(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】アセンブリ、ならびにそれらの組み立ておよび使用の方法
(51)【国際特許分類】
F16K 11/044 20060101AFI20240201BHJP
F16K 27/02 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F16K11/044 Z
F16K27/02
(21)【出願番号】P 2022527099
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(86)【国際出願番号】 US2020063949
(87)【国際公開番号】W WO2021126620
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-06-30
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン-ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グェン、ハイ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ナカソネ、ケビン
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-053283(JP,A)
【文献】実開昭51-144840(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 11/00-11/24
F16K 27/00-27/12
F16K 1/00- 1/54
F16K 31/12-31/165
F16K 31/36-31/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を定めており、入口通路および少なくとも1つの出口通路を備えるバルブボディを備えているハウジングと、
前記ハウジング内に配置されたピストンと、
前記ピストンに軸線を整列させて前記バルブボディ内に配置されたモジュール式シートと、
ポペットと
を備え
るバルブアセンブリであって、
前記ポペットは、
前記ピストンに機械的に取り付けられるように構成された機械的取り付け部を備える第1の軸端部を定めている一体的な単一のボディと、
第1の個別のシール面および第2の個別のシール面を備える複数の個別のシール面を備える第2の軸端部と
を備え、前記第1の個別のシール面は、前記モジュール式シートとのシール接触をもたらすように構成され、前記第2の個別のシール面は、前記バルブボディとのシール接触をもたらすように構成され、両方の個別のシール面は、互いに軸線方向にオフセットされて
おり、
前記バルブアセンブリが、前記ピストンに軸線を整列させたダイアフラムをさらに備える、バルブアセンブリ。
【請求項2】
一体的な単一のポペットを、バルブアセンブリのモジュール式シートを通って、前記モジュール式シートの
変形を伴わずに並進させるステップと、
前記ポペットを前記バルブアセンブリのピストンに機械的に取り付けるステップと
を含
み、
前記バルブアセンブリが、前記ピストンに軸線を整列させたダイアフラムをさらに備える、方法。
【請求項3】
前記バルブアセンブリが、中心軸線を定めるハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、入口通路と少なくとも1つの出口通路とを備えるバルブボディを備える、請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポペットを機械的に取り付けるステップが、前記モジュール式シートを通って行われる、請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
前記ポペットが、螺合インターフェースを介して前記ピストンに機械的に取り付けられる、請求項
2に記載の方法。
【請求項6】
前記ポペットを前記モジュール式シートに接触する第1のシール位置から前記バルブボディに接触する第2のシール位置まで軸線方向に並進させるステップをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
前記ポペットが、複数の個別のシール面を備え、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つが、半径方向において前記ポペットと前記モジュール式シートとの間に配置され、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つが、半径方向において前記ポペットと前記バルブアセンブリの前記バルブボディとの間に配置される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記バルブアセンブリが、前記ピストンに軸線を整列させたグランドをさらに備える、請求項
1に記載のバルブアセンブリ
。
【請求項9】
前記少なくとも1つの出口通路が、第1の出口通路および第2の出口通路を備え、前記第1の出口通路および前記第2の出口通路は、
同じ横断面内にある、請求項
1に記載のバルブアセンブリ。
【請求項10】
前記入口通路が、前記第1の出口通路または前記第2の出口通路の少なくとも一方と
同じ横断面内にある、請求項
9に記載のバルブアセンブリ
。
【請求項11】
前記ポペットが、平坦かつ前記中心軸線との角度Θで前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つと交わる下縁部を含むことができ、Θは少なくとも5°である、請求項1
に記載の
バルブアセンブリ
。
【請求項12】
前記個別のシール面のうちの少なくとも1つは、前記中心軸線に平行な線と角度αを形成し、αは少なくとも5°である、請求項1
に記載の
バルブアセンブリ
。
【請求項13】
前記個別のシール面のうちの少なくとも1つは、前記中心軸線に平行な線と角度βを形成し、βは少なくとも5°である、請求項1
に記載の
バルブアセンブリ
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、バルブなどのいくつかのアセンブリにおいて使用されるポペット、ならびにそれらの使用および組み立てのための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
