(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】貯留システム
(51)【国際特許分類】
E03F 1/00 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
E03F1/00 A
(21)【出願番号】P 2020112206
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(73)【特許権者】
【識別番号】000150110
【氏名又は名称】株式会社竹中土木
(73)【特許権者】
【識別番号】502436163
【氏名又は名称】秩父ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】古川 靖英
(72)【発明者】
【氏名】向井 一洋
(72)【発明者】
【氏名】蓑茂 雄二郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
(72)【発明者】
【氏名】三輪 隆
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 優巳
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 昂嗣
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-197486(JP,A)
【文献】特開平11-071789(JP,A)
【文献】特開2000-120150(JP,A)
【文献】特開2001-059257(JP,A)
【文献】特開2002-235362(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F 1/00-11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨水を貯留するための貯留システムであって、
地中に埋設された第1貯留槽と、
地表面と前記第1貯留槽との相互間に設けられた第2貯留槽であって、前記第1貯留槽の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽と、
前記第1貯留槽と前記第2貯留槽との相互間に設けられた第3貯留槽であって、前記第1貯留槽及び前記第2貯留槽とは異なる構成であり、且つ前記第2貯留槽の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽と、を備え、
前記第3貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂が充填された第3貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている、
貯留システム。
【請求項2】
前記第1貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなる第1貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている、
請求項1に記載の貯留システム。
【請求項3】
前記第2貯留槽は、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている、
請求項1又は2に記載の貯留システム。
【請求項4】
前記第1貯留槽の周囲を覆うように設けられた遮水シートと、
少なくとも前記第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の貯留システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯留システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、雨水を貯留するためのシステムの一つとして、プラスチック成形体を縦横に組み立ててなる第1槽と、第1槽よりも上方に設けられた第2槽であって、砕石を縦横に組み立ててなる第2槽とを備えるシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記従来のシステムにおいては、上述したように、第1槽及び第2槽を備えているものの、第1槽の浸透性と第2槽の浸透性との関係性が不明であることから、例えば、第2槽の浸透性が第1槽の浸透性と同一又はそれよりも高い場合には、第2槽において水を通すのに時間を掛けにくいため、豪雨時のピークカットの効果期間を持続することが難しくなるおそれがあることから、システムの貯留性を維持する観点からは改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、貯留システムの貯留性を維持することが可能となる、貯留システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の貯留システムは、雨水を貯留するための貯留システムであって、地中に埋設された第1貯留槽と、地表面と前記第1貯留槽との相互間に設けられた第2貯留槽であって、前記第1貯留槽の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽と、前記第1貯留槽と前記第2貯留槽との相互間に設けられた第3貯留槽であって、前記第1貯留槽及び前記第2貯留槽とは異なる構成であり、且つ前記第2貯留槽の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽と、を備え、前記第3貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂が充填された第3貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0007】
請求項2に記載の貯留システムは、請求項1に記載の貯留システムにおいて、前記第1貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなる第1貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0008】
請求項3に記載の貯留システムは、請求項1又は2に記載の貯留システムにおいて、前記第2貯留槽は、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0009】
請求項4に記載の貯留システムは、請求項1から3のいずれか一項に記載の貯留システムにおいて、前記第1貯留槽の周囲を覆うように設けられた遮水シートと、少なくとも前記第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備える。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の貯留システムによれば、地中に埋設された第1貯留槽と、地表面と第1貯留槽との相互間に設けられた第2貯留槽であって、第1貯留槽の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽と、を備えるので、第2貯留槽の浸透性が第1貯留槽の浸透性と同一又はそれよりも高い場合に比べて、第2貯留槽において水を通すのに時間を掛けることができる。よって、貯留システムが設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システムの貯留性を維持しやすくなる。
また、第1貯留槽と第2貯留槽との相互間に設けられた第3貯留槽であって、第1貯留槽及び第2貯留槽とは異なる構成であり、且つ第2貯留槽の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽を備えるので、第3貯留槽を設けない場合に比べて、貯留システムが設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システムの機能を一層維持しやすくなる。
