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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20240202BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20240202BHJP
   F21S 8/08 20060101ALI20240202BHJP
   F21V 33/00 20060101ALI20240202BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20240202BHJP
   G08G 1/015 20060101ALI20240202BHJP
   F21W 131/10 20060101ALN20240202BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240202BHJP
【FI】
H05B47/125
F21V23/00 113
F21S8/08 100
F21V33/00 400
G08G1/09 P
G08G1/015 A
F21W131:10
F21Y115:10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019118967
(22)【出願日】2019-06-26
(65)【公開番号】P2021005499
(43)【公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】生田 紘杜
(72)【発明者】
【氏名】小松原 史裕
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】実開平05-075895(JP,U)
【文献】特表2018-517228(JP,A)
【文献】特開2003-123182(JP,A)
【文献】特開2014-130680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21V 23/00
F21S 8/08
F21V 33/00
G08G 1/09
G08G 1/015
F21W 131/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設けられた光源と、
前記屋外に設けられ、車両を検出するセンサと、
前記光源および前記センサを制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記センサで得られた車両情報に基づいて、前記車両が所定区域内に駐車されているか否かを判断する照明システムであって、
前記センサは、画像センサであり、
前記制御部は、前記センサで得られた前記車両内の運転者の在否に関する前記車両情報に基づいて、前記車両が駐車しているか、または、停車しているかを判断する
照明システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記センサで得られた車両情報に基づいて、前記車両が所定区域内に駐車されていると判断した場合に、前記車両の運転者が携帯する通信端末に前記車両の停止時間を通知する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記センサで得られた車両情報に基づいて、前記車両が所定区域内に駐車されていると判断した場合に、前記車両の運転者が携帯する通信端末に現在地とは異なる場所にある駐車場および前記駐車場への移動経路を含む情報を通知する
請求項1に記載の照明システム。
【請求項4】
前記車両情報は、前記所定区域内における前記車両の停止時間、および、前記車両の温度の少なくとも一方の情報を含み、
前記制御部は、当該車両情報に基づいて前記車両が前記所定区域内に駐車されているか
否かを判断する
請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記車両が前記所定区域内に駐車されていると判断した場合に、当該車両に対して駐車禁止であることを示す情報を報知する
請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記光源から出射される照明光を用いて前記報知を行う
請求項に記載の照明システム。
【請求項7】
さらに、ネットワークに接続される通信部を備え、
前記車両情報は、車両サイズおよび車両ナンバーの少なくとも一方の情報を含み、
前記制御部は、前記車両が前記所定区域内に駐車されていると判断した場合に、前記通信部を介して当該車両情報を情報発信する
請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記所定区域の位置を記憶するメモリを有する
請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項9】
前記光源および前記センサが設けられる筐体を備え、
前記制御部は、前記筐体内に設けられている
請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項10】
さらに、前記光源および前記センサを含む照明装置と、前記照明装置と通信するサーバとを備え、
前記制御部は、前記サーバに設けられている
