(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】マルチ電子ペンを活用した電子黒板
(51)【国際特許分類】
G06F 3/042 20060101AFI20240202BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G06F3/042 481
G06F3/041 590
(21)【出願番号】P 2022563169
(86)(22)【出願日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 KR2020009855
(87)【国際公開番号】W WO2021230425
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-10-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0058481
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523473442
【氏名又は名称】エッチディービジョン・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HDVision Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 707, E&C Venture Dream Tower 6, 41 Digital-ro 31-gil, Guro-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】リ ヒ デイ
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110492(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0162121(US,A1)
【文献】特開2018-132799(JP,A)
【文献】特開2018-156466(JP,A)
【文献】特開2016-126631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
角側に赤外線感知センサーが設置され、プロジェクターを介して出力された画面が投射されるスクリーン部と、
前記スクリーン部に赤外線信号を送り出して板書が行われる複数個の電子ペンと、
前記スクリーン部の全体に位置座標を設定し、前記複数個の電子ペンを介して送り出された赤外線信号から板書の位置を追跡して位置情報を感知するセンサー部と、
前記スクリーン部から板書が行われる映像情報と、複数個の電子ペンから感知された位置情報をそれぞれ受信し、前記映像情報及び位置情報を出力装置に出力する制御部と、
を含む電子黒板。
【請求項2】
前記複数個の電子ペンは、同時多点認識方式によって前記スクリーン部に板書が行われることを特徴とする、請求項1に記載の電子黒板。
【請求項3】
前記制御部は、
前記複数個の電子ペンのそれぞれに対するIDを付与し、
IDが付与された各電子ペンを通じて前記スクリーン部に板書が行われると、各電子ペンが、板書された最終位置に当該電子ペンに付与されたIDを一緒に出力することを特徴とする、請求項1に記載の電子黒板。
【請求項4】
前記電子ペンに付与されたIDは、数字、色、模様、及びコードの中から選ばれたいずれか一つからなり、出力部に出力されることを特徴とする、請求項3に記載の電子黒板。
【請求項5】
前記制御部は、
IDが付与された各電子ペンの以前位置及び現在位置を感知し、
前記スクリーン部の位置座標から、各電子ペンの以前位置から現在位置までの位置変化値を測定し、
前記位置変化値を用いて導出されたイメージを出力部に出力することを特徴とする、請求項3に記載の電子黒板。
【請求項6】
前記制御部は、
IDが付与された複数の電子ペンを通じて板書された内容の中で特定IDを設定し、
前記特定IDを通じて、板書された内容の位置変化値を追跡し、
前記位置変化値を用いて導出されたイメージのみを削除することを特徴とする、請求項5に記載の電子黒板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、マルチ電子ペンを活用した電子黒板に関し、より詳しくは、位置識別機能付きマルチ電子ペンによって電子黒板における板書の位置を認識することができる電子黒板に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で他に表示されない限り、このセクションに説明される内容は、本願の請求項に対する従来の技術ではなく、このセクションに含まれるとして従来の技術であると認められるものではない。
【0003】
過去に学校や職場では、特定の内容を教えるか、互いのアイディアを共有するために、チョークやボードマーカーなどを用いて黒板に板書を行う形で行われていた。しかし、チョーク粉は、健康に有害であり、ボードマーカーの場合は、消耗品であるから、一定量を消費すれば新たなボードマーカーに交替しなければならないので、固定費が存在するという短所がある。そのため、近年、電子黒板を活用して学校や職場で講義などを行う場合が増加している。
【0004】
近年、対面講義だけではなく、非対面のオンライン講義への需要が増えるにつれ、テレビ会議システムや画像教育システムを活用して、電子黒板に板書すると、これに対する内容が教育を聞く受講生のディスプレイ装置へ出力されて、板書内容を確認できるようにするシステムの使用も増加している実情である。
【0005】
