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特許7429762ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20240201BHJP
   B23Q 3/155 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B25J15/04 A
B23Q3/155 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022186702
(22)【出願日】2022-11-22
(65)【公開番号】P2023084100
(43)【公開日】2023-06-16
【審査請求日】2022-11-22
(31)【優先権主張番号】110145491
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】512304009
【氏名又は名称】直得科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】許 明哲
(72)【発明者】
【氏名】呉 軒俊
【審査官】仁木 学
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/249465(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第00525699(EP,A1)
【文献】米国特許第05993365(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
B23Q 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構であって、第1連接板と、複数の第2連接板と、複数の交換座体と、を含み、
前記第1連接板が、前記ロボットアーム末端軸に固定され、前記第1連接板に係合突起が設けられ、前記係合突起が第3方向に沿う第1ガイド孔を備え、前記第1ガイド孔内に第1ピンが設置され、前記第1ピンが第1作用力を有し、
前記複数の第2連接板が、複数のツール部材の固定に用いられ、各前記第2連接板に前記係合突起に対応する凹溝が設けられ、各前記第2連接板が前記第3方向に沿って移動可能な第2ピンを備え、各前記第2連接板にさらに移動可能なガイドロックが設置され、前記ガイドロックが前記第2ピンを連動して前記凹溝に対して出入させ、
各前記複数の交換座体がいずれも第3付勢部材と、少なくとも1つの突起柱を含み、各前記第2連接板が、選択的に各前記交換座体に固定されるか、或いは、前記交換座体から離脱され、
前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板を第2方向に沿って動かし、前記第2連接板のいずれかに選択的に接触させ、前記係合突起を前記凹溝に対応させ、第1方向と前記第2方向が挟角を有し、前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を引っ張り、前記第1方向に沿って前記交換座体から遠離させ、かつ前記ガイドロックが第2作用力を提供することで前記第1作用力を克服し、前記第2ピンを駆動して前記第1ピンを押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔に延出させることにより、前記第1連接板が前記第2連接板に結合され、
前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を動かし、前記第1方向に沿って前記交換座体に向かって移動させた時、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを押し動かして前記第2ピンを前記凹溝に進入させ、前記第3付勢部材が第3作用力を提供して前記第2連接板を固定し、前記第1連接板が前記第2方向に沿って前記第2連接板から遠離される、
ことを特徴とする、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項2】
前記第1連接板が、第1周縁部と、第1接触面を含み、前記第1連接板に第1嵌合部が設けられ、各前記第2連接板がいずれも第2周縁部と、前記第1連接板の第1接触面に接触可能な第2接触面を含み、各前記第2連接板がいずれも前記第1嵌合部に対応する第2嵌合部を備えている、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項3】
前記第1嵌合部が少なくとも1つの固定柱であり、前記固定柱が前記第1接触面に位置し、各前記固定柱がいずれも前記第2接触面に向かってテーパ状を呈し、前記第2嵌合部が少なくとも1つの位置決め孔であり、前記位置決め孔が前記第2接触面に位置する、ことを特徴とする、請求項2に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項4】
前記第1嵌合部が環状溝であり、前記環状溝が前記第1周縁部と前記第1接触面の境目に位置し、前記第2嵌合部が凸縁であり、前記凸縁が前記第2周縁部と前記第2接触面の境目に位置し、前記係合突起が面取りを備えている、ことを特徴とする、請求項2に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項5】
前記第3付勢部材が、第1クランプ部材と、第2クランプ部材と、付勢ユニットを含み、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材が収容部を画定し、前記収容部が可動開口を含み、各前記交換座体の収容部がそれぞれ各前記第2連接板を収容し、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材が第1平面上で相対移動し、前記第1平面は前記第2方向と第3方向を含む平面であり、前記第1クランプ部材が第1挟持端を備え、前記第2クランプ部材が第2挟持端を備え、前記可動開口が前記第1挟持端と前記第2挟持端の間の距離により画定される開口であり、前記付勢ユニットが前記第1クランプ部材または(及び)前記第2クランプ部材に作用し、前記第3作用力が前記第1挟持端と前記第2挟持端とを前記第1平面上において互いに接近させる第1平面挟持力である、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項6】