また、第3貯留槽が、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂が充填された第3貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第3貯留槽が比較的高い浄化性及び耐久性を有することができ、第3貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0013】
請求項2に記載の貯留システムによれば、第1貯留槽が、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなる第1貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第1貯留槽が比較的高い浸透性及び耐久性を有することができ、第1貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0014】
請求項3に記載の貯留システムによれば、第2貯留槽が、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第2貯留槽が比較的高い浄化性と設置環境になじみやすい意匠性とを有することができ、第2貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の貯留システムによれば、第1貯留槽の周囲を覆うように設けられた遮水シートと、少なくとも第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備えるので、少なくとも第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げることができ、所定位置において当該雨水の利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る設置場所及び貯留システムの概要を示す平面図である。
【
図2】
図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
【
図3】実施の形態2に係る貯留システムの概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図4】実施の形態3に係る貯留システムの概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図5】実施の形態2に係る貯留システムの変形例を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【
図6】実施の形態2に係る貯留システムの変形例を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る貯留システムの実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、雨水を貯留するため貯留システムに関する。
【0021】
ここで、「雨水」とは、降雨、雪、みぞれ等の自然現象によって発生した水を意味する。また、「貯留」とは、水を一時的に貯めることを意味する。なお、「貯留」される期間や量は、限定されないものとする。また、貯留システムの適用対象については任意であるが、例えば、各種の構造物(一例として、戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、商業施設、公共施設(道路、ため池、調整池等)、又は駐車場等)の近傍に設けられる緑地帯や休耕地等を含む概念であるが、実施の形態では、道路又は駐車場の近傍に設けられる緑地帯として説明する。
【0022】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0023】
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1に係る貯留システムについて説明する。この実施の形態1は、第1貯留槽及び第2貯留槽を備える形態である。
【0024】
(構成-設置場所)
最初に、実施の形態1に係る貯留システム30が設置される設置場所の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る設置場所及び貯留システム30の概要を示す平面図である。ここで、
図1のX方向を設置場所の地盤1の左右方向(-X方向を地盤1の左方向、+X方向を地盤1の右方向)、
図1のY方向を地盤1の前後方向(+Y方向を地盤1の前方向、-Y方向を地盤1の後方向)、後述する
図2のZ方向を地盤1の上下方向(+Z方向を地盤1の上方向、-Z方向を地盤1の下方向)と称する。
【0025】
地盤1は、構造物(図示省略)が設置される略平坦な地盤であり(又は非平坦な地盤であってもよい)、この地盤1の領域は、具体的には、
図1に示すように、概略的に、排水領域2、第1貯留領域3、及び第2貯留領域4に区分されている。
【0026】
(構成-設置場所-排水領域)
排水領域2は、排水設備10が設置される領域である。この排水領域2は、地盤1における構造物(具体的には、道路、駐車場等)の近傍において少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、
図1に示すように、平面方向から見て地盤1の左側部分及び上側部分において複数配置されている。
【0027】
ここで、「排水設備10」の具体的な種類については任意であるが、例えば、地盤1に浸透した雨水を排水桝12に送るための排水路11(一例として、公知の浸透トレンチ等)、排水路11にて送られた雨水を集水する排水桝12(一例として、公知の浸透桝)等が該当する。
【0028】
(構成-設置場所-第1貯留領域)
第1貯留領域3は、構造物(具体的には、道路、駐車場等)周辺の雨水を貯留するための貯留設備20が設置される領域である。この第1貯留領域3は、地盤1における構造物に対応する部分に少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、
図1に示すように、平面方向から見て地盤1の略中央部分に複数配置されている。
【0029】
ここで、「貯留設備20」の具体的な種類については任意であるが、例えば、雨水を貯留する貯留槽(一例として、公知の雨水貯留槽)等が該当する。
【0030】
(構成-設置場所-第2貯留領域)
第2貯留領域4は、排水領域2と第1貯留領域3との間の地表に溜まった雨水を貯留するための貯留システム30が設置される領域である。この第2貯留領域4は、地盤1における緑地帯に対応する部分に少なくとも1つ以上設けられており、具体的には、
図1に示すように、平面方向から見て地盤1における排水領域2と第1貯留領域3との間の部分に配置されている。
【0031】
(構成-貯留システム)
次に、実施の形態1に係る貯留システム30の構成について説明する。
図2は、
図1のA-A矢視断面図である(一部図示省略)。
【0032】
この貯留システム30は、
図1、
図2に示すように、第2貯留領域4を掘削して形成された凹部4a内に設けられており、支持部40、第1貯留槽50、及び第2貯留槽60を備えている。
【0033】
ここで、凹部4aの具体的な形状及び大きさについては任意であるが、実施の形態1では以下の通りに設定している。
【0034】
すなわち、
図2に示すように、凹部4aのY-Z平面に沿った断面形状については、略矩形状に設定している。ただし、これに限らず、例えば、略台形状、略半円形状、又は略半楕円形状等に設定してもよい。
【0035】
