(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】発電ユニット
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240202BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240202BHJP
H02B 3/00 20060101ALN20240202BHJP
【FI】
H02J13/00 311S
H02J3/38 180
H02J3/38 110
H02B3/00 Z
(21)【出願番号】P 2022092526
(22)【出願日】2022-06-07
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】506074082
【氏名又は名称】ネクセリア東日本株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】511033003
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ東日本エリアサポート
(73)【特許権者】
【識別番号】504073551
【氏名又は名称】三友工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高澤 大
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 俊介
(72)【発明者】
【氏名】上田 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】中山 智洋
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-228727(JP,A)
【文献】特開2014-007868(JP,A)
【文献】特開2014-007930(JP,A)
【文献】特開2020-065401(JP,A)
【文献】特開昭64-081632(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02B 1/00-1/38
H02B 1/46-7/08
H02J 3/00-5/00
H02J 9/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、前記発電機で発電された電力を既設分電盤へ送電可能とする配電盤と、既設分電盤に接続された負荷を切り離し可能とする負荷制限装置と、を備える発電ユニットであって、
前記発電機および配電盤が、共通台床に載置され、
前記発電機および配電盤の点検時において、前記発電機からの電源供給回路を切替える切替手段を備え
、
前記発電機の状態を遠隔監視装置に出力する出力手段を備え、
停電発生時において、停電信号を前記遠隔監視装置に発信する停電情報送信手段を備える、
ことを特徴とする発電ユニット。
【請求項2】
前記発電機で発生した電力の使用量を検出する検出手段を備える、
ことを特徴とする請求項
1に記載の発電ユニット。
【請求項3】
前記負荷制限装置は、前記停電情報送信手段から停電情報が送信された場合、既設分電盤の負荷を切り離す、
ことを特徴とする請求項
1に記載の発電ユニット。
【請求項4】
前記負荷制限装置は、前記停電情報送信手段から停電情報が送信されなかった場合で、かつ、既設の分電盤の所定の不足電圧を検出した場合、予め設定した時間経過後に負荷を切り離す、
ことを特徴とする請求項
1に記載の発電ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電ユニットに関し、例えば、非常時に防災拠点に設置する発電ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、防災拠点において非常用電源を設置する場合には、外部電源を当該防災拠点まで配送して設置し、防災拠点内の既存の配電盤に前記外部電源を接続して用いていた。また、従来、船舶用の非常用電源装置として、下部格納箱体内には、非常用発電機セット、非常用配電盤、始動用バッテリー、トランス(変圧器)、燃料タンクが、それぞれ三次元的に配置される構造を有し、当該非常電源装置自体を上部から搬入可能とし、船舶における非常用発電装置一式の据え付け工事を簡略化する技術が公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非常時において、外部電源を既存の配電盤に接続する際にヒューマンエラー等が発生する場合があった。また、今後、高速道路等の給油所(ガソリンスタンド)に非常電源を整備する場合、自家発電装置と、既存の受電設備との接続工事等を迅速に安全に実現することが望まれている。
【0005】
