(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電気機器の稼働状態を識別する方法、及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/34 20060101AFI20240201BHJP
G06F 11/30 20060101ALI20240201BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240201BHJP
G06F 18/213 20230101ALI20240201BHJP
G06F 123/02 20230101ALN20240201BHJP
【FI】
G06F11/34 147
G06F11/30 162
G06F11/30 140A
G06N20/00
G06F18/213
G06F123:02
(21)【出願番号】P 2022161880
(22)【出願日】2022-10-06
【審査請求日】2022-10-06
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】599060434
【氏名又は名称】財團法人資訊工業策進會
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】曾 廣平
(72)【発明者】
【氏名】何 文▲ジェン▼
(72)【発明者】
【氏名】洪 永杰
(72)【発明者】
【氏名】▲蒋▼ 貴君
【審査官】牛丸 太希
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-185059(JP,A)
【文献】国際公開第2019/116960(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/30-11/36
G06F 18/00-18/40
G06F 123/00ー123/02
G06N 3/00-20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データベースと、メモリ、及び前記メモリから複数の命令を取得して実行する処理回路を含んで、前記データベースに接続されるサーバと、を備えるシステムに適用されると共に、前記処理回路によって実行される、電気機器の稼働状態を識別する方法であって、
前記電気機器の稼働状態を識別する方法は、
対象領域の総電力消費履歴データと、前記対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データとを取得する、データ読み取りプロセスであって、前記総電力消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた前記対象領域における複数の総電力消費量値を含み、かつ、前記対象領域における複数の前記対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、各前記対象電気機器について、第1のサンプリング周波数に従って前記電力メーターによって得られた前記対象電気機器の複数の電力消費量値であり、前記第1のサンプリング周波数は、標準サンプリング周波数以下であるデータ読み取りプロセスと、
前記対象領域における複数の前記対象電気機器のそれぞれの前記電力消費履歴データを、対応する前記対象電気機器の稼働状態をオンまたはオフとして記述する二値データセットに変換するタグ付けプロセスと、
前記総電力消費履歴データを複数のクラスタサンプルにグループ化し、前記複数のクラスタサンプルを分析して、対応的に複数の第1の特徴データセットを得る特徴抽出プロセスであって、各前記クラスタサンプルは前記複数の総電力消費量値のサブセットを含み、かつ、各前記第1の特徴データセットは複数の統計的特徴値を含む特徴抽出プロセスと、
前記統計的特徴値をフィルタリングして、前記第1の特徴データセットを複数の第2の特徴データセットに次元削減させて、各対象電気機器の前記第2の特徴データセットと前記二値データセットを学習データとして用いて機械学習モデルを学習させ、前記複数の対象電気機器の稼働識別モデルを構築する特徴値フィルタリングプロセスと、
前記稼働識別モデルを用いて、前記対象領域の各対象電気機器の稼働状態を識別するプロセスと、
を含む、ことを特徴とする、電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項2】
各前記対象電気機器について、対応的な二値データセットが、前記対象電気機器の電力消費量値に対応する複数のデータ要素を備え、各該データ要素が第1の値または第2の値であり、前記第1の値および前記第2の値が、前記対象電気機器の稼働状態がオンであるか或いはオフであるかを示すために使用される、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項3】
前記総電力消費履歴データおよび前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、電力メーターによって収集されてデータベースに格納されており、前記データ読み取りプロセスにおいて、前記サーバの前記処理回路が、前記総電力消費履歴データおよび前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを前記データベースから読み出す、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項4】
