(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】セリアックスプルー病を治療するための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
C12N 9/48 20060101AFI20240202BHJP
C07K 14/00 20060101ALI20240202BHJP
C12N 15/57 20060101ALI20240202BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240202BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240202BHJP
A61K 38/48 20060101ALI20240202BHJP
A61K 35/12 20150101ALI20240202BHJP
【FI】
C12N9/48 ZNA
C07K14/00
C12N15/57
A61P37/08
A61P1/04
A61K38/48
A61K35/12
(21)【出願番号】P 2021099361
(22)【出願日】2021-06-15
(62)【分割の表示】P 2017560984の分割
【原出願日】2016-06-08
【審査請求日】2021-07-14
(32)【優先日】2015-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514104933
【氏名又は名称】ユニヴァーシティ オブ ワシントン
(73)【特許権者】
【識別番号】505434227
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ カリフォルニア
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】プルツ,イングリッド,スワンソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォルフ,クランシー
(72)【発明者】
【氏名】シーゲル,ジャスティン,ブルームフィールド
(72)【発明者】
【氏名】ティンバーグ,クリスティン,エレイン
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,ランス
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー,デイヴィット
【審査官】中野 あい
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-529399(JP,A)
【文献】国際公開第2015/023728(WO,A1)
【文献】J Am Chem Soc. , 2012 Dec 19 (Epub 2012 Dec 5), vol. 134, no. 50, pp. 20513-20520
【文献】J Am Chem Soc. , 2015 Oct 14 (Epub 2015 Sep 29), vol. 137, no. 40, pp. 13106-13113,(supplementary information pp. S1-S9)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/57-15/90
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも98%同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基467がSerであり、残基267がGluであり、かつ残基271がAspであり、かつ
(b)配列番号1に対してG358S、I463T、D399Q、A449Q、K262E、E269T、およびS354Qのアミノ酸変化を含む、それを必要とする対象においてセリアックスプルーまたは非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を治療するためのポリペプチドであって、前記ポリペプチドはグリアジンエンドペプチダーゼ活性を有する、ポリペプチド。
【請求項2】
アミノ酸変化320Mをさらに含む、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
アミノ酸変化P171RおよびH172Rをさらに含む、請求項1または2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも97%同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基278がSerであり、残基78がGluであり、かつ残基82がAspであり、かつ
(b)配列番号71に対してG169S、I274T、D210Q、A260Q、K73E、E80T、およびS165Qのアミノ酸変化を含む、それを必要とする対象においてセリアックスプルーまたは非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を治療するためのポリペプチドであって、前記ポリペプチドはグリアジンエンドペプチダーゼ活性を有する、ポリペプチド。
【請求項5】
アミノ酸変化131Mをさらに含む、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
特に限定されないがアミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含む、ヒスチジンタグをC末端にさらに含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項7】
前記ヒスチジンタグが、特に限定されないがアミノ酸配列X
NPQ(L/Q)PX
NHHHHHH(配列番号131)を含む、切断可能なヒスチジンタグを含み、配列中X
Nが1~25アミノ酸残基リンカーである、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
前記切断可能なヒスチジンタグがアミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号132)を含む、請求項7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも99%同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基467がSerであり、残基267がGluであり、かつ残基271がAspであり、かつ
(b)配列番号1に対してG358S、I463T、D399Q、A449Q、K262E、E269T、およびS354Qのアミノ酸変化を含む、それを必要とする対象においてセリアックスプルーまたは非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を治療するためのポリペプチドであって、前記ポリペプチドはグリアジンエンドペプチダーゼ活性を有する、ポリペプチド。
【請求項10】
配列番号59から少なくとも一つのアミノ酸欠失を含む、請求項
9に記載のポリペプチド。
【請求項11】
配列番号129に記載のアミノ酸配列を含む、請求項
9に記載のポリペプチド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本願は、2015年6月8日に出願された米国仮特許出願第62/172,557号の優先権を主張するものであり、上記出願の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
セリアックスプルーは有病率が極めて高い疾患の1つであり、コムギ、オオムギ、およびライムギの製品に含まれる「グルテン」として知られる食品タンパク質が、遺伝的素因のある人の小腸で免疫応答を引き起こすものである。生じた炎症によって小腸の絨毛が変性し、栄養吸収が阻害されることがある。幼少期または晩年を問わず症状が現れ、その重症度は下痢、疲労および体重減少から腹部膨満、貧血、および神経症状まで広範囲にわたる。この生涯にわたる疾患には現時点で、食事からグルテンを完全に排除すること以外に効果的な治療法はない。セリアックスプルーは依然として過小診断されることが多いものの、米国およびヨーロッパでのその有病率は人口の0.5~1.0%であると推定される。セリアックスプルーに加えて、非セリアックグルテン過敏症(NCGS)の病態に罹患している者も相当な割合にのぼると考えられており、この病態はグルテンの経口摂取に起因するがセリアック病とは機構的に異なっており、しかしながらその症状はセリアックスプルーのものと区別できないことが多い。ヒト消化管の厳しい強酸性条件下でグルテン由来ペプチドを特異的かつ効率的に分解するには厳しい物理的条件および化学的条件が必要とされるため、セリアック病およびNCGSの経口治療薬に適した天然の酵素を特定するのは困難である。グルテンペプチドは腸管内に侵入した直後に免疫応答を惹起することから、このような免疫原性グルテン領域を胃区画内で分解し、それによりこのグルテンペプチドが炎症による腸管損傷を引き起こさないようにするセリアック病の経口酵素治療薬が不可欠である。
【発明の概要】
【0003】
一態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基467がSerであり、残基267がGluであり、残基271がAspであり;かつ
(b)463、221、262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、461、105、171、172、173、174、および456からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む、
ポリペプチドを提供する。
【0004】
一実施形態では、ポリペプチドは、463、221、262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、および461からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、221D/N/Q/H、262E、268S/T/A、269L/T、270A/T/V、319A、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399Q、402S/Q、406S、424K、449E/N/Q、461R、および463A/L/M/Q/R/T/Vからなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、そのグループから選択される2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個またはそれより多い残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。
【0005】
一実施形態では、ポリペプチドは、残基399および449で配列番号1からのアミノ酸変化、例えばアミノ酸変化399Qおよび449Qなどを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化358Sおよび463Tを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化262E、269T、354Q、358S、399Q、449Q、および463Tを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化319A、368F、399Q、449Q、および463Tを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化262E、269T、270V、354Q、358S、399Q、および449Qを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化262E、269T、320M、354Q、358S、399Q、449Q、および463Tを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化319A、320M、368F、399Q、449Q、および463Tを含む。一実施形態では、ポリペプチドは、105、171、172、173、174、および456からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置に配列番号1からのアミノ酸変化、例えばアミノ酸変化105H;171R A、もしくはS;172R、A、もしくはS;173R、もしくはS、174Sおよび/または456Vなどを含む。
【0006】
別の態様では、本発明は、配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、またはそれを超えて同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基278がSerであり、残基78がGluであり、残基82がAspであり;かつ
(b)274、32、73E、79、80、81、130A、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210、213、217、235、260、267、および272からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む、
ポリペプチドを提供する。
【0007】
