(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】セリンベータ-ラクタマーゼのインヒビターとしてのジアザビシクロオクタノン
(51)【国際特許分類】
C07D 471/08 20060101AFI20240202BHJP
A61K 31/439 20060101ALI20240202BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240202BHJP
A61K 45/06 20060101ALI20240202BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240202BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240202BHJP
A61K 31/407 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
C07D471/08 CSP
A61K31/439
A61K45/00
A61K45/06
A61P31/04
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/407
(21)【出願番号】P 2021506575
(86)(22)【出願日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2019071370
(87)【国際公開番号】W WO2020030761
(87)【国際公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-08-08
(32)【優先日】2018-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515344978
【氏名又は名称】アンタビオ エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】レリス,シモン
(72)【発明者】
【氏名】デイビス,デイビッド トーマス
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-510012(JP,A)
【文献】特表2014-525434(JP,A)
【文献】特表2015-512440(JP,A)
【文献】特表2016-503000(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107501265(CN,A)
【文献】国際公開第2019/093450(WO,A1)
【文献】特表2020-528412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D、A61K、A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のジアザビシクロオクタノンである化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化1】
[式中、
Rは、ハロゲン、C(O)R
1、C
1~4アルキルおよびL-X-R
1から選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるか、またはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルであり;
Lは、結合であるか、または未置換もしくは少なくとも1個のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルキレン基であり;
Xは、OまたはS(O)
zであり、ここでzは0、1または2である]。
【請求項2】
式(II)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩または式(III)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化2】
[式中、Rはハロゲンである]。
【請求項3】
Rがフッ素または塩素で
ある、請求項1または2に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記化合物が
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
およびそれらの薬学的に許容される塩
から選択される、請求項3に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化3】
[式中、Rは請求項1で定義された通りである]。
【請求項6】
式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1または
5に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化4】
[式中、
Rは、C(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここで前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルである]。
【請求項7】
i)RがC(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
または
ii)R
1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的にOHおよび自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
または
iii)R
1がC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基はフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
または
i
v)前記化合物が請求項
5で定義された通りであり、RがL-X-R
1
であり、ここで
Lは結合であるか、または未置換のC
1アルキレン基であり;
XはOまたはSであり;
R
1は1個、2個または3個のハロゲン基により置換されているC
1アルキル基であり;
または
v)Rは-CH
2-O-CF
3および-S-CF
3から選択される、請求項
5または
6に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
i)各R
2がOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルコキシ;R
3が未置換のC
1~2アルキルであるC(O)OR
3;および未置換の5~6員のヘテロアリールから独立して選択され;
または
ii)各R
2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから独立して選択される、請求項
5~
7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
A:
RがC(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、かつ任意選択的にOHおよびC
1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC
1~4アルキルであり、前記C
1~4アルキル基は未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されており;
R
2がOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルコキシ;R
3が未置換のC
1~2アルキルであるC(O)OR
3;および未置換の5~6員のヘテロアリールから選択され;
または
B:
RがC(O)R
1およびC
1~4アルキ
ルから選択され、ここで前記アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1がC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基はフッ素または塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
R
2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから選択される、請求項
5または
6に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項10】
i)RがC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
または
ii)RがCF
3、CHF
2、CHCl
2、CCl
3、CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CH
2CO
2Me、COCF
3、CF
2-チアゾリル、CF
2CH
2OCH
3、CF
2CH
2CH
2OH、CH(OH)CF
3、CH
2CF
3およびCF
2-オキセタニルか
ら選択される、請求項
5~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項11】
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルまたはその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェートである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体または希釈剤を含み、任意選択的に(i)抗生物質薬剤および/または(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターをさらに含んでいる医薬組成物。
【請求項14】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩と、(i)抗生物質薬剤および(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターの1種または複数との組合せ物。
【請求項15】
抗生物質薬剤および/またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターとの共投与による細菌感染症の治療または予防のための剤であって、前記剤は請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む剤。
【請求項16】
前記抗生物質薬剤がカルバペネム系抗生物質で
ある、請求項1
3に記載の組成物、請求項1
4に記載の組合せ物または請求項1
5に記載の剤。
【請求項17】
前記抗生物質薬剤がメロペネムである、請求項13に記載の組成物、請求項14に記載の組合せ物または請求項15に記載の剤。
【請求項18】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、請求項1
3、16もしくは1
7に記載の組成物、または請求項1
4、16もしくは1
7に記載の組合せ物を活性成分として含む、グラム陰性細菌における抗生物質耐性の除去または低減のための剤。
【請求項19】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、請求項1
3、16もしくは1
7に記載の組成物、または請求項1
4、16もしくは1
7に記載の組合せ物を活性成分として含む、細菌感染症の治療または予防のための剤。
【請求項20】
前記グラム陰性細菌が腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択され、または前記細菌感染症が、腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される細菌により引き起こされる、請求項1
5~1
9のいずれか一項に記載の剤。
【請求項21】
腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される前記細菌が肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)から選択される、請求項
20に記載の剤。
【請求項22】
前記細菌感染症がカルバペネム耐性腸内細菌科により引き起こされる、請求項1
5~1
9のいずれか一項に記載の剤。
【請求項23】
前記メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項13、16もしくは17に記載の組成物、請求項14、16もしくは17に記載の組合せ物、または請求項15~22に記載の剤
【化5】
[式中、
R
1AはH、R
1bおよび-CH
2OC(O)R
1bから選択され、ここでR
1bは未置換のC
1~C
4アルキル基およびフェニルから選択され;
AはC
6~C
10アリール、5~10員のヘテロアリール、ならびに4~10員の炭素環式および複素環式基から選択される環式基であり;
各R
2Aは、
(iv)ハロまたはR
8;
(v)いずれも任意選択的に1個、2個または3個のハロ置換基および/または1個のR
8置換基で置換されていてもよいC
1~3アルキル、O(C
1~3アルキル)、S(C
1~3アルキル)、SO(C
1~3アルキル)またはSO
2(C
1~3アルキル);ならびに
(vi)R
aおよびR
bの各々が水素および未置換のC
1~2アルキルから独立して選択され、各R
cが未置換のC
1~2アルキルである、NR
aC(O)R
c、およびNR
aC(O)NR
bR
c;
から独立して選択され:
各R
8はCN、OH、-C(O)NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
10C(NR
11)R
12、-C(NR
10)NR
11R
12、および-NR
10C(NR
11)NR
12R
13から独立して選択され;ここでR
fおよびR
gの各々は独立してHまたは未置換のC
1~2アルキルであり;
mは0、1、2または3であり
R
3Aは水素ならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキル基から選択され;
nは0または1であり、
Z
Aは結合であるかまたは-NR
10C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)NR
11-、-NR
10C(O)O-、-OC(O)NR
10、-NR
10C(O)S-、-SC(O)NR
10、-NR
10C(NR
11)-、-C(NR
10)NR
11-、-NR
10C(NR
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)-、-C(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
13-、-NR
10C(NR
11)O-、-OC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)O-、-OC(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(NR
11)S-、-SC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)S-、-SC(N
+R
10R
11)NR
12-、-C(O)NR
15-、-NR
10C(O)NR
15-、-OC(O)NR
15、-SC(O)NR
15、-C(NR
10)NR
15-、-NR
10C(NR
11)NR
15-、-C(N
+R
10R
11)NR
15-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
15-、-OC(NR
10)NR
15、-OC(N
+R
10R
11)NR
15-、-SC(NR
10)NR
15、および-SC(N
+R
10R
11)NR
15-から選択され
L
Aは結合であるかまたはC
1~4アルキレン、C
2~4アルケニレン、C
2~4アルキニレン、C
1~3アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~3アルキレン、C
1~4アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)および(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~4アルキレンから選択され、ここでLは未置換であるか、またはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1または2個の置換基で置換され;またはLは-C(R
10)=N-であり;
X
Aは結合であるか、またはLが結合もしくは-C(R
10)=N-以外であるとき、Xは結合であるかまたは-NR
10-、-O-、-NR
10C(NR
11)-、および-C(NR
10)-から選択され;
pは0または1であり;
R
4AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
4AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
5AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
5AはR
4Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
5AはR
6A
と互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
6AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
6AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
6Aは、存在するならばR
7Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
存在するならば、R
7Aは、H、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
7AはR
6Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
各々のR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は独立してHまたはメチルであり;
各R
15は独立して置換されているC
1~C
4アルキルまたは未置換のC
2~C
4アルキルであり、ここでR
15が置換されているアルキル基であるとき前記アルキル基はハロゲン、CN、OR
10および-NR
10R
11から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている]。
【請求項24】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、請求項1
3、16もしくは1
7に記載の組成物、または請求項1
4、16もしくは1
7に記載の組合せ物の、細菌感染症の治療または予防のための医薬の製造における使用。
【請求項25】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩、請求項1
3、16もしくは1
7に記載の組成物、または請求項1
4、16もしくは1
7に記載の組合せ物の、グラム陰性細菌における抗生物質耐性の除去または低減のための剤の製造における使用。
【請求項26】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容される塩の、抗生物質薬剤および/またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターとの共投与による細菌感染症の治療または予防のための医薬の製造における使用。
【請求項27】
前記抗生物質薬剤がカルバペネム系抗生物質で
ある、請求項2
6に記載の使用。
【請求項28】
前記抗生物質薬剤がメロペネムである、請求項26に記載の使用。
【請求項29】
前記グラム陰性細菌が腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択され、または前記細菌感染症が、腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される細菌により引き起こされる、請求項2
4~2
8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される前記細菌が肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)から選択される、請求項2
9に記載の使用。
【請求項31】
前記細菌感染症がカルバペネム耐性腸内細菌科により引き起こされる、請求項2
4~2
8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、請求項26~31に記載の使用
【化6】
[式中、
R
1AはH、R
1bおよび-CH
2OC(O)R
1bから選択され、ここでR
1bは未置換のC
1~C
4アルキル基およびフェニルから選択され;
AはC
6~C
10アリール、5~10員のヘテロアリール、ならびに4~10員の炭素環式および複素環式基から選択される環式基であり;
各R
2Aは、
(iv)ハロまたはR
8;
(v)いずれも任意選択的に1個、2個または3個のハロ置換基および/または1個のR
8置換基で置換されていてもよいC
1~3アルキル、O(C
1~3アルキル)、S(C
1~3アルキル)、SO(C
1~3アルキル)またはSO
2(C
1~3アルキル);ならびに
(vi)R
aおよびR
bの各々が水素および未置換のC
1~2アルキルから独立して選択され、各R
cが未置換のC
1~2アルキルである、NR
aC(O)R
c、およびNR
aC(O)NR
bR
c;
から独立して選択され:
各R
8はCN、OH、-C(O)NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
10C(NR
11)R
12、-C(NR
10)NR
11R
12、および-NR
10C(NR
11)NR
12R
13から独立して選択され;ここでR
fおよびR
gの各々は独立してHまたは未置換のC
1~2アルキルであり;
mは0、1、2または3であり
R
3Aは水素ならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキル基から選択され;
nは0または1であり、
Z
Aは結合であるかまたは-NR
10C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)NR
11-、-NR
10C(O)O-、-OC(O)NR
10、-NR
10C(O)S-、-SC(O)NR
10、-NR
10C(NR
11)-、-C(NR
10)NR
11-、-NR
10C(NR
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)-、-C(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
13-、-NR
10C(NR
11)O-、-OC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)O-、-OC(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(NR
11)S-、-SC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)S-、-SC(N
+R
10R
11)NR
12-、-C(O)NR
15-、-NR
10C(O)NR
15-、-OC(O)NR
15、-SC(O)NR
15、-C(NR
10)NR
15-、-NR
10C(NR
11)NR
15-、-C(N
+R
10R
11)NR
15-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
15-、-OC(NR
10)NR
15、-OC(N
+R
10R
11)NR
15-、-SC(NR
10)NR
15、および-SC(N
+R
10R
11)NR
15-から選択され
L
Aは結合であるかまたはC
1~4アルキレン、C
2~4アルケニレン、C
2~4アルキニレン、C
1~3アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~3アルキレン、C
1~4アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)および(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~4アルキレンから選択され、ここでLは未置換であるか、またはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1または2個の置換基で置換され;またはLは-C(R
10)=N-であり;
X
Aは結合であるか、またはLが結合もしくは-C(R
10)=N-以外であるとき、Xは結合であるかまたは-NR
10-、-O-、-NR
10C(NR
11)-、および-C(NR
10)-から選択され;
pは0または1であり;
R
4AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
4AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
5AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
5AはR
4Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
5AはR
6A
と互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
6AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
6AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
6Aは、存在するならばR
7Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
存在するならば、R
7Aは、H、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
7AはR
6Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
各々のR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は独立してHまたはメチルであり;
各R
15は独立して置換されているC
1~C
4アルキルまたは未置換のC
2~C
4アルキルであり、ここでR
15が置換されているアルキル基であるとき前記アルキル基はハロゲン、CN、OR
10および-NR
10R
11から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている]。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セリンベータラクタマーゼ酵素のインヒビターである化合物、およびその化合物を含有する組成物に関する。これらの化合物は細菌感染症の処置に有用である。本発明はまた、この化合物と細菌感染症の処置に有用な他の活性薬剤との組合せ物にも関する。
【背景技術】
【0002】
病原性細菌における抗生物質耐性は世界中で重要な公衆衛生に対する脅威である。β-ラクタマーゼ酵素によるβ-ラクタム系抗生物質の加水分解によって引き起こされるβ-ラクタム系抗生物質に対する細菌の耐性は特に問題である。これらの酵素はβ-ラクタム環の加水分解を起こし、β-ラクタム系抗生物質を不活性にする。ベータ-ラクタマーゼは酵素の構造的および機構的に関連のない2つのファミリー:すなわち、活性セリンを使用して共有結合機構でβ-ラクタムを開裂するセリンβ-ラクタマーゼ(SBL;クラスA、CおよびD)、および金属イオン触媒作用を使用して共有結合性の中間体を形成することなくβ-ラクタムを直接加水分解するメタロβ-ラクタマーゼ(MBL;クラスB)に属する。
【0003】
出現する耐性の脅威に対抗するため、1981年に、ストレプトマイセス・クラブリギルス(Streptomyces clavuligerus)の天然産物クラブラン酸(SBLインヒビター:下記一般的合成方法の欄スキーム1参照)が、β-ラクタム系抗生物質アモキシリン(オーグメンチン)との組合せの一部として紹介された(De Koning, G.A. et al, 1981, J. Antimicrobial Chemotherapy 8, 81-82参照)。さらに最近になって、拡大スペクトルのβ-ラクタマーゼ(ESBL)およびカルバペネマーゼのようなクラブラン酸により阻害されない最新のβ-ラクタマーゼからの脅威に対抗するために、β-ラクタマーゼインヒビター発見の分野に新たな関心がもたれている。このため、セフタジジムと組み合わせて臨床で使用されるアビバクタムにより例示されるジアザビシクロオクタン(DBO)のような新しい合成クラスのインヒビターが開発されるに至った(Mawal, Y. et al, 2015, Expert Rev. Clin. Pharmacol. 8, (6), 691-707)。
【0004】
メロペネムおよびイミペネムのようなカルバペネムはESBLを産生する腸内細菌科およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)により引き起こされる深刻な感染症の処置に適した薬剤として広く認められている。アビバクタムはカルバペネムを加水分解する臨床上関連のあるSBLの多くの良好なナノモル(nanomolar)インヒビターであるが、(i)ヨーロッパおよび中東で最も広まっているカルバペネマーゼのうちのOXAファミリーの変異体;ならびに特に(ii)OXAを産生するアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)(世界保健機関により最優先病原菌として宣言されている)に対しては不十分である(Canton R et al, European Network on Carbapenemases, (2012), Rapid evolution and spread of carbapenemases among Enterobacteriaceae in Europe. Clin Microbiol Infect 18:413-431; and Nordmann P et al, 2011, Global spread of carbapenemase-producing Enterobacteriaceae. Emerg Infect Dis 17:1791-1798)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、新しいSBLインヒビター、特にβ-ラクタマーゼのOXAファミリーを阻害することができるインヒビターを提供する必要性がある。また、拡大スペクトルのβ-ラクタマーゼ(ESBL)およびカルバペネマーゼを含めてある範囲のSBLを阻害することができる広域スペクトルのインヒビターを提供する必要性もある。さらに、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)により産生されるSBLを阻害することができるインヒビターを提供する必要性がある。本発明はこれらの問題のいくつかまたはすべてに対処することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、驚くべきことに、DBO分野における新規な類似体が、OXA変異体を含むSBL酵素に対して予想外の活性を有することを見出した。結果として、これらの化合物は感染性の病気を処置する際にカルバペネムに対する補助剤として有用であると期待される。
【0007】
したがって、本発明は態様[1]に記載の化合物を提供する。これらの化合物は細菌感染症の処置に有用であり、特に抗生物質に対するSBL由来の細菌耐性を除去または低減する際に有用である。したがってこれらはSBLを産生する細菌により引き起こされる感染症の処置に、例えば抗生物質と組み合わせて使用するのに有用である。それ故、細菌の処置または予防は通例本発明の化合物を抗生物質薬剤と組み合わせて投与することによって行われる。これらの化合物はまた、特に細菌感染症がSBLおよびメタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)を産生する細菌により引き起こされる場合、MBLインヒビターと組み合わせて使用するのに有用である。
【0008】
本発明は、特に、以下を提供する:
1.式(I)のジアザビシクロオクタノンである化合物またはその薬学的に許容される塩:
【0009】
【化1】
[式中、
Rは、ハロゲン、C(O)R
1、C
1~4アルキルおよびL-X-R
1から選択され、ここでC
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルであり;
Lは、結合であるか、または未置換もしくは少なくとも1個のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルキレン基であり;
Xは、OまたはS(O)
zであり、ここでzは0、1または2である]。
【0010】
2.式(II)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩または式(III)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩である、態様1に記載の化合物。
【0011】
【0012】
3.Rがフッ素または塩素である、態様1または態様2に記載の化合物。
【0013】
4.化合物が式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩であり、Rがフッ素または塩素である、態様1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0014】
5.化合物が式(III)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩であり、Rがフッ素または塩素である、態様1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0015】
6.硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル((2R,5R)-2-fluoro-7-oxo-1,6-diazabicyclo [3.2.1] octan-6-yl hydrogen sulphate);
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル((2S, 5R)-2-fluoro-7-oxo-1, 6-diazabicyclo [3.2.1] octan-6-yl hydrogen sulphate);
硫酸水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル((2R,5R)-2-chloro-7-oxo-1,6-diazabicyclo [3.2.1] octan-6-yl hydrogen sulphate);
およびそれらの薬学的に許容される塩
