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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】光学測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01C 3/06 20060101AFI20240202BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20240202BHJP
   G01B 11/06 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01C3/06 120P
G01B11/00 B
G01B11/06 H
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021531343
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 DE2019200123
(87)【国際公開番号】W WO2020114562
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】102018130901.5
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521234685
【氏名又は名称】プレシテック オプトロニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】デイツ,クリストフ
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-507608(JP,A)
【文献】特表2010-507089(JP,A)
【文献】特開2007-147299(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0073684(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 3/06
G01B 11/00ー11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロマティック共焦点測定装置であって、該測定装置は、
複数の波長を有する光、特に、連続スペクトルを射出する光源(1)と、
前記光源(1)からの光を通過させる第1共焦点絞り(2)と、
光学照光/撮像系(BA)と、
を備え、
前記光学照光/撮像系(BA)は、少なくとも、
前記光が入射し、コリメートする、プリズムまたはグレーティングからなる第1分割用光学素子(4)と、
前記第1分割用光学素子(4)から空間的に離れたところにある、少なくとも一つの第1レンズを有する第1レンズ系(5)であって、その有効焦点距離(f(λ))は、異なる波長(λ)ごとに顕著に異なる第1レンズ系(5)と、
を備え、
異なる波長の焦点位置が異なる位置になるよう、光学照光/撮像系(BA)が設計されており、これらの位置は、前記第1レンズ系(5)の対称軸(40)に対して鋭角をなす線分(41)に沿って存在し、
前記測定装置は、前記線分(41)と交差し、前記光の少なくとも一部を反射する対象物(30)を測定するよう構成され、
前記測定装置は、前記光学照光/撮像系(BA)から空間的に離れたところにある光学検出/撮像系(DA)を備え、
前記光学検出/撮像系(DA)は、前記対象物(30)から反射した光を、照明光が前記対象物に当たる方向とは異なる方向からのみ、受けるよう構成され、
前記光学検出/撮像系(DA)は、全ての波長の焦点位置を、第2共焦点絞り(9)上に結像するよう構成され、
前記測定装置は、第2絞り(9)を通過した光の強度を記録するよう構成された検出器(10)を備える、ことを特徴とする、測定装置。
【請求項2】
前記光源(1)の最短波長に対する、前記第1レンズ系(5)の焦点距離は、前記光源(1)の最長波長に対する、前記第1レンズ系の焦点距離と、δfだけ異なっており、δfの、平均波長に対する前記第1レンズ系(5)の焦点距離fに対する比率は、5%より大きい、ことを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
焦点位置の軸上分割は、焦点位置の横分割の少なくとも0.1倍である、ことを特徴とする、請求項1および2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記第1レンズ系(5)は、アッベ数が40未満の、少なくとも一つのレンズを備える、ことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項5】
異なる波長の焦点位置を通る前記線分(41)は、前記第1レンズ系(5)の前記対称軸(40)に対して、60度未満および/または30度より大きい角度、特に45度の角度をなす、ことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記光学照光/撮像系(BA)は、前記光源(1)および前記第1分割用光学素子(4)間に配置された、無色のコリメータレンズ(3)を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記第1分割用光学素子(4)は、グレーティングであり、前記第1レンズ系(5)は、少なくとも一つの回折レンズを備える、ことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項8】
前記第1レンズ系(5)は、特に、平均波長を有する光前記第1レンズ系(5)の前記対称軸(40)に対して平行をなして前記第1レンズ系(5)当たるよう、前記第1分割用光学素子(4)に向かって傾斜して配置されている、ことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項9】
