(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電子メール処理システム、電子メール処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/107 20230101AFI20240201BHJP
【FI】
G06Q10/107
(21)【出願番号】P 2022107514
(22)【出願日】2022-07-04
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】外山 水葵
(72)【発明者】
【氏名】富樫 薫子
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-175430(JP,A)
【文献】特開平03-232028(JP,A)
【文献】特開平08-115199(JP,A)
【文献】特表2021-503142(JP,A)
【文献】特開2014-106775(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0312729(US,A1)
【文献】特開2012-252596(JP,A)
【文献】特開2020-004220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子メールを受信する受信部と、
前記受信部が受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、前記電子メールを分類する分類部と、
前記分類した電子メールをグループ化して、前記グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる制御部と、を備え、
前記制御部は、前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを前記フォルダに格納した態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記分類部は、前記電子メールの送信元のメールアドレスと、前記電子メールが正規の送信者から送信された電子メールであるか否かの認証結果とに基づいて、前記電子メールをグループ化する、
電子メール処理システム。
【請求項2】
前記分類部は、
前記電子メールの送信元が第1のメールアドレスであり、且つ前記認証結果が肯定的であった電子メールを、第1グループに分類し、
前記電子メールの送信元が第1のメールアドレスであり、且つ前記認証結果が否定的であった電子メールを、第2グループに分類する、
請求項1に記載の電子メール処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを前記フォルダに格納した態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記第1グループのフォルダに対して前記メールアドレスの送信元の機関の正規の第1の特徴情報を対応付け、
前記第2グループのフォルダに対して前記メールアドレスの送信元の機関の正規の第1の特徴情報とは異なる第2の特徴情報を対応付ける、
請求項2に記載の電子メール処理システム。
【請求項4】
前記制御部は、
記憶装置に前記機関の正規の第1の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第1の規定情報が記憶されている場合、前記第1グループのフォルダに対して前記メールアドレスに対応する機関の正規の第1の特徴情報を対応付け、
記憶装置に前記機関の正規の第1の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第1の規定情報が記憶されていない場合、前記第1グループのフォルダに対して前記第1の特徴情報に代えて、記憶装置に記憶された前記機関の第3の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第3の規定情報を参照して、前記第1グループのフォルダに対して前記第3の規定情報を対応付け、
前記第3の特徴情報は、前記機関を表す色彩を示す情報である、
請求項3に記載の電子メール処理システム。
【請求項5】
前記分類部は、前記電子メールの送信元のメールアドレスに基づいて、前記電子メールをグループ化する、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、所定のボタンを含み、且つ複数の電子メールの一つ一つが前記表示部において基準方向に整列した態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記分類部は、前記所定のボタンが操作された場合、前記整列した前記電子メールを自動で分類し、
前記制御部は、前記分類された電子メールをグループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを格納し、前記電子メールの送信元を示すアイコンを含む態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記アイコンは、オブジェクトが重なった態様のアイコンである、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記フォルダに含まれる前記電子メールの数または未読の電子メールの数に基づいて前記オブジェクトの重なり度合を変更する、