このような電子黒板を活用した板書方法は、電子ペンを用いて電子黒板に板書すると、黒板に形成された圧力式センサー、赤外線センサー、超音波センサーなどで板書内容を認識し、ディスプレイ装置へ出力する。その中でも、圧力式センサーの場合は、スクリーンとボード板との間に隙間が存在し、指などで押圧すると電流が流れて認識する方式であって、単純な原理で具現が可能であるものの、黒板の大きさに制限があるという短所がある。そして、赤外線(IR)センサーを利用する場合には、スクリーンの周りにIRセンサーを取り付けることで、持続的に赤外線信号を発射すれば板書が行われる座標を認識するという方式である。また、超音波センサーの場合は、スクリーンの周りにIRセンサーの代わりに、超音波機器を取り付けることで超音波電子ペンを介して信号を与えると、取り付けられた機器との送受信によって座標を読み取る方式である。このような超音波方式は、簡単で、かつ、相対的に低コストであるという長所があるが、手によるタッチ方式に比べて、相互作用が遅く、特定の超音波電子ペンを使わなければならないので、汎用性が劣るという短所がある。
【0006】
したがって、前述した多様な方式のうち赤外線センサーを利用する方式が大衆化されており、前記赤外線センサーが電子黒板の縁に設けられて持続的に赤外線信号を発射し、電子ペン(IRペン)によって板書すると、当該座標を認識する方式で構成される。前記のような電子ペンによって板書すると、その内容がブルートゥース通信などを介してコンピューターに伝送されることができる。
【0007】
しかし、前記赤外線方式は、外部から光が流入してIRペンとの外乱に起因して誤作動が生じるおそれがあり、赤外線を正確に認識することができない場合には、板書の位置を誤って認識する可能性があるという短所がある。また、大勢の人々が複数個の電子ペンを使用する場合、その内容が重なり合うか、複雑化するにつれ、当該板書を誰が作成したものかについて確認できず、多数の電子ペンの中で特定の電子ペンで板書された内容のみを
特定して削除したいときにも、これを確認することができる方法がないという短所があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
位置識別機能付きマルチ電子ペンによって電子黒板における板書の位置を認識することができる電子黒板を提供しようとする。
【0010】
また、上述した技術的課題に限らず、以下の説明から別の技術的課題が導出されることもできるのは自明である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示内容の一実施形態に係る電子黒板は、角側に赤外線感知センサーが設置され、プロジェクターを介して出力された画面が投射されるスクリーン部と、前記スクリーン部に赤外線信号を送り出して板書が行われる複数個の電子ペンと、前記スクリーン部の全体に位置座標を設定し、前記複数個の電子ペンを介して送り出された赤外線信号から板書の位置を追跡して位置情報を感知するセンサー部と、前記スクリーン部から板書が行われる映像情報と、複数個の電子ペンから感知された位置情報を受信し、前記映像情報及び位置情報を出力装置に出力する制御部と、を含む。
【0012】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記複数個の電子ペンは、同時多点認識方式によって前記スクリーン部に板書が行われることを特徴とする。
【0013】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部は、前記複数個の電子ペンのそれぞれに対するIDを付与し、IDが付与された各電子ペンを通じて前記スクリーン部に板書が行われると、各電子ペンが、板書された最終位置に当該電子ペンに付与されたIDを一緒に出力することを特徴とする。
【0014】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記電子ペンに付与されたIDは、数字、色、模様、及びコードの中から選ばれたいずれか一つからなり、出力部に出力されることを特徴とする。
【0015】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部は、IDが付与された各電子ペンの以前位置及び現在位置を感知し、前記スクリーン部の位置座標から、各電子ペンの以前位置から現在位置までの位置変化値を測定し、前記位置変化値を用いて導出されたイメージを出力部に出力することを特徴とする。
【0016】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部は、IDが付与された複数の電子ペンを通じて板書された内容の中で特定IDを設定し、前記特定IDを通じて板書された内容の位置変化値を追跡し、前記位置変化値を用いて導出されたイメージのみを削除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示内容の実施形態によれば、複数個の電子ペンを同時多点認識方式によってスクリーン部に同時に板書することができるという長所がある。
【0018】
また、本開示内容の実施形態によれば、各電子ペンにIDを付与し、これに対する位置追跡を通じて、板書者の板書内容を容易に認識することができるという長所がある。
【0019】
また、本開示内容の実施形態によれば、各電子ペンに付与されたIDに対する位置変化値を用いて導出されたイメージのみを特定することで、多数の板書者の選択によって選択的削除が可能であるという長所がある。
【0020】
本発明の効果は、前述した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または特許請求の範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示内容の一実施形態に係る電子黒板の概念図である。
【
図2】本開示内容の一実施形態に係る電子黒板に電子ペンを用いて板書する状態図である。
【
図3】本開示内容の一実施形態に係る電子黒板のブロック図である。
【