前記タグ付けプロセスの前に、前記総電力消費履歴データと前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データにおける数値以外の前記電力消費量値を置換するデータ前処理プロセスをさらに含む、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項5】
前記データ前処理プロセスはさらに、前記総電力消費履歴データと前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを、前記第1のサンプリング周波数より小さい第2のサンプリング周波数でリサンプリングして、前記総電力消費量値と前記複数の対象電気機器のそれぞれの消費電力量値を更新する、請求項4に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項6】
前記総電力消費量値のそれぞれは、
複数のサンプリング時間に対応し、前記特徴抽出プロセスは、前記複数のサンプリング時間、および単位時間に基づいて、前記総電力消費履歴データを前記複数の
クラスタサンプルにグループ化することを含む、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項7】
前記単位時間は1時間であり、前記複数のクラスタサンプルの分析は、前記複数のクラスタサンプルのそれぞれにおける総電力消費量値に対し、統計的な計算または信号処理によって、前記第1の特徴データセットにおける前記統計的特徴値をそれぞれ取得する、請求項6に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項8】
前記特徴
値フィルタリングプロセスは、ラッソ(Lasso)アルゴリズムを使用して統計的特徴
値をフィルタリングし、前記第1の特
徴データセットから前記第2の特
徴データセットに次元削減させることを含む、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項9】
前記機械学習モデルは、リミットツリーモデルである、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項10】
前記稼働識別モデルを使用して、前記対象領域の各対象電気機器の稼働状態を識別するプロセスの前に、
前記稼働識別モデルの平均認識精度を得て、前記平均認識精度が精度基準を満たすか否かを判断する検証プロセスをさらに実行し、
前記平均認識精度が前記精度基準を満たさないという判断に応答して、前記複数
の第1の特徴データセットを得るための特徴抽出プロセス手順に戻る、請求項1に記載の電気機器の稼働状態を識別する方法。
【請求項11】
データベース及びサーバを具備し、非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別するためのシステムであって、
前記データベースには、対象領域の総電力消費履歴データと、前記対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データが保存され、前記総電力消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた前記対象領域における複数の総電力消費量値を含み、前記対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、各前記対象電気機器について、前記第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた前記対象電気機器の複数の電力消費量値を含み、前記第1のサンプリング周波数は標準サンプリング周波数以下であり、
前記サーバは、複数の命令を格納するために使用されるメモリと、前記メモリに接続された処理回路とを含むと共に、データベースに接続されており、
前記処理回路は、前記メモリから複数の命令を取得して実行することによって、
データ読み取りプロセスを行い、前記対象領域の総電力消費履歴データと、前記対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データとを取得し、
タグ付けプロセスを行い、前記対象領域における複数の前記対象電気機器のそれぞれの前記電力消費履歴データを、対応する前記対象電気機器の稼働状態をオンまたはオフとして記述する二値データセットに変換し、
特徴抽出プロセスを行い、前記総電力消費履歴データを複数のクラスタサンプルにグループ化し、前記複数のクラスタサンプルを分析して、対応的に複数の第1の特徴データセットを得て、各前記クラスタサンプルは前記複数の総電力消費量値のサブセットを含み、かつ、各前記第1の特徴データセットは複数の統計的特徴値を含み、
特徴値フィルタリングプロセスを行い、前記統計的特徴値をフィルタリングして、前記第1の特徴データセットを複数の第2の特徴データセットに次元削減させて、各対象電気機器の前記第2の特徴データセットと前記二値データセットを学習データとして用いて機械学習モデルを学習させ、前記複数の対象電気機器の稼働識別モデルを構築し、
前記稼働識別モデルを用いて、前記対象領域の各対象電気機器の稼働状態を識別する、ことを特徴とする、電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項12】