請求項7に記載の電子メール処理システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを格納し、前記電子メールの送信元を示すアイコンを含む態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記アイコンの大きさ、色、または形は、前記フォルダに含まれる電子メールの数に基づいて決定される、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを格納し、前記電子メールの送信元を示すアイコンを含む態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
前記アイコンの大きさ、色、または形は、前記フォルダに含まれる未読の電子メールの数に基づいて決定される、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを格納し、前記電子メールの送信元を示すアイコンを含む態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させ、
未読の電子メールを含む前記フォルダに含まれるアイコンと、未読の電子メールを含まない前記フォルダに含まれるアイコンとを区別可能に前記表示部に表示させる、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の電子メール処理システム。
【請求項12】
一以上のコンピュータが、
電子メールを受信する処理と、
受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、前記電子メールを分類する処理と、
前記分類した電子メールをグループ化して、前記グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる処理と、
前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを前記フォルダに格納した態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記電子メールの送信元のメールアドレスと、前記電子メールが正規の送信者から送信された電子メールであるか否かの認証結果とに基づいて、前記電子メールをグループ化する処理と、を実行する、
電子メール処理方法。
【請求項13】
一以上のコンピュータに、
電子メールを受信する処理と、
受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、前記電子メールを分類する処理と、
前記分類した電子メールをグループ化して、前記グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる処理と、
前記グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを前記フォルダに格納した態様のインターフェース画面を前記表示部に表示させる処理と、
前記電子メールの送信元のメールアドレスと、前記電子メールが正規の送信者から送信された電子メールであるか否かの認証結果とに基づいて、前記電子メールをグループ化する処理と、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メール処理システム、電子メール処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メッセージの本文中のコンテンツへのアクセス先のアドレス情報を用いて、メッセージをグループ化する画像処理装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザが容易に電子メールを整理することができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情が考慮されたものであり、ユーザが容易に電子メールを整理することを支援する電子メール処理システム、電子メール処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、電子メールを受信する受信部と、前記受信部が受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、前記電子メールを分類する分類部と、前記分類した電子メールをグループ化して、前記グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる制御部とを備える電子メール処理システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザが容易に電子メールを整理することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子メール処理システム1の機能構成の一例を示す図である。
【
図2】端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM1の一例を示す図である。
【
図3】アイコンの付与ルールの一例について説明するための図である。
【
図4】アイコン情報62の内容の一例を示す図である。
【
図5】ボタンB1が操作される前の端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM3の一例を示す図である。
【