一実施形態では、ポリペプチドは、274、32、73E、79、80、81、130A、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210、213、217、235、260、および272からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。
【0008】
一実施形態では、ポリペプチドは、32D/N/Q/H、73E、79S/T/A、80L/T、81A/T/V、130A、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210Q、213S/Q、217S、235K、260E/N/Q、272R、および274A/L/M/Q/R/T/Vからなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、そのグループから選択される2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、またはそれ以上の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、残基210および260で、特に限定されないがアミノ酸変化210Qおよび260Q含む配列番号71からのアミノ酸変化を含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化169Sおよび274Tを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化73E、80T、165Q、169S、210Q、260Q、および274Tを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化130A、179F、210Q、260Q、および274Tを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化73E、80T、81V、165Q、169S、210Q、および260Qを含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化73E、80T、320M、165Q、169S、210Q、260Q、および274Tを含む。一実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸変化130A、131M、179F、210Q、260Q、および274Tを含む。別の実施形態では、ポリペプチドは、アミノ酸位置267で、特に限定されないが267Vを含む配列番号71からのアミノ酸変化を含む。
【0009】
別の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2~42、配列番号44~60および72~112、ならびに配列番号114~130および150~155からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。さらなる実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2~42、配列番号55~60および72~112、ならびに配列番号125~130および150~155からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
【0010】
一実施形態では、本発明のポリペプチドは、ポリペプチドのC末端にヒスチジンタグをさらに含み得る。別の実施形態では、ヒスチジンタグは、切断可能なヒスチジンタグを含む。特定の実施形態では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むか、これよりなるものであり得る。別の実施形態では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列XNPQ(L/Q)PXNHHHHHH(配列番号131)を含んでよく、配列中、XNは1~25アミノ酸残基のリンカーである。さらなる実施形態では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号132)を含み得る。
【0011】
別の態様では、本発明は、本発明のいずれかの実施形態のポリペプチドをコードする核酸を提供する。本発明はさらに、本発明の核酸を含む核酸発現ベクターを提供する。本発明はさらに、本発明の核酸発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。本発明はまた、本発明のいずれかの実施形態のポリペプチド、核酸、核酸発現ベクター、および/または組換え宿主細胞と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0012】
別の態様では、本発明は、セリアックスプルーまたは非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を治療するための方法であって、セリアックスプルーまたはNCGSを有する個体にセリアックスプルーまたはNCGSの治療に有効な量の本発明のいずれかの実施形態のポリペプチドまたは医薬組成物を投与することを含む、方法を提供する。一実施形態では、ポリペプチドまたは医薬組成物を経口投与する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】Kuma030は胃内条件でグルテンの免疫原性領域を迅速かつ効率的に分解できる。(A)示される濃度のEPB2およびSCPEP(比は1:1)、Kuma010、またはKuma030のいずれかと胃内条件で60分間インキュベートした後に、G12抗体を用いるELISAによる測定で検出されたグルテンの量。グルテンの開始濃度は10mg/mL(10,000ppm)であった。Y軸が対数尺度でプロットされていることに留意されたい。(B)400μg/mLでのEPB2およびSCPEP、または10μg/mL、100μg/mL、もしくは400μg/mLでのKuma030とのインキュベーションの5分後または30分後に検出されたグルテンの量。グルテンの開始濃度は10mg/mLであった。ペプシン単独とインキュベートした後に測定したグルテンの量に対して試料を正規化した。ES:重量比1:1のEPB2およびSCPEP。アスタリスクは、グルテンの量が定量レベル(5ppm)未満であったことを表す。(C)グリアジン(W02-E07、W03-E07、33量体)、ホルデイン(B08-E2E7)、またはセカリン(R11-E4E7)由来の免疫優性ペプチドの全長ペプチド(灰色の点線)または分解産物(黒色の線)のHPLCトレース。図の下に、33量体ペプチドのアミノ酸配列、既知の免疫原性エピトープの位置(水平の線)、LCMSによって求めたKuma030切断部位の位置(垂直の線)、および得られた分解産物の溶出ピーク(灰色の矢印)を示す。免疫優性ペプチドは以下の分解パターンを示した:B08-E2E7:PQQPIPQ||QPQPYPQ||Q(配列番号61);R11-E4E5:QPFPQ||QPEQIIPQ||QP(配列番号62);W02-E7:LQPFPQPQ||LPYPQPQ(配列番号63);W03-E7:QPFPQPQ||QPFPWQP(配列番号64)。全ペプチドの質量および溶出時間をLCMSにより確認した。未消化のW03-E07ペプチドはW03-E07の分解フラグメントとほぼ同じ時間で溶出したが、LCMSにより測定されるように、これらは別個のピークであることに留意されたい。aAUは任意の吸光度単位である。
【
図2】Kuma030で処理したグリアジンはその免疫刺激能を消失する。(A~E)精製グリアジンを0.6mg/mLのペプシンの存在下で、pH4.0にて、37℃で60分間、明記される濃度でKuma030により処理した。胃相の後で、試料のpHを上昇させ、試料をキモトリプシンおよびTG2で処理した。次いで、試料を照射自家B細胞系の存在下で、番号1(A)、番号2(B)、番号3(C)、番号4(D)、または番号5(E)の患者に由来するT細胞系に曝露し、IFN-γをELISAにより測定した。フィトヘマグルテニン(phytohemagglutenin)(PHA)およびグリアジンのペプシン-トリプシン消化物(PT-グリアジン)を陽性対照として含めた。抗原の不在下でのT細胞系と抗原提示細胞のインキュベーションを陰性対照とした。(F)このアッセイに使用したT細胞によって認識されるT細胞刺激性エピトープおよびこれらのエピトープ内の予測されるKuma030切断部位。予測されるKuma030切断部位は、垂直の線|で示される。切断部位は、
図1Fに示されるグリアジンペプチド(上から下に向かって、配列番号141、142、141、142、143、144、141、142、143、144、145、145、146、145)に対するKuma030の活性に基づき予測される。
【
図3】Kuma030はT細胞に対して毒性でない。酵素処理グリアジンの毒性作用の可能性を、マイトジェンフィトヘマグルチニン(PHA)で刺激した健常ドナー由来のヒト末梢血単核球(PBMC)を用いて評価した。(a、b)番号1の健常ドナー(A)または番号2の健常ドナー(B)に由来するT細胞のIFN-g産生。(C、D)番号1の健常ドナー(C)または番号2の健常ドナー(D)に由来するT細胞の増殖。番号2の健常ドナーの増殖(IFN-gの産生ではない)を除き、IFN-g産生に対しても細胞増殖に対しても何ら作用は観察されなかった。PHAで刺激した細胞増殖の減少は酵素処理と関係なく同じであったため、本発明者らは、この作用は試料の毒性によるものではなかったと結論付ける。
【
図4】Kuma030は複雑な食品基質中のグルテンを効率的に分解する。(A)示される酵素濃度でKuma030またはEPB2とSCPEPの1:1の組合せと30分間インキュベートした後に、全粒コムギパン中に残存するグルテンの量。グルテンの開始濃度は10,000ppmであった。両軸とも対数尺度でプロットされていることに留意されたい。(B)示される濃度のEPB2:SCPEP(比は1:1)、またはKuma030と37℃または4℃で、5分、15分、または60分にてインキュベートした後にコムギビール中に残存するグルテンの量。グルテンはG12 ELISA法を用いて検出した。
【
図5】Kuma010、Kuma020、Kuma030、Kuma040、およびKuma050の26量体および33量体を分解する能力の比較。酵素を2μg/mLで1mg/mLの33量体ペプチド(a)または26量体ペプチド(b)と60分間インキュベートした。試料を示される時点で採取し、ペプチド分解産物の濃度を測定した。分解産物は、33量体ペプチド(配列番号69)由来のLPYPQPQF(配列番号137)、二十六量体ペプチド(配列番号70)由来のQPYPQ(配列番号147)であった。活性を内部標準のm/zシグナルに対するしかるべきm/zシグナルの比としてグラフで表す。
【
図6】G320M変異は活性を2~4倍向上させる。免疫原性エピトープDQ2.5-グリア-α1a(PQLを含む)(左)、およびDQ2.5-グリア-ω1(PQQを含む)(右)の分解における活性が示される。試料を示される時点で採取し、ペプチド分解産物PFPQPQ(配列番号148)の濃度を測定した。活性を内部標準のm/zシグナルに対するしかるべきm/zシグナルの比としてグラフで表す。
【
図7】P171R変異およびH172R変異は活性に悪影響を及ぼさないと思われる。免疫原性グリアジンエピトープDQ2.5-グリア-α1aに対する酵素バリアントKuma030、Kuma031、Kuma032、Kuma040、Kuma041、およびKuma042の酵素活性が示される。試料を示される時点で採取し、ペプチド分解産物PFPQPQ(配列番号148)の濃度を測定した。活性を内部標準のm/zシグナルに対するしかるべきm/zシグナルの比としてグラフで表す。全ての酵素は陰イオン交換により精製した。
【
図8】Kuma062はKuma030またはKuma040よりも高い酵素活性レベルを示す。免疫原性グリアジンエピトープDQ2.5-グリア-ω1に対する活性が示される。左:完全長DQ2.5-グリア-ω1の検出;右:PFPQPQ(配列番号148)分解産物の検出。試料を示される時点で採取し、全長ペプチド、または分解産物PFPQPQ(配列番号148)の濃度を測定した。活性を内部標準のm/zシグナルに対するしかるべきm/zシグナルの比としてグラフで表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本明細書に引用される参考文献はいずれも、その全体が参照により組み込まれる。本願では、特に明記されない限り、用いる技術は、いくつかのよく知られた参考文献、例えば:Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrookら,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expression Technology(Methods in Enzymology,第185巻,D.Goeddel編,1991.Academic Press社、サンディエゴ、カリフォルニア州)、Methods in Enzymologyの「Guide to Protein Purification」(M.P.Deutshcer編,(1990)Academic Press社);PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innisら,1990.Academic Press社、サンディエゴ、カリフォルニア州)、Animal Cells:A Manual of Basic Technique,第2版(R.I.Freshney.1987.Liss社、ニューヨーク、ニューヨーク州)、Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,E.J.Murray編,The Humana Press社、クリフトン、ニュージャージー州)、およびAmbion 1998 Catalog(Ambion社、オースティン、テキサス州)などのいずれかにみられる。
