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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】混合茶飲料
(51)【国際特許分類】
   A23F 3/16 20060101AFI20240201BHJP
   A23L 2/38 20210101ALI20240201BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20240201BHJP
   A23L 2/52 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A23F3/16
A23L2/38 C
A23L2/00 B
A23L2/38 K
A23L2/38 L
A23L2/00 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2022196603
(22)【出願日】2022-12-08
(62)【分割の表示】P 2018108059の分割
【原出願日】2018-06-05
(65)【公開番号】P2023017023
(43)【公開日】2023-02-02
【審査請求日】2022-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】森田 孝平
(72)【発明者】
【氏名】池上 有希子
【審査官】澤田 浩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-96729(JP,A)
【文献】特開2013-201952(JP,A)
【文献】特開2017-184660(JP,A)
【文献】特開2011-101625(JP,A)
【文献】新商品データベースMintel GNPDに掲載された情報,[online],[retrieved on 2022.01.18],Retrieved from the Internet,URL<https://www.gnpd.com/sinatra/recordpage/*******/>,*******の部分(記録番号)が4100865、3798169の各商品情報(2016年掲載)、3496627、3128337の各商品情報(2015年掲載)、1964727の商品情報(2013年掲載)、1896724、1786818、1718380、1705599の各商品情報(2012年掲載)、1645795、1620614、1609127、1573773の各商品情報(2011年掲載)、1494463、1399345、294567の各商品情報(2010年掲載)、1194645、1130718、1116178、1065524の各商品情報(2009年掲載)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23F,A23L,G01N
MINTEL GNPD
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580 (JDreamIII)
CAPLUS/FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合茶飲料であって、
前記混合茶飲料が、茶抽出液と、
蜜柑の皮の抽出液と、
30mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムと、
を含み、
前記茶抽出液が、大麦、ハト麦、又は緑茶葉からの抽出液又はそれらの濃縮物を含む、
混合茶飲料(ただし、原料として砂糖を含む混合茶飲料、及び紅茶飲料を除く。)。
【請求項2】
さらに、枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液を含む、請求項1に記載の混合茶飲料。
【請求項3】
大麦、ハト麦、又は緑茶葉からの抽出液又はそれらの濃縮物を含む茶抽出液と、30mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムと、を含む混合茶飲料(ただし、原料として砂糖を含む混合茶飲料、及び紅茶飲料を除く。)において、
蜜柑の皮の抽出液を配合することで、混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高める方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合茶飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
茶葉等の原料からの抽出液を含む飲料(以下、「茶飲料」という。)は、その風味や止渇性等により、消費者に幅広く受け入れられている飲料のひとつである。茶飲料のうち、複数の原料からの抽出液を含む飲料(以下、「混合茶飲料」という。)は、原料由来の様々な成分を手軽に摂取できるため、健康志向の消費者から強く支持されている。
【0003】
しかし、混合茶飲料は、原料由来の風味等によって、嗜好性が損なわれてしまうことがある。そのため、混合茶飲料の嗜好性を高めるための様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-8704号公報
