(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G07C 9/38 20200101AFI20240202BHJP
G07C 9/37 20200101ALI20240202BHJP
【FI】
G07C9/38
G07C9/37
(21)【出願番号】P 2022169958
(22)【出願日】2022-10-24
【審査請求日】2023-11-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】鹿内 真樹
(72)【発明者】
【氏名】宇野 嘉修
(72)【発明者】
【氏名】酒田 善史
(72)【発明者】
【氏名】前田 敏行
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-245414(JP,A)
【文献】特開2008-108035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
G07B 15/00-15/06
G06T 7/00- 7/90
G06T 1/00- 1/60
G06Q 50/00-50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサとメモリとを備え、
前記メモリは、複数の人物が属する登録グループの情報を少なくとも1つ保持し、
前記プロセッサは、
第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、前記メモリに保持させ、
前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得し、
前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定して、
前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定し、
前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定し、
前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
管理装置。
【請求項2】
前記第1の認証処理結果及び前記第2の認証処理結果は、複数の異なる認証精度のいずれかを有し、
所定精度以上の認証精度を有する認証処理結果は、前記認証処理の成功を示し、
前記所定精度よりも低い認証精度を有する認証処理結果は、前記認証処理の失敗を示し、
前記管理装置は、前記第2の地点を通過する際、前記第1の地点を通過する時よりも高い認証精度を必要とする管理装置であり、
前記プロセッサは、
前記登録グループのうち、前記第2の認証処理にて、前記第2の地点の通過を許可された前記第1の人物が属する前記第1のグループを特定して、
前記第1の人物が前記第2の認証処理にて、前記第2の地点の通過を許可された際に、前記第2の人物も前記第2の認証処理にて、前記第2の地点の通過を許可されている場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定し、
前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定し、
前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1の認証処理を実施した結果、所定の登録グループに属する人物全ての認証が成功している場合、前記所定の登録グループで前記第1の地点を通過したことを示す第2のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記メモリに、前記第2のグループ通過情報が存在しているか否かを判定し、
前記メモリに、前記第2のグループ通過情報が存在すると判定された場合、前記第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1の地点を通過した通過時刻に基づいて、前記第1の地点を通過した人物が属する第2のグループを設定し、前記第2のグループを前記メモリに保持させ、
前記第2の認証処理結果と前記登録グループの情報とに基づいて、前記登録グループのうちの前記第1のグループに属する前記第1の人物又は前記第2の人物を特定し、
前記第2のグループに前記第1の人物又は前記第2の人物が含まれる場合、前記第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記認証処理において、
前記第1の地点又は前記第2の地点を通過する人物に対して、事前に登録されている生体特徴データに基づいて行われた認証の認証結果を取得し、
前記第1の地点又は前記第2の地点を通過する人物が撮像された画像を取得し、
前記画像に、前記認証に成功した第3の人物と、前記認証に失敗した第4の人物と、が混在して含まれている場合、前記第3の人物が属する第3のグループを判定し、
前記第3のグループに、前記第3の人物とは別の他の人物が属している場合、前記他の人物を前記第4の人物であると推定し、
前記他の人物に対応付けられている属性に基づいて、前記認証の厳格さを緩和して、
前記第4の人物の前記認証を再度実行するよう指示する、
請求項1又は2のいずれか1項に記載の管理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記認証処理において、
前記他の人物に対応付けられている属性に基づいて、前記認証において最初に用いられる第1の閾値よりも低い第2の閾値に変更するか、または、前記第1の閾値を変更せずに、前記第1の閾値と比較される前記認証のためのスコアに所定値を加算することで、前記認証の厳格さを緩和して、
前記第4の人物の前記認証を再度実行するよう指示する、
請求項6に記載の管理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記認証処理において、
再度実行された前記第4の人物の前記認証が失敗であった場合、前記認証に用いられる閾値を前記第2の閾値よりも低くするか、または、前記第2の閾値と比較されるスコアに所定値を加算することで、前記認証の厳格さを更に緩和して、
前記第4の人物の前記認証を再度実行するよう指示する、
請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記認証処理において、
再度実行された前記第4の人物の前記認証が成功であった場合、前記登録グループのうち、前記第4の人物が属する第4のグループを特定し、
前記第4のグループ内で、緩和されていない厳格さで前記認証に成功した人物である第5の人物が存在するか否かを判定し、
緩和された厳格さで前記第4の人物と前記第5の人物とに対して同時に前記認証が行われたか否かを判定し、
同時に前記認証が行われた場合、前記認証処理による認証処理結果として、前記第4の人物が前記第2の地点を通過することを許可する、
請求項6に記載の管理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記認証処理において、
再度実行された前記第4の人物の前記認証が成功であった場合、前記登録グループのうち、前記第4の人物が属する第4のグループを特定し、
前記第4のグループ内で、緩和されていない厳格さで前記認証に成功した人物である第5の人物が存在するか否かを判定し、
緩和された厳格さで前記第4の人物と前記第5の人物とに対して同時に前記認証が行われたか否かを判定し、
同時に前記認証が行われた場合、前記認証処理による認証処理結果として、前記第4の人物が前記第2の地点を通過することを許可する、
請求項7に記載の管理装置。
【請求項11】
前記地点には、人物が通過可能なゲートが設置され、
前記第1の地点には、第1のゲートが設置され、
前記第2の地点には、第2のゲートが設置される、
請求項1に記載の管理装置。
【請求項12】
前記生体特徴データは、顔画像である、
請求項6に記載の管理装置。
【請求項13】
複数のゲートのそれぞれに設置された撮像装置と、
前記撮像装置により撮像された画像に基づいて人物の認証を行う認証装置と、
前記認証の認証結果に基づいて認証処理を行い、前記ゲートを通過する人物を管理する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
複数の人物が属する登録グループの情報をメモリに少なくとも1つ保持しており、
第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、前記メモリに保持させ、
前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得し、
前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定して、
前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定し、
前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定し、
前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、
管理システム。
【請求項14】
複数の地点を通過する人物を管理する管理方法であって、
第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、複数の人物が属する登録グループの情報を少なくとも1つ保持するメモリに保持させるステップと、
前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得するステップと、
前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定するステップと、
前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定するステップと、
前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定するステップと、
前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持するステップと、
を有する管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数のゲート等を通過する人物を管理する管理装置、管理システム及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入場時の共連れを加味して、複数の登録者が同時に入場することを可能としつつ、非登録者の入場を制限、警戒、記録などを行うセキュリティ装置が知られている。このセキュリティ装置は、複数の第一登録者についての識別情報を記憶する第一記憶手段と、各第一登録者に対応づけて、第二登録者についての識別情報を記憶する第二記憶手段と、所定の領域を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された画像から人の顔を検出する検出手段と、検出手段によって検出された顔の人について、第一記憶手段に記憶された識別情報に基づいて、第一登録者であるか否か判断する第一判断手段と、第二記憶手段に記憶された識別情報のうち、第一判断手段によって画像内に存在すると判断された第一登録者に対応づけられて第二記憶手段に記憶される第二登録者についての識別情報のみに基づいて、検出手段によって検出された顔の人について、第二登録者であるか否か判断する第二判断手段と、第一判断手段及び第二判断手段の結果に基づいて、セキュリティ維持のための動作を行うセキュリティ維持手段とを含む(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のセキュリティ装置では、第一登録者の認証(個人認証)及び第一登録者と第一登録者に対応する第二登録者の認証(グループ認証)の成功パターンと、グループ認証の失敗パターンと、を厳格に判別することが可能である。しかし、第二登録者が子供である場合など、誤認証され易い被写体である場合、第一登録者の個人認証のみが成功してしまい、グループ認証に失敗する場合がある。この場合、第一登録者と第二登録者がグループで訪れているにもかかわらず、第一登録者のみが訪問したものとして取り扱われてしまう。また、グループ認証の基準を緩めれば、この問題を回避できる可能性はあるが、施設入場口等の混雑し易い環境では、第二登録者がいないにもかかわらず、第一登録者の近傍にいる他人を第二登録者であると誤って判断して、グループ認証を成功させてしまうおそれがある。ここで、登録者がグループで訪問したかどうかの情報は、マーケティングに利用されたり、グループであることを条件として利用可能な設備等の利用可否の判断に使用されたりするため、ある程度の正確性が求められる。そのため、セキュリティ装置が監視している地点を通過したグループを示す情報(グループ通過情報)が誤っていたり、その地点をグループで通過したこと自体が記録されていなかったりする場合であっても、正しいグループ通過情報を記録することのできるシステムが望まれている。