【0015】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味を表す場合を除き複数形の指示対象を包含する。本明細書で使用される「および(ならびに)」は、別途明記されない限り、「または(あるいは、もしくは)」と互換的に使用される。
【0016】
本明細書で使用されるアミノ酸残基は、以下の通りに略記される:アラニン(Ala;A)、アスパラギン(Asn;N)、アスパラギン酸(Asp;D)、アルギニン(Arg;R)、システイン(Cys;C)、グルタミン酸(Glu;E)、グルタミン(Gln;Q)、グリシン(Gly;G)、ヒスチジン(His;H)、イソロイシン(Ile;I)、ロイシン(Leu;L)、リジン(Lys;K)、メチオニン(Met;M)、フェニルアラニン(Phe;F)、プロリン(Pro;P)、セリン(Ser;S)、トレオニン(Thr;T)、トリプトファン(Trp;W)、チロシン(Tyr;Y)、およびバリン(Val;V)。
【0017】
本発明の任意の態様の実施形態はいずれも、文脈上明らかに別の意味を表す場合を除き、組み合わせて用いることができる。
【0018】
第一の態様では、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基467がSerであり、残基267がGluであり、および残基271がAspであり;かつ
(b)262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、461、463、105、171、172、173、174、および456からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む、
ポリペプチドを提供する。一実施形態では、ポリペプチドは、221、262E、268、269、270、319A、320、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399、402、406、424、449、461、および463からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。
【0019】
配列番号1(Kuma011)
Kuma011
MSDMEKPWKE(10)GEEARAVLQG(20)HARAQAPQAV(30)DKGPVAGDER(40)MAVTVVLRRQ(50)RAGELAAHVE(60)RQAAIAPHAR(70)EHLKREAFAA(80)SHGASLDDFA(90)ELRRFADAHG(100)LALDRANVAA(110)GTAVLSGPDD(120)AINRAFGVEL(130)RHFDHPDGSY(140)RSYLGEVTVP(150)ASIAPMIEAV(160)LGLDTRPVAR(170)PH(172)FRMQRRAE(180)GGFEARSQ(188)A
A(190)APTAYTPLDV(200)AQAYQFPEGL(210)DGQGQCIAII(220)E(221/32)LGGGYDEAS(230/41)LAQYFASLGV(240/51)PAPQVVSVSV(250/61)DGASNQPTGD(260/71)PK(262/73)GPDGE(267/78)V(268/79)E(269/80)L(270/81)D(271/82)IEVAGALAP(280/91)GAKFAVYFAP(290/101)DTTAGFLDAI(300/111)TTAIHDPTLK(310/121)PSVVSISWS(319/130)G(320/131)PEDSWTSAAI(330/141)AAMNRAFLDA(340/151)AALGVTVLAA(350/161)AGDS(354/165)GSTG(358/169)GE(360/171)QDGLYHVH(368/179)FP(370/181)AASPYVLACG(380/191)GTRLVASGGR(390/201)IAQETVWND(399/210)G(400/211)PD(402/213)GGAT(406/217)GGGV(410/221)SRIFPLPAWQ(420/231)EHAN(424/235)VPPSAN(430/241)PGASSGRGVP(440/251)DLAGNADPA(449/260)T(450/261)GYEVVIDGEA(460/271)T(461/272)VI(463/274)GGTS(467/278)AVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号1)
【0020】
本明細書で参照されるKuma010は、Kuma011と同一であるが、そのC末端にヒスチジンタグ配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含む。
【0021】
太字の残基は、非プロセスポリペプチド中に存在するN末端部分を表し;太字でないフォントは、プロセス型のポリペプチド中に存在する残基を表す。括弧内の数字は残基番号を表し;「/」で仕切られた2つの数字がある場合、左側の数字が非プロセス型の残基番号であり、右側の数字がプロセス型の残基番号である。配列番号1は非プロセス型のKuma011であり;配列番号71はプロセス型のKuma011である。
【0022】
のちの実施例に開示するように、本発明のこの態様によるポリペプチドは、例えばセリアックスプルーの治療に使用するために改善されたポリペプチドである。ポリペプチドは、セリアックスプルーの治療のために有用であると開示(国際公開第2013/023151号)された、配列番号1(KUMAMAX(商標)、以降Kuma010と称する)のプロセス型または前プロセス型のポリペプチドを改変したものである。セリアックスプルーを治療するためのポリペプチドは、「グリアジン」として知られほとんどのセリアックスプルー患者の免疫応答の大部分を担うと考えられている、グルテンのプロリン(P)とグルタミン(Q)に富む構成成分を分解できる。本発明のポリペプチドは、pH4でPQLP(配列番号65)モチーフまたはPQQP(配列番号66)モチーフ(グリアジンを表す基質である、PFPQPQLPY(配列番号67)および/またはPFPQPQQPF(配列番号68)など)を有するペプチドの分解において、Kuma011およびセリアックスプルーを治療するために有用であると開示される他のポリペプチド(国際公開第2015/023728号)と比較して優れた活性を示し、かつ/またはそれらのポリペプチドの産生を向上させることが示される。したがって、本発明のポリペプチドは、セリアックスプルーを治療するための大幅に改善された治療薬の構成要素となる。
【0023】
したがって、本発明のポリペプチドは、pH4でPFPQPQLPY(配列番号67)ペプチドおよび/またはPFPQPQQPF(配列番号68)ペプチド、ならびにLQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号69)および/またはFLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号70)を分解する。
【0024】
本発明の第一の態様のポリペプチドは、前プロセス型の本発明のポリペプチド酵素を含む。
【0025】
第二の態様では、配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含み、
(a)残基278がSerであり、残基78がGluであり、および残基82がAspであり;かつ
(b)32、73E、79、80、81、130A、131、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210、213、217、235、260、267、272、および274からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む、
ポリペプチドを提供する。一実施形態では、ポリペプチドは、32、73E、79、80、81、130A、131、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210、213、217、235、260、272、および274からなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。
【0026】
本発明の第一の態様のポリペプチドは、プロセス型の本発明のポリペプチド酵素を含み、またpH4でPFPQPQLPY(配列番号67)ペプチドおよび/またはPFPQPQQPF(配列番号68)ペプチド、ならびにLQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号69)および/またはFLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号70)を分解する。
【0027】
本明細書で使用される「少なくとも75%同一である」は、ポリペプチドがその完全長アミノ酸配列において、配列番号1または配列番号71によって定められるポリペプチドと25%以下異なっている(任意のアミノ酸の置換、欠失、付加または挿入を含む)ことを意味する。
【0028】
本発明のポリペプチドの任意の態様の種々の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1(前プロセス型)または配列番号71(プロセス型)によるアミノ酸配列と少なくとも76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含むか、これよりなる。
【0029】
本発明のポリペプチドの任意の態様のポリペプチドは、記載される残基の2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、または全24個(実施形態による)の残基で配列番号1または配列番号71からのアミノ酸変化を含み得る。
【0030】
本発明の第一の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、221D/N/Q/H、262E、268S/T/A、269L/T、270A/T/V、319A、354E/Q/R/Y、358S/Q/T、368F/Q、399Q、402S/Q、406S、424K、449E/N/Q、461R、および463A/L/M/Q/R/T/Vからなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号1からの1つまたは複数のアミノ酸変化を含む。全体を通じて使用される際、数字は、配列番号1または配列番号71のポリペプチド配列中の残基番号を表し、数字の右側にある一文字のアミノ酸略記は、配列番号1または71中のその位置に存在するアミノ酸残基と比較して可能なアミノ酸置換を表す。
【0031】
本発明の第一の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、残基399および449で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。一実施形態では、ポリペプチドはアミノ酸変化399Qおよび449Qを含む。
【0032】
本発明の第一の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは358Sおよび463Tを含む。これらのポリペプチドは、Kuma020と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。
【0033】
本発明の第一の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、262E、269T、354Q、358S、399Q、449Q、および463Tを含む。これらのポリペプチドは、Kuma030と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。本発明の第一の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、319A、368F、399Q、449Q、およびI463Tを含む。これらのポリペプチドは、Kuma040と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。本発明の第一の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、262E、269T、270V、354Q、358S、399Q、およびA449Qを含む。これらのポリペプチドは、Kuma050と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。本発明の第一の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、262E、269T、320M、354Q、358S、399Q、449Q、および463Tを含む。これらのポリペプチドは、Kuma060と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。本発明の第一の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、319A、320M、368F、399Q、449Q、および463Tを含む。これらのポリペプチドは、Kuma070と命名されるポリペプチドおよびそのバリアントによって例示されるように、のちの実施例で詳細に特徴が明らかにされる。
