(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ハンドオーバー処理方法、端末機器
(51)【国際特許分類】
H04W 36/08 20090101AFI20240201BHJP
H04W 76/00 20180101ALI20240201BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W76/00
(21)【出願番号】P 2022548495
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 CN2020075020
(87)【国際公開番号】W WO2021159371
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【氏名又は名称】吉田 昌司
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】イヨウ、シン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハイタオ
【審査官】望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0022035(US,A1)
【文献】Intel Corporation,Running CR for the introduction of NR mobility enhancement[online],3GPP TSG RAN WG2 #107bis R2-1913995,フランス,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107bis/Docs/R2-1913995.zip>,2019年11月01日,[検索日 2023.10.31]
【文献】vivo,Summary of Email Discussion on CP for DAPS[online],3GPP TSG RAN WG2 #107bis R2-1912349,フランス,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_107bis/Docs/R2-1912349.zip>,2019年10月04日,[検索日 2023.10.31]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00-H04W99/00
H04B7/24-H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドオーバー処理方法であって、
端末機器が
デュアルアクティブスタック(DAPS)ハンドオーバーである第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、
前記端末機器とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害(RLF)が発生したことを含む所定の条件を満たす場合、前記端末機器が、
前記ソースネットワーク機器の
プロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガー
せずに、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保つことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行することを含む、ハンドオーバー処理方法。
【請求項2】
前記方法は、
前記端末機器が第1指示情報を受信することであって、前記第1指示情報は、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースすることを指示するためのものである、ことと、
前記端末機器が前記第1指示情報に基づいて前記ソースネットワーク機器の
プロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることと、を更に含むことを特徴とする
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
RLFのトリガー条件は、
物理層から送信された、無線リンクに問題が発生したという指示を受信した後、タイマーが満了することと、
ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスに失敗したことと、
無線リンク制御(RLC)に失敗したことと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項
1-
2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1タイプのハンドオーバーは、ハンドオーバープロセスにおいて、端末機器がソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器とのプロトコルスタックを保持するハンドオーバーであることを特徴とする
請求項1-
3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
端末機器であって、
デュアルアクティブスタック(DAPS)ハンドオーバーである第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、
前記端末機器とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害(RLF)が発生したことを含む所定の条件を満たす場合、
前記ソースネットワーク機器の
プロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガー
せずに、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保つことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行する通信ユニットを備える、端末機器。
【請求項6】
前記通信ユニットは、第1指示情報を受信し、前記第1指示情報は、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースすることを指示するためのものであり、前記第1指示情報に基づいて前記ソースネットワーク機器の
プロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることを特徴とする
請求項
5に記載の端末機器。
【請求項7】
RLFのトリガー条件は、
物理層から送信された、無線リンクに問題が発生したという指示を受信した後、タイマーが満了することと、
ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスに失敗したことと、
無線リンク制御(RLC)に失敗したことと、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする
請求項
5-
6のいずれか一項に記載の端末機器。
【請求項8】
前記第1タイプのハンドオーバーは、ハンドオーバープロセスにおいて、端末機器がソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器とのプロトコルスタックを保持するハンドオーバーであることを特徴とする
請求項
5-
7のいずれか一項に記載の端末機器。
【請求項9】
コンピュータ可読記憶媒体であって、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、前記コンピュータプログラムは、コンピュータに請求項1-