請求項1~のいずれか1項に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を検出するセンサを備える照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路に照明光を出射する街路灯が知られている。その街路灯の一例として、特許文献1には、災害が発生したときに危険地域および安全地域を報知する街路灯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-213041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された街路灯のように、災害が発生したときに危険地域等を報知するだけでは、道路を利用する人の安全性を十分に高めることができない場合がある。例えば、災害発生の有無にかかわらず、車両が道路の路肩等に駐車されると交通の妨げになるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、車両が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる照明システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る照明システムは、屋外に設けられた光源と、前記屋外に設けられ、車両を検出するセンサと、前記光源および前記センサを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記センサで得られた車両情報に基づいて、前記車両が所定区域内に駐車されているか否かを判断する照明システムであって、前記センサは、画像センサであり、前記制御部は、前記センサで得られた前記車両内の運転者の在否に関する前記車両情報に基づいて、前記車両が駐車しているか、または、停車しているかを判断する。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明システムによれば、車両が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態に係る照明システムを示す概略図である。
図2図2は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態の照明装置を斜め下から見た図である。
図4図4は、実施の形態に係る照明システムのセンサで得られる車両情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態に係る照明システムから車両に対して報知される駐車関連情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態に係る照明システムから通信端末に通知される車両情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施の形態に係る照明システムから通信端末に通知される駐車関連情報の一例を示す図である。
図8図8は、実施の形態に係る照明システムの動作を示すフローチャートである。
図9図9は、実施の形態の変形例1に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図10図10は、実施の形態の変形例2に係る照明システムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の一形態に係る実現形態を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。本発明の実現形態は、現行の独立請求項に限定されるものではなく、他の独立請求項によっても表現され得る。
【0010】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0011】
(実施の形態)
[1.照明システムの構成]
本実施の形態に係る照明システムは、車両を検出するセンサを備え、センサで得られた情報に基づいて、車両が道路の所定区域に駐車されているか否かを判断する。また、照明システムは、車両が道路の所定区域に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行する。以下、照明システムの構成について、図1図7を参照しながら説明する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る照明システム1を示す概略図である。
【0013】
図1に示されるように、照明システム1は、道路90の脇に設けられた複数の照明装置10と、ネットワーク40を介して複数の照明装置10に接続されるサーバ50とを備えている。各照明装置10には、車両80を検出するセンサ26が設けられている。なお、図1には、車両80の運転者等が所有する通信端末60も示されている。図1には、複数の照明装置10およびサーバ50が示されているが、照明システム1は1つの照明装置10によって構成されていてもよい。
【0014】
照明装置10は、道路90に照明光L1を出射する装置であり、例えば、街路灯、防犯灯などの屋外の照明装置である。照明装置10は、公園、駐車場、集合住宅の敷地内または工場の敷地内等の道路に設置されていてもよい。
【0015】
照明装置10は、道路90の脇に設置される支柱体30と、支柱体30に設けられる灯体20とを備える。
【0016】