さまざまな産業が、バルブおよび他の同様のアセンブリにおいて、アセンブリの他の構成要素と接触して、流体の移動に対する障壁をもたらすために、ポペットに依存している。例えば、ポペットを、半導体産業において施される腐食性成分流体などの流体の流れを、例えば三方向ポペット式バルブアセンブリの設計における入口ポートと少なくとも1つの出口通路との間で制御するために、バルブ内に配置することができる。伝統的に、そのようなバルブおよび他の同様のアセンブリを組み立てるために、ポペットならびにバルブまたは他のアセンブリのシートが加熱され、両部品をバルブまたは他の同様のアセンブリの残りの部分へと組み込む前に、プラスチックポペットがバルブアセンブリへと機械的に押し込まれる(「圧入」)。これは、異なる熱特性および加熱状況に起因して、シートまたはポペットの調和の欠けた変形をもたらす可能性があり、ポペットとアセンブリの他の構成要素との間の位置ずれおよび不完全なシールにつながる可能性がある。したがって、バルブおよび他の同様のアセンブリにおいてシール性能の改善をもたらすポペット設計が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
添付の図面を参照することにより、本開示をよりよく理解することができ、本開示の多数の特徴および利点が当業者にとって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1A】いくつかの実施形態によるポペットを含む例示的な三方弁の断面図の例示を含んでいる。
【
図1B】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用されるモジュール式シートの断面図の例示を含んでいる。
【
図1C】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用されるポペットの断面図の例示を含んでいる。
【
図1D】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁におけるポペットおよびダイアフラムの断面図の例示を含んでいる。
【
図2A】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁のバルブボディの上面図の例示を含んでいる。
【
図2B】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁のバルブボディの切断側面図の例示を含んでいる。
【
図2C】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁のポペット、モジュール式シート、およびバルブボディの側面図の例示を含んでいる。
【
図3】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁の作動状態の断面図の例示を含んでいる。
【
図4】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁の非作動状態の断面図の例示を含んでいる。
【
図5】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用される第2のバルブシートの断面図の斜視上面図である。
【
図6】いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用される第2のバルブシートの断面図の斜視底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
図中の要素が簡潔かつ明瞭であることを目指して示されており、必ずしも縮尺どおりに描かれていないことを、当業者であれば理解できるであろう。例えば、図中のいくつかの要素の寸法は、本発明の実施形態の理解の向上に役立つように、他の要素に対して誇張されている場合がある。異なる図における同じ参照符号の使用は、類似または同一の事項を示している。
【0006】
図面との組み合わせにおける以下の説明は、本明細書に開示される教示の理解を助けるために提示される。以下の説明は、それらの教示の特定の実施態様および実施形態に注目する。この注目は、それらの教示の説明を手助けするために提供され、それらの教示の範囲または適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかしながら、本出願に開示される教示に基づいて、他の実施形態を使用することが可能である。
【0007】
用語「・・・を備える(comprises)」、「・・・を備えている(comprising)」、「・・・を含む(includes)」、「・・・を含んでいる(including)」、「・・・を有する(has)」、「・・・を有している(having)」、またはこれらのあらゆる他の変化形は、非排他的包含を含むように意図されている。例えば、特徴の列挙を含む方法、物品、または装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるわけではなく、明示的には列挙されておらず、あるいはそのような方法、物品、または装置につきものである他の特徴を含むことができる。さらに、そのようでないと明示的に述べられない限り、「または」は、排他的論理和ではなくて、包含的論理和を指す。例えば、条件「AまたはB」は、Aが真であり(あるいは、存在し)、Bが偽である(あるいは、存在しない)、Aが偽であり(あるいは、存在せず)、Bが真である(あるいは、存在する)、ならびにAおよびBの両方が真である(あるいは、存在する)、のうちのいずれか1つによって満たされる。
【0008】
また、「1つの(a)」または「1つの(an)」の使用が、本明細書に記載の要素および構成要素を説明するために用いられる。これは、あくまでも便宜上、本発明の範囲の一般的な意味を与えるために行われる。この説明は、他の意味であることが明らかでない限り、1つ、少なくとも1つ、または複数も含むような単数形、あるいはその逆を含むように理解されるべきである。例えば、単一の実施形態が本明細書において説明される場合、単一の実施形態の代わりに2つ以上の実施形態が使用されてもよい。同様に、2つ以上の実施形態が本明細書において説明される場合、その2つ以上の実施形態を単一の実施形態で置き換えてもよい。
【0009】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定を意図したものではない。本明細書に記載されていない限り、特定の材料および処理行為に関する多数の詳細は、従来からのものであり、ポペットならびにバルブまたは同様のアセンブリの技術の範囲内の教本および他の情報源において見つけることができる。
【0010】
例示の目的で、
図1Aが、いくつかの実施形態によるポペットを含む例示的な三方弁アセンブリ(全体が100で指し示されている)の断面図の例示を含んでいる。バルブアセンブリ100は、例示であり、ポペットが用いられてよい可能なアセンブリを限定しようとするものではない。バルブアセンブリ100は、中心軸線3000に関して軸線方向に延びてよい。中心軸線3000は、バルブアセンブリ100の長さに沿って長手方向に延びるように向けられている。いくつかの実施形態において、バルブアセンブリ100は、ハウジング110を含む。ハウジング110は、アクチュエータアセンブリ128を含むことができる。ハウジング110は、バルブボディ112をさらに含むことができる。バルブボディ112は、水平断面において見たときに円筒形、正方形、六角形、八角形、などのいくつかの異なる形状に構成された外壁面113を有することができる。バルブボディ112は、バルブボディ112の頂部の付近の開いた上端114と、バルブボディ112の底部の付近の閉じた下端116とを有することができる。バルブボディ112は、上部112aおよび下部112bを含むことができる。いくつかの実施形態において、バルブボディ112の上部112aおよび下部112bは、機械的インターフェースを形成することができる。機械的インターフェースは、上部と下部とを結合させて、舌部と溝とからなる構成によって機械的インターフェースを形成することができる。いくつかの実施形態においては、機械的インターフェースを、
