(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】部品実装装置および部品実装基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
H05K 13/04 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
H05K13/04 P
(21)【出願番号】P 2020084266
(22)【出願日】2020-05-13
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002745
【氏名又は名称】弁理士法人河崎特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千々和 三惠
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163324(WO,A1)
【文献】特開2014-063946(JP,A)
【文献】特開平03-024800(JP,A)
【文献】実開平04-040600(JP,U)
【文献】特開2014-150092(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00 - 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部分および第2部分を有する基板を搬送方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板に部品を実装する作業領域を備え、かつ前記作業領域で前記基板に前記部品を実装する装着ヘッドを有する部品実装部と、
前記基板を下面側から支持する基板支持部と、
前記基板支持部を前記搬送方向に沿って往復移動させる支持移動部と、
を備え、
前記基板支持部は、
前記第1部分が前記作業領域に位置し、前記部品実装部が前記第1部分に対して第1実装作業をするときに、前記第1部分を下面側から支持する少なくとも1つの第1サポートピンと、
前記第2部分が前記作業領域に位置し、前記部品実装部が前記第2部分に対して第2実装作業をするときに、前記第2部分を下面側から支持する少なくとも1つの第2サポートピンと、
前記第1サポートピンが取り付けられる第1領域および前記第2サポートピンが取り付けられる第2領域を有する支持プレート部と、
を有し、
前記支持移動部は、前記第1実装作業の前に前記支持プレート部の前記第1領域を前記作業領域の下方に位置させ、前記第2実装作業の前に前記支持プレート部の前記第2領域を前記作業領域の下方に位置させる、部品実装装置。
【請求項2】
前記第1サポートピンおよび前記第2サポートピンをそれぞれ複数有し、前記複数の第1サポートピンと前記複数の第2サポートピンの配置パターンが異なる、請求項1に記載の部品実装装置。
【請求項3】
前記第1サポートピンおよび前記第2サポートピンが、それぞれ前記第1領域および前記第2領域に着脱可能に取り付けられる、請求項1または2に記載の部品実装装置。
【請求項4】
前記支持プレート部が、前記第1領域を有する第1プレート片と、前記第2領域を有し、前記第1プレート片から分離した第2プレート片と、を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の部品実装装置。
【請求項5】
第1部分および第2部分を有する基板を搬送方向に搬送する基板搬送部と、
前記基板に部品を実装する作業領域を備え、かつ前記作業領域で前記基板に前記部品を実装する装着ヘッドを有する部品実装部と、
第1サポートピンと、第2サポートピンと、前記第1サポートピンが取り付けられる第1領域および前記第2サポートピンが取り付けられる第2領域を有する支持プレート部と、を有する基板支持部と、
前記基板支持部を前記搬送方向に沿って往復移動させる支持移動部と、を備える部品実装装置により部品実装基板を製造する方法であって、
(i)前記基板搬送部が、前記第1部分を前記作業領域に位置させる工程と、
(ii)前記支持移動部が、前記支持プレート部の第1領域を前記作業領域の下方に位置させる工程と、
(iii)前記基板支持部が、前記第1サポートピンで前記第1部分を下面側から支持する工程と、
(iv)前記部品実装部が、前記第1サポートピンで支持されている前記第1部分に対して部品を実装する第1実装作業を行う工程と、
(v)前記第1実装作業の後、前記基板搬送部が、前記第2部分を前記作業領域に位置させる工程と、
(vi)前記支持移動部が、前記支持プレート部の第2領域を前記作業領域の下方に位置させる工程と、
(vii)前記基板支持部が、前記第2サポートピンで前記第2部分を下面側から支持する工程と、
(viii)前記部品実装部が、前記第2サポートピンで支持されている前記第2部分に対して部品を実装する第2実装作業を行う工程と、
を有する、部品実装基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品実装装置および部品実装基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装ラインは一列に並んで設置された複数の部品実装装置を備える。部品実装装置は基板を一定の方向に搬送しつつ、基板の上面に部品を装着する。