図4】本開示内容の一実施形態に係る電子黒板において、特定の電子ペンで板書された内容を削除する部分の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、好ましい実施形態に係る電子黒板の構成、動作及び作用効果について説明する。尚、以下の図面において、各構成要素は、説明の便宜上及び明確性のために省略されるか、または概略的に図示されており、各構成要素の大きさは、実際の大きさを反映するものではない。さらに、明細書の全般にわたって同一の構成要素には同じ符号を付してあり、個別図面において同一構成に対する符号は省略する。
【0023】
図1は、本開示内容の一実施形態に係る電子黒板の概念図を示し、
図2は、電子黒板に電子ペンを用いて板書する状態図を示す。
【0024】
本開示内容の一実施形態に係る電子黒板は、角側に赤外線感知センサー110が設置され、プロジェクター120を介して出力された画面が投射されるスクリーン部100と、前記スクリーン部100に赤外線信号を送り出して板書が行われる複数個の電子ペン200と、前記スクリーン部100の全体に位置座標を設定し、前記複数個の電子ペン200を介して送り出された赤外線信号から板書の位置を追跡して位置情報を感知するセンサー部300と、前記スクリーン部100から板書が行われる映像情報と、複数個の電子ペン200から感知された位置情報を受信し、前記映像情報及び位置情報を出力装置に出力する制御部400と、を含む。
【0025】
まず、前記電子黒板は、板書が行われる黒板の形状になっており、教室や会議室に設置される一般的な黒板またはホワイトボードの形状であることができる。前記スクリーン部100は、電子ペン200を活用して電子黒板に板書が行われる媒介体の役割を果たし、前述のホワイトボードのような矩形状のボードに、プロジェクター120を介して画面が投射される領域であってもよく、コンピューターモニターのような出力装置を介してモニターそれ自体から画面が出力される機器であってもよい。
【0026】
前記スクリーン部100の角側、好ましくは、矩形状のスクリーン部100の毎角部に赤外線感知センサー110が設置される。前記感知センサー110は、前記電子ペン200によってスクリーン部100に板書が行われると赤外線信号を送り出し、当該信号を感知することで座標を認識するようになる。前記のように、赤外線信号を感知して座標を制御部400へ送り出すことにより、板書内容やイメージを伝達することができる。
【0027】
次に、前記電子ペン200は、前記スクリーン部100に赤外線信号を送り出することにより板書が行われる装置であって、一つ以上で構成されてもよく、通常のペン形状であってもよいが、ただし、これに限定されるものではなく、ポインターやリモートコントローラーなどのようにユーザが把持して板書を行える形状であれば、如何なる構成であっても構わない。前記電子ペン200は、好ましくは、複数個で構成され、スクリーン部100で板書が行われることにより、赤外線信号が発生して当該座標上での板書内容の情報を感知センサー110が感知し、これを制御部400に送信する。ここで、前記スクリーン部100が、一般的なボード状であり、プロジェクター120を用いて画面が投射される領域である場合には、投射される画面上に電子ペン200を通じた板書が可能であり、モニターのような出力装置である場合には、モニターに出力された画面上に、電子ペン200を用いて直接板書を行うことができる。
【0028】
次いで、前記スクリーン部100の全体に位置座標を設定し、前記複数個の電子ペン200を介して送り出された赤外線信号から板書の位置を追跡して位置情報を感知するセンサー部300を含む。前記電子ペン200は、特に、複数個の電子ペン200からなる場合は、各電子ペン200で板書が行われることにより、重なり合うか重畳してしまい、ある電子ペン200が如何なる板書をしたのかを確認しにくいことが発生し得る。したがって、各電子ペン200が板書した内容を確認するためには、位置追跡用の前記センサー部300を具備することができる。前記センサー部300は、スクリーン部100の一側に設置されてもよく、スクリーン部100から所定距離だけ離隔されてスクリーン部100の全体をセンシングすることができる位置に設置されてもよい。前記センサー部300は、スクリーン部100の全体に位置座標を設定し、複数個の電子ペン200は、板書が行われながら送り出された赤外線信号に基づいて、当該電子ペン200の板書の位置を追跡し、その位置情報を感知するようになっている。また、前記電子ペン200によって行われた板書内容に対する位置情報を制御部400へ伝送し、その後、ユーザが肉眼で確認することができる出力装置などに位置情報を伝送するようになる。
【0029】
より具体的に、前記スクリーン部100から板書が行われる映像情報と、複数個の電子ペン200から感知された位置情報を受信し、前記映像情報及び位置情報を出力装置に出力する制御部400を含むことができる。前記制御部400は、電子ペン200を通じて、板書される内容を受信し、板書の位置を追跡し、感知された信号を受信して、これをユーザが確認することができる出力装置に出力させることにより、多数の電子ペン200によって行われる板書内容に対する位置情報を把握することができる。
【0030】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記複数個の電子ペン200は、同時多点認識方式によって前記スクリーン部100に板書が行われることを特徴とする。
【0031】
通常、板書は、教育者が電子黒板を用いて単一の電子ペン200によって板書を行うことが大部分であり、大勢の人々がいっぺんに参加して互いの意見を交わしながらアイディアを板書することはよく使われる方式ではなかった。しかしながら、本開示内容の一実施形態に係る電子黒板によれば、前記スクリーン部100に電子ペン200を通じて板書が行われる場合、単一ペンを利用して板書する場合のみならず、二つ以上の電子ペン200によって、特に同時に板書する場合には、その内容が同時に入力されて位置を認識し得るように、同時多点認識方式によって板書が行われることができる。これによって、大勢の人々がそれぞれの板書内容を同時に作成し、これを共有する過程が可能となるわけである。