から選択される、態様1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0016】
7.式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、態様1に記載の化合物:
【0017】
【化3】
[式中、Rは態様1で定義された通りである]。
【0018】
8.式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、態様1に記載の化合物:
【0019】
【化4】
[式中、
Rは、C(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここでC
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルである]。
【0020】
9.RがC(O)R1およびC1~4アルキルから選択され、C1~4アルキル基が少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されている、態様8に記載の化合物。
【0021】
10.R1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的にOHおよび自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC1~4アルキルである、態様8に記載の化合物。
【0022】
11.R1がC1~2アルキルであり、C1~2アルキル基がフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されている、態様8~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0023】
12.各R2が、OH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルコキシ;R3が未置換のC1~2アルキルであるC(O)OR3;および未置換の5~6員ヘテロアリールから独立して選択される、態様8~11のいずれか1つに記載の化合物。
【0024】
13.各R2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換チアゾリルから独立して選択される、態様8~12のいずれか1つに記載の化合物。
【0025】
14.Rが、C(O)R1およびC1~4アルキルから選択され、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており;
R1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的にOHおよびC1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC1~4アルキルであり、C1~4アルキル基は未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されており;
R2が、OH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルコキシ;R3が未置換またはC1~2アルキルであるC(O)OR3;および未置換の5~6員ヘテロアリールから選択される、態様8に記載の化合物。
【0026】
15.RがC(O)R1およびC1~4アルキル、好ましくはC1~2アルキルから選択され、ここでアルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており;
R1がC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基はフッ素または塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
R2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから選択される、態様8に記載の化合物。
【0027】
16.RがC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されている、態様8~15のいずれか1つに記載の化合物。
【0028】
17.RがCF3、CHF2、CHCl2、CCl3、CH2F、CF2CH3、CF2CH2CO2Me、COCF3、CF2-チアゾリル、CF2CH2OCH3、CF2CH2CH2OH、CH(OH)CF3、CH2CF3およびCF2-オキセタニルから選択される、態様8に記載の化合物。
【0029】
18.RがCF3、CHF2およびCHCl2から選択される、態様8に記載の化合物。
【0030】
19.Rが-L-X-R1であり、ここで
Lは結合であるか、または未置換のC1アルキレン基であり;
XはOまたはSであり;
R1は1、2または3個のハロゲン基により置換されているC1アルキル基であり;
好ましくはRが-CH2-O-CF3および-S-CF3から選択される、態様7に記載の化合物。
【0031】
20.式(I)の化合物のナトリウム塩である、前記態様のいずれか1つに記載の化合物。
【0032】
21.式(II)または式(III)の化合物のナトリウム塩であり、好ましくは式(II)の化合物のナトリウム塩である、態様2~20のいずれか1つに記載の化合物。
【0033】
22.前記態様のいずれか1つに記載の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含み、任意選択的に(i)抗生物質薬剤および/または(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターをさらに含んでいてもよい医薬組成物。
【0034】
23.態様1~21のいずれか1つに記載の化合物と(i)抗生物質薬剤および(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターの1種または複数との組合せ物。
【0035】
24.抗生物質薬剤および/またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターとの共投与により細菌感染症の治療または予防に使用される、態様1~21のいずれか1つに記載の化合物。
【0036】
25.態様1~21のいずれか1つに記載の化合物、および任意選択的にメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターとの共投与により細菌感染症の治療または予防に使用するための抗生物質薬剤。
【0037】
26.態様1~21のいずれか1つに記載の化合物、および任意選択的に抗生物質薬剤との共投与により細菌感染症の治療または予防に使用するためのメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【0038】
27.抗生物質薬剤がβ-ラクタム系抗生物質、好ましくはカルバペネム、ペニシリン、セファロスポリンおよびペネムから選択されるβ-ラクタム系抗生物質である、態様22に記載の組成物、態様23に記載の組合せ物または態様24~26のいずれか1つに記載の化合物、抗生物質薬剤もしくはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【0039】
28.抗生物質薬剤がカルバペネム系抗生物質であり、好ましくは抗生物質薬剤がメロペネムである、態様27に記載の組成物、組合せ物もしくは化合物、抗生物質薬剤またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【0040】
29.グラム陰性細菌において抗生物質耐性の除去または低減に使用するための、態様1~21のいずれか1つに記載の化合物、または態様22、23、27もしくは28のいずれか1つに記載の組成物もしくは組合せ物。
【0041】
30.細菌感染症の治療または予防に使用するための、態様1~21のいずれか1つに記載の化合物、または態様22、23、27もしくは28のいずれか1つに記載の組成物もしくは組合せ物。
【0042】
31.グラム陰性細菌が腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択されるか、または細菌感染症が、腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される細菌により引き起こされる、態様24~30のいずれか1つに記載の化合物、抗生物質薬剤、メタロ-β-ラクタマーゼインヒビター、組成物または組合せ物。
【0043】
32.細菌が、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)から選択される腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される、態様31に記載の化合物、抗生物質薬剤、メタロ-β-ラクタマーゼインヒビター、組成物または組合せ物。
【0044】
33.細菌感染症がカルバペネム耐性腸内細菌科(Carbapenem Resistant Enterobacteriaceae)により引き起こされる、態様31に記載の化合物、抗生物質薬剤、メタロ-β-ラクタマーゼインヒビター、組成物または組合せ物。
【0045】
34.メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)もしくは式(B)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、好ましくはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、態様22~33のいずれか1つに記載の組成物、組合せ物もしくは化合物、抗生物質薬剤またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター
【0046】
【化5】
[式中、R
1A、A、m、R
2A、n、R
3A、Z
A、L
A、X
A、p、R
4A、R
5A、R
6A、R
7A、R
1B、R
11B、Y
B、A
B、R
2BおよびnBは本明細書で定義されている通りである]。
【0047】
35.メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
式中、
R1Aは、H、R1bおよび-CH2OC(O)R1bから選択され、ここでR1bは未置換のC1~C4アルキル基およびフェニルから選択され;
Aは、C6~C10アリール、5~10員のヘテロアリール、ならびに4~10員の炭素環式および複素環式基から選択される環式基であり;
各R2Aは:
(i)ハロまたはR8;
(ii)いずれも任意選択的に1、2または3個のハロ置換基および/または1個のR8置換基で置換されていてもよいC1~3アルキル、O(C1~3アルキル)、S(C1~3アルキル)、SO(C1~3アルキル)またはSO2(C1~3アルキル);ならびに
(iii)各々のRaおよびRbが水素および未置換のC1~2アルキルから独立して選択され、各Rcが未置換のC1~2アルキルである、NRaC(O)Rc、およびNRaC(O)NRbRc;
から独立して選択され、
各R8はCN、OH、-C(O)NRfRg、-NRfRg、-NR10C(NR11)R12、-C(NR10)NR11R12、および-NR10C(NR11)NR12R13から独立して選択され;ここで各々のRfおよびRgは独立してHまたは未置換のC1~2アルキルであり;
mは、0、1、2または3であり、
R3Aは、水素ならびに未置換のまたはハロゲン、-OR10および-NR10R11から選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1~C3アルキル基から選択され;
nは、0または1であり、
ZAは、結合であるか、または-NR10C(O)-、-C(O)NR10-、-NR10C(O)NR11-、-NR10C(O)O-、-OC(O)NR10、-NR10C(O)S-、-SC(O)NR10、-NR10C(NR11)-、-C(NR10)NR11-、-NR10C(NR11)NR12-、-NR10C(N+R11R12)-、-C(N+R10R11)NR12-、-NR10C(N+R11R12)NR13-、-NR10C(NR11)O-、-OC(NR10)NR11、-NR10C(N+R11R12)O-、-OC(N+R10R11)NR12-、-NR10C(NR11)S-、-SC(NR10)NR11、-NR10C(N+R11R12)S-、-SC(N+R10R11)NR12-、-C(O)NR15-、-NR10C(O)NR15-、-OC(O)NR15、-SC(O)NR15、-C(NR10)NR15-、-NR10C(NR11)NR15-、-C(N+R10R11)NR15-、-NR10C(N+R11R12)NR15-、-OC(NR10)NR15、-OC(N+R10R11)NR15-、-SC(NR10)NR15、および-SC(N+R10R11)NR15-から選択され、
LAは、結合であるか、またはC1~4アルキレン、C2~4アルケニレン、C2~4アルキニレン、C1~3アルキレン-(C3~6シクロアルキレン)-C1~3アルキレン、C1~4アルキレン-(C3~6シクロアルキレン)および(C3~6シクロアルキレン)-C1~4アルキレンから選択され、ここでLは未置換であるか、またはハロゲン、-OR10、および-NR10R11から選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;またはLは-C(R10)=N-であり;
XAは結合であるか、またはLが結合もしくは-C(R10)=N-以外であるとき、Xは、結合であるか、または-NR10-、-O-、-NR10C(NR11)-、および-C(NR10)-から選択され;
pは、0または1であり;
R4Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1~C3アルキルから選択され;
またはR4Aは、R5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換または未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R5Aは、H、-CNならびに、未置換であるかまたはハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1~C3アルキルから選択され;
またはR5Aは、R4Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR5Aは、R6A
と互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R6Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1~C3アルキルから選択され;
またはR6Aは、R5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR6Aは、存在するならばR7Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
存在するならば、R7Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC1~C3アルキルから選択され;
またはR7Aは、R6Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC1~C2アルキル、ハロゲン、-OR10、-NR10R11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
各々のR10、R11、R12、R13およびR14は独立してHまたはメチルであり;
各R15は、独立して置換されているC1~C4アルキルまたは未置換のC2~C4アルキルであり、ここでR15が置換されているアルキル基であるときアルキル基はハロゲン、CN、OR10および-NR10R11から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されている、
態様34に記載の組成物、組合せ物もしくは化合物、抗生物質薬剤またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【0048】
36.メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
R1AはHであり;
Aはフェニル、シクロヘキサン、ピペリジン、ピリダジン、ピリジンおよびチアゾールから選択され;
mは1または2であり;
各R2Aは:
ハロ、CN、OH、-C(O)NRfRg、-NRfRg;ここで各々のRfおよびRgは独立してHまたはメチルである;および
いずれも任意選択的にハロ、CN、OHから選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよいC1~2アルキル、O(C1~2アルキル)、S(C1~2アルキル)、SO(C1~2アルキル)、;
から独立して選択され;
nは0であり;
ZAは-NR10C(O)-、-C(O)NR10-、および-NR10C(O)NR11-から選択され;
LAは結合であるかまたはC1~3アルキレンおよびC2~3アルケニレンから選択され、
XAは結合であり;
pは0であり;またはpは1で、R7AはHであり;
R4AはHであり;
R5AはH、-CNならびに未置換であるかまたは1、2または3個のハロ置換基および/または1個の-NR10R11置換基Hで置換されているC1~C2アルキルから選択され;
R6AはHである、
態様35に記載の組成物、組合せ物もしくは化合物、抗生物質薬剤またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【0049】
37.メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが:
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[(2-グアニジノアセチル)アミノ]メチル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(グアニジノメチル)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(2-グアニジノエチルスルファニルカルボニルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[2-[(2-アミノ-2-イミノ-エチル)アミノ]-2-オキソ-エチル]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-カルバモイル-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-シアノ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(2-グアニジノエトキシカルボニルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-グアニジノフェニル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[2-(2-カルバムイミドイルヒドラジノ)-2-オキソ-エチル]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-クロロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-メトキシ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(2-カルバムイミドイルヒドラジノ)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[(2E)-2-(カルバムイミドイルヒドラゾノ)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)アセチル]アミノ]-3,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[6-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]ピリダジン-3-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-アミノ-2-イミノ-エチル)カルバモイルアミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-プロパノイル)アミノ]-3,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[3-(ジメチルアミノ)-3-イミノ-プロパノイル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[(2-グアニジノオキシアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[3-イミノ-3-(メチルアミノ)プロパノイル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[3-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)プロパノイルアミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]チアゾール-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[(N-シアノカルバムイミドイル)アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-(モルホリン-4-カルボキシミドイルアミノ)アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-2-メチル-プロパノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-(カルバムイミドイルカルバモイルアミノ)-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[(2R)-2-グアニジノプロパノイル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(4-アミノ-4-イミノ-ブタノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)アセチル]アミノ]-2,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2,5-ジフルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-[(N-メチルカルバムイミドイル)アミノ]アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-(2-イミノイミダゾリジン-1-イル)アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[カルバムイミドイル(メチル)アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[[N-(2-アミノエチル)カルバムイミドイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[5-フルオロ-6-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-ピリジル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(3-グアニジノプロパノイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-プロパノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;および
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(フェニルメチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3-メトキシフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-フェニルエチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(チオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4,5-ジクロロチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-メチルフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ブロモフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(5-クロロチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(5-フェニルチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(チオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,5-ジメチルチオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-([1,1’-ビフェニル]-2-イルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-アミノフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-アセトアミドフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-ベンズアミドフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ (E)-5-((2-スチリルフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ (E)-5-((2-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-([1,1’-ビフェニル]-2-イルメチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-ニトロフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2-オキサゾール-3-イル]チオフェン-2-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1-ベンゾチオフェン-2-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-メチルチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-ブロモチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1-ベンゾチオフェン-3-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[(2-クロロフェニル)メチル]スルファモイル}アミノ)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[({[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルファモイル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(3-ブロモチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ヨードフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-フェニル-5-(トリフルオロメチル)チオフェン-3-イル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンジルスルホンアミド-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 2-メチル-5-(キノリン-8-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロフェニル)スルホンアミド]-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 2-メチル-5-[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)スルホンアミド]-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ブロモフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-フェニル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-エチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニルエチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-フェノキシエチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(2-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(ピリジン-3-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,6-ジクロロフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(シクロヘキシルメチル)スルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニルプロピル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(4-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(4-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(ピペリジン-1-スルホニル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(フェニルスルファモイル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[ベンジル(メチル)スルファモイル]アミノ}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミドフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メトキシフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(シクロプロピルメチル)スルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-メトキシフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(3-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(3-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メタンスルホニルフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[メチル(フェニル)スルファモイル]アミノ}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(モルホリン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-シアノフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(ピリジン-2-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-メトキシピリジン-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-エチル-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-シアノフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(3-フェニルプロピル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(N-フェニルアセトアミド)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(3-オキソモルホリン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1,2-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(オキサン-4-イルメチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[({1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}メチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]-1H-ピラゾール-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(ピペリジン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-プロパンアミドフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-ヒドロキシアセトアミド)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({4-[(メチルカルバモイル)アミノ]フェニル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-メトキシアセトアミド)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({4-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3,5-トリクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2,3-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({2-[メチル(フェニル)アミノ]エチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(4-ニトロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-アセトアミドピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{4-[(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)アミノ]フェニルスルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-アミノピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-クロロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(キノリン-6-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,3-ジヒドロインドール-1-スルホニル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-メタンスルホニルフェニルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2H-ピラゾール-3-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[2-(ピリジン-3-イル)エチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(3-オキソモルホリン-4-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-4-イルアミノ)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミドフェニル)メチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(4-アミノピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(1,4-ジアゼパン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[4-(ピロリジン-3-イルオキシ)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノアゼチジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{6-[4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-3-イルスルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[1-(2-クロロフェニル)エチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[1-(2-クロロフェニル)エチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3-ピリジルメチルスルホニルアミノ)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(イソインドリン-5-イルメチルスルホニルアミノ)チアゾール-4-カルボン酸;