支柱体30は、柱状の部材であり、例えば、配電線が設けられた電柱、街路灯の柱、防犯カメラ取付用の柱である。支柱体30は、L字状またはT字状の形状を有していてもよい。支柱体30は、道路90の端に沿って所定の間隔、例えば20m以上50m以下の間隔で複数配置されており、灯体20も上記と同じ所定の間隔で複数配置されている。
【0017】
図2は、照明システム1の機能構成を示すブロック図である。図3は、実施の形態の照明装置10を斜め下から見た図である。
【0018】
図2に示されるように、灯体20は、光源21と、通信部22と、制御部25と、センサ26とを備えている。光源21、通信部22およびセンサ26のそれぞれは、制御部25に接続されている。
【0019】
通信部22は、インターネット等のネットワーク40を介してサーバ50と通信する通信モジュールである。通信部22とサーバ50との通信は、有線通信または無線通信によって実現される。通信部22は、例えば、センサ26で得られた車両情報を、ネットワーク40を介して情報発信するために用いられる。車両情報については後述する。
【0020】
図3に示されるように、灯体20は、収容ケースである筐体29を有している。光源21、通信部22、制御部25およびセンサ26は、筐体29の内部または筐体29の外表面に設けられる。筐体29は、例えば、リング状部材および締結部材等によって支柱体30に固定される。
【0021】
筐体29は、支柱体30の上側の位置、例えば、道路90の路面91から4.5m以上15m以下の位置に設けられる。筐体29は、例えば直方体状の形状であり、支柱体30から道路90の中央側に突出するように、支柱体30に設けられる。筐体29は、金属または樹脂等の材料により形成されている。
【0022】
光源21は、道路90および車両80に照明光L1を出射する。光源21は、静止画または動画を投影する液晶プロジェクタ、または、白色光を発するLED(Light Emitting Diode)発光モジュールである。光源21が液晶プロジェクタである場合、照明装置10は、静止画または動画を利用して車両80に対して駐車に関する情報である駐車関連情報を報知することができる。駐車関連情報については後述する。
【0023】
センサ26は、道路90上の車両80を検出する検出器である。センサ26は、常時稼働することで、道路90の所定区域Z1の状態を常時検出する。所定区域Z1は、例えば、道路90の路肩を含む領域であり、各照明装置10に対応して予め設定されている。図1に示されている所定区域Z1の形状は矩形状であるが、それに限られず楕円状、半円状であってもよい。
【0024】
各センサ26は、図1に示されるように、道路90に沿って設置された複数の支柱体30のそれぞれに対応して設けられる。また、センサ26は、センサ26の検出素子が路面91側に位置するように、筐体29の下側に設けられる。また、センサ26は、上から見て光源21と重ならないように、光源21の隣に配置される(図3参照)。
【0025】
センサ26は、画像センサ、赤外線センサおよびレーザセンサのうちの少なくとも1つである。
【0026】
センサ26として画像センサを用いた場合、センサ26で撮像した画像によって、車両80の停止時間、車両ナンバー、車両80の種類(例えば普通車、トラック、2輪車などの種類)、車両サイズ(例えば車両の幅、全長、高さ)、および、車両80が停められている位置(例えば照明装置10を基準とした位置)を検出できる。また、センサ26で撮像した画像によって、車両80内に運転者がいるか否か、車両80が路肩に停められているか走行車線に停められているかを検出できる。
【0027】
センサ26として赤外線センサを用いた場合、赤外線の反射波の周波数スペクトルの違いによって、車両80の温度を検出できる。例えば、車両80の温度が外気温と同程度であれば、車両80のエンジンが止まっていることを検出できる。
【0028】
センサ26としてレーザセンサを用いた場合、レーザの反射光の到達時間から距離を測定できるので、車両80の停止時間、車両サイズおよび車両80の外形形状を検出できる。また、例えばレーザ光を道路90に沿う方向に走査することで、車両80が停められている位置を検出できる。
【0029】
センサ26で検出された各情報は、制御部25に出力される。
【0030】
制御部25は、光源21およびセンサ26を制御する回路である。また、制御部25は、車両80の停止時間等を計測するための時計回路(図示省略)を有している。
【0031】
制御部25は、マイクロプロセッサ、メモリ27およびメモリ27に格納されたプログラムなどによって実現される。メモリ27には、所定区域Z1の位置情報が記憶されている。位置情報は、例えば、緯度および経度で表される情報である。また、メモリ27には、所定区域Z1の位置情報の代わりに、センサ26のMACアドレス(Media Access Control address)、または、照明装置10の通信アドレスなどの識別情報が記憶されていてもよい。
【0032】
制御部25は、センサ26で検出された各情報に基づいて、車両80が所定区域Z1内に駐車されているか否かを判断する。本実施の形態では、所定区域Z1が駐車禁止区域である場合を例に挙げて説明する。
【0033】
図4は、照明システム1のセンサ26で得られる車両情報viの一例を示す図である。
【0034】
車両情報viは、所定区域Z1の位置情報、車両80の駐車開始時間、停止時間、車両80の温度、車両80の車種、車両サイズ、車両80が停められている位置、車両ナンバー、および、車両80内の運転者の在否に関する情報を含む。