図6】電子メール処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図7】制御部12が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の電子メール処理システム、電子メール処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
本実施形態の一態様の電子メール処理システムは、電子メールを受信する受信部と、前記受信部が受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、前記電子メールを分類する分類部と、前記分類した電子メールをグループ化して、前記グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させる制御部とを備える電子メール処理システムである。
【0011】
上記の受信部、分類部、および制御部の機能の一部は、同一の装置に搭載されていてもよいし、一部が異なる装置に搭載されていてもよい。また、受信部、分類部、および制御部の機能の一部は、端末装置の制御装置が記憶装置に記憶されたアプロケーションプログラムを実行することで実現されてもよい。
【0012】
送信元の情報とは、例えば、メールアドレスである。送信元の情報は、メールアドレスに代えて(または加えて)、送信元を特定可能な他の情報であってもよい。他の情報とは、例えば、メールの本文の情報や、メールに付随する送信元を推定するための情報等である。分類部は、複数の送信元の情報を統合して、送信元を特定してもよい。更に、分類部は、送信元とは異なる情報を更に加味して、電子メールをグループ化してもよい。送信元とは異なる情報とは、メール本文や、メールタイトルなどである。例えば、送信元が同じ電子メールについて、メール本文や、メールタイトルなどに共通性がある電子メールが同じグループに更に細分化されてもよい。
【0013】
「グループ化した態様」とは、利用者がグループ化されていることを認識可能な態様であればよく、例えば、所定の領域にグループの電子メールがまとめられているような態様や、自動で生成されたフォルダにグループの電子メールが格納されているような態様(対応付けられているような態様)などである。
【0014】
電子メール処理システム1は、例えば、プロモーションを目的として電子メールと、その他の電子メールとを異なるフォルダに自動で分けて分類する。本実施形態では、電子メール処理システム1は、分類されたプロモーションのメールを更に細分化して分類する。なお、その他の電子メールに対しても本実施形態が適用され、その他の電子メールが更に細分化されてもよい。
【0015】
[電子メール処理システム]
図1は、電子メール処理システム1の機能構成の一例を示す図である。電子メール処理システム1は、例えば、一以上のユーザの端末装置10と、一以上のメールサーバ50とを備える。端末装置10と、メールサーバ50とはネットワークを介して互いに通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、セルラー網などを含む。
【0016】
[端末装置]
端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどの通信機能等を有するコンピュータ装置である。端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサにより記憶部20に記憶されたメールアプリケーションプログラム(メールアプリ22)が実行されることで各種処理を実行する。制御部12と、制御部12に含まれる連携部14、分類部16、および処理部18(「制御部」の一例)とは、ハードウェアプロセッサがメールアプリ22を実行することにより実現される。メールアプリ22は、電子メールを送受信したり、管理したりするためのアプリケーションプログラムである。
【0017】
連携部14は、メールサーバ50と連携する。連携部14は、例えば、メールサーバ50に送信する電子メールを送信したり、メールサーバ50からユーザ宛の電子メールを受信したりする。
【0018】
分類部16は、ユーザの操作に基づいて、電子メールを分類する。分類部16は、例えば、電子メールの送信元のメールアドレスと、電子メールが正規の送信者から送信された電子メールであるか否かの認証結果とに基づいて、電子メールをグループ化する。なお、分類部16は、認証結果を加味せずに電子メールを分類してもよいし、送信元を加味せずに認証結果を用いて電子メールを分類してもよい。
【0019】
処理部18は、電子メールに処理に関する各種インターフェース画面を端末装置10の表示部に表示させる。処理部18は、グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置10の表示部に表示させる。分類部16および処理部18の処理の詳細については後述する。
【0020】
[メールサーバ]
メールサーバ50は、例えば、送受信部52と、認証処理部54と、特定処理部56と、情報提供部58と、記憶部60とを備える。送受信部52と、認証処理部54と、特定処理部56と、情報提供部58とは、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0021】
記憶部60は、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SDカード、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、レジスタ等によって実現される。また、記憶部60の一部または全部は、NAS(Network Attached Storage)や外部ストレージサーバ装置等であってもよい。記憶部60には、例えば、アイコン情報62が記憶されている。この情報の詳細については後述する。
