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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】タイミングホッパおよび組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20240202BHJP
   B65G 65/40 20060101ALI20240202BHJP
   B65D 90/48 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01G19/387 D
G01G19/387 E
B65G65/40 A
B65D90/48 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019165372
(22)【出願日】2019-09-11
(65)【公開番号】P2021043065
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-07-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】岸川 樹
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-127239(JP,A)
【文献】特開昭62-276416(JP,A)
【文献】特開平06-271085(JP,A)
【文献】特開昭58-059130(JP,A)
【文献】特開2008-018954(JP,A)
【文献】特開2001-264153(JP,A)
【文献】特開2017-067691(JP,A)
【文献】特開平08-114492(JP,A)
【文献】特開2009-258040(JP,A)
【文献】特開2004-093464(JP,A)
【文献】特開昭58-100027(JP,A)
【文献】特開2019-035601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
B65G 65/30-65/48
B65B
B65D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製袋包装機におけるフォーマの上流に配置され、上方から投入された物品を一時的に貯留して所定のタイミングで前記フォーマに前記物品を排出するタイミングホッパを備え、
前記タイミングホッパは、
前記物品が投入される第1開口を有する筒状の第1部材と、
前記第1部材の下方に位置し、前記第1部材と連続的に接続しており、前記物品が排出される第2開口を有する筒状の第2部材と、
前記第2開口を開閉するゲートと、
を備え、
前記第1部材は、
第1側壁と、
前記第1側壁と対向する第2側壁と、
を有し、
前記第2部材は、
前記第1側壁と連続的に接続している第3側壁と、
前記第3側壁と対向し、前記第2側壁と連続的に接続している第4側壁と、
を有し、
前記第1側壁と前記第3側壁とが接続する高さ位置は、前記第2側壁と前記第4側壁とが接続する高さ位置と異なり、
前記ゲートは、前記第3側壁と前記第4側壁から離れる方向に開閉する、
組合せ計量装置
【請求項2】
前記第2部材は、前記第3側壁と前記第4側壁との間の水平方向における距離が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有している、
請求項1に記載の組合せ計量装置
【請求項3】
前記第2開口は、水平方向における寸法が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有している、
請求項2に記載の組合せ計量装置
【請求項4】
前記第3側壁および前記第4側壁は、鉛直方向に対して0.5°~15°傾斜している、
請求項1~3のいずれか1項に記載の組合せ計量装置
【請求項5】
前記第1側壁が水平方向となす角度は、前記第3側壁が水平方向となす角度よりも小さく、
前記第2側壁が水平方向となす角度は、前記第4側壁が水平方向となす角度よりも小さい、
請求項1~4のいずれか1項に記載の組合せ計量装置
【請求項6】
物品を一時的に貯留する複数の計量ホッパと、
前記計量ホッパに貯留された前記物品の質量に応じた計量値を計量する計量部と、
前記計量部によって計量され、かつ、それぞれの前記計量ホッパに対応付けられた複数の前記計量値から、合計値が目標計量値となるように前記計量値の組合せを選択し、選択された前記組合せに対応する前記計量ホッパに前記物品を排出させる制御部と、
前記計量ホッパから排出された前記物品を集合させて下方に排出する集合シュートと、