・ R-5-[[4-[1-(2-アミノ-2-フェニル-アセチル)-4-ピペリジル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ S-5-[[4-[1-(2-アミノ-2-フェニル-アセチル)-4-ピペリジル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-アミノアセチル)アミノ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミド-3-フルオロ-フェニル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパノイル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-2-フェニル-アセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-3-フェニル-プロパノイル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)ピリミジン-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メチルピリミジン-5-イル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-(4-ピリジル)ピリミジン-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-メチル-3-ピリジル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロ-3-ニトロ-フェニル)メチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
およびそれらの薬学的に許容される塩から選択される、態様34~36のいずれか1つに記載の組成物、組合せ物もしくは化合物、抗生物質薬剤またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビター。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1-1】
図1は、メロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に耐性のOXA陽性腸内細菌科の臨床株の2つのパネルに対する(
図1Aおよび1B)様々なインヒビターの活性を示すMICデータ(実施例に記載する)を示す。データは(i)メロペネム単独(「MEM」)、(ii)インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ(「CEF/VNRX」);(iii)インヒビターアビバクタムと抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ(「CAZ/AVI」);および(iv)実施例10の化合物および抗生物質メロペネム(「MEM+実施例10」)について示す。
【
図2】
図2は、メロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に耐性のKPC陽性腸内細菌科の臨床株の1つのパネルに対する様々なインヒビターの活性を示すMICデータ(実施例に記載する)を示す。データは、(i)メロペネム単独(「MEM」)、(ii)インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ(「CEF/VNRX」);(iii)インヒビターアビバクタムと抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ(「CAZ/AVI」);および(iv)実施例10の化合物および抗生物質メロペネム(「MEM+実施例10」)について示す。
【
図3】
図3は、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)に対する様々なインヒビターの活性を示すMICデータ(実施例に記載する)を示す。データは、(i)メロペネム単独(「MEM」)、(ii)インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ(「CEF/VNRX」);(iii)インヒビターアビバクタムと抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ(「CAZ/AVI」);および(iv)実施例10の化合物および抗生物質メロペネム(「MEM+実施例10」)について示す。
【
図4-1】
図4Aは、KPC-陽性の肺炎桿菌(K. pneumoniae)NR-48977による感染;各々9時間;およびx軸に示されているようにメロペネム単独または実施例10との組合せで処置後のマウス大腿負荷(cfu/g)を示す散布図を示す。各々の処置の幾何平均負荷は水平バーにより示し、メロペネム単独に対する大腿負荷低下(Log10)はかっこ内に示す。統計的有意性はメロペネム単独による処置に対して決定される(
**P<0.01;
***P<0.001)。
【
図4-2】
図4Bは、OXA-陽性の肺炎桿菌(K. pneumoniae)AC00783による感染;各々9時間;およびx軸に示されているようにメロペネム単独または実施例10との組合せで処置後のマウス大腿負荷(cfu/g)を示す散布図を示す。各々の処置の幾何平均負荷は水平バーにより示し、メロペネム単独に対する大腿負荷低下(Log10)はかっこ内に示す。統計的有意性はメロペネム単独による処置に対して決定される(
**P<0.01;
***P<0.001)。
【
図4-3】
図4Cは、OXA-陽性のアシネトバクター・バウマニ(A. baumannii)AC00445による感染;各々9時間;およびx軸に示されているようにメロペネム単独または実施例10との組合せで処置後のマウス大腿負荷(cfu/g)を示す散布図を示す。各々の処置の幾何平均負荷は水平バーにより示し、メロペネム単独に対する大腿負荷低下(Log10)はかっこ内に示す。統計的有意性はメロペネム単独による処置に対して決定される(
**P<0.01;
***P<0.001)。
【発明を実施するための形態】
【0051】
定義
本明細書で使用されるとき、C1~C6アルキル基は1~6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐のアルキル基である。C1~C4アルキル基は1~4個の炭素原子を含有する直鎖または分岐のアルキル基である。C1~C4アルキル基はC1~C3アルキル基またはC1~C2アルキル基であることが多い。C1~C4アルキル基の例には、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、およびtert-ブチルがある。C1~C2アルキル基はメチルまたはエチル、通例メチルである。誤解を避けるために、2個のアルキル基が存在する場合、アルキル基は同一でも異なってもよい。
【0052】
本明細書で使用されるとき、C1~C2アルキレン基は、C1~C2アルカンから2個の水素原子を除去することにより得られる未置換のまたは置換されている二座の部分である。水素原子は同一の炭素原子または異なる炭素原子から除去され得る。C1~C2アルキレン基はメチレンまたはエチレン、通例メチレンである。
【0053】
本明細書で使用されるとき、C1~4アルコキシは酸素原子に結合した上記定義のC1~4アルキル基である。
【0054】
本明細書で使用されるとき、C2~4アルケニル基は、2~4個の炭素原子を含有し、1個または複数、例えば1個または2個、通例1個の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル基である。通例C2~4アルケニル基はC2~3アルケニル基である。C2~4アルケニル基の例にはエテニル、プロペニルおよびブテニルがある。C2~4アルケニレン基は、C2~4アルケンから2個の水素原子を除去することにより得られる未置換のまたは置換されている二座の部分である。通例C2~4アルケニレン基はC2~3アルケニレン基、例えばエテニレン、プロペニレンまたはブテニレンである。
【0055】
本明細書で使用されるとき、C2~4アルキニル基は、2~4個の炭素原子を含有し、1個または複数、例えば1個または2個、通例1個の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル基である。通例C2~4アルケニル基はC2~3アルケニル基、例えばエチニル、プロピニルまたはブチニルである。C2~4アルキニレン基はC2~4アルキンから2個の水素原子を除去することにより得られる未置換のまたは置換されている二座の部分である。通例C2~4アルキニレン基はC2~3アルキニレン基、例えばエチニレン、プロピニレンまたはブチニレンである。
【0056】
アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルキニルまたはアルキニレン基は本明細書で使用されるとき未置換でも置換されていてもよい。他に断らない限り、置換されているアルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルケニレン、アルキニルまたはアルキニレン基は通例1個または複数、例えば1個、2個、3個または4個、例えば1個、2個または3個、例えば2個、または3個の置換基を有する。好ましい置換基はハロゲン原子である。示されている場合、アルキル基はまた本明細書で定義される1個または2個の基R2で置換され得る。置換されているアルキルまたはアルコキシ基上の置換基は通例他に断らない限り自身未置換である。1個より多くの置換基が存在する場合、これらは同じでも異なってもよい。
【0057】
本明細書で使用されるとき、ハロゲンは通例塩素、フッ素、臭素またはヨウ素であり、好ましくは塩素、臭素またはフッ素、殊に塩素またはフッ素、最も特定的にはフッ素である。基または部分が1個または複数のハロゲン原子で置換されている場合、好ましくは1個、2個、3個または4個のハロゲン原子、好ましくは2個または3個のハロゲン原子を有する。基または部分が2個以上のハロゲン原子で置換されている場合、ハロゲン原子は同一でも異なってもよい。通例、ハロゲン原子は同じである。
【0058】
本明細書で使用されるとき6~10員のアリール基は、環部分に6~10個の炭素原子を含有する置換されたまたは未置換の単環式または縮合多環式芳香族基である。例には単環式基、例えばフェニル、ならびに縮合二環式基、例えばナフチルおよびインデニルがある。フェニル(ベンゼン)が好ましい。
【0059】
本明細書で使用されるとき、5~10員のヘテロアリール基は、環部分に、通例O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、例えば1個、2個または3個のヘテロ原子を含めて5~10個の原子を含有する置換または未置換の単環式芳香族基であり;通例、環部分に、通例O、SおよびNから選択される少なくとも1個のヘテロ原子、例えば1個、2個または3個のヘテロ原子を含めて5または6個の原子を含有する置換または未置換の単環式芳香族基である5~6員のヘテロアリール基である。5および6員のヘテロアリール基の例にはピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、およびピラジンがある。
【0060】
本明細書で使用されるとき、3~10員のヘテロシクリル基は、環内に、少なくとも1個のヘテロ原子、通例1個または2個のヘテロ原子を含めて、C、O、NおよびSから選択される3~10個の原子を含有する環式基であり;通例3~8員のヘテロシクリル基、典型的には、環内に、少なくとも1個のヘテロ原子、通例1個または2個のヘテロ原子を含めて、C、O、NおよびSから選択される4~6個の原子を含有する環式基である4~6員のヘテロシクリル基である。ヘテロ原子またはヘテロ原子(複数)は通例O、N、およびSから選択される。複素環式基は飽和または部分的に不飽和であり得る。4~6員の部分的に不飽和の複素環式基は環内にC、O、NおよびSから選択される4~6個の原子を含有し、かつ1または2個、例えば1個の二重結合を含有する環式基である。
【0061】
3~10員のカルボシクリル基は3~10個の炭素原子を含有する環式炭化水素である。カルボシクリル基は飽和または部分的に不飽和であり得るが、通例飽和である。3~10員の部分的に不飽和のカルボシクリル基は3~10個の炭素原子を含有し、かつ1または2個、例えば1個の二重結合を含有する環式炭化水素である。3~10員のカルボシクリル基は通例4~10員のカルボシクリル基、例えば3~8員のカルボシクリル基、例えば3~6、4~6員または5~6員の炭素環式基である。3~6員の飽和炭素環式基の例にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基がある。
【0062】
4~6員の飽和複素環式基の例にはオキセタン、アゼチジン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、イミダゾリジン、およびオキサゾリジンがある。4~6員の部分的に不飽和の複素環式基の例にはテトラヒドロピラジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロ-1,4-オキサジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロ-1,3-オキサジン、ジヒドロピロール、ジヒドロイミダゾールおよびジヒドロオキサゾールがある。
【0063】
アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基は本明細書に記載されている通り未置換でもまたは置換されていてもよい。例えば、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール基は未置換であっても、または1個、2個または3個、通例1個または2個、例えば1個の置換基で置換されていてもよい。適切な置換基にはハロゲン、OH、C(O)C1~4アルキル、C(O)OH、C(O)OC1~4アルキル、C1~4アルキルおよびC1~4アルコキシがあり、ここでC1~4アルキルおよびC1~4アルコキシ基および部分は自身が未置換であるかまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されている。
【0064】
本明細書で使用されるとき、薬学的に許容される塩は薬学的に許容される酸または塩基との塩である。薬学的に許容される酸には、塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸または硝酸のような無機酸、ならびにシュウ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸またはp-トルエンスルホン酸のような有機酸の両方が含まれる。薬学的に許容される塩基には、アルカリ金属(例えばナトリウムまたはカリウム)およびアルカリ土類金属(例えばカルシウムまたはマグネシウム)水酸化物ならびに有機塩基、例えばアルキルアミン、アラルキルアミンおよび複素環式アミンがある。好ましい薬学的に許容される塩はSO3H基と薬学的に許容される塩基で形成される塩、特に四級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、またはアルカリ金属塩、例えばナトリウムまたはカリウム塩、最も好ましくはナトリウム塩である。
【0065】
式(I)において、二環式の環は示されている立体化学をとる。したがって、二環式環が「椅子」形(下記参照)で示されているとき、R基は軸方向「上向きの」位置または赤道方向「下向きの」位置にあり、一方OSO3H置換基を有する第2の環は軸方向「下向きの」位置にある。
【0066】
【0067】
式(II)において、二環式の環は示されている立体化学をとる。したがって、二環式環が「椅子」形(下記参照)で示されているとき、R基は軸方向「上向きの」位置にあり一方OSO3H置換基を有する第2の環は軸方向「下向きの」位置にある。
【0068】
【0069】
式(III)において、二環式の環は示されている立体化学をとる。したがって、二環式環が「椅子」形(下記参照)で示されているとき、R基は赤道方向「下向きの」位置にあり、一方OSO3H置換基を有する第2の環は軸方向「下向きの」位置にある。
【0070】
【0071】
通例、本明細書に記載されている化合物または組成物は二環式環において(すなわち二環式環上の2つのキラル中心で)上に示されている立体化学を有する式(I)の化合物を少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、75%、90%または95%含有する。好ましくは、化合物は上に示されている2つのキラル中心で実質的にジアステレオマーとして純粋である。
【0072】
通例、本明細書に記載されている化合物または組成物が式(II)の化合物を含むとき、前記化合物の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、75%、90%または95%が二環式環において(すなわち二環式環上の2つのキラル中心で)上に示されている立体化学を有する。好ましくは、化合物は上に示されている2つのキラル中心で実質的にジアステレオマーとして純粋である。
【0073】
通例、本明細書に記載されている化合物または組成物が式(III)の化合物を含むとき、前記化合物の少なくとも50%、好ましくは少なくとも60%、75%、90%または95%が二環式環において(すなわち二環式環上の2つのキラル中心で)上に示されている立体化学を有する。好ましくは、化合物は上に示されている2つのキラル中心で実質的にジアステレオマーとして純粋である。
【0074】
式(I)、(II)または(III)において、1個または複数のさらなるキラル中心がR基内に存在し得る。これらのキラル中心で、立体化学は限定されず、化合物はジアステレオマーとして純粋な形態で、または異性体の混合物として使用され得る。通例、本明細書に記載されている化合物または組成物は、R基のキラル中心に関してジアステレオマーとして純粋である式(I)、(II)または(III)の化合物を少なくとも50%、好ましくは少なくとも60、75%、90%または95%含有する。通例、本発明の化合物または組成物は重量で少なくとも60%、例えば少なくとも75%、90%、または95%の単一のジアステレオマーを含む。好ましくは、化合物は実質的に光学的に純粋である。
【0075】
通例、式(I)の化合物は式(II)の化合物である。
【0076】
さらに、誤解を避けるために、本発明の化合物は任意の互変異性型で使用することができる。
【0077】
本明細書で使用されるとき、抗生物質に対する「耐性を除去または低減する」、または細菌において「耐性を除去または低減する」とは、細菌耐性機構、例えばSBLによる抗生物質化合物の分解が防止または阻害されることを意味する。したがって細菌耐性の効果(すなわち抗生物質の無効果)が除去または低減される。言い換えると、本発明の化合物はβ-ラクタム環の加水分解を抑制または防止するのに、すなわち抗生物質化合物の加水分解を抑制または防止するのに有用である。したがって本発明の化合物は、SBLを産生する細菌により引き起こされる感染症を処置するのに使用したときに抗生物質の効力を改良する。
【0078】
本発明の化合物
式(I)のいくつかの好ましい化合物において、Rはハロゲンである。好ましくは、Rがハロゲンであるとき、Rはフッ素または塩素である。最も好ましくは、RがハロゲンであるときRはフッ素である。
【0079】
Rがハロゲンであるとき、式(I)の化合物は式(II)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または式(III)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩であり得る:
【0080】
【0081】
好ましくは、Rがハロゲンであるとき、式(I)の化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0082】
好ましくは、したがって、化合物は式(II)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩または式(III)の化合物もしくはその薬学的に許容される塩であり、Rはフッ素または塩素である。より好ましくは、化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、Rはフッ素または塩素である。最も好ましくは、化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、Rはフッ素である。
【0083】
好ましくは、本発明において、式(I)の化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0084】
他の好ましい化合物において、式(I)の化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり;式中、
RはC(O)R1、C1~4アルキルおよびL-X-R1から選択され、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R2でさらに置換されており;
R1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R2でさらに置換されているC1~4アルキルであり;
各R2はOH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルコキシ;C(O)R3;C(O)OH;C(O)OR3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R3、C(O)OH、C(O)OR3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルおよびC1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R3は未置換であるかまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルであり;
Lは結合であるかまたは未置換であるかもしくは少なくとも1個のハロゲン原子で置換されているC1~2アルキレン基であり;
XはOまたはS(O)zであり、ここでzは0、1または2である。
【0085】
RがL-X-R1であるとき、Lは好ましくは結合または未置換のC1~2アルキレン基である。より好ましくは、Lは結合であるかまたは未置換のC1アルキレン(メチレン)基である。XはOおよびS(O)zから選択され、ここでzは0、1または2であり;すなわちXはO、S、S(O)、およびS(O)2から選択される。好ましくはXはOおよびSから選択される。
【0086】
好ましいL-X-R1基としては-CH2-O-R1、-S-R1、および-SO2-R1があり、ここでR1は本明細書で定義される通りである。より好ましいL-X-R1基としては-CH2-O-R1および-S-R1があり、ここでR1は本明細書で定義される通りである。例えば、かかる基においてR1は好ましくはC1またはC2アルキル基、好ましくはC1アルキル基である。R1基は好ましくは1個、2個または3個のハロゲン基により、例えば3個のハロゲン基により置換されており;例えば、R1基は好ましくはCF3である。最も好ましいL-C-R1基はしたがって-L-X-CF3基、例えば-CH2-O-CF3および-S-CF3を含む。
【0087】
他の好ましい化合物において、式(I)の化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり;式中、
RはC(O)R1およびC1~4アルキルから選択され、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R2でさらに置換されており;
R1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R2でさらに置換されているC1~4アルキルであり;
各R2はOH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルコキシ;C(O)R3;C(O)OH;C(O)OR3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R3、C(O)OH、C(O)OR3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルおよびC1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルである。
【0088】
好ましくは、RはC1~4アルキルであり、ここでC1~4アルキル基Rは本明細書で定義される通りである。
【0089】
通例、かかる化合物において、RはC(O)R1およびC1~4アルキルから選択され、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されている。好ましくは、RはC(O)R1およびC1~2アルキルから選択され、ここでC1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されている。
【0090】
本発明の1つの好ましい態様において、化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、RはC1~4アルキルであり、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個、例えば1個の置換基R2でさらに置換されている。好ましくは、アルキル基は少なくとも2個、例えば2個または3個のハロゲン原子で置換されている。ハロゲン原子は好ましくはフッ素および塩素から選択される。好ましくは、RはC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されている。より好ましくは、RはC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基はフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されている。最も好ましくはRはフッ素および塩素から選択される2個または3個のハロゲン原子で置換されているメチル基、例えばCF3、CCl3、CHF2およびCHCl2である。
【0091】
RがC(O)R1を表す場合、通例R1は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的にOHおよび自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されているC1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC1~4アルキルである。好ましくは、R1は少なくとも1個の、より好ましくは少なくとも2個(例えば2個または3個)のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルである。ハロゲン原子は好ましくはフッ素および塩素から選択される。より好ましくはR1はC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基はフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されている。最も好ましくはR1はフッ素および塩素から選択される2個または3個のハロゲン原子で置換されているメチル基、例えばCF3である。
【0092】
R2が6~10員のアリールを表すとき通例はフェニルである。R2が5~6員のヘテロアリールを表すとき、通例はチアゾリル、ピロリル、フラニル、チオフェニル、イミダゾリルおよびオキサゾリルから選択される5員のヘテロアリール、好ましくはチアゾリルである。R2が4~6員のヘテロシクリルを表すとき、通例はオキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニルおよびテトラヒドロチオフェニルから選択される4または5員のヘテロシクリル基である。好ましくはオキセタニルおよびアゼチジニルから選択される4員のヘテロシクリル基、最も好ましくはオキセタニルである。
【0093】
R2がアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基を表すとき、未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R3、C(O)OH、C(O)OR3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルおよびC1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の(例えば1個または2個の)置換基で置換されている。好ましい置換基はハロゲン;OH;ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルキルおよびC1~2アルコキシ基である。より好ましい置換基はハロゲン、OH、MeおよびOMeである。最も好ましくはR2がアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル基を表すとき未置換である。
【0094】
各R2は通例OH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルコキシ;C(O)OR3、ここでR3は未置換のC1~2アルキルである;および未置換の5~6員のヘテロアリールから独立して選択される。好ましくは各R2はOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから独立して選択される。
【0095】
R3は通例未置換のC1~2アルキル、好ましくはメチルである。
【0096】
本発明のいくつかの好ましい化合物において、化合物は式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
RはC1~4アルキルであり、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R2でさらに置換されており;好ましくはRはC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており;
各R2はOH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルコキシ;C(O)R3;C(O)OH;C(O)OR3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R3、C(O)OH、C(O)OR3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルおよびC1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;好ましくは各R2はOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルコキシ;C(O)OR3および未置換の5~6員のヘテロアリールから選択され;
R3は未置換であるかまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~4アルキルであり;好ましくはR3は未置換のC1~2アルキルである。
【0097】
本発明のさらに好ましい化合物は、化合物が式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
RがC(O)R1およびC1~4アルキルから選択され、ここでC1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており;
R1が少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的にOHおよび自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されているC1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC1~4アルキルであり;
R2がOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC1~2アルコキシ;C(O)OR3、ここでR3は未置換のC1~2アルキルである;および未置換の5~6員のヘテロアリールから選択される
ものである。
【0098】
本発明のより好ましい化合物は、化合物が式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