【0005】
本開示は、エリア内の複数の地点を通過する際に、一部の地点についてのグループ通過情報が誤っていた場合であっても、その地点についての正しいグループ通過情報を記録させることのできる管理装置、管理システム及び管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、プロセッサとメモリとを備え、メモリは、複数の人物が属する登録グループの情報を少なくとも1つ保持し、前記プロセッサは、第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、前記メモリに保持させ、前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得し、前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定して、前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定し、前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定し、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、管理装置である。
【0007】
本開示の一態様は、複数のゲートのそれぞれに設置された撮像装置と、前記撮像装置により撮像された画像に基づいて人物の認証を行う認証装置と、前記認証の認証結果に基づいて認証処理を行い、前記ゲートを通過する人物を管理する管理装置と、を備え、前記管理装置は、複数の人物が属する登録グループの情報をメモリに少なくとも1つ保持しており、第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、前記メモリに保持させ、前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得し、前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定して、前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定し、前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定し、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持する、管理システムである。
【0008】
本開示の一態様は、複数の地点を通過する人物を管理する管理方法であって、第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、複数の人物が属する登録グループの情報を少なくとも1つ保持するメモリに保持させるステップと、前記第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得するステップと、前記登録グループのうち、前記第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定するステップと、前記第1の人物が前記第2の認証処理に成功した際に、前記第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も前記第2の認証処理に成功している場合、前記第2の人物が前記第1のグループに属しているか否かを判定するステップと、前記第2の人物が前記第1のグループに属していると判定された場合、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定するステップと、前記メモリに、前記第1の人物及び前記第2の人物の少なくとも一方の、前記第1の認証処理に成功している前記第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、前記第1のグループで前記第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を前記メモリに保持するステップと、を有する、管理方法である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、エリア内の複数の地点を通過する際に、一部の地点についてのグループ通過情報が誤っていた場合であっても、その地点についての正しいグループ通過情報を記録させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の実施形態の管理システムの構成例を示すブロック図
【
図2A】ゲート毎に設置されたカメラ及びディスプレイの第1設置例を示す図
【
図2B】ゲート毎に設置されたカメラ及びディスプレイの第2設置例を示す図
【
図2C】ゲート毎に設置されたカメラ及びディスプレイの第3設置例を示す図
【
図2D】移動式のカメラ及びディスプレイの設置例を示す図
【
図3】エリアに設置された各ゲートと各ゲートを通過する人物との一例を示す図
【
図7B】管理システムの動作例を示すシーケンス図(
図7Aの続き)
【
図8】各ゲートでの各人物の認証結果の第1例を示す図
【
図9】各ゲートでの各人物の認証結果の第2例を示す図
【
図10】各ゲートでの各人物の認証結果の第3例を示す図
【
図11】各ゲートでの各人物の認証結果の第4例を示す図
【
図12】各ゲートでの各人物の認証結果の第5例を示す図
【
図13】各回の認証結果と修正認証結果との一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。尚、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
例えば、実施形態でいう「部」又は「装置」とは単にハードウェアによって機械的に実現される物理的構成に限らず、その構成が有する機能をプログラムなどのソフトウェアにより実現されるものも含む。また、1つの構成が有する機能が2つ以上の物理的構成により実現されても、又は2つ以上の構成の機能が例えば1つの物理的構成によって実現されていてもかまわない。
【0013】
図1は、本開示の実施形態の管理システム5の構成例を示すブロック図である。管理システム5は、カメラ10、ディスプレイ20、及び制御PC(Personal Computer)30を備える。カメラ10、ディスプレイ20、及び制御PC30は、例えばゲート50毎に設置される。また、管理システム5は、管理装置100及び認証サーバ200を備える。
【0014】
各ゲート50のカメラ10及びディスプレイ20は、制御PC30に有線又は無線で通信可能に接続される。各ゲート50の制御PC30は、管理装置100に有線又は無線で通信可能に接続される。認証サーバ200は、管理装置100に有線又は無線で通信可能に接続される。なお、カメラ10、ディスプレイ20、制御PC30、管理装置100、及び認証サーバ200は、有線又は無線のネットワークを構成してそれぞれが通信可能に接続されてもよい。
【0015】
カメラ10は、ゲート50毎に設置される。カメラ10は、各種の被写体を撮像し、例えば対応するゲート50を通過する人物を撮像する。カメラ10は、例えば、所定の方向に進行する人物の顔を撮像する。
【0016】
ディスプレイ20は、ゲート50毎に設置される。ディスプレイ20は、各種データや情報を表示する。ディスプレイ20は、例えば、対応するゲート50を通過する人物又はゲート50の周辺に所在する人物に対して、各種データや情報を表示する。
【0017】
制御PC30は、ゲート50毎に設置される。制御PC30は、対応するゲート50のカメラ10及びディスプレイ20の動作を制御する。例えば、制御PC30は、カメラ10の各種設定をカメラ10に対して指示したり、カメラ10により撮像された画像を取得したりする。例えば、制御PC30は、ディスプレイ20の各種設定をディスプレイ20に対して指示したり、ディスプレイ20により表示される情報(例えば警告情報、画像、案内情報)をディスプレイ20に送信したりする。
【0018】
管理装置100は、管理システム5における各装置を管理し、各装置と連携して、各ゲート50が設置されたエリアARの内部又は周辺に所在する人物を管理する。管理装置100は、ゲート50を通過する人物を個別に管理し、ゲート50を通過する複数の人物をグループとしても管理する。管理装置100は、任意の位置に設置されてよく、例えばゲート50や管理システム5を管理する管理センタに設置されてよい。
【0019】
認証サーバ200は、制御PC30及び管理装置100を介して、各ゲート50に設置された各カメラ10により撮像された画像を取得する。認証サーバ200は、取得された画像に基づいて画像に映り込んだ人物の認証を行い、認証結果を管理装置100に通知する。ここでの認証結果は、成功(OK)又は失敗(NG)を含む。認証サーバ200は、管理装置100から認証用の閾値THを取得し、認証用の閾値THに基づいて認証を行ってよい。認証用の閾値THは可変である。つまり、認証サーバ200は、閾値の調整によって人物の認証の厳密さを調整可能である。認証サーバ200は、任意の位置に設置されてよく、例えばゲート50や管理システム5を管理する管理センタに設置されてよい。また、「認証」は「照合」と読み替えられてもよい。
【0020】
図2Aは、ゲート50毎に設置されたカメラ10及びディスプレイ20の第1設置例を示す図である。
図2Aでは、ゲート50のフレームの中央部にディスプレイ20が設置され、ディスプレイ20の水平方向に沿う両側に、カメラ10が設置されている。ゲート50は、所定のエリアに設置され、エリアの入退場口やエリア内に設置される。制御PC30は、
図2Aでは図示されていないが、ゲート50毎に、ゲート50の位置に対して任意の位置に配置されてよい。なお、ゲート50の形状は、第1設置例に示した形状に限らず、他の形状であってもよい。例えば、ゲート50の形状は、奥行きのあるトンネル型の形状(
図2B参照)であったり、天井や人物が移動する通路の上方に設置された支持部材からカメラ10及びディスプレイ20が吊り下げられている天吊り型の形状(
図2C参照)であったりしてよい。また、ゲート50という形式に限られず、所定の地点における人物の生体特徴データ又は生体特徴データの元となるデータを取得可能であればよい。例えば、カメラ10及びディスプレイ20は、キャスター等で移動可能なディスプレイ20に、所定の地点を通行する人物を撮像するカメラ10を備えた形状(
図2D参照)であってもよい。
【0021】
ゲート50は、複数人(例えば多人数)が同時に通過可能なゲートである。ゲート50では、様々な人物が通過可能である。例えば、大人、子供(例えば幼児)、マスクを装着した人物、又はマスクを装着していない人物が、ゲート50を通過可能である。ゲート50を通過する人物は、管理装置100及び認証サーバ200によって、個別に認証されたりグループで認証されたりする。
【0022】
ゲート50には、厳格な認証が要求される厳格認証ゲート50Sと、厳格な認証が要求されない非厳格認証ゲート50Tと、が含まれる。厳格認証ゲート50Sでは、予め登録されたグループ(登録グループ)に属する複数の人物の全員が同時に認証に成功することが必要であり、つまりグループ認証に成功することが必要である。非厳格認証ゲート50Tでは、登録グループに属する一部の人物が認証に失敗することが許容され、つまりグループ認証に失敗することが許容される。
【0023】
どのゲート50が厳格認証ゲート50Sとされるか非厳格認証ゲート50Tとされるかは、各ゲート50が設置された場所のセキュリティリスク等に基づいて定められてよい。例えば、単独入場禁止の場所、複数人作業が必須である場所、サーバ室、又はテーマパークにおける必須人数が制限されたアトラクション(例えば2人専用、3人専用)の場所等に設置されたゲート50は、厳格認証ゲート50Sとして定められてよい。なお、ここでの複数人作業や2人専用や3人専用における複数の人は、例えば、特定の関係(例えば、同じ登録グループに属する親子や同じ作業チームに属するメンバー)を有する人物である。
【0024】
なお、グループは、例えば家族、友人又はその他の単位であり、大人と子供とを含んでよい。一般的に、子供は顔等の特徴量が少なく、認証に失敗する確率が高い。一方、大人は顔等の特徴量が多く、認証に成功する可能性が高い。そのため、子供を大人と紐づけてグループ化してグループ認証することで、子供の誤認証率を低減し、また子供の動向を把握し易くなるという利点がある。
【0025】
図3は、所定のエリアARに設置された各ゲート50と各ゲート50を通過する人物との一例を示す図である。
【0026】
図3では、ゲート50として、ゲート50X、ゲート50Y、ゲート50A、ゲート50B、…、が配置されている。ゲート50Xは、エリアARの入口(例えば施設入場口)に設置されたゲートである。ゲート50Yは、エリアARの出口(例えば施設退場口)に設置されたゲートである。ゲート50A、ゲート50B、…は、ゲート50X及びゲート50Y以外のゲートであり、エリアARの入口及び出口以外に設置されたゲートである。ゲート50が設置されるエリアARは、所定の空間的なエリアであり、例えばアミューズメントパークである。ゲート50A,50B,…は、例えば、アミューズメントパークにあるアトラクションに入退場するためのゲートである。
