(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-31
(45)【発行日】2024-02-08
(54)【発明の名称】清掃工具及び清掃方法
(51)【国際特許分類】
G02B 6/36 20060101AFI20240201BHJP
B08B 1/00 20240101ALI20240201BHJP
【FI】
G02B6/36
B08B1/00
(21)【出願番号】P 2023510193
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 JP2021036129
(87)【国際公開番号】W WO2022208943
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-02-27
(31)【優先権主張番号】P 2021055005
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 峻介
(72)【発明者】
【氏名】坂口 有也
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/059853(WO,A1)
【文献】特開2008-105015(JP,A)
【文献】特開2007-297177(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0297184(US,A1)
【文献】特開2008-272665(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/24
G02B 6/255
G02B 6/36- 6/40
A47L 25/00
B08B 1/00- 1/04
B08B 5/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着面を有する第1テープと、
前記第1テープが架け渡され、前記粘着面を対象物に押し付けるヘッドと、
前記第1テープと、前記粘着面に接触させた第2テープと、を搬送する搬送部と、
前記第1テープを前記ヘッドに搬送する間で、前記第1テープと前記第2テープとを分離する分離部と、
を備え
、
前記第2テープは、ループ状に構成されており、
前記搬送部は、前記分離部との間で前記第2テープを循環させるローラーを有することを特徴とする清掃工具。
【請求項2】
請求項1に記載の清掃工具であって、
前記搬送部は、前記第1テープを巻き回した第1リールを有し、
前記第1リールに巻き回されている最外層の前記第1テープの粘着面に、前記ローラーから供給された前記第2テープが接触することを特徴とする清掃工具。
【請求項3】
請求項2に記載の清掃工具であって、
前記ローラーは、前記第1リールの外周に配置されていることを特徴とする清掃工具。
【請求項4】
請求項3に記載の清掃工具であって、
前記搬送部は、前記第1テープを回収する第2リールを有し、
前記ローラーから供給された前記第2テープが前記第1テープと接触する位置は、前記第1リールの最外層の前記第1テープが下層から剥離する位置と、前記第1リールと前記第2リールとの間隔が最も狭い位置と、の間であることを特徴とする清掃工具。
【請求項5】
粘着面を有する第1テープと、
ループ状に構成され前記粘着面に接触させた第2テープとをヘッドに向けて搬送すること、
前記ヘッドに前記第1テープを搬送する間で前記第1テープと前記第2テープとを分離すること、
前記第1テープと前記第2テープを搬送する搬送部が有するローラーと、前記第1テープと前記第2テープとを分離する分離部との間で前記第2テープを循環させること、及び
前記ヘッドに架け渡した前記第1テープの粘着面を対象物に押し付けること
を行う清掃方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、清掃工具及び清掃方法に関する。
本願は、2021年3月29日に日本に出願された特願2021-055005号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
清掃工具を用いて光コネクタの接続端面を清掃することが一般的に行われている。特許文献1には、粘着力のあるテープを用いた清掃工具が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
清掃体の粘着面が空気に触れることによって、粘着面が劣化すると、清掃能力が低下する。
【0005】