4のいずれか一項に記載の方法のステップを実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理技術分野に関し、特にハンドオーバー処理方法、端末機器、チップ、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術において、ソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器に同時に接続されるハンドオーバー処理では、ハンドオーバー期間において、端末機器は、ソースセルと目標セルのプロトコルスタックを同時に保持する。しかしながら、このような処理方式では、端末機器がいくつかの無駄な処理プロセスをトリガーすることによって、割り込み時間が余計にかかり、処理が複雑になることを引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
上記技術的課題を解決するために、本発明の実施例は、ハンドオーバー処理方法、端末機器、チップ、コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品及びコンピュータプログラムを提供する。
【0004】
第1態様によれば、ハンドオーバー処理方法を提供する。前記方法は、
端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、所定の条件を満たす場合、前記端末機器が、
ソースネットワーク機器の接続をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行することを含む。
【0005】
第2態様によれば、端末機器を提供する。前記端末機器は、
第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、所定の条件を満たす場合、
ソースネットワーク機器の接続をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行する通信ユニットを備える。
【0006】
第3態様によれば、端末機器を提供する。前記端末機器は、プロセッサと、メモリと、を備える。該メモリは、コンピュータプログラムを記憶するように構成され、該プロセッサは、該メモリに記憶されたコンピュータプログラムを呼び出して実行し、上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行するように構成される。
【0007】
第4態様によれば、チップを提供する。前記チップは、上記各実現形態における方法を実現するように構成される。
【0008】
具体的には、該チップは、メモリからコンピュータプログラムを呼び出して実行し、該チップが搭載されている機器に上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行させるように構成されるプロセッサを備える。
【0009】
第5態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを記憶するためのものであり、該コンピュータプログラムは、コンピュータに上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行させる。
【0010】
第6態様によれば、コンピュータプログラム製品を提供する。前記コンピュータプログラム製品は、コンピュータプログラム命令を含み、該コンピュータプログラム命令は、コンピュータに上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行させる。
【0011】
第7態様によれば、コンピュータプログラムを提供する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータで実行される時、コンピュータに上記第1態様又はその各実現形態における方法を実行させる。
【0012】
上記方案を用いることで、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功した後、所定の条件を満たす場合、前記端末機器は、ソースネットワーク機器の接続をリリースし、又は、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーせず、又は、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしない。このように、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいてランダムアクセスに成功しており、且つ目標ネットワーク機器との接続を確立した後、端末機器とソースネットワーク機器との間に無駄な接続をトリガーすることがなく、更に、余計な割り込み時間及び余計な処理の複雑さを端末機器にもたらすことがないこと確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施例による通信システムアーキテクチャの概略
図1である。
【
図2】本発明の実施例によるハンドオーバー処理方法のフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例による一例におけるフローチャート1である。
【
図5】本発明の実施例による一例におけるフローチャート2である。
【
図6】本発明の実施例による端末機器の構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例による通信機器の構造概略図である。
【
図8】本願の実施例によるチップの概略的ブロック図である。
【
図9】本願の実施例による通信システムアーキテクチャの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施例の特徴と技術的内容をより詳しく理解できるように、以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例の実現を詳しく説明し、添付した図面は、参照と説明のためのものだけであり、本発明の実施例を限定するものではない。
【0015】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を説明する。勿論、記述される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例である。本願における実施例に基づいて、当業者の創造的な労力なしに得られる他の実施例の全ては、本願の保護の範囲に含まれる。
【0016】
本願の実施例の技術的解決手段は、例えばグローバルモバイル通信(Global System of Mobile Communication:GSM)システム、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access:CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access:WCDMA)システム、汎用パケット無線サービス(General Packer Radio Service:GPRS)、長期的進化(Long Term Evolution:LTE)システム、LTE周波数分割複信(Frequency Division Duplex:FDD)システム、LTE時分割複信(Time Division Duplex:TDD)システム、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System:UMTS)、ワイマックス(Worldwide Interoperability for Microwave Access:WiMAX)通信システム又は5Gシステムといった種々の通信システムに適用されてもよい。
【0017】
例示的には、本願の実施例に適用した通信システム100は