図1Aに示されるように、舌部と溝とからなる構成によって達成することができる。機械的インターフェースは、これらに限られるわけではないがボルト、バテン、バックル、クランプ、クリップ、フランジ、フロッグ、グロメット、ホック、ラッチ、ペグ、釘、リベット、ねじアンカ、スナップファスナ、ステッチ、ねじファスナ、タイ、トグルボルト、くさびアンカのうちの少なくとも1つを含む他のやり方で行われてもよく、あるいは別のやり方で取り付けられてもよい。
【0011】
バルブボディ112は、入口通路119を有する入口ポート118と、少なくとも1つの出口通路121を有する少なくとも1つの出口ポート120とを定めることができる。いくつかの実施形態において、バルブボディ112は、少なくとも1つの出口通路123を有する第2の出口ポート122をさらに定めることができる。バルブチャンバ124が、バルブボディ112の中央領域に配置されてよく、それぞれの通路を介して入口ポート118、第1の出口ポート120、および第2の出口ポート122に連通できる。いくつかの実施形態において、入口ポート118ならびに第1および第2の出口ポート120および122のうちの少なくとも2つは、バルブボディ112の周囲を巡って互いに間隔を空けて放射状に配置されてよく、実質的にバルブボディ112の中心付近の横断面に位置することができる。入口および出口通路119、121、123の高さは、
図1Aに示されるように、入口ポート118ならびに第1および第2の出口ポート120および122の横断面と違ってよく、さまざまであってよい。いくつかの実施形態においては、第1の出口通路121および第2の出口通路123の少なくとも一方が、実質的にこの同じ横断面にあってよい。いくつかの実施形態においては、入口通路119が、第1の出口通路121または第2の出口通路123の少なくとも一方と実質的に同じ横断面にあってよい。
【0012】
図2Aが、
図1Aの例示的な三方弁のバルブボディの上面図の例示を含んでいる。
図2Bが、
図1Aの例示的な三方弁のバルブボディの切断側面図の例示を含んでいる。
図2Aおよび
図2Bに示されるように、入口ポート118および第1の出口ポート120は、バルブボディ112の正反対の側面に、すなわち180度離して配置されてよく、第2の出口ポート122は、入口ポートと第1の出口ポートとの間に、すなわち入口ポートおよび第1の出口ポートの両者に対して90度に配置されてよい。所望に応じて、入口ポートならびに第1および第2の出口ポートについて、他の間隔および位置を使用してもよいことを理解されたい。例えば、バルブボディを、第1および第2の出口ポート120、122が正反対の位置に、すなわち180度離して配置され、入口ポート118が両方の出口ポート120、122の間に挟まれ、すなわち両方の出口ポート120、122から90度に位置するように、構成することが可能である。入口ポートおよび出口ポート118、120、122の各々を、液体または気体をバルブアセンブリ100へと運び、さらにはバルブアセンブリ100から運び去るための配管または管とのねじ接続に対応するように、ねじ山付きの壁部分を有するように構成することができる。
【0013】
図1Aを再び参照すると、いくつかの実施形態において、ポペット126は、バルブチャンバ124内に軸線方向に配置されてよい。ポペット126は、バルブアセンブリ100のハウジング110内に配置されたアクチュエータアセンブリ128によって、バルブチャンバ124内で軸線方向に変位または作動可能であってよい。いくつかの実施形態において、アクチュエータアセンブリ128は、バルブボディ112の上端114に取り付けられてよい。アクチュエータアセンブリ128、アクチュエータアセンブリ128のバルブボディ112への接続、およびポペット126の軸線方向変位をもたらすためのアクチュエータアセンブリ128の動作は、以下でさらに詳しく説明される。
【0014】
入口ポート118は、入口通路119を通ってバルブチャンバ124へと注ぐことができる。バルブチャンバ124は、入口ポート118に垂直な軸線を有することができ、バルブボディ112の上端114から下端116の付近の位置まで延びてよい。上述のように、入口通路119は、入口ポートに沿った軸線から得たときにわずかに上向きの逸脱角度でバルブボディ112を通ることができる。したがって、いくつかの実施形態において、入口通路119は、入口ポート118の軸線よりも上方の位置でバルブチャンバ124に進入することができる。入口通路119は、バルブチャンバ124の中央部分134の側壁132を通って進入することができる。
【0015】
いくつかの実施形態において、バルブチャンバ124の中央部分134は、円柱形の構成を有することができ、頂部に位置する開口端136と、底部に位置する部分的に閉じた端部138とを含むことができ、頂部および底部の端部は、側壁132によって隔てられてよい。第1のバルブシート140が、中央部分134の部分的に閉じた端部138を周状に巡って延び、バルブボディ112の上端114の方を向いてよい。
【0016】
第2の出口ポート122は、中央部分134の部分的に閉じた端部138からバルブボディ112の下端116に隣接する位置まで延びてよいバルブチャンバ124の下部142に接続されてよい。下部142は、おおむね円柱形の構成を有してよい。
図2に最もよく示されているように、第2の出口通路123は、バルブボディ112を通って延び、第2の出口ポート122をバルブチャンバ124の下部142に接続することができる。第2の出口通路123は、第2の出口ポート122に沿った軸線から得たときにわずかに下向きの逸脱角度でバルブボディ112を通ることができる。したがって、第2の出口通路123は、第2の出口ポート122の軸線よりも下方の位置でバルブチャンバ124の下部142に進入することができる。第2の出口通路123は、中央部分134の部分的に閉じた端部138とバルブボディ112の下端116との間で下部142の中央において下部142を定める底壁146を通ってバルブチャンバ124に進入することができる。
【0017】
バルブチャンバの下部142は、バルブボディの下端116に隣接して下部142内を垂直方向に延びる下部ステム開口部149を含むことができる。下部ステム開口部149は、ポペット126のステムをチャンバ124内で整列させ、チャンバ124におけるステムの摺動軸線方向変位に対応するように機能する。下部ステム開口部149は、第2の出口通路123につながる。
【0018】