各前記対象電気機器について、対応的な二値データセットが、前記対象電気機器の電力消費量値に対応する複数のデータ要素を備え、各該データ要素が第1の値または第2の値であり、前記第1の値および前記第2の値が、前記対象電気機器の稼働状態がオンであるか或いはオフであるかを示すために使用される、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項13】
前記総電力消費履歴データおよび前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、電力メーターによって収集されてデータベースに格納されており、前記データ読み取りプロセスにおいて、前記サーバの前記処理回路が、前記総電力消費履歴データおよび前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを前記データベースから読み出す、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項14】
前記タグ付けプロセスの前に、前記総電力消費履歴データと前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データにおける数値以外の前記電力消費量値を置換するデータ前処理プロセスをさらに含む、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項15】
前記データ前処理プロセスはさらに、前記総電力消費履歴データと前記複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを、前記第1のサンプリング周波数より小さい第2のサンプリング周波数でリサンプリングして、前記総電力消費量値と前記複数の対象電気機器のそれぞれの消費電力量値を更新する、請求項14に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項16】
前記総電力消費量値のそれぞれは、
複数のサンプリング時間に対応し、前記特徴抽出プロセスは、前記複数のサンプリング時間、および単位時間に基づいて、前記総電力消費履歴データを前記複数の
クラスタサンプルにグループ化することを含む、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項17】
前記単位時間は1時間であり、前記複数のクラスタサンプルの分析は、前記複数のクラスタサンプルのそれぞれにおける総電力消費量値に対し、統計的な計算または信号処理によって、前記第1の特徴データセットにおける前記統計的特徴値をそれぞれ取得する、請求項16に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項18】
前記特徴
値フィルタリングプロセスは、ラッソ(Lasso)アルゴリズムを使用して統計的特徴
値をフィルタリングし、前記第1の特
徴データセットから前記第2の特
徴データセットに次元削減させることを含む、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項19】
前記機械学習モデルは、リミットツリーモデルである、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【請求項20】
前記稼働識別モデルを使用して、前記対象領域の各対象電気機器の稼働状態を識別するプロセスの前に、
前記稼働識別モデルの平均認識精度を得て、前記平均認識精度が精度基準を満たすか否かを判断する検証プロセスをさらに実行し、
前記平均認識精度が前記精度基準を満たさないという判断に応答して、前記複数
の第1の特徴データセットを得るための特徴抽出プロセス手順に戻る、請求項11に記載の電気機器の稼働状態を識別するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の稼働状態を識別する方法およびシステムに関し、特に、非侵入型負荷監視(Non-Intrusive Load Monitoring,NILM)に基づく電気機器の稼働状態を識別する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
非侵入型負荷監視は、対象領域(例えば住宅)の総電力消費履歴データ(例えば一定期間に電力メーターが収集した複数の総電力消費量値を含む)を分析することにより、対象領域の各対象電気機器の稼働状態を識別することができる。しかし、非侵入型負荷監視に基づく家電製品の稼働状況を識別する従来の方法では、電力メーターが高周波サンプリングレート(通常1Hz以上)に基づいて対象領域の総消費電力を取得し、総電力消費履歴から対象電気機器ごとの電力消費特性を手動でマーキングする必要があり、非常に複雑である以上、ほとんどのスマートメーターは高周波サンプリングレートに基づいて電力消費量値を取得する機能を備えていないのが現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存技術の欠点を解決するために、本発明の実施形態は、非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明が提供する方法では、データベースとサーバを含むシステムに適用可能である。サーバは、データベースに接続され、メモリと、メモリから複数の命令を取得して実行する処理回路を含む。