前記第2連接板が、第2周縁部を含み、前記第2周縁部が前記第1平面に沿って凹陥したガイド溝を備え、前記第1クランプ部材の第1挟持端に回転可能な第1ホイールが設置され、前記第2クランプ部材の第2挟持端に回転可能な第2ホイールが設置され、前記第1ホイールと前記第2ホイールが前記第1平面上で前記ガイド溝を挟持する、ことを特徴とする、請求項5に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項7】
前記第1作用力と、前記第2作用力と、前記第3作用力が弾性力または磁力である、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項8】
前記第3付勢部材が磁性部材であり、各前記第2連接板がいずれも感磁部材を含み、前記第3作用力が前記磁性部材の磁力であり、前記第3作用力が前記感磁部材に作用して、前記交換座体に前記第3作用力で前記第2連接板を固定させる、ことを特徴とする、請求項1に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項9】
前記磁性部材または前記感磁部材の位置を調整して、前記磁性部材と前記感磁部材との距離を変えることで前記第3作用力を変化させることができる、ことを特徴とする、請求項8に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項10】
各前記第2連接板がいずれも前記磁性部材に対向する収容槽を備え、前記収容槽がネジ区間と直槽区間を含み、前記感磁部材が、貫通孔を備え、かつ前記直槽区間に収容され、調整ネジを前記貫通孔に挿通し、前記ネジ区間に螺合して動かすことで、前記感磁部材の位置を前記直槽区間内で調整することができる、ことを特徴とする、請求項9に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項11】
前記第2連接板に少なくとも1つのガイドロック槽が設けられ、該ガイドロック槽に前記ガイドロックと第2付勢部材を収容し、前記ガイドロックに凹陥部とガイド斜面が設けられ、前記第2ピンに前記ガイド斜面に対応する第2ピン斜面が設けられ、前記第2連接板が前記交換座体から遠離されるとき、前記第2付勢部材が前記第2作用力を提供して前記ガイドロックを駆動し、前記ガイド斜面と前記第2ピン斜面の組み合わせにより、前記第2ピンを前記凹溝に延出させ、前記第1作用力を克服して前記第1ガイド孔に進入させ、前記第2連接板が前記交換座体に接触したとき、前記突起柱が前記ガイドロック槽に挿入され、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを前記凹陥部に向かって押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔から離脱させ、前記凹溝に進入させる、ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項12】
前記第1ガイド孔内に第1付勢部材が設置され、前記第1付勢部材が前記第1ピンに対して前記第1作用力を提供し、前記第1付勢部材が磁性部材または弾性部材であり、且つ前記第2付勢部材が磁性部材または弾性部材である、ことを特徴とする、請求項11に記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項13】
前記第1連接板に第1端子部と第2ガイド孔が設けられ、前記ロボットアーム末端軸の電源線と信号線が前記第2ガイド孔を介して前記第1端子部に接続され、前記第2連接板に第2端子部が設けられ、前記第2端子部が前記ツール部材に電気的に接続され、前記第1端子部に前記第2端子部を連接することで、前記ロボットアーム末端軸と前記ツール部材の間で電流及び(または)制御信号を伝達する、ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【請求項14】
前記第1連接板に第1連接孔が設けられ、前記第2連接板に第2連接孔が設けられ、第1管路ジョイントが前記第1連接板の前記第1連接孔に連接され、第2管路ジョイントが前記第2連接板の前記第2連接孔に連接され、前記第1連接板と前記第2連接板を結合したとき、前記第1管路ジョイントと前記第2管路ジョイントが前記第1連接孔と前記第2連接孔を介して相互に連通され、前記第1連接孔または(及び)前記第2連接孔にさらにシール部材が設置される、ことを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構に関し、特に、ロボットアーム末端軸において第2方向に沿った交換座体近くに、自動リリース及びクランプメカニズムを組み合わせ、当該第2方向と挟角(例えば90度)を有する別の第1方向からツール部材を交換座体から取り外す、またはツール部材を交換座体に結合する機構及び方法であって、ツール部材を交換する過程において、第3付勢部材によりツール交換過程の安定性を維持し、ツール部材が交換座体に停留しているとき、ツール部材を交換座体内に安定的に固定させることができる、ロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構に関する。
【背景技術】
【0002】
加工機械で工作物を加工するとき、ツールの摩損や加工する部位の違いによってツールを交換する必要がある。現在、自動加工機には自動化されたツール交換機構が使用されている。
【0003】
そのような自動化されたツール交換機構の1つとして、例えば、特許文献1に開示されている「無衝撃工具交換装置」がある。