また、凹部4aの左右方向の長さについては、第2貯留領域4の左右方向の長さと略同一に設定しており(又は、第2貯留領域4の左右方向の長さよりも短く設定してもよい)、凹部4aの前後方向の長さについては、第2貯留領域4の前後方向の長さと略同一に設定しており(又は、第2貯留領域4の前後方向の長さよりも短く設定してもよい)、凹部4aの上下方向の長さについては、第2貯留領域4の難透水層4bの上下方向の長さと略同一に設定している(又は、難透水層4bの上下方向の長さよりも短く設定してもよい)。
【0036】
なお、「難透水層4b」とは、粘性土や固結岩盤等によって形成され、透水層4cに比べて透水性が劣る地層を意味する。また、「透水層4c」とは、難透水層4bよりも下方に位置しており、地下水によって飽和している地層を意味する。
【0037】
(構成-貯留システム-支持部)
支持部40は、第1貯留槽50及び第2貯留槽60を支持するための支持手段であり、
図2に示すように、第1貯留槽50及び第2貯留槽60よりも下方に埋設されており、支持層41及び不陸調整部42を備えている。
【0038】
(構成-貯留システム-支持部-支持層)
支持層41は、支持部40の基本構造体であり、例えば公知の支持材料(一例として、砕石等)を用いて構成されており、
図2に示すように、凹部4aの底部分全体にわたって敷設されている。
【0039】
(構成-貯留システム-支持部-不陸調整部)
不陸調整部42は、支持層41の不陸を調整するための不陸調整手段であり、例えば公知の不陸支持手段(一例として、砂等からなる不陸支持手段)を用いて構成されており、
図2に示すように、支持層41の上面全体にわたって敷設されている。
【0040】
(構成-貯留システム-第1貯留槽)
第1貯留槽50は、貯留システム30の基本構造体の一部であって、雨水を貯留するための貯留槽である。この第1貯留槽50は、地中に埋設されており、具体的には、
図2に示すように、凹部4a内において支持部40よりも上方に埋設されている。
【0041】
また、この第1貯留槽50の具体的な構成については、比較的高い浸透性及び耐久性を確保できる限り任意に構成できるが、実施の形態1では、第1貯留部51を鉛直方向(上下方向)に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0042】
具体的には、
図2に示すように、支持部40の不陸調整部42の上面全体にわたって複数の第1貯留部51を鉛直方向に積層して敷設することにより、形成されており、より具体的には、第1貯留槽50の上下方向の長さが支持部40の上下方向の長さよりも長くなるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、支持部40の上下方向の長さよりも短く又は長くなるように、形成されてもよい)。
【0043】
(構成-貯留システム-第1貯留槽-第1貯留部)
ここで、「第1貯留部51」とは、第1貯留槽50の基本構造体であり、実施の形態1では、複数の樹脂ブロック体52(例えば、比較的高い耐久性(具体的には、耐圧性)と後述する第2貯留部61よりも高い貯留性とを有し、且つ相互に接続可能な略籠状の樹脂ブロック体52)を水平方向に並設してなる貯留部である。具体的には、
図2に示すように、樹脂ブロック体52を左右方向及び前後方向においてそれぞれ複数並設することにより、形成されている。ただし、これに限らず、例えば、非樹脂製のブロック体(一例として、コンクリート製、金属製、石製等のブロック体)を水平方向に複数並設することにより、形成されてもよい。
【0044】
また、第1貯留部51の積層数の設定方法については、所望量の貯留量が得られる限りに任意に設定でき、実施の形態1では、6つに設定している。ただし、これに限らず、例えば、6つ未満に設定してもよく、あるいは、7つ以上に設定してもよい。
【0045】
(構成-貯留システム-第1貯留槽-その他)
また、第1貯留槽50の設置方法については任意であるが、実施の形態1では、
図2に示すように、第1貯留槽50の表面全体を透水シート53(例えば、樹脂製の透水シート53等)で覆うように設置することにより、雨水に含まれる図示しない不要物(例えば、砂、泥、木片等)が少なくとも一部の第1貯留部51に入り込むことによって第1貯留槽50の浸透性が低下することを抑制できる。ただし、これに限らず、例えば、上記透水シート53を省略して、設置してもよい。
【0046】
このような第1貯留槽50の構成により、第1貯留槽50が比較的高い浸透性及び耐久性を有することができ、第1貯留槽50の使用性及び設置性を高めることができる。
【0047】
(構成-貯留システム-第2貯留槽)
第2貯留槽60は、貯留システム30の基本構造体の他の一部であって、雨水を貯留するための貯留槽である。この第2貯留槽60は、第2貯留領域4の地表面と第1貯留槽50との相互間に設けられており、具体的には、
図2に示すように、凹部4a内において、第2貯留槽60の上面が外部に露出するように、第1貯留槽50よりも上方に設けられている。
【0048】
また、この第2貯留槽60の具体的な構成については、第1貯留槽50の浸透性よりも低い浸透性(具体的には、透水層4cの浸透性よりも低い浸透性等)を有する限り任意に構成することができるが、実施の形態1では、第2貯留部61を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0049】
具体的には、
図2に示すように、第1貯留槽50の上面全体にわたって1つの第2貯留部61を敷設することにより、形成されており、より具体的には、第2貯留槽60の上下方向の長さが第1貯留槽50の上下方向の長さよりも短くなるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、第1貯留槽50の上下方向の長さよりも長く又は略同一になるように、形成されてもよい)。
【0050】
(構成-貯留システム-第2貯留槽-第2貯留部)
ここで、「第2貯留部61」とは、第2貯留槽60の基本構造体であり、実施の形態1では、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる貯留部であり、具体的には、
図2に示すように、下部層62、中間層63、及び上部層64を備えている。
【0051】
(構成-貯留システム-第2貯留槽-第2貯留部-下部層)
下部層62は、第2貯留部61の基本構造体の一部であり、例えば所定の径を有する砂利、礫、又はぐり石等を用いて構成されており、
図2に示すように、第1貯留部51の上面全体にわたって敷設されている。
【0052】
(構成-貯留システム-第2貯留槽-第2貯留部-中間層)
中間層63は、第2貯留部61の基本構造体の他の一部であり、例えば下部層62の砂利等の径よりも大きい径を有する砂、砂利、礫、又は土壌を用いて構成されており、
図2に示すように、下部層62の上面全体にわたって敷設されている。
【0053】
(構成-貯留システム-第2貯留槽-第2貯留部-上部層)
上部層64は、第2貯留部61の基本構造体の他の一部であり、例えば中間層63の砂等の径よりも大きい径を有する土壌であって、植物Pが植栽可能な土壌(一例として、礫等を含む自然土壌等)又は砂利を用いて構成されており、
図2に示すように、中間層63の上面全体にわたって敷設されている。
【0054】
また、第2貯留部61の積層数の設定方法については、所望量の貯留量が得られる限りに任意に設定でき、実施の形態1では、上述したように、1つに設定しているが、これに限らず、例えば、2つ以上に設定してもよい。
【0055】
このような第2貯留槽60の構成により、第2貯留槽60が比較的高い浄化性と設置環境になじみやすい意匠性とを有することができ、第2貯留槽60の使用性及び設置性を高めることができる。特に、上部層64において植物Pを植栽できるため、第1貯留領域3の意匠性となじみやすく、且つ生物多様性保全を図ることができる。
【0056】