前記集合シュートから排出された前記物品が投入される前記タイミングホッパと、
を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の組合せ計量装置。
【請求項7】
製袋包装機におけるフォーマの上流に配置され、上方から投入された物品を一時的に貯留して所定のタイミングで前記フォーマに前記物品を排出するタイミングホッパであって、
前記物品が投入される第1開口を有する筒状の第1部材と、
前記第1部材の下方に位置し、前記第1部材と連続的に接続しており、前記物品が排出される第2開口を有する筒状の第2部材と、
前記第2開口を開閉するゲートと、
を備え、
前記第1部材は、
第1側壁と、
前記第1側壁と対向する第2側壁と、
を有し、
前記第2部材は、
前記第1側壁と連続的に接続している第3側壁と、
前記第3側壁と対向し、前記第2側壁と連続的に接続している第4側壁と、
を有し、
前記第1側壁と前記第3側壁とが接続する高さ位置は、前記第2側壁と前記第4側壁とが接続する高さ位置と異なり、
前記ゲートは、前記第3側壁と前記第4側壁から離れる方向に開閉し、
前記第2部材は、前記第3側壁と前記第4側壁との間の水平方向における距離が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有している、
タイミングホッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイミングホッパ、および、それを備える組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1(特開2016―132568号公報)に開示されるように、タイミングホッパを備える物品の組合せ計量装置が知られている。タイミングホッパは、複数の計量ホッパから排出された物品を集合させて下方に排出する集合シュートの下方に設置される筒状の部材である。タイミングホッパは、集合シュートから排出された物品を一時的に貯留して、所定のタイミングで下方に排出する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、集合シュートから排出される物品がブロック型チョコレート等の比較的サイズが大きいものである場合、タイミングホッパの内部において複数の物品が互いに接触した状態で引っかかってしまい、物品が正常に排出されないことがある。特に、タイミングホッパの側壁の角度が変化する部分において、物品が詰まりやすい。
【0004】
本発明の目的は、物品が内部で詰まってしまい正常に排出されない問題の発生を抑制するタイミングホッパを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係るタイミングホッパは、上方から投入された物品を一時的に貯留して所定のタイミングで下方に排出する。タイミングホッパは、筒状の第1部材と、筒状の第2部材と、ゲートとを備える。第1部材は、物品が投入される第1開口を有する。第2部材は、第1部材の下方に位置し、第1部材と連続的に接続しており、物品が排出される第2開口を有する。ゲートは、第2開口を開閉する。第1部材は、第1側壁と、第2側壁とを有する。第2側壁は、第1側壁と対向する。第2部材は、第3側壁と、第4側壁とを有する。第3側壁は、第1側壁と連続的に接続している。第4側壁は、第3側壁と対向し、第2側壁と連続的に接続している。第1側壁と第3側壁とが接続する高さ位置は、第2側壁と第4側壁とが接続する高さ位置と異なる。
【0006】
このタイミングホッパは、物品が内部で詰まってしまい正常に排出されない問題の発生を抑制することができる。
【0007】
本発明の第2観点に係るタイミングホッパは、第1観点に係るタイミングホッパであって、第2部材は、第3側壁と第4側壁との間の水平方向における距離が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有している。
【0008】
本発明の第3観点に係るタイミングホッパは、第2観点に係るタイミングホッパであって、第2開口は、水平方向における寸法が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有している。
【0009】
本発明の第4観点に係るタイミングホッパは、第1乃至第3観点のいずれか1つに係るタイミングホッパであって、第3側壁および第4側壁は、鉛直方向に対して0.5°~15°傾斜している。
【0010】
本発明の第5観点に係るタイミングホッパは、第1乃至第4観点のいずれか1つに係るタイミングホッパであって、第1側壁が水平方向となす角度は、第3側壁が水平方向となす角度よりも小さい。第2側壁が水平方向となす角度は、第4側壁が水平方向となす角度よりも小さい。