この装置は、平面で回転可能なツールロックアームと、当該ツールロックアームの相対する二端に設置されたツールロックブロックを採用し、当該ツールロックブロックが弾性付勢部材を通じて自動的にツールを水平に係合またはリリースし、ツール交換を行うが、ツールロックアームは運動の自由度が比較的低い。
【0004】
また、特許文献2に記載の「クイック・ロボット・アーム・ツール・チェンジャー」は、ロボットアームを使用してツール交換を行うため、ツール交換の自由度が向上される。しかしながら、このものは、ツール交換の過程において、ロボットアームの連結板が一方向に沿って水平に交換座体に進入してツール連結板を結合し、当該方向に沿って水平に当該ツール連結板を動かして交換座体から離脱させており、このようなツール交換方法は比較的大きなツール交換空間を必要とする。
【0005】
さらに、特許文献3に記載の「TOOL CHANGER FOR COLLABORATIVE ROBOTS, A ROBOT TOOL CHANGER SYSTEM AND A METHOD FOR CONNECTING A TOOL TO A ROBOT ARM」及び特許文献4に記載の「automatic tool changer」等の技術もある。
これらは、ロボットアームを使用して交換座体の上方から交換座体上のツール連結板を結合し、その後水平方向に当該ツール連結板を動かして交換座体から離脱させており、これにより比較的小さい空間でツール交換を行うことができるものである。
【0006】
しかしながら、上記特許文献3に記載のものは、第2ツール交換部材(当該文献の符号14)がデバイスホルダー(当該文献の符号44)に対して出し入れされる過程において、デバイスホルダー(当該文献の符号44)はいかなる付加的な力も第2ツール交換部材(当該文献の符号14)に作用させていないため、第2ツール交換部材(当該文献の符号14)が振動やクランプが不安定などの要因により、第1ツール交換部材(当該文献の符号12)から脱落する可能性があり、また、第2ツール交換部材(当該文献の符号14)がデバイスホルダー(当該文献の符号44)に停留している段階においても、いかなる補助的な外力も第2ツール交換部材(当該文献の符号14)に作用しておらず、第2ツール交換部材(当該文献の符号14)がしっかりとデバイスホルダー(当該文献の符号44)内に固定されない。
【0007】
上記特許文献4に記載のものは、第1ユニット(当該文献の符号1)にシリンダー(当該文献の符号3)とカム(当該文献の符号4)が設置されており、カム(当該文献の符号4)の係合突起(当該文献の符号5)を利用して第2ユニット(当該文献の符号2)の係合ピン(当該文献の符号20)を押さえ、第2ユニット(当該文献の符号2)が脱落してしまうことがないよう防止しているが、シリンダー(当該文献の符号3)を使用してカム(当該文献の符号4)を駆動しているため、第1ユニットの体積が大きくなってしまう。
【0008】
さらに、特許文献5に記載の「Tool coupler, tool changer, tool mounter, and tool change system having the same」では、結合ツール3のカプラ20とチェンジャー50間にマグネットモジュール40とマグネットモジュール70を使用して相互に結合させているが、二者間に係合メカニズムはない。
例えば、ツール3を壁や棚等の構造物4に戻して掛けておくとき、マウント部材80を構造物4に取り付け、チェンジャー50を継続して移動させてカプラ20を離脱させることができる。このため、ツール3はカプラ20を介してチェンジャー50に結合され、作業を行うとき、障害物にぶつかるなどするとカプラ20が脱落してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】台湾特許公開第202126425号明細書
【文献】中華人民共和国特許公開第CN111201116A号明細書
【文献】PCT特許出願公開第WO2020249465A1号明細書
【文献】ドイツ特許出願公開第GB2292365A号明細書
【文献】米国特許第US11130243B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、正確な機械式自動ツール交換を行い、部品の脱落を防ぐロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のロボットアーム末端軸の機械式自動工具交換機構は、第1連接板と、複数の第2連接板と、複数の交換座体とを含む。
前記第1連接板が、前記ロボットアーム末端軸に固定され、前記第1連接板に係合突起が設けられ、前記係合突起が第3方向に沿う第1ガイド孔を備え、前記第1ガイド孔内に第1ピンが設置され、前記第1ピンが第1作用力を有する。
前記複数の第2連接板が、複数のツール部材の固定に用いられ、各前記第2連接板に前記係合突起に対応する凹溝が設けられ、各前記第2連接板が前記第3方向に沿って移動可能な第2ピンを備え、各前記第2連接板にさらに移動可能なガイドロックが設置され、前記ガイドロックが前記第2ピンを連動して前記凹溝に対して出入させる。
各前記複数の交換座体がいずれも第3付勢部材と、少なくとも1つの突起柱を含み、各前記第2連接板が、選択的に各前記交換座体に固定されるか、或いは、前記交換座体から離脱される。
前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板を第2方向に沿って動かし、前記第2連接板のいずれかに選択的に接触させ、前記係合突起を前記凹溝に対応させ、前記第1方向と前記第2方向が挟角を有し、前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を引っ張り、前記第1方向に沿って前記交換座体から遠離させ、かつ前記ガイドロックが第2作用力を提供することで前記第1作用力を克服し、前記第2ピンを駆動して前記第1ピンを押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔に延出させることにより、前記第1連接板が前記第2連接板に結合される。