この方法は、処理回路によって実行され、以下のステップから構成される。データ読み取りプロセスを実行して、対象領域の総電力消費履歴データと、対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データとを取得し、総電力消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた対象領域の複数の総電力消費量値を含み、かつ、対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、それぞれの対象電気機器について、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた前記対象電気機器の複数の電力消費量値である。ここで、第1のサンプリング周波数は、標準サンプリング周波数以下である。対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを、対応する対象電気機器の稼働状態をオンまたはオフとして記述する二値データセットに変換するタグ付けプロセスを実行する。前記総電力消費履歴データを複数のクラスタサンプルにグループ化し、それらのクラスタサンプルを分析して対応する複数の第1の特徴データセットを得る特徴抽出プロセスを実行し、各クラスタサンプルはそれらの総電力消費量値のサブセットを含み、かつ、各第1の特徴データセットは複数の統計的特徴値を含む。特徴フィルタリングプロセスを実行することによって、統計的特徴値をフィルタリングして、第1の特徴データセットを複数の第2の特徴データセットに次元削減させて、各対象電気機器の第2の特徴データセットと二値データセットを学習データとして用いて機械学習モデルを学習させ、対象電気機器の稼働識別モデルを構築する。稼働識別モデルを用いて、対象領域の総消費電力データから各対象電気機器の稼働状態を識別する。
【0005】
さらに、本発明の実施形態では、非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別するためのシステムを提供する。本システムは、対象領域に設置された複数の対象電気機器に接続され、サーバ及びデータベースを含む。データベースには、対象領域の総電力消費履歴データと、対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データが保存される。総電力消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた対象領域の複数の総電力消費量値を含み、かつ、対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データは、それぞれの対象電気機器について、第1のサンプリング周波数に従って電力メーターによって得られた前記対象電気機器の複数の電力消費量値である。ここで、第1のサンプリング周波数は、標準サンプリング周波数以下である。サーバは、メモリと、メモリに接続された処理回路とを含み、サーバは、データベースに接続されている。メモリは、複数の命令を格納するために使用される。処理回路は、メモリからこれらの命令を取得して実行することで、データ読み取りプロセスを行い、総電力消費履歴データと対象電気機器ごとの電力消費履歴データを取得する。処理回路は、対象領域における複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データを、対応する対象電気機器の稼働状態をオンまたはオフとして記述する二値データセットに変換するタグ付けプロセスを行う。処理回路は、前記総電力消費履歴データを複数のクラスタサンプルにグループ化し、それらのクラスタサンプルを分析して対応する複数の第1の特徴データセットを得る特徴抽出プロセスを実行し、各クラスタサンプルはそれらの総電力消費量値のサブセットを含み、かつ、各第1の特徴データセットは複数の統計的特徴値を含む。処理回路は、特徴フィルタリングプロセスを実行することによって、統計的特徴値をフィルタリングして、第1の特徴データセットを複数の第2の特徴データセットに次元削減させて、各対象電気機器の第2の特徴データセットと二値データセットを学習データとして用いて機械学習モデルを学習させ、対象電気機器の稼働識別モデルを構築する。処理回路は、稼働識別モデルを用いて、対象領域の総消費電力データから各対象電気機器の稼働状態を識別する。
【0006】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】本発明に係る実施形態の非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別する方法を示すフローチャートである。
【
図1B】本発明に係る実施形態の非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別する方法を示すフローチャートである。
【
図2】本発明に係る実施形態の対象電気機器の電力消費履歴データが二値データセットへの変換された模式図を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る電気機器の稼働状態を識別するための非侵入型負荷監視に基づくシステムを示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