以上のような貯留システム30により、第2貯留槽60の浸透性が第1貯留槽50の浸透性と同一又はそれよりも高い場合に比べて、第2貯留槽60において水を通すのに時間を掛けることができる。よって、第2貯留領域4において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システム30の貯留性を維持しやすくなる。
【0057】
(貯留システムの作用について)
次に、このように構成された貯留システム30の作用について説明する。
【0058】
例えば、雨が降ると、第2貯留領域4の地表面に溜まった雨水は、第2貯留槽60に浸透しながら貯留される。この場合には、上記雨水が第2貯留槽60を通過するのに時間を掛けることができるため、第1貯留槽50の貯留量が直ぐに満杯になることを回避しやすくなる。また、上記通過によって上記雨水を浄化できることから、上記雨水に含まれる不要物が少なくとも一部の第1貯留部51に入り込むことによって第1貯留槽50の浸透性が低下することが抑制される。
【0059】
次に、第2貯留槽60に貯留された雨水は、第1貯留槽50に浸透しながら貯留される。具体的には、第1貯留槽50の貯留量が閾値を超えていない場合には、上記雨水は第1貯留槽50に貯留され、第1貯留槽50の貯留量が閾値を超えると、第1貯留槽50及び第2貯留槽60にわたって貯留される。
【0060】
そして、第1貯留槽50に貯留された雨水は、支持層41を介して第2貯留領域4の透水層4cに浸透するように下方に移動する。
【0061】
以上のような作用により、豪雨時等において第1貯留槽50又は第2貯留槽60において雨水を貯留しながら、当該雨水が第2貯留領域4の地表面に溢れないように、当該雨水を第2貯留領域4の透水層4cに排水できることから、第2貯留領域4において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続できる。
【0062】
(貯留システムの施工方法)
続いて、貯留システム30の施工方法について説明する。実施の形態1に係る貯留システム30の施工方法は、形成工程、第1設置工程、第2設置工程、第3設置工程、及び植栽工程を含んでいる。
【0063】
(貯留システムの施工方法-形成工程)
まず、形成工程について説明する。形成工程は、第2貯留領域4に凹部4aを形成する工程である。
【0064】
具体的には、公知の掘削器具等を用いて、第2貯留領域4を掘削することにより、形成する。
【0065】
(貯留システムの施工方法-第1設置工程)
次に、第1設置工程について説明する。第1設置工程は、形成工程の後に、形成工程にて形成された凹部4a内に支持部40を設置する工程である。
【0066】
具体的には、公知の方法を用いて、支持層41を凹部4aの底部分全体にわたって敷設した後に、不陸調整部42を支持層41の上面全体にわたって敷設することにより、設置する。
【0067】
(貯留システムの施工方法-第2設置工程)
次に、第2設置工程について説明する。第2設置工程は、第1設置工程の後に、形成工程にて形成された凹部4a内に第1貯留槽50を設置する工程である。
【0068】
具体的には、公知の方法を用いて、凹部4aの側壁部分及び支持部40の不陸調整部42の上面にわたって透水シート53を設置し、この不陸調整部42の上面全体にわたって複数の第1貯留部51を鉛直方向に積層して敷設し、その後複数の第1貯留部51の上面を透水シート53で覆うことにより、設置する。
【0069】
なお、複数の第1貯留部51における樹脂ブロック体52については、隣接する樹脂ブロック体52同士を相互に接続することにより、第1貯留槽50に加わる力を効果的に分散できるようにしてもよい。
【0070】
(貯留システムの施工方法-第3設置工程)
次に、第3設置工程について説明する。第3設置工程は、第2設置工程の後に、形成工程にて形成された凹部4a内に第2貯留槽60を設置する工程である。
【0071】
具体的には、まず、所定量の砂利等を凹部4aに投入し、その後公知のならし器具を用いて当該投入した砂利等をならした後に転圧することにより、下部層62を第1貯留槽50の上面全体にわたって敷設する。次に、所定量の砂等を凹部4aにさらに投入し、次いで転圧器具を用いて当該投入した砂等を締め固め、その後上記ならし器具を用いて当該締め固めた砂等の表面をならすことにより、中間層63を下部層62の上面全体にわたって敷設する。その後、所定量の土壌等を投入し、その後上記ならし器具を用いて当該投入した土壌等をならすことにより、上部層64を中間層63の上面全体にわたって敷設することにより、設置する。
【0072】
(貯留システムの施工方法-植栽工程)
続いて、植栽工程について説明する。植栽工程は、第3設置工程の後に、植物Pを植栽する工程である。
【0073】
具体的には、第3設置工程にて設置された上部層64に植物Pを植栽する。これにて、貯留システム30の施工が終了する。
【0074】
以上のような施工方法により、特殊な方法を用いることなく、
図2に示す貯留システム30を施工でき、貯留システム30の施工性を高めることができる。
【0075】
(実施の形態1の効果)
このように実施の形態1によれば、地中に埋設された第1貯留槽50と、地表面と第1貯留槽50との相互間に設けられた第2貯留槽60であって、第1貯留槽50の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽60と、を備えるので、第2貯留槽60の浸透性が第1貯留槽50の浸透性と同一又はそれよりも高い場合に比べて、第2貯留槽60において水を通すのに時間を掛けることができる。よって、貯留システム30が設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システム30の貯留性を維持しやすくなる。
【0076】
また、第1貯留槽50が、複数の樹脂ブロック体52を水平方向に並設してなる第1貯留部51を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第1貯留槽50が比較的高い浸透性及び耐久性を有することができ、第1貯留槽50の使用性及び設置性を高めることができる。
【0077】
また、第2貯留槽60が、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部61を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第2貯留槽60が比較的高い浄化性と設置環境になじみやすい意匠性とを有することができ、第2貯留槽60の使用性及び設置性を高めることができる。
【0078】
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2に係る貯留システムについて説明する。この実施の形態2は、第1貯留槽、第2貯留槽、及び第3貯留槽を備える形態である。ただし、この実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0079】
(構成-設置場所)
最初に、実施の形態2に係る設置場所の構成について説明する。実施の形態2に係る設置場所の地盤1は、実施の形態1に係る地盤1と同一に構成されている。また、実施の形態2に係る地盤1の領域は、実施の形態1に係る地盤1と同一に区分されている。
【0080】
(構成-貯留システム)
次に、実施の形態2に係る貯留システム100の構成について説明する。
図3は、実施の形態2に係る貯留システム100の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0081】
実施の形態2に係る貯留システム100は、
図3に示すように、第2貯留領域4の凹部4a内に設けられており、支持部40、第1貯留槽50、第2貯留槽60、及び第3貯留槽110を備えている。
【0082】
(構成-貯留システム-支持部)
実施の形態2に係る支持部40は、実施の形態1に係る支持部40と略同一に構成されている。
【0083】