RがC(O)R1およびC1~4アルキル、特にC1~2アルキルから選択され、ここでアルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており;
R1がC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基はフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
R2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから選択される
ものである。
【0099】
本発明のさらにより好ましい化合物は、化合物が式(II)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、かつRがCOCF3またはC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子(例えばフッ素または塩素)で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R2でさらに置換されており、R2はOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから選択されているものである。より好ましくは、RはC1~2アルキルであり、ここでC1~2アルキル基はフッ素または塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されている。最も好ましくはRはフッ素および塩素から選択される2個または3個のハロゲン原子で置換されているメチル基、例えばCF3、CCl3、CHF2およびCHCl2である。
【0100】
R基の好ましい例として、CF3、CHF2、CHCl2、CCl3、CH2F、CF2CH3、CF2CH2CO2Me、COCF3、CF2-チアゾリル、CF2CH2OCH3、CF2CH2CH2OH、CH(OH)CF3、CH2CF3、CF2-オキセタニル、特にCF3、CHF2およびCHCl2がある。
【0101】
本発明の好ましい化合物には次のものがある:
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(フルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
メチル3,3-ジフルオロ3-((2S,5R)-7-オキソ-6-(スルホキシ)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)プロパノエート;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-[ジフルオロ(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロ-2-メトキシエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-[ジフルオロ(オキセタン-3-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(クロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメチル)スルファニル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメトキシ)メチル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
および
硫酸水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
ならびにこれらの薬学的に許容される塩。
【0102】
これらの化合物の好ましい薬学的に許容される塩はSO3H基における塩、特に四級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、およびアルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩である。以下に挙げるナトリウム塩が最も好ましい:
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(フルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
メチル(2S,5R)-3,3-ジフルオロ-3-(7-オキソ-6-{[(ソジオオキシ)スルホニル]オキシ}-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-イル)プロパノエート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロアセチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-[ジフルオロ(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロ-2-メトキシエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロ-2-ヒドロキシエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシエチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-[ジフルオロ(オキセタン-3-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(クロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2R,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメチル)スルファニル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメトキシ)メチル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
および
ナトリウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート。
【0103】
より好ましい化合物は次のものである:
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(フルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-[ジフルオロ(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-(クロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメチル)スルファニル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメトキシ)メチル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
および
硫酸水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
ならびにこれらの薬学的に許容される塩。
【0104】
これらの化合物の好ましい薬学的に許容される塩はSO3H基における塩、特に四級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、およびアルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩である。以下に挙げるナトリウム塩が最も好ましい:
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(フルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-[ジフルオロ(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-(クロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2R,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメチル)スルファニル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメトキシ)メチル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
および
ナトリウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート。
【0105】
Rがハロゲンでない最も好ましい化合物は次のものである:
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;および
硫酸水素(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
ならびにこれらの薬学的に許容される塩。
【0106】
これらの化合物の好ましい薬学的に許容される塩はSO3H基における塩、特に四級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、およびアルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩である。以下に挙げるナトリウム塩が最も好ましい:
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;および
ナトリウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート。
【0107】
Rがハロゲンである最も好ましい化合物は次のものである:
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
およびこれらの薬学的に許容される塩。
【0108】
これらの化合物の好ましい薬学的に許容される塩はSO3H基における塩、特に四級アンモニウム塩、例えばテトラブチルアンモニウム塩、およびアルカリ金属塩、例えばナトリウムおよびカリウム塩である。以下に挙げるナトリウム塩が最も好ましい:
ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート;
ナトリウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート。
【0109】
合成
本発明の化合物(殊に式(I)、式(II)または式(III)でRがハロゲンでない化合物)は次のスキームAに従って合成することができる:
【0110】
【0111】
BOC-ピロリジノン(2)をスルホキソニウムイリド試薬と反応させてその場で新しい開環イリド(6)を生成させ得る。プロトン化は正に帯電したスルホキソニウム種を生成し、これは塩素アニオンにより求核攻撃されて結果としてDMSOを喪失し、クロロメチルケトンを生成し、これがO-ベンジルヒドロキシルアミンと縮合してオキシム(7)を生成する。これは単離する必要がないが、酸で処理してBOC保護基を除去し得、塩基性化すると自発的な環化を起こし、HClの形式的な喪失を伴い、拡大した環(8)が生成する。ここでもこれは単離する必要がないが、オキシム二重結合の立体選択的な還元に続いてシュウ酸による塩形成の結果ピペリジン(3)の単離が容易になる。ホスゲン源としてトリホスゲンを用いた環化により二環式尿素(9)が生成し、次いで脱ベンジル化およびスルホン化により式(I)の化合物が生成する。R基は必要に応じ適切な保護手段を用いて保護し得る。本発明の化合物を提供するため、合成経路に関するこれ以上の詳細、および代わりの合成スキームは下記一般的合成方法の欄に記載する。
【0112】
スキームAは式(II)の本発明の化合物への合成経路を示す。式(III)の本発明の化合物は類似の化学を使用し、しかし(2)のジアステレオ異性体、すなわち(2A)から出発して作製することができる:
【0113】
【0114】
Rがハロゲンである式(II)および式(III)の化合物はカルボン酸前駆体から次のスキームBに従って合成することができる(式(II)の化合物について示す:
【0115】
【0116】
スキームBの出発材料はスキームAの化合物(9)に対応し、カルボキシル官能化化合物(2)から出発してスキームAに従って合成することができる。スキームBに示されているハロ化合物は上記および実施例に記載されるように脱ベンジル化およびスルホン化を介して-OBn形から-OSO3
-形に変換することができる。式(III)の対応する化合物は出発材料の立体異性体から出発して調製することができる。
【0117】
本発明者らは、本発明のハロ化合物を提供するためにスキームBに示されている化学的経路を開発した。アリールまたはアルキルカルボン酸の対応するアリールまたはアルキルハライドへの脱炭酸性変換は長年知られているが(例えばHunsdieckerおよびHunsdiecker(1942, Chem. Ber., 75, 291)参照)、カルボン酸を銀塩および臭素と反応させる最初の概念が開発されたのはここ数年である。例えば、Liら(2012, JACS, 134, 10401)は触媒の硝酸銀およびSelectfluor(商標)を用いるアルキル酸のアルキルフッ化物への変換のための非常に温和な条件を報告した。Liは非常にまれなF-CH2-N-CO官能性の1つの例を含んでいるが、これは単一の窒素上に2つのカルボニル基があり、カルボニル基の酸素への広範な非局在化によって窒素の孤立対を有効に除去する特殊な状況にある。窒素上に1つだけのカルボニル基を有する場合この官能性の例は極めて少なく、それらの例でさえ、イミニウム形成とそれに続くアルコールによるイミニウムイオンのクエンチを介して進行するグリコシル化型の反応のための反応性の中間体に限定される(2016, Organic Letters, 18, 9890)。本発明者らは、立体化学的な制御が、反応性に向かう自然の傾向を克服することができるように、官能性を組織化することによって、分子の断片化し分解する傾向を克服することができるということを見出した。本発明の化合物の安定性の場合、安定化は「橋頭堡二重結合」を介するイミニウム種による分解経路によって導入することができる。橋頭堡二重結合を形成することが不可能であることは最初Bredtにより観察され(1902, “Ueber isomere Dehydrocamphersaeuren, Lauronolsaeuren und Bihydrolauro-Lactone”, Ber. Deutsch. Chem. Ges., 35, 1286-1292)、後に二重結合を形成するためにp-軌道の良好な空間的重なりを必要とする分子軌道理論を用いて正当化された。かかる状況はハロゲン化された本発明の化合物で存在する。クロロ置換基は四酢酸鉛および塩化リチウムの標準的なKochi反応条件を用いて脱炭酸性のハロゲン化により同様に調製される(J.K. Kochi, 1965, JACS, 87, 2500)。
【0118】
組成物および組合せ物
本発明の化合物は医薬組成物として提供することができ、この医薬組成物は本発明の化合物を薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む。通例、組成物は本発明の化合物を85wt%まで含有する。より典型的には、本発明の化合物を50wt%まで含有する。好ましい医薬組成物は無菌でパイロジェンフリーである。さらに、本発明により提供される医薬組成物が光学的に活性な本発明の化合物を含有するとき、本発明の化合物は通例実質的に純粋な光学異性体である。
【0119】
上に説明したように、本発明の化合物は細菌感染症を治療または予防するのに有用である。特に、それらはSBL酵素のインヒビターであり、したがって抗生物質に対するグラム陰性細菌の耐性を除去または低減するのに有用である。化合物は単独で使用してもよいし、または抗生物質薬剤の作用を高めるために抗生物質薬剤との併用療法で使用してもよい。化合物はまた、特に感染症を引き起こす細菌が抗生物質薬剤単独による処置に耐性であり、その耐性が少なくとも部分的にメタロ-β-ラクタマーゼ酵素により生じているかまたはそのように疑われる場合、MBLインヒビターと組み合わせて使用してもよい。
【0120】
したがって、本発明はまた、(i)本発明の化合物;ならびに(ii)メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)インヒビター;および(iii)抗生物質薬剤の1種または複数の組合せ物も提供する。この組合せ物はまた所望であればさらなる活性薬剤を含んでいてもよい。
【0121】
本発明の組合せ物において、活性薬剤は各々が単一の製剤として提供されても、またはその1種または複数が別々に製剤化されてもよい。別々に製剤化される場合、2種以上の作用物質は同時にまたは別々に投与することができる。別々に製剤化される活性薬剤はキットの形態で、任意選択的にその投与のための説明書と共に、提供され得る。例えば、キットは(i)本発明の化合物を含む組成物;ならびに(ii)抗生物質薬剤を含む組成物および(iii)MBLインヒビターを含む組成物の一方または両方を、任意選択的に使用のための説明書と共に含み得る。2種以上の活性薬剤が一緒に製剤化される場合、2種以上の活性薬剤は医薬組成物として提供され得る。したがって、医薬組成物は(i)本明細書に記載されている本発明の化合物;(ii)薬学的に許容される担体または希釈剤;ならびに任意選択的に(iii)抗生物質薬剤;および(iv)メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)インヒビターの一方または両方を含み得る。
【0122】
したがって、本発明の化合物および抗生物質薬剤を一緒にまたは別々に製剤化してもよい。さらに、本発明の化合物およびMBLインヒビターを一緒にまたは別々に製剤化してもよい。3種の活性薬剤すべてが存在する場合、本発明の化合物、MBLインヒビターおよび抗生物質薬剤は各々単一の製剤として提供されてもよいし、または別々に製剤化されてもよい。あるいは、構成成分の2種が単一の製剤として提供され得、残りの構成成分が別に提供され得る。言い換えると、本発明の化合物はMBLインヒビターおよび抗生物質薬剤と共に製剤化され得;または本発明の化合物はMBLインヒビターと共に製剤化され得、一方、抗生物質薬剤は別に提供され;または本発明の化合物は抗生物質薬剤と共に製剤化され得、一方、MBLインヒビターは別に提供され;またはMBLインヒビターが抗生物質薬剤と共に製剤化され得、一方、本発明の化合物は別に提供され;または本発明の化合物、MBLインヒビターおよび抗生物質薬剤は各々が別々に製剤化され得る。
【0123】
好ましくは、本発明の化合物と共に投与されるか、または本発明の組合せ物もしくは組成物に使用される抗生物質薬剤はβ-ラクタム系抗生物質である。より好ましくは、抗生物質薬剤はカルバペネム、ペニシリン、セファロスポリンおよびペネムから選択されるβ-ラクタム系抗生物質であるか;または抗生物質薬剤はアズトレオナムである。カルバペネム系抗生物質の例にはベナペネム、イミペネム、メロペネム、エルタペネム、ドリペネムおよびビアペネムがある。ペニシリンの例にはアモキシシリン、アンピシリン、チカルシリン、ピペラシリンおよびクロキサシリンがある。セファロスポリンの例にはセフェピム、セファゾリン、セフトリアキソン、セフタジジムおよびセフトビプロールがある。ペネムの例にはファロペネムがある。他の抗生物質薬剤としては、トブラマイシン、ネオマイシン、ストレプトマイシン、ゲンタマイシン、タゾバクタム、リファンピシン、シプロフロキサシン、アミカシン、コリスチン、アズトレオナムおよびレボフロキサシンがある。好ましくは、β-ラクタム系抗生物質はアズトレオナムまたはカルバペネム系抗生物質、より好ましくはビアペネム、イミペネムまたはメロペネムである。1つの態様において、ビアペネムが好ましいカルバペネム系抗生物質である。別の態様において、メロペネムが好ましいカルバペネム系抗生物質である。別の好ましい態様において、β-ラクタム系抗生物質はカルバペネム系抗生物質、より好ましくはイミペネムまたはメロペネム、最も好ましくはメロペネムである。
【0124】
MBLインヒビターが本発明の組合せ物または組成物中に存在するか、または本発明の化合物と共に投与される場合、MBLインヒビターは好ましくは国際公開第2014/198849号、英国特許第2533136号、国際出願第PCT/EP2018/069827号(国際公開第2019/016393として公開)または欧州特許出願第18290056.3号に記載されている化合物である。
【0125】
好ましくは、MBLインヒビターは式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩であり、
【0126】
【化13】
式中、
R
1Aは、H、R
1bおよび-CH
2OC(O)R
1bから選択され、ここでR
1bは未置換のC
1~C
4アルキル基およびフェニルから選択され;
Aは、C
6~C
10アリール、5~10員のヘテロアリール、ならびに4~10員の炭素環式および複素環式基から選択される環式基であり;
各R
2Aは:
(i)ハロまたはR
8;
(ii)いずれも任意選択的に1個、2個または3個のハロ置換基および/または1個のR
8置換基で置換されていてもよいC
1~3アルキル、O(C
1~3アルキル)、S(C
1~3アルキル)、SO(C
1~3アルキル)またはSO
2(C
1~3アルキル);および
(iii)R
aおよびR
bの各々が水素および未置換のC
1~2アルキルから独立して選択され、各R
cが未置換のC
1~2アルキルである、NR
aC(O)R
c、およびNR
aC(O)NR
bR
c;
から独立して選択され、
各R
8はCN、OH、-C(O)NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
10C(NR
11)R
12、-C(NR
10)NR
11R
12、および-NR
10C(NR
11)NR
12R
13から独立して選択され;ここでR
fおよびR
gの各々は独立してHまたは未置換のC
1~2アルキルであり;
mは0、1、2または3であり、
R
3Aは、水素ならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキル基から選択され;
nは0または1であり、
Z
Aは、結合であるか、または-NR
10C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)NR
11-、-NR
10C(O)O-、-OC(O)NR
10、-NR
10C(O)S-、-SC(O)NR
10、-NR
10C(NR
11)-、-C(NR
10)NR
11-、-NR
10C(NR
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)-、-C(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
13-、-NR
10C(NR
11)O-、-OC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)O-、-OC(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(NR
11)S-、-SC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)S-、-SC(N
+R
10R
11)NR
12-、-C(O)NR
15-、-NR
10C(O)NR
15-、-OC(O)NR
15、-SC(O)NR
15、-C(NR
10)NR
15-、-NR
10C(NR
11)NR
15-、-C(N
+R
10R
11)NR
15-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
15-、-OC(NR
10)NR
15、-OC(N
+R
10R
11)NR
15-、-SC(NR
10)NR
15、および-SC(N
+R
10R
11)NR
15-から選択され、
L
Aは結合であるか、またはC
1~4アルキレン、C
2~4アルケニレン、C
2~4アルキニレン、C
1~3アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~3アルキレン、C
1~4アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)および(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~4アルキレンから選択され、ここでLは未置換であるか、またはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1または2個の置換基で置換されており;またはLは-C(R
10)=N-であり;
X
Aは結合であるか、またはLが結合または-C(R
10)=N-以外であるとき、Xは結合であるか、または-NR
10-、-O-、-NR
10C(NR
11)-、および-C(NR
10)-から選択され;
pは0または1であり;
R
4Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
4AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;
R
5Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
5AはR
4Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
5AはR
6A
と互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;
R
6Aは、H、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
6AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;
またはR
6Aは存在するならばR
7Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;
R
7Aは存在するならばH、-CNならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2もしくは3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
7AはR
6Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成し、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1もしくは2個の置換基で置換されており;
R
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は各々独立してHまたはメチルであり;
各R
15は独立して置換されているC
1~C
4アルキルまたは未置換のC
2~C
4アルキルであり、ここでR
15が置換されているアルキル基であるときアルキル基はハロゲン、CN、OR
10および-NR
10R
11から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている。
【0127】
より好ましくは、MBLインヒビターは式(A)の化合物、またはその薬学的に許容される塩であり、ここで:
R1AはHであり;
Aはフェニル、シクロヘキサン、ピペリジン、ピリダジン、ピリジンおよびチアゾールから選択され;
mは1または2であり;
各R2Aは:
ハロ、CN、OH、-C(O)NRfRg、-NRfRg;ここでRfおよびRgの各々は独立してHまたはメチルである;および
いずれも任意選択的にハロ、CN、OHから選択される1個、2個または3個の置換基で置換されていてもよいC1~2アルキル、O(C1~2アルキル)、S(C1~2アルキル)、SO(C1~2アルキル)
から独立して選択され;
nは0であり;
ZAは-NR10C(O)-、-C(O)NR10-、および-NR10C(O)NR11-から選択され;
LAは結合であるかまたはC1~3アルキレンおよびC2~3アルケニレンから選択され、
XAは結合であり;
pは0であり;またはpは1であり、R7AはHであり;
R4AはHであり;
R5AはH、-CNおよび未置換であるかまたは1個、2個または3個のハロ置換基および/または1個の-NR10R11置換基Hで置換されているC1~C2アルキルから選択され;
R6AはHである。
【0128】
さらに一層より好ましくは、MBLインヒビターは:
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-(トリフルオロメトキシ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[(2-グアニジノアセチル)アミノ]メチル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(グアニジノメチル)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(2-グアニジノエチルスルファニルカルボニルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[2-[(2-アミノ-2-イミノ-エチル)アミノ]-2-オキソ-エチル]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-カルバモイル-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-シアノ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(2-グアニジノエトキシカルボニルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-グアニジノフェニル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[2-(2-カルバムイミドイルヒドラジノ)-2-オキソ-エチル]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-クロロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-メトキシ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(2-カルバムイミドイルヒドラジノ)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[(2E)-2-(カルバムイミドイルヒドラゾノ)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)アセチル]アミノ]-3,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[6-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]ピリダジン-3-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-アミノ-2-イミノ-エチル)カルバモイルアミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-プロパノイル)アミノ]-3,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[3-(ジメチルアミノ)-3-イミノ-プロパノイル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[(2-グアニジノオキシアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[3-イミノ-3-(メチルアミノ)プロパノイル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[3-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)プロパノイルアミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]チアゾール-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[(N-シアノカルバムイミドイル)アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-(モルホリン-4-カルボキシミドイルアミノ)アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-2-メチル-プロパノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-(カルバムイミドイルカルバモイルアミノ)-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[(2R)-2-グアニジノプロパノイル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(4-アミノ-4-イミノ-ブタノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イルアミノ)アセチル]アミノ]-2,5-ジフルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2,5-ジフルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-[(N-メチルカルバムイミドイル)アミノ]アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[[2-(2-イミノイミダゾリジン-1-イル)アセチル]アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[カルバムイミドイル(メチル)アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[[2-[[N-(2-アミノエチル)カルバムイミドイル]アミノ]アセチル]アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[5-フルオロ-6-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]-3-ピリジル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-(3-グアニジノプロパノイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(3-アミノ-3-イミノ-プロパノイル)アミノ]-3-フルオロ-フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3,5-ジフルオロ-4-(グアニジノカルバモイルアミノ)フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[3-フルオロ-4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;および
・ 5-[[4-[(2-グアニジノアセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