下記より、具体的な実施例で本発明に係る実施形態を説明する。当業者は本明細書の公開内容により本発明のメリット及び効果を理解し得る。本発明は他の異なる実施形態により実行又は応用できる。本明細書における各細節も様々な観点又は応用に基づいて、本発明の精神逸脱しない限りに、均等の変形と変更を行うことができる。また、本発明の図面は簡単で模式的に説明するためのものであり、実際的な寸法を示すものではない。以下の実施形態において、さらに本発明に係る技術事項を説明するが、公開された内容は本発明を限定するものではない。
【0009】
図1A及び1Bを参照すると、
図1A及び1Bは、本発明に係る実施形態の非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別する方法を示すフローチャートである。本実施形態では、特徴量エンジニアと機械学習を組み合わせることで、低周波サンプリングレートでの電気機器の稼働状態の識別を行うことに主眼を置いている。本実施形態の方法は、データベースやサーバを含むシステムに適用できる。サーバはデータベースに接続され、メモリと、メモリから複数の命令を取得してそれらの命令を実行する処理回路を含むように構成される。なお、本発明では、メモリと処理回路が具体的に実現される態様は制限されない。本実施形態の方法は、サーバの処理回路によって実行され、
図1Aおよび
図1Bのステップが含まれる。
【0010】
図1A及び
図1Bに示すように、ステップS110において、サーバの処理回路は、データ読み取りプロセスを実行して、対象領域(例えば住宅)の総電力消費履歴データと、対象領域の複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データとを取得する。総電力消費履歴は、第1のサンプリング周波数に基づいて電力メータ(例えば、スマートメータ)が取得した対象領域の複数の総電力消費を含む。各対象電気機器について対応する電力消費履歴(対象領域の複数の対象電気機器のそれぞれの電力消費履歴データ)は、第1のサンプリング周波数に基づき電力メーターが取得した対象電気機器の複数の消費電力を含む。
【0011】
以下の説明の便宜上、本実施形態における各総消費電力は、例えば、総消費電力ワット数であってもよく、各電気機器電力消費量値は、例えば、電気機器消費電力ワット数であってもよいが、本発明は、このように限定されるものではあるまい。また、標準サンプリング周波数(例えば1/60Hz)より大きいサンプリング周波数を高周波サンプリングレートとし、高周波サンプリングレートに基づいて電力メーターが取得した電力消費データを高周波電力消費データと定義してもよい。これに対し、標準サンプリング周波数以下のサンプリング周波数を低周波サンプリングレートとし、低周波サンプリングレートに基づいて電力メーターが取得した電力消費データを低周波電力消費データと定義してもよい。
【0012】
ほとんどのスマートメーターは、高周波サンプリングレートに基づいて電力消費量値を取得する機能を持たないため、本実施形態における第1のサンプリング周波数は、上述の標準サンプリング周波数以下とする。例えば、第1のサンプリング周波数は1/60Hz、すなわち1分である。そこで、本実施形態では、まず、1分間隔で対象領域の総消費電力ワット数および対象領域内の各対象電気機器の消費電力ワット数を取得し、一定期間に電力メーターが収集した複数の総消費電力ワット数を総電力消費履歴データとして、各対象電気機器の複数の消費電力ワット数を各対象電気機器の電力消費履歴データとして使用するように構成される。つまり、本実施形態の方法では、実際の住宅の低周波電力消費データを利用することが可能である。
【0013】
さらに、総電力消費履歴データおよび各対象電気機器の電力消費履歴データは、電力メーターによって収集されてデータベースに格納され、データ読み取りプロセスは、サーバの処理回路がデータベースから総電力消費履歴データおよび各対象家電の電力消費履歴データを読み出すことからなるようにしてもよい。次に、ステップS130において、サーバの処理回路は、各対象電気機器の電力消費履歴データを、対応する対象電気機器の動作状態をオンまたはオフと記述するための二値データセットに変換するタグ付けプロセスを実行する。各対象電気機器について、対応する二値データセットは、前記対象電気機器のそれぞれの電力消費に対応する複数のデータ要素を含み、各データ要素はそれぞれオンおよびオフとして前記ターゲット電気機器の動作状態を示すために使用される、第1の値または第2の値(例えば1および0)であってもよい。換言すれば、本実施形態では、対応する対象電気機器の動作状態をオンかオフかで直接表現するように、サーバの処理回路を用いて、電気消費履歴データの各電気消費量を2値化して分類することが可能である。
【0014】
具体的には、サーバの処理回路は、電気機器の電力消費量値に基づいて、対象電気機器がオンかオフかを判断することができる。例えば、対象電気機器の消費電力が0ワットより大きい場合、サーバの処理回路は、対象電気機器の動作状態がオンであると判断し、その二値データセット中の消費電力に対応するデータ要素を1に設定する。これに対し、上記対象電気機器の消費電力が0ワットである場合、サーバの処理回路は、上記対象電気機器の動作状態がオフであると判断し、その二値データセットにおける消費電力に対応するデータ要素を0に設定する。また、