【0003】
部品実装装置は、部品を吸着したノズルを昇降させて基板上に部品を装着する装着ヘッドを備える。装着ヘッドは、予め定められた基板上の複数箇所に部品を装着する。装着ヘッドは、部品を基板に装着する際には、予め定められた押圧力(許容押圧力)を上回らない大きさの押圧力で部品を基板に押圧する。
【0004】
一方、部品実装装置は、部品を基板に装着する際に、基板を下面側から支持する基板支持部を備える。特許文献1の基板支持部は、基板支持体41、ボール螺子42及び電動アクチュエータとしての電動モータ43を備えている。基板支持体41はXY平面に広がって延びた昇降ブロック41aと、昇降ブロック41aの上面に取り付けられて上方に延びた複数のサポートピン41bを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基板の下面には様々な凹凸が存在する。例えば、基板の下面に様々な部品が装着されている場合がある。特許文献1の場合、複数のサポートピンの配置パターンは、そのような凹凸を考慮して、できるだけ凹凸の影響を受けないように適宜定められる。
【0007】
部品実装装置において、装着ヘッドが移動できる領域、すなわち、基板に部品を実装することが可能な作業領域の大きさは限られている。大型基板の場合、基板の一部領域に部品を実装した後、基板を移動させ、基板の残領域に更なる部品が実装される。この場合、複数のサポートピンは、先ず基板の一部領域の下面を支持した後、基板の残領域の下面を支持する。
【0008】
しかし、基板の一部領域と残領域とでは下面の凹凸パターンが異なる。この場合、複数のサポートピンを、基板の一部領域の下面の凹凸の影響をできるだけ受けず、かつ基板の残領域の下面の凹凸の影響をできるだけ受けないように配置する必要がある。そのため、サポートピンの配置パターンの選択の幅が制限され、それぞれの領域において最適な配置パターンを採用することができない場合がある。結果として、基板に対する部品の装着安定性が低下することがある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、第1部分および第2部分を有する基板を搬送方向に搬送する基板搬送部と、前記基板に部品を実装する作業領域を備え、かつ前記作業領域で前記基板に前記部品を実装する装着ヘッドを有する部品実装部と、前記基板を下面側から支持する基板支持部と、前記基板支持部を前記搬送方向に沿って往復移動させる支持移動部と、を備え、前記基板支持部は、前記第1部分が前記作業領域に位置し、前記部品実装部が前記第1部分に対して第1実装作業をするときに、前記第1部分を下面側から支持する少なくとも1つの第1サポートピンと、前記第2部分が前記作業領域に位置し、前記部品実装部が前記第2部分に対して第2実装作業をするときに、前記第2部分を下面側から支持する少なくとも1つの第2サポートピンと、前記第1サポートピンが取り付けられる第1領域および前記第2サポートピンが取り付けられる第2領域を有する支持プレート部と、を有し、前記支持移動部は、前記第1実装作業の前に前記支持プレート部の前記第1領域を前記作業領域の下方に位置させ、前記第2実装作業の前に前記支持プレート部の前記第2領域を前記作業領域の下方に位置させる、部品実装装置に関する。
【0010】
本発明の別の側面は、第1部分および第2部分を有する基板を搬送方向に搬送する基板搬送部と、前記基板に部品を実装する作業領域を備え、かつ前記作業領域で前記基板に前記部品を実装する装着ヘッドを有する部品実装部と、第1サポートピンと、第2サポートピンと、前記第1サポートピンが取り付けられる第1領域および前記第2サポートピンが取り付けられる第2領域を有する支持プレート部と、を有する基板支持部と、前記基板支持部を前記搬送方向に沿って往復移動させる支持移動部と、を備える部品実装装置により部品実装基板を製造する方法であって、(i)前記基板搬送部が、前記第1部分を前記作業領域に位置させる工程と、(ii)前記支持移動部が、前記支持プレート部の第1領域を前記作業領域の下方に位置させる工程と、(iii)前記基板支持部が、前記第1サポートピンで前記第1部分を下面側から支持する工程と、(iv)前記部品実装部が、前記第1サポートピンで支持されている前記第1部分に対して部品を実装する第1実装作業を行う工程と、(v)前記第1実装作業の後、前記基板搬送部が、前記第2部分を前記作業領域に位置させる工程と、(vi)前記支持移動部が、前記支持プレート部の第2領域を前記作業領域の下方に位置させる工程と、(vii)前記基板支持部が、前記第2サポートピンで前記第2部分を下面側から支持する工程と、(viii)前記部品実装部が、前記第2サポートピンで支持されている前記第2部分に対して部品を実装する第2実装作業を行う工程と、を有する、部品実装基板の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
基板に対する部品の装着安定性を高めることができる部品実装装置、および部品実装基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る部品実装装置を上(Z軸方向)から見た平面図である。