【0022】
送受信部52は、他のメールサーバから電子メールを受信したり、電子メールの送信先に応じた他のメールサーバに電子メールを送信したりする。
【0023】
認証処理部54は、電子メールの認証を行う。認証処理部54は、送信された電子メールが、正規の送信元から送信されたメールであるかを判定する。認証処理部54は、例えば、電子メールがなりすましメールであるか否かを認証する。認証処理部54は、例えば、SPF(Sender Policy Framework)やDKIM(Domainkeys Identified Mail)として知られる送信ドメイン認証を行うことで、電子メールがなりすましメールであるか、なりすましメールでないか、或いは、なりすましメールであるか否かが不明な電子メール(以下、Unknownと称する)であるかを判定する。
【0024】
特定処理部56は、電子メールの送信元や電子メール(または送信元)が所属するグループに応じたアイコン(例えばブランドアイコン)や色彩(例えばブランドカラー)を決定する。情報提供部58は、メールサーバ50における処理結果を端末装置10に提供する。情報提供部58は、例えば、特定処理部56の処理結果を端末装置10に送信する。これにより、端末装置10の処理部18は、電子メールのアイコンや色彩を特定することができる。
【0025】
[ユーザに提供されるインターフェース画面(1)]
図2は、端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM1の一例を示す図である。処理部18は、例えば、受信した1つ1つの電子メールを基準方向に整列させた(並べた)インターフェース画面IM1を表示部に表示させる。インターフェース画面IM1は、ボタンB1を含み電子メールのそれぞれにアイコンICpが対応付けられた画面である。このアイコンICpのそれぞれは、同じアイコンであってもよいし、後述するように電子メールごとに異なるアイコン(ブランドアイコン、ブランドカラーのアイコンなど)であってもよい(
図5参照)。
【0026】
処理部18は、ボタンB1がユーザにより操作された場合、インターフェース画面IM2(「グループ化した態様のインターフェース画面」の一例)を表示部に表示させる。インターフェース画面IM2は、電子メールがグループごとにまとめられた態様で表示された画面である。電子メールがグループごとにまとめられた態様とは、処理部18が、グループごとのフォルダ(フォルダ領域)を生成し、生成したフォルダに対応するグループの電子メールを格納した態様(対応付ける態様)である。例えば、処理部18が、グループ化された電子メールごとのフォルダを自動で生成して、生成したフォルダに対応するグループの電子メールをフォルダに格納した態様のインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0027】
グループは、分類部16が、メールアドレスとドメイン認証の結果とに基づいて、電子メールをグループ化したグループである。分類部16は、電子メールの送信元が第1のメールアドレスであり、且つ認証結果が肯定的であった電子メールを、第1グループに分類し、電子メールの送信元が第1のメールアドレスであり、且つ認証結果が否定的であった電子メールを、第2グループに分類する。このように、送信元が同じであっても、認証結果によって、電子メールは異なるグループに分類される。例えば、フォルダF1には、電子メールアドレス「bbb@bbb」且つドメイン認証が肯定的であった電子メールが格納される。例えば、フォルダF2には、電子メールアドレス「bbb@bbb」且つドメイン認証が否定的であった電子メールが格納される。グループに含まれる電子メールが一つである場合、フォルダには、一つの電子メールのみが格納される。
【0028】
フォルダには、例えば、後述するアイコンと、メールの件名と、送信元のメールアドレスとが対応付けられている。フォルダのメールの件名を表示する表示領域には、最新の電子メールの件名が優先的に表示される。表示領域に表示される文字等の数は規定数であり、表示領域に入りきらない件名の文字がある場合は、そのことを示す特定情報(例えば、図中、「他」)が表示される。例えば、最新の電子メールの件名の文字数が規定数を超える場合や、複数の電子メールがフォルダにあり2件目の電子メールの件目が表示領域に表示できない場合、特定情報が表示される。
【0029】
フォルダに格納された電子メールにおいて未読の電子メールが含まれている場合、未読の電子メールが含まれていることを示す情報(例えば図中、m)が、フォルダに対応付けられ、更にメールの件名が未読の電子メールを含まないフォルダとは異なる態様(例えば太字)で表現されている。上記の態様に代えて、未読の電子メールを含むフォルダと、未読の電子メールを含まないフォルダとが、ユーザにとって区別可能な態様で表示されればよい。
【0030】
例えば、所定のフォルダが操作(例えばタップ操作やクリック操作など)されると、フォルダに含まれる電子メールの一覧が並べられたインターフェース画面が表示される。例えば、インターフェース画面IM1のような態様で、フォルダの電子メールが基準方向に並べられた態様のインターフェース画面が表示される。
【0031】
[アイコンに関する説明]
フォルダには、グループに応じたアイコンが対応付けられる。処理部18が、メールサーバ50が特定したアイコンや色彩の情報を取得して取得した情報に基づいてフォルダにアイコンまたは色彩を付与する(対応付ける)。