(構成-貯留システム-第1貯留槽)
実施の形態2に係る第1貯留槽50は、実施の形態1に係る第1貯留槽50と略同様に、第1貯留部51を鉛直方向(上下方向)に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0084】
具体的には、
図3に示すように、支持部40の不陸調整部42の上面全体にわたって1つの第1貯留部51を敷設することにより、形成されており、より具体的には、第1貯留槽50の上下方向の長さが支持部40の上下方向の長さと略同一になるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、支持部40の上下方向の長さよりも短く又は長くなるように、形成されてもよい)。
【0085】
(構成-貯留システム-第2貯留槽)
実施の形態2に係る第2貯留槽60は、第2貯留領域4の地表面と第1貯留槽50との相互間に設けられており、具体的には、
図3に示すように、凹部4a内において、第2貯留槽60の上面が外部に露出するように、第1貯留槽50よりも上方に間隔を隔てて設けられている。
【0086】
また、第2貯留槽60の具体的な構成については任意であるが、実施の形態2では、実施の形態1に係る第2貯留槽60の構成と略同様に、第2貯留部61を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0087】
具体的には、
図3に示すように、第3貯留槽110の上面全体にわたって1つの第2貯留部61を敷設することにより、形成されており、より具体的には、第2貯留槽60の上下方向の長さが第1貯留槽50の上下方向の長さと略同一になるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、第1貯留槽50の上下方向の長さよりも短く又は長くなるように、形成されてもよい)。
【0088】
(構成-貯留システム-第3貯留槽)
第3貯留槽110は、貯留システム100の基本構造体の他の一部であって、雨水を貯留するための貯留槽である。この第3貯留槽110は、第1貯留槽50と第2貯留槽60との相互間に設けられており、具体的には、
図3に示すように、凹部4a内において、第1貯留槽50の上端から第2貯留槽60の下端に至るように埋設されている。
【0089】
また、この第3貯留槽110の具体的な構成については、第1貯留槽50及び第2貯留槽60とは異なる構成であり、且つ第2貯留槽60の浸透性と略同一の浸透性を有する限り任意に構成することができるが、実施の形態では、第3貯留部111を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0090】
具体的には、
図3に示すように、第1貯留槽50の上面全体にわたって複数の第3貯留部111を鉛直方向に積層して敷設することにより、形成されており、より具体的には、第3貯留槽110の上下方向の長さが第1貯留槽50の上下方向の長さよりも長くなるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、第1貯留槽50の上下方向の長さよりも短く又は略同一になるように、形成されてもよい)。
【0091】
(構成-貯留システム-第3貯留槽-第3貯留部)
ここで、「第3貯留部111」とは、第3貯留槽110の基本構造体であり、実施の形態2では、複数の樹脂ブロック体112(例えば、第1貯留部51の樹脂ブロック体52の構成と略同一の樹脂ブロック体)を水平方向に並設してなり、且つ砂113が充填された貯留部である。
【0092】
具体的には、
図3に示すように、樹脂ブロック体112を左右方向及び前後方向においてそれぞれ複数並設してなり、且つ砂113が充填された第3貯留部111を上下方向に複数積層することにより、形成されている。ただし、これに限らず、例えば、複数の非樹脂製のブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂113以外の材料、(一例として、砂利、礫等)が充填された貯留部であってもよい。
【0093】
また、第3貯留部111の積層数の設定方法については、所望量の貯留量が得られる限りに任意に設定でき、実施の形態では、2つに設定している。ただし、これに限らず、例えば、1つに設定してもよく、あるいは、3つ以上に設定してもよい。
【0094】
このような第3貯留槽110の構成により、第3貯留槽110が比較的高い浄化性及び耐久性を有することができ、第3貯留槽110の使用性及び設置性を高めることができる。
【0095】
以上のような貯留システム100により、第3貯留槽110を設けない場合に比べて、第2貯留領域4において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システム100の機能を一層維持しやすくなる。
【0096】
(貯留システムの作用について)
次に、このように構成された貯留システム100の作用について説明する。
【0097】
例えば、雨が降ると、第2貯留領域4の地表面に溜まった雨水は、第2貯留槽60に浸透しながら貯留される。
【0098】
次に、第2貯留槽60に貯留された雨水は、第3貯留槽110に浸透しながら貯留される。この場合には、上記雨水が第3貯留槽110を通過するのに時間を掛けることができるため、第1貯留槽50又は第3貯留槽110の貯留量が直ぐに満杯になることを回避しやすくなる。また、上記通過によって上記雨水を浄化できることから、上記雨水に含まれる不要物が少なくとも一部の第1貯留部51に入り込むことによって第1貯留槽50の浸透性が低下することが抑制される。
【0099】
次いで、第3貯留槽110に貯留された雨水は、第1貯留槽50に浸透して貯留される。具体的には、第1貯留槽50の貯留量が閾値を超えていない場合には、上記雨水は第1貯留槽50に貯留され、第1貯留槽50の貯留量が閾値を超えると、第1貯留槽50、第2貯留槽60、及び第3貯留槽110にわたって貯留される。
【0100】
そして、第1貯留槽50に貯留された雨水は、支持層41を介して第2貯留領域4の透水層4cに浸透するように下方に移動する。
【0101】
以上のような作用により、豪雨時等において第1貯留槽50、第2貯留槽60、又は第3貯留槽110において雨水を貯留しながら、当該雨水が第2貯留領域4の地表面に溢れないように、当該雨水を第2貯留領域4の透水層4cに排水できることから、第2貯留領域4において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続できる。
【0102】
(貯留システムの施工方法)
続いて、貯留システム100の施工方法について説明する。実施の形態2に係る貯留システム100の施工方法は、形成工程、第1設置工程、第2設置工程、第3設置工程、第4設置工程、及び植栽工程を含んでいる。なお、実施の形態2に係る形成工程、第1設置工程、第2設置工程、及び植栽工程は、実施の形態1に係る形成工程、第1設置工程、第2設置工程、及び植栽工程と略同一に行われるので、以下ではその説明を省略する。
【0103】
(貯留システムの施工方法-第3設置工程)
次に、第3設置工程について説明する。第3設置工程は、第2設置工程の後に、形成工程にて形成された凹部4a内に第3貯留槽110を設置する工程である。
【0104】
具体的には、公知の方法を用いて、第1貯留槽50の上面全体にわたって樹脂ブロック体112を左右方向及び前後方向においてそれぞれ複数並設して後に、砂113を凹部4aに投入することで充填された第3貯留部111を上下方向に複数積層することにより、設置する。
【0105】
なお、複数の第3貯留部111の樹脂ブロック体112については、隣接する樹脂ブロック体112同士を相互に接続することにより、第3貯留槽110に加わる力を効果的に分散できるようにしてもよい。
【0106】
(貯留システムの施工方法-第4設置工程)