【0034】
本発明の第一の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、105、171、172、173、174、および4561つまたは複数のアミノ酸位置で配列番号1からのアミノ酸変化を含む。一実施形態では、アミノ酸変化は、105H;171R A、もしくはS;172R、A、もしくはS;173RもしくはS、174S、および/または456Vである。別の実施形態では、アミノ酸変化は、171R、172R、および/または456Vである。
【0035】
本発明の第二の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、32D/N/Q/H、73E、79S/T/A、80L/T、81A/T/V、130A、165E/Q/R/Y、169S/Q/T、179F/Q、210Q、213S/Q、217S、235K、260E/N/Q、272R、および274A/L/M/Q/R/T/Vからなる群より選択される1つまたは複数の残基で配列番号71からの1つまたは複数のアミノ酸変化を含む。本発明の第二の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、残基210および260で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。本発明の第二の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドはアミノ酸変化210Qおよび260Qを含む。本発明の第二の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは169Sおよび274Tを含む。(Kuma20属)本発明の第二の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、73E、80T、165Q、169S、210Q、260Q、および274Tを含む。(Kuma30属)本発明の第二の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、130A、179F、210Q、260Q、および274Tを含む。(Kuma40属)本発明の第二の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、73E、80T、81V、165Q、169S、210Q、および260Qを含む。(Kuma50属)本発明の第二の態様のポリペプチドの一実施形態では、ポリペプチドは、73E、80T、320M、165Q、169S、210Q、260Q、および274Tを含む。(Kuma60属)本発明の第二の態様のポリペプチドの別の実施形態では、ポリペプチドは、130A、131M、179F、210Q、260Q、および274Tを含む。(Kuma70属)本発明の第二の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、267からなる群より選択される1つまたは複数のアミノ酸位置で配列番号71からのアミノ酸変化を含む。一実施形態では、アミノ酸変化は267Vである。
【0036】
本発明の任意の態様のポリペプチドのさらなる実施形態では、ポリペプチドは、ポリペプチドの単離を容易にするため、そのC末端にヒスチジンタグをさらに含む。任意の適切なヒスチジンタグを使用でき、一実施形態では、精製後にTEVプロテアーゼによりタグを効率的に除去できるように、タグはTEVプロテアーゼ切断部位(ENLYFQS)(配列番号149)に連結されており、例えば、タグはアミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むか、これよりなり得る。別の実施形態では、ヒスチジンタグは、Hisタグの除去を一層容易にする、切断可能なヒスチジンタグである。一実施形態では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列XNPQ(L/Q)PXNHHHHHH(配列番号131)を含み、配列中、XNは1~25アミノ酸残基のリンカーである。1つの非限定的な例では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号132)を含む。
【0037】
本発明のポリペプチドの任意の態様の一実施形態では、配列番号1または配列番号71と比較したアミノ酸置換は、表1または2に記載される置換の1つまたは複数を含み得る。これらの位置での置換は、一般に十分に許容され(すなわち一般に、活性に対してわずかな影響を及ぼす~全く影響を及ぼさない)、かつ場合によっては本発明のポリペプチドの活性を最大20%増大させることがわかっている。
【0038】
【0039】
本発明のポリペプチドの任意の態様の別の実施形態では、配列番号1または配列番号71と比較したアミノ酸置換は、表2に記載される置換の1つまたは複数を含み得る。
【0040】
【0041】
本発明のポリペプチドの任意の態様の別の実施形態では、本発明のポリペプチドの各残基におけるアミノ酸は、表3に記載されるようなものであってよく、表3はコンピュータによる変異解析によって予測されるポリペプチド酵素中の各位置で可能な変異をすべて列挙する。のちの実施例に記載するように、縮重プライマーを用いて活性部位(残基261~264、266~267、270、317~320、350~354、368、397、403~404、446、448、456、および463~468)に存在する各位置での変異を試験して、種々のアミノ酸置換が活性に及ぼす影響を検討した。表3に示すように、活性に干渉しなかった変異を本発明のポリペプチドに組み込むことができる。
【0042】
【0043】
さらなる実施形態では、本発明のポリペプチドは、下に示す配列番号2~42、配列番号44~60および72~112、ならびに配列番号114~130および150~155からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、これよりなる。これらのポリペプチドは、のちの実施例に示すように、Kuma010と比較して活性が増大しているか、それらのポリペプチドの産生を向上させる。一実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2~42、配列番号55~60および72-112、ならびに配列番号125~130および150~155からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むか、これよりなり、これらのポリペプチドは全て、Kuma010よりも向上した活性を示す。
【0044】
N末端ドメインを太字のフォントで表し、Kuma011に対する変化をポリペプチド名の隣に記載する。いずれの場合も、下に記載するポリペプチドは、C末端にヒスチジンタグをさらに含み得る。任意の適切なヒスチジンタグを使用でき、一実施形態では、精製後にTEVプロテアーゼによりタグを効率的に除去できるように、タグはTEVプロテアーゼ切断部位(ENLYFQS)(配列番号149)に連結され、例えば、タグはアミノ酸配列GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むか、これよりなり得る。別の実施形態では、アミノ酸配列XNPQ(L/Q)PXNHHHHHH(配列番号131)を含み、配列中、XNが1~25アミノ酸残基のリンカーである、切断可能なヒスチジンタグをC末端に組み込み得る。1つの非限定的な例では、切断可能なヒスチジンタグは、アミノ酸配列GSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号132)を含み得る。
【0045】
Kuma011-K262E
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号2(非プロセス型)、配列番号72(プロセス型))
【0046】
Kuma011-V268A
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEAELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号3(非プロセス型)、配列番号73(プロセス型))
【0047】
Kuma011-V268S
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGESELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号4(非プロセス型)、配列番号74(プロセス型))
【0048】
Kuma011-V268T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGETELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号5(非プロセス型)、配列番号75(プロセス型))
【0049】
Kuma011-E269L
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVLLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号6(非プロセス型)、配列番号76(プロセス型))
【0050】
Kuma011-E269T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVTLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号7(非プロセス型)、配列番号77(プロセス型))
【0051】
Kuma011-L270A
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVEADIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号8(非プロセス型)、配列番号78(プロセス型))
【0052】
Kuma011-L270T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0053】
Kuma011-L270V
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【0054】
Kuma011-G319A
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【0055】
Kuma011-S354A
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【0056】
Kuma011-S354E
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【0057】
Kuma011-S354Q
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【0058】
Kuma011-S354R
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【0059】
Kuma011-S354Y
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【0060】
Kuma011-G358N
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【0061】
Kuma011-G358S
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【0062】
Kuma011-G358Q
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【0063】
Kuma011-G358T
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【0064】
Kuma011-H368F
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【0065】
Kuma011-H368Q
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【0066】
Kuma011-D399Q
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【0067】
Kuma011-D402S
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【0068】
Kuma011-D402Q
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【0069】
Kuma011-T406S
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【0070】
Kuma011-N424K
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【0071】
Kuma011-A449E