【0027】
ゲート50を通過する人物、つまりエリアARに入退場する人物は、一人でゲート50を通過してもよいし、他の人物とともにグループでゲート50を通過してもよい。ゲート50を通過する複数の人物を含むグループは、ゲート50を通過する前つまりエリアARに入場する前に、予め登録される。
【0028】
同じ登録グループに属する複数の人物は、ゲート50をほぼ同時に通過する可能性が高い。しかし、例えば同じ登録グループに属する大人HAと子供Haや、大人HBと子供Hbとが離れてしまった場合など、別々にゲート50を通過することもあり得る。また、ゲート50は、複数の人物が同時に通過可能であるので、異なるグループに属する複数の人物がほぼ同時に通過することもあり得る。この場合、ゲート50の通過時刻だけでは、同一グループに属する人物であるかどうかを識別することは難しい。また、本実施形態の環境では、複数のゲート50が設置されており、グループが登録されている場合には、各ゲート50を通過する複数の人物の組み合わせが同じ人物の組み合わせ(例えば大人HAと子供Ha、大人HBと子供Hb)であることが望ましいが、ゲート50毎に異なる人物の組み合わせで通過することもある。例えば、グループに属する人物(例えば子供)が同じグループに属する人物(例えば子供の親)と離れ、迷子になることがあり得るためである。ただし、上述の厳格認証ゲート50Sでは、登録グループに属する複数の人物が一緒に厳格認証ゲート50Sを通過し、グループ認証に成功する必要がある。
【0029】
図4は、管理装置100の構成例を示すブロック図である。
【0030】
管理装置100は、プロセッサ110と、メモリ120と、通信デバイス130と、を含む構成である。管理装置100は、所定の処理を行うサーバとして動作してもよいし、PCのように操作デバイスや表示デバイスを備えて、所定の処理を行うに際し、管理者からの操作の受け付けや管理者に対する表示を行ってもよい。
【0031】
プロセッサ110は、MPU(Micro processing Unit)、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はGPU(Graphical Processing Unit)等を含んでよい。プロセッサ110は、各種集積回路(例えばLSI(Large Scale Integration)、FPGA(Field Programmable Gate Array))により構成されてもよい。プロセッサ110は、メモリ120に保持されたプログラムを実行することで、各種機能を実現する。プロセッサ110は、管理装置100の各部を統括的に制御し、各種処理を行う。
【0032】
メモリ120は、一次記憶装置(例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory))を含む。メモリ120は、二次記憶装置(例えばHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive))又は三次記憶装置(例えば光ディスク又はSDカード)等を含んでよい。また、メモリ120は、外部記憶媒体であり、管理装置100に対して着脱可能であってよい。メモリ120は、各種データ、情報又はプログラム等を記憶する。メモリ120は、例えば、後述する登録グループ情報I1やゲート通過情報I2を保持する。
【0033】
通信デバイス130は、有線又は無線による通信方式に従って、各種データ又は情報等を通信する。通信方式は、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、携帯電話用のセルラー通信(例えばLTE、5G)、又は電力線通信等であってもよい。
【0034】
図5は、登録グループ情報I1の一例を示す図である。登録グループ情報I1は、予め登録されたグループに関する各種情報を含む。登録グループ情報I1は、例えば、グループの識別情報(グループID)、グループに属する各人物の識別情報(名前やID)、グループに属する各人物の属性、及びグループに属する各人物の顔画像、が含まれる。人物の顔画像は、人物の生体特徴データの一例であり、人物の認証に用いられる。人物の属性は、大人又は子供のどちらであるか、又はマスクの装着等を含む。
【0035】
ここで、プロセッサ110による各種処理を例示する。
【0036】
プロセッサ110は、認証用の閾値THを決定する。プロセッサ110は、例えば、人物の属性に応じて調整可能である。人物の属性は、例えば、子供であるか大人であるかの情報、マスクを装着しているか装着していないかの情報を含む。人物の属性は、例えば、認証サーバ200による認証により判別可能であり、人物の属性の情報を認証サーバ200から取得されてもよいし、登録グループ情報I1から取得されてもよい。閾値THは、通常用の閾値TH1、子供用(例えば乳児用)の閾値TH2、等を含んでよい。例えば、閾値TH1は、厳格な認証に用いる閾値である。例えば、閾値TH2は、閾値TH1よりも低く、認証成功し易く、非厳格な認証に用いる閾値である。決定された閾値THは、通信デバイス130により認証サーバ200に通知される。
【0037】
プロセッサ110は、通信デバイス130を介して、認証サーバ200から認証結果を取得する。認証結果は、例えば、指定された閾値THを用いた認証に成功したか失敗したかを示す情報を含む。閾値THが高い程、認証に必要な類似度が大きくなるので、厳密な認証が可能であり、認証精度が高く(高精度になる)傾向にある。閾値THが低い程、認証に必要な類似度が小さくなるので、厳格ではない認証が可能であり、認証精度は低く(低精度になる)傾向にある。
【0038】
例えば、高精度な認証に成功した場合には、認証精度Aであり、低精度な認証に成功した場合には認証精度Bであり、低精度な認証に失敗した場合には認証精度Cである。認証精度Aは、認証対象の本人である確実性が高い。認証精度Bは、おそらく認証対象の本人であると推測される。認証精度Cは、おそらく認証対象の本人ではないと推測される。
【0039】
プロセッサ110は、ゲート50毎に、ゲート50を通過した複数の人物を含むグループを設定する。設定されたグループ(設定グループ)は、登録グループとは異なる基準で生成され、登録グループに含まれる複数の人物の組み合わせとは異なる人物の組み合わせであってよい。例えば、プロセッサ110は、ゲート50を各人物が通過した通過タイミングに基づいて、例えばゲート50を同じ時間帯に(互いに所定時間(例えば3分)以内に)通過した複数の人物を含むグループを設定する。
【0040】
プロセッサ110は、ゲート50毎に、各人物のゲート50の通過に関するゲート通過情報I2を生成する。
図6は、ゲート通過情報I2の一例を示す図である。ゲート通過情報I2は、例えば、各人物がゲート50を通過した通過時刻、認証精度、個別認証結果、グループID、及びグループ認証結果を含む。通過時刻は、各人物がゲート50を通過した時刻であり、例えばゲート50の通過時に各人物が検出された画像が撮像された撮像時刻でよい。認証精度は、認証サーバ200から得られた認証結果に基づいて導出される。認証精度の導出方法の詳細については後述する。個別認証結果は、認証サーバ200から得られた認証結果(成功(OK)又は失敗(NG))である。グループIDは、設定グループが生成される際に割り当てられる、設定グループの識別情報である。グループ認証結果は、設定グループに属する複数の人物の個別認証結果及び認証精度に基づいて決定される。例えば、設定グループに属する全ての人物についての高精度な認証結果(認証精度A)が得られた場合に、グループ認証結果が成功となる。また、設定グループに属する少なくとも1人の人物について高精度な認証が得らなかった(認証精度B、Cである)場合に、グループ認証結果が失敗となる。
【0041】
プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでは、登録グループに属する各人物について同時に高精度な認証結果が得られたか否かを判定する。プロセッサ110は、登録グループの複数の人物の全員が同時に高精度な認証結果が得られることで、登録グループのグループ認証に成功し、登録グループのグループ単位で厳格認証ゲート50Sを通過したと判定する。プロセッサ110は、登録グループの一部の人物が同時に高精度の認証結果が得られなかった場合、登録グループのグループ認証に失敗し、登録グループのグループ単位で厳格認証ゲート50Sを通過していないと判定する。この場合、プロセッサ110は、エラー処理や警告処理を行う。エラー処理では、プロセッサ110は、例えば、ゲート50を閉じることでゲート50を人物が通過できないようにしてよい。なお、厳格認証ゲート50Sにおいて閾値TH1を用いた個別認証に失敗した場合にも、プロセッサ110は、エラー処理や警告処理を行ってよい。
【0042】
一方、非厳格認証ゲート50Tでは、登録グループに属する複数の人物の一部が不在であったり、高精度な認証結果が得られなかったりした場合でも、プロセッサ110は、エラー処理や警告処理を行わない。したがって、非厳格認証ゲート50Tでは、各人物は、登録グループのグループ単位でなくても、例えば、個人でも、登録グループのグループとは異なる複数の人物の組み合わせからなるグループ単位(設定グループ)でも、非厳格認証ゲート50Tを通過可能である。
【0043】
プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでは、グループ認証に成功した登録グループ(認証成功グループ)に属する人物について、この厳格認証ゲート50Sよりも前に通過済みである非厳格認証ゲート50Tでの認証精度及び認証結果を遡及して修正する。この場合、プロセッサ110は、通過済みである非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報を参照し、グループ認証に成功した登録グループに属する人物が含まれるか否かを判定してよい。そして、プロセッサ110は、このゲート通過情報に認証成功グループに属する人物が含まれる場合、ゲート通過情報に含まれるこの人物の認証精度及び認証結果を、高精度の認証に成功したものとして上書きする。
【0044】
また、プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでグループ認証に成功した場合、認証成功グループに基づいて、この厳格認証ゲート50Sよりも前に通過済みである非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報に含まれる設定グループを修正する。この場合、プロセッサ110は、認証成功グループに属する各人物を含み、非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報に含まれる設定グループを認証成功グループとするよう修正する。なお、メモリ120は、修正後(上書き後)において、修正前(上書き前)のグループに関する情報も引き続き保持していておく。このように、厳格認証ゲート50Sにおいてグループ認証に成功した場合、グループに含まれる人物の構成も遡及して修正してよい。なお、本実施形態において、非厳格認証ゲート50Tでのゲート通過情報に含まれる設定グループを遡及して修正するためには、前段落で説明したように、非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報に、厳格認証ゲート50Sにてグループ認証に成功した登録グループに属する人物が含まれている必要がある。また、非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報に、遡及の起点となる人物(認証精度A又はB)が含まれていればよく、その人物の属性は、誤認証されにくい属性(例えば大人)に限らず、誤認証されやすい属性(例えば子供)であってもよい。
【0045】
次に、認証サーバ200による認証について説明する。
【0046】
認証サーバ200は、管理装置100に登録されたグループに属する各人物の生体特徴データ(例えば顔画像)を保持している。認証サーバ200は、管理装置100に指示された閾値THを用いて、カメラ10により撮像された画像に対して認証(例えば顔認証)を行い、認証結果を得る。例えば、認証サーバ200は、画像から生体特徴データ(例えば人物画像の顔部分)を検出し、検出された生体特徴データと、登録グループ情報I1に保持された生体特徴データ(例えば顔画像)との類似度を算出する。認証サーバ200は、算出された類似度が閾値TH以上である場合、認証成功と判定する。認証サーバ200は、算出された類似度が閾値TH未満である場合、認証失敗と判定する。なお、生体特徴データが人物の顔ではなく他の生体特徴データ(例えば人物指紋、静脈、虹彩、音声、行動、骨格など)でもよく、他の生体情報を用いて人物を認証してもよい。認証サーバ200は、得られた認証結果を管理装置100に送信する。なお、上記の類似度は、認証のためのスコアの一例である。
【0047】
次に、管理システム5の動作例について説明する。