【0032】
アイコンは、例えば、所定の記号、マーク、図形などのオブジェクトが重なり電子メールがグループ化されていることをユーザに認識させるようなアイコンである。アイコンIC1-1は、電子メールアドレス「aaa@aaa」の送信元の機関を示す第1種別のアイコンである。アイコンIC2-1は、電子メールアドレス「bbb@bbb」の送信元の機関を示す第1種別のアイコンである。アイコンIC2-2は、電子メールアドレス「bbb@bbb」の送信元の機関を示す第2種別のアイコンである。フォルダF1には、送信元の電子メールアドレスが「bbb@bbb」であって、ドメイン認証が肯定的である電子メールが格納され、フォルダF2には、送信元の電子メールアドレスが「bbb@bbb」であって、ドメイン認証が否定的である電子メールが格納されている。
【0033】
第1種別のアイコン(「第1の特徴情報」の一例)は、例えば、送信元の機関の正規のアイコンである。第1種別のアイコンは、例えば、当該機関がブランドを示すアイコンとして利用しているアイコン(ブランドアイコン)である。第1種別のアイコンは、例えば、メールサーバ50またはメールアプリ22の管理者が、当該機関から利用の許可を得ているアイコンである。第2種別のアイコン(「第2の特徴情報」の一例)は、送信元の機関を示すが、非正規のアイコンである。
【0034】
例えば、ユーザは、第1種別のアイコンが対応付けられたフォルダには、ドメイン認証が肯定的である電子メールが格納され、第2種別のアイコンが対応付けられたフォルダには、ドメイン認証が否定的である電子メールが格納されていることを容易に認識することができる。また、例えば、ユーザは、第1種別のアイコンが対応付けられたフォルダには、アイコンに対応する機関から送信された電子メールが格納され、第2種別のアイコンが対応付けられたフォルダにはアイコンに対応する機関から送信されたかが疑わしい電子メールが格納されていることを容易に認識することができる。
【0035】
アイコンIC3-1は、電子メールアドレス「ccc@ccc」の送信元の機関を象徴する色彩が対応付けられたアイコンである。例えば、メールサーバ50が、ドメイン認証が肯定的であり、第1種別のアイコンを認識していない、または第1種別のアイコンの利用の許可が得られていない機関が送信元である場合、当該送信元の電子メールを格納するフォルダに対して、当該機関の色彩が対応付けられる。色彩は、機関または機関のブランドを象徴する色彩(ブランドカラー)である。
【0036】
アイコンIC4は、ドメイン認証が肯定的であり、第1種別のアイコンを認識していない、または利用の許可がされていなく、且つ機関の色彩が認識されていない機関が送信元であるアイコンである。なお、アイコンIC4が対応付けられたドメイン認証が否定的な電子メールが含まれるフォルダに対しては、アイコンIC4とは異なるアイコンが対応付けられてもよい。
【0037】
[アイコンに関する説明のまとめ]
図3は、アイコンの付与ルールの一例について説明するための図である。
(1)ドメイン認証が肯定的である電子メールのグループであって、メールアドレスに対応するブランドアイコンが利用可能な場合は、ブランドアイコンが付与される。
(2)ドメイン認証が否定的である電子メールのグループに対してはメールアドレスに対応する所定のアイコンが付与される。
(3)ドメイン認証が肯定的である電子メールのグループであって、メールアドレスに対応するブランドアイコンが利用可能でなく、ブランドカラーが利用可能である場合、ブランドカラーが付与される。
(4)ドメイン認証が肯定的である電子メールのグループであって、メールアドレスに対応するブランドアイコンおよびブランドカラーが利用可能でない場合、所定のアイコンが付与される。
【0038】
特定処理部56は、上記のルールに基づいて、フォルダに対応付ける(付与する)アイコンを特定する。特定処理部56は、アイコン情報62を参照して、ブランドアイコンまたはブランドカラーを特定する。
【0039】
図4は、アイコン情報62の内容の一例を示す図である。アイコン情報62は、例えば、認証の結果と、送信元のメールアドレス(または送信元を示す情報)と、ブランドアイコン、ブランドカラーとが対応付けられた情報である。なお、アイコン情報62には、上記に加え(または代えて)、認証結果と送信元とに対応する予め定められたアイコンや色彩が付与されていてもよい。アイコン情報62において、ブランドアイコンが利用可能である場合は、対応する送信元のメールアドレスにブランドアイコンが対応付けられ、ブランドアイコンが利用可能でなく、ブランドカラーが利用可能である場合は、対応する送信元のメールアドレスにブランドカラーが対応付けられている(「記憶装置に前記機関の正規の第1の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第1の規定情報が記憶されている場合、前記第1グループのフォルダに対して前記メールアドレスに対応する機関の正規の第1の特徴情報を対応付け、記憶装置に前記機関の正規の第1の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第1の規定情報が記憶されていない場合、前記第1グループのフォルダに対して前記第1の特徴情報に代えて、記憶装置に記憶された前記機関の第3の特徴情報と前記メールアドレスとの対応関係が規定された第3の規定情報を参照して、前記第1グループのフォルダに対して前記第3の規定情報を対応付ける」)
【0040】