第1の出口ポート120は、第1の出口通路121を介してバルブチャンバ124の上部150に接続されてよい。上部150は、第2のバルブシート162からバルブボディ112の上端114まで垂直方向に延びてよい。第1の出口通路121は、バルブチャンバ124の上部150を定める側壁154を通って延び、第1の出口ポート120とバルブチャンバ124の上部150との間の流体の連通を提供することができる。第1の出口通路121は、第1の出口ポート120に沿った軸線から得たときにわずかに上向きの逸脱角度でバルブボディ112を通ることができる。したがって、第1の出口通路121は、第1の出口ポート120の軸線よりも上方の位置でバルブチャンバ124の上部150に進入することができる。
【0019】
図1A、
図2A、および
図2Bに最もよく示されているように、上部150は、側壁154によって外面に沿って定められ、チャンバ壁158によって内面に沿って定められたチャネル156を含むことができる。チャンバ壁158は、バルブチャンバ124内に軸線方向に配置され、チャンバの中央部分134と上部150との間を垂直方向に延びてよい。
図2Aおよび
図2Bに最もよく示されているように、チャネル156は、第1の出口通路121を含む位置から入口通路119に向かって所定の距離(ただし、入口通路119を含まない)だけ、バルブチャンバ124の周りを同心円状に延びてよい。ここで
図2Bを参照すると、いくつかの実施形態において、バルブボディ124のチャネル156とは正反対の部分、すなわち入口ポート118から第2の出口ポート122まで同心円状に延びる残りの180度は、バルブチャンバの中央部分134から上部150まで垂直方向に延びてよく、中央部分134の開口端136に隣接する平坦な上面160を有してよいバルブボディ112の中実部分を含むことができる。
【0020】
図1Aを再び参照すると、バルブアセンブリ100は、ダイアフラム182をさらに含むことができる。
図1Dが、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁におけるポペットおよびダイアフラム182の断面図の例示を含んでいる。
図1Dに示されるように、ダイアフラム182は、ポペット126に接触することができる中央に配置された変形可能部分186を有する円板状の上側表面184を含むことができる。ダイアフラム182は、バルブボディ112の上端114の上方に、底面188を下端116へと向けた状態で配置されてよい。ダイアフラム182は、ダイアフラム182の外径を定める周縁部を周状に巡って底面から下方へと延在するリップ190を含むことができる。リップ190は、バルブボディの上端114を巡って周状に延在する溝192内に配置されるように構成されてよい。ダイアフラムのリップ190は、溝192に嵌まり込み、バルブチャンバの上部150とバルブボディの上端114との間に空気および液体を漏らさないシールを形成する。
【0021】
図1Aを再び参照すると、バルブアセンブリ100は、モジュール式シート220をさらに含むことができる。
図1Bが、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用されるモジュール式シート220の断面図の例示を含んでいる。
図1Bに示されるように、モジュール式シート220は、バルブボディ112の残りの部分と一体でなく、取り外し可能であってよい。いくつかの実施形態においては、モジュール式シート220をバルブボディ112内に配置し、ダイアフラム182の底面188とバルブチャンバ124との間に介在させることができる。さらに、モジュール式シート220は、ダイアフラム182から圧縮力を伝達して、ダイアフラム182とバルブチャンバ124の上部150との間に空気および液体を漏らさないシールをもたらすと共に、ピストン216の上方および下方への動作、ならびにそれによるポペット126の軸線方向変位の際に、ダイアフラム182の軸線方向移動を防止するように機能することができる。モジュール式シートを、ピストン216に軸線方向に整列させることができる。ピストン216は、ハウジング110内に配置され、以下でさらに詳しく説明されるように、アクチュエータアセンブリ128の一部であってよい。モジュール式のバルブシートは、バルブチャンバ124の上部150および/または中央部分134の少なくとも一部分を含むことができ、入口通路119、第1の出口通路121、または第2の出口通路123のうちの少なくとも1つへの接続部を形成する。
【0022】
図2Cが、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁のポペット126、モジュール式シート220、およびバルブボディ112の側面図の例示を含んでいる。モジュール式シート220は、第2のバルブシート162を収容することができる。
図1Aの例示的なバルブアセンブリ100において、第2のバルブシート162は、中央部分134の開口端136の周りに配置されてよく、バルブボディの下端116に面する。モジュール式シート220および/または第2のバルブシート162は、バルブボディ112から分離され、一体でなくてもよい。
【0023】
図5が、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用される第2のバルブシートの断面図の斜視上面図である。
図6が、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用される第2のバルブシートの断面図の斜視底面図である。
図5および
図6に最もよく示されているように、第2のバルブシート162は、シートの一端に位置する開いた端部164と、シートの他端に位置する部分的に閉じられた端部166とを有するおおむね円筒形の構成を有することができ、開いた端部164および部分的に閉じた端部166は、円筒壁168によって隔てられてよい。
図6に最もよく見られるように、部分的に閉じた端部166は、壁168の周縁部に隣接して部分的に閉じた端部において所定の深さまで周状に配置された溝170を含むことができる。溝170を、バルブボディ112に形成された隆起部172と対をなし、隆起部172を受け入れることにより、舌部と溝とによる方式の嵌合機構を形成するように構成することができる。隆起部172は、バルブチャンバの中央部分134の開口端136に配置されてよく、開口端136を巡って周状に延在する。第2のバルブシート162の部分的に閉じた端部166をバルブチャンバの中央部分134の開口端136へと配置することにより、バルブチャンバの中央部分134の壁132と第2のバルブシート162の部分的に閉じた端部166との間に空気および液体を漏らさないシールが形成される。
図5に最もよく見られるように、第2のバルブシート162の開いた端部164は、円筒壁168を貫通する複数の開口部165を含むことができる。第2のバルブシート162は、第2の開口部または第2のステム開口部148を有することができる。開口部165は、本明細書においてさらに詳しく説明されるように、入口ポート118から第1の出口ポート120への空気または液体の移動に対応するように機能する。