前記第1共焦点絞り(2)は、スリット絞りであり、これにより、各波長に対して焦点位置を形成するかわりに、前記第1レンズ系(5)の前記対称軸(40)に対して鋭角をなす領域区分に沿って配置するよう、焦点線を形成する、ことを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項10】
前記光学検出/撮像系(DA)は、プリズムまたはグレーティングからなる第2分割用光学素子(7)と、第2レンズ系(6)と、を備える、ことを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の測定装置。
【請求項11】
前記第2分割用光学素子(7)は、前記第1分割用光学素子(4)と同一の構造を有し、前記第2レンズ系(6)は、前記第1レンズ系(5)と同一の構造を有する、ことを特徴とする、請求項10に記載の測定装置。
【請求項12】
前記検出器(10)は、分光器を備え、波長の最大強度を判定し、それに基づいて、前記対象物の距離値を算出するよう構成される、ことを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学測定装置に関し、特に、対象物を測定する光学色測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物を測定する、光学測定装置が知られている。特許文献1からも知られているように、対象物の表面や厚さを判定する測定機器は、多色性光源と、光学処理部と、を備える。光学処理部は、分散構成要素を有し、分散構成要素は、測定対象物に向けられた光放射を、非軸方向に、光分散させる。こうした装置では、光放射の異なる波長を、対象物の表面の法線方向における、異なる高さに集光させる。光放射の第2処理部は、測定対象物から鏡反射方向に反射された光を、検出器に向けて進路を変更する。検出器は、最大強度を有する波長を判定するよう構成され、これにより、表面高さが判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第2076733号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、対象物を測定するための、改善された測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一形態は、測定装置を提示し、この測定装置は、複数の波長を有する光を射出し、その光を第1共焦点絞りによって、光学照光/撮像系に向かわせる光源を備える。光学照光/撮像系は、プリズムまたはグレーティングからなる第1分割用光学素子を備える。第1分割用光学素子は、波長に応じて光を分割する。つまり、異なる波長を有する光が分割用光学素子に同じ角度で当たったとしても、分割用光学素子から異なる角度で射出される。プリズムの場合、これは、分散によるものであり、グレーティングの場合は、1次あるいはより高い次数の回折(+または-回折次数)が光学出力として利用され、スペクトル分光される。
【0006】
その過程で、光は、第1分割用光学素子に入射し、全ての波長に対してコリメートされる。これは、明らかに波長依存する焦点距離を有する要素、特に、色収差がついたレンズやレンズの組み合わせが、光源および第1分割用光学素子間に配置されていない場合にのみ、可能となる。
【0007】
光学照光/撮像系はまた、少なくとも一つの第1レンズを有する第1レンズ系を備える。第1レンズ系は、第1分割用光学素子から空間的に離れたところにあり、両構成要素は、別体として設けられている。第1レンズ系は、その有効焦点距離が異なる波長ごとに顕著に変化する点において、特徴的である。この特性は、軸上色収差として知られる。
【0008】
光は、光学照光/撮像系によって、異なる波長の焦点位置、特に、異なる位置に形成された焦点位置または焦点線に集光される。これらの位置は、測定区分、特に、第1レンズ系の対称軸に対して鋭角をなす線分または領域区分に沿って存在する。
【0009】
焦点位置または焦点線が存在する、線分または領域区分の領域は、測定装置の測定範囲を示す。線分と交差し、光の少なくとも一部を反射するものであれば、いかなる対象物であっても測定可能である。
【0010】
焦点位置からレンズ系までの距離は、第1レンズ系の軸上色収差によって、波長に応じて変化する。軸上収差が顕著でない場合、焦点位置は、対称軸に対して、略直交して整列している。
【0011】
測定装置はまた、光学照光/撮像系から空間的に離れたところにある光学検出/撮像系を備える。このように互いが空間的に離れていることで、小型かつ軽量の光学部品が使用できる。光学検出/撮像系は、照明光が対象物に当たる方向とは異なる方向から、対象物で反射した光を受けるよう構成され、用いる全ての波長の焦点位置を、第2共焦点絞り上に結像するよう構成される。
【0012】
第2共焦点絞りは、焦点から外れて、測定対象物に当たり、それゆえ第2共焦点絞り上に正確に結像されない波長の光を低減させる効果を有する。これにより、バックグラウンドを抑え、信号雑音比を改善する。
【0013】
測定装置はまた、第2絞りを通過した光の強度を取得するよう構成された検出器を備える。
【0014】
顕著な軸上収差により、焦点位置の撮像品質または焦点位置が良好な場合、光の入射角度を大きくすることができ、これにより、いわゆるシャドーイング効果を効率的に抑制・低減できる。
【0015】
したがって、本発明の特徴は、測定対象物上の測定光の平均入射角度が急角度であるため、シャドーイングを低減できるという利点にある。
【0016】
一方、入射角度が対象物に対して直交していないため、光学照光/撮像系および光学検出/撮像系を別体として操作することが可能となり、また、入射方向または受光方向を、焦点位置が整列する方向とは異なる方向に変化させることができる。その結果、対象物の表面上に集光されなかった波長以降の光は、第2共焦点絞り上で、焦点から外れて結像されないだけでなく、横方向に相殺される。つまり、対象物上の焦点から外れた波長を有する光が、第2共焦点絞りをあまり通過しなくなり、引き続き、バックグラウンドが抑えられる。測定装置の分解能は、用いられる対物レンズ(光学照光/撮像系および光学検出/撮像系)そのものの分解能によって決まる。