【
図2】
図1の部品実装装置をX軸方向から見た部品実装装置の側面図である。
【
図3】
図1の部品実装装置の概略的な構成を示すブロック図である。
【
図4】基板搬送部、部品実装部、基板支持部および支持移動部の要部構成図である。
【
図5A】本発明の実施形態に係る基板および基板支持部のX軸方向における移動をY軸方向から見た説明図である。
【
図5B】参考形態に係る基板および基板支持部のX軸方向における移動をY軸方向から見た説明図である。
【
図6】基板支持部により基板を支持する動作をX軸方向から見た説明図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る部品実装基板の製造方法の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施形態の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(たとえば「上下」、「左右」、「前後」、および「X,Y,Z」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本発明を限定するものでない。
【0014】
本発明の実施形態に係る部品実装装置は、基板搬送部と、部品実装部と、基板支持部と、支持移動部とを備える。基板搬送部は、適宜のタイミングで基板を搬送方向に搬送する。部品実装部は、基板に部品を実装する作業領域を備えるとともに作業領域で基板に部品を実装する装着ヘッドを有する。基板支持部は、装着ヘッドが基板に部品を搭載する際に、基板を下面側から支持し、上方から印加される圧力に対向して基板の撓みを抑制する。支持移動部は、基板の移動に合わせて適宜のタイミングで、基板支持部を搬送方向、更には上下方向において往復運動させる。
【0015】
部品実装部において、基板に部品を実装する作業領域は限られている。作業領域の大きさは、装着ヘッドが基板上で移動し得る範囲により制限される。従って、基板が大きくなると複数回に分けて実装作業を行う必要がある。
【0016】
本実施形態では、基板に2回以上の位置決めとそれに続く実装作業が行われる。すなわち、基板のサイズは、作業領域において2回以上の基板の位置決めが必要なサイズである。基板は、少なくとも、第1実装作業が行われる第1部分と、第2実装作業が行われる第2部分とを有する。第1実装作業および第2実装作業の前にそれぞれ基板が位置決めされる。なお、基板に3回以上の位置決めとそれに続く実装作業が行われてもよい。例えばn回の位置決めとそれに続く実装作業が行われる場合、基板は、第1~第n実装作業が行われる第1~第n部分を有する。ここで、第k実装作業(k=1、2・・n)とは、基板の第k部分に電子部品を実装する作業である。
【0017】
基板が位置決めされたとき、作業領域内に配置される基板の部分と、実際に電子部品が実装される(第k実装作業が行われる)基板の実装対象部分とは完全に一致する必要はない。例えば、基板の第1部分に第1実装作業が行われるときに、作業領域内に次の第2実装作業が行われる第2部分の一部が含まれていてもよい。また、基板の第2部分に第2実装作業が行われるときに、作業領域内に前の第1実装作業が行われた第1部分の一部が含まれていてもよい。
【0018】
具体的には、先ず、基板の第1部分を作業領域に配置する。そして、第1部分に対して部品実装部が部品を実装する第1実装作業を行う。このとき、基板支持部は、搬送方向における第1支持位置において第1部分を下面側から支持する。
【0019】
次に、基板の第2部分を作業領域に配置する。そして、第2部分に対して部品実装部が部品を実装する第2実装作業を行う。このとき、基板支持部は、搬送方向における第2支持位置において第2部分を下面側から支持する。
【0020】
基板支持部は、基板を下面側から支持するときは、相対的に上方の第1高さ位置で基板を支持する。一方、基板を支持しないとき、基板支持部は、相対的に下方の第2高さ位置で待機し、もしくは搬送方向において往復移動する。
【0021】
基板支持部は、上端で基板と接触する複数のサポートピンと、これらの下端がまとめて取り付けられる支持プレート部を有する。複数のサポートピンは、第1部分を下面側から支持する少なくとも1つの第1サポートピンと、第2部分を下面側から支持する少なくとも1つの第2サポートピンを含む。支持プレート部は、第1サポートピンが取り付けられる第1領域および第2サポートピンが取り付けられる第2領域を有する。よって、第1サポートピンは、上方の第1高さ位置で第1部分を支持し、第2サポートピンは、上方の第1高さ位置で第2部分を支持する。
【0022】
上記部品実装装置によれば、部品実装部の作業領域の大きさが限られ、かつ基板の第1部分と第2部分の下面の凹凸が異なる場合でも、第1部分はこれに適した配置の第1サポートピンで支持され、第2部分はこれに適した配置の第2サポートピンで支持される。すなわち、基板支持部は、第1サポートピンおよび第2サポートピンをそれぞれ複数有してもよい。そして、複数の第1サポートピンと複数の第2サポートピンの配置パターンが異なってもよい。これにより、サポートピンの配置パターンの選択の幅が制限されず、第1部分および第2部分のそれぞれに最適な配置パターンを採用することができる。よって、基板の大きさに依存せずに基板に対する部品の装着安定性を高めることができる。