図2は、対象電気機器の電力消費履歴データを変換するための二値データセットを提供する本発明の一実施形態の模式図である。
【0015】
各対象電気機器の電力消費履歴データにおける複数の電力消費量値はそれぞれ、複数のサンプリング瞬間のそれぞれに対応されていることを理解されたい。理解を容易にするために、
図2は、タグ付けプロセス後の上記対象電気製品のバイナリデータセットが矩形波形として描かれ得るように、対象電気機器の電力消費履歴データを時間対電力消費のワット数の波形として示している。次に、ステップS140において、サーバの処理回路は、総電力消費履歴データを複数のクラスタサンプルにグループ化する特徴抽出プロセスを実行し、これらのクラスタサンプルを解析して対応する複数の第1の特徴データセットを取得する。本実施形態では、各クラスタサンプルは、それらの総電力消費量値によるサブ集合を含み、すなわち、各クラスタサンプルは、総電力消費履歴データにおける一部の総電力消費量値を含み、各第1の特徴データセットは、複数の統計的特徴値を含む。
【0016】
なお、総電力消費履歴データにおけるそれらの総電力消費量値も、上記のサンプリング時間に対応していることに留意する必要がある。したがって、特徴抽出プロセスでは、上記サンプリング時間と単位時間に基づいて、総電力消費履歴データを上記複数のクラスタサンプルにグループ化することが可能である。本実施形態では、単位時間を1時間としてもよいが、本発明はこの例に限定されるものではない。すなわち、サーバの処理回路は、1時間ごとに電力メーターが収集した複数の総電力消費量値を1つのクラスタサンプルとするようにしてもよい。また、これらのクラスタサンプルの分析は、各クラスタサンプルの複数の総電力消費量値に対して、統計的な計算または信号処理を使用して、各第1の特性データセットにおける上記複数の統計的な特性値を得ることも含まれている。例えば、サーバの処理回路は、電力メーターが1時間に収集した60個の総電力消費量値をクラスタサンプルとして取り込んで、この60個の総消費電力に対して統計的な計算または信号処理によって、複数の統計的特性値を求めることができる。
【0017】
本実施形態における各第1の特徴データセットは、例えば、平均値、標準偏差、最大値、最小値、5%値、95%値、ルート平均、ピーク・トゥ・ピーク係数、ピーク係数、スキュー係数、ピーク係数、フォーム係数、周期係数などの13種類の統計的特徴値を含むことができるが、本発明はこのように限定されるものではない。統計的特徴値が多すぎる機械学習モデルの学習はオーバーフィッティング(Overfitting)になりやすいので、ステップS140の後のステップS150において、サーバの処理回路は、これらの統計的特徴値をフィルタリングして、前記複数の第1の特徴データセットを複数の第2の特徴データセットとなるように次元削減する特徴値フィルタリングプロセスを実行する。すなわち、サーバの処理回路は、あまりに多くの統計的特徴値で機械学習モデルを学習させることによるオーバーフィッティングを回避し、機械学習モデルの精度を向上させるために、第1の特徴データセットにおいてより重要な統計的特徴値を特定する特徴値フィルタリングプロセスを実行する。
【0018】
具体的には、サーバの処理回路は、Lasso(Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)アルゴリズムを使用して、統計的特徴値をフィルタリングする。すなわち、重要でない統計的特徴値をフィルタリングして、第1の特徴データセットを第2の特徴データセットに次元削減することが可能である。Lassoアルゴリズムは、L1正則化(L1-regularization)を用いた線形回帰手法であり、部分回帰で学習した特徴の重みが0になることで、スパース化と特徴選択の目的を達成することができる。特徴重みのスパース化により、最適解をより高速に計算できるようになり、重みを0にすることで特徴(変数)選択に利用できるようになる。したがって、LASSOアルゴリズムは、一般化線形モデルを適合させ、変数選択と正則化の両方を実行できることが特徴であり、なお、複雑さの調整としても知られている。例えば、サーバの処理回路は、LASSOアルゴリズムのL1正則化を用いて、総電力消費履歴データにおけるそれら第1の特徴データセットと、各対象電気機器の二値データセットに対して回帰学習を行い、重要でない統計的特徴値の重みをゼロに変更することが可能である。つまり、統計的特徴値の一部が重要でない場合、Lassoアルゴリズムはそれらを0にすることで罰を与え、サーバがそれらをフィルタリングできるようにし、残りの統計的特徴値は第2の特徴データセットに含まれるものであるようにする。
【0019】
本実施形態では、サーバの処理回路は、Lassoアルゴリズムを使用して、上述した13個の統計的特徴値を含む第1の特徴データセットのそれぞれを、10個の統計的特徴値のみを含む第2の特徴データセットに個別にダウンスケールしてもよいが、本発明はこのように限定されるものではない。次に、ステップS160において、サーバの処理回路は、これらの第2の特徴データセットと各対象電気機器の二値データセットとを学習データとして機械学習モデルを学習し、これらの対象電気機器の稼働状態識別用モデルを構築するモデル構築プロセスを実行する。具体的には、本実施形態では、学習結果のランダム性及び多様性を確保するために、機械学習モデルは、リミットツリーモデルであってもよい。リミットツリーモデルは、第2の特徴データセットにおける1以上の統計的特徴値、及び任意の対象電気機器の二値データセットを、それぞれランダムに選択し、対象電気機器のオン/オフ状態に対応する識別結果を生成する。識別結果の割合が予め定められた許容精度割合よりも大きい場合、サーバの処理回路は、これらの第2の特徴データセットと各対象電気機器の二値データセットとを用いて、それらの対象電気機器の稼働を認識するモデルを構築するモデル構築プロセスを実行する。