次に、第4設置工程について説明する。第4設置工程は、第3設置工程の後に、形成工程にて形成された凹部4a内に第2貯留槽60を設置する工程である。
【0107】
具体的には、実施の形態2に係る第3設置工程と略同一に、第2貯留槽60の下部層62、中間層63、及び上部層64を第3貯留槽110の上面全体にわたって順次敷設することにより、設置する。
【0108】
以上のような施工方法により、特殊な方法を用いることなく、貯留システム100を施工でき、貯留システム100の施工性を高めることができる。
【0109】
(実施の形態2の効果)
このように実施の形態2によれば、第1貯留槽50と第2貯留槽60との相互間に設けられた第3貯留槽110であって、第1貯留槽50及び第2貯留槽60とは異なる構成であり、且つ第2貯留槽60の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽110を備えるので、第3貯留槽110を設けない場合に比べて、貯留システム100が設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システム100の機能を一層維持しやすくなる。
【0110】
また、第3貯留槽110が、複数の樹脂ブロック体112を水平方向に並設してなり、且つ砂113が充填された第3貯留部111を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第3貯留槽110が比較的高い浄化性及び耐久性を有することができ、第3貯留槽110の使用性及び設置性を高めることができる。
【0111】
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3に係る貯留システムについて説明する。この実施の形態3は、遮水シート及び汲み上げ手段を備える形態である。ただし、この実施の形態3の構成は、特記する場合を除いて、実施の形態2の構成と略同一であり、実施の形態2の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態2で用いたものと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
【0112】
(構成-設置場所)
最初に、実施の形態3に係る設置場所の構成について説明する。実施の形態3に係る設置場所の地盤1は、実施の形態2に係る地盤1と同一に構成されている。また、実施の形態2に係る地盤1の領域は、実施の形態2に係る地盤1と同一に区分されている。
【0113】
(構成-貯留システム)
次に、実施の形態3に係る貯留システム200の構成について説明する。
図4は、実施の形態3に係る貯留システム200の概要を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。
【0114】
実施の形態3に係る貯留システム200は、
図4に示すように、第2貯留領域4の凹部4a内に設けられており、支持部40、第1貯留槽50、第2貯留槽60、第3貯留槽110、遮水シート210、及び汲み上げ部220を備えている。
【0115】
(構成-貯留システム-支持部)
実施の形態3に係る支持部40は、実施の形態2に係る支持部40と略同一に構成されている。
【0116】
(構成-貯留システム-第1貯留槽)
実施の形態3に係る第1貯留槽50は、実施の形態2に係る第1貯留槽50と略同様に、第1貯留部51を鉛直方向(上下方向)に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0117】
具体的には、
図4に示すように、支持部40の不陸調整部42の上面全体にわたって複数の第1貯留部51(
図4では、4つの第1貯留部51)を鉛直方向に積層して敷設することにより、形成されており、より具体的には、第1貯留槽50の上下方向の長さが支持部40の上下方向の長さよりも長くなるように、形成されている。
【0118】
(構成-貯留システム-第2貯留槽)
実施の形態3に係る第2貯留槽60は、実施の形態2に係る第2貯留槽60と略同様に、第2貯留領域4の地表面と第1貯留槽50との相互間に設けられている。
【0119】
また、第2貯留槽60の具体的な構成については任意であるが、実施の形態3では、実施の形態2に係る第2貯留槽60の構成と略同様に、第2貯留部61を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0120】
具体的には、
図4に示すように、第3貯留槽110の上面全体にわたって1つの第2貯留部61を敷設することにより、形成されており、より具体的には、第2貯留槽60の上下方向の長さが第1貯留槽50の上下方向の長さよりも短くなるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、第1貯留槽50の上下方向の長さよりも長く又は略同一になるように、形成されてもよい)。
【0121】
(構成-貯留システム-第3貯留槽)
実施の形態3に係る第3貯留槽110は、実施の形態2に係る第3貯留槽110と略同様に、第1貯留槽50と第2貯留槽60との相互間に設けられており、具体的には、
図4に示すように、凹部4a内において、第1貯留槽50の上端から第2貯留槽60の下端に至るように埋設されている。
【0122】
また、第3貯留槽110の具体的な構成については任意であるが、実施の形態3では、実施の形態2に係る第3貯留槽110の構成と略同様に、第3貯留部111を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0123】
具体的には、
図4に示すように、第1貯留槽50の上面全体にわたって1つの第3貯留部111を鉛直方向に敷設することにより、形成されており、より具体的には、第3貯留槽110の上下方向の長さが第1貯留槽50の上下方向の長さよりも短くなるように、形成されている(ただし、これに限らず、例えば、第1貯留槽50の上下方向の長さよりも長く又は略同一になるように、形成されてもよい)。
【0124】
(構成-貯留システム-第3貯留槽-第3貯留部)
ここで、「第3貯留部111」とは、実施の形態3では、砂113からなる貯留部である。ただし、これに限らず、例えば、砂113以外の材質(一例として、砂利、礫、土壌等)からなる貯留部であってもよい。
【0125】
(構成-貯留システム-遮水シート)
遮水シート210は、第1貯留槽50に貯留された雨水が外部に流出することを防止するためのシートである。この遮水シート210は、第1貯留槽50の周囲を略覆うように設けられており、具体的には、
図4に示すように、第1貯留槽50の側面(具体的には、貯留槽50の左面、右面、前面、後面)及び下面を略覆うように配置されている。
【0126】
また、遮水シート210の具体的な構成については任意であるが、実施の形態3では、
図4に示すように、遮水層211(例えば、樹脂製の遮水層211等)と、遮水層211の表面及び裏面を被覆する一対の保護層212(例えば、樹脂製の保護層212等)とを備えて構成されている。このような構成により、遮水シート210の耐久性を高めることができる。ただし、これに限らず、例えば、遮水シート210は、遮水層211のみを備えて構成されてもよい。
【0127】
(構成-貯留システム-汲み上げ部)
汲み上げ部220は、少なくとも第1貯留槽50に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段である。この汲み上げ部220は、例えば公知の汲み上げ手段(一例として、汲み上げポンプ221と、汲み上げポンプ221にて汲み上げられた雨水を雨水利用設備230(一例として、地上に設けられた蛇口又は噴水設備等)まで送るための汲み上げ配管222等)を用いて構成されており、第1貯留槽50、第2貯留槽60、及び第3貯留槽110にわたって埋設されている。具体的には、