【0024】
再び
図1Aを参照すると、ポペット126は、バルブボディ112内に収容されてよい。
図1Cが、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁に使用されるポペットの断面図の例示を含んでいる。
図1Cに最もよく示されているように、ポペット126は、一体的な単一の物体127であってよく、バルブチャンバ124内に垂直に配置されたステム176を含むことができ、すなわちステム176は、その軸線をバルブチャンバ124の軸線に実質的に平行にして配置されてよい。ポペット126および/またはステム176は、バルブボディ112の上端114に隣接して位置するポペット126の頂部の第1の軸線方向端部180と、バルブボディ112の下端116に隣接して位置することができるポペット126の底部の第2の軸線方向端部178とを含むことができる。第1の軸線方向端部180は、機械的取り付け部181と、第1の軸線方向端部180のポペットキャップ185とを含むことができる。第2の軸線方向端部178は、バルブチャンバ124の下部142の第1のステム開口部149に収容されてよく、第1のステム開口部149における軸線方向の上下変位を容易にするようなサイズとされてよい。
【0025】
ポペット126および/またはステム176の第2の軸線方向端部178は、底縁部179と、ステム176と一体の大径部194とを含むことができ、大径部194は、所定の距離だけステム176から半径方向に遠ざかるように広がり、第1のバルブシート140と第2のバルブシート162との間に位置することができる。好ましい実施形態において、大径部194は、約0.24インチの直径を有し、約0.10インチの軸線方向長さを有する。底縁部179は、平坦であってよく、組み立てられたときにバルブアセンブリの中心軸線3000に対して垂直であってよい。大径部194は、複数の個別のシール面を含む。複数の個別のシール面は、それぞれ隣接する第1のバルブシート140および第2のバルブシート162に係合してシールをもたらすために、第2のバルブシート162に隣接して位置する上側肩部196と、第1のバルブシート140に隣接して位置する下側肩部198とを含むことができる。換言すると、第1の個別のシール面または上側肩部196を、第2のバルブシート162においてモジュール式シートとのシール接触をもたらすように構成でき、第2の個別のシール面または下側肩部198を、第1のバルブシート140においてバルブボディ112とのシール接触をもたらすように構成でき、両方の個別のシール面196、198は、軸線方向に互いにオフセットされてよい。
【0026】
第1の個別のシール面および/または上側肩部196は、中心軸線3000に平行な線と角度αを形成でき、αは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°であってよい。いくつかの実施形態では、αは、180°以下、例えば150°以下、例えば130°以下、例えば90°以下、あるいは例えば60°以下であってよい。第2の個別のシール面および/または下側肩部198は、中心軸線3000に平行な線と角度βを形成でき、βは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°であってよい。いくつかの実施形態では、βは、180°以下、例えば150°以下、例えば130°以下、例えば90°以下、あるいは例えば60°以下であってよい。底縁部179は、第2の個別のシール面および/または下側肩部198との角度Θで複数の個別のシール面の少なくとも一方とさらに交差でき、Θは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°であってよい。いくつかの実施形態では、Θは、180°以下、例えば150°以下、例えば130°以下、例えば90°以下、あるいは例えば60°以下であってよい。
【0027】
再び
図1Aを参照すると、アクチュエータアセンブリ128が、バルブボディ112の上端114に隣接して配置されてよい。アクチュエータアセンブリは、ハウジング110内でバルブボディ112の上端114に沿って延びるバルブボディ112にねじによって取り付けられてよい。アクチュエータアセンブリ128は、バルブチャンバ124内でポペット126を下側肩部198が第1のバルブシート140に押し付けられて係合する第1の位置と上側肩部196が第2のバルブシート162に押し付けられて係合する第2の位置との間で軸線方向に変位させるように動作するアクチュエータ204を含むことができる。アクチュエータの種類は、電気式、空気圧式、または手動で動作するアクチュエータなど、従来からの動作のアクチュエータのグループから選択されてよい。
【0028】
一実施形態において、アクチュエータ204は、標準的な電気ソレノイドを含むことができる。電気ソレノイド204は、電磁石206と、アクチュエータアセンブリ128の上部に位置する第1の端部または上端210からバルブボディ112のバルブボディ上端114に隣接するアクチュエータアセンブリの底部の第2の端部または下端212まで電磁石の軸線に沿って延びる中央に位置するキャビティ208とを含むことができる。キャビティ208は、ピストン216の摺動可能な配置を内部に収容する第1の端部210の付近の大径部214を含むことができる。ピストン216は、ワイヤを介した電磁石204への電気の印加に応答して、大径部214内で軸線方向に変位可能であってよい。キャップ213が、第1の端部210においてアクチュエータアセンブリ128に取り付けられてよい。いくつかの実施形態において、ポペット126は、ピストン216への機械的取り付けのための第1の軸線方向端部180の機械的取り付け部181を含むことができる。いくつかの実施形態において、ポペット126は、機械的取り付け部181によってポペット126の頂部の第1の軸線方向端部180においてピストン216に螺合によって取り付けられてよい。一実施形態において、ポペット126およびピストン216は、螺合インターフェースを形成する結合ねじ式取り付け部181、183を有することができる。機械的取り付け部181、183は、これらに限られるわけではないがボルト、バテン、バックル、クランプ、クリップ、フランジ、フロッグ、グロメット、ホック、ラッチ、ペグ、釘、リベット、ねじアンカ、スナップファスナ、ステッチ、ねじファスナ、タイ、トグルボルト、くさびアンカのうちの少なくとも1つを含む他のやり方で行われてもよく、あるいは別のやり方で取り付けられてもよい。
【0029】