【0020】
例えば、処理回路は、サンプルとして同じ対象電気機器の二値データセットを選択し、ステップS150で取得した第2の特徴データセットの10個の統計的特徴値のうち少なくとも1個以上をランダムに入力する100個のリミット決定木でリミットツリーモデルを作成する。各グループのサンプルの最終的な解析出力は、100本の決定木の過半数に依存する(例えば、51本以上の木が対象電気機器をオフとみなす場合、そのサンプルの推論結果はオフとなる)。最後に、検証用データセット(対象電気機器の電力消費履歴データ)に基づき、学習済みリミットツリーモデルの精度を算出する。そして、デフォルトの許容精度割合が80%に設定され、リミットツリーモデルが80%以上の精度であれば、識別結果は許容可能であり、前記第2の特徴データセットと対象電気機器の二値データセットを用いて、それら対象電気機器の稼働識別モデルを構築する。
【0021】
最後に、ステップS180において、サーバの処理回路は、稼働識別モデルを用いて、対象領域の総電力消費履歴データに基づいて、各対象電気機器の稼働状態を特定してもよい。例えば、電力メーターがさらに一定期間に収集した複数の総消費電力ワット数を総電力消費履歴データとして稼働識別モデルに入力すると、稼働識別モデルは対象電気機器ごとの稼働状況を特定することができる。
【0022】
ただし、データ収集にはどうしても欠損値がある、すなわち、総電力消費履歴データおよび各対象電気機器の電力消費履歴データにNaN(Not a Number)値のある電力消費量値が存在し、機械学習モデルの学習に影響を与える可能性があるので、本実施形態の方法では、ステップS130に移行する前に、まずステップS120を行ってもよい。ステップS120において、サーバの処理回路は、総電気消費履歴データおよび各対象電気機器の電気消費履歴データに数値以外の電気消費量値を置換するように、データ前処理プロセスを実行する。
【0023】
さらに、ある日のある期間の対象領域の総電力消費量値がNaNである場合、サーバの処理回路は、当月の他の日の同じ時間帯の対象領域の総電力消費量値を参照してNaN値を置換してもよいが、本発明は、NaN値を置換する具体的実施方法を制限するものではない。また、サーバの処理回路は、機械学習モデルの学習に影響を与えないように、置換後にしてもNaN値のままである総電力消費量値を削除してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
しかし、対象電気機器の稼働識別モデルを構築するために、機械学習モデルの学習には大量の履歴データが必要であるが、履歴データの量が多すぎると学習負担が大きくなることがある。したがって、前処理プロセスは、総電力消費履歴データおよび各対象電気機器の電力消費履歴データを第1のサンプリング周波数よりも小さい第2のサンプリング周波数(例えば1/900Hz、すなわち15分)でリサンプリング(Resampling)して総電力消費量値および各対象電気機器の電力消費量値を更新することをさらに含んでもよい。つまり、リサンプリングの目的は、総電力消費量値と上記の対象電気機器の電力消費量値の件数を減らし、訓練の負担を軽減することにある。
【0025】
また、他の実施形態では、サーバの処理回路は、上記総電力消費量値及び上記各対象電気機器の電気消費量の件数を削減するために、各対象電気機器の総電力消費履歴データ及び電気消費履歴データを選別、フィルタリング及び/又はカットしてもよい。このように、上述した第2のサンプリング周波数によるリサンプリングは、履歴データの量の削減を実現するための1つの手段に過ぎないが、本発明はこれによって限定されるものではない。結論として、本実施形態の方法では、履歴データに欠損値がなく、履歴データの縮小が考慮されていないことを条件に、ステップS120を省略することが可能となる。
【0026】
また、稼働識別モデルの認識精度は、上述した統計的特徴値に影響されるので、稼働識別モデルの認識精度を向上させるために、本実施形態の方法では、ステップS180に移行する前に、ステップS170を行ってもよいことを理解されたい。ステップS170において、サーバの処理回路は、検証プロセスを実行して、稼働識別モデルの平均認識精度を求め、その平均認識精度が精度基準を満たすか否かを判定する。是の場合、現在構築されている稼働識別モデルは識別精度が良いので、ステップS180に移行し、稼働識別モデルを使用して、対象領域の総電力消費履歴データに基づいて対象電気機器の稼働状態を識別する。否の場合、現在構築されている稼働識別モデルの認識精度が良くないことを意味するので、ステップS140に戻る。
【0027】