特定処理部56は、アイコン情報62を参照して、フォルダに付与するアイコンまたはアイコンのカラーを特定する。処理部18は、特定処理部56の特定結果を取得して、取得した特定結果に基づいて、アイコンまたはアイコンのカラーをフォルダに付与したインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0041】
なお、上記のアイコンは、サービスごとに異なっていてもよい。例えば、A社のサービスAが送信元の電子メールのフォルダと、A社のサービスBが送信元の電子メールのフォルダとに分けられ、両方のフォルダにA社のブランドアイコンが付与されてもよいし、サービスごとに異なるアイコンが付与されてもよい。例えば、サービスAのフォルダには、サービスAのショッピングサービスのアイコンが付与され、サービスBのフォルダには、サービスBのオークションサービスのアイコンが付与されてもよい。例えば、アイコン情報62には、送信元のメールアドレス(送信元のサービス)と、サービスに対応するアイコンが対応付けられている。特定処理部56は、このアイコン情報62を参照して、サービスに対応するアイコンを特定する。この場合において、サービスに対応するアイコンが利用できない場合、サービスに対応する色彩が特定され、特定された色彩がアイコンに対応付けられてもよい。
【0042】
[ユーザに提供されるインターフェース画面(2)]
上述したインターフェース画面では、ボタンB1が操作された場合に、送信元のメールアドレスおよびドメイン認証の認証結果に基づいてアイコンが特定されるものとして説明したが、これに代えて、ボタンB1が操作される前のグループ化される前の電子メールに対してアイコンが対応付けられてもよい。
【0043】
図5は、ボタンB1が操作される前の端末装置10の表示部に表示されるインターフェース画面IM3の一例を示す図である。処理部18は、例えば、受信した電子メールを並べたインターフェース画面IM3を表示部に表示させる。このとき各電子メールに対して、上述したルールを適用して特定されたアイコンが対応付けられる。このときのアイコンは、例えば、所定の記号、マーク、図形などが重なっていない態様のアイコンである。
【0044】
アイコンIC1-1#は、電子メールアドレス「aaa@aaa」の送信元のブランドアイコンである。アイコンIC2-1#は、電子メールアドレス「bbb@bbb」の送信元のブランドアイコンである。アイコンIC2-2#は、電子メールアドレス「bbb@bbb」の送信元のブランドアイコンとは異なるアイコンである。上記と同様に、アイコンIC3-2#は、アイコンIC3-2に対応するアイコンであり、アイコンIC4#は、アイコンIC4に対応するアイコンである。ボタンB1が操作されると、インターフェース画面IM4(インタフェース画面IM2と同様の画面)が表示される。
【0045】
[ここまでのまとめ]
ユーザは、上述したように送信元およびドメイン認証の結果に基づいて、電子メールを簡易にグループ化することができる。これにより、ユーザは電子メールを簡単に整理することができる。また、ユーザは、フォルダに対する操作を行うことで不要な電子メールを一括で削除したり、他の領域に移動させたりすることができる。また、ユーザは、フォルダに含まれる電子メールの送信元および信頼性を、アイコンを参照することで容易に判断することができるため、ユーザの利便性が向上する。更に、ユーザは、フォルダに未読の電子メールが含まれているかを容易に認識することができるため、更にユーザの利便性が向上する。
【0046】
[シーケンス図]
図6は、電子メール処理システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、メールサーバ50の送受信部52が、電子メールを受信する(S10)。次に、認証処理部54が、ドメイン認証を行う(S12)。次に、特定処理部56が、ドメイン認証の結果と、電子メールの送信元とに基づいて、アイコン(または色彩)を特定する(S14)。S14の処理は、制御部12が実行してもよい。この場合、アイコン情報62が端末装置10の記憶部20に記憶されている。また、制御部12が、メールサーバ50に、メールアドレスに対応するアイコンの情報をメールサーバ50に問い合わせ、問い合わせをメールサーバ50から取得することでアイコンを特定してもよい。
【0047】
次に、情報提供部58は、電子メールおよび特定したアイコン(または色彩)の情報をメールアプリ22に送信する(S16)。次に、端末装置10の連携部14が、電子メールおよびアイコンの情報を受信する(S18)。次に、端末装置10の制御部12が、ユーザの操作に基づいて、インターフェース画面を表示部に表示させる(S20)。
【0048】
[フローチャート]
図7は、制御部12が実行する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ユーザがインターフェース画面のボタンB1を操作した場合(S50)、分類部16が、送信元のアドレスおよび認証結果に基づいて、電子メールをグループ化する(S52)。次に、処理部18は、フォルダを作成して、作成したフォルダにグループ化した電子メールを対応付ける(S54)。次に、処理部18は、フォルダにアイコンを対応付け(S56)、更に、フォルダに含まれる電子メールの未読の有無に基づいてフォルダの表示態様を決定する(S58)。そして、処理部18は、上記の処理に基づいて生成したインターフェース画面を表示部に表示させる(S60)。これにより、本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0049】