本発明の目的は、かかる課題に鑑み、自家発電装置と、既存の受電設備との接続工事等を迅速にするとともに、安全に非常用電力の供給を実現する発電ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては、発電機と、前記発電機で発電された電力を既設分電盤へ送電可能とする配電盤と、既設分電盤に接続された負荷を切り離し可能とする負荷制限装置と、を備える発電ユニットであって、
前記発電機および配電盤が、共通台床に載置され、
前記発電機および配電盤の点検時において、前記発電機からの電源供給回路を切替える切替手段を備え、
前記発電機の状態を遠隔監視装置に出力する出力手段を備え、
停電発生時において、停電信号を前記遠隔監視装置に発信する停電情報送信手段を備えるものである。
【0008】
また、本発明においては、前記発電機で発生した電力の使用量を検出する検出手段を備えることが望ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記負荷制限装置は、前記停電情報送信手段から停電情報が送信された場合、既設分電盤の負荷を切り離すことが望ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記負荷制限装置は、前記停電情報送信手段から停電情報が送信されなかった場合で、かつ、既設の分電盤の所定の不足電圧を検出した場合、予め設定した時間経過後に負荷を切り離すことが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、発電ユニットの配電盤および発電機が共通台床に載置されているため、既存の受電設備との接続を迅速に安全に実現することができる。また、制御盤が切替手段を有しているため、発電機のメンテナンスが簡易になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる発電ユニットを示す正面図。
【
図2】本発明の一実施形態にかかる発電ユニットを示す平面図。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる発電機を示す正面図。
【
図4】本発明の一実施形態にかかる発電機を示す背面図。
【
図5】本発明の一実施形態にかかる発電機を示す平面図。
【
図6】本発明の一実施形態にかかる発電機を示す左側面図。
【
図7】本発明の一実施形態にかかる発電機を示す右側面図。
【
図8】本発明の一実施形態にかかる制御盤にかかる正面図。
【
図9】本発明の一実施形態にかかる制御盤にかかる平面図。
【
図10】本発明の一実施形態にかかる制御盤にかかる右側面図。
【
図11】本発明の一実施形態にかかる燃料庫にかかる正面図。
【
図12】本発明の一実施形態にかかる燃料庫にかかる平面図。
【
図13】本発明の一実施形態にかかる燃料庫にかかる右側面図。
【
図14】本発明の一実施形態にかかる固定枠にかかる平面図。
【
図15】本発明の一実施形態にかかる共通台床にかかる正面図。
【
図16】本発明の一実施形態にかかる共通台床にかかる平面図。
【
図17】本発明の一実施形態にかかる制御盤および既設分電盤の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明に係る発電ユニット1の第一実施形態を示すものである。以下、本発明の一例としての実施の形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において、同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、
図1の左右方向を発電ユニットの左右方向として定義し、
図1の上下方向を発電ユニットの上下方向として説明する。
【0015】
まず本発明の一実施形態にかかる発電ユニットの一例について
図1から
図16を用いて説明する。
図1は発電ユニットの正面図、
図2は発電ユニットを示す平面図である。
【0016】
図1および
図2にかかる発電ユニット1は、非常時において、避難場所であるガソリンスタンドなどの施設に設置されて既設の分電盤50(
図17参照)につなげて使用される非常用電源である。発電ユニット1は、発電機2と発電機2で発電された電力を既設の分電盤50へ送電可能とする配電盤3と、を備える。また、施設に設置され、発電機2を駆動するための燃料を貯蔵する燃料庫4と、を備える。施設においては、施設側の系統電源51からの電力を分配するための既設の分電盤50がすでに設置されている。また、発電ユニット1は、既設の分電盤50に接続された負荷52・53(
図17参照)を切り離し可能とする負荷制限装置5、をさらに備える。
【0017】
図1から
図7に示すように、発電機2は、エンジン11によって駆動するタイプの発電機であり、内部に駆動源となるエンジン11を搭載する。また、発電機2は、施設の敷地内の屋外スペースに配置する装置であり、防水、防塵のために箱状のケース12内に格納されている。ケース12は、箱状に形成されており、本実施形態においては、直方体状のケース12の左右両側に、吸気フード13および排気フード14を備えた構造となっている。