ピストン216は、ピストンハウジング218を含むことができる。ピストンハウジング218は、グランド240に係合するための前面217を含むことができる。グランド240を、ピストン216に軸線方向に整列させることができる。さらに、ダイアフラム182を、ピストン216に軸線方向に整列させることができる。ピストンハウジング218は、シールを含むことができる少なくとも1つの環状キャビティ119を含むことができる。ばね226を、ピストン216のばねキャビティ227内に配置することができ、ピストン216とキャビティ208のネック部228との間に介在させることができる。ばね226は、電磁石が作動していないときにピストン216の前面217を電磁石の隣接部分232から離すことができるように、ピストン216を大径部214内の位置に維持するように機能することができる。この位置において、ばね226は、バルブポペットの上側肩部196を第2のバルブシート162に押し付けて係合させように、充分な上向きの力をポペット126に加えることができる。以下でさらに詳しく説明されるように、
図1Aに示されるピストン216の位置は、バルブチャンバ124に対するポペット126の第2の位置に相当する。
【0030】
いくつかの実施形態において、グランド240は、アクチュエータ204とダイアフラム182の上側表面184との間に介在することができる。グランド240は、アクチュエータ204からダイアフラム182の円板状の表面184へとから圧縮力を伝達して、ダイアフラム182とバルブチャンバ124の上部150との間に空気および液体を漏らさないシールをもたらすと共に、ピストン216の上方および下方への動作、ならびにそれによるポペット126の軸線方向変位の際に、ダイアフラム182の軸線方向移動を防止するように機能することができる。したがって、ポペット126は、ピストン116からグランド240を通り、ダイアフラム182を通り、モジュール式シート220を通ってバルブチャンバ124へと延びる。グランド240は、ピストン216が延在する中央ボアを定める環状構造であってよい。グランド240は、ピストン216とハウジング110および/またはアクチュエータアセンブリ128との間に係合することができ、圧縮によって両者の間に固定されてよいヘッド242を含むことができる。さらに、グランド240は、シールがハウジング110および/またはアクチュエータアセンブリ128と接触して環状に延在できる環状キャビティ244、246を含むことができる。一実施形態において、グランド240は、ハウジング110、バルブボディ112、および/またはアクチュエータアセンブリ128のうちの少なくとも1つに対してポペット126を軸線方向に固定することができる。
【0031】
図3が、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁の作動状態の断面図の例示を含んでいる。アクチュエータ204が作動状態にあるとき、
図3に示されるように、ばね226は、ピストン216に対して上向きの圧縮力を加え、これがポペット126に伝達され、ポペット126を、上側肩部196が第2のバルブシート162に対して押し付けられて係合する「第2の位置」に位置させることができる。この第2の位置において、入口ポート118に進入する空気または液体は、バルブチャンバ124の中央部分134に流入し、所望の流体取り扱い装置への分配のために第2の出口通路123および第2の出口ポート122へと導かれ得る。上側肩部196の第2のバルブシート162に対する作用は、入口ポートからの空気または液体の流れがバルブチャンバ24の上部150に進入することを妨げ、したがって第1の出口ポート120へと導かれることを防止する。
【0032】
図4が、いくつかの実施形態による
図1Aの例示的な三方弁の非作動状態の断面図の例示を含んでいる。あるいは、アクチュエータ204が非作動状態にあるとき、
図4に示されるように、電磁石206に電気を送り、ピストン216の前面217を電磁石206の隣接部分232に係合させ、ポペット126を下方へと軸線方向に変位させて、ポペット126を下側肩部198が第1のバルブシート140に押し付けられて係合するバルブチャンバ124内の本明細書におけるいわゆる「第1の位置」に位置させることができる。この位置において、入口ポート118に進入する空気または液体は、バルブチャンバ124の中央部分134へと流され、上側肩部196および第2のバルブシート162を通過し、開口部165を通ってバルブチャンバ124の上部150に流入する。上部150に進入する空気または液体は、チャネル156、第1の出口通路121、および第1の出口ポート120を通って、所望の流体取り扱い装置に進入する。
【0033】
バルブアセンブリ100の構成要素は、良好な耐薬品性および耐熱性を示す材料から製作されてよい。そのような特性は、バルブアセンブリ100が半導体製造産業または腐食性化学物質がバルブを通過することになる任意の他の産業で使用される場合、あるいはバルブを通過するプロセス化学物質の高度の化学純度の維持が所望される場合に望ましい。半導体製造産業においては、強無機酸、強無機塩基、強溶媒、および過酸化物などの腐食性の高いプロセス化学物質がエッチング作業において使用され、化学物質のエッチング作用を強め、したがってエッチング作業の効率を高めるために加熱されることが多い。したがって、そのようなプロセス化学物質の流れを分配するために使用されるバルブは、環境への害および/または近傍の作業者への危険を引き起こしかねないバルブからの腐食性化学物質および関連の蒸気の漏れにつながり得るバルブの故障の可能性がない信頼できる動作を提供するために、耐薬品性および耐熱性の両方を有することが重要である。
【0034】
さらに、バルブアセンブリ100は、プロセス化学物質と接触しても分解せず、化学的に純粋なプロセス液体に汚染を持ち込むことがないように、耐薬品性であることが重要であり得る。そのような汚染物質の持ち込みは、そのようなプロセス化学物質によって処理される半導体のバッチに、数十万ドルの損害を引き起こす可能性がある。
【0035】
一実施形態において、上述のバルブアセンブリ100の構成要素は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシフッ化炭素樹脂(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、などを含むフルオロポリマーの群から選択されるフルオロポリマー化合物から構成されてよい。とくに好ましい材料は、デラウェア州WilmingtonのDuPont Companyが供給するテフロン(登録商標)PFAまたはテフロンFEPであってよい。そのような材料は、腐食性、酸性、または苛性の液体によって損傷することがなく、化学的に純粋な液体に汚染を持ち込むことがない。
【0036】
バルブアセンブリ100の組み立て時に、第2のバルブシート162をダイアフラム182とポペット126の上側肩部176との間に配置できるように、モジュール式シート220をバルブチャンバ124に組み込むことができ、ポペット126をダイアフラム182を通って挿入し、ピストン216に機械的に取り付けることができる。第2のバルブシート162を通るポペット126の設置を、第2のバルブシート(
図5および