およびこれらの薬学的に許容される塩
から選択される式(A)の化合物である。
【0129】
式(A)の化合物およびその薬学的に許容される塩は国際公開第2019/016393号に記載されている。
【0130】
あるいは、MBLインヒビターは好ましくは式(B)の化合物、またはその薬学的に許容される塩であり得、
【0131】
【化14】
式中、
R
1Bは、水素、ハロ、CN、R
12B、OR
12B、SR
12BまたはNR
12BR
13Bであり;
ここで、R
12Bは、任意選択的に1個または複数の置換基R
aBで置換されていてもよいC
1~6アルキル;いずれも任意選択的に1個または複数の置換基R
bBで置換されていてもよいフェニルもしくは5~6員のヘテロアリール;またはいずれも任意選択的に1個または複数の置換基R
cBで置換されていてもよい3~6員のシクロアルキルもしくは3~6員のヘテロシクリルであり;
各R
aBは独立してハロ、CN、OHまたは任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいOC
1~4アルキルであり;
各R
bBは独立してハロ、CN、OHまたはいずれも任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキルであり;
各R
cBは独立してハロ、CN、OH、オキソまたは任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキルであり;
R
13Bは水素または任意選択的に上記定義の1個または複数の置換基R
aで置換されていてもよいC
1~6アルキルであり;
Y
Bは、単結合、いずれも基R
17Bで置換されていてもよい-C
1~4アルキレン-もしくは-C
2~4アルケニレン-;または
-C
1~4アルキレン-O-;-C
1~4アルキレン-N(R
8B)-;-N(R
8B)-;-C
1~4アルキレン-C(O)N(R
8B)-;-C
1~4アルキレン-N(R
8B)C(O)-もしくは-N(R
8B)C
1~4アルキレン-であり;ここで
R
17BはOR
lB、NR
lBR
mB、NR
lBC(O)R
mB、C(O)NR
lBR
mB、C(O)OR
mBであり;
各々のR
lBおよびR
mBは独立してHまたはC
1~4アルキルであり;
R
8Bは水素またはいずれも任意選択的に1個または複数の置換基R
dBで置換されていてもよいC
1~6アルキルもしくは-C(O)C
1~6アルキルであり;
C
1~4アルキレン鎖は任意選択的に1個または複数の置換基R
eBで置換されていてもよく;
各々のR
dBおよびR
eBは独立してハロ、CN、OHまたは任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいOC
1~4アルキルであり;
A
Bは6~10員のアリール、5~10員のヘテロアリールまたは3~10員のカルボシクリルもしくはヘテロシクリル基から選択される環式基を表し;
nBは0~4であり;
各R
2Bは、R
3B;または
いずれも任意選択的に1個または複数の置換基R
3Bで置換されていてもよいC
1~4アルキル、C
2~4アルケニル、O(C
1~4アルキル)、S(C
1~4アルキル)、SO(C
1~4アルキル)もしくはSO
2(C
1~4アルキル);または
C(O)OR
6B;C(O)R
6B;OR
5B、NR
4BR
5B;NR
4BC(O)R
6B、NR
4BC(O)NR
5BR
6BもしくはSO
2NR
21BR
22B;
から独立して選択され、
またはA
Bが飽和または部分的に飽和であるとき、R
2Bはオキソであってもよく;
各R
3Bは、独立してハロ、ニトロ、CN、OH;または
-C(O)OR
14B、-C(O)NR
14BR
15Bもしくは-NR
14BR
15B;または
任意選択的に1個または複数の置換基R
7Bで置換されていてもよいフェニル;または
任意選択的に1個または複数の置換基R
7Bで置換されていてもよいナフチル;または
任意選択的に1個または複数の置換基R
7Bで置換されていてもよい5~10員のヘテロアリール;または
任意選択的に1個または複数の置換基R
7Bで置換されていてもよい3~8員のカルボシクリル;または
任意選択的にオキソおよびR
7Bから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよい3~8員のヘテロシクリルであり;
R
14BおよびR
15Bの各々は独立してH、または任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいC
1~6アルキルであり;
各R
7Bは独立してハロ、CN、OH;またはいずれも任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキル;またはNR
jBR
kBであり、ここで各々のR
jBおよびR
kBは独立してHまたはC
1~4アルキルであり;
R
21BおよびR
22Bの各々は水素もしくはC
1~4アルキルであるか、またはR
21BおよびR
22Bはそれらが結合している窒素原子と一緒になって任意選択的にN、OおよびSから選択される1個のさらなるヘテロ原子を含有していてもよく、かつ任意選択的にC
1~4アルキルまたはハロで置換されていてもよい5または6員の複素環式環を形成し得;
R
4Bは、水素または任意選択的にハロ、CN、OH、NR
jBR
kBで置換されていてもよいC
1~6アルキル;または任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいOC
1~4アルキルであり;ここで各々のR
jBおよびR
kBは独立してHまたはC
1~4アルキルであり、
R
5Bは、水素、フェニル、5~6員のヘテロアリール、3~8員のカルボシクリルもしくは3~8員のヘテロシクリル;または任意選択的にフェニル、5~6員のヘテロアリール、3~8員のカルボシクリルもしくは3~8員のヘテロシクリルで置換されていてもよいC
1~6アルキルであり;
ここでフェニルおよびヘテロアリール基は任意選択的に1個または複数の置換基R
fBにより置換されていてもよく、カルボシクリルおよびヘテロシクリル基は任意選択的に1個または複数の置換基R
gBにより置換されていてもよく、ここで:
各R
fBは独立してハロ、CN、OHまたはいずれも任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキルであり;
各R
gBは独立してハロ、CN、OH、オキソまたは任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキルであり;
R
6Bは、任意選択的に1個または複数のR
hBで置換されていてもよいC
1~6アルキル、またはいずれも任意選択的に1個または複数の置換基R
iBで置換されていてもよいフェニルもしくは5~6員のヘテロアリールであり;
各R
hBは独立してハロ、CN、OH、NH
2、フェニル、ピリジル、COOHまたは任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいOC
1~4アルキルであり;
各R
iBは独立してハロ、CN、OH、NH
2またはいずれも任意選択的にハロおよびOHから選択される1個または複数の置換基により置換されていてもよいC
1~4アルキルもしくはOC
1~4アルキルであり;
R
11Bは、水素、任意選択的にハロにより置換されていてもよいC
1~4アルキルまたは任意選択的にハロにより置換されていてもよいベンジルである。
【0132】
より好ましくは、MBLインヒビターが式(B)の化合物、またはその薬学的に許容される塩であるとき、
R1Bは水素であり;
YBは単結合または-C1~4アルキレン-であり;
ABはフェニル、ピリジル、ピラゾリル、チオフェニルまたはベンゾチオフェニルから選択される環式基を表し;
nBは0~3であり;
各R2Bは
ハロ、またはAが飽和または部分的に飽和であるとき、オキソ;または
C1~4アルキル;または
R4Bが水素またはC1~4アルキルであり、R5Bが水素であるNR4BR5B;または
R4Bが水素またはメチルであり、R6Bが任意選択的にOH、NH2、およびOC1~4アルキルから独立して選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいC1~4アルキルであるNR4BC(O)R6B
から独立して選択され;
R11Bは水素である。
【0133】
MBLインヒビターが式(B)の化合物であるとき、MBLインヒビターは好ましくは
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,4,6-トリメチルフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[3-(トリフルオロメチル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(フェニルメチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3-メトキシフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-フェニルエチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(チオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4,5-ジクロロチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,5-ジクロロチオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-メチルフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-ニトロフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ブロモフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(5-クロロチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(5-フェニルチオフェン-2-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(チオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,5-ジメチルチオフェン-3-スルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-([1,1’-ビフェニル]-2-イルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-アミノフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-アセトアミドフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-ベンズアミドフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ (E)-5-((2-スチリルフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ (E)-5-((2-(3-(ジメチルアミノ)-3-オキソプロパ-1-エン-1-イル)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-([1,1’-ビフェニル]-2-イルメチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-(トリフルオロメトキシ)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-ブロモフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((3-シアノフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-((2-クロロフェニル)メチルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-ニトロフェニルスルホンアミド)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({5-[5-(トリフルオロメチル)-1,2-オキサゾール-3-イル]チオフェン-2-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1-ベンゾチオフェン-2-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-メチルチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-ブロモチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1-ベンゾチオフェン-3-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-ブロモ-2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[(2-クロロフェニル)メチル]スルファモイル}アミノ)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[({[3-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルファモイル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(3-ブロモチオフェン-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ヨードフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-フェニル-5-(トリフルオロメチル)チオフェン-3-イル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,4-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンジルスルホンアミド-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 2-メチル-5-(キノリン-8-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(3,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロフェニル)スルホンアミド]-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 2-メチル-5-[(2,4,6-トリメチルフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)スルホンアミド]-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-ブロモフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-フェニル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-ベンゼンスルホンアミド-2-エチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニルエチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-フェノキシエチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(2-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]-1H-ピラゾール-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(ピリジン-3-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,6-ジクロロフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(シクロヘキシルメチル)スルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-1,4-ベンゾオキサジン-7-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニルプロピル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(4-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({2-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(4-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(ピペリジン-1-スルホニル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(フェニルスルファモイル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[ベンジル(メチル)スルファモイル]アミノ}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミドフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メトキシフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(5-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(シクロプロピルメチル)スルホンアミド-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-メトキシフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(2-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(3-メトキシフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(3-クロロフェニル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メタンスルホニルフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[メチル(フェニル)スルファモイル]アミノ}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(モルホリン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-シアノフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(ピリジン-2-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-イミダゾール-2-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-メトキシピリジン-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-エチル-5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-(トリフルオロメチル)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-シアノフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(3-フェニルプロピル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-2-メチル-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-1-イル)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[2-(N-フェニルアセトアミド)エチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(3-オキソモルホリン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1,2-ジメチル-1H-イミダゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(オキサン-4-イルメチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[({1-[(ベンジルオキシ)カルボニル]ピペリジン-4-イル}メチル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({1-[6-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]-1H-ピラゾール-4-イル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1,3-オキサゾール-5-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(1-フェニル-1H-ピラゾール-4-イル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(ピペリジン-4-イル)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-プロパンアミドフェニル)スルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-ヒドロキシアセトアミド)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({4-[(メチルカルバモイル)アミノ]フェニル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,4-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジフルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[4-(2-メトキシアセトアミド)フェニル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,5-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-6-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-4-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({4-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3,5-トリクロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2,3-ジクロロ-6-フルオロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({[2,3-ジクロロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル]メチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(4-ブロモ-2-クロロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-({2-[メチル(フェニル)アミノ]エチル}スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(4-ニトロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(メチルアミノ)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-アセトアミドピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{4-[(5-メチル-1,2-オキサゾール-3-イル)アミノ]フェニルスルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-アミノピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-クロロ-2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)メチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]スルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(キノリン-6-スルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2,3-ジヒドロインドール-1-スルホニル)アミノ]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(4-メタンスルホニルフェニルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2H-ピラゾール-3-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[2-(ピリジン-3-イル)エチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(3-オキソモルホリン-4-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[3-(2-オキソピロリジン-1-イル)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-4-イルアミノ)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(6-{[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}ピリジン-3-イルスルホンアミド)-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミドフェニル)メチルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペラジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(4-アミノピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピロリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノピペリジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(1,4-ジアゼパン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[4-(ピロリジン-3-イルオキシ)フェニルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(3-アミノアゼチジン-1-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(ピペリジン-4-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[6-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)ピリジン-3-イルスルホンアミド]-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-{6-[4-(2,2,2-トリフルオロエチル)ピペラジン-1-イル]ピリジン-3-イルスルホンアミド}-1,3-チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[1-(2-クロロフェニル)エチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[1-(2-クロロフェニル)エチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(3-ピリジルメチルスルホニルアミノ)チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-(イソインドリン-5-イルメチルスルホニルアミノ)チアゾール-4-カルボン酸;
・ R-5-[[4-[1-(2-アミノ-2-フェニル-アセチル)-4-ピペリジル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ S-5-[[4-[1-(2-アミノ-2-フェニル-アセチル)-4-ピペリジル]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-アミノアセチル)アミノ]フェニルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(4-アセトアミド-3-フルオロ-フェニル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロパノイル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-2-フェニル-アセチル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[4-[(2-ヒドロキシ-3-フェニル-プロパノイル)アミノ]フェニル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-(2-ヒドロキシエチルアミノ)ピリミジン-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-メチルピリミジン-5-イル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[[2-(4-ピリジル)ピリミジン-5-イル]スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(6-メチル-3-ピリジル)スルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
・ 5-[(2-クロロ-3-ニトロ-フェニル)メチルスルホニルアミノ]チアゾール-4-カルボン酸;
およびこれらの薬学的に許容される塩
から選択される。
【0134】
式(B)の化合物およびその薬学的に許容される塩は国際公開第2014/198849号に記載されている。
【0135】
したがって、本発明は、本明細書に記載されている本発明の化合物、例えばRが本明細書で定義されている通りであり、好ましくはRがハロゲンである式(I)、(II)または(III)の化合物、および本明細書で定義されている式(A)または式(B)のMBLインヒビターの組合せ物が提供され、ここでMBLインヒビターは好ましくは式(A)のものである。この組合せ物はさらに本明細書に記載されている抗生物質薬剤を含んでいてもよい。この組合せ物はさらに薬学的に許容される担体または希釈剤を含む医薬組成物の形態であってもよい。
【0136】
本明細書に記載されている化合物、組成物または組合せ物は様々な剤形で投与し得る。したがって、これらは経口で、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性の懸濁液、水和剤または顆粒として投与することができる。また、非経口で、例えば皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)、経皮でまたは注入技術により投与してもよい。化合物、組成物または組合せ物はまた、座薬として投与してもよい。好ましくは、化合物、組成物または組合せ物は非経口投与によって、特に静脈内投与によって投与される。
【0137】
本明細書に記載されている化合物、組成物または組合せ物は通例薬学的に許容される担体または希釈剤と共に投与用に製剤化される。例えば、固体経口形態は、活性化合物と共に、希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチまたはジャガイモデンプン;滑剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコール;結合剤;例えばデンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはポリビニルピロリドン;崩壊剤、例えばデンプン、アルギン酸、アルギン酸塩またはデンプングリコール酸ナトリウム;発泡混合物;染料;甘味剤;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリル硫酸;および、一般に、医薬製剤に使用される非毒性で薬理学的に不活性な物質を含有し得る。このような医薬製剤は公知の方法で、例えば、混合、造粒、錠剤化、糖衣錠化、またはフィルムコーティングプロセスによって製造できる。
【0138】
経口投与用の液体の分散物はシロップ、エマルションおよび懸濁液であり得る。シロップは担体として、例えば、サッカロースまたはグリセリンおよび/またはマンニトールおよび/またはソルビトールと共にサッカロースを含有し得る。
【0139】
懸濁液およびエマルションは担体として、例えば天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはポリビニルアルコールを含有し得る。筋肉内注射用の懸濁液または溶液は、活性化合物と共に、薬学的に許容される担体、例えば無菌の水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、例えばプロピレングリコール、および所望であれば、適切な量の塩酸リドカインを含有し得る。
【0140】
注射用の溶液は担体として、例えば、無菌の水を含有し得、または好ましくは無菌の水性等張塩溶液の形態であり得る。注射(例えばi.v.投与)用の組成物は構成成分化合物(例えば本発明の化合物)の溶解度を上昇させるための添加剤を含有し得る。適切な添加剤にはcaptisolのようなシクロデキストリンがある。無針注射による、例えば、経皮的送達に適した医薬組成物も使用できる。
【0141】
治療効力
本発明の化合物は治療上有用である。したがって、本発明は医学に使用するための本明細書に記載されている化合物、組成物および組合せ物を提供する。本発明は、ヒトまたは動物の身体を治療するのに使用される本明細書に記載されている化合物を提供する。誤解を避けるために、本発明の化合物は溶媒和物の形態で投与し得る。
【0142】