前記ロボットアーム末端軸が前記第1連接板と前記第2連接板を動かし、前記第1方向に沿って前記交換座体に向かって移動させた時、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを押し動かして前記第2ピンを前記凹溝に進入させ、前記第3付勢部材が第3作用力を提供して前記第2連接板を固定し、前記第1連接板が前記第2方向に沿って前記第2連接板から遠離される。
【0012】
さらに、前記第1連接板が、第1周縁部と、第1接触面を含み、前記第1連接板に第1嵌合部が設けられ、各前記第2連接板がいずれも第2周縁部と、前記第1連接板の第1接触面に接触可能な第2接触面を含み、各前記第2連接板がいずれも前記第1嵌合部に対応する第2嵌合部を備えている。
【0013】
さらに、前記第1嵌合部が少なくとも1つの固定柱であり、前記固定柱が前記第1接触面に位置し、各前記固定柱がいずれも前記第2接触面に向かってテーパ状を呈し、前記第2嵌合部が少なくとも1つの位置決め孔であり、前記位置決め孔が前記第2接触面に位置する。
【0014】
または、前記第1嵌合部が環状溝であり、前記環状溝が前記第1周縁部と前記第1接触面の境目に位置し、前記第2嵌合部が凸縁であり、前記凸縁が前記第2周縁部と前記第2接触面の境目に位置し、前記係合突起が面取りを備えている。
【0015】
さらに、前記第3付勢部材が、第1クランプ部材と、第2クランプ部材と、付勢ユニットを含み、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材が収容部を画定し、前記収容部が可動開口を含み、各前記交換座体の収容部がそれぞれ各前記第2連接板を収容し、前記第1クランプ部材と前記第2クランプ部材が第1平面上で相対移動し、前記第1平面は前記第2方向と第3方向を含む平面であり、前記第1クランプ部材が第1挟持端を備え、前記第2クランプ部材が第2挟持端を備え、前記可動開口が前記第1挟持端と前記第2挟持端の間の距離により画定される開口であり、前記付勢ユニットが前記第1クランプ部材または(及び)前記第2クランプ部材に作用し、前記第3作用力が前記第1挟持端と前記第2挟持端とを前記第1平面上において互いに接近させる第1平面挟持力である。
【0016】
さらに、前記第2連接板が、第2周縁部を含み、前記第2周縁部が前記第1平面に沿って凹陥したガイド溝を備え、前記第1クランプ部材の第1挟持端に回転可能な第1ホイールが設置され、前記第2クランプ部材の第2挟持端に回転可能な第2ホイールが設置され、前記第1ホイールと前記第2ホイールが前記第1平面上で前記ガイド溝を挟持する。
【0017】
さらに、前記第1作用力と、前記第2作用力と、前記第3作用力が弾性力または磁力である。
【0018】
さらに、前記第3付勢部材が磁性部材であり、各前記第2連接板がいずれも感磁部材を含み、前記第3作用力が前記磁性部材の磁力であり、前記第3作用力が前記感磁部材に作用して、前記交換座体に前記第3作用力で前記第2連接板を固定させる。
【0019】
さらに、前記磁性部材または前記感磁部材の位置を調整して、前記磁性部材と前記感磁部材との距離を変えることで前記第3作用力を変化させることができる。
例えば、各前記第2連接板がいずれも前記磁性部材に対向する収容槽を備え、前記収容槽がネジ区間と直槽区間を含み、前記感磁部材が、貫通孔を備え、かつ前記直槽区間に収容され、調整ネジを前記貫通孔に挿通し、前記ネジ区間に螺合して動かすことで、前記感磁部材の位置を前記直槽区間内で調整することができる。
【0020】
さらに、前記第2連接板に少なくとも1つのガイドロック槽が設けられ、該ガイドロック槽に前記ガイドロックと第2付勢部材を収容し、前記ガイドロックに凹陥部とガイド斜面が設けられ、前記第2ピンに前記ガイド斜面に対応する第2ピン斜面が設けられ、前記第2連接板が前記交換座体から遠離されるとき、前記第2付勢部材が前記第2作用力を提供して前記ガイドロックを駆動し、前記ガイド斜面と前記第2ピン斜面の組み合わせにより、前記第2ピンを前記凹溝に延出させ、前記第1作用力を克服して前記第1ガイド孔に進入させ、前記第2連接板が前記交換座体に接触したとき、前記突起柱が前記ガイドロック槽に挿入され、前記突起柱が前記ガイドロックを押し動かして前記第2作用力を克服し、前記第1ピンが前記第1作用力により前記第2ピンを前記凹陥部に向かって押し動かし、前記第2ピンを前記第1ガイド孔から離脱させ、前記凹溝に進入させる。
【0021】
さらに、前記第1ガイド孔内に第1付勢部材が設置され、前記第1付勢部材が前記第1ピンに対して前記第1作用力を提供し、前記第1付勢部材が磁性部材または弾性部材であり、且つ前記第2付勢部材が磁性部材または弾性部材である。
【0022】
さらに、前記第1連接板に第1端子部と第2ガイド孔が設けられ、前記ロボットアーム末端軸の電源線と信号線が前記第2ガイド孔を介して前記第1端子部に接続され、前記第2連接板に第2端子部が設けられ、前記第2端子部が前記ツール部材に電気的に接続され、前記第1端子部に前記第2端子部を連接することで、前記ロボットアーム末端軸と前記ツール部材の間で電流及び(または)制御信号を伝達する。
【0023】
さらに、前記第1連接板に第1連接孔が設けられ、前記第2連接板に第2連接孔が設けられ、第1管路ジョイントが前記第1連接板の前記第1連接孔に連接され、第2管路ジョイントが前記第2連接板の前記第2連接孔に連接され、前記第1連接板と前記第2連接板を結合したとき、前記第1管路ジョイントと前記第2管路ジョイントが前記第1連接孔と前記第2連接孔を介して相互に連通され、前記第1連接孔または(及び)前記第2連接孔にさらにシール部材が設置される。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、次の効果を達成することができる。
1.第1作用力、第2作用力、第3作用力の相互の組み合わせを通じて、正確な機械式自動ツール交換を達成することができる。