図6に最もよく見られる)の第2のステム開口部148およびポペット126の大径部194のそれぞれの直径が、ポペット126をバルブチャンバ124へと組み込む際のステム開口部148を通る大径部の配置に対応するための充分な寸法であり得るがゆえに可能であってよい。一実施形態において、モジュール式シート220(第2のバルブシート162を含む)は、加熱プロセスを必要とせずにバルブアセンブリ100に挿入されてよい。さらに、加熱プロセスを必要とせずに第2のバルブシート162をダイアフラム182とポペット126の上側肩部176との間に配置できるように、ポペット126をダイアフラム182を通って挿入し、ピストン216に機械的に取り付けることができる。
【0037】
さらに別の実施形態においては、第2のステム開口部148を通る大径部194の挿入を容易にするために、イソプロピルアルコールなどのような潤滑剤を、ポペット126および/または第2のバルブシート162に使用することができる。ポペット126を組み込むために上述の実施形態のいずれを使用することができるかにかかわらず、第2のステム開口部148および大径部194のそれぞれの直径は、ポペット126がバルブチャンバ124内に設置された後に上側肩部196と第2のシート162との間に空気および液体を漏らさないシールを提供する第2のバルブシート162の能力に悪影響を及ぼすことなく、強制的な組み込みを達成することができるような直径であってよい。
【0038】
バルブアセンブリ100の限られた実施形態を本明細書において具体的に説明および図示してきたが、多数の修正および変形が当業者には明らかであろう。例えば、バルブアセンブリ100を、本発明の範囲から逸脱することなく、2つの入口流を受け入れ、一方または他方の入口から単一の出口へのバルブアセンブリ100を通る流体の分散を制御するように構成することができる。そのような実施形態において、流れは、説明した流れとは逆になると考えられ、各々の入口流は、それぞれの第1および第2の出口ポート120および122を介してバルブボディ112に進入すると考えられる。ポペット126が「第1の位置」へと軸線方向に変位すると、流体は、第1の出口ポート120からバルブチャンバ126を通って入口ポート118に流れると考えられる。ポペット126が「第2の位置」へと軸線方向に変位すると、流体は、第2の出口ポート122からバルブチャンバ126を通って入口ポート118に流れると考えられる。
【0039】
全体的な説明または例において上述した動作のすべてが必要とされるわけではなく、特定の動作の一部が必要とされなくてもよく、説明した動作に加えて1つ以上のさらなる動作が行われてもよいことに、留意されたい。またさらに、動作の列挙の順序は、必ずしもそれらの実行の順序ではない。
【0040】
上記のそのようなアセンブリは、すべて例示的なものであり、非バルブのアセンブリなどの他の可能なアセンブリにおけるポペット126の使用を制限することを意味するものではない。例えば、ポペット126を、容積型ポンプアセンブリ、マニホールド、あるいはシールおよび流体の移動を要件とする他のアセンブリの用途で使用することができる。
【0041】
バルブアセンブリまたは同様のアセンブリ100を組み立てる方法は、モジュール式シート220を実質的に変形させることなく、バルブアセンブリ100のモジュール式シート220を通って一体的な単一のポペット126を並進させることを含むことができる。本方法は、ポペット126をバルブアセンブリ100のピストン216に機械的に取り付けることをさらに含むことができる。ポペット126のピストン216への機械的取り付けを、バルブチャンバ124の上部150および/または中央部分134のモジュール式シート220を通って行うことができる。ポペット126のピストン216への機械的取り付けを、螺合インターフェースによって行うことができる。ポペット126は、複数の個別のシール面をさらに含むことができ、複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つを、半径方向においてポペット126とモジュール式シート220との間に配置することができ、複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つを、半径方向においてポペット126とバルブアセンブリ100のバルブボディ112との間に配置することができる。本方法は、ポペット126をモジュール式シート220と接触する第1のシール位置からバルブボディ112と接触する第2のシール位置まで軸線方向に並進させることをさらに含むことができる。
【0042】
本明細書の実施形態によれば、ポペットは、その堅牢な構成によって、組み立てプロセスをより効率化することができる。すなわち、ポペットを、加熱または冷却プロセスを必要とせずに、モジュール式シートを通って組み込み、ダイアフラムを介してピストンに機械的に取り付けることができる。これは、ポペット、モジュール式シート、およびバルブアセンブリの他の要素の変形を抑え、ポペットおよびバルブアセンブリのシール面の間のさらなる接触をもたらすことができる。結果として、本明細書の実施形態によるポペットおよび得られるアセンブリは、アセンブリ、ポペット、モジュール式シート、および他のアセンブリ構成要素の寿命を延ばし、有効性および性能を改善することができる。
【0043】
多数の異なる態様および実施形態が可能である。それらの態様および実施形態のいくつかが、以下に記載される。本明細書を検討した後に、当業者は、それらの態様および実施形態が例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。実施形態は、以下に列挙される実施形態のうちの任意の1つ以上に従うことができる。
【0044】
実施形態1:一体的な単一のボディを備えており、前記ボディは、複数の個別のシール面と、前記ボディをバルブアセンブリのピストンに係合させるように構成された機械的取り付け部とを定めている、ポペット。
【0045】
実施形態2:中心軸線を定めており、入口通路および少なくとも1つの出口通路を備えるバルブボディを備えているハウジングと、前記ハウジング内に配置されたピストンと、前記ピストンに軸線を整列させて前記バルブボディ内に配置されたモジュール式シートと、ポペットとを備え、前記ポペットは、前記ピストンに機械的に取り付けられるように構成された機械的取り付け部を備える第1の軸端部を定めている一体的な単一のボディと、第1の個別のシール面および第2の個別のシール面を備える複数の個別のシール面を備える第2の軸端部とを備え、前記第1の個別のシール面は、前記モジュール式シートとのシール接触をもたらすように構成され、前記第2の個別のシール面は、前記バルブボディとのシール接触をもたらすように構成され、両方の個別のシール面は、互いに軸線方向にオフセットされている、バルブアセンブリ。
【0046】
実施形態3:一体的な単一のポペットを、バルブアセンブリのモジュール式シートを通って、前記モジュール式シートの実質的な変形を伴わずに並進させるステップと、前記ポペットを前記バルブアセンブリのピストンに機械的に取り付けるステップとを含む方法。
【0047】