【0023】
第1サポートピンおよび第2サポートピンは、それぞれ支持プレート部の第1領域および第2領域に着脱可能に取り付けられてもよい。サポートピンを支持プレート部に対して着脱可能とすることで、基板の種類に応じて、容易にサポートピンの各領域における配置を変更することができる。
【0024】
ただし、支持プレート部の第1領域と第2領域とは一体であってもよく、分割可能であってもよい。例えば、支持プレート部は、第1領域を有する第1プレート片と、第2領域を有し、第1プレート片から分離した第2プレート片とを有してもよい。
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明に係る部品実装装置の実施形態を以下説明する。各図面において、各構成部品の形状または特徴を明確にするため、これらの寸法を相対的なものとして図示し、必ずしも同一の縮尺比で表したものではない。また、各図面において、同様の構成部品は同様の符号を用いて参照する。
【0026】
[1.部品実装装置(チップマウンタ)の全体構成]
本実施形態に係る部品実装装置(チップマウンタ)1の全体構成について概略的に説明する。
図1は、チップマウンタ1を上から見た平面図であり、
図2は、
図1のX軸方向から見たチップマウンタ1の側面図である。
図3は、
図1のチップマウンタ1の概略的な構成を示すブロック図である。
【0027】
チップマウンタ1は、それぞれが基台11に備えられた基板搬送部12、部品実装部13、基板支持部14および支持移動部15を備える。基台11のY軸方向の両側には、複数のテープフィーダ2が装填される一対の台車3a,3bが配置されている。なお、図示しないが、複数のチップマウンタ1をX軸方向に直列に並置して実装ラインを構成してもよい。
【0028】
チップマウンタ1には、
図3に示すように、システム制御部4が併設されている。システム制御部4は、部品実装部13を制御する部品実装制御部21と、基板搬送部12および支持移動部15を制御する移動制御部22と、テープフィーダ2を制御するフィーダ制御部23と、画像処理部24と、システム記憶部25とを具備する。
【0029】
システム記憶部25には、部品Cの実装に関する実装データ25a、基板Bの停止位置に関する基板停止位置情報25b、基板Bを支持する基板支持部14の停止位置に関する支持部停止位置情報25c、サポートピンの配置パターンに関するサポートピン配置情報25dなどが格納されている。また、チップマウンタ1全体の設定情報ならびにティーチング情報などがシステム記憶部25に記憶されていてもよい。
【0030】
部品実装制御部21は、実装データ25aに基づいて、部品実装部13による部品Cの基板Bへの実装を制御する。実装データ25aには、例えば、基板B上に搭載される各種部品Cの搭載位置、部品Cを供給するテープフィーダ2の識別情報などが含まれる。
【0031】
移動制御部22は、基板停止位置情報25bに基づいて、基板搬送部12による基板Bの移動と停止を制御する。また、移動制御部22は、支持部停止位置情報25cに基づいて、支持移動部15による基板支持部14の移動と停止を制御する。
【0032】
フィーダ制御部23はテープフィーダ2の動作を制御する。フィーダ制御部23は、基板Bに搭載される部品Cが基台11上の所定の部品供給部に適宜のタイミングで供給されるようにテープフィーダ2を制御する。フィーダ制御部23は、部品実装制御部21と相互通信できるように構成されている。
【0033】
画像処理部24は、部品実装部13が備える各種カメラによって撮像された画像データを画像認識し、認識されたデータを処理する。部品実装制御部21は、画像処理データに基づいて部品実装部13を制御する。
【0034】
部品実装部13は、作業領域MA(
図1参照)を基台11上に有する。
図1において、作業領域MAは、破線で囲われた領域である。作業領域MAの外形で囲まれた面積は、基板Bの外形で囲まれる面積よりも小さい。一方、作業領域MAは、基板の先頭側の第1部分P1および後尾側の第2部分P2をそれぞれ別々に包含できる大きさである。
【0035】
基板搬送部12は、基台11上に配設され、基板Bを搬送方向(X軸方向)に搬送するとともに、作業領域MAに対して基板Bを位置決めする。具体的には、まず、先頭側の第1部分P1が作業領域MAに位置決めされ、第1実装作業が行われた後、後尾側の第2部分P2が作業領域MAに位置決めされ、第2実装作業が行われる。第1部分P1と第2部分P2には、それぞれ複数の部品Cが搭載される。基板Bの停止位置は、システム記憶部25に記憶された基板停止位置情報25bに基づいてシステム制御部4の移動制御部22により制御される。
【0036】
基板支持部14は、基台11上の基板搬送部12の下方に配設され、上端で基板Bを支持する複数のサポートピン141と、サポートピン141の下端が取り付けられる支持プレート部142とで構成されている。
【0037】