【文献】特開2005-58208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、混合茶飲料において、ミネラル分を補強するためにナトリウム塩を配合することがある。しかし、ナトリウムは、混合茶飲料の風味のうち塩味を強めてしまい、混合茶飲料の嗜好性を損なってしまう可能性がある。他方で、混合茶飲料の味のまとまりを損なわずに特定の風味を改善することは難しい。
【0006】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、味のまとまりを有しつつも塩味の強さが抑制されたナトリウム含有混合茶飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、10mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムを含む茶飲料において、枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液を配合することによって上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0008】
(1) 茶抽出液と、
枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液と、
10mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムと、
を含む、混合茶飲料。
【0009】
(2) 茶抽出液と、ナトリウムと、を含む混合茶飲料において、
枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液を配合することで、混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高める方法。
【0010】
(3) 茶抽出液と、ナトリウムと、を含む混合茶飲料に被検植物抽出液を配合した混合茶飲料の塩味の強さ及び味のまとまりに基づき、被検植物抽出液を選択することを含む、植物抽出液のスクリーニング方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、味のまとまりを有しつつも塩味の強さが抑制されたナトリウム含有混合茶飲料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
【0013】
<混合茶飲料>
本発明の混合茶飲料は、茶抽出液と、所定の植物抽出液と、10mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムと、を含む。本発明者らは、該要件を満たせば、混合茶飲料の味のまとまりを損なわずに、ナトリウムに由来する塩味が抑制された混合茶飲料を得られることを見出した。以下、各成分等について詳述する。
【0014】
(植物抽出液)
本発明における植物抽出液は、枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上から得られる抽出液や、その濃縮物等である。以下、「枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上」を「本発明の植物原料」ともいう。本発明の植物原料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。本発明の植物原料を2種以上組み合わせる場合、各原料を個別に抽出してもよいし、一部の原料又は全ての原料をまとめて抽出してもよい。
【0015】
本発明者らの検討の結果、意外にも、本発明の植物原料からの植物抽出液が、ナトリウムに由来する茶飲料の塩味を抑制できることが見出された。さらに、本発明の植物原料からの植物抽出液はいずれも、任意の茶抽出液と組み合わせても味のまとまりを損ないにくいため、混合茶飲料に好ましく配合できる。
【0016】
枇杷の葉としては、葉茶として利用される枇杷の葉の任意の部位を使用できる。
【0017】
桑の葉としては、葉茶として利用される桑の葉の任意の部位を使用できる。
【0018】
柚子の皮としては、柚子の果皮の任意の部分を使用できる。
【0019】
蜜柑の皮としては、蜜柑の果皮の任意の部分を使用できる。
【0020】
ドクダミとしては、ドクダミの任意の器官(根、葉、茎)やその部分を使用でき、好ましくは葉を使用できる。
【0021】
月見草としては、ツキミソウの任意の器官(根、葉、茎)やその部分を使用でき、好ましくは葉を使用できる。
【0022】
エビスグサの種子としては、エビスグサの豆果中に含まれる種子を使用できる。なお、エビスグサの種子からの抽出液を含む茶飲料は「ハブ茶」とも呼ばれる。
【0023】
上記のうち、混合茶飲料のおいしさ、香りの良さ、後味の良さ、飲みやすさをも高め、ぬめりの強さを抑制しやすいという観点から、桑の葉、蜜柑の皮が好ましい。
【0024】
本発明の植物原料に加えて、他の植物原料を併用してもよい。このような植物原料として例えば、エゴマの葉が挙げられる。エゴマの葉自体は、本発明の効果を奏しにくい。しかし、エゴマの葉を、本発明の植物原料とともに、例えば、本発明の植物原料と同量以下の量で配合することで、味のまとまりを有しつつも塩味の強さが抑制された混合茶飲料が得られる。
【0025】
本発明の植物原料は、それぞれ単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。本発明の植物原料の使用量は、得ようとする混合茶飲料の風味や濃さ等に応じて適宜設定できるが、下限は、例えば、抽出溶媒1Lあたり、総量が好ましくは0.1g以上、より好ましくは0.5g以上であってもよい。上限は、適度な風味の混合茶飲料が得られやすいという観点から、例えば、抽出溶媒1Lあたり、総量が好ましくは10g以下、より好ましくは5g以下であってもよい。
