(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-01
(45)【発行日】2024-02-09
(54)【発明の名称】微小構造を含む組織処置デバイス
(51)【国際特許分類】
A61F 13/02 20240101AFI20240202BHJP
A61F 13/0246 20240101ALI20240202BHJP
A61F 13/00 20240101ALI20240202BHJP
A61L 15/40 20060101ALI20240202BHJP
A61L 15/26 20060101ALI20240202BHJP
A61L 15/42 20060101ALI20240202BHJP
A61L 15/24 20060101ALI20240202BHJP
A61L 27/60 20060101ALI20240202BHJP
A61K 35/36 20150101ALI20240202BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20240202BHJP
A61B 17/08 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61F13/02 310Z
A61F13/02 310D
A61F13/02 310M
A61F13/0246 501
A61F13/00 301A
A61F13/00 301G
A61L15/40 100
A61L15/26 100
A61L15/42 100
A61L15/24 100
A61L27/60
A61K35/36
A61P17/02
A61B17/08
(21)【出願番号】P 2021543974
(86)(22)【出願日】2019-10-01
(86)【国際出願番号】 US2019054105
(87)【国際公開番号】W WO2020072517
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-07-25
(32)【優先日】2018-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518311832
【氏名又は名称】キトテック メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】レオン, チュク イン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ベレンソン, ロン
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0046348(US,A1)
【文献】特表2003-533326(JP,A)
【文献】特表2015-523139(JP,A)
【文献】国際公開第2014/121051(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/112888(WO,A2)
【文献】特表2011-518017(JP,A)
【文献】米国特許第05738474(US,A)
【文献】特開平05-212039(JP,A)
【文献】米国特許第04430998(US,A)
【文献】特表2014-516605(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0226424(US,A1)
【文献】国際公開第2017/151806(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/00-13/05
A61L15/00-15/64
A61K35/36
A61P17/02
A61B17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷カバーデバイスであって、
創傷側表面および外部側表面を含む基材と、
前記創傷側表面に取り付けられる1つ以上のマイクロステープルアレイであって、前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、波状パターンに延在する基部ワイヤと、前記基部ワイヤに沿って繰り返し位置から延在する複数のステープルとを含む、1つ以上のマイクロステープルアレイと、
前記1つ以上のマイクロステープルアレイに取り付けられる創傷治療層と
を含み、
前記基部ワイヤは、前記創傷治療層の周よりも長い周を含む、創傷カバーデバイス。
【請求項2】
前記基部ワイヤの前記波状パターンは、前記創傷カバーデバイスの中心および前記創傷カバーデバイスの周に向かって延在するばね部分を含む、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項3】
前記複数のステープルは、前記基部ワイヤの前記波状パターンに沿って前記ばね部分上に配置される、交互の、前記創傷カバーデバイスの前記中心に向かって位置する第1のステープルおよび前記創傷カバーデバイスの前記周に向かって位置する第2のステープルを含む、請求項2に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項4】
前記波状パターンは、マクロ蛇行パターンと複数のマイクロ蛇行パターンとを含む、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項5】
前記複数のマイクロ蛇行パターンの各マイクロ蛇行パターンは、方形波パターンを含む、請求項4に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項6】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、接着性層を用いて、前記基材に取り付けられる、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項7】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、伸展可能である、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項8】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、複数の方向に伸展可能である、請求項7に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項9】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、ばね構造を含む、請求項7に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項10】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、前記創傷治療層の内部を横断して第1の縁から第2の対向縁に延在する、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項11】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、ステープルを前記創傷治療層の内部を横断して均一に分散させる均一に分散されたステープルのマトリクスを含む、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項12】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、複数のステープルを含み、前記複数のステープルは、前記創傷治療層を通して突出し、
患者の皮膚に係合し、前記創傷カバーデバイスをそこに係留させるように構成される、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項13】
前記複数のステープルはそれぞれ、10mm未満またはそれに等しい長さを有する、請求項12に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項14】
前記複数のステープルのうちの少なくともいくつかは、前記基材に対して90~45度の範囲内の角度で角度付けられる、請求項12に記載の創傷カバーデバイス。
【請求項15】
前記1つ以上のマイクロステープルアレイと別個の、前記基材の縁に沿って配置され、部分的に前記基材の縁を越えて延在する、縁マイクロステープルアレイをさらに含む、請求項1に記載の創傷カバーデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、その優先権の利点が、本明細書によって請求され、参照することによって組み込まれるその全体として本明細書に組み込まれる、2018年10月1日に出願された、米国仮特許出願第62/739,704号、および2018年12月31日に出願された、米国仮特許出願第62/786,726号の利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、限定ではないが、組織処置のためのデバイスおよび方法に関する。より具体的には、限定ではないが、本開示は、創傷カバー、創傷包帯、皮膚代用品、皮膚移植片、および同等物の固定、取付、固着、ならびに安定化のためのデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
米国では、約700万人の患者が、熱傷、外傷性傷害、生命を脅かす皮膚疾患、褥瘡、糖尿病性潰瘍、ならびに静脈および動脈潰瘍に起因するものを含む、慢性創傷を患っている。これらの患者の多くは、高齢者および身障者であって、慢性創傷は、彼らに有意な負担を強いる。これらの患者の生活の質は、創傷限定可動性、創傷の排液、および悪臭に起因して低下され得る。加えて、患者の限定された可動性は、彼らを、肺炎、付加的慢性潰瘍、静脈血栓症、および他の条件を含む、他の医療問題のリスクに曝す。これらの患者はまた、創傷自体からの深刻かつ生命を脅かす感染症および壊疽の有意なリスクにあって、これは、最悪の場合、四肢を切断する必要性をもたらし得る。加えて、多くの患者は、数ヶ月も続く長期処置を要求する。他の者は、創傷処置のために、頻繁かつ長期の入院を要求し、有意なコストおよび生活の質の低下をもたらす。慢性創傷のための総健康医療コストは、本願の出願時点で、毎年、500億ドル超に匹敵する。
【0004】
熱傷等の急性創傷、掻爬および穿貫等の創傷、ならびに外科手術創傷もまた、一般的である。本願の出願時点の統計によると、700,000人超の患者が、深刻な熱傷を患っており、そのうち100,000人は、集中治療を要求する。自動車事故および他の原因に起因する、外傷性傷害は、毎年、多数の創傷の一因となっている。急性創傷の別の源は、外科手術に起因するものである。最後に、多くの患者が、深刻な皮膚創傷を発症させる、命を脅かす皮膚疾患に悩まされている。
【0005】
慢性創傷は、患者の大部分において、ゆっくりかつ不完全に閉鎖する。治療は、創傷包帯である、WoundVac、または陰圧包帯とも称される、他の真空補助デバイス、電気刺激、皮膚代用品(人工皮膚とも称される)、皮膚移植片(同種移植片、異種移植片、または自家移植片)、および高圧酸素を含み得る。包帯は、最も一般的に使用され、直接、創傷に適用される。包帯は、創傷を被覆し、それを損傷およびさらなる傷害から保護し、感染症を防止し、流体を吸収し、治癒に最適な湿った環境を維持するために使用される。包帯はまた、抗菌剤、止血剤、または創傷の治癒を助長する、創傷治癒材を組み込むことができる。急性創傷に関して、包帯は、一次療法であるが、皮膚代用品および皮膚移植片が、時として、必要である。熱傷に関して、皮膚代用品、皮膚移植片、包帯、および時として、高圧酸素が全て、使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
皮膚からの包帯の脱落は、困難な問題である。包帯は、典型的には、包帯の中に組み込まれる、接着剤を用いて、または接着性絆創膏を介して、皮膚に添着される。接着剤は、皮膚に弱接着し、それを皮膚から脱落させるリスクに曝す。加えて、接着剤が、湿潤された状態になると、また、接着剤が湿った環境内では接着しないため、皮膚から落下し得る。創傷は、多くの場合、流体を滲出させるため、これは、特に、一般的問題である。
【0007】
加えて、皮膚潰瘍を患う患者の皮膚は、多くの場合、その高齢化および糖尿病、静脈不全、または動脈不全等の下層条件に関連して、脆弱性である。その結果、その皮膚は、接着剤および接着性テープの接着に起因して、損傷を受けやすい。これは、それらが、皮膚に適用される、その上に装着される、またはそこから除去される間に生じ得る。これは、付加的潰瘍をもたらし、患者をより感染症のリスクに曝し得る。
【0008】
皮膚からの包帯の脱落は、実質的影響を創傷治癒プロセスに及ぼし、感染症のリスクを増加させる。創傷包帯の保護被覆と、包帯の中に組み込まれ得る、その吸収性性質ならびに他の療法用作用物質との損失は、患者にとって有意な臨床結果を有する。これらは、外部物体からのさらなる直接損傷、増加される疼痛、感染症のリスク、出血、外観損傷、皮膚創傷の不完全な、遅延された、または非治癒、および深刻な状況では、壊疽を含む。
【0009】
皮膚代用品もまた、皮膚を保護するために使用されるだけではなく、また、創傷治癒を助長する、材料を含有する。皮膚移植片は、著しく損傷および壊死した皮膚を置換するために使用される。これらの材料は、多くの場合、移植片または皮膚代用品の周のまわりに設置される、縫合糸またはステープルを用いて、取り付けられる。これは、移植片の残りが下層組織に取り付けられないため、準最適である。これは、運動、特に、側方剪断を被り、下層組織との相互作用を妨げ得る。これは、皮膚代用品の創傷治癒効果および皮膚移植片の生着を低減させ得る。
【0010】
皮膚代用品、皮膚移植片、および包帯の置換はまた、付加的手技がこれらの材料を置換するために必要とされるとき、患者にとって疼痛につながり得る。臨床問題点に加え、包帯、皮膚代用品、または皮膚移植片が、時期尚早に落下する、もしくは患者内で失敗するとき、有意な追加コストが存在する。包帯は、それぞれ、20ドル超であって、最大数百ドルもし得る。それらは、一般に、1週間あたり数回、適用され、したがって、コストは、包帯がより頻繁に置換される必要がある場合、有意となり得る。皮膚代用品は、多くの場合、数千ドルかかる一方、皮膚移植片外科手術手技は、数千ドルかかる。
【0011】
皮膚代用品は、皮膚のための代用品としての役割を果たす、皮膚の生着を助長するか、または患者の自身の皮膚の内部成長および再生を助長するかのいずれかのために使用される。皮膚移植片は、損傷または壊死皮膚を置換するために使用される。皮膚代用品および皮膚移植片は、典型的には、縫合糸、ステープル、接着性絆創膏、またはいくつかのこれらの組み合わせ生成物を使用することによって、患者の皮膚に取り付けられる。それらは、通常、皮膚移植片または皮膚代用品の外側部分の周囲に取り付けられ、これは、準最適である。これは、皮膚代用品および皮膚移植片が、上記に説明される、その有効性に影響を及ぼす、運動および剪断に関連する付加的問題点を有するためである。
【0012】
本発明者らは、皮膚代用品および皮膚移植片が効果的であるために、生成物の表面全体または表面のほぼ全体(表面全体にわたって分散された複数の点において等)が、安定し、下層の患者の組織と接触したままであって、それによって、皮膚代用品または皮膚移植片と創傷表面または組織との間の任意の局所剪断移動を最小限にすべきであることを認識している。縫合糸、ステープル、および接着性絆創膏は、ある程度の取付を皮膚に提供することができるが、それらは、準最適である。これは、それらが皮膚代用品および天然皮膚の外周を下層組織にのみ固着するためである。これは、皮膚代用品および天然皮膚の大部分が下層組織に取り付けられないままにする。これらの材料が移動および剪断を被ることを前提として、これは、それらを脱離のリスクに曝し、また、創傷治癒を助長するその能力を低減させる。加えて、下層組織は、滲出液を発生させ、これはまた、皮膚代用品および皮膚移植片の脱離につながり得る。滲出液はまた、創傷治癒を阻止する、分子を含有し得る。これを克服することに役立てるために、皮膚移植片は、多くの場合、適用に先立って、メッシュ化のプロセスを受け、これは、排出を助長するための開口を提供する。しかしながら、これは、皮膚代用品のためには使用されない。縫合糸およびステープルを使用することに関する他の問題は、それらが、患者の皮膚を損傷させ得、出血、感染症、疼痛、および外観損傷を生じさせ得ることである。加えて、それらは、慢性皮膚潰瘍を患う患者の脆弱性皮膚に適用されることが困難であり得る。例えば、皮膚は、縫合糸が緊締されると、断裂する傾向にあり、その結果、縫合糸は、もはや皮膚または創傷に固着して係留されることが不可能である。それらが皮膚移植片および皮膚代用品の内側部分に取り付けるために使用される、稀な場合では、それらはまた、これらの材料の脆弱性に起因して、適用されることが困難である。皮膚代用品および皮膚移植片を皮膚等の患者の組織に取り付けるために使用される、接着性絆創膏も、創傷包帯に関して上記に列挙された同一問題に悩まされる。
【0013】
真空補助デバイスとして知られる、真空を発生させる、生成物は、創傷治癒を助長する、効果的方法である。それらは、真空を発生させる、デバイスの部片から成り、これは、創傷に取り付けられる、管類に取り付けられる。典型的には、接着剤が、創傷真空管類を創傷を囲繞する皮膚に取り付けるために使用される。接着剤は、皮膚炎症および損傷を生じさせ、また、脱落された状態になり、治療を非効果的にし得る。また、それを真空から分離する、スポンジ状材料を下層組織に取り付ける必要がある。接着剤は、通常、創傷の湿った組織に起因して、本目的のために使用されることができない。
【0014】
本開示は、その創傷治癒、抗菌性、および止血性質を含む、創傷カバーおよび包帯、ならびに皮膚代用品および皮膚移植片に関連する、これらの問題を解決する、デバイスを提供する。最も重要なこととして、本開示は、皮膚への包帯、皮膚代用品、および皮膚移植片、ならびにカバーの固着係留を提供する。本開示のデバイスは、接着剤ではなく、マイクロステープル等の小さな微小構造を利用する。これは、優れた取付を下層組織に提供し、したがって、改善された治癒を提供し、皮膚から脱落する、包帯、皮膚代用品、および皮膚移植片を置換することと関連付けられる、コストを低減させる。加えて、微小構造は、創傷の周縁の周囲の等、それに対してそれらが取り付けられる、皮膚を殆ど損傷させず、したがって、接着性絆創膏、縫合糸、およびステープルを用いて生じる、付加的損傷のリスクが殆ど存在しない。さらに、皮膚代用品ならびにいくつかのタイプの包帯および皮膚移植片を含む、脆弱性材料において使用される、微小構造の能力もまた、固着取付を可能にし、最適治癒を提供するために重要である。微小構造は、皮膚移植片および皮膚代用品の中に組み込まれ、したがって、周のまわりだけではなく、表面全体にわたって分散された複数の点等における、創傷または下層組織全体を通した、固着取付のために使用されることができる。これは、下層組織とのより良好な相互作用を提供し、したがって、創傷治癒および皮膚再生を助長する。微小構造はまた、皮膚代用品、包帯、および皮膚移植片全体を通して、複数の開口を提供し、排出を向上させるために使用されることができ、これは、脱離のリスクを低減させ、また、創傷治癒を阻止し得る、分子を除去する。これらの開口はまた、酸素が、創傷に進入し、創傷治癒を助長することを可能にする。これらの開口はまた、過剰滲出液が排出することを可能にし、創傷面積または皮膚からのこれらの材料の脱落につながり得る、張力を防止する。さらに、開口は、皮膚が成長するための空間を可能にし、したがって、創傷を健康な組織で被覆する。
【0015】
創傷真空補助閉鎖(VAC)デバイスは、典型的には、皮膚に取り付けられる必要があり、接着性材料は、創傷包帯におけるように、これらのデバイスにおける限界に悩まされる。加えて、非接着性材料が、典型的には、スポンジとVACとの間に設置され、包帯を除去するときの移植片の途絶を防止しなければならない。代替として、微小構造が、包帯に取り付けるために使用され、非接着性材料の必要性を排除し得る。
【0016】
微小構造アレイのばね特性は、本技術の有効性を改善するための重要な特徴を提供する。創傷および周囲組織は、皮膚運動に伴って移動する。加えて、創傷は、浮腫を被り、これは、組織の腫脹をもたらす。これは、剪断を創傷、下層組織、および患者皮膚と創傷包帯、皮膚代用品、および皮膚移植片との間にもたらし得る。剪断は、組織損傷、炎症、および感染症、皮膚移植片の不完全な生着、ならびに皮膚代用品と創傷の準最適相互作用につながり得る。微小構造アレイ内のばねは、デバイスが、伸展、拡張、および収縮することを可能にし、したがって、剪断を低減させ、創傷および下層組織と創傷包帯、皮膚代用品、および皮膚移植片との間のより一貫しかつ均一な接触を可能にする。これは、炎症、炎症、瘢痕、および感染症を低減させる。加えて、ばねはまた、創傷包帯、皮膚代用品、または皮膚移植片が、皮膚、創傷、または下層組織から脱離するリスクを低減させる。
(実施例)
【0017】
本開示は、創傷包帯、皮膚代用品、および/または皮膚移植片を皮膚、創傷、もしくは下層組織に取り付けることによって、創傷を固着して被覆するためのデバイスおよび方法を提供する。
【0018】
いくつかの実施例では、本開示は、カバーを組織(例えば、患者の皮膚)に取り付けるための1つ以上の微小構造を備える、微小構造創傷カバーを提供する。1つ以上の微小構造は、事実上、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にすることができる。組織は、皮膚、創傷、または下層組織であることができる。
【0019】
いくつかの実施例では、本開示は、創傷包帯を組織(例えば、患者の皮膚)に取り付けるための1つ以上の微小構造を備える、創傷包帯を提供する。1つ以上の微小構造は、事実上、組織の中への微小構造の挿入によって、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にし、それによって、機械的係留を提供することができる。組織は、皮膚、創傷、または下層組織であることができる。
【0020】
いくつかの実施例では、本開示は、皮膚代用品を組織(例えば、患者の皮膚)に取り付けるための微小構造を提供する。1つ以上の微小構造は、事実上、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にすることができる。組織は、患者皮膚、創傷、または下層組織であることができる。患者は、人間または動物であることができる。
【0021】
いくつかの実施例では、本開示は、皮膚移植片を組織(例えば、患者の皮膚、創傷、または下層組織)に取り付けるための微小構造を提供する。1つ以上の微小構造は、事実上、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にすることができる。組織は、患者皮膚、創傷、または下層組織であることができる。患者は、人間または動物であることができる。
【0022】
いくつかの実施例では、本開示は、創傷真空デバイスを組織(例えば、患者の皮膚)に取り付けるための微小構造を提供する。1つ以上の微小構造は、事実上、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にすることができる。組織は、患者皮膚、創傷、または下層組織であることができる。患者は、人間または動物であることができる。