支持移動部15は、支持プレート部142を搬送方向(X軸方向)に沿って往復移動させるとともに作業領域MAの下方に支持プレート部142を位置決めする。具体的には、基板Bの先頭側の第1部分P1が作業領域MAに位置決めされたときは、支持移動部15は、支持プレート部142を第1支持位置に位置決めする。また、基板Bの後尾側の第2部分P2が作業領域MAに位置決めされたときは、支持移動部15は、支持プレート部142を第2支持位置に位置決めする。支持プレート部142の停止位置は、システム記憶部25に記憶された支持部停止位置情報25cに基づいてシステム制御部4の移動制御部22により制御される。なお、支持移動部15は、別途、基板支持部14を上方の第1高さ位置と下方の第2高さ位置の間で昇降させる機構も有する。
【0038】
部品実装部13は、ヘッド移動機構131、装着ヘッド132と、部品認識カメラ133を備えている。作業領域MAの大きさは、装着ヘッド132が基板B上で移動し得る最大範囲に対応する。装着ヘッド132は、部品保持ノズル(真空吸着ノズル)132nを有する。装着ヘッド132は、所定の駆動機構により、Z軸方向に移動でき、Z軸回りに回動できる。部品保持ノズル132nは、部品Cをテープフィーダ2から真空吸着し、基板Bの表面の所定位置で吸引を解除して、部品Cを基板Bに実装する。
【0039】
ヘッド移動機構131は、基台11に配設されたX軸テーブル131xおよび一対のY軸テーブル131Yを備える。X軸テーブル131xは、一対のY軸テーブル131Yに対して水平に配置されている。X軸テーブル131XおよびY軸テーブル131Yは何れもリニア駆動機構を有する。ヘッド移動機構131は、部品実装制御部21からの指令に基づいて、X軸テーブル131Xに固定された装着ヘッド132およびヘッドカメラ134をX軸方向ならびにY軸方向に沿って自在に移動させることができる。
【0040】
ヘッドカメラ134は、基板B上の回路パターンを画像認識する。X軸テーブル131XおよびY軸テーブル131Yは、認識画像に基づいて、部品保持ノズル132nに吸着された部品Cを基板B上の所定位置に移動させる。
【0041】
部品認識カメラ133は、テープフィーダ2と基板搬送部12の間に配置され、部品保持ノズル132nによって保持された部品Cの位置および中心軸周りのずれ回転角を画像認識する。部品保持ノズル132nは、画像認識された部品Cのずれ回転角を矯正するように回転することができる。
【0042】
部品実装部13は、タッチパネル135のようなヒューマンマシンインタフェース(HMI)を有する。マシンオペレータは、チップマウンタ1全体の設定等に関するデータを、タッチパネル135を介してチップマウンタ1に入力することができる。入力された設定データは、チップマウンタ1のシステム記憶部25に記憶される。また、マシンオペレータは、システム記憶部25に記憶されたデータを、タッチパネル135を介して出力することができる。例えば、マシンオペレータは、サポートピン配置情報25dをシステム記憶部25から呼び出して出力すれば、マニュアルで複数のサポートピン141を支持プレート部142に取り付けることができる。ただし、基板支持部14は、例えばマグネットを利用して自動的に複数のサポートピン141が所望の配置パターンで支持プレート部142に取り付けられるように構成されてもよい。
【0043】
[2.基板搬送部の構成]
図4は、基板搬送部12、部品実装部13、基板支持部14および支持移動部15の要部構成図である。
図4において、基板搬送部12は、基台11上のX軸方向に延在する一対の第1コンベアユニット121を有する。各第1コンベアユニット121は、X軸方向に延びた板壁状の一対のベース部材122にそれぞれ取り付けられている。各ベース部材122の上端部には、一対のベース部材122が互いに向き合う方向に張り出した鉤状部122cが設けられている。各ベース部材122のX軸方向の両端部にはそれぞれ第1プーリ123が取り付けられ、一対の第1プーリ123に第1搬送ベルト124が掛け渡されている。すなわち、第1コンベアユニット121は、一対の第1プーリ123と、これに掛け渡された第1搬送ベルト124とを備える。
【0044】
一対の第1プーリ123の一方には、第1ベルト走行モータ126が設けられている。第1ベルト走行モータ126が第1プーリ123の一つを回転駆動させて第1搬送ベルト124を走行させる。一対の第1コンベアユニット121の第1ベルト走行モータ126は一対の第1搬送ベルト124が同期して同方向に走行するように駆動される。
【0045】
一対の第1コンベアユニット121は、上流工程側の他の装置から送られてきた基板Bの両端部を一対の第1搬送ベルト124によって下方から支持し、X軸方向に搬送して基台11の中央部付近の作業領域MAに位置決めする。また、一対の第1コンベアユニット121は、作業領域MAから基板BをX軸方向に搬送し、下流工程側の他の装置に送り出す。
【0046】
図4において、第1搬送ベルト124の下方には、ベース部材122の延在方向に沿って配されたプレート部材125が設けられている。プレート部材125は長尺形状であり、一方の主面がベース部材122の内方(一対のベース部材122が互いに向き合う側)に位置する主面に摺接している。
【0047】