本発明は、粘着面の劣化を抑制することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様に係る清掃工具は、粘着面を有する第1テープと、前記第1テープが架け渡され、前記粘着面を対象物に押し付けるヘッドと、前記第1テープと、前記粘着面に接触させた第2テープと、を搬送する搬送部と、前記第1テープを前記ヘッドに搬送する間で、前記第1テープと前記第2テープとを分離する分離部と、を備える。
また、第2の態様に係る清掃方法は、粘着面を有する第1テープと、前記粘着面に接触させた第2テープとをヘッドに向けて搬送すること、前記ヘッドに前記第1テープを搬送する間で前記第1テープと前記第2テープとを分離すること、及び、前記ヘッドに架け渡した前記第1テープの粘着面を対象物に押し付けることを行う。
【0007】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粘着面の劣化を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1Aは、第1実施形態の清掃工具100の説明図である。
図1Bは、比較例の清掃工具100の説明図である。
【
図3】
図3A~
図3Cは、プッシュ動作時のハウジング50の内部の状態の説明図である。
【
図4】
図4は、ローラー24の周辺の説明図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態の清掃工具100の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する明細書及び図面の記載から、本願発明の一例となる実施形態を説明する。
【0011】
===第1実施形態===
<基本構成>
図1Aは、第1実施形態の清掃工具100の説明図である。
【0012】
清掃工具100は、光コネクタ(清掃対象物)の清掃に用いられる工具である。清掃工具100は、ヘッド10と、搬送部20とを有する。また、清掃工具100は、搬送部20等を収容するハウジング50を有している。図中にはハウジング50が点線で示されている。
【0013】
ヘッド10は、清掃用のテープ(第1テープ1)を清掃対象物に押し付ける部材である。本実施形態では、清掃用のテープは粘着面を有する。以下の説明では、粘着面を有する清掃用のテープのことを「第1テープ」と呼ぶことがある。第1テープは、粘着テープと呼ばれることもある。この第1テープ1を清掃対象物に押し当てる側を先端側とし、それとは反対方向を基端側とする。ヘッド10の先端側には、第1テープ1が架け渡されている。また、以下の説明では、第1テープ1が搬送される方向を「搬送方向」と呼び、搬送方向における供給側のことを「上流側」と呼び、逆側のことを「下流側」と呼ぶことがある。
【0014】
図2A~
図2Dは、清掃の様子の説明図である。ここでは、清掃対象物は、光コネクタ90のレンズフェルール91のレンズ面である。但し、清掃対象物は、レンズ面に限られるものではない。
【0015】
図2Aに示すように、ヘッド10の押圧面(ヘッド面)には、粘着面が外側を向くように、第1テープ1が架け渡されている。
図2Bに示すように、第1テープ1が搬送されることによって、未使用の第1テープ1(未使用の粘着面)がヘッド10の押圧面に供給される。未使用の第1テープ1がヘッド10の押圧面に供給された後、
図2Cに示すように、ヘッド10を清掃対象物に近接させることによって、第1テープ1がヘッド10の押圧面によって清掃対象物(ここではレンズ面)に押し付けられる。第1テープ1が清掃対象物に押し付けられた後、ヘッド10を清掃対象物から離間させることによって、第1テープ1が清掃対象物から引き剥がされる。第1テープ1に粘着面が設けられているため、清掃対象物の表面の異物は第1テープ1に付着することになる(清掃対象物が清掃される)。清掃対象物に接触した第1テープ1は、使用済みの第1テープ1となる。第1テープ1を清掃対象物から引き剥がした直後には、使用済みの第1テープ1がヘッド10の押圧面に配置されている。但し、
図2Bに示すように、第1テープ1が搬送されることによって、未使用の第1テープ1がヘッド10の押圧面に供給されることになる。なお、以下の説明では、ヘッド10の押圧面を通過する前の第1テープ1のことを「未使用の第1テープ」と呼ぶことがある。また、ヘッド10の押圧面を通過した後の第1テープ1のことを「使用済みの第1テープ」と呼ぶことがある。
【0016】