ケース12は、主に、板金加工されたアルミ等の金属材を接合して固定することで形成される。ケース12は、その底面を形成する底板12aと、ケース12の側面を形成する両側板12bと、ケース12の後面を形成する後板12cと、ケース12の上面を形成する天板12dと、を備える。
また、前面には、二枚の扉15・15を備えている。二枚の扉15の一方(左側の扉15)には把手16が設けられている。
【0018】
また、左側面に取り付けられた吸気フード13は、下面が開口しており、吸気フード13の側面を形成する側板13aと、吸気フード13の前面を形成する前板13bと、吸気フード13の後面を形成する後板13cと、吸気フード13の上面を形成する天板13dと、を備える。天板13dは、ケース1の左側面から左側へ向かうにつれて下側へ傾斜する。
【0019】
また、右側面に取り付けられた排気フード14は、下面が開口しており、排気フード14の側面を形成する側板14aと、排気フード14の前面を形成する前板14bと、排気フード14の後面を形成する後板14cと、排気フード14の上面を形成する天板14dと、を備える。天板14dは、ケース12右側面から右側へ向かうにつれて下側へ傾斜する。
吸気フード13の左右方向の幅は排気フード14の左右方向の幅よりも短い。
【0020】
図1、
図2、
図8から
図10に示すように、配電盤3は、発電機2で発電した電力を施設側の系統電源51へとつながる母線55へと供給するための制御盤である。配電盤3は、施設の敷地内の屋外スペースに配置する装置であり、防水、防塵のために箱状のケース21内に格納されている。ケース21は、箱状に形成されており、本実施形態においては、直方体状に形成されている。
【0021】
ケース21は、主に、板金加工されたアルミ等の金属材を接合して固定することで形成される。ケース21は、その底面を形成する底板21aと、ケース21の側面を形成する両側板21bと、ケース21の後面を形成する後板21cと、ケース21の上面を形成する天板21dと、を備える。
また、前面には、一枚の扉22を備えている。扉22には防水加工が施された把手が設けられている。
【0022】
図1、
図2、
図11から
図13に示すように、燃料庫4は、発電機2を駆動するために必要なガソリン等の燃料油を貯蔵するための油庫であり、施設に直接設置される。燃料庫4は、主に、鉄骨などで構成された枠組と、板金加工されたアルミ等の金属材とを接合して固定することで形成される。燃料庫4は、その底面を形成する底板4aと、燃料庫4の側面を形成する両側板4bと、燃料庫4の前面を構成する前板4cと、燃料庫4の後面を形成する後板4dと、燃料庫4の上面を形成する天板4eと、を備える。また、天板4eには、前後方向にわたって設けられる三本の補強部材31が設けられている。燃料庫4の内部には、小出槽32が設けられており、小出槽32の上部から外部に通気するための通気管33が突出している。通気管33は燃料庫4の左側面から外部に向けて突出し、さらに上方で通気を行うように構成されている。
【0023】
また、前板4cおよび後板4dには、それぞれ扉37A・37Bが設けられている。扉37A・37Bにはそれぞれ把手38A・38Bが設けられている。
また、燃料庫4の右側面の側板4bには、燃料庫4内に空気を取り入れるための吸気ガラリ34が取り付けられており、燃料庫4の左側面の側板4bには、燃料庫4内の空気を排出するための排気ガラリ35が取り付けられている。吸気ガラリ34は、下面が開口しており、右側面の側板4bの下側に設けられている。また、排気ガラリ35は、下面が開口しており、左側面の側板4bの上側に設けられている。
【0024】
また、燃料庫4の天板4eには、燃料庫4の内部を観察するための開閉可能な監視口39が設けられている。本実施形態においては、監視口39は、天板4eの中央付近であって左前方側に設けられている。
【0025】
燃料庫4の底板4aの下面には、固定枠36が設けられている。固定枠36は、設置する箇所に固定される部材であり、固定部材であるボルトを貫入するための固定孔36aが設けられている。本実施形態においては、前後の枠組部材の幅方向に4か所ずつ合計8か所に設けられている。
【0026】
また、発電機2および配電盤3は共通台床6に載置される。共通台床6は、平面視四角形の枠状に形成されており、短手方向(前後方向)に伸びる二本の補強材6aを設けた構成となっている。
共通台床6の左側端部に配電盤3が設置され、右側端部に発電機2が設置される。共通台床6に配電盤3が設置される際に、配電盤3の右端の位置に一つの補強材6aが設けられている。また、共通台床6に発電機2が設置される際に、発電機2の右端の位置に一つの補強材6aが設けられている。
【0027】
共通台床6には、設置する箇所に固定するための固定部材であるボルトを貫入するための固定孔6bが設けられている。本実施形態においては、前後の枠組部材の幅方向に3か所ずつ合計6か所に設けられている。
【0028】