図1に示すとおりである。該通信システム100は、ネットワーク機器110を備えてもよい。ネットワーク機器110は、UE120(又は、通信端末、端末とも呼ばれる)と通信を行う機器であってもよい。ネットワーク機器110は、特定の地理的エリアに対して通信カバレッジを提供し、且つ該カバレッジ内に位置するUEと通信を行うことができる。任意選択的に、該ネットワーク機器110は、GSMシステム又はCDMAシステムにおけるネットワーク機器(Base Transceiver Station:BTS)であってもよいし、WCDMAシステムにおけるネットワーク機器(NodeB:NB)であってもよく、また、LTEシステムにおける進化型ネットワーク機器(Evolutional NodeB:eNB又はeNodeB)であってもよく、LTEシステムにおける進化型ネットワーク機器(Evolutional NodeB:eNB又はeNodeB)であってもよく、又は、ラウド無線アクセスネットワーク(Cloud Radio Access Network:CRAN)における無線コントローラであってもよい。又は、該ネットワーク機器は、モバイルスイッチングセンタ、中継局、アクセスポイント、車載機器、ウェアラブル機器、ハブ、スイッチ、ブリッジ、ルータ、5Gネットワークにおけるネットワーク側機器又は将来の進化型公衆地上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network:PLMN)におけるネットワーク機器等であってもよい。
【0018】
該通信システム100は、ネットワーク機器110のカバレッジ範囲内に位置する少なくとも1つのUE120を更に備える。ここで使用される「UE」は、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks:PSTN)、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブルのような有線回線を経由して接続される装置、及び/又は別のデータ接続/ネットワークを経由して接続される装置、及び/又はセルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network:WLAN)、DVB-H ネットワークのようなデジタルテレビジョンネットワーク、衛星ネットワーク、AM-FM放送送信機のような無線インターフェイスを経由して接続される装置、及び/又は別のUEにおける、通信信号を受信/送信するように構成される装置、及び/又はモノのインターネット(Internet of Things:IoT)機器を含むが、これらに限定されない。無線通信インターフェイスを経由して通信を行うように構成されるUEは、「無線通信端末」、「無線端末」、又は「携帯端末」と呼ばれてもよい。
【0019】
任意選択的に、UE120同士は、端末間(Device to Device:D2D)での通信を行うことができる。
【0020】
「システム」及び「ネットワーク」という用語は、本明細書において互換的に用いられてよいことが理解されるべきである。本明細書において、用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を説明するためのものであり、3通りの関係が存在することを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在すること、AとBが同時に存在すること、Bのみが存在するという3つのケースを表す。また、本明細書において、文字「/」は、一般的に、前後の関連対象が、「又は」の関係であることを表す。
【0021】
本発明の実施例の特徴と技術的内容をより詳しく理解できるように、以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施例の実現を詳しく説明し、添付した図面は、参照と説明のためのものだけであり、本発明の実施例を限定するものではない。
【0022】
本発明の実施例は、ハンドオーバー処理方法を提供する。
図2に示すように、前記方法は、以下を含む。
【0023】
ステップ21において、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、所定の条件を満たす場合、前記端末機器が、
ソースネットワーク機器の接続をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行する。
【0024】
ここで、前記第1タイプのハンドオーバーは、ハンドオーバープロセスにおいて、端末機器がソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器とのプロトコルスタックを保持するハンドオーバーである。前記第1タイプのハンドオーバーをデュアルアクティブスタック(DAPS:dual active protocol stack)ハンドオーバー(HO:Handover)と呼んでもよい。
【0025】
本実施例において、ネットワーク機器は、ネットワーク側の基地局であってもよく、ソースネットワーク機器は、端末機器の接続するソース基地局であってもよく、目標ネットワーク機器は、目標基地局であってもよい。端末機器は、ハンドオーバーの時、ソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器との接続を同時に保持できる機器である。
【0026】
まず、本実施例の場面を説明する。LTEシステムと類似しており、新たしい無線(NR:New Radio)システムは、接続状態の端末機器のハンドオーバープロセスをサポートする。ネットワークサービスを使用している端末機器は、1つのセルから別のセルに移動し、又は、無線伝送トラフィック負荷量の調整、アクティブ化操作の保守、機器の故障などの理由により、通信の連続性とサービスの品質を確保するために、システムは、該端末機器と元セルとの通信リンクを新たなセルに移行する必要があり、即ち、ハンドオーバープロセスを実行する。Xnインターフェイスハンドオーバープロセスの例に対応するハンドオーバー処理を例として説明すると、ハンドオーバープロセス全体は、以下の3つの段階に分けられる。
図3に示すように、以下を含む。
【0027】
ハンドオーバー準備段階:図示される0-5のように、目標ネットワーク機器及びソースネットワーク機器は、アクセスとモビリティ管理機能エンティティ(AMF:Access and Mobility Management Function)から提供されたモビリティ制御情報に基づいて処理を行い、端末機器は、測定制御及び報告を行い、ソースネットワーク機器は、ハンドオーバー決定を行い、続いて、ソースネットワーク機器は、目標ネットワーク機器に対してハンドオーバー要求、管理制御及びハンドオーバー要求確認を行う。ここで、ハンドオーバー確認メッセージに、目標セルによって生成されたハンドオーバー命令が含まれ、且つソースネットワーク機器による、目標ネットワーク機器によって生成されたハンドオーバー命令に対するいかなる修正を許容せず、ハンドオーバー命令を端末機器に直接的に転送する。
【0028】
ハンドオーバー実行段階において、図示される6-7のように、端末機器は、ハンドオーバー命令を受信した後、ハンドオーバープロセスをすぐに実行する。端末機器とソースネットワーク機器とが無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ハンドオーバーを行うことと、端末機器がソースセルを切断し、目標セルと同期を行い、接続を確立すること(例えば、ランダムアクセスを実行し、RRCハンドオーバー完了メッセージを目標基地局に送信することなど)と、SN状態移行とが含まれてもよく、ソースネットワーク機器がユーザプレーン機能エンティティ(UPF:User Plane Function)の新たなデータを伝送し、キャッシュデータを目標ネットワーク機器に伝送することが更に含まれてもよい。
【0029】
ハンドオーバー完了段階において、図示される8-12のように、RANハンドオーバーが完了した後、端末機器は、目標ネットワーク機器によってユーザデータの伝送を行い、そして、目標ネットワーク機器とUPFとがユーザデータの伝送を行う。続いて、目標ネットワーク機器とAMFは、パス切り替え要求を送信し、UPFがパス切り替えを行い、その後、AMFがソースネットワーク機器によって、パス切り替えが終了したことを目標ネットワーク機器に通知し、AMFは、目標ネットワーク機器にパス切り替え要求確認を送信し、続いて、目標ネットワーク機器は、ユーザデータのリリースを行うようにソースネットワーク機器に通知する。
【0030】
なお、本実施例に対応するまた1つのハンドオーバー場面は、以下の2つのアーキテクチャを含むものであってもよい。
【0031】
二重接続に基づくハンドオーバーの場合、ハンドオーバーの時、まず、目標ネットワーク機器をセカンダリノードとして追加し(SN)、続いて、役割ハンドオーバーシグナリングによってSNをマスターノード(MN)に変換し、最後に、ソースネットワーク機器をリリースすることによって、ハンドオーバーの時、割り込み時間が減少するという効果を達成する。
【0032】
もう一つのアーキテクチャは、ソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器との接続を同時に保持するハンドオーバーであり、メイクビフォアブレイク(eMBB:Enhanced make-before-break)ハンドオーバーと理解されてもよい。このようなハンドオーバーの相違点は、端末機器がハンドオーバー命令(HO command)を受信した時、ソースネットワーク機器との接続を保持し続けると同時に、目標ネットワーク機器に対してランダムアクセスを開始し、端末機器のネットワーク機器へのアクセスが完了する時、ソースネットワーク機器の接続をリリースすることである。
【0033】
更に、3GPPモビリティ拡張の課題(LTEとNRを含む)において、ハンドオーバーの時、割り込み時間を減少させるDAPS(dual active protocol stack、デュアルアクティブプロトコルスタック)最適化方法が提出されている。主に、ハンドオーバー期間において、端末機器は、ソースネットワーク機器と目標ネットワーク機器のプロトコルスタックを同時に保持する。端末機器は、DAPSハンドオーバー命令を受信した後、ソースネットワーク機器の接続を保持し、目標ネットワーク機器に対して同期プロセスを開始する。同期プロセス/ランダムアクセスが完了する時、端末機器は、上りリンクデータのハンドオーバーを行い、つまり、ランダムアクセスの後に、ネットワーク機器の上りリンクデータ伝送は、ソースネットワーク機器側から目標ネットワーク機器側にハンドオーバーされる。ランダムアクセスの後に、ソースネットワーク機器のプロトコルスタックのリリースは、ネットワークの表示に基づいて指示される。つまり、ランダムアクセスからソースネットワーク機器の接続のリリースまでの期間において、端末機器は、ソースセルからの下りリンクデータを正常に受信することができ、そして、ソースセルに前記下りリンクデータの上りリンクフィードバック関連情報などを送信することができる。
【0034】
端末機器が第1タイプのハンドオーバー(DAPSハンドオーバー)を実行するプロセスにおいて、目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーすると同時に、前記端末機器がソースネットワーク機器のプロトコルスタックをさらに保持する。又は、端末機器がソースネットワーク機器との接続を保持すると理解される。このような場面において、無駄な接続プロセスのトリガー、及びそれによって余計な伝送割り込み時間及び余計な処理の複雑さを端末機器にもたらすことを如何に避けるかは、本実施例による方案の解決しようとする課題である。
図4に示すように、本実施例による方案は、以下を含んでもよい。
【0035】
ステップ41において、端末機器はハンドオーバー命令を受信し、該ハンドオーバー命令は、第1タイプのハンドオーバー、即ち、DAPSハンドオーバーを実行するよう端末機器に指示する。
【0036】
ステップ42において、端末機器は前記ハンドオーバー命令に基づいて、目標ネットワーク機器との同期プロセス/ランダムアクセスを実行し、ランダムアクセスに成功すれば、端末機器は上りリンクデータ伝送を目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、所定の条件を満たす場合、前記端末機器は、
ソースネットワーク機器の接続をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行する。
【0037】
前述に基づき、例を参照して説明する。
【0038】
例1、前記所定の条件は、前記端末機器とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害(RLF)が発生したことを含み、
所定の条件を満たす場合、前記端末機器によって実行される処理は、ソースネットワーク機器の接続をリリースすること、又は、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことである。
【0039】
1つの場合には、
前記端末機器とソースネットワーク機器(又はソースセル)との接続に無線リンク障害(RLF)が発生した場合、端末機器は、前記ソースセルの接続をリリースし、
ここで、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする処理において、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることを含んでもよい。
【0040】
つまり、端末機器とソースネットワーク機器とがRLFのトリガー条件を満たし、RLFが発生したと決定した場合、既存のプロトコル規定に応じてソースネットワーク機器との接続の再確立を行うことなく、ソースネットワーク機器との接続をリリースする。
【0041】
換言すれば、端末機器とソースネットワーク機器との間にRLFが発生すれば、ソースネットワーク機器に対応するプロトコルスタックなどの関連情報を含むソースネットワーク機器との接続をリリースすることで、ソースネットワーク機器との接続を完全に避け、これによって、接続の再確立を実行しない。
【0042】
別の場合には、
図5に示すように、
ステップ51において、前記端末機器とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害RLFが発生した場合、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしない。
【0043】
つまり、端末機器とソースネットワーク機器とがRLFのトリガー条件を満たし、RLFが発生したと決定した場合、既存のプロトコル規定に応じてソースネットワーク機器との接続の再確立を行うことなく、端末機器を、ソースネットワーク機器との接続の再確立の処理を実行しないように制御する。
【0044】
本ステップにおいて、前記端末機器によって実行される処理が、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことであれば、前記端末機器が前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保つことを更に含んでもよい。前の例との相違点は、この例において、この場合には、端末機器が接続の再確立を実行しないことのみを制御するが、ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保ち、又は、リースネットワーク機器の関連情報を保つと理解されることである。
【0045】
この上で、ステップ52において、前記端末機器は第1指示情報を受信し、前記第1指示情報は、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースすることを指示するためのものである。
【0046】
ステップ53において、前記端末機器は前記第1指示情報に基づいて前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする。ここで、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする処理において、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることを含む。
【0047】
つまり、端末機器とソースネットワーク機器との接続にRLFが発生すれば、端末機器は、接続の再確立をトリガーせず、ソースネットワーク機器のプロトコルスタック(又は、ソースネットワーク機器の関連情報)を保ち、表示された、ソースネットワーク機器をリリースする第1指示情報を受信するまで継続する。
【0048】
ここで、ソースネットワーク機器をリリースする第1指示情報は、ソースネットワーク機器によって端末機器に送信されたものであってもよい(又は、目標ネットワーク機器によって端末機器に送信されたものであってもよい)。
【0049】
該第1指示情報は、少なくとも1つの下りリンク情報又はチャネルによって搬送されてもよく、例えば、下りリンク制御情報(DCI:Downlink Control Information)によって搬送され、又は、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)シグナリングによって搬送され、又は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)制御エレメント(CE:Control Element)によって搬送され、又は、物理下りリンク共有チャネルPDSCHによって搬送され、又は、物理下りリンク制御チャネルPDCCHによって搬送され、ここで一々列挙しない。
【0050】
なお、この例において、前記端末機器が前記目標ネットワーク機器に、ソースネットワーク機器との接続にRLFが発生したことを報告することを更に含んでもよい。
【0051】
例えば、ステップ51を実行するプロセスにおいて、前記端末機器はソースネットワーク機器との接続にRLFが発生したと決定した場合、前記端末機器は前記目標ネットワーク機器に、ソースネットワーク機器との接続にRLFが発生したことを報告することであってもよい。
【0052】
更に又は、ステップ52又はステップ53を実行する処理プロセスにおいて、例えば、第1指示情報を受信する前(又は受信した後)、前記端末機器は前記目標ネットワーク機器に、ソースネットワーク機器との接続にRLFが発生したことを報告することであってもよい。
【0053】
この例において、RLFのトリガー条件は、以下の少なくとも1つを含む。
【0054】
物理層から送信された、無線リンクに問題が発生したという指示を受信した後、タイマーが満了する(Expiry of a timer started after indication of radio problems from the physical layer)。タイマーが満了する前に、無線リンクの問題が回復されると、端末機器がタイマーを停止する(if radio problems are recovered before the timer is expired, the UE stops the timer)。例えば、1つの場合には、同期外れが発生した場合に前記タイマーを起動し、該タイマーがタイムアウトするか又は満了し、且つ該同期外れの問題が解決されていなければ、RLFが発生したと認められる。
【0055】
ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスに失敗した(Random access procedure failure)。例えば、上りリンク同期外れの場合にランダムアクセスをトリガーする処理に障害が発生した場合、又は、BFRの場合にランダムアクセスをトリガーする処理に障害が発生したなどの場合は、いずれもRLFが発生したと認められてもよい。
【0056】
無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)に失敗した。
【0057】
例2、
前記所定の条件は、前記端末機器とソースネットワーク機器とがランダムアクセスをトリガーする条件を満たすことを含み、
所定の条件を満たす場合、前記端末機器によって実行される処理は、ソースネットワーク機器の接続をリリースすること、又は、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことである。
【0058】
この例において、ランダムアクセスをトリガーする条件は、
上りリンク同期外れと、スケジューリング要求(SR)によってトリガーされるランダムアクセスと、ビーム障害回復(BFR)と、接続の再確立と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0059】
本実施例の場面は、端末機器が第1タイプのハンドオーバー(DAPSハンドオーバー)を実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーすると同時に、前記端末機器がソースネットワーク機器のプロトコルスタックを更に保持し、又は、端末機器がソースネットワーク機器との接続を保持すると理解される場面である。従って、この例において、記述されるランダムアクセスプロセスは、端末機器が(ソースネットワーク機器との)接続状態にある時のランダムアクセスプロセスである。
【0060】
この例は、前記端末機器が目標ネットワーク機器に前記端末機器の処理状況を報告することを更に含んでもよい。
【0061】
具体的には、端末機器が所定の条件を満たす場合にソースネットワーク機器の接続をリリースすれば、目標ネットワーク機器に前記端末機器の処理状況を報告してもよい。
【0062】
又は、端末機器が所定の条件を満たす場合に、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしなければ、目標ネットワーク機器に前記端末機器の処理状況を報告してもよい。
【0063】
ここで、前記端末機器の処理状況は、少なくとも、端末機器がランダムアクセスプロセスをトリガーする原因を含む。
【0064】
ここで、ランダムアクセスプロセスをトリガーする原因は、前記ランダムアクセスをトリガーする条件に対応してもよい。例えば、ランダムアクセスをトリガーする条件が接続の再確立であれば、端末機器は、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないと決定した場合には、目標ネットワーク機器に第2指示情報を送信することで、前記端末機器とソースネットワーク機器との間に接続の再確立によってトリガーされたランダムアクセスプロセスを指示することができる。
【0065】
更に、ランダムアクセスプロセスをトリガーする原因は、原因値であってもよく、例えば、原因値Aは、上りリンク同期外れなどに対応してもよく、ここで一々列挙しない。
【0066】
なお、前記端末機器の処理状況は、ランダムアクセスプロセスをトリガーする原因に加えて、端末がランダムアクセスプロセスのトリガーを満たす場合の処理方式を更に含んでもよい。例えば、端末機器が目標ネットワーク機器に自己の処理状況を指示することは、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないこと、又は、ソースネットワーク機器の接続をリリースすることなどを更に含む。
【0067】
1つの方式において、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしない場合、前記例における一部の処理と組み合わせてもよく、例えば、前記端末機器は、第1指示情報を受信してもよく、前記第1指示情報は、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースすることを指示するためのものであり、前記端末機器は、前記第1指示情報に基づいて、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする。
【0068】
このから分かるように、上記方案を用いることで、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功した後、所定の条件を満たす場合、前記端末機器は、ソースネットワーク機器の接続をリリースし、又は、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーせず、又は、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしない。このように、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいてランダムアクセスに成功しており、且つ目標ネットワーク機器との接続を確立した後、端末機器とソースネットワーク機器との間に無駄な接続をトリガーすることがなく、更に、余計な割り込み時間及び余計な処理の複雑さを端末機器にもたらすことがないこと確保することができる。
【0069】
本発明の実施例は、端末機器を提供する。
図6に示すように、前記端末機器は、
第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーし、所定の条件を満たす場合、
ソースネットワーク機器の接続をリリースすることと、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことと、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことと、のうちの1つの処理を実行する通信ユニット61を備える。
【0070】
ここで、前記第1タイプのハンドオーバーは、ハンドオーバープロセスにおいて、端末機器がソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器とのプロトコルスタックを保持するハンドオーバーである。前記第1タイプのハンドオーバーをデュアルアクティブスタック(DAPS:dual active protocol stack)ハンドオーバー(HO:Handover)と呼んでもよい。
【0071】
本実施例において、ネットワーク機器は、ネットワーク側の基地局であってもよく、ソースネットワーク機器は、端末機器の接続するソース基地局であってもよく、目標ネットワーク機器は、目標基地局であってもよい。端末機器は、ハンドオーバーの時、ソースネットワーク機器及び目標ネットワーク機器との接続を同時に保持できる機器である。
【0072】
本実施例による方案は、以下のとおりである。端末機器が第1タイプのハンドオーバー(DAPSハンドオーバー)を実行するプロセスにおいて、目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功し、前記端末機器が上りリンクデータ伝送を前記目標ネットワーク機器にハンドオーバーすると同時に、前記端末機器がソースネットワーク機器のプロトコルスタックをさらに保持する。又は、端末機器がソースネットワーク機器との接続を保持すると理解される。このような場面において、無駄な接続プロセスのトリガー、及びそれによって余計な伝送割り込み時間及び余計な処理の複雑さを端末機器にもたらすことを如何に避けるかは、本実施例による方案の解決しようとする課題である。
【0073】
前述に基づき、例を参照して説明する。
【0074】
例1、前記所定の条件は、前記端末機器とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害(RLF)が発生したことを含み、
所定の条件を満たす場合、前記通信ユニット61によって実行される処理は、ソースネットワーク機器の接続をリリースすること、又は、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことである。
【0075】
1つの場合には、
前記端末機器の通信ユニット61とソースネットワーク機器(又はソースセル)との接続に無線リンク障害(RLF)が発生した場合、通信ユニット61は、前記ソースセルの接続をリリースし、
ここで、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする処理において、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることを含んでもよい。
【0076】
別の場合には、
通信ユニット61とソースネットワーク機器との接続に無線リンク障害RLFが発生した場合、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしない。
【0077】
前記端末機器によって実行される処理が、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーしないことであれば、前記端末機器の通信ユニット61が前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保つことを更に含んでもよい。前の例との相違点は、この例において、この場合には、端末機器が接続の再確立を実行しないことのみを制御するが、ソースネットワーク機器のプロトコルスタックを保ち、又は、リースネットワーク機器の関連情報を保つと理解されることである。
【0078】
この上で、前記端末機器の通信ユニット61は、第1指示情報を受信し、前記第1指示情報は、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースすることを指示するためのものであり、前記第1指示情報に基づいて前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする。ここで、前記ソースネットワーク機器の接続をリリースする処理において、前記ソースネットワーク機器のプロトコルスタック、及び前記ソースネットワーク機器に関連する暗号鍵をリリースすることを含む。
【0079】
なお、この例において、前記端末機器の通信ユニット61が前記目標ネットワーク機器に、ソースネットワーク機器との接続にRLFが発生したことを報告することを更に含んでもよい。
【0080】
この例において、RLFのトリガー条件は、以下の少なくとも1つを含む。
【0081】
物理層から送信された、無線リンクに問題が発生したという指示を受信した後、タイマーが満了する(Expiry of a timer started after indication of radio problems from the physical layer)。タイマーが満了する前に、無線リンクの問題が回復されると、端末機器がタイマーを停止する(if radio problems are recovered before the timer is expired, the UE stops the timer)。例えば、1つの場合には、同期外れが発生した場合に前記タイマーを起動し、該タイマーがタイムアウトするか又は満了し、且つ該同期外れの問題が解決されていなければ、RLFが発生したと認められる。
【0082】
ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスに失敗した(Random access procedure failure)。例えば、上りリンク同期外れの場合にランダムアクセスをトリガーする処理に障害が発生した場合、又は、BFRの場合にランダムアクセスをトリガーする処理に障害が発生したなどの場合は、いずれもRLFが発生したと認められてもよい。
【0083】
無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)に失敗した。
【0084】
例2、
前記所定の条件は、前記端末機器とソースネットワーク機器とがランダムアクセスをトリガーする条件を満たすことを含み、
所定の条件を満たす場合、前記端末機器の通信ユニット61によって実行される処理は、ソースネットワーク機器の接続をリリースすること、又は、ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしないことである。
【0085】
この例において、ランダムアクセスをトリガーする条件は、
上りリンク同期外れと、スケジューリング要求(SR)によってトリガーされるランダムアクセスと、ビーム障害回復(BFR)と、接続の再確立と、のうちの少なくとも1つを含む。
【0086】
この例は、前記端末機器の通信ユニット61が目標ネットワーク機器に前記端末機器の処理状況を報告することを更に含んでもよい。
【0087】
ここで、前記端末機器の処理状況は、少なくとも、端末機器がランダムアクセスプロセスをトリガーする原因を含む。
【0088】
このから分かるように、上記方案を用いることで、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいて目標ネットワーク機器へのランダムアクセスに成功した後、所定の条件を満たす場合、前記端末機器は、ソースネットワーク機器の接続をリリースし、又は、前記ソースネットワーク機器との接続の再確立をトリガーせず、又は、前記ソースネットワーク機器とのランダムアクセスプロセスをトリガーしない。このように、端末機器が第1タイプのハンドオーバーを実行するプロセスにおいてランダムアクセスに成功しており、且つ目標ネットワーク機器との接続を確立した後、端末機器とソースネットワーク機器との間に無駄な接続をトリガーすることがなく、更に、余計な割り込み時間及び余計な処理の複雑さを端末機器にもたらすことがないこと確保することができる。
【0089】
図7は、本発明の実施例による通信機器900の概略的構造図である。本実施例における通信機器は、具体的には、前記実施例におけるネットワーク機器であってもよい。
図7に示す通信機器900は、プロセッサ910を備え、プロセッサ910は、メモリからコンピュータプログラムを呼び出して実行し、本願の実施例における方法を実現する。
【0090】
任意選択的に、
図7に示すように、通信機器900は、メモリ920を更に備えてもよい。ここで、プロセッサ910は、メモリ920からコンピュータプログラムを呼び出して実行し、本願の実施例における方法を実現する。
【0091】
ここで、メモリ920は、プロセッサ910から独立した個別のデバイスであってもよいし、プロセッサ910に集積されてもよい。
【0092】
任意選択的に、
図7に示すように、通信機器900は、送受信機930を更に備えてもよい。プロセッサ910は、該送受信機930を、他の機器と通信するように制御することができる。具体的には、他の機器に情報又はデータを送信できるか又は他の機器からの情報又はデータを受信できる。
【0093】
ここで、送受信機930は、送信機及び受信機を備えてもよい。送受信機930は、アンテナを更に備えてもよい。アンテナの数は、1つ又は複数であってもよい。
【0094】
任意選択的に、該通信機器900は具体的には、本願の実施例の端末機器又はネットワーク機器であってもよい。また、該通信機器900は、本願の実施例の各方法における携帯端末/端末機器により実現されるプロセスを実現することができる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0095】
図8は、本願の実施例によるチップの概略的構造図である。
図8に示すチップ1000は、プロセッサ1010を備える。プロセッサ1010は、メモリからコンピュータプログラムを呼び出して実行し、本願の実施例における方法を実現する。
【0096】
任意選択的に、
図8に示すように、チップ1000は、メモリ1020を更に備えてもよい。ここで、プロセッサ1010は、メモリ1020からコンピュータプログラムを呼び出して実行し、本願の実施例における方法を実現する。
【0097】
ここで、メモリ1020は、プロセッサ1010から独立した個別のデバイスであってもよいし、プロセッサ1010に集積されてもよい。
【0098】
任意選択的に、該チップ1000は、入力インターフェイス1030を更に備えてもよい。ここで、プロセッサ1010は、該入力インターフェイス1030を、他の機器又はチップと通信するように制御することができる。具体的には、他の機器又はチップからの情報又はデータを取得することができる。
【0099】
任意選択的に、該チップ1000は、出力インターフェイス1040を更に備えてもよい。ここで、プロセッサ1010は、該出力インターフェイス1040を、他の機器又はチップと通信するように制御することができる。具体的には、他の機器又はチップに情報又はデータを出力することができる。
【0100】
任意選択的に、該チップは、本願の実施例の各方法における端末機器により実現されるプロセスを実現することができる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0101】
本願の実施例で言及したチップは、システムオンチップ、システムチップ、チップシステム又はチップの上にあらゆるパーツを搭載したシステムと呼ばれてもよいことが理解されるべきである。
【0102】
本願の実施例におけるプロセッサは、信号処理能力を持つ集積回路チップであってもよいことが理解されるべきである。実現プロセスにおいて、上記方法の実施例における各ステップは、プロセッサにおけるハードウェアの集積論理回路又はソフトウェアの形の命令により完成することができることが理解されるべきである。上記プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor:DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Intergrated Circuit:ASIC)、現場でプログラム可能なゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、ディスクリートハードウェアコンポーネントであってもよい。本願の実施例に開示されている各方法、ステップ及び論理ブロック図を実現又は実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、該プロセッサは如何なる従来のプロセッサ等であってもよい。本願の実施例に開示されている方法のステップを結合して、ハードウェア解読プロセッサによって完成し、又は解読プロセッサ内のハードウェアとソフトウェアモジュールとの組み合わせで実行して完成するように示す。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ、プログラマブル読み取り専用メモリ又は電気的消去プログラム可能なメモリ、レジスタ等の本分野の従来の記憶媒体内に存在してもよい。該記憶媒体はメモリ内に位置し、プロセッサはメモリ中の情報を読み取り、そのハードウェアと共に上記方法のプロセスを完了する。
【0103】
本願の実施例におけるメモリは、揮発性または不揮発性メモリであってもよいし、揮発性メモリと不揮発性メモリの両者を備えてもよいことが理解されるべきである。ここで、不揮発性メモリは、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(Programmable ROM:PROM)、消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Erasable PROM:EPROM)、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(Electrically EPROM:EEPROM)又はフラッシュメモリであってもよい。揮発性メモリは、外部キャッシュメモリとして機能するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)であってもよい。非限定的な例証として、RAMは、スタティックランダムアクセスメモリ(Static RAM:SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(Dynamic RAM:DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchronous DRAM:SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Double Data Rate SDRAM:DDR SDRAM)、エンハンスト同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(Enhanced SDRAM:ESDRAM)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(Synchlink DRAM:SLDRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM:DR RAM)などの多数の形態で使用可能である。本明細書に記載されているシステム及び方法におけるメモリは、これら及び任意の他の適切な形態のメモリを含むが、これらに限定されないことに留意されたい。