上記のように、電子メール処理システム1は、電子メールをフォルダにまとめ、更に送信元のアドレスおよび認証結果に応じたアイコンをフォルダに対応付ける。これにより、ユーザは、容易に電子メールを整理したり、フォルダに含まれる電子メールの特性を認識したりすることができ、ユーザの利便性が向上する。
【0050】
[変形例1]
フォルダに対応付けられるアイコンのオブジェクトの重なり度合は、フォルダに対応付けられる電子メールの数に応じて変更されてもよい。
図8は、変形例1について説明するための図である。例えば、電子メールの数が多いほど、オブジェクトの重なり度合が大きく、電子メールの数が少ないほど、オブジェクトの重なり度合が小さくてもよい。電子メールの数が第1の範囲の数である場合、オブジェクトは第1の重なり度合であり、電子メールの数が第2の範囲の数(第1の範囲の数よりも多い数の範囲)である場合、オブジェクトは第2の重なり度合であってもよい。上記のように二段階でなく、多段階でオブジェクトの重なり度合が変更されてもよい。
【0051】
上記のようにオブジェトの重なり度合が変更されることで、ユーザは直感的にフォルダに対応付けられている電子メールの数を認識することができる。
【0052】
[変形例2]
フォルダに対応付けられるアイコンのオブジェクトの大きさは、フォルダに対応付けられる電子メールの数に応じて変更されてもよい。
図9は、変形例2について説明するための図である。例えば、電子メールの数が多いほど、オブジェクトの大きさが大きく、電子メールの数が少ないほど、オブジェクトの大きさが小さくてもよい。変形例1の趣旨と同様に、二段階や多段階でオブジェクトの大きさが変更されてもよい。
【0053】
上記のようにオブジェトの大きさが変更されることで、ユーザは直感的にフォルダに対応付けられている電子メールの数を認識することができる。
【0054】
[変形例3]
変形例1と変形例2とは組み合わされて実施されてもよい。オブジェクトの重なり度合と大きさとが数に基づいて変更されてもよい。例えば、フォルダに対応付けられる電子メールの数に基づいてオブジェクトの重なり度合と大きさとの両方が変更されてもよい。例えば、所定の数までは重なり度合が大きくなり、それ以降は大きさが大きくなるように変更されてもよいし、これとは反対に、所定の数までは大きさが大きくなり、それ以降は重なり度合が大きくなるように変更されてもよい。
【0055】
上記のようにオブジェトのアイコンが変更されることで、ユーザは直感的にフォルダに対応付けられている電子メールの数を認識することができる。また、オブジェクトの大きさおよび重なり度合を過度に大きくすることなく、電子メールの数を示すことができる。
【0056】
[変形例4]
上記では、電子メールの数に基づいてアイコンの重なり度合または大きさが変更されるものとして説明したが、これに代えて(または加えて)、未読の電子メールの数に基づいてオブジェクトの重なり度合または大きさが変更されてもよい。これにより、ユーザは、未読の電子メールの数を直感的に認識することができる。
【0057】
また、未読の電子メールを含むフォルダに含まれるアイコンと、未読の電子メールを含まないフォルダに含まれるアイコンとが区別可能にされてもよい。例えば、未読の電子メールを含むフォルダに含まれるアイコンは、第1色彩や第1形状、第1大きさであり、未読の電子メールを含まないフォルダに含まれるアイコンは、第2色彩や第2形状、第2大きさであってもよい。
【0058】
なお、重なり度合に代えて、アイコンの色や形状が、電子メールの数または未読の電子メールの数に基づいて決定されてもよい。例えば、数が多いほど、色が濃くなったり、形状が目立つような形状に決定されたりしてもよい。また、上記の態様は、既読の電子メールの数に基づいて決定されてもよい。
【0059】
[その他]
上述した実施形態では、メールアプリ22(制御部12)が電子メールをグループ化したり、インターフェース画面を生成したりしたが、これに代えて(加えて)、メールサーバ50が、これらの処理を実行してもよい。また、メールアプリ22(制御部12)が、メールサーバ50が実行する処理(認証処理部54が実行する処理、特定処理部56が実行する処理)を行ってもよい。上述した実施形態における処理は、端末装置10、不図示の他のサーバ装置、メールサーバ50のいずれで行われてもよい。また、上記のようにメールソフトウェアを利用した実施形態に代えて(加えて)、ウェブメールにおいて本実施形態の処理が実施されてもよい。この場合、例えば、ウェブメールのサービスを提供するサーバ装置が、上述した各種処理を実行して、グループ化した電子メールが対応付けられたフォルダを含むコンテンツをユーザの端末装置10に提供する。
【0060】
以上説明した実施形態によれば、電子メール処理システムが、電子メールを受信し、受信した電子メールの送信元の情報に基づいて、電子メールを分類し、分類した電子メールをグループ化して、グループ化した態様のインターフェース画面を利用者の端末装置の表示部に表示させることにより、ユーザが容易に電子メールを整理することを支援することができる。
【0061】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 電子メール処理システム
10 端末装置
12 制御部
14 連携部
16 分類部
18 処理部
20 記憶部
22 メールアプリ
50 メールサーバ
52 送受信部
54 認証処理部
56 特定処理部
58 情報提供部
60 記憶部
62 アイコン情報