【0048】
まず、管理システム5の動作概要について説明する。
【0049】
管理装置100のプロセッサ110は、複数の人物について、エリアAR内での各ゲート50のゲート通過情報を連携する。各人物は、複数のゲート50を順次通過するが、全てのゲート50を通過する前である途中での認証結果は、各ゲート50のゲート通過情報に含めてメモリ120に記録されるが、非厳格認証ゲート50Tではこの記録は仮の記録である。非厳格認証ゲート50Tでの認証結果は、低精度な認証結果(認証精度B、C)が許容される。厳格認証ゲート50Sでの認証結果は、高精度な認証結果(認証精度A)が必要である。プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでの認証結果が認証精度Aである場合に、厳格認証ゲート50Sの通過が許可される。
【0050】
プロセッサ110は、退場口等の厳格認証ゲート50Sでの認証結果を基に、非厳格認証ゲート50Tでの認証結果(ゲート通過情報)を遡って修正してもよい。具体的には、プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sにおける1つの登録グループに属する全人物が高精度な認証に成功した(認証精度「A」である)場合において、非厳格認証ゲート50Tでのゲート通過情報の設定グループに、厳格認証ゲート50Sでの認証成功グループに属する各人物が含まれる場合、この各人物について、この非厳格認証ゲート50Tを認証精度「A」で認証成功グループのグループ単位で通過したものとして上書きしてもよい。
【0051】
例えば、非厳格認証ゲート50Tでのゲート通過情報の設定グループgA(
図6参照)に大人HA、子供Ha、大人HB、子供Hbが含まれるとする。また、この非厳格認証ゲート50Tの下流に設置された厳格認証ゲート50Sの認証成功グループが登録グループ情報I1に含まれる登録グループGAであるとする。また、登録グループGAには、大人HA及び子供Haが属しているとする(
図5参照)。この場合、プロセッサ110は、非厳格認証ゲート50Tでのゲート通過情報の設定グループgAから、登録グループGAに属している大人HA及び子供Haを抽出することでグループを細分化して設定し、メモリ120に保持させる。なお、修正前の設定グループgAの情報もメモリ120に残しておく。この場合、後のタイミングにおいて、厳格認証ゲート50Sで登録グループ情報I1に含まれる登録グループGBがグループ認証に成功した場合、非厳格認証ゲート50Tでのゲート通過情報の設定グループgAから、登録グループGBに属している大人HB及び子供Hbのグループを細分化して設定し、メモリ120に保持させる。これにより、管理システム5は、人物がエリアARから退場するまでに、登録グループ情報I1に基づいて、ゲート通過情報を整合させていくことで、各設定グループが各登録グループに修正される。この場合、エリア入口に設置されたゲート50Xが非厳格認証ゲート50Tとされていることで、エリア入口を通過しようとしている人物が認証失敗になる確率が低くなり、スムーズに入場することが可能である。よって、管理システム5は、エリア入口で大まかな認証処理を実施でき、ゲート50を通過しようとする複数の人物のスムーズな入場を支援可能である。
【0052】
プロセッサ110は、ゲート50において高精度な認証に成功した(認証精度A、認証結果OKである)人物が存在する場合、メモリ120に保持された登録グループ情報I1を参照し、この人物が属する登録グループに、当該人物とは別の、未だ認証処理の結果を有していない他の人物が存在する場合、当該他の人物に対して、認証用の閾値THを変更して再度認証する。プロセッサ110は、再度の認証の結果、認証に成功すると、同時認証の結果に応じて、高精度又は低精度な認証に成功した(認証精度A又はB、個別認証結果OKである)人物と判定する。プロセッサ110は、再度の認証の結果、認証に失敗すると、低精度な認証に失敗した(認証精度C、個別認証結果NGである)人物と判定する。なお、認証に再度失敗した場合、認証用の閾値THを更に変更して更に認証を行ってもよい。
【0053】
プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sにおいて、高精度な認証に失敗した(認証精度Aではない)人物が存在する場合、通信デバイス130を介して、認証失敗であることを示す認証失敗情報をディスプレイ20又はスピーカSP等の提示装置に送信し、認証失敗情報を提示させる。また、非厳格認証ゲート50Tでは、低精度な認証に成功しなかった(認証精度Cである)人物が存在する場合にも、同様に、プロセッサ110は、通信デバイス130を介して、認証失敗であることを示す認証失敗情報をディスプレイ20又はスピーカSP等の提示装置に送信し、認証失敗情報を提示させてもよい。
【0054】
図7A及び
図7Bは、管理システム5の動作例を示すシーケンス図である。なお、
図7A及び
図7Bの処理の開始時には、認証用の閾値THが通常認証用の閾値TH1に設定されている。
図7A及び
図7Bの処理は、例えば、各ゲート50のカメラ10により撮像された画像毎に実施される。
図7A及び
図7Bでは、認証の一例として顔認証が行われることを示すが、他の認証でもよい。
図7A及び
図7Bは、認証サーバ200からの認証結果に基づいて最終的な認証に係る結果を得るための一連の認証処理の一例を示している。
【0055】
まず、ゲート50のカメラ10により、ゲート50を通過する少なくとも1人の人物の顔を含む画像を撮像する(S11)。制御PC30は、カメラ10から撮像された画像を取得し、この画像を管理装置100に送信する。
【0056】
管理装置100は、通信デバイス130が、カメラ10からの画像を受信する。通信デバイス130は、受信された画像と閾値TH1とを認証サーバ200に送信し、顔認証の実施を指示する。認証サーバ200は、管理装置100から画像と閾値TH1と顔認証の実施の指示とを受信し、指示に従って、画像に対して閾値TH1を用いて顔認証を行い、認証結果を管理装置100に送信する。
【0057】
管理装置100では、通信デバイス130が、認証サーバ200から閾値TH1を用いた認証結果を受信する。プロセッサ110は、取得された閾値TH1を用いた認証結果が成功であるか失敗であるかを判定する(S12)。閾値TH1を用いた認証結果が成功である場合(S12のYes)、閾値TH1を用いた認証結果が成功である人物H11について、高精度の認証に成功した(認証精度:A、個別認証結果:OK)と判定する(S13)、高精度の認証に成功した情報は、高精度の認証結果の一例である。プロセッサ110は、この個別認証結果をメモリ120に保持させる。なお、個別認証結果は、ゲート通過情報に含まれて保持されてもよいし、ゲート通過情報とは別にメモリ120に保持されてもよい。
【0058】
ステップS12において、取得された閾値TH1を用いた認証結果が失敗である場合(S12のNo)、プロセッサ110は、閾値TH1を用いた認証結果が失敗である人物H12の付近に、認証に成功した(認証精度A又はB)人物が存在しているか、存在していないかを判定する(S14A)。なお、ここでいう人物H12の付近に存在する人物の候補としては、ゲート50を人物H12が通過した通過タイミングに基づいて、例えばゲート50を同じ時間帯に(互いに所定時間(例えば3分)以内に)、つまり時間的に近い状態で通過した1人以上の人物を挙げることが出来る。また、人物H12の付近に存在する人物の候補として、ゲート50を人物H12が通過した通過タイミングにおいて、ゲート50から所定距離以内に所在していた人物、つまり距離的に近い状態で通過した1人以上の人物を挙げることができる。
【0059】
ステップS14Aにおいて、人物H12の付近に、認証に成功した(認証精度A又はB)人物が存在していると判定された場合(S14AのYes)、プロセッサ110は、当該人物(認証精度A又はB)が、メモリ120に保管されているいずれかの登録グループに属しているか否かを判定する。いずれかの登録グループに属していると判定された場合に、プロセッサ110は、当該人物(認証精度A又はB)が属している登録グループに、当該人物とは別の未だ認証の結果を有していない他の人物が存在するか存在しないかを判定する(S14B)。なお、ステップS14Aにおいて、人物H12の付近に複数の当該人物(認証精度A又はB)が存在すると判定された場合、プロセッサ110は、人物H12がゲート50を通過したタイミングから時間的に近い当該人物(認証精度A又はB)から順に、ステップS14Bの判定処理を行ってもよい。なお、ここでも上記と同様に、人物H12の付近に複数の当該人物(認証精度A又はB)が存在すると判定された場合、人物H12がゲート50を通過したタイミングにおいて人物H12から距離的に近い人物(認証精度A又はB)から順に、ステップS14Bの判定処理を行ってもよい。
【0060】
ステップS14Bにおいて、当該人物(認証精度A又はB)が属している登録グループに、当該他の人物が存在していると判定された場合(S14BのYes)、プロセッサ110は、当該他の人物を人物H12と推定して、認証用の閾値THを閾値TH2に変更する(S15)。プロセッサ110は、通信デバイス130を介して閾値TH2を認証サーバ200に送信し、顔認証の再実施を指示する。認証サーバ200は、管理装置100から閾値TH2と顔認証の再実施の指示とを受信し、指示に従って、画像に対して閾値TH2を用いて顔認証を再実施し、認証結果を管理装置100に送信する。
【0061】
ステップ14Aにおいて、人物H12の付近に、認証に成功した(認証精度A又はB)人物が存在しないと判定された場合(S14AのNo)、又は、ステップS14Bにおいて、当該人物(認証精度A又はB)が属している登録グループに、当該他の人物が存在しないと判定された場合(S14BのNo)、プロセッサ110は、ステップS22の処理を行う(S22については後述する)。なお、ステップS14Aにおいて、当該人物(認証精度A又はB)が複数存在すると判定されている場合、プロセッサ110は、該当する全ての当該人物(認証精度A又はB)に対してステップS14Bの処理を行うまで、ステップS14AとステップS14Bとの処理を繰り返し行ってもよい。
【0062】
管理装置100では、通信デバイス130が、認証サーバ200から閾値TH2を用いた認証結果を受信する。プロセッサ110は、取得された閾値TH2を用いた認証結果が成功であるか失敗であるかを判定する(S16)。
【0063】
ステップS16における閾値TH2を用いた認証結果が成功である場合(S16のYes)、プロセッサ110は、メモリ120に保持された登録グループ情報I1を参照し、ステップS16で閾値TH2を用いた認証結果が成功であった人物H13が属する登録グループを特定する(S17A)。プロセッサ110は、特定された登録グループに、閾値TH1を用いて認証成功した人物(例えば人物H11)が含まれるか否かを判定する(S17B)。
【0064】
特定された登録グループに閾値TH1を用いて認証成功した人物が含まれる場合(S17BのYes)、プロセッサ110は、人物H13と閾値TH1を用いて認証成功した人物(例えば人物H11)とが同時認証、すなわちカメラ10から得られる1つの画像(同じ画像に少なくとも1人以上の人物の顔を含んでいる)を基に認証されているか否かを判定する(S18)。同時認証されている場合、プロセッサ110は、人物H13について高精度の認証に成功した(認証精度:A、個別認証結果:OK)と判定する(S13)。プロセッサ110は、同時に認証に成功した場合、同時に認証に成功した人物(例えば人物H11,人物H13)がこのゲート50を通過することを許可してよい。
【0065】
一方、ステップS17又はステップS18でNoである場合、つまり、人物H13が属する登録グループに閾値TH1を用いて認証成功した人物が存在しない場合、又は、人物H13と閾値TH1を用いて認証成功した人物(例えば人物H11)とが同時認証されていない場合、プロセッサ110は、人物H13について低精度の認証に成功した(認証精度:B、個別認証結果:OK)と判定する(S19)。低精度の認証に成功した情報は、低精度の認証結果の一例である。プロセッサ110は、この個別認証結果をメモリ120に保持させる。
【0066】
ステップS16における閾値TH2を用いた認証結果が失敗である場合(S16のNo)、プロセッサ110は、認証用の閾値THを閾値TH3に変更する(S20)。閾値TH3は、閾値TH2よりも低い。プロセッサ110は、通信デバイス130を介して閾値TH3を認証サーバ200に送信し、顔認証の再実施を指示する。認証サーバ200は、管理装置100から閾値TH3と顔認証の再実施の指示とを受信し、指示に従って、画像に対して閾値TH3を用いて顔認証を再実施し、認証結果を管理装置100に送信する。
【0067】
管理装置100では、通信デバイス130が、認証サーバ200から閾値TH3を用いた認証結果を受信する。プロセッサ110は、取得された閾値TH3を用いた認証結果が成功であるか失敗であるかを判定する(S21)。ステップS21における閾値TH3を用いた認証結果が成功である場合(S21のYes)、ステップS17に進む。この場合、プロセッサ110は、人物H13の代わりに、閾値TH3を用いた認証結果が成功であった人物H14として、ステップS17A~S19の処理を行う。