共通台床6に配電盤3および発電機2が設置されているときに、発電機2の吸気フード13の左側面と、配電盤3の右側面との間は、離隔している。発電機2の吸気フード13の左側面と、配電盤3の右側面との間の幅D1は共通台床6の左右方向の幅に対して10%以下となるように形成されている。
【0029】
また、共通台床6に設置した発電機2の排気フード14の左側面と燃料庫4の右側面との間は所定の距離以上離れるように配置している。より詳細には、排気フード14の左側面と燃料庫4の右側面との間の距離D2は、800mm以上となるように構成している。
【0030】
次に、配電盤3および負荷制限装置5の構成を、
図17に示すブロック図を用いて説明する。
配電盤3は、発電機2の状態を表示する表示手段41を有する。発電機2の状態とは、例えば、発電機2の現在の運転状況や、異常発生の有無、発電機燃料の残量等を含む。表示手段41は、例えば液晶モニタで構成されている。
【0031】
また、配電盤3は、発電機2の状態等を別途準備される遠隔監視装置54へ出力する出力手段42を備える。遠隔監視装置54は外部に設置された演算装置であり、出力手段42は、LANコントローラである。出力手段42から出力される発電機2の状態は、例えば、発電機2の現在の運転状況や、異常発生の有無、発電機燃料の残量等を含む。
【0032】
また、出力手段42は、発電機2の状態以外の情報を遠隔監視装置54へ出力する構成であってもよい。例えば、ガソリンスタンドに発電ユニット1が配置される場合に、ガソリンスタンドの地下タンクにおける残油量を遠隔監視装置54へ出力することも可能である。
【0033】
遠隔監視装置54は、発電ユニット1が配置された各所から送られてきた発電機2の状態等の情報を一括して監視することができる。これにより、例えば災害時等において、現場の作業者の管理負担を減らすことができる。また、ガソリンスタンドの地下タンクにおける残油量を送信する場合には、各地の残湯量を比較して、不足している個所に優先的に石油燃料を供給するような管理が可能となる。
【0034】
また、配電盤3は、発電機2で発生した電力の使用量を検出する検出手段43を備える。検出手段43は、例えば、発電機2で発生した電力の使用量は、電子式電力量計であり、検出手段43で検出された電力情報は、出力手段42であるLANコントローラから外部の遠隔監視装置54へと出力される。ここで、電力の使用量は、積算電力量および瞬時電力量を含む。
【0035】
また、配電盤3は、停電発生時において、停電信号を遠隔監視装置54に発信する停電情報送信手段44を備える。例えば、発電機2が接続された設備から接点信号(無電圧a接点1個)が入力されると自動的に遠隔監視装置54へ停電情報を送信する。また、停電情報送信手段44は、通信線が確保できない場合に無線回線等を利用した無線通信装置により停電情報を送信する機能を有するものである。無線回線等を利用した無線通信装置は、例えば停電時であっても作動するように、小電力で駆動する無線通信装置であることが好ましい。
【0036】
また、発電機2および配電盤3の点検時において、発電機2からの電力供給回路を切替えるための切替手段45を備える。切替手段45は、例えば、切替スイッチによって構成され、発電機2および配電盤3の点検時において、母線55側へ外部仮設電源57Aから電力を供給するように、外部からの仮設電力供給回路57Bへと切替え可能なスイッチである。
【0037】
次に、
図17を参照して、本実施形態における既設の分電盤50および負荷制限装置5の概略構成を説明する。
【0038】
既設の分電盤50は、発電ユニット1の出力が接続する母線55と、母線55と負荷52・53との間に設けられる第一負荷スイッチ58および第二負荷スイッチ59と、を備えている。また、配電盤3には、電源切替器56が備えられており、停電時において発電機2が駆動されると系統電源51側が解放されて発電機2側に切り替わり、発電機2側から母線55に電気が供給される。
【0039】
本実施形態では、電力消費するガソリンスタンドなどの商用施設の負荷として、系統電源51の稼動時のみに電力が供給されていればよい通常負荷52と、系統電源51の稼動時のみならず系統電源51の停電時にも電力が供給されるべき非常負荷53の二種類があるものとする。通常負荷52は第一負荷スイッチ58を介して母線55に接続し、非常負荷53は第二負荷スイッチ59を介して母線55に接続している。このような構成では、通常時においては、系統電源51からの交流電力のみが、分電盤50を介して、同一の配電線を介して各負荷に供給されるようになっている。さらに、非常時においては、電源切替器56を切り替えることによって、系統電源51から切り離して発電ユニット1を繋げることにより、発電ユニット1からの交流電力のみが、分電盤50を介して、同一の配電線を介して各負荷に供給されるようになっている。また、停電状態であって、発電ユニット1から供給されている際に、負荷遮断機60によって、通常負荷52の第一負荷スイッチ58を開放状態にして、母線55からの電力供給をストップする。