【0011】
本発明の第6観点に係る組合せ計量装置は、複数の計量ホッパと、計量部と、制御部と、集合シュートと、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイミングホッパとを備える。計量ホッパは、物品を一時的に貯留する。計量部は、計量ホッパに貯留された物品の質量に応じた計量値を計量する。制御部は、計量部によって計量され、かつ、それぞれの計量ホッパに対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択し、選択された組合せに対応する計量ホッパに物品を排出させる。集合シュートは、計量ホッパから排出された物品を集合させて下方に排出する。タイミングホッパは、集合シュートから排出された物品が投入される。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る搬送装置は、清掃およびメンテナンス等にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態の組合せ計量装置1の構成図である。
図2】タイミングホッパ9と製袋包装機60との位置関係を表す図である。
図3】タイミングホッパ9の斜視図である。
図4】ホッパ本体90bの斜視図である。
図5】ゲート9aの斜視図である。
図6】ホッパ本体90bを、第2開口92aの側から水平方向に沿って見た図である。
図7】参考図としての従来のタイミングホッパの筒状のホッパ本体190bの側面図である。
図8】変形例Aのホッパ本体90bを、第2開口92aの側から水平方向に沿って見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0015】
(1)組合せ計量装置1の全体構成
図1は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の構成図である。組合せ計量装置1は、主として、投入シュート2と、分散フィーダ3と、複数の放射フィーダ4と、複数のプールホッパ5と、複数の計量ホッパ6と、集合シュート8と、タイミングホッパ9と、計量部11と、制御部14とを備える。組合せ計量装置1の上方には、搬送コンベア50が設置される。組合せ計量装置1の下方には、製袋包装機60が設置される。
【0016】
組合せ計量装置1は、搬送コンベア50によって供給される物品Aの質量に応じた計量値が所定の目標計量値となるように物品Aを計量する。計量値は、例えば、物品Aの重さである。組合せ計量装置1は、計量した物品Aを製袋包装機60に供給する。製袋包装機60は、フィルムを所定容量の袋に成形しつつ、組合せ計量装置1から供給された物品Aを袋詰めする。物品Aは、農産物、水産物および加工食品等のように、1個当たりの質量にばらつきのある物品である。
【0017】
投入シュート2は、搬送コンベア50の搬送端50aの下方に配置される。投入シュート2は、外部から搬送コンベア50によって搬送されて搬送コンベア50の搬送端50aから落下した物品Aを受けて下方に排出する。
【0018】
分散フィーダ3は、投入シュート2の下方に配置される。分散フィーダ3は、下方に向かって末広がりの円錐状の搬送面3aを有する。分散フィーダ3は、搬送面3aを振動させることで、投入シュート2から搬送面3aの頂部に排出された物品Aを搬送面3aの外縁に向かって均一に搬送する。
【0019】
複数の放射フィーダ4は、分散フィーダ3の搬送面3aの外縁に沿って放射状に配置される。各放射フィーダ4は、搬送面3aの外縁の下方から外側に延在するトラフ4aを有する。各放射フィーダ4は、トラフ4aを振動させることで、搬送面3aの外縁から排出された物品Aをトラフ4aの先端部に向かって搬送する。
【0020】
複数のプールホッパ5は、組合せ計量装置1を鉛直方向に沿って見た場合に、組合せ計量装置1の中心から放射状に配置される。各プールホッパ5は、各放射フィーダ4のトラフ4aの先端部の下方に配置される。各プールホッパ5は、本体51と、ゲート52とを有する。本体51は、物品Aが投入される上側の開口、および、物品Aが排出される下側の開口を有する。ゲート52は、本体51の下側の開口を開閉可能な部材である。各プールホッパ5は、トラフ4aの先端部から排出された物品Aを一時的に貯留し、本体51内に一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0021】