【0068】
ステップS14Aにおいて人物H12の付近に認証を成功した(認証精度A又はB)人物が存在しない場合(S14AのNo)、当該認証に成功した人物が属している登録グループに、当該人物とは別の、未だ認証の結果を有していない他の人物が存在しない場合(S14BのNo)、又は、ステップS21における閾値TH3を用いた認証結果が失敗である場合(S21のNo)、プロセッサ110は、ステップS14A、ステップS14B、又はステップS21において認証対象の人物H15について、低精度の認証に失敗した(認証精度:C、個別認証結果:NG)と判定する(S22)。低精度の認証に失敗した情報は、低精度の認証結果の一例である。プロセッサ110は、この個別認証結果をメモリ120に保持させる。
【0069】
なお、閾値TH3への変更は省略され、ステップS20,S21の処理が省略されてもよい。この場合、閾値TH2を用いた認証結果が失敗である場合(S16のNo)、プロセッサ110は、閾値TH2を用いて認証失敗した人物H15について、低精度の認証に失敗した(認証精度:C、個別認証結果:NG)であると判定してもよい(S22)。
【0070】
このように、管理装置100は、閾値THを用いた認証結果が失敗である場合には、認証に用いる閾値THを順次低くして連続的に認証を実施可能である。また、管理装置100は、1つの画像内に、認証結果に成功した人物と失敗した人物とが混在している場合には、認証結果に失敗した人物の属性を推定し、その属性に応じて閾値THを下げて、再認証可能である。例えば、大人用の閾値TH1から子供用の閾値TH2に変更可能である。
【0071】
なお、本実施形態では、閾値THを低くすることで認証の厳格さを緩和することを例示したが、これに限られない。例えば、プロセッサ110は、閾値THを変更せずに、閾値THと比較されるスコア(例えば類似度)に所定値を加算することで、認証の厳格さを緩和してもよい。
【0072】
また、管理装置100が、順次、人物の属性に応じた閾値THに変更して認証可能である。そして、管理装置100は、認証し難い属性の人物(例えば子供)がゲート50を通過する際に、認証し易い人物(例えば大人)と同じ登録グループであるか否かを判定する。同時認証に成功した場合、管理装置100は、認証し難い属性の人物についても、高精度の認証結果(例えば認証精度A)としてメモリ150に保持させることが可能である。
【0073】
なお、プロセッサ110は、各ゲート50での認証結果を含む情報を各ゲート50のディスプレイ20に表示させるよう、ディスプレイ20に指示してよい。ディスプレイ20は、指示に従って、例えば認証結果を含む情報を表示する。なお、認証結果は、個別の認証結果及びグループ認証の認証結果の少なくとも一方を含んでよい。また、プロセッサ110は、ゲート50を通過した人物の属性に基づいて、認証結果の表示態様を変更し、ディスプレイ20に指示してよい。認証結果を含む情報の表示は、インジケータによる表示であってもよい。なお、認証結果を含む情報は、表示以外の提示態様で提示されてよい。例えば、スピーカSPが、認証結果を含む情報に対応する通知音を発してもよい。通知音は、属性に応じた通知音であってよい。
【0074】
次に、複数のゲート50での認証例について説明する。
【0075】
テーマパーク等の閉空間で構成される施設への入退場では、一般的には入場口が最も混雑し、他の人物による遮蔽によって人物の認証自体に失敗したり、誤った人物同士をグループとして誤認識してしまったりする可能性が高い。そのため、入場口で厳格な認証を行うことは難しく、また、厳格な認証を行うことができたとしても膨大な時間がかかってしまう。
【0076】
そこで、以下の各例では、入場口等では認証精度が多少低くても通過を許可する代わりに、退場口では認証精度が高くなくては通過を許可しないことで、セキュリティを担保している。ここで、グループ通過情報の整合性を担保することだけに着目するのであれば、退場口等での認証精度を問わず、退場口等でのグループ通過情報を入場口等のグループ通過情報に反映することも可能である。しかし、このようにすると、退場口等での認証結果が誤っている場合に、入場口等のグループ通過情報まで誤ったものとなってしまい、グループ通過情報の正確性が損なわれる。そこで、上述した実施の形態では、退場口等での認証精度が高いことを、退場口等のグループ通過情報を他の地点のグループ通過情報に反映する条件とすることで、誤ったグループ通過情報が伝搬してしまうことを防ぎ、グループ通過情報の正確性を担保している。
【0077】
以下の各例では、登録グループGAとして、大人HAと子供Haとの2人が登録され、登録グループGBとして大人HBと子供Hbとの2人が登録されている。また、ゲート50X、ゲート50A、ゲート50B、ゲート50C、ゲート50D、及びゲート50Yが配置されており、各人物は、ゲート50Xとゲート50Yとを少なくとも通過して、エリアARを移動する。また、グループ認証として、所定のゲート50を通過する設定グループに属する全人物の認証精度が全てAである場合に、所定のゲート50をグループで通過したことを示す情報(グループ認証結果OK)がゲート通過情報に書き込まれる。一方、グループ認証として、所定のゲート50での設定グループに属する少なくとも1人の人物の認証精度がB又はCである場合には、所定のゲート50をグループで通過していないことを示す情報(グループ認証結果NG)がゲート通過情報に書き込まれる。これにより、プロセッサ110は、各ゲート50のゲート通過情報に基づいて、設定グループの行動履歴を把握可能である。なお、設定グループの行動履歴は、厳格認証ゲート50Sを通過する際に、グループが細分化されることで、登録グループの行動履歴となる。したがって、プロセッサ110は、各ゲート50のゲート通過情報に基づいて、登録グループの行動履歴を生成したり修正したりする。なお、本実施の形態では、ゲート50(例えば、ゲート50X、ゲート50A、ゲート50B、ゲート50C、ゲート50D、ゲート50Y)を通行する人物が、上流から下流に向かって順番にゲート通過しているが、これに限らない。例えば、ゲート50を通過する人物は、ゲート50X及びゲート50Yを除き、ゲート50X及びゲート50Yの間に設けられるゲート50(例えば、ゲート50A、ゲート50B、ゲート50C、ゲート50D)を順不同に通過してもよい。
【0078】
図8は、各ゲート50での各人物の認証結果の第1例を示す図である。ゲート50X,50A,50B,50C,50Dは、要求される認証精度(要求精度)が低く、例えば認証精度B及びCを許容し、非厳格認証ゲート50Tである。また、ゲート50Yは、要求精度が高く、例えば認証精度Aを許容し、厳格認証ゲート50Sである。また、
図8では、各ゲート50での設定グループが登録グループと同じであることを例示する。
【0079】
図8では、登録グループGAに属する大人HA及び子供Haは、例えば同時に、各ゲート50X,50A,50B,50Yを順に通過している。よって、各ゲート50X,50A,50B,50Yを通過したグループとして、大人HA及び子供Haがグループとして設定される。また、各ゲート50X,50A,50B,50Yでは、各カメラ10により撮像された画像に基づいて認証され、全てのゲート50で大人HA及び子供Haについて認証精度A(図中では認証:A)が得られている。そのため、大人HA及び子供Haは、厳格認証ゲート50Sであるゲート50Yを通過可能である。また、ゲート50Yでの認証精度によって通過済みの各ゲート50X,50A,50Bの認証精度が修正可能である。なお、ここでは、通過済みの各ゲート50X,50A,50Bでの大人HA及び子供Haの認証精度も全てAであるので、これらの認証精度を遡及して修正することが不要であり、設定グループの修正も不要である。
【0080】
また、登録グループGBに属する大人HB及び子供Hbは、例えば同時に、各ゲート50X,50C,50D,50Yを順に通過している。よって、各ゲート50X,50C,50D,50Yを通過したグループとして、大人HB及び子供Hbがグループとして設定される。また、各ゲート50X,50C,50D,50Yでは、各カメラ10により撮像された画像に基づいて認証され、全てのゲート50で大人HB及び子供Hbについて認証精度Aが得られている。そのため、大人HB及び子供Hbは、厳格認証ゲート50Sであるゲート50Yを通過可能である。また、ゲート50Yでの認証精度によって通過済みの各ゲート50X,50C,50Dの認証精度が修正可能である。なお、ここでは、通過済みの各ゲート50X,50C,50Dでの大人HB及び子供Hbの認証精度も全てAであるので、これらの認証精度を遡及して修正することが不要であり、設定グループの修正も不要である。
【0081】
第1例によれば、管理システム5は、認証精度、個別認証結果及びグループ認証結果のいずれも修正せずに、登録グループGA,GBのグループ行動の履歴を管理できる。
【0082】
図9は、各ゲート50での各人物の認証結果の第2例を示す図である。ゲート50X,50A,50B,50C,50Dは、要求精度が低く、例えば認証精度B又はCを許容し、非厳格認証ゲート50Tである。また、ゲート50Yでは、要求精度が高く、例えば認証精度Aを許容し、厳格認証ゲート50Sである。また、
図9では、各ゲート50での設定グループが登録グループと同じであることを例示する。
図9では、
図8と同様の事項についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0083】
図9では、大人HA及び子供Haについての認証精度は、
図8で説明した認証精度と同様であるので、その説明を省略する。大人HB及び子供Hbについての認証精度は、ほぼ
図8で説明した認証精度と同様であるが、ゲート50X,50C,50Dでの子供Hbの認証精度が
図8と異なる。具体的には、ゲート50Xでの子供Hbの認証精度がC(図中では認証:「C」)であり、ゲート50C,50Dでの子供Hbの認証精度がB(図中では認証:「B」)である。したがって、ゲート50X,50C,50Dでは、プロセッサ110は、登録グループGBがグループ単位では通過していないものとしてグループの行動履歴(グループ認証結果NG)を記録する。ゲート50Yでは、プロセッサ110は、登録グループGBがグループ単位で通過したものとしてグループの行動履歴(グループ認証結果OK)を記録する。
【0084】
また、ゲート50Yでの認証精度によって通過済みの各ゲート50X,50C,50Dの認証精度が修正可能である。プロセッサ110は、ゲート50Yでの認証精度Aによって、他の通過済みの各ゲート50X,50C,50Dでの大人HB及び子供Hbの認証精度を全てAに修正する。つまり、プロセッサ110は、通過済みのゲート50での個別認証結果又は認証精度を、遡及して修正可能である。修正の結果、各ゲート50X,50C,50Dでの大人HB及び子供Hbの認証精度が全てAとなるので、各ゲート50X,50C,50Dについても大人HB及び子供Hbの登録グループで通過したことになる。よって、プロセッサ110は、各ゲート50X,50C,50D,50Yを登録グループGBで通過したことを示すグループの行動履歴をメモリ120に記録する。認証精度の修正によって、個別認証結果も修正され得るし、これによってグループ認証結果も修正され得る。
【0085】
第2例によれば、管理システム5は、認証精度の一部を修正することで、通過済みのゲート50においてもグループ単位で通過したことを示す情報で上書きする。よって、管理システム5は、グループでの行動履歴が更新され、当初少なくとも一人の人物についての認証精度の不足により登録グループで通過していない可能性があったゲート50についても、グループ単位で行動していたことを確認できる。例えば、
図9では、ゲート50Xからゲート50Yに至るまで登録グループGBがグループ単位で移動していたことになり、ゲート50Xからゲート50Yまでグループでの行動履歴がつながる。
【0086】
なお、プロセッサ110は、様々な基準に従って、認証精度を遡及して修正するか否かを判定してもよい。例えば、プロセッサ110は、修正前(当初)の認証精度と修正後の認証精度との差が一段階(例えば認証精度CからB、又は認証精度BからA)である場合に認証精度の修正を許可し、修正前の認証精度と修正後の認証精度との差が二段階以上(例えば認証精度CからA)である場合に認証精度の修正を禁止してもよい。また、認証精度がCである場合には、認証結果が失敗であると判定されているので、プロセッサ110は、認証精度Cからの修正については禁止するようにしてもよい。
【0087】
図10は、各ゲート50での各人物の認証結果の第3例を示す図である。ゲート50X,50A,50B,50Dでは、要求精度が低く、例えば認証精度B又はCを許容し、非厳格認証ゲート50Tである。また、ゲート50C,50Yでは、要求精度が高く、例えば認証精度Aを許容し、厳格認証ゲート50Sである。つまり、ゲート50Yだけでなく、ゲート50Cも登録グループでの通過を必要とする要所となっている。また、
図10では、各ゲート50での設定グループが登録グループと同じであることを例示する。