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【0072】
Kuma011-A449Q
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【0073】
Kuma011-I456V
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【0074】
Kuma011-T461R
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【0075】
Kuma011-I463A
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【0076】
Kuma011-I463L
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【0077】
Kuma011-I463M
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【0078】
Kuma011-I463Q
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【0079】
Kuma011-I463R
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【0080】
Kuma011-I463T
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AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号37(非プロセス型)、配列番号107(プロセス型))
【0081】
Kuma011-I463V
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AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVVGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号38(非プロセス型)、配列番号108(プロセス型))
【0082】
Kuma023:G368S;I463T
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【0083】
実施例で参照されるKuma020は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma023ポリペプチドである。
【0084】
Kuma021:G368S;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTSGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号154(非プロセス型)、配列番号155(プロセス型))
【0085】
Kuma031:K262E;E269T;S354Q;G358S;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVTLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDQGSTSGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号40(非プロセス型)、配列番号110(プロセス型))
【0086】
実施例で参照されるKuma030は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma031ポリペプチドである。
【0087】
Kuma041:S319A;H368F;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVTLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWAGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVFFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号41(非プロセス型)、配列番号111(プロセス型))
【0088】
実施例で参照されるKuma040は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma041ポリペプチドである。
【0089】
Kuma051:K262E;E269T;L270V;S354Q;G358S;D399Q;A449Q
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVTVDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDQGSTSGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号42(非プロセス型)、配列番号112(プロセス型))
【0090】
実施例で参照されるKuma050は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma051ポリペプチドである。
【0091】
Kuma022:P171R;H172R;G368S;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTSGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号55(非プロセス型)、配列番号125(プロセス型))
【0092】
Kuma032:P171R;H172R;K262E;E269T;S354Q;G358S;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVTLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDQGSTSGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号56(非プロセス型)、配列番号126(プロセス型))
【0093】
Kuma042:P171R;H172R;S319A;H368F;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0094】
Kuma052:P171R;H172R;K262E;E269T;L270V;S354Q;G358S;D399Q;A449Q
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0095】
Kuma061:K262E;E269T;S354Q;G358S;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0096】
実施例で参照されるKuma060は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma061ポリペプチドである。
【0097】
Kuma062:P171R;H172R;K262E;E269T;S354Q;G358S;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0098】
Kuma071:S319A;H368F;D399Q;A449Q;I463T
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【0099】
実施例で参照されるKuma070は、以下のC末端ヒスチジンタグ:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)を含むKuma071ポリペプチドである。
【0100】
Kuma072:P171R;H172R;S319A;H368F;D399Q;A449Q;I463T
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVTLDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWAMPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVFFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNQGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPQTGYEVVIDGEATVTGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号60(非プロセス型)、配列番号130(プロセス型))
【0101】
表4に記載されるように、Kuma010/011に施した変化は、設計タンパク質の触媒活性に大きな影響を及ぼす。表4に、種々のグリアジンペプチド配列の分解の触媒に及ぼす個々の変異の効果を列挙する。実施例では、特定の個々の変異体および変異体の組合せに関してさらなるデータを提供する。
【0102】
【0103】
産生を向上させる変異
産生を向上させる変異によって、以下の3つのカテゴリーの1つが向上し得る:1.精製法を変える;2.収率が増大する;3.精製時に酵素的自己プロセシングが起こる確率を低下させ、それにより解析を簡略化する。本明細書に開示されるポリペプチドのタンパク質分解活性によって除去可能なHisタグの付加は、カテゴリー1に分類され;R105H変異体は収率を約2倍向上させると思われるため、カテゴリー2に分類され;位置171~174における変異について、それらの変異体はカテゴリー3に分類される。
【0104】
Kuma010-切断可能なHisタグを有するKuma010
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPKGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQPGSSGSSGSQPQLPYGSSGSSGSHHHHHH(配列番号43(非プロセス型)、配列番号113(プロセス型))
【0105】
Kuma011-R105H
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARPHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号44(非プロセス型)、配列番号114(プロセス型))
【0106】
Kuma011-P171A
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARAHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号45(非プロセス型)、配列番号115(プロセス型))
【0107】
Kuma011-P171R
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRHFRMQRRAEGGFEARSQA
AAPTAYTPLDVAQAYQFPEGLDGQGQCIAIIELGGGYDEASLAQYFASLGVPAPQVVSVSVDGASNQPTGDPEGPDGEVELDIEVAGALAPGAKFAVYFAPDTTAGFLDAITTAIHDPTLKPSVVSISWSGPEDSWTSAAIAAMNRAFLDAAALGVTVLAAAGDSGSTGGEQDGLYHVHFPAASPYVLACGGTRLVASGGRIAQETVWNDGPDGGATGGGVSRIFPLPAWQEHANVPPSANPGASSGRGVPDLAGNADPATGYEVVIDGEATVIGGTSAVAPLFAALVARINQKLGKAVGYLNPTLYQLPADVFHDITEGNNDIANRAQIYQAGPGWDPCTGLGSPIGVRLLQALLPSASQPQP(配列番号46(非プロセス型)、配列番号116(プロセス型))
【0108】
Kuma011-P171S
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【0109】
Kuma011-H172A
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【0110】
Kuma011-H172R
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【0111】
Kuma011-H172S
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【0112】
Kuma011-F173R
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【0113】
Kuma011-F173S
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【0114】
Kuma011-R174S
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【0115】
Kuma012:P171R;H172R
MSDMEKPWKEGEEARAVLQGHARAQAPQAVDKGPVAGDERMAVTVVLRRQRAGELAAHVERQAAIAPHAREHLKREAFAASHGASLDDFAELRRFADAHGLALDRANVAAGTAVLSGPDDAINRAFGVELRHFDHPDGSYRSYLGEVTVPASIAPMIEAVLGLDTRPVARRRFRMQRRAEGGFEARSQA