【0030】
2.ロボットアーム末端軸は、第1連接板により第2連接板を交換座体に対して取り出しまたは設置する過程において、第3作用力が第2連接板に加えられるため、第2連接板が交換座体に対してまだ取り出しまたは設置が完了していない過程において脱落することを回避できる。
【0031】
3.第2連接板が交換座体に停留しているとき、第3作用力が第2連接板を付勢し、第2連接板を交換座体にしっかりと押し当て、安定的に交換座体内に固定することができる。
【0032】
4.第1連接板及び第2連接板上の対応する凹溝と係合突起、及び対応する第1嵌合部と第2嵌合部により、第1連接板と第2連接板を正確に位置合わせすることができる。
【0033】
5.第1作用力、第2作用力、第3作用力は、接触式の弾性力または非接触式の磁力のいずれであっても使用することができる。
【0034】
6.第2連接板と第1連接板の間は、第2ピンを第1ガイド孔に挿入することで相互に結合され、当該結合は構造的な結合であり、単純に磁力のみに依存する結合と比較して、意図せず分離してしまう欠点がない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施例1に係るロボットアーム末端軸及び第1連接板の結合状態の斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係るロボットアーム末端軸、第1連接板、交換座体及び第2連接板の斜視図である。
図2A】本発明の実施例1に係る第2連接板及び交換座体の固定した状態における平面図である。
図3】本発明の実施例1に係るロボットアーム末端軸、第1連接板、交換座体及び第2連接板の結合状態における斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係るロボットアーム末端軸、第1連接板及び第2連接板の交換座体から取り出した状態における斜視図である。
図5】本発明の実施例1に係る第1連接板の斜視図である。
図6】本発明の実施例1に係る第1連接板の別角度から視た斜視図である。
図7】本発明の実施例1に係る第1連接板の側面図である。
図8図5のVIII-VIII断面図である。
図9図5のIX-IX断面図である。
図10】本発明の実施例1に係る第2連接板の斜視図である。
図10A図10のXA-XA断面図である。
図11】本発明の実施例1に係る第2連接板の別角度から視た斜視図である。
図12】本発明の実施例1に係る第2連接板の側面図である。
図13図10のXIII-XIII断面図である。
図14図10のXIV-XIV断面図である。
図15】本発明の実施例1に係る交換座体の斜視図である。
図16】本発明の実施例1に係る交換座体の側面図である。
図17図16のXVII-XVII断面図である。
図18図16のXVIII-XVIII断面図である。
図19】本発明の実施例1に係る第1連接板及び第2連接板の結合された状態を示す概略図である。
図20】本発明の実施例1に係る第1連接板、第2連接板及び交換座体において、第2ピンが第1連接板上の第1ピンに対応し、かつ第2ピンが第1ガイド孔に挿入されていない状態を示す概略図である。
図21】本発明の実施例1に係る交換座体及び第2連接板において、第1作用力、第2作用力及び第3作用力の作用関係を示す概略図である。
図22】本発明の実施例1に係る第1連接板及び第2連接板において、第2ピンが第1ガイド孔に挿入され、第1連接板が第2連接板に連接された状態を示す概略図である。
図23】本発明の実施例1に係る第2連接板において、交換座体から離脱させたとき、第2ピンを第1ガイド孔に進入させた状態を示す概略図である。
図24】本発明の実施例2に係る第1連接板と第2連接板の相互に対応させて結合可能とした状態における斜視図である。
【0036】
図25】本発明の実施例3に係る第2連接板、交換座体及び第1連接板の結合状態における斜視図である。
図26】本発明の実施例3に係る第2連接板、交換座体及び第1連接板の結合状態における別角度から視た斜視図である。
図27】本発明の実施例3に係る第2連接板及び交換座体の結合状態における図25の横断面図である。
図28】本発明の実施例3に係る第2連接板及び第1連接板の結合状態における縦断面図である。
図29】本発明の実施例4に係る第1連接板及び第2連接板の連接状態における斜視図である。
図30】本発明の実施例4に係る第1連接板及び第2連接板の連接状態における断面図である。
図31】本発明の実施例4に係る第1連接板及び第2連接板の別形態の連接状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態につき図面を参照する等して説明する。
なお、本発明は、実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0038】
以下、本発明の実施例1を、図1乃至図23を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、実施例1の自動工具交換機構は、ロボットアーム末端軸Aにより実行される。
具体的には、ロボットアーム末端軸Aに第1連接板1を結合して固定するか、或いは第1連接板1がロボットアーム末端軸Aから延伸されてもよく、例えば第1連接板1はロボットアーム末端軸Aに成型されてもよい。本実施例において、第1連接板1はロボットアーム末端軸Aに螺着される。
【0039】
図2から図4に示すように、ロボットアーム末端軸Aは第1連接板1により工具庫でツール交換を行うものであり、当該工具庫には複数の交換座体2がある。図2から図4はそのうち1つの交換座体2を例としており、第2連接板3を交換座体2上に設置し、かつ例えば加工工具のツール部材が第2連接板3上に固定されている(当該ツール部材を第2連接板3に結合する方法は、従来のツール交換機構の結合方法を採用することができるため、当該ツール部材は図示していない)。
【0040】