【0035】
車両80の停止時間は、車両80が所定区域Z1に停まってから現在に至るまでの経過時間である。制御部25は、この停止時間の長さに基づいて、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを判断する。その判断の際に、制御部25は、照明装置10の周辺に位置する信号機の点灯情報に基づいて、車両80が駐車しているか、単に停車しているだけなのかを判断してもよい。また、制御部25は、車両80内の運転者の在否に基づいて、または、車両80が路肩に停められているか走行車線に停められているかに基づいて、車両80が駐車されているか否かを判断してもよい。
【0036】
車両80の温度は、例えばエンジンルームを覆うボンネット等の温度である。制御部25は、例えば車両80の温度と外気温との温度差に基づいて、車両80が駐車されているか否かを判断する。
【0037】
車両ナンバーは、車両80を特定するための情報であり、車両サイズは、車両80の大きさを知るための情報である。制御部25は、車両ナンバーおよび車両サイズに関する情報を取得することで、車両80の運転者および所定区域Z1の管理者等に対して有益な情報を発信することが可能となる。
【0038】
制御部25は、車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断した場合に、光源21から出射される照明光L1を用いて、車両80に対して駐車関連情報を報知する。
【0039】
図5は、照明システム1から車両80に対して報知される駐車関連情報の一例を示す図である。駐車関連情報としては、例えば、駐車禁止を示す文字情報、車両80の停止時間を示す情報、および、駐車禁止を示すマークなどが挙げられている。
【0040】
図5の(a)には、駐車禁止を示す文字情報が、車両80のフロントガラスに投影されている例が示されている。駐車禁止を示す文字情報は、車両サイズ等を含む車両情報viに基づいて、フロントガラスの適切な位置に投影される。このように駐車禁止を示す文字情報が報知されることで、運転者は、降車前後に所定区域Z1が駐車禁止であることを知ることができ、車両80を交通の妨げにならない場所に移動することができる。
【0041】
図5の(b)には、停止時間を示す文字が、車両80のボンネットに投影されている例が示されている。この停止時間を示す文字情報は、車両サイズ等を含む車両情報viに基づいて、ボンネットの適切な位置に投影される。このように停止時間を示す文字情報が報知されることで、例えば所定区域Z1の管理者は、車両80に対する注意勧告の提示または警察への通報を行うことができる。
【0042】
図5の(c)には、駐車禁止を示すマークが、車両80の周辺の路面91に投影されている例が示されている。この駐車禁止を示すマークは、車両80が停められている位置を含む車両情報viに基づいて、路面91の適切な位置に投影される。このように駐車禁止を示すマークが報知されることで、運転者は、降車前後に所定区域Z1が駐車禁止であることを知ることができ、車両80を交通の妨げにならない場所に移動することができる。
【0043】
また、制御部25は、車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断した場合に、この車両情報viを外部に情報発信する。具体的には、制御部25は、通信部22を介して、サーバ50に車両サイズおよび車両ナンバーを含む車両情報viを送信する。
【0044】
サーバ50は、照明装置10が設けられている場所とは異なる場所、例えば、ビルなどの建物の内部に設置される外部機器である。サーバ50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、および、メモリ等を備えたコンピュータである。サーバ50のメモリには、所定区域Z1の位置情報が記憶されている。なお、メモリには、センサ26または照明装置10の識別情報と、所定区域Z1の位置情報とが対応づけられて記憶されていてもよい。また、メモリには、運転者および管理者のユーザIDが記憶されていてもよい。
【0045】
通信端末60は、ネットワーク40を介してサーバ50に接続されている。通信端末60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、カーナビゲーション機器、PC(パーソナルコンピュータ)等の端末である。通信端末60には、車両情報viおよび駐車関連情報を閲覧するためのアプリケーションソフトがインストールされている。通信端末60は、サーバ50からネットワーク40を介して車両情報viおよび駐車関連情報を取得し、これらの情報を画面61に表示する。
【0046】
図6は、照明システム1から通信端末60に通知される車両情報viの一例を示す図である。
【0047】
図6に示されるように、通信端末60の画面61には、所定区域Z1、車両ナンバーおよび停止時間が表示されている。このように通信端末60に停止時間が表示されることで、例えば、通信端末60を携帯する運転者は、所定区域Z1に停めている車両80が交通の妨げにならないように、車両80を移動すべきであると認識できる。例えば、通信端末60が車両80のカーナビゲーション機器である場合、車両80の運転者は、駐車時間を知ることができ、車両80を交通の妨げにならない場所に移動することができる。例えば、通信端末60が所定区域Z1の管理者が所有するPCである場合、管理者は、警察への通報等を行うことができる。