第1テープ1は、例えば、基材1Aと、粘着層1B(接着層)とを有している。基材1Aの一方の面に粘着層1Bが設けられており、粘着層1Bの表面(基材1Aとは反対側の面)が粘着面となる。粘着層1Bは、自粘着性を有する。ここで、自粘着性とは、粘着面と他の部材(ここではレンズ面)との接着強度が第1テープ1の切断強度に比べて小さく、粘着面と他の部材とを引き剥がしたときに粘着層1Bが相手側の部材に転移しないことを意味する。
【0017】
搬送部20は、第1テープ1を搬送する機構である。搬送部20は、ヘッド10に対して基端側に位置する。搬送部20は、第1テープ1をヘッド10に供給する機能と、ヘッド10に供給した第1テープを回収する機能とを有する。搬送部20は、例えば第1リール21(供給リール)と第2リール22(回収リール;巻取リール)とを有する。第1リール21は、未使用の第1テープ1を巻き回した部材(リール、ボビン)である。第2リール22は、使用済みの第1テープ1を回収する部材(リール、ボビン)である。搬送部20は、第1リール21から未使用の第1テープ1をヘッド10に供給するとともに、使用済みの第1テープ1を第2リール22に巻き回して回収する。搬送部20の第1リール21からヘッド10までの搬送路を「供給路」と呼ぶことがある。また、ヘッド10から搬送部20の第2リール22までの搬送路を「回収路」と呼ぶことがある。
【0018】
図3A~
図3Cは、搬送部20の一例の説明図である。
搬送部20は、ラックアンドピニオン機構31を有する。ラックアンドピニオン機構31は、第1ハウジング51と第2ハウジング52との直線的な相対運動を回転運動に変換し、伝動車35を回転させる。伝動車35が順方向に回転すると、第2リール22が巻取方向に回転し、第1テープが第2リール22に回収される。第2リール22は、一方向(巻取方向)に回転するように制限されており、伝動車35が逆方向に回転するときには、第2リール22は回転せずに、伝動車35が空回りする。第2リール22が回収した第1テープ1の距離の分だけ、第1リール21から第1テープ1が供給され、第1テープ1がヘッド10に向かって搬送される(
図2B参照)。このように、搬送部20は、清掃時の第1ハウジング51と第2ハウジング52との相対移動を利用して、第1テープ1(及び第2テープ2)を搬送するように構成されている。なお、搬送部20は、
図3A~
図3Cに示す構成に限られるものではない。例えば、搬送部20は、作業者の指で第2リール22を回転させて第1テープ1を搬送するように構成されて良い。
【0019】
ところで、仮に第1テープ1の粘着面を清掃対象物に押し付けた状態で第1テープ1がヘッド10に供給されてしまうと、粘着層1Bの一部が千切れて粘着性の屑が発生するおそれがある。これに対し、本実施形態では、第3ハウジング53が第1テープ1と清掃対象物との接触を阻止することによって、粘着面と清掃対象物とが擦れることを抑制している。
【0020】
図3Aに示すように、第3ハウジング53は、第2ハウジング52の先端側に配置されており、ヘッド10を収容している。また、
図3Aに示すように、第1スプリング61は、第1ハウジング51と第2ハウジング52との間に配置されており、第2スプリング62は、第2ハウジング52と第3ハウジング53との間に配置されている。第1スプリング61は、第2スプリング62よりも変形し易くなるように構成されている。
図3Bに示すように、清掃時に第3ハウジング53が光アダプタ95の縁に突き当てられると、まず第1スプリング61が第2スプリング62よりも先に大きく変形する(第1ハウジング51と第2ハウジング52とが相対移動する)。次に、
図3Cに示すように、第2スプリング62が変形して、ヘッド10が第3ハウジング53から露出する(ヘッド10に架け渡した第1テープ1が清掃対象に接触可能になる)。このように、第1テープ1がヘッド10に供給される時に(第1ハウジング51と第2ハウジング52とが相対移動する時に)、第3ハウジング53は、第1テープ1と清掃対象物との接触を阻止することができる。
【0021】
図1Bは、比較例の清掃工具100の説明図である。比較例では、未使用の第1テープ1が供給路において第1リール21からヘッド10に供給されるまでの間、第1テープ1の粘着面が露出している。このように粘着面が空気に長時間触れていると、粘着面が劣化し、この結果、清掃能力が低下するおそれがある。特にハウジング50(
図1Bの点線)の内部に摺動する部材が存在する場合には、摺動する部材から発生した塵(摩耗粉)がハウジング50の内部に存在する。このため、比較例の構成では、供給路において未使用の第1テープ1の粘着面に塵が付着することによって、当該粘着面が劣化するおそれがある。これに対し、本実施形態では、供給路において、第1テープ1の粘着面は保護されている。以下、この点について説明する。
【0022】