【0023】
本開示は、皮膚移植片、皮膚代用品、創傷包帯、または創傷カバーを組織(例えば、皮膚、創傷、または下層組織)もしくはそれらの組み合わせに取り付けるための微小構造アレイを提供する。いくつかの実施例では、創傷包帯または創傷カバーは、1つ以上の微小構造アレイを備える。いくつかの実施例では、アレイは、複数の微小構造部分を備え、複数の微小構造部分はそれぞれ、アレイを組織に固着するための少なくとも1つの微小構造を備え、複数の微小構造部分のうちの少なくとも1つは、ばね特性を伴う、少なくとも1つの構造を備えることができる。ばね特性は、1つまたは複数の方向に存在することができ、包帯またはカバーの平面に沿った方向にあることができる。1つ以上の微小構造は、微小構造創傷カバーが組織に取り付けられることを可能にすることができる。組織は、患者の皮膚、創傷、または下層組織であることができる。
【0024】
本明細書に開示される、創傷包帯、皮膚代用品、皮膚移植片、または創傷カバーは、創傷を感染症または物理的損傷から保護する、創傷治癒を助長する、止血を提供する、創傷条件を監視するためにそこへの医療デバイス取付、薬物送達を促進するためのプラットフォームとして作用する、または皮膚移植片の生着を助長する目的のうちの1つ以上のもののために、創傷にわたって取り付けられる、もしくはその中に組み込まれることができる。
【0025】
一実施例では、本開示は、創傷包帯、皮膚代用品、皮膚移植片、または創傷カバーを対象の組織上に取り付けるための方法を提供し、本方法は、1つ以上の創傷包帯、皮膚代用品、皮膚移植片、創傷カバー、もしくはこれらの材料のうちの1つ以上のものの組み合わせを対象の組織上に取り付けるステップを含み、創傷包帯、皮膚代用品、皮膚移植片、または創傷カバーは、アレイを組織に固着するための少なくとも1つの微小構造を備える。本明細書に開示される、皮膚代用品、皮膚移植片、または創傷カバーは、接着剤を含むことができる場合とそうではない場合がある。さらに、本明細書に開示される、微小構造技術は、単回使用、例えば、使い捨てと、複数回使用、例えば、創傷管理のための再使用可能医療デバイスとの両方において利用されることができる。
【0026】
一実施例では、本開示は、皮膚代用品を対象の組織上に取り付けるための方法を提供し、本方法は、1つ以上の創傷包帯もしくは創傷カバーを対象の組織上に取り付けるステップを含み、創傷包帯または創傷カバーは、皮膚代用品の本体を有し、創傷包帯または創傷カバーは、アレイを組織に固着するための少なくとも1つの微小構造を備える。
【0027】
微小構造は、創傷包帯、または皮膚生成物、皮膚代用品、もしくは皮膚移植片等の皮膚置換層の本体を、患者の皮膚または創傷組織自体に取り付けるために使用される。カバー、包帯、皮膚代用品、または皮膚移植片への取付のために、接着剤、縫合糸、ねじ山、ステープル、またはテープが、微小構造アレイを微小構造ベースの材料に取り付けるために使用されることができる。微小構造は、包帯、カバー、または皮膚生成物の本体に接着される、縫留される、取り付けられる、もしくは別様に、結合されることができる。
【0028】
一実施例では、本開示は、本明細書に開示される、1つ以上の創傷カバーおよび/または1つ以上の創傷包帯と、1つ以上の創傷閉鎖デバイスとを備える、キットを提供する。いくつかの実施例では、そのようなキットは、複数の創傷閉鎖デバイスと、皮膚代用品を備える、または皮膚移植片を含み得る、1つ以上の創傷カバーおよび/または創傷包帯とを備える。
【0029】
一実施例では、本開示は、本明細書に開示される、1つ以上の微小構造創傷カバーおよび/または1つ以上の微小構造創傷包帯と、随意に、1つ以上の創傷閉鎖デバイスとを備える、キットを提供する。創傷カバーまたは創傷包帯本体は、皮膚代用品もしくはドナー皮膚を備えることができる。
【0030】
前述の概念および下記により詳細に議論される付加的概念のあらゆる組み合わせ(そのような概念が相互に矛盾しないことを前提として)が、本明細書に開示される、本発明の主題の一部であるものとして検討され、本明細書に提供される実施例のいずれも、相互と組み合わせられることができる(そのような組み合わせが相互に矛盾しないことを前提として)ことを理解されたい。特に、本開示の最後に現れる請求される主題のあらゆる組み合わせが、本明細書に開示される、本発明の主題の一部であるものとして検討される。また、参照することによって組み込まれる任意の開示にもまた現れ得る、本明細書に明示的に採用される専門用語は、本明細書に開示される、特定の概念と最も一貫する意味を与えられるべきであることを理解されたい。
【0031】
他のシステム、プロセス、および特徴は、以下の図面ならびに発明の実施形態の吟味に応じて、当業者に明白となるであろう。全てのそのような付加的システム、プロセス、および特徴は、本説明内に含まれ、本発明の範囲内であって、付随の請求項によって保護されることが意図される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
創傷カバーデバイスであって、
創傷側表面および外部側表面を含む基材と、
前記創傷側表面に取り付けられる1つ以上のマイクロステープルアレイと、
前記1つ以上のマイクロステープルアレイに取り付けられる創傷治療層と
を含む、創傷カバーデバイス。
(項目2)
前記創傷治療層は、天然皮膚、合成皮膚、またはそれらの組み合わせを含む皮膚置換層を含む、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目3)
前記創傷治療層は、異種移植片、同種移植片、自家移植片、またはそれらの組み合わせを含む皮膚置換層を含む、項目2に記載の創傷カバーデバイス。
(項目4)
前記基材は、伸展可能材料を含む、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目5)
前記基材は、ポリウレタン、ポリエチレン、またはテレフタル酸ポリエチレンを含む、項目2に記載の創傷カバーデバイス。
(項目6)
前記基材は、穿孔を含む、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目7)
前記穿孔は、前記基材を通して前記創傷側表面から前記外部側表面に延在する孔のアレイを含む、項目6に記載の創傷カバーデバイス。
(項目8)
前記創傷治療層は、孔のアレイの外周内に位置する、項目7に記載の創傷カバーデバイス。
(項目9)
孔のアレイは、前記基材の材料の非断絶境界によって囲繞される、項目7に記載の創傷カバーデバイス。
(項目10)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、接着性層を用いて、前記基材に取り付けられる、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目11)
前記接着性層は、穿孔される、項目10に記載の創傷カバーデバイス。
(項目12)
前記接着性層は、アクリル酸塩または他の公知の医療接着性材料を含む、項目10に記載の創傷カバーデバイス。
(項目13)
前記接着性層は、前記創傷に面した側を完全に被覆する、項目10に記載の創傷カバーデバイス。
(項目14)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、伸展可能である、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目15)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、直交方向に伸展可能である、項目14に記載の創傷カバーデバイス。
(項目16)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、ばね構造を含む、項目14に記載の創傷カバーデバイス。
(項目17)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、
波状パターンに延在する基部ワイヤと、
前記基部ワイヤから延在する複数のステープルと
を含む、項目16に記載の創傷カバーデバイス。
(項目18)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイの外周は、前記創傷治療層の外周より大きい、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目19)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、前記創傷治療層の内部を横断して第1の縁から第2の対向縁に延在する、項目18に記載の創傷カバーデバイス。
(項目20)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、ステープルを前記創傷治療層の内部を横断して均一に分散させる均一に分散されたステープルのマトリクスを含む、項目18に記載の創傷カバーデバイス。
(項目21)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイは、複数のステープルを含み、前記複数のステープルは、前記創傷治療層を通して突出し、前記皮膚に係合し、前記創傷カバーデバイスをそこに係留させるように構成される、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目22)
前記複数のステープルはそれぞれ、少なくとも1mmの長さを有する、項目21に記載の創傷カバーデバイス。
(項目23)
前記複数のステープルはそれぞれ、10mm未満またはそれに等しい長さを有する、項目22に記載の創傷カバーデバイス。
(項目24)
前記複数のステープルのうちの少なくともいくつかは、前記基材に対して90~45度の範囲内の角度で角度付けられる、項目21に記載の創傷カバーデバイス。
(項目25)
前記1つ以上のマイクロステープルアレイと別個の、前記基材の縁に沿って配置され、部分的に、それを越えて延在する、縁マイクロステープルアレイをさらに含む、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目26)
前記創傷治療層は、創傷包帯層を含む、項目1に記載の創傷カバーデバイス。
(項目27)
前記創傷包帯層は、絆創膏、ガーゼ、綿層、または綿毛層を含む、項目26に記載の創傷カバーデバイス。
(項目28)
前記創傷包帯層は、親水性コロイドまたはヒドロゲルを含む、項目26に記載の創傷カバーデバイス。
(参照による組み込み)
【0032】
本明細書で述べられた全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個々に示される場合と同様に、同程度に参照することによって本明細書に組み込まれる。2013年6月17日に出願された、米国特許出願第14/408,244号(公開第US2015/0305739号[「公開第‘739号」]として公開された)、および2017年3月1日に出願された、米国特許出願第15/446,999(公開第US2017/0333039号[「公開第‘039号」]として公開された)は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の新規特徴のうちのいくつかが、添付の請求項に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解は、本発明の原理が利用される、例証的実施例を記載する、以下の発明を実施するための形態と、付随の図面とを参照することによって、取得されるであろう。
【0034】
【
図1】
図1は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーを図示する。
【0035】
【
図2】
図2は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷包帯を図示する。
【0036】
【
図3】
図3は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0037】
【
図4】
図4は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0038】
【
図5】
図5は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0039】
【
図6】
図6は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0040】
【
図7】
図7は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0041】
【
図8】
図8は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯を図示する。
【0042】
【
図9】
図9は、本明細書の1つ以上の実施例による、微小構造を伴う、創傷カバーまたは包帯の断面を図示する。
【0043】
【
図10】
図10は、マイクロステープルアレイを介して皮膚の外部に取り付けられる、皮膚置換層を組み込む、創傷カバーデバイスの斜視図を図示する。
【0044】
【
図11】
図11は、
図10の創傷カバーデバイスの分解図を図示し、創傷を有する皮膚の一部にわたって位置付けられる、皮膚置換層、マイクロステープルアレイ、接着性層、および基材を示す。
【0045】
【
図12】
図12は、
図10および11の創傷カバーデバイスの上面図を図示し、皮膚内の創傷に対する、皮膚置換層、マイクロステープルアレイ、および基材内の穿孔の位置付けを示す。
【0046】
【
図13】
図13は、断面B-Bにおいて得られた、
図12の創傷カバーデバイスの断面図を図示し、創傷カバーデバイスを皮膚に保持する、マイクロステープルアレイのステープルを示す。
【0047】
【
図14】
図14は、
図13のコールアウトAの拡大図であって、基材上の接着性層から延在し、皮膚置換層を通して皮膚の中に延在する、マイクロステープルアレイのステープルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示の特徴および利点のより深い理解は、本開示の実施例の原理が利用される、例証的実施例を記載する、以下の発明を実施するための形態と、付随の図面とを参照することによって、取得されるであろう。
【0049】
発明を実施するための形態は、多くの詳細を含有するが、これらは、本開示の範囲の限定ではなく、単に、本開示の異なる実施例および側面を図示するものとして解釈されるべきである。本開示の範囲は、上記の詳細に議論されない他の実施例を含むことを理解されたい。種々の他の修正、変更、および変形例が、本明細書に説明されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に提供される本開示の方法、システム、および装置の配列、動作、ならびに詳細に行われることができることが、当業者に明白となるであろう。
【0050】
図1は、本明細書に開示される、創傷カバーの非限定的実施例を示す。
図1は、円形創傷カバー100を示す。創傷カバー100は、円形に成形される、主要本体102を含む。創傷カバーはまた、微小構造104の微小構造アレイ110を含む。微小構造は、創傷カバー100の本体102に結合される、または別様に、取り付けられることができる。微小構造は、組織または他の物体に係合し、カバーを物体に結合する。下記にさらに説明されるように、微小構造は、加えて、皮膚代用品等の皮膚置換層(人工皮膚とも称される)または皮膚移植片(同種移植片、異種移植片、または自家移植片)を組織内の創傷上に保持するために使用されることができる。
【0051】
図1に示されるように、微小構造アレイは、複数のばね部分116を含む、連続円形アレイである。付加的実施例では、微小構造アレイは、共通中心の周囲に位置する、複数の円形弧区画を備えることができる。ばね部分116は、ワイヤ、バー、繊維、および同等物等の成形された伸長部材を備えることができ、金属およびプラスチックから作製されることができる。
図1に示されるように、ばね部分116は、湾曲される、例えば、波状部分であって、相互に対してアレイの微小構造104の可撓性および移動を提供する。微小構造は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。ばね部分は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、任意の形態であることができる。
【0052】
図1にさらに示されるように、微小構造アレイは、微小構造の互い違い配列を含むことができる。例えば、アレイは、カバー100の本体102の中心により向かって位置する、内側微小構造112と、カバー100の本体102の外周により向かって位置する、外側微小構造114とを含むことができる。
【0053】
図2は、組織または他の物体への取付のための微小構造104を備える、長方形創傷包帯200を示す。微小構造は、2つのアレイ210A、201Bに示され、それぞれ、包帯の対向端部上に縦方向にあるが、また、カバーまたは包帯の2つを上回る辺、例えば、全4辺上にも含まれ得る。また、他の形状、例えば、五角形、六角形、卵形、ギザギザ、湾曲等も、検討され、微小構造は、本デバイスの各付加的辺のうちの1つ以上のもの上にあり得る。
【0054】
図2に示されるように、各アレイ210は、複数のばね部分116を備える。ばね部分116は、湾曲され、相互に対してアレイ210A、210Bの微小構造104の可撓性および移動を提供する。微小構造は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。ばね部分は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、任意の形態であることができる。
【0055】
微小構造は、単一行の線形アレイ210A、210Bに示されるが、しかしながら、各微小構造アレイは、微小構造の互い違い配列を含むことができる。例えば、アレイは、それらがカバー200の本体202の中心により向かった場所にあるようにアレイの内側部分212に位置する、内側微小構造と、カバー200の本体202の端部により向かって位置する、外側微小構造とを含むことができる。
【0056】
皮膚移植片が、損傷または壊死皮膚を置換するために使用される。移植片は、患者(自家)、ヒトドナー(同種移植片)、または動物源(異種移植片)から導出される。可能であるとき、皮膚は、メッシュ化され、開口を提供し、滲出液の排出を可能にし、下層組織の酸素化を改善することができる。メッシュ化はまた、ドナー組織の拡張を可能にし、したがって、成長を改善する。メッシュ化は、移植片の治癒に応じて、不良な審美的外観をもたらし得る。移植片を下層組織に取り付けるために、縫合糸およびステープルが、移植片の周のまわりに設置される。周囲皮膚は、多くの場合、脆弱性であって、縫合糸またはステープルを用いて、移植片を固着することを困難にする。加えて、これらのデバイスを周のまわりに設置することは、移植片の内側部分に固着せず、それを剪断に曝し、流体が移植片の真下に蓄積する潜在性をもたらす。これは、ドナー移植片の不良な生着または完全な脱離につながり得る。本開示のデバイスは、従来の皮膚移植技法を改善し、本明細書に説明される、それと関連付けられる短所または欠点のいくつかまたは全てを軽減するように構成される。
【0057】
移植片を途絶させ得る、剪断力の防止は、移植片を部位に固着させることによって遂行され、これは、典型的には、当て物付き包帯または陰圧包帯の使用を伴う。当て物付き包帯は、典型的には、Xeroform等のワセリンガーゼ内に巻着される湿らせた綿ボールから成り、これは、縫合糸を創傷の周囲に半径方向に設置し、当て物付き包帯にわたってそれらを相互に結紮し、一定の軽い圧力を移植片に提供することによって固着される。下肢への皮膚移植片に関しては、移植片完全性を維持する必要作用を実施するだけではなく、また、早期可動化を可能にするため、UnnaBoot包帯が、適用され得る。しかしながら、これらのアプローチは両方とも、失敗し、移植片故障につながり得る。
【0058】
代替として、陰圧包帯(真空補助閉鎖[VAC])は、創傷治癒を助長し得る。それらは、剪断力を防止し、移植片と移植床との間の流体集中を低減させ、それによって、血漿浸潤および血管再生を促進し、全体的分層皮膚移植片生存率の有意な改善につながる。非接着性材料が、典型的には、皮膚移植片とVACスポンジとの間の界面として設置され、包帯を除去するとき、移植片の途絶を防止しなければならない。
【0059】
ガーゼ、綿毛、石膏、絆創膏(天然または合成)、および脱脂綿を含む、従来の創傷包帯生成物は、乾燥しており、創傷を微生物汚染から保護するために、一次または二次包帯として使用される。綿、レーヨン、およびポリエステルの織布ならびに不織布繊維から作製される、ガーゼ包帯は、細菌性感染症に対するある種の保護を与える。絆創膏は、天然脱脂綿およびセルロースから作製される、または合成絆創膏は、ポリアミド材料から作製される。概して、従来の包帯は、軽度滲出液レベルを伴う、清潔かつ乾燥した創傷のために処方される、または二次包帯として使用される。従来の包帯は、湿った環境を創傷に提供することができないため、それらは、より高度な製剤を伴う現代の包帯によって取って代わられている。本明細書に説明される、従来の創傷包帯生成物は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0060】
現代の創傷包帯は、それを被覆するだけではなく、創傷の機能を促進するように開発されている。これらの包帯は、創傷を脱水から防ぎ、治癒を助長することに焦点が当てられている。半浸透性創傷包帯は、透明かつ接着性のポリウレタンから成り、これは、水蒸気、O2、およびCO2の創傷からの透過を可能にする。また、痂皮の自己融解創面切除を提供し、細菌に不浸透性である。最初に、フィルムが、それらを閉塞性にする、支持体としての接着性ポリエチレンフレームとともに、ナイロン誘導体から作製された。実施例は、Opsite(登録商標)、Tegaderm(登録商標)、Biooclusive(登録商標)を含む。ヒドロゲル創傷包帯は、ポリ(メタクリレート)およびポリビニルピロリデン等の合成ポリマーから作製される、不溶性親水性材料である。ヒドロゲルの高水分含有量(70~90%)は、肉芽組織および上皮細胞を湿った環境に留めることに役立つ。ヒドロゲルのいくつかの実施例は、Intrasite(登録商標)、Nu-gel(登録商標)、Aquaform(登録商標)ポリマー、シート包帯、含浸ガーゼ、および水性ゲルである。親水性コロイド包帯は、最も広く使用される相互作用包帯のうちの1つであって、2つの層、すなわち、内側コロイド状層と、外側水分不浸透性層とから成る。これらの包帯は、作用物質を形成するゲル(カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、およびペクチン)とエラストマおよび接着剤等の他の材料の組み合わせから成る。親水性コロイドは、水蒸気に浸透性であるが、細菌に不浸透性であって、また、創面切除の性質を有し、創傷滲出液を吸収する。Granuflex(登録商標)、Comfeel(登録商標)、Tegassorb(登録商標)は、実施例であって、シートまたは薄膜の形態で利用可能である。アルギン酸包帯は、マンヌロン酸およびグルロン酸ユニットを含む、ナトリウムおよびカルシウム塩から作製される。吸収性および生体分解性アルギン酸は、海藻から導出される。吸収能力は、強親水性ゲル形成によって達成され、これは、創傷滲出液を限定し、細菌性汚染を最小限にする。Sorbsan(登録商標)、Kaltostat(登録商標)、Algisite(登録商標)は、市販されている、いくつかのアルギン酸包帯である。
【0061】
生体活性創傷包帯は、治癒プロセスにおいて重要な役割を果たす、生体材料から生産される。これらの包帯は、その生体適合性、生体分解性、および非毒性性質が公知であって、概して、コラーゲン、ヒアルロン酸、キトサン、アルギン酸、およびエラスチン等、天然組織または人工源から導出される。これらの材料のポリマーは、創傷の性質およびタイプに応じて、単独で、または組み合わせて、使用される。生物学的包帯は、時として、増殖因子および抗菌剤とともに組み込まれ、創傷治癒プロセスを向上させる。半浸透性創傷包帯、ヒドロゲルおよび親水性コロイド等の本明細書に説明される、現代の創傷包帯生成物は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0062】
薬物を組み込む、薬用包帯は、壊死組織の除去によって、直接または間接的に、治癒プロセスにおいて重要な役割を果たす。いくつかの一般に組み込まれる化合物は、抗菌剤、増殖因子、および酵素を含む。市販の抗菌性包帯は、Cutisorb(登録商標)を含む。利用可能な銀含浸包帯は、線維親水性コロイド、ポリウレタン発泡体フィルム、およびシリコーンゲルである。銀含浸包帯の実施例は、ActicoatおよびActisorbを含む。防腐性ヨウ素包帯は、別の抗菌性包帯である。本明細書に説明される、薬用包帯生成物は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0063】
複合包帯は、部分的および完全の両方の厚さの創傷のために多用途かつ便宜的である。複合または組み合わせ包帯は、複数の層を有し、各層は、生理学的に明確に異なる。複合包帯の大部分は、3つの層を保有する。複合包帯はまた、不織布の布テープまたは透明フィルムの接着性境界を含むことができる。本明細書に説明される、複合創傷包帯生成物は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0064】
電気刺激もまた、創傷治癒を助長するために使用され、その中には、電源が、皮膚に取り付けられる、電極に取り付けられる。最近では、ナノ発生器と称されるものが、絆創膏または包帯の中に組み込まれ、電場を発生させる。ナノ発生器を組み込む、創傷包帯は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0065】
局部アプローチもまた、直接、酸素を創傷自体の中に発生させ、創傷治癒を助長するために使用される。ある場合には、酸素は、創傷包帯から成る材料内に発生される。
【0066】
皮膚代用品または人工皮膚代用品は、ヒト組織、非ヒト組織、合成材料、および上記の材料の組み合わせから導出される。組織エンジニアリングされた皮膚代用品は、細胞、細胞外マトリクス、または細胞および基質の組み合わせから成る。細胞成分は、表皮のケラチノサイトおよび他の細胞、真皮の線維芽細胞および他の細胞、ならびに間葉系幹細胞を含む。無細胞の生物学的に導出される成分は、コラーゲン、コンドロイチン硫酸等のグリコサミノグリカン、および細胞外マトリクスの他の成分を含む。シリコーン等の化学的に合成されたポリマーは、時として、足場として使用される。ある場合には、無細胞マトリクスは、細胞と組み合わせられ、皮膚代用品を生産する。本明細書に説明される、皮膚代用品または人工皮膚代用品は、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0067】
実践的観点から、皮膚代用品は、一時的または恒久的および合成もしくは生物学的として最良に分類される。一時的皮膚代用品は、機械的外傷からの保護、細菌に対する物理的障壁、および湿った創傷環境の生成を含む、過渡的生理学的創傷閉鎖を提供する。恒久的皮膚代用品は、創傷閉鎖を恒久的に達成し、皮膚成分を置換し、薄い自家皮膚移植片より高品質の皮膚置換を提供する役割を有する。
【0068】
皮膚代用品は、皮膚移植片が不可能であり得る、熱傷、外傷性創傷、褥瘡、糖尿病性潰瘍、動脈潰瘍、または静脈潰瘍のような条件の治療において使用される。ある場合には、皮膚代用品は、恒久的解決策として使用される。他の場合には、それらは、一時的手段として使用されることができる。一時的皮膚代用品が使用される、条件のうちのいくつかは、皮膚移植片のドナー部位上、または皮膚移植が実施され得るまで創傷を一時的に被覆するためのものである。
【0069】
源に応じて、皮膚代用品は、生物学的または合成であることができる。合成代用品のうちのいくつかはまた、生物学的材料を含有し、生合成皮膚代用品と称され得る。
【0070】
生物学的皮膚代用品は、生物学的源から取得される、組織を含む。これらは、1)通常、ブタである、異種移植片として知られる、動物から取得される皮膚移植片、2)生体または死体のいずれかであり得る、同種移植片として知られる、ドナーから取得される、皮膚移植片、3)胎盤からの胎児組織である、羊膜、および4)患者の皮膚の小生検から取得される皮膚細胞を成長させることによって生産される、培養された上皮自家移植片を含む。
【0071】
合成またはバイオエンジニアリングもしくは生合成皮膚代用品は、人工的に生産される。それらのうちのいくつかは、皮膚細胞を含有する一方、その他は、そうではない。皮膚細胞を含有せず、したがって、無細胞として分類される、それらの実施例は、1)ナイロンメッシュおよびシリコン剤の外側層から成る、Biobrane(登録商標)、2)ウシコラーゲン、コンドロイチン-6-硫酸、およびシリコン剤膜から成る、Integra(登録商標)、3)エラスチンを伴う、ウシI型コラーゲンから成る、Matriderm(登録商標)、4)コラーゲン、エラスチン、およびプロテオグリカン、および創傷修復のための足場を提供するように設計される、真皮の内部マトリクスを含有する、無細胞再生組織マトリクスである、移植片外被組織マトリクス、5)ブタの小腸の粘膜下層から導出される、組織エンジンアリングされたコラーゲンマトリクスである、Oasis創傷包帯、6)ヒト同種移植片皮膚から処理される、無細胞真皮マトリクスである、AlloDerm、7)耐久性および貯蔵を提供するように化学的に修正されている、ブタ導出異種移植片である、E-Z Derm生合成創傷包帯(Brennen Medical, Inc.(St. Paul, MN)、8)架橋結合されたウシ腱コラーゲンおよびグリコサミノグリカンの多孔性層ならびに半浸透性ポリシロキサン(シリコーン)層から成る、二重層マトリクス創傷包帯である、Integra、9)いくつかのタイプのコラーゲン、接着力タンパク質、糖タンパク質、および細胞外マトリクスの他の要素から成ることが公知である、一意の上皮基底膜である、MatriStem、10)献体されたヒト皮膚から処理される真皮足場である、hMatrix無細胞真皮、11)真皮および表皮層を伴う、照射凍結されたブタ導出脱細胞化胎児皮膚生成物である、Mediskin、12)ヒト死体真皮から成る、メッシュ化された生物学的創傷被覆である、AlloSkin RTヒト同種移植片、13)最終的に滅菌される、無菌処理された死体ヒト皮膚組織から導出される、滅菌無細胞真皮同種移植片である、MemoDerm、14)献体されたヒト組織からの滅菌脱水無細胞真皮である、Matrix HD、15)ウマ科心膜から供与される、創傷生体変調脱細胞化された細胞外マトリクスである、Unite Biomatrix、16)ヒツジの前胃から導出される細胞外マトリクスである、EndooForm真皮テンプレート、17)無菌処理された死体ヒト同種移植片皮膚組織から導出される無細胞真皮マトリクスである、DermaSpan、18)無菌処理されたヒト同種移植片皮膚組織から導出される無細胞ヒト真皮である、Integuply、19)無細胞真皮コラーゲンマトリクスから成る、献体されたヒト皮膚から導出される同種移植片である、DermaMatrix組織、および20)乳酸のポリマーから作製される、合成、生体適合性、かつ吸収可能の皮膚代用品である、Suprathelを含む。
【0072】
細胞皮膚代用品は、いくつかのタイプの皮膚細胞を含有する。これらは、皮膚の最も一般的細胞である、ケラチノサイト、および線維組織を生産する、線維芽細胞を含む。細胞は、多くの場合、包皮環状切除を受ける乳児から取得される陰茎の包皮から取得される。細胞皮膚代用品の実施例は、1)I型ウシコラーゲンと、細胞成分を形成する、ケラチノサイトおよび線維芽細胞とから成る、Apligraf(登録商標)、2)細胞成分としての線維芽細胞を伴う、ナイロンメッシュおよび外側シリコン剤層から成る、TransCyte(登録商標)、3)2つの層内の皮膚細胞およびI型ウシコラーゲンスポンジから成る、OrCel(登録商標)、4)ヒアルロン酸基部、線維芽細胞、および外側シリコーン膜から成る、Hyalomatrix(登録商標)、5)線維芽細胞細胞を伴う、生体吸収性ポリグラクチンメッシュである、Dermagraft(登録商標)、6)その中にヒト真皮細胞が培養されている、ウシコラーゲンから作製される、吸収可能二重層細胞マトリクスである、Orcel、7)患者の皮膚から取得される自家ケラチノサイトから作製される、Epicel、8)表皮および真皮層の両方を伴う、生物学的に活性の冷凍保存されたヒト皮膚同種移植片である、raSkin、9)上皮層および2つの線維結合組織層から成る、多層生物学的脱水ヒト羊水膜同種移植片である、EpiFix、10)献体されたヒト組織から調達および処理される、再生ヒト真皮同種移植片である、DermACELL、11)間葉系幹細胞、抗炎症性サイトカイン、増殖因子、およびコラーゲンが豊富な膜を含有する、ヒト絨毛胎盤組織から導出される、同種移植片である、GrafixCORE、および12)患者自身の皮膚から導出される自家ケラチノサイトである、Laserskinである。
【0073】
他の治療モダリティもまた、皮膚への取付を要求する。例えば、電気刺激は、皮膚または創傷面積への電極の取付を要求する。接着性材料が、本目的のために使用されることができ、これは、包帯または電極自体の中に組み込まれる。代替として、ナノ発生器が、皮膚または創傷面積に取り付けるために接着性絆創膏材料を使用する。ある場合には、局部酸素が、直接、酸素源を組み込む、包帯を介して、創傷に適用される。これらの包帯は、典型的には、接着剤を使用して、皮膚に取り付けられる。最後に、WoundVac等の陰圧包帯もまた、皮膚または創傷面積への本デバイス自体ならびに本デバイスの一部であるスポンジの取付を要求する。
【0074】
創傷包帯および皮膚代用品を下層組織ならびに移植片を囲繞する患者の皮膚に固着することは、問題となり得る。包帯の中に組み込まれるか、または絆創膏として適用されるかのいずれかである、接着性材料が、多くの場合、包帯を取り付けるために使用される。接着剤は、多くの場合、皮膚を損傷させ、皮膚断裂および水疱をもたらす。周囲皮膚は、多くの場合、脆弱性であって、皮膚を断裂させずに、縫合糸またはステープルを適用することを困難にする。ステープルおよび縫合糸を皮膚代用品に取り付けることは、その脆弱性性質に起因して、困難である。加えて、通常、それらが作製されるその材料に起因して、縫合糸またはステープルを用いて、創傷包帯を固着することは、不可能である。接着剤は、多くの場合、創傷を患う患者内に存在する、湿った皮膚に不良に接着する。それらは、したがって、皮膚代用品および創傷包帯の両方を定位置に固着するために準最適である。加えて、ステープル、縫合糸、および接着剤は、典型的には、皮膚代用品ならびに皮膚移植片の周を創傷に取り付けるために使用される。皮膚代用品および皮膚移植片の内側部分は、取り付けられず、それらを剪断ならびに流体滲出液のリスクに曝し、これは、脱落および/または不良な生着を引き起こし得る。
【0075】
その結果、皮膚移植片、皮膚代用品、および創傷包帯を、患者の下層組織ならびに囲繞皮膚に固着して取り付ける、デバイスの満たされていない必要性が存在する。本開示のデバイスおよび方法は、これらのデバイスの固着取付を達成する、創傷カバー、創傷包帯、皮膚代用品、および皮膚置換層の中に組み込まれる、微小構造を提供することによって、本問題に対する解決策を提供するように設計される。これは、創傷にわたるこれらの材料のより固着した取付を可能にし、したがって、創傷をより効果的に被覆し、創傷治癒と、抗菌剤が創傷により最適に接触し、皮膚生着を改善することとを可能にする。創傷カバーは、概して、絆創膏、包帯、皮膚置換層(皮膚移植片、皮膚代用品)、ガーゼ、フィルム、基材、および同等物、ならびにそれらの組み合わせ等、創傷を被覆する、任意のものと見なされ得る。これらおよび他の創傷カバーは、本明細書に説明される、微小構造を使用して、取り付けられることができる。
【0076】
本明細書に説明される微小構造を使用して、取り付けられることができるもの等の、本明細書に開示される、本デバイスの本体は、天然皮膚、皮膚代用品、透明フィルム、およびガーゼを含む、またはそれらから作製されることができる。いくつかの実施例では、本体は、マトリクスを含むことができる。例えば、本体は、親水性繊維、ヒドロゲル、親水性コロイド、滲出吸収体、コラーゲン、天然および合成の両方を含む、ポリマー、キトサン、ならびにアルギン酸のうちの1つ以上のものを備える、マトリクスを含むことができる。本体は、ビスマス、ワセリン、銀、およびカルボキシメチルセルロースで含浸されることができる。本体は、創傷治癒を促進する、感染症を防止する、または出血を防止する、組み換えタンパク質、ペプチド、もしくは小分子を含むことができる。
【0077】
本体は、伸展可能かつ通気性の基材から作製されることができる。例えば、本体は、ポリウレタンベースのフィルムおよび不織布のポリエステルフィルムであることができる。いくつかの実施例では、例えば、本体は、透明または実質的に透明であって、したがって、創傷治癒の非侵襲性監視を可能にする、材料から作製されることができる。他の実施例では、本体は、透明ではない、材料から作製されることができる。いくつかの実施例では、本明細書に説明される、本体は、シート、絆創膏、ロール、フィルム、布、織布材料、不織布材料、紙ベースの材料、浸透性、半浸透性、または不浸透性被覆、もしくはそれらの材料の任意の組み合わせの形態にある。本体は、天然、合成、および/または人工材料から作製されることができ、いくつかの実施例では、それらは、ポリマー物質(例えば、シリコーン、ポリウレタン、またはポリエチレン)から成る。本体は、非毒性、生体分解性、生体再吸収性、または生体適合性である、材料から成ることができる。いくつかの実施例では、本明細書に説明される実施例の本体は、不活性材料を含み、いくつかの実施例では、本体は、活性化された材料(例えば、その全体として本明細書に組み込まれる、第WO2013028966A2号に開示されるような微生物を除去するための活性化された炭素布)を含む。いくつかの実施例では、本明細書に説明される実施例の本体は、単独で、または組み合わせて、医療テープ、白色布テープ、外科手術用テープ、なめし布医療テープ、シルク外科手術用テープ、クリアテープ、低アレルギー性テープ、シリコーン、弾性シリコーン、ポリウレタン、弾性ポリウレタン、ポリエチレン、弾性ポリエチレン、ポリエステル、ゴム、ラテックス、Gore-Tex、プラスチックおよびプラスチック構成要素、ポリマー、バイオポリマー、ならびに天然材料から成る群から選択される、材料を含む。いくつかの実施例では、本体は、3M Tranpore外科手術用テープ、3M Blenderm外科手術用テープ、Coverlet布地、Dynarex Silk外科手術用テープ、KENDALL(登録商標)低アレルギー性クリアテープ、TENDERFIX(登録商標)低アレルギー性布テープ、CURASILK(登録商標)布テープ、Curapont、Leukosan Skinlink、Leukosan Strip、Leukostrip、Steri-Strip、Steri-Strip S、Urgo strip、およびそれらの組み合わせ等の市販の材料を含むことができる。
【0078】
本体の可撓性および/または伸展性は、全体を通して均一であることができる。代替として、本体の可撓性および/または伸展性は、デバイスを横断して、もしくはそれに沿って変動し得る。さらに、いくつかの実施例では、本明細書に説明される、本体は、弾性性質を備えることができ、弾性は、随意に、本デバイス全体を通して類似し得る。代替として、弾性は、デバイスに沿って、またはそれを横断して、変動されることもできる。
【0079】
図3は、直線側および丸みを帯びた対向端部を伴う、伸長された本体302を有する、創傷包帯またはカバー300を示す。微小構造アレイは、本体の外周303と平行な連続アレイとして示される。アレイ310は、組織または他の物体への取付のために、複数の微小構造104を含む。微小構造は、対向端部上に2つおよび本体302の各側上に2つの4つの群で示される。微小構造は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。
【0080】
アレイ310は、
図1および2を参照して議論されるように、複数のばね部分、例えば、波状部分を含むことができる、またはそのようなばね部分を含むことができない。
【0081】
図4は、
図3に示されるものに実質的に類似する、直線側および丸みを帯びた対向端部を伴う、伸長された本体402を有する、創傷包帯またはカバー400を示す。創傷包帯またはカバー400は、複数の微小構造アレイ410A、410B、410C、410Dを含む。各微小構造アレイ410は、組織または他の物体への取付のために、複数の微小構造104を含む。各アレイ410は、本体402の外周403の輪郭に追従する。微小構造アレイは、本体402を中心として、4つの場所に配列され、2つのアレイ410B、410Dは、対向端部に位置し、2つのアレイ410A、410Cは、本体302の各側上に位置する。微小構造は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。
【0082】
アレイ410は、
図1および2を参照して議論されるように、複数のばね部分、例えば、波状部分を含むことができる、またはそのようなばね部分を含むことができない。
【0083】
図5は、中心部分と、本体502の中心部分から延在する、4つの伸長葉状部505A、505B、505C、505Dとを有する、本体502を有する、創傷包帯またはカバー500を示す。微小構造アレイは、本体の外周503と平行な連続アレイとして示される。創傷包帯またはカバー500は、組織または他の物体への取付のために、複数の微小構造104を含む、微小構造アレイ510を含む。微小構造は、本体502の葉状部505毎に1つの群の4つの群に示される。
図3および4におけるアレイと同様に、アレイ510は、本体502の周503に追従する。微小構造104は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。
【0084】
アレイ510は、
図1および2を参照して議論されるように、複数のばね部分、例えば、波状部分を含むことができる、またはそのようなばね部分を含むことができない。
【0085】
図6は、中心部分と、本体602の中心部分から延在し、
図5に示されるものに実質的に類似する、4つの伸長葉状部605A、605B、605C、605Dとを有する、本体602を有する、創傷包帯またはカバー600を示す。創傷包帯またはカバー600は、各個別の葉状部605A、605B、605C、605Dに1つの複数の微小構造アレイ610A、610B、610C、610Dを含む。各微小構造アレイ610は、組織または他の物体への取付のために、複数の微小構造104を含む。各アレイ610は、本体602の各個別の葉状部605の外周603の輪郭に追従する。微小構造は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。
【0086】
アレイ610は、
図1および2を参照して議論されるように、複数のばね部分、例えば、波状部分を含むことができる、またはそのようなばね部分を含むことができない。
【0087】
図7は、本体702を有する、創傷カバーまたは包帯700の非限定的実施例を示す。本体702は、卵形に成形される。創傷カバーまたは包帯700はまた、微小構造104の微小構造アレイ710を含む。微小構造は、創傷カバーまたは包帯700の本体702に結合される、もしくは別様に、取り付けられることができる。微小構造は、組織または他の物体に係合し、創傷カバーまたは包帯700を物体に結合する。
【0088】
図7に示されるように、微小構造アレイは、微小構造104の連続した卵形アレイである。微小構造104は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。微小構造アレイはまた、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、ばね部分を含むことができる。
【0089】
微小構造アレイ710は、微小構造の互い違い配列を含むことができる。例えば、アレイは、創傷カバーまたは包帯700の本体702の中心により向かって位置する、内側微小構造と、創傷カバーまたは包帯700の本体702の外周703により向かって位置する、外側微小構造とを含むことができる。
【0090】
図8は、本体802を有する、創傷カバーまたは包帯800の非限定的実施例を示す。本体802は、卵形に成形される。創傷カバーまたは包帯800はまた、微小構造104の複数の微小構造アレイ810を含む。微小構造は、創傷カバーまたは包帯800の本体802に結合される、または別様に、取り付けられることができる。微小構造は、組織または他の物体に係合し、創傷カバーもしくは包帯800を物体に結合する。
【0091】
図8に示されるように、微小構造アレイ810a、810bは、卵形に成形された本体802の主軸の対向端部に位置する。微小構造104は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。微小構造アレイはまた、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、ばね部分を含むことができる。
【0092】
微小構造アレイ810は、微小構造の互い違い配列を含むことができる。例えば、アレイは、創傷カバーまたは包帯800の本体802の中心により向かって位置する、内側微小構造と、創傷カバーまたは包帯800の本体802の外周803により向かって位置する、外側微小構造とを含むことができる。
【0093】
図9は、創傷カバーまたは包帯900の断面を図示し、これは、本明細書で議論される、創傷カバーまたは包帯のいずれかの一部の断面を表し得る。包帯は、時として、単織層または多織層構造と称される、1つ以上の層を有することができる。包帯またはカバー900は、創傷と反対に面する、上部表面906と、創傷に面する、底部表面908とを含む。包帯またはカバー900は、創傷の近傍の第1の層または織層904と、創傷から離れた第2の層または織層902とを有する、二重織層構造である。層902および904は、本明細書に説明される、「本体」のいずれかを備えることができる。
図9はさらに、微小構造104の配列のためのいくつかのオプションを図示する。微小構造104Aは、第1の層904と第2の層902との間に位置する、基部部分105Aを含み、第2の層および底部表面908を通して延在する、シャフト106Aを含む。微小構造104Bは、包帯またはカバー900の底部表面908に位置する、基部部分105Bを含み、包帯またはカバー900の織層もしくは層のいずれも通して通過せず、包帯またはカバー900から離れるように基部105Bから延在する、シャフト106Bを含む。微小構造104Cは、上部表面906に位置する、基部部分105Cを含み、上部表面906、第1の層904、第2の層902、および底部表面908を通して延在する、シャフト106Aを含む。微小構造104Dは、層、例えば、第2の層902内に位置する、基部部分105Dを含み、第2の層902の一部および底部表面908を通して延在する、シャフト106Dを含む。微小構造104A-104Dは、
図1-8のもの等の、本明細書に説明されるデバイスのいずれかの中に組み込まれることができ、微小構造104A-104Dは、微小構造104を備えることができ、基部部分105A-105Dは、微小構造104に接続する、本体、ワイヤ、またはばねを備えることができる。
【0094】
図10は、
図11および12において可視である、マイクロステープルアレイ1006等の微小構造アレイを介して、皮膚1004の外部に取り付けられる、皮膚置換層1002を組み込む、創傷カバーデバイス1000の斜視図を図示する。創傷カバーデバイス1000はさらに、基材1008を備えることができ、これは、接着性層1010を介して、マイクロステープルアレイ1006に結合されることができる。皮膚1004は、創傷1012を含むことができる。
図11は、
図10の創傷カバーデバイス1000の分解図を図示し、皮膚置換層1002、マイクロステープルアレイ1006、接着性層1010、および創傷1012を有する皮膚1004の一部にわたって位置付けられる、基材1008を示す。
図10および11は、並行して議論される。
【0095】
基材1008は、創傷側表面1014と、外部側表面1016と、穿孔アレイ1018と、周1020と、境界1022とを備えることができる。皮膚置換層1002は、周1024を備えることができる。接着性層1010は、周1026を備えることができる。マイクロステープルアレイ1006は、バンド1028と、返しまたはステープル1030とを備えることができる。創傷1010は、周1032と、内部1034とを備えることができる。
図12に示されるように、創傷カバーデバイス1000はさらに、縁マイクロステープルアレイ1036Aおよび1036Bを備えることができる。
【0096】
創傷カバーデバイス1000は、皮膚置換層1002を創傷1012に対して保持するように構成される。特に、マイクロステープルアレイ1006は、皮膚1004を用いて、皮膚置換層1002の生着を助長すること等によって、皮膚置換層1002がより良好に創傷1010の治癒を促進することが可能であるように、皮膚置換層1002を内部1034に対して保持するように構成されることができる。さらに、マイクロステープルアレイ1006は、複数の方向に伸展し、皮膚置換層1002を創傷1010と係合して維持し、創傷カバーデバイス1000からの患者への炎症を避けるように構成されることができる。種々の実施例では、創傷カバーデバイス1000は、皮膚置換層1002に加えて、またはその代替として、絆創膏または包帯を含むように構成されることができる。例えば、絆創膏または包帯層は、マイクロステープルアレイ1006のステープルが絆創膏または包帯および皮膚置換層1002の両方を通して延在し得るように、基材1008と皮膚置換層1002との間に追加されることができる。
【0097】
皮膚置換層1002は、創傷1012の内部1034を被覆および充填するように構成されることができる。皮膚置換層1002は、患者の皮膚1004またはドナーから等のヒト皮膚、合成皮膚、もしくはブタ等からの動物皮膚を備えることができる。本明細書に解説されるように、皮膚置換層1002は、通常、ブタである、異種移植片として知られる、動物から取得される、皮膚移植片、2)生体または死体のいずれかであり得る、同種移植片として知られる、ドナーから取得される、皮膚移植片、3)胎盤からの胎児組織である、羊膜、および4)患者の皮膚の小生検から取得される皮膚細胞を成長させることによって生産される、培養された上皮自家移植片を備えることができる。皮膚生成または再生を助長する、他のタイプの皮膚代用品または置換品もしくは他のタイプの材料も、使用されることができる。
【0098】
皮膚置換層1002は、創傷1012を被覆するように定寸されることができる。例えば、皮膚置換層1002は、周1024が、創傷1010の周1032より大きい、それと等しいサイズ、またはより小さいように、構成または選択されることができる。皮膚置換層1002は、基材1008より小さいまたはそれと等しいサイズであることができる。皮膚置換層1002が、1008より小さい場合、境界1022を形成する基材1008のバンドは、皮膚置換層1002を越えて延在し、接着性層1010が皮膚1004に取り付けられることを可能にし得る。境界1022は、随意の特徴である。そのような構成では、接着性層1010は、創傷1012の周1032から離れて皮膚1004に取り付けられることができ、皮膚1004の健康は、改善され、より弾力性であることができる。他の実施例では、皮膚置換層1002は、創傷1012の周1032内に嵌合するように定寸されることができる。下記に議論されるように、創傷カバーデバイス1000の種々の構成が、異なるサイズ、形状、および深度の創傷のための被覆を提供するために実装されることができる。用途に応じて、創傷カバーデバイス1000はまた、囲繞皮膚にわたる最適嵌合および共形化のために要求されるサイズに切断されることができる。
【0099】
基材1008は、創傷側表面1014と、外部側表面1016と、穿孔アレイ1018と、周1020と、境界1022とを備えることができる。基材1008は、マイクロステープルアレイ1006を保持するための任意の好適な材料を含むことができる。種々の実施例では、基材1008は、皮膚1004に伴った移動および伸展を促進するように、伸展可能であることができる。実施例では、基材1008は、ポリウレタン、ポリエチレンまたはテレフタル酸ポリエチレン、ポリエステル不織布、または任意の医療テープ材料から作製されることができる。但し、他のポリマーまたはプラスチック材料もしくは他の合成または天然材料も、使用されることができる。
【0100】
接着性層1010は、マイクロステープルアレイ1006を基材1008に結合するための任意の好適な材料であることができ、したがって、接着剤である必要はないが、糊または別の接着剤を備え得る。接着性層1010は、メタクリレートおよびエポキシジアクレリレート(ビニル樹脂としても知られる)を含む、アクリル酸塩、親水性コロイド、シリコーン、時として、ハイブリッドとして知られる、それらの組み合わせ、または任意の公知の医療接着性材料を備えることができる。実施例では、接着性層1010は、基材1008に伴って撓曲および伸展することができる。接着性層1010は、実施例では、基材1008の創傷側表面1014の全部または実質的に全部を被覆することができる。
【0101】
図12は、
図10および11の創傷カバーデバイス1000の上面図を図示し、皮膚1004内の創傷1012に対する、皮膚置換層1002、マイクロステープルアレイ1006、および基材1008内の穿孔1018の位置付けを示す。加えて、縁マイクロステープルアレイ1036Aおよび1036Bが、皮膚置換層1002から離れて等、皮膚1004への創傷カバーデバイス1000の継合を促進するための随意の特徴として、基材1008に取り付けられることができる。縁マイクロステープルアレイ1036Aおよび1036Bは、剥離または丸まりが生じ得る、基材1008の縁における創傷1012から離れて等、皮膚1004への創傷カバーデバイス1000の付加的固着を提供することができる。1036Aおよび1036Bは、創傷カバーデバイス100内のマイクロステープルアレイ1006の存在を伴って、または伴わずに、使用されることができる。
【0102】
創傷カバーデバイス1000は、種々の異なるサイズにおいて構成されることができる。すなわち、創傷カバーデバイス1000の製造業者は、創傷カバーデバイス1000と類似するが、異なるサイズ、形状、および深度の創傷を被覆するように構成される、層および構成要素のデバイスを生産することができる。したがって、創傷カバーデバイス1000は、正方形、長方形、円形、および他の形状等、異なるサイズならびに形状において構成されることができる。同様に、皮膚置換層1002のサイズおよび形状も、異なる創傷を収容するように変動されることができ、皮膚置換層1002の厚さも、異なる厚さの創傷を収容するように変動されることができる。実施例では、皮膚置換層1002は、単一デバイス内で変動する厚さを有することができる。他の実施例では、皮膚置換層1002は、カバーマイクロステープルアレイ1006の一部のみを被覆するように構成される、またはその周を越えて延在されることができる。
【0103】
図12から分かるように、創傷カバーデバイス1000の構成は、皮膚置換層1002が創傷1012を完全に被覆するように選択されることができる。したがって、周1024および周1024内の表面積は、周1032および周1032内の表面積より大きくあることができる。しかしながら、種々の実施例では、皮膚置換層1002は、創傷1012より大きい、それに等しい、またはより小さくあることができる。基材1008は、皮膚置換層1002より大きくあることができる。したがって、周1020および周1020内の表面積は、周1024および周1024内の表面積より大きくあることができる。接着性層1010は、基材1008と同一サイズであることができる、またはマイクロステープルアレイ1006および皮膚置換層1002を取り付けるために十分な周領域に沿って、および境界1022等の周1020内の選択された局所面積のみに位置付けられることができる。したがって、周1026は、周1020と同一サイズであることができる。したがって、境界1022を形成する基材1008の幅は、皮膚置換層1002を囲繞し、それによって、接着性層1010が、創傷1012から離れてその健康な部分において、直接、皮膚1004に接触することを可能にし得る。他の実施例では、接着性層1010は、マイクロステープルアレイ1006が創傷カバーデバイス1000と皮膚1004の結合のみを提供するように、マイクロステープルアレイ1006と基材1008の結合のみを提供するように定寸されることができる。例えば、接着性層1010は、基材1008の境界1022を被覆しないように定寸されることができる。
【0104】
他の実施例では、皮膚置換層1002は、周1020、1024、および1026が、例えば、製造を促進するように同一サイズであるように、基材1008および接着性層1010と同一サイズであることができる。
【0105】
図12から分かるように、穿孔1018が、基材1008内に提供されることができる。穿孔1018は、基材1008を通して創傷側表面1014から外部側表面1016に延在する、複数の孔を備えることができる。穿孔1018は、創傷1012の排液および呼吸を促進することができる。穿孔1018は、例えば、接着性層1010を介した基材1008と皮膚1004の良好な接着力を促進するために、基材1008の周1020まで延在する必要はない。例えば、境界1022または他の選択された面積は、穿孔1018がないことができる。しかしながら、他の実施例では、穿孔1018は、周1020まで延在し、例えば、製造を促進することができる。穿孔1018は、基材1008上でアレイまたはパターンに配列されることができる。示される実施例では、穿孔1018は、同一直径および同一間隔を有する、円形孔の行列のグリッド構造に配列される。しかしながら、穿孔1018は、他の構成および密度に配列され、他の形状ならびにサイズを有することもできる。穿孔1018は、変動されるサイズの孔を含むことができ、非均一に離間されることができる。穿孔1018は、創傷1012の表面積のあるパーセンテージを被覆するように構成されることができる。例えば、穿孔1018を画定する孔は、内部1034のあるパーセンテージを被覆するように構成されることができる。ある実施例では、穿孔1018は、内部1034の約0.1パーセント~約75パーセントを被覆することができる。特定の実施例では、穿孔1018は、内部1034の約50パーセントを被覆する。穿孔1018は、略円形のみであるが、また、使用される製造方法に応じて、卵形であることもできる。しかしながら、他の形状もまた、使用されることができる。さらに、穿孔密度もまた、本デバイス全体を通して変動し得る。
【0106】
マイクロステープルアレイ1006は、本明細書に説明される、任意のタイプの微小構造またはマイクロステープルを備えることができる。マイクロステープルアレイ1006は、バンド1028およびステープル1030を備えることができる。バンド1028は、例えば、成形された金属ワイヤ、または打ち抜かれた、もしくはエッチングされたリボンを備えることができる。描写される実施例では、バンド1028は、マクロおよびマイクロ蛇行パターンを有するように配列される。例えば、1つの特定の実施例では、バンド1028は、
図12の具体的配向に関して、基材1008を横断して、6つの水平長さを作製するように巻装され、5つの短い垂直長さが、交互側上の水平長さに接続する。各水平長さは、それ自体が約6つの方形波パターンを有し得る。そのような構成は、垂直および水平方向に伸展性を伴う、マイクロステープルアレイ1006を提供することができる。他の実施例では、マイクロステープルアレイ1006は、他のマイクロおよびマクロパターンを有し、例えば、1つ以上の方向に伸展性を提供することができる。例えば、
図1-8のアレイ110、210、310、410、510、610、710、および810が、創傷カバーデバイス1000の種々の構成の中に組み込まれることができる。種々の実施例では、マイクロステープルアレイ1006は、公開第‘739号および第‘039号に議論されるものを含む、カンチレバー式ばね等の他の微小構造を備えることができる。バンド1028に沿ったステープル1030の数および間隔は、異なる実施例では、変動し得る。実施例では、各方形波区画は、ステープル1030のうちの1つ等の微小構造を有することができる。付加的実施例では、水平または垂直方形波区画のみが、微小構造を有し、指向性伸展を促進することができる。
【0107】
マイクロステープルアレイ1006は、皮膚置換層1002のそれらの寸法にほぼ等しい、垂直および水平寸法を有することができる。したがって、皮膚置換層1002の周1024および周1024内の皮膚置換層1002の内部は、ステープル1030を使用して、創傷1012に取り付けられることができる。したがって、創傷1012の周1032および内部1034は、加えて、ステープル1030を用いて定位置に保持される、皮膚置換層1002の一部で被覆されることができる。実施例では、マイクロステープルアレイ1006は、相互に別個であるが、基材1008を横断して分散され、皮膚置換層1002の被覆を提供し得る、複数のサブ区分内に提供されることができる。すなわち、例えば、マイクロステープルアレイ1006は、相互から分離されるが、マイクロステープルアレイ1006と同一被覆を提供する、4つのより小さい正方形形状のデバイスによって形成されることができる。
【0108】
縁マイクロステープルアレイ1036Aおよび1036Bが、加えて、基材1008上に提供され、基材1008の周のまわりの改善された固着を提供することができる。
図12は、2つの縁マイクロステープルアレイを描写するが、より少ないまたはより多い数の縁マイクロステープルアレイも、使用されることができる。例えば、4つの縁マイクロステープルアレイが、創傷カバーデバイス1000の図示される実施例では、基材1008の4つの縁のそれぞれに沿って含まれ得る。縁マイクロステープルアレイ1036Aおよび1036Bは、方形波パターンにおいて、基材1008の周1020に沿って延在する単一蛇行長さのワイヤとして構成されることができる。しかしながら、
図1-9を参照して示され、説明されるもの等の、任意の形状およびサイズの縁マイクロステープルアレイが、使用されることができる。創傷カバーデバイス1000と併用される、縁マイクロステープルアレイは、基材1008の周1020の輪郭に追従するように構成されることができる。
【0109】
付加的実施例では、創傷カバーデバイス1000は、異なるサイズに切断または断裂されるように構成されることができる。例えば、基材1008および皮膚置換層1002は、穿孔を具備し、引裂または断裂を促進することができる。マイクロステープルアレイ1006は、創傷カバーデバイス内の穿孔または他のインジケータもしくは境界によって形成される、基材1008および皮膚置換層1002の各サブ区分に対応する、複数のサブ区分内に提供されることができる。他の構成では、マイクロステープルアレイ1006は、バンド1028において等、ナイフまたはハサミによって、スライスもしくは切断されるように構成されることができる。
【0110】
図13は、断面B-Bにおいて得られる、
図12の創傷カバーデバイス1000の断面図を図示し、創傷カバーデバイス1000を皮膚1004に保持する、マイクロステープルアレイ1006のステープル1030を示す。
図14は、
図13のコールアウトAの拡大図であって、基材1008上の接着性層1010に対して保持され、皮膚置換層1002を通して皮膚1004の中に延在する、バンド1028から延在するマイクロステープルアレイ1006のステープル1030を示す。
図13および14は、並行して議論される。ステープル1030の選択された数量は、皮膚置換層1002の固着のみのために使用されるように、ステープル1030のその他より短く作製されることができ、例えば、ステープル1030のそのようなより短いものは、組織に係留するためには使用されないであろう。そのような実施例では、組織の中に挿入される、ステープル1030のより長いものとの間の間隔は、最適治療のために増加/改変されることができる。
【0111】
マイクロステープルアレイ1006は、接着性層1010を介して、基材1008に保持されることができる。特に、バンド1028は、接着性層1010を介して、基材1008の創傷側表面1014に近接近して保持されることができる。ステープル1030は、エッチングまたはスタンピングプロセス等を介して、バンド1028と一体的に形成されることができる、または種々の製造方法を介して取り付けられることができる。ステープル1030はそれぞれ、創傷側表面1014から離れるように、皮膚置換層1002に向かって、その中にまたはそれを通して延在することができる。係留するために、ステープル1030はそれぞれ、皮膚置換層1002を通して延在し、皮膚1004の中に穿通するために十分な長さを有することができる。種々の実施例では、ステープル1030は、約0.5mm~約10mmの範囲内の長さを有することができる。種々の実施例では、ステープル1030は、皮膚置換層1002の厚さに従って定寸されることができる。種々の実施例では、ステープル1030のそれぞれを少なくとも0.5mmの深度まで皮膚1004中に延在させることが望ましくあり得る。しかしながら、上記に議論されるように、ステープル1030のうちの少なくともいくつかは、皮膚1004の中に延在しないように構成されることができ、皮膚置換層1002への締結のみのために使用されることができる。
【0112】
ステープル1030のそれぞれまたはそのうちのいくつかは、皮膚1004の中に穿通し、創傷カバーデバイス1000を係留するように構成されることができる。例えば、ステープル1030はそれぞれ、公開第‘739号および第‘039号に議論されるもの等の、組織または物体と係合する、任意の形態であることができる。描写される実施例では、各ステープル1030は、二等辺四辺形形状を備え、最短縁は、基材1008から最も遠く離れて位置付けられ、最長非平行辺は、基材1008と略垂直な主軸に沿って延在する。他の実施例では、ステープル1030は、鋭的点となることができる。実施例では、基材1008の近傍のステープル103の近位部分は、皮膚置換層1002に固着するための返し等の取付特徴を含むことができる一方、皮膚置換層1002を通して穿通する、ステープル1030の部分は、組織を妨害または損傷させないように、取付特徴がないことができる。
【0113】
ステープル1030の主軸は、角度αにおいて、基材1008から延在することができる。種々の実施例では、角度αは、45~90度の範囲内であることができる。実施例では、ステープル1030は全て、同一角度αを有することができる。しかしながら、他の実施例では、ステープル1030は、単一デバイス内で変動する角度αを有することができる。
【0114】
本発明の好ましい実施例が、本明細書に示され、説明されたが、そのような実施例は、一例のみとして提供されることが当業者に明白であろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される、本発明の実施例の種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造、ならびにそれらの均等物は、それによって網羅されることが意図される。
【0115】
上記の発明を実施するための形態は、発明を実施するための形態の一部を形成する、付随する図面の参照を含む。図面は、例証として、本発明が実践され得る具体的実施形態を示す。これらの実施形態はまた、本明細書では「実施例」とも称される。そのような実施例は、示される、または説明されるものに加えて、要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、示される、または説明されるこれらの要素のみが、提供される、実施例も考慮する。また、本発明者らはまた、特定の実施例(またはその1つ以上の側面)に関して、またはは本明細書に示される、もしくは説明される他の実施例(またはその1つ以上の側面)に関してのいずれかで、示される、または説明されるこれらの要素(もしくはその1つ以上の側面)の任意の組み合わせまたは順列を使用する、実施例も考慮する。
【0116】
本書と参照することによってそのように組み込まれる任意の文書との間の一貫性のない使用法の場合、本書内の使用法が優先する。
【0117】
上記の説明は、制限的ではなく例証的であることを意図している。例えば、上記に説明される実施例(もしくはその1つ以上の側面)は、相互と組み合わせて使用されてもよい。他の実施形態も、上記の説明を精査することに応じて、当業者等によって使用されることができる。要約は、読者が、本技術開示の性質を迅速に確認することを可能にするための要件に準拠するように提供される。請求項の範囲または意味を解釈もしくは限定するために使用されるものではないであろうこととの理解とともに思慮されたい。また、上記の発明を実施するための形態では、種々の特徴が、本開示を簡素化するようにともにグループ化されてもよい。これは、未請求の開示される特徴が任意の請求項に不可欠であることを意図するものとして、解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、特定の開示される実施形態の全てに満たない特徴にあり得る。本発明の範囲は、そのような請求項に与えられる均等物の全範囲とともに、添付の請求項を参照して決定されるべきである。