【0017】
一般的には、焦点位置が存在する線分は、測定対象物の表面に対して、直角あるいはほぼ直角に交差することが望ましい。これには、測定に歪みが生じないという利点がある。直角の場合、表面(x/y座標)に平行な座標値は、各焦点位置に対して一定であり、表面(z)から上の高さや波長のどちらにも依存しない。つまり、表面形状は、変更を加えるまでもなく、デカルト座標系において、直接、判断することができる。その結果、測定時に面歪みが引き起こされない。
【0018】
光学照光/撮像系および光学検出/撮像系を対称に配置することで、表面に対して線分が直交するよう配置され、輝度が向上するという利点も得られる。
【0019】
本発明における有利な展開について、以下に説明する。
【0020】
光源は、好ましくは、連続スペクトルを射出する。射出されたスペクトルは、特に好ましくは、可視光範囲(約400nm~800nm)または赤外範囲にある。
【0021】
光源の最短波長に対する、第1レンズ系の焦点距離は、光源の最長波長に対する、第1レンズ系の焦点距離と、δfだけ異なる。δfの、平均波長の焦点距離fに対する比率は、好ましくは、5%より大きい。このレベルの色収差が、顕著と認められる。
【0022】
【数1】
【0023】
光源の最短波長の焦点位置および光源の最長波長の焦点位置間の距離は、測定装置の測定範囲を画定する。各適用例に対し、特に適する測定範囲がある。選択された測定範囲は、例えば、測定対象物上の最大構造または想定高さ差異よりも大きいとよい。同時に、測定範囲および分解能は、反比例関係にあることが一般的であるため、選択された測定範囲は、大きくしすぎないほうがよい。本適用例での測定範囲は、好ましくは、数ミリメートル、または1ミリメートル未満の範囲である。
【0024】
異なる波長の焦点位置を、第1レンズ系の対称軸に対して、横方向および軸方向に動かすことによって、測定範囲をあらかじめ決定する。軸移動および横移動は、好ましくは、差分が定数である2未満であり、特に好ましくは、ほぼ同じである。換言すれば、軸移動および横移動は、両方とも、測定範囲自体と相当程度である。
【0025】
異なる波長の焦点位置を通る線分が、第1レンズ系の対称軸に対して、60度未満の角度をなすよう、焦点位置の横移動および軸移動を選択するとよい。45度以下の角度であると、特に有利だが、これは、特にシャドーイングを回避し、デザインの小型化を実現するにあたり、適している。
【0026】
異なる波長の焦点位置を通る線分が、第1レンズ系の対称軸に対して、30度を上回る角度をなすことが好ましい。
【0027】
光源の最短波長に対する、第1レンズ系の焦点距離は、測定装置の所定の測定範囲とほぼ同じ分だけ、光源の最長波長に対する、第1レンズ系の焦点距離と差があることが特に好ましい。
【0028】
充分な焦点ずれ(色収差)を得るにあたり、第1レンズ系のレンズのうち、少なくとも一つは、ν<40を満たすアッベ数を有しているとよい。
【0029】
光学照光/撮像系は、好ましくは、光源および第1分割用光学素子間に配置されたコリメータレンズを備える。このコリメータレンズは、好ましくは、無色、つまり、異なる波長に対する焦点距離が、同じか、ほんのわずかしか異なっていない。これにより、全ての波長に対し、光路がコリメートされる。コリメータレンズのかわりに併せて見た際に、上述した特性を有する複数個のレンズを代用してもよい。
【0030】
点の軸移動がコリメータレンズおよび第1レンズ系間で分割されるよう、色収差を有するコリメータレンズを設けることも可能である。つまり、光路は、第1分割用光学素子によって、全ての波長に対して、完全にコリメートされていなくともよい。
【0031】
焦点位置が存在する線分は、第1レンズ系の焦点距離の波長依存性および第1分割用光学素子の分割の波長依存性を互いに合致させることで、確実に直線状にするとよい。波長依存性間の数学的関係性を考慮することで、特に有利に実現される(図3aおよび図3bの説明を参照)。一つ以上の分散レンズを備える第1レンズ系と組み合わせて、プリズムが第1分割用光学素子として選択されるか、あるいは、第1レンズ系で、少なくとも一つの回折レンズと組み合わせて、グレーティングが分割用光学素子として選択されるか、のどちらかであればよい。つまり、分散素子と一緒に使用するか、あるいは、回析素子と一緒に使用するか、選択される。これにより、線分が直線状になるよう、焦点位置の軸移動および横移動が、確実に合致する(つまり、比例定数と同等の、移動および波長間の数学的関係性が満たされる)。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によれば、光学検出/撮像系は、第2分割用光学素子(プリズムまたはグレーティング)と、第2レンズ系とを備える。これにより、第2共焦点絞り上での結像が、とりわけ単純な方法により、実現される。原則として、ここでの光路は、光学照光/撮像系の光路に対応するが、構成要素は、逆の順番になっている。ここで、構成要素が逆順となっていることにより、第2分割用光学素子は、第1分割用光学素子による分割を逆進させる効果を有する。したがって、光学照光/撮像系の焦点位置のうちの一つを通り、焦点位置に対応する波長を有する光は、光学検出/撮像系によって、全ての波長に対して、同一位置、有利には、第2共焦点絞りの開口上に集光される。
【0033】
第2分割用光学素子は、好ましくは、第1分割用光学素子と同一の構造を有する。特に、第2分割用光学素子は、第1分割用光学素子がプリズムの場合、同一の構造を有するよう、プリズムであり、第2分割用光学素子は、第1分割用光学素子がグレーティングの場合、同一の構造を有するよう、グレーティングである。
【0034】
第2レンズ系は、好ましくは、第1レンズ系と同一の構造を有する。
【0035】
光学照光/撮像系および光学検出/撮像系全体が同一の構造を有していると、特に有利である。こうした配置にした場合、鏡対称の構成となり、これにより、検出光路が照光路と同一の構成を有することになる。
【0036】
この実施形態において、全体配置が対称となるよう、焦点位置が整列した線分は、測定対象物に対して、少なくとも略直交であるとよい。