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【0116】
本願全体を通じて使用される「ポリペプチド」という用語は、天然に存在するか合成起源であるかを問わず、一続きのサブユニットアミノ酸を指す最も広い意味で使用される。本発明のポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸(in vivoでL-アミノ酸特異的プロテアーゼに対する耐性を示す)、またはD-アミノ酸とL-アミノ酸の組合せを含み得る。本明細書に記載されるポリペプチドは、化学的に合成しても組換えにより発現させてもよい。ポリペプチドをPEG化、HES化、PAS化、またはグリコシル化などによって他の化合物に連結して、in vivoでの半減期の増大を促進してもよい。このような結合は、当業者によって理解されるように、共有結合であっても非共有結合であってもよい。ポリペプチドを、特に限定されないが精製または検出に使用できる任意のリンカー(FLAGタグまたはHisタグなど)を含む、他の任意の適切なリンカーに連結してもよい。
【0117】
別の態様では、本発明は、本発明の任意の態様または実施形態のポリペプチドをコードする単離核酸を提供する。単離核酸配列はRNAまたはDNAを含み得る。本明細書で使用される「単離核酸」は、ゲノム中またはcDNA配列中のその通常の周辺核酸配列から取り出されたものである。このような単離核酸配列は、コードされるタンパク質の発現および/または精製を促進するのに有用な追加の配列、特に限定されないが、polyA配列、改変Kozak配列、ならびにエピトープタグ、排出シグナル、および分泌シグナル、核局在化シグナル、および細胞膜局在化シグナルをコードする配列を含む配列を含み得る。当業者には、本明細書の教示に基づき、いかなる核酸配列が本発明のポリペプチドをコードするのか明らかであろう。
【0118】
さらなる態様では、本発明は、適切な制御配列に作動可能に連結された本発明の任意の実施形態の単離核酸を含む、核酸発現ベクターを提供する。「組換え発現ベクター」は、遺伝子産物の発現を生じさせることができる任意の制御配列に核酸コード領域または遺伝子を作動可能に連結するベクターを含む。本発明の核酸配列に作動可能に連結される「制御配列」は、核酸分子の発現を生じさせることが可能な核酸配列である。制御配列は、核酸配列の発現を指令するよう機能する限り、その核酸配列と隣接している必要はない。したがって、例えば、翻訳はされないが転写される介在配列がプロモーター配列と核酸配列との間に存在してもよく、そのプロモーター配列は依然として、コード配列に「作動可能に連結される」と見なされ得る。他のこのような制御配列としては、特に限定されないが、ポリアデニル化シグナル、終止シグナル、およびリボソーム結合部位が挙げられる。このような発現ベクターは、特に限定されないが、プラスミド系およびウイルス系の発現ベクターを含む、当該技術分野で公知の任意の種類のものであり得る。哺乳動物系で本開示の核酸配列の発現を駆動するのに使用される制御配列は、構成的(特に限定されないが、CMV、SV40、RSV、アクチン、EFを含む、様々なプロモーターによって駆動される)であっても誘導的(特に限定されないが、テトラサイクリン応答性、エクジソン応答性、ステロイド応答性のプロモーターを含む、多数の誘導プロモーターのいずれかによって駆動される)であってもよい。原核細胞の遺伝子導入に使用するための発現ベクターの構築も当該技術分野で周知であり、したがって、標準的技術によって実施できる(例えば、Sambrook,FritschおよびManiatis,in:Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989;Gene Transfer and Expression Protocols,pp.109-128,E.J.Murray編(The Humana Press社、クフィルトン、ニュージャージー州)およびAmbion 1998 Catalog(Ambion社、オースティン、テキサス州)を参照されたい)。発現ベクターは、エピソームとしてまたは宿主染色体DNA内への組込みによってのいずれかで、宿主生物中で複製可能でなければならない。好ましい実施形態では、発現ベクターはプラスミドを含む。ただし、本発明は、同等の機能を果たす他の発現ベクター、例えばウイルスベクターなどを含むと意図される。
【0119】
別の態様では、本発明は、本発明の核酸発現ベクターを含む組換え宿主細胞を提供する。宿主細胞は、原核細胞または真核細胞のいずれかであってよい。細胞は、一過的にまたは安定して遺伝子導入または形質導入され得る。原核細胞および真核細胞中への発現ベクターのこのような遺伝子導入および形質導入は、特に限定されないが、標準的な細菌の形質転換、リン酸カルシウム共沈殿法、電気穿孔法、またはリポソーム、DEAEデキストラン、ポリカチオン、もしくはウイルスを介する遺伝子導入を含む、当該技術分野で公知の任意の技術によって実施できる(例えば、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Sambrookら,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press;Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Technique,第2版(R.I.Freshney.1987.Liss社、ニューヨーク、ニューヨーク州を参照されたい)。本発明によるポリペプチドを作製する方法は、本発明の追加的な部分である。この方法は、(a)ポリペプチドの発現を促進する環境下で本発明のこの態様による宿主を培養する段階と、(b)任意選択で、発現されたポリペプチドを回収する段階とを含む。発現されたポリペプチドは、無細胞抽出物、細胞ペレットから回収されるか、培地から回収される。組換えにより発現させたポリペプチドを精製する方法は、当業者に周知である。
【0120】
さらなる態様では、本発明は、本発明の任意の態様または実施形態のポリペプチド、核酸、核酸発現ベクター、および/または組換え宿主細胞と、薬学的に許容される担体とを含む、医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物は、例えば、のちに記載する本発明の方法において使用できる。医薬組成物は、本発明のポリペプチド、核酸などに加えて、(a)リオプロテクタント;(b)界面活性剤;(c)増量剤;(d)浸透圧調整剤;(e)安定剤;(f)保存剤および/または(g)緩衝剤を含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の緩衝剤は、トリス緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤または酢酸緩衝剤である。医薬組成物はまた、リオプロテクタント、例えばスクロース、ソルビトールまたはトレハロースを含み得る。ある特定の実施形態では、医薬組成物は保存剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m-クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o-クレゾール、p-クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサール、安息香酸、およびその様々な混合物を含む。他の実施形態では、医薬組成物はグリシンなどの増量剤を含む。また別の実施形態では、医薬組成物は界面活性剤、例えば、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-65、ポリソルベート-80、ポリソルベート-85、ポロキサマー-188、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ソルビタントリオレアステ(sorbitan trioleaste)、またはその組合せを含む。医薬組成物はまた、浸透圧調整剤、例えば、製剤をヒト血液と実質的に等張または等浸透圧にする化合物を含み得る。例示的な浸透圧調整剤としては、スクロース、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニン、およびアルギニン塩酸塩が挙げられる。他の実施形態では、医薬組成物は安定剤、例えば、目的タンパク質と組み合わせたときに凍結乾燥形態または液体形態の目的タンパク質の化学的および/または物理的不安定性を実質的に防止または軽減する分子をさらに含む。例示的な安定剤としては、スクロース、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニン、およびアルギニン塩酸塩が挙げられる。
【0122】
本発明のポリペプチド、核酸などは、医薬組成物中の唯一の活性薬剤であってよく、あるいは組成物は、意図する用途に適した1つまたは複数の他の活性薬剤をさらに含んでもよい。
【0123】
本明細書に記載される医薬組成物は一般に、本明細書に記載される化合物と、薬学的に許容される担体、希釈剤、または補形剤との組合せを含む。このような組成物は、薬学的に許容されない成分を実質的に含まない、すなわち、薬学的に許容されない成分の含有量が、本願出願時点で米国の規制要件により承認されている量よりも少ない。この態様のいくつかの実施形態では、化合物が水中に溶解または懸濁される場合、組成物は任意選択で、追加の薬学的に許容される担体、希釈剤、または補形剤をさらに含む。他の実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は固体医薬組成物(例えば、錠剤、カプセル剤など)である。
【0124】
本明細書に記載される組成物は、米国規制当局によって記載されるような栄養補助食品として提供することも可能である。
【0125】
上記の組成物は、製薬分野で周知の方法で調製でき、かつ任意の適切な経路によって投与できる。好ましい実施形態では、医薬組成物および製剤は経口投与用に設計される。従来の医薬担体、水性基剤、粉末基剤または油性基剤、増粘剤などが必要な場合や望ましい場合もある。
【0126】
医薬組成物は、特に限定されないが、錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤(固体としてまたは液体溶媒中の)、例えば最大10重量%の活性化合物のを含有する軟膏剤、軟ゼラチンカプセル剤、硬ゼラチンカプセル剤、無菌注射用液剤、および無菌包装散剤を含む任意の適切な形態であり得る。
【0127】
別の態様では、本発明は、セリアックスプルーまたは非セリアックグルテン過敏症(NCGS)を治療するための方法であって、セリアックスプルーもしくはNCGSを有する個体にセリアックスプルーもしくはNCGSの治療に有効な量の本発明のポリペプチドからなる群より選択される1つもしくは複数のポリペプチドを投与すること、またはセリアックスプルーもしくはNCGSを有する個体が摂取する加工食品に上記のポリペプチドのうちの1つもしくは複数を使用することを含む、方法を提供する。
【0128】
本発明者らは、本発明のポリペプチドが、「グリアジン」として知られほとんどのセリアックスプルー患者の免疫応答の大部分を担うと考えられている、グルテンのプロリン(P)とグルタミン(Q)に富む構成成分を分解できることを発見した。本発明のポリペプチドは、pH4でPQLP(配列番号65)モチーフまたはPQQP(配列番号66)モチーフ(グリアジンを表す基質である、PFPQPQLPY(配列番号67)および/またはPFPQPQQPF(配列番号68)など)を有するペプチドの分解において、Kuma011およびセリアックスプルーを治療するために有用であると開示される他のポリペプチド(国際公開第2015/023728号)と比較して優れた活性を示す。したがって、本発明のポリペプチドは、セリアックスプルーおよびNCGSを治療するための大幅に改善された治療薬の構成要素となる。
【0129】
セリアックスプルー(セリアック病またはグルテン不耐症としても知られる)は有病率が極めて高い疾患のひとつであり、コムギ、オオムギ、およびライムギの製品に含まれる「グルテン」として知られる食品タンパク質が、遺伝的素因のある人の小腸で免疫応答を引き起こすものである。生じた炎症によって小腸の絨毛が変性し、栄養吸収が阻害されることがある。幼児期または晩年を問わず症状が現れ、その重症度は下痢から、疲労、体重減少、腹痛、鼓腸、ガス過剰、消化不良、便秘、腹部膨満、嘔気/嘔吐、貧血、易内出血、うつ、不安、小児の成長遅延、脱毛、皮膚炎、無月経、口腔内潰瘍、筋痙攣、関節痛、鼻出血、発作、手足の刺痛または痺れ、思春期遅延、歯のエナメル質異常、および運動失調または異常知覚などの神経症状まで広範囲にわたる。この生涯にわたる疾患には現時点で、食事からグルテンを完全に排除すること以外に効果的な治療法はない。セリアックスプルーは依然として過小診断されることが多いものの、米国およびヨーロッパでのその有病率は人口の0.5~1.0%であると推定される。セリアックスプルーに加えて、非セリアックグルテン過敏症(NCGS)の病態に罹患している者も相当な割合にのぼると考えられており、この病態はグルテンの経口摂取に起因するが、セリアック病とは機構的に異なっており、しかしながらその症状はセリアックスプルーのものと区別できないことが多い。
【0130】