図4に示すように、汲み上げポンプ221が第1貯留槽50に埋設されていると共に、汲み上げ配管222が第1貯留槽50、第2貯留槽60、及び第3貯留槽110にわたって埋設されている。
【0128】
なお、汲み上げ部220の単位時間当たりの汲み上げ量については任意であるが、例えば、第2貯留部61の単位時間当たりの雨水の浸透量よりも多く設定してもよい。これにより、豪雨時等において第1貯留槽50又は第2貯留槽60に貯留された雨水が第2貯留領域4の地表面に溢れることを抑制しやすくなる。ただし、これに限らず、例えば、第2貯留部61の単位時間当たりの雨水の浸透量よりも少なく、又は略同一に設定してもよい。
【0129】
このような汲み上げ部220の構成により、少なくとも第1貯留槽50に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げることができ、所定位置において当該雨水の利用を図ることができる。
【0130】
(貯留システムの作用について)
次に、このように構成された貯留システム200の作用について説明する。
【0131】
例えば、実施の形態2に係る貯留システム100と略同様に、雨が降ると、第2貯留領域4の地表面に溜まった雨水は、第2貯留槽60及び第3貯留槽110に浸透しながら下方に順次移動し、その後第1貯留槽50に浸透して貯留される。この場合に、第1貯留槽50の周囲が遮水シート210に覆われているので、第1貯留槽50に貯留された雨水は、支持層41を介して第2貯留領域4の透水層4cに向けて下方に移動することが抑制されるため、第1貯留槽50に留め置かれやすくなる。
【0132】
そして、所定のタイミング(例えば、雨水利用設備230に対して所定操作が行われたタイミング等)が到来すると、第1貯留槽50に貯留された雨水は、汲み上げ部220によって雨水利用設備230まで汲み上げられて、雨水利用設備230の流出口を介して外部に流出される。
【0133】
以上のような作用により、少なくとも第1貯留槽50に貯留された雨水を雨水利用設備230で利用でき、雨水利用設備230において当該雨水の利用を図ることができる。
【0134】
(貯留システムの施工方法)
続いて、貯留システム200の施工方法について説明する。実施の形態3に係る貯留システム200の施工方法は、実施の形態2に係る貯留システム100の施工方法と略同様に行われる。ただし、第2設置工程、第3設置工程、及び第4設置工程については、以下の工夫が施されている。
【0135】
(貯留システムの施工方法-第2設置工程)
次に、第2設置工程について説明する。第2設置工程においては、具体的には、凹部4aの側壁部分及び支持部40の不陸調整部42の上面にわたって遮水シート210を設置し、不陸調整部42の上面に汲み上げ部220を設け、その後この不陸調整部42の上面全体にわたって複数の第1貯留部51を鉛直方向に積層して敷設することにより(より具体的には、汲み上げポンプ221が第1貯留槽50内に位置するように敷設することにより)、設置する。
【0136】
(貯留システムの施工方法-第3設置工程)
次に、第3設置工程について説明する。第3設置工程においては、具体的には、形成工程にて形成された凹部4a内において、汲み上げ配管222の下側部分が第2貯留槽60内に位置するように、第3貯留槽110を設置する工程である。
【0137】
(貯留システムの施工方法-第4設置工程)
次に、第4設置工程について説明する。第4設置工程においては、具体的には、形成工程にて形成された凹部4a内において、汲み上げ配管222の上側部分が第3貯留槽110内に位置するように、第2貯留槽60を設置する工程である。なお、実施の形態3では、第4設置工程の後に、汲み上げ配管222と雨水利用設備230とが固定具等によって接続される。
【0138】
以上のような施工方法により、特殊な方法を用いることなく、貯留システム200を施工でき、貯留システム200の施工性を高めることができる。
【0139】
(実施の形態3の効果)
このように実施の形態3によれば、第1貯留槽50の周囲を覆うように設けられた遮水シート210と、少なくとも第1貯留槽50に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備えるので、少なくとも第1貯留槽50に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げることができ、所定位置において当該雨水の利用を図ることができる。
【0140】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0141】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0142】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0143】
(設置場所について)
上記実施の形態1から3では、設置場所の地盤1の領域に、排水領域2及び第1貯留領域3が含まれていると説明したが、これに限らず、例えば、排水領域2又は第1貯留領域3の少なくともいずれか一方を省略してもよい。
【0144】
(貯留システムについて)
上記実施の形態1から3では、貯留システムが、支持部40を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、第2貯留領域4の透水層4cが所望の支持力を有している場合には、支持部40を省略してもよい。この場合には、上記実施の形態1から3に係る貯留システムの施工方法において、第1設置工程を省略できる。
【0145】
上記実施の形態1から3では、貯留システムが、第2貯留領域4に設置されると説明したが、これに限らず、例えば、第2貯留領域4以外の領域(一例として、第1貯留領域3)に設置されてもよい。なお、第1貯留領域3に設置される場合には、上記実施の形態1から3に係る貯留システムの施工方法において、植栽工程を省略してもよい。
【0146】
(支持部について)
上記実施の形態1から3では、支持部40が、支持層41及び不陸調整部42を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、支持層41又は不陸調整部42のいずれか1つを省略してもよい。
【0147】
(第1貯留槽について)
上記実施の形態1から3では、第1貯留槽50の第1貯留部51が、第2貯留部61よりも高い貯留性を有し、且つ相互に接続可能な略籠状の樹脂ブロック体52を水平方向に並設してなる貯留部であると説明したが、これに限らない。例えば、第2貯留部61よりも低い又は略同一の貯留性を有する籠状の樹脂ブロック体52を水平方向に並設してなる貯留部であってもよい。あるいは、相互に接続不能な略籠状の樹脂ブロック体52又は非籠状の樹脂ブロック体52を水平方向に並設してなる貯留部であってもよい。
【0148】
(第2貯留槽について)
上記実施の形態1から3では、第2貯留槽60の第2貯留部61が、下部層62、中間層63、及び上部層64を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、下部層62、中間層63、又は上部層64のいずれか1つ、又はいずれか2つを省略してもよい。あるいは、下部層62、中間層63、及び上部層64に加えて、保持部を備えてもよい。
【0149】
ここで、「保持部」とは、下部層62、中間層63、及び上部層64を保持するための保持手段であり、例えば金属製のメッシュ材からなる籠状体であり、下部層62、中間層63、及び上部層64の表面全体を略覆うように設けられる。これにより、下部層62、中間層63、及び上部層64の状態を保持でき、第2貯留槽60の耐久性を高めることができる。
【0150】
また、上記実施の形態1から3では、第2貯留槽60が、第1貯留槽50の浸透性よりも低い浸透性を有し、且つ透水層4cの浸透性よりも低い浸透性を有するように構成されていると説明したが、これに限らない。例えば、第1貯留槽50の浸透性よりも低い浸透性を有し、且つ透水層4cの浸透性よりも高い又は略同一の浸透性を有するように構成されてもよい。