プレート部材125はX軸方向の両端部のそれぞれに、上下方向に延びた長孔125hを有している。2つの長孔125hには、ベース部材122の内面側に取り付けられた2つの螺子部材127が貫通している。各プレート部材125は、2つの長孔125hをガイドとして第1搬送ベルト124に対してZ軸方向に移動自在となっている。
【0048】
[3.基板支持部および支持移動部の構成]
図4において、支持移動部15は、基板搬送部12の下方において、基台11上のX軸方向に延在する一対の第2コンベアユニット151を有している。第2コンベアユニット151は、第1コンベアユニット121と概ね同様の構造を有する。各第2コンベアユニット151は、第1コンベアユニット121と共通のベース部材122のプレート部材125が配されている領域よりも下方にそれぞれ取り付けられている。各ベース部材122の下方のX軸方向の両端部には、それぞれ第2プーリ153が取り付けられ、一対の第2プーリ153に第2搬送ベルト154が掛け渡されている。すなわち、第2コンベアユニット151は、一対の第2プーリ153と、これに掛け渡された第2搬送ベルト154とを備える。
【0049】
一対の第2プーリ153の一方には、第2ベルト走行モータ156が設けられている。第2ベルト走行モータ156は、当該第2プーリ153を回転駆動させて第2搬送ベルト154を走行させる。一対の第2コンベアユニット151の第2ベルト走行モータ156は一対の基板支持部14が同期して同方向に移動もしくは往復するように駆動される。具体的には、一対の第2コンベアユニット151は、第1支持位置と第2支持位置との間を往復するように基板支持部14を移動させ、位置決めする。第1支持位置は、基板Bの第1部分P1が作業領域MAに位置するときに基板Bを下面側がら支持する位置である。第2支持位置は、基板Bの第2部分P2が作業領域MAに配置するときに基板Bを下面側がら支持する位置である。
【0050】
基板支持部14の上下方向における往復は、支持移動部15が備えるボール螺子155と、電動アクチュエータとしての電動モータ157とにより行われる。ボール螺子155は基板支持部14側から下方に延びている。ボール螺子155の上端には、支持プレート部142を支持する受け部155rが設けられている。受け部155rは、基板支持部14(支持プレート部142)が搬送方向に移動するときは支持プレート部142から離れている。ボール螺子155は、上下に配置されたベアリング158A、158BによってZ軸回りに回動自在に支持されている。電動モータ157は、伝動ベルト等の動力伝達部材159を介してボール螺子155を回転駆動する。電動モータ157がボール螺子155をZ軸回りに回転させると、基板支持部14が昇降する。
【0051】
図5Aは、基板Bおよび基板支持部14のX軸方向における移動をY軸方向から見て示す説明図である。
図5A(a)~(c)は、基板支持部14(サポートピン141と支持プレート部142)が第1支持位置に位置する状態である。
図5A(d)は、基板Bが基板搬送部12により移動し、かつ基板支持部14が支持移動部15により移動している状態である。
図5A(e)、(f)は、基板支持部14が第2支持位置に位置する状態である。
図5A(b)、(f)は、基板支持部14が第1高さ位置で基板Bを下面側がら支持している状態である。基板支持部14が第1高さ位置にあるとき、何れの状態においても、基板Bの第1部分P1は複数の第1サポートピン141aにより下面側から支持され、第2部分P2は複数の第2サポートピン141bにより下面側から支持されている。第1サポートピン141aは、支持プレート部142の第1領域A1に取り付けられ、第2サポートピン141bは、支持プレート部142の第2領域A2に取り付けられている。
【0052】
より詳細には、
図5A(a)は、基板Bの第1部分P1が作業領域MAに配置され、かつ、基板支持部14が搬送方向における第1支持位置にあり、相対的に下方の第2高さ位置にある瞬間を示している。
図5A(b)は、基板支持部14が第1支持位置において、相対的に上方の第1高さ位置に上昇した状態を示している。この状態で、第1部分P1に対する第1実装作業が行われる。第1実装作業が終了すると、
図5A(c)に示すように、基板支持部14は第1支持位置において、相対的に下方の第2高さ位置に戻る。
【0053】
次に、
図5A(d)に示すように、基板Bおよび基板支持部14は、搬送方向に一定距離だけ移動し、
図5A(e)で示される位置で停止する。このとき、基板Bの第2部分P2が作業領域MAに配置され、基板支持部14は第2支持位置に配置される。その後、
図5A(f)に示すように、基板支持部14が第2支持位置において、相対的に上方の第1高さ位置に上昇し、その状態で、第2部分P2に対する第2実装作業が行われる。第2実装作業が終了すると、基板支持部14は第2支持位置において、相対的に下方の第2高さ位置に戻る。その後、基板Bは引き続き搬送方向に搬送される。一方、基板支持部14は、元の第1支持位置に移動する。そのタイミングで、作業領域MAには、別の基板Bの第1部分P1が位置決めされる。
【0054】
図5Bは、参考例に係る部品実装装置における基板Bおよび基板支持部14のX軸方向における移動をY軸方向から見て示す説明図である。基板Bの移動と停止は、