本実施形態の搬送部20は、少なくとも供給路において、第1テープ1とともに、第2テープ2を搬送する(
図1A参照)。第2テープ2は、第1テープ1の粘着面に接触することで、第1テープ1の粘着面を保護するテープとなる。第1テープ1の粘着面に接触された第2テープ2は、第1テープ1から剥離可能である。第2テープ2は、保護テープ又は剥離テープと呼ばれることもある。第2テープ2によって、第1テープ1の粘着面が保護され、粘着面の劣化を抑制できる。供給路上でヘッド10に向けて搬送される第1テープ1を、清掃対象物を清掃する直前まで保護するため、第2テープ2は、ヘッド10よりも搬送方向の上流側において、第1テープ1の粘着面に接触している。これにより、搬送部20は、第1テープ1と共に、第1テープ1の粘着面に接触させた第2テープ2とをヘッド10に向けて搬送することができる。
【0023】
図1Aに示すように、本実施形態の清掃工具100は、分離部40を有する。分離部40は、ヘッド10に第1テープ1を搬送する間で第1テープ1と第2テープ2とを分離する部材である。分離部40が第1テープ1と第2テープ2とを分離することによって、供給路上の第1テープ1の粘着面を外側にしてヘッド10の押圧面に第1テープ1を架け渡すことができる。ここでは、分離部40は、ヘッド10の上流側に設けられたローラーで構成されている。分離部40を構成するローラーの外周面に第2テープ2が掛け回されており、第2テープ2の搬送方向が分離部40で折り返されることによって、第2テープ2が第1テープ1の粘着面から分離(剥離)する。なお、分離部40は、第1テープ1と第2テープ2とを分離可能であれば、ローラーに限られるものではない。例えば、分離部40は、板状の部材でも良い。
【0024】
第1実施形態では、第2テープ2はループ状に構成されている。つまり、第1実施形態では、第2テープ2はエンドレステープで構成されている。第1実施形態の搬送部20は、分離部40との間で第2テープ2を循環させるローラー24(折り返しローラー)を有する。第2テープ2を循環させることによって、第1テープ1から分離した第2テープ2が再び第1テープ1に接触することになる。
【0025】
図4は、ローラー24の周辺の説明図である。既に説明した通り、第1リール21には第1テープ1が巻き回されているが、図中には、第1リール21の最外層(最外周)の第1テープ1が示されている。なお、
図4(及び
図1)において、第2テープ2の外周と内周は説明をしやすいよう模式的に離間して図示している。但し、実際には、第2テープ2は張力を付与された状態となるため、その第2テープ2の内周と外周は、ローラー24(及び分離部40)の近傍を除いて接触している状態となる。
【0026】
図4に示すように、ローラー24から供給された第2テープ2は、第1リール21に巻き回されている最外層の第1テープ1の粘着面に接触する。これにより、第1テープ1の粘着面は、第1リール21に巻き回されている段階から、第2テープ2によって保護される。これにより、第1テープ1の粘着面が空気に触れる期間を短くでき、粘着面の劣化を抑制できる。
【0027】
図4の位置Aは、第1リール21の最外層の第1テープ1がその下層の第1テープ1から剥離する位置である。位置Aは、第1テープ1の粘着面が空気に触れ始める位置である。また、
図4の位置Bは、第1リール21の回転軸と第2リール22の回転軸とを結ぶ線と、第1リール21の最外層の第1テープ1とが交差する位置である。位置Bは、第1リール21と第2リール22との間隔が最も狭くなる位置である。また、
図4の位置Xは、第2テープ2が第1テープ1と接触する位置である。本実施形態では、位置Xは、位置Aから位置Bまでの間である。これにより、第1テープ1の粘着面が空気に触れる期間を短くしつつ、比較的広いスペースにローラー24を配置することが可能になる。
【0028】
図5A~
図5Cは、ローラー24の配置の変形例の説明図である。
【0029】
図5A及び
図5Bに示す変形例においても、
図4に示す第1実施形態と同様に、ローラー24から供給された第2テープ2は、第1リール21に巻き回されている最外層の第1テープ1の粘着面に接触する。これにより、第1リール21に巻き回されている段階から、第1テープ1の粘着面を第2テープ2によって保護することができる。なお、
図5Cに示すように、第1リール21から供給した後の第1テープ1に第2テープ2を接触させても良い。但し、
図5Cの場合、第1リール21の最外層の第1テープ1の粘着面が空気に触れる期間が長くなる。これに対し、
図4、
図5A及び