ロボットアーム末端軸Aを操作して第2方向D2に沿って交換座体2に近付け、第1連接板1に第2連接板3を連接させてから、ロボットアーム末端軸Aが第1方向D1に沿って第1連接板1に結合された第2連接板3を交換座体2から取り出す。
さらに説明すると、本実施例においては、第1方向D1と第2方向D2に直角な第3方向D3があり、第1方向D1と第3方向D3は第1平面に含まれる。
本実施例では、第1方向D1と第2方向D2の挟角は90度であるが、第1方向D1と第2方向D2の挟角は90度に限定されず、当該挟角は10度と170度の間とすることができる。
本発明の各実施例における第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3、第1平面は、実施例の空間位置と方向の描写を補助するためだけのものであり、本発明を限定するものではない。
【0041】
図5から図7に示すように、第1連接板1は、第1周縁部11と、第1接触面12を含み、第1接触面12上に係合突起13と第1嵌合部14が設けられる。
係合突起13は第3方向D3に沿って形成される。本実施例において、第1嵌合部14は2つの固定柱であり、かつ当該固定柱はテーパ状を呈して突出される。
第1連接板1は、さらに第1接触面12の裏面に配置された固定リング15を備え、かつ第1連接板1に固定孔16が貫通して設けられる。これにより、固定リング15を介してロボットアーム末端軸A(図1参照)と結合し、さらに例えばネジを固定孔16に螺入して、第1連接板1がロボットアーム末端軸A上に固定される。
【0042】
図8図9に示すように、係合突起13は第3方向D3に沿う第1ガイド孔131を備え、第1ガイド孔131内の中間部に第1付勢部材17が設置される。
本実施例において第1付勢部材17は弾性部材であり、第1ガイド孔131内の相対する二端にそれぞれ第1ピン18が設置され、第1ピン18が第1付勢部材17に当接され、第1付勢部材17が第1ピン18に第1作用力F1を提供する。
第1ピン18の端部にピン凸縁部181が設けられ、第1ガイド孔131の両端にそれぞれスリーブ132が固定され、ピン凸縁部181がスリーブ132に当接されて、第1ピン18が第1ガイド孔131から抜け落ちないように保持される。
第1連接板1に第1端子部19Aと、第2ガイド孔19Bが設けられ、ロボットアーム末端軸A(図1参照)の電源線と信号線が第2ガイド孔19Bを介して第1端子部19Aに接続される。
【0043】
図10から図12に示すように、第2連接板3は、第2周縁部31と、第1連接板1の第1接触面12に接触可能な第2接触面32を含む。第2周縁部31は、第1平面に沿って凹陥され、かつ、周方向に沿って形成されガイド溝311を備え、第2接触面32に係合突起13(図5参照)と対応する凹溝33が設けられ、かつ、第1嵌合部14(図5参照)と対応する第2嵌合部34が設けられる。
本実施例において、第2嵌合部34は当該固定柱に対応して位置決め孔として設けられる。
本実施例において、ガイド溝311は第2周縁部31から凹溝33に向かって溝幅が徐々に狭くなっており、第2方向D2に切断した断面において、直角に近い三角形状を呈する。
【0044】
図11図13から図14に示すように、第2連接板3の相対する二側に、第1方向D1に沿って凹陥したガイドロック槽35が設置される。ガイドロック槽35は第2周縁部31に開口351を備え、ガイドロック槽35内に第2付勢部材36とガイドロック37が奥から順に設置される。
本実施例において、第2付勢部材36は弾性部材(例えばバネ)であり、ガイドロック37に凹陥部371とガイド斜面372が設けられる。第2連接板3には、第3方向D3に沿って凹溝33の相対する二側に延出させる、または第2連接板3内に収縮させることができる第2ピン38がそれぞれ設けられる。
【0045】
具体的には、第2ピン38に、ガイドロック37のガイド斜面372に対応する第2ピン斜面381が設けられ、第2ピン38上にバネ39が被着され、バネ39が力を提供して第2ピン38を第2連接板3内に収縮させることができ、第2ピン38の凹溝33から離隔された一端に当接片382が設置され、当接片382がガイドロック槽35に当接されて、第2ピン38が凹溝33に延出される限界位置が制限される。
第2付勢部材36は第2作用力F2を提供し、第2ピン38をガイド斜面372と第2ピン斜面381の組み合わせにより凹溝33に延出させることができる。
図10図10Aに示すように、第2連接板3上に第2端子部30が設けられ、第2端子部30は第1連接板1の第1端子部19Aと接触するために用いられ、また第2端子部30は当該ツール部材を電気的に接続するために用いられる。
【0046】
図15図16に示すように、交換座体2に第3作用力F3を提供することができる第3付勢部材21と、ガイドロック槽35(図11図13を参照)に対応する突起柱22が設置される。
本実施例において、第3付勢部材21は、第1クランプ部材211と、第2クランプ部材212を含み、第1クランプ部材211と第2クランプ部材212の外部に露出された部分が収容部213を画定する。収容部213は可動開口214を含み、第1クランプ部材211と第2クランプ部材212は当該第1平面上で接近・離間するよう相対移動することができる。第1クランプ部材211が第1挟持端2111を備え、第2クランプ部材212が第2挟持端2121を備える。可動開口214は、第1挟持端2111と第2挟持端2121の間の距離により画定される開口である。第1挟持端2111に回転可能な第1ホイール215が設置され、第2挟持端2121に回転可能な第2ホイール216が設置される。
【0047】
図17図18に示すように、第1クランプ部材211は第1ピン部材2112により交換座体2に軸着され、第1クランプ部材211の第1挟持端2111から離隔された他端に第1受力部材2113が設置される。第2クランプ部材212は第2ピン部材2122により交換座体2に軸着され、第2クランプ部材212の第2挟持端2121から離隔された他端に第2受力部材2123が設置される。