【0048】
図7は、照明システム1から通信端末60に提供される駐車関連情報の一例を示す図である。
【0049】
図7に示されるように、通信端末60の画面61には、駐車関連情報として、車両80の現在位置、駐車場の位置、および、現在位置から駐車場までの移動経路に関する情報が表示されている。現在位置は、サーバ50に記憶された所定区域Z1の位置情報に基づいて、駐車場および経路は、インターネット情報に基づいて表示される。
【0050】
例えばサーバ50は、照明装置10から車両情報viを受け取ると、車両サイズおよび所定区域Z1の位置情報等を含む車両情報viに基づいて、車両80を収容することが可能な駐車場、および、現在位置から近い駐車場をインターネットで調査する。通信端末60は、この調査結果をサーバ50から受け取り、現在位置、駐車場および移動経路を含む駐車関連情報を表示する。通信端末60から駐車関連情報を得た運転者は、所定区域Z1に停めている車両80を駐車場にすみやかに移動することができる。この照明システム1によれば、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0051】
[2.照明システムの動作]
次に、実施の形態に係る照明システム1の動作について、図8を参照しながら説明する。
【0052】
図8は、実施の形態に係る照明システム1の動作を示すフローチャートである。
【0053】
照明システム1では予め、所定区域Z1の位置情報が、照明装置10またはサーバ50に保存されている。また、車両情報viおよび駐車関連情報を閲覧するためのアプリケーションソフトが、通信端末60にインストールされている。
【0054】
まず、照明装置10に設けられたセンサ26は、所定区域Z1内における車両80を検出する(ステップS11)。このセンサ26による所定区域Z1内の検出は、常時実行される。例えばセンサ26が画像センサである場合、センサ26で撮像した画像によって、車両80の停止時間、車両ナンバーおよび車両サイズを検出できる。例えばセンサ26が赤外線センサである場合、車両80の温度を検出できる。例えばセンサ26がレーザセンサである場合、レーザ光を走査して対象物を検出するLiDAR(light detection and ranging)方式によって、車両サイズ、および、車両80が停められている位置を検出することができる。
【0055】
制御部25は、センサ26で得た車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを判断する(ステップS12)。例えば制御部25は、車両80の停止時間、または、車両80の温度に基づいて、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを判断する。制御部25は、車両80が駐車していないと判断した場合(S12のNo)、ステップS11に戻って引き続き車両80の検出を行う。制御部25は、車両80が駐車されていると判断した場合(S12のYes)、車両80が交通の妨げとならないように以下の処理を行う。
【0056】
まず、制御部25は、車両80に対して駐車関連情報を報知する(ステップS13)。例えば制御部25は、光源21から出射される照明光L1を用いて、駐車関連情報を報知する。より具体的には制御部25は、駐車禁止であることを示す情報を、車両80または車両80の周辺領域に投影する。これにより、運転者は、所定区域Z1が駐車禁止であることを知ることができる。
【0057】
なお上記では、照明光L1を用いて、すなわち視覚によって駐車禁止であることを報知する例を示したが、それに限られず、制御部25は、聴覚によって駐車禁止であることを報知してもよい。例えば、制御部25は、照明装置10に設けられたWiFi(登録商標)モジュールを介して車両80のオーディオ機器に接続し、オーディオ機器のスピーカを用いて駐車禁止であることを示す音声情報を報知してもよい。
【0058】
また、制御部25は、センサ26で得た車両情報viを外部に情報発信する(ステップS14)。具体的には、制御部25は、通信部22およびネットワーク40を介してサーバ50に、車両ナンバーおよび車両サイズを含む車両情報viを送信する。
【0059】
サーバ50は、車両情報viおよび上記駐車関連情報を通信端末60に通知する。通信端末60でこれらの情報を得た運転者は、交通の妨げにならないように車両80を移動することができる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0060】
[3.効果等]
本実施の形態に係る照明システム1は、屋外に設けられた光源21と、屋外に設けられ、車両80を検出するセンサ26と、光源21およびセンサ26を制御する制御部25とを備える。制御部25は、センサ26で得られた車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1内に駐車されているか否かを判断する。
【0061】
これによれば、例えば、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断された場合に、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0062】
また、センサ26は、画像センサであってもよい。
【0063】