図5B(a)~
図5B(f)に示すように、
図5Aの場合と同様である。一方、基板支持部14は、常に作業領域MAの下方に位置し、上下方向に往復するだけである。よって、第1部分P1に対して第1実装作業をするときに第1部分P1を下面側から支持した複数のサポートピン141は、引き続き、第2部分P2に対して第2実装作業をするときにも、第2部分P2を下面側から支持する。通常、第1部分P1と第2部分P2の下面の凹凸は異なるため、両者にできるだけ適合するようにサポートピン141の配置パターンを選択する必要がある。すなわち、サポートピン141の配置パターンの選択の幅が制限される。換言すれば、第1部分P1と第2部分P2の下面の凹凸にそれぞれ最適のサポートピン141の配置パターンを採用することができない場合が多い。よって、基板に対する部品の装着安定性が低下しがちである。
【0055】
図6は、基板支持部14により基板Bを支持する動作をX軸方向から見た説明図である。各サポートピン141は2つの第1コンベアユニット121の間に位置している。支持プレート部142は、上下方向において、プレート部材125と第2搬送ベルト154との間に位置し、Z軸方向に移動自在である。各サポートピン141は支持プレート部142に対して着脱自在である。支持対象となる基板Bのサイズや基板Bの裏面の凹凸に応じて複数のサポートピン141の配置パターンが変更される。
【0056】
支持プレート部142は、基板搬送部12によって基板Bが位置決めされ、かつ支持移動部15によって支持プレート部142が位置決めされると、受け部155rを介して、ボール螺子155および電動モータ157の駆動により、
図6(a)から
図6(c)の状態まで上昇する。支持プレート部142が下方の第2高さ位置に位置しているとき(
図6(a))には、支持プレート部142の上面は2つのプレート部材125の下端に接触せず、各プレート部材125は、長孔125hの上縁を螺子部材127に当接させて、螺子部材127に垂下した状態となる。また、各サポートピン141の上端は、基板Bの下面から離間した状態となる(
図6(a))。
【0057】
受け部155rの上昇に伴って基板支持部14が上昇すると、支持プレート部142の上面は2つのプレート部材125の下端に当接する。その後、2つのプレート部材125は、基板支持部14と一体となって上昇する。2つのプレート部材125が基板支持部14と一体となって上昇していくと、2つのプレート部材125の上端は基板Bの下面に当接し、各サポートピン141も基板Bの下面に当接する(
図6(b))。
【0058】
プレート部材125と各サポートピン141が基板Bの下面に当接した後、基板支持部14が更に上昇すると、基板Bの両端は2つの第1搬送ベルト124から浮き上がり、基板Bは基板支持部14によって持ち上げ支持された状態となる。そして、さらに基板支持部14が上昇して第1高さ位置に達すると、基板Bの両端は2つの鉤状部122cに下方から当接する(
図6(c))。この状態では、基板Bは両端部がそれぞれプレート部材125と鉤状部122cとによってクランプされ、かつ複数のサポートピン141により下面側から支持された状態となる。
【0059】
[4.部品実装基板の製造方法]
図7は、本発明の一実施形態に係る部品実装基板の製造方法の流れを説明するフローチャートである。部品実装基板の製造方法は、(i)基板搬送部12が、第1部分P1を作業領域MAに位置させる工程と、(ii)支持移動部15が、支持プレート部142の第1領域A1を作業領域MAの下方に位置させる工程と、(iii)基板支持部14が、第1サポートピン141Aで第1部分P1を下面側から支持する工程と、(iv)部品実装部13が、第1サポートピン141Aで支持されている第1部分P1に対して部品を実装する第1実装作業を行う工程と、(v)第1実装作業の後、基板搬送部12が、第2部分P2を作業領域MAに位置させる工程と、(vi)支持移動部15が、支持プレート部142の第2領域A2を作業領域MAの下方に位置させる工程と、(vii)基板支持部14が、第2サポートピン141Bで第2部分P2を下面側から支持する工程と、(viii)部品実装部13が、第2サポートピン141Bで支持されている第2部分P2に対して部品を実装する第2実装作業を行う工程とを有する。
【0060】
更に具体的に説明すると、チップマウンタ1により基板Bに部品Cを装着する部品実装基板の製造作業は、一般に、作業者がタッチパネル135から作業開始操作を行うことによって開始される。その前に、必要に応じて、基板支持部14のサポートピン141を支持プレート部142の所定の位置に配置する(ST1)。マニュアルで作業する場合、作業者は、タッチパネル135を介してシステム記憶部25からサポートピン配置情報25dを呼び出し(ST101)、得られた情報に基づいて、第2支持位置に位置する支持プレート部142の第2領域A2に第2サポートピン141bを配置する(ST102)。次に、作業者は、支持プレート部142を第1支持位置にスライドさせ(ST103)、支持プレート部142の第1領域A1に第1サポートピン141aを配置する(ST104)。
【0061】