【0026】
植物抽出液を得る方法としては、特に限定されず、溶媒(水等)を用いた通常の茶抽出方法(ドリップ抽出、浸漬撹拌抽出等)を採用することができる。抽出条件としては特に限定されないが、80~100℃で5~60分間抽出を行ってもよい。
【0027】
(ナトリウム)
本発明の混合茶飲料は、10mg/100ml以上80mg/100ml以下のナトリウムを含む。ナトリウムの含有量が、本発明の混合茶飲料に対して、10mg/100ml以上であれば、混合茶飲料に十分量のミネラルを配合できる。ナトリウムの含有量が、本発明の混合茶飲料に対して、80mg/100ml以下であると、本発明における植物抽出液によって混合茶飲料の塩味を好ましく抑制でき、良好な風味を実現しやすい。
【0028】
ナトリウムの含有量の下限は、本発明の混合茶飲料に対して、好ましくは20mg/100ml以上、より好ましくは30mg/100ml以上、さらに好ましくは40mg/100mlである。ナトリウムの含有量の上限は、本発明の混合茶飲料に対して、好ましくは70mg/100ml以下、より好ましくは60mg/100ml以下であり、さらに好ましくは50mg/100mlである。
【0029】
ナトリウムの含有量が、本発明の混合茶飲料に対して、40mg/100ml以上80mg/100ml以下であると、熱中症の予防や対策において特に好適な混合茶飲料が得られる。
【0030】
本発明の混合茶飲料中のナトリウムの含有量は、抽出に用いる茶葉や植物原料の種類及び使用量、抽出条件等の調整、溶媒等による希釈、並びに、ナトリウムの塩を含む原料の添加等によって上記の値に調整できる。
【0031】
ナトリウムとしては、飲食品に用いられるナトリウムの塩を使用でき、例えば、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム等が挙げられる。ナトリウムの塩の使用量は、ナトリウムに換算した値が上記範囲となるように調整すればよい。
【0032】
本発明の混合茶飲料中のナトリウムの含有量は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)によって特定する。具体的な条件は以下のとおりである。
測定方法:誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)
装置:機種名「ICP-MS Agilent7700」(Agilent社製)
ガス:Heガス
測定モード:スペクトル
スペクトルモードオプション:ピークパターン 3ポイント、繰り返し 3、スイープ回数/繰り返し 100
標準液:関東化学製
【0033】
(茶抽出液)
本発明の混合茶飲料には、任意の茶原料(例えば、緑茶葉や穀物)からの抽出液や、その濃縮物等を茶抽出液として配合できる。緑茶葉としては、Camellia属(C.sinensis、C.assamica等)が挙げられる。穀物としては、茶飲料の原料として通常用いられるものを使用でき、ハトムギ、大麦、発芽大麦、米、トウモロコシ、大豆、小豆、芋等が挙げられる。これらの茶原料は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。これらの茶原料を2種以上組み合わせる場合、各原料を個別に抽出してもよいし、一部の原料又は全ての原料をまとめて抽出してもよい。本発明の効果が得られやすいという観点から、本発明の混合茶飲料には、茶抽出液として、穀物由来の抽出液が含まれていることが好ましい。
【0034】
茶原料の採取時期は特に限定されない。例えば、緑茶葉は、一番茶、二番茶、及び三番茶や、これらの混合物等のいずれであってもよい。緑茶葉の部位も特に限定されず、葉、茎、及び粉や、これらの混合物等からの抽出液のうち、いずれであってもよい。
【0035】
茶原料からの抽出液を得る方法としては特に限定されず、溶媒(水等)を用いた通常の茶抽出方法(ドリップ抽出、浸漬撹拌抽出等)を採用することができる。抽出条件としては特に限定されないが、80~100℃で5~60分間抽出を行ってもよい。
【0036】
(その他の成分)
本発明の混合茶飲料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、飲料等に通常配合される成分が含まれていてもよい。配合される成分の種類や量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。このような成分としては、酸化防止剤(ビタミンC等)、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、品質安定剤等が挙げられる。
【0037】
また、本発明の混合茶飲料には、茶原料や、本発明の植物原料等由来の任意の成分が含まれていてもよい。
【0038】
<混合茶飲料の製造方法>
本発明の混合茶飲料は、上記の成分を適宜調整することで得られる。成分や原料の配合割合や混合順序等は、特に限定されない。茶抽出液及び植物抽出液は個別に調製してもよく、まとめて調製してもよい。
【0039】
本発明の混合茶飲料の原料の配合割合は、例えば、茶抽出液の原料(緑茶葉や穀物)と、植物抽出液の原料(本発明の植物原料)とが、質量比で、茶抽出液の原料:植物抽出液の原料=30:1~5:1であってもよい。