本発明の化合物、組成物および組合せ物は細菌感染症を治療または予防するのに有用である。したがって、本発明は細菌感染症を治療または予防するのに使用される本発明の化合物、組成物または組合せ物を提供する。本発明はまた、細菌感染症の予防または治療に使用される医薬の製造における本発明の化合物、組成物または組合せ物の使用も提供する。本発明はまた、それを必要とする対象において細菌感染症を治療または予防する方法も提供し、この方法は本明細書に記載されている化合物、組成物または組合せ物の有効な量を前記対象に投与することを含む。
【0143】
本発明の化合物は独立型の治療剤として使用し得る。例えば、本発明の化合物は抗菌療法において、例えば化学療法レジメンにおいて独立型の補助剤として使用し得る。あるいは、抗生物質薬剤の作用を高めるために、抗生物質薬剤、および任意選択的にMBLインヒビターと組み合わせて使用してもよい。本発明の化合物は、特に耐性がSBL酵素の存在により引き起こされる場合、単独で投与されるとき抗生物質薬剤による処置に対して耐性である細菌により引き起こされる細菌感染症を治療または予防するのに特定の用途があり得る。β-ラクタム系抗生物質単独によるかかる感染症の治療または予防は失敗する可能性がある。したがって、化合物は、特にグラム陰性細菌において、抗生物質耐性の除去または低減に有用である。特に、化合物はSBL酵素により引き起こされる耐性を除去または低減するのに有用である。
【0144】
本発明はまた、(i)抗生物質薬剤および/または(ii)MBLインヒビターを用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用される本発明の化合物も提供する。また、(i)本発明の化合物および任意選択的に(ii)MBLインヒビターを用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用される抗生物質薬剤も提供される。また、(i)本発明の化合物および任意選択的に(ii)抗生物質薬剤を用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用されるMBLインヒビターも提供される。
【0145】
また、(i)抗生物質薬剤および/または(ii)MBLインヒビターを用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用される医薬の製造における本発明の化合物の使用も提供される。また、(i)本発明の化合物および任意選択的に(ii)MBLインヒビターを用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用される医薬の製造における抗生物質薬剤の使用も提供される。また、(i)本発明の化合物および任意選択的に(ii)抗生物質薬剤を用いた共投与により細菌感染症を治療または予防するのに使用される医薬の製造におけるMBLインヒビターの使用も提供される。
【0146】
また、本発明の化合物を(i)抗生物質薬剤および/または(ii)MBLインヒビターと共に共投与することを含む、それを必要とする対象において細菌感染症を治療または予防する方法も提供される。
【0147】
1つの態様において、治療される対象は哺乳類、特にヒトである。しかし、非ヒトであってもよい。好ましい非ヒト動物には、限定されることはないが、霊長類、例えばマーモセットまたはサル、商業的に飼育された動物、例えばウマ、ウシ、ヒツジまたはブタ、およびペット、例えばイヌ、ネコ、マウス、ラット、モルモット、フェレット、アレチネズミまたはハムスターがある。対象は、細菌が感染することができるあらゆる動物であることができる。
【0148】
本明細書に記載されている化合物、組成物および組合せ物は抗生物質による処置に続く再発後に起こる細菌感染症の治療に有用である。化合物、組成物および組合せ物はしたがって(同じエピソードの)細菌感染症について以前に抗生物質処置を受けたことがある患者の治療に使用することができる。
【0149】
感染症を引き起こす細菌はSBL酵素またはその類似体を発現するあらゆる細菌であり得る。通例感染症を引き起こす細菌はSBL酵素を発現する。細菌は通例グラム陰性である。細菌は特に病原性細菌であり得る。通例、本発明の化合物を用いて治療される細菌感染症は、慣用の抗生物質が単独でまたは別のパートナーとの併用で使用されるときの慣用の抗生物質での処置に耐性である。例えば、本発明の化合物を用いて治療される細菌感染症は慣用の抗生物質がもっぱらMBLインヒビターと組み合わせて使用されるときの処置に耐性であり得る。
【0150】
その抗生物質耐性が一般式(I)の化合物を用いて除去され得るグラム陰性細菌はセリン-β-ラクタマーゼを産生する細菌であり、これはサブクラスA、CまたはDのセリン-β-ラクタマーゼであり得る。特に、細菌は拡大スペクトルのβ-ラクタマーゼ(ESBL)および/またはカルバペネマーゼ、特にOXAおよび/またはKPCクラスのカルバペネマーゼ、好ましくはOXAクラスのカルバペネマーゼ(carbapenamase)を産生するものであり得る。
【0151】
細菌感染症は腸内細菌科、シュードモナス科および/またはモラクセラ科の細菌により引き起こされ得、より典型的には細菌感染症は腸内細菌科および/またはシュードモナス科の細菌により引き起こされ、最も典型的には細菌感染症は腸内細菌科の細菌により引き起こされる。細菌感染症はシュードモナス属(Pseudomonas)(例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、シュードモナス・オリジアビタン(Pseudomonas oryzihabitans)、またはシュードモナス・プレコグロシシダ(Pseudomonas plecoglossicida))、クレブシエラ属(Klebsiella)、エスケリキア属(Escherichia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、アシネトバクター属(Acinetobacter)またはバークホルデリア属(Burkholderia)により引き起こされ得る。好ましくは細菌感染症はシュードモナス属(Pseudomonas)(例えば緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa), シュードモナス・オリジアビタン(Pseudomonas oryzihabitans)、またはシュードモナス・プレコグロシシダ(Pseudomonas plecoglossicida))、クレブシエラ属(Klebsiella)、エスケリキア属(Escherichia)、エンテロバクター属(Enterobacter)、またはアシネトバクター属(Acinetobacter)により引き起こされ得る。より好ましくは、細菌感染症はアシネトバクター属(Acinetobacter)またはクレブシエラ属(Klebsiella)、最も好ましくはアシネトバクター属(Acinetobacter)により引き起こされる。例えば、細菌感染症は肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)またはアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)により引き起こされ得る。好ましくは、細菌感染症は肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、またはアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)により引き起こされ得る。より好ましくは、細菌感染症はアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)または肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、最も好ましくはアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)により引き起こされる。細菌は日和見病原体であり得る。
【0152】
本発明の化合物、組成物または組合せ物は上述した細菌のいずれか1つまたは組合せ物により引き起こされる感染症および状態を治療または予防するのに使用し得る。特に、本発明の化合物、組成物または組合せ物は肺炎の治療または予防に使用し得る。化合物、組成物または組合せ物はまた敗血性ショック、尿路感染症、および消化管、皮膚または軟組織の感染症の治療にも使用し得る。
【0153】
本発明の化合物、組成物または組合せ物はカルバペネム耐性腸内細菌科(CRE)をもつ患者を治療するのに使用し得る。CREは、長期の患者および、例えば一般に集中治療室(ICU)で看護されるように多大な医療介入を受けている人々に一般に関連する地域または病院およびその他の施設で見出される可能性がある。
【0154】
本発明の化合物、組成物または組合せ物は、細菌感染症の1つまたは複数の症状の発現または再発を予防するために対象に投与することができる。これは予防法である。この実施形態において、対象は無症状であることができる。対象は通例細菌に曝露されたことがあるものである。予防上有効な量の作用剤または製剤がかかる対象に投与される。予防上有効な量は細菌感染症の1つまたは複数の症状の発現を防止する量である。
【0155】
本発明の化合物、組成物または組合せ物は細菌感染症の1つまたは複数の症状を治療するために対象に投与することができる。この実施形態において、対象は通例症状を示している。治療上有効な量の作用剤または製剤がかかる対象に投与される。治療上有効な量はその疾患の1つまたは複数の症状を改善するのに有効な量である。
【0156】
治療上または予防上有効な量の本発明の化合物が対象に投与される。投薬量は様々なパラメーターに応じて、殊に使用する化合物;処置する対象の年齢、体重および状態;投与の経路;ならびに所要のレジメンに応じて決定し得る。医師は、個々の対象に必要な投与経路および投薬量を決定することができる。典型的な1日用量は個々のインヒビターの活性、処置される対象の年齢、体重および状態、病気の種類および重症度ならびに投与の頻度および経路に応じて約0.01~100mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg~50mg/kg、例えば約1~10mg/kg体重である。好ましくは、1日用量レベルは70mg~3.5gである。時には、個々のインヒビターの活性、処置される対象の年齢、体重および状態、病気の種類および重症度ならびに投与の頻度および経路に応じてより高い用量、例えば約0.01~約250mg/kg、例えば約0.1mg/kg~約200mg/kg、例えば約1~約150mg/kg体重が必要とされる。かかる好ましい1日用量レベルは例えば70mg~8gであり得る。本発明の化合物が1日に付き複数回、例えば2、3または4回/日、例えば1日4回対象に投与される場合、より高い用量が特に適していることがある。適切な1日用量は2、3または4回の別々の投薬で投与して1日当たり70mg~8gであり得る。
【0157】
本発明の化合物が別の活性薬剤と組み合わせて(例えば抗生物質薬剤および任意選択的にMBLインヒビターを含む配合製剤の形態で)対象に投与されるとき、他の活性薬剤(例えばMBLインヒビターおよび/または抗生物質薬剤)の用量は上に記載したように決定することができる。用量は様々なパラメーターに応じて、殊に使用する作用剤;処置する対象の年齢、体重および状態;投与の経路;ならびに所要のレジメンに応じて決定し得る。ここでも、医師は個々の対象に必要とされる投与の経路および用量を決定することができる。代表的な1日用量は、個々のインヒビターの活性、処置する対象の年齢、体重および状態、病気の種類および重症度ならびに投与の頻度および経路に応じて、約0.01~100mg/kg、好ましくは約0.1mg/kg~50mg/kg、例えば約1~10mg/kg体重である。好ましくは、1日用量レベルは70mg~3.5gである。時には、個々のインヒビターの活性、処置する対象の年齢、体重および状態、病気の種類および重症度ならびに投与の頻度および経路に応じてより高い用量、例えば約0.01~約250mg/kg、例えば約0.1mg/kg~約200mg/kg、例えば約1~約150mg/kg体重が必要とされる。かかる好ましい1日用量レベルは例えば70mg~8gであり得る。本発明の組合せ物または組成物が1日当たり複数回、例えば1日に付き2、3または4回、例えば1日4回対象に投与されるならばより高い用量が特に適切であり得る。適切な1日用量は2、3または4回の別々の用量で投与して1日当たり70mg~8gであり得る。
【0158】
以下の実施例は、本発明を例示する。しかしいかなる意味でも本発明を限定することはない。この点について、実施例の欄で使用される特定のアッセイは単に生物学的活性の指標を提供するためにのみ考案されていると理解することが重要である。生物学的活性を決定するには多くのアッセイが利用可能であり、したがっていずれか1つの特定のアッセイにおける負の結果は確定的ではない。
【0159】
実験の詳細
一般的合成方法
【0160】
【0161】
アビバクタム(1)の合成にはいくつかのアプローチがある。主要な経路の1つを、Ball, M. et al, Organic Process Research and Development, 2016, 20, 1799から再生してスキーム1に示す。BOC-ピロリジノン(2)はスルホキソニウムイリド試薬と反応してその場で新しい開環イリド(6)を生成する。プロトン化により正に帯電したスルホキソニウム種が生成し、これが塩素アニオンにより求核的に攻撃され、結果としてDMSOを失い、クロロメチルケトンを生成し、これがO-ベンジルヒドロキシルアミンと縮合してオキシム(7)を生成する。ここでもこれを単離しないが、酸で処理してBOC保護基を除去し、塩基性化するとHClの形式的な喪失と共に自発的な環化が起こり拡大された環(8)が生成する。ここでもまた、これを単離しないが、オキシム二重結合の立体選択的還元、続くシュウ酸による塩形成によりピペリジン(3)の単離が促進される。ホスゲン源としてトリホスゲンを用いた環化により二環式尿素(9)が生成し、次いでエステル加水分解とアミド形成により(4)に見られるようなアビバクタムの一級カルボキサミドを生成する。最後に脱ベンジル化とスルホン化によりアビバクタム(1)が生成する。
【0162】
出発ピロリジノン上にエステル以外の置換基を使用すると、アビバクタムの代わりの類似体にアクセスすることができる。また、中間体(3)は現在市販されており(例えばShanghai Habo Chemical Technology CompanyまたはFrapps Chemicals Co,Zhejiang,China,http://www.frappschem.com)、したがってこの後期の中間体から様々な置換基にアクセスすることができる。例を下記スキーム2aおよび2bに示す。
【0163】
【0164】
【0165】
スキーム2aおよび2bにおいて、Zは適切なエステル置換基、例えばスキーム1の(9)にあるベンジル基を表す。Yは基:
【0166】
【化18】
を表す。ここで、R
PGは保護基、例えばベンジルまたは-CH
2CH=CH
2基を表す。この保護基は化合物の残りの部分の合成後除去することができ、SO
3HまたはSO
3
-基は上記スキーム1に示したのと同様にして提供することができる。
【0167】
スキーム2aに示されているように、スキーム1の(9)のようなエステル官能性はアルコール(11)に還元することができ、これはアルデヒド(12)に酸化することができる。アルデヒドはDAST(ジエチルアミノイオウトリフルオリド、Xu, Y., Prestwich, G. D., Journal of Organic Chemistry, 2002, 67, 20, 7158 - 7161参照)またはPCl5(Gauthier, J. et al, Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, 2008, 18, 923 - 928)または当業者に周知の同様な試薬、化学を用いてジフルオロメチル置換基(13)またはジクロロメチル置換基(14)に変換することができる。同様にアルコールはDASTにより(Liu, Y. et al, Organic Letters, 2004, 6, 209 - 212)フルオロメチル(15)に、および塩化チオニルにより(Gudipati, V. et al, Journal of Organic Chemistry, 2006, 71, 3599 - 3607)クロロメチル(16)に変換することができる。また酸(17)も標準的なWeinrebアミド化学反応を用いてメチルケトン(18)に変換することができ、これは同様にDASTによりジフルオロエチル置換基(19)に変換することができる。
【0168】
スキーム2bに示したWeinrebアミド化学反応を用いて広範囲の置換基にアクセスすることができる。例えば、3-ヨードオキセタン(Sigma Aldrichから市販されている)から誘導されたGrignardは原理的に上述のWeinreb試薬と反応して類似のケトンを生成することができ、これは通常のDAST試薬を用いてジフルオロ類似体(20)に変換することができる。この化学はまたより長い鎖のアルキルジフルオロメチレン置換基ならびにアリールジフルオロメチレン置換基にも応用することができる。
【0169】
いくつかの特定の複素環には、代わりの化学を使用することができる。例えば2-トリメチルチアゾールはアルデヒドと反応し、続いてTMSエーテル開裂およびアルコールの酸化により2-チアゾリルケトン(21)を生成することができ(この化学の一例として、Dondoni, A. et al, JOC2004, 69, 5023参照)、これはDAST試薬を用いてジフルオロメチレンに変換することができる。(トリフルオロメチル)トリメチルシランはアルデヒドと反応して対応するカルビノールを生成することができるので、関連するケイ素化学を使用して、例えばトリフルオロメチルケトン置換基を生成することができる(Cheng, H., et al Tet. Lett., 2013, 54, 4483)。次いで標準的な酸化によりトリフルオロメチルケトン(22)にアクセスする。
【実施例】
【0170】
一般的な技術
1H NMRスペクトルはクロロホルムを参照基準(7.25ppm)として用いてDMSO-d6溶液中300または400MHzで報告する(δ、ppm)。ピーク多重度を報告するとき、次の略語を使用する:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、bs(広がった一重線)、dd(二重線の二重線)、dt(三重線の二重線)、q(四重線)。結合定数は、与えられているとき、ヘルツ(Hz)で報告する。
すべての反応は規定されていない限り(例えば水素化反応)窒素またはアルゴンの不活性雰囲気下で行った。
【0171】
略語
ACN アセトニトリル
DAST ジエチルアミノイオウトリフルオリド
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
h 時間
HMBC 異核間多結合相関
p.s.i ポンド/平方インチ
SO3:pyr ピリジン-三酸化イオウ錯体
TEA トリエチルアミン
TEMPO (2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル
THF テトラヒドロフラン
【0172】
[実施例1]
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0173】
【化19】
これは、(5S)-5-(トリフルオロメチル)-2-ピロリジノンから出発したことを除いて、アビバクタムについて報告されたのと本質的に同じ方法を用いて調製した(Ball, M. et al, Organic Process Research and Development, 2016, 20, 1799)。
【0174】
a.tert-ブチル(5S)-2-オキソ-5-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート
【0175】
【化20】
(5S)-5-(トリフルオロメチル)-2-ピロリジノン(Manchester Organicsから市販されている)(5g、32.7mmol)のDCM(60mL)中溶液を0℃でトリエチルアミン(5.5mL、4.0g、39.2mmol)およびDMAP(0.4g、0.1mmol)により処理し、次いで二炭酸ジ-tertブチル(8.6g、39.2mmol)のDCM(20mL)中溶液を10分かけて滴下して加えた。0.5h後混合物をDCMと10%水性クエン酸に分配し、有機抽出物を水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させて油(9.4g)を得、これをシリカ上でトルエン中0~25%の酢酸エチルで溶出するクロマトグラフにかけて油(7.9g、96%)を得た。
M/z276(M+Na)
+。
【0176】
b.(3R,6S)-N-(ベンジルオキシ)-6-(トリフルオロメチル)ピペリジン-3-アミン
【0177】
【化21】
この反応順序の詳細な説明については(Ball, M. et al, Organic Process Research and Development, 2016, 20, 1799)参照。
【0178】
DMSO(10mL)をTHF(7mL)中のトリメチルスルホキソニウムヨージド(1.6g、7.3mmol)とカリウムt-ブトキシド(0.72g、6.4mmol)の混合物に加えた。混合物を室温で1h撹拌した後-12℃(内部温度)に冷却した。tert-ブチル(5S)-2-オキソ-5-(トリフルオロメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(1.5g、5.8mmol)のTHF(4mL)中溶液を5分かけて滴下して加え、混合物を-12℃で1h撹拌した。反応混合物を20%水性塩化アンモニウム(13mL)で処理し、撹拌した混合物を室温に温めさせた後、酢酸エチルで2回抽出した。合わせた抽出物を10%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後およそ20mLの溶液に濃縮し、これを次の段階に直接使用した。
(溶液の質量分析は(1Z,5S)-5-{[(tert-ブトキシ)カルボニル]アミノ}-1-[ジメチル(オキソ)-ラムダ-6-スルファニリウミル]-6,6,6-トリフルオロヘキサ-1-エン-2-オレートの生成と一致した。)
【0179】
上の酢酸エチル溶液(20mL)をO-ベンジルヒドロキシルアミン塩酸塩で処理し、混合物を60℃に2.75h加熱し、次いで室温に放冷した後10%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この溶液の容積をおよそ10mLに減少させ、直接次のステップに使用した。
(溶液の質量分析はtert-ブチルN-[(2S,5E/Z)-5-[(ベンジルオキシ)イミノ]-6-クロロ-1,1,1-トリフルオロヘキサン-2-イル]カルバメートの生成と一致した。)
【0180】
上の酢酸エチル溶液(10mL)をメタンスルホン酸(1.1mL、1.7g、17.4mmol)で処理し、混合物を45℃で1h加熱し、次いで室温に放冷した。これを重炭酸カリウム(2.9g、29mmol)の水(10mL)中溶液に加え、45℃で3h撹拌した。冷却後、相を分離し、酢酸エチル相を10%塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。この酢酸エチル溶液をそのまま次の段階に使用した。
(溶液の質量分析は(3E/Z,6S)-N-(ベンジルオキシ)-6-(トリフルオロメチル)ピペリジン-3-イミンの生成と一致した。)
【0181】
上の酢酸エチル溶液を-15℃に冷却し、濃硫酸(0.6g、0.3mL、6mmol)を加えた。次いでナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.5g、2.4mmol)を少しずつ加えて、温度が1hで-15℃から-5℃まで上昇するに任せた。水、続いて濃アンモニア水(1mL)を加えた。混合物を酢酸エチルで抽出し、有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させて油を得、これをシリカ上でDCM中15~40%の酢酸エチルで溶出するクロマトグラフにかけて(3R,6S)-N-(ベンジルオキシ)-6-(トリフルオロメチル)ピペリジン-3-アミンを油(184mg、4つの段階全体で12%)として得た。
M/z275(M+H)+。
【0182】
c.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0183】
【化22】
DCM(20mL)中の(3R,6S)-N-(ベンジルオキシ)-6-(トリフルオロメチル)ピペリジン-3-アミン(0.18g、0.67mmol)と炭酸カリウム(0.53g、3.82mmol)の混合物をトリホスゲン(0.2g、0.67mmol)で-10℃において処理した。30分後DMAP(3mg、0.03mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次いで水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させた。残渣をシリカ上で酢酸エチル-DCM勾配で溶出してクロマトグラフにかけ無色の固体(0.16g、81%)を得た。
M/z301.4(M+H)
+。
【0184】
d.ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
イソ-プロパノール(5mL)中(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(トリフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(163mg、0.54mmol)の溶液を三酸化イオウトリメチルアミン錯体(85mg、0.61mmol)、トリエチルアミン(11mg、0.11mmol)、10%炭上パラジウム(10mg)および水(0.6mL)で処理した。混合物をバルーン圧下で4.5h水素化し、次いでさらに三酸化イオウトリメチルアミン錯体(82mg、0.3mmol)を加えた。混合物を窒素下で2h撹拌し、次いでろ過し、およそ1.5mLに濃縮した。これを水で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3mL)で処理した。混合物を逆相C18カートリッジ(10gサイズ)に載せ、水中0~40%ACNで溶出した。生成物を含有する画分の蒸発により白色の固体を得、これを再び水に溶かし、同じクロマトグラフィー条件を用いて再度クロマトグラフにかけた。生成物を含有する画分の蒸発により白色の固体を得、これを再び水に溶かし、ACNの代わりにTHFを使用したことを除いて同様なクロマトグラフィー条件を用いて再度クロマトグラフにかけた。蒸発により標題化合物を白色の固体として得た(86mg、51%)。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 4.09-4.06 (1H, m), 3.89-3.78 (1H, m), 3.24 (1H, d, J = 12.0 Hz), 3.13-3.08 (1H, m), 1.92-1.74 (4H, m).
19F NMR (376.4 MHz, d6-DMSO) δ -74.7
LCMS(ESI[M-Na]-)289.1(97.2%)。
【0185】
[実施例2]
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0186】
【0187】
a.エチル(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシレート
【0188】
【化24】
エチル(2S,5R)-5-[(ベンジルオキシ)アミノ]ピペリジン-2-カルボキシレートシュウ酸塩(15.0g、40.7mmol;Frapps Chemicals Co,Zhejiang,China,http://www.frappschem.comから購入)のTHF(150mL)中懸濁液を0℃において炭酸水素カリウム(16.3g、163mmol)の水(150mL)中溶液で処理した。1時間後、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた抽出物を水で、次いでブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させてエチル(2S,5R)-5-[(ベンジルオキシ)アミノ]ピペリジン-2-カルボキシレートを褐色の油(10.0g、88%)として得た。エチル(2S,5R)-5-[(ベンジルオキシ)アミノ]ピペリジン-2-カルボキシレート(5.0g、18mmol)のDCM(100mL)中溶液を0℃においてDIPEA(12.5mL、72mmol)で処理し、続いてトリホスゲン(2.6g、9mmol)のDCM(10mL)中溶液を加えた。混合物を周囲温度で16h撹拌し、次いで飽和重炭酸カリウム水溶液(100mL)を加えた。1h後、相を分離し、DCM相を水で、次いでブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させて褐色の油(5.0g、92%)を得、分光データはエチル(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシレートと一致し、これを精製することなく直接使用した。
M/z305.4(M+H)
+。
【0189】
b.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(ヒドロキシメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0190】
【化25】
THF(75mL)およびエタノール(75mL)中の未精製のエチル(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシレート(5.0g、16.4mmol)の溶液を0℃において水素化ホウ素リチウムのTHF(4M;24mL、96mmol)中溶液で処理した。室温で1h後、混合物を0℃で再度冷却し、THF(4M;12mL、48mmol)中の水素化ホウ素リチウムの溶液をさらに加えた。室温でさらに16h後、混合物を飽和水性リン酸一カリウム(200mL)で処理し、混合物をDCMで数回抽出した。合わせたDCM抽出物を水で、次いでブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させて褐色の油(5g)を得た。これをシリカ上でクロマトグラフにかけてヘキサン中0~100%酢酸エチルで溶出して無色の油(2.2g、2ステップで47%)を得た。
M/z263.3(M+H)
+。
【0191】
c.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルバルデヒド
【0192】
【化26】
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(ヒドロキシメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(1.5g、5.7mmol)のDCM(50mL)中溶液を0℃においてトリクロロイソシアヌル酸(1.9g、8.6mmol)およびTEMPO(90mg、0.6mmol)で処理した。混合物を0℃で2h撹拌し、次いでセライトに通してろ過し、DCMで洗浄した。合わせたDCMろ液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させて油(1.5g、100%)を得、これを直接次のステップに使用した。
M/z261.4(M+H)
+。
【0193】
d.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0194】
【化27】
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルバルデヒド(1.5g、5.7mmol)のDCM(30mL)中溶液を0℃においてDAST(1.5mL、12mmol)で処理した。混合物を室温で4時間撹拌し、次いで窒素でパージすることにより溶媒を除去した。残渣を酢酸エチルに溶かし、氷冷水に加えた。有機相を分離し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させて油を得た。これをシリカ上でクロマトグラフにかけ、ヘキサン中20%酢酸エチルで溶出して黄色の油(0.7g、2つのステップで44%)を得た。
M/z283.3(M+H)
+。
【0195】
e.(2S,5R)-2-(ジフルオロメチル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0196】
【化28】
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(0.60g、2.1mmol)のメタノール(15mL)中溶液を鋼製缶内10%炭上パラジウム(0.60g)で100p.s.i.において水素化した。4h後、混合物をセライトに通してろ過し、メタノールで洗浄し、合わせたろ液を蒸発させて白色の固体(0.4g、100%)を得、これを直接次のステップに使用した。
M/z193.3(M+H)
+。
【0197】
f.テトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-(ジフルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0198】
【化29】
(2S,5R)-2-(ジフルオロメチル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(0.40g、2.1mmol)のDCM(30mL)中溶液を0℃においてTEA(1.1mL、8.3mmol)で処理し、次いで三酸化イオウピリジン錯体(0.67g、4.2mmol)を加えた。室温で4h後、酢酸n-テトラブチルアンモニウム(0.94g、3.1mmol)の水(20mL)中溶液を加えた。2h後、さらにDCMを加え、相を分離した。DCM相を水で洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させた。残渣をシリカ上クロマトグラフにかけ、ヘキサン中0~100%の酢酸エチルで、続いてDCM中4%メタノールで溶出して無色の油(0.45g、2つのステップで42%)を得た。
M/z271.4(M)
-。
【0199】
g.ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-(ジフルオロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
テトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-(ジフルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(0.45g、0.88mmol)の水(10mL)中溶液をDowex(商標)Na樹脂(1g)で処理した。1h後、混合物をDowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過した。合わせたろ液をDowex(商標)Na樹脂の第2の床に通し、水(5mL)で洗浄し、次いで合わせたろ液を凍結乾燥して標題化合物を白色の固体(202mg、78%)として得た。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 6.24 (1H, t, J = 4.4 Hz, CHF2), 4.06 (1H, m), 3.40 (1H, m), 3.20 (1H, m), 3.05 (1H, m), 1.95-1.75 (4H, m).
