システムの焦点距離の偏差による、孔開け効果が不一致であるという問題を補うことができる。
【0032】
マルチヘッド多波長PCBレーザー孔開け方法であって、以下のステップを備え、
ステップS1:孔開け対象となる回路基板20を固定装着し、材料供給装置によって、孔開け対象となる面が上向くように、回路基板20を負圧吸盤14のハウジング18内に配置し、底面はハニカム板19の天井面に吸引され、固定を完成させる。
【0033】
ステップS2:回路基板20を1回目移転し、Y軸ロータ3を起動させ、負圧吸盤14及び回路基板20を紫外線光学システム11の下方に運動させる。
【0034】
ステップS3:回路基板20を1回目測位して孔開けし、紫外線光学システム11でのCCD測位ユニット17を起動させ、回路基板20を測位してから、測位情報を制御センターに伝達し、制御センターは第1X軸ロータ5及びY軸ロータ3を紫外線光学システム11と連動させるように制御し、紫外線光学システム11のレンズ焦点を孔開け対象となる位置に合わせて、紫外線レーザー装置10を起動させ、回路基板20のフォーカス位置の回路基板20の表面の銅箔を除去し、回路基板20に複数の孔を開ける必要がある場合、全ての孔開け対象となる位置の銅箔を除去するまで、上記の測位及び孔開け過程を複数回繰り返す。
【0035】
ステップS4:回路基板を202回目移転し、Y軸ロータ3を再起動させ、負圧吸盤14及び回路基板20を二酸化炭素光学システム13の下方に運動させる。
【0036】
ステップS5:回路基板20を2回目測位して孔開けし、二酸化炭素光学システム13でのCCD測位ユニット17を起動させ、回路基板20を測位してから、測位情報を制御センターに伝達し、制御センターは第2X軸ロータ7及びY軸ロータ3を二酸化炭素光学システム13と連動させるように制御し、二酸化炭素光学システム13のレンズ焦点を回路基板20の、銅箔が除去された位置に合わせて、二酸化炭素レーザー装置12を起動させ、回路基板20の孔開けされたフォーカス位置の樹脂を除去し、全ての孔の位置を開けるまで、上記の測位及び孔開け過程を繰り返す。
【0037】
ステップS6:回路基板20を3回目移転し、開けられる孔は貫通孔である場合、Y軸ロータ3を起動させ、逆方向に移動させ、負圧吸盤14及び回路基板20を紫外線光学システム11の下方に戻させる。
【0038】
ステップS7:回路基板20を3回目測位して孔開けし、ステップS5の測位過程を繰り返して、回路基板20の、貫通孔開け対象となる位置を測位してから、樹脂が除去された孔内から回路基板20の下端面の銅箔を順に除去し、貫通孔を形成する。
【0039】
ステップS8:加工された回路基板20を検出して移転する。品質検査ユニット(図示せず)によって加工・孔開けが完了した回路基板20に対して品質検査を行って、合格であれば、材料投下ユニット(図示せず)によって次の工程に移転される。
【0040】
本発明の構造がコンパクトで、配置が合理であり、複数回のクランプを必要とせず、回路基板20の孔開け工程を1回完了でき、孔開けの効率が高く、孔開けの誤差が小さく、孔開けの精度が高く、Y方向軸及び孔開けモジュールの数を増やすことで、4ヘッド、6ヘッド、8ヘッド、10ヘッド、さらにこれ以上の孔開けを実現し、回路基板20の加工製造の効率を大幅に高めて、市場のニーズを満たす。
【0041】
本発明の記載において、理解すべきことは、用語である「縦方向」、「横方向」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「天井」、「底」、「内」、「外」などによって指示される方位又は位置関係は、図示による方位又は位置関係であり、指された装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構造され、操作されなければならないと指示又は暗示していなく、ただ本発明を便利に記載するためのものであるため、本発明に対する限定として理解されるべきではない。
【0042】
以上の実施例は本発明の範囲を限定していなく、ただ本発明の好適な形態を記載するためのものであり、本発明の設計精神から逸脱しないことを前提として、当業者の、本発明の技術的解決策に対するいろんな変形及び改良は、何れも本発明の請求項によって決定された保護範囲内に該当すべきである。
【符号の説明】
【0043】
1 台座、
2 Y方向軸、
3 Y軸ロータ、
4 第1X方向軸、
5 第1X軸ロータ、
6 第2X方向軸、
7 第2X軸ロータ、
8 ベース、
9 ガントリービーム、
10 紫外線レーザー装置、
11 紫外線光学システム、
12 二酸化炭素レーザー装置、
13 二酸化炭素光学システム、
14 負圧吸盤、
15 レーザーパワープローブ、
16 Z軸フォーカス調整装置、
17 CCD測位ユニット、
18 ハウジング、
19 ハニカム板、
20 回路基板
図1
図2
図3
図4
図5