図10では、
図8又は
図9と同様の事項についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0088】
図10では、大人HA及び子供Haについての認証精度は、
図8で説明した認証精度と同様であるので、その説明を省略する。大人HB及び子供Hbについての認証精度は、ほぼ
図9で説明した認証精度と同様であるが、ゲート50Cでの子供Hbの認証精度が
図9と異なる。具体的には、ゲート50Xでの子供Hbの認証精度がCであり、ゲート50Cでの子供Hbの認証精度がAであり、ゲート50Dでの子供Hbの認証精度がBである。ゲート50Cは、要求精度がAであるが、大人HB及び子供Hbのいずれの認証精度もAであるので、ゲート50Cでエラーとならずに通過可能である。また、ゲート50Xについては、認証精度がCであるので、プロセッサ110は、登録グループGBがグループ単位では通過していないものとしてグループの行動履歴(グループ認証結果NG)を記録する。ゲート50Cについては、プロセッサ110は、登録グループGBがグループ単位で通過したものとしてグループの行動履歴(グループ認証結果OK)を記録する。
【0089】
また、ゲート50Cでの認証精度によって通過済みのゲート50Xの認証精度が修正可能である。プロセッサ110は、ゲート50Cでの認証精度Aによって、他の通過済みの各ゲート50Xでの子供Hbの認証精度をAに修正する。修正の結果、ゲート50X,50Cでの大人HB及び子供Hbの認証精度が全てAとなるので、ゲート50Xについても大人HB及び子供Hbの登録グループGBで通過したことになる。よって、プロセッサ110は、各ゲート50X,50Cを登録グループGBで通過したことを示すグループの行動履歴をメモリ120に記録する。
【0090】
要所としてのゲート50Cの通過後、大人HB及び子供Hbはゲート50D,50Yを通過する。ゲート40Yは、要求精度がAであるが、大人HB及び子供Hbのいずれの認証精度もAであるので、ゲート50Yでエラーとならずに通過可能である。また、ゲート50Dについては、プロセッサ110は、認証精度がBであるので、登録グループGBがグループでは通過していないものとしてグループの行動履歴を記録する。ゲート50Yについては、プロセッサ110は、登録グループGBがグループで通過したことを示すグループの行動履歴を記録する。
【0091】
また、ゲート50Yでの認証精度によって、ゲート50Yよりも前且つゲート50Cよりも後のゲートであるゲート50Dの認証精度が修正可能である。プロセッサ110は、ゲート50Dでの子供Hbの認証精度をAに修正する。修正の結果、ゲート50D,50Yでの大人HB及び子供Hbの認証精度が全てAとなるので、ゲート50Dについても大人HB及び子供Hbの登録グループGBで通過したことになる。よって、プロセッサ110は、各ゲート50D,50Yを登録グループGBで通過したことを示すグループの行動履歴をメモリ120に記録する。
【0092】
第3例によれば、管理システム5は、認証が実施されるエリアAR内に要所として厳格認証ゲート50Sが複数設置されることで、厳格認証ゲート50Sを通過する際には確実にグループで通過したと判定できる。また、厳格認証ゲート50S毎にこの厳格認証ゲート50Sよりも前に通過済みの非厳格認証ゲート50Tでの認証精度、個別認証結果、及びグループ認証結果等を修正することで、厳格認証ゲート50Sが1つである場合と比較すると、厳格認証ゲート50Sの通過時刻に近い時刻に通過した非厳格認証ゲート50Tのゲート通過情報を更新することになる。よって、管理システム5は、厳格認証ゲート50Sを通過したグループと同じグループの状態で他のゲート50を通過した可能性が高く、より正確にグループの行動を推定可能である。
【0093】
図11は、各ゲート50での各人物の認証結果の第4例を示す図である。ゲート50X,50A,50B,50C,50Dは、要求精度が低く、例えば認証精度B又はCを許容し、非厳格認証ゲート50Tである。また、ゲート50Yは、要求精度が高く、例えば認証精度Aを許容し、厳格認証ゲート50Sである。また、
図11では、各ゲート50での設定グループが登録グループと同じであることを例示する。
図11では、
図8又は
図9と同様の事項についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0094】
図11では、大人HA及び子供Haについての認証精度は、
図8で説明した認証精度と同様であるので、その説明を省略する。大人HB及び子供Hbについての認証精度は、ほぼ
図9で説明した認証精度と同様であるが、ゲート50Cでの大人HBの認証精度が
図9と異なる。具体的には、ゲート50Cでの大人HBの認証精度がBである。また、ゲート50Xでの子供Hbの認証精度がCであり、ゲート50Cでの子供Hbの認証精度がBであり、ゲート50Dでの子供Hbの認証精度がBである。したがって、ゲート50X,50C,50Dについては、プロセッサ110は、登録グループGBがグループでは通過していないものとして、グループの行動履歴を記録する。ゲート50Yについては、プロセッサ110は、登録グループGBがグループで通過したことを示すグループの行動履歴を記録する。
【0095】
また、ゲート50Yでの認証精度によって通過済みの各ゲート50X,50C,50Dの認証精度が修正可能である。プロセッサ110は、他の通過済みの各ゲート50X,50C,50Dでの大人HB及び子供Hbの認証精度を全てAに修正する。つまり、プロセッサ110は、通過済みのゲート50での認証精度を遡及して修正可能である。修正の結果、各ゲート50X,50C,50Dでの大人HB及び子供Hbの認証精度が全てAとなるので、各ゲート50X,50C,50Dについても大人HB及び子供Hbのグループで通過したことになる。よって、プロセッサ110は、各ゲート50X,50C,50D,50Yを登録グループGBがグループ単位で通過したことを示すグループの行動履歴をメモリ120に記録する。
【0096】
第4例によれば、管理システム5は、グループの代表者の一例である大人HBの認証精度が低い(例えば認証精度B)場合でも、厳格認証ゲート50Sでグループ認証に成功する(グループの全人物の認証精度Aである)ことで、上流のゲート50においても遡及して高精度の認証(グループの全人物の認証精度A)が行われたものとして修正可能である。よって、管理システム5は、グループでの行動履歴を更新し、当初認証精度の不足によりグループで通過していない可能性があったゲート50についても、グループ単位で行動していたことを確認できる。
【0097】
図12は、各ゲート50での各人物の認証結果の第5例を示す図である。ゲート50X,50A,50B,50C,50Dでは、要求精度が低く、例えば認証精度B又はCを許容し、非厳格認証ゲート50Tである。また、ゲート50Yでは、要求精度が高く、例えば認証精度Aを許容し、厳格認証ゲート50Sである。
図12では、
図8と同様の事項についてはその説明を省略又は簡略化する。
【0098】
図12では、
図8と比較すると、非厳格認証ゲート50Tであるゲート50B及びゲート50Dを通過した人物の組み合わせが異なる。具体的には、登録グループGAの大人HAと登録グループGBの子供Hbとが一緒にゲート50Bを通過し、登録グループGBの大人HBと登録グループGAの子供Haとが一緒にゲート50Dを通過している。つまり、ゲート50B及びゲート50Dでは、大人が連れている子供が入れ替わっている(グループメンバー入れ替わり)。ここで、各ゲート50における各人物の認証精度は全てAである。そのため、プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでの認証精度で他の通過済みのゲート50での認証精度を修正する処理を行わず、グループでの行動履歴も修正されない。
【0099】
したがって、ゲート50Bについては、プロセッサ110は、登録グループGA,GBの双方が、グループ単位では通過していないものとして登録グループGA,GBの行動履歴を記録しない。代わりに、プロセッサ110は、ゲート通過情報として、大人HAと子供Hbとを含む設定グループがグループ単位で通過したものとして設定グループの行動履歴(グループ認証結果OK)を記録する。また、ゲート50X,50A,50Yについては、プロセッサ110は、登録グループGA,GBの双方が、それぞれ設定グループとして、グループ単位で通過したことを示すグループの行動履歴(グループ認証結果OK)を記録する。
【0100】
同様に、ゲートDについては、プロセッサ110は、登録グループGA,GBの双方が、グループ単位では通過していないものとして登録グループGA,GBの行動履歴を記録しない。代わりに、プロセッサ110は、ゲート通過情報として、大人HBと子供Haとを含む設定グループがグループ単位で通過したものとして設定グループの行動履歴(グループ認証結果OK)を記録する。
【0101】
第5例によれば、管理システム5は、所定のゲート50においてグループメンバーの入れ替わりが発生しているが、各ゲート50において高精度に認証が成功した場合(認証精度Aである場合)、グループの行動履歴の修正を行わない。したがって、ゲート50毎に一緒に通過した人物がそのゲート50でのグループ(設定グループ)としてゲート通過情報に含まれて登録される。よって、管理システム5の管理者は、一部のゲート50では登録グループのメンバーが一緒に通過しておらず、他の登録グループのメンバーと入れ替わって行動していたことを把握できる。
【0102】
なお、プロセッサ110は、非厳格認証ゲート50Tにおいて大人HAについて認証精度A又はBが保持されている場合に、非厳格認証ゲート50Tも大人HAが属するグループ単位で通過したとしてグループ認証結果OKで上書きすることを例示したが、これに限られない。プロセッサ110は、非厳格認証ゲート50Tで、認証し易い大人HAの個別認証に失敗し、認証し難い子供Haについて個別認証に成功して認証精度A又はBがメモリ120に保持されている場合に、非厳格認証ゲート50Tも子供Haが属するグループで追加したとしてグループ認証結果OKで上書きしてもよい。つまり、プロセッサ110は、非厳格認証ゲート50Tで大人HA,子供Haの少なくとも一方について認証精度A又はBが保持されている場合に、非厳格認証ゲート50Tもグループ単位で追加したとしてグループ認証結果OKで上書きしてもよい。
【0103】
このように、管理システム5は、エリアAR内での認証用の閾値THを変更でき、エリアAR内でのグループ行動を把握できる。例えば、エリア入場口のゲート50Xにおいて厳格な認証精度を要求しない。認証時の閾値THを通常時よりも下げて認証を行う等、緩く設定された認証精度(例えば認証精度B)で通行を許可可能である。これにより、管理システム5は、緩和された複数同時認証によってエリア入場口での入場待機時間を短縮できる。一方で、施設退場口のゲート50Yで厳格な認証精度(例えば認証精度A)を要求する。これにより、最終的に、管理システム5は、セキュリティを確保して、被写体がエリアAR内で通過した全てのゲート50における認証結果を、ゲート50Yで得られる個別認証精度や認証結果に基づいて整合可能である。
【0104】
ゲート50が例えばフラッパーレスゲートである場合、認証対象の人物がゲート50の通過時に個別認証結果NGでありこの人物に対して個別認証結果NGであることを通知しても、この人物がゲート50を通過してしまうことがある。この場合でも、管理装置100は、グループとしての行動履歴を把握でき、認証し難い人物を含むグループであっても行動を把握し易くできる。
【0105】
管理システム5は、例えばグループの行動分析、マーケティングの使用に有用である。例えば、管理システム5は、アミューズメントパークにおいて認証精度が高い人物に対して課金することもできる。アミューズメントパークにおいて、どのアトラクションに対してグループ行動が多かったかのような行動分析が可能である。
【0106】
なお、本実施形態では、退場口を通過する際に厳格な認証精度(認証精度A)を要求することで、セキュリティを担保する構成を紹介しているが、これに限らず、入場口を通過する際に要求される認証精度(認証精度A又はB)であっても通過を許可するような構成であってもよい。つまり、プロセッサ110は、厳格認証ゲート50Sでは、認証に成功する認証精度(例えば認証精度A又はB)で通過を許可し、非厳格認証ゲート50Tでは、認証に失敗する認証精度(例えば認証精度A又はB)で通過を許可しても(通過を禁止しなくても)よい。
【0107】
つまり、管理装置100は、プロセッサ110が、例えば
図7A及び
図7Bに示した認証処理により、非厳格認証ゲート50Tを通過する人物に対して行われた個別認証の結果を取得し、メモリ120に保持させてよい。ここでの個別認証の結果は、例えば、認証成功として認証精度A又はBを含み、認証失敗として認証精度Cを含む。同様に、プロセッサ110は、例えば
図7A及び