【0037】
焦点位置が整列した線分は、照光路および検出光路間の角度二等分線上にあるとよい。
【0038】
本発明の好ましい実施形態によれば、検出器は、分光器を備え、波長の最大強度を判定し、それに基づいて、対象物の距離値を算出するよう構成される。
【0039】
特に好ましくは、最大強度を有する波長と、距離値との間に、関係性が構築される。これは、測定装置の位置を調整することで、有利に実現される。この関係性は距離値を判定する際に用いられる。
【0040】
測定装置の共焦点構造により、測定対象物上に集光された波長は、第2共焦点絞りの開口上にはっきりと結像される。その結果、絞りを通過するのは、ほとんどがこの波長強度であるため、最大強度は、対象物上に集光した波長に相当する。これにより、焦点位置に対して、対象物の表面の位置を導き出すことができる。
【0041】
本発明の好ましい実施形態において、第1共焦点絞りおよび第2共焦点絞りは両方とも、オリフィス絞り、具体的には、断面積の小さい、円形の開口部を有した絞りである。良好な横方向の分解能を得るには、直径を100マイクロメートル未満にすることが好ましい。直径は、特に好ましくは、50マイクロメートル未満である。これにより、対象物の表面上において、測定は、単一位置で行われる。
【0042】
本発明の他の実施形態において、第1共焦点絞りおよび第2共焦点絞りは、両方とも、オリフィス絞り、具体的には、スロット形状の開口部を有した絞りである。本実施形態において、焦点位置ではなく、焦点線が異なる位置に形成される。線分に沿うかわりに、焦点線は、領域区分に存在し、一次元においては、スリット絞りの長端に対応しつつ、他次元では、上述した線分の特性を全て有する。焦点位置および線分に関して説明した特徴は全て、焦点線および領域区分においても同様に適用される。光学照光/撮像系は、異なる波長の焦点線が異なる位置で形成されるよう、設計され、これらの位置は、第1レンズ系の対称軸に対して鋭角をなす領域区分に沿って存在する。測定装置は、領域区分と交差する対象物を測定するよう、設計される。光学検出/撮像系は、第2共焦点絞り上に、全ての波長の焦点線を結像させるよう構成される。
【0043】
スリット絞りは、第1共焦点絞りが第2共焦点絞り上に結像するような方向に、向けられている。分割が、第1分割用光学素子によって、スリットの長手方向に対して直角に実施されるよう、スリット絞りが向けられているとよい。
【0044】
この配置における、横方向の分解能(つまり、高さ測定に対して直角の方向)は、焦点線の領域のみが結像するため、用いられる対物レンズ(光学照光/撮像系および光学検出/撮像系)単体の分解能によって決まる。各画素間の混線は、ここでは問題とならない。
【0045】
オリフィス開口を列状に配置した場合は、この実施形態の変形例とみなすことができる。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、検出器は、空間的な分解において、第2共焦点絞りを通過した強度を測定するセンサを備える。本実施形態において、特に好ましくは、検出器内ではスペクトル分割は行われず、したがって、総強度を有する画像が、第2共焦点絞りの位置で得られる。よって、対象物の表面の画像は、色分割により、増大した焦点深度を伴って得られる。さらに、センサはまた、入射光位置を空間的に分解するよう構成されているとよい。この過程において、例えば、入射光の強度は、複数の画素それぞれによって、数か所で判定される。これにより、少なくとも一つの次元に沿った入射光を、空間的に分解できる。空間分解次元は、好ましくは、スリット絞りの長端に対応する。
【0047】
マトリックス検出器、つまり、入射光の分解能を二次元的に許容するセンサを使用することが好ましい。
【0048】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、検出器は、光の第1部分を第1検出部へ、光の第2部分を第2検出部へ向かわせるビームスプリッタを備える。特に好ましくは、光がスペクトル分割され、最大強度を有する波長が第1検出部で判定され、同時に、第2検出部では、スペクトル分割は行われず、総強度を有する画像が生成される。第2検出部で取得した総強度画像と、第1検出部によって、同一測定範囲について、同時に取得した高さデータとを組み合わせ、例えば、表示装置によって、重畳させて示す。高さデータと、高さに対して直角な面上の高解像総強度画像との両方を評価し、出力できることが、特に好ましい。
【0049】
ピンホール絞りを格子状にしたものと比較した際の、スリット絞りによる利点を発揮するために、測定対象物から反射した光は、好ましくは、測定対象物および検出器間の自由空間光学部品によって伝搬される。光はまた、光源から測定対象物まで、自由空間光学部品によって伝搬されることが好ましい。これにより、測定装置の構造をより強固なものとし、より低コストで測定装置が製造可能となり、加えて、温度への依存度が大幅に低減されるという、さらなる利点が生じる。
【0050】
本発明の好ましい実施形態によれば、ビームスプリッタは、特に好ましくは、その間にビームスプリッタ面が設けられた、連接された二つのプリズムを備える立方体ビームスプリッタである。
【0051】
測定対象物および測定装置は、相対移動が可能であるとよく、好ましくは、二次元的あるいは三次元的に相対移動が可能であるとよい。こうした動きは、自動で行われることが好ましい。これにより、複数個所を測定するにあたり、対象物を走査することが可能になる。
【0052】
本発明の有利な実施形態について、図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1図1は、クロマティック共焦点測定装置の一実施形態を模式図で示す。
図2図2は、従来技術における測定装置の光学照光/撮像系を示す。
図3a図3aは、本発明の好ましい実施形態を示す。
図3b図3bは、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す。