実施形態4:前記バルブアセンブリは、中心軸線を定めるハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、入口通路と少なくとも1つの出口通路とを備えるバルブボディを備える、実施形態3に記載の方法。
【0048】
実施形態5:前記ポペットを機械的に取り付けるステップは、前記モジュール式シートを通って行われる、実施形態3に記載の方法。
【0049】
実施形態6:前記ポペットは、螺合インターフェースを介して前記ピストンに機械的に取り付けられる、実施形態3に記載の方法。
【0050】
実施形態7:前記ポペットを前記モジュール式シートに接触する第1のシール位置から前記バルブボディに接触する第2のシール位置まで軸線方向に並進させるステップをさらに含む、実施形態4に記載の方法。
【0051】
実施形態8:前記ポペットは、複数の個別のシール面を備え、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つが、半径方向において前記ポペットと前記モジュール式シートとの間に配置され、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つが、半径方向において前記ポペットと前記バルブアセンブリの前記バルブボディとの間に配置される、実施形態7に記載の方法。
【0052】
実施形態9:前記バルブアセンブリは、前記ピストンに軸線を整列させたグランドをさらに備える、実施形態2~8のいずれかに記載のバルブアセンブリまたは方法。
【0053】
実施形態10:前記バルブアセンブリは、前記ピストンに軸線を整列させたダイアフラムをさらに備える、実施形態2~9のいずれかに記載のバルブアセンブリまたは方法。
【0054】
実施形態11:前記少なくとも1つの出口通路は、第1の出口通路および第2の出口通路を備え、前記第1の出口通路および前記第2の出口通路は、実質的に同じ横断面内にある、実施形態2および4~10のいずれかに記載のバルブアセンブリまたは方法。
【0055】
実施形態12:前記入口通路は、前記第1の出口通路または前記第2の出口通路の少なくとも一方と実質的に同じ横断面内にある、実施形態11に記載のバルブアセンブリまたは方法。
【0056】
実施形態13:前記ハウジングは、前記ピストンを前記軸線方向に並進させるように構成されたアクチュエータアセンブリをさらに備える、実施形態2~11のいずれかに記載のバルブアセンブリまたは方法。
【0057】
実施形態14:前記モジュール式シートは、バルブチャンバの一部を含み、前記バルブチャンバと、前記入口通路と、前記少なくとも1つの出口通路との間の接続部を形成する、実施形態2および4~11のいずれかに記載のバルブアセンブリ。
【0058】
実施形態15:前記ポペットは、平坦かつ前記中心軸線との角度Θで前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つと交わる下縁部を含むことができ、Θは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°である、実施形態1~14のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0059】
実施形態16:前記ポペットは、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つは、前記中心軸線に平行な線と角度αを形成し、αは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°である、実施形態1~15のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0060】
実施形態17:前記ポペットは、前記複数の個別のシール面のうちの少なくとも1つは、前記中心軸線に平行な線と角度βを形成し、βは少なくとも5°、例えば少なくとも15°、例えば少なくとも30°、例えば少なくとも45°、あるいは例えば少なくとも60°である、実施形態1~16のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0061】
実施形態18:前記ポペットは、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンゾイミダゾール、またはこれらの任意の組み合わせを含むポリマーを含む、実施形態1~17のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0062】
実施形態19:前記ポペットは、金属を含む、実施形態1~18のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0063】
実施形態20:前記バルブボディは、上部および下部を備え、前記上部および前記下部は、舌部と溝とによる機構によって機械的インターフェースを形成する、実施形態1~19のいずれかに記載のポペット、バルブアセンブリ、または方法。
【0064】
なお、必ずしも上述した特徴のすべてが必要とされるわけではなく、特定の特徴の一領域が必要とされなくてもよく、上述した特徴に加えて1つ以上の特徴が設けられてもよい。さらに、特徴の説明の順序は、必ずしもそれらの特徴が組み込まれる順序ではない。
【0065】
明確にするために別個の実施形態の文脈において本明細書に記載された特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて設けられてもよい。反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明された種々の特徴が、別個に設けられても、任意の部分的組み合わせにて設けられてもよい。
【0066】
利益、他の利点、および問題の解決策を、特定の実施形態に関して上述したが、利益、利点、問題の解決策、ならびに何らかの利益、利点、または解決策を発生させ、あるいはより顕著にすることができる何らかの特徴を、あらゆるすべての請求項の重要、必要、または本質的な特徴と解釈すべきではない。
【0067】
本明細書に記載した実施形態の説明および例示は、さまざまな実施形態の構造の一般的な理解を提供することを意図している。説明および例示は、本明細書に記載の構造または方法を使用する装置およびシステムのすべての要素および特徴の網羅的かつ包括的な説明として役立つことを意図するものではない。別個の実施形態が、単一の実施形態に組み合わせて設けられてもよく、反対に、簡潔にするために単一の実施形態の文脈において説明された種々の特徴が、別個に設けられても、任意の部分的組み合わせにて設けられてもよい。さらに、範囲にて記載された値への言及は、その範囲内のありとあらゆる値を含む。多数の他の実施形態が、本明細書を検討した後に初めて当業者に明らかとなり得る。本開示の範囲から逸脱することなく、構造的置換、論理的置換、または任意の変更を行うことができるように、本開示から他の実施形態を使用および導出することが可能である。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきである。