IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本ピラー工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ベローズポンプ装置 図1
  • 特許-ベローズポンプ装置 図2
  • 特許-ベローズポンプ装置 図3
  • 特許-ベローズポンプ装置 図4
  • 特許-ベローズポンプ装置 図5
  • 特許-ベローズポンプ装置 図6
  • 特許-ベローズポンプ装置 図7
  • 特許-ベローズポンプ装置 図8
  • 特許-ベローズポンプ装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ベローズポンプ装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/10 20060101AFI20240201BHJP
   F04B 43/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F04B43/10
F04B43/08 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022569717
(86)(22)【出願日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2021034699
(87)【国際公開番号】W WO2022130722
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】P 2020208526
(32)【優先日】2020-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229737
【氏名又は名称】日本ピラー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浦田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】手嶋 一清
(72)【発明者】
【氏名】木下 敦文
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-037912(JP,A)
【文献】特開2016-109022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/10
F04B 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、
吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、
一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前まで収縮し、かつ他方のベローズが前記伸長状態まで伸長したときに、前記他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、
前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、
前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する次回昇圧制御を行う、ベローズポンプ装置。
【請求項2】
互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、
吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、
一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前まで収縮し、かつ他方のベローズが前記伸長状態まで伸長したときに、前記他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、
前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、
前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、又は前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、現時点で伸長している前記他方のベローズに関する前記流体圧を徐々に昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する現時昇圧制御を行う、ベローズポンプ装置。
【請求項3】
互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、
吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、
一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前まで収縮し、かつ他方のベローズが前記伸長状態まで伸長したときに、前記他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、
前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、
前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態を所定時間以上継続しているか否かを判定し、その判定結果が肯定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を降圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する降圧制御を行う、ベローズポンプ装置。
【請求項4】
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態を所定時間以上継続しているか否かを判定し、その判定結果が肯定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を降圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する降圧制御を行う、請求項1に記載のベローズポンプ装置。
【請求項5】
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧調整部による前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定する、請求項3又は請求項4に記載のベローズポンプ装置。
【請求項6】
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次々回以降の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧調整部による前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定する、請求項4に記載のベローズポンプ装置。
【請求項7】
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、又は前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、現時点で伸長している前記他方のベローズに関する前記流体圧を徐々に昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する現時昇圧制御を行う、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のベローズポンプ装置。
【請求項8】
前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて前記駆動制御を行う、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のベローズポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベローズポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造や化学工業等において、薬液や溶剤等の移送流体を送給するために使用されるベローズポンプとして、互いに独立して伸縮することで内部に移送流体を吸い込んで吐出する一対のベローズと、加圧空気の給排により各ベローズを伸縮させる一対のエアシリンダと、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されたベローズポンプは、一方のベローズが最収縮(吐出終了)する手前で他方のベローズを最伸長状態から収縮させて移送流体を吐出するように、各エアシリンダの駆動を制御している。
【0003】
上記のように各エアシリンダの駆動を制御することで、一方のベローズの収縮から伸長(移送流体の吐出から吸い込み)に切り換わるタイミングで、他方のベローズは既に収縮して移送流体を吐出している状態となる。これにより、前記タイミングにおいて移送流体の吐出圧力が大きく落ち込むのを低減することができるので、ベローズポンプの吐出側の脈動を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-293502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ベローズポンプでは、一方のベローズが最収縮(吐出終了)する手前までに、他方のベローズを最伸長(吸い込み終了)させておく必要がある。しかし、雰囲気温度や移送流体の流量等が変化すると、その影響によりベローズの硬さが変化する。ベローズの硬さが変化すると、ベローズの伸長時間(吸い込み時間)が変化し、種々の問題が発生する。
【0006】
例えば、他方のベローズが硬くなると、他方のベローズが伸長しにくくなるので、その伸長時間は長くなる。そうすると、一方のベローズが最収縮する手前までに、他方のベローズを最伸長させることができなくなり、ベローズポンプの吐出側の脈動が悪化する。
また、他方のベローズが柔らかくなると、他方のベローズが伸長しやすくなるので、その伸長時間は短くなる。そうすると、他方のベローズの伸長速度が速くなり、他方のベローズの内部に負圧が発生する。このような負圧が発生すると、移送流体を他方のベローズ内に吸い込む吸込配管内において、「ウォータハンマ」と呼ばれる衝撃圧力やキャビテーションが発生し、半導体製造プロセス等に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
上記のような問題が発生するのを防止するためには、ベローズの伸長時間が適正な時間になるように、対応するエアシリンダの空気室に供給する加圧空気の空気圧を適正な値に設定し直す必要がある。しかし、従来のベローズポンプでは、ベローズの伸長時間が変化するたびに、前記空気圧を手動で設定し直す必要があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ベローズの伸長時間が変化したときに、当該ベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動で設定し直すことができるベローズポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明は、互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前で他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する次回昇圧制御を行う、ベローズポンプ装置である。
【0010】
本発明のベローズポンプ装置において、一方のベローズが収縮途中状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態まで伸長していない場合がある。その原因は、他方のベローズが硬くなることによって他方のベローズの伸長時間が長くなるからである。このような場合、制御部は、次回の他方のベローズの伸長時に、対応する駆動部の吸込側流体室に供給する加圧流体の流体圧を昇圧させる次回昇圧制御を行う。これにより、他方のベローズの伸長時間が長くなったときに、他方のベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動的に高い値に設定し直すことができる。その結果、次回の他方のベローズの伸長時間が短くなるので、その伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0011】
(2)他の観点から見た本発明は、互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前で他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、又は前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、現時点で伸長している前記他方のベローズに関する前記流体圧を徐々に昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する現時昇圧制御を行う、ベローズポンプ装置である。
【0012】
本発明のベローズポンプ装置において、一方のベローズが収縮途中状態まで収縮したときに、又は一方のベローズが収縮状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態まで伸長していない場合がある。その原因は、他方のベローズが硬くなることによって他方のベローズの伸長時間が長くなるからである。このような場合、制御部は、現時点で伸長している他方のベローズについて、対応する駆動部の吸込側流体室に供給している加圧流体の流体圧を徐々に昇圧させる現時昇圧制御を行う。これにより、他方のベローズの伸長時間が長くなったときに、他方のベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を徐々に高い値になるように自動的に設定し直すことができる。その結果、現時点における他方のベローズの伸長時間が短くなるので、その伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0013】
(3)他の観点から見た本発明は、互いに独立して伸縮自在であり、伸長により内部に移送流体を吸い込み、収縮により内部から移送流体を吐出する一対のベローズと、吸込側流体室及び吐出側流体室を有し、前記吸込側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の伸長状態まで伸長させ、前記吐出側流体室に加圧流体を供給することで前記各ベローズを所定の収縮状態まで収縮させる一対の駆動部と、一対の前記ベローズのうち、一方のベローズが前記収縮状態となる手前で他方のベローズを前記伸長状態から収縮させるように、一対の前記駆動部の駆動制御を行う制御部と、を備えるベローズポンプ装置であって、前記各ベローズの伸縮状態を検知する一対の検知部と、前記各駆動部の前記吸込側流体室に供給される加圧流体の流体圧を調整する一対の流体圧調整部と、を備え、前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態を所定時間以上継続しているか否かを判定し、その判定結果が肯定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を降圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する降圧制御を行う、ベローズポンプ装置である。
【0014】
本発明のベローズポンプ装置において、一方のベローズが収縮途中状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態を所定時間以上継続している場合がある。その原因は、他方のベローズが柔らかくなることによって他方のベローズの伸長時間が必要以上に短くなるからである。このような場合、制御部は、次回の他方のベローズの伸長時に、対応する駆動部の吸込側流体室に供給する加圧流体の流体圧を降圧させる降圧制御を行う。これにより、他方のベローズの伸長時間が必要以上に短くなったときに、他方のベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動的に低い値に設定し直すことができる。その結果、次回の他方のベローズの伸長時間が長くなって伸長速度が低下するので、衝撃圧力やキャビテーションが発生するのを抑制することができる。
【0015】
(4)前記(1)の制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮途中状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態を所定時間以上継続しているか否かを判定し、その判定結果が肯定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧を降圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する降圧制御を行うのが好ましい。
この場合、次回昇圧制御と降圧制御の両方が行われる。これにより、他方のベローズの伸長時間が長くなったときに、他方のベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動的に高い値に設定し直すことができ、かつ、他方のベローズの伸長時間が必要以上に短くなったときに、他方のベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動的に低い値に設定し直すことができる。
【0016】
(5)前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧調整部による前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定するのが好ましい。
【0017】
制御部が降圧制御を行った場合、一方のベローズが所定の収縮状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態まで伸長していない場合がある。その原因は、降圧制御によって、対応する駆動部の吸込側流体室に供給する加圧流体の流体圧が必要以上に降圧されることによって、他方のベローズの伸長時間が長くなりすぎるからである。このような場合、制御部は、次回の他方のベローズの伸長時における前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定する。これにより、次回の他方のベローズの伸長時に流体圧調整部により調整された前記流体圧が下限値よりも低くなるのを規制することができるので、他方のベローズの伸長時間が長くなりすぎるのを抑制することができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0018】
(6)前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、次々回以降の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧調整部による前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の前記他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定するのが好ましい。
【0019】
制御部が降圧制御を行った場合、一方のベローズが所定の収縮状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態まで伸長していない場合がある。その原因は、降圧制御によって、対応する駆動部の吸込側流体室に供給する加圧流体の流体圧が必要以上に降圧されることによって、他方のベローズの伸長時間が長くなりすぎるからである。このような場合、制御部は、次々回以降の他方のベローズの伸長時における前記流体圧の調整範囲の下限値を、前回の他方のベローズの伸長時における前記流体圧よりも高く設定してもよい。これにより、次々回以降の他方のベローズの伸長時に流体圧調整部により調整された前記流体圧が下限値よりも低くなるのを規制することができるので、他方のベローズの伸長時間が長くなりすぎるのを抑制することができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0020】
(7)前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて、前記一方のベローズが前記収縮状態となる手前の収縮途中状態まで収縮したときに、又は前記一方のベローズが前記収縮状態まで収縮したときに、前記他方のベローズが前記伸長状態であるか否かを判定し、その判定結果が否定的である場合、現時点で伸長している前記他方のベローズに関する前記流体圧を徐々に昇圧させるように、前記他方のベローズを伸長させる前記駆動部に対応する前記流体圧調整部を制御する現時昇圧制御を行うのが好ましい。
【0021】
制御部が降圧制御を行った場合、一方のベローズが所定の収縮状態まで収縮したときに、他方のベローズが所定の伸長状態まで伸長していない場合がある。その原因は、降圧制御によって、対応する駆動部の吸込側流体室に供給する加圧流体の流体圧が必要以上に降圧されることによって、他方のベローズの伸長時間が長くなりすぎるからである。このような場合、制御部は、現時点で伸長している他方のベローズに関する前記流体圧を徐々に昇圧させる現時昇圧制御を行う。これにより、現時点における他方のベローズの伸長時間を短くすることができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。また、他方のベローズの伸長による移送流体の吸い込み不全を抑制できるので、その吸い込み不全に起因してベローズポンプ装置が停止するのを抑制することができる。
【0022】
(8)前記制御部は、一対の前記検知部の各検知信号に基づいて前記駆動制御を行うのが好ましい。
この場合、一対の駆動部の駆動制御に用いられる一対の検知部は、現時昇圧制御、次回昇圧制御、又は降圧制御に用いられる一対の検知部を兼ねるので、ベローズポンプ装置の構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のベローズポンプ装置によれば、ベローズの伸長時間が変化したときに、当該ベローズを伸長させるための加圧流体の流体圧を自動で設定し直すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。
図2】ベローズポンプの断面図である。
図3】ベローズポンプの動作を示す説明図である。
図4】ベローズポンプの動作を示す説明図である。
図5】次回昇圧制御の一例を示すタイムチャートである。
図6】降圧制御の一例を示すタイムチャートである。
図7】電空レギュレータによる空気圧の調整範囲の下限値を再設定する一例を示すタイムチャートである。
図8】現時昇圧制御の具体例1を示すタイムチャートである。
図9】現時昇圧制御の具体例2を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
[全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係るベローズポンプ装置の概略構成図である。本実施形態のベローズポンプ装置1は、例えば半導体製造装置において薬液や溶剤等の移送流体を一定量供給するときに用いられる。ベローズポンプ装置1は、空気供給装置(流体供給装置)2、機械式レギュレータ3、第1電磁弁4、第2電磁弁5、制御部6、ベローズポンプ10、第1電空レギュレータ(流体圧調整部)51、及び第2電空レギュレータ(流体圧調整部)52を備えている。
【0026】
空気供給装置2は、例えばエアコンプレッサからなり、ベローズポンプ10に供給する加圧空気(加圧流体)を生成する。機械式レギュレータ3は、空気供給装置2で生成された加圧空気の空気圧(流体圧)を調整する。第1電空レギュレータ51及び第2電空レギュレータ52については後述する。
【0027】
図2は、本実施形態に係るベローズポンプ10の断面図である。本実施形態のベローズポンプ10は、中央部に配置されたポンプヘッド11と、このポンプヘッド11の左右方向の両側に取り付けられた一対のポンプケース12と、各ポンプケース12の内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられた一対のベローズである第1ベローズ13及び第2ベローズ14と、第1及び第2ベローズ13,14それぞれの内部において、ポンプヘッド11の左右方向の側面に取り付けられる合計4個のチェックバルブ15,チェックバルブ16と、を備えている。
【0028】
[ベローズ]
第1ベローズ13及び第2ベローズ14は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やテトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂により有底筒形状に形成されている。第1及び第2ベローズ13,14の開放側端部に一体形成されたフランジ部13a及びフランジ部14aは、ポンプヘッド11の側面に気密状に押圧して固定されている。第1及び第2ベローズ13,14の各周壁は、蛇腹形状に形成され、互いに独立して左右方向に伸縮自在に構成されている。
【0029】
第1及び第2ベローズ13,14の閉塞側端部の外面には、ボルト17及びナット18により作動板19が固定されている。第1及び第2ベローズ13,14は、作動板19の外面が有底円筒状のポンプケース12における底壁部121の内面に当接する最伸長状態と、後述するピストン体23の内面が底壁部121の外面に当接する最収縮状態との間で伸縮可能である。
【0030】
[ポンプケース]
第1ベローズ13のフランジ部13aには、ポンプケース12(以下、「第1ポンプケース12A」ともいう)の開口周縁部が、気密状に押圧して固定されている。これにより、第1ポンプケース12Aの内部における第1ベローズ13の外側には、気密状態が保持された第1吐出側空気室(吐出側流体室)21Aが形成されている。
【0031】
第1ポンプケース12Aには第1吸排気ポート22Aが設けられており、第1吸排気ポート22Aは、第1電磁弁4、第1電空レギュレータ51及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(図1参照)。これにより、空気供給装置2から第1吐出側空気室21Aの内部に加圧空気が供給されると、第1ベローズ13は所定の収縮状態(以下、単に「収縮状態」という)まで収縮する。第1ベローズ13の収縮状態は、最収縮状態であってもよいし、最収縮状態よりも手前の状態であってもよい。
【0032】
第2ベローズ14のフランジ部14aには、ポンプケース12(以下、「第2ポンプケース12B」ともいう)の開口周縁部が、気密状に押圧して固定されている。これにより、第2ポンプケース12Bの内部における第2ベローズ14の外側には、気密状態が保持された第2吐出側空気室(吐出側流体室)21Bが形成されている。
【0033】
第2ポンプケース12Bには第2吸排気ポート22Bが設けられており、第2吸排気ポート22Bは、第2電磁弁5、第2電空レギュレータ52及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(図1参照)。これにより、空気供給装置2から第2吐出側空気室21Bの内部に加圧空気が供給されると、第2ベローズ14は所定の収縮状態(以下、単に「収縮状態」という)まで収縮する。第2ベローズ14の収縮状態は、最収縮状態であってもよいし、最収縮状態よりも手前の状態であってもよい。
【0034】
各ポンプケース12A,12Bの底壁部121には棒状の連結部材20が貫通されており、連結部材20は、底壁部121に対して左右方向に摺動可能に支持されている。連結部材20の外端部にはピストン体23がナット24により固定されている。ピストン体23は、底壁部121の外側に一体に設けられた円筒状のシリンダ体25の内周面に対して、気密状態を保持しながら左右方向へ摺動可能に支持されている。
【0035】
これにより、第1ポンプケース12A側において、底壁部121、シリンダ体25、及びピストン体23によって囲まれた空間は、気密状態が保持された第1吸込側空気室(吸込側流体室)26Aとされている。また、第2ポンプケース12B側において、底壁部121、シリンダ体25、及びピストン体23によって囲まれた空間は、気密状態が保持された第2吸込側空気室(吸込側流体室)26Bとされている。
【0036】
第1ポンプケース12A側のシリンダ体25には、第1吸込側空気室26Aに連通する吸排気口251が形成されている。この吸排気口251は、第1電磁弁4、第1電空レギュレータ51及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(図1参照)。これにより、空気供給装置2から吸排気口251を介して第1吸込側空気室26Aの内部に加圧空気が供給されると、第1ベローズ13は所定の伸長状態(以下、単に「伸長状態」という)まで伸長する。第1ベローズ13の伸長状態は、最伸長状態であってもよいし、最伸長状態よりも手前の状態であってもよい。
【0037】
第2ポンプケース12B側のシリンダ体25には、第2吸込側空気室26Bに連通する吸排気口252が形成されている。この吸排気口252は、第2電磁弁5、第2電空レギュレータ52及び機械式レギュレータ3を介して空気供給装置2に接続されている(図1参照)。これにより、空気供給装置2から吸排気口252を介して第2吸込側空気室26Bの内部に加圧空気が供給されると、第2ベローズ14は所定の伸長状態(以下、単に「伸長状態」という)まで伸長する。第2ベローズ14の伸長状態は、最伸長状態であってもよいし、最伸長状態よりも手前の状態であってもよい。
【0038】
以上の構成により、第1吐出側空気室21Aが内部に形成された第1ポンプケース12Aと、第1吸込側空気室26Aを形成するピストン体23及びシリンダ体25とにより、第1ベローズ13を伸長状態と収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第1駆動部(駆動部)27が構成されている。
また、第2吐出側空気室21Bが内部に形成された第2ポンプケース12Bと、第2吸込側空気室26Bを形成するピストン体23及びシリンダ体25とにより、第2ベローズ14を伸長状態と収縮状態との間で連続して伸縮動作させる第2駆動部(駆動部)28が構成されている。
【0039】
[検知部]
第1駆動部27のシリンダ体25には、一対の近接センサ29A,近接センサ29Bが取り付けられている。第1駆動部27のピストン体23には、各近接センサ29A,29Bにより検知される被検知板30が取り付けられている。被検知板30は、ピストン体23とともに往復動することで、近接センサ29A,29Bに交互に近接する。
【0040】
近接センサ29Aは、第1ベローズ13が収縮状態となる手前の収縮途中状態のときに被検知板30を検知する位置に配置されている。近接センサ29Bは、第1ベローズ13が伸長状態のときに被検知板30を検知する位置に配置されている。各近接センサ29A,29Bは、被検知板30を検知すると、その検知信号を制御部6に出力する。一対の近接センサ29A,29Bは、第1ベローズ13の伸縮状態を検知する第1検知部(検知部)として機能する。
【0041】
第2駆動部28のシリンダ体25には、一対の近接センサ31A,近接センサ31Bが取り付けられている。第2駆動部28のピストン体23には、各近接センサ31A,31Bより検知される被検知板32が取り付けられている。被検知板32は、ピストン体23とともに往復動することで、近接センサ31A,31Bに交互に近接する。
【0042】
近接センサ31Aは、第2ベローズ14が収縮状態となる手前の収縮途中状態のときに被検知板32を検知する位置に配置されている。近接センサ31Bは、第2ベローズ14が伸長状態のときに被検知板32を検知する位置に配置されている。各近接センサ31A,31Bは、被検知板32を検知すると、その検知信号を制御部6に出力する。一対の近接センサ31A,31Bは、第2ベローズ14の伸縮状態を検知する第2検知部(検知部)として機能する。
【0043】
ここで、第1ベローズ13(第2ベローズ14)の「収縮途中状態」とは、第1ベローズ13(第2ベローズ14)の収縮経過位置が収縮開始位置(伸長状態)よりも収縮終了位置(収縮状態)に近い位置にあることを意味し、より詳細には、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が伸長状態から収縮状態となるまでの収縮長さの50%~90%まで収縮した位置を意味する。
【0044】
[ポンプヘッド]
ポンプヘッド11は、PTFEやPFA等のフッ素樹脂から形成されている。ポンプヘッド11の内部には、移送流体の吸込通路34と吐出通路35が形成されている。吸込通路34及び吐出通路35は、ポンプヘッド11の外周面において開口し、当該外周面に設けられた吸込ポート及び吐出ポート(いずれも図示省略)に接続されている。
【0045】
吸込ポートは移送流体の貯留タンク等に接続され、吐出ポートは移送流体の移送先に接続される。また、吸込通路34及び吐出通路35は、それぞれポンプヘッド11の左右両側面に向けて分岐するとともに、ポンプヘッド11の左右両側面において開口する吸込口36及び吐出口37を有している。各吸込口36及び各吐出口37は、それぞれチェックバルブ15,16を介してベローズ13,14の内部と連通している。
【0046】
[チェックバルブ]
各吸込口36及び各吐出口37には、チェックバルブ15,16が設けられている。
吸込口36に取り付けられたチェックバルブ15(以下、「吸込用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース15aと、このバルブケース15aに収容された弁体15bと、この弁体15bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ15cとを有している。
【0047】
バルブケース15aは有底円筒形状に形成されている。バルブケース15aの底壁にはベローズ13,14の内部に連通する貫通孔15dが形成されている。弁体15bは、圧縮コイルバネ15cの付勢力により吸込口36を閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮に伴う移送流体の流れによる背圧が作用すると吸込口36を開放(開弁)するようになっている。
【0048】
これにより、吸込用チェックバルブ15は、自身が配置されているベローズ13,14が伸長したときに開弁して、吸込通路34からベローズ13,14内部に向かう方向(一方向)への移送流体の吸入を許容する。また、吸込用チェックバルブ15は、自身が配置されているベローズ13,14が収縮したときに閉弁して、ベローズ13,14内部から吸込通路34に向かう方向(他方向)への移送流体の逆流を阻止する。
【0049】
吐出口37に取り付けられたチェックバルブ16(以下、「吐出用チェックバルブ」ともいう)は、バルブケース16aと、このバルブケース16aに収容された弁体16bと、この弁体16bを閉弁方向に付勢する圧縮コイルバネ16cとを有している。
【0050】
バルブケース16aは有底円筒形状に形成されている。バルブケース16aの底壁には、ベローズ13,14の内部に連通する貫通孔16dが形成されている。弁体16bは、圧縮コイルバネ16cの付勢力によりバルブケース16aの貫通孔16dを閉鎖(閉弁)し、ベローズ13,14の伸縮に伴う移送流体の流れによる背圧が作用するとバルブケース16aの貫通孔16dを開放(開弁)するようになっている。
【0051】
これにより、吐出用チェックバルブ16は、自身が配置されているベローズ13,14が収縮したときに開弁して、ベローズ13,14内部から吐出通路35に向かう方向(一方向)への移送流体の流出を許容する。また、吐出用チェックバルブ16は、自身が配置されているベローズ13,14が伸長したときに閉弁して、吐出通路35からベローズ13,14内部に向かう方向(他方向)への移送流体の逆流を阻止する。
【0052】
[ベローズポンプの動作]
次に、本実施形態のベローズポンプ10の動作を図3及び図4を参照して説明する。なお、図3及び図4においては第1及び第2ベローズ13,14の構成を簡略化して示している。図3に示すように、第1ベローズ13が収縮し、第2ベローズ14が伸長した場合、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第1ベローズ13内の移送流体から圧力を受けて、各バルブケース15a,16aの図中右側にそれぞれ移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉弁するとともに、吐出用チェックバルブ16が開弁し、第1ベローズ13内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ吐出される。
【0053】
一方、ポンプヘッド11の図中右側に装着された吸込用チェックバルブ15の弁体15bは、第2ベローズ14による吸入作用によってバルブケース15aの図中右側に移動する。ポンプヘッド11の図中右側に装着された吐出用チェックバルブ16の弁体16bは、第2ベローズ14による吸入作用、及び第1ベローズ13から吐出通路35に吐出された移送流体による押圧作用によって、バルブケース16aの図中右側に移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が開弁するとともに、吐出用チェックバルブ16が閉弁し、吸込通路34から第2ベローズ14内に移送流体が吸い込まれる。
【0054】
次に、図4に示すように、第1ベローズ13が伸長し、第2ベローズ14が収縮した場合、ポンプヘッド11の図中右側に装着された吸込用チェックバルブ15及び吐出用チェックバルブ16の各弁体15b,16bは、第2ベローズ14内の移送流体から圧力を受けて、各バルブケース15a,16aの図中左側に移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が閉弁するとともに、吐出用チェックバルブ16が開弁し、第2ベローズ14内の移送流体が吐出通路35からポンプ外へ吐出される。
【0055】
一方、ポンプヘッド11の図中左側に装着された吸込用チェックバルブ15の弁体15bは、第1ベローズ13による吸入作用によってバルブケース15aの図中左側に移動する。ポンプヘッド11の図中左側に装着された吐出用チェックバルブ16の弁体16bは、第1ベローズ13による吸入作用、及び第1ベローズ13から吐出通路35に吐出された移送流体による押圧作用によって、バルブケース16aの図中左側に移動する。これにより吸込用チェックバルブ15が開弁するとともに、吐出用チェックバルブ16が閉弁し、吸込通路34から第1ベローズ13内に移送流体が吸い込まれる。
以上の動作を繰り返し行うことで、左右のベローズ13,14は、交互に移送流体の吸入と吐出とを行うことができる。
【0056】
[電磁弁]
図1において、第1電磁弁4は、例えば、一対のソレノイド4a,ソレノイド4bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド4a,4bは制御部6から受けた指令信号に基づいて励磁されるようになっている。これにより、第1電磁弁4は、制御部6により切り換え制御される。第1電磁弁4は、第1駆動部27において、第1吐出側空気室21Aに対する加圧空気の給排、及び第1吸込側空気室26Aに対する加圧空気の給排を切り換える。
【0057】
具体的には、第1電磁弁4は、ソレノイド4aが励磁されると、第1吐出側空気室21Aに加圧空気を供給するとともに第1吸込側空気室26A内の加圧空気を排出する状態に切り換わる。また、第1電磁弁4は、ソレノイド4bが励磁されると、第1吐出側空気室21A内の加圧空気を排出するとともに第1吸込側空気室26Aに加圧空気を供給する状態とに切り換わる。
【0058】
第2電磁弁5は、例えば一対のソレノイド5a,ソレノイド5bを有する三位置の電磁切換弁からなる。各ソレノイド5a,5bは制御部6から指令信号を受けて励磁されるようになっている。これにより、第2電磁弁5は、制御部6により切り換え制御される。第2電磁弁5は、第2駆動部28において、第2吐出側空気室21Bに対する加圧空気の給排、及び第2吸込側空気室26Bに対する加圧空気の給排を切り換える。
【0059】
具体的には、第2電磁弁5は、ソレノイド5aが励磁されると、第2吐出側空気室21Bに加圧空気を供給するとともに第2吸込側空気室26B内の加圧空気を排出する状態に切り換わる。また、第2電磁弁5は、ソレノイド5bが励磁されると、第2吐出側空気室21B内の加圧空気を排出するとともに第2吸込側空気室26Bに加圧空気を供給する状態とに切り換わる。
なお、本実施形態の第1及び第2電磁弁4,5は、三位置の電磁切換弁からなるが、中立位置を有しない二位置の電磁切換弁であってもよい。
【0060】
[電空レギュレータ]
第1電空レギュレータ51は、機械式レギュレータ3と第1電磁弁4との間に配置されている。第1電空レギュレータ51は、第1駆動部27の第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧、及び第1駆動部27の第1吐出側空気室21Aに供給される加圧空気の空気圧をそれぞれ調整する。
【0061】
第2電空レギュレータ52は、機械式レギュレータ3と第2電磁弁5との間に配置されている。第2電空レギュレータ52は、第2駆動部28の第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧、及び第2駆動部28の第2吐出側空気室21Bに供給される加圧空気の空気圧をそれぞれ調整する。
【0062】
なお、電空レギュレータ51,52は、少なくとも吸込側空気室26A,26Bに供給される加圧空気の空気圧を調整するものであればよい。また、本実施形態では、流体圧調整部として、空気圧を直接的に調整する電空レギュレータ51,52を用いているが、空気流量を調整する空気流量調整弁を用いて空気圧を間接的に調整してもよいし、空気以外の気体(例えば窒素)や液体等の圧力又は流量を調整する機器を用いてもよい。
【0063】
[制御部]
図1及び図2において、制御部6は、CPU等を有するコンピュータを備えて構成されている。制御部6の各機能は、前記コンピュータの記憶装置に記憶された制御プログラムがCPUにより実行されることで発揮される。制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31の各検知結果に基づいて、第1電磁弁4及び第2電磁弁5を切り換えることにより、第1駆動部27及び第2駆動部28の駆動制御を行う。
【0064】
具体的には、制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31の各検知結果に基づいて、第1ベローズ13が収縮状態となる手前で第2ベローズ14を伸長状態から収縮させるとともに、第2ベローズ14が収縮状態となる手前で第1ベローズ13を伸長状態から収縮させるように、第1駆動部27及び第2駆動部28の各駆動を制御する。
【0065】
以上のように制御部6が駆動制御を行うことで、第1ベローズ13及び第2ベローズ14のうち、一方のベローズの収縮から伸長(移送流体の吐出から吸い込み)へ切り換えるタイミングにおいて、他方のベローズは既に収縮して移送流体を吐出しているので、前記タイミングにおいて移送流体の吐出圧力が大きく落ち込むのを低減することができる。その結果、ベローズポンプ10の吐出側の脈動を低減することができる。
【0066】
前記駆動制御において、例えば雰囲気温度が低下すると、その影響により第1ベローズ13及び第2ベローズ14が硬くなり、第1ベローズ13及び第2ベローズ14の各伸長時間が長くなる場合がある。この場合、制御部6は、第1ベローズ13及び第2ベローズ14の各伸長時間を短くするための次回昇圧制御、及び現時昇圧制御を行う。
【0067】
具体的には、制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31の各検知結果に基づいて、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮途中状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態であるか否かを判定する第1判定を行う。制御部6は、第1判定の判定結果が否定的である(伸長状態でない)場合、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に、第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給される加圧空気の空気圧を昇圧させるように、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)を制御する次回昇圧制御を行う。次回昇圧制御における前記空気圧の昇圧度合いは、+1kPa~+50kPa(より好ましくは+1kPa~+20kPa)とするのが望ましい。
【0068】
制御部6は、上記のように第1判定の判定結果が否定的である(伸長状態でない)場合、現時点で伸長している第2ベローズ14(第1ベローズ13)について、第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給されている加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させるように、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)を制御する現時昇圧制御をさらに行う。現時昇圧制御における前記空気圧の昇圧度合いは、1msec~100msec毎(より好ましくは1msec~30msec毎)に+1kPa~+100kPa(より好ましくは+1kPa~+30kPa)とするのが望ましい。
【0069】
一方、前記駆動制御において、例えば雰囲気温度が上昇すると、その影響により第1ベローズ13及び第2ベローズ14が柔らかくなり、第1ベローズ13及び第2ベローズ14の各伸長時間が短くなる場合がある。この場合、制御部6は、第1ベローズ13及び第2ベローズ14の各伸長時間を長くするための降圧制御を行う。
【0070】
具体的には、制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31の各検知結果に基づいて、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮途中状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態を所定時間以上継続しているか否かを判定する第2判定を行う。前記所定時間は、例えば500msec(好ましくは10~200msec)の値に設定するのが望ましい。
【0071】
制御部6は、第2判定の判定結果が肯定的である(伸長状態を所定時間以上継続している)場合、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に、第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給される加圧空気の空気圧を降圧させるように、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)を制御する降圧制御を行う。降圧制御における前記空気圧の降圧度合いは、-1kPa~-50kPa(より好ましくは-1kPa~-20kPa)とするのが望ましい。
【0072】
降圧制御が行われた場合、第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給される加圧空気の空気圧が必要以上に低下することが考えられる。この場合、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなりすぎて、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態まで収縮しても、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態に達しない場合が起こり得る。こうなると、前記駆動制御を正常に行うことができなくなり、ベローズポンプ10の吐出側の脈動が悪化してしまう。そこで、制御部6は、降圧制御により第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給される加圧空気の空気圧が必要以上に低下した場合、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する。
【0073】
具体的には、制御部6は、第1検知部29及び第2検知部31の各検知結果に基づいて、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態であるか否かを判定する第3判定を行う。制御部6は、第3判定の判定結果が否定的である(伸長状態でない)場合、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値を、前回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時における前記空気圧よりも高く設定する。
【0074】
空気圧の調整範囲の下限値の設定度合いは、+1kPa~+50kPa(より好ましくは+5kPa~+20kPa)とするのが望ましい。なお、言うまでもないが、空気圧の調整範囲の上限値は固定値であり、下限値を再設定しても上限値が変更されることはない。このように再設定された下限値は、次々回以降の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時においても、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値として適用される。
【0075】
制御部6は、降圧制御により第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給される加圧空気の空気圧が必要以上に低下した場合、上記の現時昇圧制御をさらに行う。具体的には、制御部6は、上記第3判定の判定結果が否定的である(伸長状態でない)場合、現時点で伸長している第2ベローズ14(第1ベローズ13)について、第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給されている加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させるように、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)を制御する現時昇圧制御をさらに行う。
【0076】
[次回昇圧制御の具体例]
図5は、制御部6により駆動制御中に行われる次回昇圧制御の一例を示すタイムチャートである。以下、図1及び図5を参照しながら、制御部6が実行する駆動制御及び次回昇圧制御について説明する。ここでは、第1ベローズ13が収縮動作中(吐出中)であり、かつ第2ベローズ14が伸長動作中(吸い込み中)の状態から説明する。
【0077】
制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)した時点t1で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、時点t1において、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t6~時点t7)に次回昇圧制御を実行する。
【0078】
制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定した場合、近接センサ31BがONになるまで待機する。そして、制御部6は、近接センサ31BがONになった時点t2で、第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。なお、制御部6は、時点t1において近接センサ31BがONになっていると判定した場合、直ちに第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。
【0079】
第2電磁弁5のソレノイド5aが励磁されると、空気供給装置2で生成された加圧空気は、機械式レギュレータ3、第2電空レギュレータ52、及び第2電磁弁5を介して、第2駆動部28の第2吐出側空気室21Bに供給される。その際、制御部6は、第2吐出側空気室21Bに供給される加圧空気の空気圧が所定値P2となるように第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、第1ベローズ13が収縮状態となる手前で、第2ベローズ14は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0080】
第2ベローズ14が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ29AがONになった時点t1から所定の演算時間が経過した時点t3で、第1ベローズ13が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第1電磁弁4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させる。
【0081】
第1電磁弁4のソレノイド4bが励磁されると、空気供給装置2で生成された加圧空気は、機械式レギュレータ3、第1電空レギュレータ51、及び第1電磁弁4を介して、第1駆動部27の第1吸込側空気室26Aに供給される。その際、制御部6は、第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧が所定値P11となるように第1電空レギュレータ51を制御する。これにより、第1ベローズ13は収縮状態から伸長動作を開始する。
【0082】
次に、制御部6は、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)した時点t4で、近接センサ29Bが第1ベローズ13の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、時点t4において、近接センサ29Bは第1ベローズ13の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ29BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第1ベローズ13の伸長時(時点t8~時点t9)に次回昇圧制御を実行する。
【0083】
制御部6は、近接センサ29BがONになっていないと判定した場合、近接センサ29BがONになるまで待機する。そして、制御部6は、近接センサ29BがONになった時点t5で、第1電磁弁4のソレノイド4bを消磁させるとともにソレノイド4aを励磁させる。なお、制御部6は、時点t4において近接センサ29BがONになっていると判定した場合、直ちに第1電磁弁4のソレノイド4bを消磁させるとともにソレノイド4aを励磁させる。
【0084】
第1電磁弁4のソレノイド4aが励磁されると、空気供給装置2で生成された加圧空気は、機械式レギュレータ3、第1電空レギュレータ51、及び第1電磁弁4を介して、第1駆動部27の第1吐出側空気室21Aに供給される。その際、制御部6は、第1吐出側空気室21Aに供給される加圧空気の空気圧が所定値P1となるように第1電空レギュレータ51を制御する。これにより、これにより、第2ベローズ14が収縮状態となる手前で、第1ベローズ13は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0085】
第1ベローズ13が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ31AがONになった時点から所定時間が経過した時点t6で、第2ベローズ14が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第2電磁弁5のソレノイド5aを消磁させるとともにソレノイド5bを励磁させる。
【0086】
第2電磁弁5のソレノイド5bが励磁されると、空気供給装置2で生成された加圧空気は、機械式レギュレータ3、第2電空レギュレータ52、及び第2電磁弁5を介して、第2駆動部28の第2吸込側空気室26Bに供給される。その際、制御部6は、時点t1で行った第1判定の判定結果が否定的であったので(近接センサ31BがONになっていないと判定したので)、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を昇圧させるように第2電空レギュレータ52を制御する次回昇圧制御を実行する。
【0087】
具体的には、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が前回(時点t2以前)の値P21よりも高い値P22となるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、第2ベローズ14は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第2ベローズ14の伸長速度よりも速くなる。
【0088】
次に、制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)した時点t7で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、上記のように第2ベローズ14の伸長速度が速くなり、第2ベローズ14の伸長時間が短くなることで、時点t7で第2ベローズ14は伸長状態に達する。したがって、時点t7において近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を検知しているので、制御部6は、近接センサ31BがONになっていると判定する。この判定結果により、制御部6は、次回の第2ベローズ14の伸長時には次回昇圧制御を実行しない。
【0089】
制御部6は、近接センサ31BがONになっていると判定した場合、第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5aが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13が収縮状態となる手前(収縮途中状態)で、第2ベローズ14は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0090】
第2ベローズ14が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ29AがONになった時点t7から所定の演算時間が経過した時点t8で、第1ベローズ13が収縮状態になったと判断し、第1電磁弁4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4bが励磁されると、上記のように、空気供給装置2で生成された加圧空気は、第1駆動部27の第1吸込側空気室26Aに供給される。
【0091】
その際、制御部6は、前記時点t4で行った第1判定の判定結果が否定的であったので(近接センサ29BがONになっていないと判定したので)、第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧を昇圧させるように第1電空レギュレータ51を制御する次回昇圧制御を実行する。
【0092】
具体的には、制御部6は、第1吸込側空気室26Aに供給された加圧空気の空気圧が前回(時点t3~時点t5)の値P11よりも高い値P12となるように、第1電空レギュレータ51を制御する。これにより、第1ベローズ13は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第1ベローズ13の伸長動作時における伸長速度よりも速くなる。
【0093】
次に、制御部6は、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)した時点t9で、近接センサ29Bが第1ベローズ13の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、上記のように第1ベローズ13の伸長速度が速くなり、第1ベローズ13の伸長時間が短くなることで、時点t9で第1ベローズ13は伸長状態に達する。したがって、時点t9において近接センサ29Bは第1ベローズ13の伸長状態を検知しているので、制御部6は、近接センサ29BがONになっていると判定する。この判定結果により、制御部6は、次回の第1ベローズ13の伸長時には次回昇圧制御を実行しない。
【0094】
制御部6は、近接センサ29BがONになっていると判定した場合、第1電磁弁4のソレノイド4bを消磁させるとともにソレノイド4aを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4aが励磁されると、上記のように、第2ベローズ14が収縮状態となる手前(収縮途中状態)で、第1ベローズ13は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0095】
[降圧制御の具体例]
図6は、制御部6により駆動制御中に行われる降圧制御の一例を示すタイムチャートである。以下、図1及び図6を参照しながら、制御部6が実行する降圧制御について説明する。ここでは、図5と同様に、第1ベローズ13が収縮動作中(吐出中)であり、かつ第2ベローズ14が伸長動作中(吸い込み中)の状態から説明する。
【0096】
制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)する前に、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)したか否かを判定する。ここでは、第1ベローズ13が収縮途中状態に達する前の時点t20で、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を検知しているので、制御部6は、近接センサ31BがONになったと判定する。
【0097】
制御部6は、近接センサ31BがONになったと判定した場合、さらに近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知した時点t21で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知した時点t20から所定時間T以上継続しているか否かを判定する(第2判定)。ここでは、時点t21において所定時間Tが経過しているので、制御部6は、時点t20から所定時間T以上継続していると判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t25~時点t26)に降圧制御を実行する。
【0098】
制御部6は、近接センサ29AがONになった時点t21で、第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5aが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13が収縮状態となる手前(収縮途中状態)で、第2ベローズ14は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0099】
第2ベローズ14が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ29AがONになった時点t21から所定の演算時間が経過した時点t22で、第1ベローズ13が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第1電磁弁4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4bが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13は収縮状態から伸長動作を開始する。
【0100】
次に、制御部6は、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)する前に、近接センサ29Bが第1ベローズ13の伸長状態を検知(ON)したか否かを判定する。ここでは、第2ベローズ14が収縮途中状態に達する前の時点t23で、近接センサ29Bは第1ベローズ13の伸長状態を検知しているので、制御部6は、近接センサ29BがONになったと判定する。
【0101】
制御部6は、近接センサ29BがONになったと判定した場合、さらに近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知した時点t24で、近接センサ29Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知した時点t23から所定時間T以上継続しているか否かを判定する(第2判定)。ここでは、時点t24において所定時間Tが経過しているので、制御部6は、時点t23から所定時間T以上継続していると判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第1ベローズ13の伸長時(時点t27~時点t28)に降圧制御を実行する。
【0102】
制御部6は、近接センサ31AがONになった時点t24で、第1電磁弁4のソレノイド4bを消磁させるとともにソレノイド4aを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4aが励磁されると、上記のように、第2ベローズ14が収縮状態となる手前(収縮途中状態)で、第1ベローズ13は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0103】
第1ベローズ13が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ31AがONになった時点t24から所定の演算時間が経過した時点t25で、第2ベローズ14が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第2電磁弁5のソレノイド5aを消磁させるとともにソレノイド5bを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5bが励磁されると、上記のように、空気供給装置2で生成された加圧空気は、第2駆動部28の第2吸込側空気室26Bに供給される。
【0104】
その際、制御部6は、前記時点t21で行った第2判定の判定結果が肯定的であったので(近接センサ31BがONになった時点t20から所定時間T以上継続していると判定したので)、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を降圧させるように、第2電空レギュレータ52を制御する降圧制御を実行する。
【0105】
具体的には、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が前回(時点t21以前)の値P21よりも低い値P23となるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、第2ベローズ14は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第2ベローズ14の伸長動作時における伸長速度よりも遅くなる。
【0106】
次に、制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)する前に、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)したか否かを判定する。ここでは、上記のように第2ベローズ14の伸長速度が遅くなり、第2ベローズ14の伸長時間が長くなることで、第1ベローズ13が収縮途中状態に達した時点t26で第2ベローズ14は伸長状態に達する。
【0107】
したがって、第1ベローズ13が収縮途中状態に達する前に、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ31BがONにならなかったと判定する。この判定結果により、第1ベローズ13が収縮途中状態に達した時点t26で、制御部6による第2判定は行われないため、次回の第2ベローズ14の伸長時に降圧制御は実行されない。
【0108】
制御部6は、近接センサ31BがONになった時点t26で、第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5aが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13が収縮状態となる手前(収縮途中状態)で、第2ベローズ14は伸長状態から収縮動作を開始する。
【0109】
第2ベローズ14が収縮動作を開始した後、制御部6は、近接センサ29AがONになった時点t26から所定の演算時間が経過した時点t27で、第1ベローズ13が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第1電磁弁4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4bが励磁されると、上記のように、空気供給装置2で生成された加圧空気は、第1駆動部27の第1吸込側空気室26Aに供給される。
【0110】
その際、制御部6は、前記時点t24で行った第2判定の判定結果が肯定的であったので(近接センサ29BがONになった時点t23から所定時間T以上継続していると判定したので)、第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧を降圧させるように、第1電空レギュレータ51を制御する降圧制御を実行する。
【0111】
具体的には、制御部6は、第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧が前回(時点t22~時点t24)の値P11よりも低い値P13となるように、第1電空レギュレータ51を制御する。これにより、第1ベローズ13は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第1ベローズ13の伸長動作時における伸長速度よりも遅くなる。
【0112】
次に、制御部6は、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)する前に、近接センサ29Bが第1ベローズ13の伸長状態を検知(ON)したか否かを判定する。ここでは、上記のように第1ベローズ13の伸長速度が遅くなり、第1ベローズ13の伸長時間が長くなることで、第2ベローズ14が収縮途中状態に達した時点t28で第1ベローズ13は伸長状態に達する。
【0113】
したがって、第2ベローズ14が収縮途中状態に達する前に、近接センサ29Bは第1ベローズ13の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ29BがONにならなかったと判定する。この判定結果により、第2ベローズ14が収縮途中状態に達した時点t28で、制御部6による第2判定は行われないため、次回の第1ベローズ13の伸長時に降圧制御は実行されない。
【0114】
[下限値の再設定の具体例]
図7は、制御部6により降圧制御を行った後に、電空レギュレータ51,52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する一例を示すタイムチャートである。以下、図1及び図7を参照しながら、制御部6が実行する前記下限値の再設定について説明する。なお、図7の時点t40から時点t44までの間に行われる制御については、図6の時点t20から時点t24までの間に行われる制御とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0115】
制御部6は、近接センサ31AがONになった時点t44から所定の演算時間が経過した時点t45で、第2ベローズ14が収縮状態になったと判断する。そして、制御部6は、第2電磁弁5のソレノイド5aを消磁させるとともにソレノイド5bを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5bが励磁されると、上記のように、空気供給装置2で生成された加圧空気は、第2駆動部28の第2吸込側空気室26Bに供給される。
【0116】
その際、制御部6は、前記時点t41で行った第2判定の判定結果が肯定的であったので(近接センサ31BがONになった時点t40から所定時間T以上継続していると判定したので)、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を降圧させるように、第2電空レギュレータ52を制御する降圧制御を実行する。
【0117】
具体的には、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が前回(時点t41以前)の値P21よりも低い値P24となるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、第2ベローズ14は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第2ベローズ14の伸長動作時における伸長速度よりも遅くなる。
【0118】
次に、制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)する前に、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)したか否かを判定する。ここでは、上記のように第2ベローズ14の伸長速度が遅くなり、第2ベローズ14の伸長時間が長くなることで、第1ベローズ13が収縮途中状態に達した時点t46でも第2ベローズ14は伸長動作中である。
【0119】
したがって、第1ベローズ13が収縮途中状態に達する前に、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ31BがONにならなかったと判定する。この判定結果により、第1ベローズ13が収縮途中状態に達した時点t46で、制御部6による第2判定は行われないため、次回の第2ベローズ14の伸長時に降圧制御は実行されない。
【0120】
次に、制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)した時点t46で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、時点t46において、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t50~時点t51)に次回昇圧制御を実行する。
【0121】
制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定した場合、近接センサ31BがONになるまで(第2ベローズ14が伸長状態になるまで)、又は近接センサ29AがONになった時点t46から所定の演算時間が経過する時点t47まで(第1ベローズ13が収縮状態になるまで)待機する。ここでは、上記のように第2ベローズ14の伸長速度が遅くなり、第2ベローズ14の伸長時間が長くなりすぎることで、第2ベローズ14が伸長状態に達する前に、第1ベローズ13が収縮状態となる時点t47に達する。
【0122】
制御部6は、第1ベローズ13が収縮状態に達した時点t47において、第1電磁弁4のソレノイド4aを消磁させるとともにソレノイド4bを励磁させる。第1電磁弁4のソレノイド4bが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13は収縮状態から伸長動作を開始する。なお、時点t47以降の制御部6による第1ベローズ13の駆動制御及び降圧制御は、図6の時点t27以降と同様であるため、説明を省略する。
【0123】
制御部6は、第1ベローズ13が収縮状態に達した時点t47において、さらに近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第3判定)。ここでは、上記のように時点t47において第2ベローズ14は伸長状態に達していないので、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、後述するように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t50~時点t51)に第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する。
【0124】
次に、制御部6は、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知した時点t48で、第2電磁弁5のソレノイド5bを消磁させるとともにソレノイド5aを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5aが励磁されると、上記のように、第1ベローズ13の伸長途中状態で、第2ベローズ14は伸長状態から収縮動作を開始する。その後、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)した時点t49から所定の演算時間が経過した時点t50で、制御部6は、第2電磁弁5のソレノイド5aを消磁させるとともにソレノイド5bを励磁させる。第2電磁弁5のソレノイド5bが励磁されると、上記のように、空気供給装置2で生成された加圧空気は、第2駆動部28の第2吸込側空気室26Bに供給される。
【0125】
その際、制御部6は、前記時点t46で行った第1判定の判定結果が否定的であったので(近接センサ31BがONになっていないと判定したので)、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を昇圧させるように第2電空レギュレータ52を制御する次回昇圧制御を実行する。
【0126】
具体的には、制御部6は、まず、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧の値が、前回の第2ベローズ14の伸長時(時点t45~時点t48)における第2吸込側空気室26Bに供給された加圧空気の空気圧の値P24よりも高くなるように、空気圧の昇圧度合いを決定する。ここでは、制御部6は、例えば、降圧制御後の空気圧の値P24よりも高く、かつ降圧制御前の空気圧の値P21よりも低い値P23になるように昇圧度合いを決定する。そして、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が決定した値P23となるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、第2ベローズ14は、収縮状態から伸長動作を開始する。その伸長速度は、前回の第2ベローズ14の伸長動作時における伸長速度よりも速くなる。
【0127】
さらに、制御部6は、前記時点t47で行った第3判定の判定結果が否定的であったので(近接センサ31BがONになっていないと判定したので)、第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する。
【0128】
具体的には、制御部6は、第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値Pdを、前回の第2ベローズ14の伸長時(時点t45~時点t48)に、降圧制御によって第2吸込側空気室26Bに供給された加圧空気の空気圧の値P24よりも高い空気圧(ここでは値P23)に設定する。なお、前記下限値の再設定は、次回昇圧制御において第2電空レギュレータ52の制御を開始する前に行うのが好ましい。
【0129】
次に、制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)した時点t51で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、上記のように第2ベローズ14の伸長速度が速くなり、第2ベローズ14の伸長時間が短くなることで、時点t51で第2ベローズ14は伸長状態に達する。したがって、時点t51において近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を検知しているので、制御部6は、近接センサ31BがONになっていると判定する。この判定結果により、制御部6は、次回の第2ベローズ14の伸長時には次回昇圧制御を実行しない。
【0130】
また、次回以降の第2ベローズ14の伸長時には、上記のように再設定された下限値Pdが、第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値として適用される。したがって、次回以降の第2ベローズ14の伸長時において降圧制御が実行されても、その降圧制御により降圧された空気圧が下限値Pdよりも低くなることはない。
【0131】
図7の制御例では、時点t47で行った第3判定の判定結果に基づいて、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t50~時点t51)に第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定しているが、当該下限値の再設定は、次回の第2ベローズ14の伸長時には行わず、次々回の第2ベローズ14の伸長時に行ってもよい。その理由は、次回の第2ベローズ14の伸長時には、上述のように次回昇圧制御が実行され、前記下限値を再設定しなくても第2電空レギュレータ52により空気圧が昇圧されるからである。
【0132】
次々回の第2ベローズ14の伸長時に前記下限値を再設定した場合、次々々回以降の第2ベローズ14の伸長時には、再設定された下限値Pdが、第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値として適用される。したがって、次々々回以降の第2ベローズ14の伸長時において降圧制御が実行されても、その降圧制御により降圧された空気圧が下限値Pdよりも低くなることはない。なお、前記下限値の再設定は、次回及び次々回の第2ベローズ14の伸長時には行わず、次々々回以降の第2ベローズ14の伸長時に行ってもよい。
【0133】
図7の制御例では、第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する場合について説明したが、第1電空レギュレータ51による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する場合も上記と同様であるため、説明を省略する。
【0134】
[現時昇圧制御の具体例1]
図8は、制御部6により駆動制御中に行われる現時昇圧制御の具体例1を示すタイムチャートである。具体例1は、図5の変形例であり、次回昇圧制御とセットで現時昇圧制御が行われる。以下、図1及び図8を参照しながら、制御部6が実行する現時昇圧制御の具体例1について説明する。ここでは、図5と同様に、第1ベローズ13が収縮動作中(吐出中)であり、かつ第2ベローズ14が伸長動作中(吸い込み中)の状態から説明する。
【0135】
制御部6は、近接センサ29Aが第1ベローズ13の収縮途中状態を検知(ON)した時点t61で、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、時点t61において、近接センサ31Bは第2ベローズ14の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、上述したように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t66~時点t67)に次回昇圧制御を実行する。
【0136】
また、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定した場合、現時点t61で第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させるように第2電空レギュレータ52を制御する現時昇圧制御を実行する。具体的には、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が、現時点t61の値P21から徐々に高くなるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、現時点t61において伸長中の第2ベローズ14の伸長速度は、時間経過とともに徐々に速くなる。
【0137】
制御部6は、近接センサ31BがONになるまで現時昇圧制御を継続する。したがって、伸長中である第2ベローズ14の伸長速度は、近接センサ31BがONになるまで増加するので、第2ベローズ14を現時点t61から迅速に伸長状態まで伸長させることができる。その結果、第2ベローズ14が伸長状態となる時点(近接センサ31BがONになる時点)t62を、現時昇圧制御が行われない図5で第2ベローズ14が伸長状態となる時点t2よりも早めることができる。なお、図8の時点t62から時点t63までの間に行われる制御については、図5の時点t2から時点t3までの間に行われる制御と同様であるため、説明を省略する。
【0138】
時点t64において、近接センサ31Aが第2ベローズ14の収縮途中状態を検知(ON)すると、制御部6は、近接センサ29Bが第1ベローズ13の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第1判定)。ここでは、時点t64において、近接センサ29Bは第1ベローズ13の伸長状態を非検知(OFF)であるため、制御部6は、近接センサ29BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、上述したように、次回の第1ベローズ13の伸長時(時点t68~時点t69)に次回昇圧制御を実行する。
【0139】
また、制御部6は、近接センサ29BがONになっていないと判定した場合、現時点t64で第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させるように第1電空レギュレータ51を制御する現時昇圧制御を実行する。具体的には、制御部6は、第1吸込側空気室26Aに供給される加圧空気の空気圧が、現時点t64の値P11から徐々に高くなるように、第1電空レギュレータ51を制御する。これにより、現時点t64において伸長中の第1ベローズ13の伸長速度は、時間経過とともに徐々に速くなる。
【0140】
制御部6は、近接センサ29BがONになるまで現時昇圧制御を継続する。したがって、伸長中である第1ベローズ13の伸長速度は、近接センサ29BがONになるまで増加するので、第1ベローズ13を現時点t64から迅速に伸長状態まで伸長させることができる。その結果、第1ベローズ13が伸長状態となる時点(近接センサ29BがONになる時点)t65を、現時昇圧制御が行われない図5で第1ベローズ13が伸長状態となる時点t5よりも早めることができる。図8の時点t65以降に行われる制御は、図5の時点t5以降に行われる制御と同様であるため、説明を省略する。
【0141】
なお、具体例1の制御部6は、第1判定を行った時点t61で現時昇圧制御を実行しているが、その時点t61から第1ベローズ13が伸長状態となるまでの間の任意のタイミングで現時昇圧制御を実行してもよい。
また、制御部6は、次回昇圧制御を実行する判断基準となる第1判定を、現時昇圧制御を実行する判断基準として用いているが、現時昇圧制御を実行する判断基準となる判定を第1判定とは独立して行ってもよい。例えば、制御部6は、第1ベローズ13が収縮状態に達した時点t63で前記判定を行ってもよい。その場合、時点t63において伸長中の第2ベローズ14を迅速に伸長状態まで伸長させることができる。
【0142】
[現時昇圧制御の具体例2]
図9は、制御部6により駆動制御中に行われる現時昇圧制御の具体例2を示すタイムチャートである。具体例2は、図7の変形例であり、降圧制御が行われた後に、前記下限値の再設定とセットで現時昇圧制御が行われる。以下、図1及び図9を参照しながら、制御部6が実行する現時昇圧制御の具体例2について説明する。なお、図9の時点t80から時点t86までの間に行われる制御については、図7の時点t40から時点t46までの間に行われる制御と同様であるため、説明を省略する。
【0143】
制御部6は、第1ベローズ13が収縮状態に達した時点t87において、近接センサ31Bが第2ベローズ14の伸長状態を検知(ON)しているか否かを判定する(第3判定)。ここでは、時点t87において第2ベローズ14は伸長状態に達していないので、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定する。この判定結果により、制御部6は、上述したように、次回の第2ベローズ14の伸長時(時点t90~時点t91)に第2電空レギュレータ52による空気圧の調整範囲の下限値を再設定する。
【0144】
また、制御部6は、近接センサ31BがONになっていないと判定した場合、現時点t87で第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させるように第2電空レギュレータ52を制御する現時昇圧制御を実行する。具体的には、制御部6は、第2吸込側空気室26Bに供給される加圧空気の空気圧が、現時点t87の値P24から徐々に高くなるように、第2電空レギュレータ52を制御する。これにより、現時点t87において伸長中の第2ベローズ14の伸長速度は、時間経過とともに徐々に速くなる。
【0145】
制御部6は、近接センサ31BがONになるまで現時昇圧制御を継続する。したがって、伸長中である第2ベローズ14の伸長速度は、近接センサ31BがONになるまで増加するので、第2ベローズ14を現時点t87から迅速に伸長状態まで伸長させることができる。その結果、第2ベローズ14が伸長状態となる時点(近接センサ31BがONになる時点)t88を、現時昇圧制御が行われない図7で第2ベローズ14が伸長状態となる時点t48よりも早めることができる。
【0146】
図9の時点t87以降に行われる第1ベローズ13の制御は、図7の時点t47以降(図6の時点t27以降)の制御と同様であるため、説明を省略する。また、図9の時点t88以降に行われる第2ベローズ14の制御は、図7の時点t48以降の制御と同様であるため、説明を省略する。また、図9では、第2電空レギュレータ52の現時昇圧制御について説明したが、第1電空レギュレータ51の現時昇圧制御も上記と同様であるため、説明を省略する。
【0147】
なお、具体例2の制御部6は、前記下限値を再設定する判断基準となる第3判定を、現時昇圧制御を実行する判断基準として用いているが、現時昇圧制御を実行する判断基準となる判定を第3判定とは独立して行ってもよい。例えば、制御部6は、第1ベローズ13が収縮途中状態に達した時点t86で前記判定を行ってもよい。その場合、制御部6は、前記判定を行った時点t86で現時昇圧制御を実行してもよいし、時点t86から第1ベローズ13が伸長状態となるまでの間の任意のタイミングで現時昇圧制御を実行してもよい。
【0148】
[本実施形態の作用効果]
以上、本実施形態のベローズポンプ装置1によれば、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮途中状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態まで伸長していない場合がある。この場合、制御部6は、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に、第2駆動部28(第1駆動部27)の第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給する加圧空気の空気圧を昇圧させる次回昇圧制御を行う。これにより、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなったときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)を伸長させるための加圧空気の空気圧を自動的に高い値に設定し直すことができる。その結果、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が短くなるので、その伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0149】
また、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮途中状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態まで伸長していない場合、制御部6は、現時点で伸長している第2ベローズ14(第1ベローズ13)について、第2駆動部28(第1駆動部27)の第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給している加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させる現時昇圧制御を行う。これにより、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなったときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)を伸長させるための加圧空気の空気圧を徐々に高い値になるように自動的に設定し直すことができる。その結果、現時点における第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が短くなるので、その伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0150】
また、現時昇圧制御を行うことで、現時点で伸長中の第2ベローズ14(第1ベローズ13)を、伸長途中で停止させることなく確実に伸長状態まで伸長させることができる。その結果、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において次回昇圧制御を確実に行うことができる。
【0151】
第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮途中状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態を所定時間以上継続している場合がある。この場合、制御部6は、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に、第2駆動部28(第1駆動部27)の第2吸込側空気室26B(第1吸込側空気室26A)に供給する加圧空気の空気圧を降圧させる降圧制御を行う。これにより、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が必要以上に短くなったときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)を伸長させるための加圧空気の空気圧を自動的に低い値に設定し直すことができる。その結果、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなって伸長速度が低下するので、衝撃圧力やキャビテーションが発生するのを抑制することができる。
【0152】
制御部6が降圧制御を行った場合、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態まで伸長していない場合がある。この場合、制御部6は、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時における第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値を、前回の他方のベローズの伸長時における前記空気圧よりも高くなるように再設定する。これにより、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)により調整された前記空気圧が下限値Pdよりも低くなるのを規制することができるので、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなりすぎるのを抑制することができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0153】
また、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に再設定された前記下限値は、次々回以降の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時においても、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値として適用される。このため、次々回以降の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において降圧制御が実行されても、その降圧制御により降圧された空気圧が下限値Pdよりも低くなることはない。したがって、降圧制御により第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなって、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態となる手前で第2ベローズ14(第1ベローズ13)を伸長状態から収縮させることができなくなるのを抑制することができる。その結果、ベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのをさらに抑制することができる。
【0154】
降圧制御によって、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態まで伸長していない場合、制御部6は、次々回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時における第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値を、前回の他方のベローズの伸長時における前記空気圧よりも高くなるように再設定してもよい。次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時には次回昇圧制御が実行され、前記下限値を再設定しなくても第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)により前記空気圧が昇圧されるので、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時にあえて下限値を再設定する必要がないからである。これにより、次々回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)により調整された前記空気圧が下限値Pdよりも低くなるのを規制することができるので、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなりすぎるのを抑制することができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。
【0155】
また、次々回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時に再設定された前記下限値は、次々々回以降の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時においても、第2電空レギュレータ52(第1電空レギュレータ51)による空気圧の調整範囲の下限値として適用される。このため、次々々回以降の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において降圧制御が実行されても、その降圧制御により降圧された空気圧が下限値Pdよりも低くなることはない。したがって、降圧制御により第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間が長くなって、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態となる手前で第2ベローズ14(第1ベローズ13)を伸長状態から収縮させることができなくなるのを抑制することができる。その結果、ベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのをさらに抑制することができる。
【0156】
また、制御部6が降圧制御を行うことで、第1ベローズ13(第2ベローズ14)が収縮状態まで収縮したときに、第2ベローズ14(第1ベローズ13)が伸長状態まで伸長していない場合、制御部6は、現時点で伸長している第2ベローズ14(第1ベローズ13)に関する加圧空気の空気圧を徐々に昇圧させる現時昇圧制御を行う。これにより、現時点における第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時間を短くすることができる。その結果、前記伸長時間が長くなることに起因してベローズポンプ装置1の吐出側の脈動が悪化するのを抑制することができる。また、第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長による移送流体の吸い込み不全を抑制できるので、その吸い込み不全に起因してベローズポンプ装置1が停止するのを抑制することができる。
【0157】
また、現時昇圧制御を行うことで、現時点で伸長中の第2ベローズ14(第1ベローズ13)を、伸長途中で停止させることなく確実に伸長状態まで伸長させることができる。その結果、次回の第2ベローズ14(第1ベローズ13)の伸長時において前記下限値の再設定を確実に行うことができる。
【0158】
第1駆動部27及び第2駆動部28の駆動制御に用いられる第1検知部29及び第2検知部31は、現時昇圧制御、次回昇圧制御、及び降圧制御に用いられる一対の検知部を兼ねるので、ベローズポンプ装置1の構成を簡素化することができる。
【0159】
[その他]
上記実施形態では、第1検知部29は、近接センサ29A,29Bにより構成されているが、レーザ光等を用いた変位センサで構成されていてもよい。同様に、第2検知部31は、近接センサ31A,31Bにより構成されているが、レーザ光等を用いた変位センサで構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、第1駆動部27及び第2駆動部28の駆動制御に用いられる第1検知部29及び第2検知部31が、現時昇圧制御、次回昇圧制御、及び降圧制御に用いられる一対の検知部を兼ねているが、これら一対の検知部を第1検知部29及び第2検知部31とは別に設けてもよい。
【0160】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0161】
1 ベローズポンプ装置
6 制御部
13 第1ベローズ(ベローズ)
14 第2ベローズ(ベローズ)
21A 第1吐出側空気室(吐出側流体室)
21B 第2吐出側空気室(吐出側流体室)
26A 第1吸込側空気室(吸込側流体室
26B 第2吸込側空気室(吸込側流体室
27 第1駆動部(駆動部)
28 第2駆動部(駆動部)
29 第1検知部(検知部)
31 第2検知部(検知部)
51 第1電空レギュレータ(流体圧調整部)
52 第2電空レギュレータ(流体圧調整部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9