図4図4は、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す。
図5図5は、本発明のさらなる好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、クロマティック共焦点測定装置の一実施形態を模式図で示す。
【0055】
光源1は、複数の波長のビームを射出し、好ましくは、連続スペクトルを射出する。連続スペクトルは、特に好ましくは、可視範囲にある。例えば、光源は、LED、ハロゲンランプ、レーザ励起蛍光体を備える光源、あるいは、スーパーコンティニューム光源である。
【0056】
光は、第1共焦点絞り2を通過する。絞りは、好ましくは、小径の円形開口部を有する(オリフィス絞り)。あるいは、絞りは、スロット形状の開口部を有していてもよく、開口部のスロットは、図面平面において広がっている。
【0057】
測定装置の光学照光/撮像系(BA)は、少なくとも一つのコリメータレンズ3と、第1分割用光学素子(第1プリズムまたは第1グレーティング)4と、少なくとも一つの第1レンズを有する第1レンズ系5と、を備える。これらの構成要素は、互いに空間的に離れている。
【0058】
第1レンズ系5は、有効焦点距離f(λ)が、異なる波長λごとに顕著に異なるように、軸上色収差がつけられている。ここで、有効焦点距離とは、系全体の焦点距離である。色収差の設定が正確に行われるため、レンズ系において、単一レンズではなく、複数のレンズを順番に使用するほうが有利となり得る。
【0059】
光学照光/撮像系BAにより、光学照光/撮像系を通過した第1波長の光が、第1絞り2上で、焦点位置21に結像する。同時に、光学照光/撮像系により、他の波長の光が、同一の絞り2上で、他の位置22に結像する。本発明によれば、これらの位置は線分に沿って整列している。ここで、線分は、第1レンズ系5の対称軸に対して、鋭角をなす。第1レンズ系5の色収差がなければ、プリズムまたはグレーティングからなる分割用光学素子4光軸に対して直角をなす焦点位置のみを分割するため、線分は、対象軸に対して、略直交となるだろう。
【0060】
スロット形状の共焦点絞り2が使用された場合、光学照光/撮像系BAにより、光学照光/撮像系を通過した第1波長の光が、第1絞り2上で、紙面に延長する焦点線21に結像する。光学照光/撮像系により、他の波長の光が、同一の絞り2上で、他の焦点線22に結像する。本発明によれば、焦点線は、領域区分に沿って整列している。領域区分は、一方では、各焦点線の空間的延長によって、それに対し、異なる波長ごとの焦点線の異なる位置によって、形成される。ここで、領域区分は、第1レンズ系5の対称軸に対して鋭角をなす。より具体的には、領域区分は、一連の線分からなり、各線分は、スロット絞りの位置の像に対応する。各線分は、第1レンズ系の対称軸に対して鋭角をなす。
【0061】
5.測定対象物30は、焦点位置21および22の領域、つまり、測定装置の測定範囲内に配置される。対象物30は、光の少なくとも一部を反射する。入射方向とは異なる空間方向からの反射光は、光学検出/撮像系DAにより捕捉される。光学照光/撮像系および光学検出/撮像系は、空間的に離れている。
【0062】
光学検出/撮像系好ましくは、第2レンズ系6と、第2分割用光学素子(第2プリズムまたは第2グレーティング)7と、焦点レンズ8と、を備える。光学検出/撮像系全体は、対象物30の表面に集光され、表面から第2絞り9上に反射された光を結像させるよう、構成される。第2絞り9は、第2共焦点絞りとしての役割を果たし、第1絞りに対して共焦点である。
【0063】
2.第2絞り9を通過する光は、検出器10によって捕捉される。
【0064】
図2は、いわゆるシャドーイング効果を強調した従来技術における測定装置の、従来の配置で設けられた光学照光/撮像系を示す。この配置において、光は、プリズム204によって横方向に偏向され、レンズ205によって集光される。レンズ205は、色収差が全くない、あるいは、あったとしてもごくわずかであり、したがって、焦点位置は、レンズの対象軸に対して略直交して整列している。測定対象物30への入射角度βは非常に小さい。
【0065】
図2に示すように、この種の測定機器における、中心波長の、対象物表面への平均入射角度は、以下の数式から求められる。
【0066】
【数2】
ここで、α(λ)は、分散構成要素による、中心波長λに対する回析角度であり、Lは、分散構成要素および焦点調整要素間の距離であり、fは、焦点調整要素の焦点距離である。つまり、βは、常に、αより小さく、対象物への入射角度は、必ず、相対的に浅くなる。
【0067】
角度βを大きくする(30度を上回る)には、入射光線および焦点レンズの光軸間の角度αは、30度を上回る値でなければならない。しかしながら、このような大きな傾斜角度と、大きくぼやけた焦点位置とが組み合わされると、光学撮像品質が大幅に損なわれ、測定装置の、横方向および軸方向の分解性能に、直接的なマイナス影響を及ぼす。そのため、実用的ではない。
【0068】
一方、浅い入射角度は、しばしば、凹凸のある対象物上にシャドーイングを生じさせ、それにより測定品質が損なわれるため、角度βを大きくすることが望まれる。さらに、こうした構造は、ある程度の大きさを有することが必須であり、測定対象物の付近に位置しなければならない。
【0069】
図3aは、本発明の好ましい実施形態における、特徴となるパラメータを示す。
【0070】
ここで、α(λ)は、第1レンズ系に当たるビームと、第1レンズ系5の対称軸40との間の角度を表す。角度α(λ)は、波長に依存する。
【0071】
図3aに示す実施形態において、レンズ3の対称軸もまた、軸40であり、対称軸40もまた、角度α(λ)が、同時に、第1分割用光学素子の、波長依存の変更角度に対応するよう、絞り2の開口部を通る。プリズムの場合は、分散角度であり、グレーティングの場合は、一次(あるいは高次)の、+あるいは-の回析次数の回析角度である。
【0072】
第1レンズ系の、波長依存の焦点距離は、f(λ)として表す。
【0073】
第1レンズ系5の延長対称軸40と、波長λの焦点位置との間の距離Hは、下記の式で産出される。