【0151】
また、上記実施の形態1から3では、第2貯留槽60に植物Pが植栽されると説明したが、これに限らない。
図5は、実施の形態2に係る貯留システム100の変形例を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。例えば、
図5に示すように、第2貯留槽60の地表面に雨水を貯留可能な溝部120(具体的には、底部分が第2貯留槽60の下端よりも上方に位置する溝部120等)が形成されることで、貯留システム100の貯留量を高めてもよい。
【0152】
(第3貯留槽について)
上記実施の形態2では、第3貯留槽110の第3貯留部111が、複数の樹脂ブロック体52を水平方向に並設してなり、且つ砂113が充填された貯留部であると説明したが、これに限らない。
図6は、実施の形態2に係る貯留システム100の変形例を示す図であって、
図2に対応する領域を示す図である。例えば、
図6に示すように、複数の樹脂ブロック体52を省略して、砂113のみからなる貯留部であってもよい。
【0153】
(遮水シート及び汲み上げ部について)
上記実施の形態3では、汲み上げポンプ221が、第1貯留槽50に埋設されていると説明したが、これに限らない。例えば、第2貯留槽60又は第3貯留槽110に埋設されてもよい。この場合には、汲み上げポンプ221は、第2貯留槽60のみ、又は、第2貯留槽60及び第3貯留槽110にわたって埋設される。あるいは、第1貯留槽50及び第2貯留槽60(又は第3貯留槽110)の各々に埋設されてもよく、又は第1貯留槽50、第2貯留槽60、及び第3貯留槽110の各々に埋設されてもよい。
【0154】
また、上記実施の形態3に係る貯留システム200が、遮水シート210及び汲み上げ部220を備えていると説明したが、これに限らず、例えば、上記実施の形態1又は2に係る貯留システムが、第1貯留槽50に設けられる遮水シート210及び汲み上げ部220を備えてもよい。この場合には、第1貯留槽50に設けられる透水シート53が省略できる。
【0155】
(付記)
付記1の貯留システムは、雨水を貯留するための貯留システムであって、地中に埋設された第1貯留槽と、地表面と前記第1貯留槽との相互間に設けられた第2貯留槽であって、前記第1貯留槽の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽と、を備える。
【0156】
付記2の貯留システムは、付記1に記載の貯留システムにおいて、前記第1貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなる第1貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0157】
付記3の貯留システムは、付記1又は2に記載の貯留システムにおいて、前記第2貯留槽は、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0158】
付記4の貯留システムは、付記1から3のいずれか一項に記載の貯留システムにおいて、前記第1貯留槽と前記第2貯留槽との相互間に設けられた第3貯留槽であって、前記第1貯留槽及び前記第2貯留槽とは異なる構成であり、且つ前記第2貯留槽の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽を備える。
【0159】
付記5の貯留システムは、付記4に記載の貯留システムにおいて、前記第3貯留槽は、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂が充填された第3貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されている。
【0160】
付記6の貯留システムは、付記1から5のいずれか一項に記載の貯留システムにおいて、前記第1貯留槽の周囲を覆うように設けられた遮水シートと、少なくとも前記第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備える。
【0161】
(付記の効果)
付記1に記載の貯留システムによれば、地中に埋設された第1貯留槽と、地表面と第1貯留槽との相互間に設けられた第2貯留槽であって、第1貯留槽の浸透性よりも低い浸透性を有する第2貯留槽と、を備えるので、第2貯留槽の浸透性が第1貯留槽の浸透性と同一又はそれよりも高い場合に比べて、第2貯留槽において水を通すのに時間を掛けることができる。よって、貯留システムが設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システムの貯留性を維持しやすくなる。
【0162】
付記2に記載の貯留システムによれば、第1貯留槽が、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなる第1貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第1貯留槽が比較的高い浸透性及び耐久性を有することができ、第1貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0163】
付記3に記載の貯留システムによれば、第2貯留槽が、砂、砂利、礫、砕石、又は土壌からなる第2貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第2貯留槽が比較的高い浄化性と設置環境になじみやすい意匠性とを有することができ、第2貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0164】
付記4に記載の貯留システムによれば、第1貯留槽と第2貯留槽との相互間に設けられた第3貯留槽であって、第1貯留槽及び第2貯留槽とは異なる構成であり、且つ第2貯留槽の浸透性と略同一の浸透性を有する第3貯留槽を備えるので、第3貯留槽を設けない場合に比べて、貯留システムが設けられている領域において豪雨時等のピークカットの効果期間を持続でき、貯留システムの機能を一層維持しやすくなる。
【0165】
付記5に記載の貯留システムによれば、第3貯留槽が、複数の樹脂ブロック体を水平方向に並設してなり、且つ砂が充填された第3貯留部を鉛直方向に少なくとも1つ以上積層することにより形成されているので、第3貯留槽が比較的高い浄化性及び耐久性を有することができ、第3貯留槽の使用性及び設置性を高めることができる。
【0166】
付記6に記載の貯留システムによれば、第1貯留槽の周囲を覆うように設けられた遮水シートと、少なくとも第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げる汲み上げ手段と、を備えるので、少なくとも第1貯留槽に貯留された雨水を所定位置まで汲み上げることができ、所定位置において当該雨水の利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0167】
1 地盤
2 排水領域
3 第1貯留領域
4 第2貯留領域
4a 凹部
4b 難透水層
4c 透水層
10 排水設備
11 排水路
12 排水桝
20 貯留設備
30 貯留システム
40 支持部
41 支持層
42 不陸調整部
50 第1貯留槽
51 第1貯留部
52 樹脂ブロック体
53 透水シート
60 第2貯留槽
61 第2貯留部
62 下部層
63 中間層
64 上部層
100 貯留システム
110 第3貯留槽
111 第3貯留部
112 樹脂ブロック体
113 砂
120 溝部
200 貯留システム
210 遮水シート
211 遮水層
212 保護層
220 汲み上げ部
221 汲み上げポンプ
222 汲み上げ配管
230 雨水利用設備
P 植物