【0040】
負荷制限装置5は、発電ユニット1に取り付けられており、負荷遮断機60に対して負荷制限信号を送信する手段である。本実施形態においては、負荷制限装置5は、停電情報送信手段44に接続されており、停電情報を受信したときに負荷遮断機60に対して負荷制限信号を送信する。負荷遮断機60は、負荷制限信号を受けて第一負荷スイッチ58を開放状態(遮断状態)にトリップし、通常負荷52を自動的に母線55から切り離す。
【0041】
また、停電情報送信手段44からの停電信号を受信したとき、電源切替器56は、順次負荷投入装置61の信号により、動力負荷用の電源切替器56が先に切替わる。順次負荷投入装置61の設定時限経過後、電灯負荷用の電源切替器62が切り替わる。このように遅延を持たすことにより、発電機2に対する負荷投入瞬時の負担を軽減する。
【0042】
このように構成することにより、作業者の手によらず、系統電源51から、非常用の発電ユニット1への切り替えを行うことが可能となる。また、負荷制限作業を省力化することが可能となり、災害等による停電時における系統電源51から非常用の発電ユニット1への切替を迅速に行うことができるとともに、人手不足や不慣れによるヒューマンエラーを防止することができる。
【0043】
以上のように、発電ユニット1は、発電機2と、発電機2で発電された電力を既設分電盤50へ送電可能とする配電盤3と、既設分電盤50に接続された負荷を切り離し可能とする負荷制限装置5と、を備える発電ユニット1であって、発電機2および配電盤3が、共通台床6に載置され、発電機2および配電盤3の点検時において、発電機2からの電源供給回路を切替える切替手段45を備えるものである。
このように構成することにより、発電ユニット1の配電盤3および発電機2が共通台床6に載置されているため、既存の受電設備である既存分電盤50との接続を迅速に安全に実現することができる。また、制御盤3が切替手段45を有しているため、発電機2のメンテナンスが簡易になる。
【0044】
また、発電機2の状態を遠隔監視装置54に出力する出力手段42を備えるものである。
このように構成することにより、遠隔監視装置54において、発電機2の状態を常時監視することができるため、現場での発電機2の管理負担が軽減する。
【0045】
また、発電機2で発生した電力の使用量を検出する検出手段43を備えるものである。
このように構成することにより、検出手段43によって発電機2で発生した電力の使用量を監視することが可能となり、発電ユニット1の状態を確認しやすくなる。
【0046】
また、停電発生時において、停電信号を遠隔監視装置54に発信する停電情報送信手段44を備えるものである。
このように構成することにより、停電時に、遠隔監視装置54に停電情報を送信することができ、遠隔監視装置54を用いて発電ユニット1を監視することができる。
【0047】
また、負荷制限装置5は、停電情報送信手段44から停電情報が送信された場合、既設分電盤50の負荷を切り離すものである。
このように構成することにより、停電情報が送信された場合に、非常時においても電力供給が必要な非常負荷53のみに電力供給を行うことができ、発電ユニット1の発電機2への負担を軽減することができる。また、手動で行われていた配線替えや負荷制限作業を省力化することが可能となり、災害時による停電時における自家発電からの電力供給を迅速に行うことが可能となる。したがって、人手不足やヒューマンエラーによる電気事故の防止や上位管理者への状況報告忘れなどを防止することができる。
【0048】
また、負荷制限装置5は、停電情報送信手段44から停電情報が送信されなかった場合で、かつ、既設の分電盤50の所定の不足電圧を検出した場合、予め設定した時間経過後に通常負荷52を切り離すものである。
このように構成することにより、停電情報送信手段44から停電情報が送信されなかった場合で、かつ、既設の分電盤50の所定の不足電圧を検出した場合においても電力供給が必要な非常負荷53のみに電力供給を行うことができ、発電ユニット1の発電機2への負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 発電ユニット
2 発電機
3 配電盤
4 燃料庫
5 負荷制限装置
6 共通台床
11 エンジン
12 ケース
13 吸気フード
14 排気フード
15 扉
16 把手
21 ケース
22 扉
31 補強部材
32 小出槽
33 通気管
34 吸気ガラリ
35 排気ガラリ
37A・37B 扉
38A・38B 把手
41 表示手段
42 出力手段
43 検出手段
44 停電情報送信手段
45 切替手段
50 分電盤
51 系統電源
52 通常負荷
53 非常負荷
54 遠隔監視装置
55 母線
56 電源切替器
57A 外部仮設電源
57B 仮設電力供給回路
58 第一負荷スイッチ
59 第二負荷スイッチ
60 負荷遮断機
61 順次負荷投入装置