複数の計量ホッパ6は、組合せ計量装置1を鉛直方向に沿って見た場合に、組合せ計量装置1の中心から放射状に配置される。各計量ホッパ6は、各プールホッパ5の下方に配置される。各計量ホッパ6は、その底部の開口を開閉可能なゲート6aを有する。各計量ホッパ6は、ゲート6aで底部の開口を閉じることで、対応するプールホッパ5から排出された物品Aを一時的に貯留する。各計量ホッパ6は、ゲート6aで底部の開口を開くことで、一時的に貯留した物品Aを下方に排出する。
【0022】
集合シュート8は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを排出口8aに集合させる。排出口8aは、複数の計量ホッパ6の下方に位置し、かつ、組合せ計量装置1を鉛直方向に沿って見た場合に中心に位置する。集合シュート8は、上段シュート部81と、下段シュート部82とを有する。上段シュート部81は、各計量ホッパ6から排出された物品Aを受けて物品Aを排出口8a側に滑走させる。下段シュート部82は、下方に向かって先細りの円錐台状の筒体であり、上側の開口82aおよび下側の開口82bを有する。下段シュート部82は、下側の開口82bを排出口8aとして、排出口8aから物品Aを下方に排出する。
【0023】
タイミングホッパ9は、排出口8aの下方に配置される。タイミングホッパ9は、その底部の開口を開閉可能なゲート9aを有する。タイミングホッパ9は、ゲート9aで底部の開口を閉じることで、集合シュート8から排出された物品Aを一時的に貯留する。タイミングホッパ9は、ゲート9aで底部の開口を開くことで、一時的に貯留した物品Aを製袋包装機60に排出する。
【0024】
計量部11は、フレーム12に支持されたケース13内に配置される。計量部11は、複数のロードセル11aを有する。各ロードセル11aは、対応する計量ホッパ6を支持する。計量部11は、各計量ホッパ6に物品Aが一時的に貯留される際に、物品Aの質量に応じた計量値を計量する。
【0025】
制御部14は、ケース13内に配置されるコンピュータである。制御部14は、主として、CPU、ROM、RAMおよび補助記憶装置(HDDおよびSSD等)を有する。制御部14は、分散フィーダ3および放射フィーダ4の搬送動作、各プールホッパ5のゲート52の開閉動作、各計量ホッパ6のゲート6aの開閉動作、並びにタイミングホッパ9のゲート9aの開閉動作等、組合せ計量装置1の各部の動作を制御する。制御部14は、製袋包装機60と通信可能に接続される。
【0026】
制御部14は、計量部11によって計量された計量値と、計量値に対応する物品Aを貯留する計量ホッパ6とを対応付けて記憶する。制御部14は、計量部11によって計量され、かつ、各計量ホッパ6に対応付けられた複数の計量値から、合計値が目標計量値となるように計量値の組合せを選択する。より具体的には、制御部14は、計量部11によって出力された複数の計量値から、目標計量値を下限値とする所定範囲内に合計値が収まるように計量値の組合せを選択する。制御部14は、計量値の組合せに対応する計量ホッパ6に物品Aを排出させる。
【0027】
投入シュート2、分散フィーダ3、複数の放射フィーダ4、複数のプールホッパ5および複数の計量ホッパ6は、ケース13に直接的にまたは間接的に支持される。集合シュート8およびタイミングホッパ9は、フレーム12に直接的にまたは間接的に支持される。
【0028】
(2)タイミングホッパ9の構成
組合せ計量装置1は、2つのタイミングホッパ9を有する。図2は、組合せ計量装置1の2つのタイミングホッパ9と、製袋包装機60との位置関係を表す図である。図2には、製袋包装機60のフォーマ60aが示されている。2つのタイミングホッパ9は、仕切り板93を挟んで、互いに反対方向を向くように配置されている。仕切り板93の主表面は、水平面に対して垂直である。フォーマ60aは、2つのタイミングホッパ9のいずれか一方から排出された物品Aが通過する筒状の部材である。制御部14は、物品Aを貯留しているいずれか一方のタイミングホッパ9のゲート9aを適切なタイミングで開閉して、物品Aをフォーマ60aの内部に投入する制御を行う。以下の説明では、組合せ計量装置1を鉛直方向に沿って見た場合に、組合せ計量装置1の中心側を「内側」と呼び、組合せ計量装置1の外縁側を「外側」と呼ぶ(図4を参照)。
【0029】
図3は、タイミングホッパ9の斜視図である。図3には、図2とは異なる角度から視た2つのタイミングホッパ9が示されている。タイミングホッパ9は、筒状のホッパ本体90bと、ゲート9aとを備える。集合シュート8から排出された物品Aは、ホッパ本体90b内を上方から下方に向かって通過する。
【0030】
図4は、ホッパ本体90bの斜視図である。図5は、ゲート9aの斜視図である。ホッパ本体90bは、筒状の第1部材91と、筒状の第2部材92とから構成される。第1部材91および第2部材92は、上下方向において連続的に接続している。
【0031】