図7Bに示した認証処理により、厳格認証ゲート50Sを通過する人物に対して行われた個別認証の結果を取得し、メモリ120に保持させてよい。ここでの個別認証の結果も、例えば、認証成功として認証精度A又はBを含み、認証失敗として認証精度Cを含む。プロセッサ110は、1つ以上の登録グループのうち、厳格認証ゲート50Sでの認証処理に成功した一の人物(例えば大人HA)が属する特定の登録グループ(例えば登録グループGA)を特定してよい。プロセッサ110は、一の人物が厳格認証ゲート50Sでの認証処理に成功した際に、一の人物とは異なる他の人物(例えば子供Ha)も厳格認証ゲート50Sでの認証処理に成功している場合、他の人物が同じ特定の登録グループ(例えば登録グループGA)に属しているか否かを判定してよい。プロセッサ110は、他の人物が特定のグループ(例えば登録グループGA)に属していると判定された場合、メモリ120に、一の人物及び他の人物の少なくとも一方の、非厳格認証ゲート50Tでの認証処理に成功していることを示す個別認証の結果が保持されているか否かを判定してよい。ここでの個別認証の結果は、例えば、認証成功としての認証精度A又はBを含む。プロセッサ110は、メモリ120に、一の人物及び他の人物の少なくとも一方の、非厳格認証ゲート50Tでの認証処理に成功していることを示す個別認証の結果が保持されていると判定された場合、この特定のグループで非厳格認証ゲート50Tも通過したことを示すグループ認証結果OKをメモリ120に保持してよい。
【0108】
なお、退場口を通過する際に厳格な認証精度(認証精度A)を要求することで、セキュリティを担保する構成についても同様に記載すると、以下のようになる。
【0109】
つまり、管理装置100は、プロセッサ110が、例えば
図7A及び
図7Bに示した認証処理により、非厳格認証ゲート50Tを通過する人物に対して行われた個別認証の結果を取得し、メモリ120に保持させてよい。ここでの個別認証の結果は、例えば、高精度の結果として認証精度Aを含み、低精度の結果として認証精度B又はCを含む。同様に、プロセッサ110は、例えば
図7A及び
図7Bに示した認証処理により、厳格認証ゲート50Sを通過する人物に対して行われた個別認証の結果を取得し、メモリ120に保持させてよい。ここでの個別認証の結果も、例えば、高精度の結果として認証精度Aを含み、低精度の結果として認証精度B又はCを含む。プロセッサ110は、1つ以上の登録グループのうち、厳格認証ゲート50Sでの認証処理にて厳格認証ゲート50Sの通過を許可された(つまり認証精度Aの)一の人物(例えば大人HA)が属する特定の登録グループ(例えば登録グループGA)を特定してよい。プロセッサ110は、一の人物が厳格認証ゲート50Sでの認証処理にて厳格認証ゲート50Sの通過を許可された際に、一の人物とは異なる他の人物(例えば子供Ha)も厳格認証ゲート50Sでの認証処理にて厳格認証ゲート50Sの通過を許可された場合、他の人物が同じ特定の登録グループ(例えば登録グループGA)に属しているか否かを判定してよい。プロセッサ110は、他の人物が特定のグループ(例えば登録グループGA)に属していると判定された場合、メモリ120に、一の人物及び他の人物の少なくとも一方の、非厳格認証ゲート50Tでの認証処理に成功していることを示す個別認証の結果が保持されているか否かを判定してよい。ここでの個別認証の結果は、例えば、認証成功としての認証精度A又はBを含む。プロセッサ110は、メモリ120に、一の人物及び他の人物の少なくとも一方の、非厳格認証ゲート50Tでの認証処理に成功していることを示す個別認証の結果が保持されていると判定された場合、この特定のグループで非厳格認証ゲート50Tも通過したことを示すグループ認証結果OKをメモリ120に保持してよい。
【0110】
(変形例)
本実施形態では、管理装置100は、厳格認証ゲート50Sでの認証精度に基づいて、非厳格認証ゲート50Tでの認証精度を修正することを例示した。これに限られず、管理装置100は、厳格認証ゲート50Sを特別に加味せずに、各ゲート50での認証精度を修正してもよい。ここでは変形例として、各ゲート50での認証精度のうち、最良の認証精度に応じて、他の認証精度を修正することを例示する。
【0111】
図13は、各回の認証精度と修正認証精度との一例を示す図である。エリアAR内を移動する各人物は、各ゲート50を移動しながらゲート50毎に認証される。よって、各回の認証精度とは、各ゲート50での認証精度に相当する。
【0112】
図13では、1回目の認証精度とN回目(Nは2以上の整数)の認証精度とが示されている。
図13に示すように、プロセッサ110は、各回の認証精度(ゲート50毎の認証結果)のうちの最良の認証精度を、修正認証精度として決定する。例えば、1回目に認証精度Aであれば、N回目が認証精度A,B,Cのいずれであっても、N回目の認証精度をAに修正する。例えば、N回目に認証精度Aであれば、1回目が認証精度A,B,Cのいずれであっても、1回目の認証精度をAに修正する。例えば、1回目に認証精度Bであり、N回目が認証精度Cである場合、N回目の認証精度をBに修正する。このように、プロセッサ110は、認証精度を修正することで、個別認証結果を修正し得るし、グループ認証結果を修正し得る。
【0113】
このように、管理装置100は、修正認証精度によって各回(例えば1回目~N回目、各ゲート50)の認証精度を遡及して修正可能であり、個別認証結果やグループ認証結果も修正可能である。
【0114】
なお、本実施形態では、管理装置100が演算により各認証精度を導出することを例示したが、これに限られない。例えば、管理システム5の管理者が、管理者による目視確認により認証対象の本人であることに確証を得た場合には、高精度な認証に成功したこと(認証精度A、個別認証結果OK)を示す情報を、管理装置100の操作デバイスを介して入力してもよい。
【0115】
なお、本実施形態では、管理装置100は、制御PC30と認証サーバ200との間に1つ設置されることを例示したが、これに限られない。管理装置100は、いずれかのゲート50に設置されてもよく、管理装置付きゲートとして動作してもよい。または、管理装置100が独立した装置として設置されるのではなく、制御PC30の1つが管理装置100としての機能を有してもよい。また、管理装置100と認証サーバ200とが一体であり、認証サーバ200が管理装置100としての機能を有してもよい。
【0116】
なお、本実施形態では、
図7A及び
図7B等において所定の閾値を用いた認証結果に成功する人物は、例えば認証し易い大人HA,HBであるが、認証し難い子供Ha,Hbであってもよい。また、所定の閾値を用いた認証結果に失敗する人物は、例えば認証し難い子供Ha,Hbであるが、認証し易い大人HA,HBであってもよい。よって、管理装置100は、認証し易い大人HA,HBではなく、認証し難い子供Ha,Hbが、非厳格認証ゲート50Tにおいて閾値TH1を用いた個別認証結果が成功である場合でも、厳格認証ゲート50Sのグループ認証結果を非厳格認証ゲート50Tのグループ認証結果として反映することもあり得る。
【0117】
本実施形態では、管理装置100のプロセッサ110は、下流のゲート50(例えば厳格認証ゲート50S)では個別認証の認証処理結果とグループ認証の認証結果との双方を得てメモリ120に保持させる。一方、プロセッサ110は、上流のゲート50(例えば非厳格認証ゲート50T)では、個別認証の認証結果を得てメモリ120に保持させるが、グループ認証の認証結果を得てメモリ120に保持させてもよいし、グループ認証の認証結果を得ずメモリ120に保持させなくてもよい。よって、管理装置100は、下流の厳格認証ゲート50Sでのグループ認証結果によって上流の非厳格認証ゲート50Tでのグループ認証結果を修正してもよいし、元々保持されていない上流の非厳格認証ゲート50Tでのグループ認証結果を、厳格認証ゲート50Sでのグループ認証結果によって新たに追加してもよい。
【0118】
本実施形態では、管理装置100は、各ゲート50を通過した通過時刻に基づいて各ゲート50の設定グループを生成することを例示したが、これに限られない。例えば、プロセッサ110は、上流のゲート50(例えば非厳格認証ゲート50T)において、認証成功である個別認証結果が得られた複数の人物が、登録グループのうちのいずれかの登録グループの全ての人物のそれぞれと一致する場合、その登録グループ(例えば登録グループGA又は登録グループGC)を特定し、特定された登録グループを設定グループ(仮登録グループ)としてメモリ120に保持(仮登録)してもよい。仮登録グループの情報は、ゲート通過情報I2と同様の情報でよい。つまり、仮登録グループの情報は、例えば、上流のゲート50でのグループ認証結果を含む。そして、プロセッサ110は、上流のゲート50の下流に位置する下流のゲート50(例えば厳格認証ゲート50S)を複数の人物が通過した際に、複数の人物の全てについて認証成功である個別認証結果が得られ、この複数の人物が登録グループのうちのいずれかの登録グループの全ての人物のそれぞれと一致する場合、その登録グループ(例えば登録グループGA)を特定してよい。この場合、プロセッサ110は、上流のゲート50での上記の設定グループを、特定された登録グループに修正してメモリ120に保持(本登録)してもよい。修正された登録グループの情報は、特定された登録グループについての上流のゲート50でのグループ認証結果を含む。つまり、管理装置100は、上流のゲート50を通過した段階では、所定の登録グループを仮登録の状態で登録するが、下流のゲート50を通過した段階で、上流のゲート50を通過したグループを確定できる。この場合、仮登録された登録グループと同じグループのグループ認証結果が保持されることもあるし、仮登録された登録グループと異なるグループのグループ認証結果が保持されることもある。また、仮登録された登録グループと同じグループであるが、下流のゲート50の通過の際に、誤って仮登録されたグループ認証結果が修正されて、正しいグループ認証結果が登録されることもある。
【0119】
[実施形態の概要]
以上のように、実施形態の管理装置100は、プロセッサ110とメモリ120とを備える。メモリ120は、複数の人物が属する登録グループ(例えば登録グループGA,GB)の情報を少なくとも1つ保持する。プロセッサ110は、第1の地点PX(例えばゲート50Yが設置された地点)を通過する人物(例えば大人HA,HB又は子供Ha,Hb)に対して行われる第1の認証処理(例えば個別認証)により得られる第1の認証処理結果(例えば成功:認証精度A又はB、失敗:認証精度Cの結果)を、メモリ120に保持させる。プロセッサ110は、第1の地点PXよりも下流に位置する第2の地点PY(例えばゲート50Xが設置された地点)を通過する人物(例えば大人HA,HB又は子供Ha,Hb)に対して行われる第2の認証処理(例えば個別認証)により、第2の認証処理結果(例えば成功:認証精度A又はB、失敗:認証精度Cの結果)を取得する。プロセッサ110は、登録グループのうち、第2の認証処理に成功した(例えば認証精度A又はB)第1の人物(例えばHA)が属する第1のグループ(例えば登録グループGA)を特定する。プロセッサ110は、第1の人物が第2の認証処理に成功した際に、第1の人物とは別の他の人物である第2の人物(例えば大人HA)も第2の認証処理に成功している場合、第2の人物が第1のグループに属しているか否かを判定する。プロセッサ110は、第2の人物が第1のグループに属していると判定された場合、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定する。プロセッサ110は、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、第1のグループで第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報(例えば登録グループGAのグループ認証結果OK)をメモリ120に保持する。
【0120】
これにより、管理装置100は、各地点での異なる複数の認証精度を加味した認証処理結果を導出できる。また、下流の地点(第2の地点)で認証成功(例えば認証精度A又はB)の認証処理結果が得られた人物が属するグループに属する人物について、上流の地点(第1の地点)で認証失敗(例えば認証精度C)の認証処理結果が得られたとする。この場合、管理装置100は、上流の地点で認証失敗の認証処理結果が得られた人物の認証処理結果を認証成功の認証処理結果に修正して、上流の地点においてもグループ単位で行動していたことを遡及的に明確化できる。したがって、管理装置100は、エリアAR内での認証精度が可変であり、エリアAR内でのグループ行動を把握できる。なお、ここでは、第1の認証処理の際に、つまり第2の認証処理の前に、第1のグループで第1の地点を通過したか否かを示す情報がメモリ120に保持されても保持されなくてもよい。
【0121】