【0032】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部400は、前記複数個の電子ペン200のそれぞれに対するIDを付与し、IDが付与された各電子ペン200を通じて前記ス
クリーン部100に板書が行われると、各電子ペン200が、板書された最終位置に当該電子ペン200に付与されたIDを一緒に出力することを特徴とする。
【0033】
前述の複数個の電子ペン200が同時多点認識方式によって板書が行われる場合、ある人が如何なる内容を板書したのかに対する区分が不明であり、互いの板書の内容が重なり合ってしまい、このため、不要な部分を削除する機能が求められるようになった。これによって、前記制御部400は、板書が行われる各電子ペン200に対してIDを付与し、IDが付与された電子ペン200によって板書が行われると、その板書された内容の最終位置へ、IDを一緒に出力させるようになっている。上述したID付与方式によって、複数個の電子ペン200を使用するユーザが、自分の板書内容を把握し、とりわけ、いろいろな内容を入力する際には、板書内容の最終位置を認識することにより、その以後に板書が行われるようにする機能することができる。
【0034】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記電子ペン200に付与されたIDは、数字、色、模様、及びコードの中で選択されたいずれか一つからなり、出力部に出力されることを特徴とする。
【0035】
前記IDは、ユーザが既に設定済みの特定方式のIDであることができ、文字だけではなく、数字や色、特定の模様やコードのような多様な方式で表示されるIDのうちのいずれか一つであることができる。前記のようなID表示方式によって、ユーザがそれぞれ使用する電子ペン200をより容易に表示することでユーザが確認し得るように役立ち、他のユーザとの差別性を設けることにより、各自の板書内容を互いに確認することができるという長所がある。
【0036】
図3は、本開示内容の一実施形態に係る電子黒板のブロック図を示す。
【0037】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部400は、IDが付与された各電子ペン200の以前位置及び現在位置を感知し、前記スクリーン部100の位置座標から、各電子ペン200の以前位置から現在位置までの位置変化値を測定し、前記位置変化値を用いて導出されたイメージを出力部に出力することを特徴とする。
【0038】
これは、前記IDが付与されたそれぞれの電子ペン200が、同時多点認識方式によって板書を行うことにより、板書内容を最初から最後まで全体的に確認するための方式であって、前記制御部400は、各電子ペン200の以前位置および現在位置を感知し、スクリーン部100の全体に設定された位置座標から、以前位置から現在位置までの位置変化値を測定し、位置変化値を用いて導出されたイメージを出力部に出力することができる。例えば、一つの電子ペン200によって数回にかけて板書が行われた場合、最初に電子ペン200が接触した位置s1から、該接触が解除された位置s2までの位置変化値を測定し、次の接触が行われた位置s1から、接触が解除された位置s2までの位置変化値を測定し、これによって導出されたイメージを出力部に出力するようになる。ここで、前記位置変化値を用いて導出されたイメージの最終位置においては、電子ペン200に付与されたIDが多様な方式で出力されることができ、そのため、多数の電子ペン200によって板書された内容に加えて、位置変化値に基づいて板書の手順及び板書者のIDをも同時に確認することができるようになる。
【0039】
図4は、本開示内容の一実施形態に係る電子黒板において、特定の電子ペンで板書された内容を削除する部分の詳細図を示す。
【0040】
本開示内容の好ましい態様によれば、前記制御部400は、IDが付与された複数の電子ペン200によって板書された内容の中で特定IDを設定し、前記特定IDを通じて、
板書された内容の位置変化値を追跡し、前記位置変化値を用いて導出されたイメージのみを削除することを特徴とする。
【0041】
前記電子ペン200が複数個である場合、それぞれ板書が行われながら重なり合うか重畳する場合、特定の電子ペン200が板書した内容のみを分離して削除することができないという短所があった。このため、前記電子ペン200は、それぞれ付与されたIDを通じて、当該電子ペン200で板書された内容を確認することができ、前記特定電子ペン200で板書されたIDを設定し、これに対する各位置変化値を追跡して前記位置変化値を用いて導出されたイメージのみを削除可能にすることにより、板書者の選択によって、所望の板書内容のみを選択削除することができるという長所がある。
【0042】
以上、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明したが、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的思想を全て代弁するものではないので、本願の出願時点でこれらを代替できる多様な均等物並びに変形例があり得ることを理解しなければならない。したがって、以上で記述した実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解されなければならず、本発明の範囲は、詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって定められ、特許請求の範囲の意味及び範囲、並びにその等価概念から導出されるすべての変更又は変形形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0043】
100 スクリーン部
110 感知センサー
120 プロジェクター
200 電子ペン
300 センサー部
400 制御部