第3付勢部材21はさらに付勢ユニット217を含み、図17に示す付勢ユニット217はバネである。交換座体2は第3方向D3に沿ってバネ収容槽218を備え、当該バネがバネ収容槽218内に収容される。第3作用力F3が付勢ユニット217を通じて第1プッシュ部材2114と第2プッシュ部材2124に作用し、第1プッシュ部材2114と第2プッシュ部材2124はさらに第1クランプ部材211または(及び)第2クランプ部材212を付勢し、第1クランプ部材211と第2クランプ部材212に、相対的に接近して収容部213に向かって挟持する第1平面挟持力を具備させる。本実施例において、第1平面挟持力は第1平面上において付勢する。
【0048】
図2に示すように、第2連接板3が交換座体2上に設置されたとき、交換座体2の収容部213は第2連接板3を収容することができ、かつ第1ホイール215と第2ホイール216が第1方向D1上で接近してガイド溝311を挟持し、第3作用力F3により第2連接板3をしっかりと挟持する。
図19から図21に示すように、第2連接板3が交換座体2上に設置されたとき、交換座体2の突起柱22が第2連接板3のガイドロック槽35に進入し、ガイドロック37を押して第2作用力F2を克服し、第2ピン38を凹陥部371に位置させて第2連接板3内に収縮させる。
ロボットアーム末端軸A(図1参照)が第1連接板1を動かして第2連接板3に近付けたとき、対応する係合突起13と凹溝33、及び対応する第1嵌合部14と第2嵌合部34が、第1連接板1の第1接触面12を第2連接板3の第2接触面32に当接させ、かつ第2ピン38が係合突起13上の第1ガイド孔131に位置合わせされる。
【0049】
図22から図23に示すように、ロボットアーム末端軸A(図1参照)が第1連接板1と第2連接板3を引っ張り、第1方向D1に沿って交換座体2から離脱させるとき、第2連接板3が交換座体2の突起柱22から離脱され、第2付勢部材36が再びガイドロック37に対して第2作用力F2を提供し、第2作用力F2はバネ39が第2ピン38に対して加える力と第1付勢部材17が第1ピン18に対して加える第1作用力F1より大きいため、ガイドロック37のガイド斜面372と第2ピン38の第2ピン斜面381の組み合わせを利用し、第2ピン38が凹溝33に延出され、かつ第1ガイド孔131内に進入し、これにより第1連接板1が第2連接板3に結合される。
かつ、第1連接板1が第2連接板3に結合されたとき、第1端子部19Aにより第2端子部30に接続し、ロボットアーム末端軸A(図1参照)と当該ツール部材間で電源及び(または)制御信号を伝達することができる。
【0050】
反対に、第2連接板3を第1連接板1から取り外したいときは、ロボットアーム末端軸A(図1参照)が第1連接板1と第2連接板3を動かし、第1方向D1に沿って交換座体2に向かって移動させる。
このとき、突起柱22がガイドロック槽35の開口351からガイドロック槽35に進入し、ガイドロック37を押し動かして第2作用力F2を克服し、第2作用力F2が第2ピン38に作用しないようにする。
このため、第1ピン18が第1作用力F1により第2ピン38を押し動かし、バネ39が第2ピン38に加える力と組み合わせ、第2ピン38を凹溝33に進入させる。これにより、第1連接板1と第2連接板3の連接関係を解除し、ロボットアーム末端軸A(図1参照)が第1連接板1を動かし、第2方向D2に沿って第2連接板3から遠離させることができる。
【0051】
上述の操作により、第1作用力F1、第2作用力F2、第3作用力F3の組み合わせを通じて、正確な機械式自動ツール交換を達成することができる。
図2Aに示すように、第2連接板3が交換座体2に停留しているとき、第3作用力F3が第1方向D1において分力F31を有し、分力F31が交換座体2に向かい、第2連接板3を交換座体2にしっかりと押し当て、第2連接板3の第1方向D1と第2方向D2に沿った移動を制限する。
【0052】
図2図2Aに示すように、ツール交換過程において、第1連接板1が第2連接板3と共に交換座体2から離れるとき、第2連接板3が交換座体2から完全に離れるまで、第3作用力F3が第2連接板3を終始しっかり挟み、第2連接板3がツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
第1連接板1が第2連接板3と共に交換座体2に進入するときも、第2連接板3が交換座体2に接触を開始すると、第3作用力F3が第2連接板3を終始しっかり挟み、第2連接板3がツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
【0053】
図24に示す本発明の実施例2の自動工具交換機構において、操作方法は実施例1とほぼ同じである。異なる点は次のとおりである。
本実施例では、第1連接板1Aと、対応して第1連接板1Aに結合可能な第2連接板3Aを有する。
第1連接板1Aは第1周縁部11Aと第1接触面12Aを含み、第1接触面12A上に係合突起13Aと第1嵌合部14Aが設けられ、係合突起13Aが面取り131Aを備える。第1嵌合部14Aが環状溝であり、かつ当該環状溝が第1周縁部11Aと第1接触面12Aの境目に位置する。
【0054】
第2連接板3Aが第2周縁部31Aと第2接触面32Aを含み、第2接触面32A上に係合突起13Aに対応して凹溝33Aが設けられ、かつ第1嵌合部14Aに対応して第2嵌合部34Aが設けられる。ここで第2嵌合部34Aは環状溝に対応する凸縁である。
本実施例では、係合突起13Aの面取り131Aと、第1嵌合部14A及び第2嵌合部34Aが相互に対応する環状溝と凸縁であることにより、第1連接板1Aと第2連接板3Aを正確に結合させることができる。
【0055】
図25図26に示す本発明の実施例3の自動工具交換機構において、操作方法は実施例1とほぼ同じであり、第1作用力F1、第2作用力F2、第3作用力F3を相互に組み合わせることでツール交換を実行する。異なるのは、本実施例が第1連接板1B、交換座体2B及び第2連接板3Bにより実施される点である。