LCMS(ESI[M-Na]-)271.1。
【0200】
[実施例3]
ナトリウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0201】
【化30】
a.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-(ジクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0202】
【化31】
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルバルデヒド(2.2g、8.4mmol)のDCM(100mL)中溶液を五塩化リン(3.5g、16.9mmol)で処理した。16h後、混合物をDCMで希釈し、氷冷水、ブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、蒸発させた。残渣をシリカ上クロマトグラフにかけ、0~20%酢酸エチルで溶出して3つの別々の画分を得た。画分1および3は所望の化合物を含有しなかったが、画分2(TLC;20%酢酸エチル/ヘキサン中Rf0.4)、白色の固体(130mg、5%)は所望の化合物と一致する分光データを示した。特に、HMBC NMR研究はカルボニル炭素とC2-Hプロトンとの間の密な空間的近接を示し、これにより図に示されているように-CCl2H置換基が軸方向でC2-キラリティーがSであることが明確になった。
M/z315.4、317.3(M+H)
+。
【0203】
b.(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0204】
【化32】
6-(ベンジルオキシ)-2-(ジクロロメチル)-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(130mg、0.4mmol)のメタノール(10ml)中溶液を10%炭上パラジウム(130mg)で処理し、2h水素化した(バルーン圧)。混合物をセライトに通してろ過し、メタノールで洗浄した。合わせたろ液を蒸発させてオフホワイト色の固体(85mg、92%)を得、これを直ちに次の段階で使用した。
M/z225.4;227.3(M+H)
+。
【0205】
c.テトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0206】
【化33】
2-(ジクロロメチル)-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(85mg、0.37mmol)のDCM(10mL)中溶液を0℃でTEA(0.2mL、0.8mmol)および三酸化イオウピリジン錯体(0.12g、0.76mmol)により処理した。混合物を室温で4h撹拌した後、蒸発乾固させた。残渣をDMF(2mL)に再び溶かし、TEA(0.4mL、1.6mmol)および追加の三酸化イオウピリジン錯体(0.12g、0.76mmol)で処理した。混合物を室温で2h撹拌した後、酢酸n-テトラブチルアンモニウム(0.28g、0.8mmol)の水(10mL)中溶液を加えた。2h後、混合物をDCMで希釈し、有機抽出物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥し(Na
2SO
4)、次いで蒸発させて油を得た。これをシリカ上クロマトグラフにかけ、ヘキサン中0~100%酢酸エチル、次いでDCM中6%メタノールで溶出して無色の油(68mg、33%)を得た。
M/z304.4、306.3(M)
-。
【0207】
d.ナトリウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
水(2mL)およびACN(2mL)中のテトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-(ジクロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(68mg、0.12mmol)の溶液をDowex(商標)Na樹脂(0.5g)で処理した。1h後、混合物をDowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過した。合わせたろ液をDowex(商標)Na樹脂の第2の床に通し、水-ACN(1mL;1mL)で洗浄した。ろ液をDowex(商標)Na樹脂の第2の床に通した後、合わせたろ液を凍結乾燥して標題化合物を白色の固体(36mg、88%)として得た。
1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) δ 6.25 (1H, d, J = 0.8 Hz, CHCl2), 4.02 (1H, m), 3.45 (1H, m), 3.22 (1H, d), 2.95 (1H, m), 1.95-1.75 (4H, m).
LCMS(ESI[M-Na]-)303.4、305.4。
【0208】
[実施例4]
ナトリウム(2S,5R)-2-(フルオロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0209】
【化34】
実施例4は、鍵となる重要な中間体アルコールから標準的なDAST処理(例えばCollet, C. et al, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2017, 25, 5603参照)を用いてフルオロメチル置換基に変換することにより調製した。
【0210】
【化35】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従った。
M/z=253.0(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 4.71-4.48 (2H, m, CH2F2), 3.98 (1H, m), 3.42 (1H, m), 3.19 (1H, m), 2.92 (1H, m), 1.84 (1H, m), 1.78-1.66 (2H, m), 1.51 (1H, m).
【0211】
[実施例5]
ナトリウム(2S,5R)-2-(1,1-ジフルオロエチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0212】
【化36】
実施例5は、酸のWeinrebアミドへの変換、メチルマグネシウムブロミドを用いたメチルケトン形成、次いでDASTを用いたメチルケトンのジフルオロエチル置換基への変換により調製した(Wityak, J., et al, J. Medicinal Chemistry, 2015, 58, 2967)。
【0213】
【化37】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従った。
M/z=285.0(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 4.02 (1H, m), 3.40 (1H, m), 3.18 (1H, m), 3.02 (1H, m), 1.89-1.79 (2H, m), 1.78-1.65 (2H, m), 1.72 (3H, m), 1.51 (1H, m).
【0214】
[実施例6]
ナトリウム(2S,5R)-2-(クロロメチル)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0215】
【化38】
実施例6は、トリエチルアミンの存在下でのアルコールのメタンスルホニルクロリドとの反応により対応するメシレートを生成させた後テトラ-n-ブチルアンモニウムクロリドを用いて置換してクロロメチル中間体を得ることによって調製した。
【0216】
【化39】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従った。
M/z=268.8(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 3.99 (1H, m), 3.88 (1H, m), 3.81 (1H, m), 3.32 (1H, m), 3.19 (1H, m), 2.89 (1H, m), 1.83-1.69 (3H, m), 1.52 (1H, m).
【0217】
[実施例7]
ナトリウム(2R,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメチル)スルファニル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0218】
【化40】
実施例7は、ハロゲンを導入する方法と関連する方法を用いるがLiu,C.ら(RSC Advances, 2017, 7, 880)により記載されている条件に従ってトリフルオロメタンチオール銀(I)を用いる脱炭酸アプローチによって調製した。
【0219】
【化41】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従ったが、水素化に失敗したので、四塩化チタンを用いてベンジル基を除去した。
M/z=320.9(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 5.04 (1H, dd, J = 12.5 Hz, J = 4.5 Hz, CHSCF3), 4.01 (1H, d, J = 3.0 Hz), 3.23 (2H, m), 2.01 (2H, m), 1.89-1.72 (2H, m).
【0220】
[実施例8]
ナトリウム(2S,5R)-7-オキソ-2-[(トリフルオロメトキシ)メチル]-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0221】
【化42】
実施例8は、Liu,J.-B.ら(Organic Letters, 2017, 17, 5048)の条件に従って銀(I)トリフラートおよびSelectfluorを用いるトリフルオロメチルトリメチルシラン(TMSCF
3)を用いたアルコールのトリフルオロメチル化により調製した。
【0222】
【化43】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従った。
M/z=318.9(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 4.32 (1H, dd, J = 10.5 Hz, J = 9.5 Hz), 4.16 (1H, dd, J = 10.5 Hz, J = 5.5 Hz), 3.98 (1H, d, J = 3 Hz), 3.45 (1H, m), 3.21 (1H, m), 2.91 (1H, m), 1.85-1.69 (3H, m), 1.48 (1H, m).
【0223】
[実施例9]
ナトリウム(2S,5R)-2-[ジフルオロ(1,3-チアゾール-2-イル)メチル]-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0224】
【化44】
実施例9を調製するには、アルデヒドから出発し、Dondoni,A.らにより(2004, Journal of Organic Chemistry, 69, 5023)記載されている方法に従ってチアゾリルケトンに変換し、すなわちその場でチアゾールアニオンを生成させ、アルデヒドと反応させ;無水酢酸でトラップして酢酸エステルを生成させ;酢酸エステルを加水分解し、続いてSwern様酸化によりケトンを生成させた。これを通常の方法でDASTと反応させてジェミナルな二フッ化物を生成させた。
【0225】
【化45】
合成の残りの部分(脱ベンジル化、スルホン化およびナトリウム塩形成)は上記手順に従ったが、ベンジル基は、水素化に失敗したので四塩化チタンを用いて除去した。
M/z=353.9(M-Na)
-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 8.04 (2H, s), 4.05-3.97 (2H, m), 3.24 (1H, m), 3.01 (1H, m), 2.03-1.98 (1H, m), 1.88-1.77 (3H, m).
【0226】
[実施例10]
ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0227】
【化46】
a.(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸
市販されているエチル(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシレート(7.0g、23.0mmol)のアセトン:水(1:1、120mL)中の溶液に、LiOH.H
2O(0.97g、23.0mmol)を0℃で加えた。得られた反応混合物を室温で2h撹拌した。次いで反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で洗浄した。水性層を1N HClで(pHを約3に)酸性化し、次いでEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機相を水、ブラインで洗浄し、無水のNa
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、濃縮して(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸(5g、79%)を白色の固体として得、これを精製することなく次のステップで使用した。
M/z=277.1(M+H)
+。
【0228】
b.(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(A)および(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(B)
【0229】
【化47】
アセトン:水(4:1、100mL)中の(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸(2.5g、9.04mmol)の撹拌している溶液に、Selectfluor(商標)(6.4g、18.0mmol)およびAgNO
3(153mg、0.90mmol)を室温で加えた。得られた反応混合物を50℃で3h加熱し、次いで蒸発させた。得られた残渣をEtOAc(100mL)で処理し、セライトパッドに通してろ過し、パッドをEtOAc(10mL)で洗浄した。ろ液をNaHCO
3溶液(50mL)、水(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄した。有機層を無水のNa
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、濃縮して油を得た。これをシリカゲル上でクロマトグラフにかけ、溶出剤としてのヘキサン中10%EtOAcで溶出して、(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(A)(550mg、24%)を淡黄色の粘稠な油として得た。さらにヘキサン中50~60%EtOAcで溶出し(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(B)(300mg、13%)を淡黄色の固体として得た。
(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(A)
M/z=251.1(M+H)
+。
NMR実験は、F原子と同じ炭素上のH原子に対して45.0Hz(Fとカップリング)および4.5Hz(隣接炭素上の軸方向プロトンとカップリング)の結合定数を示し、これによりこのH原子が赤道方向の配置を有し、分子が示されている立体化学を有することを立証した。
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(B)
M/z=251.1(M+H)
+。
NMR実験は、F原子と同じ炭素上のH原子に対して44.0Hz(Fとカップリング)および10.5Hz(隣接炭素上の軸方向プロトンとカップリング)の結合定数を示し、これによりこのH原子が軸方向の配置を有し、分子が示されている立体化学を有することを立証した。
【0230】
c.(2R,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0231】
【化48】
(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(300mg、1.19mmol)のメタノール(30mL)中溶液に10%Pd/C(300mg)を加えた。反応混合物を、水素バルーン圧を用いて室温で1h水素化した。反応混合物をメタノール(10mL)で洗浄するセライトパッドに通してろ過した。ろ液を蒸発させて(2R,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(180mg、94%)をオフホワイト色の固体として得、これを精製することなく次のステップで使用した。
M/z=161.0(M+H)
+。
【0232】
d.テトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0233】
【化49】
(2R,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(180mg、1.12mmol)のDCM(20mL)中溶液にTEA(1.5mL、11.2mmol)を、続いてSO
3:Py錯体(1.07g、6.74mmol)を0℃で加え、室温で4h撹拌した。次いで酢酸n-テトラブチルアンモニウム(2.7g、8.99mmol)の水(20mL)中溶液を加え、室温で2h撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、有機層を分離した。有機層を水(5×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカ上クロマトグラフにかけ、ヘキサン中0~100%酢酸エチルで、続いてDCM中5%メタノールで溶出してテトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(220mg、2つのステップで40%)を無色の油として得た。
M/z=239.0(M-nBu
4)
-。
【0234】
(a)ナトリウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
テトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(220mg、0.45mmol)の水(10mL)中溶液を撹拌しながらDowex(商標)Na樹脂(1g)で処理した。1h後、混合物をDowex(商標)Na樹脂のパッドに通してろ過し、H2O(5mL)で洗浄した。合わせたろ液を再びDowex(商標)Na樹脂(1g)で1h処理し、Dowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過し、H2O(5mL)で洗浄した。このプロセスをさらに3回繰り返した。合わせたろ液を凍結乾燥して標題化合物(90mg、75%)をオフホワイト色の固体として得た。
M/z=239.0(M-Na)-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 5.35 (1H, ddd, J = 46 Hz, 5 Hz, 2.5 Hz, CHF), 4.08-4.06 (1H, m), 3.26-3.24 (1H, m), 3.06-3.04 (1H, m), 1.99-1.68 (4H, m).
【0235】
[実施例11]
ナトリウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0236】
【化50】
a.(2S,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0237】
【化51】
(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-フルオロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(250mg、0.99mmol)(実施例10の(B)参照)のメタノール(10mL)中溶液に10%Pd/C(250mg)を加えた。反応混合物を、水素バルーン圧を用いて室温で1h水素化した。反応混合物をセライトパッドに通してろ過し、パッドをメタノール(5mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させて(2S,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(130mg、81%)をオフホワイト色の固体として得、これを精製することなく次のステップで使用した。
M/z=161.1(M+H)
+。
【0238】
b.テトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0239】
【化52】
(2S,5R)-2-フルオロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(130mg、0.81mmol)のDCM(30mL)中溶液にTEA(1.14mL、8.11mmol)、続いてSO
3.Py錯体(775mg、4.87mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で4h撹拌した。酢酸n-テトラブチルアンモニウム(1.9g、6.49mmol)の水(30mL)中溶液を加え、混合物を室温で2h撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、有機層を分離した。DCM層を水(5×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させた。得られた残渣をシリカ上でクロマトグラフにかけ、ヘキサン中0~100%EtOAcで、続いてDCM中5%メタノールで溶出してテトラブチルアンモニウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(60mg、2つのステップで15%)を無色の油として得た。
M/z=239.1(M-nBu
4)
-。
【0240】
c.ナトリウム(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
テトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(60mg、0.12mmol)のCH3CN:H2O(1:1、4mL)中の溶液を撹拌しながらDowex(商標)Na樹脂(1g)で処理した。1h後、混合物をDowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過し、CH3CN:H2O(1:1、2mL)で洗浄した。合わせたろ液を再びDowex(商標)Na樹脂(1g)で30min処理し、Dowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過し、CH3CN:H2O(1:1、2mL)で洗浄した。このプロセスをさらに3回繰り返した。合わせたろ液を凍結乾燥して標題化合物をオフホワイト色の固体として得た。
M/z=238.9(M-Na)-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 5.27 (1H, ddd, J = 44 Hz, J = 10.5 Hz, J = 4.5 Hz, CHF), 3.96-3.94 (1H, m), 3.24 -3.21 (1H, m), 3.01 (1H, J = 12 Hz), 2.06-2.01 (2H, m), 1.73-1.67 (1H, m), 1.61-1.57 (1H, m).
【0241】
[実施例12]
ナトリウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0242】
【化53】
a.(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-クロロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0243】
【化54】
DMF(20mL)およびAcOH(4mL)中の(2S,5R)-6-(ベンジルオキシ)-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボン酸(1g、3.62mmol)の溶液にN-クロロスクシンイミド(4.83g、36.2mmol)を室温で加えた。反応混合物を窒素ガスで5分間パージした。次いでPb(OAc)
4(2.4g、5.43mmol)を加え、反応混合物をさらに5分間窒素ガスでパージした。反応を60℃で4h加熱し、次いで飽和K
2CO
3により室温で処理した。混合物をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水のNa
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、濃縮して粗生成物を得た。これをシリカ上でクロマトグラフにかけ、溶出剤としてのヘキサン中10%EtOAcで溶出して(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-クロロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(270mg、28%)を淡黄色の油として得た。
M/z=267.0(M+H)
+。
【0244】
NMR実験は、Clと同じ炭素上のH原子に対して5.5Hz(隣接炭素上の軸方向プロトンとカップリング)の結合定数を示し、これによりこのH原子が赤道方向の配置を有し、分子が示されている立体化学を有することを立証した。
【0245】
b.(2R,5R)-2-クロロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン
【0246】
【化55】
(2R,5R)-6-(ベンジルオキシ)-2-クロロ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(220mg、0.824mmol)のメタノール(20mL)中溶液に10%Pd/C(220mg)を加えた。反応混合物を、水素バルーン圧を用いて室温で1h水素化した。反応混合物をセライトパッドに通してろ過し、パッドをメタノール(10mL)で洗浄した。ろ液を蒸発させて(2R,5R)-2-クロロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(150mg)をオフホワイト色の固体として得、これを精製することなく使用した。
M/z=177.0(M+H)
+。
【0247】
c.テトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
【0248】
【化56】
(2R,5R)-2-クロロ-6-ヒドロキシ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-7-オン(150mg、0.849mmol)のDCM(20mL)中溶液に撹拌しながらTEA(1.8mL、12.7mmol)、続いてSO
3:Py錯体(1.35g、8.49mmol)を0℃で加え、室温で3h撹拌した。次いで酢酸テトラ(n-ブチル)アンモニウム(2.56g、8.49mmol)の水(20mL)中溶液を加え、室温で3h撹拌した。反応混合物をDCM(50mL)で希釈し、相を分離した。有機の抽出物を水(5×25mL)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させた。残渣をシリカ上でクロマトグラフにかけ、ヘキサン中0~100%酢酸エチルで、続いてDCM中5%メタノールで溶出してテトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(130mg、2つのステップで30%)を無色の油として得た。
M/z=254.9(M-nBu
4)
-。
【0249】
d.ナトリウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート
テトラブチルアンモニウム(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イルサルフェート(130mg、0.26mmol)のCH3CN:H2O(1:1、3mL)中溶液をDowex(商標)Na樹脂(1g)で処理した。30min後、混合物をDowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過し、CH3CN:H2O(1:1、1mL)で洗浄した。合わせたろ液を再びDowex(商標)Na樹脂(1g)で30min処理し、Dowex(商標)Na樹脂の床に通してろ過し、CH3CN:H2O(1:1、1mL)で洗浄した。このプロセスをさらに3回繰り返した。合わせたろ液を凍結乾燥し、得られた化合物を分取用HPLC[X-SELECT-C18 (150*19),5 u,移動相:H2O:MeCN]で精製した。集めた画分を凍結乾燥して標題化合物(5.0mg、7%)をオフホワイト色の固体として得た。
M/z=255.0(M-Na)-。
1H NMR (500 MHz, d6-DMSO) δ 5.51 (1H, dd, J = 6.0 Hz, J = 2.0 Hz, CHCl), 4.10 (1H, J = 3.0 Hz), 3.51-3.49 (1H, m), 3.07-3.05 (1H, m), 2.26-2.18 (1H, m), 1.94-1.80 (3H, m).