【0074】
【数3】
【0075】
焦点位置が線分上に存在するためには、線分cの傾斜およびオフセットfを考慮に入れて、第1レンズ系5の、波長依存の焦点距離f(λ)に対する条件を設けなければならない。
【0076】
【数4】
【0077】
したがって、焦点距離f(λ)、分散角度α(λ)、そして傾斜cは、相関関係にある。オフセットfは、光学照光/撮像系および対象物間の作動距離である。
【0078】
ほとんどの場合、測定範囲、ひいてはH(λ)は、平均焦点距離と比較すると小さい。そのため、以下のような近似値を出すことができる。
【0079】
【数5】
さらに、以下の値が得られる。
【0080】
【数6】
【0081】
これにより、焦点位置の軸移動および横移動は、ほぼ分離する。ここで、軸40に対する横移動は、分散角度の波長依存性によって決まる。一方、軸40に向かう軸移動は、第1レンズ系5の焦点距離の波長依存性によって決まる。
【0082】
分散角度が、波長にほぼ比例、つまり、直線状になることにより、焦点距離が直線状に整列する。
【0083】
【数7】
第1レンズ系5の焦点距離の波長依存性f(λ)もまた、略直線状になる
【0084】
傾斜は、対象物への入射角度βに直接影響する。
【0085】
【数8】
【0086】
使用されるプリズムまたはグレーティング4により予め設定された偏向角度α(λ)(分散角度または回析角度)を考慮し、中心波長βの、所望の入射角度が得られるよう、第1レンズ系5は、有利に設計される。
【0087】
つまり、第1レンズ系において効果的な色収差を適切に選択することで、さらなる自由度が生まれ、それにより、入射角度の選択肢も増える。
【0088】
換言すると、固定作動距離fおよび所定の測定範囲H(λ)によって、偏向角度α(λ)を設定する。そして、軸上色収差f(λ)の自由度を利用して、中心波長の入射角度βを独立した値として設定することができる。
【0089】
選択した、中心波長の入射角度βは、約30度~60度であるとよい。この角度であれば、対象物上の凸凹によるシャドーイングを抑えることができるためである。この角度は、想定される、測定対象物の粗さに応じて選択するのがよい。
【0090】
図3bに示す、本発明のさらなる好ましい実施形態において、第1レンズ系5は、レンズ3に向かって、分割用光学素子4へ傾斜して配置される。全ての角度が関係する対称軸40もまた、第1レンズ系の対称軸40として表され、レンズ3および第1絞り2は、この対象羽軸に対して傾斜し、偏心して配置されている。
【0091】
中心波長が第1レンズ系5の対称軸40に沿って当たるように(α(λ)=0、構成要素が、互いに傾斜して配置されていることが特に好ましい。これにより、傾斜のある、および/または、偏心した入射と比較して、結像エラーが少なくなる。
【0092】
数9の関係性がここでも適用される。
【0093】
【数9】
しかしながら、ここで、α(λ)は、第1分割用光学素子4の偏向角度ではなく、第1分割用光学素子4およびレンズ系5間の相対傾斜角度によって低減されている。第1分割用光学素子4の偏向角度は、図3bにおいてθ(λ)として示される。
α(λ)=θ(λ)-θ
θは、特に好ましくは、中心波長の偏向角度である。
【0094】
図4は、本発明の実施形態を示す。
【0095】
第1プリズムからなる第1分割用光学素子4と、プリズムとして設計された第2分割用光学素子7とが設けられた図1の例を参照して説明したような、色測定装置の構成要素を表す。
【0096】
第1レンズ系5は、三つの連続したレンズ51、52、53を有するレンズ群からなる。中間レンズ52は、ν<40を満たすアッベ数を有する。その他のレンズ51および53は、画像補正の役割を果たす。
【0097】
第2レンズ系6もまた、第1レンズ系5のレンズに対応した、三つの連続したレンズ61、62、63からなる。
【0098】
第2共焦点絞り9に続いて、ビームをコリメートする第1検出器レンズが設けられる。ビームはその後、スペクトル分割される。これは、分光器によって実現され、該分光器は、回折グレーティング101と、ビームを集光する第2検出器レンズ102と、ラインセンサとして設計され、スペクトル分割された光の強度を取得するセンサ103とを備える。
【0099】
本発明のさらなる好ましい実施形態において、分光器の回折グレーティングは、プリズム(プリズム分光器)に置き換えられる。第1分割素子および第2分割素子としてグレーティングが使用され、グレーティングが分光器に挿入されるところ、第1分割素子および第2分割素子としてプリズムが使用されるため、プリズム分光器の使用は有利とみなされるべきであろう。分光器画素および高さ値の相関性が直線的になる点で、有利である。分光器を備える全ての実施形態において、プリズム分光器および回析分光器から選択することができる。
【0100】
図5は、本発明のさらなる実施形態を示す。図5に示す各構成要素は、図4に示す対応する構成要素と、任意に交換、組み合わせることができる。
【0101】
図4と比較すると、本例の第1および第2レンズ系は、それぞれ二つのレンズ(51および52、61および62)を備える。
【0102】
ここで、分光器の構成要素、具体的には、回折グレーティング101、レンズ102、およびセンサ103に加え、検出器10は、分光する立方体ビームスプリッタ105をさらに備える。光の第1部分は分光器に向かい、その強度は、波長に応じて判定される。一方、光の第2部分は、イメージセンサ104に向かうが、そこではスペクトル範囲は分割されず、総強度画像が記録される。
【0103】
第1共焦点絞り2および第2共焦点絞り9は、好ましくは、その長手方向が図面平面に向いたスロット絞りとして形成される。これにより、複数の画素を同時に取得し、さらに、一回の走査で、より早く、広い画像領域を取得できる。イメージセンサ104により、スロットに沿って総強度値を記録できる。走査が実行されると、記録された総強度値を組み合わせ、改善された焦点深度を伴って、表面の画像を形成できる。
【実施例
【0104】
測定装置の実施形態において、考え得る実施例を、以下に詳述する。
【実施例1】
【0105】
クロマティック共焦点測定装置であって、
複数の波長を有する光、特に、連続スペクトルを射出する光源(1)と、
光源(1)からの光を通過させる第1共焦点絞り(2)と、
とを備える、ことを特徴とする測定装置。
【実施例2】
【0106】
少なくとも一つの第1分割用光学素子(4)を備える光学照光/撮像系(BA)をさらに備える、
ことを特徴とする、実施例1に記載の測定装置。
【実施例3】
【0107】
光学素子(4)は、プリズムまたはグレーティングからなる、
ことを特徴とする、実施例3に記載の測定装置。
【実施例4】
【0108】
光は、第1分割用光学素子(4)に入射し、コリメートされる、
ことを特徴とする、実施例2または3に記載の測定装置。
【実施例5】
【0109】
光学照光/撮像系(BA)はまた、少なくとも一つの第1レンズを有する第1レンズ系(5)を備える、
ことを特徴とする、実施例2乃至4のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例6】
【0110】
第1レンズ系(5)は、第1分割用光学素子(4)から空間的に離れたところにある、
ことを特徴とする、実施例5に記載の測定装置。
【実施例7】
【0111】
第1レンズ系(5)の有効焦点距離(f(λ))は、異なる波長(λ)ごとに、顕著に異なる、
ことを特徴とする、実施例5または6に記載の測定装置。
【実施例8】
【0112】
光学照光/撮像系(BA)は、異なる波長の焦点位置が異なる位置に形成されるよう、設計される、
ことを特徴とする、実施例2乃至7のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例9】
【0113】
それらの位置は、第1レンズ系(5)の対称軸(40)に対して鋭角をなす線分(41)に沿って存在する、
ことを特徴とする、実施例8に記載の測定装置。
【実施例10】
【0114】
測定装置は、線分(41)と交差し、光の少なくとも一部を反射する対象物(30)を測定するよう構成される、
ことを特徴とする、実施例9に記載の測定装置。
【実施例11】
【0115】
測定装置は、光学照光/撮像系(BA)から空間的に離れたところにある光学検出/撮像系(DA)を備える、
ことを特徴とする、実施例1乃至10のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例12】
【0116】
光学検出/撮像系(DA)は、対象物(30)から反射された光を、照明光が対象物に当たる方向とは異なる方向からのみ、受けるよう構成される
ことを特徴とする、実施例11に記載の測定装置。
【実施例13】
【0117】
光学検出/撮像系(DA)は、全ての波長の焦点位置を、第2共焦点絞り(9)上に結像するよう構成される、
ことを特徴とする、実施例11または12に記載の測定装置。
【実施例14】
【0118】
測定装置は、第2絞り(9)を通過した光の強度を記録するよう構成された検出器(10)を備える、
ことを特徴とする、実施例13に記載の測定装置。
【実施例15】
【0119】
対象物を測定する測定装置であって、
複数の波長を有する光を生成する光源(1)と、
光学照光/撮像系(BA)は、異なる波長を有する光線が、測定区分(41)に沿った測定範囲内の異なる焦点位置に集まるよう、設計され、
光学検出/撮像系(DA)は、光学照光/撮像系(BA)から空間的に離れたところにあり、照明光が対象物に当たる方向とは異なる方向から、測定範囲に重なる測定対象物(30)の表面領域に反射した光を取得するよう設計される、
ことを特徴とする測定装置。
【実施例16】
【0120】
光学照光/撮像系(DA)は、
光源(1)の下流に接続された第1共焦点絞り(2)と、
第1分割用光学素子(4)に入射する光を色分割する第1分割用光学素子(4)と、
波長依存の有効焦点距離(f(λ))を有し、分割用光学素子(4)から空間的に離れたところにある第1レンズ系(5)と、
を備える、
ことを特徴とする、実施例15に記載の測定装置。
【実施例17】
【0121】
光学検出/撮像系(DA)は、異なる波長の焦点位置を第2共焦点絞り(9)上に結像するよう構成される、
ことを特徴とする、実施例15または16に記載の測定装置。
【実施例18】
【0122】
測定装置は、第2共焦点絞り(9)の下流側に接続され、第2絞り(9)を通過した光の強度を取得するよう構成される検出器(10)を備える、
ことを特徴とする、実施例15乃至17のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例19】
【0123】
第1レンズ系の光軸または対称軸に対する、異なる波長ごとの焦点位置の横移動および軸移動によって、測定区分(41)を画定可能である、
ことを特徴とする、実施例15乃至18のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例20】
【0124】
対象物を測定する測定装置であって、
複数の波長を有する光を生成する光源(1)と、
光学照光/撮像系(BA)と、
を備え、
光学照光/撮像系(BA)は、
光源(1)の下流側に接続された第1共焦点絞り(2)と、
第1分割用光学素子(4)に入射する光を色分割する第1分割用光学素子(4)と、
波長に依存する有効焦点距離(f(λ))をもって、分割用光学素子(4)から空間的に離れたところにある第1レンズ系(5)と、
を備え、
光学照光/撮像系(BA)は、異なる波長を有する光線が、測定区分(41)に沿った測定範囲内の異なる焦点位置に集まるよう、設計され、
光学検出/撮像系(DA)は、光学照光/撮像系(BA)から空間的に離れたところにあり、照明光が対象物に当たる方向とは異なる方向から、測定範囲に重なる測定対象物(30)の表面領域に反射した光を取得するよう設計され、
光学検出/撮像系(DA)は、異なる波長の焦点位置を第2共焦点絞り(9)上に結像するよう構成され、
測定装置は、第2共焦点絞り(9)の下流側に接続される検出器(10)を備え、
検出器(10)は、第2絞り(9)を通過した光の強度を取得するよう構成され、
第1レンズ系の光軸または対称軸に対する、異なる波長ごとの焦点位置の横移動および軸移動によって、測定区分(41)を画定可能である、
ことを特徴とする測定装置。
【実施例21】
【0125】
光学照光/撮像系(BA)は、焦点位置の軸移動および横移動を連動させて、第1レンズ系測定区分(41)の対称軸に対して鋭角をなす直線的な測定区分(41)が形成できるよう、設計される、
ことを特徴とする、実施例1乃至20のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例22】
【0126】
焦点位置の軸移動および横移動は、本質的には、互いに連動しておらず、独立して調整可能である、
ことを特徴とする、実施例1乃至21のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例23】
【0127】
光学検出/撮像系(DA)は、第2レンズ系(6)と、第1分割素子(4)による分割を逆進させる第2分割用光学素子(7)とを備える、
ことを特徴とする、実施例1乃至22のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例24】
【0128】
第2分割用光学素子(7)は、第1分割用光学素子(4)と同一の構造を有し、第2レンズ系(6)は、第1レンズ系(5)と同一の構造を有する、
ことを特徴とする、実施例23に記載の測定装置。
【実施例25】
【0129】
光学検出/撮像系(DA)は、光学検出/撮像系(DA)の光路が、本質的には、光学照光/撮像系(BA)の光路を逆方向にしたものに対応するよう、設計される、
ことを特徴とする、実施例23または24に記載の測定装置。
【実施例26】
【0130】
光源(1)の最短波長に対する、第1レンズ系(5)の有効焦点距離は、光源(1)の最長波長に対する、第1レンズ系の焦点距離と、δfだけ異なっており、δfの、平均波長に対する第1レンズ系(5)の焦点距離fに対する比率は、5%より大きい、
ことを特徴とする、実施例1乃至25のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例27】
【0131】
焦点位置の軸移動は、焦点位置の横分割の少なくとも0.1倍である、
ことを特徴とする、実施例1乃至26のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例28】
【0132】
第1レンズ系(5)は、アッベ数が40未満の、少なくとも一つのレンズを備える、
ことを特徴とする、実施例1乃至27のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例29】
【0133】
測定区分(41)は、第1レンズ系(5)の対称軸(40)に対して、60度未満および/または30度より大きい角度、特に45度の角度をなす、
ことを特徴とする、実施例1乃至28のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例30】
【0134】
光学照光/撮像系(BA)は、第1絞りの下流側に接続された、分割用光学素子(4)に入射した光をコリメートするコリメータレンズを備える、
ことを特徴とする、実施例1乃至29のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例31】
【0135】
コリメート光学系は、無色レンズを備える、
ことを特徴とする、実施例29に記載の測定装置。
【実施例32】
【0136】
第1分割用光学素子(4)は、グレーティングであり、第1レンズ系(5)は、少なくとも一つの回折レンズである、
ことを特徴とする、実施例1乃至31のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例33】
【0137】
第1分割用光学素子(4)は、プリズムであり、第1レンズ系(5)は、少なくとも一つの分散レンズである、
ことを特徴とする、実施例1乃至31のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例34】
【0138】
第1レンズ系(5)は、特に、平均波長が第1レンズ系(5)の対称軸(40)に平行な第1レンズ系(5)当たるよう、第1分割用光学素子(4)に向かって傾斜して配置されている、
ことを特徴とする、実施例1乃至33のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例35】
【0139】
第1共焦点絞り(2)は、スリット絞りであり、焦点位置は、焦点線の形をとり、測定区分は、領域区分の形をとり、焦点線は、領域区分に沿って配置される、
ことを特徴とする、実施例1乃至34のいずれか一例に記載の測定装置。
【実施例36】
【0140】
検出器(10)は、分光器を備え、波長の最大強度を判定し、それに基づいて、対象物の距離値を算出するよう構成される、
ことを特徴とする、実施例1乃至35のいずれか一例に記載の測定装置。
【符号の説明】
【0141】
1 光源
2 第1共焦点絞り
3 コリメータレンズ
4 第1分割用光学素子,第1プリズムまたは第1グレーティング
5 第1レンズ系
6 第2レンズ系
7 第2分割用光学素子,第2プリズムまたは第2グレーティング
8 焦点レンズ
9 第2共焦点絞り
10 検出器
11 第1検出器レンズ
21 第1焦点位置
22 第2焦点位置
30 対象物
40 第1レンズ系の対称軸
41 線分
51 第1レンズ系の第1レンズ
52 第1レンズ系の第2レンズ
53 第1レンズ系の第3レンズ
61 第2レンズ系の第1レンズ
62 第2レンズ系の第2レンズ
63 第2レンズ系の第3レンズ
101 分光器グレーティング
102 第2検出器レンズ
103 センサ
104 イメージセンサ
105 ビームスプリッタ
BA 光学照光/撮像系
DA 光学検出/撮像系
α 分散角度
β 入射角度
f(λ) 第1レンズ系の焦点距離
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5