図5Bに示すように、第1リール21に巻き回されている最外層の第1テープ1の粘着面に第2テープ2を接触させれば(第1リール21に巻き回されている段階から第1テープ1を第2テープ2によって保護すれば)、第1テープ1の粘着面が空気に触れる期間を短くでき、粘着面の劣化を抑制できる。
【0030】
図5Aに示す変形例では、
図4に示す第1実施形態と同様に、ローラー24が第1リール21の外周に配置されている。これにより、分離部40からローラー24に向かう第2テープ2と、ローラー24から分離部40に向かう第2テープ2とが、第1リール21の外周面(第1リール21に巻き回された第1テープ1の外周面)に沿って搬送される。なお、
図5Bに示す形態のように、ローラー24が第1リール21の外周面とは離れて配置されても良い。但し、
図5Bの場合、第2テープ2の搬送経路のためのスペースが余分に必要になる。これに対し、
図4及び
図5Aに示すように、ローラー24が第1リール21の外周に配置されていれば、狭いスペースに第2テープ2の搬送経路を収容し易くなる。
【0031】
図5Aに示す変形例では、
図4に示す第1実施形態とは異なり、位置X(第2テープ2が第1テープ1と接触する位置)は、位置A(第1リール21の最外層の第1テープ1が下層から剥離する位置)から位置B(第1リール21と第2リール22との間隔が最も狭くなる位置)までの間ではない。
図5Aに示す変形例においても、
図4に示す第1実施形態と同様に、第1リール21と第2リール22との間の比較的広いスペースにローラー24を配置することが可能である。但し、
図4に示すように位置Xが位置Aと位置Bとの間であれば、
図5に示す変形例と比べて、第1テープ1の粘着面が空気に触れる期間を短くできる。
【0032】
===第2実施形態===
前述の実施形態の第2テープ2は、ループ状に構成されている。但し、第2テープ2は、ループ状のテープに限られるものではない。
【0033】
図6は、第2実施形態の清掃工具100の説明図である。
【0034】
第2実施形態の清掃工具100は、第1実施形態と同様に、ヘッド10と、搬送部20と、分離部40とを有する。また、清掃工具100は、搬送部20及び分離部40を収容するハウジング50を有している。なお、搬送部20は、第1実施形態のように清掃時にヘッド10を清掃対象物に押し付ける動作を利用して第1テープ1(及び第2テープ2)を搬送しても良いし、手動で第2リール22を回転させて第1テープ1(及び第2テープ2)を搬送しても良いし、他の構成でも良い。
【0035】
第2実施形態では、第1リール21には、複合テープ4が巻き回されている。複合テープ4は、第1テープ1の粘着面に第2テープ2を付着させた状態のテープである。第2実施形態では、第2テープ2は、第1テープ1の粘着面に予め接触した状態で、第1テープ1と共に第1リール21に巻き回されている。第2実施形態では、第1テープ1の粘着面に第2テープ2を付着させた複合テープ4を用意する必要がある。一方、第2実施形態では、前述の第1実施形態のように第1テープ1の搬送途中で第1テープ1と第2テープ2とを接触させる工程が不要になるという利点がある。
【0036】
第2実施形態においても、第1テープ1(複合テープ4)が第1リール21からヘッド10に搬送される間において、分離部40によって第1テープ1と第2テープ2とを分離させている。これにより、第2実施形態においても、第1テープ1の粘着面が保護され、粘着面の劣化を抑制できる。
【0037】
第2実施形態の搬送部20は、第1リール21及び第2リール22とともに、第3リール23を有する。第3リール23は、分離部40で分離した第2テープ2を回収する部材(リール、ボビン)である。第3リール23と第1リール21との間にはギア(不図示)が設けられており、第3リール23は、第1リール21の回転に同期して回転する。これにより、第1リール21が供給した第2テープ2(複合テープ4)の距離の分だけ、第2テープ2を第3リール23に回収することができる。
【0038】
===その他の実施形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1 第1テープ、1A 基材、1B 粘着層、
2 第2テープ、4 複合テープ、
10 ヘッド、20 搬送部、
21 第1リール、22 第2リール、23 第3リール、
24 ローラー、
31 ラックアンドピニオン機構、35 伝動車、
40 分離部、50 ハウジング、
51 第1ハウジング、52 第2ハウジング、53 第3ハウジング、
61 第1スプリング、62 第2スプリング、
90 光コネクタ、91 レンズフェルール、95 光アダプタ、
100 清掃工具