また、第1の認証処理結果及び第2の認証処理結果は、複数の異なる認証精度(例えば認証精度A,B,C)のいずれかを有してよい。所定精度(例えば認証精度A)以上の認証精度を有する認証処理結果は、認証処理の成功を示してよい。所定精度よりも低い認証精度を有する認証処理結果は、認証処理の失敗を示してよい。管理装置100は、第2の地点を通過する際、第1の地点を通過する時よりも高い認証精度を必要とする管理装置でよい。プロセッサ110は、登録グループのうち、第2の認証処理にて、第2の地点の通過を許可(例えば認証精度Aで成功)された第1の人物が属する第1のグループを特定してよい。プロセッサ110は、第1の人物が第2の認証処理にて、第2の地点の通過を許可された際に、第2の人物も第2の認証処理にて、第2の地点の通過を許可されている場合、第2の人物が第1のグループに属しているか否かを判定してよい。プロセッサ110は、第2の人物が第1のグループに属していると判定された場合、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定してよい。メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、第1のグループ通過情報をメモリ120に保持してよい。
【0122】
これにより、管理装置100は、各地点での異なる複数の認証精度を加味した認証処理結果を導出できる。また、下流の地点で高精度(例えば認証精度A)の認証処理結果が得られた人物が属するグループに属する人物について、上流の地点で所定精度に満たない(例えば認証精度B又はC)の認証処理結果が得られたとする。この場合、管理装置100は、上流の地点で所定精度に満たない認証処理結果が得られた人物の認証処理結果を高精度の認証処理結果に修正して、上流の地点においてもグループ単位で行動していたことを遡及的に明確化できる。したがって、管理装置100は、エリアAR内での認証精度が可変であり、エリアAR内でのグループ行動を把握できる。
【0123】
また、プロセッサ110は、第1の認証処理を実施した結果、所定の登録グループ(例えば登録グループGA又はGB)に属する人物全て(例えば大人HA,HB又は子供Ha,Hb)の認証が成功(例えば認証精度A又はB)している場合、所定の登録グループで第1の地点を通過したことを示す第2のグループ通過情報(例えば例えば登録グループGA又はGBのグループ認証結果OK)を前記メモリ120に保持してよい。
【0124】
これにより、管理装置100は、認証処理結果として、登録グループに属するメンバーが属していると推定される状態であるが、第2の地点の通過前であり、第1の認証処理による認証精度が確定前であるので、グループの状態を仮の状態として第2のグループ通過情報として登録しておくことができる。
【0125】
また、プロセッサ110は、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、メモリ120に、第2のグループ通過情報が存在しているか否かを判定してよい。プロセッサ110は、メモリ120に、第2のグループ通過情報が存在すると判定された場合、第1のグループ通過情報を前記メモリ120に保持してよい。
【0126】
これにより、管理装置100は、第2の地点の通過の際の第2の認証処理による認証処理結果に基づいて、第1の地点の通過の際の第2のグループ通過情報を第1のグループ通過情報として確定して、メモリ120に保持することができる。この場合、第1のグループ通過情報と第2のグループ通過情報とが同じことも異なることもあり得る。例えば、第1のグループ通過情報が登録グループGBのグループ認証結果OKであり、第2のグループ通過情報が登録グループGAのグループ認証結果OKであり、第1のグループ通過情報が修正されて第2のグループ通過情報とされることもあり得る。また、例えば、第1のグループ通過情報も第2のグループ通過情報も登録グループGAのグループ認証結果OKであり、第1のグループ通過情報がそのまま第2のグループ通過情報とされることもあり得る。このように、管理装置100は、第1の地点での通過記録内に、誤ったグループ通過情報を保持している場合でも、若しくはグループ通過情報が元から記憶されていない場合であっても、第2の地点のグループ通過情報に基づいて正しいグループ通過情報を保持することが可能である。
【0127】
また、プロセッサ110は、第1の地点を通過した通過時刻に基づいて、第1の地点を通過した人物が属する第2のグループ(例えば設定グループgA)を設定し、第2のグループをメモリ120に保持させてよい。プロセッサ110は、第2の認証処理結果と登録グループの情報とに基づいて、登録グループのうちの第1のグループに属する第1の人物又は第2の人物を特定してよい。プロセッサ110は、第2のグループに第1の人物又は第2の人物が含まれる場合、第1のグループ通過情報(例えば設定グループgAに対応する登録グループGAのグループ認証結果OK)を前記メモリに保持してよい。
【0128】
これにより、管理装置100は、上流の地点で、上流の地点の通過時刻によって大まかにグループを設定しておき、この設定グループの情報を用いて、下流の地点での認証処理結果に基づいて、通過済みの上流の地点でのグループ通過情報を遡及して修正できる。
【0129】
また、プロセッサ110は、認証処理において、第1の地点又は第2の地点を通過する人物に対して、事前に登録されている生体特徴データに基づいて行われた認証の認証処理結果(例えば個別認証結果OK又はNG)を取得してよい。プロセッサ110は、第1の地点又は第2の地点を通過する人物が撮像された画像を取得してよい。プロセッサ110は、画像に、認証に成功した第3の人物(例えば大人HA)と認証に失敗した第4の人物(例えば子供Ha)と、が混在して含まれている場合、第3の人物が属する第3のグループ(例えば登録グループGA)を判定してよい。プロセッサ110は、第3のグループに、第3の人物とは別の他の人物が属している場合、他の人物を第4の人物であると推定してよい。プロセッサ110は、他の人物に対応付けられている属性に基づいて、認証の厳格さを緩和して、第4の人物の認証を再度実行するよう指示してよい。
【0130】
これにより、管理装置100は、認証用の厳格さを変更して、画像に映り込んだ一度認証に失敗した人物を認証し易い状態に変更できる。
【0131】
また、プロセッサ110は、認証処理において、他の人物に対応付けられている属性に基づいて、認証において最初に用いられる第1の閾値(例えば閾値TH1)よりも低い第2の閾値(例えば閾値TH2)に変更するか、又は、第1の閾値を変更せずに、第1の閾値と比較される認証のためのスコアに所定値を加算することで、認証の厳格さを緩和して第4の人物の認証を再度実行するよう指示してよい。
【0132】
これにより、管理装置100は、認証用の閾値又は認証用のスコアを変更することで、画像に映り込んだ一度認証に失敗した人物を認証し易い状態に変更できる。
【0133】
また、プロセッサ110は、認証処理において、再度実行された第4の人物の認証が失敗であった場合、認証に用いられる閾値を第2の閾値よりも低くするか、又は、第2の閾値と比較されるスコアに所定値を加算することで、認証の厳格さを更に緩和して、第4の人物の前記認証を再度実行するよう指示してよい。
【0134】
これにより、管理装置100は、認証用の厳格さを複数回変更して、画像に映り込んだ一度認証に失敗した人物を認証し易い状態に繰り返し変更できる。
【0135】
また、プロセッサ110は、認証処理において、再度実行された第4の人物の認証が成功であった場合、登録グループのうち、第4の人物が属する第4のグループ(例えば登録グループGA)を特定してよい。プロセッサ110は、第4のグループ内で、緩和されていない厳格さで認証に成功した人物である第5の人物(例えば大人HA)が存在するか否かを判定してよい。プロセッサ110は、緩和された厳格さで第4の人物と第5の人物とに対して同時に認証が行われたか否かを判定してよい。プロセッサ110は、同時に認証が行われた場合、認証処理による認証処理結果として、第4の人物が第2の地点を通過することを許可してよい。
【0136】
これにより、管理装置100は、同じ登録グループGAに属する複数の人物が同時に認証された場合に、第2の地点を通過することを許可でき、第2の地点をグループで通過することを必須とすることができる。
【0137】
また、上記の地点には、人物が通過可能なゲート50が設置されてよい。第1の地点には、第1のゲートが設置されてよい。第2の地点には、第2のゲートが設置されてよい。
【0138】
これにより、管理装置100は、第2のゲートでの第2の認証処理の認証処理結果に基づいて、第1のゲートで認証失敗又は低精度の認証処理結果が得られた人物の認証処理結果を認証成功又は高精度の認証結果に修正して、ゲートの地点においてもグループ単位で行動していたことを遡及的に明確化できる。
【0139】
また、実施形態の管理システム5は、複数の地点のそれぞれに設置された撮像装置(例えばカメラ10)と、撮像装置により撮像された画像に基づいて人物を認証する認証装置(例えば認証サーバ200)と、認証の認証結果に基づいて認証処理を行い、地点を通過する人物を管理する管理装置100と、を備える。管理装置100は、複数の人物が属する登録グループの情報を少なくとも1つ保持し、第1の地点を通過する人物に対して行われる第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を、メモリ120に保持させる。管理装置100は、第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対して行われる第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得する。管理装置100は、登録グループのうち、第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定する。管理装置100は、第1の人物が第2の認証処理に成功した際に、第1の人物とは別の他の人物である第2の人物も第2の認証処理に成功している場合、第2の人物が第1のグループに属しているか否かを判定する。管理装置100は、第2の人物が第1のグループに属していると判定された場合、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されているか否かを判定する。管理装置100は、メモリ120に、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、第1のグループで第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報をメモリ120に保持する。
【0140】
これにより、管理システム5は、各地点での異なる複数の認証精度を加味した認証処理結果を導出できる。また、下流の地点(第2の地点)で認証成功(例えば認証精度A又はB)の認証処理結果が得られた人物が属するグループに属する人物について、上流の地点(第1の地点)で認証失敗(例えば認証精度C)の認証処理結果が得られたとする。この場合、管理システム5は、上流の地点で認証失敗の認証処理結果が得られた人物の認証処理結果を認証成功の認証処理結果に修正して、上流の地点においてもグループ単位で行動していたことを遡及的に明確化できる。したがって、管理システム5は、エリアAR内での認証精度が可変であり、エリアAR内でのグループ行動を把握できる。
【0141】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0142】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現可能である。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「先ず、」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本開示は、例えば、エリア内での認証精度が可変であり、エリア内の複数の地点を通過する際に、一部の地点についてのグループ通過情報が誤っていた場合であっても、その地点についての正しいグループ通過情報を記録させることのできる管理装置、管理システム及び管理方法等に有用である。
【符号の説明】
【0144】
100 管理装置
10 カメラ
20 ディスプレイ
30 制御PC
50,50A,50B,50C,50D,50X,50Y ゲート
50S 厳格認証ゲート
50T 非厳格認証ゲート
110 プロセッサ
120 メモリ
130 通信デバイス
200 認証サーバ
HA,HB 大人
Ha,Hb 子供
SP スピーカ
【要約】 (修正有)
【課題】複数のゲート等を通過する人物を管理する管理装置、管理システム及び管理方法を提供する。
【解決手段】複数のゲートを管理する管理システムにおいて、管理装置のプロセッサは、第1の地点を通過する人物に対する第1の認証処理により得られる第1の認証処理結果を保持し、第1の地点よりも下流に位置する第2の地点を通過する人物に対する第2の認証処理により、第2の認証処理結果を取得し、登録グループのうち、第2の認証処理に成功した第1の人物が属する第1のグループを特定する。第1の人物が第2の認証処理に成功した際に、第2の人物も第2の認証処理に成功し、第2の人物が第1のグループに属していると判定され、第1の人物及び第2の人物の少なくとも一方の、第1の認証処理に成功している第1の認証処理結果が保持されていると判定された場合、第1のグループで第1の地点も通過したことを示す第1のグループ通過情報を保持する。
【選択図】
図7B