【0040】
得られた混合茶飲料は、容器に充填してもよく、容器に充填する前又は後に、適宜殺菌処理してもよい。
【0041】
殺菌処理の方法は特に限定されず、超高温瞬間殺菌(UHT殺菌)、レトルト殺菌等が挙げられる。
【0042】
<混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高める方法>
上記のとおり、茶抽出液と、ナトリウムと、を含む混合茶飲料において、枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液を配合することで、混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高めることができる。
【0043】
<植物抽出液のスクリーニング方法>
本発明は、混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高めることができる植物抽出液のスクリーニング方法も包含する。該スクリーニング方法は、茶抽出液と、ナトリウムと、を含む混合茶飲料に、被検植物抽出液を配合した混合茶飲料の塩味の強さ及び味のまとまりに基づき、被検植物抽出液を選択することを含む。
【0044】
例えば、該スクリーニング方法は、茶抽出液と、ナトリウムと、を含む混合茶飲料において、枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上の植物抽出液を配合した混合茶飲料と、被検植物抽出液を配合した混合茶飲料とを、混合茶飲料の塩味の強さ及び味のまとまりに基づき比較することで、混合茶飲料の塩味の強さを抑制し、かつ、味のまとまりを高める被検植物抽出液を選択することを含んでいてもよい。
【実施例
【0045】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
<混合茶飲料の作製>
表1~5の「原料配合」に示される各処方に基づき、以下の条件で各原料からの抽出を行い、茶抽出液と植物抽出液との混合液を作製した。次いで、該混合液にナトリウムを配合し、各混合茶飲料を得た。
【0047】
(茶葉からの抽出)
各原料を表1~5の「原料配合」の項に記載された割合で混合し、原料組成物を調製した。得られた各原料組成物に水温90℃以上の水を加えて粗液を得た。
【0048】
(混合茶飲料の調合)
得られた各粗液に、重曹(炭酸水素ナトリウム)、アスコルビン酸ナトリウム及び塩化ナトリウムを、混合液中のナトリウム換算量が各表中の「Na量」に示される値となるように配合し、缶容器に充填した後、レトルト殺菌を行い、混合茶飲料を得た。
【0049】
<混合茶飲料の評価>
各混合茶飲料について、以下の方法で官能評価を行った。
【0050】
[官能評価]
各混合茶飲料を、専門パネル(5名)による官能評価に供した。具体的には、各混合茶飲料のおいしさ、香りの良さ、後味の良さ、飲みやすさ、塩味の強さ、ぬめりの強さ、ブレンド茶としての味のまとまりを点数化し、その平均値を算出した。なお、数値が高いほど、おいしさ、各種の良さ、のみやすさ、味のまとまりが良好であることを意味し、各種の強さを強く感じられることを意味する(最低点:1.0点、最高点:7.0点)。その結果を各表中の「官能評価結果」の項に示す。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
表1の各比較例と各実施例との比較から理解されるとおり、大麦抽出液(茶抽出液)と植物抽出液(蜜柑の皮の抽出液)との混合液に、20mg/100ml以上のナトリウムを配合した場合であっても、蜜柑の皮の抽出液を含まない場合と比較して、塩味の強さを抑制しつつ、味のまとまりを高めることができ、さらには、おいしさ、香りの良さ、後味の良さ、飲みやすさを高め、ぬめりの強さを抑制できる傾向にあった。
【0057】
他方で、表1の比較例1-1と、比較例1-2との比較から理解されるとおり、大麦抽出液(茶抽出液)と植物抽出液(蜜柑の皮の抽出液)との混合液にナトリウムを配合した場合であっても、その量が少ないと(7mg/100ml)、蜜柑の皮の抽出液を含まない場合と大きな差が認められなかった。
【0058】
表2の比較例7-1と各実施例との比較から理解されるとおり、大麦抽出液(茶抽出液)と各種植物抽出液の混合液に、10mg/100mlのナトリウムを配合した場合であっても、各種植物抽出液を含まない場合と比較して、塩味の強さを抑制しつつ、味のまとまりを高めることができ、さらには、おいしさ、香りの良さ、後味の良さ、飲みやすさを高め、ぬめりの強さを抑制できる傾向にあった。
【0059】
他方で、表2の比較例7-2から理解されるとおり、植物抽出液としてエゴマの葉の抽出液を用いても、味のまとまりを高めることができず、おいしさ等にも劣っていた。この結果から、本発明の効果は、植物抽出液として、少なくとも枇杷の葉、桑の葉、柚子の皮、蜜柑の皮、ドクダミ、月見草、及びエビスグサの種子からなる群から選択される1以上が含まれることで奏されることが理解される。
【0060】
表3及び4から理解されるとおり、大麦抽出液の代わりにハトムギ抽出液又は緑茶抽出液を用いても、表2と同様の傾向の結果が得られた。
【0061】
表5から理解されるとおり、エゴマの葉の抽出液を用いた場合であっても、本発明における植物抽出液と併用することで、塩味の強さを抑制しつつ、味のまとまりを高めることができた。