本明細書で使用される「セリアックスプルーまたはNCGSの治療」は、(a)セリアックスプルーまたはNCGSの重症度を軽減すること;(b)セリアックスプルーまたはNCGSに特徴的な症状の発現を抑制するまたは予防すること;(c)セリアックスプルーまたはNCGSに特徴的な症状の悪化を抑制すること;(d)以前にセリアックスプルーまたはNCGSに罹患したことのある患者において同障害の再発を抑制するまたは予防すること;(e)以前にセリアックスプルーまたはNCGSの症状が認められた患者において症状の再発を抑制するまたは予防する;および(f)セリアックスプルーまたはNCGSの発現リスクがあるか、未だセリアックスプルーまたはNCGSの臨床的影響がみられない対象においてセリアックスプルーまたはNCGSの発症を抑制する、のうちの1つまたは複数を達成することを意味する。
【0131】
本発明の方法により治療される個体は、ヒト対象を含む、セリアックスプルーまたはNCGSに罹患している任意の個体であり得る。個体は、既に症状が認められる個体であっても、無症状の個体であってもよい。
【0132】
本明細書で使用される「有効な量」は、セリアックスプルーを治療するために有効なポリペプチドの量を指す。ポリペプチドは通常、上に開示したような医薬組成物などの医薬組成物として製剤化され、かつ従来の薬学的に許容される担体、補助剤、および賦形剤を含有する投与単位製剤の形で、経口経路、非経口経路、吸入スプレーによる経路、または局所経路を含む任意の適切な経路で投与され得る。好ましい実施形態では、医薬組成物および製剤は錠剤、丸剤、トローチ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、またはシロップ剤などにより、経口投与される。
【0133】
最適な所望の効果(例えば、治療効果または予防効果)が得られるよう投与レジメンを調整することができる。適切な用量範囲は、例えば0.1ug/kg体重~100mg/kg体重であり得;あるいは、0.5ug/kg体重~50mg/kg体重;1ug/kg体重~25mg/kg体重、または5ug/kg体重~10mg/kg体重であり得る。ポリペプチドを単回ボーラスの形で送達してもよく、あるいは主治医の判断により2回以上(例えば、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上)投与してもよい。
【実施例】
【0134】
実施例1
グリアジンはプロリン(P)およびグルタミン(Q)に極めて富み、そのためヒト消化酵素による分解に対して抵抗性を示す。グリアジンの部分的消化によって生じるPQリッチペプチドフラグメントは腸管腔内で脱アミド化され、それによりHLA-DQ2またはHLA-DQ8への結合が可能になり、CDを有する者においてTh1炎症性応答を刺激する3。胃内条件で安定性および機能性を示す、グリアジンエンドペプチダーゼKUMAMAX(商標)(以降、Kuma011と称するか、C末端ヒスチジンタグを含むKuma011:GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139)に言及する場合はKuma010と称する)がこれまでに操作されて、PQジペプチドモチーフを含むペプチドに分解された4。本発明者らは、Kuma010の結晶構造(PDB ID 4NE7)に基づき、Kuma010の活性部位を再設計し、免疫原性グリアジンペプチドに対する活性を増大させる変異を選択した。次いで、設計した変異体を、免疫原性の高い33量体(LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号69))および26量体(FLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号70))のグリアジンペプチドに対する活性の増大についてスクリーニングした6,7。これらのペプチドは、大部分のセリアック患者に対して毒性であることが示された全てのグリアジンT細胞エピトープの代表である、PQLまたはPQQトリペプチドモチーフのいずれかを有する8。このようにして、バリアントKuma030を作製した。Kuma030は、PQQを含むペプチドに対してKuma010より44倍高い活性、およびPQLを含むペプチドに対してKuma010より11倍高い活性をもつ。
【0135】
分子モデリングに基づけば、Kuma010の推定S1’ペプチド結合面は全体的に疎水性残基で構成されており、したがって、P1’にはグルタミンなどの極性残基ではなくロイシンなどの疎水性残基が好ましいはずである。Kuma030のS1’結合ポケットにはイソロイシンからトレオニンへの変異(I463T)が導入されており、これがP1’グルタミンとの水素結合をもたらし、この酵素がS1’サブサイトにロイシンおよびグルタミンの両方を適合でき、それによりPQLおよびPQQトリペプチドの両方を標的とすることができるようにすると予測される。Kuma030はまた、26量体ペプチドおよび33量体ペプチドに対する触媒効率を増大させる6つの追加の変異(K262E、E269T、S354Q、G358S、D399Q、A449Q)を組み込んでいる。G358Sは、P1グルタミン残基と水素結合すると予測される、Kuma010に導入された設計ヒスチジンを含むループを安定化すると予測される。残りの変異は、モデル化されるようにタンパク質構造を安定化すると予測される。
【0136】
多数のPQリッチエピトープがCDと関係づけられているが、グリアジン(コムギ)、ホルデイン(オオムギ)、およびセカリン(ライムギ)に由来する数種類のペプチドはCDにおける免疫応答の大部分の原因であることが明らかにされており、このため免疫優性として分類されている
8。コムギでは、ペプチドW02-E07(LQPFPQPQLPYPQPQ(配列番号133))、W03-E07(QPFPQPQQPFPWQP(配列番号134))、およびW02-E07配列を含む33量体ペプチドがこれらに含まれる
6,9。これらのペプチドは、免疫原性が高いことが明らかにされている数種類のエピトープを有する
9~11。グルテン全体にわたってこれらのエピトープを破壊するKuma030の能力を評価するため、精製した全グルテンを、胃内を模した条件(37℃でpH4.0、ペプシン0.6mg/mLを含む)でKuma030とインキュベートした
12。分解後に残存するグルテンの画分を、上記のペプチド中の全ての免疫優性エピトープを包含するアミノ酸モチーフQQPFP(配列番号135)およびQPQLPY(配列番号136)をそれぞれ認識するR5抗体またはG12抗体のいずれかをベースとするELISAアッセイを用いて、定量した
13,14。Kuma030の活性を公開されているグルテナーゼの活性と比較するため、CDの組合せ酵素治療薬として1:1の比で現在開発中である、グルテナーゼEPB2およびSCPEPも検討した
15。この研究で作製された酵素EPB2およびSCPEPは、公開されている数値の活性と一致する活性があることが確認された
16,17。グルテンとのインキュベーションで、Kuma030、Kuma010、またはEPB2とSCPEPの1:1の組合せのいずれかを用いてQQPFP(配列番号135)量またはQPQLPY(配列番号136)量の用量依存的な減少が観察された(
図1A)。1:25(w:w)比の酵素:グルテンで、EPB2およびSCPEPは、この酵素の組合せに関して既に公開されている報告と同じように、存在するグルテンの84.8%を分解した
18,19。Kuma030は、グルテン全体の上記のペプチドエピトープを除去する効果が極めて高く、用いた2つの方法で定量したところ、1:400(w:w)比の酵素:グルテンで存在するグルテンを60分で99.5%超減少させるのに十分であった(
図1A)。Kuma030依存的な免疫原性グルテン量の減少は急速であり、1:25のw:w比で5分までに98%超の分解が達成された(
図1B)。Kuma030切断産物の質量分光測定は、Kuma030がコムギ由来の免疫優性エピトープ(33量体、W02-E07およびW03-E07)、ならびにまたオオムギ由来エピトープB08-E2E7(PQQPIPQQPQPYPQQ(配列番号61))およびライムギ由来エピトープR11-E2E7(QPFPQQPEQIIPQQP)
9(配列番号62)中のPQジペプチドモチーフの後ろの各ペプチドを切断することを明らかにした(
図1C)。これらのインタクトのペプチドは免疫刺激性が高いが、Kuma030の作用によって、免疫応答を誘発すると考えられる9量体コアエピトープが除去されることから、ペプチド分解産物が免疫系を刺激するとは予測されない
20。PQLまたはPQQのトリペプチドモチーフのいずれかを含む上記のペプチドを分解するKuma030の能力、およびG12抗体およびR5抗体の両方によって測定されるようなグリアジン量を減少させるKuma030の能力は、Kuma030がS1’結合ポケットにロイシンまたはグルタミンのいずれかを有するペプチドを結合し分解できるという仮説と一致する。
【0137】
免疫原性グリアジンエピトープを効率的に分解するKuma030の能力は、Kuma030とのグリアジンのインキュベーションが、T細胞性免疫応答を刺激するグリアジンの能力を低下させるかもしれないことを示唆する。セリアック患者の腸生検試料由来の細胞を用いるT細胞アッセイは、この評価の代表的な基準である。Kuma030とのインキュベーションがグリアジンの免疫刺激能を低下または消失させるという仮説を直接評価するため、Kuma030処理したグリアジンに細胞を曝露し生じたT細胞反応を評価する、T細胞アッセイを実施した。この試験で使用した高グリアジン反応性の腸CD4
+T細胞系は、腸粘膜から以前に作製され、様々なグリアジンファミリーにわたり多様なエピトープに反応することが示されている
21。Kuma030およびペプシンを、実験的に模した胃内条件で60分間、精製コムギグリアジンとインキュベートした。腸区画内への移行を模倣するため、試料のpHレベルを次いで上昇させ、試料をキモトリプシンで処理し、TG2で脱アミド化して免疫原性エピトープを露出させた。得られたグリアジン試料をT細胞系に提示し、IFN-γ産生(
図2A~2E)およびT細胞増殖(
図3A~3D)を測定することによって刺激を評価した。ペプシン処理したグリアジンにT細胞系を曝露するとIFN-γの産生が刺激され、グリアジンをペプシンとKuma030で同時に処理するとこの応答は減少し、より高い濃度で消失した。IFN-γ産生で観察された減少は、Kuma030の毒性に起因するものではなかった。重要なことに、Kuma030はT細胞のエピトープ特異性に関係なく試験したいずれのT細胞系においてもグリアジンに対するT細胞応答を消失させ、Kuma030がこのアッセイに使用されたT細胞系によって認識されるあらゆるエピトープに対して効果的であることを示唆する。これらのエピトープは3つの主要なグリアジンファミリー、すなわち、αグリアジン、ωグリアジン、およびγグリアジンにわたって存在するため、これはKuma030がグリアジンの全ての関連領域内の免疫原性エピトープを分解できることを示唆する。
【0138】
上の実験は、精製された全グルテンまたはグリアジンにおいて免疫原性グリアジンエピトープを分解するKuma030の能力を示す。しかし、実用性を評価するためには、生理学的に関連する食品および飲料の基質でのKuma030の有効性を評価することが重要である。胃での消化の状況におけるKuma030の活性を評価するため、酸性化したパンのスラリー中およびコムギビール中でグルテンを分解するKuma030の能力を試験した。全粒コムギパンを人工唾液中ですりつぶして、パン1枚を摂取した後の胃中の典型的なパンの濃度で咀嚼を模倣した。次いで、HClおよびペプシンの添加によって混合物を酸性化し、種々の濃度でグルテナーゼを加えた。次いで、グルテンの残存量を、幽門開口部を通って十二指腸内に摂取物を放出し始めるまでの胃中の食物の平均遅滞時間を表す、30分間の消化の後で定量した
22。試験した最も高濃度(1000μg/mL)のグルテナーゼで、EPB2およびSCPEPでの処理によって84.4%のグルテンが分解された(
図4A)。これは、EPB2およびSCPEPが30分のインキュベーション時間後にヒト胃中で、1:10の酵素:グルテンの比で被験食中のグルテンの70~79%を除去することを示す公開済みの第1相試験の結果と同等である
23。濃度62.5μg/mL(比1:160(w:w))で、Kuma030はパン中のグルテンレベルを20ppm(「無グルテン」表示に関するFDAの閾値)未満に低下させた。最後に、コムギビールが比較的高いグルテンレベルを示すことから、Kuma030のグルテン分解能をコムギビール中で直接試験した
24。ビールを、2種類の酵素濃度で37℃または4℃にてKuma030とインキュベートした。試料を種々の時点で採取し、残存グルテンの濃度を定量した。約764ppmのグルテン濃度を示すビールを、Kuma030とインキュベートしたところ、わずか5分までにグルテンレベルが20ppm未満に低下した(
図4B)。液体が胃から出る時間は固体よりも相当早いため、このような即効性は特に重要である
25。驚くべきことに、4℃でさえKuma030はコムギビールのグルテン量を大幅に減少し、700μg/mLでのKuma030とのインキュベーションは、グルテンレベルを5分までに20ppm未満に低下させた。
【0139】