第1部材91は、物品Aが投入される第1開口91aを有する。第1開口91aは、第1部材91の上側の端部に位置する。第1開口91aは、水平面に平行な略四角形の形状を有している。第1部材91は、第1側壁91bと、第2側壁91cとを有する。第2側壁91cは、第1側壁91bと対向する。
【0032】
第2部材92は、第1部材91の下方に位置し、第1部材91と連続的に接続している。言い換えると、第2部材92の上側の端部は、第1部材91の下側の端部と連続的に接続している。第2部材92は、物品Aが排出される第2開口92aを有する。第2開口92aは、第2部材92の下側の端部である。第2開口92aは、水平面に対して傾斜している略四角形の形状を有している。第2部材92は、第3側壁92bと、第4側壁92cとを有する。第4側壁92cは、第3側壁92bと対向する。
【0033】
図6は、ホッパ本体90bを、第2開口92aの側から水平方向に沿って見た図である。第2開口92aは、鉛直方向上方(上側)から下方(下側)に行くに従って外側から内側に位置するように、水平面に対して傾斜している(図4を参照)。図6において、第1開口91aは、第1側壁91bと第2側壁91cとの間に位置し、第2開口92aは、第3側壁92bと第4側壁92cとの間に位置している。図3に示されるように、2つの第2開口92aの間の水平方向の距離は、鉛直方向上方から下方に行くに従って短くなっている。仕切り板93は、2つの第2開口92aの下側の端部から、さらに下方に向かって、所定の距離だけ延びている。
【0034】
第2部材92の第3側壁92bは、第1部材91の第1側壁91bと連続的に接続している。具体的には、第1側壁91bの下側の端部は、第3側壁92bの上側の端部と、第1接続点P1において連続的に接続している。
【0035】
第2部材92の第4側壁92cは、第1部材91の第2側壁91cと連続的に接続している。具体的には、第2側壁91cの下側の端部は、第4側壁92cの上側の端部と、第2接続点P2において連続的に接続している。
【0036】
図6に示されるように、第1接続点P1の高さ位置は、第2接続点P2の高さ位置と異なる。具体的には、第2接続点P2の高さ位置は、第1接続点P1の高さ位置よりも上方に位置している。
【0037】
第1側壁91bが水平方向となす第1角度θ1は、第3側壁92bが水平方向となす第3角度θ3よりも小さい。第2側壁91cが水平方向となす第2角度θ2は、第4側壁92cが水平方向となす第4角度θ4よりも小さい。第1角度θ1および第2角度θ2は、例えば、40°~85°であり、第3角度θ3および第4角度θ4は、約90°である。
【0038】
そのため、鉛直方向上方から下方に行くに従って、タイミングホッパ9の側壁の角度は、第1接続点P1および第2接続点P2において変化する。具体的には、第1側壁91bおよび第3側壁92bからなる側壁の角度は、第1接続点P1において変化し、第2側壁91cおよび第4側壁92cからなる側壁の角度は、第2接続点P2において変化する。
【0039】
ゲート9aは、ホッパ本体90bに取り付けられている。ゲート9aは、第2開口92aを開閉するように移動可能な機構を有する。ゲート9aが第2開口92aを閉じている間、ホッパ本体90bの内部に貯留されている物品Aは、第2開口92aから下方に排出されない。一方、ゲート9aが第2開口92aを開いている間、ホッパ本体90bの内部に貯留されている物品Aは、第2開口92aから下方に排出される。
【0040】
(3)特徴
集合シュート8から排出された物品Aは、タイミングホッパ9の第1開口91aを通過して第1部材91内に入る。物品Aは、第1部材91内を落下して、第2部材92内に入る。第2開口92aがゲート9aによって閉じられている場合、物品Aは、タイミングホッパ9の第2開口92aから排出されず、ホッパ本体90b内に一時的に貯留される。ゲート9aが移動して第2開口92aがゲート9aによって閉じられていない状態になると、物品Aは、第2開口92aから排出されてフォーマ60aの内部に投入される。
【0041】
図7は、参考図としての従来のタイミングホッパの筒状のホッパ本体190bの側面図である。図7は、図6と同じ方向から視た図である。ホッパ本体190bは、筒状の第1部材191と、筒状の第2部材192とから構成される。第1部材191は、物品Aが投入される第1開口191aを有する。第2部材192は、物品Aが排出される第2開口192aを有する。第2部材192は、第1部材191の下方に位置し、第1部材191と連続的に接続している。ホッパ本体190bは、第1部材191と第2部材192とが連続的に接続している接続点P11、P12を有する。接続点P11、P12は、図7に示されるように、鉛直方向上方から下方に行くに従って、ホッパ本体190bの側壁の角度が変化する地点である。そのため、図7のホッパ本体190bの接続点P11、P12は、それぞれ、実施形態のホッパ本体90bの第1接続点P1および第2接続点P2に相当する。接続点P11、P12の高さ位置は、ホッパ本体190bの周囲において一定である。