このようにセンサ26として画像センサを用いることで、例えば、車両80の停止時間、車両ナンバー、車両80の種類、車両サイズ、車両80が停められている位置、車両80内に運転者がいるか否か等を検出できる。このセンサ26で得られた情報により、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0064】
また、センサ26は、レーザセンサであってもよい。
【0065】
このようにセンサ26としてレーザセンサを用いることで、例えば、車両80の停止時間、車両80の外形形状、車両80が停められている位置を検出できる。このセンサ26で得られた情報により、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0066】
また、車両情報viは、所定区域Z1内における車両80の停止時間、および、車両80の温度の少なくとも一方の情報を含み、制御部25は、車両情報viに基づいて車両80が所定区域Z1内に駐車されているか否かを判断してもよい。
【0067】
これによれば、車両80が所定区域Z1内に駐車されているか否かを正確に判断することができ、例えば、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断された場合に、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を的確に実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0068】
また、制御部25は、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断した場合に、当該車両80に対して駐車禁止であることを示す情報を報知してもよい。
【0069】
このように、車両80に対して駐車禁止であることを示す情報が報知されることで、例えば運転者は、車両80を交通の妨げにならない場所に移動することができる。また、例えば所定区域Z1の管理者は、車両80に対する注意勧告の提示または警察への通報を行うことができる。
【0070】
また、制御部25は、光源21から出射される照明光L1を用いて上記報知を行ってもよい。
【0071】
このように、照明光L1を用いて駐車関連情報が報知されることで、車両80が所定区域Z1に駐車されていることを、車両80の運転者または所定区域Z1の管理者に明確に示すことができる。
【0072】
また、照明システム1は、さらに、ネットワーク40に接続される通信部22を備え、車両情報viは、車両サイズおよび車両ナンバーの少なくとも一方の情報を含み、制御部25は、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断した場合に、通信部22を介して当該車両情報viを情報発信してもよい。
【0073】
これによれば、車両サイズおよび車両ナンバーを含む車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0074】
また、制御部25は、所定区域Z1の位置を記憶するメモリ27を有していてもよい。
【0075】
これによれば、車両80が駐車されている所定区域Z1を正確に把握することができるので、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が所定区域Z1に駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0076】
また、照明システム1は、光源21およびセンサ26が設けられる筐体29を備え、制御部25は、筐体29内に設けられていてもよい。
【0077】
これによれば、制御部25は、光源21およびセンサ26が設けられた場所に対応して、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理をタイムリーに実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0078】
[4.実施の形態の変形例1]
次に、実施の形態の変形例1に係る照明システム1について、図9を参照しながら説明する。変形例1では、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを判断する制御部が、外部機器であるサーバ50に設けられている例について説明する。
【0079】
図9は、変形例1に係る照明システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0080】
図9に示されるように、照明システム1は、複数の照明装置10と、各照明装置10と通信するサーバ50とを備えている。
【0081】
照明装置10は、光源21と、通信部22と、制御部25aと、センサ26とを備えている。光源21、通信部22およびセンサ26のそれぞれは、制御部25に接続されている。センサ26で検出された情報は、制御部25aおよび通信部22を介してサーバ50に送信さる。変形例1では、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを制御部25aが判断せず、サーバ50が判断する。
【0082】
サーバ50は、例えば、CPUとメモリ57とによって構成される制御部55を備える。メモリ57には、所定区域Z1の位置情報が記憶されている。なお、メモリ57には、センサ26または照明装置10の識別情報と、所定区域Z1の位置情報とが対応づけられて記憶されていてもよい。また、メモリ57には、運転者および管理者のユーザIDが記憶されていてもよい。