すなわち、本実施形態では、稼働識別モデルの平均認識精度が精度基準を満たさないと判定されたことに応答して、上述のように第1の特徴データセットを得るための特徴抽出プロセスに戻る、すなわち稼働識別モデルを最適化するためのパラメータを動的に調整する効果を実現することができる。実際には、平均認識精度が精度基準に達しない場合、特徴値フィルタリングプロセスに戻れ、Lassoアルゴリズムのパラメータを調整することで、フィルタリングする統計的特徴値の数を減らしたり増やしたりして、サーバの処理回路を調整することも可能であり、動的にパラメータを調整して稼働識別モデルを最適化する効果も期待できる。また、本実施形態では、履歴データから検証データセットを形成し、その検証データセットを用いて、稼働識別モデルの平均認識精度を求めることができる。学習済み機械学習モデルに対する検証データセットの使用は、当業者によく知られた技術であるため、その詳細については繰り返さない。同様に、本実施形態の方法も、稼働識別モデルの最適化を考慮せずに、ステップS170を省略してもよい。
【0028】
一方、
図3を参照すると、非侵入型負荷監視に基づく電気機器の稼働状態を識別するシステムの機能ブロックの図が示されている。
図3に示すように、本実施形態のシステム1は、対象領域(図示せず)に設置された複数の対象電気機器21~24に接続され、データベース11とサーバ13を備えている。データベース11は、対象領域の総電力消費履歴データと、対象電気機器21~24のそれぞれの電力消費履歴データとを記憶するために使用される。以下の説明のために、
図3のシステム1は例として4つの対象電気機器に接続されているのを挙げたが、本発明はシステム1に接続できる対象電気機器の数を特に制限するものではないことに留意してほしい。また、システム1は、電力メーター31を介して対象電気機器21~24に接続してもよい。
【0029】
本実施形態では、総電力消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に応じて電力メーター31が取得した対象領域の総電力消費量値を複数含み、それに対応した電力消費履歴データは、対象電気機器ごとに、第1のサンプリング周波数に応じて電力メーター31が取得した上記対象電気機器の電力消費量値を複数含んでいる。例えば、対象電気機器21の電気消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に応じて電力メーター31が取得した対象電気機器21の複数の電気消費量を含み、類推されるように、対象電気機器24の電気消費履歴データは、第1のサンプリング周波数に応じて電力メーター31が取得した対象電気機器24の複数の電気消費量を含んでいる。上述したように、多くのスマートメーターは高周波サンプリングレートに基づいて電力使用量を取得する機能を持たないため、本実施例における第1のサンプリング周波数は上述した標準サンプリング周波数以下とする。
【0030】
さらに、電力メーター31によって総電力消費履歴データと対象電気機器ごとの電気消費履歴データを収集し、システム1のデータベース11に格納することができる。サーバ13は、データベース11に接続され、メモリ131と、メモリ131に接続された処理回路133とを含む。メモリ131および処理回路133は、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを備えたハードウェアによって実現されてもよいが、本発明は、メモリ131および処理回路133の具体的な構成を限定するものではない。メモリ131は、複数の命令を格納するために用いられる。処理回路133は、例えば、メモリ131からそれらの命令を取得し、それらの命令を実行して
図1Aおよび
図1Bのステップを実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサで構成されてもよい。すなわち、処理回路133は、非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別する前述の方法を実行するように構成されていてもよい。詳細はこれまでの実施例で説明した通りですので、ここでは繰り返さない。
【0031】
まとめると、本発明は異なる電気機器の稼働状体を分析するために使用できるので、本発明によって構築された稼働認識モデルは、カスタマイズされた電力利用アドバイスを与え、非侵入型負荷監視の新しいアプリケーションをもたらすことが期待できる。さらに、本発明の有益な効果の1つは、低周波サンプリングレートで電気機器の稼働状態を識別できる仕組みを提供し、複雑な環境に対する非侵入型負荷監視の許容度を提供することである。
【0032】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0033】
S110~S180:ステップ
1:システム
21~24:対象電気機器
11:データベース
13:サーバ
131:メモリ
133:処理回路
31:電気メーター
【要約】
【課題】非侵入型負荷監視に基づいて電気機器の稼働状態を識別するための方法及びシステムが提供される。
【解決手段】対象領域の総電力消費量履歴データ及び対象電気機器の各々の電力消費量履歴データが取得される。前記各電気機器の電力消費履歴データを二値データセットに変換する。総電力消費履歴データを複数のグループサンプルにグループ化し、複数の第1特徴量データセットを取得する。前記第1特徴データセットを複数の第2特徴データセットに次元削減し、前記第2の特徴データセットと前記対象電気機器のそれぞれの二値データセットとを用いて機械学習モデルを学習させて、前記対象電気機器の稼働識別モデルを構築する。稼働識別モデルによって、対象領域の総電力消費量履歴データに従って、対象電気機器の各々の稼働状態を識別する。
【選択図】
図1A