【0042】
しかし、実施形態のホッパ本体90bの第1接続点P1および第2接続点P2は、互いに異なる高さ位置にある。そのため、実施形態のホッパ本体90bの寸法と、従来のホッパ本体190bの寸法とが同程度である場合、図6における第1接続点P1と第2接続点P2との間の距離L1は、図7における接続点P11と接続点P12との間の距離L2よりも長い。言い換えると、実施形態のタイミングホッパ9は、従来のタイミングホッパと比較して、第1接続点P1と第2接続点P2との間の距離L1を長くすることができる。
【0043】
従来のタイミングホッパでは、図7の距離L2を十分に確保できない。そのため、物品Aがブロック型チョコレート等の比較的サイズが大きいものである場合、ホッパ本体190bの内部において複数の物品Aが互いに接触した状態で引っかかりやすい。特に、タイミングホッパの側壁の角度が変化する接続点P11、P12の近傍において、物品Aが詰まりやすい。
【0044】
一方、実施形態のタイミングホッパ9では、従来のタイミングホッパと比較して、側壁の角度が変化する第1接続点P1と第2接続点P2との間の距離L1を十分に確保することができる。そのため、ホッパ本体90bの内部において複数の物品Aが互いに接触した状態で引っかかってしまい、物品Aが正常に排出されないことが抑制される。従って、タイミングホッパ9は、物品Aが内部で詰まってしまい正常に排出されない問題の発生を抑制することができる。
【0045】
(4)変形例
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、本発明には、次に説明する変形例の少なくとも1つを適用することができる。
【0046】
(4-1)変形例A
実施形態のタイミングホッパ9では、第2部材92は、第3側壁92bと第4側壁92cとの間の水平方向における距離が、鉛直方向上方から下方に行くに従って徐々に大きくなる形状を有してもよい。すなわち、第2開口92aは、水平方向における寸法が、上方から下方に行くに従って徐々に大きくなるテーパ形状を有してもよい。
【0047】
図8は、本変形例におけるホッパ本体90bを、第2開口92aの側から水平方向に沿って見た図である。図8に示されるように、第3側壁92bと第4側壁92cとの間の水平方向における距離は、鉛直方向上方から下方に行くに従って徐々に大きくなっている。また、第2開口92aの水平方向の寸法も、鉛直方向上方から下方に行くに従って徐々に大きくなっている。
【0048】
本変形例では、第2開口92aの水平方向の寸法を十分に確保することができるので、ホッパ本体90bの第2部材92の内部において複数の物品Aが互いに接触した状態で引っかかってしまい、物品Aが正常に排出されないことが抑制される。
【0049】
(4-2)変形例B
実施形態のタイミングホッパ9では、第3側壁92bおよび第4側壁92cは、鉛直方向に対して傾斜してもよい。具体的には、第3側壁92bおよび第4側壁92cは、鉛直方向に対して0.5°~15°傾斜してもよい。この場合、第3角度θ3および第4角度θ4は、75°~89.5°である(図8を参照)。
【0050】
本変形例では、第3側壁92bと第4側壁92cとの間の水平方向における距離が、鉛直方向上方から下方に行くに従って徐々に大きくなるように、第3側壁92bおよび第4側壁92cが傾斜していることが好ましい。これにより、変形例Aで説明したように、ホッパ本体90bの第2部材92の内部において複数の物品Aが互いに接触した状態で引っかかってしまい、物品Aが正常に排出されないことが抑制される。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係るタイミングホッパは、物品が内部で詰まってしまい正常に排出されない問題の発生を抑制することができる。
【符号の説明】
【0052】
1 組合せ計量装置
6 計量ホッパ
8 集合シュート
9 タイミングホッパ
9a ゲート
11 計量部
14 制御部
91 第1部材
91a 第1開口
91b 第1側壁
91c 第2側壁
92 第2部材
92a 第2開口
92b 第3側壁
92c 第4側壁
A 物品
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【文献】特開2016―132568号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8