【0083】
サーバ50の制御部55は、車両80の停止時間または車両80の温度を含む車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1に駐車されているか否かを判断する。
【0084】
また、制御部55は、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断した場合に、光源21から出射される照明光L1を用いて、車両80に対して駐車関連情報を報知する。
【0085】
また、制御部55は、車両情報viおよび上記駐車関連情報を通信端末60に通知する。通信端末60でこれらの情報を得た運転者は、交通の妨げにならないように車両80を移動することができる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0086】
本変形例に係る照明システム1は、屋外に設けられた光源21と、屋外に設けられ、車両80を検出するセンサ26と、光源21およびセンサ26を制御する制御部55とを備える。制御部55は、センサ26で得られた車両情報viに基づいて、車両80が所定区域Z1内に駐車されているか否かを判断する。
【0087】
これによれば、例えば、車両80が所定区域Z1内に駐車されていると判断された場合に、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を実行することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0088】
また、照明システム1は、さらに、光源21およびセンサ26を含む照明装置10と、照明装置10と通信するサーバ50とを備え、制御部55は、サーバ50に設けられていてもよい。
【0089】
これによれば、制御部55は、車両80が所定区域Z1に継続して駐車されないようにするための様々な処理を遠隔操作することが可能となる。これにより、車両80が駐車されて交通の妨げになることを抑制することができる。
【0090】
[5.実施の形態の変形例2]
次に、実施の形態の変形例2に係る照明システム1について、図10を参照しながら説明する。変形例2では、照明装置10が複数の光源21を備えている例について説明する。
【0091】
図10は、変形例2に係る照明システム1を示す概略図である。
【0092】
図10に示されるように、道路90に沿って隣り合う2つの照明装置10の間には、複数の車両80が縦列駐車される場合がある。本変形例では、複数の車両80に対応するため、照明装置10が複数の光源21を備えている。
【0093】
複数の光源21は、道路90に沿って並んで配置されている。また、各光源21は照射角度が異なっており、各光源21の照明光L1は各車両80に対応して照射される。これにより、各車両80に対して駐車関連情報を的確に報知することが可能となる。なお、図10には、3つの光源21が示されているが、光源21は4つ以上であってもよい。
【0094】
本変形例では、複数の車両80に対応して照明光L1を照射することができるので、車両80ごとに駐車関連情報を報知することができる。これにより、各車両80が交通の妨げになることを抑制することができる。
【0095】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0096】
本実施の形態では、照明装置10が1つのセンサ26を備えている例を示したが、それに限られず、照明装置10は複数のセンサ26を備えていてもよい。また、センサ26は、必ずしも筐体29内に設けられている必要はなく、筐体29の外部、例えば、支柱体30に設けられていてもよい。
【0097】
また、複数の照明装置10の通信部22は、互いに通信可能であってもよい。例えば、隣り合う照明装置10が、それぞれのセンサ26で得られた車両情報viを送受信し合い、互いの車両情報viを共有してもよい。
【0098】
また、所定区域は、道路90の路肩に限られず、道路90に隣接する駐車場内の区域であってもよい。例えば照明システム1は、車両80が駐車区域内に駐車されているか、例えば、駐車区域からはみ出して駐車されているか否かを判断し、はみ出している場合に注意喚起するための報知を行ってもよい。また、照明システム1は、駐車場に駐車された車両80に対して停止時間を報知してもよいし、運転者が所有する通信端末60に停止時間を通知してもよい。
【0099】
なお、上記実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0101】
なお、本発明の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、本発明の包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0102】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0103】
1 照明システム
10 照明装置
21 光源
22 通信部
25、25a、55 制御部
26 センサ
27、57 メモリ
29 筐体
40 ネットワーク
50 サーバ
L1 照明光
vi 車両情報
Z1 所定区域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10