【0104】
上記メモリは例示的なものであるが、限定的なものではないことが理解されるべきである。例えば、本願の実施例におけるメモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(static RAM:SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(dynamic RAM:DRAM)、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous DRAM:SDRAM)、ダブルデータレート同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(double Data Rate SDRAM:DDR SDRAM)、エンハンスト同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(enhanced SDRAM:ESDRAM)、同期リンクダイナミックランダムアクセスメモリ(synchlink DRAM:SLDRAM)及びダイレクトラムバスランダムアクセスメモリ(Direct Rambus RAM:DR RAM)などであってもよい。つまり、本願の実施例におけるメモリは、これら及び如何なる他の適切なタイプのメモリを含むが、これらに限定されない。
【0105】
図9は、本願の実施例による通信システム800の概略的ブロック図である。
図9に示すように、該通信システム800は、端末機器810とネットワーク機器820とを備える。ここで、ネットワーク機器は、ソースネットワーク機器又は目標ネットワーク機器を含んでもよい。
【0106】
ここで、該端末機器810は、上記方法におけるUEにより実現される機能を実現するために用いられる。該ネットワーク機器820は、上記ソースネットワーク機器側の方法又は目標ネットワーク機器側の方法におけるネットワーク機器により実現される機能を実現するために用いられる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0107】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するためのコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0108】
任意選択的に、該コンピュータ可読記憶媒体は、本願の実施例におけるネットワーク機器又は端末機器に適用可能である。また、該コンピュータプログラムは、コンピュータに、本願の実施例の各方法におけるネットワーク機器により実現されるプロセスを実行させる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0109】
本願の実施例は、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラム製品を更に提供する。
【0110】
任意選択的に、該コンピュータプログラム製品は、本願の実施におけるネットワーク機器又は端末機器に適用可能である。また、該コンピュータプログラム命令は、コンピュータに、本願の実施例の各方法におけるネットワーク装置により実現されるプロセスを実行させる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0111】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。
【0112】
任意選択的に、該コンピュータプログラムは、本願の実施例におけるネットワーク機器又は端末機器に適用可能である。また、該コンピュータプログラムがコンピュータで実行される時、コンピュータに、本願の実施例の各方法におけるネットワーク装置により実現されるプロセスを実行させる。簡潔化のために、ここで詳細な説明を省略する。
【0113】
当業者であれば、本明細書に開示されている実施例に関係して記載された種々の例示的なユニット及びアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせとして実現されることが理解され得る。ハードウェアとソフトウェアとのどちらで、これらの機能を実行するかは、技術的解決手段の特定の応用及び設計上の制限条件により決められる。当業者は、特定の用途毎に記載の機能を実現するために異なる方法を使用してもよいが、この実現が本発明の範囲を超えるものとして考えられるべきではない。
【0114】
説明上の便宜及び簡素化を図るために、上記説明されたシステム、装置及びユニットの具体的な作動過程は、前記方法の実施例における対応した過程を参照することができるから、ここで詳しく説明しないようにすることは、当業者にはっきり理解されるべきである。
【0115】
本発明で提供する幾つかの実施例で開示したシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。例えば、以上に記載した装置の実施例はただ例示的なもので、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。例えば、複数のユニット又は組立体と組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかのインターフェイス、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0116】
分離部材として説明した前記ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0117】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは一つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ以上のユニットが一つのユニットに集積されてもよい。
【0118】
前記機能はソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体内に記憶されてもよい。このような理解のもと、本発明の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、コンピュータ設備(パソコン、サーバ、又はネットワーク装置など)に、本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。前記の記憶媒体は、Uディスク、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含む。
【0119】
以上は本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護の範囲はそれらに制限されるものではなく、当業者が本発明に開示された技術範囲内で容易に想到しうる変更や置換はいずれも、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本発明の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。