現時点で、セリアック病の治療法は生涯にわたる厳格な無グルテン食のみである。免疫応答を刺激するPQリッチ免疫原性グリアジンエピトープが同定されて以来、経口酵素療法はCD治療の魅力的な選択肢であると考えられてきた3。グリアジンに対する炎症性免疫応答は腸内に入った直後に起こることから、CDの経口酵素療法の有用な特徴は、胃内条件で免疫原性ペプチドを分解する能力である26。CD患者でのグルテン抗原刺激試験は、腸の損傷を予防するために摂取するグルテン量が10mg以下に維持されなければならないことを示した27,28。実際に、グルテンが20ppm未満であるという基準を厳格に順守することにより1日の摂取量が10mg以下になると予測されることから、FDAは現時点で、「無グルテン」と表示される食品はグルテンが20ppm未満でなければならないことを義務付けている。したがって、偶然に摂取された1gのグルテン(クルトン1個中に存在するおよそのグルテン量)は、腸の損傷およびグルテン曝露により生じ得る症状を予防するために、胃区画内で99%以上減らされなければならない。このため、胃内条件で免疫原性グリアジンエピトープを短時間で破壊できるグルテナーゼが必要とされていることは明白である。4gのグルテンを摂取を表すパンスラリーのモデルでは、Kuma030が1:160のw:w比で99.8%超のグリアジンを30分で分解することがわかった。さらに、Kuma030は、グルテンの免疫原性領域全体にわたってよくみられるPQジペプチドモチーフを有するペプチドを特異的に破壊する。実際に、Kuma030は、試験した全ての免疫優性ペプチドを分解でき、Kuma030で処理したグリアジンは、試験した全てのT細胞系によるIFN-γ産生を刺激できず、このことは、CD患者は様々な免疫原性エピトープに対する無数の応答を示すため、重要である。
【0140】
実施例1の参考文献
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【0141】
実施例2
次いで、コンピュータ設計による酵素を作製し、それらの免疫原性グリアジンペプチド分解能を試験した。次いで、関連ペプチドを標的とする酵素の能力を向上させることが示された変異を組み合わせ反復処理で試験して、活性をさらに高めた。ごく最近では、Lアミノ酸またはQアミノ酸のいずれかを好むS1’結合ポケットへと設計が及んでいる。このような技術的作業により、実質的にあらゆる免疫原性グリアジンペプチドのコアエピトープ内に位置するPQLまたはPQQトリペプチドを含むペプチドに対する活性が大幅に増大した。
【0142】
複数のKuma010バリアントを用いた。具体的な変異の差、および活性に対するそれらの相対的効果を下の表6に列挙する。
【0143】
【表5】
a上記の変異を作製する際のバックグランドとしての役割を果たした特定のKuma010バリアント。
b全長Kuma010酵素に対する変異位置を記載する。
c各バリアントの活性の向上は、そのバリアントの作製に使用した鋳型酵素である「バックグラウンド」酵素の活性に対する活性の増加倍数として算出した。活性は、以下の基質:蛍光標識PQPQLP(配列番号156)基質、33量体5ペプチド(PQLを含む)もしくは26量体ペプチド6(PQQを含む)、またはDQ2.5-グリア-α1a(PQLを含む)もしくはDQ2.5-グリア-ω1(PQQ)7の1つまたは複数に対し測定した。何百種類ものKuma010バリアントが精巣であったため、各変異体の速度定数を求めるのは実行不可能であると考えられ、したがって、ここに示される向上倍数は確定された数値ではなく推定値であることに留意することが重要である。ここに示す向上倍数は、LC-MSにより分解アッセイで検出されたペプチド分解産物の量から算出される。
dND:求めなかった。Hisタグ喪失時に酵素活性の低下が起こらないことを確認するため、個々のペプチド分解を評価する代わりに、リードKuma060、Kuma061、およびKuma062;ならびにKuma070、Kuma071、およびKuma072の活性を、パンまたは食事の分解アッセイで互いに直接比較した。のちに記載するように、PQLおよびPQQ含有ペプチドを分解するKuma070の能力をKuma040と比較した。
【0144】
Kuma020、Kuma021、およびKuma030
PQLまたはPQQトリペプチドを含む基質に対する活性を向上させるべく、Kuma010の活性部位の設計作業をさらに進めた。技術的作業により、変異G358SおよびI463Tが活性増大に非常に寄与することがわかった。G358S変異は、Kuma010のこの部位で行ったこれまでの変異を改良したものであった。I463T変異は、PQLトリペプチドモチーフを標的とする場合にP1’結合ポケットに生じる立体障害を打ち消し、PQQが基質であった場合に新たな予測水素結合を導入した4。これらの2つの変異を有するKuma010バリアントは元のKuma010に対し大幅な向上を示し、Kuma020と命名された。
【0145】
このKuma020酵素に対してさらなる変異を行った。D399QおよびA449Qは、活性部位の外部に位置する変異であったため、基質への結合に影響を及ぼすとは予測されない。その代わりに、これらの2つの変異は、新たな予測分子内水素結合を生じ、したがって酵素を安定化すると予測された。得られたバリアントKuma021は、活性のさらなる増大を示した。
【0146】
Kuma021からのKuma030の作製には、3つの他の改良が寄与した。Kuma030は上で詳細に記載されている。
【0147】
Kuma040およびKuma050
上記の変異に代えて、Kuma010バックグラウンドの異なるセットの変異であるS319AおよびH368Fは、Kuma030にみられるものとは異なる活性部位の構造をもたらした。これらの変異は、D399Q、A449Q、およびI463T(これらの変異もKuma030の活性を増大させた)とともにKuma040バリアントを構成する。Kuma041、Kuma042、Kuma070、Kuma071、およびKuma072はKuma040に似た活性部位を有し、一方でKuma031、Kuma032、Kuma060、Kuma061、およびKuma062はKuma030に似た活性部位を有する。
【0148】
Kuma050は、Kuma021バックグラウンドに構築されたKuma010バリアントであり、Kuma040よりもKuma030との共通点が多い活性部位構造を有する。しかし、Kuma050にはI463T変異がなく、代わりにL270V変異を有し、この変異はPQL含有ペプチドに対するKuma050の活性を増大させると予測されるが、グルタミンのP1’結合ポケットへの接近を妨害することによりPQQ含有基質に対する活性を低下させると予測される。したがって、Kuma050は、PQL含有基質に対して高レベルの活性を特異的に示すが、PQQ含有基質に対してはそうではない。いくつかの研究が、PQLモチーフを複数含みPQQモチーフを含まないαグリアジン由来の免疫優性33量体ペプチドは一部の患者において疾患の大部分の原因となるペプチドであり得ることを示したことから、Kuma050の特異性プロファイルは望ましいものであった。
【0149】
それぞれPQLおよびPQQ含有ペプチドを代表する、高免疫原性のαグリアジンの33量体ペプチド(LQLQPFPQPQLPYPQPQLPYPQPQLPYPQPQPF(配列番号69))およびγグリアジンの26量体ペプチド(FLQPQQPFPQQPQQPYPQQPQQPFPQ(配列番号70))に対する、Kuma010、Kuma020、Kuma030、Kuma040、およびKuma050の活性を下に示す。経時的な分解産物の出現(33量体ペプチドについてはLPYPQPQPF(配列番号137);26量体ペプチドについてはFLQPQ(配列番号138))を、
図5A~5Bに示す。
【0150】
いずれの場合も、Kuma030が有力な被験酵素であったが、Kuma040は、特に26量体ペプチドに対してKuma030とほぼ同じ強さの活性を示した。予想通り、Kuma050は33量体ペプチドに対して優れた活性を示したが、26量体ペプチドに対して極めて低い活性を示した。Kuma030およびKuma040と比較して、Kuma020は両ペプチドに対し中程度の量の活性を示し、上記のようにそれが設計中間体であることと一致していた。全てのバリアントは、元のKuma010酵素よりも著明な向上を示す。
【0151】
Kuma060およびKuma070
追加の設計した変異は、変異G320Mであった。この変異は、活性を大幅に向上させると予測されなかったため、特に有望であるとは思われず、実際に、この残基は、活性部位中にあるものの、グリアジン基質と直接接触するようにはみえない。しかし、この位置での変異は、両基質に対する活性を2~4倍向上させた。これは、メチオニンの組込みによって起きたKuma010主鎖でのわずかな変化によるものかもしれず、それが触媒作用に一層有利な確証になった可能性がある。G320M変異をKuma030バックグラウンドおよびKuma040バックグラウンドに組み込んで、それぞれ酵素Kuma060およびKuma070を作製した。
【0152】
図6A~6Bは、Kuma040バックグラウンドのG320M変異に起因する、免疫原性エピトープDQ2.5-グリア-α1a(PQLを含む)、およびDQ2.5-グリア-ω1(PQQを含む)の両方の分解における活性の向上を示す。
【0153】
KumaXX1シリーズおよびKumaXX2シリーズ
Kuma021を除き、KumaXX1(例えば、Kuma031)と表示されるKuma010バリアントは、C末端TEVプロテアーゼ切断部位および6×Hisタグ(GSTENLYFQSGALEHHHHHH(配列番号139))を遺伝的に削除したKumaXX0バリアント(例えば、Kuma030)に対応している。このタグは本来、Kuma010バリアントをハイスループットで容易に精製するためにクマモリシン-As酵素に付加されたものであるが、6×Hisタグが生物学的製剤に好ましいものではないため、特定のKuma010リードバリアントでは除去された。全般的には、このタグの除去は酵素の活性に影響しなかったが、Hisタグの除去は、全粒コムギパンの胃内消化でグリアジンを分解するKuma070酵素(Kuma060酵素ではなく)の能力をわずかに低下させたように思われた。
【0154】
KumaXX2(例えば、Kuma032)と表示されるKuma010バリアントもHisタグを欠き、追加の変異、すなわちP171RおよびH172Rを含む。これらの変異は酵素の活性に影響しないが、精製工程を簡略化するために組み込まれた。これらの変異をKuma010のN末端領域のプロペプチドドメイン内に導入した。これらの変異はプロペプチドドメイン内に存在するため、成熟した活性酵素中には存在しない。これらの2つの変異は、低pHに曝露されて切断されるまで、酵素の活性部位に存在するタンパク質のN末端領域内に収まっている。この領域は触媒残基に近接しているため、これが、標準的な精製工程中のKuma010酵素の精製の際に最初の切断事象が起こる領域であると仮定される。部分的に切断された酵素のN末端は、酵素が酸に曝露されるまで成熟酵素と強く結合した状態を維持する。タンパク質精製中のこの最初の自己プロセシングは活性に悪影響を及ぼさないが、それは、Kuma010酵素に精通していない者によるSDS-PAGE分析の解釈を複雑にする可能性がある。このため、精製酵素のSDS-PAGEプロファイルを簡略化するために、P171R変異およびH172R変異を組み込んで、タンパク質精製工程中に起こる最初のN末端切断の量を低減した。
【0155】
KumaXX1バリアントおよびKumaXX2バリアントはHisタグを欠くため、それらはNiアフィニティークロマトグラフィーにより精製されない。代わりに、これらを陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製する。以下のグラフは、バリアントKuma030、Kuma031、Kuma032、Kuma040、Kuma041、およびKuma042の免疫原性グリアジンペプチドDQ2.5-グリア-α1aに対する活性を示す。この場合、比較のため、全てのタンパク質を(インタクトの6×ヒスチジンタグを有するKuma030およびKuma040も)陰イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。
図7に示されるように、Kuma032およびKuma042はKuma030およびKuma040と同程度の活性を示す(Kuma042はKuma040と比較して、この基質に対する活性のわずかな増大さえ示す)ことから、P171R変異およびH172R変異は活性に悪影響を及ぼさないと思われる。
【0156】
Kuma010バリアントのKuma062は、高い活性量を示しHisタグを欠く。Kuma062とKuma030およびKuma040との比較を、
図8A~8B(左、全長DQ2.5-グリア-ω1の検出;右、分解産物の検出)に示す。
【0157】
酵素反応速度
Kuma010、Kuma030、Kuma040、およびKuma050について生化学的パラメータを推定した。これらは免疫原性グリアジンエピトープDQ2.5-グリア-α1aおよびDQ2.5-グリア-ω1を用いて推定した。100mM NaOAc、pH4.0の緩衝液中で酵素100nMを用いて37℃にて分解アッセイを実施した。基質濃度の関数として分解反応の初速度を下の表に示す。ミカエリス・メンテン式を用いてこれよりkcatおよびKMを算出した。
【0158】
全被験酵素の生化学的パラメータを下の表7に示す。
【0159】
【0160】
Kuma030およびKuma040に行った変異は上記のペプチドに対する活性を大幅に増大し、このことは、セリアック病に関係するペプチドの解毒における上記の酵素の使用に有望である。予測された通り、Kuma050に行った変異はDQ2.5-グリア-α1aペプチドに対する活性を増大したが、DQ2.5-グリア-ω1ペプチドに対する活性を増大しなかった。
【0161】
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【配列表】