図27図28に示すように、第1連接板1Bは第1作用力F1を提供する第1付勢部材11Bを有し、第2連接板3Bは第2作用力F2を提供する第2付勢部材31Bを有し、交換座体2Bは第3作用力F3を提供できる第3付勢部材21Bを有する。
第3付勢部材21Bは磁性部材であり、第2連接板3B上に対応する感磁部材32Bが設けられ、第3作用力F3は当該磁性部材の磁力である。磁性部材または感磁部材32Bは位置を調整して、磁性部材と感磁部材32Bとの距離を変えることにより第3作用力F3の大きさを変えることができる。
【0056】
具体的には、第2連接板3Bに当該磁性部材に対向して収容槽33Bが設けられ、収容槽33Bがネジ区間331Bと直槽区間332Bを含む。感磁部材32Bが、貫通孔321Bを備え、かつ直槽区間332Bに収容され、調整ネジ34Bを貫通孔321Bに挿通し、ネジ区間331Bに螺合して動かすことで、感磁部材32Bの位置を直槽区間332B内で調整することができ、感磁部材32Bと当該磁性部材の距離が小さいほど、当該第3作用力F3が大きくなる。
第3作用力F3が感磁部材32Bに作用することで、交換座体2Bが第3作用力F3により第2連接板3Bを固定することができ、かつ、例えば第2連接板3Bに連接されたツール部材の重量に基づき第3作用力F3の大きさを調整し、第1連接板1Bが第2連接板3Bを動かして当該交換座体2Bから取り出す際の抵抗の過大または不足を回避することができる。
【0057】
第3作用力F3により、ツール交換過程において、第2連接板3Bが交換座体2Bから完全に離れるまで、第3作用力F3が第2連接板3Bに対する付勢を維持し、第2連接板3Bがツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
同様に、第2連接板3Bが交換座体2Bに進入するときも、第3作用力F3が第2連接板3Bに対する付勢を維持し、第2連接板3Bがツール交換過程で脱落しないようにすることができる。
また、本実施例において、第1付勢部材11Bは2個の相互に反発する磁性部材であり、第2付勢部材31Bも二個の相互に反発する磁性部材である。つまり、本実施例は磁力を通じて第1作用力F1、第2作用力F2、第3作用力F3を提供する。
【0058】
図29に示す本発明の実施例4の自動工具交換機構において、操作方法は実施例1とほぼ同じであるが、異なるのは、本実施例が第1連接板1Cと第2連接板3Cを有し、第1連接板1Cに第1管路ジョイント4Cが連接され、第2連接板3Cに第2管路ジョイント5Cが連接される点である。
【0059】
図30図31に示すように、具体的には、第1連接板1Cに第1連接孔11Cが設けられ、第2連接板3Cに第2連接孔31Cが設けられ、第1管路ジョイント4Cが第1連接板1の第1連接孔11Cに連接される。そして、第2管路ジョイント5Cが第2連接板3Cの第2連接孔31Cに連接され、第1連接板1Cと第2連接板3Cが結合されたとき、第1管路ジョイント4Cと第2管路ジョイント5Cが第1連接孔11Cと第2連接孔31Cを介して相互に連通される。
さらに、第1連接孔11Cまたは(及び)第2連接孔31C内にシール部材6Cが設置される。
【0060】
例えば、図30に示すように、第1管路ジョイント4Cが第1連接孔11C内に挿着され、第2管路ジョイント5Cが第2連接孔31C内に挿着され、シール部材6Cが第1連接板1Cと第2連接板3Cの間に設置される。
または、図31に示すように、第1管路ジョイント4Cが第1連接孔11C内に挿着され、第2管路ジョイント5Cが第2連接孔31Cから挿入されて第1連接孔11C内まで延伸され、第1管路ジョイント4Cと相互に接続され、シール部材6Cが第1連接孔11C内に設置され、第2管路ジョイント5Cを取り囲む。
これにより、第1管路ジョイント4Cに例えばエアコンプレッサまたは油圧プレスを接続し、第2管路ジョイント5Cに例えばノズルを接続することで、加工過程の気流や油の輸送に用いる空圧/油圧管路とすることができる。
【0061】
以上は、本発明の最良の実施例を説明するものであり、これらを以って本発明の権利範囲を限定することはできず、特許請求の範囲を逸脱しない簡単な変化や修飾はすべて本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0062】
A ロボットアーム末端軸
1 第1連接板
11 第1周縁部
12 第1接触面
13 係合突起
131 第1ガイド孔
132 スリーブ
14 第1嵌合部
15 固定リング
16 固定孔
17 第1付勢部材
18 第1ピン
181 第1ピン凸縁部
19A 第1端子部
19B 第2ガイド孔
2 交換座体
21 第3付勢部材
211 第1クランプ部材
2111 第1挟持端
212 第2クランプ部材
2121 第2挟持端
213 収容部
214 可動開口
215 第1ホイール
216 第2ホイール
217 付勢ユニット
218 バネ収容槽
22 突起柱
3 第2連接板
31 第2周縁部
311 ガイド溝
32 第2接触面
33 凹溝
34 第2嵌合部
35 ガイドロック槽
351 開口
36 第2付勢部材
37 ガイドロック
371 凹陥部
372 ガイド斜面
38 第2ピン
381 第2ピン斜面
382 当接片
39 バネ
30 第2端子部
D1 第1方向
D2 第2方向
F1 第1作用力
F2 第2作用力
F3 第3作用力
F31 分力
1A 第1連接板
11A 第1周縁部
12A 第1接触面
13A 係合突起
131A 面取り
14A 第1嵌合部
3A 第2連接板
31A 第2周縁部
32A 第2接触面
33A 凹溝
34A 第2嵌合部
1B 第1連接板
11B 第1付勢部材
2B 交換座体
21B 第3付勢部材
3B 第2連接板
31B 第2付勢部材
32B 感磁部材
321B 貫通孔
33B 収容槽
331B ネジ区間
332B 直槽区間
34B 調整ネジ
1C 第1連接板
11C 第1連接孔
3C 第2連接板
31C 第2連接孔
4C 第1管路ジョイント
5C 第2管路ジョイント
6C シール部材
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31