【0250】
生物学的活性
(1)異なるクラスのセリンβ-ラクタマーゼ酵素に対する本発明の化合物の阻害活性;
(2)SBL酵素を発現する菌株に対する化合物によるβ-ラクタム相乗作用
を決定するために実験を行った。
各々の組の実験に対して使用したプロトコルの詳細を以下に示す:
【0251】
酵素阻害
インビトロ酵素阻害アッセイ
酵素阻害アッセイは、96ウェルマイクロタイタープレートで10mMのHEPES緩衝剤pH7.5中のエンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)(例えばTEM-1;AmpC;CTX-M15;KPC-2;OXA-48)由来の精製されたSBL酵素を用いて行った。ニトロセフィン(TEM-1、AmpC、KPC-2、OXA-48に対して100μM;CTX-M15に対して50μM)を基質として使用した。その加水分解を、30℃での最初の10minのインキュベーション後、Perkin Elmer Envision UV蛍光プレートリーダーを用いて482nmにおいて12mnの間30秒毎に追跡した。ある範囲のインヒビターの存在下における加水分解率データを分析し、Dotmaticsデータベースソフトウエアを用いて各々の化合物に対するIC50を決定した。
化合物の希釈はDMSOで行った。
【0252】
SBL酵素の選択されたパネルの酵素阻害に対する平均IC50結果を以下に示す。データは以下のようにまとめられる:
TEM-1:IC50<3nM(A);3~10nM(B);>10nM(C)。
KPC-2:IC50<10nM(A);>10nM(B)。
AmpC:IC50<10nM(A);10~40nM(B);40~60nM(C);>60nM(D)。
OXA-48:IC50<20nM(A);20~100nM(B);100~200nM(C);200~300nM(D);>300nM(E)。
CTX-M15:IC50<5nM(A);5~20nM(B);20~100nM(C);100~200nM(D)。
【0253】
【0254】
【0255】
【0256】
抗菌感受性試験
本発明の化合物の存在下におけるSBL/ESBLを発現する細菌に対するβ-ラクタム系抗生物質の抗生物質活性
実験は、Clinical Laboratory Standards Institute(CLSI)により制定されたプロトコルM07-A8に従って「微量液体希釈法」を用いて行った。β-ラクタム系抗生物質メロペネムの連続希釈は96ウェルプレートにおいてカチオン調節されたMueller-Hintonブロス(CAMHB)で調製され;濃度範囲は0.03mg/L~512mg/Lで規定された。各々の菌株(臨床分離株)の細菌接種材料を生理血清(0.9%NaCl)で0.5McFarland濁度基準に調節し、次いでCAMHBで1:100に希釈し、各々のウェルに加えて5×105CFU/ウェルの最終細菌細胞数とした。18~20時間加熱室で37℃においてインキュベーション後、細菌の増殖の不在によって増殖阻害を評価した。
【0257】
最小発育阻止濃度(MIC)は、供試生物が目に見える増殖を示さなかった抗生物質の最小濃度として採用され;結果は分光光度計で600nmの光学密度(OD)を測定することによって確認した。
【0258】
本発明の化合物を4μg/mLの濃度で試験した。これらのメロペネム相乗作用実験で使用した臨床株はNTBC091.1(KPC-2、TEM-1を発現する大腸菌(E. coli)菌株);NTBC093(KPC-2、TEM-1を発現するE.クロアカ(E. cloacae)菌株);NTBC096.1(OXA-181およびSHV-11を発現する肺炎桿菌(K. pneumoniae)菌株);NTBC099(KPC-3、SHV-11およびTEM-1を発現する肺炎桿菌(K. pneumoniae)菌株);NTBC189(TEM-OSBL(b)、CTX-M-14、OXA-48(c)を発現する肺炎桿菌(K. pneumoniae)菌株)であった。
【0259】
【0260】
本発明によるさらなる化合物に対するデータを次の表に示す。この表において、データは次のようにしてまとめられている(参照し易いように実施例1および2に対するデータも示す:
MIC<1μg/mL(A);MIC=1または2μg/mL(B);MIC=4μg/mL(C);MIC=8μg/mL(D);MIC>8μg/mL(E)。
【0261】
【0262】
本発明の化合物は高度に活性である。例えば、メロペネムと実施例1の化合物の組合せは菌株NTBC091.1に対してメロペネムとアビバクタムの組合せより低いMICを有する。メロペネムと実施例2の化合物の組合せは菌株NTBC091.1に対してメロペネムとアビバクタムの組合せより低いMICを有する。メロペネムと実施例10の化合物の組合せは、菌株NTBC091.1、NTBC096.1、およびNTBC189に対してメロペネムとアビバクタムの組合せより低いMIC、ならびに菌株NTBC093に対してメロペネムとアビバクタムの組合せと同様なMICを有する。メロペネムと実施例12の化合物の組合せは菌株NTBC091.1に対してメロペネムとアビバクタムの組合せより低いMICを有する。
【0263】
さらなるMICデータ
実施例10の化合物を、SBL酵素のOXAまたはKPC変異体を産生するのでメロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に対して耐性の腸内細菌科の臨床株の大きいパネルに対してさらに試験した。
【0264】
図1は、メロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に対して耐性のOXA陽性腸内細菌科の臨床株の2つのパネルに対する化合物10の効果を示すデータを示す。データは標準的な累積MIC様式で
図1に示す。
【0265】
図1Aは、例えば、0%の菌株が1μg/mLのMICでメロペネム単独(「MEM」)に対して感受性であることを示している。しかし、1μg/mLの様々な抗生物質に対して感受性の菌株の割合はおよそ33%(インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ「CEF/VNRX」);63%(インヒビターアビバクタム、および抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ「CAZ/AVI」);90%超(インヒビター実施例10と抗生物質メロペネムの組合せ)に上昇する。
【0266】
同様に、メロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に耐性のOXA陽性腸内細菌科の臨床株のより大きいパネルに関する
図1Bは、メロペネムが不十分な活性を有する(MIC
50=32μg/mL;MIC
90>32μg/mL)ことを裏付けている。4μg/mLの実施例10の添加により、メロペネムに対する感受性が回復する(MIC
50=0.12μg/mL;MIC
90=0.5μg/mL)。比較として、臨床的組合せ「CEF/VNRX」はそれぞれ1μg/mLおよび2μg/mLのMIC
50/MIC
90値を有する。臨床的組合せ「CAZ/AVI」はそれぞれ2μg/mLおよび8μg/mLのMIC
50/MIC
90値を有する。
【0267】
図2は、メロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に耐性のKPC陽性腸内細菌科の臨床株のパネルに対する化合物10の効果を示すデータを示す。データは標準的な累積MIC様式で示す。
図2は、KPC陽性腸内細菌科に対しても、メロペネムが乏しい活性を有する(MIC
50>32μg/mLおよびMIC
90>32μg/mL)ことを示している。4μg/mLの実施例10を添加するとメロペネムに対する感受性が回復する(MIC
50=0.12μg/mL;MIC
90=2μg/mL)。比較として、臨床的組合せ「CEF/VNRX」(インヒビターVNRX-5133および抗生物質セフェピム)はそれぞれ1μg/mLおよび2μg/mLのMIC
50/MIC
90値を有する。臨床的組合せ「CAZ/AVI」(インヒビターアビバクタムおよび抗生物質セフタジジム)はそれぞれ1μg/mLおよび4μg/mLのMIC
50/MIC
90値を有する。
【0268】
また、実施例10の化合物を、SBL酵素のOXA変異体を産生するのでメロペネム、セフェピムおよびセフタジジムのようなベータラクタム系抗生物質に耐性の48のA.バウマニ(A. baumannii)菌株のパネルに対しても試験した。データは標準的な累積MIC様式で
図3に示す。例えば、2μg/mLの各々のインヒビターの存在下で、0%の菌株が(i)メロペネム単独(「MEM」)、(ii)インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ「CEF/VNRX」;または(iii)インヒビターアビバクタムと抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ「CAZ/AVI」に対して感受性である。一方、およそ50%が抗生物質メロペネムと組み合わせた実施例10の化合物に対して感受性である。同様に、16μg/mLの各々のインヒビターの存在下で、10%未満の菌株が(i)メロペネム単独(「MEM」)、(ii)インヒビターVNRX-5133と抗生物質セフェピムの臨床的組合せ「CEF/VNRX」;または(iii)インヒビターアビバクタムと抗生物質セフタジジムの臨床的組合せ「CAZ/AVI」に対して感受性である。一方、100%に近い菌株が抗生物質メロペネムと組み合わせた実施例10の化合物に対してこれらの条件下で感受性である。MIC値を参照すると、このパネルに対して、メロペネムは乏しい活性を有する(MIC
5064μg/mLおよびMIC
90>64μg/mL)ことが示される。4μg/mLの実施例10を添加するとメロペネムに対する感受性が回復する(MIC
502μg/mLおよびMIC
908μg/mL)。比較として、臨床的組合せ「CEF/VNRX」はこれらのOXA陽性のアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumanni)臨床分離株に対して、それぞれ64μg/mLおよび>64μg/mLのMIC
50/MIC
90値で乏しい活性を示す。同様に、臨床的組合せ「CAZ/AVI」はこれらのOXA陽性のアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumanni)臨床分離株に対して同じく乏しい活性を示し、インヒビターアビバクタムおよび抗生物質セフタジジムがそれぞれ64μg/mLおよび>64μg/mLのMIC
50/MIC
90値を有する。
【0269】
本発明の化合物のインビボ効力
本発明の化合物を動物効力モデルでさらに試験した。マウスの大腿に:
(A)肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)のKPCを発現する臨床株(NR-48977)[MIC(メロペネム単独)=64μg/mL;MIC(メロペネム+4μg/mLの実施例10)=1μg/mL];または
(B)肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)のOXAを発現する臨床株(AC00783)[MIC(メロペネム単独)=32μg/mL;MIC(メロペネム+4μg/mLの実施例10)=0.25μg/mL];または
(C)アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)のOXAを発現する臨床株(AC00445)[MIC(メロペネム単独)=64μg/mL;MIC(メロペネム+4μg/mLの実施例10)=4μg/mL]
を感染させた。
【0270】
感染の1、3、5および7時間後、ビヒクル、メロペネム単独、またはメロペネムおよび本発明の化合物(実施例10)をIV投与した。感染9時間後、動物を屠札し、細菌負荷(大腿組織グラム当たりのコロニー形成単位、CFU/g)を定量するためにコロニー形成単位(CFU)の数を測定した。適当な制御および統計解析で行ったこれらの実験の結果を
図4に示す。試験した3つの細菌菌株すべてに対して、一定の用量のメロペネムを投与しつつ実施例10の用量を増大するにつれてより少ない数のコロニー形成単位(CFU)が生じるので、細菌負荷に関して用量反応を見ることができる。
また、本発明は以下を提供する。
[1]
式(I)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である化合物:
【化58】
[式中、
Rは、ハロゲン、C(O)R
1、C
1~4アルキルおよびL-X-R
1から選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここでアリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるか、またはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルであり;
Lは、結合であるか、または未置換もしくは少なくとも1個のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルキレン基であり;
Xは、OまたはS(O)
zであり、ここでzは0、1または2である]。
[2]
式(II)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩または式(III)のジアザビシクロオクタノンもしくはその薬学的に許容される塩である、[1]に記載の化合物:
【化59】
[式中、Rはハロゲンである]。
[3]
Rがフッ素または塩素であり;
好ましくは前記化合物が
硫酸水素(2R,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2S,5R)-2-フルオロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
硫酸水素(2R,5R)-2-クロロ-7-オキソ-1,6-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-6-イル;
およびそれらの薬学的に許容される塩
から選択される、[1]または[2]に記載の化合物。
[4]
式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、[1]に記載の化合物:
【化60】
[式中、Rは[1]で定義された通りである]。
[5]
式(II)のジアザビシクロオクタノンまたはその薬学的に許容される塩である、[1]または[4]に記載の化合物:
【化61】
[式中、
Rは、C(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1は、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個または2個の置換基R
2でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
各R
2は、OH;未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシ;C(O)R
3;C(O)OH;C(O)OR
3;6~10員のアリール;5~6員のヘテロアリール;および4~6員のヘテロシクリルから独立して選択され;ここで前記アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル基は未置換であるかまたはハロゲン、OH、C(O)R
3、C(O)OH、C(O)OR
3ならびに自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルおよびC
1~4アルコキシ基から選択される1個、2個または3個の置換基で置換されており;
R
3は、未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルキルである]。
[6]
i)RがC(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
または
ii)R
1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的にOHおよび自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC
1~4アルキルであり;
好ましくはR
1がC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基はフッ素および塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
または
iii)前記化合物が[4]で定義された通りであり、RがL-X-Rであり、ここで
Lは結合であるか、または未置換のC
1アルキレン基であり;
XはOまたはSであり;
R
1は1個、2個または3個のハロゲン基により置換されているC
1アルキル基であり;
好ましくはRは-CH
2-O-CF
3および-S-CF
3から選択される、[4]または[5]に記載の化合物。
[7]
各R
2がOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルコキシ;R
3が未置換のC
1~2アルキルであるC(O)OR
3;および未置換の5~6員のヘテロアリールから独立して選択され;
好ましくは各R
2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから独立して選択される、[4]~[6]のいずれか一項に記載の化合物。
[8]
A:
RがC(O)R
1およびC
1~4アルキルから選択され、ここで前記C
1~4アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1が、少なくとも1個のハロゲン原子で置換され、かつ任意選択的にOHおよびC
1~4アルコキシから選択される1個の置換基でさらに置換されているC
1~4アルキルであり、前記C
1~4アルキル基は未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されており;
R
2がOH;自身が未置換のまたは1個または複数のハロゲン原子で置換されているC
1~2アルコキシ;R
3が未置換のC
1~2アルキルであるC(O)OR
3;および未置換の5~6員のヘテロアリールから選択され;
または
B:
RがC(O)R
1およびC
1~4アルキル、好ましくはC
1~2アルキルから選択され、ここで前記アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
R
1がC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基はフッ素または塩素から選択される少なくとも2個のハロゲン原子で置換されており;
R
2がOH;OMe;C(O)OMe;および未置換のチアゾリルから選択される、[4]または[5]に記載の化合物。
[9]
i)RがC
1~2アルキルであり、ここで前記C
1~2アルキル基は少なくとも1個のハロゲン原子で置換されており、かつ任意選択的に1個の置換基R
2でさらに置換されており;
または
ii)RがCF
3、CHF
2、CHCl
2、CCl
3、CH
2F、CF
2CH
3、CF
2CH
2CO
2Me、COCF
3、CF
2-チアゾリル、CF
2CH
2OCH
3、CF
2CH
2CH
2OH、CH(OH)CF
3、CH
2CF
3およびCF
2-オキセタニルから、好ましくはCF
3、CHF
2およびCHCl
2から選択される、[4]~[8]のいずれか一項に記載の化合物。
[10]
[1]~[9]のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体または希釈剤を含み、任意選択的に(i)抗生物質薬剤および/または(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターをさらに含んでいる医薬組成物。
[11]
[1]~[9]のいずれか一項に記載の化合物と、(i)抗生物質薬剤および(ii)メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターの1種または複数との組合せ物。
[12]
抗生物質薬剤および/またはメタロ-β-ラクタマーゼインヒビターとの共投与による細菌感染症の治療または予防における使用のための、[1]~[9]のいずれか一項に記載の化合物。
[13]
前記抗生物質薬剤がカルバペネム系抗生物質であり、好ましくは前記抗生物質薬剤がメロペネムである、[10]~[12]のいずれか一項に記載の組成物、組合せ物または化合物。
[14]
i)グラム陰性細菌における抗生物質耐性の除去または低減;および/または
ii)細菌感染症の治療または予防
に使用するための、[1]~[9]のいずれか一項に記載の化合物、または[10]、[11]および[13]のいずれか一項に記載の組成物もしくは組合せ物。
[15]
前記グラム陰性細菌が腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択され、または前記細菌感染症が、腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される細菌により引き起こされ、好ましくは
(a)腸内細菌科、シュードモナス科およびモラクセラ科から選択される前記細菌が肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、大腸菌(Escherichia coli)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter Cloacae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、セパシア菌(Burkholderia cepacia)およびアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)から選択され;および/または
(b)前記細菌感染症がカルバペネム耐性腸内細菌科により引き起こされる、[12]~[14]のいずれか一項に記載の化合物、組成物または組合せ物。
[16]
前記メタロ-β-ラクタマーゼインヒビターが式(A)の化合物またはその薬学的に許容される塩である、[10]~[15]のいずれか一項に記載の組成物、組合せ物、または化合物
【化62】
[式中、
R
1AはH、R
1bおよび-CH
2OC(O)R
1bから選択され、ここでR
1bは未置換のC
1~C
4アルキル基およびフェニルから選択され;
AはC
6~C
10アリール、5~10員のヘテロアリール、ならびに4~10員の炭素環式および複素環式基から選択される環式基であり;
各R
2Aは、
(iv)ハロまたはR
8;
(v)いずれも任意選択的に1個、2個または3個のハロ置換基および/または1個のR
8置換基で置換されていてもよいC
1~3アルキル、O(C
1~3アルキル)、S(C
1~3アルキル)、SO(C
1~3アルキル)またはSO
2(C
1~3アルキル);ならびに
(vi)R
aおよびR
bの各々が水素および未置換のC
1~2アルキルから独立して選択され、各R
cが未置換のC
1~2アルキルである、NR
aC(O)R
c、およびNR
aC(O)NR
bR
c;
から独立して選択され:
各R
8はCN、OH、-C(O)NR
fR
g、-NR
fR
g、-NR
10C(NR
11)R
12、-C(NR
10)NR
11R
12、および-NR
10C(NR
11)NR
12R
13から独立して選択され;ここでR
fおよびR
gの各々は独立してHまたは未置換のC
1~2アルキルであり;
mは0、1、2または3であり
R
3Aは水素ならびに未置換であるかまたはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキル基から選択され;
nは0または1であり、
Z
Aは結合であるかまたは-NR
10C(O)-、-C(O)NR
10-、-NR
10C(O)NR
11-、-NR
10C(O)O-、-OC(O)NR
10、-NR
10C(O)S-、-SC(O)NR
10、-NR
10C(NR
11)-、-C(NR
10)NR
11-、-NR
10C(NR
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)-、-C(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
13-、-NR
10C(NR
11)O-、-OC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)O-、-OC(N
+R
10R
11)NR
12-、-NR
10C(NR
11)S-、-SC(NR
10)NR
11、-NR
10C(N
+R
11R
12)S-、-SC(N
+R
10R
11)NR
12-、-C(O)NR
15-、-NR
10C(O)NR
15-、-OC(O)NR
15、-SC(O)NR
15、-C(NR
10)NR
15-、-NR
10C(NR
11)NR
15-、-C(N
+R
10R
11)NR
15-、-NR
10C(N
+R
11R
12)NR
15-、-OC(NR
10)NR
15、-OC(N
+R
10R
11)NR
15-、-SC(NR
10)NR
15、および-SC(N
+R
10R
11)NR
15-から選択され
L
Aは結合であるかまたはC
1~4アルキレン、C
2~4アルケニレン、C
2~4アルキニレン、C
1~3アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~3アルキレン、C
1~4アルキレン-(C
3~6シクロアルキレン)および(C
3~6シクロアルキレン)-C
1~4アルキレンから選択され、ここでLは未置換であるか、またはハロゲン、-OR
10、および-NR
10R
11から選択される1または2個の置換基で置換され;またはLは-C(R
10)=N-であり;
X
Aは結合であるか、またはLが結合もしくは-C(R
10)=N-以外であるとき、Xは結合であるかまたは-NR
10-、-O-、-NR
10C(NR
11)-、および-C(NR
10)-から選択され;
pは0または1であり;
R
4AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
4AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
5AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
5AはR
4Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
5AはR
6A
と互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
R
6AはH、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
6AはR
5Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
またはR
6Aは、存在するならばR
7Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
存在するならば、R
7Aは、H、-CNならびに未置換のまたはハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1、2または3個の置換基で置換されているC
1~C
3アルキルから選択され;
またはR
7AはR
6Aと互いに連結され、それらが結合している原子と一緒になって、環内に少なくとも1個の飽和炭素原子を含む5~6員の複素環式基を形成しており、前記複素環式基は未置換であるかまたは未置換のC
1~C
2アルキル、ハロゲン、-OR
10、-NR
10R
11、および-CNから選択される1または2個の置換基で置換されており;
各々のR
10、R
11、R
12、R
13およびR
14は独立してHまたはメチルであり;
各R
15は独立して置換されているC
1~C
4アルキルまたは未置換のC
2~C
4アルキルであり、ここでR
15が置換されているアルキル基であるとき前記アルキル基はハロゲン、CN、OR
10および-NR
10R
11から独立して選択される1個、2個または3個の置換基で置換されている]。