作業者がタッチパネル135から作業開始操作を行うと、先ず、基板搬送部12の一対の第1コンベアユニット121が、上流工程側から送られてきた基板Bを受け取る基板搬入工程(ST2)が行われ、基板Bの第1部分P1を作業領域MAに位置決めする(ST3)。このとき、支持プレート部142は、第1支持位置にあり、第1領域A1が作業領域MAの下方に位置している。また、支持プレート部142は、下方の第2高さ位置にあり、第2コンベアユニット151が備える第2搬送ベルト154上に載置された状態である。
【0062】
次に、支持移動部15が備えるボール螺子155と電動モータ157とが作動し、第1支持位置に位置する支持プレート部142が上昇する(ST4)。支持プレート部142が第1支持位置において上方の第1高さ位置で停止し、第1サポートピン141aが基板Bを下面側から支持すると、基板Bの第1部分P1に部品Cを実装する第1実装作業が行われる(ST5)。なお、この間、基板支持部14の第2サポートピン141bは第2部分P2を下面側から支持している。
【0063】
第1実装作業が終了すると、支持移動部15が備えるボール螺子155と電動モータ157とが逆方向に作動し、第1支持位置において支持プレート部142が第2高さ位置に下降する(ST6)。このとき、基板Bは第1搬送ベルト124上に載置され、支持プレート部142は、第2搬送ベルト154上に載置される。
【0064】
次に、基板搬送部12の一対の第1コンベアユニット121と、支持移動部15の一対の第2コンベアユニット151とが作動し、基板Bおよび支持プレート部142が搬送方向に所定距離だけ搬送される。その結果、基板Bの第2部分P2が作業領域MAに位置決めされ、支持プレート部142は第2支持位置に位置決めされる(ST7)。
【0065】
次に、支持移動部15が備えるボール螺子155と電動モータ157とが作動し、第2支持位置に位置する支持プレート部142が上昇する(ST8)。支持プレート部142が第2支持位置において上方の第1高さ位置で停止し、第2サポートピン141bが基板Bを下面側から支持すると、基板Bの第2部分P1に部品Cを実装する第2実装作業が行われる(ST9)。なお、この間、基板支持部14の第1サポートピン141aは第1部分P1を下面側から支持している。
【0066】
第2実装作業が終了すると、支持移動部15が備えるボール螺子155と電動モータ157とが逆方向に作動し、第2支持位置において支持プレート部142が第2高さ位置に下降する(ST10)。このとき、基板Bは第1搬送ベルト124上に再び載置され、支持プレート部142は、再び第2搬送ベルト154上に載置される。その後、基板Bは第2搬送ベルト154によって搬送方向に搬出される(ST11)。
【0067】
第1実装作業および第2実装作業が完了した基板Bが搬出されると、次に部品実装作業を行うべき基板Bが準備されているか否かが確認される(ST12)。次の基板Bが準備されている場合(Yes)には、支持移動部15の一対の第2コンベアユニット151は搬送方向とは逆方向に移動し、支持プレート部142を第1支持位置にスライドさせる(ST13)。そして、引き続き、ST2から工程が繰り返される。一方、次の部品実装作業を行うべき基板Bが準備されていない場合には、部品実装基板の製造作業は終了する。
【0068】
なお、上記実施形態では、作業領域MAに位置決めされた基板支持部14を持ち上げる電動アクチュエータとして電動モータを例示したが、これは一例である。電動モータとは異なる電動アクチュエータ、例えば電動シリンダを用いるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明は、様々な基板に、例えばチップ抵抗、半導体装置、コンデンサなどの部品もしくは電子部品を表面実装するための部品実装装置や、そのような部品実装基板を製造する製造方法に利用できる。
【符号の説明】
【0070】
1:部品実装装置(チップマウンタ)
2:テープフィーダ
3a,3b:台車
4:システム制御部
11:基台
12:基板搬送部
121:第1コンベアユニット
122:ベース部材
122c:鉤状部
123:第1プーリ
124:第1搬送ベルト
125:プレート部材
125h:長孔
126:第1ベルト走行モータ
127:螺子部材
13:部品実装部
131:ヘッド移動機構
132:装着ヘッド
133:部品認識カメラ
132n:部品保持ノズル(真空吸着ノズル)
131x:X軸テーブル
131Y:Y軸テーブル
134:ヘッドカメラ
135:タッチパネル
14:基板支持部
141:サポートピン
141a:第1サポートピン
141b:第2サポートピン
142:支持プレート部
15:支持移動部
151:第2コンベアユニット
153:第2プーリ
154:第2搬送ベルト
155:ボール螺子
155r:受け部
156:第2ベルト走行モータ
157:電動モータ
158A、158B:ベアリング
159:動力伝達部材
21:部品実装制御部
22:移動制御部
23:フィーダ制御部
24:画像処理部
25:システム記憶部
25a:実装データ
25b:基板停止位置情報
25c:支持部停止位置情報
25d:サポートピン配置情報
A1:第1領域
A2:第2領域
B:基板
C:部品
MA:作業領域
P1:第1部分
P2:第2部分